JP2023090341A - 充填豆腐の製造方法 - Google Patents

充填豆腐の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023090341A
JP2023090341A JP2021205266A JP2021205266A JP2023090341A JP 2023090341 A JP2023090341 A JP 2023090341A JP 2021205266 A JP2021205266 A JP 2021205266A JP 2021205266 A JP2021205266 A JP 2021205266A JP 2023090341 A JP2023090341 A JP 2023090341A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
soymilk
filled
filling
tofu
container
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021205266A
Other languages
English (en)
Inventor
雅樹 堀口
Masaki Horiguchi
麻美 内藤
Asami Naito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IMURAYA GROUP CO Ltd
Original Assignee
IMURAYA GROUP CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IMURAYA GROUP CO Ltd filed Critical IMURAYA GROUP CO Ltd
Priority to JP2021205266A priority Critical patent/JP2023090341A/ja
Publication of JP2023090341A publication Critical patent/JP2023090341A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Beans For Foods Or Fodder (AREA)

Abstract

Figure 2023090341000001
【課題】保存期間のさらなる長期化が可能な、新規な充填豆腐の製造方法を提供する。
【解決手段】充填豆腐10の製造方法が、充填容器12、豆乳および凝固剤を準備する準備工程S1と、豆乳に凝固剤を混合した充填容器12に充填するか、又は豆乳と凝固剤をそれぞれ充填容器12に充填すると共に混合する、混合・充填工程S2と、充填容器12に充填された豆乳と凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持される低温保持工程S3と、低温保持工程S3により混合物の品温が15℃以下に保持された充填容器12をレトルト殺菌処理して混合物を加熱凝固するレトルト殺菌工程S4と、を含む。
【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 刊行物名 :井村屋グループ 社報 井津味 2021年 秋季号,表紙・第1頁および第17頁 発行者:井村屋グループ株式会社 発行日:令和3年11月2日
本開示は、充填豆腐の製造方法に関する。
従来から、健康維持のために重要な栄養成分であるタンパク質を気軽に摂取できる食品として、豆腐が知られている。豆腐は、大豆から作製した豆乳を塩化マグネシウム、又はその他食品衛生法で認められている凝固剤によって固めた加工食品である。従前は、豆乳を型枠の中で凝固させた後に水晒しする絹ごしや木綿豆腐等のいわゆるカット豆腐が主流であったが、近年では、量産性や保存性に優れた充填豆腐が広く普及している。すなわち、充填豆腐は、例えば特許文献1に記載されているように、凝固剤を添加して混合した豆乳を充填容器に満タンに充填して密閉し、加熱することにより充填容器の中で直接凝固されて製造される。それゆえ、豆腐が雑菌に接触する機会が低減されており、カット豆腐に比べて保存期間を長く確保できるという利点を有している。
特開2014-187975号公報
