JP2023062505A - 糸掛け用ユニット及び混繊糸製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、発生する糸屑を大幅に削減することができる。【解決手段】第1群の糸Y1を加熱延伸させるゴデットローラ31~35と、ゴデットローラ31~35を収容する箱本体38を有する保温箱30と、第2群の糸Y2を案内する案内ローラ36と、を有し、糸Y1と糸Y2とを合糸して混繊糸Y3を製造する混繊糸製造装置1、において、糸掛け作業の際に、糸掛け用ユニット5が用いられる。糸掛け用ユニット5は、箱本体38への取付け部51と、ゴデットローラ31~35より案内ローラ36に近い箱本体38の縁部に沿って延びて糸Y2が掛けられる糸掛け部52とを備え、糸掛け部52は、ゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で延びる。【選択図】図6

Description

本発明は、紡糸装置から紡出された複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分けて少なくとも第1群の糸に延伸処理を施した後、第1群の糸と第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置において用いられる糸掛け用ユニット、及び糸掛け用ユニットを備えた混繊糸製造装置に関する。
延伸処理が行われた糸である延伸糸(FDY:Fully Draw Yarn)と、延伸処理が行われていない糸である部分配向糸(POY:Partially Oriented Yarn)とは異なる収縮率を有している。このような収縮率の異なる2種類の糸を合糸させた混繊糸(BSY:Bi Shrinkage Yarn)は、風合いがよいことで知られており、混繊糸を製造するための装置はこれまでにも提案されている。
例えば、特許文献1の装置では、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸が、加熱部を有するゴデットローラとして構成された5つの加熱ローラ31~35によって加熱されるとともに延伸されることにより延伸糸となる。一方、紡糸装置から紡出された残りの糸は、5つの加熱ローラ31~35のうちの糸走行方向上流側に配置された加熱ローラ31~33を経由せずに案内ローラ36を経由することで部分配向糸となる。そして、延伸糸と部分配向糸とが合糸されることで、混繊糸が生成される。
特開2021-102835号公報
混繊糸の製造の際には、紡糸装置から紡出される複数の糸をサクションガンで吸い込みながら、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分けて、第2群の糸を案内ローラ上に巻き掛けつつ、加熱部を有する複数のゴデットローラ上に第1群の糸を巻き掛けていく糸掛け作業が行われる。この糸掛け作業において、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける際、作業者は、まず、片方の手でサクションガンを持ち、先端側の部分で糸を引っ掛けることができる糸分け用の器具をもう片方の手で持つ。そして、紡出された複数の糸を片方の手で持ったサクションガンで吸い込みながら、もう片方の手で持った糸分け用の器具によって、紡出される複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける作業を行う。次いで、作業者は、サクションガンの位置を操作しながら、第2群の糸を案内ローラ上に巻き掛けつつ、第1群の糸を複数のゴデットローラに順次巻き掛けていく作業を行う。このとき、作業者は、第2群の糸が第1群の糸と同様に複数のゴデットローラに対して巻き掛けられてしまうことを防止して第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛けて、糸掛け作業を遂行する必要がある。
上記の糸掛け作業の際、作業者は、片方の手で重くて重量のあるサクションガンを操作しながら、もう片方の手で糸分け用の器具を操作し、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける必要があった。このため、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、片方の手で重いサクションガンを操作して糸掛け作業を行う必要があり、作業者の負担が大きく、糸掛け作業が難しくて非常に多くの作業時間を要してしまうという問題があった。また、作業時間が増大すると、その間にサクションガンに吸い込まれる糸の量が増加してしまい、発生する糸屑の増大を招いてしまうという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット、及び糸掛け用ユニットを備えた混繊糸製造装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するために、本発明のある局面に係わる糸掛け用ユニットは、加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、を有して、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置、において、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットであって、前記箱本体に対して着脱自在に取り付けられる取付け部と、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、を備え、前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする。
本発明の構成によると、混繊糸の製造に際して混繊糸製造装置において糸掛け作業が行われる際には、まず、保温箱の箱本体に対して、複数のゴデットローラより案内ローラに近い箱本体の縁部において、糸掛け用ユニットが取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニットの糸掛け部は、ゴデットローラの軸方向において複数のゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の縁部に沿って延びるように配置される。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置から紡出される複数の糸をサクションガンで吸い込みながら、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける。分けられた第2群の糸については、複数のゴデットローラよりも糸掛け用ユニットに近い位置に配置された案内ローラに巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸を吸い込むサクションガンを両手で持ちながら、サクションガンの位置を操作して、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラに巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸は、案内ローラからサクションガンの吸い込み口へと至る糸道において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かることになる。このため、作業者がサクションガンを両手で持って操作して第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸が糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸が複数のゴデットローラに巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸の糸道が、当該第2群の糸の糸道における案内ローラとサクションガンとの間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸が第1群の糸の糸道と同じ糸道でゴデットローラに対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガンを両手で操作して、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガンに吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の構成によると、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニットを提供することができる。
(2)前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って直線状に延びる棒状の部分を有していてもよい。
この構成によると、直線状に延びる棒状の部分を有する糸掛け部と箱本体への取付け部とを有した簡素な構造で、糸掛け用ユニットを容易に構成することができる。即ち、両手でサクションガンを操作して第1群及び第2群の糸の糸道を分けた状態を維持しながら第1群の糸を複数のゴデットローラに巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる糸掛け用ユニットを、簡素な構造で容易に構成することができる。
(3)前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って平板状に延びる部分を有していてもよい。
この構成によると、平板状に延びる部分を有する糸掛け部と箱本体への取付け部とを備えた簡素な構造で、糸掛け用ユニットを容易に構成することができる。即ち、両手でサクションガンを操作して第1群及び第2群の糸の糸道を分けた状態を維持しながら第1群の糸を複数のゴデットローラに巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる糸掛け用ユニットを、簡素な構造で容易に構成することができる。
なお、本発明に係る糸掛け用ユニットは、上記(1)~(3)に記載された構成の全部を備えることは必須でない。例えば、上記(1)に記載された糸掛け用ユニットに係る発明において、上記(2)~(3)に記載された構成は必須でない。また、整合を図ることができる範囲で、上記(1)に記載された構成と、上記(2)~(3)に記載された構成のうちの一部の構成と、を任意に組み合わせたものを、本発明に係る糸掛け用ユニットとすることもできる。例えば、上記(1)に記載された構成と、上記(2)に記載された構成とを組み合わせたものを本発明に係る糸掛け用ユニットとすることもできるし、上記(1)に記載された構成と、上記(3)に記載された構成とを組み合わせたものを本発明に係る糸掛け用ユニットとすることもできる。
(4)上記課題を解決するために、本発明のある局面に係わる糸掛け用ユニットは、加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、を有して、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置、において、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットであって、前記箱本体に対して着脱自在に取り付けられる取付け部と、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、複数の前記ゴデットローラから離間しているとともに前記案内ローラが配置された前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、を備え、前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする。
本発明の構成によると、混繊糸の製造に際して混繊糸製造装置において糸掛け作業が行われる際には、まず、保温箱の箱本体に対して、複数のゴデットローラから離間しているとともに案内ローラが配置された箱本体の側壁の縁部において、糸掛け用ユニットが取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニットの糸掛け部は、ゴデットローラの軸方向において複数のゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように配置される。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置から紡出される複数の糸をサクションガンで吸い込みながら、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける。分けられた第2群の糸については、複数のゴデットローラから離間しているとともに糸掛け用ユニットが取り付けられた箱本体の側壁に配置された案内ローラに巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸を吸い込むサクションガンを両手で持ちながら、サクションガンの位置を操作して、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラに巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸は、案内ローラからサクションガンの吸い込み口へと至る糸道において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の側壁の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かることになる。このため、作業者がサクションガンを両手で持って操作して第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸が糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸が複数のゴデットローラに巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸の糸道が、当該第2群の糸の糸道における案内ローラとサクションガンとの間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸が第1群の糸の糸道と同じ糸道でゴデットローラに対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガンを両手で操作して、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガンに吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の構成によると、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニットを提供することができる。
(5)上記課題を解決するために、本発明のある局面に係わる混繊糸製造装置は、加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸して混繊糸を生成する合糸装置と、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットと、を備え、前記糸掛け用ユニットは、前記箱本体に取り付けられる取付け部と、複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、を有し、前記糸掛け部は、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする。
