JP2023047205A - 印刷装置およびインク吸引部清掃方法 - Google Patents

Abstract

【課題】吐出ヘッドからインクを吸引するインク吸引部からのインクの除去を簡便な機構で確実に実行可能とする。
【解決手段】洗浄液がヘッド対向平面７１に供給されるとともに、ヘッド対向平面７１に対向するダミーブロック５７ａのダミー平面５７１がこの洗浄液に接触する。これによって、洗浄液がダミー平面５７１によってヘッド対向平面７１に広げられる。さらに、ヘッド対向平面７１に広げられた洗浄液は、吸引ブロック７の吸引孔７２から吸引される。そのため、吸引に伴って吸引孔７２を通過する洗浄液によって吸引孔７２の清掃を行うことができる。この際、ヘッド対向平面７１に供給されたインクの除去は、吸引ブロック７の吸引孔７２によって実行される。つまり、吸引孔７２は、吐出ヘッドＨからのインクの除去と、ヘッド対向平面７１からの洗浄液の除去の両方の機能を兼ね備える。
【選択図】図４Ｂ

Description

この発明は、インクを吐出する吐出ヘッドに付着したインクを吸引するインク吸引部を清掃する技術に関する。

従来、インクジェット方式によってインクを吐出する吐出ヘッドが印刷装置で用いられている。かかる印刷装置では、吐出ヘッドに付着したインクが固化することで、ノズルからインクを適切に吐出できないといった吐出不良が発生することが知られている。そこで、特許文献１～３では、キャップやワイパ等によって吐出ヘッドからインクを除去するクリーニングが適宜実行される。

特開２０１５－２３１７２９号公報 特開２０１５－２１７５９３号公報 特開平１０－１１９２９５号公報

ところで、上記のような吐出ヘッドからのインクの除去のために、吐出ヘッドに対向する吸引孔からインクを吸引するインク吸引部を用いることができる。ただし、インク吸引部がインクの吸引を繰り返すうちに、インク吸引部そのものがインクで汚染される場合がある。これに対しては、インク吸引部からインクを除去する機構を別途設けることが有効となる。一方で、このような機構の追加は、印刷装置の構成の複雑化やコストアップの要因となりうる。

この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、吐出ヘッドからインクを吸引するインク吸引部からのインクの除去を簡便な機構で確実に実行可能とすることを目的とする。

本発明に係る印刷装置は、ノズルが開口するインク吐出面を有して、ノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、吸引孔が開口するヘッド対向面を有し、吸引孔からインクを吸引するインク吸引部と、インク吸引部の吸引孔に負圧を付与する負圧付与部と、ヘッド対向面に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、清掃補助面を有する清掃補助部材と、ヘッド対向面がインク吐出面に対向するヘッド清掃領域と、ヘッド対向面が清掃補助面に対向する自己清掃領域との間でインク吸引部を移動させる駆動部と、負圧付与部、洗浄液供給部および駆動部を制御する制御部と、を備え、制御部は、負圧付与部を制御する負圧制御部と、駆動部を制御する駆動制御部と、洗浄液供給部を制御する供給制御部と、を含み、ヘッド清掃時には、駆動制御部は、駆動部を制御して、インク吸引部をヘッド清掃領域に移動させ、さらにヘッド清掃領域内でインク吸引部のヘッド対向面が、吐出ヘッドのインク吐出面に対向しつつインク吸引部を移動させ、負圧制御部は、負圧付与部を能動化するように制御し、インク吸引部の吸引孔に負圧を生じさることで、インク吐出面に付着したインクを吸引孔から吸引させ、自己清掃時には、駆動制御部は、駆動部を制御して、インク吸引部を自己清掃領域に移動させ、自己清掃領域内において、インク吸引部のヘッド対向面を、清掃補助面に対向させ、供給制御部は、洗浄液供給部を制御して、自己清掃領域内において、洗浄液供給部からインク吸引部のヘッド対向面に洗浄液を供給させ、負圧制御部は、負圧付与部を能動化するように制御し、インク吸引部の吸引孔に負圧を生じさることで、ヘッド対向面に供給された洗浄液を清掃補助面に接触させつつ吸引孔から洗浄液を吸引させるように構成される。

本発明に係るインク吸引部清掃方法は、インク吐出面に開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドのインク吐出面に付着したインクを、ヘッド対向面に開口する吸引孔から吸引するインク吸引部のヘッド対向面に洗浄液を供給する工程と、ヘッド対向面に対向する清掃補助部材の清掃補助面と、ヘッド対向面に供給された洗浄液とを接触させる工程と、ヘッド対向面の洗浄液を吸引孔から吸引する工程とを備える。

このように構成された本発明（印刷装置、インク吸引部清掃方法）では、インク吸引部は、吸引孔が開口するヘッド対向面を有し、吐出ヘッドのインク吐出面に付着したインクを吸引孔から吸引することで、吐出ヘッドからインクを除去する。そのため、インク吸引部のヘッド対向面および吸引孔がインクにより汚染される。そこで、次のようにしてインク吸引部の清掃が実行される。

つまり、洗浄液がヘッド対向面に供給されるとともに、ヘッド対向面に対向する清掃補助部材の清掃補助面がこの洗浄液に接触する。これによって、洗浄液が清掃補助面によってヘッド対向面に広げられる。こうして、ヘッド対向面の広範囲に洗浄液を行き渡らせて、ヘッド対向面の清掃を行うことができる。さらに、ヘッド対向面に広げられた洗浄液は、インク吸引部の吸引孔から吸引される。そのため、吸引に伴って吸引孔を通過する洗浄液によって吸引孔の清掃を行うことができる。こうして、インク吸引部のヘッド対向面と吸引孔の両方に対して確実に清掃を行うことができる。この際、ヘッド対向面に供給されたインクの除去は、インク吸引部の吸引孔によって実行される。つまり、吸引孔は、吐出ヘッドからのインクの除去と、ヘッド対向面からの洗浄液の除去の両方の機能を兼ね備える。そのため、洗浄液の除去のために機構を別途設ける必要がなく、簡便な機構でインク吸引部の清掃を行うことができる。こうして、吐出ヘッドからインクを吸引するインク吸引部からのインクの除去を簡便な機構で確実に実行ことが可能となっている。

また、ヘッド対向面には、供給孔が開口し、洗浄液供給部は、供給孔からヘッド対向面に洗浄液を供給するように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、インク吸引部のヘッド対向面に開口する供給孔から洗浄液が供給され、換言すれば、インク吸引部がそれ自身でヘッド対向面に洗浄液を供給する。こうして、機構の簡便化をより確実に図ることができる。

また、吐出ヘッドと清掃補助部材とは、所定の水平方向に配列され、ヘッド清掃領域に位置するインク吸引部のヘッド対向面の高さと、自己清掃領域に位置するインク吸引部のヘッド対向面の高さとは同じであり、駆動制御部は、駆動部を制御してインク吸引部をヘッド清掃領域に移動させて、インク吸引部にヘッド清掃をさせ、その後、駆動部を制御してヘッド清掃領域から自己清掃領域に吸引部を移動させて自己清掃させるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、インク吸引部を水平方向へ移動させるといった簡単な動作によって、ヘッド清掃から自己清掃へスムーズに移行することができる。

また、水平方向において、吐出ヘッドに対して清掃補助部材の反対側に配置された位置決め部材をさらに備え、位置決め部材は、ヘッド清掃領域に位置するインク吸引部のヘッド対向面の高さに対して設けられた当接面を有し、駆動制御部は、駆動部を制御して、インク吸引部をそのヘッド対向面が位置決め部材の当接面に当接させる位置まで移動させた後、インク吸引部を水平方向へ移動させて、インク吸引部をヘッド清掃領域に移動させるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、位置決め部材の当接面にインク吸引部のヘッド対向面に当接させることで、ヘッド清掃および自己清掃を行う際の高さにヘッド対向面を位置決めできる。したがって、ヘッド対向面を当接面に当接させてから、インク吸引部を水平方向に移動させることで、ヘッド清掃および自己清掃をスムーズに開始することができる。

