JP3655000B2 - 原反フィルムおよびそれを使用した積層材 - Google Patents

原反フィルムおよびそれを使用した積層材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原反フィルムおよびそれを使用した積層材に関し、更に詳しくは、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品、洗剤、その他等の充填包装に適するビタミン成分吸着防止機能を有する原反フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の充填包装に適する原反フィルムないし積層材としては、種々のものが提案されている。
例えば、最内層にヒ−トシ−ル性に優れたポリオレフィン系樹脂のフィルムを使用し、これとバリア−性基材とを接着剤等を介して貼り合わせてなる包装用積層材、あるいは最内層に、例えば、ポリアクリロニトリル系樹脂、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体、またはポリエステル系樹脂からなる非吸着性を有し、かつヒ−トシ−ル性を有する樹脂のフィルムを使用してなる包装用積層材等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の包装用積層材は、ビタミン成分の吸着を防止する機能を有し、ビタミン成分の浸透による包装用積層材の層間剥離等の発生を防止して、その所期の効果を奏しているが、しかし、未だ充分に満足し得るものではない。
例えば、上記の前者の包装用積層材においては、ポリオレフィン系樹脂のフィルム自身が、極めてビタミン成分を吸着し易いと言う性質を有していることから、必然的に内容物の変質等は免れ得ないものである。
また、上記の後者の包装用材料においては、例えば、ポリアクリロニトリル系樹脂を使用する場合には、ヒ−トシ−ル強度が弱いと言う欠点と共にコストを著しく高めるという問題点があり、また、エチレン−ビニルアルコ−ル共重合体を使用する場合には、エチレン成分の含有量の増大と共にビタミン成分の吸着性が高くなるという問題点があり、更に、ポリエステル系樹脂を使用する場合には、一部のビタミン成分のみに有効であるという限られた効果しか有しないものであると言う問題点があり、それぞれ、充分に満足し得るというものではないのが実状である。
そこで本発明は、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の内容物を充填包装しても、ビタミン成分の吸着を防止してその性能を保持し、更にビタミン成分の浸透による層間剥離現象のない包装用積層材等を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、樹脂中にビタミン成分を添加、混練し、製膜化するに際し、該ビタミン成分を樹脂中に包装される内容物に含まれるビタミンの量と同等ないしそれ以上の量で含有させて製膜化して原反フィルムを製造し、次いで該原反フィルム、更にはこれに任意に他の基材フィルムを積層させて積層材を製造し、これを使用して、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の内容物を充填包装したところ、ビタミン成分の吸着を防止し、内容物からビタミン成分の減少等がなく、その性能を保持し、更にビタミン成分の浸透等による包装用積層材の層間剥離等の現象も認められない、極めて優れたビタミン成分の吸着防止機能を有する原反フィルムおよびこれを使用した積層材を見出して本発明を完成したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、樹脂中にビタミン成分を含有し、更に該ビタミン成分が包装される内容物に含まれるビタミンの量と同等ないしそれ以上の量で含有していることを特徴とするビタミン成分吸着防止機能を有する原反フィルムおよびそれを使用した積層材に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について以下に更に詳しく説明する。
本発明によれば、樹脂中にビタミン成分を包装される内容物に含まれるビタミンの量と同等ないしそれ以上の量で含有し、更に該ビタミン成分が樹脂中を透過することなくその中に吸着し、保持された状態を保つことから、その原反フィルム、あるいは該原反フィルムに他の基材フィルムを任意に積層した積層材を使用して、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の内容物を充填包装しても、もはや、樹脂中へのビタミン成分の吸着性はなく、これによって、ビタミン成分の吸着を防止し、内容物からビタミン成分の減少等がなく、その性能を保持し、更にビタミン成分の浸透等による包装用積層材の層間剥離等の現象も認められない、極めて優れたビタミン成分の吸着防止機能を有する原反フィルムおよびこれを使用した積層材を製造することができるものである。
