JP2023043157A - オキシメチレン樹脂組成物 - Google Patents

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Naohiro Yoshizawa
公之 黒田
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雄一 木原
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Abstract

【課題】本発明は、耐衝撃性、剛性、及び成形性のバランスに優れるオキシメチレン樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が20万~35万であり、数平均分子量(Mn)が6~9万であることを特徴とする、オキシメチレン樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、オキシメチレン樹脂組成物に関する。
ポリオキシメチレンは機械的性質、耐薬品性、摺動性等のバランスに優れ、且つ、その加工が容易であることにより、代表的なエンジニアリングプラスチックとして、電気部品、電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品を中心として広く利用されている。近年、その利用範囲の拡大に伴い、次第に高度な特性が要求される傾向にある。
また、ポリオキシメチレンは自己潤滑性にもかなり優れており、特許文献1及び2には、ポリオキシメチレンホモポリマーの重合時にアルコール又はカルボン酸へのアルキレンオキシド付加物を連鎖移動剤として添加して末端を変性したポリオキシメチレンについて、耐摩耗性と繰り返し衝撃性に優れていると記載されている。
特開昭61-123652号公報 特開2001-192427号公報
近年、特に自動車向けのギア部品において、耐久性の観点から耐衝撃性及び剛性の重要度が高まってきている。特に電気自動車の普及に伴い、モータの回転力を伝達する減速機構部(ギア)への負荷が増大しており、以前よりも高荷重が続く状態で使用されるようになってきている。そのため、より一層の耐衝撃性及び剛性の向上が求められている。このような需要に対して、上述の技術が十分に満足しているとは言えず、更なる改良が求められている。
また、小部品であるギアを成形するには射出成形において細い流路を樹脂が通る必要があり、小型化・複雑化するギアを成形するために、より成形性の高い材料も求められてきている。
そこで、本発明においては、耐衝撃性、剛性、及び成形性のバランスに優れるオキシメチレン樹脂組成物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を特定の範囲内にすることによって、耐衝撃性、剛性、及び成形性のバランスが改善されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が20万~35万であり、数平均分子量(Mn)が6~9万であることを特徴とする、オキシメチレン樹脂組成物。
[2]ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線におけるピークトップ分子量(Mp)が10万~17万であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.6~3.5であることを特徴とする、[1]に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
[3]ホモオキシメチレン重合体(A)とオキシメチレン重合体(B)とを含み、
前記ホモオキシメチレン重合体(A)の重量平均分子量が25万~40万であり、
前記オキシメチレン重合体(B)の重量平均分子量が10万~15万である、
[1]又は[2]に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
[4]前記オキシメチレン重合体(B)の片末端が、下記一般式(1)で表されるアルコールへのアルキレンオキシド付加物残基、及び下記一般式(2)で表されるカルボン酸へのアルキレンオキシド付加物残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の末端基で変性されている、[3]に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
Figure 2023043157000001

Figure 2023043157000002

(一般式(1)及び(2)中、R及びRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から独立に選択され、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から選択され、mは2~6から選ばれる整数であり、nは1~1,000から選ばれる整数である。R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
[5]GPC測定及びH-NMR測定より算出される、前記変性された末端の割合が、前記ホモオキシメチレン重合体(A)及び前記オキシメチレン重合体(B)の全末端に対して10.0~35.0mol%である、[4]に記載のオキシメチレン樹脂組成物
