JP2023110425A - オレフィン類重合用固体触媒成分及びその製造方法、オレフィン類重合用触媒の製造方法、並びにオレフィン類重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン類重合用固体触媒成分及びその製造方法、オレフィン類重合用触媒の製造方法、並びにオレフィン類重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内部電子供与性化合物として、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物及びカーボネート化合物を用いるオレフィン類重合用固体触媒成分であって、オレフィン類の重合において、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が適度に広く、且つ、重合活性を高くすることができるオレフィン類重合用固体触媒成分を提供すること。【解決手段】マグネシウム、チタン、ハロゲン、下記一般式(1):R1-O-C(=O)-O-Z-O-R2(1)で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を含有し、該カーボネート化合物(A)及び該エーテル化合物(B)の合計に占める該エーテル化合物(B)の割合が、33.0~80.0mol%であること、を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。【選択図】なし

Description

本発明は、フタル酸エステルの代替となる電子供与性化合物を含むオレフィン類重合用固体触媒成分及びその製造方法、オレフィン類重合用触媒の製造方法、並びにそれを用いるオレフィン類重合体の製造方法に関する。
オレフィン類重合用触媒の構成成分として、マグネシウム、チタン、フタル酸エステルなどの電子供与性化合物及びハロゲン原子を必須成分として含有する固体触媒成分が知られており、上記固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物及び有機ケイ素化合物とから成るオレフィン類重合用触媒が数多く提案されている。そして、従来は、オレフィン類重合用固体触媒成分の内部電子供与性化合物とし、フタル酸ジエステルが用いられてきた。
近年、環境負荷低減の観点から、欧州におけるREACH規制(正式名称:Registration,Evaluation,Authorisation,Restriction and Chemicals)の高懸念物質(SVHC物質)を使用しない触媒が広く用いられるようになっている。そのため、フタル酸ジエステルの代替として、ジエーテル化合物やカーボネートエーテル化合物など様々な電子供与性基を有する化合物が提案されている。
ジエーテル化合物は、立体規則性が適度に高い高活性な触媒を与えるが、得られるポリマーの分子量分布が狭い。一方、カーボネート化合物は、立体規則性が高いが、ジエーテル化合物と比較して重合活性が劣る。
そこで、特許文献1には、内部電子供与性化合物として、ジエーテル化合物とカーボネート化合物を併用すること、すなわち、マグネシウム、チタン、ハロゲン、下記一般式(1);
-O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
(式中、R及びRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基またはヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を含有することを特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分が開示されている。
国際公開第2015/107708号
しかしながら、特許文献1のように、内部電子供与性化合物として、ジエーテル化合物とカーボネート化合物を併用することにより、内部電子供与性化合物として、ジエーテル化合物のみを用いる場合に比べ、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が広くなるものの、触媒活性が低くなってしまうという問題があった。
従って、本発明の目的は、内部電子供与性化合物として、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物及びカーボネート化合物を用いるオレフィン類重合用固体触媒成分であって、オレフィン類の重合において、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が適度に広く、且つ、重合活性を高くすることができるオレフィン類重合用固体触媒成分及びその製造方法を提供することにある。
上記技術課題を解決すべく、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、内部電子供与体として、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物及びカーボネート化合物を用いるオレフィン類重合用固体触媒成分において、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物とカーボネート化合物の割合を所定の範囲とし、且つ、マグネシウム化合物、ハロゲン含有チタン化合物、カーボネート化合物及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物を相互に接触させた後、得られる接触生成物とのハロゲン含有チタン化合物との再接触において、ハロゲン含有チタン化合物と不活性有機溶媒の混合液における不活性有機溶媒に対するハロゲン含有チタン化合物の混合体積比を所定の範囲とすることによる相乗効果により、それを用いて製造される触媒は、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が適度に広くでき、且つ、重合活性を高くすることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
(1)マグネシウム、チタン、ハロゲン、下記一般式(1):
-O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
(式中、R及びRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基又はヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を含有し、
該カーボネート化合物(A)及び該エーテル化合物(B)の合計に占める該エーテル化合物(B)の割合が、33.0~80.0mol%であること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分、
(2)前記エーテル化合物(B)が、1,3-ジエーテルであることを特徴とする(1)のオレフィン類重合用固体触媒成分、
(3)前記エーテル化合物(B)が、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン又は9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレンであることを特徴とする(1)又は(2)のオレフィン類重合用固体触媒成分、
(4)マグネシウム化合物、ハロゲン含有チタン化合物、下記一般式(1):
-O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
(式中、R及びRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基またはヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を相互に接触させて、接触生成物を得る第1工程と、
該接触生成物を、不活性有機溶媒と接触させて洗浄し、接触生成物の洗浄物を得る中間洗浄工程と、
該接触生成物の洗浄物に対し、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液との接触処理を、少なくとも1回行い、オレフィン類重合用固体触媒成分を得る第2工程と、
を有し、
該第1工程における該カーボネート化合物(A)の接触量及び該エーテル化合物(B)の接触量の合計に占める該エーテル化合物(B)の接触量の割合が、25.0~80.0mol%であり、
該第2工程における該ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液は、該ハロゲン含有チタン化合物と不活性有機溶媒とを、該不活性有機溶媒の体積に対する該ハロゲン含有チタン化合物の体積の比(ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒)が0.25以上となる混合量で混合して得られること、
を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、
(5)前記カーボネート化合物(A)の接触量及び前記エーテル化合物(B)の接触量の合計が、マグネシウム化合物1.00モル当たり、0.08~0.30モルであることを特徴とする(4)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、
(6)前記第2工程において、前記接触生成物に対する前記ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液の接触処理の回数が2~6回であることを特徴とする(4)又は(5)のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法、
(7)(I)(1)~(3)のいずれかのオレフィン類重合用固体触媒成分又は(4)~(6)のいずれかのオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、及び(II)下記一般式(4):
11 AlQ3-p (4)
(式中、R11は炭素数1~6のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲンを示し、pは0<p≦3の実数で、複数のR11は同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされる有機アルミニウム化合物を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(8)(I)(1)~(3)のいずれかのオレフィン類重合用固体触媒成分又は(4)~(6)のいずれかのオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、(II)下記一般式(4):
11 AlQ3-p (4)
(式中、R11は炭素数1~6のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲンを示し、pは0<p≦3の実数で、複数のR11は同一であっても異なっていてもよい。)
で表わされる有機アルミニウム化合物、及び(III)外部電子供与性化合物を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法、
(9)(7)又は(8)のオレフィン類重合用触媒の製造方法により得られるオレフィン類重合用触媒を用いてオレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、内部電子供与性化合物として、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物及びカーボネート化合物を用いるオレフィン類重合用固体触媒成分であって、オレフィン類の重合において、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が適度に広く、且つ、重合活性を高くすることができるオレフィン類重合用固体触媒成分及びその製造方法を提供することができる。
(固体触媒成分)
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、下記一般式(1):
-O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
(式中、RおよびRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基またはヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
で表されるカーボネート化合物(A)および2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を含有し、
該カーボネート化合物(A)及び該エーテル化合物(B)の合計に占める該エーテル化合物(B)の割合が、33.0~80.0mol%であること、
を特徴とする。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分(以下、単に「固体触媒成分(I)」と言うことがある。)は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)(以下、単に「成分(A)」ということがある。)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)(以下、単に「成分(B)」ということがある。)を必須成分として含有する。
ハロゲンとしては、例えばフッ素、塩素、臭素又はヨウ素の各原子が挙げられ、中でも好ましくは塩素、臭素又はヨウ素であり、特に好ましくは塩素又はヨウ素である。
一般式(1)中、R及びRの炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基としては、直鎖状アルキル基、炭素数3~20の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~20の直鎖状アルケニル基若しくは分岐アルケニル基、直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、シクロアルケニル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基又は炭素数3~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基が挙げられる。
