JP2023041259A - 合わせガラスの製造方法 - Google Patents

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幸宏 川妻
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豪 百武
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Abstract

【課題】中間樹脂層における気泡の形成を抑えることのできる合わせガラスの製造方法を提供する。【解決手段】合わせガラスの製造方法は、積層体形成工程と中間樹脂層形成工程とを備える。積層体形成工程は、一対のガラス板12と、一対のガラス板12の間に樹脂フィルムFを配置した中間フィルム層17との積層構造を有する積層体16を形成する。中間樹脂層形成工程は、積層体16を加熱することで、中間フィルム層17と一対のガラス板12とを接着して中間樹脂層を形成する。積層体16の樹脂フィルムFは、第1の樹脂フィルムF1と、第1の樹脂フィルムF1と隣り合って配置され、第1の樹脂フィルムF1と溶着し得る第2の樹脂フィルムF2とを有する。積層体16の中間フィルム層17は、第1の樹脂フィルムF1の一部と第2の樹脂フィルムF2の一部とが重なり合う重なり部分17aを有する。【選択図】図7

Description

本発明は、合わせガラスの製造方法に関する。
従来、例えば、防火ガラスとして用いられる合わせガラスが知られている。このような合わせガラスは、一対のガラス板と、その一対のガラス板の間に設けられた中間樹脂層との積層構造を備えている。
特許文献1に記載の合わせガラスにおける中間樹脂層は、ガラス板と接着してなる接着部と、接着部よりもガラス板に対する接着強度の低い低接着部とを有している。このような中間樹脂層の低接着部は、平面視で中間樹脂層の外周端縁から中間樹脂層の内側に向かって延在している。この構成によれば、火災時に合わせガラスが加熱された際に、中間樹脂層の低接着部とガラス板との間に隙間が形成され易くなる。そして、平面視で中間樹脂層の外周端縁から中間樹脂層の内側に向かって延在する低接着部により形成された隙間は、中間樹脂層とガラス板との間の気体を中間樹脂層の外周端縁へと排出する排出経路となる。これにより、一対のガラス板の間における気体の滞留が抑制されることで、合わせガラスの防火性能を高めることができる。
上記特許文献1に記載されるように、低接着部を有する中間樹脂層は、例えば、複数枚の樹脂フィルムを用いて形成することができる。詳述すると、低接着部を有する中間樹脂層を形成するには、まず、一対のガラス板の間において複数枚の樹脂フィルムを樹脂フィルムの外周端面が向かい合うように配置する。これにより、一対のガラス板と複数の樹脂フィルムからなる中間フィルム層との積層構造を有する積層体を形成する。この積層体の中間フィルム層は、複数の樹脂フィルムの外周端面同士が向かい合う不連続部を有している。次に、この積層体を加熱及び加圧することで、中間フィルム層と一対のガラス板とを接着する。これにより、中間フィルム層の不連続部から中間樹脂層の低接着部を形成することができる。
特開2021-088500号公報
上記のように、合わせガラスを得るための積層体の中間フィルム層を複数枚の樹脂フィルムから構成した場合、例えば積層体の搬送時に隣り合う樹脂フィルムの少なくとも一方が移動し、隣り合う樹脂フィルムの間隔が拡がる場合がある。このように隣り合う樹脂フィルムが相対移動することで、隣り合う樹脂フィルムの間の隙間が過剰に拡がると、合わせガラスの中間樹脂層に比較的大きな気泡が形成され易くなる。このような中間樹脂層の気泡は、合わせガラスの外観品位を低下させる一因となっている。
本発明の目的は、中間樹脂層における気泡の形成を抑えることのできる合わせガラスの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する合わせガラスの製造方法は、一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に設けられた中間樹脂層との積層構造を有する合わせガラスの製造方法であって、前記一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に樹脂フィルムを配置した中間フィルム層との積層構造を有する積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体を加熱することで、前記中間フィルム層と前記一対のガラス板とを接着して前記中間樹脂層を形成する中間樹脂層形成工程と、を備え、前記樹脂フィルムは、第1の樹脂フィルムと、前記第1の樹脂フィルムと隣り合って配置され、前記第1の樹脂フィルムと溶着し得る第2の樹脂フィルムと、を有し、前記積層体の前記中間フィルム層は、前記第1の樹脂フィルムの一部と前記第2の樹脂フィルムの一部とが重なり合う重なり部分を有する。
