JP2023053145A - Rc-igbt半導体装置 - Google Patents

Rc-igbt半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023053145A
JP2023053145A JP2023018943A JP2023018943A JP2023053145A JP 2023053145 A JP2023053145 A JP 2023053145A JP 2023018943 A JP2023018943 A JP 2023018943A JP 2023018943 A JP2023018943 A JP 2023018943A JP 2023053145 A JP2023053145 A JP 2023053145A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
semiconductor device
main surface
gate
view
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023018943A
Other languages
English (en)
Inventor
康平 新庄
Kohei Shinjo
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP2023018943A priority Critical patent/JP2023053145A/ja
Publication of JP2023053145A publication Critical patent/JP2023053145A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】ピーク順方向サージ電流耐量の向上を図ることができるRC-IGBT半導体装置を提供する。【解決手段】表面および裏面2bを有する半導体層2と、平面視において表面の一辺からX方向に離間して表面を被覆し、ゲート構造に電気的に接続されたゲートパッド9と、裏面2bの表層部に形成されたp型のコレクタ領域23と、 前記半導体層を前記第2主面側から見た底面視において、前記コレクタ領域内に設けられ、底面視円形状の複数のカソード領域と、を含み、前記複数のカソード領域は、前記第1方向Xおよび前記第2方向Yに沿って間隔を空けて行列状に規則的な配列で均等に形成されている、RC-IGBT半導体装置1を提供する。【選択図】図5

Description

本発明は、RC-IGBT(Reverse Conducting - Insulated Gate Bipolar Transistor)半導体装置に関する。
特許文献1の図2には、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)およびダイオードを含む半導体装置の一例として、RC(Reverse Conducting)-IGBTと称される逆導電絶縁ゲートバイポーラトランジスタが開示されている。
特許文献1の図2に係る逆導電絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、半導体層を備えている。半導体層の表面側の表層部には、p型のチャネル領域が形成されている。チャネル領域の表層部には、n型のエミッタ領域が形成されている。チャネル領域に対して半導体層の裏面側には、チャネル領域と電気的に接続されるように、n型のドリフト領域が形成されている。半導体層の裏面側の表層部には、ドリフト領域と電気的に接続されるようにp型のコレクタ領域および複数のn型のカソード領域が形成されている。複数のn型のカソード領域は、半導体層の裏面に対して、一方方向および当該一方方向の直交方向に沿って間隔を空けて行列状に規則的な配列で形成されている。
特開2010-263215号公報
特許文献1の図2に開示された構成では、複数のカソード領域の平面視面積を増加させると半導体装置のピーク順方向サージ電流IFSMに対する耐量であるピーク順方向サージ電流耐量が向上するという傾向がある。その一方で、複数のカソード領域の平面視面積を減少させると半導体装置のピーク順方向サージ電流耐量が低下するという傾向がある。つまり、特許文献1の図2に開示された構成では、複数のカソード領域の平面視面積と半導体装置のピーク順方向サージ電流耐量との間に大凡リニアな関係が成立する。
したがって、複数のカソード領域の平面視面積を調整したとしても、結果として前記リニアな関係の中でしか半導体装置のピーク順方向サージ電流耐量を調整することができないため、当該リニアな関係から切り離して半導体装置のピーク順方向サージ電流耐量を調整することが困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、ピーク順方向サージ電流耐量の向上を図ることができるRC-IGBT半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態は、一方側の第1主面および他方側の第2主面を有する半導体層と、平面視において第1方向Xに間隔を空けて前記第1主面に配列され、前記第1方向Xに直交する第2方向Yに延びる帯状にそれぞれ形成されたストライプパターンの複数のゲート構造と、平面視において前記第1主面の一辺から前記第1方向Xに離間して前記第1主面を被覆し、前記ゲート構造に電気的に接続されたゲートパッドと、前記第2主面の表層部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、前記半導体層を前記第2主面側から見た底面視において、前記コレクタ領域内に設けられ、底面視円形状の複数のカソード領域と、を含み、前記複数のカソード領域は、前記第1方向Xおよび前記第2方向Yに沿って間隔を空けて行列状に規則的な配列で均等に形成されている、RC-IGBT(Reverse Conducting - Insulated Gate Bipolar Transistor)半導体装置を提供する。
この構造によれば、カソード領域の平面視面積と半導体装置の耐圧との間にリニアな関係が成立する従来の半導体装置と異なり、当該リニアな関係から切り離してRC-IGBT半導体装置の耐圧を高めることができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置の半導体基板を表面側から見た模式的な上面図である。 図2は、図1の二点鎖線IIにより取り囲まれた領域の模式的な一部切欠き斜視図である。 図3は、図1の半導体装置の電気的構造を示す回路図である。 図4は、図1の半導体装置の半導体基板を裏面側から見た模式的な底面図である。 図5は、参考例に係る半導体装置の半導体基板を裏面側から見た模式的な底面図である。 図6は、第1実施形態に係る半導体装置のピーク順方向サージ電流および参考例に係る半導体装置のピーク順方向サージ電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 図7は、第1実施形態に係る半導体装置において、コレクタ電極およびエミッタ電極間にコレクタ-エミッタ電圧を印加してIGBTとして動作させたときの、コレクタ電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 図8は、第1実施形態に係る半導体装置において、コレクタ電極およびエミッタ電極間に順方向電圧を印加して還流ダイオードとして動作させたときの、順方向電流のシミュレーション結果を示すグラフである。 図9は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置の模式的な断面図である。 図10は、半導体基板を裏面側から見た模式的な底面図であって、カソード領域の第1変形例を示す図である。 図11は、半導体基板を裏面側から見た模式的な底面図であって、カソード領域の第2変形例を示す図である。 図12は、半導体基板を裏面側から見た模式的な底面図であって、カソード領域の第3変形例を示す図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体装置1の半導体基板2を表面2a側から見た模式的な上面図である。図2は、図1の二点鎖線IIにより取り囲まれた領域の模式的な一部切欠き斜視図である。図3は、図1の半導体装置1の電気的構造を示す回路図である。
