JP2023106782A - 建物の外壁補修用接着剤注入ノズルとその使用法 - Google Patents

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Abstract

【課題】建物の外壁に穿孔した下穴の内部から、その外壁に発生している浮き部に至るまで、補修用の接着剤を短時間での効率良く注入できるようにする。【解決手段】剛性の太いノズルボディ管(17)とその先端部から一体的に突出する細いノーズ管(18)並びにその両管の境界部へ差し込み套嵌された弾性のシールカバー(21)とから成り、上記ノーズ管を外壁(W)の下穴(G)へ差し込み、その下穴の入口部(22)を上記シールカバーにより封止した状態のもとで、ノーズ管の先端部から外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(浮き部)に臨む位置まで到達する長さ(L3)の接着剤流出用スリット(23)を、上記ノーズ管の円周面に切り欠き開口させた外壁補修用接着剤注入ノズル(N)である。【選択図】図1

Description

本発明は建物の外壁補修工事に用いる接着剤注入ノズルとその使用法に関する。
建物の外壁を装飾するタイルや石材、その他の外壁仕上げ材から、コンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、エポキシ樹脂接着剤を注入するための外壁補修用接着剤注入ノズルとして、下穴の内部のみならず、その深さ方向での経年的な発生が想定される複数層の浮き部、即ちコンクリート躯体と貼付けモルタルとの相互間隙(第1浮き部)並びにその貼付けモルタルと外壁仕上げ材との相互間隙(第2浮き部)や、コンクリート躯体と下地モルタルとの相互間隙(第1浮き部)とその下地モルタルと貼付けモルタルとの相互間隙(第2浮き部)並びにその貼付けモルタルと外壁仕上げ材との相互間隙(第3浮き部)に至るまでも、その接着剤を充填することができるように工夫した発明が、特許文献1、2に開示されている。
特許第4587886号公報 特許第6557907号公報
ところが、特許文献1に記載された注入ノズル(12)の構成では、そのノズル筒(21)の円周面に開口する複数の副吐出口(50)が、コンクリート躯体(2)と(装飾材貼付け用)モルタル(7)との相互間隙(第1浮き部)(5)並びにそのモルタル(7)と装飾材(外壁タイル)(8)との相互間隙(第2浮き部)(6)へ、各々臨む対応位置に点在分布されているため、その副吐出口(50)の形成位置が第1、2浮き部(5)(6)の発生個所と対応合致していなければ、その第1、2浮き部(5)(6)に至るまでの全体へ接着剤(R)をすばやく確実に充填することができない。
このことを換言すれば、装飾材(外壁タイル)(8)からコンクリート躯体(2)の内部まで穿孔した挿填穴(下穴)(5)の深さや、第1、2浮き部(5)(6)の発生個所などが変化すれば、その注入ノズル(12)のノズル筒(21)に開口する副吐出口(50)の形成位置も変えなければならず、汎用性に劣る。
その場合、副吐出口(50)の形成位置がたとえ第1、2浮き部(5)(6)の発生個所と対応合致していても、注入ノズル(12)のノズル筒(21)における第1、2浮き部(5)(6)の相互間(上記モルタル(7)の厚みに相応する部位)へ臨む位置には、その副吐出口(50)が開口形成されていないため、上記挿填穴(下穴)(5)の内部や第1、2浮き部(5)(6)の全体へ、接着剤(R)を短時間での効率良く充填することができず、延いてはその接着剤(R)による副吐出口(50)の目詰まりを生じやすい。
また、複数の副吐出口(50)がノズル筒(21)の円周面に点在分布しているため、これらをノズル筒(21)の円周面へ、特に放射状として開口形成する場合、その副吐出口(50)を1個ずつ開口させる必要があり、その加工上非常に煩わしく、製造コスト高を招来することになる。
他方、特許文献2に記載された注入ノズル(12)の構成では、その複合ノズル部(21)の先端部に開口する第1ノズル口(33)が下穴(8)の奥部(穴底部)へ接着剤(R)を注入するものとして、その下穴(8)の奥部(穴底部)と対応する位置に形成されている一方、第2ノズル口(34)は同じく下穴(8)の開口部(入口部)(8a)に接着剤(R)を注入するものとして、その開口部(入口部)(8a)と対応する位置に形成されており、その第2ノズル口(34)からたとえ第3浮き部(6c)へ接着剤(R)を注入できるとしても、残る第1、2浮き部(6a)(6b)の発生個所に臨むノズル口は対応形成されていないため、下穴(8)の内部から第1、2浮き部(6a)(6b)にはもとより、更に第3浮き部(6c)も含む全体へやはり接着剤(R)をすばやく確実に充填することができず、その第1、2ノズル口(33)(34)の目詰まりを生じるおそれもある。
それにもまして、特許文献1に記載の注入ノズル(12)はノズル筒(21)とボディ本体(22)、ジョイント部材(23)並びに締結部材(24)から組み立てられており、その分解を行えるとしても、複数の部品から成る複雑な構造である。
更に、特許文献2に記載の注入ノズル(12)も複合ノズル部(21)と開口封止部(22)、ノズルボディ(23)並びにケーシング部(24)から組み立てられており、その分解を行えるとしても、やはり複数の部品から成る複雑な構造である。
