JP2023084451A - 樹脂組成物、成形体、及び樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】靭性と透明性に優れる樹脂組成物及びその製造方法と成形体を提供する。【解決手段】(メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)とを含み、前記(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量が、400,000以上である樹脂組成物。(メタ)アクリル樹脂(A)100質量部に対しスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を0.1質量部以上19.9質量部以下含有することが好ましい。この樹脂組成物を成形した成形体。スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で、(メタ)アクリル酸メチルを含有するモノマー混合物を重合する樹脂組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は樹脂組成物、成形体、及び樹脂組成物の製造方法に関するものである。
無水マレイン酸系共重合体等の透明樹脂は、その優れた透明性を活かして、光学材料、医療用材料等に用いられている。最近では、無水マレイン酸系共重合体を含む透明樹脂は、無水マレイン酸に対してバイオアンカーであるペプチドのアミノ基やメルカプト基を容易に結合させることができることから、テーラーメイドに流路の表面特性を改質できる医療診断用マイクロ流路等に応用されている。
一方で、無水マレイン酸系共重合体は加熱により黄変しやすく、靭性、伸びの低さから加工性にも課題があった。
これらの課題を解決すべく、無水マレイン酸系共重合体に、(メタ)アクリル樹脂、スチレン系共重合体、スチレン-無水マレイン酸系樹脂等の透明樹脂等を混合する検討がされている。
例えば、特許文献1では、スチレン-無水マレイン酸系樹脂に質量平均分子量が5万~20万、具体的には約10万のアクリル系透明樹脂を加熱溶融し混合している。
特許文献2には、スチレン-無水マレイン酸系樹脂とアクリル樹脂を、それぞれ別の定量フィーダを用いて、押出機に定量的に供給して溶融混練する樹脂組成物の製造方法が記載されている。
特開2009-227944号公報 国際公開第2016/186121号
特許文献1と特許文献2で提案される樹脂組成物は、溶融状態の透明樹脂の流動性を確保するため、透明樹脂の分子量は低いものに限定され、成形体とした場合の靭性が不十分であった。また、溶融時の加熱による樹脂組成物や成形体の黄変の問題があり、透明性が不十分であった。
本発明はこれらの問題点を解決することを目的とする。すなわち、本発明の目的は、靭性と透明性に優れた樹脂組成物及びその製造方法と成形体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため検討を重ねた結果、スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)に所定の分子量以上の(メタ)アクリル樹脂(A)を共存させることで、上記課題を解決することができることを知見し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下を要旨とする。
[1] (メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)とを含み、前記(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量が、400,000以上である樹脂組成物。
[2] 前記(メタ)アクリル樹脂(A)100質量部に対し前記スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を0.1質量部以上19.9質量部以下含有する[1]に記載の樹脂組成物。
[3] [1]または[2]に記載の樹脂組成物を成形した成形体。
[4] スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で、(メタ)アクリル酸メチルを含有するモノマー混合物を重合する樹脂組成物の製造方法。
本発明の樹脂組成物は靭性と透明性に優れる。したがって、医療診断用マイクロ流路等に限らず、既存の照明用透明樹脂用途、例えば光学部材、建築用材料、車両材料等の樹脂等に好適に使用することができる。
以下、本発明を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。
なお、本発明において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。また、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種を意味する。
本明細書において、「モノマー(単量体)」は未重合の化合物を意味し、「繰り返し単位」はモノマーが重合することによって重合体内に形成された前記モノマーに由来する単位を意味する。繰り返し単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換されたものであってもよい。以下、「繰り返し単位」を単に「単位」と称す。
本明細書において、「質量%」および「質量部」と「重量%」および「重量部」はそれぞれ同義であり、「質量%」は、全体量100質量%中に含まれる所定の成分の含有割合を示す。
[樹脂組成物]
本発明の樹脂組成物は、(メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)とを含む。
<(メタ)アクリル樹脂(A)>
(メタ)アクリル樹脂(A)は、本発明の樹脂組成物の構成成分の1つである。
本発明の樹脂組成物で使用できる(メタ)アクリル樹脂(A)の構成要素となるモノマーは、重合可能なビニル基を分子内に一つ以上有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)アクリル酸n-ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸n-アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ナフチル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチルなどの(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられる。これらの中でも、アルキル基部分の炭素数が1~8個の(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物が好ましく、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
