JP2023068564A - 四輪駆動車両用制御装置 - Google Patents

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Shigeyuki Miyauchi
健司 飯原
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Abstract

【課題】スリップの発生を検知して副駆動輪への駆動力の配分を上昇させる制御方式による駆動状態で走行可能な四輪駆動車両において、路面の摩擦係数に応じて適切に駆動力の配分を制御可能とする。【解決手段】制御装置100は、スリップ判定部102を有する。制御装置100は、スリップ判定部102においてスリップが発生したとの判定が行われることを条件として、後輪16L,16Rに伝達される駆動力に対する前輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を上昇させるものである。スリップ判定部102は、車両10における車輪のスリップ率Sが閾値Lを超えることを判定条件の一部又は全部としてスリップの発生状態を判定する。スリップ判定部102は、車両10に作用する横加速度が高くなるのに連れて閾値Lが高くなるように閾値Lを設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、四輪駆動車両用制御装置に関する。
従来、下記特許文献1に開示されている全輪駆動車における制御システム等が、四輪駆動車両用の制御装置として提供されている。下記特許文献1の制御システムは、原動機により時限的に駆動される第一の車軸と、プロペラシャフトを介して前記原動機に常時連結する第二の車軸と、前記プロペラシャフトと前記第一の車軸とを駆動的に連絡するサブシャフトと、を備えた全輪駆動車において、前記原動機と前記第一の車軸との接続を制御するものである。この制御システムは、前記プロペラシャフトと前記サブシャフトとを切断可能に接続する第一のクラッチと、前記サブシャフトと前記第一の車軸とを切断可能に接続する第二のクラッチと、前記第二のクラッチが接続可能かを判定する同期判定手段と、前記第二のクラッチが接続しているかを判定する接続判定手段と、を備えている。特許文献1の制御システムは、このような構成とすることにより、伝達トルクに衝撃的または振動的な変動が生じることを防止しながら迅速に2WDモードとAWDモードとを切り替えられるようにしようとしている。
特開2020-032773号公報
ここで本発明者らは、駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第一クラッチ、動力伝達部材と副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第二クラッチを備えた四輪駆動車両において、スリップの発生を検知して副駆動輪への駆動力の配分を上昇させる制御方式とする場合において想定される問題について検討した。
その結果、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい、いわゆる高μ路であっても、急旋回を行うことで旋回半径方向内側の車輪(内輪)の接地荷重が軽くなるためにスリップが発生する場合があるとの知見が得られた。また、このような場合に、スリップの発生を検知して副駆動輪への駆動力の配分を上昇させる制御を行うと、スリップが収まる反面、前輪と後輪との回転差に起因する、いわゆるタイトコーナーブレーキング現象が発生してしまう場合がある懸念があるとの知見が得られた。
そこで本発明は、スリップの発生を検知して副駆動輪への駆動力の配分を上昇させる制御方式による駆動状態で走行可能な四輪駆動車両において、路面の摩擦係数に応じて適切に駆動力の配分を制御可能な四輪駆動車両用制御装置の提供を目的とした。
ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、車両に作用する横加速度が路面状態を適確に反映した指標となり得ることから、横加速度を指標とすれば、路面状態に応じて適切に駆動力の配分制御を行えるとの知見に至った。具体的には、横加速度が大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定されることから、横加速度の大きさを指標とすれば、走行している路面状態を適確に把握し、駆動力の配分制御を適切に行えるとの知見に至った。
(1)かかる知見に基づいて提供される本発明の四輪駆動車両用制御装置は、駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第一クラッチと、前記動力伝達部材と副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第二クラッチと、を備え、前記第一クラッチ及び前記第二クラッチの少なくともいずれかを解放させることにより前記駆動力源から左右の主駆動輪へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、前記第一クラッチと前記第二クラッチとをそれぞれ係合させることにより前記駆動力源から前記左右の副駆動輪へも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、前記第二クラッチを係合させつつ、前記四輪駆動車両におけるスリップの発生が検知されることを条件として、前記第一クラッチの係合度を変化させることにより、前記主駆動輪に伝達される駆動力に対する前記副駆動輪に伝達される駆動力の配分を上昇させるスタンバイ制御方式による駆動制御を行う駆動配分可変状態と、に駆動状態を切り替え可能な四輪駆動車両に用いられるものであって、駆動配分可変状態において、前記四輪駆動車両における車輪のスリップ率が閾値を超えることを判定条件の一部又は全部としてスリップの発生状態を判定するスリップ判定部を有し、前記スリップ判定部においてスリップが発生したとの判定が行われることを一部又は全部の条件として、前記主駆動輪に伝達される駆動力に対する前記副駆動輪に伝達される駆動力の配分を上昇させるものであり、前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両に作用する横加速度を指標の一部又は全部として前記閾値を設定するものであり、前記横加速度が高くなるのに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定すること、を特徴とするものである。