そのため、特許文献1、2に記載された注入ノズル(12)の何れも、量産効果を期待することができないほか、その構成部品の煩わしい組立と分解に多大の労力と時間を要し、その間に2液型のエポキシ樹脂接着剤が硬化してしまい、上記副吐出口(50)や第1、2ノズル口(33)(34)の目詰まりを生じるおそれもある結果、その接着剤の硬化時間(通例2時間程度)を考慮して行う必要がある(溶剤の処理も含む)一連の洗浄作業を、短時間での軽快に便利良く行えず、延いては外壁補修工事の効率と現場作業性に劣るのである。
本発明はこのような課題の改良を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では外壁仕上げ材から貼付けモルタルの内部まで若しくは貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の表面まで穿孔した所要深さの下穴か、又は外壁仕上げ材から貼付けモルタルのみか若しくは貼付けモルタルと下地モルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、エポキシ樹脂接着剤を注入する建物の外壁補修用接着剤注入ノズルであって、
基端部に別個な接着剤注入器具の着脱可能な継手が設けられた剛性の太いノズルボディ管と、
そのノズルボディ管の先端部から前方へ一体的に突出する剛性の細いノーズ管と、
そのノーズ管とノズルボディ管との境界部へ前方から抜き差し自在に差し込み套嵌されて、上記下穴の入口部を封止し得る弾性のシールカバーとから成り、
ノーズ管を下穴へ差し込み、その下穴の入口部を上記シールカバーにより封止した状態のもとで、上記ノーズ管の先端部から外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙に臨む対応位置まで到達する所要長さの接着剤流出用スリットを、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口させたことを特徴とする。
その場合、請求項2では金属製のノズルボディ管とその同じ金属製のノーズ管とを、同芯連通状態に溶接一体化すると共に、
耐薬品性のゴムから成るシールカバーの先細り円錐面を、下穴の入口部へ押し込み弾圧させて、その入口部を封止状態に保つように定めたことを特徴とする。
請求項3では接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径と同じ寸法として、そのノーズ管を断面ほぼU字形に形成したことを特徴とする。
請求項4では接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径よりも狭小な寸法として、そのノーズ管を断面ほぼC字形に形成したことを特徴とする。
更に、請求項5では接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径よりも狭小な寸法として、そのスリットの向かい合う一対をノーズ管の円周面に切り欠き開口させたことを特徴とする。
他方、請求項6では上記外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法として、建物の外壁仕上げ材から貼付けモルタルの内部まで若しくは貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の表面まで穿孔した所要深さの下穴か、又は同じく外壁仕上げ材から貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、請求項1に記載された外壁補修用接着剤注入ノズルのノーズ管を差し込み、その下穴の入口部をシールカバーにより封止した状態のもとで、
上記下穴へエポキシ樹脂接着剤を注入し乍ら、その注入ノズルを回動させることにより、そのノーズ管の先端部と接着剤流出用スリットから下穴の内部のみならず、外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙のみか、又は外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙並びに上記貼付けモルタルとコンクリート躯体との相互間隙に至るまでも、上記接着剤を充填することを特徴とする。
また、請求項7では同じく接着剤注入ノズルの使用法として、建物の外壁仕上げ材から貼付けモルタルと下地モルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、請求項1に記載された外壁補修用接着剤注入ノズルのノーズ管を差し込み、その下穴の入口部をシールカバーにより封止した状態のもとで、
上記下穴へエポキシ樹脂接着剤を注入し乍ら、その注入ノズルを回動させることにより、そのノーズ管の先端部と接着剤流出用スリットから下穴の内部のみならず、コンクリート躯体と下地モルタルとの相互間隙と、その下地モルタルと貼付けモルタルとの相互間隙と、その貼付けモルタルと外壁仕上げ材との相互間隙に至るまでも、上記接着剤を充填することを特徴とする。
