JP2023073102A - ノズル、はんだ付け装置及び基板装置の製造方法 - Google Patents

ノズル、はんだ付け装置及び基板装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本体に装着される先端部材における吐出口の先端が本体の開口の先端と段差がない場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できるノズルを得る。【解決手段】ノズル80は、溶融はんだJが上方に吐出する吐出口94の径方向外側に広がり、吐出口94から上方に突出しない上面110、及び上面110の外縁部から基端部80B側に繋がり、基端部80B側に向かうに従って径方向内側に傾斜する下面112を備えるアタッチメント100と、先端部に溶融はんだJが吐出する開口86が形成され、開口86よりも吐出口94を上方に位置させてアタッチメント100を装着するノズル本体82と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、ノズル、はんだ付け装置及び基板装置の製造方法に関する。
下記特許文献1には、先端部に形成され、溶融はんだが吐出する吐出口の外縁面を構成し、基端部側に向かうに従って径方向外側に傾斜する上部傾斜面と、該上部傾斜面の外縁部から該基端部側に繋がる周面を構成し、該基端部側に向かうに従って径方向内側に傾斜する下部傾斜面と、を備えるノズルが開示されている。
特許5867645号公報
例えば、基板のスルーホールに端子が挿入された電子部品をはんだ付けするノズルでは、ノズルの長時間の使用によって吐出口の縁部の面が摩耗し、吐出口の縁部の酸化により、吐出口から吐出される溶融はんだの流れに乱れが生じることが懸念される。溶融はんだの流れに乱れが生じると、基板のスルーホールに端子が挿入された電子部品をはんだ付けするときに、端子間がはんだにより電気的に繋がるはんだブリッジが発生する場合がある。
本開示は、本体に装着される先端部材における吐出口の先端が本体の開口の先端と段差がない場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できるノズル、はんだ付け装置及び基板装置の製造方法を得ることが目的である。
第1態様に係るノズルは、溶融はんだが上方に吐出する吐出口の径方向外側に広がり、該吐出口から上方に突出しない上面、及び該上面の外縁部から基端部側に繋がり、該基端部側に向かうに従って径方向内側に傾斜する下面を備える先端部材と、先端部に溶融はんだが吐出する開口が形成され、該開口よりも該吐出口を上方に位置させて該先端部材を装着する本体と、を備えている。
第2態様に係るノズルは、第1態様に記載のノズルにおいて、前記上面の少なくとも一部は、前記基端部側に向かうに従って径方向外側に傾斜する。
第3態様に係るノズルは、第2態様に記載のノズルにおいて、前記先端部材は、前記吐出口を形成する内周面と前記上面が稜線部を介して直接接続されており、鉛直方向の断面において前記内周面と前記上面の成す角が鋭角である。
第4態様に係るノズルは、第3態様に記載のノズルにおいて、鉛直方向の断面において前記内周面と前記上面の成す角は、50°以上で90°より小さい。
第5態様に係るノズルは、第3態様に記載のノズルにおいて、前記先端部材における前記稜線部は水平方向に沿った平面部であり、前記平面部の水平方向の幅が0.5mm以下である。
第6態様に係るノズルは、第1態様に記載のノズルにおいて、前記先端部材の前記上面は、水平方向に沿って配置されている。
第7態様に係るノズルは、第1態様から第6態様までのいずれか1つの態様に記載のノズルにおいて、前記本体に対して前記先端部材が着脱可能に構成されている。
第8態様に係るノズルは、第7態様に記載のノズルにおいて、前記本体の外周面は、前記開口側に向かうに従って径方向内側に傾斜したテーパ部を備え、前記先端部材の内周面は、前記吐出口側に向かうに従って径方向内側に傾斜し、かつ前記テーパ部に接触する接触面を備える。
第9態様に係るはんだ付け装置は、第1態様から第8態様までのいずれか1つの態様に記載のノズルと、前記ノズルの基端部が固定され、前記ノズルの前記吐出口から吐出した溶融はんだを回収して貯留すると共に、貯留する溶融はんだを前記ノズルの前記吐出口から吐出させる本体部と、基板の背面に沿って、前記ノズルの前記先端部を前記基板に対して相対移動させる移動装置と、を備えている。
第10態様に係るはんだ付け装置は、第9態様に記載のはんだ付け装置において、前記基板に応じて、前記先端部材における前記吐出口を形成する内周面と前記上面の成す角が異なる前記ノズルに交換する構成とされている。
第11態様に係るはんだ付け装置は、第9態様に記載のはんだ付け装置において、前記基板の表面側からスルーホールに挿入された電子部品の端子の鉛直方向の長さ又は前記端子のピッチに応じて、前記先端部材における前記吐出口を形成する内周面と、前記上面の成す角が異なる前記ノズルに交換する構成とされている。
第12態様に係る基板装置の製造方法は、第9態様から第11態様までのいずれか1つの態様に記載のはんだ付け装置を用いて、前記基板の表面側からスルーホールに電子部品の端子が挿入された前記基板の背面に沿って、前記吐出口から溶融はんだを吐出させながら前記ノズルを前記基板に対して相対移動し、前記端子を前記基板にはんだ付けする。
第1態様に係るノズルによれば、本体に装着される先端部材における吐出口の先端が本体の開口の先端と段差がない場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。
第2態様に係るノズルによれば、先端部材の上面の全体が水平である場合と比較して、溶融はんだの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。
第3態様に係るノズルによれば、先端部材における吐出口を形成する面と上面の成す角が90°以上の場合と比較して、溶融はんだの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。
第4態様に係るノズルによれば、先端部材における吐出口を形成する面と上面の成す角が90°以上である場合と比較して、溶融はんだの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。また、先端部材における吐出口を形成する面と上面の成す角が50°より小さい場合と比較して、溶融はんだの流れ(例えば、溶融はんだが流れ落ちるときの流れ)が安定化する。
第5態様に係るノズルによれば、本体の軸方向と交差する方向の平面部の幅が0.5mmより大きい場合と比較して、平面部の酸化によるはんだブリッジが発生しにくい。
第6態様に係るノズルによれば、先端部材の上面が基端部側に向かうに従って径方向外側に傾斜する場合と比較して、溶融はんだの吐出を停止したときに、先端部材の上面の酸化を抑制できる。
第7態様に係るノズルによれば、本体に先端部材が接合されている場合と比較して、摩耗する先端部材のみを交換でき、ランニングコストが安価となる。
第8態様に係るノズルによれば、本体の外周面及び先端部材の内周面が軸方向に沿って真直ぐに配置されている場合と比較して、本体に対して先端部材を着脱しやすい。
第9態様に係るはんだ付け装置によれば、本体に装着される先端部材における吐出口の先端が本体の開口の先端と段差がないノズルが設けられている場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。
第10態様に係るはんだ付け装置によれば、基板に応じてノズルを交換しない場合と比較して、溶融はんだの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズル移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
第11態様に係るはんだ付け装置によれば、電子部品の端子の鉛直方向の長さ又は端子のピッチに応じてノズルを交換しない場合と比較して、溶融はんだの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズル移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