本発明の樹脂組成物に含まれる(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量は40万(400,000)以上であり、42万以上が好ましく、45万以上がより好ましい。(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量が40万未満では、靭性が低く、即ち、後述する曲げ応力、破断歪が低く、十分な機械強度を得ることはできない。
一方で(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量の上限は特に限定されないが、100万以下が好ましく、90万以下がより好ましく、80万以下が更に好ましい。(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量が100万を超えると加熱時の流動性が低下し、成形性が悪化する。
尚、(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量は、標準試料として標準ポリメタクリル酸メチルを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値とする。
本発明の樹脂組成物は、上記(メタ)アクリル樹脂(A)の1種のみを含むものであってもよく、モノマー組成や質量平均分子量等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。
<スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)>
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)は、本発明の樹脂組成物の構成成分の1つである。
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)100質量部中の無水マレイン酸単位の含有量は30質量部以下が好ましく、25質量部以下がより好ましく、19.9質量部以下が更に好ましく、特に、15質量部以下が好ましい。無水マレイン酸単位の含有量が上記上限以下であれば、得られる成形体の靭性が優れたものとなる。
一方でスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)100質量部中の無水マレイン酸単位の含有量は5質量部以上が好ましく7質量部以上がより好ましく、10質量部以上が最も好ましい。無水マレイン酸単位の含有量が上記下限以上であれば黄変しにくく、さらに後述する曲げ応力、曲げ歪が高く、靭性が優れたものとなる。
また、スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の質量平均分子量は、1,000~100,000の範囲であることが好ましく、より好ましい範囲は5,000~5,0000である。スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の質量平均分子量が上記下限以上であると強度に優れ、上記上限以下であれば成形性に優れるので好ましい。
尚、スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の質量平均分子量は、標準試料として標準ポリスチレンを用い、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した換算値であるが、市販品であればカタログ値を採用することができる。
本発明に係るスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)は市販されている製品を使用できる。具体例としてSartomer社製SMAベースレジン(スチレン-無水マレイン酸共重合体)SMA1000(5,500)、SMA2000(7,500)、SMA3000(9,500)、F30(9,500)、Polyscope社製SMA樹脂 XIRAN(登録商標) 9000(10,000)、6000(10,000)、4000(10,000)、1000(5,000)等を使用できる。なお、上記製品名のうち、カッコ内の数値は質量平均分子量を表す。
本発明の樹脂組成物は、上記スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の1種のみを含むものであってもよく、モノマー組成や質量平均分子量等の異なるものの2種以上を含むものであってもよい。
<含有量比>
本発明の樹脂組成物は、(メタ)アクリル樹脂(A)100質量部に対してスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を30質量部以下含むことが好ましく、25質量部以下含むことがより好ましく、19.9質量部以下含むことが更に好ましく、特に15質量部以下含むことが好ましい。スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の含有量が上記上限以下であると、後述する曲げ応力、曲げ歪が高く、靭性に優れたものとなる。
一方でスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の含有量の下限は0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、2質量部以上が更に好ましい。スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の含有量が上記下限以上であると、後述する曲げ応力、曲げ歪が高く、靭性に優れたものとなる。
<その他の成分>
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、滑剤、染料、難燃剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明の樹脂組成物がこれらのその他の成分を含む場合、(メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)とを含むことによる本発明の効果を有効に得る観点から、本発明の樹脂組成物中の(メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の合計の含有量は95~100質量%、特に98~100質量%であることが好ましい。
[樹脂組成物の製造方法]
本発明の樹脂組成物を製造する方法には特に制限はないが、本発明の樹脂組成物の製造方法に従って、スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で、前述の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー、好ましくは(メタ)アクリル酸メチルを含有するモノマー混合物を重合する方法が、(メタ)アクリル樹脂(A)の分子量が安定しやすく、靭性及び透明性に優れた樹脂組成物を得ることができ、好ましい。
