JP2000501638A - 縫糸固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、外科手術のための縫糸固定装置に関するものである。一体型のプラスチック成型された固定装置（１０）は、ベース（１２）に対して取り付けられた、複数の三角形形状のリーフ（１５）を特徴としている。少なくとも１つのリーフが、フレキシブルなヒンジ部を介してベースに取り付けられており、その結果、リーフは、ベースに対して揺動可能とされている。複数のリーフは、水平面に対して、少なくとも３０°の角度で、好ましくは４５°の角度で、配置されている。そのため、撚糸（５８）またはプラスチック繊維（５８’）からなる縫糸は、変形やカットを要することなく固定的に保持されることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 縫糸固定装置 発明の背景 １．発明の属する技術分野 本発明は、外科手術用固定具およびその使用方法に関するものである。 ２．従来技術の説明 整形外科的傷害の修復に関する外科的手術法は、ここ十年の間に飛躍的に前進 した。患者に対して何ヵ月もの時間を治療に専念させて回復に要するような傾向 のあった、膝の損傷に関する関節向性の外科手術は、今では、切開を最小限とし た外科手術を行うことができ、迅速な回復をもたらすことができる。その結果、 このタイプの外科手術のあらゆる見地が評価されなければならない。 例えば、最近、膝関節における、脛骨大腿骨間の負荷伝達、衝撃吸収、潤滑、 および、能動的安定化といった、膝関節の機能全般にわたって、半月板が重要な 機能を果たしていることが認識された。半月板が裂けたときに、膝を含めた典型 的な外科手術においては、半月板を除去することが一般的ではあったけれども、 半月板が通常の膝における本質的な構成要素として重大な役割を担っていること を認識している、今日の外科医は、すべての膝手術に際して、できる限り半月板 組織を残すよう努力する。その結果、半月板の断裂の効率的かつ迅速な修復は、 そのような外科手術を行う外科医の究極の目標である。 半月板は、膝関節内において中央側方に配置された三日月形状構造のものであ り、前角および後角において、脛骨に対して骨性取付されている。半月板の周縁 部内におけるコラーゲン繊維は、負荷伝達に重要な役割を担っている。半月板の 最周縁部は、前角から後角にかけて延在する半月板滑性結合（meniscosynovial junction）をしている。半月板内においてコラーゲン繊維が配向していることに より、この構造は、膝関節が回転して同時に軸方向に圧縮された場合に、つまり 、「フットボール」や「スキー」の時の傷害の場合に、特に断裂しやすい構造と なっている。負傷時の患者の脚の向きに依存して、コラーゲン繊維が横方向に損 傷して長さ方向断裂となることもあるし、あるいは、コラーゲン繊維の周囲が損 傷して径方向断裂となることもある。 半月板の外科的修復は、いくつかの要因のために困難である。治癒能力は、現 存しているあるいは刺激することができる管状通路に依存している。明白なよう に、断裂領域の外側に位置した組織への拡大を最小化するためのすべての外科手 術は、切開が大きな手術よりも、管状供給に関して、より良好な予後をもたらす 傾向がある。半月板の管周縁部における長さ方向断裂は、治癒することがわかっ ており、そのため、上記のような有益な性質の大部分を保持することができるこ とがわかっている。しかしながら、この領域の外側が治癒可能であるかどうかは 、不明である。治癒が可能であるにしても、機械的機能が元通りに戻るかどうか は、不明である。 半月板損傷における断裂が治癒するのに必要な条件は、基本的には、筋骨格組 織の修復のための条件と同じである。したがって、外科医は、断裂部分が拡大す ることがないように、また、断裂のエッジどうしがうまく癒合するように、縫合 によって、断裂領域を安定化させようとする。その場合、断裂が治癒するまで、 損傷した周辺部分が周囲に固定される。 そのような外科手術において起こり得るような神経血管の合併症を避けるため に、様々な外科手術が探求されてきた。「開放式」手術は、半月板滑性結合の２ ｍｍ以内における断裂に対してのみ、適切である。大部分の断裂は、関節鏡式技 術を使用して修復される。関節鏡式技術は、「アウトサイド−イン」、「インサ イド−アウト」、あるいは「オールインサイド」のいずれかに分類される。「イ ンサイド−アウト」技術が、まず最初に、開発された。この手術に際しては、外 科医は、まず、関節鏡的可視化を利用して、半月板のフラグメントの両側から、 中空針を配置し、続いて、接合部を経皮的に取り出す必要がある。針は、治癒時 に断裂部分を安定化させるために使用される縫糸を導入するために使用される。 この手術は、通常は、極めてうまくいくものであるけれども、少ない比率ではあ るものの神経血管の合併症が起こることがあり、また、大きな切開口を必要とす る。 「アウトサイド−イン」技術は、この問題を除去するために開発された。この 手法においては、外科医は、「インサイド−アウト」手法と同じく、中空状針を 使用する。しかしながら、この手法においては、例えば患者の神経を避けるため に、解剖学的目標物の知識を利用して、針の安全な通行が、より容易に制御され る。半月板の解剖学および手術のさらに詳細な議論に関しては、Principles and Decision Making in Meniscal Surgery，Alan P．Newman et al.，Arthroscopy : The Journal of Arthroscopic and Related Surgery 9(1): 33-51 を参照され たい。この文献は、参考のためここに組み込まれる。 これら手法において共通していることは、断裂した半月板の２つの表面どうし を接合して治癒をもたらすような縫糸を配置することである。