本実施形態に係る半導体装置1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)および還流ダイオード(Free Wheeling Diode)を含むRC(Reverse Conducting)-IGBT(逆導電絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を備えている。図1および図2を参照して、半導体装置1は、本発明の半導体層の一例としての半導体基板2を含む。半導体基板2は、本実施形態では、FZ(Floating Zone)法によって形成されたシリコン製のFZ基板である。半導体基板2は、平面視四角形状のチップ形状に形成されており、表面2aと、その反対側の裏面2bと、表面2aおよび裏面2bを接続する側面2cを含む。
半導体基板2には、IGBTの一部および還流ダイオードの一部が形成されるアクティブ領域3と、その外側の外方領域4とが設定されている。アクティブ領域3は、本実施形態では、半導体基板2の内方領域において、半導体基板2の各側面2cに平行な4辺を有する平面視四角形状に設定されている。外方領域4は、アクティブ領域3を取り囲むように平面視四角環状に設定されている。
半導体基板2の表面2a上には、アクティブ領域3に電力を供給するための表面電極5が形成されている。この表面電極5には、平面視においてアクティブ領域3の周囲に沿って形成されたゲート電極6と、アクティブ領域3を被覆するように形成されたエミッタ電極7とが含まれる。
ゲート電極6は、本実施形態では、ゲートフィンガー8とゲートパッド9とを含む。ゲートフィンガー8は、アクティブ領域3を取り囲むように外方領域4に配置されており、半導体基板2の各側面2Cに沿って延びる平面視四角環状に形成されている。ゲートフィンガー8は、アクティブ領域3を3方向から挟み込むように、半導体基板2の三つの側面2Cに沿って形成されていてもよい。また、ゲートフィンガー8は、アクティブ領域3のサイズに応じて、各側面2C側からアクティブ領域3内を横断するように形成されていてもよい。
ゲートパッド9は、半導体基板2の一つの側面2Cに沿って延びる1つのゲートフィンガー8の長手方向中央部において、当該ゲートフィンガー8と接続されている。ゲートパッド9は、半導体基板2の各側面2cに平行な4辺を有する平面視四角形状に形成されている。ゲートパッド9は、半導体基板2の1つの角部において、互いに直交する方向に延びる2つのゲートフィンガー8と接続されていてもよい。また、アクティブ領域3を横断するようにゲートフィンガー8が形成されている場合、当該アクティブ領域3を横断するように形成されたゲートフィンガー8にゲートパッド9が接続されていてもよい。
ゲート電極6によって取り囲まれた領域内には、ゲートフィンガー8の内縁およびゲートパッド9の内縁に沿って帯状に延び、かつ、平面視において無端状(閉環状)を成す絶縁領域10が形成されている。絶縁領域10は、電極材料が存在せずに、後述する絶縁層43がゲート電極6およびエミッタ電極7から露出する領域である。エミッタ電極7は、絶縁領域10によって取り囲まれた領域内に形成されている。
図2を参照して、アクティブ領域3において、半導体基板2の表面2a側の表層部には、p型のチャネル領域21が形成されている。アクティブ領域3とは、本実施形態では、平面視においてチャネル領域21の周縁によって取り囲まれた領域によって定義される。つまり、アクティブ領域3は、本実施形態では、チャネル領域21を半導体基板2の表面2aおよび裏面2bに投影した領域である。
アクティブ領域3において、チャネル領域21に対して半導体基板2の裏面2b側には、チャネル領域21と電気的に接続されるようにn型のドリフト領域22が形成されている。本実施形態では、n型の半導体基板が半導体基板2として用いられており、ドリフト領域22は、半導体基板2の一部を利用して形成されている。
アクティブ領域3において、半導体基板2の裏面2b側の表層部には、ドリフト領域22と電気的に接続されるように、p型のコレクタ領域23およびn型のカソード領域24が形成されている。本実施形態では、ドリフト領域22とコレクタ領域23との間、および、ドリフト領域22とカソード領域24との間を延びるようにn型のバッファ領域25が形成されており、コレクタ領域23およびカソード領域24は、バッファ領域25を介してドリフト領域22と電気的に接続されている。コレクタ領域23およびカソード領域24は、半導体基板2の裏面2bから露出するように形成されている。
カソード領域24は、コレクタ領域23およびバッファ領域25の境界を横切るように形成されており、カソード領域24の半導体基板2の表面2a側の端部は、バッファ領域25内に位置している。その他、コレクタ領域23およびカソード領域24の各構成については、後に詳述する。
アクティブ領域3において、半導体基板2の表面2a側の表層部には、平面視帯状に延びる複数のトレンチゲート構造31が形成されている。各トレンチゲート構造31は、半導体基板2を掘り下げて形成されたゲートトレンチ32にゲート絶縁膜33を挟んで埋め込まれた埋め込みゲート電極34を含む。ゲートトレンチ32は、チャネル領域21を貫通しており、ドリフト領域22内に位置する底部を有している。ゲート絶縁膜33は、本実施形態では、半導体基板2の表面2aも被覆している。
各トレンチゲート構造31の側方におけるチャネル領域21の表層部には、半導体基板2の表面2aから露出するようにn型のエミッタ領域35が形成されている。これにより、各トレンチゲート構造31の側方には、半導体基板2の表面2a側から裏面2b側に向かって順に、n型のエミッタ領域35、p型のチャネル領域21およびn型のドリフト領域22が形成されている。チャネル領域21は、互いに隣り合う複数のトレンチゲート構造31に共有されている。埋め込みゲート電極34は、ゲートトレンチ32内においてゲート絶縁膜33を挟んで、エミッタ領域35、チャネル領域21およびドリフト領域22と対向している。
チャネル領域21の表層部における複数のトレンチゲート構造31間には、複数のコンタクト凹部41が形成されている。各コンタクト凹部41は、複数のトレンチゲート構造31と同一の方向に沿って延びる平面視帯状に形成されている。各コンタクト凹部41は、その底部がチャネル領域21内に位置するように半導体基板2の表面2a側の表層部を掘り下げて形成されている。半導体基板2の厚さ方向に関して、コンタクト凹部41の深さは、トレンチゲート構造31(ゲートトレンチ32)の深さよりも小さい。
