JP2023039268A - 包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】包装袋の充填工程において、包装袋を開口しやすくすることを可能とした包装袋を提供する。【解決手段】包装袋は、外側結晶性ポリエステル層21と、内側ポリエステル層22と、外側結晶性ポリエステル層21に内側ポリエステル層22を接着する接着層23とを備える積層体から構成される。包装袋は、内側ポリエステル層22同士のヒートシールによって封口される。外側結晶性ポリエステル層21は、リサイクル樹脂を含む。温度が20℃以上25℃以下であり、かつ、湿度が30%RH以上45%RH以下である環境において、15mmの帯幅を有した積層体における流れ方向のループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれる。【選択図】図2

Description

本発明は、包装袋に関する。
自立性包装袋は、液状または粉状の内容物を収容するための容器として用いられている。自立性包装袋は、複数の層を備える包装材によって形成される。包装材は、自立性包装袋の内面を構成する内層と、自立性包装袋の外面を構成する外層とを含んでいる。内層を構成する材料は、外層を構成する材料とは異なっている。内面に要求される機能は、外面に要求される機能とは異なるから、内層が外層とは異なる材料によって構成されることは、材料の選定における利便性を高める(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002-179100号公報
一方、表面ごとに材料が異なることは、包装材の再利用を妨げる。そのため近年では、自立性包装袋において、材料の単一化が検討されている。そして、自立性包装袋における材料の単一化は、各面を異なる材料によって構成する場合には認められないような、新たな課題を生じさせる。例えば、ヒートシール機能を有したポリエチレンテレフタレートによって内面を構成し、かつ、印刷適性を有したポリエチレンテレフタレートによって外面を構成する。この場合には、自立性包装袋の材料はポリエステルに統一される一方、自立性包装袋に内容物を充填する工程において、自立性包装袋の充填口が開口しにくいという新たな課題が生じる。なお、こうした課題は、自立性包装袋に限らず、例えば、三方シール包装袋、四方シール包装袋、ピロー包装袋、および、スティック包装袋などであって、自立性を有しない包装袋にも共通する。
上記課題を解決するための包装袋であって、外側結晶性ポリエステル層と、非晶性ポリエステル層を含む内側ポリエステル層と、前記外側結晶性ポリエステル層に前記内側ポリエステル層を接着する接着層と、を備える積層体から構成され、前記内側ポリエステル層が含む前記非晶性ポリエステル層同士のヒートシールによって封口される。前記外側結晶性ポリエステル層は、リサイクル樹脂を含む。前記包装袋は、封口される以前において、前記包装袋の外縁における一部に位置する開口を有し、前記包装袋が広がる平面と対向する視点から見て、前記開口が延びる方向が開口方向である。温度が20℃以上25℃以下であり、かつ、湿度が30%RH以上45%RH以下である環境において、15mmの帯幅を有した前記積層体における前記開口方向のループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれる。
上記包装袋によれば、開口方向での積層体のループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれるから、開口方向での積層体のこしが弱い。そのため、一方の内側ポリエステル層から他方の内側ポリエステル層を離すように、包装袋を変形させた場合に、包装袋が変形前の状態に戻ることが抑えられるから、包装袋が開口しやすくなる。
上記包装袋において、前記包装袋は、自立性包装袋であり、前記開口方向は、前記積層体の流れ方向であってもよい。自立性包装袋の製造過程では、封口前の包装袋において、開口が延びる方向が積層体の流れ方向に一致するように、包装袋が成形される。この点で、上記包装袋によれば、包装袋が自立性包装袋である場合に、包装袋を開口しやすくすることができる。
上記包装袋において、前記流れ方向に直交する方向が、幅方向であり、前記幅方向でのループスティフネスの値が、前記流れ方向でのループスティフネスの値よりも高くてもよい。自立性包装袋の製造過程では、包装袋を自立させた場合における鉛直方向が積層体の幅方向に一致するように、包装袋が成形される。この点で、上記包装袋によれば、積層体のこしが、幅方向において流れ方向よりも強いから、包装袋が自立した状態において、包装袋が折れ曲がることが抑えられる。これにより、包装袋が自立しやすくなる。
上記包装袋において、前記幅方向でのループスティフネスは、60mN/15mm以上の範囲内に含まれてもよい。この包装袋によれば、幅方向での積層体のループスティフネスが60mN/15mm以上の範囲内に含まれるから、積層体は、包装袋での折れ曲がりを抑える程度に十分に強いこしを幅方向において有することが可能である。
上記課題を解決するための包装袋は、外側結晶性ポリエステル層と、非晶性ポリエステル層を含む内側ポリエステル層と、前記外側結晶性ポリエステル層に前記内側ポリエステル層を接着する接着層と、を備える積層体から構成され、前記内側ポリエステル層が含む前記非晶性ポリエステル層同士のヒートシールによって封口される。前記非晶性ポリエステル層が、ポリエチレンテレフタレート層であり、前記外側結晶性ポリエステル層が、繰り返し単位中のジカルボン酸単位にテレフタル酸とイソフタル酸とを含むイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート層である。
上記包装袋によれば、外側結晶性ポリエステル層がイソフタル酸を含むから、外側結晶性ポリエステル層がイソフタル酸を含まない場合に比べて、積層体のこしを弱くすることが可能である。そのため、一方の内側ポリエステル層から他方の内側ポリエステル層を離すように、包装袋を変形させた場合に、包装袋が変形前の状態に戻ることが抑えられるから、包装袋が開口しやすくなる。
本発明によれば、包装袋の充填工程において、包装袋を開口しやすくすることができる。
包装袋の一実施形態である自立性包装袋の構造を示す平面図。 図1が示す自立性包装袋を構成する側面シートの構造を示す断面図。 応力‐ひずみ曲線の一例を示すグラフ。 各試験例の貯蔵弾性曲線を示すグラフ。 各試験例の損失弾性曲線を示すグラフ。 各試験例の損失正接曲線を示すグラフ。 実施例1および比較例1のループスティフネスを示すグラフ。
図1から図7を参照して、包装袋の一実施形態である自立性包装袋を説明する。
[構造]
図1および図2を参照して、自立性包装袋の構造を説明する。図1は、封口される以前の自立性包装袋の構造を示している。
図1が示すように、自立性包装袋(以下、包装袋とも言う)10は、封口される以前であって、かつ、包装袋10内に内容物が充填されていない状態において、長方形状を有している。包装袋10は、第1側面シート11A、第2側面シート11B、および、底面シート11Cから構成されている。第1側面シート11Aおよび第2側面シート11Bは、それぞれ長方形状を有している。第1側面シート11Aおよび第2側面シート11Bは、積層体の一例である。底面シート11Cは、折りたたまれた状態で、第1側面シート11Aと第2側面シート11Bとの間に位置し、これによって、ガゼット部を形成している。