本発明の構成によると、混繊糸の製造に際して糸掛け作業が行われる際には、保温箱の箱本体に対して、複数のゴデットローラより案内ローラに近い箱本体の縁部において、糸掛け用ユニットが取り付けられている。そして、糸掛け用ユニットの糸掛け部は、ゴデットローラの軸方向において複数のゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の縁部に沿って延びるように配置されている。この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置から紡出される複数の糸をサクションガンで吸い込みながら、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける。分けられた第2群の糸については、複数のゴデットローラよりも糸掛け用ユニットに近い位置に配置された案内ローラに巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸を吸い込むサクションガンを両手で持ちながら、サクションガンの位置を操作して、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラに巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸は、案内ローラからサクションガンの吸い込み口へと至る糸道において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かることになる。このため、作業者がサクションガンを両手で持って操作して第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸が糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸が複数のゴデットローラに巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸の糸道が案内ローラとサクションガンとの間で複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。このため、第2群の糸が第1群の糸の糸道と同じ糸道でゴデットローラに対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガンを両手で操作して、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガンに吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の構成によると、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、混繊糸製造装置を提供することができる。
(6)上記課題を解決するために、本発明のある局面に係わる混繊糸製造装置は、加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸して混繊糸を生成する合糸装置と、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットと、を備え、前記糸掛け用ユニットは、前記箱本体に取り付けられる取付け部と、複数の前記ゴデットローラから離間しているとともに前記案内ローラが配置された前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、を有し、前記糸掛け部は、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする。
本発明の構成によると、混繊糸の製造に際して糸掛け作業が行われる際には、保温箱の箱本体に対して、複数のゴデットローラから離間しているとともに案内ローラが配置された箱本体の側壁の縁部において、糸掛け用ユニットが取り付けられている。そして、糸掛け用ユニットの糸掛け部は、ゴデットローラの軸方向において複数のゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように配置されている。この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置から紡出される複数の糸をサクションガンで吸い込みながら、複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分ける。分けられた第2群の糸については、複数のゴデットローラから離間しているとともに糸掛け用ユニットが取り付けられている箱本体の側壁に配置された案内ローラに巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸を吸い込むサクションガンを両手で持ちながら、サクションガンの位置を操作して、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラに巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸は、案内ローラからサクションガンの吸い込み口へと至る糸道において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置で箱本体の側壁の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かることになる。このため、作業者がサクションガンを両手で持って操作して第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸が糸掛け用ユニットの糸掛け部に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸が複数のゴデットローラに巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸の糸道が、当該第2群の糸の糸道における案内ローラとサクションガンとの間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラよりも箱本体の外側に突出した位置であってゴデットローラの軸方向に対してゴデットローラの端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸が第1群の糸の糸道と同じ糸道でゴデットローラに対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガンを両手で操作して、第1群の糸の糸道と第2群の糸の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガンに吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の構成によると、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、混繊糸製造装置を提供することができる。
本発明によると、サクションガンを両手で操作しながら、第1群の糸を複数のゴデットローラに対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガンに吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット、及び糸掛け用ユニットを備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニットが用いられる混繊糸製造装置及び本発明の第1実施形態に係る混繊糸製造装置を説明するための図であって、部分配向糸に熱セットを実施せずに混繊糸を製造する混繊糸製造装置を示す正面図である。 図1に示す混繊糸製造装置における紡糸延伸装置を示す正面図である。 図2に示す紡糸延伸装置の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニットを示す斜視図である。 図4に示す糸掛け用ユニットの側面図である。 図4に示す糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置の保温箱に取り付けられた状態を示す斜視図である。 図4に示す糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置の保温箱に取り付けられた状態を示す側面図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が保温箱の外部の糸送りローラに巻き掛けられ、第2群の糸が案内ローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における1つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における2つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における3つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における4つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における5つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図1に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が全てのゴデットローラに巻き掛けられているとともに第2群の糸が案内ローラに巻き掛けられた状態を示す図である。 第1の変形例に係る糸掛け用ユニットを示す斜視図である。 図15に示す糸掛け用ユニットの側面図である。 図15に示す糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置の保温箱に取り付けられた状態を示す斜視図である。 第2の変形例に係る糸掛け用ユニットを示す斜視図である。 図18に示す糸掛け用ユニットの側面図である。 図18に示す糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置の保温箱に取り付けられた状態を示す斜視図である。 第3の変形例に係る糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置に取り付けられた状態を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る糸掛け用ユニットが用いられる混繊糸製造装置及び本発明の第2実施形態に係る混繊糸製造装置について説明するための図であって、部分配向糸に熱セットを実施して混繊糸を製造する混繊糸製造装置を示す正面図である。 図22に示す混繊糸製造装置における紡糸延伸装置を示す正面図である。 図23に示す紡糸延伸装置の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る糸掛け用ユニットを示す斜視図である。 図25に示す糸掛け用ユニットが混繊糸製造装置の紡糸延伸装置の保温箱に取り付けられた状態を示す正面図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が保温箱の外部の糸送りローラに巻き掛けられ、第2群の糸が案内ローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における1つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における2つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が糸走行方向における3つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸及び第2群の糸が第1群の糸の糸走行方向における4つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸及び第2群の糸が第1群の糸の糸走行方向における5つ目のゴデットローラに巻き掛けられている状態を示す図である。 図22に示す混繊糸製造装置において糸掛け用ユニットを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図であって、第1群の糸が全てのゴデットローラに巻き掛けられているとともに、案内ローラに巻き掛けられた第2群の糸が一部のゴデットローラにも巻き掛けられた状態を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、紡糸装置から紡出された複数の糸を第1群の糸と第2群の糸とに分けて少なくとも第1群の糸に延伸処理を施した後、第1群の糸と第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置において用いられる糸掛け用ユニット、及び糸掛け用ユニットを備えた混繊糸製造装置として、種々の用途に広く適用することができるものである。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニット5(図4参照)が用いられる混繊糸製造装置1及び本発明の第1実施形態に係る混繊糸製造装置を説明するための図であって、部分配向糸に熱セット(熱処理)を実施せずに混繊糸を製造する混繊糸製造装置1を示す正面図である。図2は、図1に示す混繊糸製造装置1における紡糸延伸装置3を示す正面図である。図3は、図2に示す紡糸延伸装置3の斜視図である。図4は、本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニット5を示す斜視図である。本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニット5は、図1に示す混繊糸製造装置1において用いられる。また、本発明の第1実施形態に係る混繊糸製造装置は、図1に示す混繊糸製造装置1と図4に示す糸掛け用ユニット5とを備えた装置として構成される。なお、説明の便宜上、混繊糸製造装置1における上下方向、前後方向、及び左右方向は、図1乃至図3に示すように定義する。
[混繊糸製造装置の全体構成]
混繊糸製造装置1は、紡糸装置2から連続的に紡出される溶融樹脂が固化して形成された合成繊維糸として構成される複数の糸Yを、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分けて第1群の糸Y1に延伸処理を施すことで第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを収縮率が異なる糸とする。具体的には、混繊糸製造装置1は、第1群の糸Y1については延伸処理を施して延伸糸(FDY:Fully Draw Yarn)とし、第2群の糸Y2については延伸処理を施さずに部分配向糸(POY:Partially Oriented Yarn)とすることで、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを収縮率の異なる糸とする。その後、混繊糸製造装置1は、延伸糸(FDY)である第1群の糸Y1と部分配向糸(POY)である第2群の糸Y2とを合糸することにより、混繊糸Y3(BSY:Bi Shrinkage Yarn)を生成する。収縮率の異なる2種類の糸Y1、Y2からなる混繊糸Y3は、風合いがよいことで知られている。なお、本明細書においては、糸の種類を特に限定しない場合は、単に糸Yと表記する。
混繊糸製造装置1は、紡糸延伸装置3、巻取装置4、分繊ガイド11、糸送りローラ12~15、合糸装置16を備えて構成されている。
分繊ガイド11は、例えば櫛歯状のガイドであり、紡糸装置2の下方に配置されている。紡糸装置2から紡出された全ての複数の糸Yは、分繊ガイド11において、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに半数ずつに分けられる。例えば、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yが16本の場合、8本の第1群の糸Y1と8本の第2群の糸Y2とに分けられ、最終的に8本の混繊糸Y3が生成される。
糸送りローラ12~15は、図示を省略した電動モータによって回転駆動される。糸送りローラ12、13は、左右方向に延びる回転軸を有する。糸送りローラ12は、第1群の糸Y1の糸走行方向において分繊ガイド11と紡糸延伸装置3における後述の保温箱30との間に配置されている。糸送りローラ13~15は、糸Yの糸走行方向において紡糸延伸装置3と巻取装置4との間に配置されている。
第1群の糸Y1は、分繊ガイド11を経由した後に糸送りローラ12を経由し、紡糸延伸装置3の保温箱30に導入される。一方、第2群の糸Y2は、分繊ガイド11を経由した後に紡糸延伸装置3における後述の案内ローラ36及び37を経由し、糸送りローラ13へと送られる。
紡糸延伸装置3の保温箱30から導出された第1群の糸Y1と紡糸延伸装置3の案内ローラ37から送られた第2群の糸Y2とは、糸送りローラ13と糸送りローラ14とを経由して合糸装置16に送られる。合糸装置16は、糸Yの糸走行方向において糸送りローラ14と糸送りローラ15との間に配置されている。合糸装置16は、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを合糸して混繊糸Y3を生成する装置である。合糸装置16は、圧縮空気を噴射し、圧縮空気の作用によって第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを合糸する交絡装置として構成されている。合糸装置16で第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とが合糸されて生成された混繊糸Y3は、糸送りローラ15を経由して巻取装置4に送られる。