第12態様に係る基板装置の製造方法によれば、本体に装着される先端部材における吐出口の先端が本体の開口の先端と段差がないノズルが設けられている場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。
第1実施形態のノズルを備えたはんだ付け装置の一例を示す概略構成図である。 ポイントフローはんだ付け方式の説明図である。 (A)は溶融はんだを吐出しながらノズルを移動してはんだ付け行っている状態を示す図であり、(B)は基板の背面とノズルとの間の溶融はんだが背面から離れる直前を示す図であり、(C)はノズルが電子部品の端部のリードを過ぎて背面から離れた状態を示す図である。 ノズル本体の先端部にアタッチメントが装着されたノズルを示す斜視図である。 アタッチメントが装着されたノズルの軸方向に沿った断面図である。 ノズルの初期使用時にノズルから溶融はんだが吐出された状態を示す断面図である。 ノズルを定められた期間使用した後にノズルから溶融はんだが吐出された状態を示す断面図である。 ノズルの吐出口からの溶融はんだの噴流低下時に溶融はんだが電子部品の下端部から離れた状態を示す図である。 第2実施形態のノズルの軸方向に沿った断面図である。 第3実施形態のノズルの軸方向に沿った断面図であり、ノズルから溶融はんだが吐出された状態を示す断面図である。 (A)~(E)は、第3実施形態のノズルから吐出する溶融はんだの噴流下降時の状態を経時的に示した図である。 第3実施形態のノズルの移動時の状態を示す構成図であり、溶融はんだを吐出しながらノズルを移動してはんだ付け行っている状態を示す図である。 第4実施形態のノズルの軸方向に沿った断面図であり、ノズルから溶融はんだが吐出された状態を示す断面図である。 第4実施形態のノズルの移動時の状態を示す構成図であり、溶融はんだを吐出しながらノズルを移動してはんだ付け行っている状態を示す図である。 第4実施形態のノズルからの溶融はんだの噴流を停止した状態を示す図である。 比較例のノズルの初期使用時の状態を示す断面図である。 比較例のノズルを定められた期間使用した後にノズルから溶融はんだが吐出された状態を示す断面図である。 比較例のノズルを定められた期間使用した後の状態を示す斜視図である。
以下、本開示の技術を実施するための形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態のはんだ付け装置について説明する。
<全体構成>
まず、第1実施形態のはんだ付け装置10(以下、「装置10」という。)の全体構成について説明する。なお、装置10は、後述するノズル80以外は、公知の装置構造と同様である。
図1に示す装置10は、所謂ポイントフローはんだ付け方式の装置である。具体的には、装置10は、図3(A)に示す電子部品60(以下、「部品60」という。)のリード62をスルーホール52に挿入させたプリント基板50(以下、「基板50」という。)の背面50Bに、図2及び図3に示すように、吐出口94から溶融はんだJを吐出(噴流)させたノズル80(図4も参照)を近づける。そして、ノズル80の吐出口94から溶融はんだJ(図1及び図3参照)を吐出させながら、ノズル80を基板50の背面50Bに沿って移動させることで、リード62と基板50とをはんだ付けする。本実施形態では、基板50の鉛直方向(後述するZ方向)の上側が表面50Aであり、下側が背面50Bである。リード62は、端子の一例である。
なお、図3では図が煩雑になるのを避けるためスルーホール52は三つのみ破線で図示している。また、図2はノズル80の移動を示す説明図であり、矢印S1及び矢印S2は、ノズル80の軌跡を表している。この図2は、一つのノズル80の移動を図示しているが、説明を判り易くするため、移動するノズル80を複数実線で図示している。また、部品60は図示していない。
図1に示すように、装置10は、本体部12と、基板50を保持する保持部14と、本体部12をX方向、Y方向及びZ方向に移動させる駆動部16と、を有している。なお、図1における上下方向がZ方向(鉛直方向)であり、左右方向がX方向(水平方向)であり、紙面に直交する方向がY方向(水平方向)である。
本体部12は、ノズル80の吐出口94から吐出した溶融はんだJを回収して貯留槽22で貯留すると共に、貯留する溶融はんだJをノズル80の吐出口94から吐出させる機能を有する。なお、図1における矢印Mは、溶融はんだJの流れを表している。図示を省略するが、本体部12には、溶融はんだJをノズル80の内部(後述する供給路84)に供給するポンプが設けられている。ポンプは、貯留槽22内に設けられた羽根車(インペラ)と、貯留槽22外に突出した羽根車の回転軸の一端部に固定された第1歯車と、貯留槽22外に設けられたモータと、モータの回転軸に固定された第2歯車と、第1歯車と第2歯車に掛け回されたチェーンと、を備える。本体部12は、ポンプを動作(モータを回転)させることで、溶融はんだJをノズル80の吐出口94から吐出させるようになっている。吐出口94から上方への溶融はんだJの噴流により、溶融はんだJが基板50及びリード62に接触し、リード62と基板50がはんだ付けされる。
そして、駆動部16が本体部12を保持部14(基板50)に対して、X方向、Y方向及びZ方向に移動させることで、前述したように、ノズル80が基板50の背面50Bに対して接離すると共に背面50Bに沿って移動する。ここで、「接離」とは、基板50のスルーホール52に挿入された部品60におけるリード62の先端(下端)にノズル80が接触せず、かつリード62に溶融はんだJが接触するようにノズル80を基板50に接近させること、またはリード62の先端に溶融はんだJが接触しないように基板50からノズル80を十分離すことをいう。
<ノズル>
次に、ノズル80の構造について説明する。
図4及び図5に示すように、ノズル80は、先端部82Aの外側(外周面)が縮径されたノズル本体82と、ノズル本体82の先端部82Aに装着されたアタッチメント100と、を有する構造となっている。アタッチメント100には貫通孔102が形成され、この貫通孔102にノズル本体82の先端部82Aが挿入されている。ノズル本体82は、本体の一例であり、アタッチメント100は、先端部材の一例である。
(ノズル本体)
ノズル本体82は、溶融はんだJが供給される供給路84と、供給路84における供給方向下流側の端部に形成された開口86と、を備えている。ノズル本体82は、軸方向が鉛直方向(Z方向)となるように配置されている。供給路84は、ノズル本体82の軸方向に沿って形成された貫通孔で構成されており、開口86は、ノズル本体82の上端(すなわち、先端)に設けられている。ノズル本体82における開口86の周縁部には、先端面88が形成されている。本実施形態では、先端面88は、水平方向に沿って設けられており、平面視で(Z方向の上方から見ると)リング形(ドーナツ形)となっている。ノズル本体82では、供給路84に供給される溶融はんだJが開口86から吐出されるようになっている。
ノズル本体82の先端部82Aの外周面には、開口86側(先端側)に向かうに従って径方向内側に傾斜したテーパ部83が設けられている。本実施形態では、テーパ部83は、ノズル本体82におけるアタッチメント100が装着される領域と対応する位置に設けられている。テーパ部83の鉛直方向下側のノズル本体82の外径は、鉛直方向に沿って等しい。言い換えると、テーパ部83を除くノズル本体82の外径は、鉛直方向で同一、同等又は同様である。また、一例として、供給路84の内径は、ノズル本体82の鉛直方向に沿って等しい。言い換えると、ノズル本体82の供給路84を形成する貫通孔の内径は、鉛直方向で同一、同等又は同様である。
(アタッチメント)
アタッチメント100は、貫通孔102の上端(先端)に、溶融はんだJが上方に吐出する吐出口94を備えている。また、アタッチメント100は、吐出口94の径方向外側に広がる上面110と、上面110の外縁部からノズル80の基端部80B(図1参照)側に繋がる下面112と、を備えている。一例として、アタッチメント100は、軸方向に垂直な断面がリング形(ドーナツ形)であり、断面の外周形状が円形である。
