JP7178047B2 - 塗料組成物 - Google Patents
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Description
塗膜に抗アレルゲン性を付与する方法の一つとして、光触媒作用を利用する方法があり、特許文献1には、アパタイト被覆光触媒二酸化チタン粒子と、レーザードップラー法により測定した平均粒子径(D50)が1nm~100nmである銀粒子とを含むことを特徴とする塗料組成物が開示されている。
しかし、特許文献1に記載の塗料によって形成される塗膜では光触媒作用による樹脂の分解が早期に起こり、効果の持続期間が短いという問題があった。
樹脂(B)が、吸水率0~50%の範囲にあるものであり、該樹脂(B)を、塗料組成物全体100質量部を基準として、固形分で1~40質量部含ことを特徴とする塗料組成物を用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の塗料組成物を提供するものである。
(1)アナターゼ型の酸化チタン、粒子径が0.3~100μmの銀粒子及びリン酸カルシウムの複合粒子(A)、樹脂(B)ならびに溶媒(C)を含む塗料組成物であって、
前記複合粒子(A)を、樹脂(B)100質量部を基準として、1~300質量部含み、
樹脂(B)が、吸水率0~50%の範囲にあるものであり、
該樹脂(B)を、塗料組成物全体100質量部を基準として、固形分で0.5~40質量部含むことを特徴とする塗料組成物。
(2)リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトである(1)に記載の塗料組成物。
(3)樹脂(B)が酸基を有する樹脂である(1)又は(2)に記載の塗料組成物。
(4)樹脂(B)が水分散性樹脂である(1)~(3)のいずれかに記載の塗料組成物。
(5)さらに増粘剤を含む(1)~(4)のいずれかに記載の塗料組成物。
(6)増粘剤がポリアクリル酸系増粘剤及び/又は繊維素系増粘剤である(5)に記載の塗料組成物。
(7)さらに艶消し剤を含む(1)~(6)のいずれかに記載の塗料組成物。
(8)被塗物に、(1)~(7)のいずれかに記載の塗料組成物を塗装する、塗装方法。
(9)被塗物に、(1)~(7)のいずれかに記載の塗料組成物を塗装してなる、塗装物品。
本発明で使用される複合粒子は、1個以上の酸化チタン粒子と、1個以上の金属粒子と、1個以上のリン酸カルシウム粒子とを含んでなる。
複合粒子1個あたりの酸化チタン粒子の個数は、1個であってもよいし、2個以上であってもよい。複合粒子1個あたりの酸化チタン粒子の個数は、通常2個以上である。
三次元かつランダムな配置に関する上記実施形態のうち2種以上が組み合わせられてもよい。
本発明の塗料組成物における樹脂(B)としては、吸水率が0~50%の範囲内にあることを特徴とするものであり、吸水率が0.5~30%の範囲内が適当である。吸水率が50%を超えると耐久性、抗アレルゲン性、抗菌性に優れた塗膜が得られない。
ポリプロピレン板(300×100×5mm)上に、樹脂固形分に対して2,2,4-トリメチルペンタンジオールモノイソブチレートを10質量%配合したものを試料とし、これを乾燥膜厚が30μmになるように均一に塗装し、気温23℃、相対湿度60%の条件下で7日間乾燥させ、塗膜を得る。その後、該塗膜から任意に3cm四方にフリー塗膜を切り取り、20℃の脱イオン水に24時間没水させた後、表面の水滴を拭き取った後すみやかに秤量し、下記式に従って、吸水率を測定する。
吸水率(%)=〔(B-A)/A〕×100
但し、A:没水前のフリー塗膜の質量(g)B:没水後のフリー塗膜の質量(g)。
これらのうち重合性不飽和モノマーの一部としてカルボニル基含有重合性不飽和モノマーを使用することによって、耐久性に優れた抗菌・抗アレルゲン性塗膜が得られるので好ましい。
樹脂(B)の含有量が40質量部を超えると、形成塗膜の複合粒子(A)の塗膜表面への露出性が低下し、抗アレルゲン性・抗菌性が不十分となり好ましくない。