上記の積層体形成工程で得られた積層体を、例えば次工程へ搬送したときに、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとが互いに離間する方向に相対移動する。このとき、積層体の中間フィルム層は、上述した重なり部分を有するため、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとの間の隙間寸法を小さく抑えることができる。
上記合わせガラスの製造方法において、前記重なり部分は、前記積層体の平面視で前記一対のガラス板の外周端縁よりも内側に設けられてもよい。この方法によれば、一対のガラス板が接近する方向に力が加わった場合であっても、ガラス板の外周端縁において、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとの重なり部分を要因とした不要な曲げ応力が発生し難い。これにより、ガラス板の割れの発生を抑えることができる。
上記合わせガラスの製造方法において、前記重なり部分は、前記積層体の平面視で前記一対のガラス板の外周端縁から10mm以上離間した位置に設けられてもよい。この方法によれば、ガラス板の外周端縁において、上述した不要な曲げ応力の発生をより抑えることができる。これにより、ガラス板の割れの発生をより抑えることができる。
上記合わせガラスの製造方法において、前記積層体の前記第1の樹脂フィルムの外周端縁と前記第2の樹脂フィルムの外周端縁とは、前記一対のガラス板の外周端縁に沿った位置において離間していてもよい。この方法によれば、ガラス板の外周端縁における上述した不要な曲げ応力の発生をより抑えることができる。これにより、ガラス板の割れの発生をより抑えることができる。
上記合わせガラスの製造方法では、前記一対のガラス板の外周端縁に沿った位置において前記第1の樹脂フィルムの外周端縁と前記第2の樹脂フィルムの外周端縁との距離は、1mm以上であってもよい。
上記合わせガラスの製造方法において、前記積層体形成工程は、横姿勢の前記一対のガラス板の間に前記樹脂フィルムを配置して前記積層体を得る工程であり、前記積層体形成工程と前記中間樹脂層形成工程との間に前記積層体を縦姿勢に変更する姿勢変更工程をさらに備えてもよい。
上記のような姿勢変更工程では、一対のガラス板による第1の樹脂フィルム及び第2の樹脂フィルムを挟み込む力が緩和され易くなるため、第1の樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムとの上記相対移動の移動量が大きくなり易い。このため、上記の重なり部分を設けた積層体が特に有利となる。
上記合わせガラスの製造方法において、前記一対のガラス板は、1000mm以上の辺を有してもよい。このように一対のガラス板の寸法が比較的大きい場合、その寸法に適合した樹脂フィルムの入手が困難となるおそれがある。上記の合わせガラスの製造方法では、複数枚の樹脂フィルムFを用いるため、既存の寸法の樹脂フィルムから比較的大きい寸法の中間フィルム層を形成することができる。
本発明によれば、中間樹脂層における気泡の形成を抑えることができる。
本実施形態における合わせガラスの一部を切り欠いて示す平面図である。 図1の2-2線に沿った部分断面図である。 図2の要部を拡大して示す断面図である。 図1の4-4線に沿った断面図である。 合わせガラスの作用を説明する断面図である。 積層体形成工程を説明する斜視図である。 積層体の一部を切り欠いて示す平面図である。 図7の8-8線に沿った部分断面図である。 積層体の部分側面図である。 密封部材を装着した積層体を示す斜視図である。 図10の11-11線に沿った断面図である。 (a)~(c)は、積層体の部分断面図である。 第1の変更例の積層体を示す部分側面図である。 第1の変更例の積層体を示す部分側面図である。 第2の変更例の積層体を示す部分側面図である。
以下、合わせガラスの製造方法の一実施形態について図面を参照して説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
図1及び図2に示すように、本実施形態の合わせガラス11は、一対のガラス板12と、一対のガラス板12の間に設けられた中間樹脂層13との積層構造を有している。
<合わせガラス11のガラス板12>
合わせガラス11のガラス板12としては、例えば、ケイ酸塩ガラス、シリカガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、無アルカリガラス、結晶化ガラス等が挙げられる。ガラス板12は、風冷強化や化学強化されたガラスである強化ガラスであってもよいし、表面に反射防止膜等の機能膜が形成された未強化ガラスであってもよい。例えば、結晶化ガラス等の低熱膨張性のガラスを用いた合わせガラス11は、例えば、防火安全ガラスとして好適に用いられる。ガラス板12の厚さや外形寸法は、特に限定されない。合わせガラス11のガラス板12は、1000mm以上の辺を有していてもよい。ガラス板12の厚さは、例えば、2mm以上、10mm以下の範囲であることが好ましい。なお、一対のガラス板12の種類は、同じであってもよいし、互いに異なってもよい。また、一対のガラス板12の厚さは、同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