アタッチメント100における貫通孔102の内周面には、ノズル本体82のテーパ部83が接触する接触面103が設けられている。接触面103は、貫通孔102の吐出口94側(先端側)に向かうに従って径方向内側に傾斜している。アタッチメント100は、ノズル本体82に対して着脱可能に構成されている。本実施形態では、アタッチメント100は、ノズル本体82の上方からノズル本体82の外側に被せて接触面103をノズル本体82のテーパ部83に接触させることで、ノズル本体82に装着されている。アタッチメント100は、ノズル本体82から上方に引き抜くことで、接触面103がテーパ部83から離脱し、アタッチメント100を取り外し可能である。これにより、ノズル本体82に対してアタッチメント100を交換することができる。
ノズル80は、ノズル本体82の開口86よりもアタッチメント100の吐出口94を上方に位置させてノズル本体82にアタッチメント100を装着する構成である。すなわち、ノズル80の初期状態(図4及び図5に示す状態)では、ノズル本体82の開口86よりもアタッチメント100の吐出口94が上方に配置されている。
図5に示すように、ノズル本体82の先端面88(すなわち、開口86)からアタッチメント100の吐出口94までの鉛直方向の高さHは、0.4mm以上2.0mm以下が好ましく、0.5mm以上1.5mm以下がより好ましく、0.6mm以上1.0mm以下がさらに好ましい。高さHは、ノズル本体82に対してアタッチメント100が突出する高さである。言い換えると、ノズル本体82の開口86と、アタッチメント100の吐出口94には、高さHの段差が形成されている。本実施形態では、高さHは、0.5mmである。
図4及び図5に示すように、上面110は、吐出口94から上方に突出しない構成である。本実施形態では、上面110は、基端部80B側(鉛直方向下側(図1参照))に向かうに従って径方向外側に傾斜する傾斜面とされている。
下面112は、ノズル80の基端部80B側(鉛直方向下側(図1参照))に向かうに従って径方向内側に傾斜する傾斜面とされている。アタッチメント100には、上面110と下面112とで形成されるエッジ(稜線部)114が設けられている。
言い換えると、アタッチメント100の上部側は上側(吐出口94側)に向かって縮径され、下部側は下側(基端部80B側)に向かって縮径されている。
アタッチメント100は、吐出口94を形成する貫通孔102の内周面104と上面110が稜線部105を介して直接接続されている。吐出口94は、平面視で円形の稜線部105により形成されている。鉛直方向の断面において、内周面104と上面110の成す角θ1(図5参照)は、鋭角である。一例として、接触面103を除く内周面104は、接触面103の上方に位置しており、接触面103と同様に吐出口94側(先端側)に向かうに従って径方向内側に傾斜している。例えば、ノズル80の軸方向に対する内周面104の角度は、7°である。なお、図示を省略するが、上記構成に代えて、接触面103を除く内周面104は、鉛直方向に沿って形成される構成でもよい。
例えば、ノズル80の軸方向(鉛直方向)に対する内周面104の角度が7°の場合には、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ1は、43°以上で83°より小さいことが好ましく、53°以上で80°以下であることがより好ましく、63°以上で77°以下であることがさらに好ましい。言い換えると、鉛直方向の断面においてノズル80の軸方向に対する上面110の角度は、50°以上で90°より小さいことが好ましく、60°以上で87°以下であることがより好ましく、70°以上で84°以下であることがさらに好ましい。例えば、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ1は、53°(すなわち、ノズル80の軸方向に対する上面110の角度は、60°)に設定されている。
ノズル80を取り付けた装置10(図1参照)では、溶融はんだJをノズル本体82の供給路84に供給するポンプのモータ(図示省略)を回転させると、図6に示すように、ノズル80の吐出口94から溶融はんだJが吐出される。このとき、溶融はんだJの噴流によりノズル80の吐出口94から溶融はんだJが盛り上がった状態となり、溶融はんだJが部品60の下端部60A付近(図3に示すリード62付近)に接触する。なお、図6では、ノズル80の構成及び溶融はんだJの噴流の状態を分かりやすくするため、部品60及び基板50の図示を省略している。
<比較例のノズル>
ここで、本実施形態の作用及び効果を説明する前に、比較例のノズルについて説明する。なお、ノズル80と同一の部分については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図16には、比較例のノズル500が示されている。図16に示すように、ノズル500は、ノズル本体82と、ノズル本体82に装着されるアタッチメント502と、を備えている。ノズル500は、初期状態で、ノズル本体82の先端面88からアタッチメント502の上面110の先端部502Aが突出しない構成である。ノズル本体82の先端面88には、溶融はんだJを吐出させる吐出口504が設けられている。つまり、吐出口504と先端部502Aは、Z方向の位置が同一、同等又は同様であり、段差が存在しない。
比較例のノズル500を装置10(図1参照)に取り付け、部品60のリード62と基板50のはんだ付けを行うと、ノズル本体82の外周側に配置されたアタッチメント502の摩耗が進行する。アタッチメント502の摩耗は、溶融はんだJがアタッチメント502の上面110に接触して流れ落ちることにより、主に上面110で進行する(図16及び図17参照)。特に、アタッチメント502とノズル本体82の材質が異なる場合は、アタッチメント502の摩耗が進行しやすい。ノズル500を定められた期間(例えば、1ヶ月以上2か月以下)使用すると、図17及び図18に示すように、アタッチメント502の先端部502Aよりもノズル本体82の方が上に突出する場合がある。そうすると、ノズル本体82の先端面88は、溶融はんだJを吐出口504から吐出させない場合に(図18参照)、溶融はんだJが先端面88上に残留しにくく空気に触れる機会が多くなるので、酸化が進行しやすい。例えば、ノズル本体82は、金属で形成されており、先端面88が酸化により錆びやすい。
酸化が進行したノズル本体82の先端面88は、溶融はんだJをはじくようになり(すなわち、溶融はんだJの濡れ性が悪化し)、溶融はんだJの流れ(吐出口504から吐出し盛り上がった溶融はんだJがアタッチメント502の下面に沿って流れ落ちること)に乱れが生じる。つまり、図17中の矢印Eに示す箇所ように、ノズル500の吐出口504からの溶融はんだJの盛り上がり部分に窪みが生じる。そうすると、部品60のリード62と基板50のはんだ付けを行うときに、リード62間がはんだにより電気的に繋がるはんだブリッジが発生し易くなるという懸念がある。ここで、溶融はんだJの濡れ性とは、溶融はんだJの馴染みやすさのことである。
<作用及び効果>
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
図1に示す装置10は、図2及び図3に示すように、部品60のリード62をスルーホール52に挿入させた基板50の背面50Bに、ノズル80を近接させ、かつノズル80の吐出口94から溶融はんだJを吐出させながら、ノズル80を基板50の背面50Bに沿って移動させることで、リード62と基板50とをはんだ付けする。
