JP2023104335A - 電流センサ、電気制御装置、電流センサモジュールおよびその製造方法 - Google Patents

電流センサ、電気制御装置、電流センサモジュールおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高い測定精度を有すると共に、装着すべき箇所により簡便に装着できる電流センサを提供する。【解決手段】電流センサは、磁気検出部と、第1軟磁性体とを備える。磁気検出部は、導体を第1方向に沿って流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される。第1軟磁性体は、第1方向と直交する第3方向において磁気検出部から見て導体と反対側に位置する底部と、底部にそれぞれ立設すると共に第2方向に導体および磁気検出部を挟むように対向配置された一対の壁部とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電流センサ、電気制御装置、ならびに電流センサモジュールおよびその製造方法、に関する。
近年、ハイブリッド電気自動車(HEV: Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(EV: Electric Vehicle)等のバッテリーの残量の測定、モータの駆動電流の測定や、コンバータ、インバータ等の電力制御機器に、電流センサが用いられている。電流センサとしては、バスバー等の一次導体に電流が流れることにより発生する磁場を検出可能な磁気検出素子を含む磁気式の電流センサが知られている。磁気式の電流センサは、磁気検出素子として、例えば、AMR(Anisotropic Magneto Resistive effect)素子、GMR(GiantMagnetoResistive effect)素子、TMR(TunnelMagnetoResistive effect)素子等の磁気抵抗効果素子や、ホール素子等を有する。電流センサでは、それらの磁気抵抗効果素子や磁気検出素子により、バスバー等の一次導体に流れる電流が非接触状態で検出されるようになっている。
例えば特許文献1には、空隙(ギャップ)を有するリング状の磁性体コアと、その空隙に配置された磁気検出素子を含む磁気センサとを備えた電流センサが開示されている。特許文献1の電流センサでは、導体から発生する磁束を磁性体コアに集束させ、空隙に配置されている磁気検出素子に、磁性体コアにより集束された磁束を印加させることができる。
特開2019-78542号公報
ところで、磁気センサを有する電流センサについては、高い測定精度を有することに加え、装着すべき箇所により簡便に装着できることが望まれる。
よって、高い測定精度を有すると共に、装着すべき箇所により簡便に装着できる電流センサを提供することが望まれる。
本発明の一実施態様としての電流センサは、磁気検出部と、第1軟磁性体とを備える。磁気検出部は、導体を第1方向に沿って流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される。第1軟磁性体は、第1方向と直交する第3方向において磁気検出部から見て導体と反対側に位置する底部と、底部にそれぞれ立設すると共に第2方向に導体および磁気検出部を挟むように対向配置された一対の壁部とを有する。
本発明の一実施態様としての電気制御装置および電流センサモジュールは、上記の一実施態様としての電流センサを備える。
本発明の一実施態様としての電流センサモジュールの製造方法は、導体と、その導体を第1方向に流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される磁気検出部と、第1軟磁性体と、筐体とを備える電流センサモジュールの製造方法であって、第1方向および第2方向に沿って広がる底部と、その底部にそれぞれ立設すると共に第2方向に導体および磁気検出部を挟むように対向配置された第1壁部および第2壁部とを有する第1軟磁性体、を用意することと、第1方向に並ぶ一対の凹部を含むと共に第1軟磁性体および磁気検出部が設けられた筐体、を用意することと、一対の凹部に導体を嵌合させることとを含む。
本発明の一実施態様としての電流センサによれば、検出対象とする電流が流れる導体に対し、磁気検出部と第1軟磁性体との相対位置を変えることなく取り付けることができる。よって、高い測定精度を確保しつつ、簡便に取り付けることができる。
なお、本発明の効果はこれに限定されるものではなく、以下に記載のいずれの効果であってもよい。
本発明の第1の実施の形態に係る電流センサの全体構成例を表す斜視図である。 図1に示した電流センサの主要部と導体とを模式的に表す斜視図である。 図1に示した電流センサの断面を表す模式図である。 図1に示した電流センサの概略構成を示すブロック図である。 図1に示した磁気検出部の回路構成を概略的に表す回路図である。 本発明の第1の実施の形態の第1変形例としての電流センサの断面を表す模式図である。 本発明の第1の実施の形態の第2変形例としての電流センサの断面を表す模式図である。 本発明の第1の実施の形態の第3変形例としての電流センサの断面を表す模式図である。 本発明の第1の実施の形態の第4変形例としての電流センサの断面を表す模式図である。 本発明の第1の実施の形態の第5変形例としての電流センサの断面を表す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電気制御装置の構成例を表すブロック図である。 本発明の実施例1-1の電流センサの断面構造を表す模式図である。 本発明の実施例1-1~1-5を説明する説明図である。 本発明の実施例2-1~2-3を説明する説明図である。 本発明の実施例3-1~3-2を説明する説明図である。 本発明の実施例4-1~4-2を説明する説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