また、制御部は、洗浄液供給部を制御する供給制御部をさらに備え、供給制御部が、洗浄液供給部から洗浄液が第１供給時間の間供給されるように洗浄液供給部を制御し、負圧制御部が、吸引孔から洗浄液が第１吸引時間の間吸引されるように負圧付与部を制御する第１自己清掃を１回以上行わしめた後、供給制御部が、洗浄液供給部から洗浄液が第１の供給時間より長い第２供給時間の間供給されるように洗浄液供給部を制御し、負圧制御部が、吸引孔から洗浄液が第１の吸引時間より長い第２吸引時間の間吸引されるように負圧付与部を制御する第２自己清掃を行わしめるように、印刷装置を構成してもよい。かかる構成では、自己清掃が少なくとも２回（第１および第２自己清掃）実行される。この際、後の第２自己清掃で洗浄液が供給される時間（第２供給時間）が、先の第１自己清掃で洗浄液が供給される時間（第１供給時間）より長く、後の第２自己清掃で洗浄液が吸引される時間（第２吸引時間）が、先の第１自己清掃で洗浄液が吸引される時間（第１吸引時間）より長い。こうして、洗浄液の供給時間と吸引時間とが比較的長く設けられた第２自己清掃によって、インク吸引部の清掃を仕上げることで、インク吸引部からのインクの除去をより確実に行うことができる。

以上のように、本発明によれば、吐出ヘッドからインクを吸引するインク吸引部からのインクの除去を簡便な機構で確実に実行することが可能となる。

本発明に係る印刷装置を備えた印刷システムの一例を模式的に示す正面図。 図１の印刷システムが備える印刷装置を模式的に示す正面図。 ヘッドユニットの底面を模式的に示す底面図。 ヘッドユニットの側面を模式的に示す側面図。 メンテナンスユニットが実行するヘッド吸引清掃および自己清掃の一例を模式的に示す図。 図４Ａで実行される動作の詳細を模式的に示す図。 メンテナンスユニットが実行するヘッド拭き取り清掃の一例を模式的に示す図。 メンテナンスユニットの一部の構成を模式的に示す図。 メンテナンスユニットを制御するために印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図。 吸引ブロックの外観構成を模式的に示す斜視図。 吸引ブロックによる清掃作業に必要な負圧や洗浄液を供給する清掃ユニットの構成を模式的に示す図。 吸引ブロックが実行する自己清掃の一例を模式的に示す図。 自己清掃の変形例を示すフローチャート。

図１は本発明に係る印刷装置を備えた印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。図１および以下に示す図では、水平方向Ｘおよび鉛直方向Ｚを適宜示す。図１に示すように、印刷システム１は、水平方向Ｘに配列された印刷装置３および乾燥装置９を備える。この印刷システム１は、巻出ロール１１から巻取ロール１２へロール・トゥ・ロールで長尺帯状の印刷媒体Ｍを搬送する。なお、印刷媒体Ｍの素材は、ＯＰＰ(oriented polypropylene)あるいはＰＥＴ(polyethylene
terephthalate)等のフィルムである。ただし、印刷媒体Ｍの素材はフィルムに限られず、紙等でもよい。かかる印刷媒体Ｍは可撓性を有する。また、以下では、印刷媒体Ｍの両面のうち、画像が印刷される面を表面Ｍ１と、表面Ｍ１の反対側の面を裏面Ｍ２と適宜称する。

印刷装置３は、巻出ロール１１から巻取ロール１２へ搬送される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に対してインクジェット方式で水性インクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に画像を印刷する。かかる印刷装置３の詳細な構成は後述する。こうして画像が印刷された印刷媒体Ｍは、印刷装置３から乾燥装置９へ向けて水平方向Ｘに搬送される。

乾燥装置９は乾燥炉９０を備え、巻出ロール１１から巻取ロール１２への搬送に伴って印刷装置３から搬出された印刷媒体Ｍを乾燥させる。乾燥炉９０内には、水平方向Ｘに配列された２個の上段送風ユニット９１ｕと、これら上段送風ユニット９１ｕの下側で水平方向Ｘに配列された２個の中段送風ユニット９１ｍと、これら中段送風ユニット９１ｍの下側で水平方向Ｘに配列された２個の下段送風ユニット９１ｌとが具備されている。

印刷装置３の搬出口３１２から搬出された印刷媒体Ｍは、２個の上段送風ユニット９１ｕを水平方向Ｘに通過した後に、１対のローラ９２によって２個の中段送風ユニット９１ｍへ向けて折り返される。続いて、印刷媒体Ｍは、２個の中段送風ユニット９１ｍを水平方向Ｘに通過した後に、１対のエアターンバー９３によって２下段送風ユニット９１ｌに向けて折り返される。さらに、印刷媒体Ｍは、２個の下段送風ユニット９１ｌを水平方向Ｘに通過した後に、乾燥装置９の外部へ搬出される。

上段送風ユニット９１ｕは、水平方向Ｘに通過する印刷媒体Ｍを鉛直方向Ｚから挟むように配置された２個の送風チャンバ９４を有する。各送風チャンバ９４は、水平方向Ｘに配列された複数のノズル９５を有し、各ノズル９５から温風（６０度以上の気体）を印刷媒体Ｍへ噴射する。こうして、印刷媒体Ｍは、上下に設けられた２個の送風チャンバ９４の間を通過しつつ、これら送風チャンバ９４のノズル９５から噴射された温風によって乾燥される。また、中段送風ユニット９１ｍおよび下段送風ユニット９１ｌのそれぞれも、上段送風ユニット９１ｕと同様に、印刷媒体Ｍを鉛直方向Ｚから挟む２個の送風チャンバ９４を有する。

ちなみに、上段送風ユニット９１ｕの具体的構成はここの例に限られない。例えば、上段送風ユニット９１ｕの上下の送風チャンバ９４のうち下側の送風チャンバ９４に代えて、水平方向Ｘに配列された複数のローラを設けてもよい。かかる構成では、複数のローラによって印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２を下側から支持しつつ、上側の送風チャンバ９４から印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に温風を噴射できる。

図２は図１の印刷システムが備える印刷装置を模式的に示す正面図である。図２では、水平方向Ｘの一方側Ｘ１および他方側Ｘ２を適宜示す。ここで、一方側Ｘ１は印刷装置３から乾燥装置９へ向う側であり、他方側Ｘ２は一方側Ｘ１の反対側である。印刷装置３は、筐体３１と、筐体３１内に配置されたカラー印刷部３２と、筐体３１内においてカラー印刷部３２の上方に配置された白印刷部３３と、筐体３１内に配置された複数のローラによって印刷媒体Ｍを搬送する搬送部４とを備える。

カラー印刷部３２は、搬送部４によって搬送される印刷媒体Ｍの上方において、印刷媒体Ｍの進行方向（他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ向かう方向）に配列された複数（６個）のヘッドユニット３２１を有する。複数のヘッドユニット３２１は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から対向するノズルを有し、互いに異なる色のカラーインクをインクジェット方式でノズルから吐出する。ここで、カラーインクとは、白色以外のインクを意味し、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック等のインクを含む。こうして、カラー印刷部３２の複数のヘッドユニット３２１は、それぞれの下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方からカラーインクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１にカラー画像を印刷する。

また、白印刷部３３は、搬送部４によって搬送される印刷媒体Ｍの上方に配置された単一のヘッドユニット３３１を有する。ヘッドユニット３３１は、その下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から対向するノズルを有し、白インクをインクジェット方式でノズルから吐出する。こうして、白印刷部３３のヘッドユニット３３１は、その下方を通過する印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に上方から白インクを吐出することで、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に白画像を印刷する。

