JP2023040282A - ホウ酸水注入装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】動的機器を省略してより簡易な構成とすることができるホウ酸水注入装置を提供する。【解決手段】ホウ酸水注入装置は、炉心2を内包した原子炉圧力容器3を格納する原子炉格納容器1を備えた原子力発電所においてホウ酸水14を注入する装置であって、内部にホウ酸水14を貯留するホウ酸水タンク13を備え、ホウ酸水タンク13が原子炉格納容器1の内側に配置されている。また、好適には、ホウ酸水タンク13に貯留されたホウ酸水14を原子炉圧力容器3の下端より鉛直方向下方へ導く原子炉格納容器底部注入ライン19を備えている。【選択図】 図1

Description

本発明は、原子力プラントの安全設備の一つであるホウ酸水注入装置に関する。
二基の原子力発電プラント間に共用できるホウ酸水注水設備を設けて、原子力発電プラント建設費の低減と設備の合理化を図ることを目的として、特許文献1には、第1および第2の原子力発電プラントの原子炉間で共用できるようにSLCタンク、テストタンクおよびSLCポンプを設け、それぞれについて仕切弁、注入弁、切替弁および電動止め弁を介して配管接続して、弁の開閉操作によりどちらの原子力発電プラントでも本系統の機能を満たすことが記載されている。
特開平09-274092号公報
原子力プラントでは、定期検査の場合やプラントの一部に不具合が生じた場合などのように、プラントを停止させる必要が生じた場合は、反応度制御系である制御棒を炉心に挿入することで核***反応を停止させて原子炉を停止させる。プラントを停止させる機能を持っている必要があることから、これら制御棒とその駆動機構の信頼性は、極めて高いものとしている。
また、特に沸騰水型原子炉では、更に非常に低い確率ではあるが制御棒の挿入に失敗した場合(以下、ATWSと呼ぶ)に備えて、後備の反応度制御系としてホウ酸水注入装置(SLCと呼ばれることもある)を備えている。
このホウ酸水注入装置は、ATWSを検知した場合に原子炉圧力容器内の炉心部にホウ素を含むホウ酸水を注入し、ホウ酸に含まれるホウ素により中性子を吸収して炉心の反応を停止し、原子炉を停止させる機能を持つ装置である。
上述の特許文献1では、原子炉格納容器の外部にホウ酸水のタンクを持ち、ATWSを検知した場合、ホウ酸水注入用のポンプを起動し、炉心へホウ酸水を注入する。制御棒とその駆動機構の信頼性は極めて高いことから、ほとんど使用される可能性が無いホウ酸水注入装置を2つ以上の原子炉で共有することで、コストの低減を図っている。
ここで、原子力プラントの合理化にはポンプや非常用電源、ヒーターなど動的機器の削除が重要である。動的機器を削除することにより、定期点検時の点検項目を減らして点検の負担を低減することができるとともに、早期に稼働させることができ、運転期間の中断の短くすることができる。更に、機器そのもののコストやそれらの機器のメンテナンスに係るコストも低減することができるからである。
上述した特許文献1では、ホウ酸水注入装置を2つ以上の原子炉で共有することで1つの原子炉当たりの合理化を実現している。しかしながら、ポンプや電源、ヒーターなどの動的機器の削減はできていない。
本発明は、動的機器を省略してより簡易な構成とすることができるホウ酸水注入装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、炉心を内包した原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器を備えた原子力発電所においてホウ酸水を注入するホウ酸水注入装置であって、内部に前記ホウ酸水を貯留するホウ酸水タンクと、前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器の下端より鉛直方向下方へ導く第1配管と、を備え、前記ホウ酸水タンクが前記原子炉格納容器の内側に配置され、前記第1配管は、前記原子炉圧力容器の鉛直方向直下部を通るように配置されているとともに、前記原子炉圧力容器の鉛直方向下部でループ状になっていることを特徴とする。
本発明によれば、動的機器を省略してより簡易な構成とすることができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統の概略を示す図である。 本発明の実施例1に係るホウ酸水注入装置の原子炉格納容器底部の配管構造を示す模式図である。 本発明の実施例2に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統の概略を示す図である。 本発明の実施例3に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統の概略を示す図である。 本発明の実施例3に係るホウ酸水注入装置に備わるホウ酸水注入弁の構造と動作を示す模式図である。 本発明の実施例3に係るホウ酸水注入装置に備わるホウ酸水注入弁の構造と動作を示す模式図である。 本発明の実施例4に係るホウ酸水注入装置の原子炉格納容器底部の配管構造を示す模式図である。 本発明の実施例5に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統の概略を示す図である。 本発明の実施例6に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統の概略を示す図である。 本発明の実施例6に係る原子炉格納容器底部注入ラインと下部ドライウェルホウ酸水注入弁の模式図である。