また、図2、図3(B)及び図3(C)に示すように、ノズル80が部品60における移動方向S1側の端部のリード62まで移動すると、ノズル80を基板50の背面50Bから離して、はんだ付けを終了する。この一連の流れを詳細に説明すると以下となる。すなわち、装置10は、まず、駆動部16を動作させて、リード62のはんだ付けの開始位置にノズル80を移動させる(図2の紙面左側のノズル80)。次いで、装置10は、モータを予め定めた回転数に回転させてノズル80の吐出口94から溶融はんだJを吐出させる(図6参照)。次いで、装置10は、駆動部16を動作させて、ノズル80を基板50の背面50Bに沿って移動させる(図2の矢印S1、図3(A)参照)。次いで、装置10は、ノズル80がリード62のはんだ付けの終了位置に到達すると、駆動部16を停止させて、ノズルの移動を停止させる(図2の紙面右側上のノズル80、図3(B)、図11(A)参照)。次いで、装置10は、モータの回転数を徐々に下げて溶融はんだJを降下させる(スローダウン、図11(B)~(E)参照)。次いで、装置10は、駆動部16を動作させて、鉛直方向の下方にノズル80を移動させる(図2の矢印S2)。
図4及び図5に示すように、ノズル80は、ノズル本体82の先端部82Aにアタッチメント100が装着されている。アタッチメント100は、溶融はんだJが上方に吐出する吐出口94の径方向外側に広がり、吐出口94から上方に突出しない上面110と、上面110の外縁部から基端部80B側(下方側)に繋がり、基端部80B側に向かうに従って径方向内側に傾斜する下面112と、を有する形状となっている。
上記のような形状のアタッチメント100を装着することで、アタッチメント100を装着していないノズル本体82のみの場合(先端部が径方向外側に張り出していないノズルの場合)と比較し、ノズル80と基板50の背面50Bとの間の溶融はんだJが、連続してスムーズに流れ落ちるので、リード62間が繋がるはんだブリッジが発生しにくい傾向にある。より具体的には、アタッチメント100の上面110は、基端部80B側に向かうに従って径方向外側に傾斜している。このため、図3(A)及び図3(B)に示すように、リード62により引っ張られた溶融はんだJによるはんだカーテンの下端部がアタッチメント100のエッジ114と直接接続される。そして、リード62により引っ張られた溶融はんだJが下面112に沿って連続してスムーズに流れ落ちる。
さらに、ノズル本体82は、先端部82Aの上端(先端)に溶融はんだJが吐出する開口86が形成されており、開口86よりも吐出口94を上方に位置させた状態で、アタッチメント100がノズル本体82に装着されている。このため、溶融はんだJを吐出口94から吐出するときに、ノズル本体82の先端面88の上には、十分な量の溶融はんだJを位置させることができる。このため、ノズル本体82の先端面88が酸化しにくくなり、溶融はんだJの濡れ性の悪化が抑制され、溶融はんだJの流れに乱れが生じにくくなる。例えば、モータの回転数を減少させて、溶融はんだJがその自重によりノズル80内に降下した場合であっても、アタッチメント100の吐出口94とノズル本体82の開口86には段差があるため、先端面88の上には、溶融はんだJの一部が残留する。このため、先端面88は、残留した溶融はんだJにより空気に露出し難くなるため、酸化が抑制される。また、仮に先端面88が酸化したとしても、モータを回転させて溶融はんだJを吐出口94から吐出させると、先端面88は、吐出口94よりも下方に位置しているため、吐出口94から吐出する溶融はんだJへの悪影響(濡れ性の悪化による流れの乱れ)を無視できるレベルまで小さくできる。
また、ノズル80を定められた期間(例えば、1ヶ月以上2ヶ月以下)使用したときに、アタッチメント100の先端部である稜線部105が摩耗しても、ノズル本体82の開口86よりもアタッチメント100の吐出口94を上方の位置に維持しやすくなる。さらに、ノズル80の使用時間に応じてアタッチメント100の稜線部105の摩耗状態を予測することで、ノズル本体82に装着されるアタッチメント100を、新しいアタッチメント100に交換することができる。
このため、ノズル80では、ノズル本体82に装着されるアタッチメント100における吐出口94がノズル本体82の開口86と段差がない場合(比較例のノズル)と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。より具体的には、予め定められたアタッチメント100の交換時期まで、ノズル本体82の開口86よりもアタッチメント100の吐出口94を上方に位置させた状態を維持することができる。このため、ノズル本体82に装着されるアタッチメント100における吐出口94がノズル本体82の開口86と段差がない場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる期間が長い。
また、ノズル80の上面110は、基端部80B側に向かうに従って径方向外側に傾斜している。これにより、図8に示されるように、ノズル80の吐出口94からの溶融はんだJの噴流が降下する噴流降下時(すなわち、スローダウン時)に、溶融はんだJが部品60の下端部60Aから離れやすい。このため、吐出口94からの溶融はんだJが部品60の下端部60Aに残留しにくい。ここで、スローダウンとは、基板50に対するノズル80の高さを変えない状態(駆動部16により本体部12をZ方向に移動させない状態)で、溶融はんだJを噴流させるモータ(図示省略)の回転数を徐々に下げて、溶融はんだJの噴流高さを徐々に下げることをいう。
ここで、図11(A)~(E)を用いて、ノズル130の吐出口94からの溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)の状態について説明する。ノズル130は、本実施形態のノズル80と比べて、上面110の角度が異なるのみで、他の構成はノズル80と同じである(同一の構成は、同一の符号を付している)。ノズル130のアタッチメント132の上面110と内周面104の成す角θ2は、ノズル80の上面110と内周面104の成す角θ1よりも小さい。しかし、吐出口94からの溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)の状態は、同様の傾向である。
図11(A)~(E)に示すように、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)には、溶融はんだJの噴流高さの低下に伴い、リード62間の余剰な溶融はんだJは、平衡状態位置まで移動する。つまり、部品60側の溶融はんだJの表面張力をA、部品60側の界面張力をA1、ノズル80側の溶融はんだJの表面張力をB、溶融はんだJの重力をWとしたとき、平衡状態(すなわち、A+A1=B+W)になろうとして溶融はんだJが動く。
溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)には、溶融はんだJの噴流高さが下降し、主に重力の作用(自重)で溶融はんだJが下方に移動するが、部品60側の表面張力Aの影響により、噴流高さの下降速度に対してリード62間の余剰な溶融はんだJの下方への移動に時間がかかる。リード62間の余剰な溶融はんだJが移動する時間が足りない(速い)と、はんだブリッジが発生する場合がある。
本実施形態のノズル80では、上面110が基端部80B側に向かうに従って径方向外側に傾斜しているため、上面110の全体が水平である(水平方向に配置された)場合と比較して、溶融はんだJに接触するリード62の表面積が小さい。このため、吐出口94からの溶融はんだJと部品60との距離が離れることで、部品60側の界面張力A1の影響力が低下する。しかし、ノズル80は、上面110が傾斜しているため、上面110の全体が水平である場合と比較して、溶融はんだJが下面112に沿って流れ落ち易く、ノズル80側の表面張力Bは小さい。このため、ノズル80の溶融はんだJの噴流高さは、上面110の全体が水平である場合と比較して、モータの回転数の減少に対応させて低くできる(モータの回転数を徐々に低くすると、噴流高さも徐々に低くできる)ため、余剰な溶融はんだJの降下速度を遅くできる。言い換えると、ノズル80を用いた場合は、リード62間の余剰な溶融はんだJが下方に移動する時間を確保できる。
このため、ノズル80では、アタッチメント100の上面110の全体が水平である場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。