しかしながら、特許文献1に記載の如き従来の充填豆腐の製造方法では、充填容器に充填された凝固剤入りの豆乳が、次の加熱工程において、熱湯への浸漬やスチーミング加熱槽の通過等により、60~100℃程度で20~90分程度加熱されることにより、凝固される。それゆえ、より長い保存期間を確保するためには、未だ改良の余地があり、より長期間の保存が可能な充填豆腐が望まれていた。
そこで、保存期間のさらなる長期化が可能な、新規な充填豆腐の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の充填豆腐の製造方法は、充填容器、豆乳および凝固剤を準備する準備工程と、前記豆乳に前記凝固剤を混合した後前記充填容器に充填するか、又は前記豆乳と前記凝固剤をそれぞれ前記充填容器に充填すると共に混合する、混合・充填工程と、前記充填容器に充填された前記豆乳と前記凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持される低温保持工程と、前記低温保持工程により前記混合物の前記品温が15℃以下に保持された前記充填容器をレトルト殺菌処理して前記混合物を加熱凝固するレトルト殺菌工程と、を含む、ものである。
本開示の充填豆腐の製造方法によれば、保存期間のさらなる長期化が可能な充填豆腐を提供することができる。
本発明の実施形態に係る充填豆腐の断面図である。 本発明の実施形態に係る充填豆腐の製造方法の工程図である。 図2に示す準備工程内で実行される工程を示す工程図である。
<本開示の実施形態の説明>
最初に、本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の充填豆腐の製造方法は、
(1)本開示の充填豆腐の製造方法は、充填容器、豆乳および凝固剤を準備する準備工程と、前記豆乳に前記凝固剤を混合した後前記充填容器に充填するか、又は前記豆乳と前記凝固剤をそれぞれ前記充填容器に充填すると共に混合する、混合・充填工程と、前記充填容器に充填された前記豆乳と前記凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持される低温保持工程と、前記低温保持工程により前記混合物の前記品温が15℃以下に保持された前記充填容器をレトルト殺菌処理して前記混合物を加熱凝固するレトルト殺菌工程と、を含む、ものである。
本態様によれば、レトルト殺菌工程により、充填容器に充填された豆乳と凝固剤の混合物をレトルト殺菌処理により加熱凝固することができる。それゆえ、従来の熱湯への浸漬やスチーミング加熱槽の通過等による加熱凝固に比べて、100℃を越えるより高温での混合物の加熱が可能となり、充填豆腐の滅菌状態をより高いレベルで実現することができる。その結果、従来の製造方法よりも長い保存期間を確保することが可能となる。ここで、「レトルト殺菌」とは、加圧下で100℃を越えて湿熱殺菌することを意味する。特に充填豆腐の場合には、レトルト殺菌工程における充填豆腐の熱劣化を抑制するために、殺菌温度が105~115℃のいわゆるセミレトルト殺菌がより好適である。セミレトルト殺菌による場合には、レトルト食品の殺菌強度を示すF値が4以上にならない場合が多く、得られた充填豆腐は10℃以下での流通保存が必要となるいわゆるチルド商品として提供される。
しかも、混合・充填工程とレトルト殺菌工程の間に、低温保持工程を設け、充填容器に充填された豆乳と凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持されるように管理することができる。これにより、レトルト殺菌工程前に充填容器内において豆乳の凝固反応が部分的に開始されることが阻止されて、レトルト殺菌工程により加熱凝固された充填豆腐に部分的なかたまりやざらつきが生じる等の不具合の発生を未然に防止することができる。その結果、その後のレトルト殺菌工程における混合物の加熱凝固により、一様な凝固状態の充填豆腐を得ることができ、より滅菌性の高いレトルト殺菌工程を採用しつつ、充填豆腐の滑らかな味わいも維持することができるのである。
なお、低温保持工程は、充填容器内の混合物の品温が15℃以下に保持されれば良いが、より好ましくは10℃以下、さらに好ましくは8℃以下や8℃未満にすることで、レトルト殺菌工程前の部分凝固の開始をより一層確実に回避することができる。
