JP2023116132A - 低吸着、且つ耐内容物性積層体 - Google Patents

低吸着、且つ耐内容物性積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】シーラント層が内容物の有効成分に対して低吸着性を示すことと、耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制することを両立する積層体を提供すること。【解決手段】基材層11、ガスバリア層12、接着性樹脂層13及びシーラント層14をこの順に積層して積層体1とする。そして、この接着性樹脂層13として、単層構造又は2層構造の溶融共押出樹脂を使用する。単層構造の接着性樹脂層13はグラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂である。2層構造の溶融共押出樹脂は、グラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン層とから成るもので、各層の重量比を25:75~75:25の範囲内とする。【選択図】図1

Description

本発明は、医薬品、食品、化粧品等の内容物成分を吸着し難く、且つ内容物の影響によるデラミネーションを抑制する積層に関するものである。
このような積層体は、例えば、基材層、ガスバリア層、シーラント層などから構成され、接着剤層を介して、アルミニウム箔などの金属箔あるいは金属蒸着フィルムとポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリエステル、ナイロンなどのプラスチックフィルムを多層ラミネートして作製される。
そして多くの場合、プラスチックフィルムを基材とする単体または積層体から構成される包装袋は、最内層側にシーラント層を設けており、シーラント層同士を対向させて重ねヒートシールして包装袋に製袋する方法が取られている。
このようなシーラントフィルムとして、高いシール強度を示すポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂や、アイオノマー、EMMAなどのコポリマー樹脂が用いられている。
しかし、これらの樹脂からなるシーラントフィルムは、油脂や香料などの有機化合物からなる成分を吸着しやすいため、シーラントフィルムを内容物と接する最内層としている包装材は、内容物の味覚や香りを変化させやすいという欠点を持っている。また、香気成分・薬効成分等の吸着による内容物の減少が起こってしまう。
医薬品などの有効成分が、包装材料に吸着されることを防ぐために、接内容物層に低吸着性シーラントを用いた包材がある。低吸着シーラントにはポリエステル性樹脂やポリアクリロニトリル樹脂等からなるシーラントフィルムが開発されているが、ポリエステル性樹脂はヒートシール性が悪い、ポリアクリロニトリル樹脂はコスト高、製膜が困難という問題を抱えている。そこでヒートシール性と製膜安定性を兼ね備え、さらに靭性を向上させた二軸延伸環状オレフィンコポリマーフィルムが開発された(特許文献1参照)。
また、これらのプラスチックフィルムと金属箔または金属蒸着フィルムとを貼り合わせる接着剤としては、一般的にウレタン2液硬化タイプのドライラミネート用接着剤が用いられる。しかし、包装材料により包装される内容物には、アルカリ性物質、香料、界面活性剤、高沸点有機溶剤などを含有するものが多くあり、これらの内容物を包装すると、長期の保存中に内容物の成分が積層体に浸透し、特にガスバリア層とシーラント層の間の接着剤層を侵す結果、シーラント層がガスバリア層から剥離(デラミネーション)する問題があった。耐内容物性包材には、このようなデラミネーションを防ぐような物性が求められている。
アンカーコート層を含む積層体フィルムにおいて、そのアンカーコート層が酸変性ポリオレフィン樹脂とエポキシ系シランカップ剤を含有するアンカーコート剤から塗膜化されることで、耐薬品性、密着性、接着性、耐ボイル性を持ったアンカーコート層を形成することが可能になった(特許文献2参照)。
しかし、低吸着性と耐内容物性を両立させるため、バリアフィルムと低吸着シーラントフィルムを上記のような耐薬品性のあるアンカーコート剤を用いて押出しラミネート法で貼り合わせた場合、押出し樹脂のポリエチレン樹脂に内容物が吸着してしまい、包材とし
て低吸着性を確保することができない。そのため、内容物の有効成分を包材へ吸着させない、且つ、耐内容物性も担保できる包材が求められている。
国際公開第2017/033810号 特開2017-052909号公報
そこで、本発明の課題は、包材用積層体における、上記の従来技術の欠点を解消し、シーラント層が内容物の有効成分に対して低吸着性を示すことと、耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制することを両立する積層体を提供することである。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、請求項1の発明は、
少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
前記接着性樹脂層が無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂の溶融押出樹脂から成り、かつ、そのグラフト率が0.1~1.0重量%であることを特徴とする積層体である。
次に、請求項2に記載の発明は、
少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