また、ノズル80では、アタッチメント100は、吐出口94を形成する内周面104と上面110が稜線部105を介して直接接続されており、鉛直方向の断面において、内周面104と上面110の成す角θ1は、鋭角である。
このため、ノズル80では、アタッチメント100における吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ1が鋭角でない場合(すなわち、ノズル80の軸方向に対する上面110の角度が90°以上である場合)と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。
また、ノズル80では、例えば、ノズル80の軸方向(鉛直方向)に対する内周面104の角度は、7°である。鉛直方向の断面において、吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ1は、43°以上で83°より小さい。言い換えると、鉛直方向の断面においてノズル80の軸方向に対する上面110の角度は、50°以上で90°より小さい。
このため、ノズル80では、吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ1が83°以上(すなわち、ノズル80の軸方向に対する上面110の角度が90°以上)である場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。また、吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ1が43°より小さい(すなわち、ノズル80の軸方向に対する上面110の角度が50°より小さい)場合と比較して、溶融はんだJの流れ(例えば、溶融はんだJが流れ落ちるときの流れ)が安定化する。
ノズル80では、ノズル本体82に対してアタッチメント100が着脱可能に構成されている。このため、ノズル本体82にアタッチメント100が接合されている場合と比較して、摩耗するアタッチメント100のみを交換でき、ランニングコストが安価となる。
ノズル80では、ノズル本体82の先端部82Aの外周面に、開口86側に向かうに従って径方向内側に傾斜したテーパ部83が設けられている。また、アタッチメント100における貫通孔102の内周面には、吐出口94側に向かうに従って径方向内側に傾斜し、かつノズル本体82のテーパ部83が接触する接触面103が設けられている。このため、ノズル80では、ノズル本体82の外周面及びアタッチメント100の内周面が軸方向に沿って真直ぐに配置されている場合と比較して、ノズル本体82に対してアタッチメント100を着脱しやすい。
図1に示すように、装置10は、ノズル80と、ノズル80の基端部80Bが固定される本体部12と、基板50の背面50Bに沿って、ノズル80の先端部を基板50に対して相対移動させる駆動部16と、を備えている。本体部12は、ノズル80の吐出口94から吐出した溶融はんだJを回収して貯留槽22に貯留すると共に、ポンプを動作(モータを回転)させて貯留槽22に貯留する溶融はんだJをノズル80の吐出口94から吐出させる。このため、装置10では、ノズル本体82に装着されるアタッチメント100における吐出口94がノズル本体82の開口86と段差がないノズルが設けられている場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。
また、部品60と基板50とを備えた基板装置の製造方法では、装置10を用いて、基板50の表面50A側からスルーホールに部品60のリード62が挿入された基板50の背面50Bに沿って、吐出口94から溶融はんだJを吐出させながらノズル80を基板50に対して相対移動し、リード62を基板50にはんだ付けする。このため、基板装置の製造方法では、ノズル本体82に装着されるアタッチメント100における吐出口94がノズル本体82の開口86と段差がないノズルが設けられている場合と比較して、はんだブリッジの発生を抑制できる。
〔第2実施形態〕
次に、第2実施形態に係るノズルについて説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図9には、第2実施形態のノズル120が示されている。図9に示すように、ノズル120は、ノズル本体82と、先端部材の一例としてのアタッチメント122と、を備えている。アタッチメント122は、吐出口94を形成する内周面104と上面110が水平方向に沿った平面部124を介して直接接続されている。平面部124は、稜線部の一例である。平面部124の水平方向の幅W1は、0.5mm以下であることが好ましく、0.4mm以下であることがより好ましく、0.3mm以下であることがさらに好ましい。例えば、平面部124の水平方向の幅W1は、0.4mmである。なお、ノズル120の他の構成は、第1実施形態のノズル80と同様である。
ノズル120では、第1実施形態のノズル80と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
ノズル120では、アタッチメント122における内周面104と上面110が水平方向に沿った平面部124を介して直接接続されており、平面部124の水平方向の幅W1は、0.5mm以下である。平面部124の水平方向の幅W1が0.5mm以下である場合は、平面部124が酸化しても、平面部124が溶融はんだJ(図1等参照)をはじくことによる溶融はんだJの流れの乱れが発生しにくい。このため、ノズル120では、アタッチメント122の平面部124の幅W1が0.5mmより大きい場合と比較して、平面部124の酸化によるはんだブリッジが発生しにくい。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態に係るノズルについて説明する。なお、前述した第1及び第2実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図10には、第3実施形態のノズル130が示されている。図10に示すように、ノズル130は、ノズル本体82と、先端部材の一例としてのアタッチメント132と、を備えている。アタッチメント132は、基端部80B側(図1参照)に向かうに従って径方向外側に傾斜する上面110と、基端部80B側(図1参照)に向かうに従って径方向内側に傾斜する下面112と、を備えている。鉛直方向の断面において、内周面104と上面110の成す角θ2は、鋭角であり、第1実施形態のノズル80における内周面104と上面110の成す角θ1よりも小さい。例えば、ノズル80の軸方向(鉛直方向)に対する内周面104の角度は、7°であり、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ2は、43°(すなわち、ノズル80の軸方向に対する上面110の角度は、50°)に設定されている。なお、ノズル130の他の構成は、第1実施形態のノズル80と同様である。
装置10(図1参照)は、基板50に応じて、アタッチメント132における吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換する構成とされている。装置10は、ノズル130の基端部80Bの把持と把持の解除とが可能な把持部(図示省略)を備えている。装置10では、把持部の把持を解除してノズル130の基端部80Bを取り外し、他のノズルの基端部を把持部で把持することで、他のノズルに交換することができる。なお、装置10の他の構成は、第1実施形態の装置10と同様である。
図11(A)~(E)には、ノズル130の吐出口94からの溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)の状態が経時的に示されている。具体的には、図11(A)は、スローダウン前の状態が示されており、図11(B)は、スローダウンが開始されたときの状態が示されている。図11(C)、(D)は、スローダウンの開始後に定められた時間が経過した毎の状態をそれぞれ示しており、図11(E)は、スローダウン完了時の状態が示されている。