各コンタクト凹部41の側部からは前述のエミッタ領域35が露出している。本実施形態では、チャネル領域21内には、エミッタ領域35の下方からコンタクト凹部41の側部および底部に沿うように、チャネル領域21のp型不純物濃度よりも高いp型不純物濃度を有するp型のコンタクト領域42がさらに形成されている。コンタクト凹部41の側部の全域にエミッタ領域35が露出しており、コンタクト凹部41の底部のみに沿うコンタクト領域42が形成されていてもよい。
半導体基板2の表面2a上には、トレンチゲート構造31を覆うように絶縁層43が形成されている。絶縁層43は、複数の絶縁膜が積層された積層構造を有していてもよいし、1つの絶縁膜からなる単層構造を有していてもよい。絶縁層43は、たとえば酸化膜(SiO)または窒化膜(SiN)を含んでいてもよい。この絶縁層43には、半導体基板2に形成された各コンタクト凹部41を露出させるコンタクト孔44が形成されている。
コンタクト孔44は、コンタクト凹部41と同一の方向に沿って平面視帯状に延びており、半導体基板2の表面2a側の表層部に形成されたコンタクト凹部41と連通している。コンタクト孔44の内壁は、コンタクト凹部41の内壁と面一に形成されている。
絶縁層43上には、バリアメタル層45を介して、前述のエミッタ電極7が形成されている。バリアメタル層45は、エミッタ電極7がコンタクト孔44およびコンタクト凹部41の外側に拡散するのを抑制するための金属層であり、本実施形態では、半導体基板2側からこの順に積層されたチタン層および窒化チタン層を含む積層構造を有している。バリアメタル層45は、半導体基板2側の表面とその反対面が、コンタクト凹部41の内壁、コンタクト孔44の内壁および当該コンタクト孔44外の絶縁層43の表面に沿って形成されている。
エミッタ電極7は、コンタクト凹部41およびコンタクト孔44を埋めて絶縁層43の表面全域を被覆するように、バリアメタル層45上に形成されている。エミッタ電極7は、コンタクト凹部41内においてバリアメタル層45を介して、チャネル領域21、エミッタ領域35、コンタクト領域42等と電気的に接続されている。
前述のゲート電極6は、絶縁層43の一部からなる前述の絶縁領域10を挟んでエミッタ電極7と間隔を空けて絶縁層43上に形成されている。前述のトレンチゲート構造31は、たとえばアクティブ領域3からゲートフィンガー8の直下の領域まで引き出されている。ゲートフィンガー8は、たとえば絶縁層43に形成されたコンタクト孔(図示せず)を介してトレンチゲート構造31と電気的に接続されている。そして、半導体基板2の裏面2b側には、コレクタ領域23およびカソード領域24と電気的に接続されるように裏面電極としてのコレクタ電極46が形成されている。
図3を参照して、本実施形態に係る半導体装置1は、共通の半導体基板2にIGBTおよび還流ダイオードが作り込まれた構造を有している。還流ダイオードは、チャネル領域21およびドリフト領域22間のpn接合部によって形成されている。還流ダイオードは、チャネル領域21をアノード領域として含む。還流ダイオードは、チャネル領域21を介してエミッタ電極7に電気的に接続され、かつ、カソード領域24を介してコレクタ電極46に電気的に接続されている。
このようにして、本実施形態に係る半導体装置1は、還流ダイオードのアノードがIGBTのエミッタ電極7に電気的に接続され、還流ダイオードのカソードがIGBTのコレクタ電極46に電気的に接続された構造を有している。
本実施形態に係る半導体装置1は、半導体基板2の裏面2b側の表層部に、カソード領域24が所定のパターンで形成されていることを一つの特徴としている。以下、図4を参照して、カソード領域24の具体的な構成について説明する。図4は、図1の半導体装置1の半導体基板2を裏面2b側から見た模式的な底面図である。図4では、明瞭化のため、クロスハッチングによってカソード領域24を示している。
図4を参照して、半導体基板2の裏面2bにおいて、アクティブ領域3内には、コレクタ領域23およびカソード領域24が形成されている。コレクタ領域23は、本実施形態では、アクティブ領域3の平面視形状(つまり、チャネル領域21の平面視形状)とほぼ整合する平面視形状で形成されている。
カソード領域24は、アクティブ領域3内において、連続的に引き回されたライン状のパターンを有している。カソード領域24は、本実施形態では、コレクタ領域23のp型不純物濃度よりも高いn型不純物濃度を有しており、コレクタ領域23のp型不純物がn型不純物によって相殺されるようにアクティブ領域3内に形成されている。
本実施形態では、アクティブ領域3には、コレクタ領域23のみが形成される第1領域50と、コレクタ領域23およびカソード領域24の双方が形成される第2領域51とが設定されている。第1領域50は、IGBTのみが形成される領域であり、第2領域51は、IGBTおよび還流ダイオードが形成される領域である。
第1領域50は、半導体基板2の周縁部、より具体的には、半導体基板2の一つの側面2Cの中央領域に沿って設定されている。さらに具体的には、第1領域50は、本実施形態では、前述のゲートパッド9の直下の領域に設定されており、平面視において、ゲートパッド9がアクティブ領域3と重なる部分の全域と対向している。第1領域50は、平面視において、ゲートパッド9がアクティブ領域3と重なる部分の周縁をその外側から取り囲んでいる。第1領域50は、平面視四角形状に区画された領域であってもよい。
一方、第2領域51は、アクティブ領域3において第1領域50外の領域に設定された平面視凹状の領域であり、前述のエミッタ電極7の直下の領域に設定されている。アクティブ領域3に第1領域50および第2領域51が設定されることによって、カソード領域24は、平面視でゲートパッド9外の領域に形成され、かつ、半導体基板2の裏面2bに対して不均等なパターン(配置)で形成されている。
カソード領域24は、アクティブ領域3の第2領域51内において、平面視において葛折状に連続的に引き回されたライン状のパターンを含む。以下では、説明の便宜上、図4に示した+X方向および-X方向ならびに+Y方向および-Y方向を用いることがある。+X方向および-X方向は、半導体基板2の1辺に沿う2つの方向であり、これらを総称するときには単に「X方向」という。+Y方向および-Y方向は、半導体基板2の前記1辺と直交する他の1辺に沿う2つの方向であり、これらを総称するときには単に「Y方向」という。X方向は、本実施形態では、ゲートパッド9がゲートフィンガー8から引き出された方向でもある。
カソード領域24は、X方向に沿って延び、かつY方向に沿って間隔を空けて形成された複数の第1ライン52と、Y方向に沿って延び、かつY方向に隣り合う複数の第1ライン52同士を接続する複数の第2ライン53とを含む。
複数の第1ライン52には、アクティブ領域3の+Y方向端部側に形成された複数の第1ライン52Aと、アクティブ領域3の-Y方向端部側に形成された複数の第1ライン52Bと、第1ライン52Aおよび第1ライン52Bの間に形成された複数の第1ライン52Cとが含まれる。
複数の第1ライン52Aおよび複数の第1ライン52Bは、平面視において第1領域50(ゲートパッド9)を挟んでY方向に互いに対向するように、当該第1領域50(ゲートパッド9)のY方向両側の領域に引き出されている。複数の第1ライン52AのX方向幅、および複数の第1ライン52BのX方向幅は、本実施形態ではほぼ等しい値に設定されている。