<合わせガラス11の中間樹脂層13>
合わせガラス11の中間樹脂層13は、平面視において、ガラス板12と接着してなる接着部14と、接着部14よりもガラス板12に対する接着強度の低い低接着部15とを有している。中間樹脂層13の低接着部15は、平面視で中間樹脂層13の外周端縁から中間樹脂層13の内側に向かって延在している。
中間樹脂層13は、第1外周端縁13aから延在する第1低接着部15aと、第1外周端縁13aとは異なる位置の第2外周端縁13bから延在する第2低接着部15bとを有している。第1低接着部15a及び第2低接着部15bは、中間樹脂層13の内側で接続されるように配置されている。本実施形態の第1低接着部15aは、平面視で中間樹脂層13の第1外周端縁13aから中央部分に向かって延在している。第2低接着部15bは、平面視で中間樹脂層13の第2外周端縁13bから中央部分に向かって延在している。第1低接着部15a及び第2低接着部15bは、平面視で中間樹脂層13の中央部分において接続されている。
図3に示すように、本実施形態の中間樹脂層13は、樹脂基材層L1と、樹脂基材層L1の両主面に設けられた接着層L2とを有している。中間樹脂層13の低接着部15は、樹脂基材層L1及び接着層L2のうち、樹脂基材層L1のみを有している。なお、中間樹脂層13の接着部14は、樹脂基材層L1及び接着層L2のいずれも有している。低接着部15は、全く接着強度が無い部分、又は、接着するものの、接着部14よりも接着強度が低い部位をいう。また、低接着部15としては、例えば、一方のガラス板12に対して、接着部14よりも接着強度が低く、他方のガラス板12に対しては、接着部14と同等の接着強度を有する場合も含まれる。
中間樹脂層13の樹脂基材層L1を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニルブチラール(PVB)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。樹脂基材層L1は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。合わせガラス11の防火性能をより高めるという観点から、樹脂基材層L1を構成する樹脂は、フッ素系樹脂であることが好ましい。フッ素系樹脂を構成するモノマーとしては、例えば、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフルオライド(VDF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ビニルフルオライド(VF)、パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)等が挙げられる。フッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレン(TFE)-ヘキサフロオロプロピレン(HFP)-ビニリデンフルオライド(VDF)共重合体(THV)が好ましい。
樹脂基材層L1の厚さは、例えば、0.2mm以上、2mm以下の範囲内であることが好ましい。
中間樹脂層13の接着層L2を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、フッ素系接着剤、シリコーン系接着剤、ビニル系接着剤等が挙げられる。接着剤には、ガラス板12との接着性を高めるという観点から、シランカップリング剤を含有させることが好ましい。接着層L2の厚さは、例えば、0.001μm以上、5μm以下の範囲内であることが好ましい。
<合わせガラス11の作用>
次に、合わせガラス11の作用について説明する。
図4及び図5は、合わせガラス11の使用状態を示している。火災時に合わせガラス11のガラス面が加熱されると、合わせガラス11の中間樹脂層13の温度上昇に伴って、中間樹脂層13から気体が発生する。このとき、本実施形態の合わせガラス11の中間樹脂層13は、接着部14よりもガラス板12に対する接着強度の低い低接着部15を有している。このため、火災時に合わせガラス11が加熱された際に、中間樹脂層13の低接着部15とガラス板12との間に隙間が形成され易い。また、中間樹脂層13の低接着部15は、平面視で中間樹脂層13の外周端縁から内側に向かって延在している。このため、中間樹脂層13の低接着部15とガラス板12との間の隙間が、図5に矢印で示すように中間樹脂層13とガラス板12との間の気体を中間樹脂層13の外周端縁へと排出する排出経路となる。これにより、中間樹脂層13とガラス板12との間の気体の排出を促進することができる。本実施形態では、第1低接着部15aに沿った排出経路により中間樹脂層13の第1外周端縁13aからの気体の排出を促進することができる。また、第2低接着部15bに沿った排出経路により中間樹脂層13の第2外周端縁13bからの気体の排出を促進することができる。
<合わせガラス11の製造方法>
次に、合わせガラス11の製造方法について説明する。
