JP2023109093A - マスク装置の製造装置、マスク及びマスク装置の製造方法 - Google Patents

マスク装置の製造装置、マスク及びマスク装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】蒸着材料を精度良く基板に蒸着させることができるマスク装置の製造装置および製造方法を提供する。【解決手段】本開示によるマスク装置の製造装置40は、長手方向及び短手方向を有するマスク20と、マスクを挟持するクランプ装置50と、を備える。マスクは、長手方向D2における両側に位置する一対のマスク端部30と、一対のマスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含む。マスク端部は、マスク端部が切り欠かれた切欠き部32と、切欠き部を介して短手方向に並び、長手方向に突出した複数のグリップ部35と、を含む。クランプ装置は、対応するグリップ部を挟持する複数のクランプ51を含む。短手方向におけるグリップ部の寸法は、10mm以上であり、短手方向におけるクランプの寸法に対する短手方向におけるグリップ部の寸法の比は、1以下である。【選択図】図9

Description

本開示の一実施の形態は、マスク装置の製造装置、マスク及びマスク装置の製造方法に関する。
スマートフォンやタブレットPC等の電子デバイスにおいて、高精細な表示装置が、市場から求められている。表示装置は、例えば、400ppi以上又は800ppi以上等の画素密度を有する。
このような表示装置として、応答性の良さと、又は/及びコントラストの高さと、を有する有機EL表示装置が注目されている。有機EL表示装置の画素を形成する方法として、所望のパターンで配列された貫通孔が形成されたマスクを用いて、基板に所望のパターンで画素を形成する方法が知られている。より具体的には、まず、蒸着装置を準備する。次に、蒸着装置内で基板を保持するとともに、マスクを基板に密着させる。そして、基板に有機材料又は/及び無機材料等の蒸着材料を蒸着させる蒸着工程を行う。
蒸着工程を行う蒸着装置は、マスクと、マスクを支持するフレームと、を含むマスク装置を備える。マスク装置において、マスクは、溶接によってフレームに固定される。フレームは、マスクが撓むことを抑制するように、マスクを引っ張った状態で支持する。マスク装置の製造工程においては、まず、クランプ装置により載置台に載置されたマスクの端部を挟持し、マスクを面方向に引っ張って張力を加える。次に、クランプ装置によりマスクを引っ張った状態で、搬送装置によりマスクをフレーム上に搬送する。そして、溶接装置によりマスクをフレームに溶接して固定する。
特開2020-84306号公報
高い画素密度を有する有機EL表示装置を精密に作製するためには、蒸着材料を精度良く基板に蒸着させることが求められる。しかしながら、マスク装置の製造工程において、マスクを引っ張った際にマスクに十分な張力を付与することができず、マスクに皺が生じる場合がある。この場合、蒸着工程において、マスクの貫通孔の位置が設計位置からずれ、蒸着の位置精度が低下するおそれがある。また、マスク装置の製造工程において、マスクの端部が折れ曲がるように変形する場合がある。この場合、クランプ装置によりマスクの端部を挟持することができず、マスク装置の製造不良が発生するおそれがある。
本開示の一実施の形態は、マスク装置の製造装置であって、
長手方向及び短手方向を有するマスクと、
前記マスクを挟持するクランプ装置と、を備え、
前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク装置の製造装置である。
本開示の一実施の形態によれば、マスク装置の信頼性を向上させることができる。
図1は、蒸着装置の一例を示す断面図である。 図2は、マスク装置の一例を示す平面図である。 図3は、図2のマスク装置のマスクを拡大して示す平面図である。 図4は、図3のマスクの貫通孔を示す断面図である。 図5は、図2のマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図6は、マスク装置の製造装置の一例を示す平面図である。 図7は、図6のマスク装置の製造装置の載置台に載置されたマスクを示す平面図である。 図8は、図7のA-A線に沿った断面図である。 図9は、図7のマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図10は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、金属板上にレジストパターンを形成する工程を示す断面図である。 図11は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、金属板を第1金属面からエッチングする工程を示す断面図である。 図12は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、金属板を第2金属面からエッチングする工程を示す断面図である。 図13は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、金属板から樹脂及びレジストパターンを除去する工程を示す断面図である。 図14は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、マスクのマスク端部を形成する工程を示す平面図である。 図15は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、マスクを搬送する工程を示す断面図である。 図16は、マスク装置の製造方法を説明するための図であって、フレームにマスクを固定する工程を示す断面図である。 図17は、有機デバイスの製造方法を説明するための図であって、蒸着装置を準備する工程を示す断面図である。 図18は、有機デバイスの製造方法を説明するための図であって、基板を保持する工程を示す断面図である。 図19は、有機デバイスの製造方法を説明するための図であって、マスクを基板に密着させる工程を示す断面図である。 図20は、蒸着装置を用いて製造した有機デバイスの一例を示す断面図である。 図21は、一比較例によるマスク装置の製造装置におけるマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図22は、別の一比較例によるマスク装置の製造装置におけるマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図23は、更に別の一比較例によるマスク装置の製造装置におけるマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図24は、更に別の一比較例によるマスク装置の製造装置におけるマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図25は、一変形例によるマスク装置の製造装置におけるマスクのマスク端部を拡大して示す平面図である。 図26は、一実施例によるマスク装置の製造装置の評価結果を示す図である。 図27は、別の一実施例によるマスク装置の製造装置の評価結果を示す図である。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「基板」や「基材」や「板」や「シート」や「フィルム」等のある構成の基礎となる物質を意味する用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
本明細書及び本図面において、「平面視」とは、対象となる板状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において、板状の部材の平面方向に直交する法線方向から見た状態を指す。例えば、ある板状の部材が「平面視で矩形状の形状を有する」とは、当該部材を法線方向から見たときに、当該部材が矩形状の形状を有していることを指す。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」や「直交」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈する。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、ある部材又はある領域等のある構成が、他の部材又は他の領域等の他の構成の「上に」や「下に」、「上側に」や「下側に」、又は「上方に」や「下方に」とする場合、ある構成が他の構成に直接的に接している場合を含む。更に、ある構成と他の構成との間に別の構成が含まれている場合、つまり間接的に接している場合も含む。また、特別な説明が無い限りは、「上」や「上側」や「上方」、又は、「下」や「下側」や「下方」という語句は、上下方向が逆転してもよい。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、矛盾の生じない範囲で、その他の実施の形態や変形例と組み合わせてもよい。また、その他の実施の形態同士や、その他の実施の形態と変形例も、矛盾の生じない範囲で組み合わせてもよい。また、変形例同士も、矛盾の生じない範囲で組み合わせてもよい。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、製造方法等の方法に関して複数の工程を開示する場合に、開示されている工程の間に、開示されていないその他の工程が実施されてもよい。また、開示されている工程の順序は、矛盾の生じない範囲で任意である。
本明細書及び本図面において、特別な説明が無い限りは、「~」という記号によって表現される数値範囲は、「~」という符号の前後に置かれた数値を含んでいる。例えば、「34~38質量%」という表現によって画定される数値範囲は、「34質量%以上38質量%以下」という表現によって画定される数値範囲と同一である。
本明細書の一実施の形態においては、マスクが、有機EL表示装置を製造する際に有機材料を所望のパターンで基板上にパターニングするために用いられる蒸着マスクである例について説明する。しかしながら、マスクの用途が特に限定されることはなく、種々の用途に用いられるマスクに対し、本実施の形態を適用することができる。例えば、仮想現実いわゆるVRや拡張現実いわゆるARを表現するための画像や映像を表示又は投影するための装置を製造するために、本実施の形態のマスクを用いてもよい。
本開示の第1の態様は、マスク装置の製造装置であって、
長手方向及び短手方向を有するマスクと、
前記マスクを挟持するクランプ装置と、を備え、
前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク装置の製造装置である。
本開示の第2の態様は、上述した第1の態様によるマスク装置の製造装置において、
前記クランプは、少なくとも前記短手方向における前記マスクの縁部を挟持していてもよい。
本開示の第3の態様は、上述した第1の態様及び上述した第2の態様のそれぞれによるマスク装置の製造装置において、
前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含んでいてもよく、
前記クランプは、前記半円状部分よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持していてもよい。
本開示の第4の態様は、上述した第3の態様によるマスク装置の製造装置において、
前記クランプは、前記長手方向における前記直線状部分の中央位置よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持していてもよい。
本開示の第5の態様は、上述した第1の態様から上述した第4の態様のそれぞれによるマスク装置の製造装置において、
前記グリップ部は、前記クランプによって挟持される挟持領域を含んでいてもよく、
前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第6の態様は、マスク装置の製造装置であって、
長手方向及び短手方向を有するマスクと、
前記マスクを挟持するクランプ装置と、を備え、
前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
前記グリップ部は、前記クランプによって挟持される挟持領域を含み、