前記接着性樹脂層が無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレンとの溶融共押出樹脂から成り、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン層との重量比が25:75~75:25の範囲内であり、かつ、前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のグラフト率が0.1~1.0重量%であることを特徴とする積層体である。
次に、請求項3に記載の発明は、前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂フィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
次に、請求項4に記載の発明は、前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体である。
本発明の積層体によれば、シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含み、接着性樹脂層が所定の溶融押出樹脂から成るため、例えば貼付剤の薬効成分に対して優れた低吸着性を示し、かつ耐内容物性を有し、デラミネーションを抑制する積層体を提供することができる。
本発明の積層体の実施形態の一例を模式的に断面で示した説明図である。
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層体を概略的に示す断面図である。
図1に示す積層体1は、例えば、包装材料として使用する。積層体1は、基材層11と、ガスバリア層12と、接着性樹脂層13と、シーラント層14とを含み、この順に積層されている。以下、各層について詳述する。
<基材層>
基材層と11ガスバリア層12との積層は、例えば接着性樹脂層15を介して行うことができる。接着性樹脂層15としては、例えばドライラミネート接着剤、アンカーコート接着剤、ホットメルト接着剤、水溶性接着剤、エマルション接着剤、ノンソルベントラミネート接着剤、及び押出ラミネート用の熱可塑性樹脂等を用いることができる。
基材層11は特に制限はなく、用途に応じて選択すればよいが、紙、樹脂フィルム又はそれらの組み合わせ等が用いられる。樹脂フィルムとしては例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリエステルフィルム、二軸延伸ナイロンフィルム、又はセロハンを使用することができる。樹脂フィルムの厚さは、特に制限される訳ではないが、例えば包装体として用いる場合には、3μm~200μmの範囲内にあることが好ましく、6μm~30μmの範囲内にあることがより好ましい。
基材層11の主面に、用途に応じて印刷層16を設けてもよい。印刷層16は、基材層11の主面のうち、接着性樹脂層15側の主面に設けてもよく、その裏面に設けてもよく、それらの双方に設けてもよい。
<ガスバリア層>
ガスバリア層12としては、外部からの水分、有機ガス、及び酸素等の無機ガスがガス吸収層へと透過することを抑制することができる材料を用いることができる。ガスバリア層としては、アルミニウム箔、若しくはアルミニウム蒸着膜等を用いることができる。特に、ガスバリア性及び取り扱い性を両立させやすくする観点から、ガスバリア層としては、アルミニウム箔を用いることが好ましい。
バリア材料におけるバリア性については、包装する内容物や保存期間などに応じて最適範囲を適宜選択すればよい。中でも、40℃、90%RH条件下での水蒸気透過度として、100g/m・day以下が好ましく、20g/m・day以下がより好ましく、10g/m・day以下がさらに好ましく、1g/m・day以下が特に好ましい。また、20℃、90%RH条件下での酸素透過度として、100ml/m・day・MPa以下が好ましく、20ml/m・day・MPa以下がより好ましく、10ml/m・day・MPa以下がさらに好ましく、1ml/m・day・MPa以下が特に好ましい。
なお、このガスバリア層12に接着性樹脂層13を積層するに先立ち、ガスバリア層12に表面処理を施すこともできる。表面処理としては、例えば、アンカーコート処理を例示できる。また、ガスバリア層12がアルミニウム箔等の金属箔から成る場合には、腐食防止剤を塗付することが可能である。
<接着性樹脂層>
本発明の積層体1は、溶融押し出し機に接着性樹脂を供給して溶融し、こうして溶融した接着性樹脂を押出して接着性樹脂層13とし、この溶融状態の接着性樹脂層13の両面に、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に重ねると共に、前記シーラント層14を重ねて圧着する方法(押出しラミネーション法)により、基材層11、ガスバリア層12、接着性樹脂層13及びシーラント層14を一体に積層して、積層体1とすることができる。
前記接着性樹脂層13としては、グラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のみから成る単層構造の樹脂層を使用することができる。
また、前記接着性樹脂層13として、グラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレンとの2層構造の溶融共押出樹脂層を使用することも可能である。
なお、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のグラフト率が0.1重量%に満たない場合には、後述する比較例4から分かるように、ガスバリア層12とシーラント層14とを十分なラミネート強度で接着できないことがある。また、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のグラフト率が1.0重量%を超える場合には、水分の吸着量が高くなり、溶融押出しの際に発泡して、積層体1の外観が損なわれることがある(比較例5参照)。