容易にわかるよう に、中空針によってもたらされた極度に込み入った状況の中で操作しつつ縫糸を 結ぶことは、信じられないくらいの器用さを必要とする。実際、手術時に必要と される時間のうちの実質的な部分は、縫糸を配置するのに要する時間である。ま た、このタイプの手術に関して、手法を単純化して容易とするような方法や装置 が、提供されていない。 典型的な「アウトサイド−イン」技術においては、まず最初に、「外部」にあ る縫合用経皮的「入口」から中空針を導入し、次に、中空針を、被膜を通して半 月板の断裂部分の両サイドに導入する。外科医は、「覗き窓」を通して挿入され た関節鏡により、「内部」を視ることができる。関節鏡によって中空針が断裂部 分を架橋したことが確認されると、吸収性縫糸が、針から膝内部へと、断裂部分 を横断して導入される。「干渉用」結び目が、縫糸上に形成される。「干渉用」 結び目とは、針によって組織内に形成された開口から抜け出ることを防止するの に十分な大きさとされた、いくつかの結び目のことである。次に、針は、所定位 置に残される縫糸とともに除去され、干渉用結び目は、断裂部位に当接して配置 されるまで、縫合用「入口」を通して膝内に引き戻される。このプロセスが、断 裂が安定化されるまで、数回繰り返される。この手法においては、最後に、膝関 節の皮膚の外側の下に位置する切開口を通して、すべての縫糸端部どうしが結ば れる。しかしながら、すべての縫糸端部どうしを結ぶことは、半月板に、望まし くない張力をもたらすことができ、場合によっては、断裂した半月板にさらなる 損傷を引き起こしかねない。 干渉用結び目を使用することの代替手段は、第２套管を通して縫糸を引っ張り 出して、両端部を結ぶことにより、関節内の縫糸の端部を巻き上げることである 。 他の代替手段は、「オールインサイド」技術である。この技術においては、い くつかの干渉用結び目またはいくつかのＴ−ＦＩＸのいずれかを、関節鏡結び目 放出器を使用して共に結ばれた２つの縫合ストランドが設けられた周縁部に沿っ て配置する。これは、極めて技術的に要望される手法である。これら周知技術の 詳細な議論に関しては、Arthroscopic "Outside-to-Inside" Meniscus Repair T echnique，Craig D．Morgan，Techniques in Orthopaedics，8(2): 99-104を参 照されたい。この文献は、参考のためここに組み込まれる。 この技術の速度を高めるために、また、２つまたはそれ以上の組織部材が互い に連結されなければならないようなすべての外科手術の速度を高めるために、様 々な外科手術用固定具が開発されてきた。「干渉用」結び目を置換するために、 １９８７年６月２日付けでＲｉｃｈａｒｄｓ氏他に付与された米国特許明細書第 ４，６６９，４７３号においては、縫糸に取り付けられるＴ−バーファスナーが 開示されている。このＴ−バーファスナーは、特別のツールを使用して骨にアン カー止めされるよう構成されている。 Ｌｉ氏他に付与された米国特許明細書第５，２５８，０１５号には、そのよう な手術に対して使用することを意図した他の外科手術用デバイスが開示されてい る。このデバイスは、米国特許明細書第４，６６９，４７３号に開示されている ような、円滑表面プラスチックファスナーに対して使用するように構成されてい る。このデバイスは、少なくとも１つの、好ましくは２つの、固定用フラップを 特徴としている。各固定用フラップは、固定用端部に、一連の係合歯を備えてい る。このデバイスは、ファスナーがデバイスに対して張力がかけられた状態で、 円滑表面とされたプラスチックファスナー上に取り付けられている。特別のツー ルを使用すれば、固定用フラップを内方に押し込むことができ、これにより、プ ラスチックファスナーに係合歯を係合させて、プラスチックファスナーを変形さ せることができる。デバイス底部の脚部部材は、デバイスの所定位置からの回転 を阻止する。このデバイスは、縫糸に対する使用には適切ではない。その上、デ バイスを保持するために、プラスチックファスナーが固定用フラップよりも低密 度でなければならないことにより、プラスチックファスナーおよび固定用フラッ プのいずれかの強度を、妥協しなければならない。 Ｂｒａｎｃｈ氏に付与された米国特許明細書第５，３７２，１４６号には、組 織固定装置の他の変形例が開示されている。このデバイスにおいては、円滑な繊 維に沿って、複数の周状突起が離間配置されている。ヘッド部材は、デバイスを 一方向にのみ移動可能とするように変形するフランジを備えている。Ｌｉ氏の装 置の場合に見受けられたように、プラスチックファスナーの使用が不可欠である 。縫糸の横断面直径が極度に小さくなければならないことにより、プラスチック ファスナーの構成がわずかに変化したにしても、あるいは、プラスチックファス ナーの構成にわずかの不完全性があったにしても、破断しやすい脆弱スポットを 生じてしまう。すべてのプラスチックファスナー部材を検査して、これらすべて のものが信頼性を欠くということがわかった。したがって、外科手術に対する使 用に不適切であるということがわかった。というのは、破断した「縫糸」である と、操作をうまく行ったにしても、やり直さなければならない可能性があるから である。 １９９３年１２月１４日付けでＨａｙｈｕｒｓｔ氏他に付与された米国特許明 細書第５，２６９，８０９号には、スロット付き縫糸アンカーの、さらに他の変 形例が開示されている。ここに開示されているものは、上述のＴ−ファスナーの 変形例である。このデバイスは、約半分の長さにわたって延在するスロットが設 けられている中空円筒スリーブを特徴としている。スロットは、縫糸またはプラ スチックファスナーを保持するよう機能し、縫糸を組織内にアンカー止めするＴ 字形構造を提供する。