以下に本発明のホウ酸水注入装置の実施例を、図面を用いて説明する。
なお、原子炉には沸騰水型原子炉と加圧水型原子炉があり、本発明では全て沸騰水型原子炉を例にとり説明するが、本発明は加圧水型原子炉にも適用可能である。
<実施例1>
本発明のホウ酸水注入装置の実施例1について図1および図2を用いて説明する。図1は本発明の実施例1に係る沸騰水型原子炉の主要系統図である。図2は本発明の実施例1に係るホウ酸水注入装置の原子炉格納容器底部での配管構造を示す模式図である。
図1に示すホウ酸水注入装置は、改良型の沸騰水型原子炉100に適用した例であり、以下のようなシステム構成を持っている。図1に示すように、沸騰水型原子炉100では、複数の燃料集合体(図示の都合上省略)が格子状に装荷された炉心2が原子炉圧力容器3内に内包されている。この原子炉圧力容器3には、原子炉圧力容器3内で発生した蒸気をタービン(図示省略)に送る主蒸気管4や給水配管(図示省略)等が接続されている。
原子炉圧力容器3内では、炉心2に流入した冷却水が炉心2内の燃料集合体で生じる核***によって発生する熱によって水を沸騰させることで蒸気を発生させている。
原子炉格納容器1内部は、鉄筋コンクリート製のダイヤフラムフロア12によってドライウェル5とサプレッションチャンバ7とに区画されている。ドライウェル5のうち、原子炉圧力容器3下部の部分を下部ドライウェル5aと呼ぶ。サプレッションチャンバ7は、内部にプール水を貯めている領域のことを言う。このサプレッションチャンバ7内のプールのことをサプレッションプール8と呼ぶ。ドライウェル5とサプレッションチャンバ7とは、ベント管11によって相互に連通されており、ベント管排気部11aは、サプレッションチャンバ7内のサプレッションプール8の水面下に開口している。
原子力プラントでは、定期検査などで停止させる場合やプラントに悪影響を及ぼす可能性のある事象(例えば地震)が発生した場合は、制御棒36を炉心2に挿入し、核***を停止させることによってプラントを停止させる。
しかしながら、非常に低い確率ではあるが、制御棒36の挿入に万が一失敗した場合(ATWSが発生した場合)は、ホウ酸水タンク13から、そのタンク内に貯留しているホウ酸水14を炉心2の内部に注入することで核***反応を停止させ、プラントを停止させる。
このためのホウ酸水注入装置は、本実施例では、図1に示すホウ酸水タンク13、加圧装置15、制御棒挿入失敗検出機構24、ホウ酸水注入弁16、原子炉圧力容器注入ライン17、原子炉格納容器底部注入ライン19により構成される。
ここで、ホウ酸の析出を防止するため、既存のホウ酸水注入装置ではヒーターを設置してホウ酸水14を30℃以上に保っている。
これに対し、本実施例の沸騰水型原子炉100では、ホウ酸水タンク13を原子炉格納容器1の内側に設置する。原子炉圧力容器3から原子炉格納容器1に逃げる熱により、原子炉格納容器1内は常に30℃以上の環境にあるため、ホウ酸水14を加熱するヒーターが不要となる。
また、本実施例の沸騰水型原子炉100では、ホウ酸水タンク13は、例えば窒素などの不活性ガスが満たされているガスボンベのような加圧装置15によって通常運転時も加圧され、蓄圧されているものとする。
本実施例では、ホウ酸水14を原子炉圧力容器3内の炉心2に送液するためのラインとして原子炉圧力容器注入ライン17が設けられており、ホウ酸水タンク13と原子炉圧力容器3とを連通している。
この原子炉圧力容器注入ライン17上にはホウ酸水注入弁16が配置されており、通常運転時はこのホウ酸水注入弁16により原子炉圧力容器注入ライン17が閉止されている。
本実施例では、ホウ酸水注入弁16には制御棒挿入失敗事象が起きた場合に開く***弁を用いる。このような***弁を用いることで、バルブのリークによる通常運転時のホウ酸水の原子炉圧力容器3への流入を防止することができる。
ここで、ホウ酸水注入弁16を開くための構成は公知の構成を採用することができるが、例えば、制御棒挿入失敗検出機構24によってATWSの発生の有無を検知し、ATWSが発生したと検知された場合にホウ酸水注入弁16に開信号を制御棒挿入失敗検出機構24から出力させ、***弁の火薬を点火してホウ酸水注入弁16が開かれるようにする。ホウ酸水注入弁16が開かれると、ホウ酸水タンク13に蓄圧された圧力を駆動源として、原子炉圧力容器3内の炉心部にホウ酸水14が注入される。
なお、ホウ酸水注入弁16には、上述の***弁の替わりに運転員が開操作可能な電動弁、もしくは空気作動弁を使用することができる。
この場合、電動弁や空気作動弁の駆動のためにバッテリーなどの動力源を準備する必要があるが、電動弁等を1回駆動するだけで良いため、小型のバッテリーを準備するだけで良い。
