JP2023088218A - インジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 インジェクタ17のノズルボディ91の特定箇所に過大な引張応力がかかることを防止する。
【解決手段】 エンジンの燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタ17であって、インジェクタ17は、インジェクタボディ52と、ノズルボディ91と、ノズルナット92とを備え、インジェクタボディ52は、ノズルボディ91に当接するノズルボディ当接面52bを備え、ノズルボディ91は、一端側に燃料を噴射する噴孔66を、他端側にノズルボディ当接面52bに当接するインジェクタボディ当接面91eを備え、ノズルナット92は、インジェクタボディ52及びノズルボディ91と螺合することにより、ノズルボディ91をインジェクタボディ52へ固定し、インジェクタボディ52とノズルナット92との螺合部と、ノズルボディ91とノズルナット92との螺合部とは、一方が正ネジで、他方が逆ネジとして構成される。
【選択図】図2
【解決手段】 エンジンの燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタ17であって、インジェクタ17は、インジェクタボディ52と、ノズルボディ91と、ノズルナット92とを備え、インジェクタボディ52は、ノズルボディ91に当接するノズルボディ当接面52bを備え、ノズルボディ91は、一端側に燃料を噴射する噴孔66を、他端側にノズルボディ当接面52bに当接するインジェクタボディ当接面91eを備え、ノズルナット92は、インジェクタボディ52及びノズルボディ91と螺合することにより、ノズルボディ91をインジェクタボディ52へ固定し、インジェクタボディ52とノズルナット92との螺合部と、ノズルボディ91とノズルナット92との螺合部とは、一方が正ネジで、他方が逆ネジとして構成される。
【選択図】図2
Description
本発明は、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するインジェクタに関する。
従来、内燃機関の燃焼室に直接燃料を噴射するインジェクタを備えた、直噴式の内燃機関が公知である。特に、直噴式の内燃機関がディーゼルエンジンである場合、蓄圧式燃料噴射制御装置が広く用いられている。
蓄圧式燃料噴射制御装置は、燃料タンク内の燃料を高圧ポンプへ供給する低圧ポンプと、低圧ポンプから供給された燃料をコモンレールへ圧送する高圧ポンプと、高圧ポンプから圧送された高圧燃料を蓄積するコモンレールと、コモンレールから供給される高圧燃料を内燃機関の燃焼室へ噴射するインジェクタと、各種センサの出力を受信し、蓄圧式燃料噴射制御装置を制御する制御装置とを備える。
蓄圧式燃料噴射制御装置に用いられるインジェクタは、燃料を噴射する噴孔を備えたノズルと、噴孔を開閉するためのノズルニードルと、ノズルニードルを噴孔の閉鎖方向へ押圧する背圧制御室と、背圧制御室内の燃料の流出を制御する背圧制御部とを備える。背圧制御部は、背圧制御室に備えられた開閉用オリフィスを閉鎖することにより、ノズルニードルをノズルのシート面に着座させて噴孔を閉じる。一方、背圧制御部は、開閉用オリフィスを開くことで背圧制御室内の燃料の一部をリークさせることにより、ノズルニードルをノズルのシート面から離座させて、噴孔から燃料を噴射させる。(特許文献1参照)
図3は、特許文献1に開示される、従来用いられているインジェクタ170を示す。インジェクタ170は、インジェクタボディ520と、ノズル180と、ノズルナット900と、バルブピストン550とを備える。ノズル180は、ノズルボディ530と、ノズルニードル540とを備える。ノズルボディ530は、ノズルナット900によって、インジェクタボディ520に固定される。
ノズルボディ530は、インジェクタボディ520側から順に、大径部530aと、中径部530bと、小径部530cとを備える。ノズルボディ530は、大径部530aと中径部530bとを繋ぐ、噴孔660側を向く平面である噴孔側平面530dを備える。