筐体３１の他方側Ｘ２の側壁には搬入口３１１が開口する一方、筐体３１の一方側Ｘ１の側壁には搬出口３１２が開口している。そして、搬送部４は、上記のカラー印刷部３２および白印刷部３３を経由しつつ、搬入口３１１から搬出口３１２へ印刷媒体Ｍを搬送する。

この搬送部４は、カラー印刷部３２の下側に設けられた搬入部４１と、カラー印刷部３２の一方側Ｘ１に設けられた上昇搬送部４２と、カラー印刷部３２の上側に設けられた上方搬送部４３と、カラー印刷部３２の他方側Ｘ２に設けられた下降搬送部４４とを有する。搬入部４１は、搬入口３１１から搬入された印刷媒体Ｍをローラ４１１によって一方側Ｘ１に搬送し、上昇搬送部４２は、搬入部４１によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４２１によって上側に搬送し、上方搬送部４３は、上昇搬送部４２によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４３１によって他方側Ｘ２へ搬送し、下降搬送部４４は、上方搬送部４３によって搬送されてきた印刷媒体Ｍをローラ４４１によって下側に搬送する。

さらに、搬送部４は、カラー印刷部３２に対向する印刷媒体Ｍを下方から支持するカラー搬送部４５を有し、下降搬送部４４を通過した印刷媒体Ｍはカラー搬送部４５に進入する。このカラー搬送部４５は、他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ配列された複数のローラ４５１を有し、各ローラ４５１が印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に下方から接触する。こうして、カラー搬送部４５によって支持される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１は上方を向き、カラー印刷部３２の各ヘッドユニット３２１は、この表面Ｍ１に上方から対向しつつカラーインクを吐出する。

また、搬送部４は、印刷媒体Ｍの進行方向においてカラー搬送部４５と下降搬送部４４との間に配置されたローラ４６１、４６２、４６３を有する。ローラ４６１は、印刷媒体Ｍを駆動する駆動ローラである。ローラ４６２、４６３は印刷媒体Ｍに従動して回転する従動ローラである。

さらに、搬送部４は、カラー搬送部４５から一方側Ｘ１に搬送されてきた印刷媒体Ｍを二回上下反転させる反転搬送部４７を有する。この反転搬送部４７は、駆動ローラ４７１を含む複数のローラ４７１～４７７を有し、これらローラ４７１～４７７が印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に接触しつつ、印刷媒体Ｍを二回上下反転させる。つまり、反転搬送部４７は、カラー搬送部４５から搬送された印刷媒体Ｍを、ローラ４７１、４７２によって下方向に向けて搬送し、さらに印刷媒体Ｍの進行方向をローラ４７２によって他方側Ｘ２に変更して搬送することにより、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１と裏面Ｍ２とを上下反転させる。続いて、反転搬送部４７は、複数のローラ４７３によって印刷媒体Ｍを一方側Ｘ１から他方側Ｘ２に向けて搬送し、次いで、ローラ４７４～４７６によって印刷媒体Ｍを上方向に向けて搬送する。さらに、反転搬送部４７は、ローラ４７６によって印刷媒体Ｍの進行方向を一方側Ｘ１に変更することによって、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１と裏面Ｍ２とを再び上下反転させるとともに、ローラ４７７によって印刷媒体Ｍを他方側Ｘ２から一方側Ｘ１に向けて搬送する。

また、搬送部４は、白印刷部３３に対向する印刷媒体Ｍを下方から支持する白搬送部４８を有し、反転搬送部４７によって二回上下反転された印刷媒体Ｍは白搬送部４８に進入する。この白搬送部４８は、印刷媒体Ｍの裏面Ｍ２に下側から接触するローラ４８１を有する。こうして、白搬送部４８によって支持される印刷媒体Ｍの表面Ｍ１は上方を向き、白印刷部３３のヘッドユニット３３１は、この表面Ｍ１に上方から対向しつつ白インクを吐出する。

また、搬送部４は、上方搬送部４３より上方に設けられた搬出部４９を有する。搬出部４９は、水平方向Ｘの他方側Ｘ２から一方側Ｘ１へ配列された複数のローラ４９１を有する。この搬出部４９は、白搬送部４８により搬送されてきた印刷媒体Ｍを、複数のローラ４９１によって一方側Ｘ１へと搬送することで、筐体３１の搬出口３１２から乾燥装置９へ搬出する。

上記のように、印刷装置３のカラー印刷部３２および白印刷部３３は、ヘッドユニット３２１、３３１を有する。続いては、これらヘッドユニット３２１、３３１について説明する。なお、これらの基本的な構成は、各ヘッドユニット３２１、３３１で共通する。そこで、以下では、一のヘッドユニット３２１について説明を行い、他のヘッドユニット３２１、３３１の説明を省略する。また、ヘッドユニット３２１の吐出ヘッドＨは、印刷媒体Ｍの姿勢に応じて若干傾斜する。ただし、吐出ヘッドＨの傾斜は僅かであるため、以下に示す図では傾斜は表していない。

図３Ａはヘッドユニットの底面を模式的に示す底面図であり、図３Ｂはヘッドユニットの側面を模式的に示す側面図である。図３Ａおよび図３Ｂでは、水平方向Ｘおよび鉛直方向Ｚの他に、水平方向Ｘに直交する水平方向Ｙが示されている。図３Ａに示すように、ヘッドユニット３２１では、同一の色のインクを吐出する複数の吐出ヘッドＨが水平方向Ｙに一列に配列されている。なお、吐出ヘッドＨの配列態様は図３Ａの例に限られず、複数の吐出ヘッドＨを千鳥状に配列しても構わない。

この吐出ヘッドＨは、ハウジングＨａを有し、ハウジングＨａの底面は、インク吐出平面Ｈｂ１と、水平方向Ｘにおいてインク吐出平面Ｈｂ１の両側に設けられた突出平面Ｈｂ２とを有する。インク吐出平面Ｈｂ１と突出平面Ｈｂ２とは互いに平行であり、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１に対向する。図３Ｂに示すように、水平方向Ｘに並ぶ２個の突出平面Ｈｂ２は同一の高さに位置する（換言すれば、面一である）。一方、インク吐出平面Ｈｂ１は２個の突出平面Ｈｂ２より上側に位置する。つまり、２個の突出平面Ｈｂ２は、当該２個の突出平面Ｈｂ２の間のインク吐出平面Ｈｂ１よりも下側に突出する。これら突出平面Ｈｂ２は、例えばガラスファイバで構成される。

インク吐出平面Ｈｂ１では、複数のノズルＨｃが水平方向Ｙに配列されて開口する。なお、図３Ａの例では、複数のノズルＨｃは１列に配列されているが、これらノズルＨｃの配列態様はこの例に限られず、例えば水平方向Ｙに千鳥状にこれらノズルＨｃを配列してもよい。こうしてインク吐出平面Ｈｂ１に設けられた各ノズルＨｃは、印刷媒体Ｍの表面Ｍ１へ向けてインクを吐出する。なお、インクの吐出は、ピエゾ方式あるいはサーマル方式といった各種のインクジェット技術により実行できる。

さらに、印刷装置３は、各吐出ヘッドＨに対してメンテナンスを実行するメンテナンスユニット５１（図４Ａ、図４Ｃおよび図５）を備える。続いては、メンテナンスユニット５１について説明を行う。なお、メンテナンスユニット５１は、複数のヘッドユニット３２１、３３１のそれぞれに対して配置されているが、各ヘッドユニット３２１、３３１に設けられたメンテナンスユニット５１の構成および動作は共通する。そのため、ここでは一のメンテナンスユニット５１について説明を行う。また、メンテナンスユニット５１は、クリーニングの対象となるヘッドユニット３２１あるいはヘッドユニット３３１の姿勢に応じて若干傾斜する。ただし、メンテナンスユニット５１の傾斜は僅かであるため、以下に示す図では傾斜は表していない。