(2)前記低温保持工程において、前記充填容器が冷蔵庫内に保管されることで、前記混合物の品温が15℃以下に保持される、ことが好ましい。充填容器を冷蔵庫内に保管することで、混合物の品温管理をより確実且つ簡便に行うことができるからである。
(3)前記混合・充填工程において、混合時の前記豆乳が15℃以下に冷却されている、ことが好ましい。凝固剤との混合時の豆乳の温度を15℃以下に冷却することで、混合・充填工程後から低温保持工程に至るまでの豆乳の意図せぬ凝固の発生も有利に回避できるからである。また、低温保持工程において混合物の品温を15℃以下に保持することを、より容易且つ確実に行うことができるからである。なお、より好ましくは、混合時の前記豆乳を、10℃以下、さらに好ましくは8℃以下や8℃未満にすることで、意図せぬ凝固の発生をより有利に回避できる。
(4)前記準備工程が、前記豆乳を超高温加熱処理法(UHT法)により殺菌するUHT殺菌工程を含む、ことが好ましい。凝固剤との混合前の豆乳をUHT殺菌することで、最終的な充填豆腐の滅菌性の更なる向上を図ることができ、保存期間の長期化に寄与できるからである。
(5)前記準備工程が、脱気処理された前記豆乳を冷却する第1冷却工程と、前記UHT殺菌工程の後、前記豆乳を冷却する第2冷却工程と、を含む、ことが好ましい。準備工程における種々の加熱工程後にそれぞれ冷却工程を加えることにより、加熱工程後の残熱によるタンパク質の変性を回避又は抑制して、新鮮な大豆の風味を感じることができる充填豆腐を製造できるからである。
(6)前記レトルト殺菌工程において、前記混合物が充填された前記充填容器に対して、温度a:100℃<a≦120℃,圧力b:0.06MPa≦b≦0.25MPa,時間:20~30分の殺菌条件にて前記レトルト殺菌処理が施される、ことが好ましい。このような殺菌条件の範囲でレトルト殺菌を行うことで、レトルト殺菌による充填豆腐の滅菌性の向上を図りつつ、加熱によるタンパク質の変性を回避又は抑制して、新鮮な大豆の風味を感じることができる充填豆腐を製造できるからである。より好ましくは、温度a:105℃≦a≦115℃、又は温度a=110℃であり、圧力b:0.10MPa≦b≦0.20MPa、又は圧力b=0.15Mpaであり、時間は26分程度である。なお、上記の殺菌条件における時間は、レトルト窯内が所定の湿熱雰囲気(上記温度範囲および圧力範囲)に達した後において、所定の湿熱雰囲気に充填容器が晒される時間である。
(7)前記充填容器が、プラスチック製の容器本体と該容器本体の開口を密封するプラスチック製のフィルムとを有し、前記容器本体が0.8mm以上の厚さを有し、前記フィルムが70μm以上の厚さを有している、ことが好ましい。これにより、レトルト殺菌工程における加熱による豆腐組成物の変色リスクや、容器本体やフィルムの変形リスクを低減することができる。
<本開示の実施形態の詳細>
本開示の充填豆腐の製造方法の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
<充填豆腐10>
図1には、本開示の充填豆腐の製造方法によって製造される充填豆腐10の縦断面図が示されている。充填豆腐10は、豆乳と凝固剤の混合物が内部に充填された充填容器12を、レトルト窯内で加熱することにより充填容器12内の混合物を凝固して得られたものであり、充填容器12と、豆乳と凝固剤の混合物が加熱凝固して得られた豆腐組成物14と、を有している。充填容器12の容量は、任意の容量が採用可能である。例えば、一人が一度に食べ切れる量の豆腐を収容する場合には、50ml~150mlの範囲であることが好適であり、複数人で食べる量の豆腐を収容する場合には、この限りではなく、例えば、200ml~300mlの範囲であることが好適である。
<充填容器12>
