JP2023033912A - スリッタスコアラ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オーダ変更時において、生産される段ボールシートの歩留まりを確保しつつ、段ボールシート加工具の移動機構の経年劣化の進行を抑える。【解決手段】スリッタスコアラ装置100は、複数のスリッタ1及び複数のスコアラ52を備える段ボールシート加工具100aと、段ボールシート加工具を幅方向及び上下方向に移動させる幅方向移動機構及び上下方向移動機構と、これら移動機構を制御する制御装置102とを有する。この制御装置は、オーダ変更時にカッタ装置520により切り取られるカッタ切断寸法及びシート供給速度に基づき、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させるための目標セットアップ時間を設定し、段ボールシート加工の移動を目標セットアップ時間で完了させるための目標加減速度を設定し、段ボールシート加工具を目標加減速度で移動させるように移動機構を制御する。【選択図】図13

Description

本発明は、供給ラインに沿って連続的に供給される段ボールシートに対して切り込み及び罫線を付与するための加工を行うスリッタスコアラ装置に関する。
従来から、段ボールシート生産装置(コルゲータ)の生産ライン上には、連続的に供給される段ボールシートに対して切り込み及び罫線を付与するスリッタスコアラ装置が設けられている。具体的には、スリッタスコアラ装置は、段ボールシートの供給方向(搬送方向)に対して直交する幅方向に並列して配置され、供給方向に沿った切り込みをスリッタナイフにより段ボールシートに付与する複数のスリッタと、幅方向に並列して配置され、供給方向に沿った罫線をロールにより段ボールシートに付与する複数のスコアラと、を段ボールシート加工具として有する。
このようなスリッタスコアラ装置では、例えば、段ボールシートから丁取りするシートの数や、丁取りする1枚のシートの幅方向長さや、段ボールシートに罫線を付与する位置などを変更するために、つまり生産オーダの変更(いわゆるオーダ変更)のために、段ボールシート加工具を幅方向及び上下方向に移動する作業が行われる。具体的には、オーダ変更を行うときに、段ボールシート加工具の複数のスリッタ及び複数のスコアラのそれぞれについて、旧オーダで設定されていた位置から新オーダで設定すべき位置へと変更すべく、これらの加工具が幅方向及び上下方向に移動される。この場合、オーダ変更のために段ボールシート加工具が移動している最中に供給方向に進んだ段ボールシートの部分が不良部分となる。この不良部分は、旧オーダ及び新オーダのそれぞれにおいて生産すべき段ボールシートの要件を満たさない部分であり、典型的には切り込み及び罫線が付与されていない部分(若しくは、一部分に斜め方向に延びる切り込み又は罫線が形成された部分)である。
ここで、従来から、上記のような不良部分の供給方向に沿った長さ(以下では適宜「不良寸法」と呼ぶ。)を低減することで、生産される段ボールシートの歩留まりを改善すべく、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させる時間(以下では適宜「セットアップ時間」と呼ぶ。)を短縮することを図った技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。典型的には、セットアップ時間を短縮するために、段ボールシート加工具をオーダ変更時にできるだけ速く移動させる技術が知られている。好適な例では、段ボールシート加工具をオーダ変更時に上下方向及び幅方向に移動させる加速度及び減速度(加減速度)を、段ボールシート加工具の移動機構の性能(モータの性能など)により決まる最大の加減速度に設定することで、段ボールシート加工具を最も素早く移動させるようにしている。この例によれば、セットアップ時間が最短となり、不良寸法が最短となる。
特許3717167号公報
ところで、段ボールシート生産装置においてスリッタスコアラ装置の下流側には、スリッタスコアラ装置によって加工された段ボールシートを幅方向に沿って切断するカッタ装置が設けられている。通常、上述したようなオーダ変更時に発生した段ボールシートの不良部分は、このカッタ装置によって切り取られるようになっている。1つの例では、カッタ装置は、不良部分を確実に切り取る観点などから、不良部分よりも広範囲に渡る段ボールシートの部分を切り取るように制御される。この例では、オーダ変更時にカッタ装置によって切り取られる段ボールシートの供給方向に沿った寸法(以下では適宜「カッタ切断寸法」と呼ぶ。)が、不良寸法よりもある程度長い固定寸法(事前に定められる)となるように、カッタ装置が制御される。例えば、こうしてカッタ装置によって切り取られた不良部分を含む段ボールシート(不良シート)は、スタックされた良品シートの下敷きなどに利用される場合がある。この場合には、下敷きなどに必要な寸法に基づき、上記の固定寸法が定められる。
他の例では、カッタ装置は、段ボールシートの歩留まりの改善を優先する観点から、段ボールシート中の不良部分を過不足なく切り取るように制御される。すなわち、この例では、カッタ切断寸法を不良寸法そのものに設定して(不良寸法よりも若干長い寸法(余裕代を加えた寸法)に設定してもよい)、オーダ変更時にカッタ装置が制御される。ところで、カッタ装置の性能上の理由から、カッタ装置により切り取り可能な段ボールシートの寸法には制限値(最小寸法)がある。この制限値(以下では適宜「カッタ切断制限寸法」と呼ぶ。)は、段ボールシートの供給速度に応じた値となる、具体的には、供給速度が速くなるほどカッタ切断制限寸法が長くなる。ここで、上記した他の例においては、このようなカッタ切断制限寸法が不良寸法よりも長い場合には、カッタ装置は、その性能上の理由から、不良寸法にて段ボールシートを切断することができないので、カッタ切断制限寸法にて段ボールシートを切断するように制御される。換言すると、この場合には、カッタ切断寸法を不良寸法に設定することができないので、カッタ切断寸法をカッタ切断制限寸法に設定して、カッタ装置が制御される。
他方で、上述したように、オーダ変更時のセットアップ時間が短縮されるように段ボールシート加工具を大きな加減速度で移動させると、不良寸法が低減される。そして、このように低減された不良寸法をカッタ切断寸法に設定してカッタ装置を制御すると、オーダ変更時にカッタ装置により切り取られる段ボールシート(不良シート)を最小限に抑えることができるので、生産される段ボールシートの歩留まりを改善することが可能となる。しかしながら、カッタ切断寸法に、不良寸法ではなく、固定寸法やカッタ切断制限寸法が適用されるような場合には、オーダ変更時のセットアップ時間が短縮されるように段ボールシート加工具を大きな加減速度で移動させることは、段ボールシートの歩留まりの改善には何ら繋がらない。これは、段ボールシート加工具を大きな加減速度で移動させることで不良寸法を低減しても、カッタ装置は、この不良寸法の如何に関わらず、固定寸法(不良寸法よりも長い寸法が適用される)にて段ボールシートを切断するか、或いは、この不良寸法を切断できないために、これよりも長いカッタ切断制限寸法にて段ボールシートを切断するからである。
このように歩留まりの改善に繋がらないような場合においても、段ボールシート加工具を大きな加減速度で移動させると、特に段ボールシート加工具を性能上の最大の加減速度で移動させると、段ボールシート加工具の移動機構に無駄な負担を与えてしまう。その結果、段ボールシート加工具の移動機構の経年劣化(ボールねじの摩耗など)を早く進行させてしまうこととなる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、オーダ変更時において、生産される段ボールシートの歩留まりを確保しつつ、段ボールシート加工具の移動機構の経年劣化の進行を抑えることができるスリッタスコアラ装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、供給ラインに沿って連続的に供給される段ボールシートに対して切り込み及び罫線を付与するための加工を行うスリッタスコアラ装置であって、段ボールシートの供給方向に対して直交する幅方向に並列して配置され、供給方向に沿った切り込みを段ボールシートに付与する複数のスリッタと、幅方向に並列して配置され、供給方向に沿った罫線を段ボールシートに付与する複数のスコアラと、を備える段ボールシート加工具と、段ボールシート加工具が備える複数のスリッタのそれぞれ及び複数のスコアラのそれぞれを、幅方向に移動させる幅方向移動機構と、段ボールシート加工具が備える複数のスリッタのそれぞれ及び複数のスコアラのそれぞれを、上下方向に移動させる上下方向移動機構と、幅方向移動機構及び上下方向移動機構を制御するように構成された制御装置と、を有し、スリッタスコアラ装置の供給方向の下流側には、スリッタスコアラ装置によって加工された段ボールシートを幅方向に沿って切断するカッタ装置が設けられ、制御装置は、生産される段ボールシートのオーダ変更のために段ボールシート加工具の位置を変更すべく、当該段ボールシート加工具を幅方向及び上下方向に移動させるための目標セットアップ時間を、オーダ変更時においてカッタ装置により切り取られる段ボールシートの供給方向に沿った所定の切断寸法(カッタ切断寸法)と、段ボールシートの供給速度とに基づき設定し、オーダ変更のための段ボールシート加工具の移動が目標セットアップ時間で完了するように、段ボールシート加工具がオーダ変更時に移動するときの目標加減速度を設定し、段ボールシート加工具がオーダ変更時に目標加減速度で移動するように、幅方向移動機構及び上下方向移動機構を制御する、ように構成されている、ことを特徴とする。
このように構成された本発明によれば、制御装置は、セットアップ時間を短縮させる観点から目標加減速度を設定するような比較例、つまりセットアップ時間の短縮を図って比較的大きな目標加減速度(典型的には移動機構の性能などにより決まる最大の目標加減速度)を設定するような比較例と異なり、オーダ変更時に適用するカッタ切断寸法及び現在の段ボールシートの供給速度(以下では適宜「シート供給速度」と呼ぶ。)に応じた目標加減速度を設定する。したがって、本発明によれば、比較例のように大きな目標加減速度が一律に設定されるのではなく、現在のカッタ切断寸法及びシート供給速度に適した目標加減速度(基本的には比較例よりも小さくなる傾向にある)が設定されることとなる。
これにより、本発明によれば、オーダ変更時において、段ボールシート加工具の移動機構(幅方向移動機構及び上下方向移動機構)に与える負荷を軽減し、移動機構の経年劣化(ボールねじの摩耗など)の進行を適切に抑えることができる。他方で、本発明と比較例とでは、オーダ変更時にカッタ装置によって同じカッタ切断寸法にて段ボールシートが切断されるので、生成される不良シートの寸法は同じになる。したがって、本発明によれば、比較例と同様に、生産される段ボールシートの歩留まりを適切に確保することができる。
以上より、本発明によれば、オーダ変更時において、生産される段ボールシートの歩留まりを確保しつつ、段ボールシート加工具の移動機構の経年劣化の進行を抑えることができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、オーダ変更のための段ボールシート加工具の移動が目標セットアップ時間で完了するように、所定の切断寸法と、供給速度と、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させるべき幅方向移動距離及び上下方向移動距離と、に基づき、目標加減速度を設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、上記のようなカッタ切断寸法、シート供給速度、幅方向移動距離及び上下方向移動距離に基づき目標加減速度を設定することで、目標セットアップ時間を的確に実現可能な目標加減速度を精度良く設定することができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、所定の切断寸法、供給速度、幅方向移動距離及び上下方向移動距離の4つのパラメータと、この4つのパラメータに応じて適用すべき目標加減速度とが事前に対応付けられたマトリクス表を参照して、オーダ変更時に適用される4つのパラメータの値に応じた目標加減速度を設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、事前に作成されたマトリクス表を用いて目標加減速度を設定するので、目標加減速度の設定に要する処理を簡易化することができる。具体的には、マトリクス表を用いて目標加減速度を設定する場合、演算処理などを行って目標加減速度を設定する場合よりも、オーダ変更時の制御処理が複雑にならないので、動作の遅れなどの発生を抑制することができる。