図6及び図7に示すように、合わせガラス11の製造方法は、積層体16を形成する積層体形成工程を備えている。積層体16は、一対のガラス板12と、一対のガラス板12の間に樹脂フィルムFを配置した中間フィルム層17との積層構造を有している。樹脂フィルムFは、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とを有している。第2の樹脂フィルムF2は、第1の樹脂フィルムF1と隣り合って配置され、第1の樹脂フィルムF1と溶着し得る。第1の樹脂フィルムF1の材質と第2の樹脂フィルムF2の材質は、同一であることが好ましい。第1の樹脂フィルムF1の厚さと第2の樹脂フィルムF2の厚さは、同一であることが好ましい。
図7に示すように、第1の樹脂フィルムF1は、平面視で直線状の第1の端縁E1を有している。第2の樹脂フィルムF2は、平面視で第1の樹脂フィルムF1側に凸となる曲線状の第2の端縁E2を有している。第1の樹脂フィルムF1の第1の端縁E1の一部は、第2の樹脂フィルムF2に重なっている。また、第2の樹脂フィルムF2の第2の端縁E2の一部は、第1の樹脂フィルムF1に重なっている。
図7及び図8に示すように、積層体16の中間フィルム層17は、第1の樹脂フィルムF1の一部と第2の樹脂フィルムF2の一部とが重なり合う重なり部分17aを有している。
図7に示すように、中間フィルム層17の重なり部分17aは、積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁よりも内側に設けられている。重なり部分17aと一対のガラス板12の外周端縁との距離D1aは、10mm以上であることが好ましく、より好ましくは、15mm以上であり、さらに好ましくは、20mm以上である。
図8に示すように、重なり部分17aにおいて、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが隣り合う方向に沿った幅寸法D1bは、例えば、1mm以上、10mm以下の範囲内であることが好ましい。
図7及び図9に示すように、第1の樹脂フィルムF1の外周端縁と第2の樹脂フィルムF2の外周端縁とは、積層体16の一対のガラス板12の外周端縁に沿った位置において離間している。一対のガラス板12の外周端縁に沿った位置において第1の樹脂フィルムF1の外周端縁と、第2の樹脂フィルムF2の外周端縁との距離D2は、1mm以上であることが好ましい。
合わせガラス11の製造方法は、積層体16を加熱することで、中間フィルム層17と一対のガラス板12とを接着して合わせガラス11の中間樹脂層13を形成する中間樹脂層形成工程を備えている。合わせガラス11の製造方法は、図11に示す横姿勢の積層体16を図12(a)に示す縦姿勢に変更する姿勢変更工程をさらに備えてもよい。
中間樹脂層形成工程では、まず、積層体16の外周を真空引きすることで、一対のガラス板12の間の気体を排出する脱気処理を行うことが好ましい。脱気処理では、例えば、図10及び図11に示すように、積層体16の外周に密封部材18を取り付けた状態で行うことができる。密封部材18は、例えば、ゴム材料から構成され、一対のガラス板12の外周部に密着されている。密封部材18は、図示を省略した排気部を有し、排気部から密封部材18の内側を真空引きすることで、一対のガラス板12の間の気体を排出する脱気処理を行うことができる。なお、このような脱気処理は、例えば、積層体16を封入可能なバッグを準備し、積層体16を収容したバック内を真空引きすることによっても行うことができる。
中間樹脂層形成工程では、積層体16を加熱及び加圧することが好ましい。積層体16を加熱及び加圧する中間樹脂層形成工程は、加熱及び加圧可能な容器を有するオートクレーブを用いて行うことができる。
<合わせガラス11の製造方法の作用>
次に、合わせガラス11の製造方法の作用について説明する。
例えば、上記の積層体形成工程で得られた積層体16を次工程へ搬送したときに、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが互いに離間する方向に相対移動する。このような相対移動について、図11に示す横姿勢の積層体16を図12(a)に示す縦姿勢に変更する姿勢変更工程を行う場合を一例として説明する。
横姿勢の積層体16では、上側のガラス板12の自重が第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とに加わることで、一対のガラス板12により第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2が挟み込まれるように力が加わっている。姿勢変更工程で縦姿勢に変更された積層体16では、上記のような第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とを挟み込む力が緩和される。これにより、図12(b)に示すように、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが互いに離間する方向に相対移動する。