この方法は、具体的には、(メタ)アクリル樹脂(A)の原料となる(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーにスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を溶解し、鋳型の中に注入した後に塊状重合(注型重合)し、次いで得られた重合体を鋳型から取り出すことにより行うことができ、これにより本発明の樹脂組成物を得ることができる。
上記の注型重合法は、十分な靭性、あるいは透明性が要求される用途において特に好ましい方法である。
注型重合法の重合反応形式としては、例えば、ラジカル重合及びアニオン重合が挙げられる。これらの中で、重合制御の面で、フリーラジカル重合が好ましい。
ラジカル重合を行う際に使用されるラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物;及びラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等の有機過酸化物系化合物が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以
上を併せて使用できる。
ラジカル重合開始剤の添加量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの重合性及び得られる成形体の表面外観の観点から、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー100質量部に対して0.02~1質量部が好ましい。
注型重合に使用される鋳型としては、例えば、無機ガラス、クロムメッキ金属板、ステンレス板等の一対の板状体の端部に配置された軟質ガスケットを介して対向させて構成した鋳型及び同一方向へ同一速度で走行する一対のエンドレスベルトの両側の端部に設置されたガスケットで構成された鋳型が挙げられる。
本発明の樹脂組成物を得るための重合温度は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの重合性を高める点で、40℃以上が好ましく、50℃以上がより好ましい。また、本発明の樹脂組成物を得るための重合温度は、樹脂組成物の着色や外観不良の抑制の点で、180℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましい。
本発明の樹脂組成物を得るための重合時間は、重合の進行に応じて適宜決定される。
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーはスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を添加する前にその一部を予めラジカル重合開始剤の存在下に重合し、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの重合体5~30質量%と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー95~70質量%とを含むシラップを調製し、このシラップにスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を溶解させてラジカル重合開始剤の存在下に更なる重合を行ってもよい。このようにすることで、樹脂シートの表面を平滑にすることができ、好ましい。
[成形体]
本発明の成形体は、本発明の樹脂組成物を成形してなるものであり、その形状には特に制限はないが、本発明の樹脂組成物の特長である靭性と透明性の効果から、特にシート状成形体(樹脂シート)として有用である。
本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートの厚さは、その用途に応じて適宜設計されるが、通常0.3~10mmである。樹脂シートの取り扱い性や実用上の観点から、樹脂シートの厚さは0.4~5mmが好ましい。
本発明の樹脂組成物よりなる樹脂シートの製造方法としては、例えば、樹脂組成物を得るための原料を注型重合して直接樹脂シートを得る方法、及び樹脂組成物のペレット又は粉体を作成し、それを押出成形又は射出成形により樹脂シートを得る方法が挙げられる。これらの中で、得られる樹脂シートの透明性、靭性及び生産性の点で、前述の注型重合により直接樹脂シートを製造する方法が好ましい。
本発明の成形体、特に樹脂シートは、例えば、液晶モニター、パソコン、タブレット、スマートフォン、携帯電話、電子黒板等の背面板、サイネージやバスタブ、その他、医療診断用マイクロ流路等の構造材に好適に使用される。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<原料>
実施例及び比較例で使用した化合物の略号は以下のとおりである。
MMA:メタクリル酸メチル(商品名:アクリエステル(登録商標)M 三菱ケミカル(株)製)
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B-1):無水マレイン酸単位含有量:11質量%、スチレン単位:無水マレイン酸単位モル比=8:1(商品名:XIRAN(登録商標) 9000(分子量:10,000)Polyscope社製)
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B-2):無水マレイン酸単位含有量:19質量%、スチレン単位:無水マレイン酸単位モル比=6:1(商品名:XIRAN(登録商標) 6000(分子量:10,000)Polyscope社製)
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B-3):無水マレイン酸単位含有量:14質量%、スチレン単位:無水マレイン酸単位モル比=4:1(商品名:XIRAN(登録商標) 4000(分子量:10,000)Polyscope社製)
<評価方法>
実施例及び比較例における評価は以下の方法により実施した。
(曲げ応力・曲げ歪)
本発明における樹脂シートの機械的強度(靭性)の指標として、曲げ応力と曲げ歪を以下の方法で測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂シート(厚さ3mm)を、パネルソー((株)シンクスコーポレーション製、商品名:SZIVGー4000)を用いて、80mm×10mm×3mmの直方体状の試験片を作製した。得られた試験片を、温度25℃、相対湿度50%RHの条件下に18時間静置した後、3点曲げ試験機(装置名:ストログラフTF、東洋精機(株)製)を使用し、JIS K7171に準拠して、曲げ速度1.8mm/minで各試験片の曲げ試験を実施し、試験片破断時の応力を曲げ応力(MPa)、破断時の歪を曲げ歪(%)とした。曲げ応力、曲げ歪は、試験片3点を用いて、各試験片につき1回測定を行い、その平均値とした。
