JP2023083987A - コンクリート中のDOおよびpH計測センサ - Google Patents

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Ryosuke Saito
公志 伏見
Koji Fushimi
正敏 坂入
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友哉 ▲高▼野
Tomoya Takano
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Abstract

【課題】コンクリート中で動作可能な埋込み型のコンクリート中のDOおよびpH計測センサを提供する。【解決手段】鉄筋コンクリート内部に埋め込まれ、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を検知するコンクリート中のDOおよびpH計測センサ10であって、DOセンサ20と、pHセンサ30と、DOセンサ20およびpHセンサ30を内包する筒状の基材40と、を備え、pHセンサ30は、絶縁基板と、絶縁基板の一方の面に配置されたpH測定用電極および絶縁基板の他方の面に配置された固体接触型参照電極と、を有する、コンクリート中のDOおよびpH計測センサ10。【選択図】図3

Description

本発明は、コンクリート中のDOおよびpH計測センサに関する。
鉄筋コンクリート構造物の劣化現象の1つとしては、内部鉄筋の腐食劣化が挙げられる。海洋あるいは沿岸に建設された鉄筋コンクリート構造物は、海水の影響を受けて腐食劣化が生じる。また、内陸部に建設された鉄筋コンクリート構造物は、凍結融解剤の使用によって塩害による腐食劣化が生じる。このように、鉄筋コンクリート構造物には、腐食劣化を生じる懸念がある。腐食劣化の度合いが重度である場合には、構造耐荷力の低下に加えて、コンクリート片の剥落を招くことがある。そのため、腐食劣化の懸念がある鉄筋コンクリート構造物に対しては、構造耐久力の低下を防ぐために鉄筋の腐食評価を適切に行う必要がある。
従来、鉄筋の腐食評価方法としては、自然電位法による腐食発生の有無を判定する方法や、分極抵抗法による腐食速度を判定する方法等が一般的に用いられている。しかしながら、これら方法は、計測のためにコンクリートに電解液を浸透させ、コンクリートを湿潤状態として電気化学測定を行うものであるため、電解液の浸透が不十分な場合には正確な計測結果が得られない。また、計測には計測者が計測位置にて、コンクリートへ電解液を浸透させる作業や、電極の設置する作業等が必要になる。
計測の手間を考慮すると、腐食評価方法としては、計測時に特別な作業を要さずモニタリングできる方法が望ましい。鉄筋の腐食反応は、コンクリート内の鉄筋まで水分が浸透してきた際に、鉄筋表面が濡れて電子のやり取りが可能となることで生じる。腐食反応の反応速度は、コンクリート中の溶存酸素(Dissolved Oxygen、以下「DO」と記す。)および水素イオン濃度指数(以下「pH」と記す。)の影響を受ける。すなわち、鉄筋の腐食評価には、コンクリート内への水の浸透の有無、コンクリート内へ水が浸透した際の反応系のDOおよびpHを把握することが重要となる。
一般的なDOおよびpHの検出機器は、液体試料を測定対象にしており、コンクリートのDOおよびpHの測定には適用できない。コンクリート用のpHセンサとしては、例えば、コンクリート中に埋設した電極と、外部からコンクリート表面に接触させた参照電極とを備え、前記の2つの電極間の電位差からpHを算出するものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
また、コンクリート内部のpH評価方法としては、例えば、コンクリートへのドリル削孔やコア採取時に得られた試料を対象とする手法が挙げられる(例えば、特許文献2参照)。
特開2020-034563号公報 特開2019-056599号公報
特許文献1のpHセンサの計測系では、コンクリート表面に参照電極を設置する手間が必要であるばかりでなく、電極間のコンクリートの湿潤具合によって計測値に影響が生じる。すなわち、電極間のコンクリートが乾燥していれば、計測値に生じるノイズが大きくなる。
また、特許文献2のpH評価方法は、コンクリートの破壊を伴う試験方法であり、鉄筋コンクリート構造物の腐食のモニタリングには適さない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、コンクリート中で動作可能な埋込み型のコンクリート中のDOおよびpH計測センサを提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]鉄筋コンクリート内部に埋め込まれ、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を検知するコンクリート中のDOおよびpH計測センサであって、DOセンサと、pHセンサと、前記DOセンサおよび前記pHセンサを内包する筒状の基材と、を備え、前記pHセンサは、絶縁基板と、前記絶縁基板の一方の面に配置されたpH測定用電極および前記絶縁基板の他方の面に配置された固体接触型参照電極と、を有する、コンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