縫糸は、スリーブ内に供給されて、スロットから引き出さ れる。縫糸は、１つまたは複数の干渉用結び目を使用することによって、逸脱が 防止されている。同様に、プラスチック繊維または編込複数繊維が、プラスチッ クファスナー内に成型されている固定ワッシャを介して、スリーブ内に保持され ている。 従来技術においては、標準的な縫糸が使用可能であって、関節手術の際に適合 しなければならないような、特に半月板修復を要する膝の手術の際に適合しなけ ればならないような、臨界的なサイズや強度、および、使用要求の容易さに適合 する、縫糸固定装置が存在していない。 発明の概要 本発明の目的は、手術時に、特に関節鏡的手術時に、結び目を作る必要がない ような、縫糸固定装置を提供することである。 本発明の他の目的は、装置構成の結果として縫糸を把持するような、縫糸固定 装置を提供することである。 本発明のさらに他の目的は、縫糸上における一連の結び目または一連の「ビー ズ」または他の突起を、一方向に容易に通行可能であるとともに、結び目または ビーズを、逆方向には通行し得ないような、縫糸固定装置を提供することである 。 本発明の別の目的は、２つまたはそれ以上の組織部材を同時に固定するような 予形成された結び目を有した縫糸に対して使用可能な、縫糸固定装置を提供する ことである。 本発明のまた別の目的は、繊維を縫糸固定装置に固定することにより２つまた はそれ以上の組織部材を同時に保持するような結び目またはプラスチック製突起 のいずれかを有した、単繊維または複数繊維または絹製繊維に対して使用可能な 、縫糸固定装置を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、縫糸または繊維がリーフに対して引っ張られたと きにリーフが縫糸固定装置の中心に向けて潰れる（閉じる）ことにより、縫糸ま たは繊維に対して一層大きな把持力をもたらすような、少なくとも１つの堅固な 関節式リーフを備えた、縫糸固定装置を提供することである。 本発明のさらに別の目的は、リーフが縫糸または繊維を保持固定しているとき の、装置の水平方向ベースから測った角度が実質的に正の角度であるような、複 数のリーフを備えた、縫糸固定装置を提供することである。 本発明の他の目的は、４つのリーフを備えた、縫糸固定装置を提供することで ある。 本発明の他の目的は、縫糸固定装置のためのツールホルダーであって、縫糸固 定装置を容易に所定位置に操作し得るようなツールホルダーを提供することであ る。 本発明の他の目的は、フレキシブルなヒンジ部を介して、装置に対してリーフ を連結するような、縫糸固定装置を提供することである。 本発明の他の目的は、高められた「把持力」でもってリーフが縫糸または繊維 に対して係合するような構造を各リーフが有しているような、縫糸固定装置を提 供することである。 本発明の目的は、装置の底面に、縫糸または繊維を装置開口内に導くよう機能 する円錐形状構造を有していることを特徴とする、縫糸固定装置を提供すること である。 最後に、本発明の目的は、標準的な縫糸が好ましいものの、結び目形成のため に利用可能な空間が制限されていることのために標準的な縫糸の使用が困難であ るような場合に、好適であるような、縫合方法を提供することである。 本発明は、手術時に、特に関節鏡的手術時に、結び目を作る必要がないような 、縫糸固定装置に関するものである。一連の結び目は、製造時に、標準的な縫糸 上に予め形成されている。結び目は、約１〜１．５ｍｍ間隔で離間されている。 縫糸は、単繊維、複数繊維、または、絹とすることができる。「ビーズ」または 他の突起を、結び目に代えて使用することができる。「結び目」という用語は、 これらの概念をも包含している。「ビーズ」または他の突起は、「プラスチック 」構造の一体形成部分として成型することも、また、公知技術によって現存の縫 糸に付加することもできる。結び目部分の配置、結び目部分の長さ、結び目部分 の数、結び目部分の縫糸上における位置は、行われるべき手術のタイプに応じて 決定することができる。また、必要であれば、縫糸の先端には、Ｔ−ＦＩＸ（Ｔ 字形固定体）や周知のアンカー止めデバイスを取り付けることができる。縫糸固 定装置は、水平面を規定するベースを具備している。ベースの横断面形状は、重 要ではなく、１つまたはそれ以上の堅固なリーフが固定され得るような環状構造 をもたらす限りにおいて、ベース自身は、丸型、六角形、八角形、等とすること ができる。堅固なリーフは、好ましくは、曲げを許容するフレキシブルなヒンジ 部を介して、ベースに取り付けられる。各リーフは、好ましくは、底面にじょう ご形の縫糸導入用円錐を形成した三角形形状とされる。三角形の頂部においては 、リーフは、内部に供給される縫糸であって一連の結び目を備えた縫糸を保持し 得るよう構成された領域を画成している。これに代えて、成型されたまたは付加 された「ビーズ」のような一連の突起を備えた縫糸を使用することもできる。じ ょうご形円錐により、装置を貫通して結び目付き縫糸が供給され得るよう、複数 のリーフが容易に広がることができる。好ましくは、頂部には、縫糸の直径に応 じた円形孔を設けることができる。これにより、縫糸を保持したリーフは、縫糸 を変形させたり切ったりして縫糸を早々に破損させることなく、結び目付き縫糸 を安定的に保持することができる。各リーフは、ベースの底面によって規定され た水平面から測ったときに、実質的に正の角度でもって、ベースに取り付けられ る。この角度は、１０°〜５０°の間の範囲とされ、約３０°が好ましい。しか しながら、約４５°が最大の保持力をもたらすものと期待される。装置の全体高 さを低減できるという点において、３０°の角度が好ましい。装置の全体高さを 低減し得る代替可能な変形例としては、約４５°の角度を使用することが挙げら れる。装置が配置されたときに装置の回転を防止するために、ベースの底面上に 、付加的に、複数のスパイクを設けることができる。 