0.経緯
1.第1の実施の形態
導体の近傍に配置される電流センサの例。
2.第1の実施の形態の変形例
2.1 変形例1
2.2 変形例2
2.3 変形例3
2.4 変形例4
2.5 変形例5
3.第2の実施の形態
電流センサを備えた電気制御装置の例。
4.実施例
<0.経緯>
いわゆる磁気式の電流センサの測定精度は、検出対象の電流が流れる一次導体(バスバー) 、磁気検出素子、磁気ヨークおよび磁気シールドの各々の形状のばらつきや相対位置の誤差の影響を受ける。磁気式の電流センサの測定精度は、さらに、磁気検出素子の感度や磁気ヨークの磁気特性にも影響される。したがって、電流センサが高い測定精度を実現するために、例えば複数の磁気検出素子のオフセットや感度のばらつきなどの、測定精度に影響する要素を電流センサの製造過程や電流センサの設置の過程において調整する必要がある。そのような測定精度に影響する要素の調整は、現状、例えば磁気検出素子と統合された集積回路によって電気的に行う方法が主流である。
ところで、そのような電気的調整の前段階として、一次導体と磁気検出素子と磁気シールド(もしくは磁気ヨーク)との相対位置を固定しておくことが望ましい。しかしながら、従来の磁気式の電流センサでは、一次導体が、磁気検出素子と磁気シールド(もしくは磁気ヨーク)との間に挿通される構成となっている。このため、磁気検出素子と磁気シールド(もしくは磁気ヨーク)とが一体化された電流センサの開口部に一次導体を挿通させる必要があり、一次導体を部分的に一旦取り外すなどの作業の手間がかかる。あるいは一次導体を動かすことができない態様であったり、一次導体を部分的に取り外すことができない態様であったりする場合には、一次導体を挟んで対向するように磁気検出素子と磁気シールド(もしくは磁気ヨーク)とを個別に設置したのち、上述した測定精度に影響する要素の電気的な調整をユーザが行う必要がある。このように、従来の電流センサでは、一次導体の近傍への設置手順が限定されたり、電流センサの測定精度に関わる電気的な調整をユーザが行う必要があったりするなど、作業性が悪いうえ、高い測定精度を確保することが困難となる場合があった。
そこで本出願人は、上記課題に鑑みて検討および改良を重ねることにより、高い測定精度を有すると共に、装着すべき箇所により簡便に装着できる電流センサ、およびそれを備えた電気制御装置を提供するに至った。
<1.第1の実施の形態>
[電流センサ1の構成]
最初に、図1から図3を参照して、本発明の第1の実施の形態としての電流センサ1の構成について説明する。図1は、電流センサ1の全体構成例を表す斜視図である。図1に示したように、電流センサ1は、例えば磁気検出部2と、磁気シールド4とを備える。電流センサ1は、例えば導体5の近傍に配置される。導体5は、例えばZ軸方向に延在している。導体5には、Z軸方向に沿って、電流センサ1の検出対象である電流Imが流れるようになっている。なお、電流センサ1と導体5とを備えたものが本発明の電流センサモジュールに対応する。
電流センサ1は、筐体3をさらに備えていてもよい。筐体3は、例えば樹脂などの絶縁材料からなり、例えば導体5が延在するZ軸方向に並ぶ一対の凹部31,32を含んでいる。一対の凹部31,32は導体5と嵌合可能に構成されている。導体5には例えば一対の凹部31,32と対応する位置に孔が設けられており、導体5は、例えばねじ6により一対の凹部31,32にねじ止めされるようになっている。また、磁気検出部2および磁気シールド4は筐体3に設けられている。なお、磁気シールド4の一部は筐体3に埋設されている。このため、導体5が筐体3に固定されることにより、導体5と、磁気検出部2および磁気シールド4との相対位置が固定されるようになっている。また、導体5と、磁気検出部2および磁気シールド4とは、筐体3によって電気的に絶縁されている。導体5には例えば数百V以上の高電圧が印加されるのに対し、磁気検出部2は例えば数V程度の低電圧で駆動するデバイスである。但し、導体5および磁気検出部2にそれぞれ印加される電圧は上記に限定されるものではなく、任意に選択可能である。
なお、図1では、筐体3および磁気検出部2を明示するため、導体5は破線で示している。また、本実施の形態では、導体5は、電流センサ1の構成要素に含まれない場合を例示している。
図2は、電流センサ1の主要部と導体5とを模式的に表す斜視図である。具体的には、図2は、導体5と、電流センサ1のうちの磁気検出部2および磁気シールド4との位置関係、ならびに磁気シールド4の外観を表している。また、図3は、電流センサ1の、Z軸方向と直交するXY面の断面を表す模式図である。図2および図3では、いずれも筐体3の図示を省略している。
図3に示したように、電流センサ1では、導体5に電流ImがZ軸方向に沿って+Zの向きに流れると、導体5の周囲には磁束Bmが誘導される。磁束Bmは、例えば磁気シールド4および磁気検出部2の内部を通過する。磁束Bmは、磁気検出部2に対し、例えばX軸方向に沿った+Xの向きに印加されるようになっている。すなわち、磁気検出部2は、電流Imが+Zの向きに流れる場合、磁束Bmが+Xの向きに通過することとなる位置に配置される。本実施の形態では、導体5の幅に沿った方向をX軸方向とし、導体5の厚さ方向をY軸方向とする。
本実施の形態の「Z軸方向」、「X軸方向」、および「Y軸方向」は、それぞれ、本発明の「第1方向」、「第2方向」、および「第3方向」に対応する一具体例である。