本発明の塗料組成物における溶媒(C)としては、樹脂(B)を希釈可能であれば水、有機溶媒のいずれであってもよく、これらを併用したものであってもよい。前記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ヘキサノール、1-オクタノール、2-オクタノール、2-エチルヘキサノール、1-デカノール、ベンジルアルコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノn-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ2-エチルヘキシルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のアルコール系溶媒;エチルブチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、1、4-ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチル-β-メトキシプロピオンアミド等のアミド系溶剤;コスモ石油社製のスワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができ、これらの有機溶剤はそれぞれ単独で又は2種以上混合して使用することができる。
本発明の塗料組成物は、得られる塗膜の抗アレルギー性、抗菌性及び耐久性の観点から、上記(A)~(C)成分の他に増粘剤を含むことが好ましい。
該増粘剤としては、例えば、ケイ酸塩、金属ケイ酸塩、モンモリロナイト、コロイド状アルミナ等の無機系増粘剤;(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、ポリアクリル酸ソーダ等のポリアクリル酸系増粘剤;ウレタン会合型増粘剤;カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の繊維素系増粘剤;カゼイン、カゼイン酸ソーダ、カゼイン酸アンモニウム等のタンパク質系増粘剤;アルギン酸ソーダ等のアルギン酸系増粘剤;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルベンジルエーテル共重合体等のポリビニル系増粘剤;プルロニックポリエーテル、ポリエーテルジアルキルエステル、ポリエーテルジアルキルエーテル、ポリエーテルエポキシ変性物等のポリエーテル系増粘剤;ビニルメチルエーテル-無水マレイン酸共重合体の部分エステル等の無水マレイン酸共重合体系増粘剤;ポリアマイドアミン塩等のポリアマイド系増粘剤等が挙げられ、ポリアクリル酸系増粘剤及び/又は繊維素系増粘剤が好ましい。これらの増粘剤は、それぞれ単独で又は2種以上組合せて使用することができる。
また、本発明の塗料組成物が上記増粘剤を含有する場合、該増粘剤の配合量は特に限定されないが、例えば、塗料組成物100質量部に対して、0.1~10質量部であるのが好ましく、0.3~5.0質量部であるのがより好ましい。
本発明の塗料組成物には、さらに必要に応じて、架橋剤、着色顔料、光輝剤、艶消し剤、造膜助剤、中和剤、顔料分散剤、表面調整剤、消泡剤、防腐剤、湿潤剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の塗料用添加剤を適宜配合しても良い。
これらのうち架橋剤としては、樹脂(B)が有する官能基と反応可能な官能基を少なくとも2個含む化合物であり、具体的には、例えば、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、ポリアミン化合物、ポリアミド化合物、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、ヒドラジン化合物、カルボジイミド化合物、多価金属化合物などが挙げられ、これらの架橋剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。架橋剤の量は、当該架橋剤の種類、などに応じて適宜設定することができる。架橋剤の中では、耐久性に優れた抗アレルゲン性・抗菌性塗膜を形成する観点から、ヒドラジン化合物が好ましい。