その場合、請求項8では接着剤注入ノズルのノーズ管を下穴へ、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口された接着剤流出用スリットが下向きになる状態として差し込み、その下穴へ接着剤を注入し乍ら、
上記注入ノズルを時計方向若しくは反時計方向へ360度回動させるか、
又は上記注入ノズルを、そのノーズ管の接着剤流出用スリットが左右何れか一方と他方への順次横向きとなり、最後に上向きとなる順序に回動させることを特徴とする。
請求項9では接着剤注入ノズルのノーズ管を下穴へ、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口された向かい合う一対の接着剤流出用スリットが上下縦向きになる状態として差し込み、その下穴へ接着剤を注入し乍ら、
上記注入ノズルを、そのノーズ管の接着剤流出用スリットが左右横向きとなるように時計方向又は反時計方向へ90度回動させることを特徴とする。
請求項1の上記構成によれば、冒頭に説示した従来技術の課題をすべて改良できる効果がある。
即ち、請求項1に記載の外壁補修用接着剤注入ノズルは、特許文献1、2に記載された注入ノズルのような複数の接着剤流出口を、そのノズル筒(ノーズ管)の円周面へ点在分布する状態に開口させた構成と異なり、ノーズ管の円周面へ一条の接着剤流出用スリットを、そのノーズ管の先端部から外壁仕上げ材とその貼付け(直付け)モルタルとの相互間隙(浮き部)に臨む対応位置まで到達(延在)する所要長さとして切り欠き開口させた構成である。
そのため、建物の外壁に穿孔した下穴の内奥部(穴底部)から、上記外壁仕上げ材に到達するまでの間に、幾層の浮き部が発生していても、またその浮き部の発生個所に相違変化があっても、これらに左右されることなく(点在分布する接着剤流出口のような浮き部の発生個所と対応合致する位置に開口形成する必要なく)、その発生しているすべての浮き部へ接着剤を、上記スリットから短時間での確実に効率良く波及・浸透させることができ、その意味からも接着剤によるスリットの目詰まりを生じるおそれがない。
しかも、上記接着剤注入ノズルは剛性の太いノズル管と、その先端部から前方へ一体的に突出する剛性の細いノーズ管とから成り、それ自身の一体品(ワンピース)として、分解や組立を行わない簡素な構成であるため、その注入ノズル(製品)としての量産効果を最大限に期待することができるほか、2液型エポキシ樹脂接着剤のような硬化時間を考慮して行う必要がある一連の洗浄作業も、短時間での軽快に便利良く完遂できるのであり、延いては建物における外壁補修工事の能率と現場作業性が向上する。
その場合、請求項2の構成を採用するならば、互いに同じ金属製のノズルボディ管とノーズ管とを、その接着剤の流通路となる内部の同芯連通状態として、極めて容易に溶接一体化することができる。その両管の境界部に差し込み套嵌されたシールカバーは弾性変形するため、その先細り円錐面によって下穴の入口部を確実に密封することができ、下穴の穴径(口径)に大小変化があっても、これをシールカバーの先細り円錐面によって、自ずと吸収・調芯できる効果もある。
また、請求項3や請求項4の構成を採用するならば、上記接着剤流出用スリットの切り欠き加工を1回でのすばやく行えることは勿論、そのスリットの接着剤による目詰まりを生じるおそれもない。
殊更、請求項5の構成を採用するならば、その接着剤流出用スリットを向かい合う一対(平行に延在する二条)の割り溝として、上記ノーズ管へ一挙同時に切り欠き加工することができるほか、下穴の内部と外壁の浮き部に対する接着剤の注入・充填をますます速く円滑に行える効果もある。
他方、上記外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法として、請求項6や請求項7の構成を採用するならば、その注入ノズルにより外壁の下穴へエポキシ樹脂接着剤を注入し乍ら、その注入ノズルを回動させるようになっているため、上記ノーズ管の接着剤流出用スリットが所要長さだけ延在する一条として、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口されている簡素な構成であっても、これから下穴の内部やこれとの連通状態に発生している浮き部の全体へ、上記接着剤を洩れなく円滑に充填することができる。
その場合、請求項8の構成を採用するならば、上記接着剤注入ノズルのノーズ管を外壁の下穴へ、その接着剤流出用スリットが下向き開口する状態に差し込み、その下穴へ接着剤を注入し乍ら回動させるようになっているため、上記接着剤の充填作用が促進され、その下穴の内部から浮き部の全体へますます速く接着剤を波及・浸透させることができる。
特に、請求項9の構成を採用するならば、接着剤流出用スリットの向かい合う一対(平行に延在する二条)が割り溝として、上記接着剤注入ノズルのノーズ管に切り欠き開口されているため、その注入ノズルの回動によって上記請求項8の構成に伴なう作用効果を、更に一層促進させることができるのであり、外壁補修工事の優れた効率と作業性を得られる。