(導体5)
導体5は、例えばCu(銅)などの高導電性非磁性材料により構成される。導体5は、例えばZ軸方向を長手方向とするように延在し、Y軸方向を厚み方向とする略板状体である。導体5は、おおよそU字状をなす磁気シールド4により囲まれた空間を挿通するように配置されている。
(磁気シールド4)
磁気シールド4は、外乱磁場から磁気検出部2を磁気的に保護する部材である。すなわち、磁気シールド4は、検出対象とする磁束Bm以外の外部からの不要な磁場(磁束)の、磁気検出部2に対する影響を緩和する軟磁性体である。磁気シールド4は、導体5を流れる電流Imによって誘導される磁束Bmが、外乱磁場によって乱されるのを防ぐように作用する。図3に示したように、磁気シールド4は、XY断面において全体として略U字形状を有している。磁気シールド4は、導体5と物理的に接触することなく離間して配置されている。さらに、磁気シールド4は、導体5と電気的に絶縁されている。
磁気シールド4は、底部41と、第1壁部42Aおよび第2壁部42Bとを含んでいる。底部41は、例えばXZ面に沿って広がる板状の部分である。第1壁部42Aおよび第2壁部42Bは、それぞれ例えばYZ面に沿って広がる板状の部分である。第1壁部42Aおよび第2壁部42Bは、底部41にそれぞれ立設すると共にX軸方向に導体5および磁気検出部2を挟むように対向配置されている。磁気シールド4は、例えば、珪素鋼、電磁鋼、純鉄(SUY)、パーマロイ、フェライト等の軟磁性材料を主たる構成材料として含んでいる。
磁気シールド4は、本発明の「第1軟磁性体」に対応する一具体例である。底部41は本発明の「底部」に対応する一具体例である。第1壁部42Aは、本発明の「第1壁部」に対応する一具体例である。第2壁部42Bは、本発明の「第2壁部」に対応する一具体例である。
(磁気検出部2)
磁気検出部2は、Y軸方向において導体5と磁気シールド4の底部41との間に設けられている。すなわち、磁気検出部2は、Y軸方向において、導体5および磁気シールド4の底部41の双方と重なり合う位置に設けられている。したがって、底部41は、Y軸方向において磁気検出部2から見て導体5と反対側に位置する。なお、本実施形態では、磁気検出部2のX軸方向の中心位置は、導体5のX軸方向の中心位置と一致すると共に、磁気シールド4のX軸方向の中心位置とも一致していることが望ましい。但し、本発明はこれに限定されるものではない。また、図3では磁気検出部2が磁気シールド4と離間するように記載されているが、磁気検出部2と磁気シールド4とは接していてもよい。但し、磁気検出部2と導体5とは物理的に接触することなく互いに離間すると共に互いに電気的に絶縁されている。磁気検出部2には、導体5に電流Imが流れることで導体5の周囲に誘導される磁束Bmが印加されるようになっている。磁気検出部2は、磁束Bmの大きさや向きを検出するようになっている。なお、磁気検出部2の詳細な構成については後述する。
電流センサ1では、図3に示したように、底部41から第1壁部42Aの第1頂部42ATまでの第1距離H42Aおよび底部41から第2壁部42Bの第2頂部42BTまでの第2距離H42Bは、それぞれ、底部41と導体5との第3距離H5の2倍以上であるとよい。すなわち、導体5の中心位置は、底部41の上面を基準として、第1壁部42Aの高さの半分以下であって第2壁部42Bの高さの半分以下の位置にあるとよい。不要な外乱磁場(特にY軸方向の外乱磁場)の磁気検出部2への影響をより低減できるからである。なお、図3では、第1壁部42Aの高さである第1距離H42Aと、第2壁部42Bの高さである第2距離H42Bとが等しい場合を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなない。第1距離H42Aと第2距離H42Bとが互いに異なっていてもよい。
さらに、電流センサ1では、図3に示したように、底部41と磁気検出部2との第4距離H2は、底部41と導体5との第3距離H5の半分未満であるとよい。磁気検出部2に対する外乱磁場からの遮蔽効果をより高めることができるからである。
図4は、磁気検出部2の概略構成を示すブロック図である。図4に示したように、磁気検出部2は、磁気検出素子部20および信号処理部60を有する。信号処理部60は、例えばA/D(アナログ-デジタル)変換部61と、演算部62とを含む。A/D変換部61は、磁気検出素子部20から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。演算部62は、A/D変換部61によりデジタル変換されたデジタル信号を演算処理する。なお、信号処理部60は、演算部62の下流側にD/A(デジタル-アナログ)変換部をさらに含んでいてもよい。D/A変換部を含むことにより、信号処理部60は、演算部62にて演算処理された演算処理結果をアナログ信号として出力することができる。
図5は、図4に示した磁気検出素子部20の回路構成を概略的に表す回路図である。図5に示したように、磁気検出素子部20は、例えば第1抵抗部R1、第2抵抗部R2、第3抵抗部R3、および第4抵抗部R4の4つの抵抗部をブリッジ接続してなるホイートストンブリッジ回路Cを有する。但し、磁気検出素子部20は、第1抵抗部R1および第2抵抗部R2の2つの抵抗部をハーフブリッジ接続してなる回路を有するものであってもよい。第1~第4抵抗部R1~R4は、それぞれ一の磁気抵抗効果素子(MR素子)を含んでいてもよいし、複数の磁気抵抗効果素子を含んでいてもよい。磁気抵抗効果素子は、例えばAMR素子、GMR素子、またはTMR素子などである。
