JP2023108972A - パイプ表面研磨装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】、如何なる径のステンレスパイプであっても搬送不良を起こさずに、歩留まりを高めることのできるパイプ表面研磨装置を提供する。【解決手段】搬送手段は、パイプに当接すると共に、延設方向の周方向に強制的に駆動される強制駆動ロールと、パイプと当接しパイプの回転に伴って回転されると共に、延設方向に対して回転軸が傾斜した第1の遊車ロールとを備え、研磨手段は、フラップホイールがパイプの鉛直方向に移動自在に配置され、強制駆動ロールと同軸上に配置された駆動受ロールと、パイプと当接しパイプの回転に伴って回転されると共に、延設方向に対して回転軸が傾斜した第2の遊車ロールとを備え、駆動受ロールは、強制駆動ロールと同軸に連結され、強制駆動ロールの回転に伴って回転する。【選択図】図4
Description
この発明は、パイプ表面研磨装置、特に、研磨装置を大規模に改装することなく、如何なる径のパイプであっても、円滑にパイプの表面を研磨することができる、パイプ表面研磨装置に関するものである。
例えば、ステンレスパイプの表面を研磨するパイプ表面研磨装置は、基台上の研磨ラインに沿って間隔をあけて複数基の研磨機を設置されている。
研磨機は、モータにより回転するフラップホイールを備え、フラップホイールによりステンレスパイプの表面を研磨する。
このような従来の研磨装置は、ステンレスパイプの表面を研磨するために、ステンレスパイプをその軸回りに回転させながら研磨機を通過させる。
具体的には、図7に示すように、研磨機の前後に搬送手段120を備えており、当該搬送手段120によって、ステンレスパイプ105は、研磨ラインに沿って軸方向に搬送される。
搬送手段120は、モータによって図7において時計回りに回転する強制駆動ロール121と、強制駆動ロール121の回転に伴って反時計回りに回転するステンレスパイプ105によって時計回りに回転する遊車ロール122とを備えている。遊車ロール122は、回転軸が強制駆動ロール121やステンレスパイプ105の回転軸に対して2°~15°傾いて配置されており、強制駆動ロール121によって回転したステンレスパイプ105によって遊車ロール122が回転すると、遊車ロール122の回転軸が傾いていることによって、遊車ロール122がステンレスパイプ105を研磨ラインに沿って軸方向に押し出すように移動させる。
また、図8に示すように、研磨機では、フラップホイール104によってステンレスパイプ105の表面が研磨される研磨手段130を備えており、ステンレスパイプ105の表面が研磨されることによって、ステンレスパイプ105が反時計回りに回転する。このため、搬送手段120の強制駆動ロール121の回転軸と同一線上に位置する駆動受ロール123は、ステンレスパイプ105に回転力を与えないように、強制駆動は行われず、ステンレスパイプ105の回転に応じて受動的に回転するように構成されている。
上述した従来の研磨装置によれば、研磨装置の大規模な改装を行うことなく、ステンレスパイプ105を目標の表面粗さに研磨することはできる。
しかしながら、従来の研磨装置は、研磨するステンレスパイプ105の径が小径(例えばφ13.0以下)となると、研磨装置内でステンレスパイプ105が搬送手段120や研磨手段130のロールから外れ、加工不良となるというトラブルが発生していた。
これは、図9に示すように、ステンレスパイプ105の径が小径となると、ステンレスパイプ105を研磨するフラップホイール104が下降することとなるが、このとき、フラップホイール104が駆動受ロール123と接触してしまい、駆動受ロール123を逆回転(反時計回り)となる方向に回転させてしまい、この結果、ステンレスパイプ105が回転しなくなることで遊車ロール126の回転が止まってしまい、搬送不良を起こしていることが判明した。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされた発明であり、如何なる径のステンレスパイプであっても搬送不良を起こさずに、歩留まりを高めることのできるパイプ表面研磨装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るパイプ表面研磨装置は、基台上の研磨ラインの延設方向に沿って配置された研磨機を有し、当該研磨機が、前記研磨ラインに沿ってパイプを搬送する搬送手段と、前記パイプの表面を研磨するフラップホイールを備えている研磨手段とを備えるパイプ表面研磨装置であって、前記搬送手段は、前記パイプに当接すると共に、前記延設方向の周方向に強制的に駆動される強制駆動ロールと、前記パイプと当接し前記パイプの回転に伴って回転されると共に、前記延設方向に対して回転軸が傾斜した第1の遊車ロールとを備え、前記研磨手段は、前記フラップホイールが前記パイプの鉛直方向に移動自在に配置され、前記強制駆動ロールと同軸上に配置された駆動受ロールと、前記パイプと当接し前記パイプの回転に伴って回転されると共に、前記延設方向に対して回転軸が傾斜した第2の遊車ロールとを備え、前記駆動受ロールは、前記強制駆動ロールと同軸に連結され、前記強制駆動ロールの回転に伴って回転することを特徴とする。
また、本発明に係るパイプ表面研磨装置において、前記パイプは、径がφ13.0以下であると好適である。
また、本発明に係るパイプ表面研磨装置において、前記パイプは、ステンレスパイプであると好適である。
