JP2023117990A - 交流電動機の監視装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部トリガを設けなくとも、モータが所望の動作モードで動作しているときにモータの異常を検出するための計測を開始可能とする。【解決手段】本交流電動機の監視装置は、トリガ範囲を記憶する記憶部と、交流電動機を駆動する交流電流の電流振幅及び周波数のうちの少なくとも一方を算出する算出部と、上記算出部によって算出された電流振幅及び周波数の少なくとも一方が上記トリガ範囲内に入ると、上記交流電動機の異常を検出するためのパラメータの計測を開始する計測部と、を備える。【選択図】図7

Description

本発明は、交流電動機の監視装置に関する。
サーボシステムでは、一般に、PLC等のコントローラからの指令に従って、サーボドライバによるサーボモータのサーボ制御が行われる。このようなサーボモータの異常を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2019-204155号公報 特開2020-035187号公報
サーボモータは、サーボ制御にしたがって回転方向、回転速度及びトルク(以下、回転方向、回転速度及びトルクの組み合わせを「動作モード」とも称する)が切り替えられる。このようなサーボモータでは、サーボモータの異常によって生じる電流値の変動幅よりも動作モードの切り替えによって生じる電流値の変動幅の方が大きくなる場合がある。そのため、サーボモータの電流値の変動によってサーボモータの異常を検出しようとしても、サーボモータに生じた異常による電流値の変動が、動作モードの切り替えによる電流値の変動に埋もれてしまい、サーボモータの異常を検出する検出精度が低下する虞がある。
このような動作モードの切り替えによる検出精度低下を抑制するためには、異常検出を特定の動作モードのときに行うことが好ましい。そこで、例えば、特定の動作モードのときに外部トリガをサーボドライバに入力させて異常検出を開始させることが考えられる。しかしながら、このような構成を採用するには、外部トリガの入力端子をサーボドライバに設けるとともに、外部トリガに応じた処理を実行するようにProgrammable
Logic Controller(PLC)等のプログラムの改修を行うこととなり、外部トリガを用いた構成を採用することに対する大きな障壁となっていた。このような課題は、サーボモータに限定されず、サーボモータ及び誘導モータを含む交流電動機においても同様に生じ得る。
開示の技術の1つの側面は、外部トリガを設けなくとも、交流電動機が所望の動作モードで動作しているときに交流電動機の異常を検出するための計測を開始可能な交流電動機の監視装置を提供することを目的とする。
開示の技術の1つの側面は、次のような交流電動機の監視装置によって例示される。本交流電動機の監視装置は、トリガ範囲を記憶する記憶部と、交流電動機を駆動する交流電流の電流振幅及び周波数のうちの少なくとも一方を算出する算出部と、上記算出部によって算出された電流振幅及び周波数の少なくとも一方が上記トリガ範囲内に入ると、上記交流電動機の異常を検出するためのパラメータの計測を開始する計測部と、を備える。
交流電動機を駆動する交流電流の電流振幅は交流電動機のトルクに関連し、交流電動機を駆動する交流電流の周波数は交流電動機の回転数に関連する。そのため、上記電流振幅及び上記周波数が上記トリガ範囲内に入ることを契機として計測部による計測を開始する
ことで、計測部による計測を所望の動作モードで交流電動機が動作しているときに開始させることができる。すなわち、本交流電動機の監視装置によれば、外部トリガを設けなくとも、交流電動機が所望の動作モードで動作しているときに交流電動機の異常を検出するための計測を開始することができる。
上記交流電動機の監視装置は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記算出部は、上記電流振幅及び上記周波数の双方を算出し、同じ時刻に算出した上記電流振幅及び上記周波数のペアの出現頻度を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムを上記記憶部に記憶させる。そして、上記交流電動機の監視装置は、上記ヒストグラムを基に上記トリガ範囲を設定する設定部をさらに備える。本交流電動機の監視装置は、このような特徴を備えることで、周波数及び電流振幅の記憶に要する記憶部の記憶容量を低減することができる。