【0007】
本発明において、上記のような原反フィルムおよび積層材を構成する素材について説明する。
まず、本発明において、原反フィルムを構成する樹脂について説明すると、該樹脂としては、これにビタミン成分を添加し、溶解、混合あるいは混練して製膜化し得ることができるものであればよく、例えば、各種の天然ないし合成樹脂、あるいはその変性樹脂等を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、メチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、AS系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、アミノ−プラスト系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ポリイミド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、ロジン、セルロ−ス系樹脂、澱粉、その他等の樹脂の一種ないし二種以上を使用することができる。
【0008】
而して、本発明において、上記の原反フィルムは、通常、包装用の袋あるいは容器等を製造する場合、外側から内側に向かって最内層に位置して使用されるものであることから、袋あるいは容器を製造する際に、ヒ−トシ−ル性を有していることが好ましい。
従って、本発明において、上記のような原反フィルムを構成する樹脂のなかでも、製膜化したフィルムがヒ−トシ−ル性を有することが好ましく、そのために、樹脂として、ヒ−トシ−ル性を有するものを使用することが望ましいものである。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、メチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、その他等を使用することが望ましい。
【0009】
次に、本発明において、原反フィルムを構成するビタミン成分について説明すると、該ビタミン成分としては、上記の樹脂に溶解、混合あるいは混練して製膜化し得るものであればよく、例えば、ビタミンA1 、ビタミンA2 、ビタミンA3 、ビタミンD2 、ビタミンD3 、プロビタミンD2 、プロビタミンD3 、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK1 、ビタミンK2 、ビタミンU等の脂溶性ビタミン類、ビタミンB1 、ビタミンB2 、ビタミンB6 、ニコチン酸、ニコチンアミド、パンテント酸、ビタミンH、葉酸、ビタミンB12、リコン、ビタミンC等の水溶性ビタミン類、その他の公知のビタミン類等を使用することができる。
【0010】
次に、上記の本発明において、上記の樹脂とビタミン成分とを含む原反フィルムを製造する方法について説明すると、例えば、上記の樹脂の一種ないしそれ以上に、上記のビタミン成分の一種ないしそれ以上を添加し、更に所望の添加剤を任意に加え、溶剤、希釈剤等で充分に混合してなる液状組成物を製造し、次いで該液状組成物を所望の基材の上に通常のコ−テイング法または印刷法等によりコ−ティングないし印刷してコ−ティング膜ないし印刷膜等を形成することによって、原反フィルムを製造することができる。
また、本発明において、上記の樹脂の一種ないしそれ以上に、上記のビタミン成分の一種ないしそれ以上を添加し、更に所望の添加剤を任意に加えて充分に混練してなる組成物を製造するか、あるいは上記の樹脂の一種ないしそれ以上に、上記のビタミン成分の一種ないしそれ以上を多量に添加し、更に所望の添加剤を加えて充分に混練して、該ビタミン成分を多量に含み、ビタミン成分が高濃度に含まれるマスタ−バッチを製造し、更に上記の樹脂の一種ないしそれ以上に、上記のマスタ−バッチを添加して充分に混練してなる組成物を製造し、次いで該組成物のいずれかを使用して、例えば、Tダイ押し出し成形法、インフレ−ション押し出し成形法、共押し出し成形法、押し出しラミネ−ト成形法、カレンダ−成形法等の公知の成形法でフィルムないしシ−ト状に成形して、本発明にかかる原反フィルムを製造することができる。
【0011】
本発明において、樹脂に対するビタミン成分の添加量としては、基本的には、樹脂中にビタミン成分が飽和量を含有していることが好ましい。
ここで、飽和量を含有しているとは、本発明にかかる原反フィルムを包装用材料として使用したときに充填包装される内容物中に含まれているビタミン成分の量によって決められるものであり、内容物中に含まれているビタミン成分の量と同等ないしそれ以上の量を樹脂中に含有する状態を言うものである。