図4は、図3に示されるインジェクタ170における、ノズル180付近の拡大図である。図5は、図4にAで示される部分の拡大図である。インジェクタ170においては、ノズルボディ530の、噴孔側平面530dと中径部530bとの境界部分(図5においてBで示される。以下、この部分をB部と称する)に引張応力が作用する。
当該引張応力はいくつかの要因に基づくが、当該要因の中には、インジェクタ170の内部の燃料圧力の影響を受けるものが含まれる。すなわち、インジェクタ170の内部の燃料圧力が増加すると、B部にかかる引張応力も大きくなる(詳細は後述)。蓄圧式燃料噴射制御装置に対しては、燃料の良好な燃焼を実現するため、燃料噴射圧力の高圧化が進んでいるが、燃料噴射圧力が高圧化されると、B部における引張応力が増大する。
また、図4及び図5に示される様に、インジェクタ170が内燃機関のシリンダヘッド(図示せず)に搭載される際、ノズルナット900における噴孔側端面とシリンダヘッドとの間にガスケット100が配置される。ガスケット100は、内燃機関における燃料の燃焼時に発生する排気が、インジェクタ170の側面とシリンダヘッドとの間へ侵入することを防ぐ。一方、当該排気は、ノズルボディ530の中径部530bとノズルナット900との間へは侵入する。(図5に符号101で示される矢印を参照)すなわち、上記引張応力を受けるB部は、内燃機関の排気に晒される。
内燃機関の排気は、高温であり、かつ、水蒸気を含む。よって、B部は腐食しやすい環境にある。さらに、上述の様に、燃料噴射圧力が高圧化されると、インジェクタ170内部の燃料圧力が増加することとなるため、B部にかかる引張応力が増大し、ひいてはB部に応力腐食割れの恐れが生じる。よって、B部にかかる引張応力を小さくする構造が望まれていた。
ここで、B部にかかる引張応力の詳細について、図3から図6を参照しつつ、以下に説明する。上述の様に、B部にかかる引張応力は、いくつかの要素に起因する。
B部に引張応力を生じさせる第1の要因は、ノズルボディ530がインジェクタボディ520に固定される際の、ノズルナット900から受ける荷重である(図5の符号110参照)。ノズルボディ530がインジェクタボディ520に固定される際、ノズルボディ530の噴孔側平面530dが、ノズルナット900の段部900aに当接する。すなわち、噴孔側平面530dは、段部900aから、インジェクタボディ520側への荷重を受ける。
図3に示される様に、ノズルボディ530がインジェクタボディ520に固定される際、インジェクタボディ520の、ノズルボディ530側を向くノズルボディ当接面520bは、ノズルボディ530の、インジェクタボディ520側を向くインジェクタボディ当接面530eに当接する。この時、インジェクタボディ520及びノズルボディ530内を通過する燃料が外部へ漏れ出すことを防ぐため、ノズルボディ530のインジェクタボディ当接面530eは、インジェクタボディ520のノズルボディ当接面520bに対し、比較的強い力で押圧される。
当該押圧力は、ノズルボディ530がインジェクタボディ520に固定される際、ノズルナット900の段部900aが、ノズルボディ530の噴孔側平面530dを押圧することによりもたらされる。一方、段部900aと噴孔側平面530dとの当接面には、内燃機関の排気のインジェクタボディ520側への侵入を防ぐ程度の押圧力があればよく、これは、インジェクタボディ当接面530eとノズルボディ当接面520bとの間に必要な押圧力よりも低くてよい。すなわち、ノズルボディ530の噴孔側平面530dは、インジェクタボディ当接面530eとノズルボディ当接面520bとの間に必要な押圧力をもたらすために、本来この部分に必要な荷重を超える荷重を受けている。
B部に引張応力を生じさせる第2の要因は、ノズルニードル540にかかる閉弁方向への荷重である。ノズルニードル540は、インジェクタボディ520の内部に配置されるノズルスプリング790から、ノズル180の閉弁方向、すなわち噴孔660側への荷重を受ける(図5の符号112参照)。また、ノズルニードル540は、インジェクタ170の背圧制御室690内の燃料圧力による荷重を、バルブピストン550を介して噴孔660側へ受ける(図5の符号113参照)。ノズルニードル540が受けるこれらの荷重は、ノズルボディ530の小径部530cを噴孔660側へ引っ張ることとなり、B部における引張応力を増加させる。また、蓄圧式燃料噴射制御装置の噴射圧力が高圧化されると、背圧制御室690からバルブピストン550へかかる押圧力が増加するため、B部における引張応力はさらに増加する。