本発明の四輪駆動車両用制御装置は、上述した知見に基づき、横加速度を指標の一部又は全部として閾値を設定するものとされている。また、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、横加速度が高くなるのに連れて、スリップ判定の判定基準となる閾値を高く設定する。そのため、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であるほど閾値を高く設定する。これにより、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、いわゆる高μ路を走行している際に、スリップ判定がなされるのを抑制できる。その結果、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、高μ路を走行している際に、副駆動輪への駆動力の伝達配分を上げる制御が行われるのを抑制し、タイトコーナーブレーキング現象が発生するのを抑制できる。
ここで、車両を急旋回させた場合には、旋回半径方向外側の車輪(外輪)よりも、内側の車輪(内輪)の方が先にスリップする傾向にある。また、本発明の四輪駆動車両用制御装置が上述したような制御を行うのにあたり、少しでも早くスリップの発生を把握できることが好ましい。そのため、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、スリップ判定部が、内輪におけるスリップ率に基づいて、スリップの発生状態を判定するものであると良い。
(2)かかる知見に基づけば、上述した本発明の四輪駆動車両用制御装置は、前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両の旋回半径方向内側における車輪のスリップ率に基づいて、スリップの発生状態を判定するものであると良い。
本発明の四輪駆動車両用制御装置は、上述した知見に基づき、四輪駆動車両の旋回半径方向内側における車輪のスリップ率に基づいて、スリップの発生状態を判定するものとされている。そのため、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、スリップの発生状態を迅速かつ適切に把握し、適確な制御を行うことができる。
ここで、上述した本発明の四輪駆動車両用制御装置において、路面状態をより一層適確に把握してスリップの判定基準となる閾値を適切な値に設定可能とするためには、横加速度に加えて、路面状況を把握するのに適した他の要素を指標として加えると良い。例えば、横加速度及び車輪駆動力の影響により四輪駆動車両に対して作用する力が大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定される。そのため、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、横加速度及び車輪駆動力の影響により四輪駆動車両に対して作用する力を指標として閾値を設定することにより、より一層適確に路面状態を反映した駆動力の配分制御が行えるものと考えられる。
(3)かかる知見に基づけば、上述した本発明の四輪駆動車両用制御装置は、前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両に作用する横加速度の大きさに代えて、あるいは加えて、前記横加速度及び車輪駆動力の影響により前記四輪駆動車両に対して作用する力の大きさを前記閾値を設定するための指標とするものであり、前記スリップ判定部が、前記横加速度及び車輪駆動力の影響により前記四輪駆動車両に対して作用する力が大きくなのるに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定するものであると良い。
本発明の四輪駆動車両用制御装置は、四輪駆動車両に作用する横加速度の大きさに代えて、あるいは加えて、横加速度及び車輪駆動力の影響により四輪駆動車両に対して作用する力の大きさを指標として、閾値を設定するものとされている。また、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、横加速度及び車輪駆動力の影響により四輪駆動車両に対して作用する力が大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定して、閾値を高く設定するものとされている。従って、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、高μ路を走行している際に副駆動輪への駆動力の伝達配分を上げる制御が行われてしまうのをより一層確実に抑制し、タイトコーナーブレーキング現象が発生するのを抑制できる。