巻取装置4は、複数の支点ガイド41、複数のトラバース装置42、コンタクトローラ43、2本のボビンホルダ44、及び、ターレット45を有している。尚、複数の支点ガイド41及び複数のトラバース装置42は、前後方向に各々対応するように並んで配置されており、図1では、前後方向において重なって図示されている。巻取装置4に送られてきた複数の混繊糸Y3は、複数の支点ガイド41を中心として、対応するトラバース装置42によって前後方向にトラバースされる。コンタクトローラ43は、複数のパッケージPの表面に接触して所定の接圧を付与し、パッケージPの形状を整えるように構成されている。尚、複数のパッケージPは、前後方向に並んで配置されており、図1では、前後方向において重なって図示されている。ボビンホルダ44は、前後方向に延びており、複数のボビンBを前後方向に並べた状態で装着可能に構成されている。ボビンホルダ44は、図示を省略した電動モータによって回転駆動される。ターレット45は、2本のボビンホルダ44を片持ち状態で支持するとともに、図示を省略した電動モータによって回転駆動されるように構成されている。巻取装置4においては、ターレット45が回転駆動されることで、2本のボビンホルダ44の位置が上方の巻取位置と下方の待機位置との間で切り換えられる。
巻取装置4は、上方の巻取位置にあるボビンホルダ44を回転させることによって、複数のボビンBに複数の混繊糸Y3を巻き取って複数のパッケージPを形成する。複数のパッケージPが完成すると、ターレット45を回転させて、2本のボビンホルダ44の位置を切り替える。そして、新たに巻取位置に移動したボビンホルダ44に装着されている複数のボビンBに複数の混繊糸Y3を巻き取る。
[紡糸延伸装置]
図1乃至図3を参照して、紡糸延伸装置3は、保温箱30と、加熱源を有する複数(本実施形態では、5つ)のゴデットローラ31~35と、複数(本実施形態では、2つ)の案内ローラ36及び37と、を備えて構成されている。尚、図2では、第1群の糸Y1については一点鎖線で図示し、第2群の糸Y2については二点鎖線で図示し、混繊糸Y3については、実線で図示している。
複数のゴデットローラ31~35は、保温箱30の内部に収容されている。そして、複数のゴデットローラ31~35は、紡糸装置2から紡出された複数の糸Yのうちの一部の糸Y1として分けられた第1群の糸Y1が巻き掛けられるとともに、第1群の糸Y1を加熱延伸させるゴデットローラとして設けられている。
ゴデットローラ31~35は、前後方向に延びる回転軸を有しており、図示を省略した電動モータによって図2に示す矢印の方向にそれぞれ回転駆動されるように構成されている。また、ゴデットローラ31~35は、図示を省略したヒーター(加熱源)を内蔵しており、ゴデットローラ31~35の周面に巻き掛けられた糸Yを加熱するように構成されている。ゴデットローラ31~35は、全て、略同じ外径を有している。
5つのゴデットローラ31~35のうち、糸走行方向における上流側の3つのゴデットローラ31~33は、第1群の糸Y1を延伸する前に予熱するための予熱ローラとして設けられている。予熱ローラとしてのゴデットローラ31~33の表面温度は、糸Yのガラス転移点以上の温度(例えば、80℃程度)に設定される。一方、5つのゴデットローラ31~35のうち、糸走行方向における下流側の2つのゴデットローラ34及び35は、第1群の糸Y1を熱セット(熱処理)するための熱セットローラとして設けられている。熱セットローラとしてのゴデットローラ34及び35の表面温度は、予熱ローラとしてのゴデットローラ31~33の表面温度よりも高い温度(例えば、130~140℃程度)に設定される。
また、糸走行方向下流側のゴデットローラ34及び35の回転速度(即ち、糸送り速度)は、糸走行方向上流側のゴデットローラ31~33の回転速度(即ち、糸送り速度)よりも早い速度に設定される。これにより、第1群の糸Y1は、ゴデットローラ31~33を経由してゴデットローラ34に至り、ゴデットローラ33とゴデットローラ34との間で延伸される。
予熱ローラである3つのゴデットローラ31~33のうち、糸走行方向における1つ目(即ち、糸走行方向において最も上流側)のゴデットローラ31は、残りの2つのゴデットローラ32及び33よりも下側に配置されている。糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32と、糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33とは、左右方向に相互に隣接して配置されている。糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32の軸心は、糸走行方向において最も上流側のゴデットローラ31の軸心よりも右側に位置している。そして、糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33の軸心は、糸走行方向において最も上流側のゴデットローラ31の軸心よりも左側に位置している。
熱セットローラであって糸走行方向における4つ目及び5つ目のゴデットローラである2つのゴデットローラ34及び35は、ゴデットローラ31~33の上側において左右方向に相互に隣接して配置されている。糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34は、糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32の上側に隣接して配置されている。糸走行方向における5つ目のゴデットローラ35は、糸走行方向において3つ目のゴデットローラ33の上方に配置されている。なお、糸走行方向における5つ目のゴデットローラ35は、糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34よりも上側にずれて配置されている。より具体的には、糸走行方向における5つ目のゴデットローラ35の軸心は、糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34の軸心よりも上側に位置している。
上記のように、5つのゴデットローラ31~35は、左右方向及び上下方向においてコンパクトに密集して配置されている。
保温箱30は、図3に示すように、前方が開口しているとともに複数のゴデットローラ31~35を収容する箱本体38と、箱本体38を開閉する扉39とを有している。紡糸延伸装置3の稼働時には、扉39は閉じられる。保温箱30において、扉39は、開き戸として設けられている。そして、扉39は、箱本体38の左側の側壁38aに対してヒンジ(図示省略)を介して回動自在に取り付けられている。
また、図2及び図3に示すように、箱本体38には、その右側の側壁38bにおいて、導入口30a及び導出口30bが形成されている。導入口30aは、箱本体38の右側の側壁38bの下端部に形成されており、第1群の糸Y1を保温箱30の内部に導入するための入口の開口として設けられている。導出口30bは、箱本体38の右側の側壁38bの上端部に形成されており、加熱延伸された第1群の糸Y1を外部に導出するための出口の開口として設けられている。また、箱本体38の右側の側壁38bには、扉39が閉じられた際に扉39側に設けられたロック爪(図示省略)と係合するロック溝38cが設けられている。ロック溝38cは、複数設けられており、本実施形態では、2つ設けられている。2つのロック溝38cは、箱本体38の右側の側壁38bの縁部に沿って上下に並んで設けられている。また、ロック溝38cは、箱本体38の側壁38bの縁部において開口するように設けられている。また、ロック溝38cには、その溝の内側において、扉39側のロック爪と係合する段部が設けられている。扉39が箱本体38を閉じた際には、例えば、扉39のロック爪がロック溝38c内に挿入され、その状態でロック爪が駆動されることで、ロック爪がロック溝38cの段部と係合するように構成されている。
案内ローラ36、37は、複数の糸Yから第1群の糸Y1以外の糸Y2として分けられた第2群の糸Y2を案内する案内ローラとして設けられている。案内ローラ36、37は、保温箱30の外部で箱本体38の右側の側壁38aに隣接して配置されている。案内ローラ36、37は、上下に並んで配置されており、案内ローラ36が下方に配置され、案内ローラ37が、上方に配置されている。そして、案内ローラ36は、第2群の糸Y2の糸走行方向における上流側の案内ローラとして設けられ、案内ローラ37は、第2群の糸Y2の糸走行方向における下流側の案内ローラとして設けられている。
また、案内ローラ36、37は、前後方向に延びる回転軸を有する回転可能なローラである。案内ローラ36、37は、図示を省略した電動モータによって回転駆動される駆動ローラとして設けられることが好ましいが、第2群の糸Y2の摩擦によって回転する従動ローラとして設けられてもよい。また、案内ローラ36、37は、表面からエアーを噴き出すように構成されていることで、第2群の糸Y2との摩擦を軽減した状態で又は第2群の糸Y2と非接触の状態で回転可能な従動ローラとして設けられてもよい。なお、案内ローラ36、37が駆動ローラであれば、案内ローラ36、37の回転速度によって糸Yの張力を調整することができるので、糸Yの品質をコントロールしやすくなる。
上記のように構成された紡糸延伸装置3において、第1群の糸Y1は、糸送りローラ12を経由して導入口30aから保温箱30の内部に導入され、保温箱30内において、予熱ローラであるゴデットローラ31~33と熱セットローラであるゴデットローラ34、35とに巻き掛けられて走行する。具体的には、第1群の糸Y1は、ゴデットローラ31、ゴデットローラ32、ゴデットローラ33、ゴデットローラ34、及びゴデットローラ35の順にジグザグに巻き掛けられて走行する。第1群の糸Y1は、予熱ローラであるゴデットローラ31~33によって延伸可能な温度(ガラス転移点以上の温度)まで予熱される。予熱された第1群の糸Y1は、ゴデットローラ33とゴデットローラ34との間の糸送り速度の差によって延伸糸となる。更に、第1群の糸Y1は、ゴデットローラ34、35によって、延伸された状態で熱セットされる。そして、熱セットされた第2群の糸Y1は、導出口30bから保温箱30の外部に導出され、糸送りローラ13へと送られる。
一方、第2群の糸Y2は、保温箱30の外部で案内ローラ36と案内ローラ37とに巻き掛けられて走行し、糸送りローラ13へと送られる。このため、第2群の糸Y2は、ゴデットローラ31~35を走行せず、加熱延伸されることなく、部分配向糸として糸送りローラ13へ送られる。
保温箱30の導出口30bを経て糸送りローラ13へと送られた第1群の糸Y1と、案内ローラ36、37を経て糸送りローラ13へと送られた第2群の糸Y2とは、糸送りローラ13の周面上で合流し、対応する糸同士が重なり合った状態で走行する。糸送りローラ13を経由した第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2は、更に糸送りローラ14を経由して合糸装置16へと至る。そして、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とは、合糸装置16によって合糸され混繊糸Y3となる。混繊糸Y3は、糸送りローラ15を経由して巻取装置4で巻き取られる。
[糸掛け用ユニット]
図4は、本発明の第1実施形態に係る糸掛け用ユニット5を示す斜視図であり、図5は、糸掛け用ユニット5の側面図である。図6及び図7は、糸掛け用ユニット5が混繊糸製造装置1の紡糸延伸装置3の保温箱30に取り付けられた状態を示す図であり、図6は斜視図であって、図7は側面図である。尚、図6及び図7は、保温箱30の扉39が開放された状態を図示している。以下、図4~図7を参照して、糸掛け用ユニット5について説明する。
糸掛け用ユニット5は、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを合糸することで混繊糸Y3を製造する混繊糸製造装置1において、第2群の糸Y2を案内ローラ36に巻き掛けつつ、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に巻き掛けていく糸掛け作業の際に用いられる。そして、糸掛け用ユニット5は、取付け部51と糸掛け部52とを備えて構成されている。
取付け部51は、糸掛け用ユニット5において、保温箱30の箱本体38に対して着脱自在に取り付けられる部分として設けられている。取付け部51は、基部51aと複数(本実施形態では2つ)のフック部51bとを有している。基部51aは、細長く板状に延びる部材として設けられている。基部51aは、長手方向が直線状に延びるように設けられている。基部51aは、取付け部51が箱本体38に対して取り付けられる際には、箱本体38の右側の側壁38bの縁部に沿って延びた状態で配置される。
2つのフック部51bのそれぞれは、取付け部51が箱本体38に対して取り付けられる際に箱本体38の右側の側壁38bに対して係合する部分として設けられている。各フック部51bは、基部51aと一体に結合されて設けられており、基部51aから基部51aの長手方向と垂直な方向に沿って片持ち状に突出して設けられている。2つのフック部51bは、基部51aから同じ方向に向かって突出するように設けられている。2つのフック部51bは、取付け部51が箱本体38の側壁38bに沿って配置された状態で側壁38bの2つのロック溝38cに対応する位置に設けられている。
また、各フック部51bには、基部51aから片持ち状に突出する先端側において、鉤爪状に屈曲して延びるように設けられて、箱本体38の側壁38bのロック溝38cと係合する係合爪51cが設けられている。取付け部51bが箱本体38に取り付けられる際には、各フック部51bが、箱本体38の側壁38bに設けられた各ロック溝38cに挿入される。そして、各フック部51bが各ロック溝38cに挿入された状態で、取付け部51bの位置が下方にずれるように取付け部51が操作されることで、各フック部51bの先端側の係合爪51cが、各ロック溝38c内の段部に対して係合する。フック部51bの係合爪51cがロック溝38c内の段部と係合することで、取付け部51は、箱本体38に取り付けられた状態となり、箱本体38に保持される。尚、本実施形態では、フック部51bがロック溝38cと係合することで、取付け部51が箱本体38に取り付けられる形態を例示したが、この通りでなくてもよく、取付け部51は、箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていればよい。例えば、箱本体38の側壁38bにロック溝38cとは異なる他の溝が設けられ、側壁38bに設けられた他の溝にフック部51bが係合することで、取付け部51が箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。
糸掛け部52は、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で第2群の糸Y2が掛けられる部分として設けられており、糸掛け用ユニット5を用いた糸掛け作業が行われる際に第2群の糸Y2が掛けられる。そして、糸掛け部52は、図6及び図7に示すように、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。更に、糸掛け部52は、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。
また、糸掛け部52は、具体的には、棒状部52aと一対の脚部52bとを有して構成されている。棒状部52aは、取付け部51の基部51aの長手方向と平行に延びる棒状の部分として設けられている。尚、棒状部52aは、本実施形態では円形断面で直線状に延びる丸棒状の部分として設けられている。そして、棒状部52aは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38aの前側の縁部に沿って上下方向において直線状に延びるように構成されている。また、棒状部52aは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、上下方向において、ゴデットローラ34の上半分の部分の高さ位置に対応する位置からゴデットローラ31の下半分の高さ位置に対応する位置にまで亘って延びるように設けられている。
