JP2023094545A - インキ、接着剤、マット調積層フィルムを含む積層体 - Google Patents

インキ、接着剤、マット調積層フィルムを含む積層体 Download PDF

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Tomohisa Kida
陽之介 古根村
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Abstract

【課題】 本発明の課題は、植物由来の樹脂を用いた場合にも優れた成膜性とマット感が得られるマット調積層フィルムと、プラスチック基材あるいはプラスチック基材とラミネートインキとをラミネ-トしてなる、外観に優れた積層体、及びこれらの積層フィルム又は積層体からなる包装材を提供することである。【解決手段】 少なくとも、第一の基材層と、接着層と、第二の基材層が順に積層された積層体であって、第一の基材層及び/又は第二の基材層が、植物由来の高密度ポリエチレン(a1)とプロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する表面樹脂層(A)と、ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である積層体により、解決する。【選択図】 なし

Description

本発明は、少なくとも、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層された積層体に関する。さらには、該積層体を備える包装製品に関する。
パンや菓子等の食品や雑貨、雑誌等の各種包装において、多様な意匠の包装材が使用されている。中でも、表面がつや消し性を有するマット調包装材のニ-ズが高まっている。マット調包装材は、一般の透明包装材に比べ、和紙に近い風合いを有するため、内容物の高級感を引き出すものである。マット調包装材は、マット調多層フィルムとその他複数の層を含む積層体により製造される。
また、近年、地球環境・生態系・社会経済等に配慮し、持続的に発展すべき循環型社会の構築(サステナビリティ)を求める声により、バイオマス原料への世界的な需要が高まっている。特に、国内流通大手や食品メ-カ-では、COP21への対応や、持続可能な開発目標(SDGs)の一つに掲げられている「持続可能な生産消費形態を確保する」という目標にむけた取り組みとして、環境負荷低減パッケ-ジを積極推進している。従来からの環境負荷低減パッケ-ジの取り組みは「3R」(減容化、再利用、リサイクル)の推進が図られてきたが、近年では、石油資源節約の観点からも、石油由来成分を主成分とした樹脂に換えて、植物由来成分を主原料とした樹脂(以下、「植物由来の樹脂」又は「バイオマス樹脂」と呼称することがある)の採用も増加している。
バイオマスは、植物や生物から生まれた再利用可能な有機性の資源のうち、化石資源を除いたものである。植物由来の原料から製造されるバイオマス樹脂は、植物が大気中の二酸化炭素と水とを原料として光合成反応によって生成したものであり、このような樹脂を焼却して二酸化炭素が発生しても、大気中の二酸化炭素の収支はプラス・マイナス・ゼロになる、所謂『カーボンニュートラル』という考え方がなされている。この考え方を基本に、化石資源由来の樹脂に代えて、カーボンニュートラルが可能な植物由来のバイオマス原料から製造される樹脂を様々な材料に使用する検討が、種々の分野で積極的に行われている。
植物由来のバイオマス樹脂としては、ポリ乳酸(PLA)に代表される生分解性樹脂があるが、当該樹脂はコストや加工性面で汎用化に問題があった。一方で、汎用樹脂としては、サトウキビ由来の再生可能資源である植物由来のポリエチレンが世界的な需要の高まりをみせ、生産量の増加によりコストも汎用的になっている。環境負荷低減パッケ-ジとしては、このような汎用の植物由来の樹脂をサニタリ-や食品の包装容器や雑貨やレジ袋に使用される例が多いが、最近になり、食品包装用フィルムへの採用が広がりつつある。
植物由来の樹脂を使用した樹脂フィルムとしては、例えば、基材と積層したラミネートチューブやスタンディングパウチに使用するシーラントフィルムとして、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレンを使用したシーラントフィルム(特許文献1~2参照)や、植物由来の低密度バイオマスポリエチレンを使用したシーラント層と基材とを備えた蓋材(特許文献3)等が開示されている。
これまで、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層された積層体において、各層は石油由来の材料により形成されているため、積層体のバイオマス度は低く、改善が求められていた。
特開2016-145086号公報 特開2012-167172号公報 特開2015-231870号公報
植物由来のバイオマス樹脂は、環境対応性は高いものの石油由来の樹脂とは異なる性質を示すことが多く、単に置き換えることができない場合があった。例えば、石油由来の樹脂を植物由来の樹脂に置き換えてフィルムを作製すると、耐衝撃性、剛性、成膜性、光沢度、曇り度等のフィルムの各種物性が損なわれる場合があった。特に、植物由来の樹脂の割合を高くすると、フィルムの物性への影響が大きくなる。そのため、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層された積層体において、積層体の機能を維持しつつ、積層体全体のバイオマス度を上げる必要がある。
本発明の課題は、植物由来の樹脂を用いた場合にも優れた成膜性を有し、充分なマット感が得られるマット調積層フィルムと、プラスチック基材あるいはプラスチック基材とラミネートインキとをラミネ-トしてなる、外観に優れた積層体、及びこれらの積層フィルム又は積層体からなる包装材を提供することである。
本発明の態様においては、
少なくとも、第一の基材層と、接着層と、第二の基材層が順に積層された積層体であって、
(1)第一の基材層及び/又は第二の基材層が、
メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する表面樹脂層(A)と、
ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、
(2)接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である
ことを特徴とする、積層体が提供される。
また、本発明の態様においては、 少なくとも、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層された積層体であって、
(1)第一の基材層及び/又は第二の基材層が、
メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する表面樹脂層(A)と、
ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、
(2)印刷層が、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを印刷してなる印刷層であり、
(3)接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である
ことを特徴とする、積層体が提供される。
本発明の別の態様においては、前記積層体を備える包装材が提供される。また、当該包装材は、食品用の包装材であることが好ましい。
本発明による積層体は、十分なマット感が得られるマット調積層フィルムを使用しており、外観に優れており、和紙に近い風合いを有するため、内容物の高級感を引き出すことができる。
(言葉の定義)
本発明において、「バイオマス」とは、「再生可能な、植物由来や生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」である。またバイオマス樹脂とは、植物由来の樹脂を指す。
また、本発明において「植物由来」とは植物等を原材料とすることを意味し、「石油由来」とは、石油等化石燃料を原材料とすることを意味している。
また、本発明において、「リキッドインキ」とは、グラビア印刷インキ又はフレキソ印刷インキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビア印刷インキ又はフレキソ印刷インキである。また本発明のリキッドインキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、すなわち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
また、本発明において「インキ」とは全て「印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を示す。
<バイオマス度>
本発明における、「バイオマス度」とは、製品に含まれる植物由来成分の製品全体量に対する割合を指す。
<積層体>
本発明の積層体は、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層されたものであることが好ましい。また、本発明の積層体は、少なくとも、第一の基材層と、接着層と、第二の基材層が順に積層された積層体であって、
(1)第一の基材層及び/又は第二の基材層が、
メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する表面樹脂層(A)と、
ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、
(2)接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜であることを特徴とする。
より具体的な積層体の構成としては、
(1)マット調積層フィルム/接着層/第二の基材層
(2)マット調積層フィルム/接着層/印刷層/第二の基材層
(3)マット調積層フィルム/接着層/第三の基材層/印刷層/接着層/第二の基材層
(4)マット調積層フィルム/接着層/第一の印刷層/第二の印刷層/第二の基材層
(5)マット調積層フィルム/接着層/印刷層/マット調積層フィルム
(6)マット調積層フィルム/接着層/第二の基材層/印刷層/接着層/マット調積層フィルム
(7)マット調積層フィルム/接着層/バリア層/接着層/第二の基材層
(8)マット調積層フィルム/接着層/バリア層/印刷層/接着層/第二の基材層
等が挙げられるがこれに限定されない。また、上記構成(1)~(8)ではマット調積層フィルムと接着層が隣接する構成を記載したが、マット調積層フィルムと接着層との間に印刷層を設けてもよいし、マット調積層フィルム表面側に印刷層を設けてもよい。
なお、第二及び第三の基材層はシーラントフィルムでもよいし、未延伸フィルムでもよいし、延伸フィルムでもよいし、金属蒸着未延伸フィルムでもよいし、金属蒸着延伸フィルムでもよいし、透明蒸着フィルムでもよい。また、複数の接着層は同じ組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
本発明においては、積層体のバイオマス度が、5%以上であることが好ましく、5%以上60%以下であることがより好ましく、10%以上60%以下であることがさらに好ましい。バイオマス度が上記範囲であれば、石油由来プラスチックの使用量を削減することができ、環境負荷を減らすことができる。
本発明の積層体の厚みは、10μm以上500μm以下であることが好ましく、30μm以上300μm以下であることがより好ましく、40μm以上200μm以下であることが更に好ましい。
本発明の積層体は、第一の基材層、接着層、及び第二の基材層以外に、バリア層、その他の基材層、第一の印刷層、第二の印刷層及び第三の印刷層等のその他の層を含んでいてもよい。当該その他の層を2層以上有する場合、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
以下、積層体を構成する各層について説明する。
<第一の基材層>
本発明の第一の基材層は、表面樹脂層(A)と樹脂層(B)とを少なくとも有するマット調積層フィルムである。
(マット調積層フィルムの表面樹脂層(A))
本発明の第一の基材層である積層フィルムにおける表面樹脂層(A)は、メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する。
本発明に使用する植物由来の高密度ポリエチレン(a1)は、サトウキビ、トウモロコシ、ビ-ト等を出発原料とする植物由来のエチレンから生成されるバイオマスポリエチレン系樹脂である。当該植物由来の高密度ポリエチレン(a1)としては、例えば、線状高密度ポリエチレン(LHDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ、これらは単独でも、混合して使用してもよい。これらのなかでも、特に、高密度ポリエチレン(HDPE)であることが好ましい。
当該植物由来の高密度ポリエチレン(a1)は、メルトフロ-レ-ト(温度190℃、荷重2.16kg)が1g/10分以下であることを必須とするものである。メルトフロ-レ-トが1g/10分を超えると、和紙の風合いに近いマット調のフィルムが得られにくくなる。特に好ましいメルトフロ-レ-トは0.05~0.8g/10分の範囲である。
更に上記植物由来の高密度ポリエチレン(a1)の密度としては、0.935~0.970g/cmの範囲であるが、得られる積層フィルムのマット感・機械的な強度・フィルムの均一性等の観点から0.940~0.965g/cmの範囲であることがより好ましい。
本発明に使用するプロピレン系樹脂(a2)は、プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する。プロピレン系樹脂としてプロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)の2成分を含有することにより、成膜性を向上させることができ、また、マット感と、表面粗さの調整が容易となる。
本発明に使用するプロピレン系樹脂(a2)として、当該プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)以外の樹脂、例えばプロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体(プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-1-ヘキセンランダム共重合体、等)、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレンを含有していてもよい。
本発明に使用するプロピレン系樹脂(a2)は、MFR(温度230℃、荷重2.16kg)が0.5g/10分以上30g/10分以下であることを必須とするものである。製袋時のフィルムの収縮が少なく、更にフィルムの成膜性も向上させる観点からは、4g/10分以上20g/10分以下であることが好ましく、5g/10分以上15g/10分以下であることがより好ましい。
また、本発明に使用するプロピレン系樹脂(a2)は、融点が120~172℃であるものが好ましく、125~170℃であることが好ましい。MFR及び融点がこの範囲であれば、製袋時のフィルムの収縮をより少なくでき、更にフィルムの成膜性もより向上する。
本発明に使用する表面樹脂層(A)において、本発明に使用する植物由来の高密度ポリエチレン(a1)の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることが好ましい。
本発明に使用する植物由来の高密度ポリエチレン(a1)とプロピレン系樹脂(a2)の使用割合としては、得られるフィルムに充分なマット感(高曇り度と低光沢度)を発現させるために、当該植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と当該プロピレン系樹脂(a2)との質量比(a1)/(a2)が60/40~40/60の範囲であることが好ましい。当該植物由来の高密度ポリエチレン(a1)の使用割合が当該範囲である場合、目的とするマット感を得やすくなり、フィルムの機械的な強度、特に衝撃強度が実用に足る包装袋を得ることができる。
また、プロピレン単独重合体(a2-1)とプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)との質量比(a2-1)/(a2-2)が45/55~65/35の範囲であることが好ましい。
本発明に使用する表面樹脂層(A)中の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、プロピレン系樹脂(a2)の含有量は、その総量が当該表面樹脂層(A)中の80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。当該範囲とすることで、好適な機械的強度のフィルムを得やすくなる。より好ましくは、当該植物由来の高密度ポリエチレン(a1)とプロピレン単独重合体(a2-1)とプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)との含有量の総量が、当該表面樹脂層(A)中の80質量%以上であり、85質量%以上であり、90質量%以上であることがさらに好ましい。
