JP2023104871A - タイヤ - Google Patents

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JP2023104871A JP2022167859A JP2022167859A JP2023104871A JP 2023104871 A JP2023104871 A JP 2023104871A JP 2022167859 A JP2022167859 A JP 2022167859A JP 2022167859 A JP2022167859 A JP 2022167859A JP 2023104871 A JP2023104871 A JP 2023104871A
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祐美 鈴木
Yumi Suzuki
健二 ▲濱▼村
Kenji Hamamura
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】耐偏摩耗性能が改善されたタイヤを提供すること。【解決手段】車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とを有し、前記内側トレッドゴム層および前記外側トレッドゴム層がゴム成分を含むゴム組成物により構成され、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体を含み、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いタイヤ。【選択図】なし

Description

本開示は、タイヤに関する。
従来の空気入りタイヤは、タイヤの車両装着状態における車両内側領域と車両外側領域との剛性のアンバランスに起因して、タイヤ左右のショルダー陸部に偏摩耗が生じ易いという課題がある。特許文献1には、タイヤ子午線方向の断面視にて、ショルダーリブの接地面がタイヤ径方向内側に凸となる円弧形状を有し、偏摩耗が抑制されたタイヤが開示されている。
特開平5-77608号公報
本開示は、耐偏摩耗性能が改善されたタイヤを提供することを目的とする。
鋭意検討した結果、車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤにおいて、トレッド部を、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とに分割し、外側トレッドゴム層に特定の水素添加されたゴム成分を配合し、かつ、外側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量を内側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量よりも多くすることにより、前記課題が解決されることを見出された。
すなわち、本開示は、車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とを有し、前記内側トレッドゴム層および前記外側トレッドゴム層がゴム成分を含むゴム組成物により構成され、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体を含み、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いタイヤに関する。
本開示によれば、耐偏摩耗性能が改善されたタイヤが提供される。
本開示の一実施形態に係るタイヤの横断面図である。
本開示の一実施形態であるタイヤは、車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とを有し、前記内側トレッドゴム層および前記外側トレッドゴム層がゴム成分を含むゴム組成物により構成され、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体を含み、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いタイヤである。
外側トレッドゴム層に特定の水素添加されたゴム成分を配合し、かつ、外側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量を内側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量よりも多くすることで、得られたタイヤは、耐偏摩耗性能が改善される。その理由については、理論に拘束されることは意図しないが、以下のように考えられる。
コーナリング中は、車両外側が主に接地することから、車両外側の接地圧が上昇し、偏摩耗が生じやすい。水素添加された共重合体は二重結合が少なく、架橋点が少ないため、架橋の疎密が発生しにくく応力集中による破壊が起きにくい。そのため、かかる水素添加された共重合体を配合することにより、トレッドの耐摩耗性能が向上すると考えられる。また、コーナリング中は、トレッドの車両外側が車両内側よりも温度が上がるため、トレッドの車両外側のグリップが低下しすべり量が増えることで、偏摩耗が生じやすくなる。そこで、外側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量を内側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量よりも多くすることで、外側トレッドゴム層の発熱を相対的に大きくし、車両外側のグリップを上げることできる。このことから、トレッドの車両外側と車両内側のすべり量を均一にし、より偏摩耗を抑制することができると考えられる。そして、これらが協働することで、耐偏摩耗性能が顕著に改善されるという、特筆すべき効果が達成されると考えられる。
外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物は、コーナリング時の発熱性を高め、すべりを抑制する観点から、ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを30質量部以上含有することが好ましい。
内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物は、外側トレッドゴム層よりも発熱性を低くしつつ、耐摩耗性能を高める観点から、ゴム成分100質量部に対し、シリカを90質量部以上含有することが好ましい。
外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物は、ゴム層内部を均一化させ、偏摩耗を抑制する観点から、水素添加された石油樹脂を含有することが好ましい。
外側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδout)は、内側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδin)よりも大きいことが好ましい。
30℃tanδoutを30℃tanδinよりも大きくすることで、外側トレッドゴム層の発熱を相対的に大きくし、車両外側のグリップを上げることできる。このことから、トレッドの車両外側と車両内側のすべり量を均一にし、より偏摩耗を抑制することができると考えられる。
両側接地端間の距離WLに対する、車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面までのDの比(D/WL)は、0.50以上であることが好ましい。
D/WLを前記の範囲とすることで、旋回時に外側ゴム層が接地しやすくなり、かつ発熱によりすべりを減らすことで、耐偏摩耗性能をより向上させやすくなると考えられる。
内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きいことが好ましい。また、内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率と外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率との差(内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率-外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率)は、2%以上10%以下であることが好ましい。
内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率を外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きくすることにより、外側トレッドゴム層の剛性を高めることができ、コーナリング時に負荷が高い外側トレッドゴム層の変形量を小さくすることができる。このことから、外側トレッドゴム層の摩耗が抑制されるため、偏摩耗が抑制されやすくなると考えられる。
トレッド部がタイヤ周方向に連続して延びる2本以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い陸部のトレッド表面における幅方向長さが、接地幅の18%以上であることが好ましい。
陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い陸部のトレッド表面における幅方向長さを前記の範囲とすることで、トレッド中央部でのバックリングを抑制し、外側トレッド層が均一に接地しやすくなると考えられる。
30℃tanδoutおよびD/WLは、下記式(1)を満たすことが好ましい。
30℃tanδout×(D/WL)≧0.20 ・・・(1)
30℃tanδoutとD/WLとの積を前記の範囲とすることで、外側トレッドゴム層の剛性及び発熱を十分に確保することができ、偏摩耗抑制効果がより向上すると考えられる。
<定義>
「正規リム」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、JATMAであれば“標準リム”、TRAであれば“Design Rim”、ETRTOであれば“Measuring Rim”である。