複数の第1ライン52Cは、平面視において第1領域50(ゲートパッド9)とX方向に対向する領域に形成されている。複数の第1ライン52CのX方向幅は、複数の第1ライン52AのX方向幅および複数の第1ライン52BのX方向幅よりも小さい値に設定されている。
複数の第1ライン52は、X方向に関して、ゲートパッド9の幅を超えるライン長さをそれぞれ有している。また、複数の第1ライン52は、Y方向に関して、ゲートパッド9の幅未満のライン幅をそれぞれ有している。
平面視において裏面2bを4つの領域に区画するように裏面2bの中央部をX方向およびY方向に交差する十字ラインを設定した場合、複数の第1ライン52の一部は4つの領域の少なくとも1つの領域に含まれる。複数の第1ライン52は、平面視においてゲートパッド9をX方向に横切るラインを設定した場合、当該ラインに対して線対称に配列されている。
複数の第1ライン52は、平面視においてゲートパッド9側に位置する-X方向端部(第1端部)、および、ゲートパッド9とは反対側に位置する+X方向端部(第2端部)をそれぞれ有している。複数の第1ライン52に関して、平面視において、複数の+X方向端部(第2端部)のX方向の位置は、Y方向に揃っている。
複数の第1ライン52に関して、平面視において、複数の-X方向端部(第1端部)のX方向の位置は、Y方向には揃っていない。具体的には、複数の第1ライン52Aの-X方向端部および複数の第1ライン52Bの-X方向端部はY方向に揃っているが、複数の第1ライン52Cの-X方向端部は、複数の第1ライン52Aおよび複数の第1ライン52Bの-X方向端部から+X方向側にずれおり、Y方向に複数の第1ライン52Aおよび複数の第1ライン52Bの-X方向端部とは揃っていない。
第2ライン53には、Y方向に沿って隣り合う2つの第1ライン52の+X方向端部同士を接続する第2ライン53Aと、Y方向に沿って隣り合う2つの第1ライン52の-X方向端部同士を接続する第2ライン53Bとが含まれる。第2ライン53Aおよび第2ライン53Bは、Y方向に沿って交互に形成されている。このようにして、本実施形態では、カソード領域24が、連続的に連なる平面視葛折状のライン状のパターンで形成されている。また、カソード領域24は、X方向幅が異なる複数の第1ライン52A,52B,52Cを含み、これによって、アクティブ領域3に対して不均等なパターン(配置)で形成されている。
第1ライン52のY方向幅および第2ライン53のX方向幅で定義されるカソード領域24のライン幅は、たとえば1μm以上100μm以下、より好ましくは10μm以上50μm以下である。カソード領域24は、一様なライン幅を有していてもよいし、一様でないライン幅を有していてもよい。たとえば、カソード領域24は、Y方向幅がそれぞれ異なる第1ライン52A,52B,52Cを有していてもよいし、X方向幅がそれぞれ異なる第2ライン53A,53Bを有していてもよい。
アクティブ領域3の面積Sに対する第1領域50の面積Sの比S/Sは、たとえば0.03(3%)以上0.3(30%)以下である。また、平面視において、アクティブ領域3の面積Sに対するカソード領域24の面積Sの比S/S(以下、単に「カソード領域24の面積比S/S」という。)は、アクティブ領域3の面積Sに対するコレクタ領域23の面積Sの比S/S(以下、単に「コレクタ領域23の面積比S/S」という。)よりも小さい値に設定されている。カソード領域24の面積比S/Sは、たとえば0.1(10%)以下、より具体的には、0.01(1%)以上0.07(7%)以下である。
本実施形態に係る半導体装置1の電気的特性と比較するため、図5に示される参考例に係る半導体装置101を用意した。図5は、参考例に係る半導体装置101の半導体層を裏面側から見た模式的な底面図である。
参考例に係る半導体装置101では、平面視円形状の複数のカソード領域24がアクティブ領域3に形成されている。複数のカソード領域24は、X方向およびY方向に沿って間隔を空けて行列状に規則的な配列で均等に形成されている。参考例に係る半導体装置101では、カソード領域24がゲートパッド9直下の領域にも形成されている。参考例に係る半導体装置101において、他の構成については、本実施形態に係る半導体装置1の各構成と略同様であるので、同一の参照符号を付して説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る半導体装置1のピーク順方向サージ電流IFSMおよび参考例に係る半導体装置101のピーク順方向サージ電流IFSMのシミュレーション結果を示すグラフである。
図6において、横軸は、カソード領域24の面積比S/Sを示しており、縦軸は、ピーク順方向サージ電流IFSMを示している。ピーク順方向サージ電流IFSMとは、半導体装置が破壊しない範囲で許容される1周期以上の商用正弦半波電流のピーク値である。したがって、ピーク順方向サージ電流IFSMの値が高い程、半導体装置のピーク順方向サージ電流IFSMに対する耐量(以下、単に「ピーク順方向サージ電流耐量」という。)が優れているといえる。
図6では、本実施形態に係る半導体装置1のカソード領域24の面積比S/Sが、0.037(3.7%)である場合のピーク順方向サージ電流IFSMのシミュレーション結果がプロットP1で示されている。また、図6では、参考例に係る半導体装置101のカソード領域24の面積比S/Sが、0.012(1.2%),0.019(1.9%),0.023(2.4%)および0.032(3.2%)であるときのピーク順方向サージ電流IFSMのシミュレーション結果がプロットP2~P5で示されている。図6では、プロットP2~P5を近似直線Lで結んで示している。
図6を参照して、参考例に係る半導体装置1では、複数のカソード領域24の平面視面積を減らしてカソード領域24の面積比S/Sを小さくすると、ピーク順方向サージ電流IFSMが低下している。また、参考例に係る半導体装置101では、複数のカソード領域24の平面視面積を増やしてカソード領域24の面積比S/Sを大きくすると、ピーク順方向サージ電流IFSMが向上している。したがって、参考例に係る半導体装置101では、複数のカソード領域24の平面視面積とピーク順方向サージ電流IFSMとの間に大凡リニアな関係が成立しているといえる。
しかし、参考例に係る半導体装置101では、カソード領域24の面積比S/Sがいずれの場合であっても、ピーク順方向サージ電流IFSMが300A以下と比較的に低い値であった。近似直線Lを参照するに、参考例に係る半導体装置101では、カソード領域24の面積比S/Sを「1」に近づけると、良好なピーク順方向サージ電流IFSMを実現できるとも考えられる。
しかし、実際には、カソード領域24の面積比S/Sが「1」に近づくほど、コレクタ領域23の面積比S/Sが「0」に近づくので、IGBTの機能が失われていく。したがって、参考例に係る半導体装置101では、複数のカソード領域24の平面視面積の調整によってカソード領域24の面積比S/Sを調整したとしても、結果として近似直線Lで示される前記リニアな関係の中でしかピーク順方向サージ電流IFSMを調整できず、また、比較的に高いピーク順方向サージ電流IFSMを得ることが困難であるといえる。
参考例に係る半導体装置101では、平面視円形状の複数のカソード領域24がアクティブ領域3に形成されているが、この問題は、平面視四角形状等の平面視多角形状の複数のカソード領域24が規則的な配列でアクティブ領域3に形成されている場合にも同様に生じる。
