JP2023092035A - ミシン - Google Patents

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Abstract

【課題】被縫製物を良好に送る。【解決手段】針板212から上下に出没して被縫製物を送る送り歯40と、上下動により被縫製物に針落ちを行う縫い針11と、針板212の下側で縫い針11に通された上糸を補足して下糸を絡める釜17とを備え、送り歯40は、歯が上面に形成された天板41と、当該天板41に対する送り動作が入力される支持部42とを有し、天板41には、上下に貫通された縫い針11の挿通孔43と、天板41の下面側で挿通孔43に対する被縫製物の送り方向の一方と他方とに上下方向に延在する一対の壁部44を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、送り歯を有するミシンに関するものである。
送り歯を有する従来のミシンは、上糸が釜によって補足され、針板の下側に引き込まれると、天秤により引き上げられるまで、釜によって形成された上糸のループが暴れを生じる場合があった。その結果、上糸のループが、送り歯の天板の角部に引っ掛かりを生じて縫製不良を生じるおそれがあった。
特許文献1のミシンは、送り歯の天板の角部を円弧状に丸めて、上糸のループの引っ掛かりを低減することで上記の問題の解決を図っていた。
特許第4913575号公報
しかしながら、特許文献1に記載のミシンは、送り歯の天板の角部が丸く削られると、針板上面の被縫製物との接触面積が低減し、被縫製物の安定的な送りに影響を及ぼす恐れがあった。
本発明は、被縫製物を良好に送りつつ、良好な縫い目の形成を行うことをその目的とする。
本発明は、ミシンにおいて、
針板から上下に出没して被縫製物を送る送り歯と、
上下動により被縫製物に針落ちを行う縫い針と、
前記針板の下側で前記縫い針に通された上糸を補足して下糸を絡める釜とを備え、
前記送り歯は、歯が上面に形成された天板と、当該天板に対する送り動作が入力される支持部とを有し、
前記天板には、上下に貫通された前記縫い針の挿通孔と、前記天板の下面側で前記挿通孔に対する被縫製物の送り方向の一方と他方とに上下方向に延在する一対の壁部を備えることを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、送り歯の壁部が上糸のループの暴れを抑制するので、天板の角部を削る必要がなく、被縫製物を良好に送りつつ、良好な縫い目の形成を行うことが可能となる。
発明の実施形態であるミシンの全体構成を示す斜視図である。 針板周辺の構成を示す拡大斜視図である。 針板の上下にある構成を簡略的に示した側面図である。 送り歯の斜視図である。 送り歯の側面図である。 図6(A)は縫製時における水平釜から送り歯の挿通孔に渡る上糸及び下糸の挙動を示した斜視図、図6(B)はその側方視の断面図である。 図7(A)は図6(A)に続く縫製時における水平釜から送り歯の挿通孔に渡る上糸及び下糸の挙動を示した斜視図、図7(B)はその側方視の断面図である。 図8(A)は図7(A)に続く縫製時における水平釜から送り歯の挿通孔に渡る上糸及び下糸の挙動を示した斜視図、図8(B)はその側方視の断面図である。 図9(A)は図8(A)に続く縫製時における水平釜から送り歯の挿通孔に渡る上糸及び下糸の挙動を示した斜視図、図9(B)はその側方視の断面図である。 図10(A)は図9(A)に続く縫製時における水平釜から送り歯の挿通孔に渡る上糸及び下糸の挙動を示した斜視図、図10(B)はその側方視の断面図である。 針板の一部を切り欠いて送り歯の周辺を図示した斜視図である。
[発明の実施形態]
以下に本発明の一実施形態につき図面を参照して説明する。以下は本発明の一実施形態であって本発明を限定するものではない。
図1は本実施形態であるミシン100の斜視図、図2は後述する針板212周辺の構成を示す拡大斜視図である。
本実施形態では、ミシン100として、二本針であって、水平釜を備えるポストベッドの総合送りミシンを例示する。
但し、発明の実施のために、二本針であること、総合送りであること、水平釜である、ポストベッドであることは必須ではなく、これらは好適な一例に過ぎない。