[6]前記ホモオキシメチレン重合体(A)の含有量が50~70質量%であり、前記オキシメチレン重合体(B)の含有量が30~50質量%である、[3]~[5]のいずれかに記載のオキシメチレン樹脂組成物。
本発明によれば、成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスに優れるオキシメチレン樹脂組成物を提供することができる。
実施例1,4及び比較例1,3で得られたオキシメチレン樹脂組成物について、GPC測定により得られた分子量分布曲線を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<オキシメチレン樹脂組成物>
本実施形態におけるオキシメチレン樹脂組成物は、GPC測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が20万~35万であり、数平均分子量(Mn)が6~9万であることを特徴とする。
オキシメチレン樹脂組成物とは、主鎖においてオキシメチレン(-CHO-)構造を単位構造にもつオキシメチレン重合体を含む樹脂組成物である。
オキシメチレン重合体を大きく分けると、ポリマー主鎖が実質上オキシメチレン単位のみからなるホモポリマーと、オキシメチレン単位の他に任意のオキシメチレン単位と共重合可能な共重合成分単位を含むコポリマーの2種類が存在する。
オキシメチレンホモポリマーは、両末端を除く主鎖の99.8mol%以上がオキシメチレン単位で構成されることが好ましく、両末端を除く主鎖がオキシメチレン単位のみで構成されることがより好ましい。
オキシメチレン重合体は、ポリアセタール、アセタール樹脂、又はポリアセタール樹脂とも呼ばれる。その他に、末端部分にブロック基が導入された(末端がブロック基で変性された)変性オキシメチレン重合体も存在する。
本実施形態におけるオキシメチレン樹脂組成物は、オキシメチレンホモポリマー及びオキシメチレンコポリマーのどちらか一方、又は両方を含んでも良い。成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスを良好とする観点から、ホモポリマーを含むことが好ましい。
オキシメチレンホモポリマー及びオキシメチレンコポリマーの両方を含む場合、オキシメチレン樹脂組成物中のオキシメチレンホモポリマーの含有量は、50~100質量%であることが好ましく、より好ましくは50~70質量%である。また、オキシメチレン樹脂組成物中のオキシメチレンコポリマーの含有量は、0~50質量%であることが好ましく、より好ましくは30~50質量%である。
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、重量平均分子量(Mw)が20万~35万の範囲である。さらに、重量平均分子量(Mw)が20万~30万の範囲であることが好ましく、22万~28万の範囲であることがより好ましい。20万以上であると剛性、耐衝撃性の観点で良好となり、30万以下であると成形性の観点で良好となる。
また、本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、数平均分子量(Mn)が6万~9万の範囲である。さらに、数平均分子量(Mn)が6.5万~9万の範囲であることが好ましく、7万~8.5万の範囲であることがより好ましい。6万以上であると剛性、耐衝撃性の観点で良好となり、9万以下であると成形性の観点で良好となる。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)が上記範囲にあることで、成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスが優れるオキシメチレン樹脂組成物が得られる。
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、ピークトップ分子量(Mp)が10万~17万の範囲であることが好ましい。さらに、ピークトップ分子量(Mp)が12万~17万の範囲であることがより好ましく、13万~16万の範囲であることがさらに好ましい。10万以上であると耐衝撃性の観点で良好となり、17万以下であると成形性の観点で良好となる。
また、本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、分子量分布(Mw/Mn)が2.6~3.5の範囲であることが好ましい。さらに、分子量分布(Mw/Mn)が2.9~3.3の範囲であることがより好ましく、3.1~3.3であることがさらに好ましい。2.6以上であると成形性の観点で良好となり、3.5以下であると耐衝撃性の観点で良好となる。
オキシメチレン樹脂組成物の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量(Mp)及び分子量分布(Mw/Mn)は、GPC(例えば、東ソー製HLC-8320GPC)で測定することで得られる。溶離液にHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)を用い、ポリメチルメタクリレートを標準物質として検量線法により得られた分子量分布曲線から重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、ピークトップ分子量(Mp)が得られる。また、得られた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnから分子量分布(Mw/Mn)が得られる。