これに対して、連続的なライン状のパターンで形成されたカソード領域24を有する本実施形態に係る半導体装置1では、ピーク順方向サージ電流IFSMが1000A以上であり、参考例に係る半導体装置101と異なり、近似直線Lから外れて比較的高いピーク順方向サージ電流IFSMとなっている。したがって、カソード領域24を連続的なライン状のパターンで形成することによって、近似直線Lで示される前記リニアな関係から切り離して、比較的高いピーク順方向サージ電流IFSMを実現できることが分かった。
図7は、本実施形態に係る半導体装置1において、コレクタ電極46およびエミッタ電極7間にコレクタ-エミッタ電圧VCEを印加してIGBTとして動作させたときの、コレクタ電流Iのシミュレーション結果を示すグラフである。図7において、横軸は、コレクタ-エミッタ電圧VCEを示しており、縦軸は、コレクタ電流Iを示している。
一般的に、IGBTおよび還流ダイオードを共通の半導体基板2に備える半導体装置では、比較的小さい値(たとえば0V以上2.5V以下の範囲)のコレクタ-エミッタ電圧VCEが与えられると、スナップバック現象が生じる虞があることが知られている。
図7に示されるように、本実施形態に係る半導体装置1では、比較的小さい値のコレクタ-エミッタ電圧VCEが与えられた場合であっても、スナップバック現象の発生が抑制されている。これは、アクティブ領域3において、コレクタ領域23のみが形成される比較的大きい平面視面積の第1領域50が形成されているためであると考えられる。よって、本実施形態に係る半導体装置1のように、カソード領域24を連続的なライン状のパターンで形成した場合であっても、IGBTとして良好に動作させることができる。
図8は、本実施形態に係る半導体装置1において、コレクタ電極46およびエミッタ電極7間に順方向電圧Vを印加して還流ダイオードとして動作させたときの、順方向電流Iのシミュレーション結果を示すグラフである。図8において、横軸は、順方向電圧Vを示しており、縦軸は、順方向電流Iを示している。
図8を参照して、本実施形態に係る半導体装置1のように、カソード領域24を連続的なライン状のパターンで形成した場合であっても、還流ダイオードとして良好に動作させることができる。
以上、本実施形態に係る半導体装置1では、カソード領域24が連続的に引き回されたライン状のパターンを含む。したがって、カソード領域24の平面視面積とピーク順方向サージ電流IFSMとの間にリニアな関係が成立する参考例に係る半導体装置101と異なり、当該リニアな関係から切り離して、比較的に高い値のピーク順方向サージ電流IFSMを得ることができる。
しかも、半導体基板2の裏面2b側のアクティブ領域3(第2領域51)において、カソード領域24を引き回す領域を調整することにより、半導体装置1のピーク順方向サージ電流IFSMを容易に調整することもできる。よって、IGBTおよび還流ダイオードを備えた構成において、設計の自由度を高めることができると同時に、ピーク順方向サージ電流耐量の向上を図ることができる構造の半導体装置1を提供できる。
<第2実施形態>
図9は、本発明の第2実施形態に係る半導体装置61の模式的な断面図である。
図9を参照して、本実施形態に係る半導体装置61は、トレンチゲート構造31に代えてプレーナゲート構造62を有している点で、前述の第1実施形態に係る半導体装置1と異なっている。図9において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る半導体装置61は、前述の半導体基板2を含む。半導体基板2の表面2a側の表層部には、前述のチャネル領域21が間隔を空けて形成されている。各チャネル領域21の表層部には、当該チャネル領域21の周縁から内側に間隔を隔てて前述のエミッタ領域35が形成されている。
本実施形態では、互いに隣り合うチャネル領域21の間の領域および各チャネル領域21に対して半導体基板2の裏面2b側の領域に、当該チャネル領域21と電気的に接続されるように前述のドリフト領域22が形成されている。半導体基板2の裏面2b側の表層部には、前述のバッファ領域25を介してドリフト領域22と電気的に接続されるように前述のコレクタ領域23および前述のカソード領域24が形成されている。コレクタ領域23およびカソード領域24は、前述の第1実施形態に係る構成と同様の構成を有している。
プレーナゲート構造62は、半導体基板2の表面2a上に形成されたゲート絶縁膜63を挟んで少なくともチャネル領域21と対向するゲート電極64を含む。ゲート電極64は、より具体的には、ゲート絶縁膜63を挟んでエミッタ領域35、チャネル領域21およびドリフト領域22と対向している。チャネル領域21の表層部において、エミッタ領域35に対してゲート電極64とは反対側には前述のコンタクト領域42が形成されている。
そして、プレーナゲート構造62を覆うように前述の絶縁層43が形成されている。絶縁層43には、チャネル領域21およびエミッタ領域35を露出させるコンタクト孔65が形成されている。前述のエミッタ電極7は、前述のバリアメタル層45を介して絶縁層43上からコンタクト孔65内に入り込み、当該コンタクト孔65内において、チャネル領域21、エミッタ領域35およびコンタクト領域42と電気的に接続されている。そして、半導体基板2の裏面2b側には、コレクタ領域23およびカソード領域24と電気的に接続されるように裏面電極としての前述のコレクタ電極46が形成されている。
本実施形態では、図9に示される単位セル66が複数形成された領域によって前述のアクティブ領域3が定義される。単位セル66とは、本実施形態では、図9に示されるように、一つのプレーナゲート構造62に対して二つのチャネル領域21が形成された領域である。
以上、本実施形態に係る半導体装置61によっても前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、さらに他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の第1実施形態では、カソード領域24が平面視葛折状に形成されたライン状のパターンを含む例について説明した。しかし、カソード領域24は、これに代えて、図10~図12に示されるようなパターンで形成されていてもよい。
図10は、半導体基板2を裏面2b側から見た模式的な底面図であって、カソード領域24の第1変形例を示す図である。図10では、明瞭化のため、クロスハッチングによってカソード領域24を示している。図10において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図10を参照して、第1変形例に係るカソード領域24は、前述の第1実施形態と同様、X方向に沿って延び、かつY方向に沿って間隔を空けて形成された複数の第1ライン52と、Y方向に沿って延び、かつY方向に隣り合う複数の第1ライン52同士を接続する複数の第2ライン53とを含む。
第1変形例に係るカソード領域24では、前述の複数の第1ライン52A,52BのX方向幅が、いずれも第1ライン52CのX方向幅とほぼ同一の値に設定されている。したがって、第1変形例に係るカソード領域24では、平面視において、複数の第1ライン52Aおよび複数の第1ライン52Bが、第1領域50(ゲートパッド9)を挟んでY方向に互いに対向することなく、アクティブ領域3の+X方向側に偏在するように形成されている。つまり、前述の第1領域50は、アクティブ領域3の-X方向側の端部においてY方向に沿って延びる平面視長方形状に形成されている。