本発明において、好ましくは、幅方向移動距離には、複数のスリッタのうちでオーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスリッタの幅方向移動距離、及び、複数のスコアラのうちでオーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスコアラの幅方向移動距離が適用される。
このように構成された本発明によれば、オーダ変更時における複数のスリッタ及び複数のスコアラのそれぞれの最大の幅方向移動距離に基づき目標加減速度を設定することで、最大でない他の幅方向移動距離を用いる場合と比べて、大きな目標加減速度が設定されることとなる。よって、複数のスリッタの全てについてオーダ変更のために必要な幅方向移動、及び、複数のスコアラの全てについてオーダ変更のために必要な幅方向移動を、目標セットアップ時間内に確実に完了させることができる。
本発明において、好ましくは、幅方向移動距離には、オーダ変更のために複数のスリッタのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離、及び、オーダ変更のために複数のスコアラのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離が適用される。
このように構成された本発明では、オーダ変更のために複数のスリッタのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離に基づき、各スリッタが目標セットアップ時間を満たすように、各スリッタで個別に目標加減速度を設定すると共に、オーダ変更のために複数のスコアラのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離に基づき、各スコアラが目標セットアップ時間を満たすように、各スコアラで個別に目標加減速度を設定する。こうした場合、複数の段ボールシート加工具について共通の目標加減速度を設定する場合と比べて、幅方向移動距離が比較的短い段ボールシート加工具に適用される目標加減速度が小さくなる。したがって、段ボールシート加工具の移動機構に与える負荷を効果的に軽減することができる。
本発明において、好ましくは、上下方向移動距離には、オーダ変更の前後で用いられる段ボールシートのうちで厚さが大きい方の段ボールシートの厚さに応じた距離が適用される。
このように構成された本発明によれば、オーダ変更前後の段ボールシートにおいて大きい方の厚さに応じた上下方向移動距離に基づき目標加減速度を設定することで、小さい方の厚さに応じた上下方向移動距離を用いる場合と比べて、大きな目標加減速度が設定されることとなる。よって、旧オーダと新オーダの段ボールシートの厚さに応じてオーダ変更時に行うべき上下方向移動を、目標セットアップ時間内に確実に完了させることができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、段ボールシート加工具が、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させるべき幅方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、段ボールシート加工具の幅方向の移動速度が最大速度となるように幅方向移動機構を制御し、段ボールシート加工具が、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させるべき上下方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、段ボールシート加工具の上下方向の移動速度が最大速度となるように上下方向移動機構を制御する、ように構成されている。
このように構成された本発明によれば、制御装置は、段ボールシート加工具の幅方向移動及び上下方向移動の両方について、段ボールシート加工具の移動速度を、移動させるべき距離の中間位置に到達するまでは加速させ、中間位置到達時に最大速度にし、中間位置到達後に減速させるような速度プロファイルを適用する。こうした場合、例えば、段ボールシート加工具の移動速度を加速させて中間位置手前で最大速度に到達させ、この後に最大速度に一定期間維持してから減速させるような速度プロファイルと比べて、オーダ変更中の加減速度の大きさを小さくすることができる。よって、本発明による速度プロファイルによれば、他の速度プロファイルと比べて、段ボールシート加工具の移動機構に与える負荷を効果的に軽減することができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、オーダ変更のために段ボールシート加工具の位置を変更すべく、当該段ボールシート加工具を幅方向移動機構及び上下方向移動機構に設定可能な最大加減速度で幅方向及び上下方向に移動させた場合に、段ボールシート加工具がオーダ変更時に移動している間に段ボールシートが供給方向に移動する長さである最短不良寸法を算出し、最短不良寸法が所定の切断寸法未満となる場合には、オーダ変更を行うときの段ボールシート加工具の移動が目標セットアップ時間で完了するように目標加減速度を設定し、最短不良寸法が所定の切断寸法以上となる場合には、目標加減速度を最大加減速度に設定する、ように構成されている。
このように構成された本発明によれば、最短不良寸法と所定のカッタ切断寸法との大小関係に応じた的確な目標加減速度を設定することができる。特に、最短不良寸法がカッタ切断寸法以上となる場合には、目標加減速度を最大加減速度に設定することで、オーダ変更を行うときの段ボールシート加工具の移動を最短のセットアップ時間で完了させることができる。
本発明において、好ましくは、制御装置は、オーダ変更のための段ボールシート加工具の移動が目標セットアップ時間で完了するように、段ボールシート加工具が幅方向及び上下方向のそれぞれに移動するときの目標加減速度を同一の値に設定するように構成されている。
このように構成された本発明によれば、幅方向移動の目標加減速度と上下方向移動の目標加減速度とを同じ値に設定することで、目標加減速度の設定に要する処理を簡易化することができる。
本発明において、好ましくは、所定の切断寸法には、事前に設定された固定寸法が適用される。
このように構成された本発明によれば、オーダ変更時において、カッタ装置によって、事前に設定された固定寸法にて不良シートを適切に切り取ることができる。こうして切り取られた不良シートは、スタックされた良品シートの下敷きなどに利用することができる。
本発明において、好ましくは、所定の切断寸法には、供給速度に応じてカッタ装置により切り取り可能な段ボールシートの供給方向に沿った最小寸法に応じた寸法(カッタ切断制限寸法)が適用される。
このように構成された本発明によれば、オーダ変更時において、例えば最短不良寸法がカッタ切断制限寸法未満であるような場合に、カッタ装置によって、シート供給速度に応じたカッタ切断制限寸法にて不良シートを適切に切り取ることができる。
本発明において、好ましくは、スリッタスコアラ装置は、制御装置により設定された目標加減速度を表示する表示部を更に備える。
このように構成された本発明によれば、作業者が、表示部に表示された目標加減速度を確認することができる。
本発明に係るスリッタスコアラ装置によれば、オーダ変更時において、生産される段ボールシートの歩留まりを確保しつつ、段ボールシート加工具の移動機構の経年劣化の進行を抑えることができる。
本発明の実施形態による段ボールシート生産装置の全体を示す側面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置を示す概略側面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスリッタ全体を示す概略正面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスリッタを示す概略側面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスリッタを示す概略正面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスリッタが加工位置と非加工位置との中間位置にある状態を示す図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスリッタが非加工位置にある状態を示す図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置におけるスコアラを示す概略側面図である。 本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態による制御方法の基本概念の説明図である。 本発明の実施形態による目標セットアップ時間の説明図である。 本発明の実施形態によるマトリクス表の具体例を示す。 本発明の実施形態によるスリッタの目標加減速度の設定処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態によるスリッタのセットアップ処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるスリッタスコアラ装置について説明する。
<段ボールシート生産装置の構成>
まず、図1を参照して、本実施形態によるスリッタスコアラ装置が適用された段ボールシート生産装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態による段ボールシート生産装置の全体を示す側面図である。
図1に示すように、段ボールシート生産装置(コルゲータ)501は、所定の段ピッチを持つ段が形成される中芯502とライナ504とを貼り合せて片面段ボールシート506を生産するシングルフェーサ508と、この片面段ボールシート506に他のライナ507を貼り合せて両面段ボールシート510を生産するダブルフェーサ512と、この両面段ボールシート510に、供給方向FWに沿って(つまり段と直交する方向に沿って)、罫線の付与加工及び切り込みの付与加工(スリット加工)をそれぞれ行うスコアラ52及びスリッタ1(これらは本発明における段ボールシート加工具100aに相当する)を備えるスリッタスコアラ装置100と、両面段ボールシート510をシートの供給方向FWにおける所定の切断寸法に切断するカッタ装置520と、この切断された各両面段ボールシートを上下方向に積み重ねるスタッカ装置522と、を有する。なお、以下では、両面段ボールシート510のことを単に「段ボールシートS」とも表記する。
<スリッタスコアラ装置の構成>
次に、図2乃至図8を参照して、本実施形態によるスリッタスコアラ装置100について説明する。図2は、本実施形態によるスリッタスコアラ装置100を示す概略側面図であり、図3は、本実施形態によるスリッタ1全体を示す概略正面図であり、図4は、本実施形態によるスリッタ1を示す概略側面図であり、図5は、本実施形態によるスリッタ1を示す概略正面図であり、図6は、本実施形態によるスリッタ1が加工位置と非加工位置との中間位置にある状態を示す図(図4と同様な図)であり、図7は、本実施形態によるスリッタ1が非加工位置にある状態を示す図(図4と同様な図)であり、図8は、本実施形態によるスコアラ52を示す概略側面図である。