B部に引張応力を生じさせる第3の要因は、インジェクタ170を固定するためのクランプ力である。図6は、インジェクタ170がシリンダヘッド154に固定される状態の一例を示す。インジェクタ170は、クランプ部材155によりシリンダヘッド154に固定される。詳述すれば、クランプ部材155の一端側は、インジェクタボディ520の外面に形成された段部158に当接しており、クランプ部材155の他端側に挿通されたボルト156が締め込まれることにより、インジェクタ170はノズル180側へ押圧され、シリンダヘッド154に固定される。
この時、ノズルボディ530の噴孔側平面530dは、ノズルナット900を介して、シリンダヘッド154から、インジェクタボディ520側への荷重を受ける(図5の符号111参照)。当該荷重もまた、B部における引張応力を増加させる。
B部に引張応力を生じさせる第4の要因は、ノズルボディ530内部の燃料溜まり室640の燃料圧力である。燃料溜まり室640は高圧の燃料で満たされている。燃料溜まり室640はB部に近接することから、燃料溜まり室640の燃料圧力もまた、B部における引張応力を増加させる(図5の符号114参照)。また、蓄圧式燃料噴射制御装置の噴射圧力が高圧化されると、燃料溜まり室640の燃料圧力に起因する、B部における引張応力はさらに増加する。
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、燃料噴射ノズルの一部に集中的に作用する引張応力低減させたインジェクタを得ることを目的とする。
本発明によれば、エンジンの燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタであって、前記インジェクタは、インジェクタボディと、ノズルボディと、ノズルナットとを備え、前記インジェクタボディは、前記ノズルボディに当接するノズルボディ当接面を備え、前記ノズルボディは、一端側に燃料を噴射する噴孔を、他端側に前記ノズルボディ当接面に当接するインジェクタボディ当接面を備え、前記ノズルナットは、前記インジェクタボディ及び前記ノズルボディと螺合することにより、前記ノズルボディを前記インジェクタボディへ固定し、前記インジェクタボディと前記ノズルナットとの螺合部と、前記ノズルボディと前記ノズルナットとの螺合部とは、一方が正ネジで、他方が逆ネジとして構成される、インジェクタが提供される。
本発明のインジェクタによれば、特定の箇所に過大な引張応力がかかることを防止することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照しつつ説明する。尚、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。また、それぞれの図中、同じ符号が付されているものは同一の要素を示しており、適宜説明が省略されている。また、各図において、詳細部分の図示が適宜簡略化または省略されている。また、重複する説明については、適宜簡略化または省略されている。
図1は、本実施形態に係る燃料噴射制御装置の全体構成を示している。本実施形態に係る燃料噴射制御装置は、蓄圧式燃料噴射制御装置10である。蓄圧式燃料噴射制御装置10は、車両に搭載された図示されない内燃機関の気筒内に燃料を噴射するための装置であって、燃料タンク1と、低圧ポンプ11と、燃料フィルタ12と、高圧ポンプ13と、流量制御弁19と、コモンレール15と、圧力制御弁23と、インジェクタ17と、電子制御ユニット40(ECU)等を主たる要素として備えている。
低圧ポンプ11と高圧ポンプ13とは低圧燃料通路31で接続され、高圧ポンプ13とコモンレール15、及びコモンレール15とインジェクタ17はそれぞれ高圧燃料通路33、35で接続されている。また、高圧ポンプ13、コモンレール15、インジェクタ17には、インジェクタ17から噴射されない余剰燃料を燃料タンク1に戻すためのリターン通路37、38、39がそれぞれ接続されている。