すなわち、樹脂中に含有するビタミン成分の量は、内容物中に含まれているビタミン成分の量との関係において決められるものであり、而して、樹脂中に含有するビタミン成分の量を、内容物中に含まれているビタミン成分の量と同等ないしそれ以上の量とすることにより、その両者において、ビタミン成分の含有量が少なくとも平衡状態を維持されていることから、ビタミン成分の移行等の現象が起こらずに、これにより、ビタミン成分の樹脂中への吸着が防止されるものであると推定される。
【0012】
ところで、樹脂中に含有するビタミン成分の量と内容物中に含まれているビタミン成分の量とを同等ないしそれ以上にし、その含有量をほぼ平衡状態にするには、樹脂の種類およびそのビタミン成分の吸着性、樹脂の熱的条件等において異なり、例えば、ポリエチレンを例に取ると、低密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンの順でビタミン成分の吸着性は低下する傾向にあることから、樹脂中に含有するビタミン成分の量としては、内容物中に含まれているビタミン成分の量と同等ないしやや少なめに調整して樹脂中に含有させて、その両者に含有するビタミン成分の量を平衡状態に保つように調整することもできる。
また、樹脂として同材質のものを使用する場合、温度が高くなるにつれてビタミン成分の吸着性が高くなる傾向にあることから、例えば、内容物を充填包装した包装体を室温より高い状態で貯蔵したり、あるいは保存するような環境下にあるときには、樹脂中に含有するビタミン成分の量としては、内容物中に含まれているビタミン成分の量と同等ないしやや多めに調整して含有させて、その両者に含有するビタミン成分の量を平衡状態に保つように調整することもできる。
【0013】
上記のように、本発明においては、樹脂中に含有するビタミン成分の量と、内容物中に含まれているビタミン成分の量とは、ほぼ、同等であって両者が平衡状態を保ってその両者の間でビタミン成分の移行等が起こらないことが好ましいものである。
具体的には、本発明においては、樹脂の製膜中にビタミン成分を含有する飽和量を基準にして、その1ないし10重量%程度の範囲内で増量ないし減量してもよい。
上記において、飽和量に対し10重量%程度の減量で添加すると、得られる原反フィルムがまだビタミン成分を吸着能力を残存し、内容物を充填包装したときに、内容物中のビタミン成分を吸着して好ましくなく、また、飽和量に対し10重量%程度の増量で添加すると、原反フィルムの製膜化に支障を来して、好ましいフィルムないしシ−トを製造することが困難になるいう問題点がある。
また、本発明において、上記の原反フィルムの厚さとしては、1μmから数mm位の厚さの製膜化も可能であるが、内容物を充填包装してビタミン成分の吸着防止等の効果を奏するためには、好ましくは、10ないし100μm位が望ましい。
【0014】
次に、上記の本発明において、原反フィルムに積層する他の基材フィルムについて説明すると、かかる基材フィルムとしては、原反フィルムに積層することができる素材であればいずれのものでも使用することができる。
通常、内容物を充填包装するために使用する包装用材料、包装用袋もしくは容器等は、例えば、充填包装する内容物、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件によって包装用材料、包装用袋もしくは容器等を企画、設計し、それに合致した素材を選択して使用するものである。
而して、本発明において、基材フィルムとしては、上記のように企画、設計し、それによって選択した素材を同様に使用することができる。
具体的には、包装用材料、包装用袋もしくは容器等を構成する主材フィルム、ガスバリア−性を有するフィルム、水蒸気バリア−性を有するフィルム、ヒ−トシ−ル性を有するフィルム、その他のフィルム等を使用することができる。
上記のような素材としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、メチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポエアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリビニルアセタ−ル系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
更には、例えば、セロハン、紙、合成紙等も使用することができる。
而して、本発明において、上記のような樹脂のフィルムないしシ−トは、未延伸のもの、あるいは一軸方向ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでもよく、その厚さとしては、任意であるが、数μmないし300μm位のものを使用することができる。
また、本発明において、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、例えば、押し出し成膜、コ−ティング成膜、インフレ−ション成膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0015】