包装袋10は、一対のサイドシール部12、および、ボトムシール部13を備えている。サイドシール部12は、第1側面シート11Aにおいて対向する一対の側端に沿って1つずつ位置している。サイドシール部12において、第1側面シート11Aの側端が、第2側面シート11Bの側端にヒートシールされている。ボトムシール部13は、包装袋10の下端に位置している。ボトムシール部13において、各側面シート11A,11Bの下端が底面シート11Cにヒートシールされている。
包装袋10は、開口10Aを有している。開口10Aは、包装袋10が封口される以前において、包装袋10の外縁における一部に位置している。開口10Aは、第1側面シート11Aの上端と第2側面シート11Bの上端とによって画定されている。そのため、図1が示す包装袋10では、開口10Aは、包装袋10の外縁のうち、上端に位置している。包装袋10が広がる平面と対向する視点から見て、開口10Aが延びる方向が開口方向である。すなわち、図1が示す例では、一方のサイドシール部12から他方のサイドシール部12に向かう方向が、開口方向である。
図1が示す例では、開口方向は、側面シート11A,11Bの流れ方向MDである。流れ方向MDに直交する方向が、側面シート11A,11Bの幅方向TDである。包装袋10は、第1側面シート11Aと対向する視点から見て、幅方向TDに沿って延びる長方形状を有している。なお、流れ方向MDとは、側面シート11A,11Bの成形時において、側面シート11A,11Bが流れる方向である。
図2は、側面シート11A,11Bの断面構造を示している。なお、側面シート11A,11Bは、積層体の一例である。なお、以下では、第1側面シート11Aの断面構造を説明するが、第2側面シート11Bの断面構造は、第1側面シート11Aの断面構造と同様である。そのため以下では、第1側面シート11Aの断面構造を説明する一方で、第2側面シート11Bの断面構造の説明を省略する。
図2が示すように、第1側面シート11Aは、外側結晶性ポリエステル層21、内側ポリエステル層22、および、接着層23を備えている。内側ポリエステル層22は、非晶質ポリエステル層を含んでいる。接着層23は、外側結晶性ポリエステル層21に内側ポリエステル層22を接着している。包装袋10は、内側ポリエステル層22が含む非晶質ポリエステル層同士のヒートシールによって封口される。
第1側面シート11Aは、第1側面シート11Aの厚さ方向において対向する一対の面を備えている。一対の面のうち、外側結晶性ポリエステル層21が備える面が第1面11A1であり、内側ポリエステル層22が備える面が第2面11A2である。包装袋10では、第1側面シート11Aの第1面11A1と、第2側面シート11Bの第1面とが対向している。第1側面シート11Aの内側ポリエステル層22における一部が、第2側面シート11Bの内側ポリエステル層における一部にヒートシールされる。これにより、包装袋10が封口される。
そのため、内側ポリエステル層22が複数のポリエステル層から形成される場合には、内側ポリエステル層22のうち、少なくとも第2面11A2を含む層が、非晶質ポリエステルから形成されていればよい。
第1側面シート11Aの厚さは、例えば15μm以上115μm以下の範囲内に含まれる。第1側面シート11Aの厚さは、例えば40μm以上50μm以下の範囲内に含まれてもよい。外側結晶性ポリエステル層21は、リサイクル樹脂を含んでいる。第1側面シート11Aは、以下の条件1を満たす。なお、以下に記載のループスティフネスは、合成樹脂製のフィルムにおけるこしの強さを表すパラメーターである。
(条件1)15mmの帯幅を有した第1側面シート11Aにおける流れ方向MDのループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれる。ループスティフネスは、温度が20℃以上25℃以下であり、かつ、湿度が30%RH以上45%RH以下である環境において測定された値である。
なお、流れ方向MDのループスティフネスは、例えば57.0mN/15mm以上であることができる。
第1側面シート11Aは、さらに以下の条件2を満たすことが好ましい。
(条件2)幅方向TDでのループスティフネスが、流れ方向MDでのループスティフネスよりも大きい。
第1側面シート11Aが条件2を満たす場合には、さらに以下の条件3を満たすことが好ましい。
(条件3)第1側面シート11Aにおける幅方向TDでのループスティフネスは、60mN/15mm以上である。
なお、幅方向TDでのループスティフネスは、例えば62mN/15mm以下であることができる。
外側結晶性ポリエステル層21は、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート(以下、イソフタル酸変性PETとも言う)層である。外側結晶性ポリエステル層21は、繰り返し単位中のジカルボン酸単位にテレフタル酸とイソフタル酸とを含んでいる。
包装袋10を柔らかくし、これによって開口のしやすさを高めることがさらに要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21における全ジカルボン酸単位に占めるイソフタル酸の割合は、0.5モル%以上であることが好ましい。包装袋10における形状の安定性が要求される場合、全ジカルボン酸単位に占めるイソフタル酸の割合は、5モル%以下であることが好ましい。
外側結晶性ポリエステル層21が含むリサイクル樹脂は、再生された樹脂である。上述したように、外側結晶性ポリエステル層21はイソフタル酸変性PETであるから、再生された樹脂はリサイクルPETである。リサイクルの対象となるPET製品は、使用済みペットボトルを含む。外側結晶性ポリエステル層21を構成するリサイクルPETは、メカニカルリサイクルにより再生されたPET、および、ケミカルリサイクルにより再生されたPETの少なくとも一方である。
メカニカルリサイクルでは、PET製品を粉砕した後に、粉砕したPET製品を洗浄し、これによって表面の汚れおよび異物な度を取り除く。その後、高温下に樹脂を曝すことによって、樹脂の内部に留まっている汚染物質を除去する。ケミカルリサイクルでは、PET製品を粉砕した後に、粉砕したPET製品を洗浄し、これによって表面の汚れおよび異物などを取り除く。その後、解重合により樹脂を中間原料まで戻し、当該中間原料を精製した後に再重合することによって、PETを生成する。
包装袋10に製造コストの抑制、および、環境負荷の抑制がさらに要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21を構成するリサイクルPETは、メカニカルリサイクルにより再生されたPETであることが好ましい。メカニカルリサイクルは、ケミカルリサイクルに比べて、化学反応のための大掛かりな設備を要しないから、リサイクルPETの製造に要する製造コストおよび環境負荷は、ケミカルリサイクルによる製造コストおよび環境負荷よりも小さい。
外側結晶性ポリエステル層21を構成する材料は、リサイクルPETに加えて、バージンPET、および、リサイクルPET以外のポリエステルを含んでもよい。バージンPETは、石油などの原料から新規に合成されたPETである。外側結晶性ポリエステル層21の総質量に対して、リサイクルPETの質量の割合は、60%以上100%以下であることが好ましい。
バージンPETのジオール単位は、エチレングリコール単位である。バージンPETのジカルボン酸単位は、テレフタル酸である。これに対して、ペットボトルを構成するPETの原料であるジカルボン酸単位は、テレフタル酸に加えてイソフタル酸を含む。これにより、ペットボトルの成形に際して樹脂の加工性が高められる。