ミシン100は、下端部に縫い針11を保持する二本の針棒12の上下動を行う針上下動機構と、被縫製物を針板212(後述)の下側から送り歯40(図2参照)により所定の送り方向(後述するX軸方向)に送る送り機構と、針板212上の被縫製物を送り足14(図3参照)により上から送り方向(X軸方向)に送る上送り機構と、被縫製物の送り方向(X軸方向)に縫い針11を送る針送り機構と、縫いピッチの調節を行う送り調節機構と、二つの水平釜17を有する釜機構と、これらの構成を保持するミシンフレーム20とを備えている。なお、上記各機構は、ミシンにおいて、周知の構成なので、その説明は簡略的に行う。
また、ミシン100は、糸調子装置、天秤等のようなミシンに一般的な構成も備えているが、これらは、周知の構成なので、その説明は省略する。
[ミシンフレーム]
ミシンフレーム20は、ミシンベッド部21、立胴部22、ミシンアーム部23を有する。
ミシンベッド部21は、ミシンフレーム20の下部に位置し、全体を支持する。ミシンベッド部21は、後述するY軸方向に沿って延在し、その一端部の上面にはポストベッド211が立設され、その上端面には、針落ちが行われる針板212(図2参照)が設けられている。
立胴部22は、ミシンベッド部21の他端部から立設されており、その上端部からは、Y軸方向に沿ってミシンベッド部21と同方向に向かってミシンアーム部23が延出されている。
ミシンアーム部23は、延出方向先端下部において、針棒12、押さえ足13、送り足14を支持している。
以下の説明において、ミシンベッド部21の上面に平行であってミシンベッド部21の長手方向をY軸方向、ミシンベッド部21の上面に平行であってY軸方向に直交する方向をX軸方向、ミシンベッド部21の上面に垂直な方向をZ軸方向とする。また、図1に示すように、Y軸方向の一方を「左」、他方を「右」、X軸方向の一方を「前」、他方を「後」、Z軸方向の一方を「上」、他方を「下」とする。なお、被縫製物の送り方向下流側を「前」とする。
また、ミシン100は、通常は、X軸方向及びY軸方向が水平となり、Z軸方向が鉛直方向となるようにミシンフレーム20が設置されて縫製が行われるものとする。
これらの前提で、ミシン100における各構成の方向を説明する。
[針上下動機構]
針上下動機構は、Y軸方向に隣り合う二本の針棒12に対して、図示しないミシンモータを駆動源として回転する上軸からクランク機構を介して往復の上下動動作の付与を行う。なお、天秤は、針上下動機構に組み込まれて針棒12と同期して往復回動を行う。
[針送り機構]
針送り機構は、二本の針棒12を上下動可能に支持すると共にミシンアーム部23内でY軸回りに揺動可能に支持された針棒揺動台と、ミシンモータを駆動源として針棒揺動台に往復揺動を付与する動力機構とを有する。針棒揺動台がY軸回りに揺動を行うことにより、針棒12の下端部に位置する縫い針11は、X軸方向に往復移動を行う。
動力機構は、後述する送り機構を介してミシンモータから往復動作の動力を得ており、これによって、縫い針11の送り揺動と送り歯の送り動作の同期が図られている。
縫い針11は、針送り機構によるX軸方向の往復動作と前述した針上下動機構による往復上下動との合成によりY軸回りの周回運動を行い、針板212上の被縫製物に対して針落ちを行いつつ前方に送りを行うことを可能とする。
[上送り機構]
図3は針板212の上下にある構成を簡略的に示した側面図である。図1及び図3に示すように、上送り機構は、針板212上の被縫製物を上から押さえる押さえ足13と、前方に送る送り足14と、押さえ足13を下端部で支持する押さえ棒15と、送り足14を下端部で支持する送り足棒16とを有する。
さらに、上送り機構は、押さえ棒15及び送り足棒16のそれぞれの上端部がY軸回りに回動可能に連結された三角リンクと、三角リンクを下方に押圧する押さえバネと、ミシンモータからカムを介して三角リンクに往復揺動を付与する動力機構とを有する。
押さえ棒15は、ミシンアーム部23により上下動可能に支持されており且つ三角リンクを介して押さえバネにより下方の押圧力が付与されるので、押さえ足13は、針板212上の被縫製物に対して、上から下方に押さえ圧を付与する。
