JP2003218122A - 半導体装置の電極構造 - Google Patents

半導体装置の電極構造

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JP2003218122A
JP2003218122A JP2002010075A JP2002010075A JP2003218122A JP 2003218122 A JP2003218122 A JP 2003218122A JP 2002010075 A JP2002010075 A JP 2002010075A JP 2002010075 A JP2002010075 A JP 2002010075A JP 2003218122 A JP2003218122 A JP 2003218122A
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region
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emitter
insulating film
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JP2002010075A
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Tetsuya Hayashi
林  哲也
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ターンオフの際に活性領域の四隅にあるバイポ
ーラトランジスタに電流集中が起こりにくく、半導体装
置の使用限界範囲を向上する。 【解決手段】活性領域1を囲む周辺領域2と、第一の絶
縁膜7のベースコンタクトホール8を通しベース領域4
と接する下層ベース電極9と、第一の絶縁膜7のエミッ
タコンタクトホール10を通しエミッタ領域5と接する
下層エミッタ電極11と、第二の絶縁膜12のベース電
極間ホール13を通して下層ベース電極9と接し下層エ
ミッタ電極11と第二の絶縁膜12で絶縁された上層ベ
ース電極14と、第二の絶縁膜12のエミッタ電極間ホ
ール15を通して下層エミッタ電極11と接し下層ベー
ス電極9と第二の絶縁膜12で絶縁された上層エミッタ
電極16を有し、下層ベース電極9と下層エミッタ電極
11は帯状を成し、活性領域1の四隅に、周辺領域2に
隣接しベースコンタクトホール8とベース電極間ホール
13を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイポーラトラン
ジスタチップなど電流制御型の半導体装置の電極構造に
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の背景となる従来技術として、一
般的な二層電極構造を図10〜図14に示す。図10は
二層電極構造を有する半導体チップの断面図、図11は
図10の断面構造を有するチップ表面図の一例である。
すなわち図11中のE−E'間に沿った断面図が図10
となる。また、図12は図11中の枠Fに囲まれた部分
の詳細な表面図、図13は図12中のG−G'間に沿っ
た断面図、図14は図12中のH−H'間に沿った断面
図を示している。図10中、番号31は破線Xより左側
の領域を示す活性領域、32は破線Xより右側の領域を
示す周辺領域である。活性領域31には、電流制御型の
半導体装置が形成されており、一例としてバイポーラト
ランジスタを示している。番号33はn型のコレクタ領
域、34はp型のベース領域、35はn型のエミッタ領
域である。図10に示すとおり、活性領域31には複数
のバイポーラトランジスタが形成されており、図11に
示すように、周辺領域32は活性領域31の周りを囲む
ように環状に形成されている。そして、周辺領域32に
はp型のガードリング構造36が形成されている。図1
0中、ベース領域34およびエミッタ領域35を覆うよ
うにして第一の絶縁膜37が形成されており、図10並
びに図13に示すように、ベース領域34は第一の絶縁
膜37に穿たれたベースコンタクトホール38を介して
下層ベース電極39とオーミックコンタクトしている。
同様に、エミッタ領域35は第一の絶縁膜37に穿たれ
たエミッタコンタクトホール40を介して下層エミッタ
電極41とオーミックコンタクトしている。図12中の
破線で示すように、下層ベース電極39と下層エミッタ
電極41は帯状で、それぞれ接しないようにストライプ
状に形成されている。下層ベース電極39および下層エ
ミッタ電極41の幅、厚み及びピッチ等は下地に形成さ
れているバイポーラトランジスタの単位セルサイズや電
流定格によって決められる。また、図10、図13およ
び図14に示すように、下層ベース電極39および下層
エミッタ電極41を覆うようにして第二の絶縁膜42が
形成されており、図10並びに図13に示すように、下
層ベース電極39は第二の絶縁膜42に穿たれたベース
電極間ホール43を介して上層ベース電極44とコンタ
クトしている。同様に、図14に示すように、下層エミ
ッタ電極41は第二の絶縁膜42に穿たれたエミッタ電
極間ホール45を介して上層エミッタ電極46とコンタ
クトしている。図12中に示すように、上層ベース電極
44と上層エミッタ電極46は帯状で、それぞれ接しな
いようにストライプ状に形成されており、下層ベース電
極39並びに下層エミッタ電極41とは交差するように
形成されている。そして、交互に形成された上層ベース
電極44と上層エミッタ電極46の最外列には上層エミ
ッタ電極46が形成されている。なお、下層ベース電極
39、下層エミッタ電極41、上層ベース電極44、上
層エミッタ電極46の各電極は例えばアルミなどの金属
から成っている。
【0003】次に動作を説明する。金属ワイヤで外部電
極と接続された上層エミッタ電極46を接地し、コレク
