JP2023117765A - ワイヤーハーネス及び電線追加方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業工数を抑えて新たな電線を追加することができるワイヤーハーネス及び電線追加方法を提供する。【解決手段】ワイヤーハーネス1が、少なくとも1本の電線11と、電線11に沿って配設されて当該電線11と一緒に少なくとも1本が束ねられる中空の可撓性チューブであって、屈曲及び周面からの加圧のうち少なくとも一方の作用を受けても中空状態が維持される、新たな電線が追加される際に当該新たな電線が通される電線追加用チューブ12と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、ワイヤーハーネスと、ワイヤーハーネスに新たな電線を追加する電線追加方法と、に関するものである。
従来、車両における様々な電子機器に電力や各種制御信号を伝えるためにワイヤーハーネスが用いられる(例えば、特許文献1参照)。ワイヤーハーネスは、車両用ドア、インストルメントパネル、ルーフ、フロア等といった組付け場所に組み付けられる。
ところで、このようなワイヤーハーネスを搭載した車両について、販売店等において顧客の要望等を受けて部品等の追加が行われることがある。また、部品等の追加は、工場での製造時点において設計仕様の変更等を受けて行われる場合もある。そして、部品等の追加の際には、例えば電源と追加部品とを結ぶ電線等が、車両に既に搭載されている既存のワイヤーハーネスに新たな電線として追加されることが多い。
特開2019-098782号公報
しかしながら、既存のワイヤーハーネスへの新たな電線の追加は、例えばダッシュパネルの貫通作業や車内における周辺部品との干渉回避等といった作業工数の嵩む困難な作業を伴うことが多い。
尚、ここまで、既存のワイヤーハーネスへの新たな電線の追加が作業工数の嵩む困難な作業を伴うという問題について、車両搭載のワイヤーハーネスを例に挙げて説明した。しかしながら、このような問題は、車両以外を設置場所とするものも含む様々なワイヤーハーネスについても共通して生じ得る問題である。
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、作業工数を抑えて新たな電線を追加することができるワイヤーハーネス及び電線追加方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、ワイヤーハーネスは、少なくとも1本の電線と、前記電線に沿って配設されて当該電線と一緒に少なくとも1本が束ねられる中空の可撓性チューブであって、屈曲及び周面からの加圧のうち少なくとも一方の作用を受けても中空状態が維持される、新たな電線が追加される際に当該新たな電線が通される電線追加用チューブと、を備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、電線追加方法は、上述のワイヤーハーネスにおける前記電線追加用チューブの一端開口から少なくとも1本の前記新たな電線を挿入し、当該新たな電線の一端部を前記一端開口から露出させた状態で残すとともに他端開口から前記新たな電線の他端部を露出させる電線挿入工程と、前記新たな電線の露出した前記一端部及び前記他端部を、各々の接続対象に接続する端部接続工程と、を備えたことを特徴とする。
上記のワイヤーハーネス及び電線追加方法によれば、作業工数を抑えて電線を追加することができる。
第1実施形態に係るワイヤーハーネスを示す模式図である。 図1に示されているワイヤーハーネスを拡大して示した図である。 図1及び図2に示されているワイヤーハーネスにおける電線追加用チューブに新たな電線を挿入する電線挿入工程を示す模式図である。 図3に示されている電線挿入工程に続いて実施される端部接続工程のうちのエンジン側接続工程を示す模式図である。 図3に示されている電線挿入工程に続いて実施される端部接続工程のうちの車室側接続工程を示す模式図である。 第2実施形態に係るワイヤーハーネスを示す模式図である。
以下、ワイヤーハーネス及び電線追加方法の一実施形態について説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係るワイヤーハーネスを示す模式図であり、図2は、図1に示されているワイヤーハーネスを拡大して示した図である。