糸掛け部52の一対の脚部52bは、基部51aから突出するとともに棒状部52aを支持する短い棒状の部分として設けられている。一対の脚部52bのそれぞれは、基部51aに対して、基部51aの長手方向に垂直な方向において、フック部51bが突出する側と反対側に向かって突出するように設けられている。また、一対の脚部52bは、基部51aの両端部からそれぞれ突出するように設けられており、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で基部51aの上端部及び下端部のそれぞれから突出するように設けられている。また、各脚部52bは、一端部において基部51aに固定されているとともに他端部において棒状部52aに一体に結合して設けられている。また、一対の脚部52bの一方の他端部は、棒状部52aの両端部のうちの一方の端部と一体に結合して設けられ、一対の脚部52bの他方の他端部は、棒状部52aの両端部のうちの他方の端部と一体に結合して設けられている。このため、脚部52bは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部に対して、水平方向に沿って前側に突出する。そして、棒状部52aは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部から離間した位置で側壁38bの縁部と平行に上下方向に沿って延びるように配置される。
上記の構成により、糸掛け部52の棒状部52aは、取付け部51の基部51aから脚部52bの長さに相当する距離を離間した状態で、基部51aの長手方向と平行に延びるように構成されている。そして、糸掛け部52の棒状部52aは、取付け部51の基部51aから脚部52bの長さだけ離間した位置で直線状に延びていることで、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態において、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びるように構成されている。
尚、本実施形態では、糸掛け用ユニット5は、取付け部51と糸掛け部52とが一体に設けられているが、この通りでなくてもよい。取付け部51と糸掛け部52とが別体で設けられ、取付け部51に対して糸掛け部52が着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。
[糸掛け用ユニットを用いた糸掛け作業]
図8~図14は、混繊糸製造装置1において糸掛け用ユニット5を用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図である。図6~図14を参照しつつ、混繊糸製造装置1において糸掛け用ユニット5を用いて糸掛け作業が行われる態様について説明する。
混繊糸Y3の製造の際には、まず、混繊糸Y3の製造に先立ち、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分けて、第2群の糸Y2を案内ローラ36上に巻き掛けつつ、複数のゴデットローラ31~35上に第1群の糸Y1を巻き掛けていく糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が行われる際には、図6及び図7に示すように、まず、保温箱30の扉39が開放された状態で、保温箱30の箱本体38に対して、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の縁部において、糸掛け用ユニット5が取り付けられる。このとき、糸掛け作業を行う作業者(図示省略)は、取付け部51のフック部51bを箱本体38の側壁38bのロック溝38cに係合させ、糸掛け用ユニット5を箱本体38に取り付ける。尚、糸掛け用ユニット5が箱本体38に取り付けられた状態では、糸掛け用ユニット5の糸掛け部52は、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように配置されている。
図8は、第1群の糸Y1が保温箱30の外部の糸送りローラ12に巻き掛けられ、第2群の糸Y2が案内ローラ36に巻き掛けられている状態を示す図である。図8を参照して、糸掛け用ユニット5が箱本体38に取り付けられると、次いで、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。尚、サクションガン100は、複数の糸Yを吸い込む吸い込み口100aが先端に設けられており、図示を省略した吸引装置に接続されている。
作業者は、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける際、サクションガン100で吸い込んでいる複数の糸Yを一旦案内ローラ36に巻き掛ける。そして、作業者は、片方の手でサクションガンを持ち、先端側の部分で糸を引っ掛けることができる糸分け用の器具(図示省略)をもう片方の手で持ち、もう片方の手で持った糸分け用の器具によって、紡出される複数の糸を第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける作業を行う。次いで、作業者は、第2群の糸Y2については案内ローラ36に巻き掛けたまま、糸分け用の器具を操作して第1群の糸Y1を糸送りローラ12に巻き掛ける。第2群の糸Y2が案内ローラ36に巻き掛けられ、第1群の糸Y1が糸送りローラ12に巻き掛けられた状態になると、作業者は、糸分け用の器具を手から放し、サクションガン100を両手で持つ。そして、作業者は、サクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の吸い込み口100aがゴデットローラ31と糸掛け用ユニット5の糸掛け部52との間に移動するように、サクションガン100の位置を操作する。これにより、図8に示すように、糸送りローラ12に巻き掛けられた第1群の糸Y1が箱本体38の導入口30aを経由するとともに、案内ローラ36に巻き掛けられた第2群の糸Y2が糸掛け部52の棒状部52aの外周に掛かった状態で棒状部52a上を経由する状態となる。
図9は、第1群の糸Y1が糸走行方向における1つ目のゴデットローラ31に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が導入口30aを経由して第2群の糸Y2が案内ローラ36と糸掛け部52とを経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を操作する。このとき、作業者は、図9に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ31の外周に沿って図9にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ31に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ31の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ31の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ31に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図10は、第1群の糸Y1が糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における1つ目のゴデットローラ31を経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図10に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ32の外周に沿って図10にて反時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ32に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ32の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ32の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ32に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図11は、第1群の糸Y1が糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32まで経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図11に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ33の外周に沿って図11にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ33に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ33の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ33の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ33に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図12は、第1群の糸Y1が糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33まで経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図12に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ34の外周に沿って図12にて反時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ34に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ34に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ34の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ34に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ34の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ34に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ34に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図13は、第1群の糸Y1が糸走行方向における5つ目のゴデットローラ35に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34まで経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図13に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ35の外周に沿って図12にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ35に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ35に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ35の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ35に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ35の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ35に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ35に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図14は、第1群の糸Y1が全てのゴデットローラ31~35に巻き掛けられているとともに第2群の糸Y2が案内ローラ36、37に巻き掛けられた状態を示す図である。第1群の糸Y1が全てのゴデットローラ31~35を経由した状態となると、作業者は、図14に示すように、サクションガン100の吸い込み口100aが導出口30bを通過するようにサクションガン100の位置を操作する。これにより、第1群の糸Y1の糸道が、導出口30bを経由した状態となる。第1群の糸Y1が導出口30bを経由し、サクションガン100の吸い込み口100aが導出口30bから箱本体38の外部に移動した状態となると、案内ローラ36に巻き掛けられている第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット5の糸掛け部52から外れることになる。そして、作業者は、更に、サクションガン100の吸い込み口100aを案内ローラ37の外周に沿って図14にて時計回り方向に移動させるサクションガン100を両手で操作する。これにより、案内ローラ36に巻き掛けられている第2群の糸Y2が、第2群の糸Y2の走行方向に沿って案内ローラ37にも巻き掛けられることになる。以上により、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分けて、第2群の糸Y2を案内ローラ36上に巻き掛けつつ、複数のゴデットローラ31~35上に第1群の糸Y1を巻き掛けていく糸掛け作業が終了する。尚、その後、導出口30bから導出された第1群の糸Y1と案内ローラ37を経由した第2群の糸Y2とを吸い込んでいるサクションガン100の位置が操作されることで、第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2は、糸送りローラ13~15へと巻き掛けられ、更に、巻取装置4へと引き取られる。
[作用効果]
以上説明したように、本発明の第1実施形態によると、混繊糸Y3の製造に際して混繊糸製造装置1において糸掛け作業が行われる際には、まず、保温箱30の箱本体38に対して、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の縁部において、糸掛け用ユニット5が取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニット5の糸掛け部52は、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びるように配置される。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。分けられた第2群の糸Y2については、複数のゴデットローラ31~35よりも糸掛け用ユニット5に近い位置に配置された案内ローラ36に巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸Yを吸い込むサクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の位置を操作して、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラ36に巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニット5の糸掛け部52に掛かることになる。このため、作業者がサクションガン100を両手で持って操作して第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット5の糸掛け部52に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1が複数のゴデットローラ31~35に巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸Y2の糸道が、当該第2群の糸Y2の糸道における案内ローラ36とサクションガン100との間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸道と同じ糸道でゴデットローラ31~35に対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガン100を両手で操作して、第1群の糸Y1の糸道と第2群の糸Y2の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の第1実施形態によると、サクションガン100を両手で操作しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット5、及び糸掛け用ユニット5を備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