本発明の基本実施形態に係る接着剤注入ノズルと、建物の外壁との対応的な位置関係を示す断面模式図である。 その接着剤注入ノズルを取り付けた接着剤注入器具の側面図である。 図1の接着剤注入ノズルを抽出して示す拡大正面図である。 図3の右側面図である。 図3の背面図である。 図3の平面図である。 図3の底面図である。 図3の8-8線に沿う拡大断面図である。 接着剤注入ノズルの部分変形実施形態を示す図8に対応する断面図である。 接着剤注入ノズルの別な部分変形実施形態を示す図8に対応する断面図である。 図7の11-11線断面図である。 図7の12-12線断面図である。 接着剤注入ノズルの使用による外壁補修工事を説明するための断面模式図である。 図13の14-14線に沿う部分拡大断面図であって、接着剤注入ノズルにおける接着剤流出用スリットの下向き開口状態を示している。 図14に引き続く接着剤流出用スリットの左横向き開口状態を示す断面図である。 図15に引き続く接着剤流出用スリットの右横向き開口状態を示す断面図である。 図16に引き続く接着剤流出用スリットの上向き開口状態を示す断面図である。 ノーズ管が図13よりも短い接着剤注入ノズルの使用による外壁補修工事を説明するための図13に対応する断面模式図である。 ノーズ管が図18よりも短い接着剤注入ノズルの使用による外壁補修工事を説明するための断面模式図である。 ノーズ管が図19よりも短い接着剤注入ノズルの使用による外壁補修工事を説明するための断面模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を詳述する。図1はその基本実施形態に係る接着剤注入ノズル(N)と、建物の外壁(W)との対応的な位置関係を示す断面模式図であり、これから明白なように、建物の外壁(W)がコンクリート躯体(10)と、その表面に塗工された下地モルタル(11)と、その下地モルタル(11)の表面に塗工された貼付け(直付け)モルタル(12)と、その貼付けモルタル(12)の表面に貼り付けられたタイルや石材、その他の各種外壁仕上げ材(13)とから構成されている。
その場合、外壁(W)のコンクリート躯体(10)と下地モルタル(11)との相互間には第1浮き部(間隙)(S1)が、またその下地モルタル(11)と貼付けモルタル(12)の相互間には第2浮き部(間隙)(S2)が、更にその貼付けモルタル(12)と外壁仕上げ材(図例ではタイル)(13)との相互間には第3浮き部(間隙)(S3)が、各々経年的に発生しているものとする。
そして、建物の上記外壁(W)を補修するために、その外壁仕上げ材(タイル)(13)から貼付けモルタル(12)と下地モルタル(11)を貫通してコンクリート躯体(10)の内部まで、所要深さ(D)の下穴(G)が穿孔されており、その下穴(G)へ好ましくは2液型のエポキシ樹脂接着剤(A)が注入されるようになっている。
そのための接着剤注入器具(P)は例えば図2のようなポンプ本体(14)と、その基端部へ着脱自在に取り付けられた接着剤収容ケース(15)と、同じくポンプ本体(14)の脇部に枢着された操作レバー(16)とから成り、そのレバー(16)の手動ポンプ操作によって上記収容ケース(15)内の接着剤(A)を、上記ポンプ本体(14)の先端部に取り付けられた接着剤注入ノズル(N)から、一定量ずつ吐出し圧送するようになっている。
その本発明の基本実施形態に係る接着剤注入ノズル(N)は図3~12に抽出して示すように、ステンレス鋼管やその他の金属管から成る剛性の太い(外径:10mm)ノズルボディ管(17)と、これと同じステンレス鋼管やその他の金属管から成る剛性の細い(外径:3~5mm)ノーズ管(18)とを備え、そのノズルボディ管(17)の基端部には着脱可能な継手(19)となる雄ネジ又は雌ネジが刻設されており、上記接着剤注入器具(P)における就中ポンプ本体(14)の先端部へ直かに、又は別個なニップルやユニオン継手、その他の管継手(図示符号省略)を介して、何れにしても着脱自在に取り付け使用されるようになっている。
他方、同じくノズルボディ管(17)の先端部には上記ノーズ管(18)の基端部が同芯連通状態に溶接一体化されており、そのノーズ管(18)がノズルボディ管(17)から前方へ一体的に突出した状態にある。その場合、太いノズルボディ管(17)と細いノーズ管(18)との境界段差部は溶接継手部(20)として、盛り付け状態にすみ肉溶接されることにより、滑らかに連続する円錐面をなしている。
そして、このようなワンピースの形態として仕上がった接着剤注入ノズル(N)におけるノズルボディ管(17)とノーズ管(18)との境界部(溶接継手部)(20)には、別個なフッ素ゴムやブチルゴム、その他の耐薬品性を有する弾性変形可能なシールカバー(21)が、そのノーズ管(18)の先端部から抜き差し自在に差し込み套嵌されており、そのシールカバー(21)が組み付けセットされた状態にある接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)を、図1のように上記外壁(W)の下穴(G)へ差し込んだ時、そのシールカバー(21)の先細り円錐面(21a)が下穴(G)の入口部(22)へ押し込み弾圧されて、その入口部(22)を確実に安定良く封止するようになっており、上記接着剤(A)が下穴(G)の入口部(22)から漏出(逆流)するおそれはない。