低圧ポンプ11は、燃料タンク1内の燃料を吸い上げて圧送し、低圧燃料通路31を介して高圧ポンプ13に燃料を供給する。この低圧ポンプ11は燃料タンク1内に備えられたインタンク式の電動ポンプであって、バッテリから供給される電流によって作動する。ただし、低圧ポンプ11は、燃料タンク1の外部に設けられるものであってもよく、また、高圧ポンプ13と一体に設けられるものであってもよい。
高圧ポンプ13には、低圧燃料の入り口部分と連通し、高圧ポンプの吐出量を調節するための流量制御弁19が備えられている。流量制御弁19には、例えば供給電流値によって弁部材のストローク量が可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の制御弁が用いられる。
高圧ポンプ13は、低圧ポンプ11によって、流量制御弁19を介して導入される燃料を加圧し、高圧燃料通路33を介してコモンレール15に圧送する。
コモンレール15は、高圧ポンプ13によって加圧された高圧状態の燃料を蓄積し、高圧燃料通路35を介して接続された各インジェクタ17に燃料を供給する。このコモンレール15には、レール圧センサ25、及び圧力制御弁23が取り付けられている。
レール圧センサ25は、コモンレール15内の燃料の圧力(以下、レール圧とも称する)を検出する。レール圧センサ25のセンサ信号は電子制御ユニット40へ送られる。
圧力制御弁23は、コモンレール15から燃料タンク1へと戻す高圧の燃料の流量を調節することにより、レール圧を調節するために用いられる。圧力制御弁23には、例えば供給電流値によって燃料の通路を開閉するための弁部材のストローク量が可変とされ、燃料通過路の面積が調節可能な電磁比例式の制御弁が用いられる。また、圧力制御弁23の
代わりに、所定の圧力に達すると開弁する、機械式の安全弁を用いてもよい。
代わりに、所定の圧力に達すると開弁する、機械式の安全弁を用いてもよい。
インジェクタ17は、ノズル18を備える(図2参照)。ノズル18は、噴孔66が設けられたノズルボディ91と、進退移動により噴孔66を開閉するノズルニードル54とを備えている。インジェクタ17は、ノズルニードル54の後端側に背圧を負荷することで噴孔66が閉じられる一方、負荷された背圧が逃されることで噴孔66が開かれる。インジェクタ17の背圧制御手段としては、ピエゾ素子が備えられた電歪型のアクチュエータや、電磁ソレノイド式のアクチュエータが用いられる。
電子制御ユニット40は、公知の構成のマイクロコンピュータを中心に、RAMやROM等の記憶素子を有し、インジェクタ17を駆動するための駆動回路や、流量制御弁19や圧力制御弁23への通電を行うための通電回路を備える。また、電子制御ユニット40には、レール圧センサ25の検出信号が入力される他、内燃機関の回転数やアクセル開度、燃料温度などの各種の検出信号が、内燃機関の動作制御や燃料噴射制御に供するために入力されるようになっている。
次に、本発明に係るインジェクタ17の構造について、図2を参照しつつ説明する。図2は本実施形態におけるインジェクタ17の断面図である。図2に示されるインジェクタ17の背圧制御手段は電磁ソレノイド式のアクチュエータであるが、電歪型のアクチュエータであっても構わない。また、電磁ソレノイド式のアクチュエータのアーマチュア周辺部も、これ以外の公知の構造であっても構わない。
インジェクタ17は、インジェクタボディ52と、ノズル18と、バルブピストン55と、バルブボディ56と、背圧制御部57と、インレットコネクタ58とを主たる構成要素として備えている。
尚、本明細書おけるインジェクタ17の説明に際しては、特に断りがない限り、ノズル18側を下側とし、その反対側、すなわち、背圧制御部57側を上側とする。
ノズル18は、ノズルボディ91と、ノズルニードル54とを備える。ノズルボディ91の下側端部付近には、燃料を噴射するための複数の噴孔66が穿設されている。
インジェクタボディ52には、インレットコネクタ58から導入される高圧燃料をノズルボディ91側へ送る第1燃料通路63が形成されている。