分子量分布曲線において、ピークが2つ以上存在する場合は、分子量が最大になるピークのピークトップ値をMpとする。
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、機械強度の観点から、メルトフローレート(MFR値(ASTM-D-1238に準拠、190℃、2160g荷重))が、1.0~5.0g/10分であることが好ましく、より好ましくは1.0~3.0g/10分である。
本実施形態におけるオキシメチレン樹脂組成物は、ホモオキシメチレン重合体(A)とオキシメチレン重合体(B)とを含むことが好ましい。以下、ホモオキシメチレン重合体(A)とオキシメチレン重合体(B)について詳述する。
<ホモオキシメチレン重合体(A)>
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物に含まれるホモオキシメチレン重合体(A)の重量平均子量は、25万以上40万以下であることが好ましい。さらに、重量平均分子量が28万~38万の範囲であることがより好ましく、30万~35万の範囲であることがさらに好ましい。上記範囲にあることで、オキシメチレン樹脂組成物の耐衝撃性の向上に寄与する。
また、ホモオキシメチレン重合体(A)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は2.5~3.2の範囲であることが好ましい。さらに、2.6~3.0の範囲であることが好ましく、2.6~2.8の範囲であることがより好ましい。上記範囲にあることで高分子量成分が一定数存在するため、オキシメチレン樹脂組成物の耐衝撃性の向上に寄与する
なお、ホモオキシメチレン重合体(A)の重量平均分子量及び数平均分子量は、上記オキシメチレン樹脂組成物と同様に、GPCにより測定することができる。
<オキシメチレン重合体(B)>
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物に含まれるオキシメチレン重合体(B)は、ホモオキシメチレン重合体(A)よりも重量平均子量が低く、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)が狭いオキシメチレン重合体であり、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよい。
オキシメチレン重合体(B)の重量平均分子量は10万以上15万以下であることが好ましい。さらに、重量平均分子量が10~13万の範囲であることがより好ましい。上記範囲にあることで低分子量成分が一定数存在するため、オキシメチレン樹脂組成物の成形性の向上に寄与する。
また、オキシメチレン重合体(B)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は1.5~2.5の範囲であることが好ましい。さらに、1.6~2.4の範囲であることが好ましく、1.8~2.3の範囲であることがより好ましい。上記範囲にあることで、オキシメチレン樹脂組成物の成形性の向上に寄与する。
なお、オキシメチレン重合体(B)の重量平均分子量及び数平均分子量は、上記オキシメチレン樹脂組成物と同様に、GPCにより測定することができる。
オキシメチレン重合体(B)は末端変性したもの(変性オキシメチレン重合体)であってもよい。オキシメチレン重合体(B)が変性オキシメチレン重合体である場合、その片末端は、下記一般式(1)で表されるアルコールへのアルキレンオキシド付加物残基、及び下記一般式(2)で表されるカルボン酸へのアルキレンオキシド付加物残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の末端基(ブロック基)で変性されたものであることが好ましい。
Figure 2023043157000003

Figure 2023043157000004

(一般式(1)及び(2)中、R及びRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から独立に選択され、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から選択され、mは2~6から選ばれる整数であり、nは1~1,000から選ばれる整数である。R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
上記R及びRについて、アルキル基としては、特に限定されず、直鎖状、分枝状、又は環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数が1~5のもの、より好ましくは炭素数が1~2のものである。具体的には、メチル基、エチル基等が挙げられる。
置換アルキル基としては、特に限定されず、アルキル部分は、直鎖状、分枝状、又は環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数が1~5のもの、より好ましくは炭素数が1~2のものである。置換基としては、例えば、塩素やフッ素等のハロゲンが挙げられる。置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基やフルオロメチル基等が挙げられる。
アリール基としては、特に限定されず、好ましくは炭素数が6~20のもの、より好ましくは炭素数が6~15のものである。具体的には、フェニル基、p-ブチルフェニル基、p-オクチルフェニル基、p-ノニルフェニル基等が挙げられる。