上記接着剤注入ノズル(N)におけるノズルボディ管(17)の長さ(L1)は例えば50mmの一定不変な寸法であるに比し、ノーズ管(18)の長さ(L2)は建物の外壁(W)に穿孔される下穴(G)の所要深さ(D)に応じて長短変化するが、ノーズ管(18)を上記下穴(G)へ差し込み前進させて行き、その下穴(G)の入口部(22)をシールカバー(21)により封止した状態のもとで、そのノーズ管(18)の先端部から外壁(W)に発生している外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(第3浮き部)(S3)に臨む対応位置まで到達(延在)する所要長さ(L3)(例えば45mm)の接着剤流出用スリット(切り溝)(23)が、ノーズ管(18)の円周面に切り欠き開口されている。
その所要長さ(L3)だけ延在する一条の接着剤流出用スリット(23)は、図8のようなノーズ管(18)の内径(d)(2mm)と同じ寸法の切り欠き開口幅(w)を備えることによって、そのノーズ管(18)が断面ほぼU字形に形成されているのである。
但し、図8と対応する接着剤注入ノズル(N)の部分変形実施形態を示す図9から明白なように、上記接着剤流出用スリット(23)の切り欠き開口幅(w)をノーズ管(18)の内径(d)よりも狭小な寸法として、そのノーズ管(18)を断面ほぼC字形に形成しても良い。
また、同じく図8と対応する接着剤注入ノズル(N)の別な変形実施形態を示す図10から明白なように、やはり折着剤流出用スリット(23)の切り欠き開口幅(w)をノーズ管(18)の内径(d)よりも狭小な寸法として、その向かい合う一対(平行に延在する二条)のスリット(割り溝)(23)をノーズ管(18)の円周面へ切り欠き開口させてもさしつかえない。
本発明の基本実施形態に係る接着剤注入ノズル(N)は上記の構成を備えており、その使用によって建物の外壁補修工事を行うに当たっては、予め外壁仕上げ材(タイル)(13)の表面をハンマーなどによって叩打し、その発生音により補修必要個所を診断して、その判定した目印個所において、コンクリートドリルやその他の穿孔工具(図示省略)により、建物の外壁仕上げ材(13)からコンクリート躯体(10)の内部まで所要深さ(D)の下穴(G)を穿孔する。
その穿孔は外壁(W)と直角な方向からほぼ水平に行い、コンクリート躯体(10)の表面から浅くとも30mmの深さまでは穿孔する。また、その下穴(G)の穴径(口径)は例えば4~6mmとして、上記接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)を円滑に差し込めるように、そのノーズ管(18)の太さ(先に例示した外径:3~5mm)よりも若干大きな寸法に設定する。
そして、図2のような接着剤注入器具(P)の先端部に取り付けた接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)を、図13のように上記下穴(G)の入口部(22)から差し込んで、その入口部(22)に押し込み弾性変形される上記シールカバー(21)の先細り円錐面(21a)により、その入口部(22)を接着剤(A)が漏出しない封止状態に保つ。
尚、上記シールカバー(21)によって下穴(G)の入口部(22)が封止されることとなる前に、上記ノーズ管(18)の先端部が下穴(G)の内奥部(穴底部)へ突き当ることはない。ノーズ管(18)の長さ(L2)と下穴(G)の深さ(D)とが、このような寸法関係に設定されているのである。
そうすれば、そのノーズ管(18)の差し込み深さが規制された状態のもとで、これの円周面に切り欠き開口された一定長さ(L3)の接着剤流出用スリット(23)は、そのノーズ管(18)の先端部から外壁(W)のコンクリート躯体(10)と下地モルタル(11)との相互間隙(第1浮き部)(S1)と、その下地モルタル(11)と貼付けモルタル(12)との相互間隙(第2浮き部)(S2)に臨む対応位置を経て、外壁仕上げ材(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(第3浮き部)(S3)に臨む対応位置まで到達(延在)することとなる。
そこで、作業者が手持ちした接着剤注入器具(P)の操作レバー(16)を操作して、そのポンプ本体(14)の反復的なポンプ作用により、接着剤収容ケース(15)から接着剤注入ノズル(N)のノズルボディ管(17)を通じて、上記ノーズ管(18)へエポキシ樹脂接着剤(A)を圧送する。
しかも、上記接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)から下穴(G)へ接着剤(A)を注入し乍ら、その接着剤注入ノズル(N)を回動させることにより、そのノーズ管(18)の先端部にある接着剤流出口(24)と、円周面に開口する一定長さ(L3)の上記接着剤流出用スリット(23)から下穴(G)の内部には勿論のこと、コンクリート躯体(10)と下地モルタル(11)との相互間隙(第1浮き部)(S1)と、その下地モルタル(11)と貼付けモルタル(12)との相互間隙(第2浮き部)(S2)と、更にその貼付けモルタル(12)と外壁仕上げ材(13)との相互間隙(第3浮き部)(S3)に至るまでも、上記接着剤(A)を言わば同時進行的に又は順次に充填するのである。
その場合、上記下穴(G)の内部から第1~3浮き部(S1)(S2)(S3)の全体に対する接着剤(A)の波及・浸透を促進させるために、好ましくは接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)を図13、14に示す如く、その円周面に所要長さ(L3)だけ切り欠き開口された一条の接着剤流出用スリット(23)が下向きになる状態として、外壁(W)の下穴(G)へ差し込む。
