JP2023066681A - 水性塗料組成物、塗装体および塗膜形成方法 - Google Patents

水性塗料組成物、塗装体および塗膜形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、透明性を有しながら、長期にわたって抗ウイルス性を発揮する塗料を提供することにある。【解決手段】 本発明の目的は、少なくとも(A)無機系抗ウイルス剤と、(B)水分散性樹脂を含む水性塗料組成物であって、該(A)無機系抗ウイルス剤の平均粒子径が1nm~400nmであり、該水性塗料組成物を塗布、乾燥して得られる20μmの塗膜の可視光透過率が30%以上である、水性塗料組成物、によって達成された。【選択図】なし

Description

本発明は、基材の表面に透明な抗ウイルス機能塗膜を形成するための水性塗料組成物、塗膜形成方法およびその塗膜を有する塗装体に関する。
近年、COVID-19に代表される感染症の流行が拡大しており、抗ウイルス機能に対する需要が大きくなっている。短期的な除菌対策としては、アルコール消毒やマスク、フェイスシールド、アクリル板等を用いた対策がなされているが、ウイルスが接した面を全て払拭することは困難なことから、塗料や壁紙、テープ等を用いた空間除菌の対策についても検討が拡がってきている。
アルコール消毒等の短期間での抗ウイルス対策とは異なり、塗料は頻繁に塗り替えることが困難な反面、塗膜として長期間表面を保護できる利点を有する。このため、抗ウイルス性を有する塗料を壁、床、天井、扉、手擦り、階段、照明器具、家具等に塗装しておけば、ウイルスが表面に付着した際に、速やかに抗ウイルス機能が発揮され、ウイルスを不活化することができる。
抗ウイルス環境を創出できる抗ウイルス塗料には、塗膜形成直後から継続的に長期に渡って抗ウイルス機能を発現できることが求められている。
抗ウイルス機能を有する塗料については、特許文献1~2に酸化チタンを使用した技術が、特許文献3には銅担持酸化物等を使用した技術が、特許文献4にはアルカリ金属塩を含む重合体を抗ウイルス剤とする技術が、それぞれ公開されている。
特開2019-11418号公報 特開2020-147679号公報 WO2020/184722 WO2018/235816
特許文献1~4に記載の発明は、いずれも顔料を多く含むエナメルタイプの塗料としては優れた抗ウイルス機能を有しているものの、下地が隠蔽されることから、意匠の変化を伴う完全塗替え仕様に限定した抗ウイルス塗料であった。
しかしながら、塗料による抗ウイルス機能の付与を期待する箇所としては、壁や天井、ドア、手擦り、家具等、既存の意匠を残したまま、抗ウイルス機能を付与したい箇所も多くあり、こういった被塗物に対して、特許文献1~4に記載の抗ウイルス塗料は透明性が不十分となる課題があった。
また、これら先行文献に記載の塗料から、単純に顔料のみを除去した際にも、抗ウイルス機能が十分に発揮されない、あるいは、消毒用のアルコールによって抗ウイルス機能が十分に発揮されなくなる課題があった。
本発明の目的は、室内空間において安全に塗装できるとともに、透明性を有しながら、塗膜形成直後から長期にわたって抗ウイルス機能を発揮する水性塗料組成物を提供することにある。さらにこの塗料組成物によって形成された塗膜が、消毒用のアルコールに対しても抗ウイルス機能を持続ものであることも目的とする。
本発明の目的は、下記によって達成された。
1. 少なくとも(A)無機系抗ウイルス剤と、(B)水分散性樹脂を含む水性塗料組成物であって、該(A)無機系抗ウイルス剤の平均粒子径が1nm~400nmであり、
該水性塗料組成物を塗布、乾燥して得られる20μmの塗膜の可視光透過率が30%以上である、水性塗料組成物。
2. 前記(A)無機系抗ウイルス剤の少なくとも1種が一価銅ナノ粒子である、前記1記載の水性塗料組成物。
3. 前記水性塗料組成物が、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物、グリシジル基含有化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物及びイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含む、前記1または2に記載の水性塗料組成物。
4. 前記水性塗料組成物が、JIS-K7244-4に基づく固体粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hzにて測定される損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが20℃以上180℃以下にある、前記1~3いずれかに記載の水性塗料組成物。
5. 基材上に、前記1~4いずれかに記載の水性塗料組成物からなる塗膜を有する塗装体。
6. 基材上に、前記1~4いずれかに記載の水性塗料組成物を塗装する工程を含んでなる塗膜形成方法。
本発明によれば、透明性を有しながら、長期にわたって抗ウイルス機能を発揮する塗料を提供することができ、さらにこの塗料によって形成された塗膜が、消毒用のアルコールに対しても抗ウイルス機能を持続するものである。
以下、本発明の塗装体および塗料組成物を詳細に説明するが、これらに限定されるものではない。
<水性塗料組成物>
本発明の水性塗料組成物は、少なくとも(A)無機系抗ウイルス剤と、(B)水分散性樹脂を含む水性塗料組成物であって、該(A)無機系抗ウイルス剤の平均粒子径が1nm~400nmであり、該水性塗料組成物を塗布、乾燥して得られる20μmの塗膜の可視光透過率が30%以上であることを特徴とする。
この構成によって、本発明の効果が得られる理由はナノオーダーの(A)無機系抗ウイルス剤と(B)水分散性樹脂を含み、乾燥して得られた塗膜が光透過性を有することにある。(B)水分散性樹脂は、表面に親水部を有していることから、(B)水分散性樹脂自体の分散安定性が確保されているとともに、ナノオーダーの(A)無機系抗ウイルス剤の分散安定性に寄与し、乾燥後は速やかに抗ウイルス性と耐アルコール性に優れる連続膜を形成し得る。
≪(A)無機系抗ウイルス剤≫
無機系の抗ウイルス剤の例としては、抗ウイルス機能を発現できる金属、金属イオンまたは金属化合物を含有する無機微粒子が挙げられる。
ここで、金属としては、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、オスミウムといった白金族金属、鉄、銅、亜鉛等が挙げられ、金属イオンとしては、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオン等が挙げられ、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化スズ、酸化タングステン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化ジルコニウム等が挙げられる。