ノズルボディ91には、ノズルニードル54の受圧部54aに対向する部位に燃料溜まり室64が形成されている。また、ノズルボディ91には、インジェクタボディ52の第1燃料通路63に連通し、燃料溜まり室64及び噴孔66に高圧燃料を導くための第2燃料通路61が形成されている。
ノズルボディ91の下側端部付近に穿設された複数の噴孔66につながるシート部91fにノズルニードル54の先端部が着座(シート)することにより噴孔66が閉鎖される。一方、燃料噴射時には、ノズルニードル54がシート部91fから上昇(リフト)することにより噴孔66が開放される。
ノズルボディ91に接続されるインジェクタボディ52内には、その中心軸を中心としたスプリング室72が形成されており、ノズルニードル54をシート部91fの方向へ付勢するためのノズルスプリング79が配設されている。
インジェクタボディ52に形成されたスプリング室72の上側には、スプリング室72と同軸の孔52aが形成されている。孔52a内にはバルブピストン55が挿入されている。バルブピストン55は、その上側端面55aがバルブボディ56に形成された摺動孔56a内に摺動可能に挿入され、ノズルニードル54の上方部に位置するように配設されている。バルブボディ56は、バルブナット84により、インジェクタボディ52に固定されている。
バルブボディ56における、バルブピストン55の上側端面55aが位置する部位に背圧制御室69が形成されており、バルブピストン55の上側端面55aが下側から臨むようになっている。背圧制御室69は、バルブボディ56に形成された導入側オリフィス70に連通している。この導入側オリフィス70は、バルブボディ56とインジェクタボディ52との間にバルブボディ56の周方向で環状に形成された圧力導入室71を介してインレットコネクタ58内の高圧油路に連通されている。これによって、コモンレール15からの高圧燃料が背圧制御室69へ供給されるようになっている。
背圧制御室69は開閉用オリフィス73にも連通しており、開閉用オリフィス73は後述する背圧制御部57のバルブボール74によって開閉可能となっている。なお、背圧制御室69におけるバルブピストン55の上側端面55aの受圧面積は、ノズルニードル54の受圧部54aの受圧面積よりも大きく設定されている。
背圧制御部57は、ソレノイドバルブ59と、背圧制御室69と、バルブボール74とを主たる要素として備え、ソレノイドバルブ59は、マグネット部75と、バルブスリーブ77と、バルブスプリング76と、アーマチュア80と、アーマチュアガイド82とを主たる要素として備えている。
アーマチュアガイド82は中央部に貫通穴を有し、その貫通穴でアーマチュア80を保持する。アーマチュアガイド82は、その外周付近がインジェクタボディ52に固定されており、アーマチュア80をガイドする機能を持つ。また、アーマチュア80は上端部に拡径部を有する。
ソレノイドバルブ59への通電がなされると、アーマチュア80が、マグネット部75に引付けられて上昇する。その結果、バルブボール74が開閉用オリフィス73を開放し、背圧制御室69の燃料が流出することで背圧制御室69の圧力が低下し、バルブピストン55およびノズルニードル54が上昇し、燃料噴射が開始される。尚、背圧制御室69から流出した燃料は、ソレノイドバルブ59内部を通過し、燃料還流路65を経由し、リターン通路39を介して燃料タンク1に戻される。
ソレノイドバルブ59への通電が停止されると、アーマチュア80に対するマグネット部75の引付け力がなくなるため、アーマチュア80がバルブスプリング76の付勢力により下降する。その結果、アーマチュア80の下のバルブボール74が、開閉用オリフィス73上部のバルブシート部78に押圧されることとなり、開閉用オリフィス73が閉鎖される。すると、背圧制御室69内の燃料圧力が上昇し、バルブピストン55およびノズルニードル54が下降し、燃料噴射が終了する。
次に、本発明の実施の形態に係る、ノズルボディ91周辺の特徴について説明する。図2に示される様に、本実施形態に係るインジェクタ17のノズルボディ91は、インジェクタボディ52に当接するインジェクタボディ当接面91eを含む大径部91aと、大径部91aよりも小径で、大径部91aの下側に位置する中径部91bと、中径部91bよりも小径で、中径部91bの下側に位置する小径部91cとを備える。小径部91cは、噴孔66を備える。ノズルボディ91は、大径部91aと中径部91bとを繋ぐ、噴孔66側を向く平面である噴孔側平面91dを備える。ノズルボディ91の大径部91aの外周面には、インジェクタボディ当接面91eから下側の所定範囲にわたりノズルボディ側雄ネジ91hが形成されている。