図11(B)~(D)に示すように、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)には、溶融はんだJの噴流高さの低下に伴い、リード62間の余剰な溶融はんだJは、平衡状態位置まで移動する。つまり、部品60側の溶融はんだJの表面張力をA、部品60側の界面張力をA1、ノズル80側の溶融はんだJの表面張力をB、溶融はんだJの重力をWとしたとき、平衡状態(すなわち、A+A1=B+W)になろうとして溶融はんだJが動く。
図11(B)、(C)に示すように、溶融はんだJの噴流高さが下降し、主に重力の作用(自重)で溶融はんだJが下方に移動するが、部品60側の表面張力Aの影響により、噴流高さの下降速度に対してリード62間の余剰な溶融はんだJの下方への移動に時間がかかる。リード62間の余剰な溶融はんだJが移動する時間が足りない(速い)と、はんだブリッジが発生する場合がある。
ノズル130では、上面110が基端部80B(図1参照)側に向かうに従って径方向外側に傾斜しているため、上面110の全体が水平である(水平方向に配置された)場合と比較して、溶融はんだJに接触するリード62の表面積が小さい。このため、図11(D)に示すように、吐出口94からの溶融はんだJと部品60との距離が離れることで、部品60側の界面張力A1の影響力が低下する、しかし、ノズル130は、上面110が傾斜しているため、上面110の全体が水平である場合と比較して、溶融はんだJが下面112に沿って流れ落ち易く、ノズル130側の表面張力Bは小さい。このため、ノズル130の溶融はんだJの噴流高さは、上面110の全体が水平である場合と比較して、モータの回転数の減少に対応させて低くできる(モータの回転数を徐々に低くすると、噴流高さも徐々に低くできる)ため、余剰な溶融はんだJの降下速度を遅くできる。言い換えると、ノズル130を用いた場合は、リード62間の余剰な溶融はんだJが下方に移動する時間を確保できる。
このため、ノズル130では、アタッチメント100の上面110の全体が水平である場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)のはんだブリッジの発生を抑制できる。
図12には、ノズル130の水平方向の移動により、部品60のリード62と基板50にはんだ付けを行う状態が示されている。図12に示すように、ノズル130のS1方向(図2参照)への移動に伴い、リード62間の余剰な溶融はんだJは、平衡状態位置まで移動する。余剰な溶融はんだJには、部品60おけるリード62間の毛管現象(毛細管現象)による吸い上がり及びスルーホール52内の界面張力F1、スルーホール52の周りに形成されたランドの界面張力F2、リード62の界面張力F3、部品60側の溶融はんだJの表面張力F4、溶融はんだJの重力F5、ノズル130側の溶融はんだJの表面張力F6などが作用する。このため、これらの力が平衡状態となるように余剰な溶融はんだJが動く。余剰な溶融はんだJが平衡状態位置まで移動する時間は、部品60及び基板50の仕様によって異なる。余剰な溶融はんだJが平衡状態に移動するまでに溶融はんだJが切れる(基板50側とノズル130側に分離する)と、はんだブリッジが発生する場合がある。
溶融はんだJのスローダウン時との相違点としては、基板50の位置がノズル130から離れるに従い、溶融はんだJのノズル130側への引き込み方向が縦から横向きに変化し、溶融はんだJの重力F5の作用が小さくなることである。すなわち、余剰な溶融はんだJは、主に溶融はんだJの表面張力F6の作用で、ノズル130側に引き寄せる(引き込む)ことである。ノズル130の移動時には、余剰な溶融はんだJを斜め横方向に引き寄せるため、リード62の界面張力F3の影響を受けやすい。
溶融はんだJのスローダウン時との類似点としては、ノズル130の移動速度が速いと、余剰な溶融はんだJが移動できず、はんだブリッジが発生する場合があることである。また、溶融はんだJと接触するリード62又はランドの表面積が大きいと界面張力F2,F3が大きくなり、リード62間の余剰な溶融はんだJがノズル130側に移動しにくくなる。
例えば、リード62の鉛直方向の長さが長い、リード62の太さが太い、又はリード62のピッチが狭い場合は、溶融はんだJとリード62とが接触する表面積が大きくなり、界面張力F3が大きくなる。これにより、リード62間の余剰な溶融はんだJがノズル130側に移動しにくくなる。
内周面104と上面110の成す角θ2が小さいノズル130では、溶融はんだJのスローダウン時のはんだブリッジの発生を抑制できるが、はんだ付けしながらのノズル130の水平方向の移動中には、はんだブリッジが発生しやすい場合がある。
本実施形態の装置10では、基板50に応じて、アタッチメント132における吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換する構成とされている。
例えば、装置10では、基板50のスルーホール52に挿入されたリード62(図11及び図12参照)の鉛直方向の長さ又はリード62のピッチ等に応じて、吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換してもよい。また、装置10では、リード62の太さ、又はスルーホール52の周囲のランドの内径に応じて、吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換してもよい。
本実施形態では、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)にはんだブリッジが発生しやすい部品60及び基板50の場合は、内周面104と上面110の成す角θ2が小さいノズル130を使用する。例えば、リード62の鉛直方向の長さが短い、又はリード62のピッチが狭い部品60及び基板50の場合は、スローダウン時にはんだブリッジが発生しやすいため、内周面104と上面110の成す角θ2が小さいノズル130を装置10(図1参照)に取り付ける。
ノズル130では、第1実施形態のノズル80と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
装置10では、基板50に応じて、アタッチメント132における吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換する構成とされている。このため、装置10では、基板50に応じてノズル130を交換しない場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズル130の移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
また、装置10では、基板50の表面50A側からスルーホール52に挿入された部品60のリード62の鉛直方向の長さ又はリード62のピッチに応じて、アタッチメント132における吐出口94を形成する内周面104と上面110の成す角θ2が異なるノズル130に交換してもよい。このため、装置10では、部品60のリード62の鉛直方向の長さ又はリード62のピッチに応じてノズル130を交換しない場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズル130の移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
〔第4実施形態〕
次に、第4実施形態に係るノズルについて説明する。なお、前述した第1~第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図13には、第4実施形態のノズル150が示されている。図13に示すように、ノズル150は、ノズル本体82と、先端部材の一例としてのアタッチメント152と、を備えている。アタッチメント152は、溶融はんだJが上方に吐出する吐出口94の径方向外側に広がる上面154と、上面154の外縁部から基端部80B(図1参照)側に繋がる下面156と、を備えている。上面154は、水平方向に沿って形成(配置)されており、吐出口94から上方に突出していない。下面156は、基端部80B(図1参照)側に向かうに従って径方向内側に傾斜している。