上記交流電動機の監視装置は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記設定部は、上記ヒストグラムを表示部に出力し、出力した上記ヒストグラムのうち指定された範囲を上記トリガ範囲として設定する。本交流電動機の監視装置は、このような特徴を備えることで、交流電動機のユーザ所望の範囲をトリガ範囲として設定することができる。
上記交流電動機の監視装置は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記算出部は、上記電流振幅及び上記周波数の少なくとも一方が交流電動機の停止を示す閾値以下である上記ペアを除外して、上記ヒストグラムを生成する。本交流電動機の監視装置は、このような特徴を備えることで、交流電動機が停止しているときに計測部による計測が開始されることを抑制することができる。
上記交流電動機の監視装置は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記算出部は、上記交流電流の周波数の変化率をさらに算出し、上記設定部は、上記ヒストグラムのうち、上記変化率が上記交流電動機の定常運転を示す所定範囲内である領域を上記トリガ範囲として設定する。本交流電動機の監視装置は、このような特徴を備えることで、交流電動機の運転が定常時に計測されることが好ましいパラメータをより正確に計測することができる。
上記交流電動機の監視装置は、さらに、次の特徴を備えてもよい。上記パラメータが上記交流電動機の異常を示す閾値を超えた場合、上記交流電動機の異常を通知する通知部をさらに備えてもよい。本交流電動機の監視装置は、このような特徴を備えることで、交流電動機に異常があった場合に通知をすることができる。
上記交流電動機の監視装置において、上記パラメータは、上記交流電流の高調波含有率を含んでもよい。
開示の技術によれば、外部トリガを設けなくとも、交流電動機が所望の動作モードで動作しているときに交流電動機の異常を検出するための計測を開始可能とすることができる。
図1は、実施形態に係るサーボシステムの構成例を概略的に示す図である。 図2は、モータの概略構成を示す図である。 図3は、サーボドライバが有する機能部の概略構成を示す図である。 図4は、モータに供給される電流値を模式的に示す図である。 図5は、モータが正常に動作している場合において、監視装置によって計測された高調波含有率を模式的に示す図である。 図6は、モータに異常が発生している場合において、監視装置によって計測された高調波含有率を模式的に示す図である。 図7は、監視装置が有する機能部の概略構成を示す図である。 図8は、算出部によって算出された電流振幅を模式的に示す図である。 図9は、算出部によって算出された周波数を模式的に示す図である。 図10は、算出部によって算出された電流振幅と周波数とを模式的に示す図である。 図11は、算出部によって算出された電流振幅の時系列データを例示する図である。 図12は、算出部によって算出された周波数の時系列データを例示する図である。 図13は、算出部によって生成されるヒストグラムを例示する図である。 図14は、ヒストグラム上でトリガとして設定された領域を模式的に示す図である。 図15は、設定部による電流振幅及び周波数の範囲を設定する処理の処理フローの一例を示すフローチャートである。 図16は、監視装置によるモータの異常を検出する処理の処理フローの一例を示す図である。 図17は、監視装置によるモータの異常を検出する処理の処理フローの別例を示す図である。 図18は、第1変形例において、3次元のヒストグラム上でトリガとして設定された領域を模式的に示す図である。
<実施形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰り返さない。本開示では、サーボシステムの一つの例示的形態として、産業用システムを示す。しかしながら、本発明に係るサーボシステムの用途は特に限定されるものではない。
<実施形態>
図1は、実施形態に係るサーボシステム100の構成例を概略的に示す図である。サーボシステム100は、PLC1と、サーボドライバ2と、監視装置9とを含む。サーボドライバ2はサーボモータ3を駆動制御するように配置される。サーボモータ3の出力軸32は、カップリング51によって、ねじ軸52と繋がれる。ねじ軸52には精密ステージ53が配置される。精密ステージ53は、サーボモータ(以下、「モータ」という)3の駆動によりねじ軸52上を変位する。