また、これらの金属、金属イオン、金属酸化物などの担持体として、ゼオライト、シリカゲル、粘土鉱物、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシウム、ガラス、金属等を使用できる。
無機系の抗ウイルス剤の例として、より具体的には、酸化銅(I)、酸化銅(II)、炭酸銅(II)、水酸化銅(II)、塩化銅(II)、銀イオン及び銅イオンの少なくとも一方で交換されたゼオライト、銀及び銅の少なくとも一方が担持されたアルミナ、銀及び銅の少なくとも一方が担持されたシリカ、銀及び銅の少なくとも一方が担持された酸化亜鉛、銀及び銅の少なくとも一方が担持された酸化チタン、銀及び銅の少なくとも一方が担持されたリン酸カルシウム等が挙げられる。
これら抗ウイルス剤は、塗膜の透明性を確保する観点から、粒子径が小さく、光の屈折や散乱が生じにくい形態であることが望まれる。このような抗ウイルス剤の好適例としては、酸化銅(I)が挙げられる。
[平均粒子径]
本発明の(A)無機系抗ウイルス剤の平均粒子径は、1nm~400nmである。平均粒子径はレーザ回折法などで測定された体積基準の粒度分布において、累積体積が50%になる体積平均粒子径(D50)のことをいう。
平均粒子径が1nm未満では物質的に不安定となり、平均粒子径が400nmを超える場合は、塗膜の透明性が悪くなるとともに、保管時の安定性も悪くなりやすい。より好ましい平均粒子径の範囲は、5nm~300nmであり、特には10nm~200nmである。
[一価銅ナノ粒子]
本発明の無機系抗ウイルス剤は、一価銅ナノ粒子であることが好ましい。一価銅ナノ粒子を構成する具体的な一価の銅化合物としては、塩化物、酢酸物(酢酸化合物)、硫化物、ヨウ化物、臭化物、過酸化物、酸化物、チオシアン化物またはそれらの混合物であることが好ましい。
このうち、一価の銅化合物が、CuCl、CuCHCOO、CuI、CuBr、CuO、CuS、およびCuSCNからなる群から少なくとも1種類選択されることが好ましい。
本発明の一価銅ナノ粒子は、無機酸化物と有機化合物を含む被覆層で覆われていることが好ましい。無機酸化物としては、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム(ジルコニア)等が挙げられる。有機化合物としてはポリビニルアルコール(PVA)、水性ポリエステル、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子が挙げられる。被覆量は、一価銅ナノ粒子の0.01~5質量%であることが好ましい。
一価の銅化合物のウイルスの不活性化機構については現在のところ必ずしも明確ではないが、一価の銅化合物が、空気中あるいは飛沫中、塗膜中の水分と接触すると、一価の銅イオンが溶出し、溶出した一価の銅イオンはウイルスと接触することで電子を放出し、その際に、発生した活性種により、ウイルスに何らかのダメージを与え、ウイルスを不活性化させるものと考えられる。
本発明においては、水分散性樹脂を含むことから、水分散性樹脂の表面にある界面活性剤や親水性基等の親水層が保水層の役割を果たし、空気中の水分をより円滑に取り込むことで、一価の銅イオンの溶出、活性酸素の発生に繋がり、高い抗ウイルス効果を実現できるのではないかと推察される。
本発明の無機系抗ウイルス剤は、1種以上を、水性塗料組成物の不揮発分の0.01~10質量%使用することが好ましい。無機系抗ウイルス剤の量が0.01質量%以上であれば、抗ウイルス効果が十分であり、抗ウイルス剤の量が10質量%であれば、塗膜の透明性は十分に確保される。抗ウイルス剤のより好ましい量は0.05~5質量%であり、最も好ましい量は0.07~2.5質量%である。
≪(B)水分散性樹脂≫
本明細書において「水分散性樹脂」とは、水中に分布して不均質な系(例えば、乳化液、乳濁液又は懸濁液)を形成することが可能な樹脂である。
本発明の塗料組成物に用いる樹脂としては、塗料業界において通常使用されている樹脂を例示することができる。
具体的には、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂等が挙げられる。
この中でも、(B)水分散性樹脂としては、分子量の高い樹脂を得る観点から、アクリル成分を含むことが好ましく、乳化重合によって得られるアクリル樹脂やアクリル共重合樹脂であることが好ましい。乳化重合は、1段階でも、2段階以上の多段重合でも良く、均層型、コアシェル型、パワーフィード型のいずれでもよい。
アクリル樹脂は、アクリル酸エステル類又はメタクリル酸エステル類の重合体であり、例えば、アクリル酸、メタクリル酸並びにそのエステル、アミド及びニトリル等から選択されるアクリル成分の1種又は複数種を重合させて得られる重合体が挙げられ、更には、アクリル成分と、例えば、スチレン等の非アクリル成分とを重合させて得られる重合体も含まれる。
アクリル樹脂は、アクリル成分のうち炭素数が3~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを構成単位として含むことがより好ましい。これにより、耐アルコール性を向上させることができる。
該炭素数が3~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、アクリル成分の中でも耐アルコール性に優れており、アクリル樹脂を構成する単位に占める炭素数が3~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合を1質量%以上とすることで、得られる塗膜の耐アルコール性を向上させることができる。
耐アルコール性を向上させる観点から、アクリル樹脂の構成単位としての炭素数が3~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合は、1質量%以上が好ましく、3質量%以上が更に好ましい。アクリル樹脂を構成する単位に占める炭素数が3~8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートの割合は、60質量%以下が好ましい。
本発明の水分散性樹脂は、水性塗料組成物の不揮発分の25~99.9質量%使用することが好ましい。
[tanδ]
本発明の塗料組成物は、JIS K7244-4に基づく固体粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hzにて測定される損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが20℃以上180℃以下にあることが好ましく、23℃以上130℃以下にあることがより好ましく、25℃以上110℃以下にあることが更に好ましい。
塗膜の損失正接の温度変化曲線においてスペクトルピークが上記特定した範囲内に示される場合、かかる塗料を用いることで、得られる塗膜の耐アルコール性を向上させることができ、抗ウイルス剤の持続性が十分となる。