置換アリール基としては、特に限定されず、アリール部分は、好ましくは炭素数が6~20のもの、より好ましくは炭素数が6~15のものである。置換基としては、例えば、塩素やフッ素等のハロゲンが挙げられる。置換アリール基の具体例としては、p-クロロフェニル基やp-フルオロフェニル基等が挙げられる。
上記Rについて、アルキル基としては、特に限定されず、直鎖状、分枝状、又は環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数が1~30のもの、より好ましくは炭素数が1~20のものである。具体的には、メチル基、エチル基、ヘキシル基、デシル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等が挙げられる。
置換アルキル基としては、特に限定されず、アルキル部分は、直鎖状、分枝状、又は環状のいずれであってもよく、好ましくは炭素数が1~30のもの、より好ましくは炭素数が1~20のものである。置換基としては、例えば、塩素やフッ素等のハロゲンが挙げられる。置換アルキル基の具体例としては、クロロメチル基、クロロエチル基等が挙げられる。
アリール基としては、特に限定されず、好ましくは炭素数が6~20のもの、より好ましくは炭素数が6~15のものである。具体的には、フェニル基、p-ブチルフェニル基、p-オクチルフェニル基、p-ノニルフェニル基等が挙げられる。
置換アリール基としては、特に限定されず、アリール部分は、好ましくは炭素数が6~20のもの、より好ましくは炭素数が6~15のものである。置換基としては、例えば、塩素やフッ素等のハロゲンが挙げられる。置換アリール基の具体例としては、p-クロロフェニル基やp-フルオロフェニル基等が挙げられる。
上記mは、2~6の整数である。
上記nは1~1000の整数であり、1~500の整数であることが好ましく、1~100の整数であることがより好ましい。
オキシメチレン樹脂組成物に含まれるホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の全末端中に占める上記変性された末端(変性末端)の割合が、H-NMR測定のピーク積分値から算出して10.0~35.0mol%であることが好ましい。より好ましくは15.0~30.0mol%であり、17.0~30.0%mol%であるとさらに好ましい。
全末端中に占める上記変性末端の割合が上記範囲にあることで、オキシメチレン樹脂組成物の成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスがより優れる傾向がある。
オキシメチレン樹脂組成物に含まれるホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の全末端中に占める上記変性末端の割合は、例えば核磁気共鳴装置(Bruker AVANCE500HD)を用いたH-NMR測定によって得られるピーク積分値から算出できる。重溶媒にHFIP-dを用いて1質量%になるように調整し、室温下で観測周波数500MHz、積算回数512回で測定することでH―NMRピークが得られる。得られたピークの積分値から、オキシメチレン樹脂組成物に含まれるホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の主鎖ユニットのmol数と変性末端のmol数との比を求める。また、前記GPC測定により得られたオキシメチレン樹脂組成物の数平均分子量の値から、主鎖ユニットのmol数と全末端のmol数との比が得られる。上記結果を合わせることにより、ホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の全末端に占める変性末端の割合を算出することができる。
オキシメチレン樹脂組成物100質量%中のホモオキシメチレン重合体(A)とオキシメチレン重合体(B)の割合は、ホモオキシメチレン重合体(A)が50~70質量%、オキシメチレン重合体(B)が30~50質量%であることが好ましい。上記範囲にあることで、成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスが優れたオキシメチレン樹脂組成物が得られる。
<その他の添加剤>
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、ホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の特性を損なわない範囲で、さらに顔料、染料、各種強化材、酸化防止剤、熱安定剤、耐候安定剤、離型剤、潤滑剤、導電剤、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、無機充填剤又は有機充填剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
これらの添加剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
オキシメチレン樹脂組成物におけるその他の添加剤の含有量は、オキシメチレン樹脂組成物100質量%に対して、1.0質量%以下であることが好ましい。
<ホモオキシメチレン重合体(A)の製造方法>
ホモオキシメチレン重合体(A)の原料としては、例えば、ホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの環状オリゴマー(トリオキサン、テトラオキサン等)が挙げられる。これらの原料を単独重合することは、ホモポリマーの代表的な製造方法である。
