JP2023032492A - 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法 - Google Patents

同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023032492A
JP2023032492A JP2021138652A JP2021138652A JP2023032492A JP 2023032492 A JP2023032492 A JP 2023032492A JP 2021138652 A JP2021138652 A JP 2021138652A JP 2021138652 A JP2021138652 A JP 2021138652A JP 2023032492 A JP2023032492 A JP 2023032492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
synchronous motor
calculating
phase
inverter efficiency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021138652A
Other languages
English (en)
Inventor
弘明 佐藤
Hiroaki Sato
大輔 後藤
Daisuke Goto
克也 岩崎
Katsuya Iwasaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Astemo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Astemo Ltd filed Critical Hitachi Astemo Ltd
Priority to JP2021138652A priority Critical patent/JP2023032492A/ja
Priority to EP22860920.2A priority patent/EP4395160A1/en
Priority to CN202280047543.1A priority patent/CN117597859A/zh
Priority to PCT/JP2022/022343 priority patent/WO2023026625A1/ja
Publication of JP2023032492A publication Critical patent/JP2023032492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P21/00Arrangements or methods for the control of electric machines by vector control, e.g. by control of field orientation
    • H02P21/22Current control, e.g. using a current control loop
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P25/00Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details
    • H02P25/16Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of AC motor or by structural details characterised by the circuit arrangement or by the kind of wiring
    • H02P25/22Multiple windings; Windings for more than three phases

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)

Abstract

【課題】専用の電流検出用センサなどの追加構成を必要とせず、高精度な直流電流の推定と制限が可能な信頼性の高い同期電動機の駆動装置を提供する。【解決手段】第1電圧指令値と同期電動機の巻線の電流値とバッテリ電圧とに基づいて第1の直流電流を演算する第1の直流電流演算部と、前記同期電動機の巻線の電流値と前記同期電動機の回転数と前記同期電動機の所定のモータ特性に基づいて第2の直流電流を演算する第2の直流電流演算部と、前記第1の直流電流および前記第2の直流電流に基づいてインバータ効率を演算するモデル誤差抽出部と、前記第1の直流電流と前記第2の直流電流と前記インバータ効率とに基づいて推定直流電流を演算する直流電流補正部と、前記推定直流電流と予め定められた直流電流制限値とに基づいて前記巻線の電流指令値を補正する直流電流制限部と、を備えることを特徴とする。【選択図】 図2

Description

本発明は、同期電動機を駆動制御する駆動装置の構成とその制御に係り、特に、高応答性及び高信頼性が要求される自動車の電動ブレーキ用モータに適用して有効な技術に関する。
近年、自動車のステアリングやブレーキ装置などの補機系部品の電動化が進んでいる。補器系部品の電動化によって、従来の油圧系統を排除することが出来るため、メンテナンス性の向上や、自動車の操作性・制御性の向上が期待されている。このような電動化補機では、一般に補機用バッテリの直流電力をインバータなどの電力変換装置によって交流電力に変換し、同期モータを駆動することでステアリングやブレーキなどのアクチュエータを動作させている。