充填容器12は、上方に開口する略半球状を有するポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂製の容器本体16と、容器本体16の上方の開口を密封する平面視で円形シート状のポリエチレンやナイロン等の合成樹脂製のフィルム18とを有している。すなわち、容器本体16とフィルム18は、ある程度の耐熱性や熱伝導性、剛性等を備えた既存の合成樹脂材から製造される。フィルム18は、ヒートシールを可能とするために、シーラント基材を含むラミネートシートであることが好ましい。例えば、ベース基材がポリエステルフィルム(PET)等の耐熱性に優れたシートで構成され、バリア基材がナイロン系のガス遮断性に優れたシートで構成され、シーラント基材がリニア-低密度ポリエチレン(LLDPE)等のヒートシールにより溶解する基材で構成されている。後述する混合・充填工程(S2)において、容器本体16に豆腐と凝固剤の混合物が満タンに充填された後、容器本体16の開口を覆うようにフィルム18が被せられる。フィルム18の周縁部は、容器本体16の開口縁部から径方向外方に張り出す円環状のフランジ部20に対してヒートシールされる。これにより、容器本体16内に充填された混合物(加熱凝固後の豆腐組成物14)が、フィルム18により密閉状態にシールされている。容器本体16は、全体に亘って略一定の厚さ寸法を有していてもよいし、部分的に異なる厚さ寸法を有していてもよいが、最小の厚さ寸法t1が0.8mm以上であることが望ましい。さらに、フィルム18は、全体に亘って略一定の厚さ寸法を有しており、厚さ寸法t2は、70μm以上であることが望ましい。これにより、後述するレトルト殺菌工程(S4)における加熱による豆腐組成物14の変色リスクや、容器本体16やフィルム18の変形リスクを低減することができる。フィルム18はラミネートフィルムであることから、各層の性質を考慮して各層の膜厚が求められる耐熱性に応じて適宜設定され得る。
<豆乳>
充填豆腐10の豆腐組成物14の原料である豆乳は、大豆又は大豆由来の原材料を含む豆乳であれば特に限定されず、通常使用される豆腐用の豆乳を用いればよい。例えば、大豆を洗穀後、水に浸して膨潤させた大豆を磨砕して蒸煮したものを、豆乳とおからに分離し、得られた豆乳を脱気処理することで、目的とする豆乳を得ることができる。さらに、豆乳には、必要に応じて、乳酸菌や食用油脂、ビタミン類等を添加してもよい。
<凝固剤>
豆乳に混合する凝固剤としては、充填豆腐などの豆腐を製造するために一般的に用いられている凝固剤であればよく、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトン、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、にがり、又はこれらの混合物が挙げられる。豆腐らしい風味や舌触りの滑らかさを得るためには、天然にがりや塩化マグネシウム,グル酸ナトリウム等を採用することが好ましい。
<充填豆腐の製造方法>
本開示の充填豆腐の製造方法は、図2に示すように、充填容器12および豆乳および凝固剤等の原料を準備する準備工程S1と、豆乳と凝固剤を混合した混合物を充填容器12に充填するか、豆乳と凝固剤をそれぞれ充填容器に充填して混合する、混合・充填工程S2と、S2で得られた充填容器内の混合物の品温が15℃以下に保持される、低温保持工程S3と、S3で混合物の品温が15℃以下に保持された充填容器12をレトルト殺菌処理して、混合物を加熱凝固するレトルト殺菌工程S4と、を含んでいる。
より詳細には、準備工程S1では、図1に示された充填容器12の容器本体16およびフィルム18がそれぞれ準備される。さらに、豆腐組成物14の原料である凝固剤と豆乳がそれぞれ準備される。凝固剤は、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グル酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、及びにがり、からなる群より選ばれた1種または2種以上として準備される。豆乳は、例えば、図3に示す工程S1-1~S1-8により準備される。
大豆洗穀工程S1-1では、大豆を洗浄して汚れを落とすと共に、石等の異物が除去される。続く浸漬・磨砕工程S1-2では、洗穀された大豆が所定時間(例えば8時間程度)水に浸漬され、膨潤される。例えば、大豆重量が2.25倍となる程度に膨潤されることが好ましい。その後、膨潤された大豆が磨砕されて細かく磨り潰された大豆スリラー(いわゆる生呉)を得る。続く蒸煮工程S1-3では、得られた大豆スリラーを煮沸した固液混合物(いわゆる煮呉)を得る。より効率的に大豆たんぱくを抽出するためには、100℃の熱湯内で大豆スリラーを煮沸することが好ましい。続く分離工程S1-4では、蒸煮工程S1-3で得られた煮呉を、ローラ式の固液分離装置等を用いて豆乳とおからに分離することで、豆乳を得る。