ここで、本発明者らが鋭意検討したところ、上述した横加速度の他にも、例えばヨーレートについても、路面状態を適確に反映した指標となり得ることを見いだした。具体的には、ヨーレートが大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定されることから、ヨーレートの大きさを指標とすれば、走行している路面状態を適確に把握し、駆動力の配分制御を適切に行えるとの知見に至った。
(4)上述した本発明の四輪駆動車両用制御装置は、前記スリップ判定部が、前記横加速度に代えて、あるいは前記横加速度に加えてヨーレートを指標の一部又は全部として前記閾値を設定するものであり、前記ヨーレートが高くなるのに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定するものであると良い。
本発明の四輪駆動車両用制御装置は、横加速度に加えて、あるいは横加速度に代えてヨーレートを指標の一部又は全部として、スリップの発生状態を判定するための閾値を設定するものとされている。そのため、本発明の四輪駆動車両用制御装置は、いわゆる高μ路を走行している際に副駆動輪への駆動力の伝達配分を上げる制御が行われることにより、タイトコーナーブレーキング現象が発生してしまうのを抑制できる。
(5)上述した本発明の四輪駆動車両用制御装置は、前記スリップ判定部が、前記ヨーレートに加えて、車輪駆動力及び車速のいずれか一方又は双方を指標として把握される前記四輪駆動車両に対して作用する力の大きさが大きくなのるに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定するものであると良い。
本発明の四輪駆動車両用制御装置は、このような構成とされているため、ヨーレートに加えて、車輪駆動力や車速の影響を加味して四輪駆動車両に対して作用する力の大きさを把握し、その結果に基づいて路面状態に応じた駆動力の伝達配分制御を行うことができる。
本発明によれば、スリップの発生を検知して副駆動輪への駆動力の配分を上昇させる制御方式による駆動状態で走行可能な四輪駆動車両において、路面の摩擦係数に応じて適切に駆動力の配分を制御可能な四輪駆動車両用制御装置を提供できる。
本発明の一実施形態に係る制御装置、及びこれを搭載した車両を示す説明図である。 図1に示した車両の駆動状態が駆動配分可変状態である場合に行われる制御フローを示すフローチャートである。 図2に係る制御フローに対応したタイミングチャートである。 閾値を変更せず一定とした場合におけるスリップ率の推移、及び副駆動輪への駆動配分の変化の様子を、車速、舵角、横加速度の推移とともに示したタイミングチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る四輪駆動車両用制御装置(制御装置100)について、これを採用した四輪駆動車両(車両10)を例に挙げ、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、制御装置100の具体的構成や、制御装置100による制御について言及する前に、車両10の概略構成について説明する。
図1は、本発明が適用された車両10の概略構成を説明する図である。車両10は、フロントエンジン・リアドライブ方式の駆動方式を採用したものである。図1に示すように、車両10は、駆動力源12、左右一対の前輪14L,14R、左右一対の後輪16L,16R、動力伝達装置18、及び制御装置100等を備えている。車両10は、後輪16L,16Rに駆動力を伝達して走行する二輪駆動状態、及び後輪16L,16Rに加えて前輪14L,14Rにも駆動力を伝達して走行する四輪駆動状態に適宜切り替えて走行可能な四輪駆動車両とされている。
駆動力源12は、車両10の駆動力を発生させるためのものである。駆動力源12は、例えばエンジンや、モータ等によって構成することができる。また、前輪14L,14Rは、車両10において副駆動輪を構成するものである。前輪14L,14Rは、四輪駆動状態においては駆動輪として機能し、二輪駆動状態においては従動輪として機能するものである。後輪16L,16Rは、車両10において主駆動輪を構成するものである。後輪16L,16Rは、四輪駆動状態及び二輪駆動状態の双方において駆動輪として機能するものである。
図1に示すように、 動力伝達装置18は、変速装置20、トランスファ22、フロントプロペラシャフト24(動力伝達部材)、リヤプロペラシャフト26、前輪用差動歯車装置28、後輪用差動歯車装置30、左右一対の前輪車軸32L,32R、及び左右一対の後輪車軸34L,34R等を備えている。
動力伝達装置18は、変速装置20からトランスファ22、リヤプロペラシャフト26、後輪用差動歯車装置30、後輪車軸34L,34R等を順次介して後輪16L,16Rに到達する動力伝達経路により、駆動力源12において発生した動力を後輪16L,16Rに伝達させることができる。また、動力伝達装置18は、駆動力源12からトランスファ22に伝達された駆動力の一部について、前輪14L,14R側に分配して伝達する動力伝達経路を構成することも可能である。すなわち、動力伝達装置18は、後に詳述する前輪駆動用クラッチ46の接続状態を調整することにより、変速装置20からトランスファ22を経て、フロントプロペラシャフト24、前輪用差動歯車装置28、前輪車軸32L,32R等を順次介して前輪14L,14Rに到達する動力伝達経路により、駆動力源12において発生した動力の一部を前輪14L,14Rに伝達させることができる。
変速装置20は、駆動力源12からの出力を受けて作動するものであり、例えば従来公知のMT(マニュアルトランスミッション)、AT(オートマチックトランスミッション)、CVT(連続可変トランスミッション)等によって構成されている。