ねじ軸52に沿った精密ステージ53の駆動範囲の両端部には、ストッパ(図示省略)が設けられる。精密ステージ53がストッパに接触する際の衝撃は、モータ3のトルク制御によって可及的に軽減される。精密ステージ53には、ワーク8が載せられる。このように図1に例示するサーボシステム100においては、モータ3による駆動軸が1本設けられているが、駆動軸は2本以上設けられてもよい。
PLC1は、サーボドライバ2に指令信号を出力する。PLC1は、予め準備されたプログラムに従う処理を実行することによって、たとえばサーボドライバ2の監視装置として機能する。
そして、サーボドライバ2は、PLC1から指令信号を受ける。さらにサーボドライバ
2は、モータ3からフィードバック信号を受ける。サーボドライバ2においては、それぞれ、位置制御器、速度制御器、電流制御器等を利用したフィードバック制御を行うサーボ系が形成されており、これらの信号を利用して、モータ3をサーボ制御し駆動する。
モータ3は、モータ本体30とエンコーダ31とを含む。モータ3は、例えばACサーボモータである。モータ3は、サーボドライバ2からの駆動電流を、動力線40を介して給電される。エンコーダ31は、モータ本体30の出力軸32の変位を検出する。エンコーダ31が検出する出力軸32の変位としては、例えば、出力軸32の回転方向や回転量、回転速度等を挙げることができる。エンコーダ31は、検出された変位を示すフィードバック信号を、エンコーダケーブル41を介してサーボドライバ2に出力する。そして、動力線40には、モータ3を監視する監視装置9が設けられる。「駆動電流」は交流電流の一例である。
次に、エンコーダ31の機能的な構成について、説明する。図2は、モータ3の概略構成を示す図である。モータ3が備えるエンコーダ31は、信号生成部311と、通信部312と、記憶部313と、を含む。
信号生成部311は、サーボドライバ2により駆動されるモータ3のモータ本体30の動作を検出して、検出された動作を示すフィードバック信号を生成する。フィードバック信号は通信部312に出力される。フィードバック信号には、例えばモータ本体30の回転軸の回転位置(角度)についての情報、当該回転軸の回転速度についての情報、当該回転軸の回転方向についての情報などが含まれる。信号生成部311の構成には、例えば公知のインクリメンタル型またはアブソリュート型の構成を適用することができる。
通信部312は、サーボドライバ2と通信するためのインターフェースである。本実施の形態において、通信部312は、エンコーダケーブル41を介して、フィードバック信号をサーボドライバ2に送る。この実施の形態では、通信部312からのフィードバック信号及び検出信号の送信には、シリアル通信が適用される。これにより、ケーブルに含まれる信号線の本数を少なくすることができる。エンコーダケーブル41によるシリアル通信には、例えばRecommended Standards 232(RS-232C)、RS-422、あるいはRS-485などの公知の通信規格を採用することができる。
記憶部313は、モータ3のサーボ制御に係るデータを記憶する記憶部である。記憶部313は、例えば、Electrically Erasable Programmable Read Only Memory(EEPROM)である。モータ3は、「交流電動機」の一例である。
モータ3は、サーボドライバ2によるサーボ制御によって駆動される。図3は、サーボドライバ2が有する機能部の概略構成を示す図である。サーボドライバ2は、演算装置、記憶装置等を有するコンピューターとみなすことができる。図6に示す機能部は、サーボドライバ2において所定のプログラム等が実行されることで実現される。サーボドライバ2は、通信部21及びサーボ制御部22を有するが、これら以外の機能部を有していても構わない。
通信部21は、通信ケーブル11を介して外部との通信を司る機能部である。例えば、通信部21は、PLC1との通信のためのインターフェースとして機能する。さらに、通信部21は、エンコーダケーブル41を介したエンコーダ31との通信のためのインターフェースとしても機能する。
サーボ制御部22は、PLC1からの指令に基づいてモータ3をサーボ制御するための機能部であり、具体的には、位置制御器、速度制御器、電流制御器等を利用したフィードバック制御を行う機能部である。なお、位置制御器、速度制御器、電流制御器等については、制御対象であるモータ3のサーボ制御が好適に行われるよう速度ゲイン等の制御パラメータが適宜設定される。サーボ制御部22は、例えば、精密ステージ53に載せられるワーク8に応じてモータ3の動作モードを切り替える。