さらに、電動弁、空気作動弁を***弁と並列に設置し、***弁が起動しない場合もこの電動弁あるいは空気作動弁を開くことでホウ酸水14が炉心2へ注入されるような構造とすることができる。
なお、上述の原子炉圧力容器注入ライン17は、原子炉圧力容器3に繋がる非常用炉心冷却系など別の配管を介して原子炉圧力容器3に繋がるラインとすることができる。
更に、本実施例の沸騰水型原子炉100では、制御棒の挿入に成功した場合でも、極めて少ない確率であるが、何らかの要因により炉心の冷却が不十分となり、崩壊熱により炉心が溶融する可能性がある。この場合、炉心2は制御棒36も溶かしながら溶融炉心(コリウムとも呼ばれる)となり、原子炉圧力容器3の下部に落下する。
その後さらにその溶融炉心が冷却されない状態が続くと、原子炉圧力容器3が破損し、原子炉圧力容器3直下の原子炉格納容器底部18の上に溶融炉心が落下する可能性がある。その後、原子炉格納容器1内に適切な注水が行われて、溶融炉心が冠水すれば、溶融炉心は冷却され固化し、事故が収束する。
これに対し、本実施例のホウ酸水注入装置では、ホウ酸水タンク13から原子炉圧力容器3に向かう原子炉圧力容器注入ライン17の他に、ホウ酸水タンク13から原子炉圧力容器3の下端より鉛直方向下方である原子炉格納容器底部18に向かう原子炉格納容器底部注入ライン19を設ける。
この原子炉格納容器底部注入ライン19は一般的なSUSなどの金属配管で構成する。
また、図2に示すように、原子炉格納容器底部注入ライン19は原子炉格納容器底部18の表面上で、原子炉圧力容器3の鉛直方向直下部である原子炉格納容器底部18の中心部に導かれた後にその端部を行き止まり構造とする。この原子炉格納容器底部注入ライン19は、原子炉格納容器底部18の表面に形成された溝などの内側に配置されたものとすることができる。
原子炉圧力容器3から直下の原子炉格納容器底部18の上に溶融炉心が落下した場合、溶融炉心は原子炉格納容器底部注入ライン19上やその周囲にも落下する。また、溶融炉心が原子炉格納容器底部18の中心よりも偏った位置のみに落ちた場合でも、溶融炉心は原子炉格納容器底部18上を拡がるため、拡がる過程で溶融炉心は原子炉格納容器底部注入ライン19と接する可能性が非常に高い。
落下した溶融炉心によって原子炉格納容器底部注入ライン19の配管は加熱され、その熱によって破損する。
破損すると、その破損孔からホウ酸水14が流出し、溶融炉心にホウ酸が供給され、そのホウ酸によって再臨界のリスクが低減される。
本実施例の沸騰水型原子炉100では、ホウ酸水注入装置に加えて、溶融炉心の冷却機構として次のような機構を設ける。
ベント管11と下部ドライウェル5aとを下部ドライウェル注水ライン21によって連通させる。また、下部ドライウェル注水ライン21上に下部ドライウェル注水弁20を設け、通常運転時は閉止されている状態とする。この下部ドライウェル注水弁20は溶融弁とすることが望ましい。
このような構成とした場合、原子炉格納容器底部18に溶融炉心が落下した際に、下部ドライウェル5aの雰囲気が加熱される。この雰囲気の温度上昇により、下部ドライウェル注水弁20が加熱される。溶融弁とした下部ドライウェル注水弁20は、この温度上昇により開弁し、ベント管11と下部ドライウェル注水ライン21を通って、サプレッションプール8の冷却水が原子炉格納容器底部18に注水される。この注水は重力のみで実施され、動力は必要ない。溶融炉心はこの注水された冷却水により冷却されるが、上述したホウ酸水注入装置によって溶融炉心にホウ酸水が供給されていることから、溶融炉心への冷却水の注水時の再臨界のリスクはさらに低減されている。
溶融炉心には原子炉格納容器1外部から注水を行う(図示省略)場合もあるが、この場合においても本発明のホウ酸水注入装置によって溶融炉心にホウ酸水が供給されていることから、溶融炉心への冷却水の注水時の再臨界のリスクはさらに低減されている。
さらに、原子力発電所では、制御棒36が挿入されて原子炉が停止した場合においても、炉心2では燃料の崩壊熱により蒸気が発生する。また、主蒸気隔離弁4aが閉止しているため、原子炉圧力容器3の圧力が上昇する。
このような場合には、原子炉圧力容器3の圧力上昇を検知して、非常用復水器起動弁(図示の都合上省略)が開かれて原子炉圧力容器3の蒸気が非常用復水器に流入し、非常用復水器プール水(図示の都合上省略)によって蒸気は冷却され水に戻る。水に戻った後、重力によって原子炉圧力容器3内に戻り、再び炉心2の冷却に寄与すると共に、原子炉圧力容器3の圧力が低下する。
なお、非常用復水器は、起動初期には非常用復水器プール水の温度が低いため、非常用復水器プール水が沸騰を開始するまでは冷却能力が限定的である。そのような場合において原子炉圧力容器3の圧力がさらに上昇した場合は、主蒸気逃がし安全弁6が開き、原子炉圧力容器3の蒸気をサプレッションチャンバ7内の余剰空間に導く。これにより、サプレッションチャンバ7内のサプレッションプール8内に蒸気逃がし安全弁排気管9およびクエンチャ10を通して蒸気を放出し、凝縮させることで原子炉圧力容器3の圧力上昇を抑制する。
次に、本実施例の効果について説明する。