前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、マスク装置の製造装置である。
本開示の第7の態様は、長手方向及び短手方向を有し、挟持装置によって挟持されるマスクであって、
前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、
一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を備え、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部であって、前記挟持装置の対応するクランプによって挟持されるグリップ部と、を含み、
前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスクである。
本開示の第8の態様は、上述した第7の態様によるマスクにおいて、
前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含んでいてもよい。
本開示の第9の態様は、マスク装置の製造方法であって、
長手方向及び短手方向を有するマスクを準備する工程と、
クランプ装置によって、前記マスクを挟持する工程と、を備え、
前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク装置の製造方法である。
本開示の第10の態様は、上述した第9の態様によるマスク装置の製造方法において、
前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、少なくとも前記短手方向における前記マスクの縁部を挟持してもよい。
本開示の第11の態様は、上述した第9の態様及び上述した第10の態様のそれぞれによるマスク装置の製造方法において、
前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含んでいてもよく、
前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、前記半円状部分よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持してもよい。
本開示の第12の態様は、上述した第11の態様によるマスク装置の製造方法において、
前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、前記長手方向における前記直線状部分の中央位置よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持してもよい。
本開示の第13の態様は、上述した第9の態様から上述した第12の態様のそれぞれによるマスク装置の製造方法において、
前記マスクを挟持する工程において、前記クランプによって、前記グリップ部の挟持領域が挟持されてもよく、
前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きくてもよい。
本開示の第14の態様は、マスク装置の製造方法であって、
長手方向及び短手方向を有するマスクを準備する工程と、
クランプ装置によって、前記マスクを挟持する工程と、を備え、
前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
前記マスクを挟持する工程において、前記クランプによって、前記グリップ部の挟持領域が挟持され、
前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、マスク装置の製造方法である。
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態は本開示の実施の形態の一例であって、本開示はこれらの実施の形態のみに限定して解釈されない。
まず、図1を用いて、蒸着装置1について説明する。蒸着装置1は、対象物に蒸着材料7を蒸着させる蒸着処理を行うための装置である。
図1に示すように、蒸着装置1は、蒸着源6と、ヒータ8と、マスク装置10と、を含んでいてもよい。蒸着源6、ヒータ8及びマスク装置10は、蒸着装置1の内部に配置される。また、図示しないが、蒸着装置1は、蒸着装置1の内部を真空雰囲気にするための排気手段を含んでいてもよい。蒸着源6は、例えば、るつぼであり、有機発光材料等の蒸着材料7を収容する。ヒータ8は、蒸着源6を加熱して、真空雰囲気下で蒸着材料7を蒸発させる。マスク装置10は、蒸着源6に対向するように配置される。
図1に示すように、マスク装置10は、フレーム15と、マスク20と、を含んでいてもよい。フレーム15は、マスク20が撓むことを抑制するように、マスク20をその面方向に引っ張った状態で支持する。マスク20は、フレーム15に固定されていてもよい。マスク20は、第1マスク面20aと、第2マスク面20bと、を含んでいてもよい。第1マスク面20aは、基板110の側に位置する。第2マスク面20bは、第1マスク面20aとは反対側に位置する。また、フレーム15は、第1フレーム面15aと、第2フレーム面15bと、を含んでいてもよい。第1フレーム面15aは、第2マスク面20bに対向するとともに接触している。第2フレーム面15bは、第1フレーム面15aとは反対側に位置する。
図1に示すように、マスク装置10は、マスク20が蒸着材料7を付着させる対象物である基板110に対向するとともに接触するよう、蒸着装置1内に配置されていてもよい。マスク20は、蒸着源6から飛来した蒸着材料7を通過させる複数の貫通孔25を含んでいる。
図1に示すように、蒸着装置1は、基板110を保持する基板ホルダ2を含んでいてもよい。基板ホルダ2は、基板110の厚み方向、すなわち上下方向(鉛直方向)に移動可能であってもよい。また、基板ホルダ2は、マスク20の短手方向である第1方向D1(図2参照)及びマスク20の長手方向である第2方向D2(図2参照)に移動可能であってもよい。ここで、基板110の厚み方向を第3方向D3とも称する。第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3は、互いに直交していてもよい。
図1に示すように、蒸着装置1は、マスク装置10を保持するマスクホルダ3を含んでいてもよい。マスクホルダ3は、第3方向D3に移動可能であってもよい。また、マスクホルダ3は、第1方向D1及び第2方向D2に移動可能であってもよい。
基板ホルダ2及びマスクホルダ3の少なくとも一方を移動させることにより、基板110に対するマスク装置10のマスク20の位置を調整することができる。
図1に示すように、蒸着装置1は、磁石5を含んでいてもよい。磁石5は、基板ホルダ2よりも上方に配置されていてもよい。図1に示すように、磁石5は、基板ホルダ2の面のうちマスク装置10とは反対側の面に位置していてもよい。磁石5は、磁力によってマスク装置10のマスク20を基板110の側に引き寄せることができる。これにより、マスク20を基板110に密着させ、マスク20と基板110との間に隙間が生じることを抑制することができる。このため、蒸着工程においてシャドーが発生することを抑制することができ、基板110に付着する蒸着材料7の寸法精度や位置精度を向上させることができる。ここで、シャドーとは、マスク20と基板110との間の隙間に蒸着材料7が入り込み、これによって基板110に付着する蒸着材料7の厚みが不均一になる現象のことである。
次に、図2~図5を用いて、マスク装置10について詳細に説明する。
上述したように、マスク装置10は、フレーム15を含んでいる。図2に示すように、フレーム15は、平面視で矩形枠状に形成されている。フレーム15の内側には、開口15dが形成されている。開口15dは、第1フレーム面15aから第2フレーム面15bに貫通している。蒸着工程においては、蒸着源6から蒸発した蒸着材料7は、フレーム15の開口15dを通過して基板110に付着する。ここで、平面視とは、フレーム15の第1フレーム面15aの法線方向、あるいはマスク20の第1マスク面20aの法線方向に沿ってマスク装置10を見ることを意味する。
図2に示すように、フレーム15は、フレーム15に対するマスク20の位置合わせを行うためのアライメントマーク15eを含んでいてもよい。このアライメントマーク15eは、フレーム15のうち、平面視でマスク20と重ならない位置に設けられている。図2に示すように、アライメントマーク15eは、フレーム15の四隅にそれぞれ1つずつ設けられていてもよい。これにより、マスク20の位置決めの際、マスク20によってアライメントマーク15eが隠れてしまうことを抑制することができる。このため、マスク20の位置合わせを容易に行うことができる。
また、上述したように、マスク装置10は、マスク20を含んでいる。図2に示すように、マスク装置10は、複数のマスク20を含んでいてもよい。マスク20は、第1方向D1に短手方向を有し、第1方向D1に直交する第2方向D2に長手方向を有していてもよい。換言すると、マスク20は細長い形状を有しており、第1方向D1はマスク20の短手方向として特定され、第2方向D2はマスク20の長手方向として特定される。図2に示すように、複数のマスク20は、第1方向D1に並んでいてもよい。図示された例においては、10個のマスク20が第1方向D1に並んでいる。
図2において、符号W1は、第1方向D1におけるマスク20の寸法(幅寸法)を表している。寸法W1は、例えば、30mm以上でもよく、50mm以上でもよく、80mm以上でもよい。寸法W1は、例えば、100mm以下でもよく、150mm以下でもよく、180mm以下でもよい。寸法W1の範囲は、30mm、50mm及び80mmからなる第1グループ、及び/又は、100mm、150mm及び180mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、30mm以上180mm以下でもよく、30mm以上150mm以下でもよく、30mm以上100mm以下でもよく、30mm以上80mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上180mm以下でもよく、50mm以上150mm以下でもよく、50mm以上100mm以下でもよく、50mm以上80mm以下でもよく、80mm以上180mm以下でもよく、80mm以上150mm以下でもよく、80mm以上100mm以下でもよく、100mm以上180mm以下でもよく、100mm以上150mm以下でもよく、150mm以上180mm以下でもよい。
図2において、符号L1は、第2方向D2におけるマスク20の寸法(長さ寸法)を表している。寸法L1は、例えば、1000mm以上でもよく、1200mm以上でもよく、1400mm以上でもよい。寸法L1は、例えば、1600mm以下でもよく、2200mm以下でもよく、2800mm以下でもよい。寸法L1の範囲は、1000mm、1200mm及び1400mmからなる第1グループ、及び/又は、1600mm、2200mm及び2800mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L1の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、1000mm以上2800mm以下でもよく、1000mm以上2200mm以下でもよく、1000mm以上1600mm以下でもよく、1000mm以上1400mm以下でもよく、1000mm以上1200mm以下でもよく、1200mm以上2800mm以下でもよく、1200mm以上2200mm以下でもよく、1200mm以上1600mm以下でもよく、1200mm以上1400mm以下でもよく、1400mm以上2800mm以下でもよく、1400mm以上2200mm以下でもよく、1400mm以上1600mm以下でもよく、1600mm以上2800mm以下でもよく、1600mm以上2200mm以下でもよく、2200mm以上2800mm以下でもよい。
図2に示すように、マスク20は、一対のマスク端部30と、一対のマスク端部30の間に位置するマスク中間部21と、を含んでいる。