例えば、ノズル80の軸方向(鉛直方向)に対する内周面104の角度は、7°であり、鉛直方向の断面において内周面104と上面154の成す角θ2は、83°に設定されている。言い換えると、鉛直方向の断面においてノズル80の軸方向に対する上面の角度は、90°に設定されている。なお、ノズル150の他の構成は、第1実施形態のノズル80と同様である。
図14には、ノズル150の水平方向の移動により部品60を基板50にはんだ付けを行う状態が示されている。図14に示すように、ノズル150のS1方向(図2参照)への移動に伴い、リード62間の余剰な溶融はんだJは、平衡状態位置まで移動する。
ここで、鉛直方向の断面における内周面104と上面110の成す角θ2が異なる図10に示すノズル130及び図13に示すノズル150のそれぞれについて、溶融はんだJの流れの状態を確認した結果を説明する。
リード62の長さが長い部品60を基板50にはんだ付けする場合は、ノズルの吐出口から吐出させる溶融はんだJの高さを高くする必要がある。例えば、水平方向へのノズル130の移動によるはんだ付け時の溶融はんだJの噴流高さ(ノズル130の吐出口94の上方で盛り上がった溶融はんだJの高さ)を4000μm程度の高い噴流高さにした場合、ノズル130の吐出口94の上方で盛り上がった溶融はんだJは、脈動により上下左右に大きく変動して(揺れて)いて不安定になる場合がある。本実験では、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ2を83°としたノズル150と、θ2を73°、63°、43°としたノズル130(角度θ2が異なる3種類のノズル130)を用いて、溶融はんだJの噴流の状態を確認した。言い換えると、鉛直方向の断面においてノズル80の軸方向(鉛直方向)に対する上面の角度を90°としたノズル150と、80°、70°、50°としたノズル130を用いた。本実験では、溶融はんだJの噴流高さを上げていくと、内周面104と上面110の成す角θ2が大きい方が、溶融はんだJの噴流が安定することが分かった。特に、本実施形態のノズル150は、溶融はんだJの噴流が最も安定することが分かった。言い換えると、ノズル150は、噴流高さを高くしても、水平方向に移動しながらはんだ付けする際の溶融はんだJの脈動を抑制し、溶融はんだJを連続的にスムーズに流れ落とすことができることが分かった。
本実施形態のノズル150では、アタッチメント152の上面154に表面張力で溶融はんだJを保持することができる。このため、その大きな表面張力によりノズル150の中央部の溶融はんだJの突出を抑制することで、溶融はんだJの噴流の安定化に繋がっていると考えられる。
ノズル130、150では、一般的に吐出口94から吐出される溶融はんだJの脈動を抑える必要がある。ここで、「脈動」とは、(a)ノズル80の上部に溶融はんだJが溜まる、(b)この溜まった溶融はんだJがノズル80の外周の下方に流れ落ちるという、(a)と(b)を交互に繰り返すことを言う。脈動が発生すると、吐出口94からの溶融はんだJの流れが乱れる(揺れが生じる)ので、リード62間が繋がるはんだブリッジが発生しやすくなることが経験的に分かっている。
例えば、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ2が43°(すなわち、ノズル130の軸方向(鉛直方向)に対する上面110の角度が50°)の場合は、溶融はんだJの噴流を高くすると、ノズル130(図10参照)の中央部が噴流圧により盛り上がり、溶融はんだJの噴流が不安定になりやすいと考えられる。すなわち、高い噴流での溶融はんだJの安定性は、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ2が大きいほど良い。すなわち、高い噴流での溶融はんだJの安定性は、本実施形態のノズル150が最も良い。
但し、溶融はんだJの噴流下降時(スローダウン時)は、内周面104と上面110の成す角θ2が大きいほど、急速に溶融はんだJの噴流高さが下がることが判った。つまり、上記の4種類のノズル(ノズル150と、角度θ2が異なる3種類のノズル130)の中では、ノズル150がスローダウン時の噴流高さの低下が最も速い。溶融はんだJの噴流高さが急低下する原因は、ノズル150の溶融はんだJの表面張力及び溶融はんだJの重力の作用(自重)が影響しやすいためと考えられる。つまり、ノズル150の吐出口94及び上面154の上方に盛り上がった溶融はんだJは、モータの回転数を徐々に減少させていくと、盛り上がった溶融はんだJの強い表面張力により、溶融はんだJが下面156に沿って流れ落ちなくなる。この状態で、さらにモータの回転数を徐々に減少させると、盛り上がった溶融はんだJは、その自重と、モータの回転数の減少により、量を増やしながら供給路84に引き込まれる(供給路84を流れ落ちる)。言い換えると、ノズル150の吐出口94及び上面154の上方で盛り上がった溶融はんだJは、急速に供給路84に引き込まれる。なお、溶融はんだJは、モータにより羽根車を回転させて供給路84に供給されるため、モータが回転していれば、吐出口94から吐出されるわけではない。言い換えると、吐出口94からの溶融はんだJの吐出又は引き込みは、吐出口94及び上面154上の盛り上がった溶融はんだJ及び供給路84中の溶融はんだJの自重等と、モータによる供給路84に溶融はんだJを供給する力のバランスにより決まる。
溶融はんだJの噴流高さが急低下すると、溶融はんだJがリード62から急速に離れるため、リード62間の余剰な溶融はんだJをノズル150側に移動できず、はんだブリッジの発生が懸念される。
このため、装置10(図1参照)では、部品60の基板50に応じて、内周面104と上面110の成す角θ2が43°(ノズルの軸方向に対する上面110の角度が50°)のノズル130と、内周面104と上面154の成す角θ2が83°(ノズルの軸方向に対する上面154の角度が90°)のノズル150とを使い分ける。
本実施形態では、ノズル150の水平方向の移動時にはんだブリッジが発生しやすい部品60の場合は、吐出口94を形成する内周面104と上面154の成す角θ2が大きいノズル150を使用する。例えば、リード62の鉛直方向の長さが長い、又はリード62の太さが太い場合は、ノズルの水平方向の移動時にはんだブリッジが発生しやすいため、内周面104と上面154の成す角θ2が大きいノズル150を装置10(図1参照)に取り付ける。すなわち、装置10(図1参照)では、ノズル150に交換して部品60のはんだ付けを行う。具体的には、装置10のノズル本体82に装着されたアタッチメントは、例えば、アタッチメント132から(図10参照)、アタッチメント152(図13参照)に交換する。
ノズル150では、第1実施形態のノズル80と同様の構成による作用及び効果に加えて、以下のような作用及び効果が得られる。
ノズル150では、アタッチメント152の上面154は、水平方向に沿って形成(配置)されている。このため、図15に示すように、吐出口94からの溶融はんだJの吐出を停止しても、上面154に溶融はんだJが残留し、上面154の露出を抑制できる。このため、ノズル150では、アタッチメント152の上面154が基端部(80B)側に向かうに従って径方向外側に傾斜する場合と比較して、溶融はんだJの吐出口94からの吐出を停止したときに、アタッチメント152の上面154の酸化を抑制できる。
また、アタッチメント152では、上面154が水平方向に沿って配置されていることで、ノズル150の水平方向の移動時に吐出口94からの溶融はんだJの噴流が安定する。このため、ノズル150では、アタッチメント152の上面154が基端部80B(図1参照)側に向かうに従って径方向外側に傾斜する場合と比較して、はんだ付けしながらのノズル150の水平方向の移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