そして、上記注入ノズル(N)のノーズ管(18)から下穴(G)へ接着剤(A)を注入し乍ら、その注入ノズル(N)を図15、16のように、そのノーズ管(18)の上記スリット(23)が左右何れか一方と他方への順次横向きとなるように回動させ、図16に引き続く最後に図17のような上向きとなる状態に回動させるのである。
そうすれば、上記接着剤(A)がノーズ管(18)の先端部(接着剤流出口)(24)から、下穴(G)の深さ方向(前後方向)に沿ってはその下穴(G)の内奥部に溜まり始めて、浅くなる入口部(22)の方向(後方)へ溜まり進むと共に、同じくノーズ管(18)の円周面に開口する所要長さ(L3)の接着剤流出用スリット(23)から、下穴(G)の円周方向に沿っては図14のように、その下穴(G)の下部(凹曲底面)へ溜まり始めることになる。
その後、接着剤(A)は図14の状態から図15、16のように、下穴(G)の左右両横部(両凹曲サイド面)へ積み重なる状態に溜まり、その図16の状態から引き続き図17のように、上記下穴(G)の上部(凹曲天井面)に残存していた空隙にも、接着剤(A)がすばやく円滑に充満することになるのである。
但し、接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)を外壁(W)に穿孔した下穴(G)へ、その接着剤流出用スリット(切り溝)(23)が下向きとなる状態に差し込んで、その下穴(G)へ接着剤(A)を注入する使用法であるならば、その注入中にある接着剤注入ノズル(N)を図15~17の回動順序だけに限らず、図13、14の状態から時計方向又は反時計方向へ360度回動させても良い。
また、図10に示した接着剤注入ノズル(N)の部分変形実施形態にあっては、ノーズ管(18)を外壁(W)の下穴(G)へ、その円周面に切り欠き開口された向かい合う一対の接着剤流出用スリット(割り溝)(23)が上下縦向きになる状態として差し込み、その下穴(G)へ接着剤(A)を注入し乍ら、上記スリット(23)が左右横向きとなるように注入ノズル(N)を時計方向又は反時計方向へ90度回動させても良い。下穴(G)の内部に対する接着剤(A)の充満状態を、言わば自重力での最も効率良く円滑に達成できることに変わりはないからである。
何れにしても、上記接着剤注入ノズル(N)のノーズ管(18)から外壁(W)の下穴(G)へ接着剤を注入中には、その下穴(G)の入口部(22)が注入ノズル(N)に付帯している弾性のシールカバー(21)によって、密封された状態に保たれているため、その下穴(G)へ接着剤注入器具(P)によって圧送される接着剤(A)は、言わば逃げ場所を求めて下穴(G)の内部から、これとの連通状態に発生している上記第1~3浮き部(S1)(S2)(S3)へ、その深い位置にある第1浮き部(S1)から途中の第2浮き部(S2)を経て、浅い位置にある第3浮き部(S3)への自ずと順次に、又はほぼ同時進行的にすばやく波及・浸透することとなり、その全体に効率良く充満する。
その際、上記接着剤流出用スリット(23)はノーズ管(18)の先端部から、外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(図1の基本実施形態では第3浮き部)(S3)に臨む対応位置まで到達(延在)する所要長さ(L3)として切り欠き開口されているため、冒頭の特許文献1に記載された注入ノズルのように、そのノズル筒(ノーズ管)の円周面に円形又は楕円形をなす複数の接着剤流出口が点在分布された形態に比して、上記第1~3浮き部(S)(S2)(S3)に対する接着剤(A)の充満状態を短時間での効率良く達成することができ、その接着剤(A)による上記スリット(23)の目詰まりを生じるおそれはない。
更に、接着剤流出用スリット(23)はノーズ管(18)の円周面に上記した所要長さ(L3)の切り溝として連続する開口形態をなすため、下穴(G)の内奥部(穴底部)から外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(第3浮き部)(S3)に到達するまでの間に、幾層の浮き部が発生していても、またその発生個所に相違変化があっても、これらに影響されることなく、その発生しているすべての浮き部へ上記スリット(23)から接着剤(A)を確実に波及・浸透させることができるのであり、その意味での汎用性に優れる。
しかも、上記接着剤注入ノズル(N)は太いノズルボディ管(17)と、その先端部から前方へ突出する細いノーズ管(18)との互いに溶接された一体品(ワンピース)として、それ自身の分解や組立を行わない簡素な構成であるため、2液型エポキシ樹脂接着剤(A)の硬化時間を考慮して行う必要がある洗浄作業も、短時間での軽快に便利良く行えるのであり、接着剤注入ノズル(N)の量産効果と外壁補修工事の現場作業性に優れる。
尚、上記接着剤注入ノズル(N)はその接着剤(A)の注入完了後、外壁(W)の下穴(G)から抜き取られ、その代わりに下穴(G)へ打ち込まれるアンカーピン(図示省略)の就中径大な頭部によって、上記外壁仕上げ材(タイル)(13)が浮き止め状態に固定維持されることになる。