タ領域33に形成されたコレクタ電極にL負荷を介して
しかるべき正電位を印加した状態で、やはり金属ワイヤ
で別の外部電極と接続された上層ベース電極44に+
0.7V以上の正電位を印加すると、活性領域31に形
成されているバイポーラトランジスタは導通状態とな
る。導通状態においては、ベース領域34からコレクタ
領域33に正孔が注入されており、エミッタ領域35と
コレクタ領域33間において電子電流が流れる。このと
き、活性領域31端部においては、ベース領域34が最
外となるため、周辺領域32中のコレクタ領域33に
は、対面する活性領域31端部のベース領域34から注
入された正孔が拡散長程度の距離まで存在している。こ
の導通状態からターンオフするべく、ベース領域34に
接地(0V)もしくは負電位を印加すると、コレクタ領
域33内にあった過剰な正孔はベース領域34へと流れ
込み、下層ベース電極39、上層ベース電極44そして
上層ベース電極44に接続された金属ワイヤを介して外
部電極へと排出され、正孔濃度はベース領域34近傍か
ら順々に減少していく。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このとき、活性領域3
1の外周に沿って形成されている活性領域31端部のベ
ース領域34においては、上記のとおり広範囲に数多く
正孔が注入されているため、活性領域31の中央部に位
置するエミッタ領域35に挟まれたベース領域34より
も正孔を多く排出する必要があり、さらに、活性領域3
1の端部の中でも特に活性領域31の四隅にある湾曲部
においては、他の直線部分に比べてベース領域34の単
位領域あたり排出すべき正孔の数が曲率半径に応じた分
だけ多くなっている。そして、従来の構造においては、
図10並びに図11で示しているように、交互に形成さ
れている上層ベース電極44と上層エミッタ電極46と
の最外列には上層エミッタ電極46が形成されているた
め、排出すべき正孔の数が最も多い活性領域31の四隅
にある湾曲した端部においては、ベース領域34からベ
ースコンタクトホール38を介して下層ベース電極39
へと排出された正孔は、帯状の上層エミッタ電極46の
幅と同等の長い距離をしかるべき幅の下層ベース電極3
9を通って、上層ベース電極44へとつながるベース電
極間ホール43へと流れることから速やかに正孔を排出
できなかった。このことから、従来の構造においては、
活性領域31の四隅に位置するベース領域34周辺のコ
レクタ領域33に存在した正孔の排出が遅れ、活性領域
31の中央部に位置するベース領域34周辺のバイポー
ラトランジスタが遮断状態へと移行した後も導通状態が
維持されるため、L負荷で維持されていた電子電流が活
性領域31の四隅にある湾曲した端部周辺にあるバイポ
ーラトランジスタに集中しやすかった。つまり、活性領
域31に形成されたバイポーラトランジスタ等の半導体
装置が破壊せずに使用できる使用限界範囲を向上しよう
にも電極構造上限界があった。このことから、本発明は
上記のような問題点に着目し、ターンオフの際に活性領
域の四隅の湾曲した端部周辺にあるバイポーラトランジ
スタに電流集中が起こりにくく、活性領域に形成された
バイポーラトランジスタ等の半導体装置の使用限界範囲
を向上できる二層電極構造を有する半導体装置の電極構
造を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求項の範囲に記載するよう
な構成をとる。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、バイポーラトランジスタなど電流制御型の半導体
装置を有する半導体チップの一主面に、ベース領域およ
びエミッタ領域が形成された活性領域と、前記活性領域
を囲むように環状に形成された周辺領域とを有し、前記
ベース領域および前記エミッタ領域の前記主面を覆うよ
うに第一の絶縁膜を有し、前記第一の絶縁膜に穿たれた
ベースコンタクトホールを通して前記ベース領域と接す
る下層ベース電極と、前記第一の絶縁膜に穿たれたエミ
ッタコンタクトホールを通して前記エミッタ領域と接す
る下層エミッタ電極とを有し、前記下層ベース電極と前
記下層エミッタ電極はそれぞれ帯状を成して並んでお
り、前記下層ベース電極と前記下層エミッタ電極とを覆
うように第二の絶縁膜を有し、前記第二の絶縁膜に穿た
れたベース電極間ホールを通して前記下層ベース電極と
接し、かつ、前記下層エミッタ電極とは前記第二の絶縁
膜で絶縁されている上層ベース電極を有し、前記第二の
絶縁膜に穿たれたエミッタ電極間ホールを通して前記下
層エミッタ電極と接し、かつ、前記下層ベース電極とは
第二の絶縁膜で絶縁されている上層エミッタ電極を有す
る電極構造において、少なくとも前記活性領域の外周部
が湾曲もしくは角張っている部分に、前記周辺領域に隣
接して前記ベースコンタクトホールと前記ベース電極間
ホールを有する。このような構成による作用について説
明する。前記上層エミッタ電極を接地し、前記コレクタ
領域に例えばL負荷を介してしかるべき正電位を印加し
た状態で、前記上層ベース電極に例えば+0.7V以上
の正電位を印加すると、前記活性領域に形成されている
半導体装置は導通状態となる。導通状態においては、前
記ベース領域から前記コレクタ領域に少数キャリアが注
入されており、前記エミッタ領域と前記コレクタ領域間
において多数キャリアによる電流が流れる。このとき、
前記活性領域においては、前記エミッタ領域と前記コレ
クタ領域間で多数キャリアによる電流が低抵抗で、かつ
効率よく流れるように、前記ベース領域と前記エミッタ
領域は、所定の間隔で形成されている。つまり、前記ベ
ース領域の単位領域が受け持つ少数キャリアの注入範
囲、すなわち隣接する前記ベース領域と前記エミッタ領
域間の距離は少なくとも少数キャリアの拡散長よりも小
さい。これに対して、前記活性領域の外周に沿って形成