続く脱気工程S1-5では、豆乳を得るまでの工程や移送時に、豆乳に溶け込んだり巻き込まれたりした気体(空気)が豆乳から脱気される。豆乳に溶存気体が残ったまま凝固して豆腐になると、内部に生じた気泡により豆腐としての見栄えや舌触りが悪化するからである。脱気工程S1-5は、既存の任意の脱気方法により実行することができるが、例えば、脱泡ポンプ(脱気ポンプ)を使用して機械的に脱気することにより、簡便且つ安全に豆乳から溶存気体を脱気することができる。続く第1冷却工程S1-6では、脱気後の豆乳が20℃以下、好ましくは15℃以下まで冷却されて保持される。続くUHT殺菌工程S1-7では、超高温加熱処理法(UHT法)により脱気後の豆乳が殺菌される。UHT法は、120℃~150℃で1秒以上5秒以内で殺菌する方法である。これにより、豆乳の化学変化を最小限に抑えつつ豆乳における雑菌や微生物を最大限死滅させることができる。豆乳において、大豆タンパクの変性や大豆の風味が損なわれることを回避しつつ、より長期間の保存を可能にするためには、好ましくは、130℃程度で5秒間のUHT殺菌を行うことが望ましい。なお、UHT殺菌工程S1-7は、例えば、プレート式熱交換器やチューブ式熱交換器等の公知の殺菌装置を使用することにより、実行できる。その後、第2冷却工程S1-8において、UHT殺菌後の豆乳を15℃以下、好ましくは10℃以下まで冷却して保持する。以上の工程S1-1~S1-8により準備工程S1において豆乳が準備される。このような豆乳の準備工程S1において、第1から第2冷却工程S1-6,8が採用されていることから、加熱後の豆乳における残熱によるタンパク質の変性を確実に回避又は抑制して、新鮮な大豆の風味が感じられる充填豆腐を得ることができるのである。
上述のとおり、準備工程S1において、充填容器12,豆乳,凝固剤が準備されると、続く混合・充填工程S2において、豆乳と凝固剤が混合されて充填容器12に充填される。充填容器12の容器本体16およびフィルム18は無菌化されたものを用いる。UHT殺菌された豆乳と凝固剤を混合した混合物を容器本体16が満タンに充填されるように流し込んでから、容器本体16の開口をフィルム18で塞いで、フィルム18の外周縁部を容器本体16のフランジ部20にヒートシールする。これにより、充填容器12内に豆乳と凝固剤の混合物が充填されて密閉状態に保持される。あるいは、容器本体16に豆乳および凝固剤をそれぞれ投入して容器本体16が満タンになるまで充填することにより、容器本体16の内部で豆乳と凝固剤が投入時に生じる渦により混合するようにしてもよい。その後、容器本体16の開口をフィルム18で塞いで、フィルム18の外周縁部を容器本体16のフランジ部20にヒートシールする点は、前者の方法と同様である。なお、豆乳と凝固剤の混合物における凝固剤の含有量は、0.4~1.5質量%の範囲内であることが望ましい。凝固剤による苦みを低減して、滑らかな舌触りの豆腐が提供できるからである。なお、混合・充填工程S2において、凝固剤と混合される豆乳は、混合時において、豆乳が10℃以下に冷却されている。
続く低温保持工程S3では、豆乳と凝固剤の混合物が充填された充填容器12が、内部の混合物の品温が15℃以下、より好ましくは10℃以下の低温に保持される。具体的には、豆乳と凝固剤の混合物が充填された充填容器12が、冷蔵庫内に保管されることで、混合物の品温が15℃以下、より好ましくは10℃以下に保持されるように有利に管理される。
続くレトルト殺菌工程S4では、混合物の品温が15℃以下、より好ましくは10℃以下に保持された充填容器12を、レトルト殺菌装置のレトルト窯に投入して、レトルト殺菌処理を行うと同時に、充填容器12内で豆乳と凝固剤の混合物を加熱凝固する。これにより、充填容器12内に、殺菌処理されて容器本体の形状に成形されて凝固された豆腐組成物14を得ることができる。レトルト殺菌工程S4は、既存のレトルト殺菌装置を用いて実行することができる。レトルト殺菌装置としては、蒸気式,熱水式,熱水シャワー式,回転式,水封式等のものがいずれも採用可能であるが、好ましくは、熱水シャワー式のレトルト殺菌装置が望ましい。殺菌温度が105~115℃のセミレトルト殺菌に適しており、含気の状態でも安定してレトルト殺菌が実行できるからである。