磁気検出素子部20が有するホイートストンブリッジ回路Cは、例えば電源ポートVと、グランドポートGと、2つの出力ポートE1,E2と、直列に接続された第1抵抗部R1および第2抵抗部R2と、直列に接続された第3抵抗部R3および第4抵抗部R4とを含む。第1抵抗部R1および第3抵抗部R3の各一端は、電源ポートVに接続される。第1抵抗部R1の他端は、第2抵抗部R2の一端と出力ポートE1とに接続される。第3抵抗部R3の他端は、第4抵抗部R4の一端と出力ポートE2とに接続される。第2抵抗部R2および第4抵抗部R4の各他端は、グランドポートGに接続される。電源ポートVには、所定の大きさの電源電圧が印加され、グランドポートGはグランドに接続される。
第1~第4抵抗部R1~R4を構成する磁気抵抗効果素子は、例えば下部電極と、上部電極と、それら下部電極と上部電極との間に挟まれた磁気抵抗効果膜とを有する。磁気抵抗効果膜は、例えば下部電極側から順に積層された自由層、非磁性層、磁化固定層および反強磁性層を含んでいる。TMR素子の場合、非磁性層はトンネルバリア層である。GMR素子の場合、非磁性層は非磁性導電層である。
第1~第4抵抗部R1~R4がTMR素子またはGMR素子により構成される場合、磁気検出素子部20のホイートストンブリッジ回路C(図5)において、導体5から発生するX方向の磁場の磁界強度の変化に応じて、出力ポートE1,E2の電位差が変化し、出力ポートE1,E2の電位差に対応する信号がセンサ信号Sとして信号処理部60に出力される。差分検出器により、出力ポートE1,E2の電位差に対応する信号を増幅し、センサ信号Sとして信号処理部60のA/D変換部61に出力するとよい。
A/D変換部61は、磁気検出部2から出力されるセンサ信号S(電流に関するアナログ信号)をデジタル信号に変換し、当該デジタル信号が演算部62に入力される。演算部62は、A/D変換部61によりアナログ信号から変換されたデジタル信号についての演算処理を行う。この演算部62は、例えば、マイクロコンピュータ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などにより構成される。
なお、本実施の形態の電流センサ1では、磁気検出素子部20が磁気抵抗効果素子を含む場合に限定されるものではない。例えばホール素子を含むものであってもよい。
ホール素子は、例えばInSb,InAs,またはGaAsなどのキャリア移動度の大きな半導体膜の4辺に電極を設けるようにした構造を有する。
[電流センサモジュールの製造方法]
なお、電流センサモジュールは以下のように製造され得る。まず、導体5と、磁気シールド4と、磁気検出部2とをそれぞれ用意する。次に、筐体3を用意する。具体的には、例えばモールド成型によって、磁気シールド4の一部を埋設すると共に一対の凹部31,32を含むように筐体3を形成する。そののち、筐体3のうち、磁気シールド4の底部41と対応する位置に磁気検出部2を載置する。最後に、一対の凹部31,32に導体5を嵌合させ、ねじ6により締結するなどして導体5を筐体3に固定する(図1参照)。以上により、電流センサ1を備えた電流センサモジュールが完成する。
[電流センサ1の作用効果]
本実施の形態の電流センサ1によれば、磁気シールド4が、Y軸方向において磁気検出部2から見て導体5と反対側に位置する底部41と、底部41にそれぞれ立設すると共にX軸方向に導体5および磁気検出部2を挟むように対向配置された第1壁部42Aおよび第2壁部42Bとを有するようにしている。このため、電流センサ1を、検出対象とする電流Imが流れる導体5に対し、磁気検出部2と磁気シールド4との相対位置を変えることなく取り付けることができる。よって、電流センサ1は、高い測定精度を確保しつつ、導体5に対し簡便に取り付けることを可能としている。あるいは、予め設置されている電流センサ1に対し、導体5を簡便に取り付けることができる。
特に、本実施の形態の電流センサ1では、筐体3に磁気検出部2および磁気シールド4を設け、筐体3を介して磁気検出部2および磁気シールド4を一体化するようにしている。このため、電流センサ1の製造段階において磁気検出部2と磁気シールド4との相対位置が固定され、その後位置ずれが発生することはない。さらに、電流センサ1では、筐体3に予め形成されている一対の凹部31,32に、導体5を所定の精度で嵌合させて固定するようにしている。このため、磁気検出部2と磁気シールド4の相対位置は製造段階の状態で維持されるうえ、電流センサ1の設置作業に起因する磁気検出部2および磁気シールド4に対する導体5の相対位置の誤差も非常に小さくできる。すなわち、磁気検出部2および磁気シールド4が所定の精度で固定された筐体3の凹部31,32に対し導体5を再現性良く所定の精度で取り付けることができることから、電流センサ1の取り付け段階において、電流センサ1の測定精度に関わる電気的な調整をユーザが行わなくて済むこととなる。
また、本実施の形態の電流センサ1では、磁気シールド4の第1壁部42Aの高さである第1距離H42Aおよび第2壁部42Bの高さである第2距離H42Bが底部41と導体5との第3距離H5の2倍以上であれば、電流Imの測定精度がより向上する。特にY軸方向の不要な外乱磁場の磁気検出部2への影響をより低減できるからである。また、第3距離H5を第1距離H42Aおよび第2距離H42Bの半分以下とすることで、導体5と磁気検出部2とのY軸方向の距離を狭めることができる。このため、磁気検出部2に付与される磁束Bmの強度を高めることができ、電流センサ1における電流Imの検出感度が向上するうえ、磁気検出部2と導体5との相対位置ずれに起因する測定誤差を低減できる。