図1及び図2に示されているワイヤーハーネス1は、車両C11のエンジンルーム内の分配器C111から、エンジンルームと車室とを隔てるパネル部材としてのダッシュパネルC112の貫通孔C112aを貫通して車室内まで配策されるものである。分配器C111はバッテリやオルタネータ等といった電源からの電力を、車両の各種搭載機器へと分配するための装置であり、ワイヤーハーネス1は、この分配器C111の内部で分配された電力を車室内のカウルサイドまで導く。カウルサイドにおいて、ワイヤーハーネス1は、搭載機器から延出して配策された機器側ハーネスにコネクタ接続される。このワイヤーハーネス1は、複数本の電線11と、電線追加用チューブ12と、グロメット13と、外装材としてのコルゲートチューブ14と、コネクタ15と、を備えている。
複数本の電線11は、各々が被覆電線であり、分配器C111の内部における端子に各々の一端が接続され、ダッシュパネルC112を貫通してカウルサイドまで束ねられて配策される。
電線追加用チューブ12は、電線11に沿って配設されて当該電線11と一緒に束ねられる中空の可撓性チューブである。電線追加用チューブ12は、屈曲及び周面からの加圧のうち少なくとも一方の作用を受けても中空状態が維持されるチューブ素材で形成されている。このチューブ素材の一例としては、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等といったポリオレフィン樹脂、あるいは架橋ポリエチレン樹脂等の樹脂材で形成されたチューブが挙げられる。この電線追加用チューブ12は、詳細については後述するように、ワイヤーハーネス1に新たな電線が追加される際に当該新たな電線が通される部位となっている。また、電線追加用チューブ12としては、追加が想定される電線の太さや本数等に応じたチューブ径のものがワイヤーハーネス1の設計段階で選定されて利用されている。
グロメット13は、ゴム等といった弾性を有する絶縁樹脂で筒状に形成された部材である。グロメット13は、ダッシュパネルC112の貫通孔C112aに嵌入されるとともに、電線11において貫通孔C112aを通過する電線中途部分を内側に通す。そして、グロメット13は、貫通孔C112aの内周縁と電線中途部分との間に介在することで貫通孔C112aを通る水等の液体の通過を抑える。電線追加用チューブ12は、電線中途部分に対応したチューブ中途部分が電線中途部分とともにグロメット13の内側に通される。
外装材としてのコルゲートチューブ14は、絶縁樹脂で屈曲可能に形成された筒部材である。コルゲートチューブ14は、電線11における長手方向の少なくとも一部を内側に収める筒状に形成されて電線を保護する。ワイヤーハーネス1には、このコルゲートチューブ14として、電線11のエンジンルーム側を収めて保護するエンジン側チューブ141と、車室側を収めて保護する車室側チューブ142とが設けられている。電線追加用チューブ12は、両端部がコルゲートチューブ14から露出した状態で電線11とともにコルゲートチューブ14に収められる。
コネクタ15は、電線11における車室側の端部に接続され、機器側ハーネスの電線の端部に設けられた機器側コネクタと接続される。本実施形態のワイヤーハーネス1には、複数本の電線11が車室側で3つの束に分けられ、各束に1つずつ、合計で3つのコネクタ15が設けられている。電線11の各束の車室側の端部は、車室側チューブ142の端部開口から延出してコネクタ15に接続されている。他方、電線11のエンジン側の端部は、分配器C111の内部でエンジン側チューブ141の端部開口から延出し、各々の電線11に対応した端子に接続される。
ここで、本実施形態では、電線追加用チューブ12は、車室側チューブ端部121が車室側チューブ142の端部開口から延出した後にU字状に折り返されている。そして、車室側チューブ端部121における折り返された先の先端部分が電線11及び電線追加用チューブ12の束に取外しが可能な状態で仮止めされている。具体的には、車室側チューブ端部121の先端部分は、車室側チューブ142の端部開口の近傍にスリットテープ16の巻き付けによって仮止めされている。スリットテープ16は、ハサミ等の工具を必要とせずに容易に切断可能なテープ部材となっている。