本実施形態の装置10では、基板50に応じて、アタッチメントにおける吐出口94を形成する内周面104と上面154の成す角θ2が異なるノズル(又はアタッチメント)に交換する構成とされている。このため、装置10では、基板50に応じてノズル(ノズル130(アタッチメント132)又はノズル150(アタッチメント152))を交換しない場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズルの水平方向の移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。具体的には、ノズルの水平方向への移動時にはんだブリッジが発生し易い部品60を基板50にはんだ付けする場合は、装置10の把持部にノズル150を把持させる、又は装置10の把持部に把持されたノズル本体82にアタッチメント152を装着する。ここで、ノズルの水平方向への移動時にはんだブリッジが発生し易い部品60とは、例えば、基板50の背面50Bから鉛直方向に突出する長さが長いリード62を備えた部品60である。また、スローダウン時にはんだブリッジが発生し易い部品60を基板50にはんだ付けする場合は、装置10の把持部にノズル130を把持させる、又は装置10の把持部に把持されたノズル本体82にアタッチメント132を装着する。ここで、スローダウン時にはんだブリッジが発生し易い部品60とは、例えば、基板50の背面50Bから鉛直方向に突出する長さが短いリード62、又はピッチが狭いリード62を備えた部品60である。ノズルの交換は、ノズルを着脱可能なチャックを備えた3軸ロボット(XYZ方向に移動可能なロボット)を用いて行っても良い。また、アタッチメントの交換は、アタッチメントを着脱可能なチャックを備えた3軸ロボットを用いて行っても良い。
また、装置10では、基板50の表面50A側からスルーホール52に挿入された部品60のリード62の鉛直方向の長さ又はリード62のピッチに応じて、アタッチメントにおける吐出口94を形成する内周面104と上面の成す角θ2が異なるノズルに交換する構成とされている。このため、装置10では、部品60のリード62の鉛直方向の長さ又はリード62のピッチに応じてノズルを交換しない場合と比較して、溶融はんだJの噴流降下時(すなわち、スローダウン時)、又ははんだ付けしながらのノズルの移動時のはんだブリッジの発生を抑制できる。
<その他>
尚、本開示は、上記実施形態に限定されない。
例えば、上記実施形態では、ノズル本体82の先端部82Aに別部材のアタッチメント100、122、132、152を装着することでノズル80の先端部を径方向外側に張り出した形状にしたが、これに限定されない。アタッチメント100、122、132、152とノズル本体82とが一体であってもよい。つまり、ノズル80の先端部の外形形状をアタッチメント100、122、132、152が装着された形状として、単一の金属材料により一体的に加工されていてもよい。ただし、この場合は、アタッチメントが交換できることによる効果を奏しない。
上記実施形態では、吐出口94を形成する内周面104は、接触面103に連続して先端部側に向かうにしたがって径方向内側に傾斜していたが、本開示は、この構成に限定されるものではない。例えば、吐出口94を形成する内周面104は、鉛直方向に沿って形成される構成でもよい。内周面104が鉛直方向に沿って形成される構成では、鉛直方向の断面において内周面104と上面110の成す角θ1は、50°以上で90°より小さいことが好ましく、60°以上で87°以下であることがより好ましく、70°以上で84°以下であることがさらに好ましい。
また、上記実施形態におけるアタッチメント100、122、132、152の形状は、アタッチメントの軸方向(鉛直方向)に垂直な断面がリング形(ドーナツ形)であり、断面の外周形状が円形であるものを示したが、これに限定されない。例えば、アタッチメントは、軸方向に垂直な断面の外周形状が矩形であり、中央部に貫通孔が形成されている形状であっても良い。
また、上記実施形態では、固定された基板50の背面50Bに沿ってノズル(ノズル80、120、130、又は150)を移動させたが、これに限定されない。ノズル(ノズル80、120、130、又は150)を固定して、基板50をノズルの吐出口に沿わせて移動させてもよいし、ノズル(ノズル80、120、130、又は150)と基板50との両方を移動させてもよい。
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
10 はんだ付け装置
12 本体部
14 保持部
50 プリント基板(基板の一例)
50A 表面
50B 背面
52 スルーホール
60 電子部品(部品の一例)
60A 下端部
62 リード(端子の一例)
80 ノズル
80B 基端部
82 ノズル本体(本体の一例)
83 テーパ部
86 開口
94 吐出口
100 アタッチメント(先端部材の一例)
102 貫通孔
103 接触面
104 内周面
105 稜線部
110 上面
112 下面
120 ノズル
122 アタッチメント(先端部材の一例)
124 平面部(稜線部の一例)
130 ノズル
132 アタッチメント(先端部材の一例)
140 ノズル
150 ノズル
152 アタッチメント(先端部材の一例)
154 上面
156 下面
θ1 内周面と上面の成す角
θ2 内周面と上面の成す角

Claims (12)

  1. 溶融はんだが上方に吐出する吐出口の径方向外側に広がり、該吐出口から上方に突出しない上面、及び該上面の外縁部から基端部側に繋がり、該基端部側に向かうに従って径方向内側に傾斜する下面を備える先端部材と、
    先端部に溶融はんだが吐出する開口が形成され、該開口よりも該吐出口を上方に位置させて該先端部材を装着する本体と、
    を備えたノズル。
  2. 前記上面の少なくとも一部は、前記基端部側に向かうに従って径方向外側に傾斜する請求項1に記載のノズル。
  3. 前記先端部材は、前記吐出口を形成する内周面と前記上面が稜線部を介して直接接続されており、鉛直方向の断面において前記内周面と前記上面の成す角が鋭角である請求項2に記載のノズル。
  4. 鉛直方向の断面において前記内周面と前記上面の成す角は、50°以上で90°より小さい請求項3に記載のノズル。
  5. 前記先端部材における前記稜線部は水平方向に沿った平面部であり、前記平面部の水平方向の幅が0.5mm以下である請求項3に記載のノズル。
  6. 前記先端部材の前記上面は、水平方向に沿って配置されている請求項1に記載のノズル。
  7. 前記本体に対して前記先端部材が着脱可能に構成されている請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のノズル。
  8. 前記本体の外周面は、前記開口側に向かうに従って径方向内側に傾斜したテーパ部を備え、
    前記先端部材の内周面は、前記吐出口側に向かうに従って径方向内側に傾斜し、かつ前記テーパ部に接触する接触面を備える請求項7に記載のノズル。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のノズルと、
    前記ノズルの基端部が固定され、前記ノズルの前記吐出口から吐出した溶融はんだを回収して貯留すると共に、貯留する溶融はんだを前記ノズルの前記吐出口から吐出させる本体部と、
    基板の背面に沿って、前記ノズルの前記先端部を前記基板に対して相対移動させる移動装置と、
    を備えたはんだ付け装置。
  10. 前記基板に応じて、前記先端部材における前記吐出口を形成する内周面と前記上面の成す角が異なる前記ノズルに交換する構成とされている請求項9に記載のはんだ付け装置。
  11. 前記基板の表面側からスルーホールに挿入された電子部品の端子の鉛直方向の長さ又は前記端子のピッチに応じて、前記先端部材における前記吐出口を形成する内周面と、前記上面の成す角が異なる前記ノズルに交換する構成とされている請求項9に記載のはんだ付け装置。
  12. 請求項9から請求項11までのいずれか1項に記載のはんだ付け装置を用いて、前記基板の表面側からスルーホールに電子部品の端子が挿入された前記基板の背面に沿って、前記吐出口から溶融はんだを吐出させながら前記ノズルを前記基板に対して相対移動し、前記端子を前記基板にはんだ付けする基板装置の製造方法。
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