「正規内圧」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば“最高空気圧”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“INFLATION PRESSURE”である。
「正規状態」は、タイヤが正規リムにリム組みされかつ正規内圧が充填され、しかも、無負荷の状態である。なお、本明細書において、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法は、前記正規状態で測定される。
「正規荷重」は、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば“最大負荷能力”、TRAであれば表“TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES”に記載の最大値、ETRTOであれば“LOAD CAPACITY”である。
「トレッド接地端」とは、正規状態のタイヤに正規荷重が負荷されキャンバー角0度で平面に接地したときの最もタイヤ幅方向外側の接地位置である。
「車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面までの距離D」は、接地面における車両外側接地端部から、トレッド面上の内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層とのゴム界面の延長線までの直線距離を指す。
「溝面積比率」は、界面で分割された外側トレッドゴム層および内側トレッドゴム層で形成されるそれぞれの接地面について、全ての溝を埋めたと仮定した状態での全表面積に対する、全ての溝の合計面積の比である。
「芳香族ビニル単位」とは、共重合体における、芳香族ビニル化合物に由来する単位をいう。ここで、芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、かつ、後記の共役ジエン化合物は含まないものをいう。芳香族ビニル化合物の具体例としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
「ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量」とは、ゴム成分100質量%中に含まれるスチレン部等の芳香族ビニル単位の合計含有量(質量%)であって、各ゴム成分について、それぞれ、芳香族ビニル単位含量(質量%)にゴム成分中の質量分率を乗じて得られる値を算出し、それら値を総和した値である。具体的にはΣ(各芳香族ビニル単位含有ゴムの芳香族ビニル単位含量(質量%)×各芳香族ビニル単位含有ゴムのゴム成分中の含有量(質量%)/100)により算出される。なお、芳香族ビニル単位含有ゴムがスチレンブタジエンゴムである場合は「スチレン含量」である。
「オイルの含有量」は、油展ゴムに含まれるオイル量も含む。
<測定方法>
「溝面積比率」は、正規状態において、正規荷重を負荷してトレッドを平面に押し付けたときの接地形状から計算される。接地形状は、タイヤを正規リムに装着させ、正規内圧を保持させた後、例えば、トレッド部にインクを塗布し、正規荷重を負荷して厚紙等に垂直に押し付け、(キャンバー角は0°)、トレッド部に塗布されたインクを転写することにより得られる。そして、得られた接地形状を、外側トレッドゴム層および内側トレッドゴム層の分割界面部で分割することで、外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率および内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率をそれぞれ求めることができる。
「30℃tanδ」は、温度30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪±1%、伸長モードの条件下で測定する損失正接である。損失正接測定用サンプルは、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmの加硫ゴム組成物である。タイヤから切り出して作製する場合には、タイヤのトレッド部から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように切り出す。
「芳香族ビニル単位含量」は、1H-NMR測定により算出される値であり、例えば、の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体(該共重合体の水素添加物を含む)等の芳香族ビニル化合物に由来する繰り返し単位を有するゴム成分(芳香族ビニル単位含有ゴム)に適用される。
「シス含量(シス-1,4-結合ブタジエン単位量)」は、JIS K 6239-2:2017に従い、赤外吸収スペクトル分析により算出される値であり、例えば、BR等のブタジエンに由来する繰り返し単位を有するゴム成分に適用される。
水添共重合体およびSBRのガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に従い、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製の示差走査熱量計(Q200)を用いて昇温速度10℃/分で昇温しながら測定することにより、測定される。
「重量平均分子量(Mw)」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(例えば、東ソー(株)製のGPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTIPORE HZ-M)による測定値を基に、標準ポリスチレン換算により求めることができる。例えば、SBR、BR等に適用される。
「カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)」は、JIS K 6217-2:2017に準じて測定される。「カーボンブラックのオイル吸収量(DBP吸油量(OAN))」は、JIS K6217-4:2017に準じて測定される。
「シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)」は、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される。「シリカの平均一次粒子径」は、透過型または走査型電子顕微鏡により観察し、視野内に観察されたシリカの一次粒子を400個以上測定し、その平均により求めることができる。
「樹脂成分の軟化点」は、JIS K 6220-1:2015 7.7に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
本開示の一実施形態であるタイヤの作製手順について、以下に詳細に説明する。但し、以下の記載は本開示を説明するための例示であり、本開示の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
<タイヤ>
以下、本開示の一実施形態に係るタイヤについて、図面を参照して説明する。
図1に示すように、タイヤTは、一対のビード部1と、各々のビード部1からタイヤ半径方向RD(図1における上下方向。以下、単にタイヤ半径方向という)外側に延びるサイドウォール部2と、両サイドウォール部2のタイヤ径方向RD外側端に連なるトレッド部3と、トレッド部3からサイドウォール部2を経てビード部1に至るトロイド状のカーカス層4を備える。ビード部1には、ビードコア1aと、ビードフィラー1bとが配設されている。カーカス層4は、一対のビード部同士1の間に設けられ、少なくとも一枚のカーカスプライにより構成され、その端部がビードコア1aを介して巻き上げられた状態で係止されている。カーカスプライは、タイヤ赤道に対して略直角に延びるコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカス層4の内側には、空気圧を保持するためのインナーライナーゴム4aが配置されている。さらに、サイドウォール部2におけるカーカス層4の外側には、サイドウォールゴム6が設けられている。また、ビード部1におけるカーカス層4の外側には、リム装着時にリム(図示しない)と接するリムストリップゴム7が設けられている。
本開示のタイヤは、車両に対する装着方向が指定されており、タイヤの側面に、車両に対する装着方向(例えば内側である外側である旨)が表示される。
トレッド部3は、外側トレッド端Toおよび内側トレッド端Tiを有している。外側トレッド端Toは、車両装着時に車両の外側(図1では右側)に位置する。内側トレッド端Tiは、車両装着時に車両の内側(図1では左側)に位置する。各トレッド端To、Tiは、正規状態のタイヤに正規荷重が負荷されキャンバー角0度で平面に接地したときの、最もタイヤ幅方向W(図1における左右方向。以下、単に幅方向Wと呼ぶ)外側の接地位置である。
図1では、トレッド部3は、接地面を構成するキャップ部50と、キャップ部50のタイヤ径方向内側に設けられるベース部51とを有する。キャップ部50は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層52と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層53とを有する。内側トレッドゴム層52および外側トレッドゴム層53の外側にウイングゴムを備えていてもよい。なお、ウイングゴムが備わっている場合、もしくはサイドウォール部がトレッドの半径方向外側に覆いかぶさる形態にある場合において、これらが接地面を形成したとしても、本開示の内側トレッドゴムおよび外側トレッドゴムには該当しないものとする。車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面Pは、図1では、周方向溝5aの下に配置されているが、このような態様に限定されず、陸部5の下に配置してもよい。なお、「陸部」とは、トレッド部3において、トレッド接地端To、Tiおよびタイヤ周方向に連続して延びる複数の周方向溝5aによって仕切られた領域をいう。