イソフタル酸は、ジオール単位としてテレフタル酸のみを含むPETと比べて、イソフタル酸変性PETの主鎖を短くする。これによって、イソフタル酸変性PETの結晶化が抑えられるから、イソフタル酸変性PETの加工性が高められる。ペットボトルを構成するイソフタル酸変性PETのジオール単位は、エチレングリコールに加えて、ジエチレングリコールを含んでもよいし、エチレングリコールのみでもよい。
上述したように、外側結晶性ポリエステル層21を構成する材料は、リサイクルPETおよびバージンPET以外のポリエステルを含んでもよい。リサイクルPETおよびバージンPET以外のポリエステルにおいて、例えば、鎖状脂肪族カルボン酸および環状脂肪族カルボン酸がカルボン酸単位である。
外側結晶性ポリエステル層21は、1つの層から構成されてもよいし、複数の層から構成されてもよい。外側結晶性ポリエステル層21が複数の層から構成される場合には、少なくとも1つの層が、ジカルボン酸単位中にテレフタル酸とイソフタル酸とを含むイソフタル酸変性PETを含んでいる。
包装袋10に耐久性および耐衝撃性が要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の厚さは、3μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。包装袋10に加工性が要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の厚さは、50μm以下であることが好ましく、30μm以下であることがより好ましい。すなわち、外側結晶性ポリエステル層21の厚さは、3μm以上50μm以下であってよい。
内側ポリエステル層22は、例えば、バージン樹脂から構成される。バージン樹脂は、石油などの原料から新規に合成された樹脂である。内側ポリエステル層22は、PET層である。内側ポリエステル層22がPET層である場合には、内側ポリエステル層22は、バージンPETから構成される。上述したように、バージンPETのジオール単位は、エチレングリコール単位である。バージンPETのジカルボン酸単位は、テレフタル酸である。なお、内側ポリエステル層22は、外側結晶性ポリエステル層21と同様に、リサイクルPETを含んでもよいし、バージンPETおよびリサイクルPET以外のポリエステル樹脂を含んでもよい。
内側ポリエステル層22は、内側ポリエステル層22の第1部分と第2部分との間において熱融着可能な熱可塑性を有する。すなわち、内側ポリエステル層22は、ヒートシール機能を有する。包装袋10のシール部12,13は、内側ポリエステル層22の熱融着によって形成される。
内側ポリエステル層22は、1つの層から構成されてもよいし、複数の層から構成されてもよい。内側ポリエステル層22が複数の層から構成される場合には、内側ポリエステル層22を構成する各層は、互いに同一の材料から構成されてもよいし、互いに異なる材料から構成されてもよい。なお、内側ポリエステル層22が複数の層から構成される場合には、複数の層のうち、少なくとも第2面11A2を含む層が、ヒートシール機能を有していればよい。すなわち、複数の層のうち、少なくとも第2面11A2を含む層が、非晶性ポリエステル層であればよく、それ以外の層は、結晶性ポリエステルから形成されてよいし、非晶性ポリエステルから形成されてもよい。なお、上述したように、内側ポリエステル層22がPETから形成される場合には、非晶性ポリエステルは、非晶性PETである。内側ポリエステル層22の厚さは、10μm以上60μm以下であってよい。
ポリエステル層21,22を構成するPETの平均分子量は、特に限定されないが、例えば、1000以上100万以下であることが好ましい。なお、ポリエステル層21,22を構成する材料は、PET以外の樹脂、および、各種の添加剤を含んでいてもよい。添加剤は、例えば、可塑剤、着色防止剤、耐電防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、消臭剤、および、抗酸化剤などであってよい。
外側結晶性ポリエステル層21を形成する方法は、押出成形などのフィルム形成方法であってよい。押出成形における冷却には、冷却ロール、空気冷却、および、水冷却などの方法を用いることができる。外側結晶性ポリエステル層21は、延伸されたフィルムでもよいし、無延伸のフィルムでもよい。外側結晶性ポリエステル層21の延伸には、一軸延伸、または、二軸延伸などを用いることができる。
内側ポリエステル層22を形成する方法は、押出成形などのフィルム形成方法であってよい。押し出し成形における冷却には、冷却ロール、空気冷却、および、水冷却などの方法を用いることができる。内側ポリエステル層22のうち、少なくとも非晶性ポリエステル層は無延伸のフィルムである。なお、内側ポリエステル層22が複数の層を備える場合には、上述した第2面11A2を含む非晶性ポリエステル層以外の層は、延伸されたフィルムでもよいし、無延伸のフィルムでもよい。
なお、内側ポリエステル層22が非晶性ポリエステル層と、延伸フィルムとしての他のポリエステル層を備える場合には、以下の方法によって内側ポリエステル層22を形成することが可能である。すなわち、例えば、延伸フィルム上に押し出しコーティングによって非晶性ポリエステル層を形成することが可能である。また例えば、延伸フィルム上に、非晶性ポリエステルを含む溶液を塗布することによって塗布層を形成した後、塗布層の乾燥によって塗布層が含む溶媒を除去することによって、非晶性ポリエステル層を形成することができる。
また例えば、第1の組成を有する第1ポリエステル樹脂と、第2の組成を有する第2ポリエステル樹脂とを共押し出しすることによってフィルムを形成した後に、得られたフィルムを延伸することによって内側ポリエステル層22を形成することができる。なお、第1ポリエステル樹脂および第2ポリエステル樹脂のうち、第1ポリエステル樹脂は延伸によって結晶化が進行するを有する一方で、第2ポリエステル樹脂は、延伸されても非結晶の状態を維持することが可能な組成を有する。
接着層23は、ラミネート用接着剤から形成される。ラミネート用接着剤は、例えば、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、および、セルロース系からなる群から選択されるいずれか一種であってよい。接着層23の厚さは、1μm以上5μm以下であってよい。接着層23の厚さは、外側結晶性ポリエステル層21の厚さ、および、内側ポリエステル層22の厚さに対して十分に薄い、すなわち、接着層23の質量は、第1側面シート11Aの総質量に対して十分に小さい。そのため、接着層23を形成するラミネート用接着剤は、ポリエステル系以外の材料から形成されてもよい。なお、包装袋10を再生し、これによって包装袋10を再利用する観点では、接着層23も、外側結晶性ポリエステル層21および内側ポリエステル層22と同様に、ポリエステル系であることが好ましい。
外側結晶性ポリエステル層21に内側ポリエステル層22を積層する方法は、ドライラミネーション法でもよいし、エクストルージョンラミネーション法でもよいし、エクストルージョンラミネーション法を利用したサンドイッチラミネーション法でもよい。
[外側結晶性ポリエステル層の応力特性]
包装袋10の開口しやすさがさらに要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21は、外側結晶性ポリエステル層21の応力‐ひずみ曲線において、下記条件AからCを満たすことが好ましい。応力‐ひずみ曲線は、JIS K7161‐1:2014に準拠した引張試験に基づいて測定される。
(条件A)流れ方向MDの降伏応力が109MPa以上117MPa以下である。