まず、マスク中間部21について説明する。マスク中間部21は、マスク20のうち、一対のマスク端部30の間に位置する部分である。マスク中間部21は、有効領域22と、周囲領域23と、を含んでいる。周囲領域23は、有効領域22の周囲に位置する領域である。図2に示すように、マスク中間部21は、複数の有効領域22を含んでいてもよい。複数の有効領域22は、第2方向D2に並んでいてもよい。図示された例においては、5つの有効領域22が第2方向D2に並んでいる。また、図2に示すように、周囲領域23は、複数の有効領域22を囲んでいてもよい。周囲領域23は、有効領域22を支持するための領域であってもよく、基板110へ蒸着されることが意図された蒸着材料7が通過する領域ではなくてもよい。一方、有効領域22は、マスク20のうち、基板110の表示領域に対向する領域であってもよい。
図2に示すように、有効領域22は、平面視で矩形の輪郭を有してもよい。なお、図示しないが、有効領域22は、有機EL表示装置の表示領域の形状に応じて、様々な形状の輪郭を有していてもよい。例えば、有効領域22は、円形や楕円形等の輪郭を有していてもよく、六角形や八角形等の多角形の輪郭を有していてもよい。また、複数の有効領域22は、互いに異なる形状の輪郭を有していてもよく、例えば、円形、楕円形、多角形等の輪郭をそれぞれ有していてもよい。
図3に示すように、マスク中間部21の有効領域22は、複数の貫通孔25を含んでいる。複数の貫通孔25は、有効領域22において、第1方向D1及び第2方向D2に沿ってそれぞれ所定のピッチで規則的に並んでいてもよい。マスク中間部21の各貫通孔25を通過した蒸着材料7が、基板110に付着する。
マスク20を用いて有機EL表示装置等の有機デバイスを作製する場合、1つの有効領域22は、1つの有機EL表示装置の表示領域に対応してもよい。このため、図2に示すマスク装置10によれば、有機EL表示装置の多面付蒸着が可能である。なお、1つの有効領域22が複数の表示領域に対応する場合もある。また、図示しないが、1つのマスク20において、複数の有効領域22が第1方向D1に並んでいてもよい。
図4に示すように、複数の貫通孔25は、第1マスク面20aから第2マスク面20bに貫通している。貫通孔25は、第1凹部202と、第2凹部203と、を含んでいてもよい。第1凹部202は、第1マスク面20aに位置する。第2凹部203は、第2マスク面20bに位置する。第1凹部202と第2凹部203とは互いに接続されている。第1凹部202は、マスク20の母材となる金属板200を第1金属面200aからエッチングすることによって形成されてもよい。第2凹部203は、金属板200を第2金属面200bからエッチングすることによって形成されてもよい。
図4に示すように、第1凹部202の壁面202aと第2凹部203の壁面203aとは、周状の接続部205を介して接続されていてもよい。接続部205は、平面視で貫通孔25の開口面積が最小になる貫通部206を画定していてもよい。
図4に示すように、隣り合う2つの第1凹部202は、互いから離間していてもよい。同様に、隣り合う2つの第2凹部203も、互いから離間していてもよい。すなわち、隣り合う2つの第2凹部203の間に、金属板200の第2金属面200bが残存していてもよい。以下の説明において、隣り合う2つの第2凹部203の間で、金属板200の第2金属面200bのうちエッチングされずに残っている部分のことを、トップ部207とも称する。このようなトップ部207が残るようにマスク20を作製することにより、マスク20に強度を持たせることができる。これにより、例えば搬送中等にマスク20が変形したり破損したりすることを抑制することができる。図4において、このトップ部207の幅が、符号βで示されている。トップ部207の幅βが大きすぎると、蒸着工程においてシャドーが発生し、これによって蒸着材料7の利用効率が低下することがある。従って、トップ部207の幅βは、過剰に大きくならないように定められる。
なお、図示しないが、隣り合う2つの第2凹部203が接続されるようにエッチングされてもよい。すなわち、隣り合う2つの第2凹部203の間に、金属板200の第2金属面200bが残存していなくてもよい。また、図示しないが、金属板200の第2金属面200bの全域にわたって隣り合う2つの第2凹部203が接続されるようにエッチングされてもよい。
図4には、符号αが示されている。符号αは、隣り合う2つの第1凹部202の間で、金属板200の第1金属面200aのうちエッチングされずに残っている部分の幅を表している。このような部分は、リブ部とも称する。また、図4には、符号rが示されている。符号rは、貫通部206の寸法(内径寸法)である。リブ部の幅α及び貫通部206の寸法rは、製造する有機デバイスの寸法及び表示画素数等に応じて適宜定められる。
蒸着工程の際、第1マスク面20aは、基板110に対向するとともに接触する。第2マスク面20bは、蒸着材料7を保持した蒸着源6に対向する。蒸着材料7は、第2凹部203及び第1凹部202を通過して基板110に付着する。
図4において第2マスク面20b側から第1マスク面20a側へ向かう矢印で示すように、蒸着材料7は、蒸着源6から基板110に向けてマスク20の第1マスク面20aの法線方向に沿って移動するだけでなく、当該法線方向に対して傾斜した方向にも移動する。このとき、マスク20の厚みTが大きいと、傾斜した方向に移動する蒸着材料7が、トップ部207、第2凹部203の壁面203a、又は/及び第1凹部202の壁面202aに引っ掛かり易くなる。この結果、貫通孔25を通過できない蒸着材料7の比率が大きくなる。従って、蒸着材料7の利用効率を向上させるために、マスク20の厚みTを小さくしてもよい。この場合、第2凹部203の壁面203aの高さを小さくしてもよいし、第1凹部202の壁面202aの高さを小さくしてもよい。マスク20の強度を確保できる範囲内で可能な限りマスク20の厚みTを小さくしてもよい。
マスク20の厚みTは、5μm以上50μm以下であってもよい。マスク20の厚みTが5μm以上であることにより、マスク20の強度を確保し、マスク20に損傷や変形が生じることを抑制することができる。マスク20の厚みTが50μm以下であることにより、蒸着材料7のうち、貫通孔25を通過する前に貫通孔25の壁面203a等に引っ掛かる蒸着材料7の比率を小さくすることができる。これにより、蒸着材料7の利用効率を向上させることができる。ここで、厚みTは、マスク20のうち第1凹部202及び第2凹部203が形成されていない部分の厚みである。従って、厚みTは、金属板200の厚みであるということもできる。
マスク20の厚みTは、例えば、5μm以上でもよく、10μm以上でもよく、15μm以上でもよい。マスク20の厚みTは、例えば、20μm以下でもよく、35μm以下でもよく、50μm以下でもよい。マスク20の厚みTの範囲は、5μm、10μm及び15μmからなる第1グループ、及び/又は、20μm、35μm及び50μmからなる第2グループによって定められてもよい。マスク20の厚みTの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。マスク20の厚みTの範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。マスク20の厚みTの範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5μm以上50μm以下でもよく、5μm以上35μm以下でもよく、5μm以上20μm以下でもよく、5μm以上15μm以下でもよく、5μm以上10μm以下でもよく、10μm以上50μm以下でもよく、10μm以上35μm以下でもよく、10μm以上20μm以下でもよく、10μm以上15μm以下でもよく、15μm以上50μm以下でもよく、15μm以上35μm以下でもよく、15μm以上20μm以下でもよく、20μm以上50μm以下でもよく、20μm以上35μm以下でもよく、35μm以上50μm以下でもよい。
マスク20の厚みTを測定する方法としては、接触式の測定方法を採用してもよい。接触式の測定方法としては、ボールブッシュガイド式のプランジャーを有する、ハイデンハイン社製の長さゲージHEIDENHAIN-METROの「MT1271」を用いてもよい。
次に、一対のマスク端部30について説明する。マスク端部30は、マスク20のうち、第2方向D2における両側に位置する部分である。マスク端部30は、平面視でフレーム15の開口15dと重なっていなくてもよい。この場合、マスク端部30は、マスク20のうち、フレーム15の開口15dよりも外側の部分として定義することができる。ここで、「外側」とは、図2において矢印Aで表すように、第2方向D2において、マスク20の中心線CLから遠ざかる側である。また、マスク20の中心線CLとは、第1方向D1に延びる直線であって、第2方向D2におけるマスク20の中央点C(図2参照)を通る直線である。
図2に示すように、マスク端部30は、フレーム15の第1フレーム面15aに接合される接合部31を含んでいる。接合部31においてマスク20の第2マスク面20bがフレーム15の第1フレーム面15aに溶接されることによって、マスク20がフレーム15に固定されてもよい。例えば、マスク20は、接合部31においてフレーム15にスポット溶接されてもよい。この場合、接合部31には、溶接痕が形成され得る。接合部31は、第1方向D1に並ぶ複数の点状の溶接痕を含んでいてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、溶接痕の配置や形状は任意である。例えば、複数の溶接痕が第2方向D2にも並んでいてもよく、あるいは、溶接痕が第1方向D1又は/及び第2方向D2に線状に延びていてもよい。また例えば、溶接痕は、点状の溶接痕と線状の溶接痕の両方を含んでいてもよい。
また、図5に示すように、マスク端部30は、切欠き部32を含んでいる。切欠き部32は、マスク端部30が切り欠かれることによって形成される。切欠き部32は、マスク20の第1方向D1における中央部に形成されてもよい。切欠き部32は、フレーム15よりも外側に位置している。このため、切欠き部32は、平面視でフレーム15と重なっていない。
図5に示すように、切欠き部32の縁部32eは、平面視で略U字形状を有していてもよい。この場合、切欠き部32は、直線状部分32aと、半円状部分32bと、を含んでいてもよい。直線状部分32aは、第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eから第2方向D2に直線状に延びる部分である。半円状部分32bは、第2方向D2においてマスク端部30の端縁30eとは反対側で直線状部分32aに隣接した半円状の部分である。半円状部分32bは、直線状部分32aよりも内側に位置し、直線状部分32aと連続している。ここで、「内側」とは、図2に示すマスク20の中心線CLに近づく側である。半円状部分32bを形成する円の中心Oの第1方向D1における位置は、直線状部分32aの第1方向D1における中央位置と一致していてもよい。
図5において、符号W2は、第1方向D1における直線状部分32aの寸法(幅寸法)を表している。寸法W2は、半円状部分32bを形成する円の直径と等しくてもよい。寸法W2は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、40mm以上でもよい。寸法W2は、例えば、30mm以下でもよく、50mm以下でもよく、60mm以下でもよい。寸法W2の範囲は、10mm、20mm及び40mmからなる第1グループ、及び/又は、30mm、50mm及び60mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上60mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上40mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上40mm以下でもよく、40mm以上60mm以下でもよく、40mm以上50mm以下でもよく、40mm以上30mm以下でもよく、30mm以上60mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上60mm以下でもよい。