外側トレッド端Toと内側トレッド端Tiの接地端間の距離WLに対する、車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面Pまでの距離Dの比(D/WL)は、0.40以上が好ましく、0.45以上がより好ましく、0.50以上がさらに好ましく、0.55以上が特に好ましい。D/WLを前記の範囲とすることにより、旋回時に外側ゴム層が接地しやすくなり、発熱によりすべりを減らし、耐偏摩耗性能をより向上させやすくなると考えられる。また、D/WLは、本開示の効果の観点から、0.90以下が好ましく、0.86以下がより好ましく、0.83以下がさらに好ましく、0.80以下が特に好ましい。
内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きいことが好ましい。内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率を外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きくすることにより、外側トレッドゴム層の剛性を高めることができ、コーナリング時に負荷が高い外側トレッドゴム層の変形量を小さくすることができる。このことから、外側トレッドゴム層の摩耗が抑制されるため、偏摩耗が抑制されやすくなると考えられる。
外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、4%以上が好ましく、7%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。また、外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、40%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下がさらに好ましい。
内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、8%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、12%以上がさらに好ましい。また、内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率は、45%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、35%以下がさらに好ましい。
内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率と外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率との差は、本開示の効果の観点から、2%以上10%以下が好ましく、3%以上9%以下がより好ましく、4%以上8%以下がさらに好ましい。
外側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδout)は、内側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδin)よりも大きいことが好ましい。30℃tanδoutを30℃tanδinよりも大きくすることで、外側トレッドゴム層の発熱を相対的に大きくし、車両外側のグリップを上げることできる。このことから、トレッドの車両外側と車両内側のすべり量を均一にし、より偏摩耗を抑制することができると考えられる。30℃tanδoutと30℃tanδinとの差(30℃tanδout-30℃tanδin)は、0.01以上が好ましく、0.03以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましい。
30℃tanδoutは、グリップを向上させ、すべりを良くする観点から、0.24以上が好ましく、0.26以上がより好ましく、0.28以上がさらに好ましく、0.31以上が特に好ましい。また、30℃tanδoutは、過度な発熱を抑制する観点から、0.55以下が好ましく、0.50以下がより好ましく、0.48以下がさらに好ましく、0.46以下が特に好ましい。
30℃tanδinは、0.40以下が好ましく、0.38以下がより好ましく、0.36以下がさらに好ましい。また、30℃tanδinは、0.12以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.18以上がさらに好ましく、0.21以上が特に好ましい。
なお、本開示のゴム組成物の「30℃tanδ」は、後記のゴム成分、フィラー、軟化剤等の種類や配合量により適宜調整することができる。
前記式(1)で表される30℃tanδoutとD/WLとの積は、0.12以上が好ましく、0.15以上がより好ましく、0.20以上がさらに好ましく、0.25以上がさらに好ましく、0.30以上が特に好ましい。30℃tanδoutとD/WLとの積を前記の範囲とすることで、外側トレッドゴム層の剛性及び発熱を十分に確保することができ、偏摩耗抑制効果がより向上すると考えられる。また、30℃tanδoutとD/WLとの積は、0.65以下が好ましく、0.60以下がより好ましく、0.50以下がさらに好ましく、0.45以下が特に好ましい。
[ゴム組成物]
内側トレッドゴム層52および外側トレッドゴム層53を構成するそれぞれのゴム組成物(以下、断りのない限り本開示のゴム組成物という)について、以下詳細に説明する。なお、特に断りがない場合、下記のゴム組成物の説明は、内側トレッドゴム層52および外側トレッドゴム層53の双方において共通である。
<ゴム成分>
本開示のゴム組成物は、外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体(以下、単に水添共重合体ということがある)を必須の成分として含有することを特徴とする。また、本開示のゴム成分は、ジエン系ゴムを含有することが好ましい。外側トレッドゴム層を構成するゴム成分は、前記水添共重合体およびジエン系ゴムのみからなるゴム成分としてもよい。内側トレッドゴム層を構成するゴム成分は、ジエン系ゴムのみからなるゴム成分としてもよい。
(水添共重合体)
本開示の水添共重合体は、公知の方法(例えば、特開2020-79340号公報に記載の方法)により芳香族ビニル化合物および共役ジエン化合物を重合して得られた重合体に、水素添加処理を施すことで合成できる。共重合させる順序に特に限定はなく、ランダム共重合でもブロック共重合でもよい。また、前記水添共重合体は、水素添加後の構造を有するモノマーを共重合させて合成してもよい。
芳香族ビニル化合物とは、少なくともビニル基で置換された芳香族化合物を指し、かつ、後記の共役ジエン化合物は含まないものをいう。芳香族ビニル化合物の具体例としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン、2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、スチレンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン化合物としては、例えば、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエンなどが挙げられ、1,3-ブタジエンおよびイソプレンが好ましく、1,3-ブタジエンがより好ましい。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体としては、スチレンブタジエン共重合体(SBR)が好ましい。したがって、水添共重合体としては、スチレンブタジエン共重合体の共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体(水添SBR)が好ましい。
水添共重合体(好ましくは水添SBR)の水素添加率は、40モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、60モル%以上がさらに好ましく、70モル%以上が特に好ましい。また、水添共重合体の水素添加率は、99モル%以下が好ましく、98モル%以下より好ましい。上記範囲内であると、本開示の効果がより好適に得られる傾向がある。水素添加率は、後述の製造例1および2に記載の如き水素添加反応において、水素ガス供給圧力、反応温度等の反応条件を調節することにより、調節することができる。なお、水素添加率とは、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の共役ジエン部に対して二重結合が水素添加された割合を指し、1H-NMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算することができる。
水添共重合体の芳香族ビニル単位含量(水添共重合体が水添SBRの場合はスチレン含量)は、例えば、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、水添共重合体の芳香族ビニル単位含量は、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下が特に好ましい。なお、水添共重合体の芳香族ビニル単位含量は、前記測定方法により測定される。
水添共重合体の重量平均分子量(Mw)は、重量平均分子量(Mw)は、本開示の効果の観点から、10万以上が好ましく、20万以上がより好ましく、30万以上がさらに好ましい。また、多元ポリマーのMwは、加工性の観点から、200万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、80万以下がさらに好ましい。
水添共重合体のガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性能の観点から、-90℃以上が好ましく、-80℃以上がより好ましく、-70℃以上がさらに好ましく、-60℃以上が特に好ましい。また、水添共重合体のTgは、-10℃以下が好ましく、-15℃以下がより好ましく、-20℃以下がさらに好ましく、-25℃以下が特に好ましい。