本発明において、各フィルムについて、更に説明すると、主材フィルムとしては、強度を有し、かつ耐熱性等に富む樹脂のフィルム、更に、具体的には、機械的、化学的、物理的、その他等の諸物性に優れて強度を有し、特に耐熱性、耐候性、耐溶剤性、耐薬品性等の諸堅牢性に富み、かつ柔軟性に富み、更に印刷適正を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができ、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム等のポリプロピレン系樹脂のフィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレ−トフィルム等のポリエステル系樹脂のフィルム、ナイロンフィルム等のポリアミド系樹脂のフィルム、ポリカ−ボネ−ト系樹脂のフィルム、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、このフィルムは、包装用材料の主材フィルムとしての機能を奏するものであることから、特に、強度を有し、諸物性に優れていることが好ましく、また、このフィルムは、一軸方向ないし二軸方向に延伸されたフィルムないしシ−トであることが望ましい。
また、その厚さとしては、数μmないし100μm位、好ましくは、約10μmないし60μm位が望ましい。
而して、このフィルムは、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂をビヒクルの主成分として含む組成物をコ−ティングしてガスバリア−性を付与する処理等を施した樹脂のフィルム等であってもよい。
【0016】
次に、本発明において、ガスバリア−性を有するフィルムについて説明すると、かかるフィルムとしては、例えば、アルミニュウム箔、アルミニュウム等の金属の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム等を使用することができる。
更に、具体的に説明すると、アルミニュウム箔としては、厚さ7ないし12μm位のものを使用することができる。
また、アルミニュウム等の金属の蒸着膜を有する樹脂のフィルムにおいては、その蒸着膜の厚さとしては、300ないし1000Å位であり、また、樹脂のフィルムとしては、例えば、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム等を使用することができる。
さらにまた、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルムにおいて、該樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トは、一軸方向ないし二軸方向に延伸されているフィルムを使用することが好ましい。
また、その厚さとしては、数μmないし100μm位、好ましくは9μmないし50μm位が望ましい。
次に蒸着膜を構成する無機酸化物としては、例えば、酸化珪素、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化チタン、酸化アルミニュウム等を使用することができる。
次に本発明において上記の樹脂のフィルムの片面に上記の無機酸化物の蒸着膜を形成する方法について説明すると、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の公知の方法で蒸着膜を形成することができる。
その膜厚としては、100Åないし2000Å位、好ましくは200Åないし1000Å位が望ましい。
なお、本発明においては、高バリア−性を達成するために、上記の無機酸化物としては、酸化珪素または酸化アルミニュウムを使用しることが最も望ましい。更に、本発明において、ガスバリア−性を有するフィルムとしては、例えば、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂等の樹脂からなるフィルムないしシ−トも使用することができる。
【0017】
また、本発明において、水蒸気バリア−性を有するフィルムについて説明すると、かかるフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、無延伸ないし延伸ポリプロピレンフィルム等を使用することができる。
而して、かかるフィルムの厚さとしては、例えば、5ないし100μm位が好ましい。
更には、前述のアルミニュウム箔、アルミニュウム等の金属の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム等を水蒸気バリア−性を有するフィルムとして同様に使用することができる。
【0018】