図5において、符号L2は、第2方向D2における直線状部分32aの寸法(長さ寸法)を表している。寸法L2は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、40mm以上でもよい。寸法L2は、例えば、30mm以下でもよく、50mm以下でもよく、60mm以下でもよい。寸法L2の範囲は、10mm、20mm及び40mmからなる第1グループ、及び/又は、30mm、50mm及び60mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L2の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L2の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上60mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上40mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上40mm以下でもよく、40mm以上60mm以下でもよく、40mm以上50mm以下でもよく、40mm以上30mm以下でもよく、30mm以上60mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上60mm以下でもよい。
図5において、符号L3は、第2方向D2における半円状部分32bの寸法(長さ寸法)を表している。すなわち、寸法L3は、半円状部分32bを形成する円の半径を表している。寸法L3は、寸法W2の半分の寸法であってもよい。寸法L3は、例えば、5mm以上でもよく、10mm以上でもよく、20mm以上でもよい。寸法L3は、例えば、15mm以下でもよく、25mm以下でもよく、30mm以下でもよい。寸法L3の範囲は、5mm、10mm及び20mmからなる第1グループ、及び/又は、15mm、25mm及び30mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5mm以上30mm以下でもよく、5mm以上25mm以下でもよく、5mm以上15mm以下でもよく、5mm以上20mm以下でもよく、5mm以上10mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上25mm以下でもよく、10mm以上15mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上25mm以下でもよく、20mm以上15mm以下でもよく、15mm以上30mm以下でもよく、15mm以上25mm以下でもよく、25mm以上30mm以下でもよい。
なお、切欠き部32の縁部32eは、略U字形状以外にも、例えば、略V字形状、略半円形状、略コの字形状等のその他の形状を有していてもよい。
このようにマスク端部30に切欠き部32が形成されたことにより、図5に示すように、マスク端部30の切欠き部32の両側にグリップ部35が形成される。すなわち、マスク端部30は、切欠き部32を介して第1方向D1に並んだ複数のグリップ部35を含んでいる。本実施の形態においては、複数のグリップ部35は、第1グリップ部35aと、第2グリップ部35bと、を含んでいる。第1グリップ部35aは、第1方向D1における一側(図5における左側)に位置し、第2グリップ部35bは、第1方向D1における他側(図5における右側)に位置している。以下の説明において、グリップ部の構成のうち、第1グリップ部35a及び第2グリップ部35bに共通する構成を説明する場合には、「グリップ部35」という用語及び符号を用いる。
図5に示すように、グリップ部35は、第2方向D2に突出している。すなわち、グリップ部35は、基部33から第2方向D2における外側に突出するように形成されている。グリップ部35は、第1方向D1におけるマスク20の縁部20sと、第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eと、切欠き部32の縁部32eの一部(半分)と、によって画定されている。グリップ部35は、後述するクランプ装置50の対応するクランプ51に挟持される部分である。グリップ部35は、クランプ51によって挟持される挟持領域36を含んでいてもよい。より具体的には、第1グリップ部35aは、後述する第1クランプ51aによって挟持される第1挟持領域36aを含んでいてもよく、第2グリップ部35bは、後述する第2クランプ51bによって挟持される第2挟持領域36bを含んでいてもよい(図9参照)。
図5において、符号W3は、第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法(幅寸法)を表している。寸法W3は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、40mm以上でもよい。寸法W3は、例えば、30mm以下でもよく、50mm以下でもよく、60mm以下でもよい。寸法W3の範囲は、10mm、20mm及び40mmからなる第1グループ、及び/又は、30mm、50mm及び60mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W3の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上60mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上40mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上40mm以下でもよく、40mm以上60mm以下でもよく、40mm以上50mm以下でもよく、40mm以上30mm以下でもよく、30mm以上60mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上60mm以下でもよい。
図5において、符号W4は、第1方向D1における第2グリップ部35bの寸法(幅寸法)を表している。寸法W4は、第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法W3と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W4は、寸法W3よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法W4の範囲は、寸法W3の範囲と同様であってもよい。
次に、マスク20及びフレーム15の材料について説明する。マスク20及びフレーム15の主要な材料として、ニッケルを含む鉄合金を用いてもよい。鉄合金は、ニッケルに加えてコバルトを更に含んでいてもよい。例えば、マスク20の金属板200の材料として、ニッケル及びコバルトの含有量が合計で28質量%以上54質量%以下であり、且つコバルトの含有量が0質量%以上6質量%以下である鉄合金を用いてもよい。これにより、マスク20及びフレーム15の熱膨張係数と、ガラスを含む基板110の熱膨張係数との差を小さくすることができる。このため、基板110上に付着する蒸着材料7の寸法精度や位置精度が、マスク20、フレーム15、基板110等の熱膨張に起因して低下することを抑制することができる。
金属板200におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で28質量%以上38質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例として、インバー材、スーパーインバー材、ウルトラインバー材等が挙げられる。インバー材は、34質量%以上38質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。スーパーインバー材は、30質量%以上34質量%以下のニッケルと、コバルトと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。ウルトラインバー材は、28質量%以上34質量%以下のニッケルと、2質量%以上7質量%以下のコバルトと、0.1質量%以上1.0質量%以下のマンガンと、0.10質量%以下のシリコンと、0.01質量%以下の炭素と、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
金属板200におけるニッケル及びコバルトの含有量は、合計で38質量%以上54質量%以下であってもよい。この場合、ニッケル若しくはニッケル及びコバルトを含む鉄合金の具体例として、低熱膨張Fe-Ni系めっき合金等が挙げられる。低熱膨張Fe-Ni系めっき合金は、38質量%以上54質量%以下のニッケルと、残部の鉄及び不可避の不純物とを含む鉄合金である。
なお、蒸着工程の際に、マスク20、フレーム15及び基板110の温度が高温に達しない場合は、マスク20及びフレーム15の熱膨張係数を、基板110の熱膨張係数と同等の値にしなくてもよい。この場合、マスク20を構成する材料として、上述の鉄合金以外の材料を用いてもよい。例えば、クロムを含む鉄合金等、上述のニッケルを含む鉄合金以外の鉄合金を用いてもよい。クロムを含む鉄合金としては、例えば、いわゆるステンレスと称される鉄合金を用いることができる。また、ニッケルやニッケル-コバルト合金等、鉄合金以外の合金を用いてもよい。
次に、図6~図9を用いて、マスク装置10の製造装置40(以下、製造装置40と称する)について説明する。
図6に示すように、製造装置40は、マスク20と、載置台45と、クランプ装置50と、搬送装置60と、溶接装置70(図16参照)と、を含んでいてもよい。
載置台45は、マスク20が載置される台である。図6に示すように、載置台45は、フレーム15から離れた位置に配置される。この載置台45に載置されたマスク20は、クランプ装置50及び搬送装置60によって順次搬送され、フレーム15に固定される。
図6~図8に示すように、載置台45は、平坦なトレー46と、粘着部材47と、ガイドピン48と、を含んでいてもよい。トレー46は、平面視で略矩形形状を有していてもよい。トレー46の上面46aは、マスク20の第2マスク面20bと接触する。粘着部材47は、トレー46の上面46aに位置している。粘着部材47は、第1方向D1に延びており、第2方向D2におけるマスク20の両端部の近くにそれぞれ位置していてもよい。なお、粘着部材47の配置や個数は任意である。粘着部材47は、マスク20の第2マスク面20bに粘着することにより、マスク20をトレー46上に仮固定する。ガイドピン48は、トレー46の上面46aから突出している。ガイドピン48は、粘着部材47の近くにそれぞれ位置していてもよい。なお、ガイドピン48の配置や個数は任意である。ガイドピン48は、マスク20の縁部20sに当接することにより、マスク20の位置がずれないように、マスク20をトレー46上の所定の位置に案内する。
クランプ装置50は、マスク20を挟持する装置である。図6~図8に示すように、クランプ装置50は、第1クランプ装置50Aと、マスク20を挟んで第1クランプ装置50Aの反対側に位置する第2クランプ装置50Bと、を含んでいる。換言すると、クランプ装置50は、マスク20の一対のマスク端部30のうち一方のマスク端部30のグリップ部35を挟持する第1クランプ装置50Aと、他方のマスク端部30のグリップ部35を挟持する第2クランプ装置50Bと、を含んでいる。以下の説明において、クランプ装置の構成のうち、第1クランプ装置50A及び第2クランプ装置50Bに共通する構成を説明する場合には、「クランプ装置50」という用語及び符号を用いる。
図6~図9に示すように、クランプ装置50は、マスク20の対応するグリップ部35を挟持する複数のクランプ51を含んでいる。本実施の形態においては、複数のクランプ51は、第1クランプ51aと、第2クランプ51bと、を含んでいる。第1クランプ51aは、マスク20の第1グリップ部35aを挟持し、第2クランプ51bは、マスク20の第2グリップ部35bを挟持している。以下の説明において、クランプの構成のうち、第1クランプ51a及び第2クランプ51bに共通する構成を説明する場合には、「クランプ51」という用語及び符号を用いる。
図8に示すように、クランプ51は、一対のクランプ51を含んでいる。一対のクランプ51のうちの一方のクランプ51はマスク20の上方に位置しており、他方のクランプ51は下方に位置している。クランプ装置50は、これら一対のクランプ51によりグリップ部35を所定の押圧力で挟み込むことによって、マスク20を挟持している。クランプ装置50は、各クランプ51によりマスク20の対応するグリップ部35を挟持することによって、マスク20を支持する。クランプ装置50は、各クランプ51によりマスク20を第2方向D2において互いに反対側に引っ張って、マスク20に張力を加えることができる。