一方、三角リンクは、往復揺動が付与されるので、押さえ棒15及び送り足棒16を介して押さえ足13と送り足14とに、足踏みするよう交互に上下動を行わせる。送り足棒16は、Y軸回りに揺動可能に三角リンクに支持されているので、送り足14は、着地したときに、送り歯40と共に上下から被縫製物を挟み、送り方向に揺動して送りを行う。送り足14の底面には、被縫製物をホールドしやすいように鋸歯状の歯が形成されている。
[送り機構]
送り機構は、ポストベッド211の上端部に設けられた針板212の二つの開口部から歯先を覗かせる送り歯40と、送り歯40に送り動作を付与する動力機構とを有する。
送り歯40の詳細構造については後述する。
動力機構は、ミシンモータの回転からカム機構を介してX軸方向とZ軸方向の往復動作を取り出し、これら二方向の往復動作を合成してポストベッド211の下方に配置された送り台に伝達する。送り台は、X軸方向とZ軸方向の二方向の往復動作を合成して付与されることにより、Y軸回りの周回運動を行う。そして、送り台は、ポストベッド211の内部を上下に挿通された送り梃子部材を介して、Y軸回りの周回運動を針板212の下に配置された送り歯40に伝達する。
これにより、送り歯40は、針板212の二つの開口部から歯先を出没させながら、送り方向に移動を行い、針板212上の被縫製物に対して送りを行うことができる。
[送り調節機構]
送り調節機構は、送り機構の動力機構を構成するカム機構から送り台にX軸方向の往復動作を伝達する多節のリンク機構の一部のリンク部材について、その動作方向を変更調節することにより、送り台に伝わるX軸方向の往復動作成分(送りピッチ)を調節することができる。また、送り調節機構は、被縫製物の正送り(前方への送り)を逆送り(後方への送り)に切り替えることもできる。
送り調節機構は、ダイヤル等の操作手段を手動で操作して送りピッチを調節する構成としても良いし、動作量を制御可能なモータにより送りピッチを調節する構成としても良い。送り調節機構がモータを備える構成の場合には、例えば、操作パネルから設定入力された送りピッチとなるようにモータの制御が行われる。
[釜機構]
釜機構は、ポストベッド211の上端部近傍に内蔵され、Y軸方向に並んで配置された二つの水平釜17と、ミシンモータから各水平釜17に回転を伝える動力機構とを有する。
動力機構は、上軸から立胴部22内に張設されたタイミングベルトを介して回転を行うY軸方向に沿った下軸と、ポストベッド211内をZ軸方向に沿って設けられた二本の釜軸と、下軸から各釜軸に回転を伝達する傘歯車を用いた歯車機構とを有する。当該歯車機構は、ミシンモータの回転を二倍速に増速して釜軸に回転を伝達する。
二つの水平釜17は、針板212の下側に配置された送り歯40を挟んでY軸方向の両側に配置されている。
各水平釜17は、釜軸の上端部に連結され、Z軸回りに回転を行う外釜171と、外釜171の内側で非回転状態を維持しつつ下糸Dのボビンを格納する内釜172とを有する。
縫製の際には、送り歯40に設けられた二つの挿通孔43(図4参照)に対して上方から各縫い針11が突入し、各水平釜17の外釜171の剣先173(図6(A)参照)がそれぞれの縫い針11から上糸ループを補足し、針板212の下側に大きく引き込んで内釜172をくぐらせる。これにより、各内釜172の下糸繰り出し口174(図6(A)参照)から引き出された下糸Dを上糸Uのループに挿通し、結節を形成する。
[送り歯]
図4は送り歯40の斜視図、図5は側面図を示す。
送り歯40は、天板41と、当該天板41と一体的に連結されて送り動作が伝達される支持部42とを有する。
天板41は、X-Y平面に沿った矩形の平板体であり、支持部42は、X-Z平面に沿った矩形の平板体である。支持部42の上端部が天板41の下面におけるY軸方向中間部に一体的に連結されている。これにより、送り歯40は、天板41と支持部42とにより、X軸方向から見て、鉛直に立設された支持部42の上端部から左右に天板41が延在した略T字状の形状を呈している。
なお、支持部42は、その下端部が、ポストベッド211の内部を上下に挿通された前述の送り機構の送り梃子部材の上端部に支持され、送り動作が入力される。
天板41の上面のY軸方向中間部には、X軸方向に沿った溝が形成され、二本の縫い針11に対応して上面が左右に二分されている。さらに、天板41の上面における前端部及び後端部には、Y軸方向視で鋸歯状となる歯が形成されている。その歯先は、鉛直上方に対して幾分前方に傾斜しており、被縫製物の下面に対して前側への摩擦が大きくなる構造となっている。