また、R及びRのヘテロ原子含有基としては、結合末端が炭素原子である窒素原子含有炭化水素基、結合末端が炭素原子である酸素原子含有炭化水素基、結合末端が炭素原子であるリン含有炭化水素基又はケイ素含有炭化水素基が挙げられる。
及びRの炭素数1~24の直鎖状アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ペンチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基等が挙げられる。好ましくは炭素数1~12の直鎖状アルキル基である。
また、R及びRの炭素数3~20の分岐アルキル基としては、例えばイソプロピル基、イソブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの2級炭素又は3級炭素を有するアルキル基が挙げられる。好ましくは炭素数3~12の分岐アルキル基である。
また、R及びRの炭素数3~20の直鎖状アルケニル基としては、アリル基、3-ブテニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、10-ドデセニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12の直鎖状アルケニル基である。炭素数3~20の分岐アルケニル基としては、イソプロペニル基、イソブテニル基、イソペンテニル基、2-エチル-3-ヘキセニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12の分岐アルケニル基である。
また、R及びRの炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキル基としては、例えばハロゲン化メチル基、ハロゲン化エチル基、ハロゲン化n-プロピル基、ハロゲン化n-ブチル基、ハロゲン化n-ペンチル基、ハロゲン化n-ヘキシル基、ハロゲン化n-ペンチル基、ハロゲン化n-オクチル基、ハロゲン化ノニル基、ハロゲン化デシル基、ハロゲン置換ウンデシル基、ハロゲン置換ドデシル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~12の直鎖状ハロゲン置換アルキル基である。また、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキル基としては、ハロゲン化イソプロピル基、ハロゲン化イソブチル基、ハロゲン化2-エチルヘキシル基、ハロゲン化ネオペンチル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキル基である。
また、R及びRの炭素数2~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基としては、2-ハロゲン化ビニル基,3-ハロゲン化アリル基、3-ハロゲン化-2-ブテニル基、4-ハロゲン化-3-ブテニル基、パーハロゲン化-2-ブテニル基、6-ハロゲン化-4-ヘキセニル基、3-トリハロゲン化メチル-2-プロペニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数2~12のハロゲン置換アルケニル基である。また、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルケニル基としては、3-トリハロゲン化-2-ブテニル基、2-ペンタハロゲン化エチル-3-ヘキセニル基、6-ハロゲン化-3-エチル-4-ヘキセニル基、3-ハロゲン化イソブテニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルケニル基である。
また、R及びRの炭素数3~20のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、テトラメチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ブチルシクロペンチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12のシクロアルキル基である。また、炭素数3~20のシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロオクテニル基、ノルボルネン基、等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12のシクロアルケニル基である。
また、R及びRの炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキル基としては、ハロゲン置換シクロプロピル基、ハロゲン置換シクロブチル基、ハロゲン置換シクロペンチル基、ハロゲン置換トリメチルシクロペンチル基、ハロゲン置換シクロヘキシル基、ハロゲン置換メチルシクロヘキシル基、ハロゲン置換シクロヘプチル基、ハロゲン置換シクロオクチル基、ハロゲン置換シクロノニル基、ハロゲン置換シクロデシル基、ハロゲン置換ブチルシクロペンチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルキル基である。
また、R及びRの炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニル基としては、ハロゲン置換シクロプロペニル基、ハロゲン置換シクロブテニル基、ハロゲン置換シクロペンテニル基、ハロゲン置換トリメチルシクロペンテニル基、ハロゲン置換シクロヘキセニル基、ハロゲン置換メチルシクロヘキセニル基、ハロゲン置換シクロヘプテニル基、ハロゲン置換シクロオクテニル基、ハロゲン置換シクロノネニル基、ハロゲン置換シクロデセニル基、ハロゲン置換ブチルシクロペンテニル基等が挙げられる。好ましくは炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルケニル基である。
また、R及びRの炭素数6~24の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、エチルフェニル基、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、2-フェニルプロピル基、1-フェニルブチル基、4-フェニルブチル基、2-フェニルヘプチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、1,8-ジメチルナフチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。
また、R及びRの炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基としては、ハロゲン化フェニル基、ハロゲン化メチルフェニル基、トリハロゲン化メチルフェニル基、パーハロゲン化ベンジル基、パーハロゲン化フェニル基、2-フェニル-2-ハロゲン化エチル基、パーハロゲン化ナフチル基、4-フェニル-2,3-ジハロゲン化ブチル基等が挙げられる。好ましくは炭素数6~12のハロゲン置換芳香族炭化水素基である。
なお、R及びRのハロゲン置換アルキル基、ハロゲン置換アルケニル基、ハロゲン置換シクロアルキル基、ハロゲン置換シクロアルケニル基、及びハロゲン置換芳香族炭化水素基において、ハロゲン種としては、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素または臭素である。
また、R及びRの結合末端が炭素原子である窒素原子含有炭化水素基としては、結合末端がC=N基であるものを除く窒素原子含有炭化水素基であり、例えば、メチルアミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、エチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基、プロピルアミノメチル基、ジプロピルアミノメチル基、メチルアミノエチル基、ジメチルアミノエチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基、プロピルアミノエチル基、ジプロピルアミノエチル基、ブチルアミノエチル基、ジブチルアミノエチル基、ペンチルアミノエチル基、ジペンチルアミノエチル基、ヘキシルアミノエチル基、ヘキシルメチルアミノエチル基、ヘプチルメチルアミノエチル基、ジヘプチルアミノメチル基、オクチルメチルアミノメチル基、ジオクチルアミノエチル基、ノニルアミノメチル基、ジノニルアミノメチル基、デシルアミノメチル基、ジデシルアミノ基、シクロヘキシルアミノメチル基、ジシクロヘキシルアミノメチル基などのアルキルアミノアルキル基、フェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノメチル基、ジトリルアミノメチル基、ジナフチルアミノ基メチル基、メチルフェニルアミノエチル基などのアリールアミノアルキル基またはアルキルアリールアミノアルキル基、多環状アミノアルキル基、アニリノ基、ジメチルアミノフェニル基、ビスジメチルアミノフェニル基等のアミノ基含有芳香族炭化水素基、メチルイミノメチル基、エチルイミノエチル基、プロピルイミノ基、ブチルイミノ基、フェニルイミノ基などのイミノアルキル基等が挙げられる。好ましくは炭素数2~12の窒素原子含有炭化水素基である。なお、結合末端とは、R及びRが結合する酸素原子側の原子又は基を言う。
また、R及びRの結合末端が炭素原子である酸素原子含有炭化水素基としては、結合末端がカルボニル基であるものを除く炭素数2~24の酸素原子含有炭化水素基であり、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、イソプロポキシメチル基、イソブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、イソプロポキシエチル基、イソブトキシエチル基などのエーテル基含有炭化水素基、フェノキシメチル基、メチルフェノキシメチル基、ジメチルフェノキメチル基、ナフトキシメチル基などのアリーロキシアルキル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基などのアルコキシアリール基、アセトキシメチル基などが挙げられる。好ましくは炭素数2~12の酸素原子含有炭化水素基である。なお、結合末端とは、R及びRが結合する酸素原子側の原子又は基を言う。
また、R及びRの結合末端が炭素原子であるリン含有炭化水素基としては、結合末端がC=P基であるものを除くリン含有炭化水素基であり、例えば、ジメチルホスフィノメチル基、ジブチルホスフィノメチル基、ジシクロヘキシルホスフィノメチル基、ジメチルホスフィノエチル基、ジブチルホスフィノエチル基、ジシクロヘキシルホスフィノエチル基などのジアルキルホスフィノアルキル基、ジフェニルホスフィノメチル基、ジトリルホスフィノメチル基などのジアリールホスフィノアルキル基、ジメチルホスフィノフェニル基、ジエチルホスフィノフェニル基等のホスフィノ基置換アリール基などが挙げられる。好ましくは炭素数2~12のリン含有炭化水素基である。なお、結合末端とは、R及びRが結合する酸素原子側の原子又は基を言う。
また、R及びRの結合末端が炭素原子であるケイ素含有炭化水素基としては、炭素数1~24のケイ素含有炭化水素基であり、例えば炭化水素置換シリル基、炭化水素置換シロキシアルキル基、炭化水素置換シリルアルキル基、炭化水素置換シリルアリール基などが挙げられ、具体的には、フェニルシリル、ジフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどの炭化水素置換シリル基、トリメチルシロキシメチル基、トリメチルシロキシエチル基、トリメチルシロキシフェニル基等のシロキシ炭化水素基、トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルエーテル基、トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~12のケイ素含有炭化水素基である。
前記Rの中でも好ましい基は、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数3~12の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~12の直鎖状アルケニル基または分岐アルケニル基、炭素数1~12の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~12の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基または分岐ハロゲン置換アルケニル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルキル基、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルケニル基、又は炭素数6~12の芳香族炭化水素基であり、さらに好ましい基は、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数3~12の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~12の直鎖状アルケニル基または分岐アルケニル基、炭素数1~12の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、炭素数3~12のシクロアルケニル基、または炭素数6~12の芳香族炭化水素基であり、特に好ましい基は、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、炭素数3~12の分岐アルキル基、及び炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。