本発明に使用する表面樹脂層(A)中には、本発明の効果を損なわない範囲で、上記植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、プロピレン系樹脂(a2)以外の他の成分を含有してもよい。当該他の成分としては、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、等が挙げられる。また、植物由来のエチレン系樹脂と併用して石油由来のエチレン系樹脂を用いてもよい。
また、本発明に使用する積層フィルムにおいて、上記表面樹脂層(A)のJIS B-0601に基づく表面粗さ(Ra)は、0.5~2.0であることが好ましい。この範囲の表面粗さであると、和紙の風合いを有する好適なマット調のフィルムを得られるため、意匠性を向上させることができる。
上記表面粗さ(Ra)の範囲を調整するためには、本発明に使用する植物由来の高密度ポリエチレン(a1)とプロピレン系樹脂(a2)との質量比を、前述のように質量比(a1)/(a2)が60/40~40/60の割合で用いればよく、特に調整を必要とするものではない。
本発明に使用する植物由来の高密度ポリエチレン(a1)とプロピレン系樹脂(a2)とのMFRの差は、5g/10分以上であることが好ましく、6g/10分以上であることがより好ましい。当該範囲とすることで、好適なマット調の表面樹脂層(A)を得やすくなる。
(マット調積層フィルムの樹脂層(B))
本発明に使用する積層フィルムは、上記表面樹脂層(A)を、ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有してなる樹脂層(B)に積層してなるものである。このような多層構造のフィルムとすることによって、単体使用でもマット感があり、又包装袋用途としての強度等を発現することが可能となる。
上記ポリオレフィン系樹脂(b1)としては、包装フィルムに使用される各種ポリオレフィン系樹脂を使用でき、例えば、プロピレン単独重合体、プロピレン-エチレンランダム共重合体、プロピレン-エチレンブロック共重合体、プロピレン-α-オレフィン共重合体、(プロピレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-1-ヘキセンランダム共重合体等)、プロピレン-エチレン-1-ブテンランダム共重合体、メタロセン触媒系ポリプロピレン等のプロピレン系樹脂(b1-2)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン樹脂や、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-メチルメタアクリレ-ト共重合体(EMMA)、エチレン-エチルアクリレ-ト共重合体(EEA)、エチレン-メチルアクリレ-ト(EMA)共重合体、エチレン-エチルアクリレ-ト-無水マレイン酸共重合体(E-EA-MAH)、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)等のエチレン系共重合体、更にはエチレン-アクリル酸共重合体のアイオノマ-、エチレン-メタクリル酸共重合体のアイオノマ-等を使用できる。なかでも、表面樹脂層(A)との密着性を向上させやすいことからプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。このように、表面樹脂層(A)と樹脂層(B)とで同系の樹脂を用いることにより、積層フィルムの層間強度を強めることができる。特に好ましく用いることができるのは、プロピレン-エチレン共重合体である。
また、バイオマス度を高めるために、上記ポリオレフィン系樹脂(b1)として、植物由来の樹脂を用いることが好ましい。当該植物由来の樹脂としては、表面樹脂層(A)との密着性を向上させやすいことから、表面樹脂層(A)で用いた植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と同じ樹脂又は同系のエチレン系樹脂を用いることが好ましい。具体的には、サトウキビ、トウモロコシ、ビ-ト等を出発原料とする植物由来のエチレンから生成されるポリエチレン系樹脂であり、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状中密度ポリエチレン(LMDPE)、線状高密度ポリエチレン(LHDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられ、これらは単独でも、2種類以上を混合して使用してもよい。これらのなかでも、特に、直鎖状低密度ポリエチレン(b1-1)であることが好ましい。
当該直鎖状低密度ポリエチレンとしては、密度が0.925g/cm以下であることが好ましく、0.920g/cm以下であることがより好ましい。使用する直鎖状低密度ポリエチレンの密度を上記範囲とすることで、好適な溶断強度と高い耐衝撃性、耐破袋性を兼備しやすくなる。
本発明に使用する樹脂層(B)に使用する植物由来のポリエチレンのMFRは、0.1~30g/10分が好ましく、0.5~20g/10分が特に好ましい。1g/10分以上とすることで、好適な成膜性を得やすくなり、20g/10分以下とすることで、好適な成形性を得やすくなる。
(バイオマス樹脂)
本発明の積層体のバイオマス度の向上のため、本発明に使用するマット調積層フィルムには、バイオマス樹脂すなわち植物由来の樹脂を使用することが好ましい。特に、本発明に使用する表面樹脂層(A)に植物由来の高密度ポリエチレン(a1)を、樹脂層(B)に植物由来のエチレン系樹脂を使用することが好ましい。
植物由来の樹脂は、石油由来の製造方法に対して、原料がサトウキビ等の植物で、モノマ-生成までは異なるが、それ以外は、製造方法は同一である。製造方法としては、特に制限はなく、公知の方法で製造されたものでできる。例えば、チ-グラ-・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた製造法が挙げられる。
具体的には、チタン含有化合物自体又はチタン含有化合物をマグネシウム化合物等の担体に担持させたものを主触媒とし、有機アルミニウム化合物を助触媒とした触媒系で、プロピレン単独又は所望のエチレン等のα-オレフィンを添加して重合を行う方法を挙げることが出来る。この重合は、スラリ-重合法、溶液重合法、気相重合法等のいずれのプロセスでもよい。
また、均一系触媒を用いてもよく、従来から用いられているバナジュウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいはシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個を配位子とするジルコニウム、チタン、ハフニウム等の遷移金属化合物、該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物とアルミノキサンやイオン性化合物等の助触媒からなるメタロセン系触媒等の均一系触媒系も挙げることができる。メタロセン触媒は、必要により有機アルミ化合物を用いて、溶媒存在下の均一系重合のほか、スラリ-重合法、気相重合法等のいずれのプロセスでもよい。
このような植物由来のポリエチレンの市販品としては、ブラスケム社製、SGM9450F、SLL118、SLL118/21、SLL218、SLL318、SLH118、SLH218、SLH0820等が例示できる。
本発明に使用する樹脂層(B)は、積層フィルムの強度・剛性を高めると共に、表面樹脂層(A)とのマット感をより強調でき、更に積層フィルムのバイオマス度を高める点から、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1-1)と、1種又は2種以上のプロピレン系樹脂(b1-2)を組み合わせて用いることが好ましい。このときの使用割合としては、植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1-1)/プロピレン系樹脂(b1-2)=5/95~30/70の範囲であることがより好ましい。
本発明に使用する樹脂層(B)において、上記植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1-1)の含有量は、高い耐衝撃性、耐破袋性の点から、10質量%以上であることが好ましく、15質量%であることがより好ましい。
本発明に使用する樹脂層(B)中の上記ポリオレフィン系樹脂(b1)の含有量は、その総量が樹脂層(B)中の80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。当該範囲とすることで、好適な機械的強度のフィルムを得やすくなる。また、上記植物由来の直鎖状低密度ポリエチレン(b1-1)と、プロピレン系樹脂(b1-2)との含有量は、その総量が樹脂層(B)中の80質量%以上であることが好ましく、85質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがさらに好ましい。
(マット調積層フィルムのその他の層)
本発明に使用する表面樹脂層(A)及び樹脂層(B)が積層された積層フィルムは、包装袋として用いる場合には、機械的強度とヒ-トシ-ル性とのバランスに優れる点から、樹脂層(B)側にシ-ル層(C)を更に有するものであることが好ましい。
上記シ-ル層(C)は、積層フィルムのシ-ル層(C)同士、又はその他の材質からなる容器等にヒ-トシ-ル際に容易にシ-ル強度が得られるように設計するものであり、得られる積層フィルムの用途によって、樹脂種を選択することができる。特に包装袋として用い、シ-ル層(C)同士をヒ-トシ-ルする場合に、適度なシ-ル強度が得られる点から、プロピレン-エチレンランダム共重合体を含有するものであることが好ましい。更に、シ-ル強度を調整するためには、エチレン-α-オレフィン共重合体を併用する
ことも可能である。
本発明に使用するマット調積層フィルムは、表面樹脂層(A)、樹脂層(B)及びシ-ル層(C)以外に1又は2以上の他の層を有していてもよい。他の層は、包装フィルムに使用される各種樹脂材料を使用でき、樹脂層(B)とシ-ル層(C)の間に設けられることが好ましい。
上記の各層には、必要に応じて、防曇剤、帯電防止剤、熱安定剤、造核剤、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の成分を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
(マット調積層フィルム)
本発明に使用するマット調積層フィルム中に含有するポリエチレンの総質量は、当該マット調積層フィルムの質量に対して20質量%以上であることが好ましく、23質量%以上であることがより好ましく、24質量%以上であることが更に好ましい。マット調積層フィルムにおいて植物由来の成分を多くしてバイオマス度を高めるためには、マット調積層フィルムの質量に対して植物由来のポリエチレンの総質量を20質量%以上とすることが好ましく、23質量%以上であることがより好ましく、24質量%以上とすることが更に好ましい。
また、表面樹脂層(A)と表面樹脂層に隣接する樹脂層(B)を合計した質量に対して、ポリエチレンの総質量、好ましくは植物由来のポリエチレンの総質量を24質量%以上とすることが好ましく、27質量%以上であることがより好ましく、28質量%であることが更に好ましい。
本発明に使用するマット調積層フィルムは、単体でもフィルムとして充分な強度を得るために、その総厚みが20~50μmの範囲であることが好ましく、特にパン等の比較的軽量な内容物の包装用等に使用する場合には、25~40μmであることが好ましい。
本発明に使用するマット調積層フィルムに対して充分なマット感(高曇り度と低光沢度)を与えるためには、表面樹脂層(A)の厚みは総厚みの10~40%になるようにすることが好ましい。当該表面樹脂層(A)の厚みは、好適な意匠性を得やすいことから、2~20μmとすることが好ましく、4~16μmとすることがより好ましい。
また、上記樹脂層(B)の厚みは総厚みの30~90%になるようにすることが好ましい。当該樹脂層(B)の厚みは6~45μmとすることが好ましく、10~30μmとすることがより好ましい。
さらに、シ-ル層(C)を設ける場合は、シ-ル層(C)は総厚みの10~25%になるようにすることが好ましい。シ-ル層(C)の厚みは2~12.5μmとすることが好ましく、3~10μmとすることがより好ましい。
本発明に使用するマット調積層フィルムの曇り度は、充分なマット感を得るために、50%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。
本発明に使用するマット調積層フィルムの光沢度は、表面のつやを抑えて和紙に近い風合いを出すためには20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。
また、当該マット調積層フィルムの剛性は、包装材として適用した際に好適な強度を保持するために、500MPa以上であることが好ましく、600MPa以上であることがより好ましく、650MPa以上であることが更に好ましい。
さらに、当該マット調積層フィルムの衝撃強度は、0.15J(23℃)以上であることが好ましく、0.17J(23℃)以上であることがより好ましい。衝撃強度は、積層フィルムを23℃に状態調整された恒温室内で、サンプルを6時間保持した後、直径25.4mmの球状の衝撃頭を用いてフィルムインパクト法で測定することにより求められる。
(マット調積層フィルムの製造方法)
本発明に使用するマット調積層フィルムの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、表面樹脂層(A)、樹脂層(B)及びシ-ル層(C)に用いる各樹脂又は樹脂混合物を、それぞれ別々の押出機で加熱溶融させ、共押出多層ダイス法やフィ-ドブロック法等の方法により溶融状態で(A)/(B)/(C)の順で積層した後、インフレ-ションやTダイ・チルロ-ル法等によりフィルム状に成形する共押出法が挙げられる。この共押出法は、各層の厚さの比率を比較的自由に調整することが可能で、衛生性に優れ、コストパフォ-マンスにも優れた共押出積層フィルムが得られるので好ましい。さらに、本発明で用いる高密度ポリエチレン(a1)と、プロピレン系樹脂(a2)には、両者間で融点の差が大きいため、共押出加工時にフィルム外観が劣化する場合がある。このような劣化を抑制するためには、比較的高温で溶融押出を行うことができるTダイ・チルロ-ル法が好ましい。
本発明に使用するマット調積層フィルムは、上記の製造方法によって、実質的に無延伸の積層フィルムとして得られるため、真空成形による深絞り成形等の二次成形も可能となる。
さらに、本発明に使用するマット調積層フィルムの表面樹脂層(A)に印刷等を行なう場合には、印刷インキとの接着性等を向上させるため、上記樹脂層(A)に表面処理を施すことが好ましい。上記樹脂層(B)又はシ-ル層(C)面に他フィルムと貼り合わせる場合には、接着剤との密着性を向上させるために、上記樹脂層(B)又はシ-ル層(C)に表面処理を施すことが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理等の表面酸化処理、あるいはサンドブラスト等の表面凹凸処理を挙げることができるが、好ましくはコロナ処理である。
本発明に使用するマット調積層フィルムのシ-ル層(C)をヒ-トシ-ル層として、シ-ル層(C)同士を重ねてヒ-トシ-ル、あるいは表面樹脂層(A)とシ-ル層(C)とを重ね合わせてヒ-トシ-ルすることにより、シ-ル層(C)を内側として形成した包装袋を作製することができる。例えば当該マット調積層フィルム2枚を所望とする包装袋の大きさに切り出して、それらを重ねて3辺をヒ-トシ-ルして袋状にした後、ヒ-トシ-ルをしていない1辺から内容物を充填しヒ-トシ-ルして密封することで包装袋として用いることができる。さらには自動包装機によりロ-ル状のフィルムを円筒形に端部をシ-ルした後、上下をシ-ルすることにより包装袋を形成することも可能である。
また、本発明に使用するマット調積層フィルムと他のフィルムをラミネ-トして複合フィルムとして使用することもできる。他のフィルムは、表面樹脂層(A)側に設けても、樹脂層(B)又はシ-ル層(C)側に設けてもよいが、樹脂層(B)又はシ-ル層(C)側にシ-ラントフィルムを設けることが好ましい。
<接着層>
本発明の接着層は、積層体を構成するいずれか2層、例えば、第一の基材層と第二の基材層とを接着する機能を有する。当該接着層は、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である。