また、本発明において、ヒ−トシ−ル性を有するフィルムについて説明すると、かかるフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル系樹脂、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メチルメタクリレ−ト共重合体、メチルペンテン系樹脂、ポリブテン系樹脂、その他等のものであって、加熱により溶融して相互に融着することができる樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
あるいはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂の酸変性物等も使用することができる。
而して、これらの樹脂のフィルムないしシ−トは、一層もしくは二層以上の多層で使用することができ、その厚さとしては、約10μmないし300μm位、好ましくは、約20μmないし100μm位が望ましい。
【0019】
なお、本発明においては、上記に挙げた例は、その一例であり、これによって限定されるものではなく、前述のように、通常、包装用材料、包装用袋もしくは容器等は、例えば、充填包装する内容物、包装目的、包装形態、流通形態、販売形態、その他等の条件によって包装用材料、包装用容器等を企画、設計するものであり、それに従って、所望の素材を選択し、使用することができるものである。
【0020】
次に、本発明において、原反フィルムと他の基材フィルムとを積層する方法について説明すると、かかる積層法としては、例えば、ドライラミネ−ション法、押し出しラミネ−ション法、共押し出しコ−ティングラミネ−ション法、Tダイ共押し出し法、ウエットラミネ−ション法、インフレ−ションラミネ−ト法、その他等の方法で行うことができる。
その際、必要ならば、例えば、コロナ処理、オゾン処理等の前処理を施すことができる。
また、本発明においては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、有機チタン系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系等の公知のアンカ−コ−ティング剤等を使用することができる。
更にまた、例えば、前述のポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、ポリアミド系等の接着剤を同様に使用することができる。
具体的には、積層するいずれか一方の面に、接着剤を塗布し、次いで該接着剤層面に他の層を対向させて重ね合わせ、しかる後その両者に熱、光または電子線等を作用させてその両者を貼り合わせて、その両者からなる積層体を製造することができる。
上記において、接着剤としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂、フェノ−ル系樹脂、アミノ系樹脂、その他等の熱、光または電子線等の作用で硬化する性質を有する樹脂をビヒクルの主成分とする接着剤を使用することができる。
上記において、接着剤の塗布量としては、約1g/m2 ないし5g/m2 位が好ましい。
あるいは、本発明においては、前述のヒ−トシ−ル性を有するフィルムを使用して積層することもできる。
【0021】
ところで、本発明においては、上記のように積層材を製造するために、原反フィルム、ヒ−トシ−ル性を有するフィルム、ガスまたは水蒸気バリア−性を有するフィルム、主材フィルム、その他のフィルム等を使用して積層する積層順序等は任意である。
而して、本発明においては、内容物と接する内面層として、本発明にかかる樹脂中にビタミン成分を含有し、更に該ビタミン成分を飽和量で含有する原反フィルムを使用し、且つ該原反フィルムがヒ−トシ−ル性を有するフィルムで構成されていることが最も好ましい形態である。
すなわち、内容物と接する内面層を、ビタミン成分を飽和量で含有する原反フィルムを使用すれば、内容物中に含有するビタミン成分の吸着は、その原反フィルムで防止されると言う利点があり、また、原反フィルム自身がヒ−トシ−ル性を有するフィルムであれば、そのまま内面層どうしを重ね合わせてヒ−トシ−ルして包装用袋もしくは容器等を製造することができると言う利点がある。
【0022】
上記のように積層して製造した積層材についてその一例を挙げて図面を用いて説明すると、図1は、本発明にかかる積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
本発明にかかる積層材Aは、図1に示すように、内容物と接する内面側から外面側に向かって、ヒ−トシ−ル性を有し、かつビタミン成分を飽和量で含有する樹脂のフィルムからなる原反フィルム1、ガスバリア−性を有するフィルム2および主材フィルム3の順に積層してなる積層材である。