図2に示すように、スリッタスコアラ装置100は、段ボールシートSの供給方向FW(供給ライン)の上流側に2台のスコアラ52を備えると共に、その下流側に1台のスリッタ1を備えている。図3に示すように、スリッタ1は、幅方向、すなわちシートの供給方向FWと略直交する方向に3台のスリッタ1a、1b、1cを有する。同様に、スコアラ52の各々は、幅方向に3台のスコアラ52a、52b、52cを有する。後に説明するように、スリッタ1a、1b、1c及びスコアラ52a、52b、52cの各々は、互いに独立に幅方向に移動自在に配置され、オーダ変更による丁取り数や丁取り幅などの変更に応じて、幅方向に位置決め調整されるよう構成されている。なお、3台のスリッタ1及びスコアラ52を適用することに限定はされず、他の例では、3台未満のスリッタ1及びスコアラ52や、4台以上のスリッタ1及びスコアラ52を適用してもよい。
スリッタ1について説明をすると、図4に示すように、スリッタ1は、段ボールシートSが走行するペーパーラインを挟んで上方に位置する上部スリッタ2と、ペーパーラインを挟んで下方に位置する下部スリッタ11とを有する。また、スリッタ1は、ペーパーラインを挟んで下方にスリッタナイフ22を有する一方、この上方に該スリッタナイフ22を受けるスリッタ受け部材10を有する、いわゆる下1枚刃方式のスリッタである。なお、他の例では、上部及び下部スリッタがともにスリッタナイフを有するタイプのスリッタを適用してもよいし、いずれか一方がスリッタナイフを有し、他方がスリッタ受け部材を有するタイプを適用してもよい。
図4及び図5に示すように、下部スリッタ11においては、下部スリッタフレーム13が、フレーム(図示せず)に載架されたステー12のガイドレール15a、15bに、支承部14a、14bを介して取り付けられている。また、下部スリッタ11は、下部スリッタフレーム13に取り付けられ、フレーム間に装架されたねじ軸17aと螺合する軸受部16aを備える幅方向移動機構により、各生産オーダに対応した幅方向位置に位置決め可能に構成される。特に図5に示すように、この幅方向移動機構においては、スリッタ1のフレーム等にブラケット39を介して取り付けられた、駆動装置としての幅方向移動用サーボモータ40によって回転するねじ軸17aが、下部スリッタ11の下部スリッタフレーム13に設けられた軸受部16aと螺合しており、この幅方向移動用サーボモータ40の起動によってねじ軸17aを回転させると、この回転するねじ軸17a上を下部スリッタフレーム13に固定された軸受部16aを介して、下部スリッタ11が幅方向に移動する。
なお、図中の符号17bと17cはそれぞれ、幅方向に併設される他の2つのスリッタ1b、1cの幅方向への移動及び位置決めのためのねじ軸で、各下部スリッタがねじ軸17b、17c上を軸受部16b、16cを介して、幅方向に移動するようになっている。
下部スリッタフレーム13には、スリッタナイフ22が取り付けられ、スリッタナイフ22を、段ボールシートSを切断する加工位置と、段ボールシートSを切断しない非加工位置との間で、上下方向に移動させるように構成された上下方向移動機構が設けられている。具体的には、上下方向移動機構は、下部スリッタフレーム13に固定される第1アーム19と、スリッタナイフ回転駆動軸上に位置する支点部23を介して回動可能に第1アーム19に連結するとともに、回転支持部21を介して回転可能にスリッタナイフ22に連結する第2アーム20と、第1支点部25を介して第2アーム20に連結するとともに、第2支点部26を介して回動機構27に連結する連結アーム24と、により構成されるリンク機構18を有する。回動機構27は、駆動装置としての上下方向移動用サーボモータ29と、上下方向移動用サーボモータ29に連結するねじ軸30と、ねじ軸30上をスライドレール28に沿って摺動可能な、ねじ軸30に螺合する摺動部材32と、上下方向移動用サーボモータ29と対設する位置にあり、ねじ軸30を回転可能に軸架するねじ軸固定台31と、摺動部材32に取り付けられ、第2支点部26を介して連結アーム24に連結する連結体33と、を有する。
このように、上下方向移動機構では、回動機構27の上下方向移動用サーボモータ29によってねじ軸30が回転して、ねじ軸30と螺合する摺動部材32がスライドレール28上を摺動することで、摺動部材32に連結体33を介して取り付けられた連結アーム24が随伴する。その結果、第1アーム19と第2アーム20の支点部23を支点にして、第2アーム20と連結アーム24が係合する第1支点部25が、連結アーム24の動きにあわせて回動する。
より詳細には、図4では、スリッタナイフ22が加工位置(切断位置)に位置決めされ、スリッタナイフ22とスリッタ受け部材10が係合(Tx)することで、段ボールシートSが切断される。これに対して、図6では、上下方向移動用サーボモータ29によって摺動部材32が上下方向移動用サーボモータ29側(図面上右側)に移動し、それに伴い連結アーム24を介して第2アーム20が回動して、スリッタナイフ22とスリッタ受け部材10との間に比較的小さな隙間Tyが形成される。このときには、スリッタナイフ22は、段ボールシートSと干渉しない位置まで回動し、段ボールシートSを切断しない。さらに図7に示すように、摺動部材32が上下方向移動用サーボモータ29側に最大限(図面上右側に)移動し、スリッタナイフ22とスリッタ受け部材10との間に大きさ隙間Tzが形成される。このときの位置は、スリッタナイフ22の非加工位置として用いられてもよい。このように、上下方向移動機構による第2アーム20の回動に伴い、第2アーム20に設けられたスリッタナイフ22を、段ボールシートSを切断する加工位置と、段ボールシートSを切断しない非加工位置との間で、上下方向に往復移動可能である。
図5に示すように、スリッタナイフ22の回転駆動機構は、フレーム等に取り付けられたスリッタナイフ回転駆動装置(図示せず)と、スリッタナイフ回転駆動装置に回転可能に連結し、ねじ軸17aと略平行に延びる駆動軸41と、駆動軸41に第1駆動伝達部材保持体35を介して固定された第1駆動伝達部材37と、第2駆動伝達部材保持体36を介して中間軸34に固定され、第1駆動伝達部材37との間で回転駆動力を伝達するように係合する第2駆動伝達部材38と、を有する。駆動軸41には、第1アーム19と第2アーム20が軸受等で駆動軸41に回転可能に支承されて、支点部23を構成する。スリッタナイフ22は、上記のスリッタナイフ駆動装置からの回転駆動力が駆動軸41を介して第1駆動伝達部材37から第2駆動伝達部材38を経て伝達して回転するように構成されているとともに、下部スリッタ11が、前述したようにねじ軸17に沿って幅方向に移動するときは、第1駆動伝達部材保持体35が同方向に駆動軸41上を摺動するようになっている。スリッタナイフ22の回転周速は、一般的には、段ボールシートSの供給速度より少し速い速度で、生産条件等によっては段ボールシートSの供給速度より2倍以上の回転周速で回転させるようにしてもよい。このスリッタナイフ22の回転駆動機構は、既存の伝達機構を用いておりスリッタナイフ22に回転力を与える限り、例えばスリッタナイフ22の回転支持部21の軸芯上に回転駆動装置等を直接取り付けることによりスリッタナイフ22を直接回転させるようにしてもよい。
一方、上部スリッタ2は、スリッタナイフの代わりに、加工位置と非加工位置との間で移動することのないスリッタ受け部材が設けられる点を除き、その支持の仕方及び幅方向への移動の仕方については、以下のように、下部スリッタと同様である。
図4に示すように、上部スリッタ2においては、上部スリッタフレーム4が、フレーム(図示せず)に載架されたステー3のガイドレール6a、6bに、支承部5a、5bを介して取り付けられている。また、上部スリッタ2は、上部スリッタフレーム4に取り付けられ、フレーム間に装架されたねじ軸8aと螺合する軸受部7aを備える幅方向移動機構により、各生産オーダに対応した位置に位置決め可能に構成される。なお、図中の符号8b及び8cは、幅方向に併設される他のスリッタ1b、1cの幅方向への移動及び位置決めのためのねじ軸で、各上部スリッタがねじ軸8b、8c上を軸受部7b、7cを介して、幅方向に移動するようになっている。
上部スリッタフレーム4には、スリッタナイフ22を受けるスリッタ受け部材10が回転支持部9で回転可能に支持されている。スリッタ受け部材10は、段ボールシートSを切断するためにスリッタナイフ22を受ける働きをする部材であるため、スリッタ受け部材10の段ボールシートSへの上下方向位置決め位置は段ボールシートSの上面に接する位置がよい。この場合、スリッタ受け部材10は、回転駆動機構(不図示)によって積極的に回転させる機構でもよいし、スリッタ受け部材10の外周面が走行する段ボールシートSと接して、その摩擦力によって回転させられてもよいし、または、スリッタナイフ22がスリッタ受け部材10と接して、その摩擦力によって回転させられてもよい。
さらに、スリッタ受け部材10を、上部スリッタフレーム4に回転可能に支持されるブラシシャフトとしてもよい。この場合、スリッタナイフ22を受けるブラシがブラシシャフトの外周に植え込まれ、ブラシが、フレーム間において下部スリッタ11が幅方向に移動する範囲全体にわたって配置されることにより、幅方向移動機構を省くことができる。
また、ブラシの代わりに、ウレタンをシャフトの外周に巻き付けたウレタンシャフトを用いても良い。この場合、フレーム間において下部スリッタ11が幅方向に移動する範囲全体にわたって、スリッタナイフ22を受けるウレタンがウレタンシャフトの外周に巻き付けられることにより、幅方向移動機構を省くことができる。
次に、スコアラ52は、基本的には、前述のスリッタ1と同様な構成であり、スリッタ1と対応する構成要素には、同様な番号を付することによりその詳しい説明は省略し、以下には、図8を参照して異なる点について説明する。
第1に、スコアラ52は、スリッタ1が段ボールシートSを切断するのに対して、段ボールシート表面に罫線を付す点で異なり、そのため、図2に示すように、下部スリッタ11のスリッタナイフ22及び上部スリッタ2のスリッタ受け部材10それぞれの代わりに、下部スコアラ77には下部罫線ロール86が設けられ、上部スコアラ53には上部罫線ロール65が設けられている。第2に、スリッタ1の場合には、下部側に設けられたスリッタナイフ22を加工位置と非加工位置との間で上下方向に移動させる上下方向移動機構が用いられるのに対し、スコアラ52の場合には、上部側に設けられた上部罫線ロール65を、罫線を付与する加工位置と、罫線を付与しない非加工位置との間で、上下方向に移動させる上下方向移動機構が用いられる点で異なる。
上部罫線ロール65は、能動的罫線ロールであるのに対し、下部罫線ロール86は受動的罫線ロールである。この点で、下部罫線ロール86は、上部罫線ロール65を受ける形となることから、段ボールシートSのペーパーラインに対しては、段ボールシートSの下面を保持する位置で固定されているのがよい。また、下部スコアラ77は、前述した上部スコアラ53のように、罫線ロールが回動する回動機構等を有する必要はない。しかし、例えば段ボールシートSに対して罫線ロールが両面から罫線を付与する構成の方が好ましいときは、上部及び下部のスコアラ53、77のそれぞれに罫線ロールを回動させる回動機構を設け、罫線を付与するようにしてもよい。
<スリッタスコアラ装置の電気的構成>
次に、図9を参照して、本実施形態によるスリッタスコアラ装置100の電気的構成について説明する。図9に示すように、スリッタスコアラ装置100は、制御装置102を内蔵し、この制御装置102には、各スリッタ1a、1b、1c毎に設けられた上下方向移動用サーボモータ29a、29b、29c及び幅方向移動用サーボモータ40a、40b、40cが、それぞれ、上下方向サーボ駆動ユニット104a、104b、104c及び幅方向サーボ駆動ユニット106a、106b、106cを介して接続されている。各上下方向移動用及び幅方向移動用サーボモータ29、40に配設した位置検知手段108が、対応するサーボ駆動ユニットに接続されている。
また、制御装置102には、スリッタスコアラ装置100の操作パネル(不図示)に配設したキーボードやタッチパネル等の汎用操作ユニット110、及び、段ボールシート生産装置501のコルゲータライン全体を管理する上位生産管理装置112が接続されている。上位生産管理装置112は、スリッタスコアラ装置100以外にも、上述したシングルフェーサ508、ダブルフェーサ512、カッタ装置520及びスタッカ装置522などを管理する(図1参照)。また、上位生産管理装置112には、段ボールシートSの供給速度(シート供給速度)を検出する回転パルス発生器114が接続されている。この回転パルス発生器114は、例えばダブルフェーサ512の駆動モータ付近に設けられている。