また、本発明の第1実施形態によると、直線状に延びる棒状部52aを有した糸掛け部52と箱本体38への取付け部51とを備えた簡素な構造で、糸掛け用ユニット5を容易に構成することができる。即ち、両手でサクションガン100を操作して第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2の糸道を分けた状態を維持しながら第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる糸掛け用ユニット5を、簡素な構造で容易に構成することができる。
(第1の変形例)
次に、本発明の第1実施形態における第1の変形例について説明する。図15は、第1の変形例に係る糸掛け用ユニット6を示す斜視図である。図16は、糸掛け用ユニット6の側面図である。図17は、糸掛け用ユニット6が混繊糸製造装置1の紡糸延伸装置3の保温箱30に取り付けられた状態を示す斜視図である。第1の変形例に係る糸掛け用ユニット6は、図1に示す混繊糸製造装置1において用いられる。また、第1の変形例に係る混繊糸製造装置は、図1に示す混繊糸製造装置1と図15及び図16に示す糸掛け用ユニット6とを備えた装置として構成される。なお、第1の変形例の説明においては、上述の第1実施形態と異なる糸掛け用ユニット6の構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
糸掛け用ユニット6は、取付け部61と糸掛け部62とを備えて構成されている。取付け部61は、糸掛け用ユニット6において、保温箱30の箱本体38に対して着脱自在に取り付けられる部分として設けられている。取付け部61は、基部61aと複数(本実施形態では2つ)のフック部61bとを有している。基部61aは、細長く板状に延びる部分として設けられている。基部61aは、長手方向が直線状に延びるように設けられている。基部61aは、取付け部61が箱本体38に対して取り付けられる際には、箱本体38の右側の側壁38bの縁部に沿って延びた状態で配置される。
2つのフック部61bのそれぞれは、取付け部61が箱本体38に対して取り付けられる際に箱本体38の右側の側壁38bに対して係合する部分として設けられている。フック部61bは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5のフック部51bと同様に構成されている。フック部61bは、基部61aと一体に設けられるとともに基部61aから基部61aの長手方向と垂直な方向に突出して設けられている。そして、フック部61bの先端側には、鉤爪状に屈曲して延び、箱本体38の側壁38bのロック溝38cと係合する係合爪61cが設けられている。取付け部61が箱本体38に取り付けられる際には、各フック部61bが箱本体38の各ロック溝38cに挿入され、各フック部61bの係合爪61cが各ロック溝38c内の段部に係合するように取付け部61の位置が操作される。フック部61bの係合爪61cがロック溝38cと係合することで、取付け部61は、箱本体38に取り付けられた状態となり、箱本体38に保持される。尚、本変形例では、フック部61bがロック溝38cと係合することで、取付け部61が箱本体38に取り付けられる形態を例示したが、この通りでなくてもよく、取付け部61は、箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていればよい。例えば、箱本体38の側壁38bにロック溝38cとは異なる他の溝が設けられ、側壁38bに設けられた他の溝にフック部61bが係合することで、取付け部61が箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。
糸掛け部62は、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で第2群の糸Y2が掛けられる部分として設けられており、糸掛け用ユニット6を用いた糸掛け作業が行われる際に第2群の糸Y2が掛けられる。そして、糸掛け部62は、図17に示すように、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。更に、糸掛け部62は、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。
また、糸掛け部62は、具体的には、取付け部61の基部61aと一体に設けられた板状の部材が折り曲げられることで形成された平板部62a及び平板部62bを有して構成されている。平板部62a及び平板部62bは、基部61aの長手方向と平行に延びる平板状の部分として設けられている。平板部62aにおける長手方向に延びる両縁部の一方は、基部61aと一体に結合されている。そして、平板部62aにおける長手方向に延びる両縁部の他方は、平板部62bと一体に結合されている。また、基部61aと平板部62aと平板部62bとは、基部61a及び糸掛け部62の長手方向と垂直な断面において、基部61aの部分を底辺として平板部62aの部分と平板部62bの部分とを二等辺とする二等辺三角形の断面形状を構成するように、一体に設けられている。尚、平板部62a及び平板部62bを備えて構成される糸掛け部62は、例えば、基部61a及び糸掛け部62の素材となる板状の部材が三角柱状に折り曲げられることで形成される。
また、平板部62a及び平板部62bは、いずれも、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38aの前側の縁部に沿って上下方向において平板状に延びるように構成されている。そして、平板部62a及び平板部62bは、いずれも、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で、上下方向において、ゴデットローラ34の上半分の部分の高さ位置に対応する位置からゴデットローラ31の下半分の高さ位置に対応する位置にまで亘って延びるように設けられている。
また、一体に設けられた平板部62a及び平板部62bを有して構成された糸掛け部62には、平板部62aと平板部62bとの結合部分として設けられる頂部62cが設けられている。取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態で糸掛け用ユニット6を用いた糸掛け作業が行われる際には、第2群の糸Y2は、頂部62cにおいて糸掛け部62に掛けられる。糸掛け部62の頂部62cは、基部61a及び糸掛け部62の長手方向と垂直な断面において、基部61aの部分を底辺として平板部62aの部分と平板部62bの部分とを二等辺とする二等辺三角形の断面形状における頂点部分を構成している。頂部62cは、基部61aに対して、フック部61bとは反対側に配置されている。そして、頂部62cは、取付け部61が箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部から離間した位置で側壁38bの縁部と平行に上下方向に沿って延びるように配置される。このため、糸掛け部62は、頂部62cにおいて、平板部62aの部分と平板部62bの部分とを二等辺とする二等辺三角形の高さに相当する距離を離間した状態で、基部51aの長手方向と平行に延びるように構成されている。そして、糸掛け部62の頂部62cは、取付け部51の基部51aから離間した位置で直線状に延びていることで、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態において、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びるように構成されている。
上述した糸掛け用ユニット6を用いて糸掛け作業が行われる際には、糸掛け用ユニット6は、前述の糸掛け用ユニット5と同様に用いられる。糸掛け作業が行われる際には、まず、糸掛け用ユニット6が保温箱30の箱本体38に取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニット6の糸掛け部62の頂部62cは、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように配置されている。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。分けられた第2群の糸Y2については、複数のゴデットローラ31~35に対して糸掛け用ユニット6側に配置された案内ローラ36に巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸Yを吸い込むサクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の位置を操作して、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラ36に巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニット6の糸掛け部62に掛かることになる。このため、作業者がサクションガン100を両手で持って操作して第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット6の糸掛け部62に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1が複数のゴデットローラ31~35に巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸Y2の糸道が、当該第2群の糸Y2の糸道における案内ローラ36とサクションガン100との間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸道と同じ糸道でゴデットローラ31~35に対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガン100を両手で操作して、第1群の糸Y1の糸道と第2群の糸Y2の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、第1の変形例によると、サクションガン100を両手で操作しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット6、及び糸掛け用ユニット6を備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
また、第1の変形例によると、直線状に延びる平板部62a及び平板部62bを有した糸掛け部62と箱本体38への取付け部61とを備えた簡素な構造で、糸掛け用ユニット6を容易に構成することができる。即ち、両手でサクションガン100を操作して第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2の糸道を分けた状態を維持しながら第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる糸掛け用ユニット6を、簡素な構造で容易に構成することができる。
[第2の変形例]
次に、本発明の第1実施形態における第2の変形例について説明する。図18は、第2の変形例に係る糸掛け用ユニット7を示す斜視図である。図19は、糸掛け用ユニット7の側面図である。図20は、糸掛け用ユニット7が混繊糸製造装置1の紡糸延伸装置3の保温箱30に取り付けられた状態を示す斜視図である。第2の変形例に係る糸掛け用ユニット7は、図1に示す混繊糸製造装置1において用いられる。また、第2の変形例に係る混繊糸製造装置は、図1に示す混繊糸製造装置1と図18及び図19に示す糸掛け用ユニット7とを備えた装置として構成される。なお、第2の変形例の説明においては、前述の第1実施形態と異なる糸掛け用ユニット7の構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
糸掛け用ユニット7は、取付け部71と糸掛け部72とを備えて構成されている。取付け部71は、糸掛け用ユニット7において、保温箱30の箱本体38に対して着脱自在に取り付けられる部分として設けられている。取付け部71は、基部71aと複数(本実施形態では2つ)のフック部71bとを有している。基部71aは、細長く板状に延びる部分として設けられている。基部71aは、長手方向が直線状に延びるように設けられている。基部71aは、取付け部71が箱本体38に対して取り付けられる際には、箱本体38の右側の側壁38bの縁部に沿って延びた状態で配置される。
2つのフック部71bのそれぞれは、取付け部71が箱本体38に対して取り付けられる際に箱本体38の右側の側壁38bに対して係合する部分として設けられている。フック部71bは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5のフック部51bと同様に構成されている。フック部71bは、基部71aと一体に設けられるとともに基部71aから基部71aの長手方向と垂直な方向に突出して設けられている。そして、フック部71bの先端側には、鉤爪状に屈曲して延び、箱本体38の側壁38bのロック溝38cと係合する係合爪71cが設けられている。取付け部71が箱本体38に取り付けられる際には、各フック部71bが箱本体38の各ロック溝38cに挿入され、各フック部71bの係合爪71cが各ロック溝38c内の段部に係合するように取付け部71の位置が操作される。フック部71bの係合爪71cがロック溝38cと係合することで、取付け部71は、箱本体38に取り付けられた状態となり、箱本体38に保持される。尚、本変形例では、フック部71bがロック溝38cと係合することで、取付け部71が箱本体38に取り付けられる形態を例示したが、この通りでなくてもよく、取付け部71は、箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていればよい。例えば、箱本体38の側壁38bにロック溝38cとは異なる他の溝が設けられ、側壁38bに設けられた他の溝にフック部71bが係合することで、取付け部71が箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。
糸掛け部72は、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で第2群の糸Y2が掛けられる部分として設けられており、糸掛け用ユニット7を用いた糸掛け作業が行われる際に第2群の糸Y2が掛けられる。そして、糸掛け部72は、図20に示すように、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。更に、糸掛け部72は、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。
また、糸掛け部72は、具体的には、取付け部71の基部71aと一体に設けられた板状の部材が折り曲げられることで形成された平板部72aを有して構成されている。平板部72aは、基部71aの長手方向と平行に延びる平板状の部分として設けられている。平板部72aにおける長手方向に延びる両縁部の一方は、基部71aと一体に結合されている。また、基部71aと平板部72aとは、基部71a及び平板部72aの長手方向と垂直な断面において、基部71aの部分と平板部72aの部分とが直交するL字状の断面形状を構成するように、一体に設けられている。尚、平板部72aを備えて構成される糸掛け部72は、例えば、基部71a及び糸掛け部72の素材となる板状の部材がL字状の断面を形成するように折り曲げられることで形成される。
また、平板部72aは、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で、複数のゴデットローラ31~35に対して案内ローラ36、37側であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間で箱本体38の側壁38aの前側の縁部に沿って上下方向において平板状に延びるように構成されている。そして、平板部72aは、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で、上下方向において、ゴデットローラ34の上半分の部分の高さ位置に対応する位置からゴデットローラ31の下半分の高さ位置に対応する位置にまで亘って延びるように設けられている。