の好ましい基は、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐アルキル基、ビニル基、炭素数3~12の直鎖状アルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐アルケニル基、炭素数1~12の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキル基、炭素数3~12の直鎖状ハロゲン置換アルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のシクロアルキル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のシクロアルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のハロゲン置換シクロアルキル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のハロゲン置換シクロアルケニル基、または結合末端が-CH-である炭素数7~12の芳香族炭化水素基であり、更に好ましくは、炭素数1~12の直鎖状アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐アルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数1~12の直鎖状ハロゲン置換アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキル基、結合末端が-CH-である炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のシクロアルキル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のシクロアルケニル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のハロゲン置換シクロアルキル基、結合末端が-CH-である炭素数4~12のハロゲン置換シクロアルケニル基、または結合末端が-CH-である炭素数7~12の芳香族基炭化水素基であり、特に好ましい基は、炭素数1~12の直鎖状炭化水素基、結合末端が-CH2-である炭素数3~12の分岐アルキル基、及び結合末端が-CH2-である炭素数7~12の芳香族基炭化水素基である。なお、Rにおける当該結合末端とは、Rが結合する酸素原子側の基を言う。
Zが結合する2つの酸素原子間は炭素鎖で結合され、該炭素鎖が2個の炭素原子で構成されている結合性基としては、下記一般式(2);
-CRCR- (2)
(式中、R~Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルキル基あるいはシクロアルケニル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、置換基を有する炭素数7~12の芳香族炭化水素基を示し、同一または異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。)
で表される基であり、この中、R~Rは水素原子か、あるいは炭素数1~12のアルキル基が好ましい。
前記Zの好ましい基は、炭素数1~20の直鎖状アルキレン基、炭素数3~20の分岐アルキレン基、ビニレン基、炭素数3~20の直鎖状アルケニレン基又は分岐アルケニレン基、炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルキレン基、炭素数3~20の分岐ハロゲン置換アルキレン基、炭素数3~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニレン基又は分岐ハロゲン置換アルケニレン基、炭素数3~20のシクロアルキレン基、炭素数3~20のシクロアルケニレン基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキレン基、炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニレン基、炭素数6~24の芳香族炭化水素基、炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基、炭素数1~24の窒素原子含有炭化水素基、炭素数1~24の酸素原子含有炭化水素基、炭素数1~24のリン含有炭化水素基、又は炭素数1~24のケイ素含有炭化水素基である。
また、前記Zの更に好ましい基は、炭素数2のエチレン基、炭素数3~12の分岐アルキレン基、ビニレン基、炭素数3~12の直鎖状アルケニレン基又は分岐アルケニレン基、炭素数2~12の直鎖状ハロゲン置換アルキレン基、炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキレン基、炭素数3~12の直鎖状ハロゲン置換アルケニレン基または分岐ハロゲン置換アルケニレン基、炭素数3~12のシクロアルキレン基、炭素数3~12のシクロアルケニレン基、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルキレン基、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルケニレン基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基、炭素数6~12のハロゲン置換芳香族炭化水素基、炭素数2~12の窒素原子含有炭化水素基、炭素数2~12の酸素原子含有炭化水素基、炭素数2~12のリン含有炭化水素基、又は炭素数2~12のケイ素含有炭化水素基であり、特に好ましい基は、炭素数2のエチレン基及び炭素数3~12の分岐アルキレン基から選ばれる2座の結合性基である。なお、2座の結合性基とは、Zが結合する2つの酸素原子間は炭素鎖で結合され、当該炭素鎖が2個の炭素原子で構成されているものである。
前記Zの炭素数1~20の直鎖状アルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基など挙げられる。好ましくは、炭素数2~12の直鎖状アルキレン基である。更に好ましくはエチレン基である。
前記Zの炭素数3~20の分岐アルキレン基としては、1-メチルエチレン基、2-メチルトリメチレン基、2-メチルテトラメチレン基、2-メチルペンタメチレン基、3-メチルヘキサメチレン基、4-メチルヘプタメチレン基、4-メチルオクタメチレン基、5-メチルノナメチレン基、5-メチルデカメチレン基、6-メチルウンデカメチレン基、7-メチルドデカメチレン基、7-メチルトリデカメチレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12の分岐アルキレン基である。更に好ましくは、1-メチルエチレン基、2-メチルエチレン基、1-エチルエチレン基である。
前記Zの炭素数3~20の直鎖状アルケニレン基としては、プロペニレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基、オクタデセニレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12の直鎖状アルケニレン基である。
前記Zの炭素数3~20の分岐アルケニレン基としては、イソプロペニレン基、1-エチルエテニレン基、2-メチルプロペニレン基、2,2-ジメチルブテニレン基、3-メチル-2-ブテニレン基、3-エチル-2-ブテニレン基、2-メチルオクテニレン基、2,4-ジメチル-2-ブテニレン基などが挙げられる。好ましくは、連結部がエテニレン基である炭素数3~12の分岐アルケニレン基である。更に好ましくは、イソプロペニレン基、1-エチルエテニレン基である。
前記Zの炭素数1~20の直鎖状ハロゲン置換アルケニレン基としては、ジクロロエテニレン基、ジフルオロエテニレン基、3,3-ジクロロプロペニレン基、1,2-ジフルオロプロペニレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12の直鎖状ハロゲン置換アルケニレン基である。
前記Zの炭素数1~20の分岐ハロゲン置換アルキレン基としては、3,4-ジクロロ-1,2-ブチレン基、2,2-ジクロロ-1,3-ブチレン基、1,2-ジフルオロ-1,2-プロピレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12の分岐ハロゲン置換アルキレン基である。
前記Zの炭素数3~20のシクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロプロピレン基、2-メチルシクロプロピレン基、シクロブチレン基、2,2-ジメチルシクロブチレン基、2,3-ジメチルシクロペンチレン基、1,3,3-トリメチルシクロヘキシレン基、シクロオクチレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12のシクロアルキレン基である。
前記Zの炭素数3~20のシクロアルケニレン基としては、シクロペンテニレン基、2,4-シクロペンタジエニレン基、シクロヘキセニレン基、1,4-シクロヘキサジエニレン基、シクロヘプテニレン基、メチルシクロペンテニレン基、メチルシクロヘキセニレン基、メチルシクロヘプテニレン基、ジシクロデシレン基、トリシクロデシレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12のシクロアルケニレン基である。
前記Zの炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルキレン基としては、3-クロロ-1,2-シクロペンチレン基、3,4,5,6-テトラクロロ-1,2-シクロヘキシレン基、3,3-ジクロロ-1,2-シクロプロピレン基、2-クロロメチルシクロプロピレン基、3,4-ジクロロ-1,2-シクロブチレン基、3,3-ビス(ジクロロメチル)-1,2-シクロブチレン基、2,3-ビス(ジクロロメチル)シクロペンチレン基、1,3,3-トリス(フルオロメチル)-1,2-シクロヘキシレン基、3-トリクロロメチル-1,2-シクロオクチレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルキレン基である。
前記Zの炭素数3~20のハロゲン置換シクロアルケニレン基としては、5-クロロ-1,2-シクロ-4-ヘキセニレン基、3,3,4,4-テトラフルオロ-1,2-シクロ-6-オクテニレン基などが挙げられる。好ましくは、炭素数3~12のハロゲン置換シクロアルケニレン基である。
前記Zの炭素数6~24の芳香族炭化水素基としては、1,2-フェニレン、3-メチル-1,2-フェニレン、3,6-ジメチル-1,2-フェニレン、1,2-ナフチレン2,3-ナフチレン、5-メチル-1,2-ナフチレン、9,10-フェナンスリレン、1,2-アントラセニレン等が挙げられる。好ましくは、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。
前記Zの炭素数6~24のハロゲン置換芳香族炭化水素基としては、3-クロロ-1,2-フェニレン、3-クロロメチル-1,2-フェニレン、3,6-ジクロロ-1,2-フェニレン、3,6-ジクロロ-4,5-ジメチル-1,2-フェニレン、3-クロロ-1,2-ナフチレン、3-フルオロ-1,2-ナフチレン、3,6-ジクロロ-1,2-フェニレン、3,6-ジフルオロ-1,2-フェニレン、3,6-ジブロモ-1,2-フェニレン、1-クロロ-2,3-ナフチレン、5-クロロ-1,2-ナフチレン、2,6-ジクロロ-9,10-フェナンスリレン、5,6-ジクロロ-1,2-アントラセニレン、5,6-ジフルオロ-1,2-アントラセニレン等が挙げられる。好ましくは、炭素数6~12のハロゲン置換芳香族炭化水素基である。
前記Zの炭素数1~24の窒素原子含有炭化水素基としては、1-ジメチルアミノエチレン基、1,2-ビスジメチルミノエチレン基、1-ジエチルアミノエチレン基、2-ジエチルアミノ-1,3-プロピレン基、2-エチルアミノ-1,3-プロピレン基、4-ジメチルアミノ-1,2-フェニレン基、4,5-ビス(ジメチルアミノ)フェニレン基等が挙げられる。好ましくは、炭素数2~12の窒素原子含有炭化水素基である。
前記Zの炭素数1~24の酸素原子含有炭化水素基としては、1-メトキシエチレン基、2,2-ジメトキシ-1,3-プロパニレン基、2-エトキシ-1,3-プロパニレン基、2-t-ブトキシ-1,3-プロパニレン基、2,3-ジメトキシ-2,3-ブチレン基、4-メトキシ-1,2-フェニレン基等が挙げられる。好ましくは、炭素数2~12の酸素原子含有炭化水素基である。
前記Zの炭素数1~24のリン含有炭化水素基としては、1-ジメチルホスフィノエチレン基、2,2-ビス(ジメチルホスフィノ)-1,3-プロパニレン基、2-ジエチルホスフィノ-1,3-プロパニレン基、2-t-ブトキメチルホスフィノ-1,3-プロパニレン基、2,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)-2,3-ブチレン基、4-メチルホスフェート-1,2-フェニレン基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~12のリン含有炭化水素基である。
前記Zの炭素数1~24のケイ素含有炭化水素基としては、トリメチルシリルエチレン基、1,2-ビス(トリメチルシリル)エチレン基、1,2-ビス(トリメチルシロキシ)エチレン基、2,2-ビス(4-トリメチルシリルフェニル)-1,3-プロパニレン基、1,2-ビス(モノメチルシラン)-エチレン基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~12のケイ素含有炭化水素基である。