なお、図示しないが、各スコアラ52a、52b、52cに設けられた幅方向移動用サーボモータ及び上下方向移動用サーボモータも同様に、対応するサーボ駆動ユニットを介して制御装置102に接続されている。スリッタ1用の幅方向移動用サーボモータ40及び幅方向サーボ駆動ユニット106と、スコアラ52用の幅方向移動用サーボモータ及び幅方向サーボ駆動ユニットとは、本発明における「幅方向移動機構」を構成する(その他にも、幅方向移動機構は、上述したねじ軸や軸受部などの機構を含む)。また、スリッタ1用の上下方向移動用サーボモータ29及び上下方向サーボ駆動ユニット104と、スコアラ52用の上下方向移動用サーボモータ及び上下方向サーボ駆動ユニットとは、本発明における「上下方向移動機構」を構成する(その他にも、上下方向移動機構は、上述したアームやリンク機構やねじ軸や摺動部材や連結体などの機構を含む)。
汎用操作ユニット110により、予め各オーダに対応する各スリッタ1の加工位置(切断位置)や、各スコアラ52の加工位置(スコアリング位置)などのデータが入力されると共に、上位生産管理装置112からも同様の指令が出され、かつシート供給速度も与えられるように構成されている。段ボールシートSの切断寸法などにオーダ変更が生じた場合は、上位生産管理装置112から入力されるシート供給速度に基づいて設定されたオーダ替え時期、速度指令および位置指令などが、スリッタスコアラ装置100の制御装置102を経由して演算データ処理される。これにより、制御装置102によって、サーボ駆動ユニットを介してサーボモータが駆動制御され、つまりスリッタ1及びスコアラ52の各々の幅方向移動機構及び上下方向移動機構が制御され、各スリッタ1及び各スコアラ52が、旧オーダの加工位置から新オーダの加工位置へと移動されるようになっている。
本実施形態では、上位生産管理装置112は、記憶部(不図示)を有しており、この記憶部には、スリッタスコアラ装置100に関する加工位置データ、非加工位置データ及び移動中位置データと、カッタ装置520に関するカッタ切断寸法データと、が予め記憶されている。
まず、加工位置データは、各オーダにおいて加工に使用されるスリッタ1及びスコアラ52のそれぞれが配置されるべき位置(加工位置)を示すデータである。この加工位置データは、上下方向位置データ及び幅方向位置データから成る。以下では、上下方向位置データが示す、上下方向における加工位置を適宜「上下方向加工位置」と呼び、幅方向位置データが示す、幅方向における加工位置を適宜「幅方向加工位置」と呼ぶ。
次いで、非加工位置データは、各オーダにおいて加工に使用しないスリッタ1及びスコアラ52のそれぞれが配置されるべき位置(非加工位置)を示すデータである。この非加工位置データは、上下方向位置データ及び幅方向位置データから成る。以下では、上下方向位置データが示す、上下方向における非加工位置を適宜「上下方向非加工位置」と呼び、幅方向位置データが示す、幅方向における非加工位置を適宜「幅方向非加工位置」と呼ぶ。なお、非加工位置データが上下方向非加工位置を示すデータを含んでいなくてもよい。
次いで、移動中位置データは、オーダ変更のためにスリッタ1及びスコアラ52のそれぞれが段ボールシートSの表面に略平行に幅方向に移動する最中(つまりオーダ変更途中)に設定されるべき上下方向位置(移動中位置)を示すデータである。よって、この移動中位置データは、上下方向位置データから成る。具体的には、移動中位置は、オーダ変更中にスリッタ1及びスコアラ52による段ボールシートSに対する加工が行われないような上下方向位置である。典型的には、移動中位置には、生産する段ボールシートSの厚さ(フルート)に応じた上下方向位置が適用される。
次いで、カッタ切断寸法データは、オーダ変更時に発生した段ボールシートSの不良部分を取り除くべく、カッタ装置520によって切り取る段ボールシートS(不良シート)の供給方向FWに沿った寸法(カッタ切断寸法)に関連するデータである。なお、このカッタ切断寸法データは、必ずしもカッタ切断寸法そのものを示すデータとはならない。具体的には、カッタ切断寸法データとしては、事前に設定された固定寸法、及び、カッタ装置520の性能に応じた、カッタ装置520により切り取り可能な段ボールシートSの寸法の制限値(カッタ切断制限寸法)、のいずれかのデータが記憶される。例えば、作業者(オペレータ)が汎用操作ユニット110を操作することで、固定寸法とカッタ切断制限寸法のうちのいずれかをカッタ切断寸法データに適用する設定を行う。
詳しくは、不良部分の寸法(不良寸法)によらない一定の長さにて、不良部分を含む段ボールシートS(不良シート)をカッタ装置520によって切り取る場合には、固定寸法がカッタ切断寸法データとして適用される。この場合、固定寸法がカッタ切断寸法に設定されるので、カッタ切断寸法データはカッタ切断寸法を示すデータとなる。例えば、こうして固定寸法にてカッタ装置520により切り取られた不良シートは、スタッカ装置522にスタックされた良品シートの下敷きなどに利用される。この例では、下敷きなどに必要な寸法に基づき、固定寸法が定められる。
他方で、不良寸法(典型的な例では、段ボールシート加工具100aをオーダ変更時に最大の加減速度で移動させたときの最短の不良寸法)に応じてカッタ装置520によって不良シートを切り取る場合には、換言すると不良寸法に応じてカッタ切断寸法を調整する場合には、カッタ切断制限寸法がカッタ切断寸法データとして適用される。この場合、カッタ切断制限寸法が不良寸法未満であるときには、不良寸法がカッタ切断寸法に設定されて、カッタ装置520は不良寸法にて段ボールシートSを切断することとなる(不良寸法に所定の余裕代を加えた寸法をカッタ切断寸法に設定して、段ボールシートSを切断してもよい)。これに対して、カッタ切断制限寸法が不良寸法以上であるときには、カッタ装置520は不良寸法にて段ボールシートSを切断できないので、カッタ切断制限寸法がカッタ切断寸法に設定されて、カッタ切断制限寸法にて段ボールシートSを切断することとなる(カッタ切断制限寸法に所定の余裕代を加えた寸法をカッタ切断寸法に設定して、段ボールシートSを切断してもよい)。なお、前者の場合には、不良寸法がカッタ切断寸法に設定されるので、カッタ切断寸法データ(カッタ切断制限寸法が適用されている)はカッタ切断寸法を示すデータとはならず、後者の場合には、カッタ切断制限寸法がカッタ切断寸法に設定されるので、カッタ切断寸法データはカッタ切断寸法を示すデータとなる。
ここで、上記のカッタ切断制限寸法は、シート供給速度に応じた値となる、具体的には、シート供給速度が速くなるほどカッタ切断制限寸法が長くなる。種々のシート供給速度に応じたカッタ切断制限寸法を事前に求めておき、その結果に応じて、シート供給速度とカッタ切断制限寸法との対応表を、上位生産管理装置112の記憶部に記憶させておくのがよい。
更に、本実施形態では、スリッタスコアラ装置100の制御装置102は、記憶部(不図示)を有しており、この記憶部には、スリッタ1及びスコアラ52(段ボールシート加工具100a)がオーダ変更時に移動するときの目標加減速度を規定したマトリクス表が記憶される。詳細は後述するが、このマトリクス表には、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動を目標セットアップ時間で完了させるべく、カッタ切断寸法、シート供給速度、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aを移動させるべき幅方向移動距離及び上下方向移動距離の4つのパラメータと、この4つのパラメータに応じて適用すべき目標加減速度とが対応付けられている。このようなマトリクス表は、汎用操作ユニット110のタッチパネル等の表示部に表示されてもよい。これにより、作業者が機械を点検する際に、タッチパネルに表示される目標加減速度を確認することができる。その結果、作業者は、目標加減速度が比較的小さい値に設定されていることから、段ボールシート加工具100aの移動機構の今後の経年劣化の進行が適切に抑えられるという効果が得られることを理解可能となる。
<制御方法>
次に、本発明の実施形態において、スリッタスコアラ装置100の制御装置102が、オーダ変更時においてスリッタ1及びスコアラ52(段ボールシート加工具100a)を幅方向及び上下方向に移動させる制御方法、つまり幅方向移動機構及び上下方向移動機構(以下では両者を区別しない場合には単に「移動機構」と呼ぶ。)に対して行う制御方法について、具体的に説明する。
図10を参照して、本実施形態による制御方法の基本概念について説明する。図10(A)及び(B)は、スリッタスコアラ装置100及びカッタ装置520を通過後の段ボールシートSの上面図を示し、特にオーダ変更時における段ボールシートSの状態を示している。図10(A)は、比較例による制御方法の説明図であり、図10(B)は、本実施形態による制御方法の説明図である。ここでは、オーダ変更時に発生した段ボールシートSの不良部分を含む段ボールシートS(不良シート)を、不良部分の寸法(不良寸法)によらない固定寸法にてカッタ装置520によって切り取る場合(つまり固定寸法がカッタ切断寸法に適用される場合)を例に挙げる。
図10(A)に示すように、比較例による制御方法では、オーダ変更時に段ボールシート加工具100aを幅方向移動機構及び上下方向移動機構の最大の加減速度(具体的には移動機構のサーボモータの性能により決まる最大の加減速度)で移動させることで、セットアップ時間を最短にして、不良寸法が最短になるようにしている。以下では、段ボールシート加工具100aを最大の加減速度で移動させることにより最短となるセットアップ時間及び不良寸法を、それぞれ「最短セットアップ時間」及び「最短不良寸法」と呼ぶ。図10(A)に示す例では、最短不良寸法は固定寸法としてのカッタ切断寸法よりもかなり短い。
比較例のように、段ボールシート加工具100aを最大の加減速度で移動させると不良寸法が最短となるが、不良寸法ではなく固定寸法をカッタ切断寸法に適用しているので、段ボールシート加工具100aを最大の加減速度で移動させて不良寸法を最短にすることは、段ボールシートの歩留まりの改善には何ら繋がらない。これは、カッタ装置520が、不良寸法(最短不良寸法)に関わらず、固定寸法にて段ボールシートSを切断するため、カッタ装置520により切り取られる不良シートが最短にならないからである。このように歩留まりの改善に繋がらないような場合においても、段ボールシート加工具100aを最大の加減速度で移動させると、段ボールシート加工具100aの移動機構に無駄な負担を与えてしまう。その結果、段ボールシート加工具100aの移動機構の経年劣化(ボールねじの摩耗など)を早く進行させてしまうこととなる。
これに対して、本実施形態では、図10(B)に示すように、スリッタスコアラ装置100の制御装置102は、オーダ変更時において、比較例のように、セットアップ時間を最短にして不良寸法を最短にすることを図らず、つまり不良寸法を最短にするように段ボールシート加工具100aを最大の加減速度にて移動させずに、カッタ切断寸法(固定寸法)に応じた不良寸法となるような加減速度にて、段ボールシート加工具100aを移動させるようにする。すなわち、本実施形態では、制御装置102は、カッタ切断寸法に対応する段ボールシートSの部分、詳しくはカッタ切断寸法から所定の余裕代(不良シートとなる部分の前端と後退にある部分)を除いた部分がスリッタスコアラ装置100を実質的に通過している期間と、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aが移動している期間とを一致させるように、これを実現可能な加減速度にて段ボールシート加工具100aを移動させる。