水添共重合体は、シリカと相互作用を有する官能基を導入した変性体とすることもできる。そのような官能基としては、この分野で通常使用するものをいずれも好適に使用することができ、例えば、アミノ基、シラノール基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
外側トレッドゴム層を構成するゴム成分中の水添共重合体(好ましくは水添SBR、より好ましくは水素添加率が50モル%以上の水添SBR)の含有量は、応力集中による破壊を抑制し、トレッドの耐摩耗性能を向上させる観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましい。また、該含有量の上限値は特に制限されないが、例えば、100質量%、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下とすることができる。なお、内側トレッドゴム層を構成するゴム成分中の水添共重合体の含有量は特に制限されず、例えば、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができる。
(ジエン系ゴム)
ジエン系ゴムとしては、例えば、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンゴム(SIR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)等が挙げられる。外側トレッドゴム層を構成するゴム成分は、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、BRを含有することがより好ましい。内側トレッドゴム層を構成するゴム成分は、イソプレン系ゴム、BR、およびSBRからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、SBRを含有することがより好ましく、SBRおよびBRを含有することがさらに好ましく、SBRおよびBRのみからなるゴム成分としてもよい。これらのジエン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(SBR)
SBRとしては特に限定はなく、未変性の溶液重合SBR(S-SBR)や乳化重合SBR(E-SBR)、これらの変性SBR(変性S-SBR、変性E-SBR)等が挙げられる。変性SBRとしては、末端および/または主鎖が変性されたSBR、スズ、ケイ素化合物等でカップリングされた変性SBR(縮合物、分岐構造を有するもの等)等が挙げられる。
前記で列挙されたSBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記で列挙されたSBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)、ZSエラストマー(株)等より市販されているものを使用することができる。
SBRのスチレン含量は、例えば、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができるが、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、SBRのスチレン含量は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましく、25質量%以下が特に好ましい。なお、SBRのスチレン含量は、前記の芳香族ビニル単位含量の測定方法により測定される。
SBRのガラス転移温度(Tg)は、耐摩耗性能の観点から、-80℃以上が好ましく、-70℃以上がより好ましく、-60℃以上がさらに好ましい。また、SBRのTgは、-20℃以下が好ましく、-25℃以下がより好ましく、-30℃以下がさらに好ましい。
内側トレッドゴム層を構成するゴム成分中のSBRの含有量は、外側トレッドゴム層から伝わる発熱に対して、十分な剛性を確保する観点から、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上がさらに好ましく、70質量%以上が特に好ましい。また、該含有量の上限値は特に制限されないが、例えば、100質量%、99質量%以下、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下とすることができる。なお、外側トレッドゴム層を構成するゴム成分中のSBRの含有量は特に制限されず、例えば、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量が後述の範囲を満たすように適宜選択することができる。
(BR)
BRとしては特に限定されるものではなく、例えば、シス含量が50モル%未満のBR(ローシスBR)、シス含量が90モル%以上のBR(ハイシスBR)、希土類元素系触媒を用いて合成された希土類系ブタジエンゴム(希土類系BR)、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR(SPB含有BR)、変性BR(ハイシス変性BR、ローシス変性BR)等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。これらのBRは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、BRのシス含量は、前記測定方法により測定される。
ハイシスBRとしては、例えば、日本ゼオン(株)、宇部興産(株)、JSR(株)等より市販されているものを使用することができる。ハイシスBRを含有することで低温特性および耐摩耗性能を向上させることができる。ハイシスBRのシス含量は、95モル%以上が好ましく、96モル%以上がより好ましく、97モル%以上がさらに好ましく、98モル%以上が特に好ましい。なお、BRのシス含量は、前記測定方法により測定される。
外側トレッドゴム層を構成するゴム成分中のBRの含有量は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。また、該含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上とすることができる。
内側トレッドゴム層を構成するゴム成分中のBRの含有量は、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましく、15質量%以下が特に好ましい。また、該含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、7質量%以上とすることができる。
(イソプレン系ゴム)
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム等を、変性NRとしてはエポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等を、変性IRとしてはエポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等を挙げることができる。これらのイソプレン系ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
イソプレン系ゴムを含有する場合のゴム成分中の含有量は、本開示の効果の観点から、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。また、該含有量の下限値は特に制限されないが、例えば、1質量%以上、3質量%以上、5質量%以上、10質量%以上とすることができる。
(その他のゴム成分)
ゴム成分は、本開示の効果に影響を与えない範囲で、前記水添共重合体およびジエン系ゴム以外の他のゴム成分を含有してもよい。他のゴム成分としては、タイヤ工業で一般的に用いられる架橋可能なゴム成分を用いることができ、例えば、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリノルボルネンゴム、シリコーンゴム、塩化ポリエチレンゴム、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、ヒドリンゴム等が挙げられる。これら他のゴム成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、上記のゴム成分の他に、公知の熱可塑性エラストマーを含有してもよく、含有しなくてもよい。
本開示のゴム成分中の芳香族ビニル単位含量は、トレッド部で発熱性を確保し、すべりを抑制する観点から、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましい。また、ゴム成分中の芳香族ビニル単位含量は、本開示の効果の観点から、60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、40質量%以下がさらに好ましく、35質量%以下がさらに好ましく、30質量%以下が特に好ましい。
<フィラー>
本開示のゴム組成物は、フィラーとしてシリカを含有することが好ましく、シリカおよびカーボンブラックを含有することがより好ましい。また、シリカおよびカーボンブラックのみからなるフィラーとしてもよい。
(カーボンブラック)
カーボンブラックとしては特に限定されず、例えば、GPF、FEF、HAF、ISAF、SAF等タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なお、一般的な鉱油を燃焼させて生成されるカーボンブラック以外に、リグニン等のバイオマス材料を用いたカーボンブラックを用いてもよい。これらのカーボンブラックは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性およびグリップ性能の観点から、50m2/g以上が好ましく、70m2/g以上がより好ましく、100m2/g以上がさらに好ましく、120m2/g以上が特に好ましい。また、分散性の観点からは、250m2/g以下が好ましく、220m2/g以下がより好ましい。なお、カーボンブラックのN2SAは、前記測定方法により測定される。