他方、電線追加用チューブ12におけるエンジン側チューブ端部122は、分配器C111のエンジン側チューブ141の端部開口から延出し、分配器C111の内壁面に保持されている。分配器C111の内壁面には、電線追加用チューブ12を保持するための保持クリップC111aが取り付けられている。電線追加用チューブ12のエンジン側チューブ端部122は、この保持クリップC111aにより、エンジン側チューブ開口123を車両C11における上方に向けた姿勢で保持されている。
次に、上述した構成を有するとともに図1に示されているように車両C11に配策されたワイヤーハーネス1に、車両C11への部品等の追加にともなって新たな電線を追加するための電線追加方法について説明する。この電線追加方法は、電線追加用チューブ12に新たな電線を挿入する電線挿入工程と、挿入された電線の両端を各々の接続対象に接続する端部接続工程と、を備えている。
図3は、図1及び図2に示されているワイヤーハーネスにおける電線追加用チューブに新たな電線を挿入する電線挿入工程を示す模式図である。
この図3に示されているように、電線挿入工程S11は、ワイヤーハーネス1における電線追加用チューブ12の一端開口、本実施形態では車室側チューブ開口124から1本の新たな電線17を挿入する工程となっている。この新たな電線17も、他の電線11と同様に被覆電線となっている。上述したように、電線追加用チューブ12の車室側チューブ端部121は、U字状に折り返されて車室側チューブ142の端部開口の近傍にスリットテープ16で仮止めされている。電線挿入工程S11では、スリットテープ16が切断されて車室側チューブ端部121の仮止めが解除され、U字状の折返しが延ばされる。延ばされた車室側チューブ端部121が長過ぎる場合には、余剰部分121aがカットされ、カット後の車室側チューブ開口124からから新たな電線17が挿入される。
尚、ここでは、仮止め解除後に余剰部分121aがカットされる形態が例示されているが、カットは行わずに折返しが延ばされた電線追加用チューブ12の端部開口にそのまま新たな電線17を挿入することとしてもよい。この場合の電線追加用チューブ12は、仮止め解除後の余剰部分121aをそのまま残す形態でもよく、仮止め解除後に余剰部分が生じないように予めチューブ長が調整された形態でもよい。
電線挿入は、車室側チューブ開口124から新たな電線17の一端部である車室側電線端部171を露出させた状態で残すとともに、他端部であるエンジン側電線端部172をエンジン側チューブ開口123(他端開口)から露出させるまで続けられる。電線挿入工程S11によって、ワイヤーハーネス1における複数本の電線11に沿って新たな電線17が車室のカウルサイドからエンジンルームの分配器C111まで配策されることとなる。
電線挿入工程S11に続いて端部接続工程が行われる。端部接続工程は、新たな電線17のエンジン側電線端部172を分配器C111の内部で接続対象に接続するエンジン側接続工程と、車室側電線端部171を車室側の接続対象に接続する車室側接続工程と、を備えている。尚、エンジン側接続工程と車室側接続工程は、何れを先に実施してもよい。以下では、まず、エンジン側接続工程について説明し、その後で車室側接続工程について説明する。
図4は、図3に示されている電線挿入工程に続いて実施される端部接続工程のうちのエンジン側接続工程を示す模式図である。
上述したように、端部接続工程S12のうちのエンジン側接続工程S121は、新たな電線17のエンジン側電線端部172を分配器C111の内部で接続対象に接続する工程である。本実施形態では、この分配器C111の内部での接続対象が、例えばバッテリからの直流電力を伝えるための電源ライン等といった電線部材18となっている。この電線部材18は、被覆電線であり、ここでは特定しないが、ワイヤーハーネス1を構成する複数本の電線11のうちの1本であってもよく、ワイヤーハーネス1とは別に、分配器C111の内部に配策された電線であってもよい。
エンジン側接続工程S121の実施直前の段階では、新たな電線17におけるエンジン側の接続端部であるエンジン側電線端部172は、次のような状態にある。即ち、保持クリップC111aに保持された電線追加用チューブ12におけるエンジン側チューブ端部122のエンジン側チューブ開口123からエンジン側電線端部172が露出して分配器C111の内部に垂れ下がっている。エンジン側接続工程S121では、このエンジン側電線端部172が接続対象たる電線部材18に、エレクトロタップ19が用いられて接続される。エレクトロタップ19は、一対の挟持片191で接続対象の一対の被覆電線を挟みつけるとともに、一方の挟持片191に設けられた金属刃で被覆を破って、当該金属刃を介して芯線どうしを接続する部材である。エンジン側接続工程S121では、何れも被覆電線である新たな電線17のエンジン側電線端部172と接続対象の電線部材18が並走した状態でエレクトロタップ19の挟持片191で挟まれ、金属刃を介して芯線どうしが接続されることとなる。