具体的には、本実施形態では、制御装置102は、カッタ切断寸法及びシート供給速度に基づき、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aを幅方向及び上下方向に移動させるための目標セットアップ時間を設定する。この場合、制御装置102は、カッタ切断寸法に対応する段ボールシートSの部分、つまりカッタ切断寸法から所定の余裕代を除いた部分が、スリッタスコアラ装置100を実質的に通過するのに要する時間を、目標セットアップ時間として設定する。より詳しくは、制御装置102は、カッタ切断寸法から所定の余裕代の寸法を減算して得られた寸法(以下では適宜「セットアップ完了寸法」と呼ぶ。)を、回転パルス発生器114によって検出されたシート供給速度により除算して得られた時間を、目標セットアップ時間として設定する。そして、制御装置102は、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動がこの目標セットアップ時間で完了するように目標加減速度を設定し、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時にこの目標加減速度で移動するように、幅方向移動機構及び上下方向移動機構を制御する。
次に、図11を参照して、本実施形態による目標セットアップ時間について説明する。図11(A)及び(B)は、オーダ変更時におけるスリッタ1の上下方向及び幅方向の移動速度を示している。また、図11(A)及び(B)は、図10(A)及び(B)と同様に、比較例による制御方法及び本実施形態による制御方法をそれぞれ示している。ここでは、オーダ変更時に、スリッタ1を最初に下方向に移動(移動中位置まで下方向に移動)させた後に、スリッタ1を幅方向に移動(新オーダ用の幅方向位置まで幅方向に移動)させ、この後にスリッタ1を上方向に移動(移動中位置から上方向に移動)させるものとする。また、スリッタ1は移動時に等加速度運動及び等減速度運動を行い、このときのスリッタ1の加速度と減速度の大きさ(絶対値)は同じであるものとする。なお、図11では、スリッタ1の移動速度を示しているが、スコアラ52の移動速度もこれと同様となるため、その説明を省略する。
図11(A)に示すように、比較例では、オーダ変更時にスリッタ1を最大の加減速度で移動させることで、セットアップ時間を最短にしている、つまり最短セットアップ時間を実現している。これに対して、図11(B)に示すように、本実施形態では、制御装置102は、カッタ切断寸法などに応じた目標セットアップ時間(>最短セットアップ時間)を設定し、オーダ変更のためのスリッタ1の移動がこの目標セットアップ時間で完了するように、スリッタ1を目標セットアップ時間に応じた目標加減速度(<最大の加減速度)で移動させる。
このように、本実施形態では、比較例のように、カッタ切断寸法によらずに不良寸法を最短にしようとするものではなく、つまり不良寸法を最短にするように最大の加減速度にて段ボールシート加工具100aを一律で移動させるのではなく、不良寸法がカッタ切断寸法に応じたものとなるように、比較例よりも小さい加減速度にて段ボールシート加工具100aを移動させる。これにより、本実施形態によれば、段ボールシート加工具100aの移動機構に与える負荷を軽減し、移動機構の経年劣化(ボールねじ(ねじ軸や軸受部)の摩耗など)の進行を適切に抑えることができる。
他方で、本実施形態では、カッタ装置520がオーダ変更時に比較例と同じカッタ切断寸法(固定寸法)で段ボールシートSを切断するので、生成される不良シートの寸法は比較例と同じになる。したがって、本実施形態によれば、生産される段ボールシートの歩留まりを適切に確保することができる。
ここで、本実施形態では、上述したように、制御装置102は、記憶部に事前に記憶されたマトリクス表を参照して、オーダ変更時に適用すべき目標加減速度を設定する。このマトリクス表には、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動を目標セットアップ時間で完了させるべく、カッタ切断寸法、シート供給速度、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aを移動させるべき幅方向移動距離及び上下方向移動距離の4つのパラメータと、この4つのパラメータに応じて適用すべき目標加減速度とが対応付けられている。以下では、このマトリクス表の作成方法について説明する。ここでは、段ボールシート加工具100aとしてスリッタ1を例に挙げて、マトリクス表の作成方法を説明する。なお、スコアラ52も同様の方法でマトリクス表が作成されるため、その説明を省略する。
まず、シート供給速度をVL(m/s)とし、カッタ切断寸法をL(m)とし、余裕代をd(m)とすると、上記したセットアップ完了寸法は「L-2d」となるので(図10(B)参照)、目標セットアップ時間Ttは式(1)で表される。この目標セットアップ時間Ttは、セットアップ完了寸法に対応する段ボールシートSの部分(つまりカッタ切断寸法から前後の余裕代を除いた部分)が、スリッタスコアラ装置100を実質的に通過するのに要する時間に相当する。
t=(L-2d)/VL (1)
次いで、図11(B)に示したように、オーダ変更時に、スリッタ1を最初に下方向に移動させた後に、スリッタ1を幅方向に移動させ、この後にスリッタ1を上方向に移動させるものとする。この場合、スリッタ1の下方向の移動時間及び上方向の移動時間をそれぞれt1(s)とし、スリッタ1の幅方向の移動時間をt2(s)とすると(図11(B)参照)、実際のセットアップ時間Trは式(2)で表される。
r=2t1+t2 (2)
本実施形態では、実際のセットアップ時間Trが目標セットアップ時間Ttになるようにするという条件(Tr=Tt)、つまり式(3)で示す条件を用いて、目標加減速度を設定する。
(L-2d)/VL=2t1+t2 (3)
次いで、スリッタ1を下方向に移動させる移動時間t1(s)に対応する段階、すなわち、スリッタ1を、上下方向加工位置から、この上下方向加工位置の下方の移動中位置まで移動させる段階を考える。本実施形態では、制御装置102は、スリッタ1を上下方向加工位置から当該上下方向加工位置と移動中位置との中間位置まで加速させて移動させ、この後に、スリッタ1を当該中間位置から移動中位置まで減速させて移動させるように、上下方向移動機構を制御する。つまり、制御装置102は、スリッタ1が上下方向加工位置と移動中位置との中間位置に到達したときに、スリッタ1の上下方向の移動速度が最大速度となるように、上下方向移動機構を制御する。この場合、上下方向加工位置から中間位置までの加速度、及び中間位置から移動中位置までの減速度を、絶対値にて同じα(m/s2)に設定すると、スリッタ1は上下方向加工位置から中間位置に達するまでの時間はt1/2(s)となるので、この中間位置に達したときのスリッタ1の移動速度(最大速度)V1(m/s)は、式(4)で表される。
1=α×t1/2 (4)
一方、上下方向加工位置から移動中位置までの距離(つまりオーダ変更のためにスリッタ1を移動させるべき上下方向移動距離)をY(m)とすると、この上下方向移動距離Y(m)は、図11(B)の三角形の面積S1になるので、式(5)で表される。なお、上下方向移動距離Yには、オーダ変更の前後で用いられる段ボールシートSのうちで厚さ(フルート)が大きい方の段ボールシートSの厚さに応じた距離が適用される。例えば、大きい方の厚さに3~5mmを加算した距離が、上下方向移動距離Yに適用される。
Y=V1×t1/2 (5)
この式(5)を変形すると、スリッタ1が中間位置に達したときのスリッタ1の移動速度V1(m/s)は、式(6)で表される。
1=2Y/t1 (6)
上記の式(4)と式(6)より、移動速度V1を消去すると、式(7)が得られる。
α×t1/2=2Y/t1 (7)
この式(7)を整理すると、スリッタ1の下方向の移動時間t1(s)は、式(8)で表される。なお、スリッタ1の上方向の移動時間t1(s)も同様である。
1=2√Y/√α (8)
次いで、スリッタ1を幅方向に移動させる移動時間t2(s)に対応する段階、すなわち、スリッタ1を旧オーダの幅方向位置から新オーダの幅方向位置まで移動させる段階を考える。本実施形態では、制御装置102は、スリッタ1を旧オーダの幅方向位置から当該旧オーダの幅方向位置と新オーダの幅方向位置との中間位置まで加速させて移動させ、この後に、スリッタ1を当該中間位置から新オーダの幅方向位置まで減速させて移動させるように、幅方向移動機構を制御する。つまり、制御装置102は、スリッタ1が旧オーダの幅方向位置と新オーダの幅方向位置との中間位置に到達したときに、スリッタ1の幅方向の移動速度が最大速度となるように、幅方向移動機構を制御する。この場合、旧オーダの幅方向位置から中間位置までの加速度、及び中間位置から新オーダの幅方向位置までの減速度を、絶対値にて同じα(m/s2)に設定する。ここでは、幅方向移動時の加減速度と上下方向移動時の加減速度とを同一のαに設定するものとする。また、旧オーダの幅方向位置から新オーダの幅方向位置までの距離(つまりオーダ変更のためにスリッタ1を移動させるべき幅方向移動距離)を、X(m)とする。そうすると、上記の式(8)と同様の導出手順により、スリッタ1の幅方向の移動時間t2(s)は式(9)で表される。
2=2√X/√α (9)
なお、幅方向移動距離Xには、複数のスリッタ1のうちでオーダ変更時における幅方向移動距離が最大となるスリッタ1の幅方向移動距離が適用される。
次いで、式(8)及び式(9)を条件式(3)に代入すると、この条件式(3)は式(10)のように表される。
(L-2d)/VL=2×2√Y/√α+2√X/√α
=2(2√Y+√X)/√α (10)
式(10)をαについて解くと、オーダ変更のためのスリッタ1の幅方向及び上下方向の移動を目標セットアップ時間Ttで完了させるために設定すべき目標加減速度αが、式(11)で表される。この式(11)に示すように、目標加減速度αは、カッタ切断寸法L、シート供給速度VL、幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yにより規定される。
α=4VL 2(2√Y+√X)2/(L-2d)2 (11)
1つの例では、カッタ切断寸法Lが800(mm)で、シート供給速度VLが200(m/s)で、余裕代dが25(mm)で、幅方向移動距離Xが100(mm)で、上下方向移動距離Yが16(mm)である場合には、式(11)より、スリッタ1の目標加減速度αとして25.6(m/s2)が得られる。このように種々のカッタ切断寸法L、シート供給速度VL、幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yの組み合わせについて目標加減速度αを事前に求めることで、カッタ切断寸法L、シート供給速度VL、幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yの4つのパラメータに応じて設定すべきスリッタ1の目標加減速度αが規定されたマトリクス表が作成される。なお、スコアラ52の目標加減速度αを規定するマトリクス表も同様の手順で作成される。
図12は、本実施形態によるマトリクス表の具体例を示す。このマトリクス表には、カッタ切断寸法Lが800(mm)で、段種がAB段(8(mm)の厚さ)である段ボールシートSを生産するための所定の上下方向移動距離Yが適用された場合における、シート供給速度VL及び幅方向移動距離Xの組み合わせに応じて設定すべき目標加減速度αが規定されている。このマトリクス表によれば、例えば、シート供給速度VLが0~125(m/s)で、幅方向移動距離Xが0~25(mm)である場合には、スリッタ1の目標加減速度αが5.2(m/s2)に設定される。
図12のマトリクス表では、ある程度の幅を有するシート供給速度VLの複数の範囲と、ある程度の幅を有する幅方向移動距離Xの複数の範囲との組み合わせについて、設定すべき目標加減速度αが規定されている。実際、マトリクス表の各範囲について規定された目標加減速度αは、シート供給速度VLの各範囲を規定する上限値(最大値)と、幅方向移動距離Xの各範囲を規定する上限値(最大値)とに基づき設定される。例えば、176~200(m/s)の範囲のシート供給速度VLと、76~100(mm)の範囲の幅方向移動距離Xとについては、200(m/s)のシート供給速度VLと、100(mm)の幅方向移動距離Xとに基づき、設定すべき目標加減速度αの値(25.6(m/s2))が求められる。こうしているのは、目標加減速度αは、上述の式(11)で表されるように、シート供給速度VLが速いほど、また移動距離X、Yが長いほど、大きな値となり、スリッタ1を素早く移動させる必要があるので、最も素早く移動させる必要がある条件(すなわちシート供給速度VLの範囲を規定する上限値(最大値)及び幅方向移動距離Xの範囲を規定する上限値(最大値))に基づき目標加減速度αを規定するのが望ましいからである。