一般式(I)で表される化合物としては、(2-メトキシエチル)メチルカーボネート、(2-エトキシエチル)メチルカーボネート、(2-プロポキシエチル)メチルカーボネート、(2-ブトキシエチル)メチルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)メチルカーボネート、(2-ベンジルオキシエチル)メチルカーボネート、(2-メトキシプロピル)メチルカーボネート、(2-エトキシプロピル)メチルカーボネート、(2-メチル-2-メトキシブチル)メチルカーボネート、(2-メチル-2-エトキシブチル)メチルカーボネート、(2-メチル-2-メトキシペンチル)メチルカーボネート、(2-メチル-2-エトキシペンチル)メチルカーボネート、(1-フェニル-2-メトキシプロピル)メチルカーボネート、(1-フェニル-2-エトキシプロピル)メチルカーボネート、(1-フェニル-2-ベンジルオキシプロピル)メチルカーボネート、(1-フェニル-2-メトキシエチル)メチルカーボネート、(1-フェニル-2-エトキシエチル)メチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-メトキシエチル)メチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-エトキシエチル)メチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-ベンジルオキシエチル)メチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)メチルカーボネート、(2-メトキシエチル)エチルカーボネート、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート、
(1-フェニル-2-メトキシエチル)エチルカーボネート、(1-フェニル-2-エトキシエチル)エチルカーボネート、(1-フェニル-2-プロポキシエチル)エチルカーボネート、(1-フェニル-2-ブトキシエチル)エチルカーボネート、(1-フェニル-2-イソブチルオキシエチル)エチルカーボネート、(1-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-メトキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-エトキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-プロポキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-ブトキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-イソブチルオキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-ベンジルオキシエチル)エチルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)エチルカーボネート、(2-メトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-プロポキシエチル)フェニルカーボネート、(2-ブトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-イソブチルオキシエチル)フェニルカーボネート、(2-ベンジルオキシエチル)フェニルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)フェニルカーボネート、(2-メトキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-プロポキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-ブトキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-イソブチルオキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-ベンジルオキシエチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)p-メチルフェニルカーボネート、(2-メトキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-プロポキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-ブトキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-イソブチルオキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-ベンジルオキシエチル)o-メチルフェニルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)o-メチルフェニルカーボネート、
(2-メトキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-プロポキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-ブトキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-イソブチルオキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-ベンジルオキシエチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)o,p-ジメチルフェニルカーボネート、(2-メトキシプロピル)フェニルカーボネート、(2-エトキシプロピル)フェニルカーボネート、(2-プロポキシプロピル)フェニルカーボネート、(2-ブトキシプロピル)フェニルカーボネート、(2-イソブチルオキシプロピル)フェニルカーボネート、(2-(2-エトキシエチルオキシ)プロピル)フェニルカーボネート、
(2-フェニル-2-メトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-フェニル-2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-フェニル-2-プロポキシエチル)フェニルカーボネート、(2-フェニル-2-ブトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-フェニル-2-イソブチルオキシエチル)フェニルカーボネート、(2-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)フェニルカーボネート、
(1-フェニル-2-メトキシプロピル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-エトキシプロピル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-プロポキシプロピル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-イソブチルオキシプロピル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-メトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-プロポキシエチル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-ブトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-イソブチルオキシエチル)フェニルカーボネート、(1-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)フェニルカーボネート、
(1-メチル-1-フェニル-2-メトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-プロポキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-ブトキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-イソブチルオキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-ベンジルオキシエチル)フェニルカーボネート、(1-メチル-1-フェニル-2-(2-エトキシエチルオキシ)エチル)フェニルカーボネート、が挙げられ、特に好ましくは(2-エトキシエチル)メチルカーボネート、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート、(2-プロポキシエチル)プロピルカーボネート、(2-ブトキシエチル)ブチルカーボネート、(2-ブトキシエチル)エチルカーボネート、(2-エトキシエチル)プロピルカーボネート、(2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)p-メチルフェニルカーボネートから選ばれる1種または2種以上を挙げることができる。上記の中でも、(2-エトキシエチル)メチルカーボネート、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート、(2-プロポキシエチル)エチルカーボネート、(2-ブトキシエチル)エチルカーボネート、(2-エトキシエチル)フェニルカーボネート、(2-エトキシエチル)p-メチルフェニルカーボネートが特に好ましい。なお、一般式(1)で表わされる化合物は単独または2種類以上組み合わせて用いることもできる。
本発明において、2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)としては、2位に置換基を有する1,3-ジエーテル類が好ましい。2位に置換基を有する1,3-ジエーテル類としては、下記一般式(3):
-O-CHCRCH-O-R10 (3)
(式中、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~12のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~12のシクロアルキル基あるいはシクロアルケニル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基あるいはハロゲン置換芳香族炭化水素基、置換基を有する炭素数7~12の芳香族炭化水素基、炭素数1~12のアルキルアミノ基または炭素数2~12のジアルキルアミノ基を示し、同一または異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。R及びR10は炭素数1~12のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、炭素数6~12の芳香族炭化水素基あるいはハロゲン置換芳香族炭化水素基又は置換基を有する炭素数7~12の芳香族炭化水素基を示し、同一または異なっていてもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
具体的には、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)1,3-ジメトキシプロパン、9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレン等が挙げられ、中でも、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレン等が好ましく用いられ、これらの化合物を少なくとも1種又は2種以上を用いることができる。
固体触媒成分(I)中には、成分(A)及び成分(B)以外の内部電子供与性化合物(以下、成分(E)とも言う。)が含まれていてもよい。このような成分(E)としては、アルコール類、フェノール類、酸ハライド類、酸アミド類、ニトリル類、酸無水物、成分(B)以外のエーテル化合物類、有機酸エステル類、珪酸エステル類、エーテル基とエステル基を有する化合物などが挙げられる。
固体触媒成分(I)中、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の合計に占める2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の割合が、33.0~80.0mol%、好ましくは33.0~75.0mol%、より好ましくは35.0~70.0mol%である。成分(A)及び成分(B)の合計に占める成分(B)の割合が、上記範囲にあることにより、オレフィン類の重合において、オレフィン類重合体の分子量分布を適度に広くすることができ、且つ、触媒活性を高くすることができる。一方、成分(A)及び成分(B)の合計に占める成分(B)の割合が、上記範囲未満だと、重合活性が向上せず、また、上記範囲を超えると、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が狭くなり過ぎる。なお、成分(A)及び成分(B)の合計に占める成分(B)の割合は、成分(A)のモル数と成分(B)のモル数の合計に対する成分(B)のモル数の百分率(mol%)である。
固体触媒成分(I)中、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の合計が、好ましくは0.2~0.8ミリモル/グラム固体触媒成分、より好ましくは0.3~0.7ミリモル/グラム固体触媒成分である。成分(A)及び成分(B)の合計が、上記範囲にあることにより、高い重合活性と規則性を両立した触媒となる。なお、上記の成分(A)及び成分(B)の合計とは、成分(A)のモル数と成分(B)のモル数の合計を指す。
固体触媒成分(I)中、全内部電子供与性化合物に占める一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の合計の割合は、好ましくは80.0mol%以上、より好ましくは90.0mol%以上、更に好ましくは100.0mol%である。全内部電子供与性化合物に占める成分(A)及び成分(B)の合計の割合が、上記範囲にあることにより、高い重合活性と規則性を両立した触媒となる。なお、全内部電子供与性化合物に占める成分(A)及び成分(B)の合計の割合とは、全内部電子供与性化合物のモル数の合計に対する成分(A)のモル数と成分(B)のモル数の合計の百分率(mol%)である。
固体触媒成分(I)中には、ポリシロキサン(以下、単に「成分(F)」とも言う。)が含まれていてもよい。ポリシロキサンを用いることにより生成ポリマーの立体規則性あるいは結晶性を向上させることができ、さらには生成ポリマーの微粉を低減することが可能となる。ポリシロキサンは、主鎖にシロキサン結合(-Si-O-結合)を有する重合体であるが、シリコーンオイルとも総称され、25℃における粘度が0.02~100cm/s(2~10000センチストークス)、より好ましくは0.03~5cm/s(3~500センチストークス)を有する、常温で液状あるいは粘稠状の鎖状、部分水素化、環状あるいは変性ポリシロキサンである。