換言すると、裏面2bは、平面視において、ゲートパッド9に対向する対向領域、対向領域に対して+Y方向側に位置する第1領域、および、対向領域に対して-Y方向側に位置し、対向領域を挟んで第1領域に対向する第2領域を含む。複数の第1ライン52は、平面視において、裏面2bの対向領域、第1領域および第2領域に位置しないように第2主面の表層部に形成されている。このような構造において、複数の第1ライン52は、平面視においてX方向に第1領域に対向する少なくとも1つの第1ライン52A、および、平面視においてX方向に第2領域に対向する少なくとも1つの第1ライン52Bを含む。
平面視において裏面2bを4つの領域に区画するように裏面2bの中央部をX方向およびY方向に交差する十字ラインを設定した場合、複数の第1ライン52の一部は4つの領域の少なくとも1つの領域に含まれる。複数の第1ライン52は、平面視においてゲートパッド9をX方向に横切るラインを設定した場合、当該ラインに対して線対称に配列されている。
複数の第1ライン52は、平面視においてゲートパッド9側に位置する-X方向端部(第1端部)、および、ゲートパッド9とは反対側に位置する+X方向端部(第2端部)をそれぞれ有している。複数の第1ライン52に関して、平面視において、複数の+X方向端部(第2端部)のX方向の位置は、Y方向に揃っている。また、複数の第1ライン52に関して、平面視において、複数の-X方向端部(第1端部)のX方向の位置は、Y方向に揃っている。
このように、第1変形例に係るカソード領域24は、アクティブ領域3の+X方向側に偏在しており、当該カソード領域24がアクティブ領域3に対して不均等なパターン(配置)で形成されている。このような構成によっても前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。前述の第2実施形態においても、第1変形例に係るカソード領域24を適用してもよい。
図11は、半導体基板2を裏面2b側から見た模式的な底面図であって、カソード領域24の第2変形例を示す図である。図11では、明瞭化のため、クロスハッチングによってカソード領域24を示している。図11において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
図11を参照して、第2変形例に係るカソード領域24は、前述の第1実施形態と同様、X方向に沿って延び、かつY方向に沿って間隔を空けて形成された複数の第1ライン52と、Y方向に沿って延び、かつY方向に隣り合う複数の第1ライン52同士を接続する複数の第2ライン53とを含む。第2変形例に係るカソード領域24では、第2ライン53が、いずれも、Y方向に沿って隣り合う2つの第1ライン52の+X方向端部同士を接続している。
このように、第2変形例に係るカソード領域24は、平面視櫛歯状に形成されたライン状のパターンを含む構成とされており、当該カソード領域24がアクティブ領域3に対して不均等なパターン(配置)で形成されている。このような構成によっても前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。前述の第2実施形態においても、第2変形例に係るカソード領域24を適用してもよい。
図12は、半導体基板2を裏面2b側から見た模式的な底面図であって、カソード領域24の第3変形例を示す図である。図12では、明瞭化のため、クロスハッチングによってカソード領域24を示している。図12において、前述の第1実施形態において述べた構成と同様の構成については同一の参照符号を付して説明を省略する。
第3変形例では、前述の第1領域50がアクティブ領域3の中央部に平面視四角形状に設定されており、当該第1領域50を取り囲むように前述の第2領域51が平面視四角環状に設定されている。つまり、第3変形例では、前述のゲートパッド9が平面視において半導体基板2の中央部に配置されている。
第3変形例に係るカソード領域24は、前述の第1実施形態と同様、X方向に沿って延び、かつY方向に沿って間隔を空けて形成された複数の第1ライン52と、Y方向に沿って延び、かつY方向に隣り合う複数の第1ライン52同士を接続する複数の第2ライン53とを含む。
第3変形例に係るカソード領域24は、第1ライン52および第2ライン53によって、半導体基板2の側面2cに平行な平面視四角の螺旋状に形成されたライン状のパターンを含む。したがって、カソード領域24は、アクティブ領域3の周縁部側に偏在するように形成されており、これによって、当該カソード領域24が、アクティブ領域3に対して不均等なパターン(配置)で形成されている。
このような構成によっても前述の第1実施形態において述べた効果と同様の効果を奏することができる。前述の第2実施形態においても、第3変形例に係るカソード領域24を適用してもよい。カソード領域24は、平面視円形の螺旋状であってもよいし、平面視八角形の螺旋状等のように四角形以外の平面視多角形の螺旋状であってもよい。
また、前述の各実施形態において、カソード領域24は、互いに異なる平面視形状または互いに同一の平面視形状のライン状のパターンを複数含む構成を有していてもよい。たとえば、カソード領域24は、平面視葛折状に形成されたライン状のパターン、平面視櫛歯状に形成されたライン状のパターン、および、平面視螺旋状に形成されたライン状のパターンから選択される少なくとも一種のパターンを含んでいてもよい。
また、前述の各実施形態では、半導体層の一例としてFZ法により製造された半導体基板2が採用された例について説明した。しかし、半導体層は、半導体基板2に代えて、たとえばシリコン製のp型の半導体基板と、当該半導体基板のシリコンをエピタキシャル成長させることによって形成されたn型のエピタキシャル層とを含んでいてもよい。この場合、p型の半導体基板が、コレクタ領域23に相当する構成となり、エピタキシャル層が、ドリフト領域22に相当する構成となる。この場合、カソード領域24は、半導体基板(コレクタ領域23)に対するn型不純物の注入によって形成される。この技術的思想から、コレクタ領域23は、裏面2bの全域に形成されてもよいことが理解される。
また、前述の各実施形態において、各半導体部分の導電型が反転された構成が採用されてもよい。つまり、p型の部分がn型とされ、n型の部分がp型とされてもよい。
以下、この明細書および図面から抽出される特徴の例を示す。以下、コレクタ領域およびカソード領域を備えた構成において、設計の自由度を高めることができると同時に、ピーク順方向サージ電流耐量の向上を図ることができる半導体装置を提供する。
[A1]第1主面およびその反対側の第2主面を有する半導体層と、前記半導体層の前記第1主面側の表層部に形成された第1導電型のチャネル領域と、前記チャネル領域の表層部に形成された第2導電型のエミッタ領域と、前記チャネル領域と電気的に接続されるように、前記チャネル領域に対して前記半導体層の第2主面側に形成された第2導電型のドリフト領域と、前記ドリフト領域と電気的に接続されるように、前記半導体層の第2主面側の表層部に形成された第1導電型のコレクタ領域および第2導電型のカソード領域と、少なくとも前記チャネル領域と絶縁膜を挟んで対向するゲート電極とを含み、前記カソード領域が、連続的に引き回されたライン状のパターンを含むことを特徴とする、半導体装置。
この半導体装置は、カソード領域が連続的に引き回されたライン状のパターンを含む。これにより、カソード領域の平面視面積と半導体装置の耐圧との間にリニアな関係が成立する従来の半導体装置と異なり、当該リニアな関係から切り離して半導体装置の耐圧を高めることができる。しかも、半導体層の第2主面側においてカソード領域を引き回す領域を調整することにより、半導体装置の耐圧を容易に調整することもできる。よって、設計の自由度を高めることができると同時に、耐圧の向上を図ることができる構造の半導体装置を提供できる。