なお、マトリクス表から目標加減速度αを設定することに限定はされず、他の例では、マトリクス表を用いずに、オーダ変更ごとに、式(11)を演算することで求められた目標加減速度αを設定してもよい。ただし、マトリクス表から目標加減速度αを設定する場合には、式(11)を演算して目標加減速度αを設定する場合よりも、オーダ変更時の制御処理が複雑にならないので、動作の遅れなどが生じない。そのため、マトリクス表から目標加減速度αを設定するほうが、式(11)を演算して目標加減速度αを設定するよりも好ましいと言える。
次に、図13を参照して、本実施形態によるスリッタ1の目標加減速度の設定処理について説明する。図13は、本実施形態によるスリッタ1の目標加減速度の設定処理を示すフローチャートである。この目標加減速度の設定処理は、スリッタスコアラ装置100の制御装置102によって実行され、また、生産する段ボールシートSのオーダ変更を行う前の旧オーダの生産中に実行される。なお、ここでは、段ボールシート加工具100aとしてスリッタ1を例に挙げて目標加減速度の設定処理を説明するが、スコアラ52も同様の方法で目標加減速度の設定処理が行われるため、その説明を省略する。
まず、ステップS11において、制御装置102は、上位生産管理装置112から各種情報を取得する。具体的には、制御装置102は、スリッタスコアラ装置100に関する加工位置データ、非加工位置データ及び移動中位置データと、カッタ装置520に関するカッタ切断寸法データと、回転パルス発生器114によって検出されたシート供給速度VLと、を少なくとも取得する。
次いで、ステップS12において、制御装置102は、複数のスリッタ1の中から、新オーダで使用するスリッタ1を選択する。具体的に、制御装置102は、旧オーダの加工位置データや新オーダの加工位置データなどに基づき、スリッタ1における旧オーダの位置から新オーダの加工位置までの移動距離(特に幅方向移動距離)が最短となるように、新オーダで使用するスリッタ1を選択する。
次いで、ステップS13において、制御装置102は、以降の設定等で用いるためのスリッタ1の上下方向移動距離Y及び幅方向移動距離Xを求める。つまり、制御装置102は、オーダ変更のためにスリッタ1を移動させるべき上下方向移動距離Y及び幅方向移動距離Xを求める。具体的には、制御装置102は、上下方向移動距離Yには、上下方向加工位置から移動中位置までの距離を適用する。典型的には、制御装置102は、オーダ変更の前後で用いられる段ボールシートSのうちで厚さ(フルート)が大きい方の段ボールシートSの厚さに応じた距離を、上下方向移動距離Yとして適用することとなる。また、制御装置102は、複数のスリッタ1について、旧オーダの幅方向位置から新オーダの幅方向位置までの距離を求め、複数のスリッタ1について求められた距離の中で最大の距離を幅方向移動距離Xとして適用する。
次いで、ステップS14において、制御装置102は、スリッタ1が最大の加減速度αmaxにて、ステップS13で求められた上下方向移動距離Y及び幅方向移動距離Xを移動した場合のセットアップ時間(最短セットアップ時間Tmin)を算出する。ここでは、オーダ変更のためにスリッタ1が上下方向に移動するときの加減速度と、オーダ変更のために幅方向に移動するときの加減速度とは同一とする。この場合、最短セットアップ時間Tminは、上述した式(2)、(8)、(9)より、式(12)で表される。
min=2(2√Y+√X)/√αmax (12)
次いで、ステップS15において、制御装置102は、ステップS14で求められた最短セットアップ時間Tminに対してシート供給速度VLを乗算することで、オーダ変更のためにスリッタ1が最大の加減速度αmaxで移動した場合に発生する不良部分の寸法(最短不良寸法)を算出する。
次いで、ステップS16において、制御装置102は、ステップS15で求められた最短不良寸法と、オーダ変更時に発生した段ボールシートSの不良部分を取り除くべく、カッタ装置520によって切り取る段ボールシートS(不良シート)の寸法(カッタ切断寸法)と、を比較する。この場合、制御装置102は、事前に設定された固定寸法を、カッタ切断寸法に適用する。具体的には、制御装置102は、カッタ装置520によって切り取るべき、事前に規定された1枚分の不良シートの寸法を、固定寸法として用いる。特に、ステップS16では、制御装置102は、最短不良寸法が、固定寸法1枚分の寸法未満であるか否かを判定する。なお、通常は、最短不良寸法は、固定寸法1枚分の寸法(1枚分の不良シートの寸法)、又は、固定寸法2枚分の寸法(2枚分の不良シートの寸法)に収まるようになっている。
ステップS16の判定の結果、最短不良寸法が固定寸法1枚分の寸法未満である場合(ステップS16:Yes)、制御装置102は、ステップS17に進む。ステップS17において、制御装置102は、固定寸法1枚分に対応する目標セットアップ時間Tt(固定寸法1枚分のカッタ切断寸法Lと現在のシート供給速度VLとから式(1)より求まる)を実現するような、スリッタ1の目標加減速度αを設定する。具体的には、制御装置102は、記憶部に記憶されたマトリクス表を参照して、固定寸法1枚分のカッタ切断寸法L、ステップS11で取得されたシート供給速度VL、ステップS13で求められた幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yに応じて適用すべき目標加減速度αを読み出し、この目標加減速度αを設定する。この場合には、カッタ装置520は、固定寸法1枚分の不良シートを切り取ることとなる。
他方で、最短不良寸法が固定寸法1枚分の寸法以上である場合(ステップS16:No)、制御装置102は、ステップS18に進む。ステップS18において、制御装置102は、固定寸法2枚分に対応する目標セットアップ時間Tt(固定寸法2枚分のカッタ切断寸法Lと現在のシート供給速度VLとから式(1)より求まる)を実現するような、スリッタ1の目標加減速度αを設定する。具体的には、制御装置102は、記憶部に記憶されたマトリクス表を参照して、固定寸法2枚分のカッタ切断寸法L、ステップS11で取得されたシート供給速度VL、ステップS13で求められた幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yに応じて適用すべき目標加減速度αを読み出し、この目標加減速度αを設定する。この場合には、カッタ装置520は、固定寸法2枚分の不良シートを切り取ることとなる。
なお、以上のように設定された目標加減速度αは、オーダ変更時において複数のスリッタ1全てに適用される。
ここで、本実施形態では、ステップS17及びS18において、ステップS13で求められた最大の幅方向移動距離X、すなわち複数のスリッタ1について求められた幅方向移動距離の中で最大の幅方向移動距離Xに応じて、一律の目標加減速度αを設定し、設定された目標加減速度αを複数のスリッタ1全てに適用しているが、これに限定されない。例えば、ステップS17及びS18において、ステップS13で求められた複数のスリッタ1のそれぞれの幅方向移動距離に応じて、それぞれ目標加減速度αを設定し、設定された目標加減速度αを各スリッタ1に個別に適用しても良い。これにより、幅方向移動距離が短いスリッタ1に対して設定される目標加減速度αが小さくなるため、移動機構の経年劣化の進行をより一層抑えることができる。
さらに、スコアラ52について同様の目標加減速度の設定処理を行った際に、スリッタ1とスコアラ52とで、ステップS16の判定の結果が異なる場合がある。例えば、スリッタ1についての最短不良寸法が固定寸法1枚分の寸法以上となり(ステップS16:NoからステップS18に進む)、一方、スコアラ52についての最短不良寸法は固定寸法1枚分の寸法未満となる(ステップS16:YesからステップS17に進む)場合がある。これは、スリッタ1とスコアラ52とで、ステップS13において適用される幅方向移動距離Xが大きく異なる場合などに生じる。この場合、カッタ装置520は、固定寸法2枚分の不良シートを切り取ることとなる。そこで、スコアラ52について、ステップS16から(ステップS17ではなく)ステップS18に進み、(固定寸法1枚分ではなく)固定寸法2枚分に対応する目標セットアップ時間に基づいて、目標加減速度αを設定するようにしてもよい。これにより、スコアラ52に対して設定される目標加減速度αが小さくなるため、移動機構の経年劣化の進行をより一層抑えることができる。
次に、図14を参照して、本実施形態によるスリッタ1のセットアップ処理について説明する。図14は、本実施形態によるスリッタ1のセットアップ処理を示すフローチャートである。このセットアップ処理は、スリッタスコアラ装置100の制御装置102によってオーダ変更時に実行される、特に図13の目標加減速度の設定処理後に実行される。例えば、セットアップ処理は、オーダ変更に関する要求が上位生産管理装置112からスリッタスコアラ装置100の制御装置102に入力されると開始される。なお、ここでは、段ボールシート加工具100aとしてスリッタ1を例に挙げてセットアップ処理を説明するが、スコアラ52も同様の方法でセットアップ処理が行われるため、その説明を省略する。
まず、ステップS21において、制御装置102は、各スリッタ1を、図13の処理で設定された目標加減速度αにより、移動中位置へと上下方向に移動させるように上下方向移動機構を制御する。具体的には、制御装置102は、旧オーダで加工に使用していたスリッタ1については下方向に移動させ、つまり旧オーダの上下方向加工位置から移動中位置へと下方向に移動させ、また、旧オーダで加工に使用していなかったスリッタ1については上方向に移動させ、つまり旧オーダの上下方向非加工位置から移動中位置へと上方向に移動させることで、全てのスリッタ1を移動中位置へと移動させる。こうするのは、移動中位置は、上下方向加工位置よりも下にあり、且つ上下方向非加工位置よりも上にあるからである。この場合、制御装置102は、上下方向サーボ駆動ユニット104を介して上下方向移動用サーボモータ29を制御することで、各スリッタ1を移動中位置まで上下方向に移動させるようにする。なお、上記のように、旧オーダで加工に使用していなかったスリッタ1を上下方向非加工位置から移動中位置へと上方向に移動させることに限定はされず、旧オーダで加工に使用しなかったスリッタ1を移動させずに、上下方向非加工位置に維持してもよい。
次いで、ステップS22において、制御装置102は、各スリッタ1を、図13の処理で設定された目標加減速度αにより、旧オーダの幅方向位置から新オーダの幅方向位置へと幅方向に移動させるように幅方向移動機構を制御する。具体的には、制御装置102は、新オーダで加工に使用するスリッタ1については、現在の幅方向位置から新オーダの幅方向加工位置へと移動させ、新オーダで加工に使用しないスリッタ1については、現在の幅方向位置から新オーダの幅方向非加工位置へと移動させる。この場合、制御装置102は、幅方向サーボ駆動ユニット106を介して幅方向移動用サーボモータ40を制御することで、各スリッタ1を段ボールシートSの表面に略平行に幅方向に移動させるようにする。
次いで、ステップS23において、制御装置102は、各スリッタ1を、図13の処理で設定された目標加減速度αにより、移動中位置から新オーダの上下方向加工位置又は上下方向非加工位置へと上下方向に移動させるように上下方向移動機構を制御する。具体的には、制御装置102は、新オーダで加工に使用するスリッタ1については、移動中位置から新オーダの上下方向加工位置へと上方向に移動させ、新オーダで加工に使用しないスリッタ1については、移動中位置から上下方向非加工位置へと下方向に移動させる。この場合、制御装置102は、上下方向サーボ駆動ユニット104を介して上下方向移動用サーボモータ29を制御することで、各スリッタ1を上下方向に移動させるようにする。