レトルト殺菌工程S4の一例では、レトルト窯に混合物の品温が15℃以下、より好ましくは10℃以下に保持された充填容器12が投入されると、レトルト窯内の温度aが20~30分間で100℃<a≦120℃,より好ましくは105℃≦a≦115℃、さらに好ましくはa=110℃程度まで昇温され、レトルト窯内の圧力bが0.06MPa≦b≦0.25MPa,より好ましくは0.10MPa≦b≦0.20MPa、さらに好ましくはb=0.15Mpa程度に減圧される。その後レトルト窯内の温度aが100℃<a≦120℃,より好ましくは105℃≦a≦115℃、さらに好ましくはa=110℃程度に保持され、圧力bが0.06MPa≦b≦0.25MPa,より好ましくは0.10MPa≦b≦0.20MPa、さらに好ましくはb=0.15Mpa程度に保持された状態が20~30分程度、より好ましくは26分程度維持されて、レトルト殺菌が実行される。このようなレトルト殺菌工程S4におけるレトルト殺菌の条件は、充填豆腐に要求される風味と保存期間の長期化の両立を考慮して、例えば、F値が1.2~1.5となるように、適宜調整することができる。
レトルト殺菌工程S4において、上述の殺菌条件により加熱加圧殺菌された充填豆腐10では、充填容器12内に充填された豆乳と凝固剤の混合物が加熱凝固および成形されて図1に示す豆腐組成物14が得られている。その後、レトルト殺菌および加熱凝固が完了した充填豆腐10は、レトルト窯内において、冷却水の注入により品温が20~25℃程度になるまで冷却され、保管される。このようにして得られた充填豆腐10は、包装工程や検品工程を経て冷凍保管され、10℃以下で流通保存されるチルド商品として出荷される。
本実施形態の充填豆腐の製造方法によれば、レトルト殺菌工程S4により、充填容器12に充填された豆乳と凝固剤の混合物を殺菌温度が100℃を越えて120℃以下の温度、より好ましくは105~115℃であるセミレトルト殺菌処理により加熱凝固することができる。それゆえ、従来の熱湯への浸漬やスチーミング加熱槽の通過等による加熱凝固に比べて、100℃を越えるより高温(105~115℃や120℃以下)での混合物の加熱が可能となり、充填豆腐の滅菌状態をより高いレベルで実現することができる。その結果、従来の製造方法よりも長い保存期間を確保することが可能となる。具体的には、充填豆腐10は、10℃以下での流通保存を条件として、180日間の賞味期限をも確保することができる。
本実施形態の充填豆腐の製造方法によれば、混合・充填工程(S2)とレトルト殺菌工程(S4)の間に、低温保持工程(S3)を設け、充填容器12に充填された豆乳と凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持されるように管理されている。その結果、
レトルト殺菌工程前に充填容器12内において豆乳の凝固反応が部分的に開始されることが防止されて、レトルト殺菌工程後に得られた豆腐組成物14において部分的なかたまりが生じたり、滑らかな舌触りが実現できない等といった不具合が生じることを未然に防止することができる。これにより、より滅菌性が高く一様な凝固状態により滑らかな舌触りが確保された充填豆腐10を、安定して製造することができる。
低温保持工程(S3)では、豆乳と凝固剤の混合物が充填された充填容器12が冷蔵庫内に保管されることから、混合物の品温を15℃以下に保持することを、確実且つ簡便に行うことができる。
また、混合・充填工程(S2)では、混合時の豆乳が15℃以下に冷却されていることから、混合・充填工程後から低温保持工程に至るまでの豆乳の意図せぬ凝固の発生も有利に回避することができ、充填豆腐10の一様な凝固状態の実現をより有利に達成できる。さらに、続く低温保持工程(S3)において混合物の品温を15℃以下に保持することを、より容易且つ確実に実現できる。
さらに、準備工程S1において、豆乳を超高温加熱処理法(UHT法)により殺菌するUHT殺菌工程(S1-7)が含まれている。凝固剤とのの混合前の豆乳をUHT殺菌することで、最終的な充填豆腐10の滅菌性をさらに向上させることができ、より一層の長期保存を可能にすることができる。