例えば、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とは、積層体形成工程において、一対のガラス板12の主面に沿って引っ張られた状態で一対のガラス板12の間に配置される。上記のような第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とを挟み込む力が緩和されると、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが収縮する。このように第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが収縮することで、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが互いに離間する方向に相対移動する。
このとき、本実施形態の積層体16の中間フィルム層17は、上述した重なり部分17aを有するため、第1樹脂フィルムと第2の樹脂フィルムF2との間の隙間寸法を小さく抑えることができる。
なお、上記姿勢変更工程を行わない場合であっても、積層体16を次工程へ搬送する際の振動等により、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との上記相対移動は、起こり得る。
次に、一対のガラス板12の間の気体を排出する脱気処理を行うことで、図12(c)に示すように、積層体16の中間フィルム層17には、第1の樹脂フィルムF1の端面と第2の樹脂フィルムF2の端面とが向かい合う不連続部17bが形成される。
図13には、中間フィルム層17の重なり部分17aが積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁と重なるように設けられた変更例を示している。
ここで、例えば、積層体16において、一対のガラス板12の間の気体を排出する脱気処理を行う前に、密封部材18の内側を真空引きすることで、密封部材18が正しく装着されているかを確認する確認試験を行う場合がある。図13に示す積層体16において確認試験を行う場合、一対のガラス板12の間の気体の排出により、一対のガラス板12が接近する方向に力が加わる。このとき、図14に示すように、重なり部分17aを要因として一対のガラス板12の外周端縁で曲げ応力が発生する。ガラス板12の外周端縁で上記のような曲げ応力が発生すると、ガラス板12の外周端縁に存在していたクラックが進展することで、ガラス板12の割れが発生するおそれがある。
本実施形態では、積層体16における中間フィルム層17の重なり部分17aは、図7に示すように、積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁よりも内側に設けられている。このため、上記のように一対のガラス板12が接近する方向に力が加わった場合であっても、ガラス板12の外周端縁において第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との重なり部分17aを要因とした不要な曲げ応力が発生し難い。これにより、ガラス板12の割れの発生を抑えることができる。
また、図7及び図9に示すように、積層体16の中間フィルム層17は、平面視で中間フィルム層17の外周端縁から中間フィルム層17の内側に向かって延在する不連続部17bを有している。図示を省略するが、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが相対移動することで、例えば、積層体16の平面視で中間フィルム層17を横断するように不連続部17bが形成される。
中間樹脂層形成工程では、一対のガラス板12の間の気体を、積層体16における中間フィルム層17の不連続部17bを通じて中間フィルム層17の外周端縁から排出させることができる。このように中間樹脂層形成工程では、中間フィルム層17の不連続部17bが一対のガラス板12の間を脱気する脱気経路となることで、一対のガラス板12の間を円滑に脱気することができる。また、中間樹脂層形成工程では、不連続部17bを溶着することで、合わせガラス11における中間樹脂層13の低接着部15を形成することができる。
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
(1)合わせガラス11は、一対のガラス板12と、一対のガラス板12の間に設けられた中間樹脂層13との積層構造を有している。合わせガラス11の製造方法は、積層体形成工程と、中間樹脂層形成工程とを備えている。積層体形成工程では、一対のガラス板12と、一対のガラス板12の間に樹脂フィルムFを配置した中間フィルム層17との積層構造を有する積層体16を形成する。中間樹脂層形成工程では、積層体16を加熱することで、中間フィルム層17と一対のガラス板12とを接着して中間樹脂層13を形成する。樹脂フィルムFは、第1の樹脂フィルムF1と、第1の樹脂フィルムF1と隣り合って配置され、第1の樹脂フィルムF1と溶着し得る第2の樹脂フィルムF2とを有している。積層体16の中間フィルム層17は、第1の樹脂フィルムF1の一部と第2の樹脂フィルムF2の一部とが重なり合う重なり部分17aを有している。