図5は、図3に示されている電線挿入工程に続いて実施される端部接続工程のうちの車室側接続工程を示す模式図である。
上述したように、端部接続工程S12のうちの車室側接続工程S122は、新たな電線17の車室側電線端部171を車室側の接続対象に接続する工程である。本実施形態では、この車室側での接続対象が、ワイヤーハーネス1の電線11の端部に接続された3つのコネクタ15のうちの1つとなっている。即ち、この1つのコネクタ15を介して、車両C11に追加される部品が新たな電線17に接続され、当該部品に対する電力供給ラインが形成されることとなる。車室側接続工程S122では、新たな電線17のコネクタの側の接続端部となる、電線追加用チューブ12における車室側チューブ端部121の車室側チューブ開口124から延出した車室側電線端部171がコネクタ15に接続される。具体的には、車室側電線端部171にコネクタ15のためのコネクタ端子151が接続され、その後に、当該コネクタ15におけるハウジング152にコネクタ端子151が収容される。
上述のエンジン側接続工程S121と、この車室側接続工程S122と、による端部接続工程S12の終了を以て、本実施形態の電線追加方法によるワイヤーハーネス1に対する新たな電線17の追加が終了する。
以上に説明した第1実施形態のワイヤーハーネス1及び電線追加方法によれば、以下に説明する効果を奏することができる。
まず、本実施形態によれば、電線11と一緒に束ねられる中空の電線追加用チューブ12に新たな電線17を通すことで、特段の配策作業等は必要とせずに作業工数を抑えて当該新たな電線17を追加することができる。
ここで、本実施形態では、ワイヤーハーネス1がダッシュパネルC112の貫通孔C112aを通る液体の通過を抑えるグロメット13を更に備え、電線追加用チューブ12はグロメット13の内側に通されている。この構成によれば、例えばグロメット13に貫通孔を開けて追加用の新たな電線17を貫通させる等といった止水性能の低減を招くような作業が不要である。つまり、上記の構成によれば、グロメット13の止水性能を維持しつつ作業工数を抑えて新たな電線17を追加することができる。
また、本実施形態では、ワイヤーハーネス1が外装材としてのコルゲートチューブ14を更に備え、電線追加用チューブ12はこのコルゲートチューブ14に収められている。この構成によれば、特段の処理を要さずに、追加した新たな電線17についても、既存の他の電線11とともにコルゲートチューブ14で保護することができる。
また、本実施形態では、電線追加用チューブ12は、車室側チューブ端部121がU字状に折り返され、その折り返された先の先端部分がコルゲートチューブ14に取外しが可能な状態で仮止めされている。この構成によれば、電線追加用チューブ12の車室側チューブ端部121が仮止めされているので、仮止め解除前における車室側チューブ端部121の不用意な動きを効果的に抑えることができる。
また、本実施形態では、電線追加用チューブ12の車室側チューブ端部121は、スリットテープ16の巻き付けによってコルゲートチューブ14に仮止めされている。この構成によれば、新たな電線17を追加する際に、例えばハサミ等といった道具を必要とせずに電線追加用チューブ12の車室側チューブ端部121の仮止めを解除することができる。
また、本実施形態では、ワイヤーハーネス1が、電線11の車室側の端部に接続されたコネクタ15を更に備えている。この構成によれば、新たな電線17の車室側電線端部171について、図5に示されているようにコネクタ端子151の接続とハウジング152への収容によるコネクタ15への接続といった作業性の良好な端部処理を行うことができる。
また、本実施形態では、新たな電線17におけるエンジン側電線端部172の接続対象が電線部材18となっている。そして、図4に示されているように端部接続工程S12におけるエンジン側接続工程S121は、エンジン側電線端部172を電線部材18にエレクトロタップ19を用いて接続する工程となっている。この構成によれば、エレクトロタップ19を用いることで、新たな電線17におけるエンジン側電線端部172といった接続端部を接続対象としての電線部材18に良好な作業性の下で接続することができる。