また、本実施の形態の電流センサ1では、底部41と磁気検出部2との第4距離H2が底部41と導体5との第3距離H5の半分未満であれば、磁気シールド4による磁気検出部2に対する外乱磁場からのシールド効果をより高めることができる。
<2.第1の実施の形態の変形例>
[2.1 変形例1]
図6は、上記第1の実施の形態の第1変形例(変形例1)としての電流センサ1Aを表す断面模式図である。電流センサ1Aは、図6に示したように、導体5と磁気検出部2との間に設けられた磁気ヨーク7をさらに有するようにしたものである。電流センサ1Aの構成は、磁気ヨーク7をさらに備えるようにしたことを除き、電流センサ1の構成と実質的に同じである。磁気ヨーク7は、自らを磁束Bmが通過するように磁束Bmを集束する軟磁性体である。磁気ヨーク7は、例えばXZ平面に沿った主面を有し、Z軸方向に延在する板状の部材である。但し、磁気ヨーク7の形状は板状に限定されるものではない。また、電流センサ1Aでは、磁気ヨーク7のX軸方向の寸法W7は、導体5のX軸方向の寸法W5よりも大きい(W7>W5)ことが望ましい。磁気ヨーク7は、磁気シールド4と同様に、例えば珪素鋼、電磁鋼、純鉄(SUY)、パーマロイ等の軟磁性材料を主たる構成材料として含んでいる。なお、磁気ヨーク7は、本発明の「第2軟磁性体」に対応する一具体例である。
このように、第1変形例としての電流センサ1A(図6)では、磁気ヨーク7をさらに備えるようにしたので、磁気ヨーク7を備えていない電流センサ1(図1など)と比較して、磁気検出部2と導体5との相対位置ずれに起因する測定誤差をより低減することができる。
[2.2 変形例2]
図7は、上記第1の実施の形態の第2変形例(変形例2)としての電流センサ1Bを表す断面模式図である。電流センサ1Bは、図7に示したように、第1軟磁性体として、2つに分割された磁気シールド4A,4Bを有するようにしたものである。電流センサ1Bの構成は、磁気シールド4の代わりに磁気シールド4A,4Bを有するようにしたことを除き、電流センサ1の構成と実質的に同じである。磁気シールド4Aと磁気シールド4Bとは、X軸方向に離間して対向するように配置されている。磁気検出部2は、Y軸方向において磁気シールド4Aと磁気シールド4Bとの隙間41Sと対応する位置にある。なお、隙間41Sは、Z軸方向に延在している。すなわち、磁気シールド4Aと磁気シールド4Bとは、物理的に接触することなく互いに離間して配置されている。
磁気シールド4Aが本発明の「第1部分」に対応する一具体例であり、磁気シールド4Bが本発明の「第2部分」に対応する一具体例である。
このように、第2変形例としての電流センサ1B(図7)では、磁気シールド4の代わりに、隙間41Sを隔てて対向するように配置された磁気シールド4Aおよび磁気シールド4Bを備えるようにした。このため、図7に示したように、磁気シールド4Aと磁気シールド4Bとの対向部分から磁束Bmが漏れることとなり、磁気検出部2において検出される磁束Bmの磁束密度が増大する。よって、電流センサ1(図1など)と比較して、磁気検出部2における電流Imの検出感度をより高めることができる。また、磁気検出部2へ付与される磁束Bmの磁束密度が向上するので、磁気検出部2の磁気検出素子部20としてMR素子の代わりに一般的にMR素子よりも感度の低いホール素子などを用いることもでき、設計の自由度が向上する。なお、電流センサ1Bでは、磁気シールド4Aの一部と磁気シールド4Bの一部とがつながっていてもよい。但し、その場合には、磁気検出部2において検出される磁束Bmの密度が増大する効果は限定的になる。
[2.3 変形例3]
図8は、上記第1の実施の形態の第3変形例(変形例3)としての電流センサ1Cを表す断面模式図である。電流センサ1Cは、図8に示したように、図6の電流センサ1Aと図7の電流センサ1Bとを組み合わせた構成を有する。すなわち、磁気ヨーク7をさらに備えると共に、第1軟磁性体として、磁気シールド4の代わりに2つに分割された磁気シールド4A,4Bを有するようにしたものである。
このように、第3変形例としての電流センサ1C(図8)では、電流センサ1(図1など)と比較して、磁気検出部2と導体5との相対位置ずれに起因する測定誤差をより低減することができる。さらに、磁気検出部2における電流Imの検出感度をより高めることができる。また、磁気検出部2へ付与される磁束Bmの磁束密度が向上するので、磁気検出部2の磁気検出素子部20としてMR素子の代わりに一般的にMR素子よりも感度の低いホール素子などを用いることもでき、設計の自由度が向上する。また、電流センサ1C(図8)では、Y軸方向の磁気ノイズ(外乱磁場)の磁気検出部2への影響を低減する効果も認められた。なお、電流センサ1Cにおいても、磁気シールド4Aの一部と磁気シールド4Bの一部とがつながっていてもよい。但し、その場合には、磁気検出部2において検出される磁束Bmの密度が増大する効果は限定的になる。
[2.4 変形例4]
図9は、上記第1の実施の形態の第4変形例(変形例4)としての電流センサ1Dを表す断面模式図である。電流センサ1Dは、図9に示したように、第1壁部42Aのうちの底部41と反対側の第1上端部43Aと、第2壁部42Bのうちの底部41と反対側の第2上端部43Bとが、互いに近づく方向に、すなわち内側に曲がっている。電流センサ1Dの構成は、第1壁部42Aの形状および第2壁部42Bの形状が異なることを除き、電流センサ1の構成と実質的に同じである。なお、第1上端部43Aと第2上端部43Bとの間隔W43は、幅W5よりも大きいことが望ましい(W43>W5)。導体5の近傍への電流センサ1Dの取り付け作業が容易となるからである。