されている前記活性領域端部の前記ベース領域からは、
隣接する前記周辺領域が形成されている前記コレクタ領
域にも、少数キャリアがおよそ拡散長の範囲まで所定の
濃度分布で存在している。この導通状態からターンオフ
するべく、前記ベース領域に接地(0V)もしくは負電
位を印加すると、前記コレクタ領域内にあった過剰な少
数キャリアは前記ベース領域へと流れ込み、前記下層ベ
ース電極、前記上層ベース電極そして前記上層ベース電
極へと排出され、少数キャリアの濃度は前記ベース領域
近傍から順々に減少していく。このとき、前記活性領域
の外周に沿って形成されている前記活性領域端部の前記
ベース領域においては、前記活性領域の中央部に位置す
る前記エミッタ領域に挟まれた前記ベース領域よりも排
出すべき少数キャリアの数が多く、さらに、前記活性領
域の端部のうち湾曲した外周においては、他の部分に比
べて、前記ベース領域の単位領域あたりに流れ込む少数
キャリアの数が曲率半径に応じて多く存在している。し
かし、前記活性領域の端部のうち湾曲した外周において
は、前記ベース領域および前記ベースコンタクトホール
と前記ベース電極間ホールを有しているため、少数キャ
リアは前記ベース領域から前記ベースコンタクトホール
及び前記ベース電極間ホールを介して、前記上層ベース
電極へと速やかに排出される。また、前記コレクタ領域
を接地し、前記上層エミッタ電極に例えばL負荷を介し
てしかるべき正電位を印加した状態で、前記上層ベース
電極に例えば+0.7V以上の正電位を印加した場合、
つまり、前記活性領域に形成されている半導体装置にと
っては逆方向に導通した状態においても、同様の動作を
する。つまり、逆導通状態においては、前記ベース領域
と前記コレクタ領域により形成されるダイオード構造が
オンするため、前記活性領域端部にある前記ベース領域
から注入される少数キャリアは、上記順方向導通時の拡
散長程度の範囲しか広がっていなかった場合に比べて、
前記周辺領域にさらに広がっている。この逆導通状態か
らターンオフするべく、前記ベース領域に接地(0V)
もしくは負電位を印加すると、前記コレクタ領域内にあ
った過剰な少数キャリアは前記ベース領域へと流れ込
み、前記下層ベース電極、前記上層ベース電極へと排出
される。この場合においても、最も多くの少数キャリア
が存在する前記活性領域の湾曲部における少数キャリア
は前記ベース領域から前記ベースコンタクトホール及び
前記ベース電極間ホールを介して、前記上層ベース電極
へと速やかに排出される。
【0006】次に、請求項2に記載の発明においては、
前記請求項1に記載の半導体装置の電極構造において、
前記周辺領域に隣接する前記ベースコンタクトホールの
直上に前記ベース電極間ホールが形成されている。この
ような構成による作用について説明する。前記ベース電
極間ホールが前記ベースコンタクトホールの真上に形成
されているため、前記活性領域の湾曲部における少数キ
ャリアは前記ベース領域から、さらに低い抵抗で速やか
に排出される。次に、請求項3に記載の発明において
は、前記請求項1又は2に記載の半導体装置の電極構造
において、前記活性領域上において、前記上層ベース電
極並びに前記上層エミッタ電極は、前記下層ベース電極
並びに前記下層エミッタ電極と交差するように、それぞ
れ帯状を成して並んでおり、さらに、前記上層ベース電
極が交互に並んだ最外列に位置する。このような構成に
より、前記上層ベース電極と前記エミッタ電極の構造が
具体化され、容易に実現することができる。次に、請求
項4に記載の発明においては、前記請求項3に記載の半
導体装置の電極構造において、前記活性領域の外周部に
隣接するように前記ベース領域と前記ベースコンタクト
ホールと前記ベース電極間ホールを有し、前記上層エミ
ッタ電極を取り囲むように前記上層ベース電極がつなが
っている。このような構成による作用について説明す
る。前記半導体装置が順方向並びに逆方向に導通してい
る状態からターンオフした場合に、前記活性領域の湾曲
部だけではなく、全ての前記周辺領域に存在していた少
数キャリアが、低抵抗で速やかに前記上層ベース電極へ
と排出される。次に、請求項5に記載の発明において
は、前記請求項3又は4に記載の半導体装置の電極構造
において、前記最外部に位置する前記上層ベース電極の
帯の幅が、前記上層エミッタ電極に挟まれるように位置
する前記上層ベース電極の帯の幅より狭い。このような
構成による作用について説明する。最外列に位置する前
記上層ベース電極端部の周辺に位置する半導体装置にお
いても、前記活性領域の中央部に位置する半導体装置に
おける前記ベース領域と前記エミッタ領域間の配線抵抗
の差が小さくなり、前記活性領域部分での電流の偏りが
低減される。さらに、最外列の前記上層ベース電極の幅
が狭くなった分、前記上層エミッタ電極の占める割合が
増加する。次に、請求項6に記載の発明においては、前
記請求項3又は4に記載の半導体装置の電極構造におい
て、前記最外部に位置する前記上層ベース電極の帯の幅
が、前記上層エミッタ電極に挟まれるように位置する前
記上層ベース電極の帯の1/2程度の幅となる。このよ
うな構成による作用について説明する。最外列に位置す
る前記上層ベース電極端部の周辺に位置する半導体装置
においても、前記活性領域の中央部に位置する半導体装
置における前記ベース領域と前記エミッタ領域間の配線
抵抗がほぼ同等となり、前記活性領域部分での電流の偏
りがさらに低減される。また、最外列の前記上層ベース
電極の幅が1/2になった分、前記上層エミッタ電極の
占める割合がさらに増加する。次に、請求項7に記載の
発明においては、前記請求項1乃至6のいずれかに記載
の半導体装置の電極構造において、前記半導体装置が、
コレクタ領域である一導電型の半導体基体の一主面に、
互いに平行に配置された溝を複数有し、前記溝に挟まれ
た前記主面に、同一導電型の前記エミッタ領域を有し、
