JP2023050511A - 医療用部材および医療用部材の使用方法 - Google Patents

医療用部材および医療用部材の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シート状の医療用部材に対するステープラーのカッターによる打ち抜きを行いやすくする。【解決手段】本発明に係る医療用部材100は、複数の貫通孔11が形成され、吻合対象となる生体器官の動きに追従可能なシート状の本体部10と、長尺状の線状部材41を含み、牽引によって本体部の面方向YZにおける張力を増加可能な牽引部40と、牽引部に係る線状部材を巻き付ける筒状部材を含み、筒状部材に線状部材を巻き付けることによって張力を調整可能な牽引固定部50と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、医療用部材および医療用部材の使用方法に関する。
医療分野において生体器官を外科的手術により接合する手技(例えば消化管の吻合術)が知られている。上記のような手技が行われた場合、生体器官同士が接合された接合部における癒合の遅延が生じないことが術後の予後決定因子として重要であることが知られている。
生体器官を吻合する手技では種々の方法や医療器具が用いられるが、例えば生分解性の縫合糸により生体器官を縫合する方法や、ステープラーによる吻合を行う機械式の吻合装置を利用する方法が提案されている。特に、機械式の吻合装置を利用して吻合術を行う場合、縫合糸を用いた方法と比較して接合部における生体器官同士の接合力を高めることができるため、縫合不全のリスクを低減させることが可能になる。
しかしながら、吻合部における癒合の進行の程度は、患者の吻合対象部位における生体組織の状態等にも依存する。そのため、例えば、特許文献1に記載されているような吻合装置を使用した場合においても、患者の生体組織の状態如何によっては縫合不全のリスクを十分に低減させることができない可能性もある。
上記のような場合に対応するために、生体器官を接合する吻合術において、下記特許文献2に記載された医療用部材の使用が提案されている。
特許文献2に記載された医療用部材は、貫通孔が形成されたシート状の部材で構成されている。上記医療用部材は、吻合対象となる生体器官の間に挟まれた状態で留置されると、生体成分を貫通孔に集積させることによって吻合部の癒合を促進する。
特表2007-505708号公報 国際公開第2019/156230号
上述した医療用部材を使用した手技では、ステープラーが放出するステープルによって吻合対象部位を医療用部材とともに吻合するだけでなく、医療用部材の吻合に必要ない部位をステープラーのカッターによって打ち抜く場合がある。ここで、上述したシート状の医療用部材は、ステープラーのカッターを押し当てて打ち抜く操作を行う際の打ち抜き易さについては改善の余地がある。
そこで本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、シート状の医療用部材に対するステープラーのカッターによる打ち抜きを行いやすくすることを目的とする。
本発明の一態様は、本体部と、牽引部と、牽引固定部と、を備える医療用部材である。本体部は、複数の貫通孔が形成され、吻合対象となる生体器官の動きに追従可能なシート状に構成している。牽引部は、長尺状の線状部材を含み、牽引によって本体部の面方向における張力を増加可能に構成している。牽引固定部は、牽引部に係る線状部材を巻き付ける筒状部材を含み、筒状部材に線状部材を巻き付けることによって張力を調整可能に構成している。
また、本発明の一態様は、上記医療用部材の使用方法を含む。上記使用方法では、第1係合器具と第2係合器具とを備える医療デバイスを準備する。第1係合器具は、医療用部材の本体部の一方の側に配置可能であって、生体器官を接合する接合部材を放出可能な放出部と、放出部よりも径方向内方に設けられる第1シャフトとを備える。第2係合器具は、本体部の他方の側に配置可能であって、第1シャフトと係合可能な第2シャフトを備え、第1係合器具とともに本体部を挟持する。当該使用方法では本体部の略中央部に第2係合器具の第2シャフトを挿通させる。そして、牽引部に係る線状部材を牽引固定部に係る筒状部材の外周に巻き付けて張力を調整し、吻合対象となる生体器官の間に本体部を挟み込んだ状態で生体器官の吻合を行う。線状部材による張力の調整は、本体部を第2シャフトに挿通させた後、または本体部を第2シャフトに挿通させる前に行われる。
本発明の一態様に係る医療用部材および医療用部材の使用方法によれば、シート状の医療用部材に対するステープラーのカッターによる打ち抜きを行い易くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る医療用部材の吻合に用いられるステープラーを示す概略図である。 図1に係るステープラーを構成する第1係合器具の先端部と第2係合器具を示す図である。 第1実施形態に係る医療用部材を示す図である。 図3の医療用部材を示す平面図である。 医療用部材の本体部の貫通孔を示す図である。 第1実施形態に係る医療用部材の使用方法について示すフローチャートである。 医療用部材の使用例(大腸吻合術)を示すフローチャートである。 ステープラーの第1係合器具の位置決め部のシャフトと第2係合器具のシャフトを係合させる際を示す図である。 第1係合器具と第2係合器具によって医療用部材を生体器官とともに挟み込んだ状態を示す図である。 生体器官を吻合する様子を示す図である。 第1実施形態の変形例1に係る医療用部材を示す図である。 変形例1に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例2に係る医療用部材を示す図である。 変形例2に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例3に係る医療用部材を示す図である。 変形例3に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例4に係る医療用部材を示す図である。 変形例4に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例5に係る医療用部材を示す図である。 変形例5に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例6に係る医療用部材を示す図である。 変形例6に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例7に係る医療用部材を示す図である。 変形例7に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。 第1実施形態の変形例8に係る医療用部材の牽引固定部を示す斜視図である。 変形例8に係る医療用部材の牽引固定部を示す平面図である。 第1実施形態の変形例9に係る医療用部材の牽引固定部を示す平面図である。 第1実施形態の変形例10に係る医療用部材の牽引固定部を示す平面図である。 第1実施形態の変形例11に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例12に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例13に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例14に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例15に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例16に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例17に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例18に係る医療用部材であって、牽引部の変形例を示す図である。 第1実施形態に係る医療用部材の牽引部に係る線状部材の本体部に対する縫い付けのピッチについて示す図である。 第1実施形態の変形例19に係る医療用部材であって、牽引部に係る線状部材の本体部に対する縫い付けのピッチについて示す図である。 第1実施形態の変形例20に係る医療用部材であって、牽引部に係る線状部材の本体部に対する縫い付けのピッチについて示す図である。 第1実施形態の変形例21に係る医療用部材であって、牽引部に係る線状部材の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例22に係る医療用部材であって、牽引部に係る線状部材の変形例を示す図である。 第1実施形態の変形例23に係る医療用部材であって、固定枠を示す図である。 第2実施形態に係る医療用部材を示す斜視図である。 図45に係る医療用部材の牽引固定部を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例および運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
さらに、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
また、以下の説明において、「第1」、「第2」のような序数詞を付して説明するが、特に言及しない限り、便宜上用いるものであって何らかの順序を規定するものではない。
なお、以下では図面に座標系を示す。直交座標系のXは医療用部材100を構成する本体部10の軸方向または厚さ方向に沿い、軸方向Xと称する。Y、Zは軸方向Xと交差する面であって、面方向YZと称する。
円筒座標系のrは、面方向YZに沿い、医療用部材100の本体部10等の中心から径方向または放射方向に延びる方向であって、径方向rと称する。θは本体部10等の軸方向Xと交差する面方向YZにおいて本体部10等の周方向または角度方向に沿い、周方向θと称する。
<第1実施形態>
図1は第1実施形態に係る医療用部材100に使用されるステープラー200を示す図である。図2はステープラー200を構成する第1係合器具210の先端部と第2係合器具270を示す図である。図3、図4は医療用部材100の全体を示す図である。図5は医療用部材100の貫通孔11を示す図である。