監視装置9は、サーボドライバ2によるサーボ制御によって駆動されるモータ3を監視することで、モータ3の異常の検出を行う。異常検出に用いるパラメータとしては、モータ3に供給される電流の高調波含有率、電流平均値、電流実効値等を採用することができる。本実施形態では、監視装置9は、モータ3に供給される電流の高調波含有率を用いてモータ3の異常を検出するものとする。
図4は、モータ3に供給される電流値を模式的に示す図である。図4では、サーボドライバ2によるサーボ制御によって、「動作A」、「動作B」、「動作C」、「停止」の各動作モードが切り替えられた場合が例示される。図4を参照すると、動作モードが切り替えられるたびにモータ3に供給される電流値が大きく変動することが理解できる。ここでは、「動作B」の際に精密ステージ53上にワーク8が載せられて、モータ3の駆動によってワーク8が搬送されるものとする。そして、サーボシステム100のユーザは、ワーク8を搬送するときにおけるモータ3の異常を検出したいものとする。
図5は、モータ3が正常に動作している場合において、監視装置9によって計測された高調波含有率を模式的に示す図である。また、図6は、モータ3に異常が発生している場合において、監視装置9によって計測された高調波含有率を模式的に示す図である。図6は、動作Bのときにモータ3に異常が発生している場合が例示される。また、図6では、「動作B」におけるモータ3の異常を検出するために設定された閾値も例示される。ここでは、閾値は、「動作A」における高調波含有率よりも低く設定されている。
図6では、異常が発生したことにより、動作Bにおける高調波含有率が閾値以上となっていることが理解できる。しかしながら、図6の例では、動作Bにおいて異常が発生したことにより高調波含有率に変動よりも、動作Aにおける高調波含有率と動作Bにおける高調波含有率との差の方が大きい状態となっている。
このような場合に、図6に例示するような一律の閾値を設定して異常を検知しようとすると、動作Bにおいて生じた異常が検出される一方で、動作Aにおいては異常が発生していないにも関わらず異常が発生していると誤検知される虞がある。そこで、このような誤検知の発生を抑制するため、本実施形態では、以下に示すような監視装置9の構成を採用する。
図7は、監視装置9が有する機能部の概略構成を示す図である。監視装置9は、演算装置、記憶装置等を有するコンピューターとみなすことができる。図7に示す機能部は、監視装置9において所定のプログラム等が実行されることで実現される。監視装置9は、算出部91、設定部92、計測部93、通知部94及び記憶部95を有するが、これら以外の機能部を有していても構わない。
算出部91は、モータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数を算出する機能部である。周波数は、例えば、電流波形から算出することが可能である。算出部91は、例えば、電流波形のゼロクロス点を検出し、次のゼロクロス点までの時間を基に周波数を算出することができる。算出部91によって算出された電流振幅及び周波数は、例えば、計測部93による計測開始のトリガとして用いられる。駆動電流の電流振幅はモータ3のト
ルクに関連し、駆動電流の周波数はモータ3の回転数に関連するパラメータである。
さらに、算出部91は、同じ時刻におけるモータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数の出現頻度を算出する。図8から図10は、算出部91による電流振幅と周波数とのペアの出現頻度算出を模式的に説明する図である。図8は、算出部91によって算出された電流振幅を模式的に示す図である。図8の縦軸は電流振幅を示し、横軸は時間を示す。図9は、算出部91によって算出された周波数を模式的に示す図である。図9の縦軸は周波数を示し、横軸は時間を示す。図8と図9とでは、同じ時刻に算出された電流振幅と周波数とを丸で囲まれた数字で対応付ける。例えば、図8において丸で囲まれた「3」で例示される電流振幅と、図9において丸で囲まれた「3」で例示される周波数とは、同じ時刻に算出されたものである。
図10は、算出部91によって算出された電流振幅と周波数とを模式的に示す図である。図10では、縦軸が電流振幅を示し、横軸は周波数を示す。図10では、同じ時刻に算出された電流振幅と周波数のペアがグラフ上にプロットされる。一方の軸が電流振幅を示し他方の軸が周波数を示す空間上に電流振幅と周波数のペアをプロットすることで、どのような電流振幅と周波数のペアが頻繁に出現するかを理解することができる。