曲げ応力は以下の判定基準で評価した。
AA:曲げ応力(MPa)が140(MPa)以上。
A:曲げ応力が120~139(MPa)。
B:曲げ応力が120(MPa)を下回った。
曲げ歪は以下の判定基準で評価した。
AA:曲げ歪(%)が7.0(%)以上。
A:曲げ応力が5.0~6.9(%)。
B:曲げ応力が5.0(%)を下回った。
(全光線透過率)
本発明における樹脂シートの透明性の指標として、下記の方法で全光線透過率を測定した。
JIS-K7361-1に準拠し、実施例・比較例で得られた樹脂シート(厚さ3mm)について、分光ヘイズメーターNDH4000(日本電色工業(株)製)を使用し、3回測定を行い、平均値を求め、下記基準で評価した。
AA:全光線透過率が93(%)以上
A:全光線透過率が92(%)以下
(ヘイズ値)
本発明における樹脂シートの透明性の指標として、下記の方法でヘイズ値を測定した。
JIS-K7136に準拠し、実施例・比較例で得られた樹脂シート(厚さ3mm)について、分光ヘイズメーターNDH4000(日本電色工業(株)製)を使用し、3回測定を行い、平均値を求め、下記基準で評価した。
AA:ヘイズ値が0.2以下
A:ヘイズ値が0.3~1.0
B:ヘイズ値が1を超えた。
(イエローインデックス)
本発明における樹脂組成物の透明性の指標として、下記の方法でイエローインデックス(YI)を測定した。
ISO17223に準拠し、実施例・比較例で得られた樹脂シート(厚さ3mm)について、分光式色差計(機種名「SE-7700」、日本電色工業(株)製)を用い、3回測定を行い、平均値を求め、下記基準で評価した。
AA:YIが0.3以下。
A :YIが0.3~1.0。
B :YIが1.0を超えた。
(質量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)にて、(メタ)アクリル樹脂の質量平均分子量(Mw)を測定した。
実施例・比較例で得られた樹脂シート(厚さ3mm)をテトラヒドロフランに溶解した溶液を、GPC測定用のサンプルとした。GPC測定では、高速液体クロマトグラフィー測定装置(東ソー(株)製、商品名:HLC-8320型)に、分離カラム(TSK-Gel社製、商品名:SUPER HM-H)を2本直列で使用した。また検出器には示差屈折計を用いた。分離カラム温度:40℃、移動層:テトラヒドロフラン(THF)、移動層の流量:0.6ml/min、サンプル注入量:10μLの条件で測定を行った。分子量既知のポリメタクリル酸メチル数種類(Mw340~1,950,000)を標準ポリマーとして、標準ポリマー換算分子量を求めた。
[実施例1]
冷却管、温度計及び攪拌機を備える反応器(重合釜)に、MMA(メタクリル酸メチル)100質量部を投入し、撹拌した。窒素ガスでバブリングした後、加熱を開始した。内温が80℃になった時点で、ラジカル重合開始剤である2,2’-アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)0.05質量部を添加した。さらに内温100℃まで加熱した後、10分間保持した。その後、反応器を室温まで冷却して、MMAが部分的に重合した粘性混合物であるシラップを得た。シラップの重合率は約20質量%であり、重合体20質量%と単量体80質量%を含むものであった。
この後、シラップ100質量部にスチレン-無水マレイン酸共重合体(B-1)1質量部、t-ヘキシルパーオキシピバレート0.2質量部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.01質量部を添加し、室温下で完全に溶解して、重合性原料を形成した。
減圧下で、重合性原料中の溶存空気を除去した後、鏡面仕上げされた厚み10mm、厚み公差±0.001mmのガラス製の一対の重合セル(間隔3mm)に重合性原料を注入した。
重合性原料を注入した重合セルを、80℃の温水浴で60分保持した後取り出し、130℃のオーブンで30分加熱しシラップを完全に硬化させた。重合セルが室温まで冷却された後、重合セルを剥離し、樹脂シートを得た。得られた樹脂シートの評価結果を表1に示す。
[実施例2~7]
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の種類、および添加量を表1の通りとした以外は実施例1と同様の条件で樹脂シートを得た。得られた樹脂シートの評価結果を表1に示す。
[比較例1]
スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を添加しなかった以外は、実施例1と同様の条件で樹脂シートを得た。得られた樹脂シートの評価結果を表1に示す。
Figure 2023084451000001
<評価結果>
実施例1~7の樹脂シートは、無色透明であると共に、曲げ応力は140(MPa)、曲げ歪は7.0(%)で、靭性に優れるものであった。
比較例1の樹脂シートは、無色透明であったが、曲げ強度は120(MPa)、曲げ歪は5.0(%)であり、実施例1~7に比べて低い。この差はスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)が含有されていないためと考えられる。
以上、本発明における好ましい実施形態、及び実施例を説明したが、本発明はこれらの実施形態、及び実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の樹脂組成物及びこの樹脂組成物よりなる樹脂シート等の成形体は、靭性や成形性に優れる。また、黄変がほとんど無く、透明性も高いため、医療診断用マイクロ流路等に限らず、既存の照明用透明樹脂用途、例えば光学部材、建築用材料、車両材料等の樹脂等に好適に使用できる。

Claims (4)

  1. (メタ)アクリル樹脂(A)とスチレン-無水マレイン酸共重合体(B)とを含み、
    前記(メタ)アクリル樹脂(A)の質量平均分子量が、400,000以上である樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル樹脂(A)100質量部に対し前記スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)を0.1質量部以上19.9質量部以下含有する請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物を成形した成形体。
  4. スチレン-無水マレイン酸共重合体(B)の存在下で、(メタ)アクリル酸メチルを含有するモノマー混合物を重合する樹脂組成物の製造方法。
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