図４Ａはメンテナンスユニットが実行するヘッド吸引清掃および自己清掃の一例を模式的に示す図であり、図４Ｂは図４Ａで実行される動作の詳細を模式的に示す図であり、図４Ｃはメンテナンスユニットが実行するヘッド拭き取り清掃の一例を模式的に示す図であり、図５はメンテナンスユニットの一部の構成を模式的に示す図であり、図６はメンテナンスユニットを制御するために印刷装置が備える電気的構成を示すブロック図である。

図４Ａおよび図４Ｃに示すように、印刷装置３は、メンテナンスユニット５１と、メンテナンスユニット５１を水平方向Ｙに駆動する直動機構５５とを備える。この直動機構５５は、例えばボールネジやリニアモータによって構成され、対向位置Ｌａと、水平方向Ｙにおいて対向位置Ｌａに間隔を空けて設けられた退避位置Ｌｂとの間で、メンテナンスユニット５１を移動させる。対向位置Ｌａに位置するメンテナンスユニット５１は複数の吐出ヘッドＨに対向する一方、退避位置Ｌｂに位置するメンテナンスユニット５１は複数の吐出ヘッドＨに対向しない。また、メンテナンスユニット５１との干渉を回避するために、複数の吐出ヘッドＨは一体的に昇降することができる。特に複数の吐出ヘッドＨは、印刷高さＨｌ、印刷高さＨｌより高いキャップ高さＨｍおよびキャップ高さＨｍより高い退避高さＨｈのいずれかに位置する。なお、高さＨｌ、Ｈｍ、Ｈｈは、吐出ヘッドＨの下端面、すなわち突出平面Ｈｂ２の高さで表されている。

また、図４Ａおよび図４Ｃに示すように、水平方向Ｙにおいてヘッドユニット３２１の両側にはダミーブロック５７ａ、５７ｂが設けられている。ダミーブロック５７ａ、５７ｂは、同一の構成を有しており、例えばポリアセタールで構成される。これらダミーブロック５７ａ、５７ｂはヘッドユニット３２１に取り付けられて、ヘッドユニット３２１と一体的に昇降する。また、ダミーブロック５７ａ、５７ｂは、ダミー平面５７１（図４Ｂ）をその底面に有する。このダミー平面５７１は、吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２と平行な平面であり、ダミー平面５７１の高さは、吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２の高さと同一である。すなわち、ダミーブロック５７ａ、５７ｂのダミー平面５７１と吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２とは面一に設けられている。

メンテナンスユニット５１は、キャップ５３、拭き取りユニット６および吸引ブロック７を有する。キャップ５３は、下側から吐出ヘッドＨを覆うキャッピングを実行する。図５に示すように、拭き取りユニット６は、水平方向Ｙに間隔を空けて配列された巻出ローラ６１と巻取ローラ６２とを有し、巻出ローラ６１から巻取ローラ６２へロール・トゥ・ロールでシートＳを搬送する。また、拭き取りユニット６は、巻出ローラ６１と巻取ローラ６２との間でシートＳを下側から巻き掛ける拭き取りローラ６３を有する。この拭き取りユニット６は、拭き取りローラ６３と吐出ヘッドＨのインク吐出平面Ｈｂ１との間でシートＳを挟みつつシートＳを搬送することで、インク吐出平面Ｈｂ１に付着したインクをシートＳによって拭き取る（ヘッド拭き取り清掃）。シートＳとしては長尺な帯状の布が用いられる。ただし、シートＳの素材は布に限られず、例えば紙でもよい。

また、メンテナンスユニット５１は、メンテナンスユニット５１のハウジング５１１に対して拭き取りユニット６を昇降させる昇降機構Ｅ６を有する。具体的には、拭き取りユニット６がヘッド拭き取り清掃を行う際には、昇降機構Ｅ６は拭き取りユニット６を上昇させる一方、拭き取りユニット６が拭き取り清掃を行わない際には、昇降機構Ｅ６は拭き取りユニット６を下降させる。かかる昇降機構Ｅ６としては、アクチュエータ等を使用できる。

吸引ブロック７は、水平方向Ｙにおいて、キャップ５３と拭き取りユニット６との間に配置されている。この吸引ブロック７は、ヘッド対向平面７１をその上面に有する。ヘッド対向平面７１は、ダミーブロック５７ａ、５７ｂのダミー平面５７１や、吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２と平行な平面である。さらに、吸引ブロック７は、ヘッド対向平面７１に開口する吸引孔７２と供給孔７３とを有する。吸引孔７２は、清掃ユニット８（図６）により与えられた負圧によって、インクや洗浄液をヘッド対向平面７１から吸引し、供給孔７３は、清掃ユニット８から供給された洗浄液をヘッド対向平面７１に吐出する。

また、メンテナンスユニット５１は、メンテナンスユニット５１のハウジング５１１に対して吸引ブロック７を昇降させる昇降機構Ｅ７を有する。具体的には、吸引ブロック７が後述するヘッド吸引清掃や自己清掃を行う際には、昇降機構Ｅ７は吸引ブロック７を上昇させる一方、吸引ブロック７がこれらの清掃を行わない際には、昇降機構Ｅ７は吸引ブロック７を下降させる。かかる昇降機構Ｅ７としては、アクチュエータ等を使用できる。

図６に示すように、印刷装置３は、ＣＰＵ(Central Processing Unit)等のプロセッサで構成された制御部３９１を備える。また、図６には、制御部３９１の各機能部を図示している。制御部３９１は、駆動制御部３９１ａ、負圧制御部３９１ｂ、供給制御部３９１ｃとを含む。駆動制御部３９１ａは、直動機構５５の動作を制御してメンテナンスユニット５１を対向位置Ｌａと、水平方向Ｙにおいて対向位置Ｌａに間隔を空けて設けられた退避位置Ｌｂとの間で、移動させる。また、駆動制御部３９１ａは、昇降機構Ｅ６の動作を制御し、メンテナンスユニット５１のハウジング５１１に対して拭き取りユニット６を昇降させる。さらに、駆動制御部３９１ａは、昇降機構Ｅ７の動作を制御し、メンテナンスユニット５１のハウジング５１１に対して吸引ブロック７を昇降させる。負圧制御部３９１ｂは、後述する負圧付与部８４を構成する開閉電磁弁８４２、開閉電磁弁８４６の開閉動作を制御することで、吸引ブロック７に形成される吸引孔７２への負圧の付与又は負圧の付与の停止を実行させる。供給制御部３９１ｃは、後述する送液ポンプ８２２の供給動作と開閉電磁弁８２３の開閉動作を制御することで、吸引ブロック７に形成される供給孔７３への洗浄液の供給又は供給の停止を実行させる。そして、駆動制御部３９１ａ、負圧制御部３９１ｂ、供給制御部３９１ｃが、各々直動機構５５、昇降機構Ｅ６、昇降機構Ｅ７および清掃ユニット８に含まれる開閉電磁弁８４２、開閉電磁弁８４６、送液ポンプ８２２および開閉電磁弁８２３の動作を制御することで、図４Ａ～図４Ｃに示す動作を実行する。

図４ＡのステップＳ１０１では、メンテナンスユニット５１は対向位置Ｌａに位置し、ヘッドユニット３２１は、キャップ高さＨｍに位置する。したがって、メンテナンスユニット５１のキャップ５３は、ヘッドユニット３２１に当接して、複数の吐出ヘッドＨを下側から覆う（キャッピング）。これに対して、拭き取りユニット６および吸引ブロック７は、水平方向Ｙにおいて、ヘッドユニット３２１から退避位置Ｌｂの反対側へ突出している。