而して、本発明において、上記で製造した積層材Aを使用してなる包装用袋もしくは容器の一例を挙げれば、図2は、図1に示す積層材Aを使用してなる本発明にかかる包装用袋もしくは容器の一例を示す平面図であり、図3は、図2に示す包装用袋もしくは容器のX−X′における切断断面図である。
図2および図3に示すように、まず、上記で製造した積層材Aを二枚用意し、まず、その原反フィルム1、1の面が対向するように重ね合わせ、次いでその外周の重合端部をヒ−トシ−ルしてその三方にシ−ル部Sを形成して、包装用袋もしくは容器を製造することができる。
而して、上記で製造した包装用袋もしくは容器は、その上端部の開口部より、例えば、ビタミン成分を含む内容物Mを適量分だけ充填包装し、しかる後該開口部をヒ−トシ−ルして上端部にシ−ル部S′を形成して、内容物Mが充填包装した包装体を製造することができる。
上記に挙げた例は、本発明の積層材およびそれを使用した包装用袋もしくは容器の一例を例示したにしか過ぎないものであり、これによって本発明は限定されるものではない。
例えば、包装容袋もしくは容器の形状、種類等としては、軟包装袋、熱成形容器、チュ−ブ容器、その他等のいずれのものでもよい。
【0023】
本発明において、包装用袋もしくは容器に充填包装する内容物としては、例えば、ビタミン成分を含有する内容物、例えば、練り歯磨き、化粧品、医薬品、練りがらし、わさび、ジュ−ス等の食品、雑貨品、医薬品、その他等を挙げることができる。
【0024】
【実施例】
次に本発明について実施例を挙げて更に具体的に本発明を説明する。
実施例1
低密度ポリエチレン98重量部に対しビタミンE(DL−α−トコフェロ−ル)2重量部添加して充分に混練して作製したマスタ−バッチ10重量部に対して低密度ポリエチレン90重量部をドライブレンドした後、インフレ−ション製膜法で厚さ50μmのビタミンE0.2%含有低密度ポリエチレンフィルムを製膜した。
次に上記で製造したビタミンE含有低密度ポリエチレンフィルムの片面をコロナ放電処理後、該処理面に、厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを2液硬化型のウレタン系接着剤を5g/m2 (固形分)の割合で塗布してドライラミネ−ションを行い、更に該二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの片面に、酸化珪素(SiOX )蒸着層を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その蒸着層面を対向させて、上記と同じ2液硬化型のウレタン系接着剤を5g/m2 (固形分)の割合で塗布してドライラミネ−ションを行い、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素(SiOX )蒸着層/接着剤層/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/ビタミンE含有低密度ポリエチレンフィルム
【0025】
実施例2
低密度ポリエチレン96重量部に対しビタミンE(DL−α−トコフェロ−ル)とDL−β−トコフェロ−ル(ビタミンE同族体)をそれぞれ2重量部添加して充分に混練して作製したマスタ−バッチ10重量部に対して低密度ポリエチレン90重量部をドライブレンドした後、インフレ−ション製膜法で厚さ60μmのビタミンE0.2%およびDL−β−トコフェロ−ル0.2%含有低密度ポリエチレンフィルムを製膜した。
次に上記で製造したビタミン含有低密度ポリエチレンフィルムの片面をコロナ放電処理後、該処理面と、酸化珪素(SiOX )蒸着層を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムの蒸着層面とを対向させて、厚さ40μmのエチレン−メタクリル酸共重合体を用いてサンドラミネ−ション法で貼り合わせ、更に酸化珪素蒸着層二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム面と、厚さ80μmの低密度ポリエチレンフィルム面とをアンカ−コ−ト剤を用いて厚さ30μmの押し出し用ポリエチレンでサンドラミネ−ションを行い、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/エチレン−メタクリル酸共重合体/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
【0026】
実施例3
低密度ポリエチレン94重量部に対しビタミンE、ビタミンE同族体のDL−β−トコフェロ−ル、DL−γ−トコフェロ−ルをそれぞれ2重量部添加して充分に混練して作製したマスタ−バッチ10重量部に対して低密度ポリエチレン90重量部をドライブレンドした後、インフレ−ション製膜法で厚さ50μmのビタミンE0.2%、DL−β−トコフェロ−ル0.2%およびDL−γ−トコフェロ−ル0.2%含有低密度ポリエチレンフィルムを製膜した。