使用時には、結び目付き縫糸は、一方向においては、装置を容易に貫通するこ とができる。しかしながら、装置が引っ張られたときには、結び目付き縫糸が組 織を向いて引っ張られることにより、リーフが閉じることによって、結び目付き 縫糸は、ロックされる。使用時には、結び目付き縫糸は、互いに固定されるべき 組織部材内に配置される。この場合、縫糸の先端は、組織部材に取り付けられる 。そして、縫糸の基端は、固定されるべき組織の表面に対して縫糸固定装置を配 置するために使用されている縫糸固定装置配置用ツール内に保持された縫糸固定 装置を貫通して引っ張られる。外科医は、次に、必要な長さだけ縫糸を引っ張り 、ツールを使用して、縫糸固定装置を、縫糸に沿ってスライドさせながら降ろし ていく。最終的には、結び目が装置をロックした状態で、装置を組織に当接させ て配置する。その後、ツールが除去され、縫糸が所定長さにカットされる。 本発明による装置を使用することにより、「アウトサイド」等の任意の上記の 関節鏡的半月板修復を、より容易に行うことができる。その場合、切開サイズを 最小化できるとともに、手術時に結び目を形成しなくても良いという利点がある 。半月板断裂の修復手術に際しては、外科医は、互いに固定すべき断裂部分を通 して、縫糸を貫通させる。この縫糸は、一連の離間された干渉用結び目を備えた ものである。縫糸固定装置は、所定角度にセットされるとともに関節結合された 少なくとも１つの堅固なリーフを備えている。縫糸固定装置が組織部材のうちの 一方に当接したときに、縫糸固定装置がこの一方の組織部材を貫通した縫糸によ って形成されたポイント上の位置にくるように、かつ、縫糸が縫糸固定装置を貫 通し得るように、縫糸固定装置は、前記一方の組織部材に対して位置合わせされ る。その後、外科医は、縫糸を組織部材内において引っ張る。次に、外科医は、 縫糸に沿って縫糸固定装置をスライドさせる。各結び目が縫糸固定装置に当接す るたびに、結び目は、関節結合されたリーフの揺動を引き起こす。最後に、縫糸 固定装置が組織部材の一方に当接するようにして、かつ、縫糸の１つの結び目が 縫糸固定装置のリーフにしっかりと係合するようにして、１つの結び目を使用し て縫糸上に縫糸固定装置が固定される。以上により、組織部材どうしが、互いに 安定的に固定される。縫糸固定装置は、また、柔らかな組織、靭帯、鍵、および 、骨の修復における任意の手術に有効である。 図面の簡単な説明 図１は、縫糸固定装置の好ましい実施形態を示す側面図である。 図２は、縫糸固定装置を示す平面図である。 図３は、縫糸固定装置を示す底面図である。 図４は、図２の実施形態における４−４線矢視断面図である。 図５は、縫糸固定装置の代替可能な実施形態を示す側面図である。 図６は、代替可能な実施形態を示す平面図である。 図７は、代替可能な実施形態を示す底面図である。 図８は、図６の実施形態における８−８線矢視断面図である。 図９は、他の代替可能な実施形態を示す断面図である。 図１０は、対応する縫糸固定装置配置ツールを使用して、所定位置に配置され ようとしている縫糸固定装置を示す断面図である。 図１１は、配置ツールを示す詳細な断面図である。 図１２は、典型的な半月板修復のための縫合に使用されている縫糸固定装置を 示す図である。 図１３は、縫糸固定装置に対して使用可能な、修正された縫糸把持器を示す斜 視図である。 図１４は、半月板の外科的修復を示す断面図であって、所定位置に配置された 第１縫糸と、配置箇所近傍に配置された第２縫糸と、が図示されている。 図１５は、ロック位置に配置された３つの縫糸固定装置を示す図であって、結 び目付き縫糸がカットされる前の様子が図示されている。 図１６は、縫糸固定装置の単一リーフ型の代替可能な実施形態を示す平面図で ある。 図１７は、プラスチック繊維ファスナーに対して使用可能な、３個リーフ型の 実施形態を示す平面図である。 発明の詳細な説明 図１〜図４には、本発明の好ましい実施形態が示されている。以下の寸法は、 関節鏡的な半月板の修復に対する要求を満たすようなサイズとされたときの、本 発明に対する好ましい値を示している。しかしながら、このタイプの傷害に対す る異なる外科手術に際しては、あるいは、異なる組織部材を含有した外科手術に 際しては、寸法を適切なものに変更することができる。本発明による装置１０は 、好ましくは、図２および図３に示すように、側辺１４が約０．１２０インチと された正方形とされている。側辺１４は、好ましくは約０．０３０インチとされ た曲率半径２７に適合している。しかしながら、丸形状、八角形形状、六角形形 状、等といった他の形状とすることもできる。本発明による装置１０は、好まし くは、当業者には周知のポリラクチドコポリマーやグリサイドコポリマーといっ たような吸収可能プラスチック材料を使用した、射出成型により形成されている 。非吸収性プラスチック材料が好ましい場合には、本発明による装置１０は、任 意の適切な医療グレードのプラスチックから形成するコとができる。 ベース１２は、底面１３に沿った水平面を規定している。ベース１２は、好ま しくは、０．０２５インチとされた厚さ３３を有している。好ましい実施形態に おいては、ベース１２に対しては、フレキシブルなヒンジ部３１を介して、実質 的に同一の４つのリーフ１５が取り付けられている。リーフの数は４個が好まし いけれども、以下に説明するように、１つのリーフ（図１６に図示）、あるいは 、２つのリーフ（図示せず）、あるいは、３つのリーフ（図１７に図示）を、使 用することもできる。１つまたはそれ以上のリーフは、以下に説明するように非 関節結合とすることも（図１６）、あるいは、好ましい実施形態のように関節結 合することもできる。リーフ１５は、ピラミッド状構造を形成するような角度２ ６で取り付けられている。