上記の積層体形成工程で得られた積層体16を、例えば次工程へ搬送したときに、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2とが互いに離間する方向に相対移動する。このとき、積層体16の中間フィルム層17は、上述した重なり部分17aを有するため、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との間の隙間寸法を小さく抑えることができる。従って、中間樹脂層13における気泡の形成を抑えることができる。
(2)合わせガラス11の製造方法において、積層体16の重なり部分17aは、積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁よりも内側に設けられている。このため、一対のガラス板12が接近する方向に力が加わった場合であっても、ガラス板12の外周端縁において、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との重なり部分17aを要因とした不要な曲げ応力が発生し難い。これにより、ガラス板12の割れの発生を抑えることができる。
(3)積層体16の重なり部分17aは、積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁から10mm以上離間した位置に設けられることが好ましい。この場合、ガラス板12の外周端縁において、上述した不要な曲げ応力の発生をより抑えることができる。これにより、ガラス板12の割れの発生をより抑えることができる。
(4)積層体16の第1の樹脂フィルムF1の外周端縁と第2の樹脂フィルムF2の外周端縁とは、一対のガラス板12の外周端縁に沿った位置において離間している。この場合、ガラス板12の外周端縁における上述した不要な曲げ応力の発生をより抑えることができる。これにより、ガラス板12の割れの発生をより抑えることができる。
(5)積層体形成工程は、横姿勢の一対のガラス板12の間に樹脂フィルムFを配置して積層体16を得る工程である。合わせガラス11の製造方法は、積層体形成工程と中間樹脂層形成工程との間に積層体16を縦姿勢に変更する姿勢変更工程をさらに備えていてもよい。このような姿勢変更工程では、一対のガラス板12による第1の樹脂フィルムF1及び第2の樹脂フィルムF2を挟み込む力が緩和され易くなるため、第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との上記相対移動の移動量が大きくなり易い。このため、上記の重なり部分17aを設けた積層体16が特に有利となる。
(6)一対のガラス板12は、1000mm以上の辺を有していてもよい。このように一対のガラス板12の寸法が比較的大きい場合、その寸法に適合した一枚の樹脂フィルムの入手が困難となるおそれがある。上記の合わせガラス11の製造方法では、複数枚の樹脂フィルムを用いるため、既存の寸法の樹脂フィルムから比較的大きい寸法の中間フィルム層17を形成することができる。
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・合わせガラス11の中間樹脂層13は、樹脂基材層L1と接着層L2とを有しているが、接着層L2を省略し、樹脂基材層L1のみから中間樹脂層13を構成してもよい。
・合わせガラス11の中間樹脂層13における第1低接着部15aと第2低接着部15bとは、接続されずに離間していてもよい。
・合わせガラス11の中間樹脂層13における第1低接着部15aと第2低接着部15bとは、平面視で中間樹脂層13の中央部で接続されているが、中央部よりも外周側で接続されていてもよい。
・合わせガラス11の中間樹脂層13における第1低接着部15a及び第2低接着部15bの形状は、直線状であってもよいし、曲線状であってもよい。
・合わせガラス11の平面形状は、四角形状以外の多角形状であってもよいし、例えば、円形、楕円形等の平面形状であってもよい。
・積層体16の中間フィルム層17を構成する樹脂フィルムFの枚数は、3枚以上であってもよい。この場合、少なくとも隣り合う2枚の樹脂フィルムによって重なり部分17aを形成すればよい。
・図7に示す積層体16の平面視において、第1の樹脂フィルムF1の第1の端縁E1の形状と第2の樹脂フィルムF2の第2の端縁E2の形状は、同じ形状であってもよい。また、例えば、第2の樹脂フィルムF2の第2の端縁E2の形状は、曲線状であるが、例えば、屈曲形状であってもよい。
・図7に示す積層体16の平面視において、重なり部分17aは、第1の樹脂フィルムF1の第1の端縁E1と第2の樹脂フィルムF2の第2の端縁E2との全体にわたって形成されていてもよい。また、重なり部分17aを、第1の樹脂フィルムF1の第1の端縁E1と第2の樹脂フィルムF2の第2の端縁E2とに沿って点在するように形成してもよい。