前記溝の内部には、第三の絶縁膜によって前記コレクタ
領域とは絶縁され、かつ、前記エミッタ領域と同電位に
保たれた固定電位絶縁電極を有し、前記固定電位絶縁電
極は、前記第三の絶縁膜を介して隣接する前記コレクタ
領域に空乏領域を形成するような仕事関数の導電性材料
から成り、前記エミッタ領域に接する前記コレクタ領域
の一部であって、前記固定電位絶縁電極によって挟み込
まれたチャネル領域を有し、前記チャネル領域には前記
固定電位絶縁電極の周囲に形成された前記空乏領域によ
って多数キャリアの移動を阻止するポテンシャル障壁が
形成されていて、前記固定電位絶縁電極を取り囲む前記
第三の絶縁膜の界面に少数キャリアを導入して反転層を
形成し、前記固定電位絶縁電極から前記コレクタ領域へ
の電界を遮蔽して前記チャネル領域に形成されたポテン
シャル障壁を減少もしくは消滅させてチャネルを開くべ
く、前記主面並びに前記第三の絶縁膜並びに前記コレク
タ領域に接して、前記エミッタ領域には接しない、反対
導電型のベース領域を有する構成をしている。このよう
な構成による作用について説明する。上記の構成の半導
体装置は、順方向並びに逆方向のターンオフの際に、前
記活性領域中の前記少数キャリアは低抵抗の前記固定電
位絶縁電極界面の前記反転層を通って排出されるため、
高速でターンオフする。このような高速スイッチング素
子が前記活性領域に形成されていることにより、前記周
辺領域の前記コレクタ領域から低抵抗で前記少数キャリ
アを排出する効果が最大限に発揮される。
【0007】
【発明の効果】以上説明したように、前記請求項1によ
れば、前記活性領域の湾曲部に位置する前記ベース領域
周辺の前記コレクタ領域に存在した少数キャリアの排出
が速やかに行われ、この周辺にある半導体装置の遮断遅
れが緩和され電流集中が起きにくいため、半導体装置の
使用限界範囲、つまり半導体装置を破壊せずに使用でき
る範囲が向上する。また、前記請求項2によれば、前記
請求項1の効果に加えて、前記ベース領域と前記上層ベ
ース電極間の抵抗が小さくなるため、湾曲部周辺の半導
体装置の遮断遅れがさらに緩和され、さらに電流集中が
起きにくくなる。また、前記請求項3によれば、前記請
求項1並びに前記請求項2の効果に加えて、容易に実現
することができる。また、前記請求項4によれば、前記
請求項3の効果に加えて、前記活性領域の湾曲部だけで
はなく、全ての前記周辺領域に隣接している半導体装置
の遮断遅れがさらに緩和され、さらに電流集中が起きに
くくなる。また、前記請求項5によれば、前記請求項3
並びに前記請求項4の効果に加えて、前記活性領域部分
での半導体装置の遮断ばらつきが緩和され、電流集中が
起きにくくなる。また、前記上層エミッタ電極の占める
割合が増加する分、外部電極との接続用の金属ワイヤ等
を数多く実装することができる。また、前記請求項6に
よれば、前記請求項3並びに前記請求項4の効果に加え
て、前記活性領域部分での半導体装置の遮断ばらづきが
さらに緩和され、さらに電流集中が起きにくくなる。ま
た、前記上層エミッタ電極の占める割合が増加する分、
外部電極との接続用の金属ワイヤ等をさらに数多く実装
することができる。また、前記請求項7によれば、半導
体装置が高速スイッチ可能な構成をしているため、前記
請求項1乃至前記請求項6の効果を最大限発揮すること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】第一の実施の形態 本発明の第一の実施の形態においては、例えばシリコン
からなるバイポーラトランジスタなど電流制御型の半導
体装置を有する半導体チップにおける電極構造につい
て、図1〜図5を用いて説明する。図1は半導体チップ
の断面図、図2は図1の断面構造を有するチップ表面図
の一例である。すなわち図2中のA−A'間に沿った断
面図が図1となる。また、図3は図2中の枠Bに囲まれ
た部分の詳細な表面図、図4は図3中のC−C'間に沿
った断面図、図5は図3中のD−D'間に沿った断面図
を示している。図1中、番号1は破線Zより左側の領域
を示す活性領域、2は破線Zより右側の領域を示す周辺
領域である。活性領域1には、電流制御型の半導体装置
が形成されており、本実施の形態においては、一例とし
てバイポーラトランジスタを示している。番号3はn型
のコレクタ領域、4はp型のベース領域、5はn型のエ
ミッタ領域である。本実施の形態においては、図1に示
すとおり、活性領域1に複数のバイポーラトランジスタ
セルが形成されている場合を例示している。また、図2
に示すように、周辺領域2は活性領域1の周りを囲むよ
うに環状に形成されており、図1に示すように、本実施
の形態においては周辺領域2にp型のガードリング構造
6を有する場合を例示している。周辺領域2は活性領域
1を囲んでいれば、ガードリング構造6が無くてもかま
わないし、別の構造があってもかまわない。また、図1
並びに図2ではガードリング構造6が3本の場合を示し
ているが、ガードリング構造6の本数は何本でもかまわ
ない。図1中、ベース領域4およびエミッタ領域5を覆
うようにして第一の絶縁膜7が形成されており、図1並
びに図4に示すように、ベース領域4は第一の絶縁膜7
に穿たれたベースコンタクトホール8を介して下層ベー
ス電極9とオーミックコンタクトしている。同様に、エ
ミッタ領域5は第一の絶縁膜7に穿たれたエミッタコン
タクトホール10を介して下層エミッタ電極11とオー
ミックコンタクトしている。図3中の破線で示すよう
に、下層ベース電極9と下層エミッタ電極11は帯状
で、それぞれ接しないようにストライプ状に形成されて
いる。本実施の形態においては、下層ベース電極9と下
層エミッタ電極11の幅がほぼ等しく描かれているが、
どちらかが大きくてもかまわない。つまり、下層ベース
電極9および下層エミッタ電極11の幅、厚み及びピッ
チ等は下地に形成されている半導体装置(ここではバイ