<2液硬化型接着剤>
本発明に使用する2液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)と、ポリオール組成物(Y)とを含有する。
(ポリイソシアネート組成物(X))
本発明に使用するポリイソシアネート組成物(X)は、特に限定なく、接着剤技術分野で使用されるポリイソシアネート組成物(X)を使用するとができる。多くはウレタンプレポリマー、あるいはウレタンプレポリマーとイソシアネートモノマーとの混合物である。
(ウレタンプレポリマー(A1))
本発明に使用するウレタンプレポリマー(以後ウレタンプレポリマー(A1)と称する場合がある)は、特に限定なく、接着剤技術分野で使用されるウレタンプレポリマーを使用することができる。一般的には、イソシアネート組成物(i)と、ポリオール組成物(ii)とを、ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対してイソシアネート基(i)に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件下で反応させて得たウレタンプレポリマーが使用される。
(イソシアネート組成物(i))
本発明に使用するイソシアネート組成物(i)は、イソシアネート化合物を含む。当該イソシアネート化合物としては特に限定されず、ウレタンプレポリマーの合成に通常使用され得るものを適宜用いることができる。例えば、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらジイソシアネートのビュレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、カルボジイミド変性体、ウレトジオン変性体、これらポリイソシアネートとポリオールを反応させたウレタンプレポリマー等が挙げられ、これらを単独で又は複数組み合わせて使用することができる。
上記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
芳香脂肪族ジイソシアネートとは、分子中に1つ以上の芳香環を有する脂肪族イソシアネートを意味し、m-又はp-キシリレンジイソシアネート(別名:XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(別名:TMXDI)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
上記脂肪族ジイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができるが、これらに限定されない。
上記脂環族ジイソシアネートとしては、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(別名:IPDI)、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができるが、これらに限定されない。
(ポリオール組成物(ii))
ウレタンプレポリマーの合成に用いられるポリオール組成物(ii)は、ポリオール化合物を含む。当該ポリオール化合物としては特に限定されず、ウレタンプレポリマーの合成に通常使用され得るものを適宜用いることができる。例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;
グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;ダイマージオール;
上記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテルポリオール;
ポリエーテルポリオールを更にイソシアネート化合物で高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール;
プロピオラクトン、ブチロラクトン、ε-カプロラクトン、σ-バレロラクトン、β-メチル-σ-バレロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応によって得られるポリエステルと上記グリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとの反応物であるポリエステルポリオール(1);
上記グリコール、ダイマージオール、又は上記ビスフェノール等の2官能型ポリオールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(2):
3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(3);
2官能型ポリオールと、上記3官能又は4官能の脂肪族アルコールと、多価カルボン酸とを反応させて得られるポリエステルポリオール(4);
ジメチロールプロピオン酸、ひまし油脂肪酸等のヒドロキシル酸の重合体である、ポリエステルポリオール(5);
ポリエステルポリオール(1)~(5)の少なくとも一種とポリエーテルポリオールとイソシアネート化合物とを反応させて得られるポリエステルポリエーテルポリウレタンポリオール;
ポリエステルポリオール(1)~(5)をイソシアネート化合物で高分子量化して得られるポリエステルポリウレタンポリオール;
ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオール等、及びこれらの混合物等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオール(2)~(4)の合成に用いられる多価カルボン酸としては、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸無水物、ナフタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、5-ナトリウムスルホイソフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸等の芳香族多塩基酸;
ジメチルテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の芳香族多塩基酸のメチルエステル化物;
マロン酸、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸;
マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジエチル、セバシン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の脂肪族多塩基酸のアルキルエステル化物;
1,1-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロペンタンジカルボン酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-シクロヘキサンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4-メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、シクロヘキサン-1,2,4-トリカルボン酸-1,2-無水物、無水ハイミック酸、無水ヘット酸等の脂環族多塩基酸;等が挙げられ、1種又は2種以上を組合わせて用いることができる。
ポリウレタンポリオールの合成に用いられるイソシアネート化合物のうち、非芳香族イソシアネートとしてはイソシアネート組成物(i)に用い得るものと同様のものを用いることができる。芳香族イソシアネートとしては、例えば、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI、あるいはクルードMDIとも称される)、1,3-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、2,4,6-トリイソシアネートトルエン、1,3,5-トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート、これらジイソシアネートの誘導体(ビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体)等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記ポリオール化合物は、ポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールの少なくとも一種を含むことが好ましい。
ポリオール組成物(ii)にアミン化合物を用いることでウレタンプレポリマーにウレア誘導体、ビウレット誘導体を導入する場合に用いられるアミン化合物は、一級又は二級のモノアミン化合物を含んでいることも好ましい。
上記一級モノアミン化合物としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、シクロへキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン(ラウリルアミン)、トリドデシルアミン、テトラデシルアミン(ミリスチルアミン)、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ココアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、硬化牛脂アルキルアミン、アリルアミン等の脂肪族不飽和1級アミン、アニリン、ベンジルアミン等が挙げられる。
上記二級モノアミン化合物としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジアリルアミン等の脂肪族不飽和2級アミン、メチルアニリン、エチルアニリン、ジベンジルアミン、ジフェニルアミン、ジココアルキルアミン、ジ硬化牛脂アルキルアミン、ジステアリルアミン等が挙げられる。
上記モノアミン化合物の配合量は、ポリオール組成物(ii)全量の40質量%以下であることが好ましい。
上記ウレタンプレポリマー(A1)は、イソシアネート組成物(i)と、ポリオール組成物(ii)とを、ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対してイソシアネート基(i)に含まれるイソシアネート基が過剰となる条件下で反応させて得られる。ポリオール組成物(ii)に含まれる活性水素基に対するイソシアネート基の当量比[NCO]/[活性水素基]は、目的に応じて適宜調整され得るが、一例として2.0以上20.0以下である。
(イソシアネートモノマー(A2))
本発明に使用するイソシアネートモノマー(以後イソシアネートモノマー(A2)と称する場合がある)は、上記イソシアネート組成物(i)のウレタンプレポリマーの合成に通常使用され得るイソシアネートモノマーを使用することができる。また上記イソシアネートモノマーのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、これらジイソシアネートと高分子量ポリオール(ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等)との反応生成物であるポリウレタンポリイソシアネート等であってもよい。具体的には例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体、イソホロンジイソシアネートのヌレート体、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート及びそのビウレット体、ヌレート体、アダクト体、アロファネート体、ポリウレタンポリイソシアネート、カルボジイミド修飾ジフェニルメタンジイソシアネート、アロファネート修飾ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
(粘度)
本発明に使用するポリイソシアネート組成物(X)を無溶剤型の2液硬化型接着剤として用いる場合は、ポリイソシアネート組成物(X)の粘度は、ノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、25℃における粘度が1000~10000mPas、より好ましくは1000~5000mPasの範囲になるよう調整される。ポリイソシアネート組成物(X)の粘度は、一例としてウレタンプレポリマーやイソシアネートモノマーの配合量により調整することができる。
(ポリオール組成物(Y))
本発明に使用するポリオール組成物(Y)は、複数の水酸基を有するポリオール化合物を含む。ポリオール化合物として特に限定はなく、通常ウレタン反応型の2液硬化型接着剤に使用されるポリオール化合物ならばいずれも使用することができる。
具体的には例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール、植物油ポリオール、糖アルコール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、水酸基含有オレフィン樹脂、水酸基含有フッ素樹脂、(ポリ)アルカノールアミン等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール等のグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリプロピレングリコールのトリオール体等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下に、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したものが挙げられる。ポリプロピレングリコールを用いることが好ましい。
上記ポリエステルポリオールは、多価アルコールと多価カルボン酸との反応生成物である。ポリエステルポリオールの合成に用いられる多価アルコールはジオールでも、3官能以上のポリオールでもよい。またジオールとして上記ポリエーテルポリオールを使用したポリエステルポリエーテルポリオールや、後述のポリウレタンポリオールを使用したポリエステルポリウレタンポリオールでもよい。
当該ジオールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,2,2-トリメチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-3-イソプロピル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘサン、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール等の脂肪族ジオール;
ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール等のエーテルグリコール;
脂肪族ジオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルジオール;
脂肪族ジオールと、ラクタノイド、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;
ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノールにエチレンオキサイド、プロプレンオキサイド等を付加して得られるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記3官能以上のポリオールは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール;
脂肪族ポリオールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル結合含有化合物との開環重合によって得られる変性ポリエーテルポリオール;
脂肪族ポリオールと、ε-カプロラクトン等の種々のラクトン類との重縮合反応によって得られるラクトン系ポリエステルポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの合成に用いられる多価カルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、無水マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;及びこれら脂肪族又はジカルボン酸の無水物あるいはエステル形成性誘導体;p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸及びこれらのジヒドロキシカルボン酸のエステル形成性誘導体、ダイマー酸等の多塩基酸類が挙げられる。