・図15には、中間フィルム層17の重なり部分17aが積層体16の平面視で一対のガラス板12の外周端縁と重なるように設けられた変更例を示している。この変更例では、中間フィルム層17の重なり部分17aにおける第1の樹脂フィルムF1及び第2の樹脂フィルムF2の厚さ寸法が他の部分の厚さ寸法よりも小さい。これにより、中間フィルム層17の重なり部分17aが局所的に厚くなることを抑えることができる。この場合、ガラス板12の外周端縁において第1の樹脂フィルムF1と第2の樹脂フィルムF2との重なり部分17aを要因とした不要な曲げ応力が発生し難い。これにより、ガラス板12の割れの発生を抑えることができる。第1の樹脂フィルムF1及び第2の樹脂フィルムF2の厚さ寸法を部分的に小さくする方法としては、例えば、樹脂フィルムFの一部をプレスするプレス加工が挙げられる。プレス加工は、樹脂フィルムFを加熱する熱プレス加工であってもよい。なお、第1の樹脂フィルムF1及び第2の樹脂フィルムF2のいずれか一方の樹脂フィルムの厚さ寸法を部分的に小さくし、この部分により重なり部分17aを形成してもよい。この場合であっても、ガラス板12の割れの発生を抑えることができる。
・合わせガラス11の製造方法における積層体形成工程は、縦姿勢の一対のガラス板12の間に樹脂フィルムFを配置して積層体16を得る工程であってもよい。
・合わせガラス11の製造方法において、上記姿勢変更工程を省略することもできる。
・合わせガラス11は、一対のガラス板12と、中間樹脂層13との三層構造に限定されず、例えば、第1のガラス板、第1の中間樹脂層、第2のガラス板、第2の中間樹脂層、及び第3のガラス板の五層構造であってもよい。この場合、上記実施形態の積層構造を、五層構造中における第1のガラス板、第1の中間樹脂層、及び第2のガラス板の第1の積層構造に適用してもよいし、第2のガラス板、第2の中間樹脂層、及び第3のガラス板の第2の積層構造に適用してもよい。また、上記実施形態の積層構造を、五層構造中における第1の積層構造及び第2の積層構造のいずれにも適用してもよい。なお、合わせガラス11は、さらに中間樹脂層及びガラス板を加えた七層以上の構造を有していてもよい。
11…合わせガラス
12…ガラス板
13…中間樹脂層
16…積層体
17…中間フィルム層
17a…重なり部分
D1a,D2…距離
F…樹脂フィルム
F1…第1の樹脂フィルム
F2…第2の樹脂フィルム

Claims (7)

  1. 一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に設けられた中間樹脂層との積層構造を有する合わせガラスの製造方法であって、
    前記一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に樹脂フィルムを配置した中間フィルム層との積層構造を有する積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を加熱することで、前記中間フィルム層と前記一対のガラス板とを接着して前記中間樹脂層を形成する中間樹脂層形成工程と、を備え、
    前記樹脂フィルムは、第1の樹脂フィルムと、
    前記第1の樹脂フィルムと隣り合って配置され、前記第1の樹脂フィルムと溶着し得る第2の樹脂フィルムと、を有し、
    前記積層体の前記中間フィルム層は、前記第1の樹脂フィルムの一部と前記第2の樹脂フィルムの一部とが重なり合う重なり部分を有する、合わせガラスの製造方法。
  2. 前記重なり部分は、前記積層体の平面視で前記一対のガラス板の外周端縁よりも内側に設けられる、請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
  3. 前記重なり部分は、前記積層体の平面視で前記一対のガラス板の外周端縁から10mm以上離間した位置に設けられる、請求項2に記載の合わせガラスの製造方法。
  4. 前記積層体の前記第1の樹脂フィルムの外周端縁と前記第2の樹脂フィルムの外周端縁とは、前記一対のガラス板の外周端縁に沿った位置において離間している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  5. 前記一対のガラス板の外周端縁に沿った位置において前記第1の樹脂フィルムの外周端縁と前記第2の樹脂フィルムの外周端縁との距離は、1mm以上である、請求項4に記載の合わせガラスの製造方法。
  6. 前記積層体形成工程は、横姿勢の前記一対のガラス板の間に前記樹脂フィルムを配置して前記積層体を得る工程であり、
    前記積層体形成工程と前記中間樹脂層形成工程との間に前記積層体を縦姿勢に変更する姿勢変更工程をさらに備える、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
  7. 前記一対のガラス板は、1000mm以上の辺を有する、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
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