また、天板41のX軸方向中間部であって、支持部42を挟んで左右両側には、各縫い針11が挿通される略円形の挿通孔43が上下に貫通形成されている。各縫い針11は、この挿通孔に43に突入し、針板212及び天板41の下側で水平釜17により上糸Uが補足される。
そして、天板41の下面側には、各挿通孔43に対するX軸方向(被縫製物の送り方向)の一方(前側)と他方(後側)とに上下方向に延在する一対の壁部44を備えている。
各壁部44は、Y-Z平面に沿った板状を呈している。本実施形態では、各壁部44は、天板41の前端部と後端部とに位置しているが、X軸方向について各挿通孔43に対してより近接して設けてもよい。また、左右の挿通孔43に共通して、前側に一枚、後側に一枚の壁部44が設けられている構成を例示しているが、左右の挿通孔43ごとに前側に一枚ずつ又は後側に一枚ずつの壁部を設けてもよい。
各壁部44は、挿通孔43側となる内側面441(挿通孔43の下側に臨む面)を有し、各内側面441は、下方に向かうに従って挿通孔43から離隔する方向に傾斜している。
さらに、これらの壁部44の天板41の幅方向(Y軸方向)の端部(支持部42から離隔した端部)における下部には、いずれも、下方に向かうにつれて天板41の幅方向内側(支持部42側)に傾斜した傾斜面442が設けられている。これら各傾斜面442は、いずれも、支持部42に達している。
[上糸と下糸の挙動]
一連の運針及び送り動作における水平釜17から送り歯40の挿通孔43に渡る上糸U及び下糸Dの挙動を図面に基づいて説明する。図6(A),図7(A),図8(A),図9(A),図10(A)は針板212及び水平釜17の斜視図及び図6(B),図7(B),図8(B),図9(B),図10(B)は送り歯40の右側面視の断面図によって説明する。
前述した針上下動機構の上軸は、一回転につき縫い針11が一ストロークの往復上下動を行い、水平釜17は二回転を行う。そして、針棒12が上死点に位置するときの上軸角度を0°とした場合、図6(A)及び図6(B)は、上軸角度が120°の状態を示している。上軸角度120°は、概ね、下降する縫い針11が挿通孔43に突入を開始すると共に、送り歯40が上昇しながら前方に移動して被縫製物の送りを開始するタイミングである。
このタイミングで下糸Dは、下糸繰り出し口174から挿通孔43に真っ直ぐに渡っており、送り歯40の下糸繰り出し口174側の内側面441には非接触状態にある。
上糸Uは、縫い針11の目穴に挿通されており、水平釜17によってまだ引き出されていない状態である。また、送り歯40は、前進移動中であってその前後のストローク範囲における後端部近傍に位置している。
次の図7(A)及び図7(B)は、上軸角度が203°の状態を示している。上軸角度203°は、縫い針11が下死点を通過して上昇に転じ始めた状態であり、挿通孔43の下方において、縫い針11の上昇開始に伴い、上糸Uは、弛みによるループの形成が開始される。また、水平釜17の剣先173が上糸Uのループを補足する直前の状態にある。
また、送り歯40は、前進移動中であってその前後のストローク範囲における中間位置近傍に位置している。下糸Dは、下糸繰り出し口174から挿通孔43に真っ直ぐに渡っている状態であって、送り歯40の前進移動に伴い、前方への傾斜が大きくなり、下糸繰り出し口174側の内側面441に接近する。しかしながら、当該内側面441は、前方上向き(後方下向き)に傾斜しているので、下糸Dとは非接触状態を維持する。
次の図8(A)及び図8(B)は、上軸角度が270°の状態を示している。上軸角度270°は、縫い針11が上昇により挿通孔43を脱した状態であり、挿通孔43の下方において、上糸Uは、水平釜17の剣先173に捕捉されて内釜172の外周に沿って下糸Dとは逆側に大きく引き出された状態にある。
また、送り歯40は、前後のストローク範囲における最前進位置にあり、下糸Dは、下糸繰り出し口174から挿通孔43に真っ直ぐに渡っている状態であって、前方への傾斜が最も大きくなった状態で、下糸繰り出し口174側の内側面441に接近する。しかしながら、当該内側面441は、前方上向き(後方下向き)に傾斜しているので、下糸Dとは非接触状態を維持する。