ポーラトランジスタ)の単位セルサイズや電流定格によ
って決められる。また、図1、図4および図5に示すよ
うに、下層ベース電極9および下層エミッタ電極11を
覆うようにして第二の絶縁膜12が形成されており、図
1並びに図4に示すように、下層ベース電極9は第二の
絶縁膜12に穿たれたベース電極間ホール13を介して
上層ベース電極14とコンタクトしている。同様に、図
5に示すように、下層エミッタ電極11は第二の絶縁膜
12に穿たれたエミッタ電極間ホール15を介して上層
エミッタ電極16とコンタクトしている。図3中に示す
ように、上層ベース電極14と上層エミッタ電極16は
帯状で、それぞれ接しないようにストライプ状に形成さ
れており、下層ベース電極9並びに下層エミッタ電極1
1とは交差するように形成されている。本実施の形態に
おいては、上層ベース電極14並びに上層エミッタ電極
16は、下層ベース電極9並びに下層エミッタ電極11
と直交するように例示しているが、斜めに交差していて
もかまわない。また、上層ベース電極14および上層エ
ミッタ電極16の幅は、例えば金属ワイヤなどで外部端
子と接続できるようにするため、金属ワイヤ等のサイズ
やその実装治具の形状等で最小幅が制限されているが、
上層ベース電極14および上層エミッタ電極16の幅は
どちらかが大きくてもまた同等でもかまわない。なお、
下層ベース電極9、下層エミッタ電極11、上層ベース
電極14、上層エミッタ電極16の各電極は例えばアル
ミなどの金属から成っている。さらに、図2に示すよう
に、本実施の形態においては、交互に形成された上層ベ
ース電極14と上層エミッタ電極16の最外列が上層ベ
ース電極14となるように形成し、活性領域1の外周の
うち湾曲部となる四隅に隣接するように上層ベース電極
14が配置されている。そして、図1に示すように、周
辺領域2に隣接する活性領域1湾曲部のベース領域4に
おいて、ベースコンタクトホール8、下層ベース電極9
およびベース電極間ホール13を介して上層ベース電極
14とつながっている。本実施の形態においては、ベー
ス電極間ホール13がベースコンタクトホール8の真上
に形成された場合を例示しているが、近傍に形成されて
いれば真上でなくてもかまわない。
【0009】すなわち、本実施の形態においては、バイ
ポーラトランジスタなど電流制御型の半導体装置を有す
る半導体チップの一主面に、ベース領域4およびエミッ
タ領域5が形成された活性領域1と、活性領域1を囲む
ように環状に形成された周辺領域2とを有し、ベース領
域4およびエミッタ領域5の前記主面を覆うように第一
の絶縁膜7を有し、第一の絶縁膜7に穿たれたベースコ
ンタクトホール8を通してベース領域4と接する下層ベ
ース電極9と、第一の絶縁膜7に穿たれたエミッタコン
タクトホール10を通してエミッタ領域5と接する下層
エミッタ電極11とを有し、下層ベース電極9と下層エ
ミッタ電極11はそれぞれ帯状を成して並んでおり、下
層ベース電極9と下層エミッタ電極11とを覆うように
第二の絶縁膜12を有し、第二の絶縁膜12に穿たれた
ベース電極間ホール13を通して下層ベース電極9と接
し、かつ、下層エミッタ電極11とは第二の絶縁膜12
で絶縁されている上層ベース電極14を有し、第二の絶
縁膜12に穿たれたエミッタ電極間ホール15を通して
下層エミッタ電極11と接し、かつ、下層ベース電極9
とは第二の絶縁膜12で絶縁されている上層エミッタ電
極16を有する電極構造において、少なくとも活性領域
1の外周部が湾曲もしくは角張っている部分に、周辺領
域2に隣接してベースコンタクトホール8とベース電極
間ホール13を有する。次に動作を説明する。例えば金
属ワイヤで外部電極と接続された上層エミッタ電極16
を接地し、コレクタ領域3に形成されたコレクタ電極に
例えばL負荷を介してしかるべき正電位を印加した状態
で、やはり金属ワイヤで別の外部電極と接続された上層
ベース電極14に例えば+0.7V以上の正電位を印加
すると、活性領域1に形成されているバイポーラトラン
ジスタは導通状態となる。導通状態においては、ベース
領域4からコレクタ領域3に正孔が注入されており、エ
ミッタ領域5とコレクタ領域3間において電子電流が流
れる。このとき、活性領域1端部においては、ベース領
域4が最外となるため、周辺領域2中のコレクタ領域3
には、対面する活性領域1端部のベース領域4から注入
された正孔が拡散長程度の距離まで存在している。この
導通状態からターンオフするべく、ベース領域4に接地
(0V)もしくは負電位を印加すると、コレクタ領域3
内にあった過剰な正孔はベース領域4へと流れ込み、下
層ベース電極9、上層ベース電極14そして上層ベース
電極14上に接続された金属ワイヤ(図示せず)を介し
て外部電極へと排出され、コレクタ領域3中の正孔濃度
はベース領域4近傍から順々に減少していく。このと
き、活性領域1の外周に沿って形成されている活性領域
1端部のベース領域4においては、上記のとおり広範囲
に数多く正孔が注入されているため、活性領域1の中央
部に位置するエミッタ領域5に挟まれたベース領域4よ
りも正孔を多く排出する必要があり、さらに、活性領域
1端部の中でも特に活性領域1の四隅にある湾曲部にお
いては、他の直線部分に比べてベース領域4の単位領域
あたり排出すべき正孔の数が曲率半径に応じた分だけ多
くなっている。そして、従来の構造においては、図10
並びに図11で示しているように、交互に形成されてい
る上層ベース電極44と上層エミッタ電極46との最外
列には上層エミッタ電極46が形成されているため、排
出すべき正孔の数が最も多い活性領域31の四隅の湾曲
部においては、ベース領域34からベースコンタクトホ
ール38を介して下層ベース電極39へと排出された正
孔は、帯状の上層エミッタ電極46の幅と同等の長い距
離をしかるべき幅の下層ベース電極39を通って、上層
ベース電極44へとつながるベース電極間ホール43へ