本発明の基本実施形態に係る外壁補修用接着剤注入ノズル(N)の仕様では、図1と図13の断面模式図から明白なように、上記下穴(G)の深さ方向において合計3層の第1~3浮き部(S1)(S2)(S3)が建物の外壁(W)に発生しているものと想定して、その下穴(G)をコンクリート躯体(10)の内部まで深く穿孔すると共に、その入口部(22)から差し込み使用するノーズ管(18)の所要長さ(L2)と、接着剤流出用スリット(23)の所要長さ(L3)についても、上記下穴(G)の深さ(D)と対応する比較的長い寸法に設定している。
但し、その図13に対応する図18、19の断面模式図に例示するように、外壁(W)のコンクリート躯体(10)と貼付け(直付け)モルタル(12)との相互間に第1浮き部(間隙)(S1)が、併せて外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間に第2浮き部(間隙)(S2)が、その合計2層だけ発生しているものと想定される場合には、図18のように下穴(G)を外壁仕上げ材(13)から貼付けモルタル(12)のみ貫通して、コンクリート躯体(10)の内部まで深く穿孔するか、又は図19のように下穴(G)を同じく外壁仕上げ材(13)から貼付けモルタル(12)だけ貫通して、コンクリート躯体(10)の表面における就中若干陥没する凹部(25)まで浅く穿孔する。
また、同じく図13に対応する図20の断面模式図に例示する如く、外壁(W)の外壁仕上げ材(タイル)(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間だけに、1層の第1浮き部(間隙)(S1)が発生しているにとどまり、図13のようなコンクリート躯体(10)と下地モルタル(11)との相互間並びにその下地モルタル(11)と貼付けモルタル(12)との相互間や、図18、19のようなコンクリート躯体(10)と貼付けモルタル(12)との相互間に浮き部の発生はないと想定される場合には、図20から明白なように上記下穴(G)を外装仕上げ材(タイル)(13)から貼付け(直付け)モルタル(12)の内部までとして浅く穿孔する。
そして、その図18~20の外壁補修工事に用いる接着剤注入ノズル(N)の仕様としては、図13に示したそれよりも比較的に短い所要長さのノーズ管(18)を上記下穴(G)へ差し込み、その付帯しているシールカバー(21)が下穴(G)の入口部(22)を封止した状態のもとで、やはりそのノーズ管(18)の先端部から外壁仕上げ材(13)とその貼付けモルタル(12)との相互間隙(第1、2浮き部)(S1)(S2)に臨む対応位置まで到達(延在)する所要長さ(L3)の接着剤流出用スリット(23)を、そのノーズ管(18)の円周面に切り欠き開口形成しておけば良い。
そうすれば、上記基本実施形態の接着剤注入ノズル(N)と同じように使用して、同じような効果を達成することができる。そのため、図18~20に図13との対応符号を記入するにとどめて、その接着剤注入ノズル(N)の構成と使用法の詳細な説明を省略する。
図18~20に示した接着剤注入ノズル(N)にあってもノーズ管(18)を外壁(W)の下穴(G)へ、その円周面に切り欠き開口された接着剤流出用スリット(23)が下向きになる状態として差し込み、その状態において下穴(G)へ接着剤(A)を注入し乍ら、接着剤注入ノズル(N)を回動させることに変わりはない。尚、図9、10に示した接着剤注入ノズル(N)の部分変形実施形態は、図18~20に示した仕様の接着剤注入ノズル(N)についてもそのまま適用することができる。
(10)・・・コンクリート躯体
(11)・・・下地モルタル
(12)・・・貼付けモルタル
(13)・・・外壁仕上げ材(タイル)
(14)・・・ポンプ本体
(15)・・・接着剤収容ケース
(16)・・・操作レバー
(17)・・・ノズルボディ管
(18)・・・ノーズ管
(19)・・・継手
(20)・・・溶接継手部
(21)・・・シールカバー
(21a)・・・先細り円錐面
(22)・・・下穴の入口部
(23)・・・接着剤流出用スリット
(A)・・・・接着剤
(D)・・・・下穴の穿孔深さ
(G)・・・・下穴
(N)・・・・接着剤注入ノズル
(P)・・・・接着剤注入器具
(W)・・・・外壁
(d)・・・・ノーズ管の内径
(w)・・・・切り欠き開口幅
(L1)・・・ノズルボディ管の長さ
(L2)・・・ノーズ管の長さ
(L3)・・・スリットの切り欠き長さ
(S1)・・・第1浮き部
(S2)・・・第2浮き部
(S3)・・・第3浮き部

Claims (9)

  1. 外壁仕上げ材から貼付けモルタルの内部まで若しくは貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の表面まで穿孔した所要深さの下穴か、又は外壁仕上げ材から貼付けモルタルのみか若しくは貼付けモルタルと下地モルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、エポキシ樹脂接着剤を注入する建物の外壁補修用接着剤注入ノズルであって、
    基端部に別個な接着剤注入器具の着脱可能な継手が設けられた剛性の太いノズルボディ管と、
    そのノズルボディ管の先端部から前方へ一体的に突出する剛性の細いノーズ管と、
    そのノーズ管とノズルボディ管との境界部へ前方から抜き差し自在に差し込み套嵌されて、上記下穴の入口部を封止し得る弾性のシールカバーとから成り、