図6~図10は医療用部材100を用いて大腸を一例として消化管の吻合を行う手技を説明する図である。
医療用部材100は、吻合術の際にステープラー200によって生体器官に吻合される。
医療用部材100は、図6~図10に示すように所定の生体器官同士を接合する手技(例えば、消化管の吻合術)に適用することができる。後述するように、本明細書の説明では医療用部材100を使用した手技の例として大腸吻合術を説明するが、本発明に係る癒合促進デバイスを使用可能な部位は大腸に限定されない。
医療用部材100の説明にあたり、ステープラー200について説明する。
<ステープラー200>
ステープラー200は、生体組織における生体器官である一方の被接合部位(第1被接合部位)と第1被接合部位に対向する他方の被接合部位(第2被接合部位)とを接合する。ステープラー200は、第1被接合部位及び第2被接合部位を介して医療用部材100を挟み込み可能な第1係合器具210と第2係合器具270を備える。ステープラー200は、サーキュラーステープラーと呼ばれ得る。以下、各部の構成について説明する。
第1係合器具210は図1、図2等に示すように医療用部材100の生体組織への吻合時に医療用部材100の一方の側に配置される。第1係合器具210は、第1被接合部位と当接可能に構成している。
第2係合器具270は、吻合時に医療用部材100に対して第1係合器具210と反対側に配置され、第2被接合部位と当接可能に構成している。詳細については後述する。第1係合器具210は、トロッカーと呼ばれ得るとともに、第2係合器具270はアンビルと呼ばれ得る。以下、詳述する。
<第1係合器具>
第1係合器具210は、図1、図2に示すように長尺部材220と、位置決め部230と、放出部240と、打抜き部250と、操作部260と、を備える。
長尺部材220は、第1係合器具210の本体に相当する。長尺部材220は、図2に示すように長手方向の先端において位置決め部230のシャフトを相対的に進退移動可能な空間Sを備える。長尺部材220は、軸方向に交差する断面を中空の円形状に構成している。
長尺部材220は、本実施形態において長手方向に直線状に延在するとともに屈曲箇所を備えているが、後述する吻合機能と打ち抜き機能を実現できれば、長尺部材には屈曲箇所を設けなくてもよい。
位置決め部230は、長尺状のシャフトを備える。位置決め部230のシャフトは放出部240よりも径方向内方に設けられる第1シャフトに相当する。位置決め部230のシャフトは、図2に示すように長尺部材220の長手方向における先端において空間Sから相対的に進退移動自在に構成している。位置決め部230は、医療用部材100の略中央に形成され得る孔部と後述する第2係合器具270のシャフト310の内腔に挿入可能に構成している。
放出部240は、第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する複数のステープル(接合部材に相当)を略環状に放出可能に構成している。放出部240は長尺部材220の長手方向における先端側において略円板状に形成している。放出部240は、長尺部材220の先端において周方向に沿ってステープルの放出箇所を複数設けることによって構成している。
打抜き部250は、長尺部材220の先端において放出部240よりも径方向の内方に配置し、第1被接合部位と第2被接合部位の放射方向内方を打ち抜くように構成している。打抜き部250は、図2に示すように放出部240よりも径方向の内方に第1被接合部位と第2被接合部位を打ち抜く環状のブレードを備えるように構成している。打抜き部250の形状は、長手方向から平面視した際に真円に構成できるが、癒合促進に不要な部位を打ち抜ければ打抜き部250の形状は楕円等であってもよい。
操作部260は、位置決め部230と放出部240と打抜き部250とを操作できるように構成している。操作部260は、図1に示すように回転部261と、ハンドル262と、を備える。
回転部261は、長尺部材220の長手方向における基端部(基端側)に設けている。回転部261は、長尺部材220の基端側における長手方向を回転軸として長尺部材220に対して回転可能に構成している。回転部261は、第2係合器具270が第1係合器具210と係合した状態において、長尺部材220に対して回転させることによって第1係合器具210と第2係合器具270とを相対的に接近離間できるように構成している。
ハンドル262は、長尺部材220の基端部(基端側)とともに使用者によって把持可能に構成している。ハンドル262は、回転軸263によって長尺部材220と回転可能に接続されている。ハンドル262は、使用者によって握られることによって回転軸263の周りに回転して長尺部材220と相対的に接近する。これにより、放出部240からステープルを放出し、長尺部材220の先端から打抜き部250の環状ブレードを突出できるように構成している。
<第2係合器具>
第2係合器具270は、第1被接合部位と第2被接合部位を介して第1係合器具210とともに医療用部材100を挟み込み可能に構成している。第2係合器具270は、図2に示すようにヘッドと、当接部280と、シャフト310と、を備える。
ヘッドは、第1係合器具210と第2係合器具270とを係合させた際に第1係合器具210の長尺部材220の特に先端側に隣接して配置される。ヘッドは、本実施形態において図1、図2に示すように略円板形状に構成しており、断面形状が長尺部材220の円形状と同一または類似する形状として構成している。
当接部280は、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能に構成している。当接部280は、ヘッドの軸方向X(板厚方向)において第1係合器具210の側に設けている。当接部280は、放出部240から放出される複数のステープルと当接可能に構成している。放出部240から放出されたステープルは当接部280で当接し、変形することによって第1被接合部位と第2被接合部位とを接合する。
シャフト310は、後述する医療用部材100の略中央に形成され得る孔部を挿通可能に構成している。
シャフト310には第1係合器具210の位置決め部230のシャフトを収容する空間を設けている。シャフト310は、位置決め部230のシャフトと嵌合するように構成しており、これにより第1係合器具210と第2係合器具270との位置合わせが可能になる。シャフト310は第1シャフトと係合可能な第2シャフトに相当する。
<医療用部材100>
医療用部材100は、吻合対象となる生体器官の間に配置され、扁平に構成するとともに複数の貫通孔11を形成している。医療用部材100は、図3等に示すように本体部10と、補強部20と、孔部30と、牽引部40と、牽引固定部50と、を備える。
<本体部>
本体部10は、吻合対象となる生体器官の間に配置され、吻合対象となる生体器官の動きに追従可能なシート状に構成している。
本体部10は、図3に示すように一例として円形状に形成しており、図5に示すように当該円形状の厚さ方向(軸方向X)に挿通するように形成された貫通孔11を複数備える。本体部10の貫通孔11の大きさについて例示すれば、好ましくは0.1~6mm、より好ましくは0.3~4mm、さらに好ましくは0.6~1.5mmである。本体部10は、貫通孔11の寸法DとピッチPとの比が0.25以上40未満となるように構成できる。なお、本体部10の形状として説明した(真)円は例示であり、上記以外にも楕円、四角形などの多角形、星形などを含むように構成してもよい。
本体部10の厚み(図5に示す寸法T)は特に制限されないが、好ましくは0.05~0.3mmであり、より好ましくは0.1~0.2mmである。
本体部10は、生分解性の材料で構成することができる。本体部10の構成材料について特に制限はなく、例えば、生分解性樹脂が挙げられる。
具体的には、(1)脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体;(2)上記(1)を構成する一以上の単量体から構成される共重合体などが挙げられる。
すなわち、生分解性シートは、脂肪族ポリエステル、ポリエステル、ポリ酸無水物、ポリオルソエステル、ポリカーボネート、ポリホスファゼン、ポリリン酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリペプチド、多糖、タンパク質、セルロースからなる群から選択される重合体、ならびに前記重合体を構成する一以上の単量体から構成される共重合体からなる群より選択される少なくとも一種の生分解性樹脂を含むことが好ましい。
本体部10の製造方法は特に限定されないが、例えば、上述した生分解性樹脂からなる繊維を作製し、当該繊維を用いてメッシュ形状のシートを製造する方法が挙げられる。生分解性樹脂からなる繊維を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、エレクトロスピニング法(電界紡糸法・静電紡糸法)や、メルトブロー法等が挙げられる。本体部10は、上記の方法のうち1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を選択し適宜組み合わせてもよい。なお、本体部10の製造方法のさらに別の例として、上述した生分解性樹脂からなる繊維を常法に従って紡糸し、得られた繊維をメッシュ状に編むことによって本発明に係る生分解性シートを製造する方法、該繊維を圧縮することによって該生分解性シートを製造する方法、該繊維を織らずに絡み合わせることによって該生分解性シートを製造する方法を挙げることができる。
本体部10は、本体部10を構成する生分解性樹脂等の構成材料によって生体反応を惹起させる。本体部10は、この作用により、フィブリン等の生体成分の発現を誘導する。このようにして誘導された生体成分は、本体部10の貫通孔11を貫通するようにして集積することで、癒合を促進することができる。したがって、接合対象となる生体器官同士の間に、医療用部材100の本体部10を配置することにより、上記のメカニズムによる癒合の促進が生じる。
<補強部>