ホモオキシメチレン重合体(A)を得る方法としては、例えば、公知のアニオン重合が挙げられる。
ホモオキシメチレン重合体(A)の重合触媒としては、アニオン系重合触媒が好ましく、下記一般式(3)で表されるオニウム塩系重合触媒がより好ましい。
[RM] ・・・(3)
(一般式(3)中、R、R、R及びRは、各々、独立してアルキル基を示し、Mは孤立電子対を持つ元素を示し、Xは求核性基を示す。R、R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
重合触媒は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
オニウム塩系重合触媒のなかでも、テトラエチルホスホニウムイオダイド、トリブチルエチルホスホニウムイオダイドのような第4級ホスホニウム塩系化合物や、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムアセテートのような第4級アンモニウム塩系化合物が好ましい。これら第4級ホスホニウム塩系化合物及び第4級アンモニウム塩系化合物等のオニウム塩系重合触媒の添加量は、ホルムアルデヒド1モルに対して、0.00003~0.01molであることが好ましく、より好ましくは0.00008~0.005mol、さらに好ましくは0.0001~0.003molである。
ホモオキシメチレン重合体(A)の分子量は、無水カルボン酸又はカルボン酸等の連鎖移動剤を用いることにより、調整することができる。連鎖移動剤としては、無水プロピオン酸、無水酢酸が好ましく、より好ましくは無水酢酸である。
連鎖移動剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
連鎖移動剤の導入量は、目的とするオキシメチレン重合体の特性(特にメルトフローレート)に応じて調節し決定する。例えば、ホモオキシメチレン重合体(A)は、メルトフローレート(MFR値(ISO1133に準拠、190℃、2160g荷重))が、0.1~100g/10分の範囲になるようにすることが好ましく、0.5g/10分~10g/10分の範囲になるようにすることがより好ましい。MFR値を上記範囲とすることにより、機械強度に優れるホモオキシメチレン重合体(A)を得ることができる。
ホモオキシメチレン重合体(A)の重合溶媒としては、ホルムアルデヒドと反応しない溶媒であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、へプタン、オクタン、ノナン、デカン、ベンゼン等の炭化水素系溶媒が挙げられ、ヘキサンが特に好ましい。
重合溶媒は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
ホモオキシメチレン重合体(A)を製造するための重合反応機は、モノマーであるホルムアルデヒド、連鎖移動剤及び重合触媒と、重合溶媒とを同時に供給できる反応機であれば、特に限定されるものではないが、生産性の観点から、連続式重合反応機であることが好ましい。
<末端安定化>
重合により得られた粗ホモオキシメチレン重合体(A)は、末端基が熱的に不安定である。そのため、この不安定末端基を、エステル化剤等で変性し、安定化処理することが好ましい。
エステル化による粗ホモオキシメチレン重合体(A)の末端基の安定化処理は、例えば、粗ホモオキシメチレン重合体(A)と、エステル化剤及び/又はエステル化触媒とを、炭化水素系溶媒を導入した末端安定化反応機にそれぞれ投入し、反応させることによって行うことができる。この時の反応温度及び反応時間としては、反応温度が130~155℃であり、反応時間が1~100分間であることが好ましく、反応温度が135~155℃であり、反応時間が5~100分間であることがより好ましく、反応温度が140~155℃であり、反応時間が10~100分間であることがさらに好ましい。
前記粗ホモオキシメチレン重合体(A)の末端基を変性し、安定化するエステル化剤としては、下記一般式(4)で表される酸無水物を用いることができる。
COOCOR ・・・(4)
(一般式(4)中、R及びRは、各々、独立してアルキル基を示す。R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
当該エステル化剤としては、例えば、無水安息香酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、無水プロピオン酸、無水酢酸が挙げられ、好ましくは無水酢酸である。
これらエステル化剤は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記エステル化触媒としては、炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩が好ましく、その添加量は、粗ホモオキシメチレン重合体(A)の質量に対して、1~1000質量ppmの範囲で適宜選択することができる。炭素数1~18のカルボン酸のアルカリ金属塩としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプリル酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩が挙げられ、当該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられる。これらカルボン酸のアルカリ金属塩の中でも、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、及び酢酸カリウムのアルカリ金属塩が好ましい。