ステップＳ１０２では、ヘッドユニット３２１がキャップ高さＨｍから退避高さＨｈへ上昇する。これによって、複数の吐出ヘッドＨとキャップ５３とが離間して、キャッピングが解除される。一方、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１は、退避高さＨｈより低い待機位置Ｈ７（図４Ｂ）に位置する。つまり、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１は、ダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１より下側に位置する。

ステップＳ１０３では、駆動制御部３９１ａは、直動機構５５を制御し、吸引ブロック７の位置を水平方向Ｙに調整することで吸引ブロック７のヘッド対向平面７１とダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１との位置を水平方向Ｙに合わせる。そして、駆動制御部３９１ａは、昇降機構Ｅ７を制御し、吸引ブロック７を上昇させる。これによって、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１は、待機位置Ｈ７から退避高さＨｈまで上昇して、ダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１に当接する。

ステップＳ１０４では、駆動制御部３９１ａが、直動機構５５を制御し、メンテナンスユニット５１の対向位置Ｌａから退避位置Ｌｂへ向けた水平方向Ｙの移動を開始させる。これによって、吸引ブロック７は、吐出ヘッドＨのインク吐出平面Ｈｂ１に対向するヘッド清掃領域Ｒｈ内を対向位置Ｌａに向けて移動する。吸引ブロック７がヘッド清掃領域Ｒｈ内を移動中は、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１はインク吐出平面Ｈｂ１および突出平面Ｈｂ２に下側から対向するとともに、吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２と同じ退避高さＨｈに位置する。したがって、ヘッド対向平面７１の両端が突出平面Ｈｂ２に接触しつつ、ヘッド対向平面７１の中央（当該両端の間の範囲）に設けられた吸引孔７２および供給孔７３がインク吐出平面Ｈｂ１に対向した状態で、吸引ブロック７が移動する。さらに、吸引ブロック７がヘッド清掃領域Ｒｈ内を移動中は、負圧制御部３９１ｂが、後述する負圧付与部８４を能動化するように制御し、負圧付与部８４を構成する開閉電磁弁８４２および開閉電磁弁８４６が開くように制御する。その結果、吸引ブロック７に形成される吸引孔７２へ負圧が付与され、吸引孔７２が吸引を実行する。これによって、吐出ヘッドＨのインク吐出平面Ｈｂ１に付着したインクが吸引孔７２から吸引されて、吐出ヘッドＨからインクが除去される（ヘッド吸引清掃）。

ステップＳ１０５では、駆動制御部３９１ａは、ヘッド清掃領域Ｒｈを通過した吸引ブロック７が、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に対向する自己清掃領域Ｒｓで停止するように直動機構５５を制御する。これによって、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１は、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に下側から接触する。そして、負圧制御部３９１ｂが、後述する負圧付与部８４を能動化するように制御するとともに、供給制御部３９１ｃが後述する洗浄液供給部８２を制御して、ヘッド対向平面７１に洗浄液を供給させる。これによって吸引ブロック７は、後に詳述する自己清掃を実行して、ヘッド対向平面７１や吸引孔７２に付着したインクを除去する。

ステップＳ１０５の自己清掃が完了すると、図４ＣのステップＳ１０６に示すように、駆動制御部３９１ａは、直動機構５５を制御し、メンテナンスユニット５１を、退避位置Ｌｂに移動させ、さらに、昇降機構Ｅ７の動作を制御し、吸引ブロック７を退避高さＨｈから待機位置Ｈ７に下降させるとともに、昇降機構Ｅ６の動作を制御し、拭き取りユニット６を上昇させる。

ステップＳ１０７では、駆動制御部３９１ａは、直動機構５５を制御し、メンテナンスユニット５１の退避位置Ｌｂから対向位置Ｌａへ向けての移動を開始させる。そして、シートＳが吐出ヘッドＨのインク吐出平面Ｈｂ１に接触すると、拭き取りユニット６は、水平方向Ｙへの移動を継続しつつ、ロール・トゥ・ロールによるシートＳの搬送を開始する。これによって、インク吐出平面Ｈｂに付着したインクがシートＳによって拭き取られる（ヘッド拭き取り清掃）。

メンテナンスユニット５１が対向位置Ｌａに到着すると（ステップＳ１０８）、メンテナンスユニット５１のキャップ５３が複数の吐出ヘッドＨに下方から対向する。一方、拭き取りユニット６および吸引ブロック７は、水平方向Ｙにおいて複数の吐出ヘッドＨから突出した位置で停止する。続いて、複数の吐出ヘッドＨは退避高さＨｈからキャップ高さＨｍへ下降する（ステップＳ１０９）。これによって、各吐出ヘッドＨがキャップ５３によって下側から覆われる（キャッピング）。

続いては、吸引ブロック７が実行するヘッド吸引清掃および自己清掃に関する構成および動作の詳細について説明する。図７は吸引ブロックの外観構成を模式的に示す斜視図であり、図８は吸引ブロックによる清掃作業に必要な負圧や洗浄液を供給する清掃ユニット８の構成を模式的に示す図である。

図７に示すように、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１では、複数の吸引孔７２が水平方向Ｘに一列に並ぶとともに、複数の供給孔７３が水平方向Ｘに一列に並ぶ。ただし、吸引孔７２および供給孔７３の配列態様はここの例に限られず、吸引孔７２と供給孔７３とを交互に配列してもよい。あるいは、吸引孔７２および供給孔７３の配列方向は、水平方向Ｘではなく水平方向Ｙでもよい。

そして、清掃ユニット８は、吸引孔７２に負圧を供給し、供給孔７３に洗浄液を供給することができる。この清掃ユニット８は、洗浄液供給部８２を含んでいる。この洗浄液供給部８２は、洗浄液タンク８１を有し、洗浄液タンク８１が洗浄液を貯留する。この洗浄液は、インクの成分のうち着色成分（顔料・染料）以外の成分で例えば構成される。さらに、洗浄液供給部８２は、洗浄液タンク８１と供給孔７３とを接続する配管８２１と、配管８２１に設けられた送液ポンプ８２２と、送液ポンプ８２２と供給孔７３との間で配管８２１に取り付けられた開閉電磁弁８２３とを有する。供給制御部３９１ｃは、送液ポンプ８２２の送液動作と開閉電磁弁８２３の開閉動作とを制御する。そして、供給制御部３９１ｃの制御によって開閉電磁弁８２３が開いた状態で、送液ポンプ８２２は洗浄液タンク８１から配管８２１を介して供給孔７３に洗浄液を供給する。また、送液ポンプ８２２を停止させるあるいは開閉電磁弁８２３を閉じることで、供給孔７３への洗浄液の供給を停止できる。

また、清掃ユニット８は、負圧付与部８４を含んでいる。負圧付与部８４は、吸引液トラップタンク８３と、吸引液トラップタンク８３と吸引孔７２とを接続する配管８４１と、配管８４１に取り付けられた開閉電磁弁８４２と、吸引液トラップタンク８３と排気口８５とを接続する配管８４３と、配管８４３に取り付けられたイジェクタ８４４と、イジェクタ８４４と正圧源とを接続する配管８４５と、配管８４５に取り付けられた開閉電磁弁８４６とを有する。負圧制御部３９１ｂは、開閉電磁弁８４２と開閉電磁弁８４６の開閉動作とを制御する。開閉電磁弁８４６が開くことにより、正圧源からの正圧がイジェクタ８４４に供給されると、イジェクタ８４４は、正圧の供給に応じて負圧を発生させて、吸引液トラップタンク８３内の気体（空気）を排気口８５に排出する。これによって、吸引液トラップタンク８３内に負圧が生じる。したがって、開閉電磁弁８４２が開いた状態では、吸引液トラップタンク８３内の負圧が配管８４１を介して吸引孔７２に供給される。そして、吸引孔７２が負圧によって吸引した液体（インク・洗浄液）は、配管８４１を介して吸引液トラップタンク８３にトラップされる。一方、開閉電磁弁８４２および開閉電磁弁８４６の少なくとも一方を閉じることで、吸引孔７２への負圧の供給を停止できる。このように、負圧制御部３９１ｂは、負圧付与部８４を能動化し、開閉電磁弁８４２と開閉電磁弁８４６が開くように制御することにより、ヘッド対向平面７１の吸引孔７２に負圧を付与させる。一方、負圧制御部３９１ｂは、負圧付与部８４を構成する開閉電磁弁８４２および開閉電磁弁８４６の少なくとも一方を閉じるように制御することにより、負圧付与部８４を非能動化し、吸引孔７２への負圧の供給を停止できる。