トランスファ22は、トランスファケース36の内部に、入力軸38、後輪側出力軸40、前輪駆動用ドライブスプロケット42、前輪駆動用クラッチ46(第一クラッチ)を第一回転軸線C1まわりに備えている。また、トランスファ22は、第一回転軸線C1に対して沿う方向(本実施形態では略平行)に延びる第二回転軸線C2まわりに、前輪側出力軸48と、前輪駆動用ドリブンスプロケット50とを備えている。さらに、トランスファ22は、前輪駆動用ドライブスプロケット42、及び前輪駆動用ドリブンスプロケット50に亘って前輪駆動用チェーン52を掛け回したものとされている。
入力軸38は、変速装置20に対して接続されている。これにより、入力軸38は、駆動力源12から伝達された動力を入力可能とされている。また、後輪側出力軸40は、リヤプロペラシャフト26に対して動力伝達可能に連結されている。前輪駆動用ドライブスプロケット42は、後輪側出力軸40に対して相対回転可能に後輪側出力軸40に支持されている。
前輪駆動用ドライブスプロケット42は、前輪駆動用クラッチ46を係合させることにより、後輪側出力軸40と一体的に回転可能となり、前輪駆動用チェーン52を介して前輪側出力軸48に動力伝達可能となる。そのため、前輪駆動用クラッチ46を係合させることにより、駆動力源12から後輪側出力軸40を介してリヤプロペラシャフト26に伝達される駆動力の一部を分配し、前輪駆動用ドライブスプロケット42及び前輪駆動用チェーン52を介して前輪側出力軸48に伝達させることができる。一方、前輪駆動用クラッチ46を非係合状態とすることにより、駆動力源12から後輪側出力軸40に伝達された駆動力を前輪駆動用ドライブスプロケット42に伝達(分配)することなく、リヤプロペラシャフト26に伝達させることができる。
前輪駆動用クラッチ46は、湿式多板クラッチによって構成されている。前輪駆動用クラッチ46は、係合度(係合圧)を調整することにより、後輪側出力軸40から前輪駆動用ドライブスプロケット42へ伝達する伝達トルクを調整可能とされている。すなわち、前輪駆動用クラッチ46は、駆動力源12と、前輪14L,14Rへの動力伝達部材として機能するフロントプロペラシャフト24との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続するためのクラッチ(第一クラッチ)として機能する。前輪駆動用クラッチ46は、油圧の作用によって作動するものであり、油圧の大きさを制御することにより係合度を調整可能なものとされている。
前輪側出力軸48は、フロントプロペラシャフト24に対して動力伝達可能に連結されている。前輪駆動用ドリブンスプロケット50は、前輪側出力軸48と一体的に回転可能なように設けられている。また、前輪駆動用チェーン52は、前輪駆動用ドライブスプロケット42、及び前輪駆動用ドリブンスプロケット50に亘って掛け回されており、両スプロケット間で動力伝達可能とされている。
前輪用差動歯車装置28は、デフケース80に対しピニオンシャフト82、一対のサイドギヤ84L,84R、一対のピニオン86a,86b、及びリングギア90を設けたものとされている。ピニオン86a,86bは、それぞれピニオンシャフト82の両端に配された状態でデフケース80に対して取り付けられている。また、サイドギヤ84L,84Rは、デフケース80内において対向配置され、それぞれピニオン86a,86bに対して噛み合っている。サイドギヤ84L,84Rは、前輪車軸32L,32Rを介して前輪14L,14Rに対して接続されている。また、リングギア90は、デフケース80に対して一体的に取り付けられている。リングギア90には、フロントプロペラシャフト24に接続されたフロントドライブピニオン25が噛み合っている。また、前輪用差動歯車装置28は、前輪用差動歯車装置28は、噛合式クラッチ94(第二クラッチ)を備えている。噛合式クラッチ94は、圧力(負圧)を作用させることにより係合可能なものとされている。噛合式クラッチ94は、前輪14L,14Rへの動力伝達部材として機能するフロントプロペラシャフト24と、副駆動輪である前輪車軸32L,32Rとの間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第二クラッチとして機能する。
後輪用差動歯車装置30は、デフケース120に対し、ピニオンシャフト122、一対のサイドギヤ124L,124R、一対のピニオン126a,126b、及びリングギア130を設けたものとされている。ピニオン126a,126bは、それぞれピニオンシャフト122の両端に配された状態でデフケース120に対して取り付けられている。また、サイドギヤ124L,124Rは、デフケース120内において対向配置され、それぞれピニオン126a,126bに対して噛み合っている。サイドギヤ124L,124Rは、後輪車軸34L,34Rを介して後輪16L,16Rに対して接続されている。また、リングギア130は、デフケース120に対して一体的に取り付けられている。リングギア130には、リヤプロペラシャフト26に接続されたリアドライブピニオン27が噛み合っている。
車両10は、上述したような構成とされているため、前輪駆動用クラッチ46及び噛合式クラッチ94の双方をトルク伝達可能に接続(係合)された状態にすると、後輪16L,16Rだけでなく、前輪14L,14Rにも駆動力源12において発生した動力を伝達可能な状態(四輪駆動状態)になる。一方、車両10は、前輪駆動用クラッチ46及び噛合式クラッチ94の少なくともいずれかが非接続(非係合)とされると、前輪14L,14Rへの動力伝達経路が切断され、トルク伝達不能な状態になる。これにより、車両10は、駆動力源12において発生した動力を後輪16L,16Rに伝達可能であるものの、前輪14L,14Rには伝達不能な状態(二輪駆動状態)になる。