固体触媒成分(I)中のチタン、マグネシウム、ハロゲン原子の含有量は特に規定されないが、好ましくは、チタンが0.1~10質量%、好ましくは0.5~8.0質量%、より好ましくは1.0~5.0質量%であり、マグネシウムが10~40質量%、より好ましくは10~30質量%、特に好ましくは13~25質量%であり、ハロゲン原子が20~89質量%、より好ましくは30~85質量%、特に好ましくは40~75質量%である。
また、上記固体触媒成分(I)は、上記成分の他、更に、ケイ素やリン、アルミニウム等の金属を含む反応試剤を含有するものであってもよい。これらの反応試剤としては、Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物、Si-N-C結合を有する有機ケイ素化合物、P-O結合を有するリン酸化合物、トリアルキルアルミニウム、ジアルコキシアルミニウムクロライド、アルコキシアルミニウムジハライド、トリアルコキシアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、及びアルミニウムトリハライドが挙げられ、好ましくは、Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物、Si-N-C結合を有する有機ケイ素化合物及び有機アルミニウム化合物である。このような反応試剤を含む固体触媒成分(I)は、得られる固体触媒成分の重合活性や立体規則性が改良できる点で好ましい。
上記Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物及びSi-N-C結合を有する有機ケイ素化合物としては、後述する一般式(5)及び(6)で表わされる有機ケイ素化合物の例示化合物及び具体的化合物と同様のものが挙げられるため、その記載を省略する。また、上記有機アルミニウム化合物は、後述する一般式(4)の有機アルミニウム化合物の具体例と同様のものが挙げられるため、その記載を省略する。これらの反応試剤は、1種又は2種以上含んでいてもよい。
(固体触媒成分(I)の製造方法)
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法は、マグネシウム化合物、ハロゲン含有チタン化合物、下記一般式(1):
-O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
(式中、RおよびRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基またはヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を相互に接触させて、接触生成物を得る第1工程と、
該接触生成物を、不活性有機溶媒と接触させて洗浄し、接触生成物の洗浄物を得る中間洗浄工程と、
該接触生成物の洗浄物に対し、「ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液」との接触処理を、少なくとも1回行い、オレフィン類重合用固体触媒成分を得る第2工程と、
を有し、
該第1工程における該カーボネート化合物(A)の接触量及び該エーテル化合物(B)の接触量の合計に占める該エーテル化合物(B)の接触量の割合が、25.0~80.0mol%であり、
該第2工程における該ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液は、該ハロゲン含有チタン化合物と不活性有機溶媒とを、該不活性有機溶媒の体積に対する該ハロゲン含有チタン化合物の体積の比(ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒)が0.25以上となる混合量で混合して得られること、
を特徴とする。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法に係る第1工程は、不活性有機溶媒の存在下で、マグネシウム化合物(C)、ハロゲン含有チタン化合物(D)、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)(成分(A))及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)(成分(B))を相互に接触させて、接触生成物を得る工程である。
マグネシウム化合物(C)(以下、単に「成分(C)」とも言う。)としては、ジハロゲン化マグネシウム、ジアルキルマグネシウム、ハロゲン化アルキルマグネシウム、ジアルコキシマグネシウム、ジアリールオキシマグネシウム、ハロゲン化アルコキシマグネシウム及び脂肪酸マグネシウム等から選ばれる1種以上が挙げられる。これらのマグネシウム化合物のうち、ジハロゲン化マグネシウム、ジハロゲン化マグネシウムとジアルコキシマグネシウムの混合物、ジアルコキシマグネシウムが好ましく、特にジアルコキシマグネシウムが好ましい。ジアルコキシマグネシウムとしては、具体的にはジメトキシマグネシウム、ジエトキシマグネシウム、ジプロポキシマグネシウム、ジブトキシマグネシウム、エトキシメトキシマグネシウム、エトキシプロポキシマグネシウム及びブトキシエトキシマグネシウム等から選ばれる1種以上が挙げられ、これらのうち、ジエトキシマグネシウムが特に好ましい。
また、ジアルコキシマグネシウムは、金属マグネシウムを、ハロゲン含有有機金属等とアルコールと反応させて得たものであってもよい。さらに、上記ジアルコキシマグネシウムとしては、顆粒状または粉末状であり、その形状は不定形あるいは球状のものであってもよい。例えば、球状のジアルコキシマグネシウムを使用した場合、より良好な粒子形状と狭い粒度分布を有する重合体粉末が得られ易く、重合操作時の生成重合体粉末の取り扱い操作性が向上し、生成重合体粉末に含まれる微粉に起因する重合体の分離装置におけるフィルターの閉塞等の問題が容易に解決される。
上記の球状のジアルコキシマグネシウムは、必ずしも真球状である必要はなく、楕円形状あるいは馬鈴薯形状のものを用いることもできる。具体的には、その粒子の円形度が、3以下であるものが好ましく、1~2であることがより好ましく、1~1.5であることがさらに好ましい。なお、本発明において、ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度とは、ジアルコキシマグネシウム粒子を500個以上走査型電子顕微鏡により撮影し、撮影した粒子を画像解析処理ソフトにより処理することで各粒子の面積Sと周囲長Lを求め、各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度を下記式:
各ジアルコキシマグネシウム粒子の円形度=L2/(4π×S)
により算出したときの算術平均値を意味する。粒子の形状が真円に近づくほど、円形度は1に近い値を示す。
また、上記ジアルコキシマグネシウムの平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときの平均粒径D50(体積積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径)で、1~200μmが好ましく、5~150μmがより好ましい。ジアルコキシマグネシウムが球状である場合、上記平均粒径は1~100μmが好ましく、5~70μmがより好ましく、10~60μmがさらに好ましい。
また、ジアルコキシマグネシウムの粒度については、微粉及び粗粉の少ない、粒度分布の狭いものであることが好ましい。具体的には、ジアルコキシマグネシウムは、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときに、5μm以下の粒子が、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。また、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したときに、100μm以上の粒子が、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。更にその粒度分布をln(D90/D10)(ここで、D90は体積積算粒度分布における積算粒度で90%の粒径、D10は体積積算粒度分布における積算粒度で10%の粒径である。)で表すと、3以下であることが好ましく、2以下であることがより好ましい。
ジアルコキシマグネシウムは、1種単独であってもよいし、2種以上の併用であってもよい。上記の如き球状のジアルコキシマグネシウムを製造する方法は、例えば、特開昭58-4132号公報、特開昭62-51633号公報、特開平3-74341号公報、特開平4-368391号公報、特開平8-73388号公報等に例示されている。
本発明では、成分(C)は、溶液状のマグネシウム化合物、またはマグネシウム化合物懸濁液のいずれも用いることができる。成分(C)が固体である場合には、成分(C)の可溶化能を有する溶媒に溶解して溶液状のマグネシウム化合物とするか、成分(C)の可溶化能を有さない溶媒に懸濁してマグネシウム化合物懸濁液として用いる。成分(C)が液体である場合には、そのまま溶液状のマグネシウム化合物として用いることができ、マグネシウム化合物の可溶化能を有する溶媒にこれを溶解して溶液状のマグネシウム化合物として用いることもできる。
ハロゲン含有チタン化合物(D)(以下「成分(D)」ということがある。)としては、例えば、一般式(7):
Ti(OR174-j (7)
(R17は、炭素数1~10の炭化水素基であり、OR17基が複数存在する場合、複数のR17は同一であっても異なっていてもよく、Xはハロゲン基であり、Xが複数存在する場合、各Xは同一であっても異なっていてもよく、jは0または1~4の整数である。)
で表わされる4価のチタン化合物を挙げることができる。
前記一般式(7)で表わされる4価のチタン化合物は、アルコキシチタン、チタンハライドもしくはアルコキシチタンハライド群から選択される化合物の1種あるいは2種以上である。具体的には、チタンテトラフルオライド、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライド、アルコキシチタンハライドとしてメトキシチタントリクロライド、エトキシチタントリクロライド、プロポキシチタントリクロライド、n-ブトキシチタントリクロライド等のアルコキシチタントリハライド、ジメトキシチタンジクロライド、ジエトキシチタンジクロライド、ジプロポキシチタンジクロライド、ジ-n-ブトキシチタンジクロライド、等のジアルコキシチタンジハライド、トリメトキシチタンクロライド、トリエトキシチタンクロライド、トリプロポキシチタンクロライド、トリ-n-ブトキシチタンクロライド等のトリアルコキシチタンハライドが挙げられる。これらの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく用いられ、チタンテトラクロライド、チタンテトラブロマイド、チタンテトラアイオダイド等のチタンテトラハライドが好ましく、特に好ましくはチタンテトラクロライドである。これらのチタン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。さらに、これら一般式(7)で表わされる4価のチタン化合物は、炭化水素化合物あるいはハロゲン化炭化水素化合物等に希釈して使用してもよい。
第1工程では、必要に応じて、成分(D)以外のハロゲン化合物を接触させてもよい。成分(D)以外のハロゲン化合物としては、四価のハロゲン含有ケイ素化合物が挙げられる。より具体的には、テトラクロロシラン(四塩化ケイ素)、テトラブロモシラン等のシランテトラハライド、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン、プロポキシトリクロロシラン、n-ブトキシトリクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、ジプロポキシジクロロシラン、ジ-n-ブトキシジクロロシラン、トリメトキシクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリプロポキシクロロシラン、トリ-n-ブトキシクロロシラン等のアルコキシ基含有ハロゲン化シランが挙げられる。
第1工程で用いる不活性有機溶媒としては、特に限定されない。そのような不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。不活性有機溶媒は、1種単独であってもよいし、2種以上の併用であってもよい。
上記不活性有機溶媒の中でも、副生成物であるアルコキシチタンが除去し易い点で、トルエンが好ましい。
第1工程で用いられる成分(A)及び成分(B)は、上記固体触媒成分(I)の成分(A)及び成分(B)と同様であり、その説明を省略する。また、第1工程では、必要に応じて、上記成分(A)及び成分(B)以外の内部電子供与性化合物(E)を接触させてもよい。第1工程において必要に応じて用いる上記成分(A)及び成分(B)以外の内部電子供与性化合物(E)は、上記固体触媒成分(I)の電子供与性化合物(E)と同様であり、その説明を省略する。また、第1工程では、必要に応じて、成分(F)を接触させてもよい。第1工程において必要に応じて用いる成分(F)は、上記固体触媒成分(I)の成分(F)と同様であり、その説明を省略する。
そして、第1工程では、不活性有機溶媒の存在下で、成分(A)と、成分(B)と、成分(C)と、成分(D)と、必要に応じて、成分(E)及び/又は成分(F)と、を相互に接触させることにより、接触生成物を得る。
第1工程において、ハロゲン含有チタン化合物(D)の接触量は、マグネシウム化合物(C)1.00モル当たり、好ましくは1.00~4.00モル、より好ましくは2.00~3.00モルである。成分(D)の接触量が、上記範囲にあることにより、粒度分布が狭い触媒となる。
第1工程において、全内部電子供与性化合物の接触量は、マグネシウム化合物(C)1.00モル当たり、好ましくは0.10~0.35モル、より好ましくは0.12~0.30モルである。全内部電子供与性化合物の接触量が、上記範囲にあることにより、粒度分布および嵩密度が良好な触媒となる。なお、全内部電子供与性化合物の接触量とは、全内部電子供与性化合物のモル数の合計を指す。