ステアリングやブレーキなど、自動車の重要部品を電動化する場合、同期モータやインバータなどの電気部品に故障が発生した際にも運転を継続できるように、冗長化した構成が望まれる。例えば、モータを従来の三相巻線から多重三相巻線とし、インバータも多重化することで、故障が発生しても運転を継続する構成である。
ところで、補機用バッテリから供給できる電力には限界があり、ステアリングやブレーキで消費する電力を車両設計で決める場合がある。このような場合、補機用バッテリから出力される直流電流が制限値を超過しないように、対策を施すことがある。
この対策として、例えば特許文献1のように、直流電流を検出するセンサを設けて、直流電流が制限値を超過する場合に、インバータ出力を低下させて直流電流の出力を制限する方法がある。
特開2012-175770号公報
上記特許文献1には、センサなどを用いてバッテリ状態を検出し、そのバッテリ状態に基づいて同期モータを制御することで、バッテリからの電力配分を行う技術が開示されている。
ところが、センサやハードウェアフィルタなどの追加構成を必要とするため、コストの増大や装置の大型化を招く恐れがある。
また、前述の多重巻線の構造では、それぞれの巻線系統にセンサを設ける必要が生じるために、さらにコストの増大に繋がる。
コストの増大を防ぎつつ、直流電流を制限する方法の1つに、一般に公知な技術として、インバータの出力電圧と出力電流から有効電力を演算し、有効電力をバッテリ電圧で除すことによって直流電流を求める方法がある。
しかしながら、インバータの効率が加味されていないため、直流電流の推定誤差が生じ、適切に推定できず、制限値を超過する可能性がある。
そこで、本発明の目的は、専用の電流検出用センサなどの追加構成を必要とせず、高精度な直流電流の推定と制限が可能な信頼性の高い同期電動機の駆動装置及びそれを用いた同期電動機の駆動方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、第1電圧指令値と同期電動機の巻線の電流値とバッテリ電圧とに基づいて第1の直流電流を演算する第1の直流電流演算部と、前記同期電動機の巻線の電流値と前記同期電動機の回転数と前記同期電動機の所定のモータ特性に基づいて第2の直流電流を演算する第2の直流電流演算部と、前記第1の直流電流および前記第2の直流電流に基づいてインバータ効率を演算するモデル誤差抽出部と、前記第1の直流電流と前記第2の直流電流と前記インバータ効率とに基づいて推定直流電流を演算する直流電流補正部と、前記推定直流電流と予め定められた直流電流制限値とに基づいて前記巻線の電流指令値を補正する直流電流制限部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明は、(a)第1電圧指令値と同期電動機の巻線の電流値とバッテリ電圧とに基づいて第1の直流電流を演算するステップ、(b)前記同期電動機の巻線の電流値と前記同期電動機の回転数と前記同期電動機の所定のモータ特性に基づいて第2の直流電流を演算するステップ、(c)前記第1の直流電流および前記第2の直流電流に基づいてインバータ効率を演算するステップ、(d)前記第1の直流電流と前記第2の直流電流と前記インバータ効率とに基づいて推定直流電流を演算するステップ、(e)前記推定直流電流と予め定められた直流電流制限値とに基づいて前記巻線の電流指令値を補正するステップ、を有することを特徴とする。
本発明によれば、専用の電流検出用センサなどの追加構成を必要とせず、高精度な直流電流の推定と制限が可能な信頼性の高い同期電動機の駆動装置及びそれを用いた同期電動機の駆動方法を実現することができる。
これにより、コストの増大を抑えつつ、同期電動機及びそれを搭載する自動車用電動ブレーキの信頼性向上に寄与できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1に係る同期電動機の駆動装置の主たる機能を示すブロック図である。 図1の直流電流推定部の主たる機能を示すブロック図である。 図1の直流電流制限部の主たる機能を示すブロック図である。 従来の同期電動機の駆動装置による直流電流を模式的に示す図である。 本発明の実施例1に係る同期電動機の駆動装置による直流電流を模式的に示す図である。 本発明の実施例2に係る車両の概略構成を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。なお、各図面において同一の構成については同一の符号を付し、重複する部分についてはその詳細な説明は省略する。
また、以下の記載及び図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略及び簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施することが可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
図1から図5を参照して、本発明の実施例1に係る同期電動機の駆動装置とそれを用いた同期電動機の駆動方法について説明する。なお、図4は、本発明の効果を分かり易くするために示す従来の同期電動機の駆動装置による直流電流の図である。
図1は、本実施例の同期電動機の駆動装置100の機能ブロック図である。