ここで、第1上端部43Aが本発明の「第1上端部」に対応する一具体例であり、第2上端部43Bが本発明の「第2上端部」に対応する一具体例である。
このように、第4変形例としての電流センサ1D(図9)では、第1壁部42Aの第1上端部43Aおよび第2壁部42Bの第2上端部43Bを内側に曲げるようにした。このため、電流センサ1(図1など)と比較して、特にX軸方向の磁気ノイズ(外乱磁場)の磁気検出部2への影響を低減することができ、測定精度をより高めることができる。
[2.5 変形例5]
図10は、上記第1の実施の形態の第5変形例(変形例5)としての電流センサ1Eを表す断面模式図である。電流センサ1Eは、図9の電流センサ1Dの構成に磁気ヨーク7をさらに追加すると共に、第1軟磁性体として、磁気シールド4の代わりに2つに分割された磁気シールド4A,4Bを採用するようにしたものである。したがって、電流センサ1(図1など)と比較して、X軸方向およびY軸方向の双方の磁気ノイズ(外乱磁場)の磁気検出部2への影響を低減することができ、測定精度をよりいっそう高めることができる。また、隙間41Sを設けるようにしたので、磁気検出部2における電流Imの検出感度をより高めることができる。
<3.第2の実施の形態>
図11は、電流センサ1などを備えた電気制御装置の構成例を表すブロック図である。上記第1の実施の形態およびいくつかの変形例で説明した電流センサ1,1A~1Eは、いずれも、例えば図11に示した電気制御装置110に搭載することができる。
電気制御装置110は、例えば電流センサ111と、電源装置112と、制御回路113とを備える。電流センサ111は、電源装置112から出力される電流Iout、あるいは電源装置112に入力される電流Iinを測定するようになっている。なお、図11では、2つの電流センサ111を配置しているが、いずれか一方のみに電流センサ111が配置されたものであってもよい。電流センサ111において測定された電流値に関する情報は、制御回路113に送信されるようになっている。制御回路113は、例えば電流センサ111の動作および電源装置112の動作を制御する装置である。制御回路113は、例えば電流センサ111からの情報に基づいて電源装置112からの出力電流の調整を行う。電流センサ111には、上記実施の形態等で説明した電流センサ1,1A~1Eを適用することができる。なお、本発明の電気制御装置としては、例えば、ハイブリッド電気自動車(HEV: Hybrid Electric Vehicle)や電気自動車(EV: Electric Vehicle)等のバッテリマネジメントシステム、インバータ及びコンバータ等が挙げられる。
<4.実施例>
次に、図1などに示した上記第1の実施の形態の電流センサ1の性能と、図6,7,8,10にそれぞれ示した変形例1~3,5の電流センサ1A~1C,1Eの性能との比較を行った。
(実施例1-1)
上記第1の実施の形態の電流センサ1について、導体5に600Aの電流Imを流したときの磁気検出部2の中心位置に付与される磁束Bmの強度と、Y軸方向の磁気ノイズの影響と、X軸方向の磁気ノイズの影響と、位置ずれ耐性とについてシミュレーションにより求めた。ここで、導体5および磁気シールド4の各部位の寸法は図12に示した通りである。なお、測定点である磁気検出部2の中心位置は、底部41の表面から1.5mmの高さの位置とした。また、Y軸方向の磁気ノイズの影響とは、Y軸方向に1mTの外部磁場がある場合の出力誤差である。X軸方向の磁気ノイズの影響とは、X軸方向に1mTの外部磁場がある場合の出力誤差である。位置ずれ耐性とは、基準位置から磁気検出部2がX軸方向,Y軸方向およびZ軸方向の各方向に0.3mmずれた際の最大の出力誤差をいう。
(実施例1-2)
上記第1の実施の形態の変形例1の電流センサ1Aの性能について、実施例1-1と同様にして求めた。但し、磁気ヨーク7の材質は磁気シールド4の材質と同一とし、磁気ヨーク7のX軸方向の寸法は12mmとし、磁気ヨーク7のY軸方向の寸法は1.5mmとした。また、磁気ヨーク7は、底部41と磁気シールド4との中間位置に存在するものとした。
(実施例1-3)
上記第1の実施の形態の変形例2の電流センサ1Bの性能について、実施例1-1と同様にして求めた。但し、隙間41Sの幅は2mmとした。
(実施例1-4)
上記第1の実施の形態の変形例3の電流センサ1Cの性能について、実施例1-1と同様にして求めた。但し、磁気ヨーク7の材質は磁気シールド4の材質と同一とし、磁気ヨーク7のX軸方向の寸法は12mmとし、磁気ヨーク7のY軸方向の寸法は1.5mmとした。また、磁気ヨーク7は、底部41と磁気シールド4との中間位置に存在するものとした。隙間41Sの幅は2mmとした。
(実施例1-5)
上記第1の実施の形態の変形例5の電流センサ1Eの性能について、実施例1-1と同様にして求めた。但し、磁気ヨーク7の材質は磁気シールド4の材質と同一とし、磁気ヨーク7のX軸方向の寸法は12mmとし、磁気ヨーク7のY軸方向の寸法は1.5mmとした。また、磁気ヨーク7は、底部41と磁気シールド4との中間位置に存在するものとした。隙間41Sの幅は2mmとした。さらに、第1壁部42Aの第1上端部43Aと第2壁部42Bの第2上端部43Bとの間隔W43を14mmとした。
実施例1-1~1-5の各電流センサについての性能をまとめて図13に示す。但し、図13では、実施例1-1の各パラメータの特性値を1として規格化し、実施例1-2~1-5の各性能を示している。なお、磁束Bmについては数値が高いほうが望ましい。X軸方向の磁気ノイズおよびY軸方向の磁気ノイズについては、数値が低いほうが誤差の少ないことを表すので望ましい。位置ずれ耐性についても数値が低いほうが望ましい。