次の図9(A)及び図9(B)は、上軸角度が350°の状態を示している。上軸角度350°は、縫い針11は、上昇によりほぼ上死点に位置し、挿通孔43の下方において、上糸Uは、水平釜17の剣先173に捕捉されて内釜172の外周に沿って下糸D側に大きく引き出された状態にある。上糸Uのループは、この後すぐに内釜172全体をくぐらせて水平釜17から解放された状態となる。
また、送り歯40は、前後のストローク範囲における最前進位置から幾分下側方向に移動を生じ、下糸Dは、下糸繰り出し口174から挿通孔43に真っ直ぐに渡っている状態であって、前方への傾斜が低減した状態で下糸繰り出し口174側の内側面441に接近するが非接触状態を維持する。
次の図10(A)及び図10(B)は、上軸角度が60°の状態を示している。上軸角度60°は、天秤が最大限に上糸Uの引き上げを行っている状態である。挿通孔43の下方において、上糸Uは、最大限に引き出されたループが天秤の引き上げにより消滅する。一方、下糸Dは、上糸Uのループに挿通された状態から上糸Uのループが一気に小さくなるので、上糸Uに引き上げられて結節となる。
[送り歯の構造に基づく作用効果]
図6(A)~図10(B)に示す一連の運針及び送り動作において、上糸Uは、上軸角度が350°を過ぎた直後に水平釜17を脱し、天秤によって上糸Uが引き上げ開始のタイミングあたりで上糸Uのループが最大となった状態で暴れが生じやすくなる。その際、送り歯40の天板41の下側において、前後に一対の壁部44が設けられているため、暴れが生じた場合であっても、上糸Uのループは前方及び後方への暴れが抑制される。
また、一対の壁部44が上糸Uのループの暴れを抑制するため、天板41の角部を削る必要がなく、被縫製物と送り歯40との接触面積を十分に確保することができるので、良好な被縫製物の送りを行いつつ良好な縫い目の形成を行うことが可能となる。
図11は、針板212の一部を切り欠いて送り歯40の周辺を図示した斜視図である。
図示のように、一対の壁部44は、前述したように、Y軸方向(天板41の幅方向)の端部における下部に、下方に向かうに従ってY軸方向の内側(支持部42側)に向かう方向に傾斜した傾斜面442を有している。
一対の壁部44を設けると、図11の矢印の方向に上糸Uのループの暴れが生じた場合に、壁部44の下端部に引っ掛かりを生じて、縫いムラやちょうちん(天秤の引き上げ不良により残留する上糸のループ)等の縫い不良を生じる恐れがある。しかしながら、壁部44の下端部に上記の傾斜面442が形成されていると、引っ掛かりが抑制され、縫い不良を低減し、良好な縫い目を形成することができる。
特に、傾斜面442の下端部が支持部42まで達していると、壁部44の下端部に角部が形成されないので、上糸Uのループの引っ掛かりをより効果的に抑制することが可能である。
また、上記傾斜面442は、上糸Uのループが天秤に引き上げられたときに、引っ掛かりを抑制しつつ挿通孔43へガイドする機能を有し、上糸Uの引き上げを円滑に行うことが可能となる。従って、設定された張力に従って縫い目を形成し、縫い品質の向上を図ることが可能となる。
また、ミシン100がポストベッドミシンである場合、ポストベッド211の内部スペースは狭いので、送り歯40のX軸方向(送り方向)における小型化が要求される。しかしながら、送り歯40をX軸方向に小型化すると、天板41の角部や一対の壁部44の下端部に対する上糸Uのループの引っ掛かりが発生しやすくなるが、一対の壁部44により天板41の角部への引っ掛かりを効果的に抑制し、上記傾斜面442を設けることで一対の壁部44の下端部に対する引っ掛かりを効果的に低減することが可能となる。
なお、上記ミシン100は、ポストベッドミシンである場合を例示したが、シリンダベッドミシンの場合も同様に、シリンダベッドの上面が狭く、送り歯の送り方向における小型化が要求されるので、上記構成の送り歯40をシリンダベッドミシンにも好適に適用することが可能である。
また、ミシン100の釜機構は、水平釜17を有する構成である。いわゆる垂直釜は、釜の回転円が垂直方向に沿って配置され、針穴や挿通孔の下方に配置されるので、釜の剣先から解放された上糸Uのループが針穴や挿通孔に向かう方向と天秤による引き上げ方向とが一致していることから、上糸Uのループの暴れが水平釜に比べて少なくなる。