そして、供給制御部３９１ｃは、送液ポンプ８２２、開閉電磁弁８２３を制御し、負圧制御部３９１ｂは、開閉電磁弁８４２および開閉電磁弁８４６を制御することで、供給孔７３への洗浄液の供給や、吸引孔７２への負圧の供給を実行する。例えば、上記のステップＳ１０４のヘッド吸引清掃の実行中は、供給孔７３への洗浄液の供給を停止しつつ、吸引孔７２に負圧を与えることで、インク吐出平面Ｈｂ１に付着したインクを吸引孔７２から吸引して、吸引液トラップタンク８３に回収する。また、ステップＳ１０５での自己清掃では、次の図９に示す動作が実行される。

図９は吸引ブロックが実行する自己清掃の一例を模式的に示す図である。上述の通り、自己清掃の開始に応じて、ダミーブロック５７は自己清掃領域Ｒｓに位置する（ステップＳ２０１）。これによって、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１は、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に下側から接触して、ダミー平面５７１によって覆われる。また、このステップＳ２０１では、供給孔７３への洗浄液の供給と、吸引孔７２への負圧の供給とは停止されている。

ステップＳ２０２では、供給孔７３への洗浄液の供給が開始される。これによって、供給孔７３から吐出された洗浄液がヘッド対向平面７１に供給される。一方、ヘッド対向平面７１には、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１が接触しており、ヘッド対向平面７１に供給された洗浄液はダミー平面５７１に接触する。そのため、ステップＳ２０３の矢印に示すように、ヘッド対向平面７１に供給された洗浄液は、ダミー平面５７１によってヘッド対向平面７１に沿って広げられる。

そして、供給孔７３への洗浄液の供給が停止されると、吸引孔７２への負圧の付与が開始される（ステップＳ２０４）。これによって、ヘッド対向平面７１に供給された洗浄液が、吸引孔７２によって吸引されて、吸引液トラップタンク８３に回収される。こうして、ヘッド対向平面７１から洗浄液が除去される。ちなみに、洗浄液の供給停止の前に、負圧の付与を開始しても構わない。かかる動作によれば、ヘッド対向平面７１に洗浄液を供給しつつ、ヘッド対向平面７１から洗浄液を吸引する期間が存在することとなる。この場合、洗浄液の供給を停止した後に、所定時間の間は負圧の供給を継続してから、負圧の供給を停止するとよい。

以上に説明する実施形態では、吸引ブロック７（インク吸引部）は、吸引孔７２が開口するヘッド対向平面７１（ヘッド対向面）を有し、吐出ヘッドＨのインク吐出平面Ｈｂ１（インク吐出面）に付着したインクを吸引孔７２から吸引することで、吐出ヘッドＨからインクを除去する（ステップＳ１０４のヘッド吸引清掃）。そのため、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１および吸引孔７２がインクにより汚染される。そこで、次のようにして吸引ブロック７の清掃が実行される。

つまり、洗浄液がヘッド対向平面７１に供給されるとともに、ヘッド対向平面７１に対向するダミーブロック５７ａ（清掃補助部材）のダミー平面５７１（清掃補助面）がこの洗浄液に接触する。これによって、洗浄液がダミー平面５７１によってヘッド対向平面７１に広げられる。こうして、ヘッド対向平面７１の広範囲に洗浄液を行き渡らせて、ヘッド対向平面７１の清掃を行うことができる。さらに、ヘッド対向平面７１に広げられた洗浄液は、吸引ブロック７の吸引孔７２から吸引される。そのため、吸引に伴って吸引孔７２を通過する洗浄液によって吸引孔７２の清掃を行うことができる。こうして、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１と吸引孔７２の両方に対して確実に清掃を行うことができる。この際、ヘッド対向平面７１に供給されたインクの除去は、吸引ブロック７の吸引孔７２によって実行される。つまり、吸引孔７２は、吐出ヘッドＨからのインクの除去と、ヘッド対向平面７１からの洗浄液の除去の両方の機能を兼ね備える。そのため、洗浄液の除去のために機構を別途設ける必要がなく、簡便な機構で吸引ブロック７の清掃を行うことができる。こうして、吐出ヘッドＨからインクを吸引する吸引ブロック７からのインクの除去を簡便な機構で確実に実行ことが可能となっている。

また、ヘッド対向平面７１には、供給孔７３が開口し、洗浄液供給部８２は、供給孔７３からヘッド対向平面７１に洗浄液を供給する。かかる構成では、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１に開口する供給孔７３から洗浄液が供給され、換言すれば、吸引ブロック７がそれ自身でヘッド対向平面７１に洗浄液を供給する。こうして、機構の簡便化をより確実に図ることができる。

また、吐出ヘッドＨとダミーブロック５７ａとは、水平方向Ｙに配列され、ヘッド清掃領域Ｒｈに位置する吸引ブロック７のヘッド対向平面７１の高さと、自己清掃領域Ｒｓに位置する吸引ブロック７のヘッド対向平面７１の高さとは、同じである。これは、ヘッド清掃領域Ｒｈにおいて吸引ブロック７のヘッド対向平面７１が当接する吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２と、自己清掃領域Ｒｓにおいて吸引ブロック７のヘッド対向平面７１が当接するダミーブロック５７ａのダミー平面５７１とが面一であることによる。これに対して、吸引ブロック７は、ヘッド清掃領域Ｒｈでヘッド吸引清掃（ヘッド清掃）を実行してから、ヘッド清掃領域Ｒｈから自己清掃領域Ｒｓへ水平方向Ｙに移動して、自己清掃領域Ｒｓで自己清掃を実行する（ステップＳ１０４～Ｓ１０５）。かかる構成では、吸引ブロック７の高さを変えることなく、吸引ブロック７を水平方向Ｙへ移動させるといった簡単な動作によって、ヘッド吸引清掃から自己清掃へスムーズに移行することができる。

また、水平方向Ｙにおいて、吐出ヘッドＨに対してダミーブロック５７ａの反対側に配置されたダミーブロック５７ｂ（位置決め部材）が設けられている。このダミーブロック５７ｂは、ヘッド清掃領域Ｒｈに位置する吸引ブロック７のヘッド対向平面７１の高さに対して設けられたダミー平面５７１（当接面）を有する。換言すれば、吐出ヘッドＨの突出平面Ｈｂ２と、ダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１とが面一である。そして、直動機構５５および昇降機構Ｅ７（駆動部）は、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１をダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１に下側から当接させてから、吸引ブロック７を水平方向Ｙへ移動させることで、吸引ブロック７をヘッド清掃領域Ｒｈに移動させる（ステップＳ１０３～Ｓ１０４）。かかる構成では、ダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１に吸引ブロック７のヘッド対向平面７１に当接させることで、ヘッド吸引清掃および自己清掃を行う際の高さにヘッド対向平面７１を位置決めできる。したがって、ヘッド対向平面７１をダミー平面５７１に当接させてから、吸引ブロック７を水平方向Ｙに移動させることで、ヘッド吸引清掃および自己清掃をスムーズに開始することができる。