(条件B)降伏後、かつ、ひずみが0.2以上0.4以下である範囲において、応力‐ひずみ曲線の傾きが75以上111以下の範囲に含まれる。
(条件C)流れ方向MDの破断強度が、153MPa以上183MPa以下である。
図3は、外側結晶性ポリエステル層21のみから形成された試験片に対する引張試験によって得られた応力‐ひずみ曲線の一例を示す。図3が示す応力‐ひずみ曲線において、矢印によって示される降伏点Aでの応力が降伏応力である。なお、応力‐ひずみ曲線において、矢印によって示される破断点Bは試験片が破断する点であり、当該B点における応力が破断強度である。
図3の原点から降伏点Aまでの範囲、すなわち、ひずみに対して応力が比例する範囲は、外側結晶性ポリエステル層21が弾性変形する範囲である。弾性変形する範囲において、応力‐ひずみ曲前の傾きが大きいほど外側結晶性ポリエステル層21が硬い傾向を有し、応力‐ひずみ曲線の傾きが小さいほど外側結晶性ポリエステル層21が軟らかい傾向を有する。外側結晶性ポリエステル層21に対して降伏応力を超える圧力が印加されると、外側結晶性ポリエステル層21は塑性変形する。
降伏点A以降において応力‐ひずみ曲線の傾きが大きいほど、外側結晶性ポリエステル層21は硬く、降伏点Aでのひずみと、破断点Bでのひずみとの差が小さい傾向を有する。一方で、降伏点A以降において応力‐ひずみ曲線の傾きが小さいほど、外側結晶性ポリエステル層21は軟らかく、降伏点Aでのひずみと、破断点Bでのひずみとの差が大きい傾向を有する。外側結晶性ポリエステル層21は、応力‐ひずみ曲線において、ひずみが0.4を超えた点において破断点Bを有することが多く、ひずみが0.4以下での傾きによって、外側結晶性ポリエステル層21の剛性における傾向を把握することが可能である。
外側結晶性ポリエステル層21は、破断点Bでの破断強度が高いほど硬さが増す傾向を有し、破断強度が小さいほど粘り強さが増す傾向を有する。破断強度が高すぎると外側結晶性ポリエステル層21が破断するときの応力の値は大きくなる一方で、外側結晶性ポリエステル層21が耐えることが可能なひずみが小さくなる傾向を有する。これに対して、破断強度が小さすぎると外側結晶性ポリエステル層21が耐えることが可能なひずみが大きくなる一方で、外側結晶性ポリエステル層21が破断するときの応力の値が小さくなる傾向を有する。
応力‐ひずみ曲線において、当該曲線によって囲まれる面積は、外側結晶性ポリエステル層21の衝撃エネルギーを吸収する能力を示している。応力‐ひずみ曲線によって囲まれる面積が小さいほど、外側結晶性ポリエステル層21は、脆性が高い、すなわち粘り強くない傾向を有する。これに対して、応力‐ひずみ曲線によって囲まれる面積が大きいほど、外側結晶性ポリエステル層21は、脆性が低い、すなわち粘り強い傾向を有する。
上述したように、包装袋10を製造するために、外側結晶性ポリエステル層21を備える第1側面シート11Aと、同じく外側結晶性ポリエステル層を備える第2側面シート11Bとが貼り合わせられる。包装袋10に対して内容物を充填する過程では、第1側面シート11Aを第2側面シート11Bから離す方向に向かう外力が第1側面シート11Aに印加され、かつ、第2側面シート11Bを第1側面シート11Aから離す方向に向かう外力が第2側面シート11Bに印加される。これにより、包装袋10の開口10Aが所定の空間を画定するように開放される。この際に、条件Aから条件Cを満たす外側結晶性ポリエステル層21は、柔らかく、かつ、粘り強いため、一旦開放された開口10Aが、元に戻りにくくなる、すなわち、包装袋10が開口しやすくなる。
外側結晶性ポリエステル層21における降伏応力、降伏後の傾き、および、破断強度は、外側結晶性ポリエステル層21を押出成形する際の温度、押し出された外側結晶性ポリエステル層21の前駆体を冷却する温度、当該前駆体を冷却する速度、および、外側結晶性ポリエステル層21を延伸する倍率などによって調整することが可能である。また、外側結晶性ポリエステル層21における降伏応力、降伏後の傾き、および、破断強度を、外側結晶性ポリエステル層21が含む全てのジカルボン酸単位に対するイソフタル酸の比によって調節することが可能である。
例えば、降伏応力、降伏後の傾き、および、破断強度を高めることが要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21を押し出し成形時の温度を高くする、あるいは、押し出された外側結晶性ポリエステル層21の前駆体を冷却する温度を低くすることで調整可能となる。また、降伏応力、降伏後の傾き、および、破断強度を低めることが要求される場合には、前駆体の冷却速度を高くする、外側結晶性ポリエステル層21を延伸する倍率を大きくする、または、外側結晶性ポリエステル層21が含む全てのジカルボン酸単位に対するイソフタル酸の比を大きくすればよい。これにより、降伏応力、降伏後の傾き、および、破断強度を調整することが可能である。
[外側結晶性ポリエステル層の粘弾性特性]
包装袋10の開口しやすさがさらに要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21は、貯蔵弾性率G1と温度との関係を示す貯蔵弾性曲線において、下記条件Dを満たすことが好ましい。また、外側結晶性ポリエステル層21は、損失弾性率G2と温度との関係を示す損失弾性曲線において、下記条件Eを満たすことが好ましい。また、外側結晶性ポリエステル層21は、損失正接tanδと温度との関係を示す外側結晶性ポリエステル層21の損失正接曲線において、下記条件Fを満たすことが好ましい。
(条件D)ガラス状態からゴム状態への転移温度T1が80℃以上88℃以下であり、かつ、当該転移温度における貯蔵弾性率G1が3.8GPa以上4.1GPa以下である。
(条件E)ピーク位置の温度T2が95℃以上102℃以下であり、かつ、ピーク位置の損失弾性率G2が0.30GPa以上0.37GPa以下である。
(条件F)ピーク位置の温度T3での損失正接tanδが、0.160以上0.190以下である。
外側結晶性ポリエステル層21の貯蔵弾性率G1は、外力により外側結晶性ポリエステル層21に生じたエネルギーのうち、外側結晶性ポリエステル層21の内部に保存される成分を示す。外側結晶性ポリエステル層21の損失弾性率G2は、外力により外側結晶性ポリエステル層21に生じたエネルギーのうち、熱として外部に拡散される成分を示す。貯蔵弾性率G1の高さは、外側結晶性ポリエステル層21における弾性の度合いを示し、損失弾性率G2の高さは、外側結晶性ポリエステル層21における粘性の度合いを示す。損失正接tanδは、貯蔵弾性率G1に対する損失弾性率G2の比(G2/G1)であり、外側結晶性ポリエステル層21における弾性と粘性とのバランスを示す。
外側結晶性ポリエステル層21において弾性が低いほど、外力の印加と当該外力の解除とに対する、外側結晶性ポリエステル層21の形状における変化の応答性が、外側結晶性ポリエステル層21において低下する。すなわち、外側結晶性ポリエステル層21を備える包装袋10において、包装袋10に対して、包装袋10が開口する程度にまで大きい外力を一旦与えてしまえば、当該外力が解除された後において、包装袋10が開口した状態が維持されやすい。なお、包装袋10が使用される環境の温度は、ガラス状態からゴム状態への転移温度T1よりも低いから、外側結晶性ポリエステル層21は、流動性の低いガラス状態で用いられる。外側結晶性ポリエステル層21がガラス状態である場合には、貯蔵弾性率G1の変化が小さい。そのため、転移温度T1における外側結晶性ポリエステル層21の貯蔵弾性率G1を評価することにより、外側結晶性ポリエステル層21の弾性を、使用されている外側結晶性ポリエステル層21に対して適切に反映することができる。