上述した本発明の実施例1のホウ酸水注入装置は、炉心2を内包した原子炉圧力容器3を格納する原子炉格納容器1を備えた原子力発電所においてホウ酸水14を注入する装置であって、内部にホウ酸水14を貯留するホウ酸水タンク13を備え、ホウ酸水タンク13が原子炉格納容器1の内側に配置されている。
本発明によれば、従来のホウ酸水注入装置から、ホウ酸の析出防止用のヒーターを削除することができ、定期点検時の点検項目を減らして点検の負担を低減することができるとともに、早期に稼働させることができる。更に、機器そのもののコストやそれらの機器のメンテナンスに係るコストも低減することができる。そのうえ、非常時に動作に動力が必要なヒーターを必要としないことから、電源喪失時などにおける安全性も向上させることができる、との効果も得られる。
また、原子力プラントの事故が万が一進展した場合には、炉心が溶融し、最終的に原子炉圧力容器が破損し、原子炉格納容器床面上に溶融した炉心(以下、溶融炉心と呼ぶ)が落下する可能性がある。
このように原子炉格納容器床面上に溶融炉心が落下した場合は、原子炉格納容器内に持つ冷却水や外部に持つタンク内の冷却水を原子炉格納容器床面上に注水し、床面上に落下した溶融炉心を冷却し、事故を終息させる必要がある。
ここで、炉心が溶融する際、炉心近傍にある制御棒も同時に溶融するため、溶融炉心には制御棒に含まれるホウ素が含まれていることが多い。そのため溶融炉心を冷却水で冷却した場合でも再臨界が発生する可能性は極めて低いが、ホウ酸水タンク13に貯留されたホウ酸水14を原子炉圧力容器3の下端より鉛直方向下方へ導く原子炉格納容器底部注入ライン19を更に備えたことによって、この再臨界が発生する可能性をさらに低減することができ、事故時の安全性をさらに向上させることができる。
更に、原子炉格納容器底部注入ライン19は、原子炉圧力容器3の鉛直方向直下部を通るように配置されていることで、溶融炉心が最も落下する可能性の高い位置に原子炉格納容器底部注入ライン19が配置され、溶融炉心が接触する可能性を高めることができる。このため、ホウ酸水が注入される確率をさらに高めることができることから、より安全性を高めることができる。
また、ホウ酸水タンク13に貯留されたホウ酸水14を原子炉圧力容器3に送液するための原子炉圧力容器注入ライン17と、原子炉圧力容器注入ライン17上に配置され、通常運転時は閉止されているホウ酸水注入弁16と、を更に備えたことにより、簡易な構成で、ATWS発生時に炉心2に対してホウ酸の効果的に注入することができる。
更に、ホウ酸水注入弁16は、制御棒挿入失敗事象が起きた場合に開く***弁であることで、弁操作のためのポンプ等の動力を不要とする。このことによりポンプやポンプを駆動するための非常用の電源を削除でき、コストを低減することができる。また動作に動力を必要としないことから、電源喪失時などにおける安全性も向上させることができる。
また、ホウ酸水注入弁16は、運転員が開操作可能な電動弁、もしくは空気作動弁であることにより、大掛かりな構成を用いることなく、非常時に炉心2へのホウ酸水注入を行うことができる構成とすることができる。
更に、ホウ酸水注入弁16は原子炉圧力容器注入ライン17上に並列に配置された少なくとも2つ以上の弁で構成されていることで、非常時にホウ酸水が注入されない事態をより確実に回避することができることから、安全性の更なる向上を図ることができる。
また、ホウ酸水タンク13は加圧装置15を有しており、通常運転時も加圧され、蓄圧されていることによっても、弁操作のための動力を不要とし、駆動用の非常用の電源を削除でき、コストを低減することができる。また動作に動力を必要としないことから、電源喪失時などにおける安全性も向上させることができる。
更に、ホウ酸水注入装置は沸騰水型原子炉用であることで、格納容器サイズが基本的に小さい沸騰水型原子炉に非常に効果的なホウ酸水注入装置となる。
<実施例2>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである実施例2のホウ酸水注入装置について図3を用いて説明する。図3は本発明の実施例2に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統図である。なお、実施例1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施例においても同様とする。
本実施例2においても、プラント全体の構成や原子炉圧力容器注入ライン17、原子炉格納容器底部注入ライン19の形状は実施例1と同様であり、ここでは実施例1との違いのみを説明する。
本実施例2の沸騰水型原子炉100Aでは、ホウ酸水タンク13Aに貯留されているホウ酸水14の水面位置が原子炉圧力容器3の水面位置よりも上方となるように、ホウ酸水タンク13Aを実施例1と比較して鉛直方向に高い位置に設置している。
また、原子炉圧力容器3の気相部とホウ酸水タンク13の気相部とを均圧ライン22で接続し、通常運転時は原子炉圧力容器3とホウ酸水タンク13とを同じ圧力に保っている。