上記植物油ポリオールとしては、ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるひまし硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等が挙げられる。
上記ポリウレタンポリオールは、低分子量又は高分子量のポリオールと、ポリイソシアネート化合物との反応生成物である。低分子量ポリオールとしては、ポリエステルポリオールの原料として例示した多価アルコールと同様のものを用いることができる。高分子量ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール等が例示される。ポリイソシアネート化合物としては、上記ウレタンプレポリマー(A1)で使用するポリイソシアネートと同様のものを用いることができる。
上記糖アルコールとしては、ペンタエリスリトール、スクロース、キシリトール、ソルビトール、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マンニトール糖等が挙げられる。
本発明に使用する2液硬化型接着剤が無溶剤型として用いられる場合は、ポリオール組成物(Y)の粘度はノンソルベントラミネート法に適した範囲に調整される。一例として、40℃における粘度が100~5000mPas、より好ましくは100~3000mPasの範囲になるよう調整される。ポリオール組成物(Y)の粘度は、ポリオール化合物の骨格や、後述する可塑剤等により調整することができる。ポリオール化合物の骨格で調整する場合は、例えば、ポリプロピレングリコールや、脂肪族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を低下させることができる。あるいは、芳香族カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオールを用いることにより粘度を高くすることができる。
(接着剤のその他の成分)
本発明に使用する2液硬化型接着剤は、上述の成分以外の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)のいずれか又は両方に含まれていてもよいし、これらとは別に調整しておき、接着剤の塗工直前にポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)とともに混合して用いてもよい。以下、各成分について説明する。
(ポリアミン(C))
上記ポリオール組成物(Y)に、複数のアミノ基を有するポリアミン(C)を含有していてもよい。なお本明細書においてアミノ基とは、NH2基又はNHR基(Rは官能基を有していてもよいアルキル基又はアリール基)をいう。
上記ポリアミン(C)としては公知のものを特に制限なく用いることができ、メチレンジアミン、エチレンジアミン、イソホロンジアミン、3,9-ジプロパンアミン-2,4,8,10-テトラオキサスピロドウンデカン、リシン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ポリ(プロピレングリコール)ジアミン、ポリ(プロピレングリコール)トリアミン、ポリ(プロピレングリコール)テトラアミン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、
1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ノナエチレンデカミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、テトラ(アミノメチル)メタン、テトラキス(2-アミノエチルアミノメチル)メタン、1,3-ビス(2’-アミノエチルアミノ)プロパン、トリエチレン-ビス(トリメチレン)ヘキサミン、ビス(3-アミノエチル)アミン、ビスヘキサメチレントリアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、4,4’-メチレンビスシクロヘキシルアミン、4,4’-イソプロピリデンビスシクロヘキシルアミン、ノルボルナジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、ビス(シアノエチル)ジエチレントリアミン、1,4-ビス-(8-アミノプロピル)-ピペラジン、ピペラジン-1,4-ジアザシクロヘプタン、1-(2’-アミノエチルピペラジン)、1-[2’-(2”-アミノエチルアミノ)エチル]ピペラジン、トリシクロデカンジアミン、上記した各種のポリアミンと上記した各種のイソシアネート成分との反応生成物であるポリウレアアミン等の複数のアミノ基を有するアミン化合物(C1)、
モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、モノブタノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン、N-メチルプロパノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の1級又は2級のアルカノールアミン(C2)、
エチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジステアリルアミン等の1級又は2級アミン(C3)等が挙げられる。
上記ポリアミン(C)の配合量は、ポリオール組成物(Y)のアミン価が20~70mgKOH/g、より好ましくは25~50mgKOH/gとなるよう配合されることが好ましい。
なお、本明細書におけるアミン価は試料1gを中和するのに必要なHCl量に対して当量となるKOHのミリグラム数を意味し、特に制限はなく、公知の方法を用いて算出することができる。アミン化合物(C)の化学構造、更に必要に応じて、平均分子量等がわかっている場合には、(1分子当たりのアミノ基の数/平均分子量)×56.1×1000より算出することができる。アミン化合物の化学構造や平均分子量等が不明である場合には、公知のアミン価測定方法、例えば、JISK7237-1995に従い測定することができる。
(モノオール化合物(D))
上記ポリオール組成物(Y)に、アルコール性水酸基を1つ有するモノオール化合物(D)を含んでいてもよい。モノオール化合物(D)の主鎖は特に制限されず、水酸基を1つ有するビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられる。また、脂肪族アルコール、アルキルアルキレングリコール等も用いることができる。モノオール化合物(D)の主鎖は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよい。水酸基の結合位置についても特に限定はないが、分子鎖の末端に存在することが好ましい。
上記モノオール化合物(D)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノールラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデカノール、セチルアルコール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、ノナデカノール、その他のアルカノール(C20~50)、オレイルアルコール、及びこれらの異性体等の脂肪族モノオール、
シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、4-ブチルシクロヘキサノール、4-ペンチルシクロヘキサノール、4-ヘキシルシクロヘキサノール、シクロデカノール、シクロドデカノール、シクロペンタデカノール、4-イソプロピルシクロヘキサノール、3,5,5-トリメチルシクロヘキサノール、メントール、2-ノルボルナノール、ボルネオール、2-アダマンタノール、ジシクロヘキシルメタノール、デカトール、2-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-シクロヘキシルシクロヘキサノール、4-(4-プロピルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、4-(4-ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキサノール、α-アンブリノール、デスオキシコルチコステロン、11-デヒドロコルチコステロン、コレステロール、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、ブラシカステロール、ラノステロール、エルゴステロール、β-コレスタノール、テストステロン、エストロン、ジギトキシゲニン、デヒドロエピアンドロステロン、コプロスタノール、プレグネノロン、エピコレスタノール、7-デヒドロコレステロール、安息香酸エストラジオール、チゴゲニン、ヘコゲニン、メタンジエノン、酢酸コルチゾン、ステノロン、及びこれらの異性体等の脂環族モノオール、
ベンジルアルコール等の芳香脂肪族モノオール、
活性水素を1個含有するアルキル化合物等を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを開環付加重合させたポリオキシアルキレンモノオール等が挙げられる。
(触媒)
触媒としては、金属系触媒、アミン系触媒、脂肪族環状アミド化合物等が例示される。
上記金属系触媒としては、金属錯体系、無機金属系、有機金属系の触媒が挙げられる。金属錯体系の触媒としては、Fe(鉄)、Mn(マンガン)、Cu(銅)、Zr(ジルコニウム)、Th(トリウム)、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)、Co(コバルト)からなる群より選ばれる金属のアセチルアセトナート塩、例えば鉄アセチルアセトネート、マンガンアセチルアセトネート、銅アセチルアセトネート、ジルコニアアセチルアセトネート等が例示される。
上記無機金属系触媒としては、Sn、Fe、Mn、Cu、Zr、Th、Ti、Al、Co等から選ばれるものが挙げられる。
上記有機金属系触媒としては、オクチル酸亜鉛、ネオデカン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル等の有機ニッケル化合物、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト等の有機コバルト化合物、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、テトライソプロピルオキシチタネート、ジブチルチタニウムジクロライド、テトラブチルチタネート、ブトキシチタニウムトリクロライド、脂肪族ジケトン、芳香族ジケトン、炭素原子数2~10のアルコールの少なくとも1種をリガンドとするチタンキレート錯体等のチタン系化合物等が挙げられる。
上記アミン系触媒としては、トリエチレンジアミン、2-メチルトリエチレンジアミン、キヌクリジン、2-メチルキヌクリジン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチル-(3-アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N-ジメチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン、3-キヌクリジノール、N,N,N’,N’-テトラメチルグアニジン、1,3,5-トリス(N,N-ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ-S-トリアジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7、N-メチル-N’-(2-ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N’-ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチルモルホリン、1-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、1-イソブチル-2-メチルイミダゾール、1-ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N-ジメチルヘキサノールアミン、N-メチル-N’-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチルイミダゾール、1-(2-ヒドロキシプロピル)-2-メチルイミダゾール等が挙げられる。
上記脂肪族環状アミド化合物としては、δ-バレロラクタム、ε-カプロラクタム、ω-エナントールラクタム、η-カプリルラクタム、β-プロピオラクタム等が挙げられる。これらの中でもε-カプロラクタムが硬化促進により効果的である。
(酸無水物)
酸無水物としては、環状脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物、不飽和カルボン酸無水物等が挙げられ、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。より具体的には、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロ-3-フラニル)-3-メチル-3-シクロヘキサン-1,2-ジカルボン酸無水物、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物、1-メチル-ジカルボキシ-1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
また、酸無水物として上述した化合物をグリコールで変性したものを用いてもよい。変性に用いることができるグリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポチテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルグリコール類等が挙げられる。更には、これらのうちの2種類以上のグリコール及び/又はポリエーテルグリコールの共重合ポリエーテルグリコールを用いることもできる。
(カップリング剤)
カップリング剤としては、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。
シランカップリング剤としては、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン;β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン;ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン;ヘキサメチルジシラザン、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、例えば、テトライソプロポキシチタン、テトラ-n-ブトキシチタン、ブチルチタネートダイマー、テトラステアリルチタネート、チタンアセチルアセトネート、チタンラクテート、テトラオクチレングリコールチタネート、チタンラクテート、テトラステアロキシチタン等が挙げられる。
アルミニウム系カップリング剤としては、例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が挙げられる。
(顔料)
顔料としては特に制限はなく、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料等が挙げられる。
上記体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土等が挙げられる。
上記有機顔料の具体例としては、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラック等が挙げられる。
上記無機顔料としては、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
上記プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製「グランドールPP-1000」、「PP-2000S」等が挙げられる。
用いる顔料については目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば耐久性、対候性、意匠性に優れることから白色顔料としては酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物を用いることが好ましく、黒色顔料としてはカーボンブラックを用いることが好ましい。
上記顔料の配合量は、一例としてポリオール組成物(X)とポリイソシアネート組成物(Y)の不揮発分総量100質量部に対して1~400質量部であり、接着性、耐ブロッキング性をより良好なものとするため10~300質量部とすることがより好ましい。
(可塑剤)