上述の様に、本実施形態では、印刷装置３が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、制御部３９１が本発明の「制御部」の一例に相当し、駆動制御部３９１ａが本発明の「駆動制御部」の一例に相当し、負圧制御部３９１ｂが本発明の「負圧制御部」の一例に相当し、供給制御部３９１ｃが本発明の「供給制御部」の一例に相当し、直動機構５５および昇降機構Ｅ７が協働して本発明の「駆動部」の一例として機能し、ダミーブロック５７ａが本発明の「清掃補助部材」の一例に相当し、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１が本発明の「清掃補助面」の一例に相当し、ダミーブロック５７ｂが本発明の「位置決め部材」の一例に相当し、ダミーブロック５７ｂのダミー平面５７１が本発明の「当接面」の一例に相当し、吸引ブロック７が本発明の「インク吸引部」の一例に相当し、ヘッド対向平面７１が本発明の「ヘッド対向面」の一例に相当し、吸引孔７２が本発明の「吸引孔」の一例に相当し、供給孔７３が本発明の「供給孔」の一例に相当し、洗浄液供給部８２が本発明の「洗浄液供給部」の一例に相当し、負圧付与部８４が本発明の「負圧付与部」の一例に相当し、吐出ヘッドＨが本発明の「吐出ヘッド」の一例に相当し、インク吐出平面Ｈｂ１が本発明の「インク吐出面」の一例に相当し、ノズルＨｃが本発明の「ノズル」の一例に相当し、ヘッド清掃領域Ｒｈが本発明の「ヘッド清掃領域」の一例に相当し、自己清掃領域Ｒｓが本発明の「自己清掃領域」の一例に相当し、水平方向Ｙが本発明の「水平方向」の一例に相当し、ステップＳ１０４のヘッド吸引清掃が本発明の「ヘッド清掃」の一例に相当し、ステップＳ２０１～Ｓ２０４の自己清掃が本発明の「自己清掃」の一例に相当する。

なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、自己清掃を実行する具体的な態様を種々変更することができる。つまり、自己清掃を行うタイミングは、ヘッド吸引清掃の後に限られず、その他のタイミングで自己清掃を行ってもよい。また、次に示すように、洗浄液の供給と吸引を繰り返して行ってもよい。

図１０は自己清掃の変形例を示すフローチャートである。図１０のフローチャートは制御部３９１に含まれる供給制御部３９１ｃと負圧制御部３９２ｂの制御によって実行される。ステップＳ３０１では、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１がダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に当接する。この状態では、洗浄液の供給および負圧の供給は停止している。

続いて、供給孔７３を介したヘッド対向平面７１への洗浄液の供給が開始される（ステップＳ３０２）。ステップＳ３０３では、洗浄液の供給開始から所定の第１供給時間が経過したかが確認される。このように第１供給時間の間、洗浄液の供給を継続することで、ヘッド対向平面７１に対して十分な洗浄液を供給しつつ、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１によって洗浄液をヘッド対向平面７１に広げることができる。そして、第１供給時間が経過すると（ステップＳ３０３で「ＹＥＳ」）、洗浄液の供給が停止される（ステップＳ３０４）。

ステップＳ３０５では、吸引孔７２への負圧の供給が開始されて、ヘッド対向平面７１に供給された洗浄液の吸引が開始される。ステップＳ３０６では、洗浄液の吸引開始から所定の第１吸引時間が経過したかが確認される。このように第１吸引時間の間、洗浄液の吸引を継続することで、ヘッド対向平面７１から洗浄液を確実に除去することができる。そして、第１吸引時間が経過すると（ステップＳ３０６で「ＹＥＳ」）、負圧の供給が停止されて、洗浄液の吸引が停止される（ステップＳ３０７）。

ステップＳ３０８では、ステップＳ３０２～Ｓ３０７の実行回数が所定回数に到達したか否かが判断される。ここで、所定回数は、１以上の回数である。特に所定回数を複数回に設定することで、ステップＳ３０２～Ｓ３０７を繰り返して行って、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１および吸引孔７２からのインクの除去を確実に図ることができる。実行回数が所定回数未満である場合（ステップＳ３０８で「ＮＯ」の場合）には、ステップＳ３０２に戻り、実行回数が所定回数に等しい場合（ステップＳ３０８で「ＹＥＳ」の場合）には、ステップＳ３０９に進む。

ステップＳ３０９では、供給孔７３を介したヘッド対向平面７１への洗浄液の供給が開始される。ステップＳ３１０では、洗浄液の供給開始から所定の第２供給時間が経過したかが確認される。このように第２供給時間の間、洗浄液の供給を継続することで、ヘッド対向平面７１に対して十分な洗浄液を供給しつつ、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１によって洗浄液をヘッド対向平面７１に広げることができる。特に第２供給時間は第１供給時間よりも長い。そして、第２供給時間が経過すると（ステップＳ３１０で「ＹＥＳ」）、洗浄液の供給が停止される（ステップＳ３１１）。

ステップＳ３１２では、吸引孔７２への負圧の供給が開始されて、ヘッド対向平面７１に供給された洗浄液の吸引が開始される。ステップＳ３１３では、洗浄液の吸引開始から所定の第２吸引時間が経過したかが確認される。このように第２吸引時間の間、洗浄液の吸引を継続することで、ヘッド対向平面７１から洗浄液を確実に除去することができる。特に第２吸引時間は第１吸引時間よりも長い。そして、第２吸引時間が経過すると（ステップＳ３１３で「ＹＥＳ」）、負圧の供給が停止されて、洗浄液の吸引が停止される（ステップＳ３１４）。

この変形例では、制御部３９１は、清掃ユニット８（洗浄液供給部）によって供給孔７３から洗浄液を第１供給時間の間供給して吸引孔７２から洗浄液を第１吸引時間の間吸引するステップＳ３０２～Ｓ３０７（第１自己清掃）と、清掃ユニット８によって供給孔７３から洗浄液を第２供給時間の間供給して吸引孔７２から洗浄液を第２吸引時間の間吸引するステップＳ３０９～Ｓ３１４（第２自己清掃）を実行する。具体的には、ステップＳ３０２～Ｓ３０７を所定回数実行した後に、Ｓ３０９～Ｓ３１４を実行する。特に、第１供給時間より第２供給時間は長く、第１吸引時間より第２吸引時間は長い。かかる構成では、自己清掃が少なくとも２回（ステップＳ３０２～Ｓ３０７およびＳ３０９～Ｓ３１４）実行される。この際、後の自己清掃（Ｓ３０９～Ｓ３１４）で洗浄液が供給される時間（第２供給時間）が、先の自己清掃（ステップＳ３０２～Ｓ３０７）で洗浄液が供給される時間（第１供給時間）より長く、後の自己清掃（Ｓ３０９～Ｓ３１４）で洗浄液が吸引される時間（第２吸引時間）が、先の自己清掃（ステップＳ３０２～Ｓ３０７）で洗浄液が吸引される時間（第１吸引時間）より長い。こうして、洗浄液の供給時間と吸引時間とが比較的長く設けられた自己清掃（Ｓ３０９～Ｓ３１４）によって、吸引ブロック７（インク吸引部）の清掃を仕上げることで、吸引ブロック７からのインクの除去をより確実に行うことができる。

なお、図１０のフローチャートに対して変更を加えてもよい。例えば、第２供給時間を、第１供給時間と同じ、あるいは第１供給時間未満に設定してもよく、第２吸引時間を、第１吸引時間と同じ、あるいは第１吸引時間未満に設定してもよい。

また、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１に洗浄液を供給するタイミングを適宜変更してもよい。つまり、上記の例では、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１がダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に接触した状態で、洗浄液がヘッド対向平面７１に供給される。しかしながら、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１がダミーブロック５７ａのダミー平面５７１から離間した状態で洗浄液をヘッド対向平面７１に供給してから、ヘッド対向平面７１をダミー平面５７１に接触させてもよい。かかる動作によっても、ダミー平面５７１によって洗浄液をヘッド対向平面７１に広げることができる。