また、本発明ではムラのない塗膜を形成できる点から、塗料組成物中に艶消し剤を配合することが適している。かかる艶消し剤としては、例えば、有機系艶消し剤、無機系艶消し剤が挙げられる。有機系艶消し剤としては、ポリメタクリル酸メチル粒子、シリコーン粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子、アクリルスチレン粒子、ベンゾグアナミン粒子、メラミン粒子、ポリオレフィン粒子、ポリエステル粒子、ポリアミド粒子、ポリイミド粒子、ポリフッ化エチレン粒子等があげられる。これらの樹脂粒子は、単独で又は複数を併用してもよい。なかでも、ポリメタクリル酸メチル粒子を好適に用いることができる。樹脂粒子の形状は例えば真球状、ビーズ状の略球形、粉末等の不定形のもの等、特に制限はない。一方、無機系艶消し剤としては、シリカ、マイカ、アルミナ、タルク、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を挙げることができる。
また、本発明の塗料組成物が上記艶消し剤を含有する場合、該艶消し剤の配合量は種類によって適宜調整でき、例えば、樹脂(B)100質量部に対して、1~600質量部であるのが好ましく、2~500質量部であるのがより好ましい。
本発明の塗料組成物が塗装される被塗面としては、制限されるものではなく、抗アレルゲン性や抗菌性を要する被塗面に対して適用可能である。具体例としては、洋紙、和紙、ダンボール等の紙類、セメント、コンクリート、モルタル、石膏、石材、陶器、磁器、ガラス、金属等の無機材、木材、塩化ビニル等の合成樹脂、プラスチック、不織布、布帛、繊維、有機無機複合材等の公知の材料に適用でき、これらの材料から作られたクロス、ボード、ブロック、パネル、シート、タイル、袋、工業製品などに塗装することができる。より具体的な被塗物の例としては、例えば、建築物の壁面や天井、床、建具、カーテン、カーペット、タペストリィ、マグネットシート、椅子張地、寝具、カーシート、カーマット等の自動車部品類、ぬいぐるみ等の玩具、枕カバー、靴の中敷、マスク、エプロン、衣服、ロッカー、タンス、机、引き出し、ごみ箱、書棚および下駄箱などの家具、水周り品、パーティション、フィルター等を挙げることができる。本発明の塗料組成物から得られる塗膜は、抗アレルゲン性及び抗菌性を有するため、家屋、公共施設、倉庫、災害時の避難所、仮設テント等に対しても好ましく用いることができる。
上記被塗面又は被塗物はあらかじめシーラー等の処理剤で処理されたものであってもよく、必要に応じて公知の上塗り着色塗料が塗装されたものであってもよい。
本発明の塗料組成物の塗装は、それ自体既知の塗装手段を用いて塗装を行うことができ、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーターなど基材の用途等に応じて適宜選択することができる。また、塗膜外観を損なわない範囲で複数回塗り重ねてもよい。
形成される塗膜の乾燥は、常温で乾燥させることができるが、加熱乾燥又は強制乾燥の方法で行うこともできる。
製造例1:複合粒子Aの製造
本製造例では、アナターゼ型の酸化チタン粉末、銀粉末及びハイドロキシアパタイト粉末を原料粉末として使用し、1個以上のアナターゼ型酸化チタン粒子、1個以上の銀粒子及び1個以上のハイドロキシアパタイト粒子を含んでなる複合粒子を製造した。
原料粉末の合計添加量:4kg以上
シリンダー容積:3.3L
ビーズ:ジルコニア製ビーズ(直径0.5mm、質量0.37mg)
液の流量:2L/分
シリンダー内の羽根の周速:540m/分
液温:35~45℃
原料粉末1kgあたりの混合時間:30~40分(約36分)
酸化チタン粉末、銀粉末及びハイドロキシアパタイト粉末の合計配合量は、水65質量部に対して、35質量部に調整した。ポリカルボン酸系分散剤の配合量は、酸化チタン粉末、銀粉末及びハイドロキシアパタイト粉末の合計配合量35質量部に対して、0.5質量部に調整し、35%品の複合粒子スラリー(a1)を製造した。
製造例2:ルチル型酸化チタンスラリー(a2)の製造
ステンレス容器に上水101部を加え、下記組成の成分を攪拌しながら添加し、ルチル型酸化チタンスラリー(a2)を得た。このルチル型酸化チタンスラリー(a2)の固形分は50%であった。
「Ti Pure R-902+」 (注1) 100部
「DISPER BYK-190」 (注2) 1.8部
「SNデフォーマー317」 (注3) 0.1部
(注1)「Ti Pure R-902+」:商品名、DuPont社製、シリカおよびアルミナで表面修飾されたルチル型酸化チタン粒子、平均粒径0.405μm、
(注2)「DISPER BYK-190」:商品名、ビックケミー社製、顔料親和性基を有する高分子量ブロック共重合物の溶液、固形分40%、
(注3)「SNデフォーマー317」:商品名、サンノプコ社製、鉱物油系消泡剤、固形分100%。