[2]前記基材の内部において、前記DOセンサと前記pHセンサが離隔して配置された、[1]に記載のコンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
[3]前記固体接触型参照電極は、多孔質体からなる固体参照膜を有する、[1]または[2]に記載のコンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
本発明によれば、コンクリート中で動作可能な埋込み型のコンクリート中のDOおよびpH計測センサを提供することができる。
本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを示す平面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを示す側面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを示し、図2のA-A線断面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するDOセンサを示し、長手方向に垂直な断面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサを示し、長手方向に垂直な断面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサを示し、pH測定用電極側を示す平面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサを示し、固体接触型参照電極側を示す平面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサを示し、長手方向に平行な断面図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサのpH測定用電極を示し、長手方向に垂直な図である。 本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサを構成するpHセンサの固体接触型参照電極を示し、長手方向に垂直な断面図である。 実施例1において、動電位カソード分極の結果を示す図である。 実施例1において、限界電流Ilimを算出した結果を示す図である。 実施例2において、空気飽和環境下または酸素飽和環境下において、動電位カソード分極の結果を示す図である。 実施例3において、水溶液中の電位差測定を行った結果を示す図である。 実施例4において、セメントペースト中の電位測定を行った結果を示す図である。 実施例5において、セメントペーストの濡れ・渇き状態によるpHセンサの出力変動を検証した結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態によるコンクリート中のDOおよびpH計測センサ(以下、「DO/pH計測センサ」と言うこともある。)について、図1~図10に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを示す平面図である。図2は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを示す側面図である。図3は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを示し、図2のA-A線断面図である。図4は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するDOセンサを示し、長手方向に垂直な断面図である。図5は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサを示し、長手方向に垂直な断面図である。図6は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサを示す平面図である。図7は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサを示す平面図である。図8は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサを示し、長手方向に平行な断面図である。図9は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサのpH測定用電極を示し、長手方向に垂直な断面図である。図10は、本発明の実施形態によるDO/pH計測センサを構成するpHセンサの固体接触型参照電極を示し、長手方向に垂直な断面図である。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[コンクリート中のDOおよびpH計測センサ]