第1工程において、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)の接触量及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の接触量の合計に占める2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の接触量の割合が、25.0~80.0mol%、好ましくは30.0~75.0mol%、より好ましくは35.0~70.0mol%である。成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計に占める成分(B)の接触量の割合が、上記範囲にあることにより、オレフィン類の重合において、オレフィン類重合体の分子量分布を適度に広くすることができ、且つ、触媒活性を高くすることができるオレフィン類重合用固体触媒成分が得られる。一方、成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計に占める成分(B)の接触量の割合が、上記範囲未満だと、重合活性が向上し難くなり、また、上記範囲を超えると、得られるオレフィン類重合体の分子量分布が狭くなり過ぎる。なお、成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計に占める成分(B)の接触量の割合は、成分(A)の接触量のモル数と成分(B)の接触量のモル数の合計に対する成分(B)のモル数の百分率(mol%)である。
第1工程において、一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)の接触量及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の接触量の合計は、マグネシウム化合物(C)1.00モル当たり、好ましくは0.08~0.30モル、より好ましくは0.10~0.25モルである。成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計が、上記範囲にあることにより、粒度分布および嵩密度が良好な触媒なる。なお、上記の成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計とは、成分(A)の接触量のモル数と成分(B)の接触量のモル数の合計を指す。
第1工程において、全内部電子供与性化合物の接触量に占める一般式(1)で表されるカーボネート化合物(A)の接触量及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)の接触量の合計の割合は、好ましくは90mol%以上、より好ましくは100mol%である。全内部電子供与性化合物の接触量に占める成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計の割合が、上記範囲にあることにより、重合活性と立体規則性が高い触媒となる。なお、全内部電子供与性化合物の接触量に占める成分(A)の接触量及び成分(B)の接触量の合計の割合とは、内部電子供与性化合物の接触量のモル数の合計に対する成分(A)の接触量のモル数と成分(B)の接触量のモル数の合計の百分率(mol%)である。
第1工程において、不活性有機溶媒の使用量は、特に制限されないが、不活性有機溶媒の体積に対するハロゲン含有チタン化合物(D)の体積の比(ハロゲン含有チタン化合物(D)/不活性有機溶媒)で、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.2~5.0となる量である。不活性有機溶媒の使用量が上記範囲にあることにより、粒度分布および嵩密度が良好な触媒となる。
第1工程において、ポリシロキサンを接触させる場合は、マグネシウム化合物(C)1.00モル当たり、ポリシロキサン(F)を、0.01~100g接触させることが好ましく、0.05~80g接触させることがより好ましく、1~50g接触させることがさらに好ましい。
第1工程において、各成分を相互に接触させるときの接触温度は、好ましくは50~160℃、より好ましくは80~130℃、更に好ましくは95~115℃である。第1工程での接触温度が上記範囲にあることにより、重合活性が低くなり過ぎず、且つ立体規則性が高いオレフィン類重合体を製造することができる固体触媒成分を得ることができる。
第1工程において、各成分を接触させる方法としては、例えば、還元性を有しない固体マグネシウム化合物、成分(A)、成分(B)及びハロゲン化チタンを共粉砕する方法、アルコール等の付加物を有するハロゲン化マグネシウム化合物、成分(A)、成分(B)及びハロゲン化チタンを不活性炭化水素溶媒の共存下、接触させる方法、ジアルコキシマグネシウム、成分(A)、成分(B)及びハロゲン化チタンを不活性炭化水素溶媒共存下で接触させる方法、還元性を有するマグネシウム化合物、成分(A)、成分(B)及びハロゲン化チタンを接触させて固体触媒を析出させる方法などが挙げられる。
以下に、第1工程の具体的な方法を例示する。なお、以下の(1)又は(2)の方法において、成分(A)と成分(B)は同一反応時に使用しても良いし、逐次的に使用しても良い。さらに、上記接触は、例えば、ケイ素、リン、アルミニウム等の他の反応試剤や界面活性剤の共存下に行ってもよい。
(1)金属マグネシウム、ブチルクロライド及びジアルキルエーテルを反応させることによって有機マグネシウム化合物を合成し、該有機マグネシウム化合物にアルコキシチタンを接触反応させて固体生成物を得、該固体生成物に成分(A)、成分(B)及びハロゲン化チタンを同時にあるいは逐次的に接触させて接触生成物を調製する方法。
(2)ジアルキルマグネシウム等の有機マグネシウム化合物と、有機アルミニウム化合物を、炭化水素溶媒の存在下、アルコールと接触反応させて均一溶液とし、この溶液に四塩化ケイ素等のケイ素化合物を接触させて固体生成物を得、次いで芳香族炭化水素溶媒の存在下で該固体生成物に、ハロゲン化チタン、成分(A)及び成分(B)を接触反応させた後、更に四塩化チタンを接触させて接触生成物を得る方法。
中間洗浄工程は、接触生成物を、不活性有機溶媒と接触させて洗浄し、接触生成物の洗浄物を得る工程である。
中間洗浄工程では、第1工程を行い得られた接触生成物に、不活性有機溶媒を接触させることにより、接触生成物の洗浄を行う。中間洗浄工程における不活性有機溶媒の使用量は、特に制限されず、各成分の使用量に応じて適宜選択される。中間洗浄工程において、接触生成物の洗浄を行うときの洗浄温度は、特に制限されず、適宜選択されるが、例えば、25~100℃である。中間洗浄工程では、接触生成物に、不活性有機溶媒を接触させた後、例えば、デカンテーション、遠心分離等により、洗浄液を分離して、接触生成物の洗浄物を得る。また、中間洗浄工程では、接触生成物と不活性有機溶媒の接触及び洗浄液の分離の操作の回数は、1回以上であり、適宜選択される。
中間洗浄工程で用いる不活性有機溶媒は、特に限定されない。そのような不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。不活性有機溶媒は、1種単独であってもよいし、2種以上の併用であってもよい。洗浄工程で用いる不活性有機溶媒としては、トルエンが好ましい。
第2工程は、接触生成物の洗浄物に対し、「ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液」との接触処理を、少なくとも1回行い、オレフィン類重合用固体触媒成分を得る工程である。第2工程では、接触生成物の洗浄物に対し、ハロゲン含有チタン化合物に不活性有機溶媒を混合した混合液(ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液)を接触させる。
「ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液」は、接触生成物の洗浄物をハロゲン含有チタン化合物(D)と接触させて、接触生成物をハロゲン含有チタン化合物(D)で処理するための液である。ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液は、ハロゲン含有チタン化合物(D)と不活性有機溶媒とを混合したものである。ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液の調製においては、ハロゲン含有チタン化合物(D)と不活性有機溶媒とを、不活性有機溶媒の体積に対するハロゲン含有チタン化合物(D)の体積の比(ハロゲン含有チタン化合物(D)/不活性有機溶媒)が0.25以上、好ましくは0.35~2.00、より好ましくは0.50~1.00となる混合量で混合し、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を得る。ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を調製するときの不活性有機溶媒の体積に対する成分(D)の体積の比(成分(D)/不活性有機溶媒)が、上記範囲にあることにより、オレフィン類の重合において、オレフィン類重合体の分子量分布を適度に広くすることができ、且つ、触媒活性を高くすることができる固体触媒成分が得られる。一方、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を調製するときの不活性有機溶媒の体積に対する成分(D)の体積の比(成分(D)/不活性有機溶媒)が、上記範囲未満だと、オレフィン重合の触媒活性が低い固体触媒成分しか得られない。
第2工程で用いる不活性有機溶媒としては、特に限定されない。そのような不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。不活性有機溶媒は、1種単独であってもよいし、2種以上の併用であってもよい。
上記不活性有機溶媒の中でも、副生成物であるアルコキシチタンを除去し易い点で、トルエンが好ましい。
なお、本発明においては、第1工程で用いる不活性有機溶媒と、洗浄工程で用いる不活性有機溶媒と、第2工程で用いる不活性有機溶媒は、同一であっても、異なってもよい。
第2工程において、接触生成物にハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させるときの接触温度は、好ましくは50~160℃、より好ましくは80~130℃、更に好ましくは95~115℃である。第2工程での接触処理における接触温度が上記範囲にあることにより、重合活性が低くなり過ぎず、且つ、立体規則性が高いオレフィン類重合体を製造することができる固体触媒成分を得ることができる。
第2工程では、接触生成物の洗浄物に、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させる接触処理を、少なくとも1回行う。つまり、第2工程では、接触生成物の洗浄物にハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させる接触処理を1回だけ行ってもよい。また、第2工程では、接触生成物の洗浄物にハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させる1回目の接触処理を行った後、1回目の接触処理により得られる接触生成物を不活性有機溶媒と接触させる洗浄処理を行い、得られる洗浄処理物に、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させる2回目の接触処理を行ってもよい(1回目の接触処理→洗浄処理→2回目の接触処理)。また、第2工程では、接触生成物の洗浄物にハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液を接触させる1回目の接触処理を行った後、得られる接触生成物に対し、洗浄処理と接触処理とを、2回以上繰り返してもよい(1回目の接触処理→洗浄処理→2回目の接触処理→・・・・・→洗浄処理→n回目の接触処理)。第2工程では、接触処理の回数は、好ましくは2~6回である。
第2工程において、洗浄処理を行う場合、洗浄処理で用いる不活性有機溶媒は、特に限定されない。そのような不活性有機溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、デカン等の直鎖脂肪族炭化水素化合物、メチルヘプタン等の分岐状脂肪族炭化水素化合物、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素化合物等が挙げられる。不活性有機溶媒は、1種単独であってもよいし、2種以上の併用であってもよい。第2工程における洗浄処理で用いる不活性有機溶媒としては、ヘプタンが好ましい。第2工程における洗浄処理では、先の接触処理を行い得られる接触生成物に、不活性有機溶媒を接触させた後、例えば、デカンテーション、遠心分離等により、洗浄液を分離して、洗浄物を得る。
そして、第2工程では、接触生成物の洗浄物に対し、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液との接触処理を所定の回数行うことにより、オレフィン類重合用固体触媒成分を得る。
第2工程を行い得られたオレフィン類重合用固体触媒成分については、適宜、洗浄処理、乾燥、分級等を行い、オレフィン類重合用固体触媒成分の製品を得る。
本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分、及び本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法を行い得られるオレフィン類重合用固体触媒成分を、オレフィン類重合用触媒の固体触媒成分として用いることにより、オレフィン類の重合において、得られるオレフィン類重合体の分子量分布(Mw/Mn)を5.0~6.0程度と、適度に広くすることができ、且つ、触媒活性を高くすることができる。
(オレフィン類重合用触媒の製造方法)