補強部20は、ステープラー200によって医療用部材100を第1被接合部位と第2被接合部位との間に留置する際等に医療用部材100のヨレ、ずれ、破損等を抑制するために設けられる。補強部20は、内側補強部と外側補強部を備える。内側補強部は、本体部10の中空の円形状において内周縁に沿って形成し、外側補強部は、本体部10の中空の円形状において外周縁に沿って形成している。補強部20の外側補強部は、本体部10の外周に設けており、本体部10よりも剛性を高く構成した支持部21(図3参照)と呼び得る。
補強部20を構成する内側補強部及び外側補強部は、本実施形態において本体部10において貫通孔11を設けない形状として構成している。ただし、本体部10の展開を容易にし、展開状態の維持もできれば、補強部20の具体的な形状は上記に限定されず、位置も内周縁や外周縁でなくてもよい。補強部20は、PGA(ポリグリコール酸)、PLA(ポリ乳酸)、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)等の熱可塑性樹脂のような生体吸収性材料からなることが好ましい。ただし、補強部20は生体吸収性でない材料を含んでもよい。補強部20は、本体部10の内側および外側の少なくとも一方において全周にわたって設けてもよいし、全周の中で部分的に設けてもよい。また、内側補強部は、内側縁部と同軸に構成しているが、癒合領域に入らなければ中心の位置がずれていてもよい。補強部20は、本体部10に対して接着剤や熱融着で接合したり、糸などで縫い付けたりしてもよい。また、補強部20は上記以外にも本体部10の貫通孔11の孔径より大きな凸部などで引っ掛けることで一体に構成してもよい。
<孔部>
孔部30は、本体部10の面方向YZにおいて本体部10の外周縁部から離間して形成するように構成している。孔部30は、ステープラー200のシャフト310に挿通可能に構成している。孔部30は、本実施形態において軸方向Xから見た際に略円形状に構成している。ただし、本体部10によって生体組織の癒合を促進できれば、孔部の具体的な形状は円形状に限定されない。孔部30は、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニール、エラストマー等の熱可塑性樹脂、または金属などの生体吸収性でない材料が好ましいが、生体吸収性の材料を含んでもよい。孔部30の断面は、真円が好ましいが、これ以外にも楕円、三角、四角、凹形状、凸形状などに構成してもよい。
<牽引部>
牽引部40は、図4に示すように長尺状の線状部材41を一つ含み、牽引によって本体部10の面方向YZにおける張力を増加可能に構成している。牽引部40に係る線状部材は、後述する牽引固定部50の筒状部材の径方向rの外方に配置できる。牽引部40は、一部を本体部10に対して軸方向Xから見た際に真円を形成するように縫い付けており、本実施形態において両端部は本体部10に固定しないように構成している。牽引部40に係る線状部材は、PGA(ポリグリコール酸)、PLA(ポリ乳酸)、PLGA(ポリ乳酸・グリコール酸共重合体)、PDS(ポリジオキサノン)、PCL(ポリカプロラクトン)等の熱可塑性樹脂のような生体吸収性材料からなることが好ましい。
<牽引固定部>
牽引固定部50は、牽引部40に係る線状部材41を巻き付ける円筒等の筒状部材を一つ含み、筒状部材に線状部材41を巻き付けることによって張力を調整可能に構成している。牽引固定部50の筒状部材は接着剤などによって本体部10と一体に構成できる。牽引固定部50は、牽引部40の線状部材41により生じる張力の減少を防止または抑制する抗力を生じさせるロック機構を備える。牽引固定部50のロック機構は、本実施形態において筒状部材の側面に形成されるスリット51(図3参照)を含む。牽引部40の線状部材41を牽引固定部50に巻き付けた状態で線状部材41をスリット51に差し込むことによって牽引部40の線状部材41がスリット51の差し込み箇所で摺動する際に上記抗力が生じる。牽引固定部50は、筒状部材の周方向θにおける肉厚がスリット51のある部位とない部位とで異ならないように構成することによって、牽引部40の線状部材41を巻き付けて筒状部材が締め付けられた際に筒状部材に亀裂を入りにくくできる。牽引固定部50は、第2係合器具270のシャフト310より径方向rの外方に位置するように構成できる。牽引固定部50の筒状部材には本体部10の孔部30と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能であり、貫通孔11より大きな穴部hを設けている。牽引固定部50は、シリコーンゴム、ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニール、エラストマー等の熱可塑性樹脂などを含むことができる。牽引固定部50は、生体吸収性材料から構成してもよく、生体吸収性でない材料を含んでもよい。医療用部材100の構成の硬さについて例示すれば、硬い順に牽引固定部50の筒状部材、牽引部40の線状部材41、補強部20の支持部21、本体部10のように構成できる。また、牽引固定部50はシャフト310と篏合などすることによって医療用部材100のシャフト310からの脱落を防止したり、シャフト310に対するズレを防止したりできる。
<処置方法>
次に医療用部材100を用いた処置方法を説明する。図6は医療用部材100を用いた処置方法の各手順を示すフローチャートである。
処置方法は、図6に示すように生体器官の接合対象となる一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に生体組織の癒合を促進するシート状の本体部10を備える医療用部材100を配置すること(S11)を含む。処置方法は、一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位との間に医療用部材100の本体部10の少なくとも一部を配置した状態で一方の第1被接合部位と他方の第2被接合部位とを接合すること(S12)を含む。
処置方法により接合される生体器官及び生体器官における被接合部位は特に限定されず、任意に選択することができる。ただし、以下の説明では、大腸吻合術を例に挙げて説明する。また、以下に説明する各手技において、公知の手技手順や公知の接合装置については詳細な説明を適宜省略する。
以下、本明細書の説明において「生体器官の間に医療用部材を配置する(以下、上記記載と言う)」とは、生体器官に医療用部材が直接的にまたは間接的に接触した状態で配置されることを意味し得る。
また、上記記載は生体器官との間に空間的な隙間が形成された状態で医療用部材が配置されることを意味し得る。また、上記記載はその両方の状態で医療用部材が配置されること(例えば、一方の生体器官に医療用部材が接触し、他方の生体器官には医療用部材が接触していない状態で配置されること)を意味し得る。
また、本明細書の説明において「周辺」とは、厳密な範囲(領域)を規定するものではなく、処置の目的(生体器官同士の接合)を達成し得る限りにおいて、所定の範囲(領域)を意味する。
また、各処置方法において説明する手技手順は、処置の目的を達成し得る限りにおいて、順番を適宜入れ替えることが可能である。また、本明細書の説明において「相対的に接近させる」とは、接近させる対象となる2つ以上のものを、互いに接近させること、一方のみを他方のみに接近させることの両方を意味する。
図7は、処置方法の実施形態(大腸吻合術)の手順を示すフローチャートである。図8~図10は大腸吻合術の説明に供する図である。
本実施形態に係る処置方法において、接合対象となる生体器官は、癌腫瘍の切除に伴い切断された大腸である。具体的には、接合対象となる生体器官は、切断した大腸の口側A1と、切断した大腸の肛門側A2である。以下の説明では、切断した大腸の口側A1の口部周辺(一方の被接合部位)と、切断した大腸の肛門側A2の腸壁の一部(他方の被接合部位)を接合する手順を説明する。
図7に示すように、本実施形態に係る処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁の間に医療用部材100を配置すること(S101)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁を相対的に接近させること(S102)を含む。処置方法は、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間で医療用部材100の本体部10を挟み込むこと(S103)、大腸の口部周辺と大腸の腸壁との間に医療用部材100に本体部10を挟み込んだ状態で接合すること(S104)を含む。以下、詳述する。
まず、術者は、ステープラー200を用意し、臍のあたりの周囲にポートという穴のような部位を形成し、患者のお腹を膨らませる。
次に、術者は、臍のあたりに切開部(図示省略)を形成し、そこから口側A1の患部を体外に取り出して、大腸の口側A1にステープラー200の第2係合器具270を挿入する。術者は、第2係合器具270のシャフト310を大腸の口側A1に挿入し、シャフト310を突出した状態で巾着縫合し、縫合部A11を形成する。縫合部A11の外表面は、縫合に伴い凸側に部分的に突出した形状となる(図8参照)。
次に、術者は、本体部10の略中央部である孔部30および牽引固定部50の穴部hに第2係合器具270のシャフト310を挿通させる。そして、術者は牽引部40に係る線状部材41を牽引固定部50に係る筒状部材に巻き付けて本体部10に係るメッシュの張力を増加等させるように調整する。張力の調整ができたら、術者は牽引部40に係る線状部材41の両端部を牽引固定部50に係るスリット51に差し込んで牽引部40に係る線状部材41による張力を保持、または張力の減少を抑制する。
次に、術者は、医療用部材100を配置した大腸の口側A1の生体組織を切開部から腹腔内に収容する。
次に、術者は、大腸の肛門側A2に、ステープラー200の第1係合器具210を配置する。第1係合器具210を大腸の肛門側A2に配置(挿入)するのに伴って、大腸の肛門側A2に貫通孔A21が形成される。なお、貫通孔A21を形成するタイミングは、第1係合器具210を配置する前であれば、特に限定されない。
次に、術者は、大腸の口側A1に対して本体部10を保持した状態を維持しつつ、位置決め部230のシャフトと第2係合器具270のシャフト310とを離間した位置で係合させる(S101)。そして、回転部261を回転させて、図8、図9に示すように第1係合器具210と第2係合器具270を相対的に接近させる(S102)。これにより、大腸の口部周辺と大腸の腸壁とが相対的に接近する。