このような構成の本実施例では、ATWSの発生が検知された場合は、ホウ酸水注入弁16に開信号が送られ、***弁が開かれる。この際、ホウ酸水タンク13内のホウ酸水14の水位が原子炉圧力容器3内の水位よりも高いため、その水頭差によりホウ酸水14が原子炉圧力容器3内に注入される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のホウ酸水注入装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例2のホウ酸水注入装置においても、前述した実施例1のホウ酸水注入装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、ホウ酸水タンク13Aは、ホウ酸水14の水面が原子炉圧力容器3内の水面より鉛直方向に高い位置となる位置に配置されていることにより、動作に動力を必要としないことから、電源喪失時などにおける安全性も向上させることができる。また、ポンプやポンプを駆動するための非常用の電源を削除でき、更にコストを低減することができる。更に、実施例1と比較して、重量物であるホウ酸水タンク13を高い位置に配置する必要はあるが、加圧装置15が不要となることから、更にコストを削減することができる。
<実施例3>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである実施例3のホウ酸水注入装置について図4乃至図6を用いて説明する。図4は実施例3に係る沸騰水型原子炉の主要系統図である。図5および図6は実施例3に係るホウ酸水注入装置のホウ酸水注入弁の構造と動作を示す模式図である。
実施例3の沸騰水型原子炉100Bにおいても、ホウ酸水注入弁16B周り以外の構造は実施例1もしくは実施例2と同様であり、ここでは実施例1もしくは実施例2との違いのみを説明する。
まず図4を用いて本実施例のホウ酸水注入弁16Bの構造について説明する。図4では原子炉圧力容器3の気相部とホウ酸水注入弁16Bとを圧力伝送管23により接続し、原子炉圧力容器3の圧力がホウ酸水注入弁16Bに伝わるように構成する。
次に図5と図6を用いてホウ酸水注入弁16Bの構造と動作を説明する。
通常時は、図5に示すように、ホウ酸水注入弁16の弁体26は弁バネ27によって弁座33に押し付けられ、通常運転時は流路を閉止している。弁体26はピストン28と接続されている。更に、そのピストン28の片側には圧力伝送管23が接続されており、ピストン28に原子炉圧力容器3と原子炉格納容器1との圧力差が掛かる構造となっている。
また、ATWSが生じた場合、原子炉圧力容器3の圧力は大きく上昇する。圧力伝送管23を介して原子炉圧力容器3内の圧力が伝わるため、原子炉圧力容器3の圧力が上昇して原子炉格納容器1との圧力差が大きくなると、ピストン28が移動して弁体26が弁座33から離れることによってホウ酸水注入弁16Bが開き、原子炉圧力容器注入ライン17を介してホウ酸水14が原子炉圧力容器3内の炉心2に注入される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のホウ酸水注入装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例3のホウ酸水注入装置においても、前述した実施例1のホウ酸水注入装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、実施例1のようにホウ酸水注入弁16を***弁とした場合は、制御棒挿入失敗検出機構24と***弁の起動信号を発生させる機構とが必要となるが、本実施例3のように、通常運転時は閉止しており、原子炉圧力容器3の内側の圧力の上昇に応じて開放するように構成されているホウ酸水注入弁16Bであれば、***弁のような機構無しで受動的にATWS時に弁が開き、ホウ酸水14を注入することができるため、より簡易な構成とすることができる。
なお、実施例1と同様に、圧力で開弁するホウ酸水注入弁16Bと***弁や電動弁、空気作動弁とを並列に設置し、圧力で開閉するホウ酸水注入弁16Bが起動しない場合も***弁や電動弁などを開くことでホウ酸水が注入されるような構造とすることができる。
<実施例4>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである実施例4のホウ酸水注入装置について図7を用いて説明する。図7は本発明の実施例4に係るホウ酸水注入装置の原子炉格納容器底部の配管構造を示す模式図である。
実施例4の沸騰水型原子炉100Cにおいても、原子炉格納容器底部18上を水平方向に拡がる原子炉格納容器底部注入ライン19Cの形状以外は実施例1乃至実施例3のうちいずれかの実施例と同様である。またホウ酸水注入弁16は実施例3の構造を取っても良い。ここでは実施例1乃至実施例3との違いのみを説明する。
実施例4では図7に示すように、原子炉格納容器底部18上の原子炉格納容器底部注入ライン19Cの形状が、実施例1などの原子炉格納容器底部注入ライン19のような単純に行き止まり構造ではなく、原子炉圧力容器3の鉛直方向下部でループ状となっている。