可塑剤としては、例えば、フタル酸系可塑剤、脂肪酸系可塑剤、芳香族ポリカルボン酸系可塑剤、リン酸系可塑剤、ポリオール系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、カーボネート系可塑剤等が挙げられる。
上記フタル酸系可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジへキシルフタレート、ジへプチルフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)フタレート、ジ-n-オクチルフタレート、ジノニルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジデシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジステアリルフタレート、ジフェニルフタレート、ジベンジルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、オクチルデシルフタレート、ジメチルイソフタレート、ジ-(2-エチルヘキシル)イソフタレート、ジイソオクチルイソフタレート等のフタル酸エステル系可塑剤、例えば、ジ-(2-エチルヘキシル)テトラヒドロフタレート、ジ-n-オクチルテトラヒドロフタレート、ジイソデシルテトラヒドロフタレート等のテトラヒドロフタル酸エステル系可塑剤が挙げられる。
上記脂肪酸系可塑剤としては、例えば、ジ-n-ブチルアジペート、ジ-(2-エチルへキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(C6-C10アルキル)アジペート、ジブチルジグリコールアジペート等のアジピン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-へキシルアゼレート、ジ-(2-エチルヘキシル)アゼレート、ジイソオクチルアゼレート等のアゼライン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルセバケート、ジ-(2-エチルへキシル)セバケート、ジイソノニルセバケート等のセバシン酸系可塑剤、例えば、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジ-n-ブチルマレート、ジ-(2-エチルヘキシル)マレート等のマレイン酸系可塑剤、例えば、ジ-n-ブチルフマレート、ジ-(2-エチルへキシル)フマレート等のフマル酸系可塑剤、例えば、モノメチルイタコネート、モノブチルイタコネート、ジメチルイタコネート、ジエチルイタコネート、ジブチルイタコネート、ジ-(2-エチルヘキシル)イタコネート等のイタコン酸系可塑剤、例えば、n-ブチルステアレート、グリセリンモノステアレート、ジエチレングリコールジステアレート等のステアリン酸系可塑剤、例えば、ブチルオレート、グリセリルモノオレート、ジエチレングリコールモノオレート等のオレイン酸系可塑剤、例えば、トリエチルシトレート、トリ-n-ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ-(2-エチルへキシル)シトレート等のクエン酸系可塑剤、例えば、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、グリセリルモノリシノレート、ジエチレングリコールモノリシノレート等のリシノール酸系可塑剤、及び、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールジペラルゴネート、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル等のその他の脂肪酸系可塑剤等が挙げられる。
上記芳香族ポリカルボン酸系可塑剤としては、例えば、トリ-n-ヘキシルトリメリテート、トリ-(2-エチルヘキシル)トリメリテート、トリ-n-オクチルトリメリテート、トリイソオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート等のトリメリット酸系可塑剤、例えば、テトラ-(2-エチルヘキシル)ピロメリテート、テトラ-n-オクチルピロメリテート等のピロメリット酸系可塑剤等が挙げられる。
上記リン酸系可塑剤としては、例えば、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ-(2-エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート等が挙げられる。
上記ポリオール系可塑剤としては、例えば、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ-(2-エチルブチレート)、トリエチレングリコールジ-(2-エチルヘキソエート)、ジブチルメチレンビスチオグリコレート等のグリコール系可塑剤、例えば、グリセロールモノアセテート、グリセロールトリアセテート、グリセロールトリブチレート等のグリセリン系可塑剤等が挙げられる。
上記エポキシ系可塑剤としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシブチルステアレート、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジイソデシル、エポキシトリグリセライド、エポキシ化オレイン酸オクチル、エポキシ化オレイン酸デシル等が挙げられる。
上記ポリエステル系可塑剤としては、例えば、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステル、フタル酸系ポリエステル等が挙げられる。
上記カーボネート系可塑剤としては、プロピレンカーボネートやエチレンカーボネート等が挙げられる。
また、上記可塑剤としては、その他に、部分水添ターフェニル、接着性可塑剤、さらには、ジアリルフタレート、アクリル系モノマーやオリゴマー等の重合性可塑剤等が挙げられる。これら可塑剤は、単独又は2種以上併用することができる。
(リン酸化合物)
リン酸化合物(C6)としては、リン酸、ピロリン酸、トリリン酸、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、2-エチルヘキシルアシッドホスフェート、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、イソドデシルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、2-ヒドロキシエチルメタクリレートアシッドホスフェート、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
(接着剤の形態)
本発明に使用する2液硬化型接着剤は、溶剤型又は無溶剤型のいずれの形態であってもよい。なお本明細書において「溶剤型」の接着剤とは、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して塗膜中の有機溶剤を揮発させた後に他の基材と貼り合せる方法、いわゆるドライラミネート法に用いられる形態をいう。ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)のいずれか一方、若しくは両方が本発明に使用するポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)の構成成分を溶解(希釈)することが可能な有機溶剤を含む。
上記有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等が挙げられる。ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)の構成成分の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が、更に塗装時に希釈剤として使用される場合もある。
本明細書において「無溶剤型」の接着剤とは、ポリイソシアネート組成物(X)及びポリオール組成物(Y)が酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート等のエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、エチレンクロリド等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホアミド等の溶解性の高い有機溶剤、特に酢酸エチル又はメチルエチルケトンを実質的に含まず、接着剤を基材に塗工した後に、オーブン等で加熱して溶剤を揮発させる工程を経ずに他の基材と貼り合せる方法、いわゆるノンソルベントラミネート法に用いられる接着剤の形態を指す。ポリイソシアネート組成物(X)又はポリオール組成物(Y)の構成成分や、その原料の製造時に反応媒体として使用された有機溶剤が除去しきれずに、ポリイソシアネート組成物(X)、ポリオール組成物(Y)中に微量の有機溶剤が残留してしまっている場合は、有機溶剤を実質的に含まないと解される。また、ポリオール組成物(Y)が低分子量アルコールを含む場合、低分子量アルコールはポリイソシアネート組成物(X)と反応して塗膜の一部となるため、塗工後に揮発させる必要はない。したがってこのような形態も無溶剤型接着剤として扱い、低分子量アルコールは有機溶剤とはみなされない。
本発明に使用する2液硬化型接着剤は、ポリイソシアネート組成物(X)に含まれるイソシアネート基のモル数[NCO]とポリオール組成物(Y)に含まれる水酸基のモル数[OH]との比[NCO]/[OH]が1.0~3.0となるよう配合して用いることが好ましい。これにより、塗工時の環境湿度に依存することなく適切な硬化性を得ることができる。
(バイオマス接着剤)
本発明に使用する2液硬化型接着剤において、持続的に発展すべき循環型社会の構築(サステナビリティ)を考慮し、ポリイソシアネート組成物(X)あるいはポリオール組成物(Y)の原料として植物由来原料を使用することが好ましい。
また、本発明に使用する2液硬化型接着剤の原材料として、バイオマス原料を適宜使用することで、バイオマス度を高めることができる。バイオマス原料としては、ひまし油、脱水ひまし油、ひまし油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ひまし油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のひまし油系ポリオールや、コハク酸、無水コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸等の脂肪族多塩基酸や当該酸のアルキルエステル化物、ダイマー酸等が挙げられる。
バイオマス接着剤としては市販品を利用することもできる。市販品としては、一般社団法人日本有機資源協会に記載の接着剤等が使用できる。
本発明に使用する接着層の乾燥後の重量は、0.1~10g/mであることが好ましく、1~6g/mであることがより好ましく、2~5g/mであることがさらに好ましい。
本発明に使用する接着層の厚みは、0.1~10μmが好ましく、1~7μmがより好ましく、2~5μmであることがより好ましい。
<印刷層>
印刷層は、被印刷体に美粧性、内容物に関する様々な情報、及び機能性を付与するために、リキッドインキにより所望の図柄を形成する層である。印刷層は、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを印刷してなる。
<リキッドインキ>
本発明の印刷層に印刷されるリキッドインキは、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有する。また、当該リキッドインキは、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートからなるポリウレタン樹脂を1種以上含むリキッドインキであることが好ましい。
(ポリウレタン樹脂)
本発明に使用するリキッドインキは、ポリオールとポリイソシアネートとを重合したポリウレタン樹脂を含む。当該ポリオールはポリエステルポリオールであることが好ましい。
また、必要に応じて、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオール以外の汎用のポリオール、鎖伸長剤、及び末端封鎖剤等を併用してポリウレタン樹脂を合成してもよい。
さらに、当該ポリオールとポリイソシアネートを反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーとし、ポリアミン化合物とを反応させて、ポリウレタン樹脂を合成してもよい。
ポリウレタン樹脂はリキッドインキ中に単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
上記ポリウレタン樹脂のガラス転移温度は、-60℃以上であることが好ましく、-50℃以上であることがより好ましい。また、0℃未満であることが好ましく、-30℃未満であることがより好ましい。
(ポリエステルポリオール)
本発明に使用するリキッドインキで使用するポリウレタン樹脂の反応原料であるポリエステルポリオールは、カルボキシル基を2つ以上有するポリカルボン酸と、水酸基を2つ以上有するポリオールとを反応させて得られる。
ポリエステルポリオールは、エステル基を導入して極性を高くすることにより、ラミネート強度をより一層高める効果がある。
(ポリカルボン酸)
上記ポリカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸等及びその酸無水物等のジカルボン酸、トリメリット酸及びその無水物等のトリカルボン酸、ベンゼンテトラカルボン酸、ベンゼンペンタカルボン酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、並びにこれらの酸の無水物等が挙げられる。
本発明に使用するリキッドインキで使用するポリウレタン樹脂の反応原料であるポリエステルポリオールは、カルボキシル基を2つ以上有するポリカルボン酸と、水酸基を2つ以上有するポリオールとを反応させて得られる。このとき、ポリカルボン酸は単独で用いてもよいし、複数種を併用してもよい。
当該ポリカルボン酸を併用すると、印刷被膜の柔軟性や強靭性を調整することができ、多様な各種フィルムへの密着性、ラミネート強度及び来ブロッキング性を得ることができるため好ましい。
上記ポリカルボン酸の併用の例としては、例えば、アゼライン酸、ピメリン酸及びマロン酸等と、コハク酸、セバシン酸、スベリン酸及びアジピン酸を併用すると、ラミネート強度及び耐熱性が良好となるため好ましい。
また、コハク酸、無水コハク酸及びアジピン酸等と、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等を併用すると、幅広い種類の各種フィルムへの密着性、耐ブロッキング性、並びに高いラミネート強度を両立できる点で好ましい。
上記ポリカルボン酸として、植物由来の原料を用いることもできる。植物由来のポリカルボン酸を用いることで、リキッドインキのバイオマス度を高めることができ、好ましい。具体的には、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、リンゴ酸等が挙げられる。
(ポリオール)
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,4-ブチンジオール、1,4-ブチレンジオール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール等を用いることができる。これらの化合物は単独で用いても2種以上を併用してもよい。
上記ポリオールとして、植物由来の原料を用いることもできる。植物由来のポリオールを用いることで、リキッドインキのバイオマス度を高めることができ、好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンチレングリコール、1,10-ドデカンジオール、ダイマージオール、イソソルビド等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールは、上記ポリウレタン樹脂全量に対して30~95質量%の範囲で含有することが好ましく、より好ましくは40~90質量%であり、最も好ましくは45~85質量%である。
上記ポリエステルポリオールの数平均分子量としては、400~10,000の範囲であることが好ましく、500~7,000の範囲であることがより好ましく、800~6,000の範囲であることが更に好ましく、1,000~6,000の範囲であることがより好ましく、1,500~5,500の範囲であることが更に好ましい。
尚、本発明において、数平均及び重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定した値を示す。
(GPC測定)