本開示のゴム組成物は、外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いことを特徴とする。内側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量より外側トレッドゴム層のカーボンブラックの含有量を多くすることにより、外側トレッドゴム層の発熱を相対的に大きくし、車両外側のグリップを上げることできる。このことから、車両外側のすべりを抑制し、負荷が大きな外側での摩耗を抑制することで、より偏摩耗を抑制することができると考えられる。外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量と、内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量との差は、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、25質量部以上が特に好ましい。一方、外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量と、内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量との差の上限値は特に制限されないが、例えば、80質量部以下、70質量部以下、60質量部以下、50質量部以下、40質量部以下とすることができる。
外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量は、耐摩耗性能および発熱性を向上させる観点から、20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましく、30質量部以上がさらに好ましく、35質量部以上が特に好ましい。また、低燃費性能の観点から、90質量部以下が好ましく、80質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、60質量部以下が特に好ましい。
内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量は、補強性の観点から、1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、3質量部以上がさらに好ましく、4質量部以上が特に好ましい。また、内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラック含有量は、本開示の効果の観点から、80質量部以下が好ましく、60質量部以下がより好ましく、40質量部以下がさらに好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、15質量部以下がさらに好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
(シリカ)
シリカとしては、特に限定されず、例えば、乾式法により調製されたシリカ(無水シリカ)、湿式法により調製されたシリカ(含水シリカ)等、タイヤ工業において一般的なものを使用することができる。なかでもシラノール基が多いという理由から、湿式法により調製された含水シリカが好ましい。なお、上記のシリカの他に、もみ殻などのバイオマス材料を原料としたシリカを適宜用いてもよい。これらのシリカは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリカの窒素吸着比表面積(N2SA)は、補強性およびグリップ性能の確保の観点から、100m2/g以上が好ましく、120m2/g以上がより好ましく、140m2/g以上がさらに好ましく、160m2/g以上が特に好ましい。また、発熱性および加工性の観点からは、350m2/g以下が好ましく、300m2/g以下がより好ましく、250m2/g以下がさらに好ましい。なお、シリカのN2SAは、前記測定方法により測定される。
シリカの平均一次粒子径は、10nm以上が好ましく、12nm以上がより好ましく、14nm以上がさらに好ましい。また、該平均一次粒子径は、22nm以下が好ましく、20nm以下がより好ましく、18nm以下がさらに好ましい。なお、シリカの平均一次粒子径は、前記測定方法により測定される。
内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、発熱性を過度に高めることなく、剛性と補強性を確保する観点から、80質量部以上が好ましく、85質量部以上がより好ましく、90質量部以上がさらに好ましく、95質量部以上が特に好ましい。また、ゴムの比重を低減させ軽量化を図る観点から、140質量部以下が好ましく、130質量部以下がより好ましく、120質量部以下がさらに好ましい。
外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、グリップ性能の観点から、40質量部以上が好ましく、50質量部以上がより好ましく、55質量部以上がさらに好ましく、60質量部以上が特に好ましい。また、外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するシリカの含有量は、本開示の効果の観点から、120質量部以下が好ましく、105質量部以下がより好ましく、90質量部以下がさらに好ましく、80質量部以下が特に好ましい。
(その他のフィラー)
シリカおよびカーボンブラック以外のフィラーとしては、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルク等、従来からタイヤ工業において一般的に用いられているものを配合することができる。これらのフィラーの他、バイオ炭(BIOCHAR)を適宜用いてもよい。
ゴム成分100質量部に対するフィラーの合計含有量は、補強性およびグリップ性能の観点から、70質量部以上が好ましく、80質量部以上がより好ましく、90質量部以上がさらに好ましく、100質量部以上が特に好ましい。また、分散性の観点からは、160質量部以下が好ましく、150質量部以下がより好ましく、140質量部以下がさらに好ましく、130質量部以下が特に好ましい。
(シランカップリング剤)
シリカは、シランカップリング剤と併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、タイヤ工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができるが、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプトエチルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤;ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド系シランカップリング剤;3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-ヘキサノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリメトキシシラン等のチオエステル系シランカップリング剤;ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シランカップリング剤;γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のグリシドキシ系シランカップリング剤;3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシラン等のニトロ系シランカップリング剤;3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシラン等のクロロ系シランカップリング剤;等が挙げられる。なかでも、スルフィド系シランカップリング剤および/またはメルカプト系シランカップリング剤を含有することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、モメンティブ社等より市販されているものを使用することができる。これらのシランカップリング剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シランカップリング剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、シリカの分散性を高める観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましく、4.0質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の低下を防止する観点からは、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましく、12質量部以下がさらに好ましい。
<軟化剤>
本開示に係るゴム組成物は、軟化剤を含有することが好ましい。軟化剤としては、例えば、樹脂成分、オイル、液状ゴム、エステル系可塑剤等が挙げられる。
(樹脂成分)
樹脂成分としては、特に限定されないが、タイヤ工業で慣用される石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
石油樹脂としては、C5系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、C5C9系石油樹脂等が挙げられる。
本明細書において「C5系石油樹脂」とは、C5留分を重合することにより得られる樹脂をいう。C5留分としては、例えば、シクロペンタジエン、ペンテン、ペンタジエン、イソプレン等の炭素数4~5個相当の石油留分が挙げられる。C5系石油樹脂しては、ジシクロペンタジエン樹脂(DCPD樹脂)が好適に用いられる。