以上で第1実施形態の説明を終了し、次に第2実施形態についての説明を行う。この第2実施形態は、ワイヤーハーネスの設置場所と、これに伴う電線追加用チューブの端部状態が上述の第1実施形態と異なっている。以下では、第2実施形態について、この第1実施形態との相違点に注目して説明を行う。
図6は、第2実施形態に係るワイヤーハーネスを示す模式図である。
図6に示されているワイヤーハーネス2は、車両C21のダッシュパネルC212とインストルメントパネルC213との間の空間に接地されたジャンクションボックスC211から車両後部まで車室内のフロア上を配策されるフロアハーネスとなっている。ジャンクションボックスC211は、エンジンルームからの電力や、車室内の機器間の各種信号の中継器であり、ワイヤーハーネス2は、このジャンクションボックスC211で中継される電力や信号を車両後部まで導く。車両後部において、ワイヤーハーネス2は、後部側の搭載機器に直に接続されたり、搭載機器又は機器側ハーネスにコネクタ接続されたりする。このワイヤーハーネス2は、複数本の電線21と、電線追加用チューブ22と、コルゲートチューブ24と、コネクタ25と、を備えている。
複数本の電線21は、各々が被覆電線であり、ジャンクションボックスC211から車両後部まで配策される。
電線追加用チューブ22は、第1実施形態における電線追加用チューブ12と同様の中空の可撓性チューブであり、そのチューブ径は、追加が想定される電線の太さや本数等に応じたチューブ径となっている。ただし、本実施形態では、ジャンクションボックスC211側と後部側との両端部でU字状に折り返されてスリットテープ26によって取外しが可能な状態で仮止めされている。
外装材としてのコルゲートチューブ24は、絶縁樹脂で屈曲可能で、ジャンクションボックスC211の近傍から車両後部まで連続した1本の筒部材である。そして、コルゲートチューブ24は、電線21及び電線追加用チューブ22を内側に収めて保護するようにインストルメントパネルC213の下端を潜ってフロア上に設置される。電線追加用チューブ22の両端部は、この1本のコルゲートチューブ24の両端部に仮止めされている。
コネクタ25は、本実施形態では、電線21のジャンクションボックスC211の側の端部に1つ、後部側の端部に2つ、が接続されている。ジャンクションボックスC211の側のコネクタ25は、ジャンクションボックスC211における1つのコネクタ嵌合部に接続され、後部側のコネクタ25は、各々対応する搭載機器や機器側ハーネスに接続される。尚、本実施形態では、電線21の一部は、後部側でコルゲートチューブ24の端部開口を出た後、コネクタ25に接続されることなく搭載機器の端子に直に接側されることとなっている。
図6には、上述のワイヤーハーネス2に、車両C21に追加搭載される後部カメラC22からの機器電線を、新たな電線27として追加する様子が電線追加方法の一例として例示されている。ここでの例では、電線挿入工程において、電線追加用チューブ22の両端部についてスリットテープ26が切断されて仮止めが解除される。後部カメラC22からの新たな電線27は、電線追加用チューブ22の後部側の開口から挿入される。そして、ジャンクションボックスC211の側の開口から先端部が露出するまで新たな電線27の挿入が続けられる。その後の端部接続工程では、ジャンクションボックスC211の側の開口から露出した新たな電線27の先端部にコネクタ端子が接続され、コネクタ25のハウジングに挿入される。この端部接続工程により、後部カメラC22からの機器電線たる新たな電線27の端部がコネクタ25に接続されて、ワイヤーハーネス2に対する後部カメラC22からの新たな電線27の追加が完了する。そして、この後は、ジャンクションボックスC211を介して後部カメラC22に電力が供給されるとともに、後部カメラC22と他の搭載機器との信号の遣り取りが可能となる。
以上に説明した第2実施形態のワイヤーハーネス2及び電線追加方法によっても、上述の第1実施形態と同様に、作業工数を抑えて新たな電線27を追加可能であることは言うまでもない。