リーフ１５の数に関係なく、また、関節結合されてい るかどうかに関係なく、リーフ１５は、必ず、多面体形状を形成する。角度２６ の正確な数値は重要ではないけれども、１０°より大きくかつ５０°より小さい べきであり、４５°が、最も大きな保持力をもたらすものと期待される。しかし 、この実施形態においては、与えられた下部構造のために、３０°が好ましい。 リーフ１５どうしの間の間隔１６は、約０．００７インチであることが好ましい 。チャンファー部１８は、好ましくは、約０．０１×４５°である。図２に示す ように、リーフ１５の頂部１７は、尖っており、好ましくは小さな直径とされた 縫糸のために約０．０１０インチとされた空間２４を残している。しかしながら 、より大きな縫糸が使用される場合には、頂部１７は、図１７に示す半径９４の ようにして、縫糸に適した直径に調整することもできる。したがって、空間２４ は、必要に応じて調整することができる。 リーフ１５の底面３２によって、円錐２０が形成されている。円錐２０は、本 発明による装置１０を貫通させて、結び目付き縫糸を誘導するのに有効であるよ う機能する。縫糸内の結び目が円錐２０に当接すると、リーフ１５は、互いに押 し広げられる。これにより、結び目付き縫糸は、装置１０を容易に貫通すること ができる。円錐２０のベース部３４は、直径が、好ましくは、約０．０３０イン チとされている。 このような目的に供されてきた多くの従来デバイスにおける原理的な困難さは 、縫糸をうまく保持できなかったことである。上述のように、角度２６は、１０ °よりも大きくなければならない。本発明における他の重要な点は、リーフ１５ をベース１２に対して連結する際に、ヒンジ部分３１を使用することである。フ レキシブルなヒンジ３１は、リーフ１５が堅固である場合には、底部１３から測 って約０．０１６インチのところに位置している。曲率半径２８は、好ましくは 、約０．０２０インチであり、これに対して、曲率半径３６は、好ましくは、約 ０．０１０インチである。ヒンジ３１は、したがって、領域３０においては、約 ０．０１５インチ厚さである。頂部凹所の幅３８は、好ましくは、約０．０２０ インチである。このように構成されていることで、ヒンジ３１は、容易に曲がる ことができる。 図５〜図８には、本発明の代替可能な実施形態が示されている。この実施形態 においては、ベース１２は、好ましくは約０．０６０インチの半径を有する円形 とされたものとして図示されている。リーフ、ベース厚さ、フレキシブルなヒン ジ部、等に関する他の寸法については、上記実施形態のままである。この実施形 態においては、複数の円錐形歯４０が付加されている。各歯４０は、好ましくは 、約０．０３０インチの直径を有している。この実施形態に関して歯４０を例示 しているけれども、歯４０は、図１から図４に示す好ましい実施形態において付 設することもできる。また、歯４０の形状は、本発明による装置１０が結び目付 き縫糸を保持して所定位置にロックされたときに、歯４０が本発明による装置１ ０の回転を防止できる限りにおいて、変更することができる。 図９は、他の代替可能な実施形態を示す断面図である。この実施形態において は、ベース１２は、凹所４１（図４および図８に図示）の大部分を取り除いたよ うにして構成されており、これにより、本発明による装置１０の全体の高さを、 約０．０３６インチにまで、低くすることを可能としている。この場合でも、リ ーフ１５をフレキシブルとするだけのクリアランスをもたらすために、十分な空 間が設けられなければならない。凹所４１が除去された場合には、本発明による 装置１０の全体外径寸法が、これに伴って増大しなければならない。残った部材 の他の寸法については、上記好ましい実施形態において特定されたものと実質的 に同じである。この実施形態における角度２６は、保持力を増大させるために３ ０°を超えることができる。しかしながら、４５°を超えることはできない。 図１０および図１１には、ツール４８の断面図が示されている。ツール４８の 目的は、本発明による装置１０を保持することであり、これにより、外科医は、 組織部材６６に対して縫合されるべき組織部材６４に向けて、本発明による装置 １０を正確に配置することができる。図示のように、縫糸５８には、一連の離間 された結び目５９が設けられている。結び目５９のうちの１つは、縫糸５８に対 して、本発明による装置１０をしっかりとロックするために機能する。これによ り、組織６４、６６が互いに近接して保持され、治癒がもたらされることとなる 。この例においては、縫糸５８の先端は、Ｔ−ＦＩＸ６８を使用することにより 保持されている。ハンドル５０は、縫糸５８を貫通させる凹所５４を特徴として いる。ハンドル５０は、保持に適切なサイズとされている。ツール４８が手術環 境内において使用されることにより、使用されているすべての材料は、クリーニ ング可能なものでありかつ殺菌可能なものでなければならない。凹所５４内には 、延長チューブ５２が挿入されている。チューブ５２の長さは、縫糸が縫糸固定 装置内を挿通する際に、縫糸が比較的直線状であることを維持できるほどに、十 分に長くなければならない。延長チューブ５２の端部には、縫糸固定装置ホルダ ー５６が取り付けられている。ホルダー５６は、本発明による装置１０のベース １２に対応した寸法とされた中央凹所６２を有している。本発明による装置１０ が所定位置に配置されるまで本発明による装置１０がツール４８内に留まるよう に、かつ、縫糸５８がＴ−ＦＩＸ６８に対して引っ張られたときには本発明によ る装置１０が容易に外れるように、本発明による装置１０と凹所６２との間には 、簡易な着脱可能な係合が要求される。凹所６０は、凹所６２の隣接位置に配置 されており、結び目５９が本発明による装置１０を貫通して引っ張られたときに 、リーフ構造が曲がるのに十分な空間をもたらし得るような寸法とされている。 