以上の説明を踏まえて、算出部91による、同じ時刻に算出された電流振幅と周波数とのペアの出現頻度の算出についてさらに説明する。算出部91は、所定の学習期間の間、駆動電流の電流振幅と周波数を算出する。この算出部91による電流振幅と周波数の算出は、サーボドライバ2によって切り替えられるモータ3の動作モード毎に行われる。
図11は、算出部91によって算出された電流振幅の時系列データを例示する図である。図11において、縦軸は電流振幅(A)を示し、横軸は時間(秒)を示す。図12は、算出部91によって算出された周波数の時系列データを例示する図である。図12において、縦軸は周波数(Hz)を示し、横軸は時間(秒)を示す。
算出部91は、算出した電流振幅の時系列データと周波数の時系列データとを基に、同じ時刻に算出された電流振幅と周波数のペア夫々の出現頻度を算出する。算出部91は、算出した電流振幅と周波数のペアの全てについて出現頻度を記憶部95に記憶させてもよい。なお、算出した電流振幅と周波数のペアの全てについて出現頻度を記憶部95に記憶させる場合、記憶部95に記憶させるデータ量が増大する。そのため、記憶容量の大きな記憶部95を採用したり、上位装置にデータを転送したりすることになる。そこで、算出部91は、記憶部95に記憶させるデータ量を低減するため、収集したデータを上記ペアの出現頻度を示す2次元のヒストグラムを生成する。
図13は、算出部91によって生成されるヒストグラム241を例示する図である。図13では、縦軸が周波数を示し、横軸が電流振幅を示す。そして、ヒストグラム241では、電流振幅及び周波数が所定間隔毎に区切られて複数の領域が画定される。確定された複数の領域の夫々は、電流振幅と周波数とのペアが含まれる。そして、夫々の確定された領域における色の濃淡は当該領域に対応付けられた電流振幅と周波数とのペアの出現頻度を示し、色が濃いほど出現頻度が高いことを示す。電流振幅と周波数のペアの出現頻度をこのようなヒストグラム241として記憶部95に記憶させることで、電流振幅と周波数のペアの出現頻度の記憶に使用される記憶容量を、電流振幅の所定間隔数と周波数の所定間隔数とを乗じたサイズに抑制することができる。
ここで、算出部91は、例えば、算出した電流振幅及び周波数の少なくとも一方がモータ3の停止を示す所定値以下となる電流振幅及び周波数のペアについては、ヒストグラム241から除外してもよい。すなわち、算出部91は、算出した電流振幅及び周波数の少
なくとも一方がモータ3の停止を示す所定値以下となる電流振幅及び周波数のペアを除外してヒストグラム241を生成してもよい。
設定部92は、計測部93による計測を開始するためのトリガを設定する。設定部92は、例えば、ヒストグラム241において、所定のトリガ設定条件を満たす領域をトリガとして設定してもよい。トリガ設定条件としては、例えば、ヒストグラム241において、出現頻度が全データ数の5%以上となる電流振幅と周波数を挙げることができる。ヒストグラム241においてこのようなトリガ設定条件を満たす領域としては、例えば、図13の領域R1を挙げることができる。このようなトリガ設定条件でトリガが設定されることで、最も頻繁に現れるモータ3の動作状態をトリガとすることができる。
また、例えば、トリガ設定条件は、例えば、ヒストグラム241において、出現頻度が所定値以上である領域の内、周波数が最も高いこととしてもよい。図13の例では、このようなトリガ設定条件を満たす領域も、図13の領域R1を挙げることができる。このようなトリガ設定条件でトリガが設定されることで、出現頻度が高く、かつ、モータ3の回転周波数が高いことをトリガとすることができる。
また、トリガ設定条件は、ヒストグラム241において、出現頻度が所定値以上である領域の内、電流振幅が最も大きい領域としてもよい。ヒストグラム241においてこのようなトリガ設定条件を満たす領域としては、例えば、図13の領域R2を挙げることができる。このようなトリガ設定条件でトリガが設定されることで、出現頻度が高く、かつ、モータ3のトルクが大きいことをトリガとすることができる。
なお、設定部92は、ヒストグラム241をディスプレイ等に表示し、トリガとして設定する領域をユーザに指定させてもよい。モータ3の動作モードに応じて周波数及び電流振幅は変動することから、例えば、「動作B」(図4参照)におけるモータ3の異常検出を所望する場合、「動作B」に対応する領域がヒストグラム241上で指定されればよい。