本明細書において「芳香族系石油樹脂」とは、C9留分を重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C9留分としては、例えば、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデン、メチルインデン等の炭素数8~10個相当の石油留分が挙げられる。芳香族系石油樹脂の具体例としては、例えば、クマロンインデン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、および芳香族ビニル系樹脂が好適に用いられる。芳香族ビニル系樹脂としては、経済的で、加工しやすく、発熱性に優れているという理由から、α-メチルスチレンもしくはスチレンの単独重合体またはα-メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましく、α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体がより好ましい。芳香族ビニル系樹脂としては、例えば、クレイトン社、イーストマンケミカル社、三井化学(株)等より市販されているものを使用することができる。
本明細書において「C5C9系石油樹脂」とは、前記C5留分と前記C9留分を共重合することにより得られる樹脂をいい、それらを水素添加したものや変性したものであってもよい。C5留分およびC9留分としては、前記の石油留分が挙げられる。C5C9系石油樹脂としては、例えば、東ソー(株)、LUHUA社等より市販されているものを使用することができる。
樹脂成分としては、上記の石油樹脂が部分的または完全に水素添加されたた石油樹脂も使用することができる。かかる、水素添加された石油樹脂は、水素付加された構造の類似性から、相溶性に優れ、系内での分散が良好と考えられる観点から、外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物に好適に使用される。なお、本開示で使用される水素添加された石油樹脂は、分子内の不飽和結合が部分的にまたは完全に水素添加されており、例えば、主鎖または側鎖にベンゼン環等の芳香族環を有する石油樹脂が水素化される場合においては、該芳香族環が還元されている(例えば、芳香族環がベンゼン環であれば、シクロへキサン環等に還元されている)。
テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、リモネン、ジペンテン等のテルペン化合物から選ばれる少なくとも1種からなるポリテルペン樹脂;前記テルペン化合物と芳香族化合物とを原料とする芳香族変性テルペン樹脂;テルペン化合物とフェノール系化合物とを原料とするテルペンフェノール樹脂;並びにこれらのテルペン系樹脂に水素添加処理を行ったもの(水素添加されたテルペン系樹脂)が挙げられる。芳香族変性テルペン樹脂の原料となる芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルトルエン等が挙げられる。テルペンフェノール樹脂の原料となるフェノール系化合物としては、例えば、フェノール、ビスフェノールA、クレゾール、キシレノール等が挙げられる。
ロジン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば天然樹脂ロジン、それを水素添加、不均化、二量化、エステル化等で変性したロジン変性樹脂等が挙げられる。
フェノール系樹脂としては、特に限定されないが、フェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、アルキルフェノールアセチレン樹脂、オイル変性フェノールホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
樹脂成分の軟化点は、グリップ性能の観点から、60℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましい。また、加工性、ゴム成分とフィラーとの分散性向上という観点からは、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。なお、樹脂成分の軟化点は、前記測定方法により測定される。
樹脂成分を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、グリップ性能の観点から、5質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、15質量部以上がさらに好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、25質量部以上が特に好ましい。また、発熱性抑制の観点からは、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましい。
(オイル)
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、動物油脂等が挙げられる。前記プロセスオイルとしてはパラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル等が挙げられる。また、環境対策で多環式芳香族(polycyclic aromatic compound:PCA)化合物の含量の低いプロセスオイルを使用することもできる。前記低PCA含量プロセスオイルとしては、軽度抽出溶媒和物(MES)、処理留出物芳香族系抽出物(TDAE)、重ナフテン系オイル等が挙げられる。また、ライフサイクルアセスメントの観点から、ゴム混合機やエンジンに用いられた後の廃油や、調理店で使用された廃食用油を精製したものを用いてもよい。
オイルを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、1質量部以上が好ましく、5質量部以上がより好ましく、10質量部以上がさらに好ましく、15質量部以上が特に好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、70質量部以下がさらに好ましく、50質量部以下が特に好ましい。
(液状ゴム)
液状ゴムは、常温(25℃)で液体状態のポリマーであれば特に限定されないが、例えば、液状ブタジエンゴム(液状BR)、液状スチレンブタジエンゴム(液状SBR)、液状イソプレンゴム(液状IR)、液状スチレンイソプレンゴム(液状SIR)、液状ファルネセンゴム等が挙げられる。これらの液状ゴムは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液状ゴムを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1質量部以上が好ましく、3質量部以上がより好ましく、5質量部以上がさらに好ましい。また、液状ポリマーの含有量は、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。
軟化剤のゴム成分100質量部に対する含有量(複数の軟化剤を併用する場合は全ての合計量)は、グリップ性能の観点から、10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましく、20質量部以上がさらに好ましく、25質量部以上が特に好ましい。また、加工性の観点からは、100質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がさらに好ましく、70質量部以下が特に好ましい。
<その他の配合剤>
本開示に係るゴム組成物には、前記成分以外にも、従来タイヤ工業で一般に使用される配合剤、例えば、ワックス、加工助剤、老化防止剤、ステアリン酸、酸化亜鉛、加硫剤、加硫促進剤等を適宜含有することができる。
ワックスを含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐候性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、ブルームによるタイヤの白色化防止の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
老化防止剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、アミン系、キノリン系、キノン系、フェノール系、イミダゾール系の各化合物や、カルバミン酸金属塩等の老化防止剤が挙げられ、N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-イソプロピル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、N,N’-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン、N-シクロヘキシル-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン等のフェニレンジアミン系老化防止剤、および2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン重合体、6-エトキシ-2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリン等のキノリン系老化防止剤が好ましい。これらの老化防止剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
老化防止剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、ゴムの耐オゾンクラック性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能やウェットグリップ性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
ステアリン酸を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、加硫速度の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
酸化亜鉛を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、加工性の観点から、0.5質量部以上が好ましく、1.0質量部以上がより好ましく、1.5質量部以上がさらに好ましい。また、耐摩耗性能の観点からは、10質量部以下が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい。