本発明の第一の形態のオレフィン類重合用触媒の製造方法は、(I)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分又は本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、及び(II)有機アルミニウム化合物(以下、単に「成分(G)」ということがある。)を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法である。本発明の第二の形態のオレフィン類重合用触媒の製造方法は、(I)本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分又は本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、(II)有機アルミニウム化合物(成分(G))、及び(III)外部電子供与性化合物(以下、単に「成分(H)」ということがある。)を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法である。なお、本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分又は本発明のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分(I)が、上記Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物、Si-N-C結合を有する有機ケイ素化合物又は上記有機アルミニウム化合物(反応試剤)を含む場合、成分(H)の使用を省略することができる。成分(H)を使用せずとも、固体触媒成分と、有機アルミニウムで形成される触媒が、重合活性や水素応答性に優れた性能を示すからである。
(II)有機アルミニウム化合物としては、前記一般式(4)で表される化合物であれば、特に制限されないが、R11としては、エチル基、イソブチル基が好ましく、Qとしては、水素原子、塩素原子、臭素原子、エトキシ基、フェノキシ基が好ましく、pは、2、2.5又は3が好ましく、3であることが特に好ましい。
このような有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリ-n-ヘキシルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイドなどのハロゲン化アルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハイドライドなどが挙げられ、中でもジエチルアルミニウムクロライドなどのハロゲン化アルキルアルミニウム、またはトリエチルアルミニウム、トリ-n-ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウムが好ましく用いられ、特に好ましくはトリエチルアルミニウム及びトリイソブチルアルミニウムである。これらのアルミニウム化合物は、1種あるいは2種以上が使用できる。
(III)外部電子供与性化合物としては、酸素原子あるいは窒素原子を含有する有機化合物が挙げられ、例えばアルコール類、フェノール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、酸ハライド類、アルデヒド類、アミン類、アミド類、ニトリル類、イソシアネート類、有機ケイ素化合物、中でもSi-O-C結合を有する有機ケイ素化合物またはSi-N-C結合を有するアミノシラン化合物等が挙げられる。
上記外部電子供与性化合物のなかでも、安息香酸エチル、p-メトキシ安息香酸エチル、p-エトキシ安息香酸エチル、p-トルイル酸メチル、p-トルイル酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル等のエステル類、1,3-ジエーテル類、Si-O-C結合を含む有機ケイ素化合物、Si-N-C結合を含むアミノシラン化合物が好ましく、Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物、Si-N-C結合を有するアミノシラン化合物、2位に置換基を有する1,3-ジエーテル類が特に好ましい。
上記外部電子供与性化合物(III)のうち、Si-O-C結合を有する有機ケイ素化合物としては、下記一般式(5);
12 Si(OR134-q (5)
(式中、R12は炭素数1~12のアルキル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基、炭素数3~12のシクロアルキル基、フェニル基、炭素数1~12のアルキルアミノ基、炭素数1~12のジアルキルアミノ基のいずれかであり、qは0<q≦3の整数で、qが2以上の場合、複数のR12は同一であっても異なっていてもよい。R13炭素数1~4のアルキル基、炭素数3~6のシクロアルキル基、フェニル基、ビニル基、アリル基、アラルキル基を示し、複数のR13は同一であっても異なっていてもよい。)で表される有機ケイ素化合物が挙げられる。
また、上記外部電子供与性化合物のうち、Si-N-C結合を有するアミノシラン化合物としては、前記一般式(6);
(R1415N)SiR16 4-s (6)
(式中、R14とR15は水素原子、炭素数1~20のアルキル基、ビニル基、炭素数3~20のアルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基あるいはシクロアルケニル基または炭素数6~20のアリール基を示し、R14とR15は同一でも異なってもよく、また互いに結合して環を形成してもよい。R16は炭素数1~20のアルキル基、ビニル基、炭素数3~12のアルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキル基、または炭素数6~20のアリール基を示し、R16が複数ある場合、複数のR16は同一でも異なってもよい。sは1から3の整数である。)で表わされるアミノシラン化合物が挙げられる。
上記一般式(5)または一般式(6)で表わされる有機ケイ素化合物としては、フェニルアルコキシシラン、アルキルアルコキシシラン、フェニルアルキルアルコキシシラン、シクロアルキルアルコキシシラン、アルキル(シクロアルキル)アルコキシシラン、(アルキルアミノ)アルコキシシラン、アルキル(アルキルアミノ)アルコキシシラン、シクロアルキル(アルキルアミノ)アルコキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラキス(アルキルアミノ)シラン、アルキルトリス(アルキルアミノ)シラン、ジアルキルビス(アルキルアミノ)シラン、トリアルキル(アルキルアミノ)シラン等を挙げることができる。
また、2位に置換基を有する1,3-ジエーテル類としては、内部電子供与性化合物の成分(B)と同様のものが挙げられる。
本発明のオレフィン類重合用触媒の製造方法により得られるオレフィン類重合用触媒は、オレフィン類の重合において、オレフィン類重合体の分子量分布を適度に広くすることができ、且つ、触媒活性を高くすることができる。
(オレフィン類重合体の製造方法)
本発明のオレフィン類重合体の製造方法は、本発明のオレフィン類重合用触媒の製造方法により得られるオレフィン類重合用触媒を用いてオレフィン類の重合を行なうことを特徴とする。本発明のオレフィン類重合用触媒の製造方法により得られるオレフィン類重合用触媒を用いてオレフィン類を重合する場合、本発明のオレフィン類重合用触媒の製造方法でオレフィン類重合用触媒を製造した後に、重合用触媒を単離してオレフィン類と接触させるか、あるいは、本発明のオレフィン類重合用触媒の製造方法によりオレフィン類重合用触媒を製造した後にそのまま(単離することなく)オレフィン類と接触させることにより、重合処理に供することができる。
オレフィン類の重合は、オレフィン類の単独重合であってもよいし共重合であってもよく、ランダム共重合であってもよいしブロック共重合であってもよい。
重合対象となるオレフィン類としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン、1-ヘキセン、1,5-ヘキサジエン等から選ばれる一種以上を挙げることができ、これらの中ではエチレン、プロピレン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン及び1,5-ヘキサジエンが好ましく、特にエチレン及びプロピレンが好適である。
オレフィン類を共重合する場合、例えば、プロピレンとプロピレン以外のオレフィン類とを共重合する場合、プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、ビニルシクロヘキサン等から選ばれる一種以上を挙げることができ、とりわけ、エチレン、1-ブテンが好適である。
例えば、プロピレンと他のオレフィン類とを共重合させる場合、プロピレンと少量のエチレンをコモノマーとして1段で重合するランダム共重合と、第一段階(第一重合槽)でプロピレンの単独重合を行い、第二段階(第二重合槽)又はそれ以上の多段階(多段重合槽)でプロピレンとエチレンの共重合を行う、所謂プロピレン-エチレンブロック共重合を挙げることができる。
オレフィン類の重合温度は、室温以上200℃以下であることが好ましく、室温以上100℃以下であることがより好ましい。なお、ここでいう室温とは、20℃を意味する。
オレフィン類の重合圧力は、10MPa以下であることが好ましく、6MPa以下であることがより好ましい。
オレフィン類は、連続重合法で重合してもよいし、バッチ式重合法で重合してもよい。さらに、重合反応を1段で行ってもよいし、2段以上の多段で行ってもよい。
上記オレフィン類の重合反応を行う場合、重合雰囲気としては、不活性ガス雰囲気又は上記プロピレン等の重合対象となるオレフィン類のガス雰囲気の何れであってもよい。
本発明のオレフィン類重合体の製造方法では、分子量分布(Mw/Mn)が5.0~6.0程度と適度に広いオレフィン類重合体が得られ、且つ、触媒活性が高い。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
以下に示す実施例及び比較例において、固体触媒成分中のチタン原子及び内部電子供与性化合物の含有量は、以下の方法により測定したものである。
(固体触媒成分中のチタン原子含有量)
固体触媒成分中のチタン原子含有量は、JIS 8311-1997「チタン鉱石中のチタン定量方法」に記載の方法(酸化還元滴定)に準じて測定した。
(固体触媒成分中の内部電子供与性化合物の含有量)
固体触媒成分中に含まれる内部電子供与性化合物の含有量は、ガスクロマトグラフィー((株)島津製作所製、GC-2014)を用いて下記の条件にて測定することで求めた。また、各成分(各内部電子供与性化合物)のモル数については、ガスクロマトグラフィーの測定結果より、予め既知濃度において測定した検量線を用いて求めた。
<測定条件>
カラム:キャピラリーカラム(φ0.32×30m, Dimethyl Polysiloxane、Restek社製)
検出器:FID(Flame Ionization Detector,水素炎イオン化型検出器)
キャリアガス:ヘリウム、流量15mL/分
測定温度:気化室280℃、カラム225℃、検出器280℃、または気化室265℃、カラム180℃、検出器265℃
(実施例1)
<固体触媒成分(I)の合成>
(第1工程及び洗浄工程)
攪拌装置を備え、窒素ガスで置換された内容積500mLのフラスコに、ジエトキシマグネシウム10g(87.4ミリモル)、トルエン55mL、四塩化チタン20mL、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)9.01ミリモル(1.46g)、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)を加え、温度100℃で90分間相互に接触させて反応させた。反応終了後、接触生成物を90℃のトルエン75mLで4回洗浄した。
(第2工程および洗浄)
新たにトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)が0.50の四塩化チタンのトルエン溶液を調製し、該溶液60mLを加えて、100℃に昇温し、15分間攪拌し反応させ、反応後、上澄みを抜き出した。この操作をさらに3回行った後、40℃のn-ヘプタン75mLで6回洗浄して、固体触媒成分(I)を得た。
得られた固体触媒成分(I)中のチタン含有量、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)含有量及び2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)含有量を測定した。その結果を表1に示す。
<重合触媒(Y)の形成及びプロピレンホモ重合評価>
窒素ガスで置換された内容積2.0リットルの攪拌機付オートクレーブに、トリエチルアルミニウム1.32ミリモル、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CMDMS)0.13ミリモル及び上記で得た固体触媒成分(I)をチタン原子として0.0026ミリモル装入し、重合用触媒(Y)を形成した。その後、水素ガス1.5リットル、液化プロピレン1.4リットルを装入し、20℃で5分間予備重合を行なった後に昇温し、70℃で1時間重合反応を行なった。この時の固体触媒成分1g当たりの重合活性、生成重合体中の嵩密度、生成重合体中のp-キシレン可溶分の割合(XS)、生成重合体のメルトフローレイトの値(MFR)、分子量分布(Mw/Mn)を表1に示す。
<固体触媒成分1g当たりの重合活性>
固体触媒成分1g当たりの重合活性については、下記式により求めた。
重合活性(g-PP/g-触媒)=重合体の質量(g)/固体触媒成分の質量(g)
<嵩密度(BD)の測定>
重合体の嵩密度(BD)については、JIS K-6721:1997に従って測定した。
<重合体のキシレン可溶分(XS)の測定>
攪拌装置を具備したフラスコ内に、4.0gの重合体(ポリプロピレン)と、200mLのp-キシレンを装入し、外部温度をキシレンの沸点以上(約150℃)とすることにより、フラスコ内部のp-キシレンの温度を沸点下(137~138℃)に維持しつつ、2時間かけて重合体を溶解した。その後1時間かけて液温を23℃まで冷却し、不溶解成分と溶解成分とを濾過分別した。上記溶解成分の溶液を採取し、加熱減圧乾燥によりp-キシレンを留去し、得られた残留物をキシレン可溶分(XS)とし、その重量を重合体(ポリプロピレン)に対する相対値(重量%)で求めた。
<重合体の溶融流れ性(MFR)>