そして、設定部92は、設定したトリガを記憶部95に記憶させる。図14は、ヒストグラム241上でトリガとして設定された領域を模式的に示す図である。図14の縦軸は周波数を示し、横軸は電流振幅を示す。図14では、トリガとして設定された領域R3が例示される。領域R3は、周波数の範囲がA1以上A2以下、電流振幅の範囲がB1以上B2以下の矩形となっている。領域R3がトリガとして設定されている場合、後述する計測部93は、算出部91によって算出された周波数がA1以上A2以下、かつ、算出部91によって算出された電流振幅がB1以上B2以下である場合に、計測を開始する。
計測部93は、算出部91によって算出された電流振幅及び周波数が設定部92によってトリガとして設定された領域内に属したときに、モータ3の異常検出のための計測を行う。計測部93は、例えば、モータ3に供給される電流波形に含まれる高調波含有率を計測する。計測部93は、例えば、モータ3に供給される電流波形に対して高速フーリエ変換(FFT)を行うことでその基本波及びn次高調波(nは2以上の整数)を求める。そして、計測部93は、基本波に対する2次以上の高調波の割合を算出することで、高調波含有率を計測する。
通知部94は、計測部93によって計測された高調波含有率が記憶部95に記憶された閾値を超えた場合に、異常を通知する。異常を通知する手段としては、警報音の出力、ディスプレイへの警告メッセージの出力、電子メールによる通知等を挙げることができる。
記憶部95は、例えば、EEPROMである。記憶部95には、設定部92によって設
定されたトリガや通知部94が使用する閾値が記憶される。また、記憶部95には、計測部93が計測を実行する計測時間が記憶されてもよい。監視装置9は、「監視装置」の一例である。
図15は、設定部92による電流振幅及び周波数の範囲を設定する処理の処理フローの一例を示すフローチャートである。以下、図15を参照して、設定部92による電流振幅及び周波数の範囲を設定する処理の処理フローの一例について説明する。
T1では、PLC1、サーボドライバ2、モータ3が接続されてサーボシステム100が構築される。そして、サーボドライバ2のサーボ制御部22は、PLC1からの指令信号に応じて所定の動作モード(例えば、図4の動作A)でモータ3の駆動を開始する。
T2では、監視装置9の算出部91は、モータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数を算出する。算出部91は、モータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数の算出を、所定時間継続して行う。さらに、算出部91は、同じ時刻に算出された電流振幅と周波数とのペアの出現頻度を算出する。
T3では、サーボドライバ2のサーボ制御部22は、モータ3の動作モードを切り替える。サーボ制御部22は、例えば、動作モード「動作A」でモータ3を駆動している場合、動作モード「動作B」に切り替えてモータ3を駆動すればよい。モータ3の全動作モードについてモータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数の記録が完了した場合(T4で「YES」)、処理はT5に進められる。モータ3の全動作モードについてモータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数の記録が完了していない場合(T4で「NO」)、処理はT2に進められる。
T5では、監視装置9の設定部92は、トリガを設定する。設定部92は、T2で算出部91によって算出された電流振幅及び周波数を基にヒストグラム241を算出し、ヒストグラム241において、所定のトリガ設定条件を満たす領域をトリガとして設定してもよい。また、設定部92は、ヒストグラム241をディスプレイ等に表示し、トリガとして設定する領域をユーザに指定させてもよい。
図16は、監視装置9によるモータ3の異常を検出する処理の処理フローの一例を示す図である。図16では、算出部91によって算出された電流振幅及び周波数がトリガとして設定されている領域内に入っている間は継続して、計測部93による計測が行われる場合について説明する。以下、図16を参照して、監視装置9によるモータ3の異常を検出する処理の処理フローの一例について説明する。