ここで、損失正接の温度変化曲線において上記特定した範囲内にスペクトルピークを有する塗膜を作製するためには、以下に示すFOXの計算式によって求められるガラス転移温度(Tg)が20~180℃であるポリマー成分を水分散性樹脂とするか、あるいは、水分散性樹脂の表層に形成することが好ましい。
[FOXの計算式]
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wi/Tgi+・・・+Wn/Tgn
なお、FOXの計算式において、左辺の分母に記載されたTgは、N種類のモノマーからなるポリマー成分のガラス転移温度(単位:K)を表しており、Tg(1、2、i、N)は、各モノマーのガラス転移温度(単位:K)を表しており、W(1、2、i、N)は、各モノマーの質量分率であり、W1+W2+・・・+Wi+・・・+Wn=1の関係が成立する。ここで、モノマーのガラス転移温度とは、そのホモポリマーのガラス転移温度を意味する。
樹脂の損失正接(tanδ)の測定方法の詳細は、以下のとおりである。乾燥膜厚が40~100μmとなるようにアプリケーターを用いて予め80℃に加温しておいたポリプロピレン(PP)板へ塗布し、80℃で30分間強制乾燥して、単離膜を得る。固体粘弾性測定装置(例えば、RSA-GII(TAインスツルメント社製))にて、上記単離膜について、以下の測定条件にて各温度での損失弾性率及び貯蔵弾性率を測定し、損失弾性率及び貯蔵弾性率から損失正接を算出し、損失正接の温度変化曲線を作成し、損失正接のスペクトルピーク値を読み取る。
<測定条件>
温度範囲:-50℃~200℃
昇温速度:5℃/min
測定長さ:20.0mm
測定幅:8.0mm
周波数:1Hz
歪み:0.05%
(B)水分散性樹脂は、重量平均分子量が20万以上であることが好ましく、30万以上であることが更に好ましい。分子量を20万以上とすることで、塗膜の耐アルコール性を向上できる。
このような分子量の高い(B)水分散性樹脂を得る方法としては、乳化重合を用いてアクリル成分を含む(B)水分散性樹脂を得る方法や、架橋剤を用いる方法が挙げられる。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、サイズ排除クロマトグラフィーで測定した値であり、標準物質にはポリスチレンが使用される。
(B)水分散性樹脂は、体積平均粒子径が30~300nmであることが好ましく、50~200nmであることが更に好ましい。本発明の塗料組成物中に分散している(B)水分散性樹脂の体積平均粒子径を30~300nmに調整することで、(A)無機系抗ウイルス剤の分散安定性の向上に繋がるとともに、塗膜の透明性と成膜性を向上させることができる。
本発明において、体積平均粒子径は、体積基準粒度分布の50%粒子径(D50)を指し、粒度分布測定装置(例えば動的光散乱式粒度分布測定装置)を用いて測定される粒度分布から求めることができる。そして、本発明における粒子径は、動的光散乱法による球相当径で表される。
≪その他の成分≫
本発明の水性塗料組成物には、成分(A)および(B)以外の成分を適宜含有させることができる。
例えば、架橋剤、有機溶剤、光沢調整剤、顔料、乾燥剤、酸化防止剤、反応触媒、分散剤、消泡剤、脱水剤、表面調整剤、増粘剤、沈降防止剤、ダレ止め剤、シランカップリング剤等の付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を必要に応じて適宜配合してもよい。本発明の塗料組成物は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することによって調製できる。
[架橋剤]
本発明の水性塗料組成物には、架橋剤を1種以上含むことができる。架橋剤としては、グリシジル基含有化合物、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物およびイソシアネート化合物から選らばれる少なくとも1種を使用することが好ましい。
グリシジル基含有化合物の具体例としては、例えば、ジグリシジルエーテル、2-グリシジルフェニルグリシジルエーテル、2,6-ジグリシジルフェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル基又はグリシジルエステル基を有するエポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のグリシジル基含有重合性不飽和モノマーと、必要に応じて、その他の重合性不飽和モノマーとの(共)重合体等を挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
ヒドラジド基含有化合物の具体例としては、例えば、蓚酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドなどの炭素数2~18の飽和脂肪族カルボン酸のジヒドラジド;マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどのモノオレフィン性不飽和ジカルボン酸のジヒドラジド;フタル酸、テレフタル酸又はイソフタル酸のジヒドラジド;ピロメリット酸のジヒドラジド、トリヒドラジド又はテトラヒドラジド;ニトリロトリ酢酸トリヒドラジド、クエン酸トリヒドラジド、1,2,4-ベンゼントリヒドラジド;エチレンジアミンテトラ酢酸テトラヒドラジド、1,4,5,8-ナフトエ酸テトラヒドラジド;カルボン酸低級アルキルエステル基を有する低重合体をヒドラジン又はヒドラジン水化物(ヒドラジンヒドラード)と反応させてなるポリヒドラジド等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なかでも特に得られる塗膜の低汚染性と弾性適性等の観点から、ヒドラジド基含有化合物としてはアジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジドが好ましい。
セミカルバジド化合物は、ヒドラジンとイソシアネート化合物とから誘導される化合物、すなわち、ヒドラジンとイソシアネート化合物との反応物である。セミカルバジド基含有化合物は、アミノ基を2つ以上有していてもよく、セミカルバジド基を2つ以上有していてもよい。
このようなセミカルバジド基含有化合物としては、例えば、炭酸ジヒドラジド、ビスセミカルバジド;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネート及びそれにより誘導されるポリイソシアネート化合物にN,N-ジメチルヒドラジン等のN,N-置換ヒドラジンや上記例示のヒドラジドを過剰に反応させて得られる多官能セミカルバジド;該ポリイソシアネート化合物とポリエーテルポリオール類やポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類等の親水性基を含む活性水素化合物との反応物中のイソシアネート基に上記例示のジヒドラジドを過剰に反応させて得られる水系多官能セミカルバジド;該多官能セミカルバジドと水系多官能セミカルバジドとの混合物等が挙げられる。