次に、術者は、第1係合器具210と第2係合器具270との間で、大腸の口側A1の口部周辺、医療用部材100の本体部10、大腸の肛門側A2の腸壁に形成した貫通孔A21周辺を挟み込む(S103)。
術者は、ステープラー200の操作部260のハンドル262を回転軸263の回りに回転させて打抜き部250の環状ブレードを突出させる。そして、第1係合器具210と第2係合器具270との間に挟まれた大腸の口側A1の一部、本体部10の径方向内側、及び大腸の肛門側A2の一部を切除し、切除した部位の周囲をステープル(図示省略)により略環状に接合する(S104)。
次に、術者は、図10に示すように、ステープラー200を、例えば、大腸の肛門側A2から肛門を介して生体外へ取り出す。このとき、第1係合器具210の打抜き部250の外径dより内方側に構成された領域をステープラー200とともに生体外へ取り出す。これにより、医療用部材100において打抜き部250よりも径方向rの内方に位置する部位は体内に残らず、除去される。なお、本体部10や補強部20を生体吸収性材料で構成しない場合、上述したポートから本体部10や補強部20を取り除く。
医療用部材100の本体部10が接合対象となる生体器官の間に挟み込まれて留置されることによって、本体部10の貫通孔A21を通じて接合対象となる生体器官の癒合を促進させることができる。
このような処置方法によれば、シート状の本体部10を第1被接合部位と第2被接合部位との間に挟み込ませるという簡便な方法により、接合手技(例えば、消化管の吻合術)後の縫合不全等のリスクを低減させることができる。
以上説明したように本実施形態に係る医療用部材100は、本体部10と、牽引部40と、牽引固定部50と、を備える。本体部10は、複数の貫通孔11が形成され、吻合対象となる生体器官の動きに追従可能なシート状に構成している。牽引部40は、長尺状の線状部材41を含み、牽引によって本体部10の面方向YZにおける張力を増加可能に構成している。牽引固定部50は、牽引部40に係る線状部材41を巻き付ける筒状部材を含み、筒状部材に線状部材41を巻き付けることによって張力を調整可能に構成している。また、上述した医療用部材100の使用方法では第1係合器具210と第2係合器具270とを備えたステープラー200を準備する。第1係合器具210は本体部10の一方の側に配置可能であって生体器官を接合するステープルを放出可能な放出部240と、放出部240よりも径方向内方に設けられる位置決め部230にシャフトを設けている。第2係合器具270は、本体部10の他方の側に配置可能であって位置決め部230のシャフトと係合可能なシャフト310を備える。上記使用方法では本体部10の略中央部に第2係合器具270のシャフト310を挿通させる。そして、牽引部40に係る線状部材41を牽引固定部50に係る筒状部材の外周に巻き付けて張力を調整し、吻合対象となる生体器官の間に本体部10を挟み込んだ状態で生体器官の吻合を行う。本実施形態において牽引部40の線状部材41による張力の調整は本体部10を第2係合器具270のシャフト310に挿通した後に行っている。
本体部10が上記メッシュのような比較的柔らかい材料からなる場合、打抜き部250によって打ち抜き操作を行った際に本体部の繊維をうまく打ち抜くことができず、本体部を構成する繊維等がほつれるおそれがある。打抜き部250によって本体部のメッシュを生体に残す部位と残さない部位とに切り離せていないと、吻合部位にストレスがかかり、破損したり、ステープラー200を抜去できなかったりする虞がある。これに対して、本実施形態では上記のように牽引部40の線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き回すことによって、ステープラー200の打抜き部250による本体部10の打ち抜きを行いやすくできる。そのため、本体部10の張力が足りないためにステープラー200の打抜き部250によって本体部10の打ち抜きがうまくできない事態の発生を防止または抑制できる。また、本体部10が打抜き部250によってうまく打ちぬけないことによって生じ得る本体部10の破損を防止または抑制できる。また、上記のように牽引部40の線状部材41による張力は使用者が手技の直前等に生じさせるようにすることで、本体部10に必要以上にストレスがかかることで、却って本体部10の張力が低下することを防止または抑制できる。
また、牽引固定部50は、牽引部40により生じる張力の減少を防止または抑制する抗力を生じさせるロック機構を備える。これにより、牽引部40によって本体部10の張力が調整された状態が解消されることを防止または抑制し、打抜き部250による打ち抜き不良の発生を防止または抑制できる。
また、ロック機構は、牽引固定部50の筒状部材の側面に形成されるスリット51を含む。ロック機構は、スリット51に線状部材41をはめ込んだ状態から線状部材41がスリット51のはめ込み箇所と摺動する際に抗力が生じるように構成している。このように構成することによって、牽引部40の線状部材41による張力が減少することを防止または抑制して打抜き部250による本体部10の打ち抜き不良の発生を防止または抑制することができる。また、牽引固定部50の筒状部材にスリット51を設けることによって、牽引部40の線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けた際に余分な線状部材41を切断する手間を不要にできる。これにより、大腸吻合術等の手技における術者の作業を容易にすることに寄与し得る。
また、医療用部材100は、支持部21を備える。支持部21は本体部10の外周に設けられ、本体部10よりも剛性が高くなるように構成している。このように構成することによって、牽引部40によって本体部10を径方向rの内方に牽引させた際に本体部10が全体的に径方向rの内方に変位して張力が増加しない事態の発生を防止または抑制できる。
また、牽引固定部50は、貫通孔11よりも大きな穴部hを備えるように構成している。このように構成することによって、牽引固定部50にシャフト310を挿通させやすくできる。
また、本体部10は、生体器官の吻合部に適用されることによって、生体成分の発現を誘導し、誘導された生体成分が貫通孔11を貫通して集積することによって吻合部の癒合を促進する。このように構成することによって、吻合部の接合を促進することができる。
(第1実施形態の変形例1)
図11は第1実施形態の変形例1に係る医療用部材100aを示す図であり、図12は変形例1に係る医療用部材100aの牽引固定部50aを示す図である。第1実施形態ではスリット51が牽引固定部50の筒状部材の外側面に形成されると説明した。
ただし、牽引固定部50aは図12に示す筒状部材の外側面に径方向rの内方に向かってくぼんだ凹部52を設けるように構成している。凹部52は、本変形例において図12に示すような側面視で三角等の鋭角な形状に形成し、凹部52の内方にスリット51を設けるように構成している。なお、牽引固定部50aに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、本変形例においてステープラー200は第1実施形態と同様であり、本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、本変形例に係る医療用部材100aを用いた処置方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例では牽引固定部50aの筒状部材の外側面の少なくとも一部に径方向rの内方に向かってくぼんだ凹部52を設け、スリット51は凹部52に形成するように構成している。このように構成することによって牽引部40に係る線状部材41をスリット51に差し込みやすくし得る。
(第1実施形態の変形例2)
図13は第1実施形態の変形例2に係る医療用部材100bを示す図であり、図14は変形例2に係る医療用部材100bの牽引固定部50bを示す図である。第1実施形態の変形例1では牽引固定部50aに係る筒状部材の外側面に鋭角な凹部52を設けると説明した。ただし、筒状部材に設ける凹部は図12以外にも図14に示すように筒状部材を側面視した際に円弧状の凹部52bを設け、凹部52bにスリット51を設けてもよい。
なお、牽引固定部50bに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200、医療用部材100bを構成する本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100bを用いた処置方法は第1実施形態の変形例1と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例3)
図15は第1実施形態の変形例3に係る医療用部材100cを示す図であり、図16は変形例3に係る医療用部材100cの牽引固定部50cを示す図である。第1実施形態の変形例1、2では牽引固定部50a、50bの筒状部材に凹部52、52bを設けると説明した。ただし、牽引固定部50cは、図16に示すように筒状部材の外側面に凹部52bを設けるとともに、凹部52bの内部にスリット51と、内部突出部53を設けてもよい。内部突出部53は、凹部52bの中でも凹部52bと凹部52bの設けられていない牽引固定部50cの外側面の境界近傍に1つ設けることができる。このように牽引固定部50bの凹部52bに内部突出部53を設けることによって、牽引部40に係る線状部材41が凹部52bから外部に移動(逸脱)してしまうことを防止または抑制できる。これにより、牽引部40の線状部材41によって調整された張力が減少することを防止または抑制できる。
なお、牽引固定部50cに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および医療用部材100cの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100cを用いた処置方法は牽引部40に係る線状部材41をスリット51に差し込む際に内部突出部53が線状部材の切り欠き部からの外れを防止または抑制する。その他は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例4)