その他の構成・動作は前述した実施例1のホウ酸水注入装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例4のホウ酸水注入装置においても、前述した実施例1のホウ酸水注入装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、原子炉格納容器底部注入ライン19Cは、原子炉圧力容器3の鉛直方向下部でループ状になっていることにより、溶融炉心が原子炉格納容器底部18の中心よりも偏った位置に落下した場合でも、より早いタイミングで溶融炉心と原子炉格納容器底部注入ライン19Cとを接触させることができる。このため、原子炉格納容器底部18にホウ酸水14がより確実に注入され、より早期に再臨界が生じる可能性を低減することができる。
<実施例5>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである実施例5のホウ酸水注入装置について図8を用いて説明する。図8は本発明の実施例5に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統図である。
実施例5の沸騰水型原子炉100Dにおいても、下部ドライウェル5a内の原子炉格納容器底部注入ライン19Dの形状以外は実施例1乃至実施例4のうちいずれかの実施例と同様である。ここでは実施例1乃至実施例4との違いのみを説明する。
本実施例5では、図8に示すように、下部ドライウェル5a内の原子炉格納容器底部注入ライン19Dには、この原子炉格納容器底部注入ライン19Dから分岐しており、その端部が原子炉格納容器1内に開口しているホウ酸水事前水張りライン25が設けられている。
また、そのホウ酸水事前水張りライン25上に、運転員が手動で開閉可能な電動弁などから構成されるホウ酸水事前水張り弁29を設ける。
その他の構成・動作は前述した実施例1のホウ酸水注入装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例5のホウ酸水注入装置においても、前述した実施例1のホウ酸水注入装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、原子力発電所の運転時には、原子炉格納容器底部18に溶融炉心が落下する可能性がある事象が発生した場合は、事前に原子炉格納容器1外部から注水を行い事前に水張りを行う場合もある。
これに対し、本実施例のように、原子炉格納容器底部注入ライン19Dから分岐しており、その端部が原子炉格納容器1内に開口しているホウ酸水事前水張りライン25と、原子炉格納容器底部注入ライン19D上に配置されており、運転員が操作可能なホウ酸水事前水張り弁29と、を更に備えたことにより、原子炉格納容器底部18に溶融炉心が落下する可能性がある事象が発生した場合に、運転員の操作によりホウ酸水事前水張り弁29を開くことで、溶融炉心が落下する前に事前に原子炉格納容器底部18にホウ酸水を供給することができ、事前水張り時においても再臨界のリスクをさらに低減することができる。
<実施例6>
上述の目的を達成するために好適な実施例の一つである実施例6のホウ酸水注入装置について図9および図10を用いて説明する。図9は本発明の実施例6に係る沸騰水型原子炉とホウ酸水注入装置の主要系統図、図10は本発明の実施例6に係る原子炉格納容器底部注入ラインと下部ドライウェルホウ酸水注入弁の模式図である。
実施例6の沸騰水型原子炉100Eにおいても、下部ドライウェル5a内の原子炉格納容器底部注入ライン19Eの形状以外は実施例1乃至実施例5のうちいずれかの実施例と同様である。ここでは実施例1乃至実施例5との違いのみを説明する。
本実施例6では、図9に示すように、下部ドライウェル5a内の原子炉格納容器底部注入ライン19Eは、原子炉格納容器底部18上に水平に広がっている配管部分が存在せず、その原子炉格納容器底部注入ライン19Eの下部ドライウェル5a内の端部に下部ドライウェルホウ酸水注入弁30が設けられている。また、この下部ドライウェルホウ酸水注入弁30を溶融弁とする。
下部ドライウェルホウ酸水注入弁30の詳しい構造について図10で説明する。
図10に示すように、下部ドライウェルホウ酸水注入弁30は、溶融炉心の落下前は、原子炉格納容器底部注入ライン19の端部は端栓39によって閉止されている。またこの端栓39を開くためのウェイト31は、低融点金属によって構成される溶融弁固定ピン38で原子炉格納容器底部注入ライン19に固定されている。
このため、溶融炉心が原子炉格納容器底部18に落下した場合、低融点金属によって構成される溶融弁固定ピン38が加熱されて溶断する。溶融弁固定ピン38が加熱されて溶断した場合、ウェイト31が自重で落下する。この落下の際の衝撃荷重がワイヤー32を介してスイングレバー37に伝えられ、支点40を中心にアーム34を押し出すように回転動作し、アーム34によるスイングアーム35と端栓39の固定を解除する。端栓39の固定が解除されることにより、原子炉格納容器底部注入ライン19からホウ酸水14が注入される。
この下部ドライウェルホウ酸水注入弁30の構造は下部ドライウェル注水弁20と同様な構造である。