加硫剤としては硫黄が好適に用いられる。硫黄としては、粉末硫黄、油処理硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等を用いることができる。
硫黄を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、十分な加硫反応を確保する観点から、0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。また、劣化防止の観点からは、5.0質量部以下が好ましく、4.0質量部以下がより好ましく、3.0質量部以下がさらに好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。なお、架橋剤として、オイル含有硫黄を使用する場合の加硫剤の含有量は、オイル含有硫黄に含まれる純硫黄分の合計含有量とする。
硫黄以外の加硫剤として、公知の有機架橋剤を用いることもできる。有機架橋剤を配合すると、硫黄による架橋に比べて架橋点間距離が長くなり、エネルギーロスを多く発生することが可能となり、良好なピークグリップ性能が得られる。
有機架橋剤としては、ポリスルフィド結合以外の架橋鎖を形成できるものであれば特に限定されないが、例えば、アルキルフェノール・塩化硫黄縮合物、1,6-ヘキサメチレン-ジチオ硫酸ナトリウム・二水和物、1,6-ビス(N,N’-ジベンジルチオカルバモイルジチオ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。
加硫促進剤としては、例えば、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤、カプロラクタムジスルフィド等が挙げられる。これら加硫促進剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、所望の効果がより好適に得られる点から、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、およびグアニジン系加硫促進剤からなる群から選ばれる1以上の加硫促進剤が好ましく、スルフェンアミド系加硫促進剤およびグアニジン系加硫促進剤を併用することがより好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)等が挙げられる。なかでも、TBBSおよびCBSが好ましい。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)またはその塩、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド(MBTS)、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられる。なかでも、MBTSおよびMBTが好ましく、MBTSがより好ましい。
グアニジン系加硫促進剤としては、例えば、1,3-ジフェニルグアニジン(DPG)、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、1,3-ジ-o-クメニルグアニジン、1,3-ジ-o-ビフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-クメニル-2-プロピオニルグアニジン等が挙げられる。なかでも、DPGが好ましい。
加硫促進剤を含有する場合のゴム成分100質量部に対する含有量は、1.0質量部以上が好ましく、1.5質量部以上がより好ましく、2.0質量部以上がさらに好ましい。また、加硫促進剤のゴム成分100質量部に対する含有量は、8.0質量部以下が好ましく、7.0質量部以下がより好ましく、6.0質量部以下がさらに好ましく、5.0質量部以下が特に好ましい。加硫促進剤の含有量を上記範囲内とすることにより、破壊強度および伸びが確保できる傾向がある。
<製造>
本開示に係るゴム組成物は、公知の方法により製造することができる。例えば、前記の各成分をオープンロール、密閉式混練機(バンバリーミキサー、ニーダー等)等のゴム混練装置を用いて混練りすることにより製造できる。
混練り工程は、例えば、加硫剤および加硫促進剤以外の配合剤および添加剤を混練りするベース練り工程と、ベース練り工程で得られた混練物に加硫剤および加硫促進剤を添加して混練りするファイナル練り(F練り)工程とを含んでなるものである。さらに、前記ベース練り工程は、所望により、複数の工程に分けることもできる。
混練条件としては特に限定されるものではないが、例えば、ベース練り工程では、排出温度150~170℃で3~10分間混練りし、ファイナル練り工程では、70~110℃で1~5分間混練りする方法が挙げられる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
前記ゴム組成物から構成されるトレッドを備えた本開示のタイヤは、通常の方法により製造することができる。すなわち、ゴム成分に対して上記各成分を必要に応じて配合した未加硫のゴム組成物を、トレッドを構成する各ゴム層の形状にあわせて押出し加工し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、通常の方法にて成型することにより、未加硫タイヤを形成し、この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することにより、タイヤを製造することができる。加硫条件としては、特に限定されるものではなく、例えば、150~200℃で10~30分間加硫する方法が挙げられる。
<用途>
本開示のタイヤは、本開示のタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ等の汎用タイヤとすることも、レース用タイヤとすることもできる。なお、乗用車用タイヤとは、四輪で走行する自動車に装着されることを前提としたタイヤであり、その最大負荷能力が1000kg以下のものを指す。また、本開示のタイヤは、全シーズン用タイヤ、夏用タイヤ、スタッドレスタイヤ等の冬用タイヤに使用可能である。
以下では、実施をする際に好ましいと考えられる例(実施例)を示すが、本開示の範囲は実施例に限られない。
以下に示す各種薬品を用いて、表1に従って得られるゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤを想定し、下記評価方法に基づいて算出した結果を表2に示す。
以下、実施例および比較例において用いる各種薬品をまとめて示す。
NR:TSR20
SBR:JSR(株)製のSBR1502(未変性E-SBR、スチレン含量:23.5質量%、Tg:-56℃、Mw:44万、非油展)
水添SBR:後述の製造例1で製造した水添SBR(水素添加率:80%、スチレン含量:30質量%、Tg:-30℃、Mw:48万)
BR:宇部興産(株)製のUBEPOL BR(登録商標)150B(未変性BR、シス含量:97モル%、Mw:44万)
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製のダイアブラックN220(N2SA:114m2/g)
シリカ:エボニックデグサ社製のウルトラシルVN3(N2SA:175m2/g、平均一次粒子径:15nm)
シランカップリング剤:エボニックデグサ社製のSi69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
樹脂成分1:ENEOS(株)製のT-REZ PR801(水添DCPD/C9樹脂、軟化点:91℃)
樹脂成分2:クレイトン社製のSylvares SA85(α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃)
液状ゴム:クレイバレー社製のRICON100(液状SBR)
オイル:H&R(株)製のVivaTec500(TDAEオイル)
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のビーズステアリン酸つばき
老化防止剤:住友化学(株)製のアンチゲン6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N’-フェニル-p-フェニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
硫黄:軽井沢硫黄(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ-G(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(1,3-ジフェニルグアニジン)
製造例1:水添SBRの製造
充分に窒素置換した耐熱反応容器にn-ヘキサン2000ml、スチレン60g、1,3-ブタジエン140g、TMEDA0.93g、n-ブチルリチウム0.45mmolを加えて、50℃で5時間攪拌し、重合反応を行う。次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとする。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行う。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することによって、水添SBRを得る。
(実施例および比較例)
表1に示す配合処方にしたがい、1.7Lの密閉型バンバリーミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以外の薬品を排出温度150~160℃になるまで1~10分間混練りし、混練物を得る。次に、2軸オープンロールを用いて、得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を添加し、4分間、105℃になるまで練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を、所定の形状の口金を備えた押し出し機で内側トレッドゴム層および外側トレッドゴム層(いずれも厚さ7.5mm)の形状に合わせて押し出し成形して外側トレッド層及び内側トレッド層の複合体を成形し、ベース部(厚さ:1.5mm)および他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを作製し、170℃の条件下で12分間プレス加硫することにより、各試験用タイヤを作製する。