また、基部71aと一体に結合された平板部72aを有して構成された糸掛け部72には、平板部72aにおける基部71aと一体に結合される側の端部と反対側の端部において、糸掛け部72の長手方向に沿って延びる縁部72bが設けられている。取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態で糸掛け用ユニット7を用いた糸掛け作業が行われる際には、第2群の糸Y2は、縁部72bにおいて糸掛け部72に掛けられる。縁部72bは、基部71aに対して、フック部71bとは反対側に配置されている。そして、縁部72bは、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部から離間した位置で側壁38bの縁部と平行に上下方向に沿って延びるように配置される。このため、糸掛け部72は、縁部72bにおいて、基部71aに対してL字状に突出する平板部72aの突出量に相当する距離を離間した状態で、基部71aの長手方向と平行に延びるように構成されている。そして、糸掛け部72の縁部72bは、取付け部71の基部71aから離間した位置で直線状に延びていることで、取付け部71が箱本体38に取り付けられた状態において、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びるように構成されている。
上述した糸掛け用ユニット7を用いて糸掛け作業が行われる際には、糸掛け用ユニット7は、前述の糸掛け用ユニット5と同様に用いられる。糸掛け作業が行われる際には、まず、糸掛け用ユニット7が保温箱30の箱本体38に取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニット7の糸掛け部72の縁部72bは、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように配置されている。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。分けられた第2群の糸Y2については、複数のゴデットローラ31~35に対して糸掛け用ユニット7側に配置された案内ローラ36に巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸Yを吸い込むサクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の位置を操作して、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラ36に巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニット7の糸掛け部72に掛かることになる。このため、作業者がサクションガン100を両手で持って操作して第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット7の糸掛け部72に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1が複数のゴデットローラ31~35に巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸Y2の糸道が、当該第2群の糸Y2の糸道における案内ローラ36とサクションガン100との間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸道と同じ糸道でゴデットローラ31~35に対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガン100を両手で操作して、第1群の糸Y1の糸道と第2群の糸Y2の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、第2の変形例によると、サクションガン100を両手で操作しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット7、及び糸掛け用ユニット7を備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
また、第2の変形例によると、直線状に延びる平板部72aを有した糸掛け部72と箱本体38への取付け部71とを備えた簡素な構造で、糸掛け用ユニット7を容易に構成することができる。即ち、両手でサクションガン100を操作して第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2の糸道を分けた状態を維持しながら第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる糸掛け用ユニット7を、簡素な構造で容易に構成することができる。
[第3の変形例]
次に、本発明の第1実施形態における第3の変形例について説明する。図21は、第3の変形例に係る糸掛け用ユニット8が、混繊糸製造装置1の紡糸延伸装置3の保温箱30に取り付けられた状態を示す斜視図である。第3の変形例に係る糸掛け用ユニット7は、図1に示す混繊糸製造装置1において用いられる。また、第3の変形例に係る混繊糸製造装置は、図1に示す混繊糸製造装置1と図21に示す糸掛け用ユニット8とを備えた装置として構成される。なお、第3の変形例の説明においては、前述の第1実施形態と異なる糸掛け用ユニット8の構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
糸掛け用ユニット8は、保温箱30の箱本体38に対して取り付けられる平板状の部材として設けられ、取付け部81と糸掛け部82とを備えて構成されている。取付け部81は、平板状の部材として設けられた糸掛け用ユニット8において、保温箱30の箱本体38の右側の側壁38aに対して取り付けられて固定される部分として設けられている。取付け部81は、箱本体38の側壁38aに対して、側壁38aの外側において、側壁38aの表面に重ねられた状態で、固定されて取り付けられている。取付け部81は、例えば、ボルト等の締結器具を用いて側壁38aに結合されることで、或いは、側壁38aに溶接されることで、箱本体38に対して固定されて取り付けられている。
糸掛け部82は、取付け部81と一体に設けられており、平板状の部材として設けられた糸掛け用ユニット8において、箱本体38の側壁38aに取り付けられた取付け部81から前方に突出した部分として設けられている。糸掛け部82は、糸掛け用ユニット8を用いた糸掛け作業が行われる際に第2群の糸Y2が掛けられる部分として設けられている。そして、糸掛け部82は、図21に示すように、複数のゴデットローラ31~35より案内ローラ36、37に近い箱本体38の側壁38bの縁部であって複数のゴデットローラ31~35と案内ローラ36、37との間に位置した箱本体38の側壁38bの縁部に沿って上下方向において平板状に延びるように設けられている。また、糸掛け部82は、上下方向において、ゴデットローラ34の上半分の部分の高さ位置に対応する位置からゴデットローラ31の下半分の高さ位置に対応する位置にまで亘って延びるように設けられている。更に、糸掛け部82は、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。
また、取付け部81と一体に設けられた糸掛け部82には、取付け部81と一体に設けられる側と反対側の端部において、糸掛け部82の長手方向に沿って延びる縁部82aが設けられている。糸掛け用ユニット8を用いた糸掛け作業が行われる際には、第2群の糸Y2は、縁部82aにおいて糸掛け部82に掛けられる。糸掛け部82は、箱本体38の側壁38bの縁部よりも前方に突出しており、糸掛け部82の縁部82aは、箱本体38の側壁38bの縁部よりも前方に突出した位置で側壁38bの縁部と平行に上下方向に沿って延びるように配置される。更に、糸掛け部82の縁部82bは、ゴデットローラ31~35の軸方向において複数のゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びるように構成されている。
上述した糸掛け用ユニット8は、保温箱30の箱本体38に常時取り付けられている。そして、糸掛け用ユニット8を用いた糸掛け作業が行われる際には、箱本体38に取り付けられた状態のままで糸掛け用ユニット8が用いられる。糸掛け作業が行われる際には、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。分けられた第2群の糸Y2については、複数のゴデットローラ31~35よりも糸掛け用ユニット8に近い位置に配置された案内ローラ36に巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸Yを吸い込むサクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の位置を操作して、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラ36に巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置で箱本体38の縁部に沿って延びる糸掛け用ユニット8の糸掛け部82に掛かることになる。このため、作業者がサクションガン100を両手で持って操作して第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット8の糸掛け部82に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1が複数のゴデットローラ31~35に巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸Y2の糸道が案内ローラ36とサクションガン100との間で複数のゴデットローラ31~35よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~35の軸方向においてゴデットローラ31~35の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。このため、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸道と同じ糸道でゴデットローラ31~35に対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガン100を両手で操作して、第1群の糸Y1の糸道と第2群の糸Y2の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、第3の変形例によると、サクションガン100を両手で操作しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~35に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット8、及び糸掛け用ユニット8を備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図22は、本発明の第2実施形態に係る糸掛け用ユニット5A(図25参照)が用いられる混繊糸製造装置1A及び本発明の第2実施形態に係る混繊糸製造装置について説明するための図であって、部分配向糸に熱セット(熱処理)を実施して混繊糸を製造する混繊糸製造装置1Aを示す正面図である。図23は、図22に示す混繊糸製造装置1Aにおける紡糸延伸装置3Aを示す正面図である。図24は、図23に示す紡糸延伸装置3Aの斜視図である。図25は、本発明の第2実施形態に係る糸掛け用ユニット5Aを示す斜視図である。なお、第2実施形態の説明においては、前述の第1実施形態と異なる紡糸延伸装置3A及び糸掛け用ユニット5Aの構成について説明し、第1実施形態と同様の構成については、図面において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、重複する説明を省略する。
[紡糸延伸装置]
図22乃至図25を参照して、紡糸延伸装置3Aは、保温箱30Aと、加熱源を有する複数(第2実施形態では、5つ)のゴデットローラ31~35と、案内ローラ36Aと、合糸補助装置17と、を備えて構成されている。紡糸延伸装置3Aは、第1実施形態の紡糸延伸装置3と同様に構成されているが、第2群の糸Y2に対して部分配向糸の状態でゴデットローラ34及び35によって熱セットを行うように構成されている点で、第1実施形態とは異なっている。尚、図23では、第1群の糸Y1については一点鎖線で図示し、第2群の糸Y2については二点鎖線で図示し、混繊糸Y3については、実線で図示している。
図22乃至図24を参照して、紡糸延伸装置3Aの保温箱30Aは、第1実施形態の紡糸延伸装置3の保温箱30と同様に構成されており、複数のゴデットローラ31~35を収容する箱本体38と、箱本体38を開閉する扉39とを有している。ただし、保温箱30Aは、箱本体38において、第1群の糸Y1を内部に導入するための導入口30aに加え、第2群の糸Y2を内部に導入するための導入口30cが更に設けられている点において、第1実施形態の保温箱30と異なっている。導入口30cは、箱本体38の右側の側壁38bの上半側に形成されており、導入口30aと導出口30bとの間に位置し、第2群の糸Y2の入口として設けられている。導入口30cには、案内ローラ36Aが配置されている。
案内ローラ36Aは、複数の糸Yから第1群の糸Y1以外の糸Y2として分けられた第2群の糸Y2を案内する案内ローラとして設けられている。尚、第1実施形態の紡糸延伸装置3では、第2群の糸Y2を案内する案内ローラ36、37は、2つ設けられていたが、第2実施形態の紡糸延伸装置3Aでは、案内ローラ36Aは、1つ設けられている。
案内ローラ36Aは、前後方向に延びる回転軸を有する回転可能なローラとして設けられている。そして、案内ローラ36Aは、保温箱30Aにおいて、複数のゴデットローラ31~33から離間している側壁38bに配置されており、より具体的には、側壁38bに設けられた導入口30cに配置されている。案内ローラ36Aは、保温箱30Aの箱本体38の側壁38bの厚みよりも大きな外径を有している。このため、案内ローラ36Aは、軸方向から見て、保温箱30Aの箱本体38の側壁38bから保温箱30Aの外側と内側とにそれぞれ突出して配置されている。尚、案内ローラ36Aは、図示を省略した電動モータによって回転駆動される駆動ローラとして設けられることが好ましいが、第2群の糸Y2の摩擦によって回転する従動ローラとして設けられてもよい。
紡糸延伸装置3Aには、第1実施形態の紡糸延伸装置3とは異なり、合糸補助装置17が設けられている。合糸補助装置17は、保温箱30Aの内部に配置されており、糸走行方向において最も下流側のゴデットローラ35から糸Yが離間する位置と、糸Yが保温箱30Aから導出される位置との間に配置されている。合糸補助装置17は、合糸装置16と同様に、圧縮空気を噴射し、圧縮空気の作用によって第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを合糸する交絡装置である。ただし、合糸補助装置17は、合糸装置16よりも圧縮空気の噴射圧が低く設定されている。このため、合糸補助装置17によって第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とが合糸される程度は合糸装置16よりも弱く、合糸補助装置17は補助的に合糸する役割を担っている。
紡糸延伸装置3Aにおいては、第1群の糸Y1は、糸送りローラ12を経由して導入口30aから保温箱30の内部に導入され、保温箱30内において、予熱ローラであるゴデットローラ31~33、熱セットローラであるゴデットローラ34、35、及び合糸補助装置17に掛けられる。具体的には、第1群の糸Y1は、ゴデットローラ31、ゴデットローラ32、ゴデットローラ33、ゴデットローラ34、ゴデットローラ35、及び合糸補助装置17の順に掛けられて走行する。第1群の糸Y1は、予熱ローラであるゴデットローラ31~33によって延伸可能な温度(ガラス転移点以上の温度)まで予熱される。予熱された第1群の糸Y1は、ゴデットローラ33とゴデットローラ34との間の糸送り速度の差によって延伸糸となる。更に、第1群の糸Y1は、ゴデットローラ34、35によって、延伸された状態で熱セットされる。
一方、第2群の糸Y2は、案内ローラ36Aを経由して導入口30cから保温箱30Aの内部に導入され、ゴデットローラ34、35、及び合糸補助装置37に掛けられる。保温箱30A内において、第2群の糸Y2は、案内ローラ36Aから、保温箱30Aの右側の側壁38bに隣接するゴデットローラ34へ導かれる。つまり、第2群の糸Y2は、予熱ローラであるゴデットローラローラ31~33を経由せずに、熱セットローラであるゴデットローラ34に至る。第2群の糸Y2は、ゴデットローラ31~33を経由せずにゴデットローラ34、35に巻き掛けられるため、ゴデットローラ34、35によって部分配向糸の状態で熱セットされる。