図17は第1実施形態の変形例4に係る医療用部材100dを示す図であり、図18は変形例4に係る医療用部材100dの牽引固定部50dを示す図である。第1実施形態の変形例3では牽引固定部50cの筒状部材に凹部52bを設け、凹部52bの内部に内部突出部53を一つ設けると説明した。ただし、牽引固定部の凹部に設ける内部突出部の数は一つに限定されない。牽引固定部50dの凹部52bに設ける内部突出部53は図17、図18に示すように複数設けてもよい。本変形例において内部突出部53は、凹部52bにおいて向かい合うように設けている。
なお、牽引固定部50dに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および医療用部材100cの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100dを用いた処置方法は第1実施形態の変形例3と同様である。そのため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例5)
図19は第1実施形態の変形例5に係る医療用部材100eを示す図であり、図20は変形例5に係る医療用部材100eの牽引固定部50eを示す図である。第1実施形態では牽引固定部50が略円筒のような筒状部材を備えると説明した。ただし、牽引固定部50eに係る筒状部材は、図19、図20に示すように筒の側面が円錐台のように軸方向Xにおける端部に向かうにつれて寸法が大きくなるように形成されたテーパー面(テーパー部分に相当)を備えるように形成してもよい。この場合、スリット51は、筒状部材の底面の中でも周長の短い底面(根本部分)および根本部分の近傍の少なくともいずれかに形成することができる。このように構成することによって、牽引部40に係る線状部材をテーパー面に沿わせて周長の長い部分から周長の短い部分へ移動させてスリット51に差し込みやすくできる。
以上、説明したように本変形例において牽引固定部50eの筒状部材は、外側面の少なくとも一部が軸方向Xにおける端部に向かうにつれて寸法が大きくなるテーパー面を含み、スリット51はテーパー面の根本部分および根本部分の近傍の少なくともいずれかに形成するように構成している。このように構成することによって、牽引部40の線状部材41をテーパー面に沿わせてスリット51に差し込みやすくできる。なお、牽引固定部50eに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および医療用部材100eの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100eを用いた処置方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例6)
図21は第1実施形態の変形例6に係る医療用部材100fを示す図であり、図22は変形例6に係る医療用部材100fの牽引固定部50fを示す図である。第1実施形態の変形例5では牽引固定部50eの筒状部材が円錐台のように傾斜するテーパー面を一つ備えると説明した。ただし、牽引固定部は、図21、図22に示すように筒状部材が傾斜したテーパー状の側面を2つ備えるように構成してもよい。図22に示す牽引固定部50fは2つのテーパー面が軸方向Xにおける中央に向かって互いにすぼむように形成している。スリット51は、本変形例において周長が小さくなる2つのテーパー面の境界および境界近傍の少なくともいずれかに設けるように構成している。このように構成することによって、牽引部40に係る線状部材41を牽引固定部50fに係る筒状部材に巻き付けると、線状部材41が周長の短いスリット51に近寄るように巻き付けることができ、これにより線状部材41をスリット51に差し込みやすくできる。
なお、牽引固定部50fに係る筒状部材には牽引固定部50の筒状部材と同様に第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および医療用部材100fの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100fを用いた処置方法は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例7)
図23は第1実施形態の変形例7に係る医療用部材100gを示す図であり、図24は変形例7に係る医療用部材100gの牽引固定部50gを示す図である。第1実施形態では牽引固定部50が一の筒状部材を備えると説明した。ただし、牽引固定部50gを構成する筒状部材は、図23、図24に示すように1つに限定されず、2つなどから構成してもよい。図24において牽引固定部50gは、軸方向Xに交差する周長の大きさが異なる2つの筒状部材として筒状部材50g1(第1筒状部材に相当)と筒状部材50g2(第2筒状部材に相当)と、を含む。筒状部材50g1は、本体部10に隣接して設けられ、筒状部材50g2は筒状部材50g1に隣接して設けられ、筒状部材50g1よりも本体部10から離間し、筒状部材50g1よりも外側面を大きく構成している。筒状部材50g1は、筒状部材50g2よりも周長が小さい、すなわち直径が小さい円形状を備えるように構成している。筒状部材50g1、50g2は側面がテーパー面でない円柱として構成しており、スリット51は筒状部材50g1において筒状部材50g2との境界および境界近傍の少なくともいずれかに隣接して設けている。このように構成することによって、牽引部40に係る線状部材41を筒状部材50g2で係止させて筒状部材から外れてしまう(逸脱する)ことを防止または抑制できる。
以上説明したように本変形例において牽引固定部50gの筒状部材は本体部10に隣接して設けられる筒状部材50g1と、筒状部材50g1に隣接して設けられ、筒状部材50g1よりも外側面が大きく形成された筒状部材50g2とを備える。スリット51は筒状部材50g1の軸方向Xにおいて筒状部材50g2に隣接して設けている。このように構成することによって、牽引部40の線状部材41に張力が作用した際に牽引部40の線状部材41がスリット51から外れ難くすることができる。なお、筒状部材50g1、50g2には第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および医療用部材100fの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100gを用いた処置方法は第1実施形態の変形例1と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例8)
図25は第1実施形態の変形例8に係る医療用部材の牽引固定部50hを示す斜視図であり、図26は牽引固定部50hを示す平面図である。第1実施形態では牽引固定部50に係る筒状部材の外側面に牽引部40に係る線状部材41を差し込み可能なスリット51を設けると説明した。ただし、図25、図26に示すように牽引固定部50hの筒状部材には外側面にスリット51を設けるだけでなく、周方向θにおいてスリット51を設けていない部位などに牽引部40に係る線状部材41が挿通可能な貫通穴54を設けてもよい。貫通穴54は、筒状部材の外側面の一の部位と他の部位とを結ぶように設けることができる。貫通穴54は、牽引部40に係る線状部材41を差し込んだ際に線状部材41を抜け難くできれば、一の部位と他の部位を直線的に結ぶように形成してもよいし、直線以外の態様で結ぶように形成してもよい。牽引固定部50hは、貫通穴54を設ける部位の肉厚を貫通穴のない部位よりも大きく構成することによって貫通穴54の部位から亀裂などが生じることを防止または抑制できる。牽引固定部50hにおいてスリット51と貫通穴54は、牽引固定部50hの筒状部材を軸方向Xから見た際にいずれかの角度範囲にスリット51を設け、それ以外の角度範囲に貫通穴54を設けることができる。スリット51と貫通穴54は周方向θにおいて離間していてもよい。牽引部40に係る線状部材41はスリット51に差し込まれるとともに、貫通穴54を挿通するように配置できる。これにより、スリット51と貫通穴54に差し込んだ線状部材41による張力が減少することを防止または抑制できる。
以上説明したように本変形例では牽引固定部50がロック機構として牽引部40の線状部材41が挿通可能な貫通穴54を含み、貫通穴54は牽引部40の線状部材41を挿通させて使用するように構成している。このように構成することによって、牽引部40の線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けた状態で牽引部40の線状部材41の一端部を固定して牽引部40の線状部材41による張力を保持できる。なお、牽引固定部50hの筒状部材には第2係合器具270のシャフト310が挿通可能な穴部hを設けることができる。また、ステープラー200および本変形例に係る医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、本変形例に係る医療用部材を用いた処置方法は牽引部40の線状部材41を牽引固定部50hの筒状部材に巻き付けて張力を増加させた後に線状部材41をスリット51に差し込むとともに貫通穴54に挿通させる点が第1実施形態と異なる。その他は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例9)
図27は第1実施形態の変形例9に係る医療用部材の牽引固定部50kを示す平面図である。第1実施形態では牽引固定部50に係る筒状部材の側面にスリット51を設けると説明した。ただし、牽引固定部は以下のように構成することができる。
本変形例において牽引固定部50kの筒状部材は、図27に示すようにスリット51kと貫通穴54kと突出部55を備える。スリット51kは第1実施形態の外側面において周方向θに沿って設けている。スリット51kは、図27に示す円筒の略上側に設けるように構成している。貫通穴54kは、牽引固定部50kの筒状部材の周方向θにおいてスリット51kと異なる位置に配置している。貫通穴54kは、図27において円筒形状の略下側に設けている。突出部55は、筒状部材の軸方向Xにおいて筒状部材に隣接し、かつ筒状部材と一体に形成している。突出部55は、筒状部材の周方向θにおいてスリット51kおよび貫通穴54kのいずれかの設けられる部位から径方向rの外方に突出して形成している。突出部55は、本変形例において筒状部材の円周状の外周から径方向rの外方に円弧形状を突出させるように構成している。突出部55は、筒状部材の高さ方向Zにおいてスリット51kおよび貫通穴54kのいずれかと異なる位置に設けることができる。また、スリット51kと突出部55および貫通穴54kと突出部55のいずれかの組み合わせは、筒状部材の周方向θにおいて一つ設けてもよいし、複数設けてもよい。