尚、以上に説明した第1及び第2実施形態はワイヤーハーネス及び電線追加方法の代表的な形態を示したに過ぎず、ワイヤーハーネス及び電線追加方法は、これらの実施形態に限定されるものではない。即ち、ワイヤーハーネス及び電線追加方法は、その骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の第1実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、エンジンルームの分配器C111から車室内のカウルサイドまでダッシュパネルC112を貫通して配策されるワイヤーハーネス1が例示されている。また、第2実施形態では、ダッシュパネルC212とインストルメントパネルC213との間の空間から車両後部までフロア上を配策されるワイヤーハーネス2が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これらに限るものではなく、その配策場所は、車両における上記以外の場所であってもよく、あるいは車両以外の場所であってもよい。
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、複数本の電線11,21と、1本の電線追加用チューブ12,22と、を備えたワイヤーハーネス1,2が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これらに限るものではなく、電線を1本だけ備えるものや、電線追加用チューブを複数本備えるもの等であってもよい。
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤーハーネスが備える電線や、電線追加方法で追加される新たな電線の一例として、被覆電線としての電線11,21や新たな電線17,27が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスの電線や追加対象の新たな電線は、被覆電線に限るものではなく、例えばエナメル線や同軸電線等といった他の種類の電線であってもよい。
また、上述の第1実施形態では、電線追加用チューブ12への新たな電線17の挿入について、車室側チューブ開口124から新たな電線17を挿入する形態が例示されている。また、上述の第2実施形態では、電線追加用チューブ22の後部側の開口から新たな電線27を挿入する形態が例示されている。しかしながら、電線追加用チューブの両端の開口のうち何れの開口から新たな電線を挿入するかは、既設のワイヤーハーネスの周囲状況等に応じて作業者が適宜に決定し得るものである。
また、上述の第1及び第2実施形態では、電線追加方法における電線挿入工程の一例として、電線追加用チューブ12,22に新たな電線17,27を1本だけ挿入する工程が例示されている。しかしながら、電線挿入工程はこれに限るものではなく、電線追加用チューブへの新たな電線の挿入本数は複数本であってもよく、追加部品の形態等に応じて適宜に設定されるものである。
また、上述の第1実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、ダッシュパネルC112の貫通孔C112aに嵌入されるグロメット13を備え、電線11及び電線追加用チューブ12がグロメット13の内側に通されたワイヤーハーネス1が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これに限るものではなく、例えば第2実施形態で例示されているように、グロメットを備えないものであってもよい。ただし、グロメット13を備え、電線追加用チューブ12を電線11とともにグロメット13の内側に通しておくことで、電線追加時にグロメットの止水性能を維持しつつ作業工数を抑えて新たな電線を追加することができる点は上述した通りである。尚、グロメットを設ける場合であっても、その設置場所はダッシュパネルの貫通孔に限るものではなく、ワイヤーハーネスの電線が貫通するパネル部材の貫通孔であればその具体的なパネル態様を問うものではない。