重合体の溶融流れ性を示すメルトフローレート(MFR)は、ASTM D 1238、JIS K 7210に準じて測定した。
<重合体の分子量分布(Mw/Mn)の測定>
重合体の分子量分布は、ゲルパーミエションクロマトグラフィ(GPC)(Waters社製 Alliance GPC/V2000)にて以下の条件で測定して求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mnによって評価した。
溶媒:o―ジクロロベンゼン(ODCB)
測定温度:140℃
カラム:昭和電工社製 UT-806×3本、HT-803×1本
サンプル濃度:1mg/mL-ODCB(10mg/10mL-ODCB)
注入量:0.5mL
流量:1.0mL/min
(比較例1)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、2.70ミリモル(0.58g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて0.20とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表1に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(参考例1)
<固体触媒成分の合成>
(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)9.01ミリモル(1.46g)及び2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)11.21ミリモル(2.42g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて0.20とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。つまり、参考例1では、内部電子供与性化合物として、IIDMP(B)のみを用いた。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、IIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表1に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
参考例1では、内部電子供与性化合物として、IIDMP(B)のみを用いているため、分子量分布(Mw/Mn)4.5が狭すぎる結果となった。
(実施例2)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、4.04ミリモル(0.87g)とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表1に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、5.40ミリモル(1.17g)とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表1に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
<固体触媒成分の合成>
第1工程でトルエン55mLに代えて37.5mLとし、四塩化チタン20mLに代えて37.5mLとし、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)9.01ミリモル(1.46g)に代えて、12.24ミリモル(1.98g)とし、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.81ミリモル(1.26g)に代えて、8.74ミリモル(1.89g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて1.00とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表2に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
(実施例5)
<固体触媒成分の合成>
第1工程でトルエン55mLに代えて50mLとし、四塩化チタン20mLに代えて25mLとし、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)9.01ミリモル(1.46g)に代えて、5.24ミリモル(0.85g)とし、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、5.24ミリモル(1.13g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて1.00とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表2に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
(実施例6)
<固体触媒成分の合成>
第1工程でトルエン55mLに代えて50mLとし、四塩化チタン20mLに代えて25mLとし、(2-エトキシエチル)エチルカーボネート(EEECA)(A)9.01ミリモル(1.46g)に代えて、5.24ミリモル(0.85g)とし、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、12.24ミリモル(2.65g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて1.00とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表2に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
(比較例2)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、4.04ミリモル(0.87g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて0.20とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表3に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
(比較例3)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、5.40ミリモル(1.17g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて0.20とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表3に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
(比較例4)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、2.70ミリモル(0.58g)とし、第2工程において、四塩化チタンのトルエン溶液のトルエンに対する四塩化チタンの体積比(四塩化チタン/トルエン体積比)0.50に代えて0.33とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表3に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
(比較例5)
<固体触媒成分の合成>
2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン(IIDMP)(B)5.80ミリモル(1.26g)に代えて、2.70ミリモル(0.58g)とした以外は、実施例1と同様に行い、固体触媒成分を得た。
得られた固体触媒成分中のチタン含有量、EEECA(A)含有量及びIIDMP(B)含有量を測定した。その結果を表3に示す。
<重合触媒の形成及びプロピレンホモ重合評価>
実施例1と同様に行った。その結果を表3に示す。
Figure 2023110425000001
Figure 2023110425000002
Figure 2023110425000003

Claims (9)

  1. マグネシウム、チタン、ハロゲン、下記一般式(1):
    -O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
    (式中、R及びRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基又はヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
    で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を含有し、
    該カーボネート化合物(A)及び該エーテル化合物(B)の合計に占める該エーテル化合物(B)の割合が、33.0~80.0mol%であること、
    を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分。
  2. 前記エーテル化合物(B)が、1,3-ジエーテルであることを特徴とする請求項1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
  3. 前記エーテル化合物(B)が、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソブチル-1,3-ジメトキシプロパン又は9,9-ビス(メトキシメチル)フルオレンであることを特徴とする請求項1又は2に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分。
  4. マグネシウム化合物、ハロゲン含有チタン化合物、下記一般式(1):
    -O-C(=O)-O-Z-O-R (1)
    (式中、R及びRは、炭素数1~24の炭化水素基若しくは置換炭化水素基またはヘテロ原子含有基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよく、Zは炭素原子又は炭素鎖を介して結合する結合性基を示す。)
    で表されるカーボネート化合物(A)及び2つ以上のエーテル基を有するエーテル化合物(B)を相互に接触させて、接触生成物を得る第1工程と、
    該接触生成物を、不活性有機溶媒と接触させて洗浄し、接触生成物の洗浄物を得る中間洗浄工程と、
    該接触生成物の洗浄物に対し、ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液との接触処理を、少なくとも1回行い、オレフィン類重合用固体触媒成分を得る第2工程と、
    を有し、
    該第1工程における該カーボネート化合物(A)の接触量及び該エーテル化合物(B)の接触量の合計に占める該エーテル化合物(B)の接触量の割合が、25.0~80.0mol%であり、
    該第2工程における該ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液は、該ハロゲン含有チタン化合物と不活性有機溶媒とを、該不活性有機溶媒の体積に対する該ハロゲン含有チタン化合物の体積の比(ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒)が0.25以上となる混合量で混合して得られること、
    を特徴とするオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  5. 前記カーボネート化合物(A)の接触量及び前記エーテル化合物(B)の接触量の合計が、マグネシウム化合物1.00モル当たり、0.08~0.30モルであることを特徴とする請求項4に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  6. 前記第2工程において、前記接触生成物の洗浄物に対する前記ハロゲン含有チタン化合物/不活性有機溶媒混合液の接触処理の回数が2~6回であることを特徴とする請求項4又は5に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法。
  7. (I)請求項1~3のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分又は請求項4~6のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、及び(II)下記一般式(4):
    11 AlQ3-p (4)
    (式中、R11は炭素数1~6のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲンを示し、pは0<p≦3の実数で、複数のR11は同一であっても異なっていてもよい。)
    で表わされる有機アルミニウム化合物を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法。
  8. (I)請求項1~3のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分又は請求項4~6のいずれか1項に記載のオレフィン類重合用固体触媒成分の製造方法により得られるオレフィン類重合用固体触媒成分、(II)下記一般式(4):
    11 AlQ3-p (4)
    (式中、R11は炭素数1~6のアルキル基を示し、Qは水素原子あるいはハロゲンを示し、pは0<p≦3の実数で、複数のR11は同一であっても異なっていてもよい。)
    で表わされる有機アルミニウム化合物、及び(III)外部電子供与性化合物を相互に接触させることにより、オレフィン類重合用触媒を得ることを特徴とするオレフィン類重合用触媒の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載のオレフィン類重合用触媒の製造方法により得られるオレフィン類重合用触媒を用いてオレフィン類の重合を行なうことを特徴とするオレフィン類重合体の製造方法。
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