と流れる。このことから、従来の構造においては、活性
領域31の四隅に位置するベース領域34周辺のコレク
タ領域33に存在した正孔の排出が他の領域に比べ遅れ
るため、活性領域31の中央部に位置するベース領域3
4周辺のバイポーラトランジスタが遮断状態へと移行し
た後も導通状態が維持されるため、L負荷で維持されて
いた電子電流が活性領域31の四隅にある湾曲した端部
付近にあるバイポーラトランジスタに集中していた。こ
れに対し、本実施の形態においては、図1並びに図2で
示しているように、交互に形成されている上層ベース電
極14と上層エミッタ電極16との最外列には上層ベー
ス電極14が形成されている。よって、排出すべき正孔
の数が最も多い活性領域1の四隅の湾曲した端部におい
ては、従来構造に比べ速やかに正孔を排出できる。つま
り、ベース領域4からベースコンタクトホール8を介し
て下層ベース電極9へと排出された正孔は、そのベース
コンタクトホール8に隣接するように形成されたベース
電極間ホール13を通って上層ベース電極14へ流れる
からである。また、図1のように、ベース電極間ホール
13がベースコンタクトホール8の真上に形成されてい
れば、さらに低い抵抗で正孔を排出することが可能にな
る。このことから、本実施の形態においては、活性領域
1の湾曲部に隣接したコレクタ領域3中の正孔の排出
が、従来の構造に比べ速やかに行われるため、この周辺
にあるバイポーラトランジスタの遮断遅れが緩和され電
流集中が起きにくくなっている。また、コレクタ領域3
に形成されたコレクタ電極を接地し、上層エミッタ電極
16に例えばL負荷を介してしかるべき正電位を印加し
た状態で、上層ベース電極14に例えば+0.7V以上
の正電位を印加した場合、すなわち、活性領域1に形成
されているバイポーラトランジスタにとっては逆方向に
導通した状態において、さらに顕著な効果を発揮する。
つまり、逆導通状態においては、p型のベース領域4と
n型のコレクタ領域3とのpnダイオードがオンするた
め、活性領域1端部のベース領域4から注入される正孔
は、上記順方向導通時の拡散長程度の距離以上に周辺領
域2により広がるからである。この場合においても、逆
導通状態からターンオフするべくベース領域4に接地
(0V)もしくは負電位を印加すると、活性領域1並び
に周辺領域2のコレクタ領域3内にあった過剰な正孔は
上層ベース電極14へと排出されるが、最も多く正孔が
存在する活性領域1端部の湾曲部において、ベース領域
4から外部電極が接続されている上層ベース電極14ま
での経路が従来に比べて短く、かつ低抵抗であるため、
この周辺に形成されているバイポーラトランジスタのタ
ーンオフ遅れが生じにくく、電流の集中が起こりにく
い。このことから、本実施の形態にすることによって、
順方向並びに逆方向導通時ともに、活性領域1の湾曲部
に形成される半導体装置への電流集中が起こりにくいた
め、半導体装置の使用限界範囲、つまり半導体装置を破
壊せずに使用できる範囲を従来以上に向上できる。 第二の実施の形態 次に、図6を用いて、第二の実施の形態を説明する。図
6は図2に対応する表面図であり、第一の実施の形態と
比べ、帯状の上層ベース電極14の各端部がつながるよ
うに形成されており、上層エミッタ電極16を取り囲ん
でいる。そして、活性領域1の湾曲した端部だけではな
く、直線部を含めた全ての端部において、ベース領域4
の真上に、上層ベース電極14が形成されている。つま
り、活性領域1に形成されているバイポーラトランジス
タが順方向並びに逆方向に導通している状態からターン
オフした場合に、湾曲部だけでなく全ての周辺領域2に
存在していた正孔は、低抵抗で速やかに上層ベース電極
14へと排出されるため、活性領域1端部周辺に形成さ
れていたバイポーラトランジスタの遮断遅れは緩和さ
れ、さらに電流の集中が起こりにくくなる。
【0010】第三の実施の形態 次に、図7を用いて、第三の実施の形態を説明する。図
7は図2に対応する表面図であり、第一の実施の形態と
比べ、最外列に位置する上層ベース電極14の幅が上層
エミッタ電極16に挟まれている上層ベース電極14の
幅より狭い形状となっており、本実施の形態においては
1/2の幅の場合を例示している。上層エミッタ電極1
6で挟まれている上層ベース電極14においては、帯状
となっている幅の半分ずつがそれぞれ隣接する片方のエ
ミッタ電極16と、対を成して動作しているため、それ
と同様、最外列に位置する上層ベース電極の幅も片側の
み隣接するエミッタ電極14に対応した幅としている。
このような構成とすることで、最外列に位置する上層ベ
ース電極14端部の周辺に位置するバイポーラトランジ
スタにおいても、活性領域1の中央部に位置するバイポ
ーラトランジスタとベース領域4とエミッタ領域5間の
配線抵抗がほぼ同等となり、活性領域1部分での電流の
偏りが低減されるため、さらに電流の集中が起こりにく
くなる。さらに、最外列の上層ベース電極14の幅が狭
くなった分、上層エミッタ電極16の占める割合が増加
するため、上層エミッタ電極16上に形成される金属ワ
イヤをさらに増やすことができる。
【0011】第四の実施の形態 次に、図8並びに図9を用いて、第四の実施の形態を説
明する。図8は図1に対応する表面図であり、第一の実
施の形態と比べ活性領域1に形成されている半単体装置
を別の構造としている。図9は図8のI−I'間に沿っ
た断面図である。17はn型のコレクタ領域、18はn
型のエミツタ領域、19はMOS型電極、20は第三
の絶縁膜である。MOS型電極19は高濃度のp型ポ
リシリコンよりなる。下層エミッタ電極11は、エミッ
タ領域18とさらにMOS型電極19とオーミックコン
タクトしている。すなわち、MOS型電極19はエミッ
タ電位に固定されている。よって、このMOS型電極1
9と第三の絶縁膜20を合わせて固定電位絶縁電極21
と呼ぶ。この固定電位絶縁電極21の断面構造は図9に