クランプ装置50は、駆動装置53によって駆動されてもよい。駆動装置53は、例えば、エアシリンダや油圧シリンダ、サーボモータ等であってもよい。クランプ51は、駆動装置53によって制御され、第1方向D1、第2方向D2及び第3方向D3に移動可能であってもよい。また、複数のクランプ51は、対応する駆動装置53によってそれぞれ制御され、互いに独立して移動可能であってもよい。なお、複数のクランプ51は、1つの駆動装置53によって連動して制御されてもよい。
クランプ51は、平面視で矩形形状を有していてもよい。また、クランプ51は、平坦な板状の部材で構成されていてもよい。クランプ51は、例えば、平坦な金属板で構成されていてもよい。金属板のマスク20の側の面には、シリコンラバー等の滑り止め部材が配置されていてもよい。
図9において、符号W5は、第1方向D1における第1クランプ51aの寸法(幅寸法)を表している。寸法W5は、第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法W3(図5参照)よりも大きいか、あるいは寸法W3と等しくてもよい。寸法W5は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、40mm以上でもよい。寸法W5は、例えば、30mm以下でもよく、50mm以下でもよく、60mm以下でもよい。寸法W5の範囲は、10mm、20mm及び40mmからなる第1グループ、及び/又は、30mm、50mm及び60mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W5の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上60mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上40mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上40mm以下でもよく、40mm以上60mm以下でもよく、40mm以上50mm以下でもよく、40mm以上30mm以下でもよく、30mm以上60mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上60mm以下でもよい。
第1方向D1における第1クランプ51aの寸法W5に対する第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法W3の比をW3/W5とした場合、W3/W5は、例えば、0.3以上でもよく、0.4以上でもよく、0.5以上でもよい。W3/W5は、例えば、0.6以下でもよく、0.8以下でもよく、1以下でもよい。W3/W5の範囲は、0.3、0.4及び0.5からなる第1グループ、及び/又は、0.6、0.8及び1からなる第2グループによって定められてもよい。W3/W5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。W3/W5の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。W3/W5の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、0.3以上1以下でもよく、0.3以上0.8以下でもよく、0.3以上0.6以下でもよく、0.3以上0.5以下でもよく、0.3以上0.4以下でもよく、0.4以上1以下でもよく、0.4以上0.8以下でもよく、0.4以上0.6以下でもよく、0.4以上0.5以下でもよく、0.5以上1以下でもよく、0.5以上0.8以下でもよく、0.5以上0.6以下でもよく、0.6以上1以下でもよく、0.6以上0.8以下でもよく、0.8以上1以下でもよい。
図9において、符号W6は、第1方向D1における第2クランプ51bの寸法(幅寸法)を表している。寸法W6は、第1方向D1における第2グリップ部35bの寸法W4(図5参照)よりも大きいか、あるいは寸法W4と等しくてもよい。寸法W6は、第1方向D1における第1クランプ51aの寸法W5と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W6は、寸法W5よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法W6の範囲は、寸法W5の範囲と同様であってもよい。
第1方向D1における第2クランプ51bの寸法W6に対する第1方向D1における第2グリップ部35bの寸法W4の比であるW4/W6は、第1方向D1における第1クランプ51aの寸法W5に対する第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法W3の比であるW3/W5と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、W4/W6は、W3/W5よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。W4/W6の範囲は、W3/W5の範囲と同様であってもよい。
図9に示すように、クランプ51は、少なくとも第1方向D1におけるマスク20の縁部20sを挟持していてもよい。すなわち、クランプ51がグリップ部35を挟持した状態において、平面視でクランプ51とマスク20の縁部20sとが重なっていてもよい。図9に示す例においては、クランプ51が、マスク20の縁部20sを越えた位置、すなわち第1方向D1においてグリップ部35よりも切欠き部32とは反対側にはみ出た位置にまで及んでいる。しかしながら、このことに限られることはなく、クランプ51が、マスク20の縁部20sを越えた位置まで及んでいなくてもよい。
また、図9に示すように、クランプ51は、平面視で切欠き部32と重ならずにグリップ部35を挟持していてもよい。すなわち、クランプ51がグリップ部35を挟持した状態において、平面視でクランプ51と切欠き部32とが重なっていなくてもよい。なお、図9に示すように、平面視でクランプ51と切欠き部32の縁部32eとが重なっていてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、平面視でクランプ51と切欠き部32の縁部32eとが重なっていなくもよい。
また、図9に示すように、クランプ51は、切欠き部32の半円状部分32bよりも第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eに近い位置でグリップ部35を挟持していてもよい。すなわち、クランプ51は、第2方向D2において切欠き部32の直線状部分32aと重なり、かつ半円状部分32bと重ならない位置でグリップ部35を挟持していてもよい。換言すると、クランプ51がグリップ部35を挟持した状態において、クランプ51は、平面視で半円状部分32bよりも外側に位置していてもよい。
この場合において、図9に示すように、クランプ51は、第2方向D2における直線状部分32aの中央位置32cよりも第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eに近い位置でグリップ部35を挟持していてもよい。換言すると、クランプ51がグリップ部35を挟持した状態において、クランプ51は、平面視で第2方向D2における直線状部分32aの中央位置32cよりも外側に位置していてもよい。
図9において、符号W7は、第1方向D1における第1挟持領域36aの寸法(幅寸法)を表している。図9に示すように、寸法W7は、第1方向D1における第1グリップ部35aの寸法W3(図5参照)と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W7は、寸法W3よりも小さくてもよい。また、符号L7は、第2方向D2における第1挟持領域36aの寸法(長さ寸法)を表している。図9に示すように、第1方向D1における第1挟持領域36aの寸法W7は、第2方向D2における第1挟持領域36aの寸法L7よりも大きくてもよい。すなわち、第1挟持領域36aは、第1方向D1における幅寸法が第2方向D2における長さ寸法よりも大きくなるような形状を有していてもよい。
寸法W7は、例えば、10mm以上でもよく、20mm以上でもよく、40mm以上でもよい。寸法W7は、例えば、30mm以下でもよく、50mm以下でもよく、60mm以下でもよい。寸法W7の範囲は、10mm、20mm及び40mmからなる第1グループ、及び/又は、30mm、50mm及び60mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法W7の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法W7の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法W7の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、10mm以上60mm以下でもよく、10mm以上50mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上40mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上60mm以下でもよく、20mm以上50mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上40mm以下でもよく、40mm以上60mm以下でもよく、40mm以上50mm以下でもよく、40mm以上30mm以下でもよく、30mm以上60mm以下でもよく、30mm以上50mm以下でもよく、50mm以上60mm以下でもよい。
寸法L7は、例えば、5mm以上でもよく、10mm以上でもよく、20mm以上でもよい。寸法L7は、例えば、15mm以下でもよく、25mm以下でもよく、30mm以下でもよい。寸法L7の範囲は、5mm、10mm及び20mmからなる第1グループ、及び/又は、15mm、25mm及び30mmからなる第2グループによって定められてもよい。寸法L7の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の1つと、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の1つとの組み合わせによって定められてもよい。寸法L7の範囲は、上述の第1グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。寸法L7の範囲は、上述の第2グループに含まれる値のうちの任意の2つの組み合わせによって定められてもよい。例えば、5mm以上30mm以下でもよく、5mm以上25mm以下でもよく、5mm以上15mm以下でもよく、5mm以上20mm以下でもよく、5mm以上10mm以下でもよく、10mm以上30mm以下でもよく、10mm以上25mm以下でもよく、10mm以上15mm以下でもよく、10mm以上20mm以下でもよく、20mm以上30mm以下でもよく、20mm以上25mm以下でもよく、20mm以上15mm以下でもよく、15mm以上30mm以下でもよく、15mm以上25mm以下でもよく、25mm以上30mm以下でもよい。
図9において、符号W8は、第1方向D1における第2挟持領域36bの寸法(幅寸法)を表している。図9に示すように、寸法W8は、第1方向D1における第2グリップ部35bの寸法W4(図5参照)と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W8は、寸法W4よりも小さくてもよい。また、符号L8は、第2方向D2における第2挟持領域36bの寸法(長さ寸法)を表している。図9に示すように、第1方向D1における第2挟持領域36bの寸法W8は、第2方向D2における第2挟持領域36bの寸法L8よりも大きくてもよい。すなわち、第2挟持領域36bは、第1方向D1における幅寸法が第2方向D2における長さ寸法よりも大きくなるような形状を有していてもよい。