外側結晶性ポリエステル層21において粘性が高いほど、外力の印加に対する外側結晶性ポリエステル層21における変形の進行が緩やかになり、また、外力が解除されても外側結晶性ポリエステル層21の変形が元に戻りにくくなる。そのため、包装袋10に内容物が充填される際に開口10Aが一旦開かれた後において、側面シート11A,11Bの変形が元に戻り、これによって、第1側面シート11Aと第2側面シート11Bとが密着することが抑えられる。
損失弾性曲線におけるピーク位置の温度T2は、外側結晶性ポリエステル層21の粘性を顕著に示す温度である。損失弾性曲線におけるピーク位置の温度T2が低いほど、粘性に起因した柔軟性が発現しやすい。ただし、外側結晶性ポリエステル層21において粘性が過大であると、包装袋10の加工性が低下し、また、包装袋10の強度そのものも低下する。
条件Dにおける貯蔵弾性率G1の上限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、弾性の寄与が過大となることを抑え、これによって、包装袋10における開口10Aの開きやすさを条件Dにおける貯蔵弾性率G1の下限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、包装袋としての適性が低下することを抑える。
条件Eにおける損失弾性率G2の下限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、粘性に起因した柔軟性を良好に発揮し、これによって、包装袋10における開口10Aの開きやすさをさらに高めることが可能である。条件Eにおける損失弾性率G2の上限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、包装袋としての適性が低下することを抑える。
条件Fにおける損失正接tanδの下限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、外側結晶性ポリエステル層21を用いて形成された包装袋10の開口10Aが開きやすくなるように、弾性体の性質に対する粘性体の性質を高める。これにより、包装袋10における開口10Aの開きやすさをさらに高めることが可能である。条件Fにおける損失正接tanδの上限値を満たす外側結晶性ポリエステル層21は、包装袋としての適性が低下することを抑える。
ガラス状態からゴム状態への転移温度T1、損失弾性曲線のピーク位置での温度T2、貯蔵弾性率G1、損失弾性曲線でのピーク位置の損失弾性率G2、および、損失正接曲線でのピーク位置の損失正接tanδを、外側結晶性ポリエステル層21の全ジカルボン単位に占めるイソフタル酸の割合などによって調整することが可能である。
例えば、外側結晶性ポリエステル層21の粘性を強くすることが要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の全ジカルボン単位に占めるイソフタル酸の割合を高くすることで、粘性を調整することが可能である。貯蔵弾性率G1を低くすること、また、損失正接tanδを高くすることが要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の製造時における冷却温度を低くすることで、貯蔵弾性率G1および損失正接tanδを調整することが可能である。
損失正接tanδを高めること、また、損失弾性率G2を高めることが要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の製造時における冷却速度を高め、これによって、適度に結晶成長させつつ、非晶部分を残すことで、損失正接tanδおよび損失弾性率G2を調整することが可能である。ガラス状態からゴム状態への転移温度T1を下げること、また、貯蔵弾性率G1を低くすることが要求される場合には、外側結晶性ポリエステル層21の製造時における延伸倍率を小さくし、これによって分子配向を抑制することで、転移温度T1および貯蔵弾性率G1を調整することが可能である。
[作用]
以下、包装袋10の作用を説明する。
側面シート11A,11Bにおいて、流れ方向MDでのループスティフネスが、61mN/15mm以下の範囲内に含まれる。そのため、側面シート11A,11Bのこしが弱い。
ここで、自立性包装袋10の製造過程では、側面シート11A,11Bの流れ方向MDが、開口10Aが延びる方向に一致し、かつ、幅方向TDが、自立性包装袋10が自立した場合における鉛直方向に一致するように、自立性包装袋10が成形される。また、自立性包装袋10に対して内容物が充填される工程では、第1側面シート11Aを第2側面シート11Bから離れる方向に変形させ、かつ、第2側面シート11Bを第1側面シート11Aから離れる方向に変形させ、これによって、包装袋10を開口させる。
この際に、側面シート11A,11Bの流れ方向MDでのこしが弱いから、包装袋10が変形前の状態に戻ることが抑えられる。結果として、包装袋10が開口しやすくなる。なお、外側結晶性ポリエステル層21がイソフタル酸を含むから、外側結晶性ポリエステル層21がイソフタル酸を含まない場合に比べて、側面シート11A,11Bのこしを弱くすることが可能である。これにより、包装袋10が開口しやすくなる。
加えて、側面シート11A,11Bにおいて、幅方向TDでのループスティフネスの値が流れ方向MDでのループスティフネスの値よりも大きいことによって、側面シート11A,11Bにおける幅方向TDでのこしが強くなる。これにより、包装袋10が自立した状態において、包装袋10が折れ曲がることが抑えられ、結果として、包装袋10が自立しやすくなる。
なお、幅方向TDでのループスティフネが、60mN/15mm以上の範囲内に含まれる場合には、側面シート11A,11Bが、包装袋10での折れ曲がりを抑える程度に十分に強いこしを幅方向TDにおいて有することが可能である。
[試験例]
図4から図6を参照して、試験例を説明する。
[試験例1]
共押出しにより三層の樹脂層を積層して、12μmの厚さを有した試験例1の外側結晶性ポリエステル層を形成した。この際に、メカニカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETであるイソフタル酸変性PETとバージンPETとから、互いに同一の組成を有した三層の樹脂層を形成した。
試験例1の外側結晶性ポリエステル層において、リサイクルPETの質量を樹脂フィルムの総質量に対する80%に設定し、バージンPETの質量を樹脂フィルムの総質量に対する20%に設定した。また、NMRの測定結果に基づいてリサイクルPETにおける全ジカルボン酸単位に占めるイソフタル酸の割合を特定し、これによって、外側結晶性ポリエステル層における全ジカルボン酸単位に占めるイソフタル酸の割合を0.5モル%以上5モル%以下に設定した。
[試験例2]
2つの第1PETフィルムの間に第2PETフィルムを挟むように、3つのPETフィルムを積層し、12μmの厚さを有した積層体として、試験例2の外側結晶性ポリエステル層を形成した。なお、試験例2の第1PETフィルムは、ケミカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETであるイソフタル酸変性PETから構成されている。試験例2の第2PETフィルムは、メカニカルリサイクルによって再生された80質量%のリサイクルPETであるイソフタル酸変性PETに、ケミカルリサイクルによって再生された20質量%のリサイクルPETであるイソフタル酸変性PETが混合されたフィルムである。試験例2の外側結晶性ポリエステル層が含むリサイクルPETの質量における割合は、外側結晶性ポリエステル層の総質量における100%である。