T11では、算出部91は、モータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数を算出する。算出された電流振幅及び周波数が、例えば、図15のT5でトリガとして設定された領域内に属する場合(T12で「YES」)、処理は、T13に進められる。算出された電流振幅及び周波数が、例えば、図15のT5でトリガとして設定された領域内に属しない場合(T12で「NO」)、処理は、T11に進められる。
T13では、計測部93は、モータ3に供給される電流の電流波形に含まれる高調波含有率を計測する。計測された高調波含有率が記憶部95に記憶された閾値を超えた場合(T14で「YES」)、処理はT15に進められる。計測された高調波含有率が記憶部95に記憶された閾値以下である場合(T14で「NO」)、処理はT11に進められる。
T15では、通知部94は、モータ3に異常が発生していることを通知する。
図17は、監視装置9によるモータ3の異常を検出する処理の処理フローの別例を示す図である。図17では、計測部93による計測が一定時間継続される場合の処理フローについて説明する。以下、図17を参照して、監視装置9によるモータ3の異常を検出する処理の処理フローの別例について説明する。なお、図16と同一の処理については同一の符号を付し、その説明を省略する。
T14aでは、T13で計測された高調波含有率が記憶部95に記憶された閾値を超えた場合(T14aで「YES」)、処理はT15に進められる。T13で計測された高調波含有率が記憶部95に記憶された閾値以下である場合(T14aで「NO」)、処理はT16に進められる。
T16では、計測部93は、高調波含有率を計測している計測時間が、記憶部95に記憶された計測時間を経過したか否かを判定する。計測時間を経過した場合(T16で「YES」)、処理はT11へ進められる。計測時間を経過していない場合(T16で「NO」)、処理はT13へ進められる。
<実施形態の作用効果>
本実施形態では、予め算出されたモータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数を基に、トリガとする領域が設定される。駆動電流の電流振幅はモータ3のトルクに関連し、駆動電流の周波数はモータ3の回転数に関連する。そのため、本実施形態は、このような電流振幅及び周波数を基にトリガが設定されることで、異常検出のための計測を開始させるためのトリガを外部から入力することなく、所望の動作モードのモータ3に対して異常検出のための計測を行うことができる。
本実施形態では、算出部91によって算出された周波数及び電流振幅をヒストグラム241として記憶部95に記憶させる。このような処理により、本実施形態では、周波数及び電流振幅の記憶に要する記憶部95の記憶容量を低減することができる。
また、本実施形態では、設定部92は、ヒストグラム241をディスプレイ等に表示し、トリガとして設定する領域をユーザに指定させることもできる。本実施形態は、このような特徴を備えることで、ユーザ所望の領域をトリガとして設定することができる。
本実施形態において、算出部91は、算出した電流振幅及び周波数の少なくとも一方がモータ3の停止を示す所定値以下となる電流振幅及び周波数のペアを除外して、ヒストグラム241を生成することができる。本実施形態は、このようにヒストグラム241が生成されることで、モータ3が停止している場合に計測部93による計測が行われることを抑制することができる。
<第1変形例>
以上説明した実施形態では、電流振幅及び周波数のペアを基に、計測部93による計測を開始するトリガが設定された。第1変形例では、電流振幅及び周波数に加えて、周波数の変化率を基に、計測部93による計測を開始するトリガが設定される。
第1変形例の場合、算出部91は、例えば、ヒストグラム241に代えて、電流振幅、周波数及び周波数の変化率を3本の直交軸夫々に配置した3次元のヒストグラムを生成すればよい。図18は、第1変形例において、3次元のヒストグラム上でトリガとして設定された領域を模式的に示す図である。第1変形例のように3つのパラメータを含む3次元のヒストグラムが生成される場合でも、当該ヒストグラムを基に、トリガとなる領域を設定することができる。
なお、トリガを設定するパラメータとして周波数の変化率が含まれる場合、周波数の変化率が0に近い領域がトリガとなる領域として選択されることが好ましい。周波数の変化率が0に近いこととしては、例えば、周波数の変化率が0からモータ3の回転速度の変動が無いことを示す所定範囲内であることを挙げることができる。3次元のヒストグラムにおいて周波数の変化率が0に近い領域がトリガとして指定されることで、モータ3の運転が定常時(略一定の速度で運転している状態)であることをトリガの条件とすることができる。