ゴデットローラ34で合流した第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とは、合糸補助装置37によって合糸されることで混繊糸Y3となる。混繊糸Y3は、導出口30bから保温箱30Aの外部に導出され、糸送りローラ13~15を経由して巻取装置4で巻き取られる。糸送りローラ13と糸送りローラ14との間では、合糸装置16によって混繊糸Y3の合糸が再度行われる。
[糸掛け用ユニット]
図25は、本発明の第2実施形態に係る糸掛け用ユニット5Aを示す斜視図である。図26は、糸掛け用ユニット5Aが混繊糸製造装置1の紡糸延伸装置3Aの保温箱30Aに取り付けられた状態を示す正面図である。尚、図26は、保温箱30の扉39が開放された状態を図示している。以下、図25及び図26を参照して、糸掛け用ユニット5Aについて説明する。
糸掛け用ユニット5Aは、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを合糸することで混繊糸Y3を製造する混繊糸製造装置1Aにおいて、第2群の糸Y2を案内ローラ36Aに巻き掛けつつ、第1群の糸Y1を予熱ローラとして構成された複数のゴデットローラ31~33に巻き掛けていく糸掛け作業の際に用いられる。
糸掛け用ユニット5Aは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5と同様に、取付け部51と糸掛け部52とを備えて構成されている。ただし、糸掛け用ユニット5Aは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5に比して、長手方向における長さが短く構成されている。即ち、糸掛け用ユニット5Aの取付け部51及び糸掛け部52の長さが、第1実施形態の糸掛け用ユニット5の取付け部51及び糸掛け部52の長さよりも短く設定されている。これにより、糸掛け用ユニット5Aは、第2群の糸Y2を案内ローラ36Aに巻き掛けつつ、第1群の糸Y1を予熱ローラである複数のゴデットローラ31~33に巻き掛けていく糸掛け作業に対応するように構成されている。
糸掛け用ユニット5Aの取付け部51は、糸掛け用ユニット5Aにおいて、保温箱30Aの箱本体38に対して着脱自在に取り付けられる部分として設けられている。取付け部51は、基部51aと複数(第2実施形態では、2つ)のフック部51bとを有している。基部51aは、細長く板状に延びる部材として設けられ、長手方向が直線状に延びるように設けられている。基部51aは、取付け部51が箱本体38に対して取り付けられる際には、箱本体38の右側の側壁38bの縁部に沿って延びた状態で配置される。尚、糸掛け用ユニット5Aの基部51aは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5の基部51よりも長手方向における長さが短く形成されている。基部51の長さは、例えば、保温箱30Aの導入口30aから導入口30cに至る側壁38bの縁部の長さに対応して設定されている。
糸掛け用ユニット5Aの取付け部51のフック部51bは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5の取付け部51のフック部51bと同様に形成されている。フック部51bには、保温箱30Aの箱本体38の側壁38bのロック溝38cと係合する係合爪51cが設けられている。取付け部51bが箱本体38に取り付けられる際には、各フック部51bが、箱本体38の側壁38bに設けられた各ロック溝38cに挿入される。そして、各フック部51bが各ロック溝38cに挿入された状態で、取付け部51bの位置が下方にずれるように取付け部51が操作されることで、各フック部51bの先端側の係合爪51cが、各ロック溝38c内の段部に対して係合する。フック部51bの係合爪51cがロック溝38c内の段部と係合することで、取付け部51は、箱本体38に取り付けられた状態となり、箱本体38に保持される。尚、本実施形態では、フック部51bがロック溝38cと係合することで、取付け部51が箱本体38に取り付けられる形態を例示したが、この通りでなくてもよく、取付け部51は、箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていればよい。例えば、箱本体38の側壁38bにロック溝38cとは異なる他の溝が設けられ、側壁38bに設けられた他の溝にフック部51bが係合することで、取付け部51が箱本体38に対して着脱自在に取り付けられるように構成されていてもよい。
糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52は、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で第2群の糸Y2が掛けられる部分として設けられており、糸掛け用ユニット5Aを用いた糸掛け作業が行われる際に第2群の糸Y2が掛けられる。そして、糸掛け部52は、図26に示すように、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、予熱ローラである複数のゴデットローラ31~33から離間しているとともに案内ローラ36Aが配置された箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。更に、糸掛け部52は、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、予熱ローラである複数のゴデットローラ31~33よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~33の軸方向において複数のゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように設けられている。
また、糸掛け部52は、具体的には、棒状部52aと一対の脚部52bとを有して構成されている。棒状部52aは、取付け部51の基部51aの長手方向と平行に延びる棒状の部分として設けられている。そして、棒状部52aは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、予熱ローラである複数のゴデットローラ31~33から離間しているとともに案内ローラ36Aが配置された箱本体38の側壁38aの前側の縁部に沿って上下方向において直線状に延びるように構成されている。また、棒状部52aは、取付け部51が箱本体38に取り付けられた状態で、上下方向において、ゴデットローラ34の下半分の部分の高さ位置に対応する位置からゴデットローラ31の下半分の高さ位置に対応する位置にまで亘って延びるように設けられている。
糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52の一対の脚部52bは、第1実施形態の糸掛け用ユニット5の糸掛け部52の一対の脚部52bと同様に形成されている。一対の脚部52bのそれぞれは、基部51aに対して、フック部51bが突出する側と反対側に向かって突出するように設けられている。また、各脚部52bは、一端部において基部51aに固定されているとともに他端部において棒状部52aに一体に結合して棒状部52aを支持している。これにより、脚部52bは、取付け部51が保温箱30Aの箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部に対して、水平方向に沿って前側に突出する。そして、棒状部52aは、取付け部51が保温箱30の箱本体38に取り付けられた状態では、箱本体38の側壁38bの縁部から離間した位置で側壁38bの縁部と平行に上下方向に沿って延びるように配置される。
上記の構成により、糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52の棒状部52aは、取付け部51の基部51aから脚部52bの長さに相当する距離を離間した状態で、基部51aの長手方向と平行に延びるように構成されている。そして、糸掛け部52の棒状部52aは、取付け部51の基部51aから脚部52bの長さだけ離間した位置で直線状に延びていることで、取付け部51が保温箱30の箱本体38に取り付けられた状態において、ゴデットローラ31~33の軸方向において複数のゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように構成されている。
[糸掛け用ユニットを用いた糸掛け作業]
図27~図33は、混繊糸製造装置1Aにおいて糸掛け用ユニット5Aを用いて糸掛け作業が行われている状態を示す図である。図26~図33を参照しつつ、混繊糸製造装置1Aにおいて糸掛け用ユニット5Aを用いて糸掛け作業が行われる態様について説明する。
混繊糸Y3の製造の際には、まず、混繊糸Y3の製造に先立ち、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分けて、第2群の糸Y2を案内ローラ36A上に巻き掛けつつ、複数のゴデットローラ31~33上に第1群の糸Y1を巻き掛けていく糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が行われる際には、図26に示すように、まず、保温箱30Aの扉39が開放された状態で、保温箱30Aの箱本体38に対して、複数のゴデットローラ31~33から離間しているとともに案内ローラ36Aが配置された箱本体38の側壁38bの縁部において、糸掛け用ユニット5Aが取り付けられる。このとき、糸掛け作業を行う作業者(図示省略)は、取付け部51のフック部51bを箱本体38の側壁38bのロック溝38cに係合させ、糸掛け用ユニット5Aを箱本体38に取り付ける。尚、糸掛け用ユニット5Aが箱本体38に取り付けられた状態では、糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52は、ゴデットローラ31~33の軸方向において複数のゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように配置されている。
図27は、第1群の糸Y1が保温箱30の外部の糸送りローラ12に巻き掛けられ、第2群の糸Y2が案内ローラ36Aに巻き掛けられている状態を示す図である。図27を参照して、糸掛け用ユニット5Aが箱本体38に取り付けられると、次いで、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。
作業者は、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける際、サクションガン100で吸い込んでいる複数の糸Yを一旦案内ローラ36Aに巻き掛ける。そして、作業者は、片方の手でサクションガンを持ち、先端側の部分で糸を引っ掛けることができる糸分け用の器具(図示省略)をもう片方の手で持ち、もう片方の手で持った糸分け用の器具によって、紡出される複数の糸を第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける作業を行う。次いで、作業者は、第2群の糸Y2については案内ローラ36Aに巻き掛けたまま、糸分け用の器具を操作して第1群の糸Y1を糸送りローラ12に巻き掛ける。第2群の糸Y2が案内ローラ36Aに巻き掛けられ、第1群の糸Y1が糸送りローラ12に巻き掛けられた状態になると、作業者は、糸分け用の器具を手から放し、サクションガン100を両手で持つ。そして、作業者は、サクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の吸い込み口100aがゴデットローラ31と糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52との間に移動するように、サクションガン100の位置を操作する。これにより、図27に示すように、糸送りローラ12に巻き掛けられた第1群の糸Y1が箱本体38の導入口30aを経由するとともに、案内ローラ36Aに巻き掛けられた第2群の糸Y2が糸掛け部52の棒状部52aの外周に掛かった状態で棒状部52a上を経由する状態となる。
図28は、第1群の糸Y1が糸走行方向における1つ目のゴデットローラ31に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が導入口30aを経由して第2群の糸Y2が案内ローラ36と糸掛け部52とを経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を操作する。このとき、作業者は、図28に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ31の外周に沿って図28にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ31に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ31の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ31の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ31に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ31に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図29は、第1群の糸Y1が糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における1つ目のゴデットローラ31を経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図29に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ32の外周に沿って図29にて反時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ32に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ32の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ32の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ32に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ32に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図30は、第1群の糸Y1が糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における2つ目のゴデットローラ32まで経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図30に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ33の外周に沿って図30にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1が、第1群の糸Y1の糸走行方向に沿ってゴデットローラ33に巻き掛けられることになる。また、第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2は、案内ローラ36からサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、ゴデットローラ33の端面部よりも突出した位置で延びる糸掛け部52に掛けられている。このため、サクションガン100が操作されて第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2の糸道が、ゴデットローラ33の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1がゴデットローラ33に巻き掛けられる際、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1と同じ糸道でゴデットローラ33に巻き掛けられてしまうことが防止されることになる。