本実施例の同期電動機の駆動装置100は、図1に示すように、主要な構成として、電流検出部300と、電力変換器400と、電流制御部500と、電流指令演算部600と、座標変換部700と、直流電流推定部800と、直流電流制限部900とを備えており、同期電動機200を駆動する。
同期電動機200は、例えば永久磁石型の同期電動機であり、回転子に永久磁石(強磁性体)を用い、固定子に電機子巻線を用いて構成される。なお、本実施例では、同期電動機200は二重三相巻線モータであり、三相巻線を二つ備えた構成である。
同期電動機の駆動装置100は、二重三相巻線のうち、片方の三相巻線に交流電力を供給する。また、同期電動機の駆動装置100と同様の構成の同期電動機の駆動装置100’が備えられており、同期電動機の駆動装置100’は他方の三相巻線に交流電力を供給することで、二重三相巻線モータを駆動する。
電流検出部300は、同期電動機200に流れる三相電流を検出する電流センサ300u,300v,300wによって構成される。電流センサ300u,300v,300wは、同期電動機200の各相にそれぞれ配置されている。電流検出部300は、電流Iu,Iv,Iwを検出して、座標変換部700に出力する。
なお、電流センサ300u,300v,300wは同期電動機200の各相に配置されている例で示しているが、対称三相交流電流の和がゼロであることを利用して、二相(例えば、u相とv相)のみに配置しても良い。また、電力変換器400の直流母線(図示省略)を流れる電流から、同期電動機200の三相電流を得る構成としても良い。これらの構成にすると、電流センサの数を減らすことができ、低コスト化を図ることができる。
電力変換器400は、例えばインバータであり、同期電動機200の駆動時には、電流制御部500からの電圧指令Vd*、Vq*に基づいて電力変換器400の半導体スイッチ素子をオン/オフ制御し、同期電動機200に電圧Vu,Vv,Vwを印加して同期電動機200を駆動する。
電流制御部500は、電流指令演算部600からのモータのd軸電流指令Id*と、直流電流制限部900から出力されるq軸電流指令Iq*と、座標変換部700から出力されるd軸電流Id及びq軸電流Iqを受信し、指令値Id*,Iq*にId,Iqが一致するように制御を行う。
例えば、一般的に知られているPI制御と非干渉制御を組み合わせた構成である。これらの制御を行い、dq軸の電圧指令であるVd*、Vq*を出力し、電力変換器400へ送信する。
電流指令演算部600は、同期電動機200を駆動するd軸電流指令Id*及び第一のq軸電流指令Iq1*を、上位制御(図示せず)の出力であるトルク指令T*と、同期電動機200の回転数ωに基づいて決定するものである。
例えば、同期電動機200の特性を予め計算して用意したルックアップテーブルや、同期電動機200の数式モデルに基づいて決定するものである。電流指令演算部600の出力であるId*は電流制御部500へ送信され、もう一つの出力であるIq1*は後述する直流電流制限部900に入力される。
座標変換部700は、同期電動機200の三相電流Iu,Iv,Iwを座標変換し、d軸電流Id及びq軸電流Iqに変換する。この変換には、同期電動機200の電気的位相θを用いて、回転座標変換を行う。座標変換部700の出力であるId,Iqは、直流電流推定部800と、電流制御部500に送信され、直流電流推定部800では、後述するように直流電流の推定に使用され、電流制御部500ではdq軸電圧指令Vd*,Vq*の演算に使用される。
直流電流推定部800は、座標変換部700からd軸電流Idとq軸電流Iq、電流制御部500からd軸電圧指令Vd*とq軸電圧指令Vq*、バッテリ電圧Vbat、同期電動機200の回転数ωを入力とし、直流電流の推定値であるIdc^を演算する。また、演算したIdc^を直流電流制限部900へ送信する。
直流電流制限部900は、直流電流の推定値であるIdc^を入力とし、q軸電流補償値Iqcmpを計算する。また、電流指令演算部600で演算された第一のq軸電流指令Iq1*と加算することで、q軸電流を補償し、直流電流を制限、或いは出力を増加させる働きをする。
図2は、図1の直流電流推定部800の機能ブロック図である。
直流電流推定部800は、第一の直流電流演算部810と、第二の直流電流演算部820と、モデル誤差抽出部830と、直流電流補正部840とを備える。
第一の直流電流演算部810は、d軸電圧指令Vd*と、q軸電圧指令Vq*と、d軸電流Idと、q軸電流Iqと、バッテリ電圧Vbatを入力とし、第一の直流電流Idc1^を演算する。
第一の直流電流Idc1^は、例えば一般に公知な式(1)を用いて演算する。
Idc1^=(Vd*×Id+Vq*×Iq)/Vbat・・・(1)
式(1)は、インバータの入力電力である直流電流と直流電圧の積と、インバータの出力電圧である電圧と電流の内積の釣り合いをもとに、第一の直流電流Idc1^を求めている。
ところで、一般にインバータなどの電力変換器では、電力変換に伴うエネルギー損失が発生するため、インバータの出力電力は入力電力より小さくなる。そのため、実際の直流電流は、インバータ効率を加味すると式(2)のようになる。
Idc=(Vd*×Id+Vq*×Iq)/Vbat/η・・・(2)
一般に公知な式(1)は、インバータ効率が加味されていないため、必ず誤差が生じる。インバータ効率ηを、予め測定しておけば直流電流を精度良く求めることができるが、インバータ効率はその動作電圧や電流、あるいは温度によって変化するため、予め測定することは困難である。
そこで、本実施例では、第二の直流電流演算部820と、モデル誤差抽出部830と、直流電流補正部840とを備える構成としている。