製造例3:アナターゼ型酸化チタンスラリー(a3)の製造
ステンレス容器に上水101部を加え、下記組成の成分を攪拌しながら添加し、アナターゼ型酸化チタンスラリー(a3)を得た、このアナターゼ型酸化チタンスラリー(a3)の固形分は50%であった。
「JA-1」 (注4) 100部
「DISPER BYK-190」 1.8部
「SNデフォーマー317」 0.1部
(注4)「JA-1」:商品名、テイカ株式会社製、アナターゼ型酸化チタン粒子、平均粒子径0.18μm。
製造例4:エマルション(b1)の製造
容量2リットルの4つ口フラスコに、脱イオン水285部及び「ニューコール707SF」(注5)1部加え、窒素置換後、85℃に保った。その中に下記の組成の成分をエマルション化してなるプレエマルションの3%分と、過硫酸アンモニウム3部を脱イオン水120部に溶解させた開始剤水溶液123部のうちの41部とそれぞれ添加し、添加20分後から、残りのプレエマルションと過硫酸アンモニウム水溶液とを4時間かけてフラスコに滴下した。
脱イオン水 368部
スチレン 150部
メチルメタクリレート 413部
n-ブチルアクリレート 240部
2-エチルヘキシルアクリレート 150部
ダイアセトンアクリルアミド 20部
2-ヒドロキシエチルアクリレート 25部
アクリル酸 2部
ニューコール707SF 66部
滴下後、これをさらに2時間85℃に保持した後、40~60℃に降温した。次いで、アンモニア水でpHを調整し、固形分が50%のエマルション(b1)を得た。エマルション(b1)の平均粒子径は175nm、pHは8.3であった。エマルション(b1)の吸水率を明細書記載に準じて測定したところ、20%であった。
(注5)「ニューコール707SF」:商品名、日本乳化剤社製、ポリオキシエチレン鎖を有するアニオン性界面活性剤、不揮発分30%。
上記製造例においてモノマー組成を下記とする以外は同様にして酸基を有しないエマルション(b2)を得た。エマルション(b2)の平均粒子径は175nm、pHは7.1であった。エマルション(b2)の吸水率を明細書記載に準じて測定したところ、18%であった。
脱イオン水 368部
スチレン 150部
メチルメタクリレート 415部
n-ブチルアクリレート 240部
2-エチルヘキシルアクリレート 150部
ダイアセトンアクリルアミド 20部
2-ヒドロキシエチルアクリレート 25部
ニューコール707SF 66部。
上記製造例においてモノマー組成を下記とする以外は同様にしてエマルション(b3)を得た。エマルション(b3)の平均粒子径は150nm、pHは8.2であった。エマルション(b3)の吸水率を明細書記載の方法に準じて測定したところ52%であった。
脱イオン水 368部
スチレン 150部
メチルメタクリレート 405部
n-ブチルアクリレート 240部
2-エチルヘキシルアクリレート 150部
ダイアセトンアクリルアミド 20部
2-ヒドロキシエチルアクリレート 25部
アクリル酸 10部
ニューコール707SF 99部。
容量2リットルの4つ口フラスコに「スワゾール1000」(注6)400部を加え、窒素置換後、撹拌しながら120℃まで昇温させた。次いで、下記モノマー組成物及び開始剤溶液をそれぞれ3時間かけて滴下した。
モノマー組成物
スチレン 150部
メチルメタクリレート 124部
2-エチルヘキシルアクリレート 75部
i-ブチルメタクリレート 140部
2-ヒドロキシエチルアクリレート 10部
アクリル酸 1部
開始剤溶液
ターシャリーブチルパーオキサイド 25部
スワゾール1000 50部
(注6)「スワゾール1000」:商品名、丸善石油化学社製、芳香族炭化水素系溶剤。
滴下後、これをさらに2時間120℃に保持した後、40~60℃に降温し、「スワゾール1000」で樹脂固形分が50%になるまで希釈し、アクリル樹脂溶液(b4)を得た。アクリル樹脂溶液(b4)の吸水率を明細書記載の方法に準じて測定したところ2%であった。
実施例1:塗料A-1の製造
下記の成分をステンレス容器に撹拌しながら順次仕込み、PRIMIX社製ホモディスパーで均一になるまで攪拌混合することにより、アナターゼ型の酸化チタン、銀、ハイドロキシアパタイトの複合粒子を含む塗料(A-1)を得た。
上水 81.7部
50%エマルション(b1) 10.0部
2,2,4-トリメチルー1,3-ペンタン