第1方向D1における第2挟持領域36bの寸法W8は、第1方向D1における第1挟持領域36aの寸法W7と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法W8は、寸法W7よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法W8の範囲は、寸法W7の範囲と同様であってもよい。また、第2方向D2における第2挟持領域36bの寸法L8は、第2方向D2における第1挟持領域36aの寸法L7と等しくてもよい。しかしながら、このことに限られることはなく、寸法L8は、寸法L7よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。寸法L8の範囲は、寸法L7の範囲と同様であってもよい。
搬送装置60は、マスク20を搬送する装置である。搬送装置60は、クランプ装置50により挟持されたマスク20を搬送する。図6に示すように、搬送装置60は、第1方向D1に延びていてもよい。搬送装置60は、クランプ装置50及び駆動装置53を第1方向D1に直線移動させるように構成されていてもよい。搬送装置60は、クランプ装置50及び駆動装置53を第1方向D1に直線移動させることにより、クランプ装置50により挟持されたマスク20を、載置台45上からフレーム15上の対応する位置に搬送可能に構成されていてもよい。
溶接装置70は、マスク20をフレーム15に溶接して接合する装置である。溶接装置70は、搬送装置60によりフレーム15上の所定の位置に搬送されたマスク20のマスク端部30を、接合部31においてフレーム15の第1フレーム面15aに溶接する(図16参照)。溶接装置70は、スポット溶接によってマスク20をフレーム15に接合してもよい。また、溶接装置70は、レーザー光Lを照射するレーザー装置であってもよい。この場合、レーザー光Lとしては、例えば、YAGレーザー装置によって生成されるYAGレーザー光(基本波波長1064nm)を用いてもよい。YAGレーザー装置としては、例えば、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)にNd(ネオジム)を添加した結晶を発振用媒質として備えたものを用いてもよい。あるいは、レーザー光Lとして、例えば、Ybファイバーレーザー装置によって生成されるファイバーレーザー光(波長1070nm)を用いてもよい。
次に、図10~図16を用いて、マスク装置10の製造方法について説明する。
マスク装置10の製造方法は、準備工程と、挟持工程と、搬送工程と、固定工程と、を含んでいてもよい。
まず、準備工程を実施する。準備工程は、フレーム準備工程と、マスク準備工程と、を含んでいてもよい。
フレーム準備工程においては、まず、図示しない金属板を準備する。次に、この金属板に対して切削等の機械加工を施すことにより、開口15dを含むフレーム15を得ることができる。なお、フレーム15は、鋳型や3Dプリンタを用いて作製されてもよい。
マスク準備工程においては、上述したマスク20を準備する。ここでは、複数枚のマスク20に対応する多数の貫通孔25を金属板200に形成する。換言すると、金属板200に複数枚のマスク20を割り付ける。その後、金属板200のうち1枚分のマスク20に対応する複数の貫通孔25が形成された部分210を金属板200から分離する。このようにして、枚葉状のマスク20を得ることができる。
より具体的には、まず、金属板200の第1金属面200a上及び第2金属面200b上に、感光性レジスト材料を含むレジスト膜を形成する。続いて、レジスト膜を露光及び現像する。これにより、図10に示すように、金属板200の第1金属面200a上に第1レジストパターン201aを形成するとともに、金属板200の第2金属面200b上に第2レジストパターン201bを形成することができる。
続いて、図11に示すように、金属板200の第1金属面200aのうち第1レジストパターン201aによって覆われていない領域を、第1エッチング液を用いてエッチングする第1エッチング工程を実施する。これにより、金属板200の第1金属面200aに多数の第1凹部202が形成される。第1エッチング液としては、例えば、塩化第2鉄溶液及び塩酸を含む溶剤を用いてもよい。
次に、図12に示すように、金属板200の第2金属面200bのうち第2レジストパターン201bによって覆われていない領域を、第2エッチング液を用いてエッチングする第2エッチング工程を実施する。これにより、金属板200の第2金属面200bに多数の第2凹部203が形成される。第2エッチング工程は、第1凹部202と第2凹部203とが接続されて貫通孔25が形成されるまで実施される。第2エッチング液としては、上述の第1エッチング液と同様に、例えば、塩化第2鉄溶液及び塩酸を含む溶剤を用いてもよい。なお、第2エッチング工程の際、図12に示すように、第2エッチング液に対する耐性を有する樹脂204によって第1凹部202が被覆されていてもよい。
続いて、図13に示すように、金属板200から樹脂204を除去する。樹脂204は、例えばアルカリ系剥離液を用いることによって、除去することができる。アルカリ系剥離液が用いられる場合、図13に示すように、樹脂204と同時にレジストパターン201a、201bも除去することができる。なお、樹脂204を除去した後、樹脂204を剥離させるための剥離液とは異なる剥離液を用いて、樹脂204とは別途にレジストパターン201a、201bを除去してもよい。
そして、金属板200のうち1枚分のマスク20に対応する複数の貫通孔25が形成された部分210を金属板200から分離する。
その後、図14に示すように、マスク20のマスク端部30を形成する。より具体的には、金属板200のうち1枚分のマスク20に対応する部分210の端部215を、図示しない切断装置を用いて、図14に示すような破線DLに沿って切断し、金属片208を除去する。これにより、切欠き部32と、グリップ部35(第1グリップ部35a及び第2グリップ部35b)と、を含むマスク端部30を形成することができる。
このようにして、マスク20を得ることができる。準備したマスク20は、載置台45に載置される(図6~図8参照)。
なお、マスク端部30を形成した後、マスク20を検査するマスク検査工程を実施してもよい。マスク検査工程においては、例えば、マスク20の表面に局所的な変形等が存在するか否かが検査される。
準備工程の後、挟持工程を実施する。挟持工程においては、クランプ装置50によってマスク20を挟持する。より具体的には、図8に示すように、クランプ装置50の複数のクランプ51により、載置台45に載置されたマスク20の対応するグリップ部35を挟持する。そして、各クランプ51によりマスク20を第2方向D2において互いに反対側に引っ張って、マスク20に張力を加える。
挟持工程の後、搬送工程を実施する。搬送工程においては、搬送装置60によってマスク20を搬送する。搬送工程は、移動工程と、位置調整工程と、接触工程と、を含んでいてもよい。
まず、移動工程において、クランプ装置50を移動させる。より具体的には、マスク20がクランプ装置50に挟持された状態で、搬送装置60によりクランプ装置50及び駆動装置53を第1方向D1に直線移動させる。そして、マスク20を、載置台45上からフレーム15上の対応する位置まで搬送して、図15に示すように、マスク20のマスク端部30を、フレーム15の第1フレーム面15aに対向させる。
続いて、位置調整工程において、フレーム15に対するマスク20の位置を調整する。より具体的には、フレーム15のアライメントマーク15eを基準にして、フレーム15に対するマスク20の位置を調整する。位置調整は、クランプ装置50がマスク20に張力を加えた状態で、搬送装置60によりクランプ装置50を水平面内で平行移動させることにより行われる。
次に、接触工程において、マスク20をフレーム15に接触させる。より具体的には、搬送装置60によりクランプ装置50を下方に移動させて、クランプ装置50がマスク20に張力を加えた状態で、マスク20のマスク端部30をフレーム15の第1フレーム面15aに接触させる。
このようにして、マスク20を、載置台45上からフレーム15上まで搬送することができる。
搬送工程の後、固定工程を実施する。固定工程においては、フレーム15にマスク20を固定する。より具体的には、図16に示すように、クランプ装置50がマスク20に張力を加えた状態で、溶接装置70によって、マスク20のマスク端部30を、接合部31においてフレーム15の第1フレーム面15aに溶接して固定する。溶接装置70がレーザー装置である場合、レーザー光Lを用いたスポット溶接によって、マスク20をフレーム15に接合してもよい。
その後、クランプ装置50の各クランプ51がマスク20を解放する。固定工程の後、マスク20のマスク端部30のうち接合部31よりも外側の部分が、図示しない切断装置により切断され除去されてもよい。
このような挟持工程、搬送工程及び固定工程を各マスク20に対して順次実施することによって、図2に示すような、フレーム15に複数のマスク20が固定されたマスク装置10を得ることができる。
次に、図17~図20を用いて、有機デバイスの製造方法について説明する。有機デバイスは、上述したマスク装置10を含む蒸着装置1を用いて製造される。
有機デバイスの製造方法は、準備工程と、保持工程と、密着工程と、蒸着工程と、を含んでいてもよい。
まず、準備工程を実施する。準備工程においては、図17に示すように、蒸着材料7が収容された蒸着源6、ヒータ8及びマスク装置10を含む蒸着装置1を準備する。マスク装置10は、上述したマスク装置の製造方法により得ることができる。ここで、マスク装置10は、マスクホルダ3により蒸着源6の上方に位置するように保持される。
準備工程の後、保持工程を実施する。保持工程においては、図18に示すように、基板ホルダ2により基板110を保持する。より具体的には、基板110は、蒸着装置1の内部において、マスク20の第1マスク面20aに対向するように保持される。この際、基板ホルダ2を移動させて、マスク20に対する基板110の位置を調整してもよい。例えば、マスク20のアライメントマーク(図示せず)又はフレーム15のアライメントマーク15e(図2参照)と、基板110のアライメントマーク(図示せず)とが重なるように、基板110を移動させて位置調整を行ってもよい。
保持工程の後、密着工程を実施する。密着工程においては、磁石5の磁力によりマスク20を基板110に密着させる。より具体的には、図19に示すように、基板ホルダ2の面のうちマスク装置10とは反対側の面に磁石5を配置する。これにより、磁石5の磁力によってマスク20が基板110の側に引き寄せられ、マスク20の第1マスク面20aが基板110に密着する。
密着工程の後、蒸着工程を実施する。蒸着工程においては、基板110に蒸着材料7を蒸着させる。この際、まず、蒸着装置1の内部が高真空状態になるように、蒸着装置1の内部を図示しない排気手段により排気する。次に、ヒータ8により、蒸着源6を加熱して蒸着材料7を蒸発させる。そして、蒸着源6から蒸発してマスク装置10に到達した蒸着材料7が、フレーム15の開口15d及びマスク20の貫通孔25を通過して基板110に付着する。
このようにして、マスク20の貫通孔25の位置に対応した所望のパターンで、蒸着材料7が基板110に蒸着される。これにより、図20に示すような、基板110上に蒸着材料7が付着した有機デバイス100を得ることができる。
なお、有機デバイス100が有機EL表示装置である場合、上述した工程を繰り返すことにより、各色に対応した蒸着材料7を基板110上に付着させることができる。この場合、各色のパターンに対応した貫通孔25が設けられたマスク20を含むマスク装置10がそれぞれ用いられる。
また、図20に示す有機デバイス100においては、蒸着材料7を含む画素に電圧を印加する電極等を含むその他の構成要素は省略されている。従って、図20に示す有機デバイス100は、有機デバイスの中間体と呼ぶこともできる。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
一般的なマスク装置の製造装置140においては、例えば、図21に示すように、マスク120のグリップ部135が細長に形成され、第1方向D1におけるグリップ部135(第1グリップ部135a及び第2グリップ部135b)の寸法W13、W14が10mmよりも小さい場合がある。この場合、マスク装置の製造時において、マスク120のマスク端部130を形成する際に、切断装置による力を受けて、グリップ部135が折れ曲がるように変形し得る。このため、クランプ装置150の各クランプ151(第1クランプ151a及び第2クランプ151b)によりマスク120の対応するグリップ部135を挟持することができない場合があり、マスク装置の製造不良が発生するおそれがある。