前記の方法により末端基が安定化された粗ホモオキシメチレン重合体(A)を、熱風式乾燥機や真空乾燥機等の乾燥機を用いて、100~150℃に調整した空気又は窒素ガスを封入し、水分を除去して乾燥することにより、目的とするオキシメチレン重合体(A)が得られる。
<オキシメチレン重合体(B)の製造方法>
オキシメチレン重合体(B)の製造方法は、前記ホモオキシメチレン重合体(A)で記載した方法と同様である。オキシメチレン重合体(B)の分子量及び分子量分布は、上述のとおりホモオキシメチレン重合体(A)と異なるが、無水カルボン酸又はアルキレングリコール等の連鎖移動剤を用いることにより、調整することができる。
ホモオキシメチレン重合体(A)に用いる連鎖移動剤量に対し、オキシメチレン重合体(B)に用いる連鎖移動剤量を3.0~7.0倍増やすことで、ホモオキシメチレン重合体(A)よりも低分子量で分子量分布の狭い重合体に制御することが可能である。
また、オキシメチレン重合体(B)が変性オキシメチレン重合体の場合は、連鎖移動剤に下記のアルキレングリコール等を用いることで末端にブロック成分を付与することが可能である。
ブロック成分を有する変性オキシメチレン重合体(B)を製造する際の連鎖移動剤は、特に限定されないが、例えば、C1837O(CHCHO)401837、C1123CO(CHCHO)30H、C1837O(CHCHO)70H、C1837O(CHCHO)40Hなどのアルキレンオキシド付加物や、両末端がヒドロキシル基であるポリエチレングリコール、両末端がヒドロキシル基であるポリプロピレングリコールなどを用いて連鎖移動させることにより、分子量及び分子量分布を調整することができる。連鎖移動剤としては、特にC1837O(CHCHO)40H(ポリオキシプロピレンモノステアリルエーテル)が好ましい。
<オキシメチレン樹脂組成物の製造方法>
本実施形態のオキシメチレン樹脂組成物は、前記したホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)等のオキシメチレン重合体、任意でその他の添加剤を、例えば、ヘンシェルミキサー、タンブラー、V字型ブレンダ-等で混合した後、単軸押出機、或いは2軸押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機を用いて溶融混練することにより製造することができ、ストランド状、ペレット状等、種々の形態の製品として得ることができる。また、予め混合することなく、定量フィーダー等で各成分を単独あるいは数種類ずつまとめて押出機に連続フィードすることもできる。また、予め各成分からなる高濃度マスターバッチを作製しておき、押出溶融混練時にオキシメチレン重合体で希釈することもできる。混練温度は、使用するオキシメチレン重合体の好ましい加工温度に従えばよく、一般的には、180℃以上240℃以下の範囲、好ましくは190℃以上230℃以下の範囲とする。
以下、具体的な実施例及び比較例を挙げて本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例中の用語及び特性の測定法は以下のとおりとした。
<分子量評価(GPC)>
オキシメチレン重合体の重量平均分子量及び数平均分子量、オキシメチレン樹脂組成物のピークトップ分子量(Mp)、重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)で測定することで得た。
測定機器:東ソー製 HLC-8320GPC
カラム:TSK-GEL SUPER HM-H、TSK-GURDCOLUMN SUPER H-H
検出器:RI(示差屈折検出器)
溶離液:HFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)
溶離液流量:0.3ml/min
ポリメチルメタクリレートを標準物質として検量線法により重量平均分子量が得られる。
<変性末端の割合評価>
オキシメチレン樹脂組成物に含まれるホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の全末端中の変性末端の割合は、核磁気共鳴装置を用いたH-NMR測定と、上記GPC測定の結果から下記の計算方法により算出した。
H-NMRの測定条件を以下に示す。
測定装置 :Bruker AVANCE500HD
重溶媒 :HFIP-d
試料濃度 :1質量%
観測周波数:500MHz
積算回数 :512回
測定温度 :室温
(計算方法)
(1) H-NMR測定により得られたピーク積分値から、ホモオキシメチレン重合体(A)及びオキシメチレン重合体(B)の主鎖ユニット(-CH-O-)と変性末端(-CH-)とのmol比を求めた。上記主鎖ユニット(-CH-O-)由来のピークの積分値と変性末端(-CH-)由来のピークの積分値とを、各々のプロトン数で除した値の比が上記mol比に相当する。
(2) 上記GPC測定からオキシメチレン樹脂組成物の数平均分子量(Mn)を求め、それを主鎖ユニット(-CH-O-)の分子量(30g/mol)で割ることで、1本の分子鎖における主鎖ユニットの数を求めた。
(3) 1本の分子鎖につき2か所の末端があるので、主鎖ユニット数と末端数(≒2)との比から主鎖ユニットと全末端とのmol比を求めた。