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、外装材としてのコルゲートチューブ14,24を備えたワイヤーハーネス1,2が例示されている。これらのワイヤーハーネス1,2では、電線11,21及び電線追加用チューブ12,22がコルゲートチューブ14,24に収められている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これらに限るものではなく、コルゲートチューブ等の外装材を備えないものであってもよい。ただし、外装材を備え、電線追加用チューブ12,22を電線11,21とともに外装材に収めておくことで、追加した新たな電線についても、既存の他の電線とともに外装材で保護することができる点は上述した通りである。尚、外装材を設ける場合であっても、その外装材は、蛇腹状の可撓性チューブであるコルゲートチューブに限るものではなく、単純円筒状の可撓性チューブや、可撓性を持たない円管や、配策形状に形成された硬質筐体であるプロテクタ等であってもよい。即ち、外装材は、電線及び電線追加用チューブを収めることが可能な部材であれば、その具体的な態様を問うものではない。
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、電線追加用チューブ12,22の一端部又は両端部がU字状に折り返されて取外しが可能な状態で仮止めされているワイヤーハーネス1,2が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これらに限るものではなく、電線追加用チューブの端部が仮止めされずに自由端となったもの等であってもよい。ただし、電線追加用チューブの端部を仮止めすることで、電線追加用チューブの先端部分が不用意に動いて傷つく等といった事態を効果的に抑えることができる点は上述した通りである。
また、上述の第1及び第2実施形態では、電線追加用チューブにおいてU字状に折り返された端部の仮止め形態の一例として、その端部の先端部分がスリットテープ16,26で仮止めされた形態が例示されている。しかしながら、仮止め形態は、スリットテープを用いた形態に限るものではなく、例えばビニールテープや結束バンド等といったスリットテープ以外の部材を用いた形態であってもよい。ただし、仮止めにスリットテープを用いることで、道具を必要とせずに仮止めを解除することができる点は上述した通りである。
また、上述の第1及び第2実施形態では、ワイヤーハーネスの一例として、電線11,21の一端部又は両端部にコネクタ15,25が接続されたワイヤーハーネス1,2が例示されている。しかしながら、ワイヤーハーネスは、これらに限るものではなく、例えば電線の端部に丸端子が接続された形態等であってもよい。ただし、電線の端部にコネクタが接続された形態によれば、新たな電線の追加に当たり、当該電線の端部について、他の電線の端部のコネクタを接続先とした、作業性の良好な端部処理を行うことができる点は上述した通りである。
また、上述の第1実施形態では、電線追加方法の端部接続工程における新たな電線の端部処理の一例として、電線部材18を接続対象とし、当該電線部材18にエレクトロタップ19を用いて接続する形態が例示されている。また、上述の第1及び第2実施形態では、コネクタ15,25を接続対象とし、電線端部へのコネクタ端子の接続とハウジングへの収容によって接続する形態が例示されている。しかしながら、新たな電線の端部処理は、これらの形態に限るものではなく、例えばスタッドボルトを有する端子台や貫通孔が設けられたバスバ等を接続対象とし、電線端部への丸端子の接続とナットやボルトによる締結によって接続する形態等であってもよい。あるいは、何等かの金属導体を接続対象とし、ハンダ付けによって接続する形態等であってもよい。ただし、エレクトロタップ19を用いた形態やコネクタ15,25を接続対象とした形態によれば、作業性の良好な端部処理を行うことができる点は上述した通りである。
1,2 ワイヤーハーネス
11,21 電線
12,22 電線追加用チューブ
13 グロメット
14,24 コルゲートチューブ(外装材)
15,25 コネクタ
16,26 スリットテープ
17,27 新たな電線
18 電線部材
19 エレクトロタップ
121 車室側チューブ端部
121a 余剰部分
122 エンジン側チューブ端部
123 エンジン側チューブ開口
124 車室側チューブ開口
141 エンジン側チューブ
142 車室側チューブ
151 コネクタ端子
152 ハウジング
171 車室側電線端部
172 エンジン側電線端部
191 挟持片
C11,C21 車両
C111 分配器
C111a 保持クリップ
C112,C212 ダッシュパネル(パネル部材)