また、本発明に係るパイプ表面研磨装置において、前記研磨機は、前記研磨ラインに沿って複数配置されると好適である。
この発明によれば、研磨手段の駆動受ロールは搬送手段の強制駆動ロールと同軸に連結され、強制駆動ロールの回転に伴って回転するので、研磨するパイプが小径である場合に、フラップホイールが駆動受ロールに接触するまで下降したとしても、フラップホイールの接触によって駆動受ロールが逆回転することなく、第2の遊車ロールの回転を停止させずにパイプを搬送することができる。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置を示す正面図であり、図2は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置を示す側面図であり、図3は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置の搬送手段を示す平面図であり、図4は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置の搬送手段と研磨手段を示す平面図であり、図5は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置の搬送手段の動作を説明するための概略図であり、図6は、本発明の実施形態に係るパイプ表面研磨装置の研磨手段の動作を説明するための概略図である。
図1及び2に示すように、本実施形態に係るパイプ表面研磨装置は、基台1上の研磨ラインに沿って間隔をあけて複数基(この例では、6基)の研磨機2aから2fを設置したものから構成されている。
研磨機2は、ステンレスパイプ5を研磨ラインの延設方向に搬送する搬送手段20と、ステンレスパイプ5を研磨する研磨手段30を有している。また、最上流側の研磨機2aの前には、ステンレスパイプ5を受け入れる図示しない搬送手段が取り付けられている。
研磨機2aから2fの研磨手段30は、モータ3により回転する回転軸7に取り付けられたフラップホイール4を備え、フラップホイール4によりステンレスパイプ5の表面を研磨する。フラップホイール4は、カバーケース6内に収容されている。ステンレスパイプ5の移動方向を、図中、矢印で示す。
フラップホイール4は、従来周知の形状のものを適宜採用することができ、たとえば、筒状の芯材の周囲に放射状にサンドペーパーを取り付けたものからなっていると好適である。
また、フラップホイール4は、研磨するステンレスパイプ5の外径に合わせて昇降自在に取り付けられており、具体的には、回転軸7を昇降させる昇降装置12に取り付けられていると好適である。この昇降装置12によってフラップホイール4を昇降させることで、如何なる外径のステンレスパイプ5であっても適切に研磨を行うことができる。
フラップホイール4の粗さは、研磨機2aから2fに向かうにしたがって細かくなっている。すなわち、最上流側の研磨機2aは、♯100のフラップホイール4aと♯120のフラップホイール4bとを、フラップホイール4aを上流側に配して連設したものから構成されている。
研磨機2bのフラップホイール4の粗さは、♯240、研磨機2c、2dのフラップホイール4の粗さは、それぞれ♯320、研磨機2eのフラップホイール4の粗さは、♯400、研磨機2fのフラップホイール4の粗さは、♯500となっている。
本実施形態に係るパイプ表面研磨装置によりステンレスパイプ5の表面を研磨するには、搬送手段20によってステンレスパイプ5をその軸回りに回転させながら研磨機2aから2fを通過させる。
図3に示すように、搬送手段20は、強制駆動ロール21と、第1の遊車ロール22とを備えている。強制駆動ロール21は、強制駆動回転軸24を有しており、強制駆動回転軸24は図示しないモータなどの駆動装置によって回転力が付与されている。強制駆動ロール21は、強制駆動回転軸24に沿って複数配列されており、例えば3つ取り付けられると好適である。また、強制駆動回転軸24は、径方向の荷重を負荷しながら回転を円滑にするために図示しないベアリングによって回転可能に保持されていると好適である。
第1の遊車ロール22は、遊車ロール回転軸25回りに回転可能に取り付けられた部材である。遊車ロール回転軸25は、強制駆動回転軸24に対して2°~15°傾いて配置されていると好適であり、より好適には7°~11°傾いて配置されている。遊車ロール回転軸25が傾いていることによって、第1の遊車ロール22の回転によって、ステンレスパイプ5を長手方向に押し出すように移動させることができる。
なお、第1の遊車ロール22は強制駆動ロール21と対応する位置に配置されると好適である。また、遊車ロール回転軸25は、第1の遊車ロール22毎に独立して回転可能に設けられている。
ステンレスパイプ5は、強制駆動ロール21と第1の遊車ロール22の間を回転しながら長手方向に搬送される。
図2に示すように、研磨手段30のフラップホイール4の下方は、搬送手段20と同様の構成を備えている。具体的には、図4に示すように、搬送手段20の強制駆動ロール21と同軸上に配置された駆動受ロール23と、第1の遊車ロール22と同軸上に配置された第2の遊車ロール26とを備えている。
駆動受ロール23は、強制駆動回転軸24と同軸に配置された駆動受回転軸27に同軸に取り付けられており、駆動受回転軸27は、連結手段31によって強制駆動回転軸24と連結されている。したがって、駆動受ロール23は、強制駆動ロール21の回転と同様にモータなどの駆動手段からの回転力を付与されている。