<30℃tanδの測定>
加硫後の各ゴム試験片を、各試験用タイヤのトレッド部の各ゴム層から、タイヤ周方向が長辺、タイヤ半径方向が厚さ方向となるように、長さ20mm×幅4mm×厚さ1mmで切り出して作製する。各ゴム試験片について、GABO社製のイプレクサーシリーズを用いて、温度30℃、周波数10Hz、初期歪5%、動歪±1%、伸長モードの条件下でtanδを測定する。
<耐偏摩耗性能>
各試験用タイヤを排気量2000ccの国産FR車に装着する。乾燥アスファルト路面のテストコースを平均時速80km/時で5000km走行した後、後輪の内側トレッドゴム層および外側トレッドゴム層の摩耗量を測定する。そして、外側トレッドゴム層と内側トレッドゴム層との摩耗量の差を求め、下記式により、耐偏摩耗性能を指数表示する。指数が大きいほど耐偏摩耗性能が良好であることを示す。
(各試験用タイヤの摩耗指数)
={(外側トレッドゴム層の摩耗量)-(内側トレッドゴム層の摩耗量)}/7.5×100
(各試験用タイヤの耐偏摩耗性能指数)
={(100-各試験用タイヤの摩耗指数)/(100-比較例6のタイヤの摩耗指数)}×100
Figure 2023104871000001
Figure 2023104871000002
<実施形態>
本開示の実施形態の例を以下に示す。
〔1〕車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤであって、前記トレッド部は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とを有し、前記内側トレッドゴム層および前記外側トレッドゴム層がゴム成分を含むゴム組成物により構成され、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体を含み、前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いタイヤ。
〔2〕前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを30質量部以上含有する、上記〔1〕記載のタイヤ。
〔3〕前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、シリカを90質量部以上含有する、上記〔1〕または〔2〕記載のタイヤ。
〔4〕前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、水素添加された石油樹脂を含有する、上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔5〕前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、水素添加率が50モル%以上の水素添加スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含有する、上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔6〕前記外側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδout)が、前記内側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδin)よりも大きい、上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔7〕両側接地端間の距離WLに対する、車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面までのDの比(D/WL)が0.50以上である、上記〔1〕~〔6〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔8〕前記内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率が、前記外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きい、上記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔9〕前記内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率と前記外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率との差が2%以上10%以下である、上記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔10〕前記トレッド部がタイヤ周方向に連続して延びる2本以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い陸部のトレッド表面における幅方向長さが、接地幅の18%以上である、上記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載のタイヤ。
〔11〕30℃tanδoutおよびD/WLが下記式(1)を満たす、上記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載のタイヤ。
30℃tanδout×(D/WL)≧0.20 ・・・(1)
〔12〕式(1)の右辺が0.30である、上記〔11〕記載のタイヤ。
1・・・ビード部
1a・・・ビードコア
1b・・・ビードフィラー
2・・・サイドウォール部
3・・・トレッド部
4・・・カーカス層
4a・・・インナーライナーゴム
4b・・・ベルト
4c・・・ベルト補強層
5・・・陸部
5a・・・周方向溝
6・・・サイドウォールゴム
7・・・リムストリップゴム
50・・・キャップ部
51・・・ベース部
52・・・内側トレッドゴム層
52・・・外側トレッドゴム層

Claims (12)

  1. 車両への装着方向が指定されたトレッド部を有するタイヤであって、
    前記トレッド部は、車両装着時に車両内側端部側を構成する内側トレッドゴム層と、車両外側端部側を構成する外側トレッドゴム層とを有し、
    前記内側トレッドゴム層および前記外側トレッドゴム層がゴム成分を含むゴム組成物により構成され、
    前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とが共重合され、その共役ジエン部の一部が水素添加された共重合体を含み、
    前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が、前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物のゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量よりも多いタイヤ。
  2. 前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、カーボンブラックを30質量部以上含有する、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、ゴム成分100質量部に対し、シリカを90質量部以上含有する、請求項1または2記載のタイヤ。
  4. 前記外側トレッドゴム層を構成するゴム組成物が、水素添加された石油樹脂を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のタイヤ。
  5. 前記外側トレッドゴム層を構成するゴム成分が、水素添加率が50モル%以上の水素添加スチレンブタジエンゴムを50質量%以上含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のタイヤ。
  6. 前記外側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδout)が、前記内側トレッドゴム層の30℃におけるtanδ(30℃tanδin)よりも大きい、請求項1~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  7. 両側接地端間の距離WLに対する、車両外側接地端から内側トレッドゴム層と外側トレッドゴム層との界面までのDの比(D/WL)が0.50以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率が、前記外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率より大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
  9. 前記内側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率と前記外側トレッドゴム層の接地面の溝面積比率との差が2%以上10%以下である、請求項1~8のいずれか一項に記載のタイヤ。
  10. 前記トレッド部がタイヤ周方向に連続して延びる2本以上の周方向溝によって仕切られた陸部を有し、前記陸部のうちタイヤ赤道面に最も近い陸部のトレッド表面における幅方向長さが、接地幅の18%以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載のタイヤ。
  11. 30℃tanδoutおよびD/WLが下記式(1)を満たす、請求項1~10のいずれか一項に記載のタイヤ。
    30℃tanδout×(D/WL)≧0.20 ・・・(1)
  12. 式(1)の右辺が0.30である、請求項11記載のタイヤ。
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