図１２は、典型的な半月板修復における縫合に際して使用されている、縫糸固 定装置を示す断面図である。上述のように、半月板の断裂を修復するために好ま しい方法は、「アウトサイドイン」技術である。本発明による装置１０を使用す れば、外科医は、結び目を一切形成する必要がない。套管８２が、膝８３内に挿 入されている。その後、別の套管８４が、半月板８６のちょうど外側であって半 月板断裂８５のほぼ中心あたりに挿入される。套管８２を通して、一連の結び目 ５９が設けられているとともに先端にＴ−ＦＩＸ６８が取り付けられた上述の縫 糸５８が、半月板８５を通して挿入される。套管８４を通して、（図１３に示す ような）縫糸把持器９２が挿入され、縫糸５８の自由端が採取され、套管８２の 方に引き寄せられる。縫糸把持器９２は、半月板組織を貫通し得る必要があるこ とから、縫糸把持器９２は、先端が先鋭端９３とされていなければならない。そ の後、縫糸５８の基端部は、縫糸固定装置１０を貫通して、配置ツール４８（図 １０に図示）のハンドル５０から引き出される。それから、外科医は、上述のよ うにして、縫糸固定装置１０を固定することができる。縫糸固定装置１０は、図 において左側に示すように、断裂部分に関してＴ−ＦＩＸ６８と反対側に配置す ることもできるし、また、図において右側に示すように、断裂部分に関してＴ− ＦＩＸ６８と同じ側に配置することもできることに注意されたい。 図１４は、所定位置に既に配置され終わった１つの縫糸と、固定されようとし ている他の縫糸と、を示す断面図である。この状況においては、両方の縫糸は、 各端部が縫糸固定装置１０を使用して既に固定されている。つまり、Ｔ−ＦＩＸ ６８は、既に取り外されている。縫糸の代わりに、突起５９’が付設されたプラ スチック繊維５８’が使用される、あるいは、単繊維または複数繊維とされた実 存の縫糸上にビーズが成型される。図１５においては、半月板断裂部位に沿って 所定位置に配置された３つの縫糸固定装置１０が図示されている。図には、縫糸 ５８のカット前の様子が示されている。 図１６は、本発明による装置１０の単一リーフ型の実施形態を示す平面図であ る。この実施形態においては、リーフ１５として、フレキシブルなヒンジ部を介 して関節結合された、ただ１つのリーフだけが設けられている。接合箇所１０１ 、１０３に沿った所定位置に、他のリーフ１５’を取り付けることができる。他 の実施形態においては、寸法は、使用されるべき縫糸の予想サイズに適合するよ う調整することができる。図１７は、３つのリーフを備えた縫糸固定装置を示す 平面図である。この場合、リーフの頂部は、より大きなサイズの縫糸を収容し得 るよう、丸められている（孔開けされている）。１つまたは２つまたは３つのリ ーフを関節結合することができる、すなわち、フレキシブルなヒンジ部を介して 取り付けることができる。本発明によるデバイスは、最も一般的には、結び目付 きの縫糸に対して使用されるけれども、図１４に示すように、それに限定される わけではない。上述の破断の問題のない繊維が開発されたならば、その場合には 、そのような繊維を本発明と共に使用することができる。そのときには、リーフ の寸法、頂部におけるリーフどうしの間の空間、リーフ頂部の形状は、本発明に よる装置がそのような繊維を保持し得るように、ここで述べた原理を使用して調 整することができる。 現在のところ好ましいと思われる実施形態について説明してきたけれども、本 発明を逸脱することなく本発明に様々な変更や修正を加え得ることは、当業者で あれば、自明であろう。したがって、本発明は、本発明の精神および範囲内にお いて、そのようなすべての変更や修正をも含有することを意図したものである。

【手続補正書】 【提出日】１９９８年６月２２日（１９９８．６．２２） 【補正内容】 特許請求の範囲 １．直径を有するとともに複数の離間した突起を有する縫糸に対して使用するた めの縫糸固定装置であって、 水平面を有するとともに取付表面付きの貫通開口が形成されたベース部材と； 複数の堅固な三角形形状のリーフであって、各々が上面および底面を有すると ともに、各々が、ベース厚さとされたベースおよび頂部を有し、さらに、各々が 前記ベースの近傍に取付厚さとされた取付領域を有した、複数のリーフと； を具備してなり、 前記ベースの前記ベース厚さは、前記取付領域の前記取付厚さよりも実質的に 厚いものとされ、 前記リーフの各々は、前記ベース部材の前記取付表面において前記取付領域を 介して前記ベース部材に対して取り付けられ、その結果、前記複数のリーフは、外力を受けていない状況において、 各リーフの前記頂部どうしを互いに近接させ た状態で多面体を形成し、これにより、前記複数のリーフは、縫糸用開口を形成 し、 前記複数のリーフのうちの少なくとも１つが、前記ベースに対して関節結合され、 前記各リーフは、該リーフの前記上面に一致する平面と、前記ベースの前記水 平面と、の間に、角度を形成した状態で取り付けられており、 前記各リーフの前記角度は、実質的に、他のリーフの前記角度と同じであり、 前記各リーフの前記角度は、１０°〜５０°の間の範囲とされていることを特 徴とする縫糸固定装置。２．