なお、ステープラー200および本変形例に係る医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様である。また、牽引固定部50kには第1実施形態と同様に穴部hを設けている。また、本変形例に係る医療用部材を用いた処置方法は牽引部40の線状部材41をスリット51kおよび貫通穴54kに差し込む操作が第1実施形態と異なる程度である。牽引部40の線状部材41をスリット51kに差し込む際に術者は突出部55を確認しながら、突出部55と同じ角度位置にあるスリット51kおよび貫通穴54kに牽引部40の線状部材41を差し込む。線状部材41の長さなどに応じて線状部材41を先にスリット51kに挿通させるか、または先に貫通穴54kに挿通させるかは適宜選択できる。その他の処置方法の説明は第1実施形態と同様である。そのため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例に係る医療用部材は牽引固定部50kに突出部55を設けている。突出部55は、筒状部材の軸方向Xにおいて筒状部材に隣接し、かつ筒状部材と一体に形成している。突出部55は、筒状部材の周方向θにおいてスリット51kまたは貫通穴54kの設けられる部位において径方向rの外方に突出して形成している。このように、牽引固定部50kに突出部55を設けることによって、使用者がスリット51k等のように牽引部40の線状部材41による張力が減少することを防止または抑制する位置を探しやすくすることができる。また、線状部材41を巻き付ける部位として、軸方向Xから見たスリット51kおよび貫通穴54kを含む筒状部材の側面(の縦横比)を本体部10の繊維の配列と同様に構成することで、軸方向Xから見た際の本体部10に生じる張力を周方向θにおいて均等にし易くできる。
(第1実施形態の変形例10)
図28は第1実施形態の変形例10に係る医療用部材の牽引固定部50mを示す平面図である。第1実施形態の変形例9では牽引固定部50kが軸方向Xから見た際に筒状部材の円周形状から円弧形状に突出した突出部55を設けると説明した。ただし、突出部の形状は円弧形状に限定されず、図28に示すように軸方向Xから見た際に円周形状から比較的鋭利な角部を含む突出部55mを径方向rの外方に突出するように設けてもよい。
なお、突出部55mの形状以外の医療用部材の仕様は第1実施形態の変形例9と同様である。すなわち、突出部55mは、軸方向Xから見た際にスリット51mおよび貫通穴54mのいずれかから、径方向外方に突出し、突出部55mを設ける位置はスリット51mおよび貫通穴54mの高さ方向Zにおける位置と異なるように構成している。また、ステープラー200および本変形例に係る医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40は第1実施形態と同様であり、本変形例に係る医療用部材を用いた処置方法は第1実施形態の変形例9と同様である。そのため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例11)
図29は第1実施形態の変形例11に係る医療用部材100nの牽引部40nを示す図である。第1実施形態では線状部材41をスリット51に差し込むことによって牽引部40の線状部材41を牽引固定部50に巻き付けた際に調整される張力を保持すると説明した。ただし、線状部材41により生じる張力を保持する構成は上記に限定されない。
線状部材41による生じる張力を保持する構成は、上記以外にも図29に示すように牽引部40nに係る線状部材41を牽引固定部50に巻き付け、牽引固定部50の筒状部材の外側面で牽引部40nの線状部材41によって結び目を作るように構成してもよい。
なお、ステープラー200および医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材を用いた処置方法は、牽引部40nによる張力を保持する操作が上記のように第1実施形態と異なり、牽引部40nの線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けて張力を調整し、結び目を形成したら、余分な線状部材41を切断する操作以外、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、本変形例では上記のように牽引部40nの線状部材41によって結び目を形成することから、牽引固定部はスリット51を備えていなくてもよい。
(第1実施形態の変形例12)
図30は第1実施形態の変形例12に係る医療用部材100pを示す図である。第1実施形態では牽引部40が線状部材41を備え、牽引固定部50の筒状部材に線状部材41を巻き付けたうえでスリット51に牽引部40の線状部材41を差し込むと説明した。ただし、牽引部は以下のように構成することができる。
牽引部40pは、牽引部により生じる張力の減少を防止または抑制する他のロック機構を備える。牽引部40pは、他のロック機構として線状部材41に加えて保持部材42を備える。保持部材42は、牽引部40pの線状部材41によって本体部10の張力を調整した際に調整した張力を保持するように構成している。保持部材42は、図30に示すように牽引部40pの線状部材41の両端部を二つ通す穴部を備えた筒形状を備え、筒形状の内壁面は摩擦係数が比較的高くなるように構成できる。
なお、ステープラー200および医療用部材100pの本体部10、補強部20、孔部30は第1実施形態と同様である。また、牽引固定部は牽引部40pが保持部材42を備えることによってスリット51を不要にできるが、スリット51を設けてもよい。また、医療用部材100pを用いた処置方法は牽引部40pによって本体部10の張力を調整する際の操作が第1実施形態と異なる程度である。
医療用部材100pを第2係合器具270のシャフト310に取り付けたら、牽引部40nの線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けて張力を増加させる。そして、保持部材42の穴部に牽引部40pの線状部材41の両端部を通して線状部材41の両端部が保持部材42から突出する長さを調整する操作を行い、これにより保持部材42によって牽引部40pの線状部材41による張力を保持させる。以降の操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例において牽引部40pは保持部材42のように牽引部40pにより生じる張力の減少を防止または抑制する他のロック機構を備えるように構成している。このように牽引部40pに張力の減少を防止または抑制する機能をもたせることによっても打抜き部250による本体部10の打ち抜き操作を行い易くできる。
(第1実施形態の変形例13)
図31は第1実施形態の変形例13に係る医療用部材100qを示す図である。第1実施形態では牽引部40の線状部材41の両端部が固定されていない状態で線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けることによって張力を発生させてから、両端部をスリット51に差し込むと説明した。
ただし、牽引部40qの線状部材41は、一端部を本体部10に固定した状態で牽引固定部50の筒状部材への巻き付けを行うように構成してもよい。牽引部40qの線状部材41において固定されていない部分は変形例11と同様に線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けてから結び目を作るように構成してもよいし、第2係合器具270のシャフト310に形成した縫合部A11に巻き付けてもよい。なお、ステープラー200および医療用部材100qの本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100qを用いた処置方法は、牽引部40qの線状部材を牽引固定部50の筒状部材に巻き付ける際に牽引部40qの線状部材41の一端部が本体部10に固定されている事項以外、第1実施形態と同様である。そのため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例14)
図32は第1実施形態の変形例14に係る医療用部材100rの牽引部40rを示す図である。第1実施形態の変形例12では牽引部40pが他のロック機構として保持部材42を備えると説明した。ただし、牽引部における他のロック機構は以下のように構成することができる。
牽引部40rは、本変形例において線状部材41を備えるとともに、線状部材41上に複数の係止部43を、間隔をあけて設けるように構成している。係止部43は本体部10の貫通孔11より大きい径の球を備えることによって、牽引部40の線状部材41による張力に抗して本体部10のメッシュに引っ掛かることができるように構成している。このように、牽引部40qの係止部43を本体部10の所望の位置に引っ掛けることによって牽引部40rの線状部材41により生じる張力を調整、保持することができる。
なお、ステープラー200および医療用部材100rの本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100rを用いた処置方法は、牽引部40rの線状部材41により生じる張力を調整、保持する操作を係止部43によって行う以外、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。また、図32では係止部43を、貫通孔11を備える本体部10に引っ掛けることをわかりやすく説明するために網目形状を図示したが、本体部10の仕様は第1実施形態等と同様である。
(第1実施形態の変形例15)
図33は第1実施形態の変形例15に係る医療用部材100sの牽引部40s等を示す図である。第1実施形態の変形例12では牽引部40pが他のロック機構として保持部材42を備えると説明した。