次に上記で製造したビタミン含有低密度ポリエチレンフィルムの片面をコロナ放電処理後、該処理面に、酸化珪素(SiOX )蒸着層を有する厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、その蒸着層面を対向させて、2液硬化型のウレタン系接着剤を5g/m2 (固形分)の割合で塗布してドライラミネ−ションを行い、更に酸化珪素蒸着層二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム面と、厚さ80μmの低密度ポリエチレンフィルム面とをアンカ−コ−ト剤を用いて厚さ30μmの押し出し用ポリエチレンでサンドラミネ−ションを行い、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
【0027】
実施例4
低密度ポリエチレン92重量部に対しビタミンE、ビタミンE同族体のDL−β−トコフェロ−ル、DL−γ−トコフェロ−ル、DL−δ−トコフェロ−ルをそれぞれ2重量部添加して充分に混練して作製したマスタ−バッチ10重量部に対して低密度ポリエチレン90重量部をドライブレンドした後、インフレ−ション製膜法で厚さ50μmのビタミンE0.2%、DL−β−トコフェロ−ル0.2%、DL−γ−トコフェロ−ル0.2%およびDL−δ−トコフェロ−ル0.2%含有低密度ポリエチレンフィルムを製膜した。
次に上記で製造したビタミン含有低密度ポリエチレンフィルムの片面をコロナ放電処理後、以下、上記の実施例3に記載した方法と同じ方法により各フィルムを積層して、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
【0028】
実施例5
上記の実施例4において、低密度ポリエチレン88重量部に対しビタミンE、ビタミンE同族体のDL−β−トコフェロ−ル、DL−γ−トコフェロ−ル、DL−δ−トコフェロ−ルのそれぞれの添加量を3重量部にした他は、全て上記の実施例4に記載した方法と同様に行なって外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
なお、上記の積層材において、各ビタミンは、0.3%含有し、全体で1.2%含有していた。
【0029】
実施例6
上記の実施例4において、低密度ポリエチレン98重量部に対しビタミンとして、工業用ビタミンE2重量部添加した他は、上記の実施例4に記載した方法と同様に行なって、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
なお、上記の積層材において、ビタミンは、0.2%含有していた。
【0030】
実施例7
上記の実施例4で製膜したビタミン含有低密度ポリエチレンフィルムを使用し、その片面をコロナ放電処理後、該処理面と、厚さ7μmのアルミニウム箔とを、2液硬化型のウレタン系接着剤を5g/m2 (固形分)の割合で塗布してドライラミネ−ションを行い、更に厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、上記と同じ2液硬化型のウレタン系接着剤を5g/m2 (固形分)の割合で塗布してドライラミネ−ションを行い、外面から内面に向かって下記の層構成からなる積層材を製造した。
二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム/接着剤層/アルミニウム箔/接着剤層/ビタミン含有低密度ポリエチレンフィルム
【0031】
比較例1
インフレ−ション製膜法で作製した厚さ60μmの低密度ポリエチレンフィルムの片面をコロナ放電処理し、以下、上記の実施例2に記載した方法と同様にして外面から内面に向かって、下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/エチレン−メタクリル酸共重合体/低密度ポリエチレンフィルム
【0032】
比較例2
上記の比較例1において、積層材を構成する最内層のフィルムとして、厚さ60μmの高密度ポリエチレンフィルムを使用し、その他は、上記の比較例1と同様に行なって、下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/エチレン−メタクリル酸共重合体/高密度ポリエチレンフィルム
【0033】
比較例3
上記の実施例3において、積層材を構成する最内層のフィルムとして、厚さ60μmのエチレン・ビニルアルコ−ルフィルムを使用する他は、上記の実施例3に記載した方法と同様に行なって、下記の層構成からなる積層材を製造した。
低密度ポリエチレンフィルム/押し出し用低密度ポリエチレン/二軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルム・酸化珪素蒸着層/接着剤層/エチレン・ビニルアルコ−ルフィルム
【0034】
実験例