示すように例えば「U」の字のように側壁がほぼ垂直な
溝の中に形成されている。また図中、エミッタ領域18
は第三の絶縁膜20に接しているように描いているが、
エミッタ領域18が固定電位絶縁電極21に挟み込まれ
るように配置されていれば接していなくてもよい。さら
に固定電位絶縁電極21の間に挟まれたコレクタ領域1
7をチャネル領域22と呼ぶ。さらに第三の絶縁膜20
に接してエミッタ領域18とは離れたところに、p型の
ベース領域23が存在する。下層ベース電極9はこのベ
ース領域23とオーミックコンタクトしている。本実施
の形態においては、半導体装置が、コレクタ領域17で
ある一導電型の半導体基体の一主面に、互いに平行に配
置された溝を複数有し、前記溝に挟まれた前記主面に、
同一導電型のエミッタ領域18を有し、前記溝の内部に
は、第三の絶縁膜20によってコレクタ領域17とは絶
縁され、かつ、エミッタ領域18と同電位に保たれた固
定電位絶縁電極21を有し、固定電位絶縁電極21は、
第三の絶縁膜20を介して隣接するコレクタ領域17に
空乏領域を形成するような仕事関数の導電性材料から成
り、エミッタ領域18に接するコレクタ領域17の一部
であって、固定電位絶縁電極21によって挟み込まれた
チャネル領域22を有し、チャネル領域22には固定電
位絶縁電極21の周囲に形成された前記空乏領域によっ
て多数キャリアの移動を阻止するポテンシャル障壁が形
成されていて、固定電位絶縁電極21を取り囲む第三の
絶縁膜20の界面に少数キャリアを導入して反転層を形
成し、固定電位絶縁電極21からコレクタ領域17への
電界を遮蔽してチャネル領域22に形成されたポテンシ
ャル障壁を減少もしくは消滅させてチャネルを開くべ
く、前記主面並びに第三の絶縁膜20並びにコレクタ領
域17に接して、エミッタ領域18には接しない、反対
導電型のベース領域23を有する構成をしている。
【0012】次に、動作を説明する。この素子において
も、例えば金属ワイヤで外部電極と接続された上層エミ
ッタ電極16を接地し、コレクタ領域17に形成された
コレクタ電極に例えばL負荷を介してしかるべき正電位
を印加して使用する。まず、上層ベース電極14が接地
されているとき、素子は遮断状態にある。つまり、固定
電位絶縁電極21の周囲にはMOS型電極19のビルト
イン電位に伴う空乏層が形成されているが、チャネル領
域22内で対向する2つの固定電位絶縁電極21間の距
離(以下、これをチャネル厚みと呼ぶことにする)が充
分狭ければ、チャネル領域22にはこの空乏領域によっ
て伝導電子に対する充分なポテンシャル障壁が形成さ
れ、狭ければ狭いほどその遮断性能は向上する。次に導
通状態であるが、上層ベース電極14の電位すなわちp
型ベース領域23の電位を例えば+0.5Vの正電位を
印加すると、正孔は上記とは逆にp型ベース領域23か
ら、第三の絶縁膜20の界面へと流れ込んで反転層を形
成し、ポテンシャル障壁を作っているMOS型電極19
からチャネル領域22への電気力線を遮蔽し、チャネル
領域22中の伝導電子に対するポテンシャル障壁を低下
させる。すなわち、コレクタ領域17とエミッタ領域1
8は導通状態となる。さらに、ベース電極の電位を上げ
ていくと、p型ベース領域23と周辺のn型領域からな
るpn接合が順バイアスされ、正孔は直接コレクタ領域
17並びにチャネル領域22へと注入される。すると、
素子耐圧を保つために不純物濃度を薄く、高抵抗に作ら
れていたこれらn型の領域は伝導度が高められ、コレク
タ電流の成分である電子流はエミッタ領域18から基板
領域へと低い抵抗で流れるようになる。次に、この素子
をターンオフさせるために、上層ベース電極14を接地
(0V)もしくは負電位にすると、コレクタ領域17並
びにチャネル領域22内にあった過剰な正孔はベース領
域23へと流れ込み、正孔濃度はベース領域近傍から順
々に減少していく。さらに、コレクタ領域2のうちベー
ス領域23から離れている部分にあった過剰な正孔も、
電位が低い表面のチャネル領域22へと移動し、低抵抗
の反転層を介してコレクタ領域17の正孔は速やかに枯
渇するため、この素子は高速で遮断する。このように活
性領域1にターンオフ速度の速い素子が形成されている
本実施の形態において、電流集中が起こりにくい上記の
ような電極構造にすることにより、半導体素子の使用範
囲を向上する効果が顕著に現れ、半導体装置の能力を最
大限引き出すことができる。
【0013】以上本発明を実施の形態に基づいて具体的
に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変
更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態の断面図
【図2】図1の断面構造を有する第一の実施の形態のチ
ップ表面図
【図3】図2の枠Bに囲まれた部分の詳細な表面図
【図4】図3のC−C'間に沿った断面図
【図5】図3のD−D'間に沿った断面図
【図6】本発明の第二の実施の形態のチップ表面図
【図7】本発明の第三の実施の形態のチップ表面図
【図8】本発明の第四の実施の形態の断面図
【図9】本発明の第四の実施の形態の別の断面図
【図10】本発明の従来例の断面図
【図11】図8の断面構造を有する従来例のチップ表面
【図12】図9の枠Fに囲まれた部分の詳細な従来例の
表面図
【図13】図10のG−G'間に沿った従来例の断面図
【図14】図10のH−H'間に沿った従来例の断面図