車両10は、駆動状態を切り替えるための切替スイッチ140を備えている。切替スイッチ140は、「2WD」、「4WD LOCK」、及び「4WD AUTO」の3つの駆動状態から任意のものを選択して設定可能なものとされている。切替スイッチ140が「2WD」に設定されると、前輪駆動用クラッチ46及び噛合式クラッチ94のいずれか一方又は双方が非係合状態とされる。これにより、車両10は、二輪駆動状態で駆動する状態とされる。また、切替スイッチ140が「4WD LOCK」に設定されると、噛合式クラッチ94が係合状態とされると共に、前輪駆動用クラッチ46が完全に係合した状態とされる。これにより、車両10は、四輪駆動状態で駆動する状態とされる。
また、切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定されると、噛合式クラッチ94を係合させつつ、車両10におけるスリップの発生が検知されることを条件として、前輪駆動用クラッチ46の係合度を変化させることにより、後輪16L,16Rに伝達される駆動力に対する前輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を上昇させるスタンバイ制御方式による駆動制御が可能な状態(駆動配分可変状態)とされる。具体的には、切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定されると、噛合式クラッチ94が係合状態とされると共に、スリップの発生に備えて、前輪駆動用クラッチ46を所定のスタンバイ係合度Sで係合させた状態で待機した状態とされる。切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定された状態において、主駆動輪である後輪16L,16Rに滑りが発生すると、噛合式クラッチ94が係合状態で維持しされた状態で、前輪駆動用クラッチ46を完全に係合させることにより、車両10の駆動状態が切り替えられる。
制御装置100は、上述した前輪駆動用クラッチ46及び噛合式クラッチ94の接続状態(係合状態)を制御可能なものとされている。制御装置100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを含んで構成されている。制御装置100は、スリップ判定部102、第一クラッチ制御部104、及び第二クラッチ制御部106を備えている。
スリップ判定部102は、車両10におけるスリップの発生状態を判定するものである。本実施形態では、スリップ判定部102は、車両10の車輪である前輪14L,14R及び後輪16L,16Rのうち、後輪16L,16Rにおけるスリップ率Sを判定条件として、スリップの発生状態を判定するものとされている。スリップ判定部102は、後輪16L,16Rのうち、いずれか一方又は双方にある車輪のスリップ率Sに基づいてスリップの発生状態を判定するものであると良い。本実施形態では、車両10の旋回時に旋回半径方向内側にある車輪(内輪)が外側にある車輪(外輪)よりも先にスリップする傾向にあることを鑑み、スリップ判定部102は、後輪16L,16Rのうち車両10の旋回半径方向内側にあるもののスリップ率Sに基づいて、スリップの発生状態を判定するものとされている。
ここで、「スリップ率S」とは、車両10の速度をVb、車輪の回転速度から演算される速度(車輪速度)をVwとしたとき、車両10の減速時はS={Vb-Vw)/Vb}×100[%]、車両10の加速時はS={(Vw-Vb)/Vw}×100[%]として導出される値である。
スリップ判定部102は、駆動配分可変状態(切替スイッチ140が4WD AUTOに設定された状態)において、主駆動輪である後輪16L,16Rのスリップ率Sが閾値Lを超えることを判定条件としてスリップの発生状態を判定するものとされている。また、スリップ判定部102は、車両10が旋回中である場合には、後輪16L,16Rのうち内輪をなす車輪のスリップ率Sが閾値Lを超えることを判定条件としてスリップの発生状態を判定するものとされている。
スリップ判定部102は、車両10に作用する横加速度を指標の一部又は全部として閾値Lを設定する。本実施形態では、図3のタイミングチャートを参照して分かるように、スリップ判定部102は、横加速度が高くなるのに連れて閾値Lが高くなるように閾値Lを設定するものとされている。
第一クラッチ制御部104は、前輪駆動用クラッチ46を介してフロントプロペラシャフト24に伝わる伝達トルク(第一クラッチの係合度)の制御を行うものである。上述したように、本実施形態では、前輪駆動用クラッチ46が油圧の大きさを制御することにより係合度(係合圧)を調整可能な湿式多板クラッチとされている。そのため、第一クラッチ制御部104は、前輪駆動用クラッチ46に作用する油圧の大きさを制御することにより、フロントプロペラシャフト24への伝達トルクの大きさを制御する。
第二クラッチ制御部106は、噛合式クラッチ94の動作制御を行うことにより前輪駆動用クラッチ46から前輪用差動歯車装置28へのトルク伝達を制御するものである。上述したように、噛合式クラッチ94は、圧力(負圧)を作用させることにより係合可能なものとされている。そのため、第二クラッチ制御部106は、噛合式クラッチ94に作用する圧力の大きさを制御することにより、噛合式クラッチ94を係合状態、及び非係合状態に切り替えることができる。