[試験例3]
2つの第1PETフィルムの間に第2PETフィルムを挟むように、3つのPETフィルムを積層し、12μmの厚さを有した積層体として、試験例3の外側結晶性ポリエステル層を形成した。なお、試験例3の第1PETフィルムは、バージンPETから構成される。試験例3の第2PETフィルムは、ケミカルリサイクルによって再生されたリサイクルPETであるイソフタル酸変性PETから構成される。試験例3の外側結晶性ポリエステル層が含有するリサイクルPETの質量における割合は、外側結晶性ポリエステル層の総質量における70%である。
[試験例4]
外側結晶性ポリエステル層として、バージンPETから構成される単層のPETフィルムを用いた。試験例4の外側結晶性ポリエステル層は、リサイクルPETを含まないPET層である。外側結晶性ポリエステル層を構成するPETにおいて、繰り返し単位中のジカルボン酸単位がテレフタル酸のみである。試験例4の外側結晶性ポリエステル層の厚さは12μmである。
[評価方法]
[評価1:降伏応力]
試験例1から試験例4の外側結晶性ポリエステル層から、それぞれ3つの試験片を切り出した。この際に、JIS Z 1702‐1994に準拠したダンベルカッター((株)ダンベル、SDK‐600)を用いて、流れ方向MDに沿って延びる形状を有するように各試験片を切り出した。すなわち、各試験片の引っ張り方向が外側結晶性ポリエステル層の流れ方向MDに一致するように、外側結晶性ポリエステル層から試験片を切り出した。そして、各試験片に、伸び測定用の2本の標線を付した。
小型卓上試験機(EZ‐LX、(株)島津製作所製)を用いて、試験片に対してJIS K7161‐1:2014に準拠した方法を用いて引張試験を行った。この際に、各試験片を小型卓上試験機に固定し、標線を伸び計で挟んだ。また、試験速度を300mm/分に設定した。各試験例について1つの試験片における引張試験の結果に基づいて、応力‐ひずみ曲線を作成した。応力‐ひずみ曲線から降伏応力、破断強度、および、降伏後、かつ、ひずみが0.2以上0.4以下である範囲での傾きを得た。
[評価2:動的弾性率]
試験例1から試験例4の外側結晶性ポリエステル層から、それぞれ帯状の試験片を作製した。この際に、試験片の長さを20mmに設定し、かつ、試験片の幅を10mmに設定した。なお、外側結晶性ポリエステル層の形成時における流れ方向MDを試験片の長さ方向に設定した。熱機械分析装置(DMA7100、(株)日立ハイテクサイエンス製)を用いて、各試験片における貯蔵弾性率G1と損失弾性率G2とを測定し、損失正接tanδを算出した。この際に、測定条件を以下のように設定した。
周波数:10Hz
張力条件:歪振幅 10μm
:最小張力/圧縮力 50mN
:張力/圧縮力ゲイン 1.2
:力振幅初期値 50mN
加熱条件:昇温速度 2℃/min
:加熱温度 30℃から180℃
[評価結果1:降伏応力]
試験例1から試験例3における流れ方向MDの降伏応力は、それぞれ116.0MPa、115.0MPa、110.2MPaであり、いずれも条件Aに示した109MPa以上117MPa以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の降伏応力は、124.8MPaであることが認められた。
試験例1から試験例3における降伏後の傾きは、それぞれ77.3、110.5、84.2であり、いずれも条件Bに示した75以上111以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の降伏後の傾きにおける平均値は、172.4であることが認められた。
試験例1から試験例3における流れ方向MDの破断強度は、それぞれ170.9、176.4、159.6であり、いずれも条件Cに示した153MPa以上183MPa以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の降伏後の傾きにおける平均値は、202.7MPaであることが認められた。
[評価結果2:動的弾性率]
試験例1から試験例3の貯蔵弾性率G1、損失弾性率G2、および、損失正接tanδの測定結果は、以下の表1に示す通りであった。
Figure 2023039268000002
なお、貯蔵弾性率G1の測定値は、図4が示す貯蔵弾性曲線の転移温度T1、および、当該転移温度T1での貯蔵弾性率G1から得た。損失弾性率G2の測定値は、図5が示す損失弾性曲線のピーク位置での温度T2、および、当該温度T2での損失弾性率G2から得た。損失正接tanδの測定値は、図6が示す損失正接曲線のピーク位置での温度T3、および、当該温度T3での損失正接tanδから得た。
この際に、貯蔵弾性曲線の変曲点よりも低温側での近似直線と、変曲点よりも高温側での近似直線との交点における温度を、転移温度T1とした。低温側での近似直線、および、高温側での近似直線は、それぞれ低温側での測定点の集合を直線に近似すること、および、高温側での測定点の集合を直線に近似することによって得た。低温側での測定点の集合は、変曲点、および、変曲点よりも約10℃だけ低い点から約5℃だけ低い点までの間の複数の測定点である。高温側での測定点の集合は、変曲点、および、変曲点よりも約5℃だけ高い点から約10℃だけ高い点までの間の複数の測定点である。
試験例1から試験例3の転移温度T1は、それぞれ87.6℃、87.8℃、80.3℃であり、いずれも条件Dに示した80℃以上88℃以下の範囲内に含まれることが認められた。なお、試験例4の転移温度T1は、87.0℃であることが認められた。
試験例1から試験例3の貯蔵弾性率G1は、それぞれ3.8GPa、4.1GPa、3.9GPaであり、いずれも条件Dに示した3.8GPa以上4.1GPa以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の貯蔵弾性率G1は、4.7GPaであることが認められた。すなわち、試験例1から試験例3の外側結晶性ポリエステル層における弾性は、試験例4の外側結晶性ポリエステル層よりも低いことが認められた。また、試験例1から試験例4の外側結晶性ポリエステル層における弾性は、外側結晶性ポリエステルの質量において、リサイクルPETの割合を高めるほど低いことも認められた。
試験例1から試験例3の損失弾性曲線におけるピーク位置での温度T2は、それぞれ101.3℃、99.8℃、95.4℃であり、いずれも条件Eに示す95℃以上102℃以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の損失弾性曲線におけるピーク位置での温度T2は、104.7℃であることが認められた。すなわち、試験例1から試験例3の外側結晶性ポリエステル層における低温での柔軟性は、試験例4の外側結晶性ポリエステル層よりも高いことが認められた。また、試験例1から試験例4の外側結晶性ポリエステル層における低温での柔軟性は、外側結晶性ポリエステル層の質量において、リサイクルPETの割合を高めるほど高いことも認められた。
試験例1から試験例3の損失弾性率G2は、それぞれ0.34GPa、0.37GPa、0.37GPaであり、いずれも条件Eに示した0.3GPa以上0.37GPa以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の損失弾性率G2は、0.39GPaであることが認められた。