なお、上記のステップS21で、旧オーダで加工に使用しなかったスリッタ1を上下方向非加工位置に維持した場合において、こうして上下方向非加工位置に維持されたスリッタ1が新オーダで加工に使用される場合には、このスリッタ1を上下方向非加工位置から新オーダの上下方向加工位置へと上方向に移動させればよい。他方で、旧オーダでも新オーダでも加工に使用されないスリッタ1については、上下方向非加工位置に維持し続ければよい。
次いで、ステップS24において、制御装置102は、各スリッタ1のセットアップが完了したので、スリッタ1による新オーダの加工を開始するための制御を行う。
<作用及び効果>
次に、本実施形態によるスリッタスコアラ装置100の作用及び効果について説明する。
本実施形態によれば、スリッタスコアラ装置100の制御装置102は、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aの位置を変更すべく、当該段ボールシート加工具100aを幅方向及び上下方向に移動させるための目標セットアップ時間を、オーダ変更時においてカッタ装置520により切り取られる段ボールシートSの供給方向FWに沿ったカッタ切断寸法Lと、シート供給速度VLとに基づき設定し、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動が目標セットアップ時間で完了するように、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時に移動するときの目標加減速度αを設定し、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時に目標加減速度αで移動するように、幅方向移動機構及び上下方向移動機構を制御する。
このように、本実施形態では、制御装置102は、セットアップ時間を短縮させる観点から目標加減速度を設定するような比較例、つまりセットアップ時間を短縮させるために比較的大きな目標加減速度(典型的には移動機構の性能などにより決まる最大の目標加減速度)を設定するような比較例と異なり、オーダ変更時に適用するカッタ切断寸法L及び現在のシート供給速度VLに応じた目標加減速度αを設定する。したがって、本実施形態によれば、比較例のように大きな目標加減速度が一律に設定されるのではなく、カッタ切断寸法L及びシート供給速度VLに応じた適切な目標加減速度α(基本的には比較例よりも小さくなる傾向にある)が設定されることとなる。
これにより、本実施形態によれば、オーダ変更時において、段ボールシート加工具100aの移動機構に与える負荷を軽減し、移動機構の経年劣化(ボールねじの摩耗など)の進行を適切に抑えることができる。他方で、本実施形態と比較例とでは、オーダ変更時にカッタ装置520が同じカッタ切断寸法Lにて段ボールシートSを切断するので、生成される不良シートの寸法は同じになる。したがって、本実施形態によれば、比較例と同様に、生産される段ボールシートSの歩留まりを適切に確保することができる。以上より、本実施形態によれば、オーダ変更時において、生産される段ボールシートSの歩留まりを確保しつつ、段ボールシート加工具100aの移動機構の経年劣化の進行を抑えることができる。
また、本実施形態によれば、制御装置102は、オーダ変更のための段ボールシート加工具の移動が目標セットアップ時間で完了するように、カッタ切断寸法Lと、シート供給速度VLと、オーダ変更のために段ボールシート加工具を移動させるべき幅方向移動距離及び上下方向移動距離と、に基づき、目標加減速度αを設定する。このようなカッタ切断寸法L、シート供給速度VL、幅方向移動距離及び上下方向移動距離に基づき目標加減速度αを設定することで、目標セットアップ時間を的確に実現可能な目標加減速度αを精度良く設定することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置102は、カッタ切断寸法L、シート供給速度VL、幅方向移動距離及び上下方向移動距離の4つのパラメータと、この4つのパラメータに応じて適用すべき目標加減速度αとが事前に対応付けられたマトリクス表を参照して、オーダ変更時に適用される4つのパラメータの値に応じた目標加減速度αを設定する。このように事前に作成されたマトリクス表を用いて目標加減速度αを設定することで、目標加減速度αの設定に要する処理を簡易化することができる。具体的には、マトリクス表を用いて目標加減速度αを設定する場合、演算処理などを行って目標加減速度αを設定する場合よりも、オーダ変更時の制御処理が複雑にならないので、動作の遅れなどの発生を抑制することができる。
また、本実施形態によれば、目標加減速度αを設定するための幅方向移動距離には、複数のスリッタ1のうちでオーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスリッタ1の幅方向移動距離、及び、複数のスコアラ52のうちでオーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスコアラ52の幅方向移動距離が適用される。これにより、最大の幅方向移動距離に基づき目標加減速度αを設定することで、最大でない他の幅方向移動距離を用いる場合と比べて、大きな目標加減速度αが設定されることとなる。よって、複数のスリッタ1の全てについてオーダ変更のために必要な幅方向移動、及び、複数のスコアラ52の全てについてオーダ変更のために必要な幅方向移動を、目標セットアップ時間内に的確に完了させることができる。
加えて、本実施形態によれば、目標加減速度αを設定するための上下方向移動距離には、オーダ変更の前後で用いられる段ボールシートSのうちで厚さが大きい方の段ボールシートSの厚さに応じた距離が適用される。これにより、大きい方の厚さに応じた上下方向移動距離に基づき目標加減速度αを設定することで、小さい方の厚さに応じた上下方向移動距離を用いる場合と比べて、大きな目標加減速度αが設定されることとなる。よって、旧オーダと新オーダの段ボールシートSの厚さに応じてオーダ変更時に行うべき上下方向移動を、目標セットアップ時間内に的確に完了させることができる。
また、本実施形態によれば、制御装置102は、段ボールシート加工具100aが幅方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、段ボールシート加工具100aの幅方向の移動速度が最大速度となるように幅方向移動機構を制御し、段ボールシート加工具100aが上下方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、段ボールシート加工具100aの上下方向の移動速度が最大速度となるように上下方向移動機構を制御する。このような本実施形態では、制御装置102は、段ボールシート加工具100aの幅方向移動及び上下方向移動の両方について、段ボールシート加工具100aの移動速度を、移動させるべき距離の中間位置に到達するまでは加速させ、中間位置到達時に最大速度にし、中間位置到達後に減速させるような速度プロファイルを適用する。こうした場合、例えば、段ボールシート加工具100aの移動速度を加速させて中間位置手前で最大速度に到達させ、この後に最大速度に一定期間維持してから減速させるような比較例による速度プロファイルと比べて、オーダ変更中の加減速度の大きさを小さくすることができる。よって、本実施形態による速度プロファイルによれば、他の速度プロファイルと比べて、段ボールシート加工具100aの移動機構に与える負荷を効果的に軽減することができる。
また、本実施形態によれば、制御装置102は、段ボールシート加工具100aを最大加減速度で移動させた場合に、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時に移動している間に段ボールシートSが供給方向FWに移動する長さである最短不良寸法を算出し、最短不良寸法がカッタ切断寸法L未満となる場合には、オーダ変更を行うときの段ボールシート加工具100aの移動が目標セットアップ時間で完了するように目標加減速度αを設定し、最短不良寸法がカッタ切断寸法L以上となる場合には、目標加減速度αを最大加減速度に設定する。このような本実施形態によれば、最短不良寸法と所定のカッタ切断寸法Lとの大小関係に応じた的確な目標加減速度αを設定することができる。特に、最短不良寸法がカッタ切断寸法L以上となる場合には、目標加減速度αを最大加減速度に設定して、オーダ変更を行うときの段ボールシート加工具100aの移動を最短セットアップ時間で完了させることができる。
また、本実施形態によれば、制御装置102は、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動が目標セットアップ時間で完了するように、段ボールシート加工具100aが幅方向及び上下方向のそれぞれに移動するときの目標加減速度αを同一の値に設定する。このように幅方向移動の目標加減速度αと上下方向移動の目標加減速度αとを同じにすることで、目標加減速度αの設定に要する処理を簡易化することができる。
また、本実施形態において好適な例では、カッタ切断寸法Lには、事前に設定された固定寸法が適用される。これにより、オーダ変更時に、カッタ装置520によって、事前に設定された固定寸法にて不良シートを適切に切り取ることができる。こうして切り取られた不良シートは、スタックされた良品シートの下敷きなどに利用することができる。
<変形例>
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
上記した実施形態では、オーダ変更時に発生した段ボールシートSの不良部分をカッタ装置520によって固定寸法にて切断していたが、変形例1では、この固定寸法の代わりに、不良寸法に応じた寸法にて、段ボールシートSの不良部分を切断してもよい。上述したように、前者の場合には、固定寸法がカッタ切断寸法データとして適用され、後者の場合には、シート供給速度VLに応じたカッタ切断制限寸法がカッタ切断寸法データとして適用される。
具体的には、変形例1では、制御装置102は、図13のステップS16において、最短不良寸法とカッタ切断制限寸法とを比較する。この場合、制御装置102は、事前に作成されたシート供給速度VLとカッタ切断制限寸法との対応表を参照して、現在のシート供給速度VLに対応するカッタ切断制限寸法を用いればよい。そして、比較の結果、制御装置102は、最短不良寸法がカッタ切断制限寸法以上である場合には、最短不良寸法に対応する目標セットアップ時間Ttを実現するような、段ボールシート加工具100aの目標加減速度αを設定する。この場合、目標セットアップ時間Ttが最短セットアップ時間となるので、制御装置102は、最短セットアップ時間を実現するために、段ボールシート加工具100aの目標加減速度αを最大の加減速度αmaxに設定する。また、この場合には、最短不良寸法がカッタ切断寸法に設定されて、カッタ装置520は、最短不良寸法に対応する不良シートを切り取ることとなる。
これに対して、制御装置102は、最短不良寸法がカッタ切断制限寸法未満である場合には、カッタ切断制限寸法に対応する目標セットアップ時間Ttを実現するような、段ボールシート加工具100aの目標加減速度αを設定する。具体的には、制御装置102は、記憶部に記憶されたマトリクス表を参照して、カッタ切断制限寸法としてのカッタ切断寸法L、現在のシート供給速度VL、適用すべき幅方向移動距離X及び上下方向移動距離Yに応じて適用すべき目標加減速度αを読み出し、この目標加減速度αを設定する。この場合には、カッタ切断制限寸法がカッタ切断寸法に設定されて、カッタ装置520は、カッタ切断制限寸法に対応する不良シートを切り取ることとなる。
このように、変形例1では、カッタ切断寸法Lには、シート供給速度VLに応じたカッタ切断制限寸法が適用される。これにより、オーダ変更時において、最短不良寸法がカッタ切断制限寸法未満であるような場合に、カッタ装置520によって、シート供給速度VLに応じたカッタ切断制限寸法にて不良シートを適切に切り取ることができる。なお、カッタ切断制限寸法そのものをカッタ切断寸法Lに適用することに限定はされず、カッタ切断制限寸法に所定の余裕代を加えた寸法をカッタ切断寸法Lに適用してもよい。
(変形例2)