図1~図3に示すように、本実施形態のDO/pH計測センサ10は、DOセンサ20と、pHセンサ30と、筒状の基材40とを備える。
図1および図3に示すように、基材40は、DOセンサ20およびpHセンサ30を内包する。言い換えれば、DOセンサ20およびpHセンサ30は、基材40の内面40a上または基材40の内面40a近傍に配置されている。
また、基材40の内部において、DOセンサ20とpHセンサ30が離隔して配置されていることが好ましい。例えば、DOセンサ20とpHセンサ30は、10mm以上離隔していることが好ましく、20mm以上離隔していることがより好ましい。このようにすれば、DOセンサ20とpHセンサ30が互いに干渉することなく、DOセンサ20によるコンクリート中の溶存酸素(DO)の測定とpHセンサ30によるコンクリート中の水素イオン濃度指数(pH)をより正確に測定することができる。
さらに、DOセンサ20およびpHセンサ30の他方の端部(後端、計測部以外の部分)が、エポキシ樹脂50によって、基材40の内部に接着、固定されている。
後述するように、コンクリート打込み時に、基材40内にコンクリートのモルタル100が充填される。言い換えれば、モルタル100は、基材40の内部において、DOセンサ20とpHセンサ30が配置される空間(基材40において内面40aより内側の空間)内に充填される。すなわち、DOセンサ20の計測部(後述する電極)とpHセンサ30の計測部(後述する電極)は、基材40内に充填されたモルタル100に接している。
「DOセンサ」
図4に示すように、DOセンサ20は、第1電極21と、第2電極22と、エポキシ樹脂23と、管状体24とを有する。DOセンサ20の一方の端部20aは、DOセンサ20の計測部であり、基材40の一方の端面(基材40の開口している側の端面)40bよりも、基材40の内側にある。DOセンサ20の一方の端面20bには、計測部である第1電極21と第2電極22が露出している。
第1電極21は、DOセンサ20の中心に配置され、DOセンサ20の長手方向に延在する。第1電極21は、白金線と、その白金線を包埋するガラス毛細管とを有する。すなわち、第1電極21では、白金線の外周がガラス毛細管で包囲されている。白金線とガラス毛細管は、同じ軸線方向に延びている。
第1電極21の直径は、小さいほど好ましいが、例えば、5μm以上100μm以下であることが好ましい。第1電極21の直径が前記下限値以上であると、第1電極21を設置し易い。第1電極21の直径が前記上限値以下であると、後述する原理にて動作する(段落0045参照)。
第2電極22は、第1電極21の外周に巻き付けられる。すなわち、第2電極22は、1電極21のガラス毛細管の外周に巻き付けられる。第2電極22は、白金線から構成される。
第2電極22の面積は、第1電極21より大きい。
エポキシ樹脂23は、ガラス管24と第2電極22との間に充填されている。
管状体24の材質は、絶縁性であり、コンクリート中で変形せず、難溶性・耐アルカリ性を有するものであれば、特に限定されない。管状体24の材質としては、例えば、パイレックス(登録商標)ガラス等のガラス;エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル等の樹脂;シリコン樹脂;ゴム等が挙げられる。
図1および図3に示すように、DOセンサ20の他方の端部(後端)20cにはリード線25が接続されている。
DOセンサ20は、例えば、以下のように製造される。
第1電極21、第1電極21を包埋したガラス毛細管および第2電極22をガラス管24内に配置する。
次に、ガラス管24と第2電極22との間にエポキシ樹脂23を充填する。
次に、エポキシ樹脂23を硬化させて、第1電極21、第2電極22、エポキシ樹脂23およびガラス管24を一体化した複合体を得る。
次に、前記の複合体の端面を研磨し、一方の端面20bに第1電極21と第2電極22を露出させる。
次に、他方の端部20cにリード線25を接続して、DOセンサ20を得る。
「pHセンサ」
図5~図8に示すように、pHセンサ30は、絶縁基板31と、絶縁基板31の一方の面31aに配置されたpH測定用電極60および絶縁基板31の他方の面31bに配置された固体接触型参照電極70とを有する。pH測定用電極60と固体接触型参照電極70は、絶縁基板31を介して対向するように配置されている。pHセンサ30の一方の端面30aは、基材40の一方の端面(基材40の開口している側の端面)40bと同一面上にある。
絶縁基板31の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