試験例1から試験例3の損失正接曲線におけるピーク位置での温度T3は、それぞれ114.8℃、113.8℃、108.8℃であり、いずれも108℃以上115℃以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の損失正接曲線におけるピーク位置での温度T3は、119.0℃であることが認められた。
試験例1から試験例3の損失正接曲線におけるピーク位置での損失正接tanδは、それぞれ0.162、0.170、0.185であり、いずれも条件Fに示した0.160以上0.190以下の範囲内に含まれることが認められた。これに対して、試験例4の損失正接曲線におけるピーク位置での損失正接tanδは、0.157であることが認められた。すなわち、試験例1から3の外側結晶性ポリエステル層において、弾性に対する粘性の度合いは、試験例4よりも大きいこと、および、外力の応答における粘性の寄与も、試験例4よりも大きいことが認められた。
[実施例]
図7を参照して、実施例および比較例を説明する。
[実施例1]
試験例1の外側結晶性ポリエステル層を準備した。また、内側ポリエステル層として、第1PETフィルムと、ヒートシール機能を有する第2PETフィルムとから構成される30μmの厚さを有したポリエステルフィルム(東洋紡(株)製、オリエステルSS DE046)(オリエステルは登録商標)を準備した。
また、接着層を形成するためのラミネーション用接着剤として、脂肪族エステル系のラミネーション用接着剤(三井化学(株)製、タケラックA‐626)(タケラックは登録商標)を準備した。外側結晶性ポリエステル層と内側ポリエステル層とを、ラミネーション用接着剤を用いてドライラミネーションすることによって、実施例1の積層シートを得た。この際に、包装材における接着層の厚さが2μmとなるように、ラミネーション用接着剤を塗布した。
[実施例2]
実施例1において、外側結晶性ポリエステル層として、試験例2の外側結晶性ポリエステル層を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例2の積層シートを得た。
[実施例3]
実施例1において、外側結晶性ポリエステル層として、試験例3の外側結晶性ポリエステル層を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、実施例3の積層シートを得た。
[比較例1]
実施例1において、外側結晶性ポリエステル層として、試験例4の外側結晶性ポリエステル層を用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、比較例1の積層シートを得た。
[評価3:ループスティフネス]
ループスティフネステスタ(東洋精機製作所(株)製、DA型)を用いて、実施例1から実施例3の積層シート、および、比較例1の積層シートの各々における流れ方向MDでのループスティフネスと、幅方向TDでのループスティフネスとを測定した。この際に、150mmの長さを有し、かつ、15mmを有する試験片を各積層シートから切り出した。なお、流れ方向MDでのループスティフネスを測定する際には、試験片の長手方向が流れ方向MDに一致するように、各積層シートから試験片を切り出した。これに対して、幅方向TDでのループスティフネスを測定する際には、試験片の長手方向が幅方向TDに一致するように、積層シートから試験片を切り出した。
ループスティフネスを測定する際には、試験片のループ長を50mmに設定し、ロードセルによる試験片の押し込み量を10mmに設定し、ロードセルの押し込み速度を3.3mm/秒に設定した。また、ループスティフネスを測定する環境において、温度を20℃以上25℃以下に設定し、かつ、湿度を30%RH以上45%RH以下に設定した。
なお、各積層シートについて、10点の試験片でのループスティフネスを測定した。また、各積層シートについて、10点の試験片において得られたループスティフネスの値から、平均値を算出した。
また、内側ポリエステル層についても、積層シートと同様の方法によって、流れ方向MDでのループスティフネスと、幅方向TDでのループスティフネスとを測定した。ただし、内側ポリエステル層については、5点の試験片でのループスティフネスを測定した。
[評価結果3:ループスティフネス]
実施例1および比較例1におけるループスティフネスの値は、図7が示す通りであった。
図7が示すように、実施例1において、流れ方向MDでのループスティフネスの平均値が58.6mN/15mmであり、幅方向TDでのループスティフネスの平均値が61.1mN/15mmであることが認められた。なお、10点の試験片において、流れ方向MDでのループスティフネスの値は、57.0mN/15mm以上60.4mN/15mmの範囲内に含まれることが認められた。また、10点の試験片において、幅方向TDでのループスティフネスの値は、60.4mN/15mm以上62.0mN/15mm以下の範囲内に含まれることが認められた。
これに対して、比較例1において、流れ方向MDでのループスティフネスの平均値が62.3mN/15mmであり、幅方向TDでのループスティフネスの平均値が57.0mN/15mmであることが認められた。なお、10点の試験片において、流れ方向MDでのループスティフネスの値は、60.6mN/15mm以上64.4mN/15mm以下の範囲に含まれることが認められた。また、10点の試験片において、幅方向TDでのループスティフネスの値は、56.2mN/15mm以上57.8mN/15mm以下の範囲内に含まれることが認められた。
すなわち、実施例1の積層シートによれば、比較例1の積層シートに比べて、流れ方向MDでのループスティフネスの値が低いことが認められた。そのため、実施例1の積層シートが自立性包装袋を構成する側面シートとして用いられた場合に、封口前の包装袋が有する開口の延びる方向に一致する流れ方向MDでの積層シートのこしが弱いから、包装袋が開口しやすい。
また、実施例1の積層シートによれば、幅方向TDでのループスティフネスの値が流れ方向MDでのループスティフネスの値よりも高く、かつ、比較例1の積層シートにおける幅方向TDでの値よりも高いことが認められた。そのため、実施例1の積層シートが自立性包装袋を構成する側面シートとして用いられた場合に、鉛直方向に一致する幅方向TDでの積層シートのこしが強いから、包装袋の折れ曲がりが抑えられ、結果として、包装袋が自立しやすくなる。
なお、内側ポリエステル層において、流れ方向MDでのループスティフネスの平均値が、15.3mN/15であり、幅方向TDでのループスティフネスの平均値が18.0であることが認められた。5点の試験片において、流れ方向MDでのループスティフネスの値は、14.8mN/15mm以上15.8mN/15mmの範囲内に含まれることが認められた。また、5点の試験片において、幅方向TDでのループスティフネスの値は、16.4mN/15m以上19.6mN/15mm以下であることが認められた。
また、実施例2および実施例3の積層シートでは、実施例1の積層シートと同等のループスティフネスが、流れ方向MDおよび幅方向TDの両方において得られることが認められている。
以上説明したように、包装袋の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)流れ方向MDでの側面シート11A,11Bのループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれるから、流れ方向MDでの側面シート11A,11Bのこしが弱い。そのため、第1側面シート11Aの内側ポリエステル層22から第2側面シート11Bの内側ポリエステル層を離すように、包装袋10を変形させた場合に、包装袋10が変形前の状態に戻ることが抑えられるから、包装袋10が開口しやすくなる。