ここで、上述した制御装置100は、切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定され、上述したスタンバイ制御方式による駆動制御を行う場合において、路面の摩擦係数に応じて適切に駆動力の配分を制御可能とするための制御(駆動力配分制御)を行う点に特徴を有する。以下、切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定された場合において制御装置100によって行われる制御について、図2のフローチャートに則り、図3のタイミングチャートを参照しつつ詳細に説明する。
(ステップ1)
ステップ1において、制御装置100は、車両10の切替スイッチ140が「4WD AUTO」に設定されているか否かを確認することにより、スタンバイ制御方式による駆動制御を行う状態(駆動配分可変状態)であるのか否かを確認する。ここで、車両10の駆動状態が駆動配分可変状態であることが確認されると、制御フローがステップ2に進められる。
(ステップ2)
ステップ2において、制御装置100は、車両10がスリップしている状態であるか否かをスリップ判定部102が判定するための閾値Lを設定するのに備えて、閾値Lの指標(閾値設定指標)となる指標値を取得する。本実施形態では、車両10に作用する横加速度の大きさが閾値設定指標とされている。そのため、ステップ2において、制御装置100は、車両10に設けられたセンサ等の出力信号を取得することにより、横加速度の大きさを指標値(閾値設定指標値)として取得する。その後、制御装置100は、制御フローをステップ3に進める。
(ステップ3)
ステップ3において、制御装置100のスリップ判定部102は、ステップ2において得られた閾値設定指標値に基づいて、閾値Lを設定する。本実施形態では、車両10に作用する横加速度の大きさに基づいて、閾値Lを設定する。ここで、スリップ判定部102は、所定の関数や予め規定されているマップ等に基づいて、図3のタイミングチャートに示すように、横加速度の大きさいほど閾値Lが大きくなるように閾値Lの値を設定する。閾値Lの設定が完了すると、制御装置100は、制御フローをステップ4に進める。
(ステップ4)
ステップ4において、制御装置100は、スリップ判定部102により、車両10の速度Vb及び車輪速度Vwに基づいて、走行中である車両10の後輪16L,16Rにおけるスリップ率Sを導出する。車両10が旋回中である場合には、スリップ判定部102は、後輪16L,16Rのうち内輪をなすもののスリップ率Sを導出する。その後、制御装置100は、制御フローをステップ5に進める。
(ステップ5)
ステップ5において、制御装置100は、スリップ判定部102により、車両10におけるスリップの発生の有無を判定する。具体的には、スリップ判定部102は、上述したステップ4において導出されたスリップ率Sと、ステップ3において設定された閾値Lとを比較する。スリップ率Sが閾値Lよりも大きい場合(S>L)の場合には、スリップが発生しているとの判定がスリップ判定部102によってなされ、制御フローがステップ6に進められる。一方、スリップが発生していないことが確認された場合には、制御フローがステップ1に戻される。
(ステップ6)
制御フローがステップ5からステップ6に進んだ場合には、車両10においてスリップが発生している。そのため、制御装置100は、第一クラッチ制御部104による制御のもと、前輪駆動用クラッチ46の係合度をスタンバイ係合度Sから上昇させる。これにより、副駆動輪である前輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を上昇させる。
上述した車両10に搭載される制御装置100は、以下の(A)、(B)のような特徴的構成を備えているため、特徴的な効果を発揮できる。
(A)本実施形態の制御装置100は、駆動力源12とフロントプロペラシャフト24(動力伝達部材)との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する前輪駆動用クラッチ46(第一クラッチ)と、フロントプロペラシャフト24と前輪14L,14R(副駆動輪)との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する噛合式クラッチ94(第二クラッチ)と、を備え、前輪駆動用クラッチ46及び噛合式クラッチ94の少なくともいずれかを解放させることにより駆動力源12から左右の後輪16L,16R(主駆動輪)へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、前輪駆動用クラッチ46と噛合式クラッチ94とをそれぞれ係合させることにより駆動力源12から左右の前輪14L,14Rへも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、噛合式クラッチ94を係合させつつ、車両10におけるスリップの発生が検知されることを条件として、前輪駆動用クラッチ46の係合度を変化させることにより、後輪16L,16Rに伝達される駆動力に対する前輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を上昇させるスタンバイ制御方式による駆動制御を行う駆動配分可変状態と、に駆動状態を切り替え可能な車両10に用いられるものである。制御装置100は、、駆動配分可変状態において、車両10における車輪のスリップ率Sが閾値Lを超えることを判定条件の一部又は全部としてスリップの発生状態を判定するスリップ判定部102を有する。また、制御装置100は、スリップ判定部102においてスリップが発生したとの判定が行われることを一部又は全部の条件として、後輪16L,16Rに伝達される駆動力に対する前輪14L,14Rに伝達される駆動力の配分を上昇させるものである。制御装置100は、スリップ判定部102が、車両10に作用する横加速度を指標の一部又は全部として閾値Lを設定するものであり、横加速度が高くなるのに連れて閾値Lが高くなるように閾値Lを設定すること、を特徴とするものである。