【符号の説明】 1…活性領域 2…周辺領域 3…コレクタ領域 4…ベース領域 5…エミッタ領域 6…ガードリング構造 7…第一の絶縁膜 8…ベースコンタクトホール 9…下層ベース電極 10…エミッタコンタクトホール 11…下層エミッタ電極 12…第二の絶縁膜 13…ベース電極間ホール 14…上層ベース電極 15…エミッタ電極間ホール 16…上層エミッタ電極 17…コレクタ領域 18…エミッタ領域 19…MOS型電極 20…第三の絶縁膜 21…固定電位絶縁電極 22…チャネル領域 23…ベース領域 31…活性領域 32…周辺領域 33…コレクタ領域 34…ベース領域 35…エミッタ領域 36…ガードリング構造 37…第一の絶縁膜 38…ベースコンタクトホール 39…下層ベース電極 40…エミッタコンタクトホール 41…下層エミッタ電極 42…第二の絶縁膜 43…ベース電極間ホール 44…上層ベース電極 45…エミッタ電極間ホール 46…上層エミッタ電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電流制御型の半導体装置を有する半導体基
    体の一主面に、ベース領域およびエミッタ領域が形成さ
    れた活性領域と、前記活性領域を囲むように環状に形成
    された周辺領域とを有し、 前記ベース領域および前記エミッタ領域の前記主面を覆
    うように第一の絶縁膜を有し、 前記第一の絶縁膜に穿たれたベースコンタクトホールを
    通して前記ベース領域と接する下層ベース電極と、前記
    第一の絶縁膜に穿たれたエミッタコンタクトホールを通
    して前記エミッタ領域と接する下層エミッタ電極とを有
    し、 前記下層ベース電極と前記下層エミッタ電極はそれぞれ
    帯状を成して並んでおり、 前記下層ベース電極と前記下層エミッタ電極とを覆うよ
    うに第二の絶縁膜を有し、 前記第二の絶縁膜に穿たれたベース電極間ホールを通し
    て前記下層ベース電極と接し、かつ、前記下層エミッタ
    電極とは前記第二の絶縁膜で絶縁されている上層ベース
    電極を有し、 前記第二の絶縁膜に穿たれたエミッタ電極間ホールを通
    して前記下層エミッタ電極と接し、かつ、前記下層ベー
    ス電極とは前記第二の絶縁膜で絶縁されている上層エミ
    ッタ電極を有する電極構造において、 少なくとも前記活性領域の外周が湾曲もしくは角張って
    いる部分に、前記周辺領域に隣接して前記ベースコンタ
    クトホールと前記ベース電極間ホールを有することを特
    徴とする半導体装置の電極構造。
  2. 【請求項2】前記周辺領域に隣接する前記ベースコンタ
    クトホールの直上に前記ベース電極間ホールが形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の電
    極構造。
  3. 【請求項3】前記活性領域上において、前記上層ベース
    電極並びに前記上層エミッタ電極は、前記下層ベース電
    極並びに前記下層エミッタ電極と交差するように、それ
    ぞれ帯状を成して並んでおり、さらに、前記上層ベース
    電極が交互に並んだ最外列に位置することを特徴とする
    請求項1又は2記載の半導体装置の電極構造。
  4. 【請求項4】前記活性領域の外周部に前記ベース領域と
    前記ベースコンタクトホールと前記ベース電極間ホール
    を有し、前記上層エミッタ電極を取り囲むように前記上
    層ベース電極がつながっていることを特徴とする請求項
    3記載の半導体装置の電極構造。
  5. 【請求項5】前記最外列に位置する前記上層ベース電極
    の帯の幅が、前記上層エミッタ電極に挟まれるように位
    置する前記上層ベース電極の帯の幅より狭いことを特徴
    とする請求項3又は4記載の半導体装置の電極構造。
  6. 【請求項6】前記最外列に位置する前記上層ベース電極
    の帯の幅が、前記上層エミッタ電極に挟まれるように位
    置する前記上層ベース電極の帯の1/2程度の幅となる
    ことを特徴とする請求項3又は4記載の半導体装置の電
    極構造。
  7. 【請求項7】前記半導体装置が、コレクタ領域である一
    導電型の前記半導体基体の前記一主面に、互いに平行に
    配置された溝を複数有し、 前記溝に挟まれた前記主面に、同一導電型の前記エミッ
    タ領域を有し、 前記溝の内部には、第三の絶縁膜によって前記コレクタ
    領域とは絶縁され、かつ、前記エミッタ領域と同電位に
    保たれた固定電位絶縁電極を有し、 前記固定電位絶縁電極は、前記第三の絶縁膜を介して隣
    接する前記コレクタ領域に空乏領域を形成するような仕
    事関数の導電性材料から成り、 前記エミッタ領域に接する前記コレクタ領域の一部であ
    って、前記固定電位絶縁電極によって挟み込まれたチャ
    ネル領域を有し、 前記チャネル領域には前記固定電位絶縁電極の周囲に形
    成された前記空乏領域によって多数キャリアの移動を阻
    止するポテンシャル障壁が形成されていて、 前記固定電位絶縁電極を取り囲む前記第三の絶縁膜の界
    面に少数キャリアを導入して反転層を形成し、 前記固定電位絶縁電極から前記コレクタ領域への電界を
    遮蔽して前記チャネル領域に形成されたポテンシャル障
    壁を減少もしくは消滅させてチャネルを開くべく、前記
    主面並びに前記第三の絶縁膜並びに前記コレクタ領域に
    接して、前記エミッタ領域には接しない、反対導電型の
    前記ベース領域を有した構成であることを特徴とする請
    求項1、2、3、4、5又は6記載の半導体装置の電極
    構造。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103077966A (zh) * 2011-10-26 2013-05-01 索尼公司 半导体器件

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CN103077966A (zh) * 2011-10-26 2013-05-01 索尼公司 半导体器件

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