(2)包装袋10が自立性包装袋である場合に、包装袋10を開口しやすくすることができる。
(3)側面シート11A,11Bのこしが、幅方向TDにおいて流れ方向MDよりも強いから、包装袋10が自立した状態において、包装袋10が折れ曲がることが抑えられる。これにより、包装袋10が自立しやすくなる。
(4)幅方向TDでの側面シート11A,11Bのループスティフネスが60mN/15mm以上の範囲内に含まれる。そのため、側面シート11A,11Bは、包装袋10での折れ曲がりを抑える程度に十分に強いこしを幅方向TDにおいて有することが可能である。
(5)外側結晶性ポリエステル層21がイソフタル酸を含むから、外側結晶性ポリエステル層21がイソフタル酸を含まない場合に比べて、側面シート11A,11Bのこしを弱くすることが可能である。そのため、第1側面シート11Aの内側ポリエステル層22から第2側面シート11Bの内側ポリエステル層を離すように、包装袋10を変形させた場合に、包装袋10が変形前の状態に戻ることが抑えられるから、包装袋10が開口しやすくなる。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[側面シート]
・側面シート11A,11Bにおいて、幅方向TDのループスティフネスは、60mN/15mm未満であってもよい。この場合であっても、側面シート11A,11Bが上述した条件1を満たしていれば、(1)に準じた効果を得ることはできる。
・側面シート11A,11Bにおいて、幅方向TDのループスティフネスの値は、流れ方向MDのループスティフネスの値以下であってもよい。この場合であっても、側面シート11A,11Bが上述した条件1を満たしていれば、(1)に準じた効果を得ることはできる。
[底面シート]
・底面シート11C、側面シート11A,11Bと同一の層構造を有してもよいし、異なる層構造を有してもよい。例えば、側面シート11A,11Bが外側結晶性ポリエステル層、内側ポリエステル層、および、接着層を備える場合に、外側結晶性ポリエステル層は、上述した条件1を満たしていなくてもよい。
[外側結晶性ポリエステル層]
・外側結晶性ポリエステル層21は、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステルから構成されてもよい。例えば、外側結晶性ポリエステル層21は、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどから構成されてもよい。
・外側結晶性ポリエステル層21が複数の層を備える場合には、外側結晶性ポリエステル層21は、例えばバリア層を備えてもよい。バリア層は、無機酸化物層であってもよいし、ケイ素化合物層であってもよい。また、外側結晶性ポリエステル層21は、無機酸化物層とケイ素化合物層との両方を備えてもよい。無機酸化物層が含む無機物は、例えば、ケイ素、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、スズ、ナトリウム、ホウ素、チタン、鉛、ジルコニウム、イットリウムなどであってよい。
ケイ素化合物層は、水溶性高分子とケイ素化合物とを含んでいる。水溶性高分子は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなどであってよい。ケイ素化合物は、例えば、Si(ORまたは、RSi(ORによって表されるケイ素化合物、または、当該ケイ素化合物の加水分解物であってよい。ケイ素化合物を表す化学式において、ORおよびORは加水分解性基であり、Rは有機官能基である。無機化合物は、1種以上のケイ素化合物、または、当該ケイ素化合物の加水分解物を含んでよい。Si(ORは、例えばテトラエトキシシラン(Si(OC)(TEOS)であってよい。TEOSは、加水分解後において、水系の溶媒中にて比較的安定である点で好ましい。また、RSi(ORが含むRは、ビニル基、エポキシ基、メタクリロキシ基、ウレイド基、および、イソシアネート基から構成される群から選択されることが好ましい。
バリア層の厚さは、側面シート11A,11Bの総厚に対して十分に薄い、すなわち、側面シート11A,11Bの全質量に対してバリア層の質量が占める割合は十分に小さい。そのため、外側結晶性ポリエステル層21が上述したバリア層を含んでいても、包装袋10から樹脂フィルムなどを再生し、これによって包装袋10を再利用することは可能である。
[内側ポリエステル層]
・内側ポリエステル層22は、ポリエチレンテレフタレート以外のポリエステルから構成されてもよい。例えば、内側ポリエステル層22は、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、および、ポリエチレンナフタレートなどから構成されてもよい。
[包装袋]
・包装袋は、自立性包装袋に限らず、三方シール包装袋、四方シール包装袋、ピロー包装袋、および、スティック包装袋などであって、自立性を有しない包装袋であってもよい。これらの場合であっても、包装袋を構成する積層体において、開口方向でのループスティフネスの値が、上述した条件1を満たしていれば、(1)に準じた効果を得ることはできる。
10…自立性包装袋
10A…開口
11A…第1側面シート
11B…第2側面シート
21…外側結晶性ポリエステル層
22…内側ポリエステル層
23…接着層
MD…流れ方向
TD…幅方向

Claims (5)

  1. 外側結晶性ポリエステル層と、非晶性ポリエステル層を含む内側ポリエステル層と、前記外側結晶性ポリエステル層に前記内側ポリエステル層を接着する接着層と、を備える積層体から構成され、前記内側ポリエステル層が含む前記非晶性ポリエステル層同士のヒートシールによって封口される包装袋であって、
    前記外側結晶性ポリエステル層は、リサイクル樹脂を含み、
    前記包装袋は、封口される以前において、前記包装袋の外縁における一部に位置する開口を有し、前記包装袋が広がる平面と対向する視点から見て、前記開口が延びる方向が開口方向であり、
    温度が20℃以上25℃以下であり、かつ、湿度が30%RH以上45%RH以下である環境において、15mmの帯幅を有した前記積層体における前記開口方向のループスティフネスが61mN/15mm以下の範囲内に含まれる
    包装袋。
  2. 前記包装袋は、自立性包装袋であり、
    前記開口方向は、前記積層体の流れ方向である
    請求項1に記載の包装袋。
  3. 前記流れ方向に直交する方向が、幅方向であり、
    前記幅方向でのループスティフネスの値が、前記流れ方向でのループスティフネスの値よりも高い
    請求項2に記載の包装袋。
  4. 前記幅方向でのループスティフネスは、60mN/15mm以上の範囲内に含まれる
    請求項3に記載の包装袋。
  5. 外側結晶性ポリエステル層と、非晶性ポリエステル層を含む内側ポリエステル層と、前記外側結晶性ポリエステル層に前記内側ポリエステル層を接着する接着層と、を備える積層体から構成され、前記内側ポリエステル層が含む前記非晶性ポリエステル層同士のヒートシールによって封口される自立性包装袋であって、
    前記非晶性ポリエステル層が、ポリエチレンテレフタレート層であり、
    前記外側結晶性ポリエステル層が、繰り返し単位中のジカルボン酸単位にテレフタル酸とイソフタル酸とを含むイソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート層である
    包装袋。
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