準備工程(S1)において実行される工程S1-1~S1-8では、脱気工程(S1-5)の後、脱気処理された豆乳を冷却する第1冷却工程(S1-6)が実行され、UHT殺菌工程(S1-7)の後、UHT殺菌後の豆乳を冷却する第2冷却工程(S1-8)が実行される。このように、準備工程(S1)における種々の加熱工程後にそれぞれ冷却工程を加えることにより、加熱工程後の残熱によるタンパク質の変性を回避又は抑制して、充填豆腐10の風味の維持や向上を有利に達成できる。
加えて、レトルト殺菌工程における殺菌条件が、温度a:100℃<a≦120℃,圧力b:0.06MPa≦b≦0.25MPa,時間:20~30分に設定されていることから、レトルト殺菌による充填豆腐10の滅菌性の向上を図りつつ、加熱によるタンパク質の変性を回避又は抑制して、新鮮な大豆の風味を感じることができる充填豆腐10を製造することが可能となる。
<他の実施形態>
本明細書に記載された技術は上記記述および図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本明細書に記載された技術の技術的範囲に含まれる。
(1)レトルト殺菌工程(S4)は、加圧下で100℃を越えて湿熱殺菌するレトルト殺菌を行うものであれば、従来の充填豆腐よりも高温での殺菌による保存期間のさらなる長期化が可能であり、例示の実施形態のものに限定されない。例えば、レトルト殺菌工程(S4)で用いられるレトルト殺菌装置は、例示のものに限定されず公知のレトルト殺菌装置が採用可能である。また、レトルト殺菌条件も例示のものに限定されず、充填豆腐の風味の維持と保存期間の長期化を両立し得るものであれば、適時設定可能であり、例えば、レトルト殺菌工程(S4)で得られる充填豆腐10のF値が、F値が1.2~1.5となるように、適宜調整してもよい。
(2)準備工程(S1)において採用されていた第1,第2の冷却工程は、必須ではなく、少なくとも1つが省略されてもよい。また第2冷却工程(S1-8)の温度管理により、混合・充填工程(S2)における混合前の豆乳の温度を15℃以下に調整するようにしてもよい。
(3)準備工程(S1)において準備する充填容器12の材質や大きさは、採用されるレトルト殺菌装置やレトルト殺菌条件、求められる充填豆腐のサイズ等に応じて、適宜変更可能である。
10 充填豆腐
12 充填容器
14 豆腐組成物
16 容器本体
18 フィルム
20 フランジ部
S1 準備工程
S2 混合・充填工程
S3 低温保持工程
S4 レトルト殺菌工程
S1-1 大豆洗穀工程
S1-2 浸漬・磨砕工程
S1-3 蒸煮工程
S1-4 分離工程
S1-5 脱気工程
S1-6 第1冷却工程
S1-7 UHT殺菌工程
S1-8 第2冷却工程

Claims (7)

  1. 充填容器、豆乳および凝固剤を準備する準備工程と、
    前記豆乳に前記凝固剤を混合した後前記充填容器に充填するか、又は前記豆乳と前記凝固剤をそれぞれ前記充填容器に充填すると共に混合する、混合・充填工程と、
    前記充填容器に充填された前記豆乳と前記凝固剤の混合物の品温が、15℃以下の低温に保持される低温保持工程と、
    前記低温保持工程により前記混合物の前記品温が15℃以下に保持された前記充填容器をレトルト殺菌処理して前記混合物を加熱凝固するレトルト殺菌工程と、
    を含む、充填豆腐の製造方法。
  2. 前記低温保持工程において、前記充填容器が冷蔵庫内に保管されることで、前記混合物の前記品温が15℃以下に保持される、請求項1に記載の充填豆腐の製造方法。
  3. 前記混合・充填工程において、混合時の前記豆乳が15℃以下に冷却されている、請求項1または請求項2に記載の充填豆腐の製造方法。
  4. 前記準備工程が、前記豆乳を超高温加熱処理法(UHT法)により殺菌するUHT殺菌工程を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の充填豆腐の製造方法。
  5. 前記準備工程が、脱気処理された前記豆乳を冷却する第1冷却工程と、前記UHT殺菌工程の後、前記豆乳を冷却する第2冷却工程と、を含む、請求項4に記載の充填豆腐の製造方法。