(4) (1)と(3)の結果から、全末端に占める変性末端の割合(mol%)を算出した。
<MFR(メルトフローレート:g/10分)>
ASTM-D-1238により東洋精機製のMELT INDEXERを用いて、190℃、2160gの条件下でオキシメチレン樹脂組成物のMFR(メルトフローレート:g/10分)を測定した。
<スパイラルフローディスタンス(SFD)の測定方法>
射出成形機(東芝機械(株)社製、IS-100GN)を用いて射出圧力600kgf/cm、射出時間50mm/s、金型温度80℃、成形品厚み1.0mmでオキシメチレン樹脂組成物を成形して得られた蚊取り線香型の成形体の長さをSFD(単位:cm)として測定し、成形性を評価した。SFDが4.5cm以上である場合を「○(良好)」、4.5cm未満である場合を「×(不可)」とした。
<引張り弾性率、衝撃強度の測定方法>
射出成形機(東芝機械(株)製、EC-75NII)を用いて、シリンダー温度を205℃、金型温度を60℃に設定し、射出時間35秒、冷却時間15秒の射出条件でオキシメチレン樹脂組成物を成形することにより、ISO294-1に準拠した多目的試験片(成形体)を得た。
ノッチ付きシャルピー衝撃強度(23°C)(単位:kJ/m)は、得られた多目的試験片を用いて、ISO179-1に準拠して測定を行った。値が大きい程、耐衝撃性に優れると判断した。シャルピー衝撃強度が10.0kJ/m以上である場合を「○(良好)」、10.0kJ/m未満である場合を「×(不可)」とした。
引張り弾性率は(単位:MPa)、得られた多目的試験片を用いて、ISO527に準拠して測定を行った。値が大きい程、剛性に優れると判断した。引張り弾性率が2500MPa以上である場合を「○(良好)」、2500MPa未満である場合を「×(不可)」とした。
「実施例1~2」
60℃のノルマルヘキサン溶液中に、精製されたホルムアルデヒド、重合触媒としてジメチルジステアリルアンモニウムアセテート、及び連鎖移動剤としての無水酢酸を添加し、重合した。重合触媒の添加量は、9.0×10-5mol/mol-モノマー、無水酢酸の添加量は、1.0×10-4mol/mol-モノマーとした。重合体の粒状ポリオキシメチレンスラリーをろ布付きセントルでろ過し、窒素雰囲気下で60℃で10時間乾燥させることにより、粗ホモオキシメチレン重合体(A1)を得た。
上記の工程において連鎖移動剤に無水酢酸の代わりにポリオキシプロピレンモノステアリルエーテル(以下SP40)を4.2×10-4mol/mol-モノマー添加して重合し、粗オキシメチレン重合体(B1)を得た。
上記のようにして得られた粗ホモオキシメチレン重合体(A1)及び粗オキシメチレン重合体(B1)各々3.0kgに、末端安定化剤として無水酢酸3.6kg、不活性溶剤としてノルマルヘキサン5.4kg、触媒として酢酸カリウム1.0gを加えて155℃で3時間加熱し、冷却後、同様にろ過、洗浄、乾燥を行い、ホモオキシメチレン重合体(A1)(重量平均分子量:325,000、分子量分布:2.8)及びオキシメチレン重合体(B1)(重量平均分子量:117,000、分子量分布:1.8)をそれぞれ得た。
得られたホモオキシメチレン重合体(A1)及びオキシメチレン重合体(B1)について表1に示す割合で混合し、この混合物100質量部に対して、Irganox(登録商標)245(BASF(株)製)0.3質量部、ポリアミド66を0.08質量部を添加し、3kg/hrの量で押出機(L/D=44、L:二軸押出機の原料供給口から排出口までの距離(m)、D:二軸押出機の内径(m)、株式会社プラスチック工学研究所製BT-30押出機)に供給し、ペレタイズした。
得られたオキシメチレン樹脂組成物のペレットを用いて、前述した分子量評価、MFR評価、SFD評価、引張り弾性率評価、シャルピー衝撃度評価を行った。評価結果を表1に示す。また、実施例1について、GPC測定により得られた分子量分布曲線を図1に示す(Wはオキシメチレン樹脂組成物の濃度分率(モル分率)、Mは分子量を表す)。
「実施例3」
連鎖移動剤系としての無水酢酸の添加量を2.0×10-4mol/mol-モノマーにした以外は実施例1~3と同様の方法で、ホモオキシメチレン重合体(A2)(重量平均分子量:251,000、分子量分布:2.5)を得た。
実施例1~2と同様の方法でオキシメチレン重合体(B1)を得た。
得られたホモオキシメチレン重合体(A2)及びオキシメチレン重合体(B1)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
「実施例4~5」
実施例1~2と同様の方法でホモオキシメチレン重合体(A1)を得た。
また、連鎖移動剤をSP40の代わりに無水酢酸を用いて、添加量を2.5×10-4mol/mol-モノマーにした以外は実施例1~2と同様の方法でオキシメチレン重合体(B2)(重量平均分子量:131,000、分子量分布:2.3)を得た。
得られたホモオキシメチレン重合体(A1)及びオキシメチレン重合体(B2)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。また、実施例4について、GPC測定により得られた分子量分布曲線を図1に示す(Wはオキシメチレン樹脂組成物の濃度分率(モル分率)、Mは分子量を表す)。
「比較例1」
実施例1~2と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(A1)のみを実施例1~2と同様の方法でペレタイズし、評価を行った。