    ノーズ管を下穴へ差し込み、その下穴の入口部を上記シールカバーにより封止した状態のもとで、上記ノーズ管の先端部から外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙に臨む対応位置まで到達する所要長さの接着剤流出用スリットを、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口させたことを特徴とする建物の外壁補修用接着剤注入ノズル。
  2. 金属製のノズルボディ管とその同じ金属製のノーズ管とを、同芯連通状態に溶接一体化すると共に、
    耐薬品性のゴムから成るシールカバーの先細り円錐面を、下穴の入口部へ押し込み弾圧させて、その入口部を封止状態に保つように定めたことを特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修用接着剤注入ノズル。
  3. 接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径と同じ寸法として、そのノーズ管を断面ほぼU字形に形成したことを特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修用接着剤注入ノズル。
  4. 接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径よりも狭小な寸法として、そのノーズ管を断面ほぼC字形に形成したことを特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修用接着剤注入ノズル。
  5. 接着剤流出用スリットの切り欠き開口幅をノーズ管の内径よりも狭小な寸法として、そのスリットの向かい合う一対をノーズ管の円周面に切り欠き開口させたことを特徴とする請求項1記載の建物の外壁補修用接着剤注入ノズル。
  6. 建物の外壁仕上げ材から貼付けモルタルの内部まで若しくは貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の表面まで穿孔した所要深さの下穴か、又は同じく外壁仕上げ材から貼付けモルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、請求項1に記載された外壁補修用接着剤注入ノズルのノーズ管を差し込み、その下穴の入口部をシールカバーにより封止した状態のもとで、
    上記下穴へエポキシ樹脂接着剤を注入し乍ら、その注入ノズルを回動させることにより、そのノーズ管の先端部と接着剤流出用スリットから下穴の内部のみならず、外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙のみか、又は外壁仕上げ材とその貼付けモルタルとの相互間隙並びに上記貼付けモルタルとコンクリート躯体との相互間隙に至るまでも、上記接着剤を充填することを特徴とする建物における外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法。
  7. 建物の外壁仕上げ材から貼付けモルタルと下地モルタルを貫通してコンクリート躯体の内部まで穿孔した所要深さの下穴へ、請求項1に記載された外壁補修用接着剤注入ノズルのノーズ管を差し込み、その下穴の入口部をシールカバーにより封止した状態のもとで、
    上記下穴へエポキシ樹脂接着剤を注入し乍ら、その注入ノズルを回動させることにより、そのノーズ管の先端部と接着剤流出用スリットから下穴の内部のみならず、コンクリート躯体と下地モルタルとの相互間隙と、その下地モルタルと貼付けモルタルとの相互間隙と、その貼付けモルタルと外壁仕上げ材との相互間隙に至るまでも、上記接着剤を充填することを特徴とする建物における外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法。
  8. 接着剤注入ノズルのノーズ管を下穴へ、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口された接着剤流出用スリットが下向きになる状態として差し込み、その下穴へ接着剤を注入し乍ら、
    上記注入ノズルを時計方向若しくは反時計方向へ360度回動させるか、
    又は上記注入ノズルを、そのノーズ管の接着剤流出用スリットが左右何れか一方と他方への順次横向きとなり、最後に上向きとなる順序に回動させることを特徴とする請求項6又は7記載の建物における外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法。
  9. 接着剤注入ノズルのノーズ管を下穴へ、そのノーズ管の円周面に切り欠き開口された向かい合う一対の接着剤流出用スリットが上下縦向きになる状態として差し込み、その下穴へ接着剤を注入し乍ら、
    上記注入ノズルを、そのノーズ管の接着剤流出用スリットが左右横向きとなるように時計方向又は反時計方向へ90度回動させることを特徴とする請求項6又は7記載の建物における外壁補修用接着剤注入ノズルの使用法。
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