このように設定されたトリガを基に計測部93による計測が開始されることで、モータ3の運転が定常時に計測されることが好ましいパラメータをより正確に計測することができる。モータ3の運転が定常時に計測されることが好ましいパラメータとしては、例えば、FFTで算出される高調波含有率を挙げることができる。すなわち、モータ3の運転が定常時であることをトリガとすることで、高調波含有率をより正確に計測することができる。
<その他の変形例>
以上説明した実施形態では、モータ3がサーボモータである場合について説明されたが、モータ3はサーボモータに限定されない。モータ3は、例えば、誘導モータであってもよい。
以上説明した実施形態では、モータ3に供給される駆動電流の電流振幅及び周波数の双方を基に計測部93に計測を開始させるトリガが設定されたが、駆動電流の電流振幅及び周波数のうちの少なくとも一方を基に計測部93に計測を開始させるトリガが設定されてもよい。
以上説明した実施形態では、サーボドライバ2とは別に監視装置9が用意されたが、監視装置9はサーボドライバ2に内蔵されてもよい。
以上で開示した実施形態や変形例はそれぞれ組み合わせることができる。
<付記1>
トリガ範囲を記憶する記憶部(95)と、
交流電動機(3)を駆動する交流電流の電流振幅及び周波数のうちの少なくとも一方を算出する算出部(91)と、
前記算出部(91)によって算出された電流振幅及び周波数の少なくとも一方が前記トリガ範囲内に入ると、前記交流電動機(3)の異常を検出するためのパラメータの計測を開始する計測部(93)と、を備える、
交流電動機の監視装置(9)。
1・・PLC
2・・サーボドライバ
3・・モータ
8・・ワーク
9・・監視装置
21・・通信部
22・・サーボ制御部
91・・算出部
92・・設定部
93・・計測部
94・・通知部
95・・記憶部
30・・モータ本体
31・・エンコーダ
241・・ヒストグラム
311・・信号生成部
312・・通信部
313・・記憶部
32・・出力軸
41・・エンコーダケーブル
51・・カップリング
52・・ねじ軸
53・・精密ステージ
100・・サーボシステム

Claims (7)

  1. トリガ範囲を記憶する記憶部と、
    交流電動機を駆動する交流電流の電流振幅及び周波数のうちの少なくとも一方を算出する算出部と、
    前記算出部によって算出された電流振幅及び周波数の少なくとも一方が前記トリガ範囲内に入ると、前記交流電動機の異常を検出するためのパラメータの計測を開始する計測部と、を備える、
    交流電動機の監視装置。
  2. 前記算出部は、
    前記電流振幅及び前記周波数の双方を算出し、同じ時刻に算出した前記電流振幅及び前記周波数のペアの出現頻度を示すヒストグラムを生成し、生成したヒストグラムを前記記憶部に記憶させ、
    前記交流電動機の監視装置は、前記ヒストグラムを基に前記トリガ範囲を設定する設定部をさらに備える、
    請求項1に記載の交流電動機の監視装置。
  3. 前記設定部は、前記ヒストグラムを表示部に出力し、出力した前記ヒストグラムのうち指定された範囲を前記トリガ範囲として設定する、
    請求項2に記載の交流電動機の監視装置。
  4. 前記算出部は、前記電流振幅及び前記周波数の少なくとも一方が交流電動機の停止を示す閾値以下である前記ペアを除外して、前記ヒストグラムを生成する、
    請求項2または3に記載の交流電動機の監視装置。
  5. 前記算出部は、前記交流電流の周波数の変化率をさらに算出し、
    前記設定部は、前記ヒストグラムのうち、前記変化率が前記交流電動機の定常運転を示す所定範囲内である領域を前記トリガ範囲として設定する、
    請求項2から4のいずれか一項に記載の交流電動機の監視装置。
  6. 前記パラメータは、前記交流電流の高調波含有率を含む、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の交流電動機の監視装置。
  7. 前記パラメータが前記交流電動機の異常を示す閾値を超えた場合、前記交流電動機の異常を通知する通知部をさらに備える、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の交流電動機の監視装置。
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