pH測定用電極60と固体接触型参照電極70との距離(電極間距離)は、電極間のコンクリートによる液間電位差の影響を避けるという観点から短いことが好ましい。従って、絶縁基板31の厚さは、小さいことが好ましく、例えば、1mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上2mm以下であることがより好ましい。絶縁基板31の厚さが前記下限値以上であると、センサの耐久性を担保することができる。絶縁基板31の厚さが前記上限値以下であると、液間電位差の影響が小さく、より精確に電位差を測定できる。
pH測定用電極60は、絶縁基板31の一方の面31aに配置され、絶縁基板31の長手方向に延在する。
図5、図6および図8に示すように、pH測定用電極560は、プロトン選択電極61と、絶縁膜62とを有する。
プロトン選択電極61は、プロトン選択機能を有する電極であれば特に限定されず、例えば、酸化タングステン電極、酸化イリジウム電極等が挙げられる。
プロトン選択電極61が酸化タングステン電極である場合、図9に示すように、プロトン選択電極61は、芯部となるタングステン63と、タングステン63の外周を覆う酸化タングステン54とを有する。
プロトン選択電極61の長手方向と垂直方向の断面形状は、特に限定されず、例えば、正方形状、長方形状、円形状等であってもよい。
プロトン選択電極61の長手方向と垂直方向の断面形状が円形である場合、その直径は、10μm以上5000μm以下であることが好ましく、100μm以上2000μm以下であることがより好ましい。プロトン選択電極61の直径が前記下限値以上であると、電極の耐久性を担保できる。プロトン選択電極61の直径が前記上限値以下であると、多数のセンサを設置する場合の空間占有に適している。
絶縁膜62は、図6および図8に示すように、絶縁基板31の一方の面31aにおいて、プロトン選択電極61の計測部(pHを計測する部分)以外の部分を覆う。すなわち、絶縁膜62は、互いに離隔した第1絶縁膜62Aと第2絶縁膜62Bから構成される。第1絶縁膜62Aと第2絶縁膜62Bとが離隔している部分(絶縁膜62が設けられていない部分)にて、プロトン選択電極61が露出して計測部61Aとなっている。
プロトン選択電極61の計測部61Aの絶縁基板31の長手方向に沿う長さは、5mm以上20mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。プロトン選択電極61の計測部の長さが前記下限値以上であると、センサの作製が容易である。プロトン選択電極61の計測部の長さが前記上限値以下であると、電極の作製に必要な金属線使用量を少なくできる。
絶縁膜62の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、シリコーン等が挙げられる。
固体接触型参照電極70は、絶縁基板31の他方の面31bに配置され、絶縁基板31の長手方向に延在する。
図5、図7、図8および図10に示すように、固体接触型参照電極70は、銀線71と、固体参照膜72と、絶縁膜73とを有する。
銀線71の長手方向と垂直方向の断面形状は、特に限定されず、正方形状、長方形状、円形状等であってもよい。
銀線71の長手方向と垂直方向の断面形状が円形である場合、その直径は、10μm以上1000μm以下であることが好ましく、100μm以上200μm以下であることがより好ましい。銀線71の直径が前記下限値以上であると、電極の作製が容易である他、電極の耐久性を担保できる。銀線71の直径が前記上限値以下であると、材料費が安価である。
固体参照膜72は、絶縁基板31の他方の面31bにおいて、銀線71を覆うように設けられる。
固体参照膜72は、多孔質体から構成されることが好ましい。固体参照膜72が多孔質体から構成されることにより、モルタル100内に浸透した水分のpHをより正確に計測することができる。
固体参照膜72の多孔度は、多孔質体から構成される固体参照膜72の空洞部分(細孔72B)が、固体参照膜72の総体積に対して占める割合のことである。
絶縁基板31の他方の面31bを基準とする固体参照膜72の厚さは、0.1mm以上0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。固体参照膜72の厚さが前記下限値以上であると、銀線71上に十分に固体参照膜を形成させることができる。固体参照膜72の厚さが前記上限値以下であると、測定時に、出力値が安定化するのにかかる時間が短く済む。
固体参照膜72は、主材となる樹脂と、可塑剤と、塩化銀(AgCl)および塩化カリウム(KCl)、または臭化銀(AgBr)および臭化カリウム(KBr)とを含む。
樹脂の材質としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
可塑剤の材質としては、特に限定されないが、例えば、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)等が挙げられる。