一方、別の一般的なマスク装置の製造装置240においては、例えば、図22に示すように、マスク220のグリップ部235が幅広に形成され、第1方向D1におけるクランプ251(第1クランプ251a及び第2クランプ251b)の寸法W25、W26に対する第1方向D1におけるグリップ部235(第1グリップ部235a及び第2グリップ部235b)の寸法W23、W24の比であるW23/W25、W24/W26が1より大きい場合がある。この場合、マスク装置の製造時において、クランプ装置250が各クランプ251によりマスク220の対応するグリップ部235を挟持した状態でマスク220を第2方向D2において互いに反対側に引っ張った際に、マスク220に十分な張力を付与することができないことがある。このため、マスク220に皺が生じ、蒸着工程において、マスク220の貫通孔の位置が設計位置からずれ、蒸着の位置精度が低下するおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、製造装置40において、第1方向D1におけるグリップ部35の寸法W3、W4が10mm以上であり、第1方向D1におけるクランプ51の寸法W5、W6に対する第1方向D1におけるグリップ部35の寸法W3、W4の比W3/W5、W4/W6が1以下である(図5及び図9参照)。第1方向D1におけるグリップ部35の寸法W3、W4が10mm以上であることにより、マスク装置10の製造時において、マスク20のマスク端部30を形成する際に、グリップ部35が変形することを抑制することができる。このため、マスク装置10の製造不良の発生を抑制することができる。また、第1方向D1におけるクランプ51の寸法W5、W6に対する第1方向D1におけるグリップ部35の寸法W3、W4の比W3/W5、W4/W6が1以下であることにより、マスク装置10の製造時において、クランプ装置50が各クランプ51によりマスク20を引っ張った際に、マスク20に十分な張力を付与することができる。このため、マスク20に皺が生じることを抑制することができる。この結果、マスク20の貫通孔25の位置が設計位置からずれることを抑制し、蒸着の位置精度の低下を抑制することができる。このように本実施の形態によれば、マスク装置10の信頼性を向上させることができる。
また、更に別の一般的なマスク装置の製造装置340においては、例えば、図23に示すように、クランプ装置350の各クランプ351(第1クランプ351a及び第2クランプ351b)が、対応するグリップ部335(第1グリップ部335a及び第2グリップ部335b)を挟持する際に、第1方向D1におけるマスク320の縁部320sを挟持していない場合がある。この場合、マスク装置の製造時において、各クランプ351が対応するグリップ部335を挟持している間に、各クランプ351の押圧力によって、第1方向D1におけるマスク320の縁部320sがめくれ上がるように変形し得る。このため、マスク320のマスク端部330をフレームに溶接する際に、マスク320とフレームとの密着性が低下し、溶接不良が発生するおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、クランプ51は、少なくとも第1方向D1におけるマスク20の縁部20sを挟持している(図9参照)。このことにより、マスク装置10の製造時において、各クランプ51が対応するグリップ部35を挟持している間に、各クランプ51の押圧力によって、第1方向D1におけるマスク20の縁部20sが変形することを抑制することができる。このため、溶接不良の発生を抑制することができる。この結果、マスク装置10の信頼性を向上させることができる。
また、更に別の一般的なマスク装置の製造装置440においては、例えば、図24に示すように、クランプ装置450の各クランプ451(第1クランプ451a及び第2クランプ451b)が、第2方向D2において切欠き部432の半円状部分432bと重なる位置、あるいは半円状部分432bよりも内側の位置で対応するグリップ部435(第1グリップ部435a及び第2グリップ部435b)を挟持している場合がある。この場合、各クランプ451の押圧力により、マスク420のうち第1方向D1における第1クランプ451aと第2クランプ451bとの間の領域R4(図24参照)に皺が発生するおそれがある。この皺がマスク420の有効領域にまで及んだ場合、蒸着工程において、マスク420の貫通孔の位置が設計位置からずれ、蒸着の位置精度が低下するおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、クランプ51は、切欠き部32の半円状部分32bよりも第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eに近い位置でグリップ部35を挟持している(図9参照)。このことにより、マスク装置10の製造時において、各クランプ51が対応するグリップ部35を挟持している間に、各クランプ51の押圧力によって、マスク20に皺が発生することを抑制することができる。このため、マスク20の貫通孔25の位置が設計位置からずれることを抑制し、蒸着の位置精度の低下を抑制することができる。
とりわけ、本実施の形態によれば、クランプ51は、第2方向D2における直線状部分32aの中央位置32cよりも第2方向D2におけるマスク端部30の端縁30eに近い位置でグリップ部35を挟持している(図9参照)。このことにより、マスク20に皺が発生することをより一層効果的に抑制することができる。このため、マスク20の貫通孔25の位置が設計位置からずれることをより一層抑制し、蒸着の位置精度の低下をより一層抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、第1方向D1における挟持領域36a、36bの寸法W7、W8は、第2方向D2における挟持領域36a、36bの寸法L7、L8よりも大きい(図9参照)。このように挟持領域36a、36bの幅が広いことにより、マスク装置10の製造時において、クランプ装置50の各クランプ51によりマスク20を引っ張った際に、マスク20に十分な張力を付与することができ、マスク20に皺が生じることを抑制することができる。また、このように挟持領域36a、36bの長さが短いことにより、各クランプ51が対応するグリップ部35を挟持している間に、各クランプ51の押圧力によって、マスク20に皺が発生することを抑制することができる。このため、マスク20の貫通孔25の位置が設計位置からずれることを抑制し、蒸着の位置精度の低下を抑制することができる。
なお、上述した実施の形態においては、複数のグリップ部35が、第1グリップ部35aと、第2グリップ部35bと、を含んでいる例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、グリップ部35の個数は任意である。例えば、図25に示すように、複数のグリップ部35は、第1グリップ部35aと、第2グリップ部35bと、第3グリップ部35cと、を含んでいてもよい。
図25に示す例においては、マスク端部30は、複数の切欠き部32を含んでいる。複数の切欠き部32は、第1切欠き部32Xと、第2切欠き部32Yと、を含んでいる。複数のグリップ部35は、これらの切欠き部32を介して第1方向D1に並んでいる。より具体的には、第1グリップ部35a及び第2グリップ部35bは、第1切欠き部32Xを介して第1方向D1に並び、第2グリップ部35b及び第3グリップ部35cは、第2切欠き部32Yを介して第1方向D1に並んでいる。
また、図25に示す例においては、複数のクランプ51は、第1クランプ51aと、第2クランプ51bと、第3クランプ51cと、を含んでいる。複数のクランプ51は、マスク20の対応するグリップ部35を挟持している。より具体的には、第1クランプ51aは、マスク20の第1グリップ部35aを挟持し、第2クランプ51bは、マスク20の第2グリップ部35bを挟持し、第3クランプ51cは、マスク20の第3グリップ部35cを挟持している。
このような場合であっても、第1方向D1におけるグリップ部35の寸法が10mm以上であることにより、マスク装置10の製造時において、グリップ部35が変形することを抑制することができ、マスク装置10の製造不良の発生を抑制することができる。また、第1方向D1におけるクランプ51の寸法に対する第1方向D1におけるグリップ部35の寸法の比が1以下であることにより、マスク装置10の製造時において、マスク20に皺が生じることを抑制することができる。このため、マスク20の貫通孔25の位置が設計位置からずれることを抑制し、蒸着の位置精度の低下を抑制することができる。この結果、マスク装置10の信頼性を向上させることができる。
なお、上述した例に限られることはなく、複数のグリップ部35は、第4グリップ部、第5グリップ部等の更に多くのグリップ部35を含んでいてもよい。この場合において、複数の切欠き部32も、第3切欠き部、第4切欠き部等の更に多くの切欠き部32を含んでいてもよい。また、複数のクランプ51も、第4クランプ、第5クランプ等の更に多くのクランプ51を含んでいてもよい。
次に、本開示の実施の形態を一実施例により更に具体的に説明するが、本開示の実施の形態は、その要旨を超えない限り、以下の一実施例の記載に限定されない。
まず、一実施例として、グリップ部35の幅寸法W3、W4を変更した場合のグリップ部35の変形及び貫通孔25の位置精度を評価した。
より具体的には、まず、複数のマスク20を準備した。各マスク20において、マスク20の長さ寸法L1(図2参照)は1200mmであった。マスク20の幅寸法W1(図2参照)は、28mm以上200mm以下の範囲内で変更した。各マスク20の厚みTは30μmであった。
各マスク20のマスク端部30には、切欠き部32が形成されていた。図5に示すように、切欠き部32の縁部32eは、平面視で略U字形状を有しており、切欠き部32は、直線状部分32aと半円状部分32bとを有していた。各マスク20において、直線状部分32aの幅寸法W2は20mmであった。直線状部分32aの長さ寸法L2は10mmであった。半円状部分32bの長さ寸法L3は10mmであった。
各マスク20のマスク端部30に切欠き部32が形成されたことにより、図5に示すように、マスク端部30の切欠き部32の両側にグリップ部35(第1グリップ部35a及び第2グリップ部35b)が形成されていた。各マスク20において、第1グリップ部35aの幅寸法W3は、4mm以上90mm以下の範囲内で変更した(図26参照)。第2グリップ部35bの幅寸法W4は、第1グリップ部35aの幅寸法W3の寸法と同じにした。
続いて、図9に示すように、クランプ装置50のクランプ51により、各マスク20の対応するグリップ部35を挟持した。すなわち、第1クランプ51aにより、各マスク20の第1グリップ部35aを挟持し、第2クランプ51bにより、各マスク20の第2グリップ部35bを挟持した。第1クランプ51aの幅寸法W5は30mmであった。第2クランプ51bの幅寸法W6は、第1クランプ51aの幅寸法W5と同様、30mmであった。
第1クランプ51aの幅寸法W5が30mmであるため、第1グリップ部35aの幅寸法W3(図5参照)が30mmよりも小さい場合、第1挟持領域36aの幅寸法W7は、第1グリップ部35aの幅寸法W3と同じであった。また、第1グリップ部35aの幅寸法W3(図5参照)が30mm以上の場合、第1挟持領域36aの幅寸法W7は30mmであった。第1挟持領域36aの長さ寸法L7は8mmであった。第2挟持領域36bの幅寸法W8は、第1挟持領域36aの幅寸法W7と同じであった。第2挟持領域36bの長さ寸法L8は、第2挟持領域36bの長さ寸法L7と同様、8mmであった。また、クランプ51によりグリップ部35を挟持する際、少なくとも第1方向D1におけるマスク20の縁部20sを挟持するようにした(図9参照)。
ここで、まず、各マスク20について、グリップ部35に変形があるか否かを評価した。図26に、各マスク20のグリップ部35の幅寸法W3に対するグリップ部35の変形の評価結果を示す。図26の「グリップ部の変形」の評価項目の欄において、「〇」は変形が見られなかったことを示し、「△」はクランプによる挟持は可能であるが変形が見られたことを示し、「×」はクランプによる挟持が不可能な程度の大きな変形が見られたことを示している。