ジオールモノイソブチレート 0.5部
アジピン酸ジヒドラジド 0.1部
プライマルASE-60(注7) 3.1部
2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール 0.3部
35%複合粒子スラリー(a1) 2.9部
テクポリマー MBX-8(注8) 1.1部
TEGO Wet280(注9) 0.2部
BYK-028(注10) 0.2部
ACTICIDE MB(注11) 0.2部
(注7)「プライマルASE-60」:商品名、DOW CHEMICAL CO.製、28%ポリアクリル酸系増粘剤、
(注8)「テクポリマー MBX-8」:商品名、積水化成品工業株式会社製、架橋ポリメタクリル酸メチル、平均粒子径8μm、
(注9)「TEGO Wet280」:商品名、EVONIK INDUSTRIES AG社製、ポリエーテル変性シロキサンコポリマー、
(注10)「BYK-028」:商品名、ビックケミー社製、シリコン系消泡剤、
(注11)「ACTICIDE MB」:商品名、THOR GMBH製、5% 複合型イソチアゾリン系防腐剤。
上記実施例1において、配合組成を下記表2とする以外は実施例1と同様にして塗料(A-2)~(A-18)を得た。得られた塗料の性能評価も併せて表2に示す。尚、表2の数値は実際に配合した量である。
(注13)「スーパーフレックス 150」:商品名、第一工業製薬株式会社製、ポリウレタンディスパーション、固形分30%、平均粒子径30nm、pH8~10、吸水率10%、
(注14)「AL-15F」:商品名、住友精化株式会社製、ヒドロキシエチルセルロース。
(注15)タンカルスラリー
ステンレス製容器に下記に示される各成分を撹拌しながら順次仕込み、PRIMIX社製ホモディスパーで均一になるまで攪拌を続け、24%品のタンカルスラリーを得た。
脱イオン水 70部
DISPER BYK-190(注2) 4部
BYK-028(注10) 2部
スーパーS(注16) 24部
(注16)「スーパーS」:商品名、丸尾カルシウム社製、重質炭酸カルシウム、比重2.7、吸油量23(ml/100g)。
試験方法にあわせ、下記3通りの方法で試験塗板を作製した。
塗板作製例1
スレート板(150×70×4mm)上に、「EPシーラー透明」(関西ペイント株式会社製、水系アクリルエマルション系シーラー)を塗布量が100g/m2になるようにローラー塗装し乾燥させた後、「ビニデラックス300」(関西ペイント社製、JIS K5663 1種適合アクリルエマルション系塗料)を社団法人日本塗料工業会が発行する色見本に基づく19-90Bに調色にした塗料を塗布量が100g/m2になるようにローラー塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で1日間乾燥させ、さらに同塗料を塗布量が100g/m2になるようにローラー塗装し、気温20℃、相対湿度60%の条件下で1日間乾燥させたものを被塗板とし、この上に各塗料組成物(A-1)~(A-18)を塗布量が30g/m2になるようにローラーで塗装した。その後、気温23℃、相対湿度60%の条件下で7日間乾燥して、各試験板を得、下記性能試験に供した。
スレート板(150×70×4mm)上に、「生のりパック壁紙」(株式会社アサヒペン製、塩化ビニル系壁紙)を貼り付け、気温20℃、相対湿度60%の条件下で7日間乾燥、固着させたものを被塗板とし、この上に各塗料組成物(A-1)~(A-18)を塗布量が30g/m2になるようにローラーで塗装した。その後、気温23℃、相対湿度60%の条件下で7日間乾燥して、各試験板を得、下記性能試験に供した。
「PPC/レーザー用 OHPフィルムA4サイズクリアタイプ」(キソ化成産業株式会社製、PETフィルム)を被塗板とし、この上に各塗料組成物(A-1)~(A-18)を乾燥膜厚2~4μmになるように塗装した。その後、気温23℃、相対湿度60%の条件下で7日間乾燥して、各試験板を得、下記性能試験に供した。
(*1)貯蔵安定性
実施例及び比較例で製造した各塗料を密閉した容器に入れ、40℃の恒温室で30日間貯蔵した後の液状態を下記基準で評価した。
◎:液に沈殿物がまったくなし、
○:液に沈殿物、浮遊物が極めてわずかに見られるが攪拌により元に戻る、
△:液に沈殿物もしくは浮遊物が見られ、攪拌しても元に戻らない、
×:液にかなりの沈殿物もしくは浮遊物が見られる。