また、前記接着性樹脂層13として、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレンとの2層構造の溶融共押出樹脂層を使用する場合には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のグラフト率が0.1~1.0重量%の範囲内にあるだけでは足りず、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン層との重量比が、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:低密度ポリエチレン層=25:75~75:25の範囲内にあることが必要である。この比率がこれより小さく、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層の量が少なくなると、後述する比較例2から分かるように、ガスバリア層12とシーラント層14とを十分なラミネート強度で接着できないことがある。また、この比率がこれより大きく、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層の量が多くなると、溶融押出しの際のネックインが著しくなり、加工安定性に欠ける。また、このため、積層体1の外観が損なわれることがある(比較例3参照)。
なお、前記接着性樹脂層13が単層構造の場合であっても、2層構造の場合であっても、この接着性樹脂層13に含まれる無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂としては、密度0.86~0.92g/cm、メルトフローレート(MFR)が8.0~12.0の樹脂を好ましく使用できる。
<シーラント層>
本発明の積層体を構成するシーラント層14は、低吸着性を有する環状オレフィンコポリマー(COC)を含んでいる必要がある。
このシーラント層14は、COCフィルム単体で構成することもできるし、COCの層に他の樹脂層を積層した多層構造のシーラント層で構成することも可能である。
シーラント層の厚みは150μm以下とすればよく、薄過ぎると貼り合わせた際のシール強度が低下する場合があるので少なくとも15μm以上とすることが好ましく、より好ましくは20μm以上、50μm以下である。
シーラント層14をCOCフィルム単体で構成する場合には、このCOCフィルムとして延伸したフィルムを使用することもできるし、未延伸のフィルムを使用することも可能である。靭性を考慮すると、二軸延伸したCOCフィルムが望ましい。COC層の厚みは薄いほど経済的に有利となり、30μm以下であることが好ましく、7.5μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることがさらに好ましい。また、低吸着性の観点
から、0.1μm以上が好ましい。
多層シーラント中にCOC層を含む場合も、COC層の厚みは上記厚さとすることが好ましい。
また、多層構造のシーラント層を使用する場合には、例えば、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムを使用することができる。
以下の方法により、基材層11とガスバリア層12と接着性樹脂層13とシーラント層14とを含んだ積層体1を製造し、この積層体1を用いて4方袋を製造した。
<実施例1>
先ず、基材層11として、厚さが12μmである二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を準備した。ガスバリア層12として、厚さが20μmのアルミニウム箔を準備した。
次に、基材層11の一方の主面に接着性樹脂層15として、芳香族系接着剤(LX500 DICグラフィックス(株)製)を塗布し、接着性樹脂層15を挟んで基材層11とガスバリア層12とをドライラミネートした。
一方、シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の2軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製)25μmを準備した。
そして、溶融押し出し機に無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂(M605 三菱ケミカル(株)製 グラフト率0.1重量%)を供給して溶融し、こうして溶融した無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂を押出して接着性樹脂層13とし、この溶融状態の接着性樹脂層13に、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に重ねると共に、前記シーラント層14を重ねて圧着することにより、実施例1の積層体1を製造した。なお、前記接着性樹脂層13の厚みは20μmである。
<実施例2>
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の未延伸フィルム(ME-1、倉敷紡績製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2の積層体1を製造した。
<実施例3>