カルボジイミド化合物は、例えば、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基同士を脱二酸化炭素反応せしめることにより得られる化合物である。カルボジイミド化合物は、水溶性又は水分散性であることが望ましく、特に限定されるものではないが、カルボジイミド当量が100~800、好ましくは200~600の範囲内にある化合物であることが望ましい。
カルボジイミド化合物としては、例えば、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N’-エチルカルボジイミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-N’-エチルカルボジイミドメチオジド、N-tert-ブチル-N’-エチルカルボジイミド、N-シクロヘキシル-N’-(2-モルホリノエチル)カルボジイミドメソ-p-トルエンスルホネート、N,N’-ジ-tert-ブチルカルボジイミド、N,N’-ジ-p-トリルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物;カルボジイミド化触媒の存在下でポリイソシアネートの公知の縮合反応により得られるカルボジイミド化合物;ポリイソシアネート及びポリアルキレンオキサイドを原料とするカルボジイミド化合物等が挙げられる。
該当する市販品としては、例えば、「カルボジライトV-02」、「カルボジライトV-02-L2」、「カルボジライトV-04」、「カルボジライトE-01」、「カルボジライトE-02」(いずれも日清紡社製、商品名)などをあげることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
オキサゾリン化合物の具体例としては、例えば、2,2’-p-フェニレン-ビス-(1,3-オキサゾリン)、2,2’-テトラメチレン-ビス-(1,3-オキサゾリン)、2,2’-オクタメチレン-ビス-(2-オキサゾリン)の如き低分子量のポリ(1,3-オキサゾリン)化合物;さらには、2-イソプロペニル-1,3-オキサゾリンの如き1,3-オキサゾリン基含有ビニル系単量体の単独重合体もしくはこれと共重合可能な各種のビニル系単量体とを共重合せしめて得られる、1,3-オキサゾリン基を含有するビニル系重合体を挙げることができ、水溶性又は水分散性の化合物であることが望ましく、特に限定されるものではないが、オキサゾリン基当量が、100~800、好ましくは200~600の範囲内にある化合物であることが望ましい。
かかるポリオキサゾリン化合物の市販品としては、日本触媒化学工業株式会社製の「エポクロスK-1000」、「エポクロスK-1020E」、「エポクロスK-1030E」、「エポクロスK-2010E」、「エポクロスK-2020E」、「エポクロスK-2030E」、「エポクロスWS-500」、「エポクロスWS-700」などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
イソシアネート化合物の具体例としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート及びこれらポリイソシアネートの誘導体などを挙げることができる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明の塗料組成物の好ましい実施形態として、当該塗料組成物から形成される塗膜の架橋密度は、1.0×10-6~1.0×10-2(mol/cc)の範囲内にある。塗膜の架橋密度は、塗膜に形成される架橋構造の程度を示す指標であり、この値が高いと、塗膜に形成される架橋構造の割合が高くなる。塗膜の架橋密度を上記特定した範囲内とすることで、乾燥後の塗膜の耐アルコール性を向上させることができる。
本明細書において、塗膜の架橋密度は、式n=E’/3RT(式中、nは、塗膜の架橋密度(mol/cc)であり、E’は、塗膜の周波数1Hzにおける平坦領域貯蔵弾性率(Pa)であり、Tは、塗膜の平坦領域貯蔵弾性率の絶対温度(K)であり、Rは、気体定数(8.31×10Pa・cc/mol・K)である。)から算出される。
本発明の架橋剤は、(B)水分散性樹脂に対して0.1~10質量%含有させることが好ましい。
[有機溶剤]
本発明の水性塗料組成物は有機溶剤を1種以上含むことが好ましい。有機溶剤としては、沸点が150~270℃であるか、SP値8.0~11.1(より好ましくは8.5~11.1)であるか、または20℃における水100gへの溶解度が50g以下であることが好ましい。
有機溶剤は、成膜助剤、粘度調整剤として機能する。沸点が150~270℃の有機溶剤を含むことで、水分散性樹脂の成膜性を向上させるとともに、室温での乾燥においても塗膜内に残存しにくくなる。
また、樹脂の構成成分として、有機溶剤のSP値と同程度のSP値を示す単量体を用いることで、有機溶剤による成膜性の向上効果をより確実に発揮することができ、成膜時の樹脂を軟質化するため、塗膜形成が容易になる。そして、20℃における水100gへの溶解度が50g以下の難溶性溶剤を含むことで、水分散性樹脂を可塑化し、塗膜の耐アルコール性を向上し得る。
SP値(溶解パラメータ)とは、相溶性を判断する際の目安となるもので、種々の計算方法や実測方法があるが、本明細書において、SP値は、構造に基づいてHoy法によって算出された溶解度パラメーター(Solubility Parameter)を意味する。
ここで、単量体のSP値は、単量体のホモポリマーのSP値を意味し、Hoyの提唱した蒸気圧法を用い、文献〔K.L.Hoy,J.PaintTechnology,42,[541],76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値である。
具体的には、SP値は、δ=(dΣG)/Mで表され、dはポリマーの密度、Mはポリマーの基本構造単位の分子量、ΣGは該基本構造単位中に存在する原子(団)に対応する分子引力定数Gの総和である。また、有機溶剤のSP値は、Hoyの提唱した蒸気圧法を用い、文献〔K.L.Hoy,J.PaintTechnology,42,[541],76(1970)〕に記載された方法に準拠して計算した値である