  6. 前記レトルト殺菌工程において、前記混合物が充填された前記充填容器に対して、温度a:100℃<a≦120℃,圧力b:0.06MPa≦b≦0.25MPa,時間:20~30分の殺菌条件にて前記レトルト殺菌処理が施される、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の充填豆腐の製造方法。
  7. 前記充填容器が、プラスチック製の容器本体と該容器本体の開口を密封するプラスチック製のフィルムとを有し、前記容器本体が0.8mm以上の厚さを有し、前記フィルムが70μm以上の厚さを有している、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の充填豆腐の製造方法。
JP2021205266A 2021-12-17 2021-12-17 充填豆腐の製造方法 Pending JP2023090341A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021205266A JP2023090341A (ja) 2021-12-17 2021-12-17 充填豆腐の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021205266A JP2023090341A (ja) 2021-12-17 2021-12-17 充填豆腐の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023090341A true JP2023090341A (ja) 2023-06-29

Family

ID=86936856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021205266A Pending JP2023090341A (ja) 2021-12-17 2021-12-17 充填豆腐の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023090341A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW422683B (en) Method for producing an aseptic packaged tofu product
US4514433A (en) Process for producing an aseptic packed tofu
JPS60149354A (ja) 無菌豆腐の製造法
CN102763724A (zh) 一种超高压杀菌牛奶的生产方法
CN106616428A (zh) 预蒸鸭血工艺
CN101911982B (zh) 一种乳酪及其制备方法
JP2023090341A (ja) 充填豆腐の製造方法
KR100906649B1 (ko) 흑 임자(검은깨)를 이용한 흑 두부의 제조방법
KR100789410B1 (ko) 두부의 제조 방법
KR100921411B1 (ko) 기능성 두부 제조 방법 및 그를 이용하여 제조된 기능성두부
CN109965191A (zh) 一种预包装粥制作方法以及该方法制得的预包装粥
JPH05236899A (ja) 長期保存性豆腐の製造方法
KR20100136750A (ko) 영양 성분의 보존률이 향상된 전두부 및 그 제조방법
CN103947766A (zh) 一种加温加反压凝结豆腐花的生产方法
KR100481772B1 (ko) 용기에넣은무균두부의제조방법
KR102210768B1 (ko) 즉석조리가 가능한 응고되지 않은 두부의 제조방법
JPH0153029B2 (ja)
JPS59154954A (ja) 無菌豆腐の製造法
JP2023051878A (ja) 豆腐の製造保存方法及び製造装置
KR790000997B1 (ko) 용기에 포장된 무균두부의 제조법
TW202247773A (zh) 乳品製造方法與乳製品
KR101332009B1 (ko) 순콩비지 제조 방법 및 이 방법에 의해 제조된 순콩비지
JPH02167044A (ja) 豆腐の製造法
KR19980077270A (ko) 순두부의 제조방법
JPS60126048A (ja) 豆腐の長期保存方法

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20220111