シーラント層14として、環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出し未延伸フィルム(M3400MP DIC(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3の積層体1を製造した。
<実施例4>
接着性樹脂層13として、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂の溶融共押出し樹脂を使用した以外は、実施例1と同様の方法により、実施例4の積層体1を製造した。
なお、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂は、実施例1と同じ三菱ケミカル(株)製M605(グラフト率0.1重量%)であり、低密度ポリエチレン樹脂は、日本ポリエチレン(株)製LC600Aである。また、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との重量比は、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:低密度ポリエチレン樹脂層=75:25で、その総厚は20μmである
。また、これらの層は、ガスバリア層12側に無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層が位置するように配置した。
<実施例5>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との重量比を、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:低密度ポリエチレン樹脂層=25:75とした以外は、実施例4と同様の方法により、実施例5の積層体1を製造した。
<実施例6>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂として、グラフト率1.0重量%の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6の積層体1を製造した。
<実施例7>
アルミニウム箔の表面に表面処理を施してガスバリア層12とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例6の積層体1を製造した。
なお、表面処理に使用した薬剤は、アルミニウム腐食防止剤(サーフコートEC1000A/B 日本ペイント・サーフケミカルズ(株)製)であり、接着性樹脂層13を形成する面にこの表面処理を施した。
<比較例1>
シーラント層14として、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MZ051 タマポリ(株)製)30μmを用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1の積層体1を製造した。
<比較例2>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン樹脂層との重量比を、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:低密度ポリエチレン樹脂層=80:20とした以外は、実施例4と同様の方法により、比較例2の積層体1を製造した。
<比較例3>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との重量比を、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層:低密度ポリエチレン樹脂層=20:80とした以外は、実施例4と同様の方法により、比較例2の積層体1を製造した。
<比較例4>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂として、グラフト率0.05重量%の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例4の積層体1を製造した。
<比較例5>
無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂として、グラフト率1.5重量%の樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の方法により、比較例4の積層体1を製造した。
<比較例6>
この例は、ドライラミネーションにより、ガスバリア層12とシーラント層14とを積層した例である。
まず、実施例1と同様に、接着性樹脂層15を挟んで基材層11とガスバリア層12とをドライラミネートした。
次いで、ガスバリア層12の基材層11と反対側の表面に、接着性樹脂層13として、芳香族系接着剤(LX500 DICグラフィックス製)を介して、ドライラミネーション法によりシーラント層14を形成した以外は、実施例1と同様の方法により、比較例6の積層体1を製造した。シーラント層14は、実施例1のシーラント層14と同じ環状オレフィンコポリマー(COC)樹脂の2軸延伸フィルム(TSC-1、倉敷紡績(株)製)25μmである。また、接着剤の主剤はDICグラフィックス(株)製LX500、硬化剤はDICグラフィックス(株)製KW75である。
実施例1~7、比較例1~6の各積層体1を用いて、薬剤成分としてメントールを封入し、四方をヒートシールして包装袋を製造した。包装袋は、縦方向の寸法が10cm、横方向の寸法が10cmであり、40℃・75%RHの恒温槽で1か月保存した。以下のようにして、各包装袋の薬剤吸着性およびラミネート強度を測定した。また、包装袋の外観を評価した。
<評価項目>
(薬剤吸着性評価)