（ａ）前記各リーフは、該リーフの前記上面に一致する平面と、前記ベース の前記水平面と、の間に、角度を形成した状態で取り付けられており、 前記各リーフの前記角度は、実質的に、他のリーフの前記角度と同じであり、 前記角度は、１０°〜５０°の間の範囲とされているという特徴点； （ｂ）前記リーフは、前記ベース部材に対して、フレキシブルなヒンジ部を介し て関節結合されているという特徴点； （ｃ）前記角度が、３０°であるという特徴点； （ｄ）成型プラスチックからなる単一部材であるという特徴点； （ｅ）前記複数のリーフの数が、少なくとも４つであるという特徴点； （ｆ）前記複数のリーフの数が、３つであるという特徴点； （ｇ）前記各リーフの前記各底面が、前記縫糸用開口と実質的に一致した円錐状 頂部を有した円錐形凹所を画成しているという特徴点； （ｈ）前記縫糸用開口は、前記縫糸の前記直径に一致した寸法とされているとい う特徴点； （ｉ）前記縫糸が、結ぶことの可能なフレキシブルなものであり、 前記複数の離間した突起は、前記縫糸上に結ばれた結び目であり、 前記縫糸用開口は、前記結び目のうちの１つによって前記縫糸に対して前記装 置が拘束されるような寸法とされているという特徴点； （ｊ）前記縫糸が、プラスチック繊維であり、 前記複数の離間した突起は、前記繊維に一体形成された拡大領域であり、 前記縫糸用開口は、前記拡大領域のうちの１つによって前記繊維に対して前記 装置が拘束されるような寸法とされているという特徴点； （ｋ）前記縫糸が、結ぶことの可能なフレキシブルなものであり、 前記複数の離間した突起は、前記フレキシブルな縫糸に取り付けられた実質的 に球状の構造であり、 前記縫糸用開口は、前記球状構造のうちの１つによって前記縫糸に対して前記 装置が拘束されるような寸法とされているという特徴点； のうちの１つまたは複数の特徴点を具備していることを特徴とする請求項１記載 の縫糸固定装置。 ３ ．請求項１記載の縫糸固定装置のための配置ツールであって、 上端および底端を有するとともに、長さ方向に貫通する開口を備えた軸方向長 さを有したハンドルと； 縫糸用端部およびハンドル用端部を有し、かつ、長さ方向に貫通するとともに 前記ハンドルの前記開口に連通した開口を備えた軸方向長さを有し、さらに、前 記ハンドル用端部が前記ハンドルの前記底端に取り付けられている、延長チュー ブと； 上端および底端を有する装置ホルダーであって、前記上端が前記延長チューブ の前記縫糸用端部に取り付けられ、さらに、前記底端の近傍位置に縫糸固定装置 用凹所を備え、その上、前記底端から前記上端にまで延在するとともに前記延長 チューブの前記開口に連通した開口を備え、しかも、前記縫糸固定装置の前記ベ ース部材の形状に対応した第１凹所と、前記複数のリーフによって形成された前 記多面体に対応した第２凹所と、を備え、ここで、前記第１凹所が、前記縫糸固 定装置を保持可能であるとともに１つの前記縫糸固定装置を容易に解放し得るよ う、前記縫糸固定装置を着脱可能に保持可能な寸法とされ、かつ、前記第２凹所 が、前記縫糸が前記縫糸固定装置の前記縫糸用開口を通して前記ホルダーの前記 底面を貫通しさらに前記延長チューブおよび前記ハンドルを貫通して前記ハンド ルの前記上面から引き出されるときに、前記複数のリーフが前記縫糸固定装置の 前記ベース部材に対して自由に揺動できるよう、前記複数のリーフによって形成 された前記多面体よりも十分に大きな寸法とされた、装置ホルダーと； を具備することを特徴とする配置ツール。４ ．外科手術時に少なくとも２つの組織部材を固定するための方法であって、 縫糸、および、外力を受けていない状況においてベースに対して所定角度にセ ットされるとともに関節結合された少なくとも１つの堅固なリーフを備えた縫糸 固定装置を準備し； 前記縫糸において長さ方向に沿って一連の離間された干渉用結び目を形成し； 前記組織部材を通して前記縫糸を貫通させ； 前記縫糸固定装置が前記組織部材のうちの一方に当接したときに、前記縫糸固 定装置がこの一方の組織部材を貫通した前記縫糸によって形成されたポイント上 の位置にくるように、かつ、前記縫糸が前記縫糸固定装置を貫通し得るように、 前記一方の組織部材に対して、前記縫糸固定装置を位置合わせし； 前記縫糸を前記組織部材内において引っ張り； 前記縫糸固定装置が当接した各結び目が、前記関節結合された前記リーフの揺 動を引き起こすように、前記縫糸上にわたって、前記縫糸固定装置をスライドさ せ； 前記縫糸固定装置が前記組織部材の一方に当接するようにして、かつ、前記縫 糸の１つの結び目が前記縫糸固定装置の前記リーフにしっかりと係合するように して、１つの結び目を使用して前記縫糸上に前記縫糸固定装置を固定し； 以上により、組織部材どうしを互いに安定的に固定することを特徴とする方法 。５ ．前記組織部材が、半月板であり、前記外科手術が関節鏡的手術であることを 特徴とする請求項４記載の方法。６ ．前記関節鏡的手術が、「アウトサイド−インサイド」技術を使用しているこ とを特徴とする請求項４記載の方法。７ ．同一の前記縫糸上における別の縫糸固定装置に関して、位置合わせステップ 、引っ張りステップ、スライドステップ、および、固定ステップ、を繰り返して 行うことを特徴とする請求項４記載の方法。８ ．前記別の縫糸固定装置は、先の縫糸固定装置が当接している組織部材とは異 なる組織部材に当接することを特徴とする請求項７記載の方法。９ ．前記別の縫糸固定装置は、先の縫糸固定装置が当接している組織部材と同じ 組織部材に当接することを特徴とする請求項７記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ライアン，ジェームズ，ピー アメリカ合衆国 ニューハンプシャー 03031 アムハースト パヴィリオン ロ ード ８