上記の実施例1〜7、および比較例1〜3で製造した積層材を使用して、下記に示す試験を行なった。
市販の練り歯磨きペ−スト(ビタミンE非含有製品)にビタミンE(DL−α−トコフェロ−ル、純度98%)を1000ppm〔1mg(ビタミンE)/1g(練り歯磨きペ−スト)〕添加し、充分に混和した。
上記の実施例1〜7、および比較例1〜3で製造した積層材から15cm×15cmのパウチを作製し、次に該パウチにビタミンE1000ppm含有練り歯磨きペ−スト20gを充填し、しかる後該練り歯磨きペ−ストを充填したパウチを40℃の恒温槽に保存した。
次に30日経過後、上記のパウチ内の練り歯磨きペ−スト10gを三角フラスコに採取し、抽出助剤5gを添加し、充分に混和後、ジエチルエ−テル50mlを加え、ガスクロマトグラフ/マススペクトロメ−タ−(GC/MS)を用いてSIM法(選択イオン、M/Z=430)でビタミンEの残存量を測定した。
また、各パウチサンプルは、内容物と接する最内層とその外層の層間接着強度を定速伸長型引張試験機で引張速度50mm/minで試験を行なって接着強度を測定し、内容物によるデラミの有無を確認した。
上記の試験の結果について、下記の表1に表す。
【0035】
【表1】
Figure 0003655000
【0036】
上記の測定試験の結果より、明らかなように、本発明にかかる実施例1〜7で製造した積層材を使用したパウチは、いずれも、ビタミン成分の吸着は殆ど認められず、また積層材の層間のデラミ現象も認められなかった。
他方、比較例1〜3で製造した積層材を使用したパウチは、いずれも、ビタミン成分の吸着が認められ、また積層材の層間のデラミ現象も認められた。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、樹脂中にビタミン成分を添加、混練し、製膜化するに際し、該ビタミン成分を樹脂中に包装される内容物に含まれるビタミンの量と同等ないしそれ以上の量で含有させて製膜化して原反フィルムを製造し、次いで該原反フィルム、更にはこれに任意に他の基材フィルムを積層させて積層材を製造し、これを使用して、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の内容物を充填包装したところ、ビタミン成分の吸着を防止し、内容物からビタミン成分の減少等がなく、その性能を保持し、更にビタミン成分の浸透等による包装用積層材の層間剥離等の現象も認められない、極めて優れたビタミン成分の吸着防止機能を有する原反フィルムおよびこれを使用した積層材を製造し得るというものである。
而して、本発明においては、樹脂中にビタミン成分を包装される内容物に含まれるビタミンの量と同等ないしそれ以上の量で含有し、更に該ビタミン成分が樹脂中を透過することなくその中に吸着し、保持された状態を保つことから、その原反フィルム、あるいは該原反フィルムに他の基材フィルムを任意に積層した積層材を使用して、ビタミン成分を含有する練り歯磨き、化粧品、医薬品、食品等の内容物を充填包装しても、もはや、樹脂中にビタミン成分の吸着性はなく、これによって、ビタミン成分の吸着を防止し、内容物からビタミン成分の減少等がなく、その性能を保持し、更にビタミン成分の浸透等による包装用積層材の層間剥離等の現象も認められない、極めて優れたビタミン成分の吸着防止機能を有する原反フィルムおよびこれを使用した積層材を製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる積層材の層構成の一例を示す概略的断面図である。
【図2】図1に示す積層材を使用した包装用袋もしくは容器の概略を示す平面図である。
【図3】図2に示す包装用袋もしくは容器のX−X′における切断断面図である。
【符号の説明】
1 原反フィルム
2 バリア−性を有するフィルム
3 主材フィルム
A 積層材
S シ−ル層
S′ シ−ル層
M 内容物

Claims (2)

  1. ビタミン成分を含む内容物を充填包装する包装材に使用する原反フィルムであって、該原反フィルムは、ヒ−トシ−ル性を有する樹脂に、ビタミン成分を、充填包装される内容物中に含まれているビタミン成分の量と同等ないしそれ以上の量を添加、混練し、製膜化した原反フィルムからなり、かつ、上記の原反フィルムと内容物との両者において、ビタミン成分の含有量が、少なくとも平衡状態を維持され、ビタミン成分の移行が起こらず、ビタミン成分の樹脂中への吸着が防止されることを特徴とするビタミン成分吸着防止原反フィルム。
  2. 請求項1に記載されたビタミン成分吸着防止原反フィルムが、他の基材フィルムと積層されてなる積層材であって、該積層材で内容物を充填包装するときに、上記のビタミン成分吸着防止原反フィルムが、該積層材の外側から内側に向かって、最内層の位置に積層されていることを特徴とする積層材。
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