絶縁膜73は、図7および図8に示すように、絶縁基板31の他方の面31bにおいて、固体参照膜72の計測部以外の部分を覆う。すなわち、絶縁膜73は、互いに離隔した第3絶縁膜73Aと第4絶縁膜73Bから構成される。第3絶縁膜73Aと第4絶縁膜73Bとが離隔している部分(絶縁膜73が設けられていない部分)は、銀線71が固体参照膜72で覆われた計測部72Aとなっている。
計測部71Aの絶縁基板31の長手方向に沿う長さは、5mm以上20mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。固体参照膜72の計測部の長さが前記下限値以上であると、センサの作製が容易である。固体参照膜72の計測部の長さがが前記上限値以下であると、固体参照膜の作製に必要な原料が少なくて済む。
絶縁膜73の材質は、特に限定されないが、例えば、ポリイミド、ポリ塩化ビニル、シリコーン等が挙げられる。
図1および図3に示すように、pHセンサ30の他方の端部30bにはリード線32が接続されている。
pHセンサ30は、例えば、以下のように製造される。
絶縁基板31の一方の面31a上に、絶縁基板31の長手方向に沿ってプロトン選択電極61を配置する。
次に、絶縁基板31の一方の面31a上において、所定の間隔を置いて、プロトン選択電極61を覆うように、互いに離隔した第1絶縁膜62Aと第2絶縁膜62Bを形成し、絶縁基板31の一方の面31a上にプロトン選択電極61を固定する。
次に、絶縁基板31の他方の面31b上に、絶縁基板31の長手方向に沿って銀線71を配置する。
次に、絶縁基板31の他方の面31b上において、銀線71を覆うように、樹脂と、可塑剤と、塩化銀(AgCl)および塩化カリウム(KCl)、または臭化銀(AgBr)および臭化カリウム(KBr)と、溶媒とを含む固体参照膜形成用ペーストを塗布して塗膜を形成し、その塗膜を乾燥させて、固体参照膜72を形成する。
次に、絶縁基板31の他方の面31b上において、固体参照膜72が形成されていない部分にて、銀線71を覆うように、互いに離隔した第3絶縁膜73Aと第4絶縁膜73Bを形成し、絶縁基板31の他方の面31b上に銀線61を固定する。
次に、他方の端部30bにリード線32を接続して、pHセンサ30を得る。
「コンクリート中のDOおよびpH計測センサの使用方法」
本実施形態のDO/pH計測センサ10の使用方法を説明する。
DO/pH計測センサ10は、鉄筋コンクリート内部に埋め込まれ、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を検知するためのものである。具体的には、コンクリート打込み前に、腐食が問題になると予想される鉄筋位置(通常は最外縁の鉄筋位置)に、DO/pH計測センサ10を設置しておく。
コンクリート打込み時に、基材40内にコンクリートのモルタル100が充填される。コンクリートに含まれる水分がDO/pH計測センサ10まで浸透した際、基材40内に充填されたモルタル100が水で満たされて、DOセンサ20およびpHセンサ30に電池が形成される。その際に、DOセンサ20の第1電極21と第2電極22との間の電流値Iから、コンクリート中の溶存酸素(DO)を得ることができる。また、pHセンサ30のpH測定用電極50と固体接触型参照電極60との間の電位差Eから、コンクリート中の水素イオン濃度指数(pH)を得ることができる。
本実施形態のDO/pH計測センサ10は、コンクリート中に埋め込んで、コンクリート中の溶存酸素(DO)およびコンクリート中の水素イオン濃度指数(pH)を計測することができる。コンクリート中の溶存酸素(DO)およびコンクリート中の水素イオン濃度指数(pH)を計測することにより、コンクリート内への水の浸透の有無を評価することができる。結果として、鉄筋の腐食評価をすることができる。
以上、本発明について、実施形態を示して説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。上記実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
DOセンサにより、水溶液中の溶存酸素(DO)を計測した。
DOセンサとしては、白金円盤電極(直径100μm)を試料電極(第1電極)とし、白金線を対極(かつ擬似参照電極:第2電極)としたものを用いた。
アルゴン、空気および酸素を吹き込んだ水溶液中に、試料電極と対極を浸漬し、動電位カソード分極した。結果を図11に示す。
図11に示すように、DOセンサには、-0.4V以下の電位領域でカソード電流が流れた。このカソード電流は、下記式(1)で示される水溶液中の溶存酸素(DO)の還元反応に由来する。
+2HO+4e→4OH (1)
-0.5V以下の電位領域では、上記式(1)の反応は物質輸送律速となることから、この電位領域内の電位で白金円盤電極を定電位分極した際のカソード電流(限界電流)は、溶存酸素(DO)に比例する。なお、微小円盤電極の限界電流Ilimは、下記式(2)で表される。
lim=4nFDCa (2)