SP値が8.0~11.1の範囲内で、沸点が150~270℃の範囲内である有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノn-ブチルエーテル(SP値;11.0、沸点;171℃)、エチレングリコールモノ-2-エチルヘキシルエーテル(SP値;10.1、沸点;229℃)、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル(SP値;11.1、沸点;214℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(SP値;10.9、沸点;207℃)、ジエチレングリコールモノn-ブチルエーテル(SP値;10.9、沸点;230℃)、ジエチレングリコールモノiso-ブチルエーテル(SP値;10.7、沸点;220℃)、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(SP値;9.1、沸点;248℃)、ジエチレングリコールジエチルエーテル(SP値;9.5、沸点;189℃)、ジエチレングリコールジブチルエーテル(SP値9.5、沸点255℃)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(SP値;9.7、沸点;162℃)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値;10.2、沸点;170℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(SP値10.4、沸点;187℃)、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル(SP値;10.0、沸点;231℃)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(SP値;9.18、沸点;171℃)等が挙げられる。
有機溶剤全体に対するSP値8.0~11.1で且つ沸点150~270℃の有機溶剤の割合は、50~100質量%であることが好ましい。本明細書において沸点は1気圧での沸点を指す。
有機溶剤は、本発明の水性塗料組成物の0.5~15質量%であることが好ましい。
[表面調整剤]
表面調整剤としては、シリコーン系表面調整剤、アクリル系表面調整剤、ビニル系表面調整剤、フッ素系表面調整剤及びアセチレングリコール系表面調整剤等が挙げられるが、少なくとも1種類のシリコーン系表面調整剤を含むことが好ましい。
シリコーン系表面調整剤の具体例としては、ポリエーテル変性ポリシロキサン、ポリエスエル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性水酸基含有ポリシロキサン、ポリエステル変性水酸基含有ポリシロキサン等が挙げられ、ポリエーテル変性ポリシロキサンが最も好ましい。これらBYK-Chemie社、信越化学工業社等から市販される商品が容易に入手可能である。表面調整剤は、消泡剤、レベリング剤として機能する。
[光沢調整剤]
本発明の水性塗料組成物は、塗膜の光沢を調整するための光沢調整剤を含むことができる。光沢調整剤は、後述する艶消し顔料等、粒子状やビーズ状の有機物質、無機物質の他、ワックス等を利用することもできる。光沢を調整することで、落ち着いた仕上がり外観の塗膜を提供することができる。
[顔料]
本発明の水性塗料組成物は、艶消し顔料を含むことができる。
艶消し顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、樹脂ビーズ、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム及びタルク等が挙げられる。
本発明の塗料組成物において、不揮発分中における顔料の体積濃度は0~10.0体積%であることが好ましく、0~5.0体積%にあることがより好ましい。水性塗料組成物の不揮発分の0~40質量%使用することが好ましい。
なお、ここでいう顔料とは、塗料組成物中に含まれる全ての顔料を指している。不揮発分中における顔料体積濃度(PVC:Pigment Volume Concentration)は、不揮発分を構成する各成分の組成及び比重から計算により求めることができる。
[顔料分散剤]
本発明の塗料組成物において、顔料を含む場合は顔料分散剤を用いることが好ましい。顔料分散剤としては、通常使用されるものであれば特に制限はなく、BYK-Chemie社等から市販される商品が容易に入手可能である。
本発明の顔料分散剤は、顔料に対しての0~10質量%使用することが好ましい。
<水性塗料組成物の物性>
本発明の水性塗料組成物において、不揮発分の含有量は、20~80質量%であることが好ましく、30~70質量%であることがより好ましい。
本発明の水性塗料組成物は、せん断速度0.01s-1の粘度が0.01~1000Pa・sであり、且つせん断速度1,000s-1の粘度が0.01~10Pa・sであることが好ましい。本明細書において、粘度は、レオメーター(例えば、アントンパール社製レオメーターMCR301)を用い、液温を23℃に調整した後に測定される。
せん断速度0.01s-1の粘度が0.01Pa・sを下回る場合、抗ウイルス剤が乾燥過程で沈降し表面に露出しないため十分な抗ウイルス効果を発揮できない。一方で、せん断速度0.01s-1の粘度が1000Pa・sを上回る場合は平滑な表面が得られ難く外観不良となる。
また、せん断速度1000s-1の粘度が0.01Pa・sを下回る場合、塗膜として適正な膜厚を付与することができない、凹凸のある被塗面でタレやすくなる等の不具合を生じる。一方で、せん断速度1000s-1の粘度が10Pa・sを上回る場合は、流動性に劣るため外観不良となりやすい。
なお、本発明の塗料組成物において、0.01s-1と1000s-1の2つのせん断速度を基準にして粘度を規定した理由は、0.01s-1のせん断速度が塗装直後の塗料の粘性を指し、1000s-1のせん断速度が塗装時の塗料の粘性を指し、この塗装時から塗装直後の塗料の粘性がタレ性及びレベリング性に相関しているからである。
また、本発明の塗料組成物の粘度を上述の特定した範囲内に調整する方法としては、例えば、水の量や水分散性樹脂の量、粒子径、界面活性剤種、有機溶剤の量、種類、顔料の量、種類、粒子径等を調整する方法や、増粘剤等を使用する方法等が挙げられる。
なお、不揮発分とは、水や有機溶剤等の揮発する成分を除いた残った成分を指し、最終的に塗膜を形成することになる成分であるが、本発明においては、塗料組成物を130℃で60分間乾燥させた際に残存する成分を不揮発分という。
<塗膜形成方法>
本発明の水性塗料組成物は、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、刷毛塗り、ローラーブラシ塗り、へら塗り等により塗布した後、乾燥させることにより塗膜とすることができる。乾燥は、自然乾燥でも、加熱乾燥であってもよい。
<塗膜物性>
≪透過率≫
本発明の水性塗料組成物は、20μmの塗膜を形成した場合、その可視光透過率が30%以上である。
可視光透過率は、可視領域(360nm~750nm)における全光線透過率を意味し、JIS K 7361-1:1997に基づき測定することで求められる。
可視光透過率を30%以上とすることで、基材や塗膜、壁紙等の下地の意匠を活かした抗ウイルス塗膜の形成が可能となる。