また、第2の遊車ロール26は、搬送手段20の第1の遊車ロール22と同様の構成を有しており、延設方向から所定の角度傾いて配置された遊車ロール回転軸25によって回転自在に取り付けられている。
次に、図5及び6を参照して本実施形態に係るパイプ表面研磨装置の動作について説明を行う。図5に示すように、搬送手段20は、モータなどの駆動手段によって駆動力が付与された強制駆動ロール21が時計回りに回転する。このとき、ステンレスパイプ5は、強制駆動ロール21及び第1の遊車ロール22と当接しているので、ステンレスパイプ5は、強制駆動ロール21の回転に伴って反時計回りに回転する。
第1の遊車ロール22は、ステンレスパイプ5が反時計回りに回転することによって、時計回りに回転する。このとき、第1の遊車ロール22の遊車ロール回転軸25が延設方向に対して傾いているので、第1の遊車ロール22の回転によって、ステンレスパイプ5は、延設方向に押し出されるように搬送される。
次に、図6に示すように、研磨手段30は、ステンレスパイプ5の外径に合わせて下降したフラップホイール4の回転によってステンレスパイプ5の表面を研磨する。ステンレスパイプ5の研磨によって、ステンレスパイプ5は反時計回りに回転する。このとき、駆動受ロール23は、強制駆動ロール21と同軸に連結されていることから、強制駆動ロール21と同様に時計回りに回転する。したがって、フラップホイール4が駆動受ロール23に接触した場合であっても、駆動受ロール23の回転方向が逆回転となることはなく、ステンレスパイプ5の回転方向を反時計回りに維持することができる。
第2の遊車ロール26は、ステンレスパイプ5が反時計回りに回転することによって上述した第1の遊車ロール22と同様にステンレスパイプ5を、延設方向に押し出すように搬送する。
このように、本実施形態に係るパイプ表面研磨装置によれば、研磨手段30の駆動受ロール23が強制駆動ロール21と連結されて回転力が付与されているので、駆動受ロール23にフラップホイール4が接触した場合であっても、駆動受ロール23の回転方向が変更されることがなく、ステンレスパイプ5の回転方向を維持して当該回転力を第2の遊車ロール26に適切に伝達して第2の遊車ロール26による搬送を阻害することがない。
したがって、ステンレスパイプ5の径が小径の場合に、フラップホイール4が駆動受ロール23に接触する程度まで下降した場合であっても、第2の遊車ロール26の回転方向を維持することができ、如何なるパイプ径のステンレスパイプ5であっても搬送不良を起こさずに、パイプ表面研磨装置の歩留まりを高めることができる。
なお、上述した本実施形態に係るパイプ表面研磨装置は、強制駆動ロール21を時計回りに回転させた場合について説明を行ったが強制駆動ロール21の回転方向はこれに限らず、反時計回りに回転させても構わない。
また、強制駆動ロール21、第1の遊車ロール22、駆動受ロール23及び第2の遊車ロール26はそれぞれ3つ配置した場合について説明を行ったが、これらの数は適宜増減することができる。さらに、パイプは、ステンレスパイプに限定されない。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれうることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1 基台, 2aから2f 研磨機, 3 モータ、 4 フラップホイール、 5 ステンレスパイプ, 6 カバーケース, 7 回転軸, 12 昇降装置, 20,120 搬送手段, 21,121 強制駆動ロール, 22 第1の遊車ロール, 23,123 駆動受ロール, 24 強制駆動回転軸, 25 遊車ロール回転軸, 26 第2の遊車ロール, 27 駆動受回転軸, 30,130 研磨手段, 31 連結手段, 122 遊車ロール。
Claims (4)
- 基台上の研磨ラインの延設方向に沿って配置された研磨機を有し、当該研磨機が、前記研磨ラインに沿ってパイプを搬送する搬送手段と、前記パイプの表面を研磨するフラップホイールを備えている研磨手段とを備えるパイプ表面研磨装置であって、
前記搬送手段は、前記パイプに当接すると共に、前記延設方向の周方向に強制的に駆動される強制駆動ロールと、前記パイプと当接し前記パイプの回転に伴って回転されると共に、前記延設方向に対して回転軸が傾斜した第1の遊車ロールとを備え、
前記研磨手段は、前記フラップホイールが前記パイプの鉛直方向に移動自在に配置され、前記強制駆動ロールと同軸上に配置された駆動受ロールと、前記パイプと当接し前記パイプの回転に伴って回転されると共に、前記延設方向に対して回転軸が傾斜した第2の遊車ロールとを備え、
前記駆動受ロールは、前記強制駆動ロールと同軸に連結され、前記強制駆動ロールの回転に伴って回転することを特徴とするパイプ表面研磨装置。 - 請求項1に記載のパイプ表面研磨装置において、
前記パイプは、径がφ13.0以下であることを特徴とするパイプ表面研磨装置。 - 請求項1又は2に記載のパイプ表面研磨装置において、
前記パイプは、ステンレスパイプであることを特徴とするパイプ表面研磨装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のパイプ表面研磨装置において、
前記研磨機は、前記研磨ラインに沿って複数配置されることを特徴とするパイプ表面研磨装置。
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