[A2]前記カソード領域が、前記半導体層の前記第2主面に対して不均等なパターンで形成されている、A1に記載の半導体装置。
[A3]前記半導体層の前記第2主面には、前記コレクタ領域のみが形成された第1領域と、前記コレクタ領域および前記カソード領域が形成された第2領域とが設定されており、前記第1領域は、平面視において前記半導体層の前記第2主面の周縁部に設定されている、A1またはA2に記載の半導体装置。
[A4]前記半導体層の前記第2主面には、前記コレクタ領域のみが形成された第1領域と、前記コレクタ領域および前記カソード領域が形成された第2領域とが設定されており、前記第1領域は、平面視において前記半導体層の前記第2主面の中央部に設定されている、A1またはA2に記載の半導体装置。
[A5]前記ゲート電極に電気的に接続されるように、前記半導体層の前記第1主面上に配置されたゲートパッドをさらに含み、前記第1領域が、前記ゲートパッドの直下に設定されている、A3またはA4に記載の半導体装置。
[A6]前記ゲート電極と電気的に接続されるように、前記半導体層の前記第1主面上に配置されたゲートパッドをさらに含み、前記カソード領域は、平面視において前記ゲートパッドが形成された領域外の領域に形成されている、A1またはA2に記載の半導体装置。
[A7]前記カソード領域は、平面視葛折状に形成された前記ライン状のパターンを含む、A1~A6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A8]前記カソード領域は、平面視櫛歯状に形成された前記ライン状のパターンを含む、A1~A6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A9]前記カソード領域は、平面視螺旋状に形成された前記ライン状のパターンを含む、A1~A6のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A10]前記カソード領域の前記ライン状のパターンは、第1方向に沿って延びる第1ラインと、前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる第2ラインとを含む、A1~A9のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A11]前記第1ラインは、前記第2方向に沿って間隔を空けて複数形成されており、前記第2ラインは、前記第2方向に隣り合う前記複数の第1ライン同士を接続するように複数形成されている、A10に記載の半導体装置。
[A12]前記半導体層には、アクティブ領域が設定されており、前記コレクタ領域および前記カソード領域は、前記アクティブ領域内に形成されており、平面視において、前記アクティブ領域の面積Sに対する前記カソード領域の面積Sの比S/Sは、前記アクティブ領域の面積Sに対する前記コレクタ領域の面積Sの比S/Sよりも小さい、A1~A11のいずれか一つに記載の半導体装置。
[A13]前記アクティブ領域の面積Sに対する前記カソード領域の面積Sの比S/Sが、0.1以下である、A12に記載の半導体装置。
[A14]前記コレクタ領域および前記カソード領域と電気的に接続されるように、前記半導体層の前記第2主面側に配置されたコレクタ電極をさらに含む、A1~A13のいずれか一つに記載の半導体装置。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 半導体装置
2 半導体基板
2a 半導体基板の表面
2b 半導体基板の裏面
3 アクティブ領域
9 ゲートパッド
21 チャネル領域
22 ドリフト領域
23 コレクタ領域
24 カソード領域
33 ゲート絶縁膜
34 ゲート電極
35 エミッタ領域
46 コレクタ電極
50 第1領域
51 第2領域
52 第1ライン
53 第2ライン
61 半導体装置
63 ゲート絶縁膜
64 ゲート電極
アクティブ領域の面積
コレクタ領域の面積
カソード領域の面積

Claims (12)

  1. 一方側の第1主面および他方側の第2主面を有する半導体層と、
    平面視において第1方向Xに間隔を空けて前記第1主面に配列され、前記第1方向Xに直交する第2方向Yに延びる帯状にそれぞれ形成されたストライプパターンの複数のゲート構造と、
    平面視において前記第1主面の一辺から前記第1方向Xに離間して前記第1主面を被覆し、前記ゲート構造に電気的に接続されたゲートパッドと、
    前記第2主面の表層部に形成された第1導電型のコレクタ領域と、
    前記半導体層を前記第2主面側から見た底面視において、前記コレクタ領域内に設けられ、底面視円形状の複数のカソード領域と、を含み、
    前記複数のカソード領域は、前記第1方向Xおよび前記第2方向Yに沿って間隔を空けて行列状に規則的な配列で均等に形成されている、RC-IGBT(Reverse Conducting - Insulated Gate Bipolar Transistor)半導体装置。
  2. 前記ゲートパッドは、平面視において前記第1主面の周縁部に配置されている、請求項1に記載のRC-IGBT半導体装置。
  3. 前記ゲートパッドは、平面視において前記第1主面の前記一辺の中間部に沿って配置されている、請求項1~2に記載のRC-IGBT半導体装置。
  4. 前記カソード領域は、前記ゲートパッド直下の領域にも形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
  5. 平面視において前記第2主面を4つの領域に区画するように前記第2主面の中央部に前記第1方向Xおよび前記第2方向Yに交差する十字ラインを設定した場合、複数の前記カソード領域は前記4つの領域のいずれの領域にも均等に存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
  6. 前記コレクタ領域は、前記第2主面の表層部の全域に形成され、
    複数の前記カソード領域は、前記コレクタ領域の第1導電型を第2導電型に置換するように形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
  7. 前記ゲートパッドに電気的に接続され、前記第1主面の上を選択的に引き回され、平面視において前記第1方向Xに延びる直線部分を含むゲートフィンガーをさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
  8. 前記ゲート構造は、前記第1主面に形成されたトレンチ、前記トレンチの壁面を被覆するゲート絶縁膜、および、前記ゲート絶縁膜を挟んで前記トレンチに埋設されたゲート電極を含むトレンチゲート構造からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
  9. 前記トレンチから露出するように前記第1主面の表層部に形成された第1導電型のチャネル領域と、
    前記トレンチから露出するように前記チャネル領域の表層部に形成された第2導電型のエミッタ領域と、
    前記ゲートパッドから間隔を空けて前記第1主面を被覆し、前記エミッタ領域に電気的に接続されたエミッタパッドと、をさらに含み、