本実施形態の制御装置100は、横加速度が高くなるのに連れて、スリップ判定の判定基準となる閾値Lを高く設定する。そのため、本実施形態の制御装置100は、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であるほど閾値Lを高く設定する。これにより、本実施形態の制御装置100は、いわゆる高μ路を走行している際に、スリップ判定がなされるのを抑制できる。その結果、本実施形態の制御装置100は、高μ路を走行している際に、前輪14L,14Rへの駆動力の伝達配分を上げる制御が行われるのを抑制し、タイトコーナーブレーキング現象が発生するのを抑制できる。
さらに具体的には、図4に示す比較例のように、横加速度が変化してもスリップ判定の判定基準となる閾値Lを変化させることなく一定値とした場合には、車両10がスリップせずに急旋回できている状態であるにもかかわらず、横加速度が上昇に伴ってスリップ率Sが閾値Lを上回る期間において、前輪14L,14Rへの駆動力の伝達配分を上げる制御が行われることになる。このような制御が行われると、タイトコーナーブレーキング現象が発生してしまう懸念がある。
しかしながら、本実施形態の制御装置100では、横加速度が高くなるのに連れて、スリップ判定の判定基準となる閾値Lを高く設定するものとされている。そのため、制御装置100による制御を行えば、図3に示すように、スリップ率が高くなっても副駆動輪である前輪14L,14Rへの駆動力の伝達配分を上げる制御が行われるのを抑制できる。これにより、高μ路を走行している際に、スリップ判定がなされるのを抑制し、タイトコーナーブレーキング現象が発生するのを抑制できる。
本実施形態では、車両10に作用する横加速度を指標の全部として閾値Lを設定するものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において適宜の指標を閾値Lの設定基準として用いることができる。すなわち、摩擦係数の高い路面で同じ横加速度で車速を上げていくと、車速が低いときに比べて車両10の旋回半径が大きくなるため、スリップせずに走行している時の後輪16L,16Rのうち、内輪となるもののスリップ率Sが低車速時よりも小さくなる。そのため、制御装置100は、高車速になるほど閾値Lを下げるものとすると良い。別の観点から説明すると、高車速では前後輪の旋回半径の差が少なくなるので、タイトコーナブレーキング現象が起きにくくなることから、高車速、高μ路において急旋回に伴って内輪においてスリップが発生した場合において駆動力配分を上げても問題なく、閾値Lを上げる必要がない。そのため、制御装置100は、車速が上がるにつれてスリップ判定用の閾値Lを下げるものとすると良い。
上記のような知見に基づけば、制御装置100は、後述する変形例のように、例えば車輪に作用する駆動力(車輪駆動力)や、ヨーレート、車速等の他の要素を、横加速度に加えて、あるいは代えて閾値Lを設定するための指標とすることも可能である。このように複数の指標を活用して閾値Lを設定することにより、閾値Lをより一層適切な値に設定することが可能となる。
また、本実施形態では、車両10における車輪のスリップ率Sが閾値Lを超えることスリップの発生状態を判定するための判定条件の全部とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の要素をスリップの発生状態を判定するための判定条件として加えたものとすることも可能である。スリップ率S以外の要素も加味してスリップの発生状態を判定するようにすれば、スリップの発生状態をより一層適確に把握することが可能となる。
(B)上述した本実施形態の制御装置100は、スリップ判定部102が、車両10の旋回半径方向内側における車輪のスリップ率Sに基づいて、スリップの発生状態を判定するものとされている。
本実施形態の制御装置100は、車両10の旋回時に外輪よりも内輪において早くスリップが発生することに鑑み、上記(B)のような構成とされている。そのため、本実施形態の制御装置100は、スリップの発生状態を迅速かつ適切に把握し、適確な制御を行うことができる。
なお、本実施形態では、車両10が旋回している状態におけるスリップの発生状態を、内輪側の車輪(本実施形態では、後輪16L,16Rのうち内輪側のもの)についてのスリップ率Sに着目して把握する例を示したが、本発明はこれに限定されない。制御装置100は、例えば、内輪側及び外輪側の双方のスリップ率Sを複合的に把握するすることにより、スリップの発生状態を把握するもの等としても良い。
上述した制御装置100は、本発明の一例を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形例が考えられる。例えば、上述した制御装置100は、以下の(C)のような構成とすることによっても、従来技術では達し得ない特徴的な効果を得ることができる。
(C)上述した本実施形態の制御装置100は、スリップ判定部102が、車両10に作用する横加速度の大きさに代えて、あるいは加えて、横加速度及び車輪駆動力の影響により車両10に対して作用する力の大きさを閾値Lを設定するための指標とするものであり、スリップ判定部102が、横加速度及び車輪駆動力の影響により車両10に対して作用する力が大きくなのるに連れて閾値Lが高くなるように閾値Lを設定するものとすることができる。