包装袋から薬剤成分のメントールを取り出した後、包装袋を細かく裁断してメタノールに浸漬し、メントールを抽出した溶液を得た。次に、メントール抽出液を高速液体クロマトグラフィで分析し、包装袋に吸着されたメントールの量を定量した。これをもとに、包装袋の単位面積当たりに吸着されたメントール量を算出した。
(袋のラミネート強度評価)
実施例1~7及び比較例1~6に係る包装袋に関して、幅が15mmとなる短冊状試験片を切り出し、株式会社エー・アンド・デイ社製RTF-1250を用いて引張速度300mm/minにてラミネート強度を測定した。
なお、ラミネート強度は、ガスバリア層12と接着性樹脂層13との間のラミネート強度と、接着性樹脂層13とシーラント層14との間のラミネート強度の双方について測定した。
(積層体の偏肉評価)
得られた積層体について、幅方向に等間隔で10点の厚み測定を行った。この10点のデータから平均値を算出し、平均値から±10%をこえる厚みを観測したものを不適合品とした。
実施例1~7及び比較例1~6の評価結果を表1に示す。なお、表中、「LLDPE」は直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(MZ051 タマポリ(株)製)を示す。
Figure 2023116132000002
実施例1~3,6~7に係る包装袋は、接着性樹脂層がグラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂の溶融押出樹脂から成るもので、この場合には、40℃・75%RH環境下の長期保存後であっても、内容物に含まれる有効成分が包装体に吸着されることを抑制することができることが理解できる。さらに、これら実施例1~3,6~7に係る包装袋は、十分なラミネート強度が確保されており、デラミネーションを防ぐことが可能である。
一方、接着性樹脂層が無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂の溶融押出樹脂で構成されている場合であっても、そのグラフト率が0.1重量%より小さい場合(比較例4)には、ガスバリア層12と接着性樹脂層13との間のラミネート強度が小さく、剥離し易い。また、グラフト率が1.0重量%より大きい場合(比較例5)には、接着性樹脂
層が発泡してその外観に問題を生じていた。
なお、接着性樹脂層がグラフト率0.1~1.0重量%の無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレンとの溶融共押出樹脂から成る場合(実施例4~5,比較例2~3)には、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との厚み比が25:75~75:25の範囲内にある場合(実施例4~5)には、40℃・75%RH環境下の長期保存後であっても、内容物に含まれる有効成分が包装体に吸着されることを抑制することができ、また、十分なラミネート強度が確保されており、デラミネーションを防ぐことが可能である。
しかし、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との厚み比が25:75~75:25の範囲をはずれる場合(比較例2~3)には、ガスバリア層12と接着性樹脂層13との間のラミネート強度が小さくなったり、溶融押出しの際のネックインが大きく、加工安定性に欠けるため、その外観に問題を生じていた。
一方、比較例1に係る包装体は、低吸着性を有しないシーラント層であったため、内容物に含まれる有効成分を吸着し易かった。
1・・・積層体
11・・・基材層
12・・・ガスバリア層
13・・・接着性樹脂層
14・・・シーラント層
15・・・接着性樹脂層
16・・・印刷層

Claims (4)

  1. 少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
    前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
    前記接着性樹脂層が無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂の溶融押出樹脂から成り、かつ、そのグラフト率が0.1~1.0重量%であることを特徴とする積層体。
  2. 少なくとも基材層と、ガスバリア層と、接着性樹脂層と、シーラント層とをこの順に積層した積層体であって、
    前記シーラント層が環状ポリオレフィンコポリマー樹脂を含んで構成されており、
    前記接着性樹脂層が無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂と低密度ポリエチレンとの溶融共押出樹脂から成り、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂層と低密度ポリエチレン層との重量比が25:75~75:25の範囲内であり、かつ、前記無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂のグラフト率が0.1~1.0重量%であることを特徴とする積層体。
  3. 前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂フィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記シーラント層が、環状ポリオレフィンコポリマー樹脂と低密度ポリエチレン樹脂との共押出しフィルムから成ることを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
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