図26に示すように、グリップ部35の幅寸法W3が7.5mm以下である場合に、グリップ部35に変形が見られ、グリップ部35の幅寸法W3が6mm以下である場合に、グリップ部35にクランプ51による挟持が不可能な程度の大きな変形が見られた。一方、グリップ部35の幅寸法W5が10mm以上である場合には、グリップ部35に変形が見られなかった。
次に、クランプ51により挟持することができた各マスク20(グリップ部35の幅寸法W5が7mm以上のマスク20)をフレーム15に固定して、各マスク20に対応するマスク装置10を得た。より具体的には、まず、各クランプ51によりマスク20を第2方向D2において互いに反対側に引っ張り、マスク20に張力を加えた。そして、クランプ装置50によりマスク20に張力を加えた状態で、搬送装置60によりマスク20をフレーム15上に搬送し、溶接装置70によりマスク20のマスク端部30をフレーム15に溶接した。
その後、各マスク装置10におけるマスク20の貫通孔25の位置精度を評価した。より具体的には、フレーム15に固定された各マスク20の貫通孔25の位置を測定し、その測定位置と設計位置との差分から位置ずれ量を算出した。評価点は、各マスク20の1つの有効領域22に対して、その有効領域22内の任意の貫通孔25の位置で9点設定された。位置ずれ量は、すべての評価点における測定位置と設計位置との差分のバラツキの標準偏差として算出した。
図26に、各マスク20の貫通孔25の位置精度の評価結果を示す。図26には、クランプ51の幅寸法W5に対するグリップ部35の幅寸法W3の比であるW3/W5の各値と、各W3/W5に対する貫通孔25の位置精度の評価結果とが示されている。図26の「貫通孔の位置精度」の評価項目の欄において、「〇」は位置ずれ量が±3μm以内であったことを示し、「△」は位置ずれ量が±3μmよりも大きかったが±5μm以内であったことを示し、「×」は位置ずれ量が±5μmよりも大きかったことを示している。
図26に示すように、W3/W5が1.07以上である場合に、±3μmよりも大きい位置ずれ量を示し、W3/W5が1.27以上である場合に、±5μmよりも大きい位置ずれ量を示した。一方、W3/W5が1以下である場合には、±3μm以内の位置ずれ量であった。
また、別の一実施例として、クランプ51による挟持位置を変更した場合のマスク20の変形を評価した。
より具体的には、まず、同一の寸法を有する複数のマスク20を準備した。続いて、各マスク20について、第1方向D1におけるクランプ51とマスク20の縁部20sとの間の寸法ΔW(図23参照)を変更して、クランプ51によりグリップ部35を挟持した。次に、クランプ51によりマスク20に張力を加え、搬送装置60によりマスク20をフレーム15上に搬送した。そして、溶接装置70により各マスク20のマスク端部30をフレーム15に溶接することを試みた。その際、挟持位置を変更した各マスク20について、マスク20の縁部20sがめくれ上がるように変形したか否かを評価するとともに、マスク20をフレーム15に正常に溶接できたか否かを評価した。
ここで、各マスク20において、第1方向D1におけるクランプ51とマスク20の縁部20sとの間の寸法ΔWは、-3mm以上3mm以下の範囲内で1mm刻みで変更した(図27参照)。寸法ΔWが「-(マイナス)」とは、クランプ51が、マスク20の縁部20sを挟持するとともに、マスク20の縁部20sを越えた位置にまで及んでいることを意味する。例えば、寸法ΔWが「-3mm」とは、クランプ51の位置がマスク20の縁部20sを第1方向D1に3mm越えていることを意味する。
各マスク20において、マスク20の長さ寸法L1(図2参照)は1200mmであった。マスク20の幅寸法W1(図2参照)は80mmであった。各マスク20の厚みTは30μmであった。切欠き部32の直線状部分32aの幅寸法W2(図5参照)は20mmであった。切欠き部32の直線状部分32aの長さ寸法L2(図5参照)は10mmであった。切欠き部32の半円状部分32bの長さ寸法L3(図5参照)は10mmであった。グリップ部の幅寸法W3、W4(図5参照)は30mmであった。また、クランプ51の幅寸法W5、W6(図9参照)は30mmであった。挟持領域36の長さ寸法L7、L8(図9参照)は8mmであった。
図27に、第1方向D1におけるクランプ51とマスク20の縁部20sとの間の寸法ΔW(図23参照)に対するマスク20の縁部20sの変形及びマスク20のフレーム15への溶接可否についての評価結果を示す。図27の「縁部の変形」の評価項目の欄において、「無」はマスク20の縁部20sに変形が見られなかったことを示し、「有」はマスク20の縁部20sにめくれ上がるような変形が見られたことを示している。また、「溶接」の評価項目の欄において、「〇」はマスク20をフレーム15に正常に溶接できたことを示し、「×」はマスク20とフレーム15との間に溶接不良が発生したことを示している。
図27に示すように、第1方向D1におけるクランプ51とマスク20の縁部20sとの間の寸法ΔWが1mm以上である場合に、マスク20の縁部20sにめくれ上がるような変形が見られ、マスク20とフレーム15との間に溶接不良が発生した。一方、第1方向D1におけるクランプ51とマスク20の縁部20sとの間の寸法ΔWが0mm以下である場合、すなわち、クランプ51が少なくともマスク20の縁部20sを挟持していた場合には、マスク20の縁部20sに変形が見られず、マスク20をフレーム15に正常に溶接することができた。

Claims (14)

  1. マスク装置の製造装置であって、
    長手方向及び短手方向を有するマスクと、
    前記マスクを挟持するクランプ装置と、を備え、
    前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
    前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
    前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
    前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
    前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク装置の製造装置。
  2. 前記クランプは、少なくとも前記短手方向における前記マスクの縁部を挟持している、請求項1に記載のマスク装置の製造装置。
  3. 前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含み、
    前記クランプは、前記半円状部分よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持している、請求項1または2に記載のマスク装置の製造装置。
  4. 前記クランプは、前記長手方向における前記直線状部分の中央位置よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持している、請求項3に記載のマスク装置の製造装置。
  5. 前記グリップ部は、前記クランプによって挟持される挟持領域を含み、
    前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスク装置の製造装置。
  6. マスク装置の製造装置であって、
    長手方向及び短手方向を有するマスクと、
    前記マスクを挟持するクランプ装置と、を備え、
    前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
    前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
    前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
    前記グリップ部は、前記クランプによって挟持される挟持領域を含み、
    前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、マスク装置の製造装置。
  7. 長手方向及び短手方向を有し、挟持装置によって挟持されるマスクであって、
    前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、
    一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を備え、
    前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部であって、前記挟持装置の対応するクランプによって挟持されるグリップ部と、を含み、
    前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
    前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク。
  8. 前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含む、請求項7に記載のマスク。
  9. マスク装置の製造方法であって、
    長手方向及び短手方向を有するマスクを準備する工程と、
    クランプ装置によって、前記マスクを挟持する工程と、を備え、
    前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
    前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
    前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
    前記短手方向における前記グリップ部の寸法は、10mm以上であり、
    前記短手方向における前記クランプの寸法に対する前記短手方向における前記グリップ部の寸法の比は、1以下である、マスク装置の製造方法。
  10. 前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、少なくとも前記短手方向における前記マスクの縁部を挟持する、請求項9に記載のマスク装置の製造方法。
  11. 前記切欠き部は、前記長手方向における前記マスク端部の端縁から前記長手方向に直線状に延びる直線状部分と、前記長手方向において前記端縁とは反対側で前記直線状部分に隣接する半円状部分と、を含み、
    前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、前記半円状部分よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持する、請求項9または10に記載のマスク装置の製造方法。
  12. 前記マスクを挟持する工程において、前記クランプが、前記長手方向における前記直線状部分の中央位置よりも前記端縁に近い位置で前記グリップ部を挟持する、請求項11に記載のマスク装置の製造方法。
  13. 前記マスクを挟持する工程において、前記クランプによって、前記グリップ部の挟持領域が挟持され、
    前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、請求項9~12のいずれか一項に記載のマスク装置の製造方法。
  14. マスク装置の製造方法であって、
    長手方向及び短手方向を有するマスクを準備する工程と、
    クランプ装置によって、前記マスクを挟持する工程と、を備え、
    前記マスクは、前記長手方向における両側に位置する一対のマスク端部と、一対の前記マスク端部の間に位置し、複数の貫通孔を含むマスク中間部と、を含み、
    前記マスク端部は、前記マスク端部が切り欠かれた切欠き部と、前記切欠き部を介して前記短手方向に並び、前記長手方向に突出した複数のグリップ部と、を含み、
    前記クランプ装置は、対応する前記グリップ部を挟持する複数のクランプを含み、
    前記マスクを挟持する工程において、前記クランプによって、前記グリップ部の挟持領域が挟持され、
    前記短手方向における前記挟持領域の寸法は、前記長手方向における前記挟持領域の寸法よりも大きい、マスク装置の製造方法。
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