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC-8220GPC」)
カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本
検出器:RI(示差屈折計)
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/分
注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。
〔標準ポリスチレン〕
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-1000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-2500」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A-5000」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-1」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-2」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-4」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-10」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-20」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-40」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-80」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-128」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-288」
東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F-550」
(ポリエーテルポリオール)
更に、上記ポリウレタン樹脂の構成成分として、ポリエーテルポリオールをポリウレタン樹脂に対して1~40質量%の範囲で含有すればより好ましい。ポリエーテルポリオールとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリエーテルポリオールを用いることができ、1種又は2種以上を併用してもよい。例えば、酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体のポリエーテルポリオール類等が挙げられる。ポリウレタン樹脂に対してポリエーテルポリオールが1質量%以上であれば、当該ポリウレタン樹脂のケトン、エステル、アルコール系溶剤への溶解性も良好であり、また、インキ皮膜の該溶剤への再溶解性が低下し難く、印刷物の調子再現性が劣化しにくい。また、40質量%以下であれば、耐ブロッキング性が低下し難い。
中でも、ポリエーテルポリオールをポリウレタン樹脂に対して1~30質量%の範囲で含有することがなお好ましく、1~20質量%の範囲で含有することが最も好ましい。
また、上記ポリエーテルポリオールの数平均分子量は100~4,000であればより好ましい。ポリエーテルポリオールの数平均分子量が100以上であれば、ポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなることもなくポリエステルフィルムへの接着性が低下し難くなる。数平均分子量が4,000以下であれば、ポリウレタン樹脂の皮膜が十分な強度を持ち、インキ皮膜の耐ブロッキング性が低下し難い傾向にある。
上記ポリエーテルポリオールとして具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、メチルペンタンジオール、ジメチルブタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の2官能アルコール(グリコール);グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能又は4官能の脂肪族アルコール;ビスフェノールA、ビスフェノールF、水素添加ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールF等のビスフェノール;
上記グリコール、3官能又は4官能の脂肪族アルコール等の重合開始剤の存在下にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロヘキシレン等のアルキレンオキシドを付加重合したポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリトリメチレングリコール等のポリエーテルポリオール;該ポリエーテルポリオールを更に上記芳香族又は脂肪族ポリイソシアネートで高分子量化したポリエーテルウレタンポリオール等が挙げられる。
(汎用のポリオール)
本発明に使用するリキッドインキで使用するポリウレタン樹脂の合成には、必要に応じて汎用のポリオールを併用してもよい。当該汎用のポリオールとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種又は2種以上を併用してもよい。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール等のグリコール;2-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3,5-ヘプタンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール等の分岐構造を有するグリコール;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子ポリオール類、
酸化エチレン、酸化プロピレン、テトラヒドロフラン等の重合体又は共重合体のポリエーテルポリオール類;上記低分子ポリオール類と、石油由来のセバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合又は重合させて得られるポリエステルポリオール類;環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類;上記低分子ポリオール類等と、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類;ポリブタジエングリコール類;ビスフェノールAに酸化エチレン又は酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類;1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール、ひまし油ポリオール、水素添加ひまし油ポリオール、ダイマージオール、水素添加ダイマージオール等が挙げられる。
上記汎用のポリオールとして、植物由来の原料を用いることもできる。植物由来のポリオールを用いることで、リキッドインキのバイオマス度を高めることができ、好ましい。具体的には、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンチレングリコール、1,10-ドデカンジオール、ダイマージオール、イソソルビド等が挙げられる。
(ポリイソシアネート)
本発明に使用するリキッドインキにおけるポリウレタン樹脂に使用されるポリイソシアネートとしては、ジイソシアネート化合物が好ましく、例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアネート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアネート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メチル-ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、ナフタレン-2,7-ジイソシアネート、1,1-ジナフチル-2,2’-ジイソシアネート、ビフェニル-2,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3-3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート等を用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、適度な柔軟性が得られる点から、脂肪族ポリイソシアネート及び/又は脂環式ポリイソシアネートを用いることが好ましく、更に接着強度が一層向上できる点から、イソホロンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネートを用いることがより好ましい。
上記ポリイソシアネートとして、植物由来の原料を用いることもできる。植物由来のポリイソシアネートを用いることで、リキッドインキのバイオマス度を高めることができ、好ましい。具体的には、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート等が挙げられる。
(ポリウレタン樹脂のその他の成分)
本発明に使用するリキッドインキにおけるポリウレタン樹脂に使用される鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン、トルイレンジアミン、キシレンジアミン等の他、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
さらに、反応停止剤として、例えば、ポリアミン化合物や、ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類が挙げられる。反応停止剤としてポリアミン化合物を使用した場合、顔料分散効果によりインキの顔料濃度を高くすることができるため好ましい。
当該ポリアミン化合物としては、末端に第一級アミノ基又は第二級アミノ基のいずれかを有するポリアミン化合物が好ましく、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラトリアミン、トルイレンジアミン、キシレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)プロピレンアミン等が挙げられる。
また、ポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。
これらの末端封鎖剤は単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(ポリウレタン樹脂の合成)
本発明に使用するリキッドインキで使用するポリウレタン樹脂は、種々のポリオール、ポリイソシアネート、及び鎖伸長剤、必要に応じて末端封鎖剤を反応させて得られる。例えば、上記ポリエステルポリオールと、必要に応じて上記ポリエーテルポリオール及び汎用のポリオールと、上記ポリイソシアネートとをイソシアネート基が過剰となる割合で反応させ、末端イソシアネート基のプレポリマーを得、得られるプレポリマーを、適当な溶剤中、例えばリキッドインキ用の溶剤として通常用いられる、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤や、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール等のアルコール系溶剤や、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶剤や、あるいはこれらの混合溶剤の中で、鎖伸長剤及び/又は末端封鎖剤と反応させる二段法や、当該ポリエステルポリオールとポリイソシアネート、必要に応じて当該ポリエーテルポリオール及び汎用のポリオールと、鎖伸長剤及び/又は末端封鎖剤を、上記のうち適切な有機溶剤中で一度に反応させる一段法により製造される。
上記ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、10,000~100,000の範囲内とすることが好ましい。ポリウレタン樹脂の重量平均分子量が10,000以上であれば、得られるインキの耐ブロッキング性、印刷被膜の強度や耐油性等が低下し難く、十分なラミネート強度を得ることができる。100,000以下であれば、得られるインキの粘度が高くなり過ぎず、印刷被膜の光沢が保持し易い。なお、当該ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、上記ポリエステルポリオールの数平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。
(ポリウレタン樹脂の併用)
本発明に使用するリキッドインキに含まれるポリウレタン樹脂は、上記種々のポリオールと上記ポリイソシアネートを重合して合成する。当該ポリウレタン樹脂は単独で使用してもよいし、複数を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂を併用する場合、上記ポリエーテルポリオールは、上記併用するポリウレタン樹脂の一方の構成成分として含有されていてもよいし、両方の構成成分に含有されていてもよい。
(リキッドインキ中のポリウレタン樹脂)
本発明に使用するリキッドインキで使用するポリウレタン樹脂の当該インキ全量に対する含有量は、インキの被印刷体への接着性を十分にする観点から組成物全量に対して3質量%以上、適度なインキ粘度やインキ製造時・印刷時の作業効率の観点から25質量%以下が好ましく、更には5~15質量%の範囲が好ましい。なお、当該リキッドインキ中にポリウレタン樹脂を併用する場合は、当該インキ全量に対する各ポリウレタン樹脂含有量比率の合計が、3~25質量%以下であることが好ましく、5~15質量%の範囲がより好ましい。
(リキッドインキ中の着色剤)
本発明に使用するリキッドインキは着色剤を含み、美粧性等を付与する目的でデザイン印刷等に用いる着色剤を含むインキとして使用することができる。着色剤としては、一般のインキ、塗料、及び記録剤等に使用されている無機顔料、有機顔料及び染料を挙げることができ、顔料が好ましい。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系等の顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80等が挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36等が挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、等が挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185及びC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74等が挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26等が挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種又は二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏等の白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカ及び/又はアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末又はペースト状であるが、取扱い性及び安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィング又はノンリーフィングを使用するかは輝度感及び濃度の点から適宜選択される。
上記顔料は、リキッドインキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ総質量に対して1~60質量%、インキ中の固形分重量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。
(リキッドインキ中の塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂)
更に、本発明に使用するリキッドインキでは、上記ポリウレタン樹脂に加えて、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂を添加することで、より基材への接着性が向上する。