図31は、第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸走行方向における4つ目のゴデットローラ34に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1が糸走行方向における3つ目のゴデットローラ33まで経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図31に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ34の外周に沿って図31にて反時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。このとき、箱本体38の側壁38bの縁部に沿って下方から上方に延びる糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52は、ゴデットローラ34の下半分の部分の高さ位置に対応する位置までしか延びておらず、案内ローラ36Aの下方の位置までしか延びていない。このため、吸い込み口100aがゴデットローラ34の外周に沿って図31にて反時計回り方向に移動するようにサクションガン100が操作されると、糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52に掛かっていた第2群の糸Y2が糸掛け部52から外れることになる。そして、糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52から外れた第2群の糸Y2は、案内ローラ36Aに対して巻き掛けられるとともに導入口30cを通過した状態となる。そして、第2群の糸Y2が糸掛け部52から外れて案内ローラ36Aに巻き掛けられた後、更に、吸い込み口100aがゴデットローラ34の外周に沿って図31にて反時計回り方向に移動するようにサクションガン100が操作されると、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とが、第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2の糸走行方向に沿ってゴデットローラ34に巻き掛けられることになる。
図32は、第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸走行方向における5つ目のゴデットローラ35に巻き掛けられている状態を示す図である。第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2がゴデットローラ34を経由した状態となると、作業者は、サクションガン100の吸い込み口100aを箱本体38の内側に差し込んだ状態で、サクションガン100の位置を更に操作する。このとき、作業者は、図32に示すように、吸い込み口100aをゴデットローラ35の外周に沿って図32にて時計回り方向に移動させるようにサクションガン100を両手で操作する。これにより、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とが、第1群の糸Y1及び第2群の糸Y2の糸走行方向に沿ってゴデットローラ35に巻き掛けられることになる。
図33は、第1群の糸Y1が全てのゴデットローラ31~35に巻き掛けられているとともに、案内ローラ36Aに巻き掛けられた第2群の糸Y2が一部のゴデットローラ34、35にも巻き掛けられた状態を示す図である。第1群の糸Y1が全てのゴデットローラ31~35を経由し、第2群の糸Y2が案内ローラ36とゴデットローラ34、35とを経由した状態となると、作業者は、第1の糸Y1及び第2の糸Y2を合糸補助装置17を経由させるように、サクションガン100を操作する。更に、作業者は、図33に示すように、サクションガン100の吸い込み口100aが導出口30bを通過するようにサクションガン100の位置を操作する。これにより、合糸補助装置17を経由した混繊糸Y3が導出口30bから導出された状態となり、糸掛け作業は終了する。尚、その後、導出口30bから導出された混繊糸Y3を吸い込んでいるサクションガンの位置が操作されることで、混繊糸Y3は、糸送りローラ13~15へと巻き掛けられ、更に、巻取装置4へと引き取られる。
[作用効果]
以上説明したように、本発明の第2実施形態によると、混繊糸Y3の製造に際して混繊糸製造装置1Aにおいて糸掛け作業が行われる際には、まず、保温箱30Aの箱本体38に対して、複数のゴデットローラ31~33から離間しているとともに案内ローラ36Aが配置された箱本体38の側壁38bの縁部において、糸掛け用ユニット5Aが取り付けられる。このとき、糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52は、ゴデットローラ31~33の軸方向において複数のゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びるように配置される。そして、この状態で、糸掛け作業が行われる。糸掛け作業が開始されると、作業者は、紡糸装置2から紡出される複数の糸Yをサクションガン100で吸い込みながら、複数の糸Yを第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分ける。分けられた第2群の糸Y2については、複数のゴデットローラ31~33から離間しているとともに糸掛け用ユニット5Aが取り付けられた箱本体38の側壁38bに配置された案内ローラ36Aに巻き掛けられる。そして、この後、作業者は、複数の糸Yを吸い込むサクションガン100を両手で持ちながら、サクションガン100の位置を操作して、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~33に対して順次巻き掛ける作業を行う。このとき、案内ローラ36Aに巻き掛けられてサクションガンに吸い込まれている第2群の糸Y2は、案内ローラ36Aからサクションガン100の吸い込み口100aへと至る糸道において、複数のゴデットローラ31~33よりも箱本体38の外側に向かって突出した位置であってゴデットローラ31~33の軸方向においてゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置で箱本体38の側壁38bの縁部に沿って延びる糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52に掛かることになる。このため、作業者がサクションガン100を両手で持って操作して第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~33に対して順次巻き掛ける作業を行う際、第2群の糸Y2が糸掛け用ユニット5Aの糸掛け部52に掛かった状態が維持される。これにより、第1群の糸Y1が複数のゴデットローラ31~33に巻き掛けられる作業の間に亘って、第2群の糸Y2の糸道が、当該第2群の糸Y2の糸道における案内ローラ36Aとサクションガン100との間に位置している部分の一部において、複数のゴデットローラ31~33よりも箱本体38の外側に突出した位置であってゴデットローラ31~33の軸方向においてゴデットローラ31~33の端面部よりも突出した位置を迂回した状態が、維持される。このため、第2群の糸Y2が第1群の糸Y1の糸道と同じ糸道でゴデットローラ31~33に対して巻き掛けられてしまうことが防止される。したがって、作業者は、重量のあるサクションガン100を両手で操作して、第1群の糸Y1の糸道と第2群の糸Y2の糸道とを分けた状態を維持しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~33に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができる。また、糸掛け作業が容易に行えることから、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮することができる。また、糸掛け作業の作業時間の大幅な短縮により、作業中にサクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らし、発生する糸屑を大幅に削減することができる。
したがって、本発明の第2実施形態によると、サクションガン100を両手で操作しながら、第1群の糸Y1を複数のゴデットローラ31~33に対して順次巻き掛ける糸掛け作業を容易に行うことができ、糸掛け作業に要する作業時間を大幅に短縮できるとともに、サクションガン100に吸い込まれる糸の量を減らして発生する糸屑を大幅に削減することができる、糸掛け用ユニット5A、及び糸掛け用ユニット5Aを備えた混繊糸製造装置を提供することができる。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上述の実施形態及び変形例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
1、1A 混繊糸製造装置
2 紡糸装置
3 紡糸延伸装置
5、5A、6、7、8 糸掛け用ユニット
30 保温箱
31~35 ゴデットローラ
36、36A、37 案内ローラ
38 箱本体
39 扉
51、61、71、81 取付け部
52、62、72、82 糸掛け部
延伸処理が行われた糸である延伸糸(FDY:Fully Drawn Yarn)と、延伸処理が行われていない糸である部分配向糸(POY:Partially Oriented Yarn)とは異なる収縮率を有している。このような収縮率の異なる2種類の糸を合糸させた混繊糸(BSY:Bi Shrinkage Yarn)は、風合いがよいことで知られており、混繊糸を製造するための装置はこれまでにも提案されている。
[混繊糸製造装置の全体構成]
混繊糸製造装置1は、紡糸装置2から連続的に紡出される溶融樹脂が固化して形成された合成繊維糸として構成される複数の糸Yを、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とに分けて第1群の糸Y1に延伸処理を施すことで第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを収縮率が異なる糸とする。具体的には、混繊糸製造装置1は、第1群の糸Y1については延伸処理を施して延伸糸(FDY:Fully Drawn Yarn)とし、第2群の糸Y2については延伸処理を施さずに部分配向糸(POY:Partially Oriented Yarn)とすることで、第1群の糸Y1と第2群の糸Y2とを収縮率の異なる糸とする。その後、混繊糸製造装置1は、延伸糸(FDY)である第1群の糸Y1と部分配向糸(POY)である第2群の糸Y2とを合糸することにより、混繊糸Y3(BSY:Bi Shrinkage Yarn)を生成する。収縮率の異なる2種類の糸Y1、Y2からなる混繊糸Y3は、風合いがよいことで知られている。なお、本明細書においては、糸の種類を特に限定しない場合は、単に糸Yと表記する。
糸送りローラ12~15は、図示を省略した電動モータによって回転駆動される。糸送りローラ12、13は、前後方向に延びる回転軸を有する。糸送りローラ12は、第1群の糸Y1の糸走行方向において分繊ガイド11と紡糸延伸装置3における後述の保温箱30との間に配置されている。糸送りローラ13~15は、糸Yの糸走行方向において紡糸延伸装置3と巻取装置4との間に配置されている。

Claims (6)

  1. 加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、
    複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、
    前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、
    を有して、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置、において、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットであって、
    前記箱本体に対して着脱自在に取り付けられる取付け部と、
    前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、
    を備え、
    前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする、糸掛け用ユニット。
  2. 請求項1に記載の糸掛け用ユニットであって、
    前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って直線状に延びる棒状の部分を有していることを特徴とする、糸掛け用ユニット。
  3. 請求項1に記載の糸掛け用ユニットであって、
    前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って平板状に延びる部分を有していることを特徴とする、糸掛け用ユニット。
  4. 加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、
    複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、
    前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、
    を有して、前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸することで混繊糸を製造する混繊糸製造装置、において、前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットであって、
    前記箱本体に対して着脱自在に取り付けられる取付け部と、
    前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、複数の前記ゴデットローラから離間しているとともに前記案内ローラが配置された前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、
    を備え、
    前記糸掛け部は、前記取付け部が前記箱本体に取り付けられた状態で、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする、糸掛け用ユニット。
  5. 加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、
    複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、
    前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、
    前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸して混繊糸を生成する合糸装置と、
    前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットと、
    を備え、
    前記糸掛け用ユニットは、
    前記箱本体に取り付けられる取付け部と、
    複数の前記ゴデットローラより前記案内ローラに近い前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、
    を有し、
    前記糸掛け部は、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする、混繊糸製造装置。
  6. 加熱源を有する複数のゴデットローラであって、紡糸装置から紡出された複数の糸のうちの一部の糸として分けられた第1群の糸が少なくとも巻き掛けられるとともに、少なくとも前記第1群の糸を加熱延伸させる複数の前記ゴデットローラと、
    複数の前記ゴデットローラを収容する箱本体、及び前記箱本体を開閉する扉を有する保温箱と、
    前記複数の糸から前記第1群の糸以外の糸として分けられた第2群の糸を案内する案内ローラと、
    前記第1群の糸と前記第2群の糸とを合糸して混繊糸を生成する合糸装置と、
    前記第2群の糸を前記案内ローラ上に巻き掛けつつ、前記第1群の糸を複数の前記ゴデットローラ上に巻き掛けていく際に用いられる糸掛け用ユニットと、
    を備え、
    前記糸掛け用ユニットは、
    前記箱本体に取り付けられる取付け部と、
    複数の前記ゴデットローラから離間しているとともに前記案内ローラが配置された前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられ、前記第2群の糸が掛けられる糸掛け部と、
    を有し、
    前記糸掛け部は、前記ゴデットローラの軸方向において複数の前記ゴデットローラの端面部よりも突出した位置で前記箱本体の側壁の縁部に沿って延びるように設けられていることを特徴とする、混繊糸製造装置。
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