ただし、牽引部40sは、図33に示すように他のロック機構として線状部材41sに加えて係止部44と挿通部45を備えるように構成してもよい。線状部材41sは、本変形例においてバンドのように形成しており、挿通部45は線状部材41sの長手方向における一端部近傍に設けられる。係止部44は、線状部材41sの長手方向において挿通部45と反対側の端部近傍に複数設けている。牽引部40sは、図33に示すように線状部材41sを挿通部45に挿通させた状態で牽引固定部50の筒状部材を覆うように巻き付ける。そして、線状部材41sを適宜引っ張って、係止部44が引っ掛かる位置を調整して牽引部40sの線状部材41sによる張力を調整、保持する。
なお、ステープラー200および医療用部材100sの本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材100sを用いた処置方法は、上述した牽引部40sによる張力の調整以外、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例16、17、18)
図34は第1実施形態の変形例16に係る医療用部材100t1の牽引部40t1を示す図、図35は第1実施形態の変形例17に係る医療用部材100t2の牽引部40t2を示す図である。図36は第1実施形態の変形例18に係る医療用部材100t3の牽引部40t3を示す図である。
第1実施形態では本体部10を軸方向Xから見た際に牽引部40の線状部材41を本体部10に対して真円形状に縫い付けた状態で張力を生じさせると説明した。ただし、軸方向Xから見た牽引部の線状部材41の本体部10に対する縫い付け方法は真円形状に限定されない。
上記以外にも図34に示すように、本体部10を軸方向Xから見た際に牽引部40t1に係る線状部材41が星形を形成するように本体部10に対して線状部材41を縫い付けてもよい。また、図35に示すように、本体部10を軸方向Xから見た際に牽引部40t2に係る線状部材41が楕円形状を形成するように本体部10に対して線状部材41を縫い付けてもよい。また、図36に示すように、本体部10を軸方向Xから見た際に牽引部40t3に係る線状部材41が矩形などの多角形を形成するように本体部10に対して線状部材41を縫い付けてもよい。
本体部10を構成するメッシュの伸びは、線状部材を編むことでメッシュを形成している場合に、糸の編み方が直交していたり、放射状と周状の糸が交差していたりするか等によって異なる。牽引部40を軸方向Xから平面視した際の編み方を上述のように構成することによって牽引部の線状部材による引張をメッシュの伸び方にできるだけ対応させて本体部10になるべく均等に近い状態で張力を発生させることができる。なお、ステープラー200および医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材を用いた処置方法は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例19、20)
図37は医療用部材100の本体部10に対する牽引部40の線状部材41の縫い付けのピッチについて示す図である。図38は変形例19に係る医療用部材において本体部10に対する線状部材41の縫い付けのピッチを示す図であり、図39は変形例20に係る医療用部材において本体部10に対する線状部材41の縫い付けのピッチについて示す図である。第1実施形態では牽引部40に係る線状部材41を本体部10に縫い付けると説明した。
ここで、第1実施形態の牽引部40に係る線状部材41の本体部10に対する縫い付けを図37のように図示した場合、牽引部40の本体部10に対する縫い付けは図38の牽引部40U1に示すように縫い付けのピッチを比較的細かくしてもよい(変形例19)。また、牽引部40の本体部10に対する縫い付けのピッチは図37、図38に示すように一様ではなく、図39の牽引部40U2に示すように、比較的大きめのピッチと小さめのピッチを混在させるように構成してもよい(変形例20)。
なお、ステープラー200および医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材を用いた処置方法は、第1実施形態と同様である。そのため、説明を省略する。
(第1実施形態の変形例21、22)
図40は第1実施形態の変形例21に係る医療用部材100vに係る牽引部40vを示す図である。図41は第1実施形態の変形例22に係る医療用部材100wに係る牽引部40wを示す図である。第1実施形態では牽引部40が一の線状部材41を牽引固定部50の筒状部材に巻き付けることによって本体部10の張力を調整すると説明した。
ただし、牽引部の具体的態様は1本の線状部材にのみ限定されない。上記以外にも、図40の医療用部材100vに示すように牽引部40vが2本の線状部材41を含み、2本の線状部材41を牽引固定部50の筒状部材の全周に対して部分的に巻き付けて本体部10の張力を調整するように構成してもよい(変形例21)。また、牽引部の線状部材41の本数は図40のように2本に限定されず、図41の医療用部材100wの牽引部40wのように6本等の2本以外の数で構成してもよい(変形例22)。
なお、ステープラー200および医療用部材の本体部10、補強部20、孔部30、牽引固定部50は第1実施形態と同様である。また、医療用部材を用いた処置方法は、牽引部以外の操作方法は第1実施形態と同様である。図40では二本の線状部材41を引っ張って本体部10に対する張力を調整したら、線状部材41の端部をスリット51(図示省略)に差し込んで張力を保持させる。図41では6本の線状部材41を引っ張って周方向θにおける本体部10の張力を調整し、調整が終了したら、複数本の線状部材41の端部をスリット51(図示省略)に差し込んで張力を維持する。その他は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように変形例21、22では牽引部40v、40wが1本でない複数本の線状部材41を備えるように構成している。本体部10は周方向θにおける伸びが均一でない場合があるため、牽引部40v、40xの線状部材41を複数本で構成することによって、複雑に分布する本体部10の張力を細かく調整することができる。
(第1実施形態の変形例23)
図42は第1実施形態の変形例23に係る医療用部材100xを示す平面図である。第1実施形態では牽引部40に係る線状部材41を本体部10の外周に縫い付けると説明した。ただし、本体部10には環状の固定枠60を配置し、牽引部40xに係る線状部材41を図42に示すように本体部10と固定枠60の両方に縫い付けるように構成してもよい。このように構成することによって、牽引部40xの線状部材41を牽引固定部50に巻き付けた際に生じる張力を本体部10の全体に分散させやすくすることができる。
固定枠60は、本体部10の内側において本体部10に隣接して設けられ、牽引部40xの線状部材41により本体部10に生じる張力を分散させるように構成している。固定枠60は、牽引部40xに係る線状部材41を引っ張った際に径方向rの内側に引き寄せられて張力の発生に寄与する。固定枠60は、本体部10と融着などで一体に構成できる。固定枠60は比較的硬度の高い材料により構成できる。固定枠60は、生体吸収性材料でもよく、生体吸収性材料でなくてもよい。固定枠60は、本体部10の比較的内側に配置することによって、ステープラー200の打抜き部250によって打ち抜かれてステープラー200によって本体部10を生体器官に留置した際に体内に留置されないようにできる。
なお、医療用部材100xの本体部10、補強部20、孔部30、牽引部40、牽引固定部50および処置方法については第1実施形態と同様である。そのため、説明を省略する。
以上説明したように本変形例では医療用部材100xが本体部10に隣接して設けられ、牽引部40xの線状部材41により本体部10に生じる張力を分散させる固定枠60を設けるように構成している。このように構成することによって本体部10に係る応力を分散させて打抜き部250による打ち抜きを行いやすくすることができる。また、固定枠60を設けることによって本体部10の破損の防止にも寄与し得る。
(第2実施形態)
図43は第2実施形態に係る医療用部材100yを示す斜視図であり、図44は第2実施形態に係る医療用部材100yの牽引固定部50y等を示す平面図である。第1実施形態では牽引固定部50に係る筒状部材がスリット51を備えることによって牽引部40の線状部材により生じる張力を保持すると説明した。ただし、牽引固定部は以下のように構成することができる。
なお、本実施形態において医療用部材100yを構成する本体部10、補強部20、孔部30は第1実施形態と同様である。そのため、説明を省略する。
牽引部40yは、本実施形態において第1実施形態と同様に本体部10に線状部材41を縫い付けた状態において線状部材41を牽引した際に本体部10の張力を変化できるように構成している。
牽引固定部50yは、図43、図44に示すように固定式筒状部材51yと、回転式筒状部材52yと、線状部材挿通部53yと、を備える。固定式筒状部材51yは、第1実施形態と同様に本体部10の中央付近において本体部10と一体に構成している。固定式筒状部材51yは、第2係合器具270のシャフト310を挿通可能な穴部hを備える。固定式筒状部材51yは、牽引部40yに係る線状部材41の一端部を固定した回転式筒状部材52yの周方向θの位置を固定できるように外側面に沿って凹凸状に形成された複数の係合部54yを備える。係合部54yは、円筒形状の外側面に沿って複数の略円弧形状を並べて凹凸状に構成している。
回転式筒状部材52yは、平面視した際に固定式筒状部材51yよりも外方に配置し、かつ固定式筒状部材51yに対して回転可能に構成している。牽引部40yの線状部材41の一端部は、回転式筒状部材52yの外側面に固定するように構成している。回転式筒状部材52yは、内側面に複数の凹凸形状からなり固定式筒状部材51yの係合部54yと係合可能な被係合部55yを設けるように構成している。これにより、使用者が回転式筒状部材52yを固定式筒状部材51yに対して回転させると、回転式筒状部材52yに巻き付けられた線状部材41の回転式筒状部材52yに対する巻き付け量が変化して牽引部40yによる本体部10の張力を調整できる。係合部54yと被係合部55yが互いに係合することによって、回転式筒状部材52yが固定式筒状部材51yに対して牽引部40yの線状部材41が緩む方向に回転することを阻止できる。