図13に示したように、実施例1-2では、実施例1-1と比較すると、磁束Bm、X軸方向の磁気ノイズ、およびY軸方向の磁気ノイズの各性能が低いが、位置ずれ耐性は向上していることがわかる。すなわち、磁気ヨークを設けることで、位置ずれ耐性を向上させることができることが確認された。
図13に示したように、実施例1-3では、実施例1-1と比較すると、X軸方向の磁気ノイズの影響を受けやすいものの、Y軸方向の磁気ノイズおよび位置ずれ耐性の各性能は向上していることがわかる。さらに、磁気検出部2に付与される磁束Bmの強度は大幅に向上することが確認できた。すなわち、隙間を設けた磁気シールドを用いることにより、X軸方向の磁気ノイズ以外の性能を向上させることができることが確認された。
図13に示したように、実施例1-4では、実施例1-3と比較すると、磁束Bmの強度は低下するものの、位置ずれ耐性の性能がさらに向上していることがわかる。
図13に示したように、実施例1-5では、実施例1-4と比較すると、磁束Bmの強度、X軸方向の磁気ノイズ、および位置ずれ耐性の各性能を向上させることができることがわかる。
(実施例2-1~2-3)
次に、上記第1の実施の形態の電流センサ1について、導体5のY軸方向の位置を変化させた場合の各性能への影響をシミュレーションにより求めた。実施例2-1の構成は、底部41と導体5との間隔を3.0mmとしたことを除き、実施例1-1の構成と同じである。実施例2-2の構成は、底部41と導体5との間隔を9.0mmとしたことを除き、実施例1-1の構成と同じである。実施例2-3の構成は、底部41と検出点である磁気検出部2の中心位置との間隔を4.5mmとしたことを除き、実施例1-1の構成と同じである。
実施例2-1~2-3の各電流センサについての性能を実施例1-1の結果と併せてまとめて図14に示す。但し、図14では、実施例1-1の各パラメータの特性値を1として規格化し、実施例2-1~2-3の各性能を示している。
図14に示したように、導体5を底部41に近づけるようにした実施例2-1では、実施例1-1と比較すると、磁気検出部2に付与される磁束Bmの強度が向上するうえ、X軸方向の磁気ノイズおよびY軸方向の磁気ノイズの各性能も向上することがわかる。ただし、位置ずれ耐性については、実施例1-1のほうが実施例2-1よりも良好であることがわかった。
一方、導体5を底部41から遠ざけるようにした実施例2-2では、実施例1-1と比較すると、磁気検出部2に付与される磁束Bmの強度、X軸方向の磁気ノイズおよびY軸方向の磁気ノイズの各性能がいずれも低下することがわかる。ただし、位置ずれ耐性については、実施例1-1よりも実施例2-2のほうが良好であることがわかった。
また、磁気検出部2を底部41から遠ざける(すなわち導体5に近づける)ようにした実施例2-3では、実施例1-1と比較すると磁束Bmの強度が向上するうえ、X軸方向の磁気ノイズおよびY軸方向の磁気ノイズの各性能も向上することがわかる。ただし、位置ずれ耐性については、実施例1-1,2-1よりも低下することがわかる。
(実施例3-1~3-2)
次に、上記第1の実施の形態の変形例5の電流センサ1Eについて、磁気ヨーク7の幅を変化させた場合の各性能への影響をシミュレーションにより求めた。実施例3-1の構成は、磁気ヨーク7の幅を導体5の幅よりも狭くしたことを除き、実施例1-5の構成と同じである。実施例3-2の構成は、磁気ヨーク7の幅を導体5の幅よりも広くしたことを除き、実施例1-5の構成と同じである。
実施例3-1~3-2の各電流センサについての性能を実施例1-5の結果と併せてまとめて図15に示す。但し、図15では、実施例1-5の各パラメータの特性値を1として規格化し、実施例3-1~3-2の各性能を示している。
図15に示したように、導体5の幅よりも磁気ヨーク7の幅を狭めるようにした実施例3-1では、実施例1-5と比較すると、磁束Bmの強度が僅かに向上するものの、位置ずれ耐性が低下することがわかった。一方、導体5の幅よりも磁気ヨーク7の幅を広げるようにした実施例3-2では、実施例1-5と比較すると、磁束Bmの強度が僅かに低下するものの、位置ずれ耐性が向上することがわかった。
(実施例4-1~4-2)
次に、上記第1の実施の形態の変形例3の電流センサ1Cについて、磁気シールド4Aの第1壁部42Aおよび磁気シールド4Bの第2壁部42Bをそれぞれ傾斜させるようにした場合の各性能への影響をシミュレーションにより求めた。実施例4-1の構成は、第1壁部42Aおよび磁気シールド4Bの第2壁部42Bをそれぞれ外側に傾斜させるようにしたことを除き、実施例1-4の構成と同じである。実施例4-2の構成は、第1壁部42Aおよび磁気シールド4Bの第2壁部42Bをそれぞれ内側に傾斜させるようにしたことを除き、実施例1-4の構成と同じである。
実施例4-1~4-2の各電流センサについての性能を実施例1-4,1-5の結果と併せてまとめて図16に示す。但し、図16では、実施例1-1の各パラメータの特性値を1として規格化し、実施例4-1,4-2,1-4,1-5の各性能を示している。
図16に示したように、実施例4-1では、実施例1-4と比較すると、磁束Bmの強度が僅かに向上すると共にX軸方向の磁気ノイズの影響が改善されるものの、位置ずれ耐性の性能が低下することがわかった。一方、実施例4-2では、実施例1-4と比較すると、X軸方向の磁気ノイズ、および位置ずれ耐性の各性能がいずれも低下することがわかった。