上記水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂としては、水酸基価が20~200mgKOH/gであり、かつ上記共重合体樹脂中の塩化ビニル成分の含有比率が80~95重量%であることが好ましい。
本発明に使用する水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、二種類の方法で得ることができる。一つは塩化ビニルモノマー、酢酸ビニルモノマー及びビニルアルコールを適当な割合で共重合して得られる。もう一つは、塩化ビニルと酢酸ビニルを共重合した後、酢酸ビニルを一部ケン化することにより得られる。水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、塩化ビニル、酢酸ビニル及びビニルアルコールのモノマー比率により樹脂被膜の性質や樹脂溶解挙動が決定される。すなわち、塩化ビニルは樹脂被膜の強靭さや硬さを付与し、酢酸ビニルは接着性や柔軟性を付与し、ビニルアルコールは極性溶剤への良好な溶解性を付与する。
本発明に使用するリキッドインキを軟包装用ラミネートインキとして使用する場合、接着性、耐ブロッキング性、ラミネート強度、ボイルレトルト適性、印刷適性、これら全ての性能を満足する必要があるため、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は適正なモノマー比率が存在する。すなわち、水酸基を有する塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂100質量部に対し、塩化ビニルは80~95質量部が好ましい。80質量部以上であれば樹脂被膜の強靭さが保て、耐ブロッキング性が確保できる。95質量部以下であれば、樹脂被膜が硬くなりすぎず、接着性が低下し難い。また、ビニルアルコールから得られる水酸基価は20~200mgKOH/gが好ましい。20mgKOH/g以上であれば極性溶媒への溶解性が良好であり、印刷適性も安定し易い。200mgKOH/g以下であれば、耐水性が低下することなく、ボイル、レトルト適性も良好に保てる。
上記塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂は、市販品を用いてもよい。市販品としては、日信化学工業株式会社製のソルバインA、AL、TA5R、TA2、TA3、TAO、TAOL、C、CH、CN、CNL等が挙げられる。
(リキッドインキ中の塩化ビニルアクリル共重合樹脂)
本発明に使用するリキッドインキには、上記ポリウレタン樹脂に加えて、塩化ビニルアクリル共重合樹脂を使用することもできる。塩化ビニルアクリル共重合樹脂とは、塩化ビニルとアクリルモノマーの共重合体を主成分とするものであり、アクリルモノマーは塩化ビニル主鎖にブロック又はランダムに共重合していてもよく、又は塩化ビニル主鎖の側鎖としてグラフト重合されていてもよい。
当該塩化ビニルアクリル共重合樹脂の重量平均分子量は、10,000から100,000であることが好ましく、20,000から50,000であることがより好ましい。また、溶剤への溶解性の観点から、水酸基価が50~200mg/KOHであることが好ましい。
上記塩化ビニルアクリル共重合樹脂中の塩化ビニルモノマー由来の構造は、基材密着性の観点から、当該塩化ビニルアクリル共重合樹脂中に70~95%であることが好ましい。
上記塩化ビニルアクリル共重合樹脂に使用されるアクリルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル及び水酸基を有するアクリルモノマー等を用いることができる。
当該(メタ)アクリル酸エステルとしては例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等が挙げられる。 また、当該水酸基を有するアクリルモノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルや、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のグリコールモノ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、及びアクリル酸2-ヒドロキシプロピルは、溶剤に対する溶解性を向上させるため好ましい。これらは単独又は2種以上を併用でき、上記以外のアクリルモノマーを随時含有しても良い。
なお、(メタ)アクリル及び(メタ)アクリレートとは、それぞれメタクリル及びアクリル、並びにメタくリレート及びアクリレートを意味する。
(リキッドインキ中のロジン系樹脂)
本発明に使用するリキッドインキには、上記ポリウレタン樹脂に加えて、ロジン系樹脂を添加することもできる。ロジン系樹脂は松脂から得られる琥珀色のバイオマス原料であり、インキ固形分中のバイオマス度向上及びラミネート強度等向上に寄与する。
当該ロジン系樹脂とは、ロジン酸(アビエチン酸、ネオアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、デヒドロアビエチン酸等)由来の構造単位を有するものをいい、天然から得られるロジンをロジン酸構成成分単位に単離して用いてもよく、ロジン酸又はロジン系樹脂は水素化されていてもよい。
上記ロジン系樹脂の種類としては、ロジン変性フェノール樹脂、ロジンエステル、ロジン変性マレイン酸樹脂、重合ロジン系樹脂等が好適に挙げられる。中でもポリウレタン樹脂とロジンエステル又はロジン変性マレイン酸樹脂との併用が好ましい。
(リキッドインキ中のその他の樹脂)
本発明に使用するリキッドインキには、ポリウレタン樹脂以外のその他の樹脂を添加してもよい。当該ポリウレタン樹脂以外のその他の樹脂としては、グラビアインキ又はフレキソインキで多用される汎用の樹脂が挙げられ、具体的には、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂等を挙げることができる。これらの併用可能な樹脂は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。併用可能な樹脂の含有量は、インキの総質量に対して0.5~25質量%が好ましく、更に好ましくは1~15質量%である。
(リキッドインキ中の溶剤)
本発明に使用するリキッドインキで使用する有機溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独又は2種以上を混合しても用いることができる。
尚、印刷時の作業衛生性及び包装材料の有害性の観点から、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等を使用し、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しないことがより好ましい。
中でも、ポリウレタン樹脂の溶解性の観点から、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/メトキシプロパノールの混合液がより好ましい。また、乾燥調整のためにインキ全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加することも出来る。
本発明に使用するリキッドインキには、揮発性成分として上記有機溶剤と共に、水を添加してもよい。水の添加により、インキの乾燥性を制御することができ、特にグラビア印刷では、その特徴であるインキ転移量の少ないグラデーション部をきれいに再現することができる。当該水の添加量は、印刷適性が良好となる点からリキッドインキ全量の0.3~10質量%の範囲であることが好ましい。当該水の添加量が0.3質量%以上であれば、インキの乾燥抑制効果が低下することなくグラデーション部の再現性が良好となる傾向にあり、当該水の添加量がインキ全量の10質量%以下であれば、インキ安定性が低下することも抑制できる。
また、このような水の添加により、使用有機溶剤成分を低減させることも可能であり環境対応に繋がる。当該水は有機溶剤に予め添加して含水の有機溶媒としてもよいし、別途特定量を添加してもよい。
(リキッドインキ中のその他の成分)
本発明に使用するリキッドインキには、更に必要に応じて、キレート系架橋剤、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等を含むこともできる。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、上記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性等の界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα-オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体等が挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(ZENECA)、アジスパーシリーズ(味の素)、ホモゲノールシリーズ(花王)等を挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー)、EFKAシリーズ(EFKA)等も適宜使用できる。
(リキッドインキの製造)
本発明に使用するリキッドインキは、上記ポリウレタン樹脂等の樹脂及び顔料等を有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を上記ポリウレタン樹脂等の樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物等を配合することによりインキを製造することができる。
上記顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度等を適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミル等を用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子等が含まれる場合は、印刷物品質が低下するため、濾過等により取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
上記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、当該粘度は株式会社トキメック製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、ポリウレタン樹脂等の樹脂、顔料、有機溶剤等を適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度及び粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
本発明に使用するリキッドインキにおいて、色相としては使用する着色剤の種類に応じて、プロセス基本色として黄、紅、藍、墨、白の5色があり、プロセスガマット外色として赤(橙)、草(緑)、紫の3色がある。更に透明黄、牡丹、朱、茶、金、銀、パール、色濃度調整用のほぼ透明なメジウム(必要に応じて体質顔料を含む)等がベース色として準備される。ボイルレトルト用インキには、顔料はマイグレーション性、耐熱性を考慮して適宜選定される。各色相のベースインキは、グラビア印刷、又はフレキソ印刷に適した粘度及び濃度にまで希釈溶剤で希釈され、単独で又は混合されて各印刷ユニットに供給される。
(金調インキ)
本発明の積層体は、特に金調インキを印刷した時、金印刷が良く映える高級感のある積層体となる。発明者らは金印刷の映えるメカニズムとして、特開2021-98284に記載のとおり、積層体の分光反射率の測定方法において、積層体からの反射光を受光する方向が、受光天頂角が0°~30°の範囲であって、受光方位角が入射方位角に対して180°である時に、400nm~460nmにおける相対分光反射率の平均値が0.25以上0.45以下であって、540nm~700nmにおける相対分光反射率の平均値が0.85以上1.00以下であることに加え、当該積層体の算術表面粗さ(Sa)が金箔に近いものであることが重要であると推測している。
このような金印刷を行うための金調インキに特に制限はなく、公知の金調インキを使用することができる。
(バイオマスリキッドインキ)
本発明に使用するリキッドインキにおいて、持続的に発展すべき循環型社会の構築(サステナビリティ)を考慮し、植物由来原料から合成したバイオマスポリウレタンを使用することが好ましい。
例えば、ポリウレタン樹脂の原料として、植物由来の1,2-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、又は3-メチル-1,5-ペンタンジオールと、植物由来のポリカルボン酸とを反応原料とするポリエステルポリオール(以下バイオポリエステルポリオールと称する場合がある)を使用したものは、バイオポリウレタンとして好ましい。
また、本発明に使用するリキッドインキの原材料として、バイオマス原料を適宜使用することで、バイオマス度を高めることができる。ポリウレタン樹脂のバイオマス原料としては、ポリカルボン酸として、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、グルタル酸、リンゴ酸等、ポリオールとして、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンチレングリコール、1,10-ドデカンジオール、ダイマージオール、イソソルビド等、ポリイソシアネートとして、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート、ダイマージイソシアネート等が挙げられる。その他のバイオマス原料としては、ロジン、ダンマル樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、硝化綿、乳酸等が挙げられる。
バイオマスインキとしては市販品を利用することもできる。市販品としては、一般社団法人日本有機資源協会に記載のインキ等が使用できる。
(リキッドインキの印刷)
本発明に使用するリキッドインキはグラビア印刷、フレキソ印刷等の既知の版を使用する印刷方式で印刷できるが、特にグラビア印刷方式で印刷することが好ましい。グラビア印刷に用いられるシリンダーは、彫刻タイプ、腐食タイプ等公知のものが用いられる。グラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下である。
また、本発明の印刷物は、1層の印刷層のみならず、基材上に複数の印刷層を有していてもよい。例えば、プラスチックフィルムに少なくとも第一の印刷層と第二の印刷層とをこの順に有する積層体や、プラスチックフィルムに少なくとも第一の印刷層と第二の印刷層と第三の印刷層をこの順に有する積層体を作製することができる。これらの印刷層に、本発明に使用するリキッドインキを用いることができる。より具体的には、例えば着色剤を含有する印刷インキより形成された第一の印刷層と、着色剤として白色顔料を含有するリキッドインキにより形成された第二の白印刷層、及び第三の白印刷層とをこの順に有する印刷物とすることができる。第一の印刷層は着色剤による絵柄を形成させることができ、白色顔料を含有するリキッドインキにより形成された第二の白印刷層、及び第三の印刷層は、絵柄の背景として使用することができる。第二又は第三の印刷層をオーバープリントニスとする場合は、着色剤を含まなくてもよい。
<第二の基材層>
本発明において第二の基材層は特に限定されず、第一の基材層と同様のマット調積層フィルムでもよいし、第一の基材層と異なる積層フィルムでもよいし、シーラントフィルムでもよいし、その他、普通紙、コート紙といった紙基材や、未延伸フィルム及び延伸フィルムといったプラスチックフィルムでもよいし、不織布等であってもよいが、熱可塑性樹脂により形成されたものであることが好ましい。また、ヒートシール機能を有するシーラントフィルムであることが好ましい。
上記プラスチックフィルムとしては、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム(以後Nyフィルムともいう場合がある)等が挙げられる。また、プラスチックフィルムとしてガスバリア性や、後述する印刷層を設ける際のインキ受容性の向上等を目的としたコーティングが施されたものを用いてもよい。コーティングが施されたプラスチックフィルムの市販品としては、K-OPPフィルムやK-PETフィルム等が挙げられる。
また、上記シーラントフィルムとしては、CPPフィルム、LLDPEフィルム等が挙げられる。
また、本発明に使用する第二の基材層は、バイオマスポリオレフィンにより形成されていてもよい。当該バイオマスポリオレフィンとは、原料であるモノマーとして植物由来のオレフィンを用いたポリオレフィン樹脂を指す。当該原料モノマーは、石油由来のモノマーを含んでいてもよく、植物由来のモノマーを100%含むものでなくてもよい。