本実施例のホウ酸水注入装置を備えている原子炉において原子炉格納容器底部18に溶融炉心が落下した場合、下部ドライウェル5aの雰囲気が加熱される。この雰囲気の温度上昇により、下部ドライウェルホウ酸水注入弁30が加熱され、溶融弁固定ピン38が溶断して弁が開き、原子炉格納容器底部注入ライン19Eからホウ酸水14が注入される。
その他の構成・動作は前述した実施例1のホウ酸水注入装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の実施例6のホウ酸水注入装置においても、前述した実施例1のホウ酸水注入装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、原子炉格納容器底部注入ライン19Eは、その端部に下部ドライウェルホウ酸水注入弁30を有していることにより、原子炉格納容器底部18上に水平に広がっている配管を削除することができ、定期検査などで原子炉格納容器内で作業する際の作業性が向上する。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
1:原子炉格納容器
2:炉心
3:原子炉圧力容器
4:主蒸気管
4a:主蒸気隔離弁
5:ドライウェル
5a:下部ドライウェル
6:主蒸気逃がし安全弁
7:サプレッションチャンバ
8:サプレッションプール
9:蒸気逃がし安全弁排気管
10:クエンチャ
11:ベント管
11a:ベント管排気部
12:ダイヤフラムフロア
13,13A:ホウ酸水タンク
14:ホウ酸水
15:加圧装置
16,16B:ホウ酸水注入弁(第2弁)
17:原子炉圧力容器注入ライン(第3配管)
18:原子炉格納容器底部
19,19C,19D,19E:原子炉格納容器底部注入ライン(第1配管)
20:下部ドライウェル注水弁
21:下部ドライウェル注水ライン
22:均圧ライン
23:圧力伝送管
24:制御棒挿入失敗検出機構
25:ホウ酸水事前水張りライン(第2配管)
26:弁体
27:弁バネ
28:ピストン
29:ホウ酸水事前水張り弁(第1弁)
30:下部ドライウェルホウ酸水注入弁(溶融弁)
31:ウェイト
32:ワイヤー
33:弁座
34:アーム
35:スイングアーム
36:制御棒
37:スイングレバー
38:溶融弁固定ピン
39:端栓
40:支点
100,100A,100B,100C,100D,100E:沸騰水型原子炉

Claims (17)

  1. 炉心を内包した原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器を備えた原子力発電所においてホウ酸水を注入するホウ酸水注入装置であって、
    内部に前記ホウ酸水を貯留するホウ酸水タンクと、
    前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器の下端より鉛直方向下方へ導く第1配管と、を備え、
    前記ホウ酸水タンクが前記原子炉格納容器の内側に配置され、
    前記第1配管は、前記原子炉圧力容器の鉛直方向直下部を通るように配置されているとともに、前記原子炉圧力容器の鉛直方向下部でループ状になっている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  2. 炉心を内包した原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器を備えた原子力発電所においてホウ酸水を注入するホウ酸水注入装置であって、
    内部に前記ホウ酸水を貯留するホウ酸水タンクと、
    前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器の下端より鉛直方向下方へ導く第1配管と、
    前記第1配管から分岐しており、その端部が前記原子炉格納容器内に開口している第2配管と、
    前記第2配管上に配置されており、運転員が操作可能な第1弁と、を備え、
    前記ホウ酸水タンクが前記原子炉格納容器の内側に配置され、
    前記第1配管は、前記原子炉圧力容器の鉛直方向直下部を通るように配置されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  3. 炉心を内包した原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器を備えた原子力発電所においてホウ酸水を注入するホウ酸水注入装置であって、
    内部に前記ホウ酸水を貯留するホウ酸水タンクと、
    前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器に送液するための第3配管と、
    前記第3配管上に配置され、通常運転時は閉止されている第2弁と、を備え、
    前記ホウ酸水タンクが前記原子炉格納容器の内側に配置され、