上記(C)に係る制御装置100は、路面状態をより一層適確に把握してスリップの判定基準となる閾値Lを適切な値に設定可能とするためには、横加速度に加えて、路面状況を把握するのに適した他の要素を指標として加えると良いとの知見に基づいたものである。上記(C)に係る制御装置100では、横加速度及び車輪駆動力の影響により車両10に対して作用する力が大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定されることから、車両10に作用する横加速度の大きさに代えて、あるいは加えて、横加速度及び車輪駆動力の影響により車両10に対して作用する力の大きさを指標として、閾値Lを設定するものとされている。従って、制御装置100は、上記(C)のような構成とすることにより、高μ路を走行している際に前輪14L,14Rへの駆動力の伝達配分を上げる制御が行われてしまうのをより一層確実に抑制し、タイトコーナーブレーキング現象が発生するのを抑制できる。
また、上述した制御装置100は、以下の(D)のような構成とすることによっても、従来技術では達し得ない特徴的な効果を得ることができる。
(D)上述した制御装置100は、スリップ判定部102が、横加速度に代えて、あるいは横加速度に加えてヨーレートを指標の一部又は全部として閾値Lを設定するものであり、ヨーレートが高くなるのに連れて閾値Lが高くなるように閾値Lを設定するものとすることができる。
ここで、車両10の旋回時におけるヨーレートが大きいほど、摩擦係数が高くてスリップが発生しにくい路面状態であると想定される。そのため、制御装置100は、上記(D)のように、横加速度に加えて、あるいは横加速度に代えてヨーレートを指標の一部又は全部として、スリップの発生状態を判定するための閾値Lを設定すると良い。このような構成とすることにより、制御装置100は、いわゆる高μ路を走行している際に前輪14L,14Rへの駆動力の伝達配分を上げる制御が行われることにより、タイトコーナーブレーキング現象が発生してしまうのを抑制できる。
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
本発明は、駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第一クラッチと、動力伝達部材と副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第二クラッチとを備えた四輪駆動車両用の制御装置全般において好適に利用できる。
10 :車両(四輪駆動車両)
12 :駆動力源
14L,14R:前輪(副駆動輪)
16L,16R:後輪(主駆動輪)
18 :動力伝達装置
24 :フロントプロペラシャフト(動力伝達部材)
46 :前輪駆動用クラッチ(第一クラッチ)
94 :噛合式クラッチ(第二クラッチ)
100 :制御装置
102 :スリップ判定部
104 :第一クラッチ制御部

Claims (3)

  1. 駆動力源と動力伝達部材との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第一クラッチと、
    前記動力伝達部材と副駆動輪との間の動力伝達経路を選択的に切断または接続する第二クラッチと、を備え、
    前記第一クラッチ及び前記第二クラッチの少なくともいずれかを解放させることにより前記駆動力源から左右の主駆動輪へ駆動力を伝達する二輪駆動状態と、
    前記第一クラッチと前記第二クラッチとをそれぞれ係合させることにより前記駆動力源から前記左右の副駆動輪へも駆動力を伝達する四輪駆動状態と、
    前記第二クラッチを係合させつつ、前記四輪駆動車両におけるスリップの発生が検知されることを条件として、前記第一クラッチの係合度を変化させることにより、前記主駆動輪に伝達される駆動力に対する前記副駆動輪に伝達される駆動力の配分を上昇させるスタンバイ制御方式による駆動制御を行う駆動配分可変状態と、
    に駆動状態を切り替え可能な四輪駆動車両に用いられる四輪駆動車両用制御装置であって、
    駆動配分可変状態において、前記四輪駆動車両における車輪のスリップ率が閾値を超えることを判定条件の一部又は全部としてスリップの発生状態を判定するスリップ判定部を有し、
    前記スリップ判定部においてスリップが発生したとの判定が行われることを一部又は全部の条件として、前記主駆動輪に伝達される駆動力に対する前記副駆動輪に伝達される駆動力の配分を上昇させるものであり、
    前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両に作用する横加速度を指標の一部又は全部として前記閾値を設定するものであり、前記横加速度が高くなるのに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定すること、を特徴とする四輪駆動車両用制御装置。
  2. 前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両の旋回半径方向内側における車輪のスリップ率に基づいて、スリップの発生状態を判定するものであること、を特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車両用制御装置。
  3. 前記スリップ判定部が、前記四輪駆動車両に作用する横加速度の大きさに代えて、あるいは加えて、前記横加速度及び車輪駆動力の影響により前記四輪駆動車両に対して作用する力の大きさを前記閾値を設定するための指標とするものであり、
    前記横加速度及び車輪駆動力の影響により前記四輪駆動車両に対して作用する力が大きくなのるに連れて前記閾値が高くなるように前記閾値を設定すること、を特徴とする請求項1又は2に記載の四輪駆動車両用制御装置。
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