線状部材挿通部53yは、本体部10に縫い込まれた牽引部40yの線状部材41を筒状部材に導くために設けられる。線状部材挿通部53yは、本実施形態において線状部材41を挿通可能な穴部を備えた筒形状を本体部10および固定式筒状部材51y等と一体となるように設けている。線状部材挿通部53yは、本体部10の略中央付近において回転式筒状部材52yに隣接して設けている。
なお、本実施形態に係る医療用部材100yを用いた処置方法は牽引部40yと牽引固定部50yによって本体部10の張力を調整する操作が第1実施形態と異なり、その他の操作は第1実施形態と同様である。
生体器官の口側A1を体外に取り出し、口側A1に第2係合器具270を挿入して縫合部A11を形成したら、術者は牽引部40yの線状部材41が巻き付いた回転式筒状部材52yを固定式筒状部材51yに対して回転させて本体部10の張力を調整する。回転式筒状部材52yは、固定式筒状部材51yの係合部54yにおける回転式筒状部材52yの被係合部55yとの係合位置が変わることで牽引部40yの線状部材41による張力を変化させ、かつ、係合部54yと被係合部55yの係合位置を維持できる。本体部10の張力を術者の意図する状態に調整できたら、術者は医療用部材100yの孔部30および穴部hを第2係合器具270のシャフト310に挿通させる。このように、本実施形態では、牽引部40yの線状部材41による本体部10の張力の調整を、本体部10を第2係合器具270のシャフト310に挿通させる前に行う。その他の操作は第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上説明したように、牽引固定部50yの筒状部材は本体部10と一体に構成された固定式筒状部材51yと固定式筒状部材51yの外方に配置され、固定式筒状部材51yに対して回転可能な回転式筒状部材52yと、を備える。固定式筒状部材51yは、外側面に沿って凹凸状に形成された係合部54yを備える。回転式筒状部材52yは外側面に牽引部40yの線状部材41の一端部が固定され、かつ、回転式筒状部材52yの内側面に固定式筒状部材51yの係合部54yと係合可能な被係合部55yを設けるように構成している。
このように構成することによって、牽引部40yの線状部材41によって生じさせた張力を保持することができる。
なお、本発明は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。第1実施形態の変形例8では牽引固定部50hの筒状部材の外側面にスリット51に加えて貫通穴54を形成すると説明した。ただし、牽引部40の線状部材によって調整された張力を維持できれば、牽引固定部は貫通穴54を備える一方で、スリット51を備えなくてもよい。また、牽引部による本体部10の張力を調整するタイミングは牽引固定部の硬さに依存し得る。そのため、牽引部による本体部の張力の調整タイミングは第1実施形態で説明したように第2係合器具270のシャフト310に本体部10を挿通させた後でもよく、第2実施形態で説明したようにシャフト310に本体部10を挿通させる前でもよい。
また、第1実施形態において医療用部材100は支持部21を設けると説明したが、本発明の他の実施形態として医療用部材には支持部21を設けなくてもよい。また、ステープラー200のシャフト310を医療用部材に挿通できれば、本発明の他の実施形態として医療用部材は本体部10に孔部30を設けず、牽引固定部50等に穴部hを設けなくてもよい。
また、第2実施形態では本体部10に縫い付けた牽引部40の線状部材41を回転式筒状部材52yに固定するにあたり、線状部材挿通部53yに係る穴部に挿通させると説明した。ただし、牽引部40の線状部材41の中継点となる部位は穴部に限定されず、穴部の代わりにスリットを設けてもよい。
10 本体部、
11 貫通孔、
21 支持部、
30 孔部、
40、40n、40p、40q、40r、40s、40t1、40t2、40t3、40U1、40U2、40v、40w、40x、40y 牽引部、
41、41s 線状部材、
50、50a、50b、50c、50d、50e、50f、50g、50h、50k、50m、50y 牽引固定部、
50e、50f 牽引固定部(テーパー部分を含む)、
50g1 筒状部材(第1筒状部材)、
50g2 筒状部材(第2筒状部材)、
51 スリット、
51y 固定式筒状部材、
52、52b 凹部、
52y 回転式筒状部材、
54 貫通穴、
54y 係合部、
55、55m 突出部、
55y 被係合部、
60 固定枠、
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100n、100p、100q、100r、100s、100t1、100t2、100t3、100v、100w、100x、100y 医療用部材、
200 ステープラー、
210 第1係合器具、
270 第2係合器具、
310 シャフト、
h 穴部、
r 径方向、
X 軸方向(本体部の厚さ方向)、
YZ 面方向。

Claims (15)

  1. 複数の貫通孔が形成され、吻合対象となる生体器官の動きに追従可能なシート状の本体部と、
    長尺状の線状部材を含み、牽引によって前記本体部の面方向における張力を増加可能な牽引部と、
    前記牽引部に係る前記線状部材を巻き付ける筒状部材を含み、前記筒状部材に前記線状部材を巻き付けることによって前記張力を調整可能な牽引固定部と、を備える医療用部材。
  2. 前記牽引固定部は、前記牽引部により生じる前記張力の減少を防止または抑制する抗力を生じさせるロック機構を備える請求項1に記載の医療用部材。
  3. 前記ロック機構は、前記筒状部材の側面に形成されるスリットを含み、
    前記スリットに前記線状部材をはめ込んだ状態から前記線状部材が前記スリットのはめ込み箇所と摺動する際に前記抗力が生じる請求項2に記載の医療用部材。
  4. 前記ロック機構は、前記筒状部材において前記牽引部に係る前記線状部材を挿通可能な貫通穴を含み、
    前記貫通穴は、前記線状部材が挿通されて使用される請求項2に記載の医療用部材。
  5. 前記筒状部材は、外側面が軸方向における端部に向かうにつれて寸法が大きくなるように形成されたテーパー部分を含み、
    前記スリットは、前記テーパー部分の根本部分に形成される請求項3に記載の医療用部材。
  6. 前記筒状部材は、外側面の少なくとも一部が径方向内方に向かってくぼんだ凹部を備え、
    前記スリットは前記凹部に形成される請求項3に記載の医療用部材。
  7. 前記筒状部材は、前記本体部に隣接して設けられる第1筒状部材と、前記第1筒状部材に隣接して設けられ、前記第1筒状部材よりも外側面が大きく形成された第2筒状部材とを備え、
    前記スリットは、前記第1筒状部材の軸方向において前記第2筒状部材に隣接して設けられる請求項3に記載の医療用部材。
  8. 前記牽引固定部は、前記筒状部材の軸方向において前記筒状部材に隣接し、かつ前記筒状部材と一体に形成され、前記筒状部材の周方向において前記スリットの設けられる部位において径方向外方に突出して形成される突出部をさらに備える請求項3に記載の医療用部材。
  9. 前記牽引部は、前記牽引部により生じる前記張力の減少を防止または抑制する他のロック機構を備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の医療用部材。
  10. 前記本体部に隣接して設けられ、前記線状部材により前記本体部に生じる前記張力を分散させる固定枠をさらに備える請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の医療用部材。
  11. 前記筒状部材は、前記本体部と一体に構成された固定式筒状部材と、前記固定式筒状部材に対して外方に配置され、前記固定式筒状部材に対して回転可能な回転式筒状部材とを備え、
    前記固定式筒状部材は、外側面に沿って凹凸状に形成された係合部を備え、
    前記回転式筒状部材は、外側面に線状部材の一端部が固定され、かつ、前記回転式筒状部材の内側面に形成され前記固定式筒状部材の前記係合部と係合可能な被係合部を備える請求項1に記載の医療用部材。
  12. 前記本体部の外周に設けられ、前記本体部よりも剛性の高い支持部をさらに備える請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の医療用部材。
  13. 前記牽引固定部は、前記貫通孔よりも大きな穴部を備える請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の医療用部材。
  14. 前記本体部は、前記生体器官の吻合部に適用されることによって生体成分の発現を誘導し、誘導された前記生体成分が前記貫通孔を貫通して集積することにより前記吻合部の癒合を促進する部材で構成される請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の医療用部材。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の前記本体部の一方の側に配置可能であって、前記生体器官を接合する接合部材を放出可能な放出部と前記放出部よりも径方向内方に設けられる第1シャフトと、を備える第1係合器具と、前記本体部の他方の側に配置可能であって、前記第1シャフトと係合可能な第2シャフトを備え、前記第1係合器具とともに前記本体部を挟持する第2係合器具と、を備えるステープラーを準備し、
    前記本体部の略中央部に前記第2係合器具の前記第2シャフトを挿通させ、
    前記牽引部に係る前記線状部材を前記牽引固定部に係る前記筒状部材の外周に巻き付けて前記張力を調整し、吻合対象となる前記生体器官の間に前記本体部を挟み込んだ状態で前記生体器官の吻合を行い、
    前記線状部材による前記張力の調整は、前記本体部を前記第2シャフトに挿通した後に行われる、または前記本体部を前記第2シャフトに挿通させる前に行われる医療用部材の使用方法。
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