インジェクタボディ52の下端面には、ノズルボディ91のインジェクタボディ当接面91eに当接する、ノズルボディ当接面52bが形成されている。インジェクタボディ52の外周面には、ノズルボディ当接面52bから上側の所定範囲にわたりインジェクタボディ側雄ネジ52cが形成されている。
ノズルボディ91のインジェクタボディ52への固定は、ノズルナット92により行われる。ノズルナット92は略円筒形をなし、ノズルナット92の上部の内周面には、インジェクタボディ52のインジェクタボディ側雄ネジ52cと螺合するためのインジェクタボディ側雌ネジ92aが形成されている。一方、ノズルナット92の下部の内周面には、ノズルボディ91のノズルボディ側雄ネジ91hと螺合するためのノズルボディ側雌ネジ92bが形成されている。また、ノズルナット92の上下方向の中央付近には、所定の長さにわたり、締付部92cが形成されている。締付部92cは、軸方向の断面が六角形をなし、工具による締付に利用される。ただし、締付部92cは、工具による締付が可能であれば、軸方向の断面が六角形でなくとも構わない。
ここで、インジェクタボディ側雄ネジ52cとインジェクタボディ側雌ネジ92aの螺合部と、ノズルボディ側雄ネジ91hとノズルボディ側雌ネジ92bの螺合部とは、一方が正ネジ(右ネジ)、他方が逆ネジ(左ネジ)とされている。換言すれば、インジェクタボディ側雄ネジ52cとインジェクタボディ側雌ネジ92aの螺合部と、ノズルボディ側雄ネジ91hとノズルボディ側雌ネジ92bの螺合部とは、一方が右ネジ、他方が左ネジとされている。この場合、一方の螺合部が正ネジ、他方の螺合部が逆ネジであればよく、どちら側が正ネジでも構わない。
ノズルナット92による、ノズルボディ91のインジェクタボディ52への固定に際しては、種々の方法を採ることが可能であるが、例えば以下の方法を採ることが可能である。まず、インジェクタボディ52側の部品の組付けが完了した後、インジェクタボディ52側を、上下が逆側となる様に、換言すれば、ノズルボディ当接面52bが上向きとなる様に、治具に固定する。その際、円周方向の位相も所定の位置に合わせておく。
次いで、ノズルナット92のインジェクタボディ側雌ネジ92aを、インジェクタボディ52のインジェクタボディ側雄ネジ52cに対し、所定の長さにわたり螺合させる。
次いで、ノズル18を、ノズルボディ91のインジェクタボディ当接面91eが、インジェクタボディ52のノズルボディ当接面52bに対向する様に配置する。この時、ノズルニードル54がシート部91fから離座するが、ノズルニードル54がノズルボディ91から抜け落ちることがない様、ノズルボディ91及びノズルナット92の軸方向の各寸法が設定されている。
次いで、ノズルボディ91のノズルボディ側雄ネジ91hを、ノズルナット92のノズルボディ側雌ネジ92bに対し、所定の長さにわたり螺合させる。
次いで、ノズルボディ91の噴孔66の円周方向の位相を所定の位置に合わせ、治具により回転方向の固定を行う。ノズルボディ91の回転方向を固定するために、種々の方法を採ることが可能であるが、例えば、ノズルボディ91の中径部91bに二面幅部を設け、当該二面幅部を治具により挟むことにより、回転方向の動きを固定し、かつ、軸方向の動きは可能とする、等の方法を採ることができる。
次いで、締付部92cを締め込むことにより、ノズルボディ91をインジェクタボディ52へ固定する。上述の様に、インジェクタボディ側雄ネジ52cとインジェクタボディ側雌ネジ92aの螺合部と、ノズルボディ側雄ネジ91hとノズルボディ側雌ネジ92bの螺合部とは、一方が正ネジ(右ネジ)、他方が逆ネジ(左ネジ)となる様形成されている。よって、ノズルナット92を締め込むことにより、ノズルボディ91のインジェクタボディ当接面91eとインジェクタボディ52のノズルボディ当接面52bとが接近し、当接する。その後、ノズルナット92の締め込み力により、インジェクタボディ当接面91eとノズルボディ当接面52bに、所定の押圧力をかけることができる。