    前記第2弁は、通常運転時は閉止しており、前記原子炉圧力容器の内側の圧力の上昇に応じて開放するように構成されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  4. 請求項3に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器の下端より鉛直方向下方へ導く第1配管を更に備えた
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  5. 請求項4に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第1配管は、前記原子炉圧力容器の鉛直方向直下部を通るように配置されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  6. 請求項5に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第1配管は、行き止まり構造となっている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  7. 請求項5に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第1配管は、前記原子炉圧力容器の鉛直方向下部でループ状になっている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  8. 請求項5に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第1配管は、その端部に溶融弁を有している
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  9. 請求項5に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第1配管から分岐しており、その端部が前記原子炉格納容器内に開口している第2配管と、
    前記第2配管上に配置されており、運転員が操作可能な第1弁と、を更に備えた
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  10. 請求項1または2に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記ホウ酸水タンクに貯留された前記ホウ酸水を前記原子炉圧力容器に送液するための第3配管と、
    前記第3配管上に配置され、通常運転時は閉止されている第2弁と、を更に備えた
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  11. 請求項10に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第2弁は、制御棒挿入失敗事象が起きた場合に開く***弁である
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  12. 請求項10に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第2弁は、通常運転時は閉止しており、前記原子炉圧力容器の内側の圧力の上昇に応じて開放するように構成されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  13. 請求項10に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第2弁は、運転員が開操作可能な電動弁、もしくは空気作動弁である
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  14. 請求項10に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記第2弁は前記第3配管上に並列に配置された少なくとも2つ以上の弁で構成されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  15. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記ホウ酸水タンクは加圧装置を有しており、通常運転時も加圧され、蓄圧されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  16. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記ホウ酸水タンクは、前記ホウ酸水の水面が前記原子炉圧力容器内の水面より鉛直方向に高い位置となる位置に配置されている
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
  17. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のホウ酸水注入装置において、
    前記ホウ酸水注入装置は沸騰水型原子炉用である
    ことを特徴とするホウ酸水注入装置。
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