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．直径を有するとともに複数の離間した突起を有する縫糸に対して使用するた めの縫糸固定装置であって、 水平面を有するとともに取付表面付きの貫通開口が形成されたベース部材と； 複数の実質的に堅固な三角形形状のリーフであって、各々が上面および底面を 有するとともに、各々がベースおよび頂部を有し、さらに、各々が前記ベースの 近傍に取付領域を有した、複数のリーフと； を具備してなり、 前記リーフの各々は、前記ベース部材の前記取付表面において前記取付領域を 介して前記ベース部材に対して取り付けられ、その結果、前記複数のリーフは、 各リーフの前記頂部どうしを互いに近接させた状態で多面体を形成し、これによ り、前記複数のリーフは、縫糸用開口を形成し、 前記複数のリーフのうちの少なくとも１つが、前記ベースに対して関節結合さ れていることを特徴とする縫糸固定装置。 ２．前記各リーフは、該リーフの前記上面に一致する平面と、前記ベースの前記 水平面と、の間に、角度を形成した状態で取り付けられており、 前記各リーフの前記角度は、実質的に、他のリーフの前記角度と同じであり、 前記角度は、１０°〜５０°の間の範囲とされていることを特徴とする請求項 １記載の縫糸固定装置。 ３．前記リーフは、前記ベース部材に対して、フレキシブルなヒンジ部を介して 関節結合されていることを特徴とする請求項１記載の縫糸固定装置。 ４．前記角度が、３０°であることを特徴とする請求項２記載の縫糸固定装置。 ５．成型プラスチックからなる単一部材であることを特徴とする請求項２記載の 縫糸固定装置。 ６．前記複数のリーフの数が、少なくとも４つであることを特徴とする請求項１ 記載の縫糸固定装置。 ７．前記複数のリーフの数が、３つであることを特徴とする請求項１記載の縫糸 固定装置。 ８．前記各リーフの前記各底面が、前記縫糸用開口と実質的に一致した円錐状頂 部を有した円錐形凹所を画成していることを特徴とする請求項１記載の縫糸固定 装置。 ９．前記縫糸用開口は、前記縫糸の前記直径に一致した寸法とされていることを 特徴とする請求項１記載の縫糸固定装置。 １０．前記縫糸が、結ぶことの可能なフレキシブルなものであり、 前記複数の離間した突起は、前記縫糸上に結ばれた結び目であり、 前記縫糸用開口は、前記結び目のうちの１つによって前記縫糸の挿通が阻止さ れるような寸法とされていることを特徴とする請求項１記載の縫糸固定装置。 １１．前記縫糸が、プラスチック繊維であり、 前記複数の離間した突起は、前記繊維に一体形成された拡大領域であり、 前記縫糸用開口は、前記拡大領域のうちの１つによって前記繊維の挿通が阻止 されるような寸法とされていることを特徴とする請求項１記載の縫糸固定装置。 １２．前記縫糸が、結ぶことの可能なフレキシブルなものであり、 前記複数の離間した突起は、前記フレキシブルな縫糸に取り付けられた実質的 に球状の構造であり、 前記縫糸用開口は、前記球状構造のうちの１つによって前記縫糸の挿通が阻止 されるような寸法とされていることを特徴とする請求項１記載の縫糸固定装置。 １３．請求項１記載の縫糸固定装置のための配置ツールであって、 上端および底端を有するとともに、長さ方向に貫通する開口を備えた軸方向長 さを有したハンドルと； 縫糸用端部およびハンドル用端部を有し、かつ、長さ方向に貫通するとともに 前記ハンドルの前記開口に連通した開口を備えた軸方向長さを有し、さらに、前 記ハンドル用端部が前記ハンドルの前記底端に取り付けられている、延長チュー ブと； 上端および底端を有する装置ホルダーであって、前記上端が前記延長チューブ の前記縫糸用端部に取り付けられ、さらに、前記底端の近傍位置に縫糸固定装置 用凹所を備え、その上、前記底端から前記上端にまで延在するとともに前記延長 チューブの前記開口に連通した開口を備え、しかも、前記縫糸固定装置の前記ベ ース部材の形状に対応した第１凹所と、前記複数のリーフによって形成された前 記多面体に対応した第２凹所と、を備え、ここで、前記第１凹所が、前記縫糸固 定装置を保持可能であるとともに１つの前記縫糸固定装置を容易に解放し得るよ う、前記縫糸固定装置を着脱可能に保持可能な寸法とされ、かつ、前記第２凹所 が、前記縫糸が前記縫糸固定装置の前記縫糸用開口を通して前記ホルダーの前記 底面を貫通しさらに前記延長チューブおよび前記ハンドルを貫通して前記ハンド ルの前記上面から引き出されるときに、前記複数のリーフが前記縫糸固定装置の 前記ベース部材に対して自由に揺動できるよう、前記複数のリーフによって形成 された前記多面体よりも十分に大きな寸法とされた、装置ホルダーと； を具備することを特徴とする配置ツール。 １４．外科手術時に少なくとも２つの組織部材を固定するための方法であって、 一連の離間された干渉用結び目を備えた縫糸、および、所定角度にセットされ るとともに関節結合された少なくとも１つの堅固なリーフを備えた縫糸固定装置 を準備し； 前記組織部材を通して前記縫糸を貫通させ； 前記縫糸固定装置が前記組織部材のうちの一方に当接したときに、前記縫糸固 定装置がこの一方の組織部材を貫通した前記縫糸によって形成されたポイント上 の位置にくるように、かつ、前記縫糸が前記縫糸固定装置を貫通し得るように、 前記一方の組織部材に対して、前記縫糸固定装置を位置合わせし； 前記縫糸を前記組織部材内において引っ張り； 前記縫糸固定装置が当接した各結び目が、前記関節結合された前記リーフの揺 動を引き起こすように、前記縫糸上にわたって、前記縫糸固定装置をスライドさ せ； 前記縫糸固定装置が前記組織部材の一方に当接するようにして、かつ、前記縫 糸の１つの結び目が前記縫糸固定装置の前記リーフにしっかりと係合するように して、１つの結び目を使用して前記縫糸上に前記縫糸固定装置を固定し； 以上により、組織部材どうしを互いに安定的に固定することを特徴とする方法 。 １５．前記組織部材が、半月板であり、前記外科手術が関節鏡的手術であること を特徴とする請求項１４記載の方法。 １６．前記関節鏡的手術が、「アウトサイド−インサイド」技術を使用している ことを特徴とする請求項１４記載の方法。 １７．同一の前記縫糸上における別の縫糸固定装置に関して、位置合わせステッ プ、引っ張りステップ、スライドステップ、および、固定ステップ、を繰り返し て行うことを特徴とする請求項１４記載の方法。 １８．前記別の縫糸固定装置は、先の縫糸固定装置が当接している組織部材とは 異なる組織部材に当接することを特徴とする請求項１７記載の方法。 １９．前記別の縫糸固定装置は、先の縫糸固定装置が当接している組織部材と同 じ組織部材に当接することを特徴とする請求項１７記載の方法。