上記式(2)において、nは反応に伴う移動電子数、FはFaraday定数、DとCは反応種の拡散係数とバルク溶液での濃度、aは電極半径である。
上記式(2)に基づいて、限界電流Ilimを算出した結果を図12に示す。図12に示すように、-0.6Vにおける限界電流と溶存酸素濃度との間には、良好な直線関係が成り立つことが分かった。
[実施例2]
DOセンサにより、セメントペースト(w/c=40%)中の溶存酸素(DO)を計測した。
DOセンサとしては、白金円盤電極(直径100μm)を試料電極(第1電極)とし、白金線を対極(かつ擬似参照電極:第2電極)としたものを用いた。
セメントペースト(w/c=40%)中に、試料電極と対極を浸漬し、空気飽和環境下にて、動電位カソード分極した。結果を図13に示す。
また、空気飽和環境下にて動電位カソード分極した後、12時間の酸素曝気を行い、動電位カソード分極した。結果を図13に示す。
図13に示す結果から、-0.6Vにおける限界電流値を比較すると、空気飽和環境に比べて酸素飽和環境では、限界電流値が大きく増加しており、DOセンサは酸素濃度の増加をとらえられていることが分かった。
[実施例3]
pHセンサとして、酸化タングステン(直径100μm)試料電極(第1電極)および、銀・塩化銀・塩化カリウムからなる固体参照膜を表面に形成させた銀(直径100μm)参照電極(第2電極)を用いた。
pHセンサについて、水溶液中およびセメントペースト中での動作を確認した。
ホウ酸緩衝液(pH7.15、pH8.42)、炭酸緩衝液(pH10.6)および水酸化ナトリウム水溶液(pH12、pH13)を用いて、水溶液中にて電位差測定を行った。結果を図14に示す。
図14に示す結果から、センサ毎にばらつきはあるものの、酸化タングステン電極の自然電位はpHと良好な直線関係を示しており、中性=アルカリ性の幅広いpH域で正常に動作することが確認された。
[実施例4]
pHセンサとして、酸化タングステン(直径100μm)試料電極(第1電極)および、銀・塩化銀・塩化カリウムからなる固体参照膜を表面に形成させた銀(直径100μm)参照電極(第2電極)を用いた。
pHセンサにより、セメントペースト(w/c=40%)中の電位測定(エレクトロメトリ)を行った。結果を図15に示す。
図15に示す結果から、計測開始から、pHはアルカリ性を示しており、セメントペーストのアルカリ環境を計測できていることが分かった。なお、使用したpHセンサについて、検量線を予め取得し、これを用いてpHを算出した。
[実施例5]
pHセンサとして、酸化タングステン(直径100μm)試料電極(第1電極)および、銀・塩化銀・塩化カリウムからなる固体参照膜を表面に形成させた銀(直径100μm)参照電極(第2電極)を用いた。
温度20℃、湿度約30%RHの室内にセメントペーストを設置し、1週間おきに給水することで、セメントペーストの濡れ・渇き状態によるpHセンサの出力変動を検証した。結果を図16に示す。
図16に示す結果から、水の気化によってセメントペーストが乾燥状態となると、pHセンサの電位は卑化するが、給水によって再び数日間、元の電位を示すことが確認された。すなわち、乾燥状態となって一時的にpH計測が出来なくなったとしても、再度湿潤状態となれば、pHが測定可能であることが確認された。同時に、センサ位置への水の浸透も把握できる。
10 コンクリート中のDOおよびpH計測センサ(DO/pH計測センサ)
20 DOセンサ
21 第1電極
22 第2電極
23 エポキシ樹脂
24 ガラス管
25 リード線
30 pHセンサ
31 絶縁基板
32 リード線
40 基材
50 エポキシ樹脂
60 pH測定用電極
61 プロトン選択電極
62 絶縁膜
62A 第1絶縁膜
62B 第2絶縁膜
63 タングステン
64 酸化タングステン
70 固体接触型参照電極
71 銀線
72 固体参照膜
73 絶縁膜
73A 第3絶縁膜
73B 第4絶縁膜
100 モルタル

Claims (3)

  1. 鉄筋コンクリート内部に埋め込まれ、鉄筋コンクリート内部の鉄筋の腐食を検知するコンクリート中のDOおよびpH計測センサであって、
    DOセンサと、pHセンサと、前記DOセンサおよび前記pHセンサを内包する筒状の基材と、を備え、
    前記pHセンサは、絶縁基板と、前記絶縁基板の両面にそれぞれ配置されたpH測定用電極および固体接触型参照電極と、を有する、コンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
  2. 前記基材の内部において、前記DOセンサと前記pHセンサが離隔して配置された、請求項1に記載のコンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
  3. 前記固体接触型参照電極は、多孔質体からなる固体参照膜を有する、請求項1または2に記載のコンクリート中のDOおよびpH計測センサ。
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