上記バイオマスポリオレフィンとしては、市販品を使用することもできる。市販品としては、ブラスケム社製、SGM9450F、SLL118、SLL118/21、SLL218、SLL318、SLH118、SLH218、SLH0820等が例示できる。
<その他の基材層>
本発明の積層体は、第一の基材層、第二の基材層の他に、その他の基材層を含んでいてもよい。その他の基材層は特に限定されない。
<バリア層>
本発明の積層体は、酸素ガス及び水蒸気等の透過を阻止するガスバリア性や、可視光及び紫外線等の透過を阻止する遮光性を、付与ないし向上させるため、バリア層をさらに備えてもよい。当該バリア層は、金属蒸着膜又は金属箔で構成されていることが好ましい。蒸着層の種類としては、ガスバリア性を付与できるものであれば特に限定されない。現在包装用に広く用いられている金属蒸着、又は金属酸化物蒸着が好適に例示される。金属蒸着としては各種金属が例示できるが、特に安価で広く用いられているアルミニウムが好ましい。また、バリア層として、透明蒸着フィルムを使用してもよい。
蒸着方法としては特に制限はなく、物理的蒸着法である真空蒸着法、スパッタリング方、イオンプレーティング法や、化学的蒸着法であるCVD法が例示できる。蒸着層の厚みは蒸着層単独でも一定のガスバリア機能が発現できれば特に制限はない。厚みの好ましい範囲は蒸着する金属や金属酸化物の種類により異なるが、0.05~70nmが好ましく、0.1~70nmがより好ましく、3~70nmがより好ましく、5~60nmであることがさらに好ましい。
上記金属蒸着フィルムとしては、CPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-CPPフィルム、OPPフィルムにアルミニウム等の金属蒸着を施したVM-OPPフィルムを用いることができる。また、上記透明蒸着フィルムとしては、OPPフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等にシリカやアルミナ蒸着を施したフィルムが挙げられる。シリカやアルミナの無機蒸着層の保護等を目的として、蒸着層上にコーティングが施されたフィルムを用いてもよい。
また、本発明の積層体は、バリア層を2層以上有してもよい。バリア層を2層以上有する場合、それぞれが、同一の組成であってもよいし、異なる組成であってもよい。
(その他の層)
本発明の積層体は、その他の層として、熱可塑性樹脂層をさらに備えていてもよい。熱可塑性樹脂層としては、第二の基材層と同じ材料を用いることができる。
<積層体の製造方法>
本発明の積層体の製造方法は特に限定されず、ドライラミネ-ション、ウェットラミネ-ション、ノンソルベントラミネ-ション、押出ラミネ-ション等の公知の方法を用いて製造することができる。
本発明の積層体には、力学機能、化学機能、電気機能、磁気機能、摩擦/磨耗/潤滑を制御する滑り機能、光学機能、熱機能、生体適合性等の機能の付与のため、二次加工を施すこともできる。二次加工の例としては、表面処理(コロナ放電処理、帯電防止処理、プラズマ処理、フォトクロミズム処理、物理蒸着、化学蒸着、コーティング等)、エンボス加工、塗装、接着、印刷、メタライジング(めっき等)、機械加工等が挙げられる。また、本発明の積層体に、ラミネート加工(ドライラミネートや押出ラミネート)、製袋加工、及びその他の後処理加工を施して、成型品を製造することもできる。
<包装材>
本発明の積層体は、包装材として利用できる。当該包装材としては、食品、薬品、工業部品、雑貨、雑誌等の用途に用いる包装袋、容器、容器の蓋材等が挙げられる。特に、マット感が従来になく優れる点から、和紙等に似た包装材を提供でき、高級感を引き出すために用いる食品用等に好適に用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(マット調積層フィルムの製造)
表面樹脂層(A)として、プロピレン単独重合体(密度:0.90g/cm、MFR:7.0 g/10分間)20部と、サトウキビ由来高密度ポリエチレン(Braskem社 SGM9450F 密度:0.952g/cm、MFR:0.05 g/10分間)55部と、プロピレン-エチレンブロック共重合体(密度:0.90 g/cm、MFR:7.0 g/10分間)25部とからなる混合物を用い、樹脂層(B)として、プロピレン-エチレンブロック共重合体(密度:0.90 g/cm、MFR:7.0 g/10分間)85部と、サトウキビ由来直鎖状低密度ポリエチレン(Braskem社 SLH218 密度:0.916g/cm、MFR:2.3 g/10分間)15部からなる混合物を用い、シ-ル層(C)として、プロピレン-エチレンランダム共重合体(密度:0.90 g/cm、MFR:5.0 g/10分間)80部と、プロピレン-エチレンランダム共重合体(密度:0.90 g/cm、MFR:8.0 g/10分間)20部からなる混合物を用いて、表面樹脂層(A)と樹脂層(B)とシ-ル層(C)の平均厚さが7:10:3となるように共押出して、厚さ25μmの3層フィルムとした。このフィルムのシ-ル層(C)側表面に、表面エネルギ-が36mN/mになるようにコロナ放電処理を施し、マット調積層フィルムを製造した。
<実施例1>
二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下OPPと称する。三井化学東セロ株式会社製 HC-OP 30μm)上に、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキのフィナートBM白(DICグラフィックス株式会社製)を印刷してなる印刷層を形成した。その印刷層上にポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の主剤LX-500-BM(DIC株式会社製)及び硬化剤KR-90S(DIC株式会社製)を塗布し、マット調積層フィルムのシール層(C)側と貼り合わせた。得られた積層体は38℃、24時間のエージングを行い、実施例1の積層体を得た。
<実施例2>
2液硬化型接着剤の硬化剤をKW-75(DIC株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の積層体を得た。
<実施例3>
2液硬化型接着剤の主剤をLX-500(DIC株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の積層体を得た。
<実施例4>
2液硬化型接着剤の主剤をLX-500、硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例4の積層体を得た。
<実施例5>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白(DICグラフィックス株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例5の積層体を得た。
<実施例6>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例6の積層体を得た。
<実施例7>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の主剤をLX-500に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例7の積層体を得た。
<実施例8>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の主剤をLX-500、硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例8の積層体を得た。
<実施例9>
二軸延伸ポリエステルフィルム(以下OPETと称する。東洋紡株式会社株)製 E5102 12μm)上に、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキのフィナートBM白を印刷してなる印刷層を形成した。その印刷層にポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の主剤LX-500-BM及び硬化剤KR-90Sを塗布して、アルミ蒸着バリアフィルム(VM-CPP 東レフィルム加工株式会社製 2703 25μm)のアルミ蒸着側と貼り合わせた。この貼り合わせたフィルムのOPET側にポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の主剤LX-500-BM及び硬化剤KR-90Sを塗布し、マット調積層フィルムのシール層(C)側と貼り合わせた。得られた積層体は38℃、24時間のエージングを行い、実施例9の積層体を得た。
<実施例10>
2液硬化型接着剤の硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例10の積層体を得た。
<実施例11>
2液硬化型接着剤の主剤をLX-500に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例11の積層体を得た。
<実施例12>
2液硬化型接着剤の主剤をLX-500に、硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例12の積層体を得た。
<実施例13>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例13の積層体を得た。
<実施例14>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の硬化剤をKW-75に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例14の積層体を得た。
<実施例15>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の主剤をLX-500に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例15の積層体を得た。
<実施例16>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキをフィナート白に、2液硬化型接着剤の主剤をLX-500に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例16の積層体を得た。
<実施例17>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを金調インキ(フィナートBM サンゴールド)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例17の積層体を得た。
<実施例18>
ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを金調インキ(フィナートBM サンゴールド)に変更した以外は実施例9と同様にして、実施例18の積層体を得た。
<比較例1>
マット調積層フィルムをCPPフィルム(厚さ30μm)に変更し、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを金調インキ(フィナートBM サンゴールド)に変更した以外は実施例1と同様にして、比較例1の積層体を得た。
<外観の評価方法>
和紙に近い風合い、内容物の高級感を引き出すことができるマット調積層フィルムを使用した積層体は、マット調積層フィルムと基材層の間で剥離(以下、ラミ浮きと呼ぶ)しないことが良好な外観を得るために必要である。剥離してしまうと、良好な外観を損ねる恐れがある。外観を確認するため、積層体をマイクロスコープで撮影し、視野内のラミ浮きしている箇所の面積比を算出した。当該面積比が20%未満のものは、良好な外観が得られていることから〇、当該面積比が20%以上のものは良好な外観が得られていないことから×とした。
<金印刷の評価方法(1)>
金印刷が映えるためには、特開2021-98284に記載のとおり、積層体の分光反射率の測定方法にて、積層体からの反射光を受光する方向が、受光天頂角が0°~30°の範囲であって、受光方位角が入射方位角に対して180°である時に、400nm~460nmにおける相対分光反射率の平均値が0.25以上0.45以下であって、540nm~700nmにおける相対分光反射率の平均値が0.85以上1.00以下であることが必要である。そこで、実施例17~18及び比較例1の積層体について、特開2021-98284に記載された分光反射率の測定方法において、受光天頂角が0°、20°、30°の時の相対分光反射率をそれぞれ測定した。
〇:各波長領域における相対分光反射率の平均値が、上記範囲以内
×:各波長領域における相対分光反射率の平均値が、上記範囲外
<金印刷の評価方法(2)>
また、金印刷が映えるためには、分光反射率に加えて、算術平均高さ(Sa)が金箔と同等となることが好ましいことがわかった。共焦点顕微鏡(キーエンス株式会社製)を用いて、実施例17~18及び比較例1の積層体及び金箔3号色の算術平均高さを測定した。
〇:金箔の算術平均高さ(Sa)-実施例の積層体の算術平均高さ(Sa)の絶対値が1.0以内
×:金箔の算術平均高さ(Sa)-実施例の積層体の算術平均高さ(Sa)の絶対値が1.0を超える
実施例1~8の積層体の構成及び外観の評価結果を表1に示す。
Figure 2023094545000001

実施例9~16の積層体の構成及び外観の評価結果を表2に示す。
Figure 2023094545000002
実施例17~18の積層体の構成、外観及び金印刷の評価結果を表3に示す。
Figure 2023094545000003


表1及び2に記載の接着層及び印刷層に使用した製品は以下である。
LX-500:DIC株式会社製 接着剤主剤(ディックドライ)
KR-90S:DIC株式会社製 接着剤硬化剤(ディックドライ)
KW-75:DIC株式会社製 接着剤硬化剤(ディックドライ)
LX-500-BM:DIC株式会社製 バイオマス接着剤主剤(ディックドライ)
フィナートBM白:DICグラフィックス株式会社製 バイオマスグラビアインキ(白)
フィナート白:DICグラフィックス株式会社製 グラビアインキ(白)
金調インキ:DICグラフィックス株式会社製 フィナートBM サンゴールド
本発明の積層体である実施例1~16の積層体は、マット感に優れるマット調積層フィルムを使用しており、和紙に近い風合いを有するため、内容物の高級感を引き出すことができた。また、外観に優れていた。
さらに、本発明の積層体である実施例17~18の積層体は、和紙に近い風合いを有するうえ、金調印刷の光沢感とマット感のバランスに優れ、表面粗さも金箔に類似していることから、本物の金箔により相似した印象を与えることができる。それにより、高級感を呈することから高意匠性の積層体となった。一方、比較例1の積層体は、マット調ではなく、金印刷も映えないものであった。

Claims (4)

  1. 少なくとも、第一の基材層と、接着層と、第二の基材層が順に積層された積層体であって、
    (1)第一の基材層及び/又は第二の基材層が、
    メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
    プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する表面樹脂層(A)と、
    ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、
    (2)接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である
    ことを特徴とする、積層体。
  2. 少なくとも、第一の基材層、接着層、印刷層、及び第二の基材層が順に積層された積層体であって、
    (1)第一の基材層及び/又は第二の基材層が、
    メルトフロ-レ-トが1g/10分以下(温度190℃、荷重2.16kg)の植物由来の高密度ポリエチレン(a1)と、
    プロピレン単独重合体(a2-1)及びプロピレン-エチレンブロック共重合体(a2-2)を含有する、メルトフロ-レ-トが0.5g/10分以上30g/10分以下(温度230℃、荷重2.16kg)のプロピレン系樹脂(a2)とを含有する表面樹脂層(A)と、
    ポリオレフィン系樹脂(b1)を含有する樹脂層(B)とのマット調積層フィルムであり、
    (2)印刷層が、ポリウレタン樹脂と着色剤とを含有するリキッドインキを印刷してなる印刷層であり、
    (3)接着層が、ポリオール組成物とポリイソシアネート組成物との2液硬化型接着剤の硬化塗膜である
    ことを特徴とする、積層体。
  3. 請求項1又は2に記載の積層体を用いた包装材。
  4. 食品用の包装袋である請求項3に記載の包装材。
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