塗板作製例1および塗板作製例2で得た各試験塗板の初期塗膜をそれぞれ目視で観察し、次の基準で評価した。
◎:被塗板上で均一な塗膜となり、塗膜平滑性も良好である、
○:被塗板上で均一な塗膜となるが、塗膜にやや凹凸がある、
△:被塗板上で塗膜に多少ムラが見られ、近くで見ると塗り重ね部分がわかる、
×:被塗板上で塗膜にムラが見られ、塗り重ね部分が遠くから目立つ。
試験塗板の抗アレルゲン性の評価のため、次のアレルゲン不活性化試験を実施した。
アレルゲン不活性化試験
塗板作製例3で得た各試験塗板を、40mm×40mmに切り抜きこれを検体とし、スギ花粉Cry j1(スギ花粉抽出物、製品No.10103、ITEA株式会社製)のアレルゲン溶液を、アレルゲンの初期量が240ngをなるよう所定量検体へ添加した。その後、1000±250lxの照度の蛍光灯を照射しながら、4℃で24時間反応させた。反応後アレルゲン溶液を回収し、そのアレルゲン濃度を酵素免疫定量法(ELISA法)により定量した。なお、対照は検体を入れないこと以外は同様に処理した。各検体、および対照はそれぞれn=3で実施し、平均値を得、検体によるアレルゲン低減率を次のように算出した。
アレルゲン低減率(%)=(Y-X)/Y×100
X:検体と反応後のアレルゲン量の平均値(ng)
Y:対照のアレルゲン量の平均値(ng)
算出されたアレルゲン低減率より、各試験塗板の抗アレルゲン性として次のように評価した。
◎:アレルゲン低減率が99%以上で、優れた抗アレルゲン性を示した、
○:アレルゲン低減率が90%以上で、抗アレルゲン性を示した、
△:アレルゲン低減率が70%以上で、やや抗アレルゲン性を示した、
×:アレルゲン低減率が70%未満で、抗アレルゲン性を示さなかった。
抗菌性は、JIS Z2801:2010(フィルム密着法)に基づいて試験を実施した。塗板作製例3で得た各試験塗板を、50mm×50mmに切り抜きこれを検体とし、試験菌株として大腸菌を、大腸菌液として0.4mLを検体へ摂取させた。また、対照には、ポリエチレンフィルムを使用した。得られた抗菌活性値は各試験塗板の抗菌性として、次のように評価した。
○:抗菌活性値が2.0以上であり、優れた抗菌性を有していた、
×:抗菌活性値が2.0未満であり、抗菌性を有していなかった。
塗板作製例2で得た各試験塗板を、JIS K5600-7-7(塗料一般試験方法-第7部:塗膜の長期耐久性-第7節:促進耐候性及び促進耐光性(キセノンランプ法))に準拠して、塗膜の耐久性試験を1000時間行った後、塗面状態を目視にて観察し、下記基準にて評価した。
◎:初期と比較し変化なく、良好、
○:初期と比較し塗膜のムラが少し見られる、
△:初期と比較し塗膜にムラが見られ、白亜化が初期を基準として△2.0未満、
×:初期と比較し白亜化が初期を基準として△2.0以上、もしくは塗膜の被塗板からの剥離や脱落。
Claims (8)
- アナターゼ型の酸化チタン、粒子径が0.3~100μmの銀粒子及びリン酸カルシウムの複合粒子(A)、樹脂(B)、溶媒(C)ならびにヒドラジン化合物を含む塗料組成物であって、
前記複合粒子(A)を、樹脂(B)100質量部を基準として、1~300質量部含み、
樹脂(B)が、吸水率0~50%の範囲にあるものであり、重合性不飽和モノマーの一部としてカルボニル基含有重合性不飽和モノマーを使用した水分散性アクリル樹脂であり、
該樹脂(B)を、塗料組成物全体100質量部を基準として、固形分で0.5~40質量部含むことを特徴とする塗料組成物。 - リン酸カルシウムがハイドロキシアパタイトである請求項1に記載の塗料組成物。
- 樹脂(B)が酸基を有する樹脂である請求項1又は2に記載の塗料組成物。
- さらに増粘剤を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 増粘剤がポリアクリル酸系増粘剤及び/又は繊維素系増粘剤である請求項4に記載の塗料組成物。
- さらに艶消し剤を含む請求項1~5のいずれか1項に記載の塗料組成物。
- 被塗物に、請求項1~6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装する、塗装方法。
- 被塗物に、請求項1~6のいずれか1項に記載の塗料組成物を塗装してなる、塗装物品。
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