これに対して、水平釜17は、釜の回転円が水平方向に沿って配置され、挿通孔43に対して側方(Y軸方向)側から上糸Uのループの補足と解放とが行われる構成である。このため、釜の剣先から解放された上糸Uのループが挿通孔43に向かう方向がY軸方向となり、と天秤による引き上げ方向はZ軸方向となるのでこれらは一致せず、上糸Uのループの暴れが垂直釜に比べて生じやすい。
しかしながら、送り歯40は、一対の壁部44を有し、さらには、各壁部44は、傾斜面442を有するので、上糸Uのループの引っ掛かりを抑制し、縫い品質の向上を図ることが可能である。
さらに、上記一連の運針及び送り動作において、下糸Dは、下糸繰り出し口174から挿通孔43に直線的に渡っている状態を維持する。一方、挿通孔43を有する送り歯40は、前後及び上下の周回動作により送りを行うので、下糸Dの傾斜角度は、絶えず変動を生じる。
これに対して、送り歯40の各壁部44は、その内側面441が下方に向かうに従って挿通孔43から離隔する前後方向(X軸方向)に傾斜している。下糸Dは、挿通孔43側から見て、内側面441の傾斜方向と同様に、下方に向かうに従って挿通孔43から離隔する方向に延びているので、上記傾斜方向に沿った内側面441は、下糸Dとの接触を低減することができる。
特に、内側面441の前後方向の傾斜成分を下糸Dに生じ得る前後方向の傾斜成分以上に設定する(前後方向の傾斜を大きくする)ことで、下糸Dとの接触をより効果的に抑制することができる。
一連の運針及び送り動作において、下糸Dが送り歯40に接触することを抑制できると、縫製中の下糸Dの張力変動が低減される。そして、縫製によって形成される縫い目の均質化を図り、縫い品質の向上を実現する効果が見込まれる。
図5に示すように、上記送り歯40の挿通孔43の中心から各内側面441の下端部までのX軸方向(送り方向)の長さLは、送り機構に対して送り調節機構が設定可能な最大ピッチの1/2以上とすることが好ましい。
また、送り歯40の挿通孔43の中心から各内側面441の上端部までのX軸方向の長さlは、上記最大ピッチの1/4以上とすることが好ましい。この場合、内側面441の上端部までの長さlは、下端部までの長さLよりも小さくすることが好ましい。
送り歯40の送りピッチが最大に設定された場合であっても、下糸繰り出し口174から挿通孔43に渡る下糸Dが各内側面441に接触することを抑制することが可能となる。
ミシン100は、針棒12を送り歯40と同期してX軸方向に往復移動させる針送り機構を備える針送りミシンであって、さらに、送り歯40と同期して、針板212上の被縫製物に上から送り動作を付与する送り足14を備える総合送りミシンでもある。
これら針送りミシンや総合送りミシンの場合、針板212に針穴が形成されず、送り歯40の天板41が露出する開口が形成されると共に、送り歯40に針穴としての挿通孔43が形成される。
その場合、挿通孔43に挿通された下糸Dは、送り歯40の前後の往復動作により、天板41の下側でその位置や挙動が前後に振られて、送り歯40の壁部44との接触を生じやすくなる。しかしながら、壁部44には、前述の傾斜した内側面441を有する構成なので、下糸Dの接触が抑制され、針送りミシンや総合送りミシンにおいて、下糸Dの張力変動を効果的に低減される。そして、縫い目の均質化による縫い品質の向上を好適に実現する効果が見込まれる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は上記の実施形態に限られない。
例えば、ミシン100は二本針ミシンを例示したが、これに限定されず、一本針ミシンでもよい。その場合、送り歯40は、Y軸方向における中間位置において、X-Z平面に沿った割断面によって二分割した構成とすればよい。
また、前後の壁部44の両方に所定方向に傾斜した内側面441を形成しているが、この傾斜した内側面441は、水平釜17の下糸繰り出し口174側となる壁部44のみに設けてもよい。