可視光透過率のより好ましい範囲は60%以上であり、艶有塗膜でのさらに好ましい範囲は85%以上である。可視光透過率を高くするためには、抗ウイルス剤の選択が重要であり、粒子径の小さい抗ウイルス剤を用いる他、光の回折や散乱を生じにくい抗ウイルス剤を選択することがより好ましい。
なお、実際に形成した塗膜が1.0μmであっても、上記特性を有していれば、本発明の効果を得ることができる。
≪接触角≫
本発明の水性塗料組成物は、23℃、50%RHにおける塗膜の水接触角が10~75度の範囲内であることが好ましく、15~65度の範囲内であることがより好ましく、20~55度の範囲内であることが最も好ましい。
水接触角が75度よりも低いことで、空気中の水分を付着しやすくなり、抗ウイルス効果を発揮しやすくなる。また、水接触角が10度よりも大きくなることで、凹凸のある被塗面や、壁等の垂直状、天井等の逆方向の被塗面に対して室内環境で刷毛、ローラー塗装する際にも、タレずに透明な塗膜を形成することができる。
<基材>
本発明の塗料組成物は、主に人が触れる箇所に使用されるものであり、デパート、スーパー等の商業施設、オフィス、ビル、学校、保育園、幼稚園、病院、美容院、飲食店、駅、空港、車輛内等、人の往来が多い場所における、壁、床、天井、扉、手擦り、階段、照明器具、家具、車内装材等に使用される。
また、被塗面は、各種基材の表面が対象となり得る。基材の例としては、特に限定されるものではなく、例えば、鉄鋼、亜鉛めっき鋼(例えばトタン板)、錫めっき鋼(例えばブリキ板)、ステンレス鋼、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属又は合金を少なくとも一部に含む金属基材、木材等の木質基材、石膏、珪酸カルシウム、ガラス、セラミック、コンクリート、セメント、モルタル、スレート等の無機系基材、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン等のプラスチック基材、壁紙等の紙質基材が挙げられる。
また、他にも、木繊維補強セメント板、繊維補強セメント板、繊維補強セメント・珪酸カルシウム板等の複合基材も例示できる。金属基材には、各種表面処理、例えば酸化処理が施された基材も含まれる。また、その表面が無機物で被覆されているようなプラスチック基材(例えば、ガラス質で被覆されたプラスチック基材)は、無機系基材に含まれる。
なお、基材は、シーラー処理やプライマー処理が施されていてもよい。また、基材表面の少なくとも一部に着色層等の別の層が存在していてもよく、この場合、本発明の水性塗料層は、着色層等の別の層を覆うように配置させることができる。
本発明の塗装体は、着色層を有していてもよい。着色層は、被塗物の表面の一部または全部を被覆している。着色層は、単層であってもよいし、複数層であってもよい。着色層を設けることで、被塗物に意匠を施すことができる。本発明の塗装体が着色層を有する場合、本発明の水性塗料層は、着色層の表面の一部または全部を被覆していることが好ましい。
着色層は、着色顔料や染料等の着色剤を含む。着色剤としては、公知の材料が使用でき、例えば、カーボンブラック、黄色酸化鉄、弁柄、複合酸化物(ニッケル・チタン系、クロム・チタン系、ビスマス・バナジウム系、コバルト・アルミニウム系、コバルト・アルミニウム・クロム系、ウルトラマリンブルー)、酸化チタン等の無機顔料・染料や、キナクリドン系、ジケトプロロピール系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アンスラピリミジン系、フタロシアニン系、スレン系、ジオキサジン系、アゾ系等の有機顔料・染料が挙げられる。
着色層は、バインダー樹脂を含むことが好ましく、バインダー樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ふっ素樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂、アミン樹脂、ケチミン樹脂、およびこれらの樹脂を変性した樹脂(変性樹脂)等が挙げられる。
着色層は、その他の成分として、分散剤、酸化防止剤、沈降防止剤、シランカップリング剤、付着性付与剤、防藻剤、防カビ剤、防腐剤、殺虫剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、導電性付与剤等を必要に応じて適宜含んでいてもよい。
本発明の水性塗料組成物は、水性で安全に塗装できるとともに、塗膜の透明性と抗ウイルス性に優れ、塗膜形成直後から継続的に長期に亘って抗ウイルス機能を発現することが可能な塗装体を提供することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。なお、断りの無い限り23℃50%RH雰囲気下で測定した。
<塗料の調製>
表1~4に示した配合に従って、実施例1~18および比較例1~8の水性塗料組成物を調製した。調製された塗料組成物はいずれもせん断速度0.01s-1の粘度(23℃)が0.01~1000Pa・sの範囲内であり且つせん断速度1,000s-1の粘度(23℃)が0.01~10Pa・sの範囲内であった。
なお、表中の配合処方の各成分の数値の単位は質量部である。また一段目、二段目とは、多段乳化重合したことを示すものである。
使用した材料は下記の通りである。
[樹脂1~7]
・水分散性樹脂1:[MMA/BMA/BA/MAA(質量比50/20/25/5)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径100nm
・水分散性樹脂2: [1段目:MMA/ BA/MAA(質量比37/10/3)、2段目:MMA/ EHA/BA/MAA(質量比15/16/16/3)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径110nm
・水分散性樹脂3: [MMA/BMA/BA/AA(質量比30/25/40/5)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径90nm
・水分散性樹脂4: [MMA/CHMA/EHA/AA(質量比35/25/35/5)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径120nm
・水分散性樹脂5: [MMA/BMA/BA/MAA/DAAM(質量比50/16/25/5/4)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径100nm
・水分散性樹脂6: [1段目:MMA/ BA/AA/GMA(質量比22/25/2/1)、2段目:MMA/ BA/AA/GMA(質量比36.5/12/0.5/1)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径115nm