また、吸引ブロック７の自己清掃において洗浄液の供給および吸引を行う際に、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１がダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に接触している必要は必ずしもない。つまり、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１に対して僅かなクリアランスを空けて、吸引ブロック７のヘッド対向平面７１が対向している状態で、洗浄液の供給および吸引を行ってもよい。

また、洗浄液を供給する具体的な構成を変更してもよい。例えば、洗浄液の供給孔を、吸引ブロック７ではなくダミーブロック５７ａに設けてもよい。かかる構成では、清掃ユニット８は、ダミーブロック５７ａのダミー平面５７１で開口する供給孔から吸引ブロック７のヘッド対向平面７１に洗浄液を供給する。

また、２個のダミーブロック５７ａ、５７ｂを設けることは必須ではなく、１個のダミーブロック５７ａのみを設けてもよい。

また、ダミーブロック５７ａの配置場所は、上記の例に限られず、適宜変更してもよく、必ずしもダミーブロック５７ａをヘッドユニット３２１に取り付ける必要もない

また、吐出ヘッドＨを水平方向Ｙに移動させることで、吸引ブロック７によるヘッド吸引清掃を実行してもよい。要するに、吐出ヘッドＨに対して吸引ブロック７を相対的に移動させればよい。

本発明は、インクを吐出する吐出ヘッドに付着したインクを吸引するインク吸引部を清掃する技術の全般に適用可能である。

３…印刷装置
３９１…制御部
５５…直動機構（駆動部）
Ｅ７…昇降機構（駆動部）
５７ａ…ダミーブロック（清掃補助部材）
５７ｂ…ダミーブロック（位置決め部材）
５７１…ダミー平面（清掃補助面、当接面）
７…吸引ブロック（インク吸引部）
７１…ヘッド対向平面（ヘッド対向面）
７２…吸引孔
７３…供給孔
８…清掃ユニット
８２…洗浄液供給部
８４…負圧付与部
８２２…送液ポンプ
８２３、８４２、８４６…開閉電磁弁
８４４…イジェクタ
Ｈ…吐出ヘッド
Ｈｂ１…インク吐出平面（インク吐出面）
Ｈｃ…ノズル
Ｒｈ…ヘッド清掃領域
Ｒｓ…自己清掃領域
Ｙ…水平方向
Ｓ１０４…ヘッド吸引清掃（ヘッド清掃）
Ｓ２０１～Ｓ２０４…自己清掃

Claims (6)

1. ノズルが開口するインク吐出面を有して、前記ノズルからインクを吐出する吐出ヘッドと、
   吸引孔が開口するヘッド対向面を有し、前記吸引孔からインクを吸引するインク吸引部と、
   前記インク吸引部の前記吸引孔に負圧を付与する負圧付与部と、
   前記ヘッド対向面に洗浄液を供給する洗浄液供給部と、
   清掃補助面を有する清掃補助部材と、
   前記ヘッド対向面が前記インク吐出面に対向するヘッド清掃領域と、前記ヘッド対向面が前記清掃補助面に対向する自己清掃領域との間で前記インク吸引部を移動させる駆動部と、
   前記負圧付与部、前記洗浄液供給部および前記駆動部を制御する制御部と、
   を備え、
   前記制御部は、
   前記負圧付与部を制御する負圧制御部と、
   前記駆動部を制御する駆動制御部と、
   前記洗浄液供給部を制御する供給制御部と、
   を含み、
   前記ヘッド清掃時には、
   前記駆動制御部は、前記駆動部を制御して、前記インク吸引部を前記ヘッド清掃領域に移動させ、さらに前記ヘッド清掃領域内で前記インク吸引部の前記ヘッド対向面が、前記吐出ヘッドの前記インク吐出面に対向しつつ前記インク吸引部を移動させ、
   前記負圧制御部は、前記負圧付与部を能動化するように制御し、前記インク吸引部の前記吸引孔に負圧を生じさることで、前記インク吐出面に付着したインクを前記吸引孔から吸引させ、
   前記自己清掃時には、
   前記駆動制御部は、前記駆動部を制御して、前記インク吸引部を前記自己清掃領域に移動させ、前記自己清掃領域内において、前記インク吸引部の前記ヘッド対向面を、前記清掃補助面に対向させ、
   前記供給制御部は、前記洗浄液供給部を制御して、前記自己清掃領域内において、前記洗浄液供給部から前記インク吸引部のヘッド対向面に洗浄液を供給させ、
   前記負圧制御部は、前記負圧付与部を能動化するように制御し、前記インク吸引部の前記吸引孔に負圧を生じさることで、前記ヘッド対向面に供給された前記洗浄液を前記清掃補助面に接触させつつ前記吸引孔から前記洗浄液を吸引させる、
   印刷装置。
2. 前記ヘッド対向面には、供給孔が開口し、
   前記洗浄液供給部は、前記供給孔から前記ヘッド対向面に前記洗浄液を供給する請求項１に記載の印刷装置。
3. 前記吐出ヘッドと前記清掃補助部材とは、所定の水平方向に配列され、
   前記ヘッド清掃領域に位置する前記インク吸引部の前記ヘッド対向面の高さと、前記自己清掃領域に位置する前記インク吸引部の前記ヘッド対向面の高さとは同じであり、
   前記駆動制御部は、前記駆動部を制御して前記インク吸引部をヘッド清掃領域に移動させて、前記インク吸引部に前記ヘッド清掃をさせ、その後、前記駆動部を制御して前記ヘッド清掃領域から前記自己清掃領域に前記インク吸引部を移動させて自己清掃させる請求項１または２に記載の印刷装置。
4. 前記水平方向において、前記吐出ヘッドに対して前記清掃補助部材の反対側に配置された位置決め部材をさらに備え、
   前記位置決め部材は、前記ヘッド清掃領域に位置する前記インク吸引部の前記ヘッド対向面の高さに対して設けられた当接面を有し、
   前記駆動制御部は、前記駆動部を制御して、前記インク吸引部をその前記ヘッド対向面が前記位置決め部材の前記当接面に当接させる位置まで移動させた後、前記インク吸引部を前記水平方向へ移動させて、前記インク吸引部を前記ヘッド清掃領域に移動させる請求項３に記載の印刷装置。
5. 前記制御部は、
   前記洗浄液供給部を制御する供給制御部をさらに備え、
   前記供給制御部が、
   前記洗浄液供給部から前記洗浄液が第１供給時間の間供給されるように前記洗浄液供給部を制御し、
   前記負圧制御部が、前記吸引孔から前記洗浄液が第１吸引時間の間吸引されるように前記負圧付与部を制御する第１自己清掃を１回以上行わしめた後、
   前記供給制御部が、
   前記洗浄液供給部から前記洗浄液が前記第１供給時間より長い第２供給時間の間供給されるように前記洗浄液供給部を制御し、
   前記負圧制御部が、前記吸引孔から前記洗浄液が前記第１吸引時間より長い第２吸引時間の間吸引されるように前記負圧付与部を制御する第２自己清掃を行わしめる請求項１ないし４のいずれか一項に記載の印刷装置。
6. インク吐出面に開口するノズルからインクを吐出する吐出ヘッドの前記インク吐出面に付着したインクを、ヘッド対向面に開口する吸引孔から吸引するインク吸引部の前記ヘッド対向面に洗浄液を供給する工程と、
   前記ヘッド対向面に対向する清掃補助部材の清掃補助面と、前記ヘッド対向面に供給された前記洗浄液とを接触させる工程と、
   前記ヘッド対向面の前記洗浄液を前記吸引孔から吸引する工程と
   を備えたインク吸引部清掃方法。
   

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