また、ミシン100は、ポストベッドミシンを例示したが、送り歯により被縫製物を送るミシンであれば、本発明を適用可能である。例えば、前述したシリンダベッドに限らず、平ベッドミシンに前述した壁部44を有する送り歯40を設けてもよい。平ベッドミシンの場合も、上糸Uのループの暴れを生じ得ることから、送り歯40の下側に一対の壁部44を設けることは有効であり、傾斜面442も有効である。また、下糸Dとの接触を抑制するために内側面441の構成も有効である。
なお、平ベッドミシンの場合、送り歯40の支持部42は、X-Z平面に沿った板状構造を採らない構成となり得る。例えば、支持部42は、前後と上下の往復動作が入力される送り台に対して連結可能な構造を採ることも可能である。その場合、支持部42は、X-Y平面に沿った板状としてもよい。さらに、送り歯40は、このようなX-Y平面に沿った板状の支持部42と前述した天板41とを連結した構成としてもよい。
また、ミシン100は、総合送りミシンを例示したが、これに限定されず、上送り機構及び/又は針送り機構を有さないミシンでも、本発明を適用可能である。その場合、送り歯の挿通孔は、挿通孔43のように円孔ではなく、より大きく開口した矩形の開口やスリットからなり、送り歯とは別に、針板に針穴を有する構成を採り得る。
しかしながら、このようなミシンの場合も上糸Uのループの暴れを生じ得るので、送り歯の下側に一対の壁部44を設けることは有効であり、傾斜面442も有効である。また、送り歯は、前後方向に沿った周回動作を行うので、下糸Dとの接触を抑制するために内側面441の構成も有効である。
また、ミシン100の釜機構が水平釜を有する構成を例示したが、これに限定されず、釜が垂直釜であってもよい。また、釜は、全回転釜に限らず、半回転釜であってもよい。
これらの場合でも、上糸Uのループの暴れを生じ得るので、送り歯40の下側に一対の壁部44を設けることは有効であり、傾斜面442も有効である。また、送り歯40は、前後方向に沿った周回動作を行うので、下糸Dとの接触を抑制するために内側面441の構成も有効である。
11 縫い針
12 針棒
13 押さえ足
14 送り足
17 水平釜
171 外釜
172 内釜
173 剣先
174 糸繰り出し口
20 ミシンフレーム
211 ポストベッド
212 針板
40 送り歯
41 天板
42 支持部
43 挿通孔
44 壁部
441 内側面
442 傾斜面
100 ミシン
D 下糸
U 上糸

Claims (6)

  1. 針板から上下に出没して被縫製物を送る送り歯と、
    上下動により被縫製物に針落ちを行う縫い針と、
    前記針板の下側で前記縫い針に通された上糸を補足して下糸を絡める釜とを備え、
    前記送り歯は、歯が上面に形成された天板と、当該天板に対する送り動作が入力される支持部とを有し、
    前記天板には、上下に貫通された前記縫い針の挿通孔と、前記天板の下面側で前記挿通孔に対する被縫製物の送り方向の一方と他方とに上下方向に延在する一対の壁部を備えることを特徴とするミシン。
  2. 前記一対の壁部の内、少なくとも前記釜の下糸繰り出し口側の前記壁部は、前記挿通孔側の面が、下方に向かうに従って前記挿通孔から離隔する方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のミシン。
  3. 前記一対の壁部は、いずれも、前記天板の幅方向の端部における下部に、下方に向かうに従って前記幅方向の内側に向かう方向に傾斜した傾斜面を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のミシン。
  4. 前記縫い針を保持する針棒を、前記送り歯と同期して被縫製物の送り方向に往復移動させる針送り機構を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のミシン。
  5. 前記送り歯と同期して、前記針板上の被縫製物に上から送り動作を付与する送り足を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のミシン。
  6. 前記釜は、水平釜であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のミシン。
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