    複数の前記カソード領域は、平面視において前記エミッタパッドに重なるように前記第2主面の表層部に形成されている、請求項8に記載のRC-IGBT半導体装置。
  10. 前記エミッタ領域を露出させるように前記ゲート電極から間隔を空けて前記第1主面に形成されたコンタクト凹部と、
    前記チャネル領域において前記コンタクト凹部に沿う領域に形成され、前記チャネル領域よりも高い不純物濃度を有する第1導電型のコンタクト領域と、をさらに含む、請求項9に記載のRC-IGBT半導体装置。
  11. 前記第1主面を被覆する絶縁層をさらに含み、
    前記ゲートパッドおよび前記エミッタパッドは、前記絶縁層の上に配置されている、請求項9または10に記載のRC-IGBT半導体装置。
  12. 前記第2主面を被覆し、前記コレクタ領域および複数の前記カソード領域に電気的に接続されたコレクタ電極をさらに含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のRC-IGBT半導体装置。
JP2023018943A 2021-03-16 2023-02-10 Rc-igbt半導体装置 Pending JP2023053145A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2023018943A JP2023053145A (ja) 2021-03-16 2023-02-10 Rc-igbt半導体装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021042364A JP7227999B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 Rc-igbt半導体装置
JP2023018943A JP2023053145A (ja) 2021-03-16 2023-02-10 Rc-igbt半導体装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021042364A Division JP7227999B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 Rc-igbt半導体装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023053145A true JP2023053145A (ja) 2023-04-12

Family

ID=76310794

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021042364A Active JP7227999B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 Rc-igbt半導体装置
JP2023018943A Pending JP2023053145A (ja) 2021-03-16 2023-02-10 Rc-igbt半導体装置

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021042364A Active JP7227999B2 (ja) 2021-03-16 2021-03-16 Rc-igbt半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP7227999B2 (ja)

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4351745B2 (ja) * 1997-09-19 2009-10-28 株式会社東芝 半導体装置
JP4840482B2 (ja) * 2008-10-14 2011-12-21 株式会社デンソー 半導体装置
JP5707681B2 (ja) * 2009-03-04 2015-04-30 富士電機株式会社 半導体装置およびその製造方法
US8604513B2 (en) * 2009-09-30 2013-12-10 Denso Corporation Semiconductor device having SOI substrate
JP5321669B2 (ja) * 2010-11-25 2013-10-23 株式会社デンソー 半導体装置
JP2013201360A (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 Toshiba Corp 半導体装置
JP6021246B2 (ja) * 2012-05-09 2016-11-09 ローム株式会社 半導体装置およびその製造方法
WO2015101973A1 (en) * 2013-12-30 2015-07-09 Visic Technologies Ltd. Semiconductor device
JP2015207733A (ja) * 2014-04-23 2015-11-19 ルネサスエレクトロニクス株式会社 逆導通型igbtの製造方法
DE112014007266B4 (de) * 2014-12-17 2024-05-29 Mitsubishi Electric Corporation Halbleitervorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
JP7227999B2 (ja) 2023-02-22
JP2021093556A (ja) 2021-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11309310B2 (en) Semiconductor device
US8957502B2 (en) Semiconductor device
US20190252533A1 (en) Semiconductor device
JP7230969B2 (ja) 半導体装置
JP7077648B2 (ja) 半導体装置
JP7091693B2 (ja) 半導体装置
US11444187B2 (en) Insulated gate bipolar transistor and diode
US10204980B2 (en) Semiconductor device and manufacturing method of the same
JP2023040134A (ja) 半導体装置
US10777549B2 (en) Semiconductor device
JP7327672B2 (ja) 半導体装置
JP7227999B2 (ja) Rc-igbt半導体装置
JP4264316B2 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP3297087B2 (ja) 高耐圧半導体装置
JP2021125681A (ja) 半導体装置
JP7246423B2 (ja) 半導体装置
JP4078895B2 (ja) 半導体装置
JP3956742B2 (ja) 半導体装置
JP2023114930A (ja) 炭化珪素半導体装置
JP2024073769A (ja) 半導体装置
JP2013251464A (ja) 半導体装置
JP2020174170A (ja) 超接合半導体装置および超接合半導体装置の製造方法
JP2003218122A (ja) 半導体装置の電極構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240111