・水分散性樹脂7: [1段目:MMA/ BA/AA/GMA(質量比22/25/2/1)、2段目:MMA/ BA/AA/GMA/DAAM(質量比33/12/2/3)]の乳化重合体、固形分量45質量%、平均粒子径120nm
表中の略号は、以下の化合物を意味する。
[モノマー]
・MMA:メチルメタクリレート、ホモポリマーのTg105℃、SP値9.53
・CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、ホモポリマーのTg60℃、SP値9.48
・BMA:n-ブチルメタクリレート、ホモポリマーのTg20℃、SP値9.27
・EHA:2-エチルヘキシルアクリレート、ホモポリマーのTg-50℃、SP値9.2
・BA:n-ブチルアクリレート、ホモポリマーのTg-55℃、SP値9.67
・AA:アクリル酸、ホモポリマーのTg106℃、SP値10.01
・MAA:メタクリル酸、ホモポリマーのTg185℃、SP値9.15
・GMA:グリシジルメタクリレート、ホモポリマーのTg41℃、SP値10.86
・DAAM:ダイアセトンアクリルアミド、ホモポリマーのTg65℃
[その他の添加樹脂]
・水溶性樹脂:アクリル酸系樹脂(Tg25℃、酸価180mgKOH/g、重量平均分子量15000、固形分30質量%)
・ふっ素樹脂:ルミフロンFE-4300:旭硝子社製、フッ素樹脂エマルション、固形分50質量%
・ポリウレタン樹脂:スーパーフレックス150、第一工業製薬株式会社製、ポリウレタンディスパーション、固形分30質量%、平均粒子径30nm 分散剤:DISPERBYK-190、BYK Chemie社製
[架橋剤]
・アジピン酸ジヒドラジド : 固形分100%、配合直前に固形分30%となるように水希釈してから配合した。
・SX-601:旭化成工業社製、セミカルバジド基含有化合物、固形分45%、セミカルバジド基含有量 4.8mmol/g樹脂固形分
・WS-500:エポクロスWS-500、日本触媒社製、水溶性オキサゾリン、オキサゾリン当量220、固形分40%
・V-02:カルボジライトV-02(日清紡社製、カルボジイミド基含有化合物、固形分40%、カルボジイミド基含有量1.7mmol/g樹脂固形分)
・WT30-100:デュラネートWT30-100:旭化成ケミカルズ社製、水分散性イソシアネート化合物、固形分100%、配合直前に固形分30%となるように水希釈してから配合した。
[添加剤]
・HEC:ヒドロキシエチルセルロース、増粘剤
・プライマルRM-8W:ローム&ハース社製、増粘剤
・DisperBYK190:BYK社製、分散剤
・デフォーマーSN1312:サンノプコ社製、消泡剤
[艶消し剤]
・ASEMATT TS-100:エボニックデグサ社製、シリカ粒子、平均粒子径10μm
・樹脂ビーズ:ポリメタクリル酸メチルビーズ、平均粒子径10μm
[抗ウイルス剤]
・抗ウイルス剤1:一価の銅化合物、ヨウ化第一銅(CuI)、平均粒子径100nm、固形分11質量%
・抗ウイルス剤2:光触媒酸化チタン、平均粒子径60nm、固形分20質量%
・抗ウイルス剤3:光触媒酸化チタン、平均粒子径500nm
・抗ウイルス剤4:銀担持ゼオライト、平均粒子径2.5μm
・抗ウイルス剤5:有機系抗ウイルス剤
[有機溶剤]
・有機溶剤1:2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート
<比較例7および8>
なお比較例7および8は下記の通り作製した。
比較例7:大日本塗料株式会社製水性ウレタン樹脂塗料「DNTビューアクリル」に抗ウイルス剤1を1質量部添加し、比較例7の塗料とした。
比較例8:大日本塗料株式会社製弱溶剤系ウレタン樹脂塗料「ウレタンスマイルクリーン」に抗ウイルス剤1を1質量部添加し、比較例8の塗料とした。
Figure 2023066681000001
Figure 2023066681000002
Figure 2023066681000003
Figure 2023066681000004
<評価>
上記で調製した塗料を使用して、下記の評価を行った。結果を表5~7に示す。なお測定は、特に断りのなり限り23℃50%RHの雰囲気下で行った。
<試験板の作製>
[実施例1]
厚さ0.3mmのブリキ板に、実施例1の塗料を乾燥膜厚が20μmとなるようにアプリケーター塗布した。その後、23℃、7日間乾燥を行い、実施例1の塗装体を作製した。
[実施例2~18、比較例1~8]
実施例1と同様にして、塗装体を作製した。ただし、実施例10については、100℃×10分間乾燥後に23℃、7日間乾燥を行った。
実施例1~18、比較例1~8の塗料組成物を用いて、以下に示した方法で固体粘弾性測定、静的接触角測定、可視光透過率測定、抗ウイルス性試験、耐アルコール性試験、耐払拭性試験、安定性試験を実施し、結果を表5~7に示した。
<損失正接(tanδ)>
実施例1~18、比較例1~6の塗料組成物を用いて、損失正接(tanδ)を測定した。乾燥膜厚が40~100μmとなるようにアプリケーターを用いて予め80℃に加温しておいたポリプロピレン(PP)板へ塗布し、80℃で30分間強制乾燥して、単離膜を得る。
固体粘弾性測定装置(例えば、RSA-GII(TAインスツルメント社製))にて、上記単離膜について、以下の測定条件にて各温度での損失弾性率及び貯蔵弾性率を測定し、損失弾性率及び貯蔵弾性率から損失正接を算出し、損失正接の温度変化曲線を作成し、損失正接のスペクトルピーク値を読み取る。
≪測定条件≫
温度範囲:-50℃~200℃
昇温速度:5℃/min
測定長さ:20.0mm
測定幅:8.0mm
周波数:1Hz
歪み:0.05%
[評価基準]
○:損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが20℃以上180℃以下にある。
△:損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが5℃以上20℃未満にある。
×:損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが5℃未満にある。あるいはスペクトルピークが存在しない。
<静的接触角の測定>
試験用の塗装板表面に0.1ccの蒸留水を滴下し、23℃の雰囲気下で滴下10秒後の接触角(静的接触角)を協和界面化学株式会社CA-X接触角測定装置にて測定した。
[評価基準]
○:静的接触角が20度以上、55度以下。
△:静的接触角が10度以上20度未満、あるいは55度よりも高く、75度以下である。
×:静的接触角が10度未満、あるいは75度よりも高い。
<可視光透過率>
ガラス板上に上記<試験板の作製>に記載の方法と同様の条件で実施例1~18、比較例1~8の塗料による試験板を作製し、濁度計(日本電子工業株式会社製、HAZE METER NDH5000)を用いてJIS K7361-1に準拠した方法で測定した可視領域における全光線透過率を可視光透過率として、以下の基準に基づいて評価した。
[評価基準]
◎:可視光透過率85%以上