上記した実施形態では、制御装置102は、オーダ変更時に、段ボールシート加工具100aを最初に下方向に移動させた後に、段ボールシート加工具100aを幅方向に移動させ、この後に段ボールシート加工具100aを上方向に移動させていた(図11(B)参照)。つまり、制御装置102は、段ボールシート加工具100aにおける上下方向移動と幅方向移動とをそれぞれ単独で行っていた。変形例2では、制御装置102は、段ボールシート加工具100aにおける上下方向移動と幅方向移動とを同時に行ってもよい。具体的には、制御装置102は、段ボールシート加工具100aを上下方向に移動させている最中に、段ボールシート加工具100aを幅方向に移動させてもよい。以下では、上下方向移動と幅方向移動とが合わさった移動を適宜「斜め方向移動」と呼ぶ。
このような変形例2でも、制御装置102は、上下方向移動時間と幅方向移動時間とを合計したセットアップ時間Trが目標セットアップ時間Ttに一致するように(式(3)参照)、目標加減速度αを設定すればよい。1つの例では、制御装置102は、段ボールシート加工具100aが上下方向における中間位置(上下方向加工位置と移動中位置との中間位置)から移動中位置まで下方向に移動している間に段ボールシート加工具100aを幅方向に移動させると共に、段ボールシート加工具100aが移動中位置から中間位置まで上方向に移動している間に段ボールシート加工具100aを幅方向に移動させてもよい。つまり、制御装置102は、上下方向における中間位置と移動中位置との間において、段ボールシート加工具100aを斜め方向移動させてもよい。この例では、制御装置102は、2回の上下方向移動時間(2×t1)と幅方向移動時間t2の合計(2t1+t2)から、重複している2回の斜め方向移動時間(2×(t1÷2))を減算することで得られるセットアップ時間(Tr=t1+t2)を、目標セットアップ時間Ttとして用いればよい。
なお、上下方向における中間位置と移動中位置との間において、段ボールシート加工具100aを斜め方向移動させることに限定はされない。好ましくは、オーダ変更中に段ボールシート加工具100aによる段ボールシートSに対する加工が行われないような上下方向位置において、段ボールシート加工具100aを斜め方向移動させれば良い。
(変形例3)
上記した実施形態では、制御装置102は、段ボールシート加工具100aの上下方向移動時の目標加減速度と幅方向移動時の目標加減速度とを同じ値に設定していたが、変形例3では、制御装置102は、段ボールシート加工具100aの上下方向移動時の目標加減速度と幅方向移動時の目標加減速度とを異なる値に設定してもよい。例えば、制御装置102は、上下方向移動時の目標加減速度を固定値に設定し、幅方向移動時の目標加減速度のみを可変としてもよい。この場合、制御装置102は、上述した目標セットアップ時間Ttに基づき、幅方向移動時の目標加減速度を適宜調整すればよい。
(変形例4)
上記した実施形態では、本発明を、スリッタ1及びスコアラ52の両方を有するスリッタスコアラ装置100に適用する例を示したが、本発明は、スリッタ1又はスコアラ52の単独機にも適用可能である(この場合、スリッタ1及びスコアラ52の一方のみが「段ボールシート加工具100a」となる)。
(変形例5)
上記した実施形態では、スリッタスコアラ装置100に制御装置102を内蔵させ、制御装置102が、オーダ変更のために段ボールシート加工具100aを幅方向及び上下方向に移動させるための目標セットアップ時間を設定し、オーダ変更のための段ボールシート加工具100aの移動がこの目標セットアップ時間で完了するように目標加減速度を設定し、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時にこの目標加減速度で移動するように、幅方向移動機構及び上下方向移動機構を制御していた。
変形例5では、コルゲータライン全体を管理する上位生産管理装置112に制御装置102を内蔵させ、上位生産管理装置112が、目標セットアップ時間の設定、目標加減速度の設定、及び幅方向移動機構及び上下方向移動機構の制御を行ってもよい。
この場合、図9に示されるスリッタスコアラ装置100の電気的構成は、上位生産管理装置112に、段ボールシート加工具100aの幅方向移動用サーボモータ及び上下方向移動用サーボモータが、対応する幅方向サーボ駆動ユニット及び上下方向サーボ駆動ユニットを介して接続される。また、上位生産管理装置112に、汎用操作ユニット110が接続される。さらに、上位生産管理装置112が有する記憶部に、段ボールシート加工具100aがオーダ変更時に移動するときの目標加減速度を規定したマトリクス表が記憶される。
また、図13に示されるスリッタ1の目標加減速度の設定処理、及びスコアラ52の同様の目標加減速度の設定処理は、上位生産管理装置112により実行される。このとき、フローチャートのステップS11(制御装置102が上位生産管理装置112から各種情報を取得するステップ)は省略される。さらに、図14に示されるスリッタ1のセットアップ処理、及びスコアラ52の同様のセットアップ処理も、上位生産管理装置112により実行される。
1 スリッタ
22 スリッタナイフ
29 上下方向移動用サーボモータ
40 幅方向移動用サーボモータ
52 スコアラ
65 上部罫線ロール
100 スリッタスコアラ装置
100a 段ボールシート加工具
102 制御装置
104 上下方向サーボ駆動ユニット
106 幅方向サーボ駆動ユニット
110 汎用操作ユニット
112 上位生産管理装置
114 回転パルス発生器
501 段ボールシート生産装置
520 カッタ装置
S 段ボールシート

Claims (12)

  1. 供給ラインに沿って連続的に供給される段ボールシートに対して切り込み及び罫線を付与するための加工を行うスリッタスコアラ装置であって、
    段ボールシートの供給方向に対して直交する幅方向に並列して配置され、前記供給方向に沿った切り込みを前記段ボールシートに付与する複数のスリッタと、前記幅方向に並列して配置され、前記供給方向に沿った罫線を前記段ボールシートに付与する複数のスコアラと、を備える段ボールシート加工具と、
    前記段ボールシート加工具が備える前記複数のスリッタのそれぞれ及び前記複数のスコアラのそれぞれを、前記幅方向に移動させる幅方向移動機構と、
    前記段ボールシート加工具が備える前記複数のスリッタのそれぞれ及び前記複数のスコアラのそれぞれを、上下方向に移動させる上下方向移動機構と、
    前記幅方向移動機構及び前記上下方向移動機構を制御するように構成された制御装置と、
    を有し、
    前記スリッタスコアラ装置の前記供給方向の下流側には、前記スリッタスコアラ装置によって加工された段ボールシートを幅方向に沿って切断するカッタ装置が設けられ、
    前記制御装置は、
    生産される段ボールシートのオーダ変更のために前記段ボールシート加工具の位置を変更すべく、当該段ボールシート加工具を幅方向及び上下方向に移動させるための目標セットアップ時間を、前記オーダ変更時において前記カッタ装置により切り取られる段ボールシートの前記供給方向に沿った所定の切断寸法と、前記段ボールシートの供給速度とに基づき設定し、
    前記オーダ変更のための前記段ボールシート加工具の移動が前記目標セットアップ時間で完了するように、前記段ボールシート加工具が前記オーダ変更時に移動するときの目標加減速度を設定し、
    前記段ボールシート加工具が前記オーダ変更時に前記目標加減速度で移動するように、前記幅方向移動機構及び前記上下方向移動機構を制御する、
    ように構成されている、
    ことを特徴とするスリッタスコアラ装置。
  2. 前記制御装置は、前記オーダ変更のための前記段ボールシート加工具の移動が前記目標セットアップ時間で完了するように、前記所定の切断寸法と、前記供給速度と、前記オーダ変更のために前記段ボールシート加工具を移動させるべき幅方向移動距離及び上下方向移動距離と、に基づき、前記目標加減速度を設定するように構成されている、請求項1に記載のスリッタスコアラ装置。
  3. 前記制御装置は、前記所定の切断寸法、前記供給速度、前記幅方向移動距離及び前記上下方向移動距離の4つのパラメータと、この4つのパラメータに応じて適用すべき前記目標加減速度とが事前に対応付けられたマトリクス表を参照して、前記オーダ変更時に適用される前記4つのパラメータの値に応じた前記目標加減速度を設定するように構成されている、請求項2に記載のスリッタスコアラ装置。
  4. 前記幅方向移動距離には、前記複数のスリッタのうちで前記オーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスリッタの幅方向移動距離、及び、前記複数のスコアラのうちで前記オーダ変更時における幅方向の移動距離が最大となるスコアラの幅方向移動距離が適用される、請求項2又は3に記載のスリッタスコアラ装置。
  5. 前記幅方向移動距離には、前記オーダ変更のために前記複数のスリッタのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離、及び、前記オーダ変更のために前記複数のスコアラのそれぞれを移動させるべき幅方向移動距離が適用される、請求項2又は3に記載のスリッタスコアラ装置。
  6. 前記上下方向移動距離には、前記オーダ変更の前後で用いられる段ボールシートのうちで厚さが大きい方の段ボールシートの厚さに応じた距離が適用される、請求項2乃至5のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記段ボールシート加工具が、前記オーダ変更のために前記段ボールシート加工具を移動させるべき幅方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、前記段ボールシート加工具の幅方向の移動速度が最大速度となるように前記幅方向移動機構を制御し、
    前記段ボールシート加工具が、前記オーダ変更のために前記段ボールシート加工具を移動させるべき上下方向移動距離の半分の距離に対応する中間位置に到達したときに、前記段ボールシート加工具の上下方向の移動速度が最大速度となるように前記上下方向移動機構を制御する、
    ように構成されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  8. 前記制御装置は、
    前記オーダ変更のために前記段ボールシート加工具の位置を変更すべく、当該段ボールシート加工具を前記幅方向移動機構及び前記上下方向移動機構に設定可能な最大加減速度で幅方向及び上下方向に移動させた場合に、前記段ボールシート加工具が前記オーダ変更時に移動している間に前記段ボールシートが前記供給方向に移動する長さである最短不良寸法を算出し、
    前記最短不良寸法が前記所定の切断寸法未満となる場合には、前記オーダ変更を行うときの前記段ボールシート加工具の移動が前記目標セットアップ時間で完了するように前記目標加減速度を設定し、
    前記最短不良寸法が前記所定の切断寸法以上となる場合には、前記目標加減速度を前記最大加減速度に設定する、
    ように構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  9. 前記制御装置は、前記オーダ変更のための前記段ボールシート加工具の移動が前記目標セットアップ時間で完了するように、前記段ボールシート加工具が幅方向及び上下方向のそれぞれに移動するときの前記目標加減速度を同一の値に設定するように構成されている、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  10. 前記所定の切断寸法には、事前に設定された固定寸法が適用される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  11. 前記所定の切断寸法には、前記供給速度に応じて前記カッタ装置により切り取り可能な段ボールシートの前記供給方向に沿った最小寸法に応じた寸法が適用される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
  12. 前記スリッタスコアラ装置は、前記制御装置により設定された前記目標加減速度を表示する表示部を更に備える、請求項1乃至11のいずれか一項に記載のスリッタスコアラ装置。
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