C112a 貫通孔
C22 後部カメラ
C211 ジャンクションボックス
C213 インストルメントパネル
S11 電線挿入工程
S12 端部接続工程
S121 エンジン側接続工程
S122 車室側接続工程

Claims (10)

  1. 少なくとも1本の電線と、
    前記電線に沿って配設されて当該電線と一緒に少なくとも1本が束ねられる中空の可撓性チューブであって、屈曲及び周面からの加圧のうち少なくとも一方の作用を受けても中空状態が維持される、新たな電線が追加される際に当該新たな電線が通される電線追加用チューブと、
    を備えたことを特徴とするワイヤーハーネス。
  2. 前記電線が所定のパネル部材に設けられた貫通孔を貫通して配策されるものであり、
    前記貫通孔に嵌入されるとともに、前記電線において前記貫通孔を通過する電線中途部分を内側に通す筒状に形成され、前記貫通孔の内周縁と前記電線中途部分との間に介在することで前記貫通孔を通る液体の通過を抑えるグロメット、を更に備え、
    前記電線追加用チューブは、前記電線中途部分に対応したチューブ中途部分が前記電線中途部分とともに前記グロメットの内側に通されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤーハーネス。
  3. 前記電線における長手方向の少なくとも一部を内側に収める筒状に形成されて前記電線を保護する外装材、を更に備え、
    前記電線追加用チューブは、少なくとも両端部が前記外装材から露出した状態で前記電線とともに前記外装材に収められることを特徴とする請求項1又は2に記載のワイヤーハーネス。
  4. 前記電線追加用チューブは、少なくとも一端部がU字状に折り返され、その折り返された先の先端部分が前記電線及び前記電線追加用チューブの束に少なくとも取外しが可能な状態で仮止めされていることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載のワイヤーハーネス。
  5. 前記電線追加用チューブは、前記先端部分が前記束にスリットテープの巻き付けによって仮止めされていることを特徴とする請求項4に記載のワイヤーハーネス。
  6. 前記電線の少なくとも一方の端部に接続されたコネクタを、更に備えていることを特徴とする請求項1~5のうち何れか一項に記載のワイヤーハーネス。
  7. 請求項1~6のうち何れか一項に記載のワイヤーハーネスにおける前記電線追加用チューブの一端開口から少なくとも1本の前記新たな電線を挿入し、当該新たな電線の一端部を前記一端開口から露出させた状態で残すとともに他端開口から前記新たな電線の他端部を露出させる電線挿入工程と、
    前記新たな電線の露出した前記一端部及び前記他端部のうちの少なくとも一方を接続対象に接続する端部接続工程と、を備えたことを特徴とする電線追加方法。
  8. 前記電線追加用チューブは、少なくとも一端部がU字状に折り返され、その折り返された先の先端部分が前記電線及び前記電線追加用チューブの束に少なくとも取外しが可能な状態で仮止めされており、
    前記電線挿入工程は、前記電線追加用チューブにおける前記先端部分の仮止めを解除してU字状の折返しを延ばし、当該先端部分の前記一端開口から前記新たな電線を挿入する工程であることを特徴とする請求項7に記載の電線追加方法。
  9. 前記電線が被覆電線であり、
    前記新たな電線における前記一端部及び前記他端部のうちの少なくとも一方の接続端部の前記接続対象が被覆電線からなる電線部材であり、
    前記端部接続工程は、前記一方の接続端部を前記電線部材に、金属刃で被覆を破って被覆電線の芯線どうしを接続するエレクトロタップを用いて接続する工程であることを特徴とする請求項7又は8に記載の電線追加方法。
  10. 前記電線の少なくとも一方の端部にはコネクタが接続されており、
    前記新たな電線における前記一端部及び前記他端部のうちの前記コネクタの側の接続端部の前記接続対象が前記コネクタであり、
    前記端部接続工程は、前記コネクタの側の接続端部に前記コネクタのためのコネクタ端子を接続して当該コネクタにおけるハウジングに収容する工程であることを特徴とする請求項7~9のうち何れか一項に記載の電線追加方法。
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