また、ノズルボディ91の噴孔側平面91dの下側に、スペーサ93を配置することができる。これは、本発明に係るノズルナット92を使用した場合、インジェクタ17を図示しないシリンダヘッドに組付けた際、ノズルボディ91の噴孔側平面91dとエンジンのシリンダヘッド(図示せず)との間が、ガスケットの厚さのみとなるため、従来に比べ、インジェクタ17全体が燃焼室側にずれる。ここで、噴孔側平面91dの下側にスペーサ93を配置することにより、インジェクタ17の位置を従来と同一とすることができる。
すなわち、スペーサ93を使用することにより、従来のインジェクタ17に本発明を適用する際、インジェクタ17の軸方向長さを調節する必要がなくなる。
尚、スペーサ93を配置するために、種々の方法を採ることが可能であるが、例えば、スペーサ93の、噴孔側平面91dに対する当接面93aの外周部に立設するガイド部93cを形成し、当該ガイド部93cにノズルボディ91の大径部91aの下端部を圧入させることで、スペーサ93をノズルボディ91に固定することができる。
以上、説明した様に、本発明によれば、円筒形のノズルナット92によりノズルボディ91のインジェクタボディ52への固定が行われる。そのため、従来のノズルナットの締付力に起因する、ノズルボディ91の噴孔側平面91dにかかる押圧力をなくすことが可能となる。本構成により、噴孔側平面91dと中径部91bとの境界部分にかかる引張応力を低減させることができる。
10:蓄圧式燃料噴射制御装置、17:インジェクタ、18:ノズル、52:インジェクタボディ、52bノズルボディ当接面、66:噴孔、91ノズルボディ、91a:大径部、91b:中径部、91c小径部、91d:噴孔側平面、91e:インジェクタボディ当接面、92:ノズルナット、93:スペーサ、93c:ガイド部
Claims (3)
- エンジンの燃焼室へ燃料を噴射するインジェクタ(17)であって、
前記インジェクタ(17)は、インジェクタボディ(52)と、ノズルボディ(91)と、ノズルナット(92)とを備え、
前記インジェクタボディ(52)は、前記ノズルボディ(91)に当接するノズルボディ当接面(52b)を備え、
前記ノズルボディ(91)は、一端側に燃料を噴射する噴孔(66)を、他端側に前記ノズルボディ当接面(52b)に当接するインジェクタボディ当接面(91e)を備え、
前記ノズルナット(92)は、前記インジェクタボディ(52)及び前記ノズルボディ(91)と螺合することにより、前記ノズルボディ(91)を前記インジェクタボディ(52)へ固定し、
前記インジェクタボディ(52)と前記ノズルナット(92)との螺合部と、前記ノズルボディ(91)と前記ノズルナット(92)との螺合部とは、一方が正ネジで、他方が逆ネジとして構成される、インジェクタ(17)。 - 前記ノズルボディ(91)は、前記インジェクタボディ当接面(91e)を含む大径部(91a)と、前記大径部(91a)よりも小径で、前記大径部(91a)の下側に位置する中径部(91b)と、前記大径部(91a)及び前記中径部(91b)を繋ぐ噴孔側平面(91d)とを備え、
前記インジェクタ(17)は、前記インジェクタ(17)が搭載されるシリンダヘッドと前記噴孔側平面(91d)との間隔を調節するスペーサ(93)を有する、請求項1に記載のインジェクタ(17)。 - 前記スペーサ(93)は、前記噴孔側平面(91d)と当接する面の外周部から立設する円筒形状のガイド部(93c)を備え、
前記ノズルボディ(91)の大径部(91a)を前記ガイド部(93c)に圧入することにより、前記スペーサ(93)が前記ノズルボディ(91)に固定される、請求項2に記載のインジェクタ(17)
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- 2021-12-14 JP JP2021202934A patent/JP2023088218A/ja active Pending
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