○:可視光透過率60%以上85%未満
△:可視光透過率30%以上60%未満
×:可視光透過率30%未満
<抗ウイルス性試験>
上記<試験板の作製>に従い作製した直後の塗装体に対して、JIS R 1756「ファインセラミックス-可視光応答形光触媒材料の抗ウイルス性試験方法-バクテリオファージQβを用いる方法」に準じ(ただし、バクテリオファージ試験液を試験片に接種後光照射試験を行わず、暗所下で4時間静置した液を試験に用いた)て抗ウイルス性試験を行い、以下の基準で評価した。これにより、塗膜形成直後の抗ウイルス性能を評価する。
[評価基準]
◎:抗ウイルス活性値が3以上
○:抗ウイルス活性値が2以上3未満
△:抗ウイルス活性値が0.5以上2未満
×:抗ウイルス活性値が0.5未満
<耐アルコール性試験>
実施例1~18、比較例1~8の塗料を用いて、耐アルコール性試験を実施した。
得られた実施例1~18及び比較例1~8の水性塗料組成物をそれぞれアプリケータ(4ミル)でアルミ板に塗装し、23℃50%RHの雰囲気で7日間乾燥させ、厚さ約20μmの塗膜を備える試験板を作製した。その後、JIS-K-5400-1959に準拠して(特開2018-172504号公報参照)、該塗膜のスォードロッカー値を測定し、これを耐アルコール性試験前のスォードロッカー値とした。
次いで、水:エタノール=3:7の混合溶液を試験板に塗布した。その後、該試験板を23℃で24時間乾燥し、該試験板の塗膜のスォードロッカー値を測定し、これを耐アルコール性試験後のスォードロッカー値とした。耐アルコール性試験前後でのスォードロッカー値の等級差(ΔH)を求めて、下記評価基準に従って評価した。
JIS-K-5400-1959に準拠した具体的な測定方法を説明する(特開2009-255549号公報参照)。まず、スォードロッカーを水平な面に置き、垂直軸が該水平面と垂直になるように垂直安定用のオモリで調節する。試験板固定装置に標準ガラス板をセットして、固定し、標準ガラス板の板面に水準器を載せ、縦と横の方向について水平となるように、試験板固定装置の調節足で高さを調節する。垂直軸が調節されたスォードロッカーを試験板(標準ガラス板)の上に載せ、スォードロッカーに転がり運動を与えてから風よけを被せ、風よけの外部から水準器の状態を観察する。
スォードロッカーの水準器Bのアワが水準器Bのオオイの陰に隠れて初めて見えなくなった時を0(スタート)と数える。その後、転がり運動1往復ごとにカウント数を1ずつ加え、水準器Cのアワが水準器Cのオオイの陰に隠れて初めて見えなくなるまで、カウントし、この値をスォードロッカー値とする。
標準ガラス板のスォードロッカー値は50であるので、5回の測定でスォードロッカー値が50±1になるように、水準器B,Cそれぞれの傾きを調整する。また、50±1往復に要する時間が60±5秒になるように、周期調整用オモリの垂直位置を調整する。次に、試験板を標準メタクリルメチル板(ポリメチルメタクリレート)に変え、スォードロッカー値が、5個とも20±1になるように、水準器B,Cのそれぞれの傾きを調整する。これを繰り返して、両標準板でそれぞれの測定値が上記基準を満たしたとき、水準器B,Cを固定する。
なお、雰囲気温度は20~23℃、湿度は20~40%RHとする。試験板を、スォードロッカー値を測定すべき試料へと変更し、上記と同様の方法で、スォードロッカー値を測定する。同一の試料を5つ用意し(n=5)、それぞれについてスォードロッカー値を測定し、5個のスォードロッカー値のうち大きい方から3個についての平均を求め、それを最終値とする。この最終値が、対象試料のスォードロッカー値であり、これを2倍した値が塗膜硬度となる。
[評価基準]
◎:塗膜硬度12以上で、耐アルコール性試験前後のΔH≦1
○:塗膜硬度7以上11以下で、耐アルコール性試験前後のΔH≦1
△:塗膜硬度4以上6以下、あるいは、耐アルコール性試験前後の1<ΔH≦2
×:塗膜硬度4未満、あるいは、耐アルコール性試験前後のΔH>2
<耐払拭性試験>
長期の抗ウイルス性試験を、下記耐払拭性試験で代替した。
実施例1~18、比較例1~8の塗料による塗装体の表面を、水を浸み込ませた布で5回払拭した。その後、上記<抗ウイルス性試験>に記載のとおり抗ウイルス性試験を実施し、以下の基準により評価した。
[評価基準]
◎:抗ウイルス活性値が3以上
○:抗ウイルス活性値が2以上3未満
△:抗ウイルス活性値が0.5以上2未満
×:抗ウイルス活性値が0.5未満、または塗膜が擦過され、素地がみえる。
<安定性試験>
実施例1~18、比較例1~8で得られた、作製直後の塗料組成物を使用し、上記<試験板の作製>に従って塗装した直後の試験板1、及び、塗装後、40℃で2週間静置した後の試験板2を用意した。これら試験板について、それぞれL*、a*、b*を色差計「CR400」(商品名、コニカミノルタ社製)を用いて測色し、試験板1と試験板2との間の色差ΔE*(JIS K 5600-4-6(1999))を算出して、以下の基準に基づいて評価した。ΔE*が小さいほど、塗装後の色の変化が小さく、塗膜の色の保持性が優れていることを示す。
[評価基準]
○:ΔE*≦0.5
△:0.5<ΔE*≦1
×:1<ΔE*
Figure 2023066681000005
Figure 2023066681000006
Figure 2023066681000007
上記の通り、本発明は長期の抗ウイルス性に優れ、透明であることが判る、さらに耐アルコール性に優れ、塗料としても優れていることも判る。

Claims (6)

  1. 少なくとも(A)無機系抗ウイルス剤と、(B)水分散性樹脂を含む水性塗料組成物であって、該(A)無機系抗ウイルス剤の平均粒子径が1nm~400nmであり、
    該水性塗料組成物を塗布、乾燥して得られる20μmの塗膜の可視光透過率が30%以上である、水性塗料組成物。
  2. 前記(A)無機系抗ウイルス剤の少なくとも1種が一価銅ナノ粒子である、請求項1記載の水性塗料組成物。
  3. 前記水性塗料組成物が、ヒドラジド基含有化合物、セミカルバジド基含有化合物、グリシジル基含有化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物及びイソシアネート化合物から選ばれる少なくとも1種の架橋剤を含む、請求項1または2に記載の水性塗料組成物。
  4. 前記(B)水分散性樹脂が、JIS-K7244-4に基づく固体粘弾性測定装置を用いて、測定周波数1Hzにて測定される損失正接(tanδ)の温度変化曲線におけるスペクトルピークの少なくとも1つが20℃以上180℃以下にある樹脂を含む、請求項1~3いずれかに記載の水性塗料組成物。
  5. 基材上に、請求項1~4いずれかに記載の水性塗料組成物からなる塗膜を有する塗装体。
  6. 基材上に、請求項1~4いずれかに記載の水性塗料組成物を塗装する工程を含んでなる塗膜形成方法。

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