以上説明した実施形態および変形例は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態等に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。すなわち、本発明は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば上記実施の形態の電流センサ1(図1~3)では、磁気シールド4において底部41に第1壁部42Aおよび第2壁部42Bがそれぞれ物理的に接触した構造を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば底部41と、第1壁部42Aおよび第2壁部42Bの少なくとも一方とが物理的に離間されていてもよい。すなわち、本発明の底部と、第1壁部および第2壁部とは、物理的に接触していなくとも、互いに磁気的に連結されていればよい。
また、上記実施の形態の電流センサ1(図1~3)では、磁気シールド4のうちの底部41と第1壁部42Aおよび第2壁部42Bとの各々の連結部分が、いずれも湾曲した形状を有している。しかしながら、本発明はこの態様に限定されるものではない。例えば、それらの連結部は、屈曲した形状を有していてもよいし、角が面取りされた面取り形状であってもよい。
なお、本発明は、電流センサを検出対象とする電流が流れる導体に対し取り付ける態様に限定されるものではなく、電流センサが設置されているところに、検出対象とする電流が流れる導体を取り付ける場合をも包含する概念である。
1…電流センサ、2…磁気検出部、20…磁気検出素子部、60…信号処理部、3…筐体、4…磁気シールド、41…底部、42A…第1壁部、42B…第2壁部、5…導体、6…ねじ、7…磁気ヨーク、Bm…磁束、Im…電流。

Claims (13)

  1. 導体を第1方向に沿って流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される磁気検出部と、
    前記第1方向と直交する第3方向において前記磁気検出部から見て前記導体と反対側に位置する底部と、前記底部にそれぞれ立設すると共に前記第2方向に前記導体および前記磁気検出部を挟むように対向配置された第1壁部および第2壁部とを有する第1軟磁性体と
    を備える
    電流センサ。
  2. 前記導体と前記磁気検出部との間に設けられた第2軟磁性体をさらに有する
    請求項1記載の電流センサ。
  3. 前記第2軟磁性体の前記第2方向の寸法は、前記導体の前記第2方向の寸法よりも大きい
    請求項2記載の電流センサ。
  4. 前記第1軟磁性体は、前記第2方向に離間して対向するように配置された第1部分および第2部分を含む
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電流センサ。
  5. 前記磁気検出部は、前記第1部分と前記第2部分との隙間と前記第3方向に重なり合う位置にある
    請求項4記載の電流センサ。
  6. 前記第1壁部のうちの前記底部と反対側の第1上端部と、前記第2壁部のうちの前記底部と反対側の第2上端部とが、互いに近づく方向に曲がっている
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電流センサ。
  7. 前記底部から前記第1壁部の第1頂部までの第1距離および前記底部から前記第2壁部の第2頂部までの第2距離は、それぞれ、前記底部と前記導体との第3距離の2倍以上である
    請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の電流センサ。
  8. 前記底部と前記磁気検出部との第4距離は、前記底部と前記導体との前記第3距離の半分未満である
    請求項7に記載の電流センサ。
  9. 前記第1方向に並ぶ一対の凹部を含む筐体をさらに備え、
    前記一対の凹部は、前記導体と嵌合可能に構成されている
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電流センサ。
  10. 前記導体と、前記磁気検出部および前記第1軟磁性体とは、前記筐体によって電気的に絶縁されている
    請求項9に記載の電流センサ。
  11. 請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の電流センサを備えた電気制御装置。
  12. 導体と、
    前記導体を第1方向に沿って流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される磁気検出部と、
    前記第1方向と直交する第3方向において前記磁気検出部から見て前記導体と反対側に位置する底部と、前記底部にそれぞれ立設すると共に前記第2方向に前記導体および前記磁気検出部を挟むように対向配置された第1壁部および第2壁部とを有する第1軟磁性体と
    を備える
    電流センサモジュール。
  13. 導体と、前記導体を第1方向に流れる電流により発生する第2方向の磁束が付与される磁気検出部と、第1軟磁性体と、筐体とを備える電流センサモジュールの製造方法であって、
    前記第1方向および前記第2方向に沿って広がる底部と、前記底部にそれぞれ立設すると共に前記第2方向に前記導体および前記磁気検出部を挟むように対向配置された第1壁部および第2壁部とを有する前記第1軟磁性体、を用意することと、
    前記第1方向に並ぶ一対の凹部を含むと共に前記第1軟磁性体および前記磁気検出部が設けられた前記筐体、を用意することと、
    前記一対の凹部に前記導体を嵌合させることと
    を含む
    電流センサモジュールの製造方法。
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