評価結果を表1に示す。また、比較例1について、GPC測定により得られた分子量分布曲線を図1に示す(Wはオキシメチレン樹脂組成物の濃度分率(モル分率)、Mは分子量を表す)。
「比較例2」
実施例3と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(A2)のみを実施例1~2と同様の方法でペレタイズし、評価を行った。評価結果を表1に示す。
「比較例3」
実施例1~2と同様の方法で得られたオキシメチレン重合体(B1)のみを実施例1~2と同様の方法でペレタイズし、評価を行った。
評価結果を表1に示す。また、GPC測定により得られた分子量分布曲線を図1に示す(Wはオキシメチレン樹脂組成物の濃度分率(モル分率)、Mは分子量を表す)。
「比較例4」
実施例4~5と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(B2)のみを実施例1~2と同様の方法でペレタイズし、評価を行った。評価結果を表1に示す。
「比較例5」
実施例1~2と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(A1)及びオキシメチレン重合体(B1)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
「比較例6」
実施例4~5と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(A1)及びオキシメチレン重合体(B2)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
「比較例7」
実施例3と同様の方法で得られたホモオキシメチレン重合体(A2)及びオキシメチレン重合体(B1)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
「比較例8」
それぞれ実施例1~2及び実施例4~5と同様の方法で得られたオキシメチレン重合体(B1)及び(B2)について表1に示す割合で混合し、実施例1~2と同様の方法でペレタイズ及び評価を行った。
得られたオキシメチレン樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
表1に示す結果のように、実施例と比較して、比較例1~8では、得られたオキシメチレン樹脂組成物の成形性、衝撃強度、剛性のバランスは低かった。
Figure 2023043157000005
本発明のオキシメチレン樹脂組成物は、成形性、耐衝撃性、及び剛性のバランスが優れるため、電気部品、電子部品、自動車部品、その他の各種機械部品等において好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線における重量平均分子量(Mw)が20万~35万であり、数平均分子量(Mn)が6~9万であることを特徴とする、オキシメチレン樹脂組成物。
  2. ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定により得られる分子量分布曲線におけるピークトップ分子量(Mp)が10万~17万であり、分子量分布(Mw/Mn)が2.6~3.5であることを特徴とする、請求項1に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
  3. ホモオキシメチレン重合体(A)とオキシメチレン重合体(B)とを含み、
    前記ホモオキシメチレン重合体(A)の重量平均分子量が25万~40万であり、
    前記オキシメチレン重合体(B)の重量平均分子量が10万~15万である、
    請求項1又は2に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
  4. 前記オキシメチレン重合体(B)の片末端が、下記一般式(1)で表されるアルコールへのアルキレンオキシド付加物残基、及び下記一般式(2)で表されるカルボン酸へのアルキレンオキシド付加物残基からなる群から選ばれる少なくとも1種の末端基で変性されている、請求項3に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
    Figure 2023043157000006

    Figure 2023043157000007

    (一般式(1)及び(2)中、R及びRは、水素、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から独立に選択され、Rは、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基からなる群から選択され、mは2~6から選ばれる整数であり、nは1~1,000から選ばれる整数である。R、R及びRは、互いに同じであっても異なっていてもよい。)
  5. GPC測定及びH-NMR測定より算出される、前記変性された末端の割合が、前記ホモオキシメチレン重合体(A)及び前記オキシメチレン重合体(B)の全末端に対して10.0~35.0mol%である、請求項4に記載のオキシメチレン樹脂組成物
  6. 前記ホモオキシメチレン重合体(A)の含有量が50~70質量%であり、前記オキシメチレン重合体(B)の含有量が30~50質量%である、請求項3に記載のオキシメチレン樹脂組成物。
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