第二の直流電流演算部820は、d軸電流Idと、q軸電流Iqと、モータ回転数ωと、バッテリ電圧Vbatとを入力とし、第二の直流電流Idc2^を演算する。第二の直流電流演算部820は、例えばモータ特性に基づいて直流電流を演算するブロックで、本実施例では式(3)、式(4)、式(5)を用いる。
Vd^=R×Id-ωLqIq・・・(3)
Vq^=R×Iq+ωLdId+ωΦ・・・(4)
Idc2^=(Vd^×Id+Vq^×Iq)/Vbat・・・(5)
ここで、Rは同期電動機200の巻線抵抗値、Ld,Lqはそれぞれd軸インダクタンス、q軸インダクタンス、Φは同期電動機200の永久磁石による鎖交磁束である。
式(3)、式(4)では、モータモデルを用いて同期電動機200の入力電圧を計算している。式(5)では、式(3)、式(4)で求めた入力電圧と、d軸電流Id、q軸電流Iqを用いて、第二の直流電流Idc2^を求めている。
式(3)~式(5)は、インバータを考慮しない理想的な直流電流を演算している。
モデル誤差抽出部830は、誤差抽出部831と、誤差修正部832を備えており、第一の直流電流Idc1^と、第二の直流電流Idc2^を入力として、これらの値に基づいてインバータ効率情報η^を修正・演算する。
誤差修正部832は、第二の直流電流Idc2^と、インバータ効率情報η^を入力とし、式(6)を計算して誤差抽出部831へ送信する。
Idc2^×η^・・・(6)
誤差抽出部831は、第一の直流電流Idc1^と、誤差修正部832の出力を入力とし、インバータ効率情報η^を出力する。
本実施例における誤差抽出部831では、式(7)を用いてインバータ効率情報η^を計算・出力する。
η^=(η^×Idc2^-Idc1^)/s・・・(7)
ここで、sはラプラス演算子である。
式(1)と式(2)の関係から、第一の直流電流Idc1^は、実際の直流電流Idcにインバータ効率ηを乗じたものである。すなわち、インバータ効率ηの情報を含んだ値である。
一方、第二の直流電流Idc2^は、同期電動機200の特性を表すモータモデルに基づいた、インバータ効率を考慮しない理想的な直流電流である。
インバータ効率ηの情報を含んだ第一の直流電流Idc1^と、インバータ効率ηの情報を含まない第二の直流電流Idc2^から、インバータ効率ηの情報のみを抽出することで、直流電流を精度良く求めることができる。
モデル誤差抽出部830の出力であるインバータ効率情報η^は、直流電流補正部840へ送信される。
直流電流補正部840は、第一の直流電流Idc1^と、インバータ効率情報η^を入力とし、直流電流の推定値であるIdc^を計算する。本実施例では、式(8)に従い計算する。
Idc^=Idc1^/η^・・・(8)
図3は、図1の直流電流制限部900の機能ブロック図である。
直流電流制限部900は、q軸電流補正部910を備えており、直流電流の推定値Idc^と、予め定められた直流電流の制限値Idclmtとを入力とし、q軸電流補正部910によってq軸電流補正量Iqcmpを演算する。演算したIqcmpは、第一のq軸電流指令Iq1*と加算し、q軸電流指令Iq*として出力し、電流制御部500へ送信される。
本実施例における直流電流制限部900と、q軸電流補正部910は、例えば式(9)を用いてIqcmpを演算する。
Iqcmp=(Idclmt-Idc^)×Kdc・・・(9)
ここで、Kdcは増幅ゲインである。
式(9)の形式をとることで、推定直流電流Idc^が制限値Idclmtを超過した場合は、q軸電流を減少させるように働き、出力を低下させることで直流電流制限値内に保つことができる。
また、推定直流電流Idc^が制限値Idclmt未満の場合は、q軸電流を増加させるように働き、応答性を向上させることができる。
次に、同期電動機200として二重三相モータを使用した場合における、本発明を適用したことによる効果を、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本発明を適用しない場合、すなわち従来の同期電動機の駆動装置による直流電流を模式的に示した図である。
同期電動機200として二重三相モータを用いる場合、二つの三相巻線系統それぞれに直流電流が流れる。このとき、巻線系統やインバータ素子にばらつきがあると、図4のように直流電流にアンバランスが生じる。
第一系統直流電流または第二系統直流電流が直流電流制限値を超過した場合に、直流電流を制限するように二重三相巻線モータの出力を制限すると、第一系統直流電流を直流電流制限値以内に抑えられるが、制限する必要のない第二系統直流電流も制限してしまうため、応答性の劣化を招く恐れがあった。
そこで、本実施例のように直流電流推定部800と、直流電流制限部900とを備えた同期電動機の駆動装置100及び同期電動機の駆動装置100’を設けることにより、この課題を解決することができる。
図5は、本発明を二重三相モータに適用した場合の直流電流を模式的に示した図である。
直流電流推定部800によって、従来加味されていなかったインバータ効率情報η^を考慮することにより、精度良く直流電流を推定できるため、第一系統、第二系統に直流電流のアンバランスが生じていても、いずれも直流電流制限値内に抑えることができる。
また、制限する必要のない第二系統直流電流を増加させることができるため、応答性を向上させることができ、電動補機部品のアクチュエータ制御を高応答にすることができる。
以上説明したように、本実施例では、同期電動機の駆動装置100に、直流電流推定部800と、直流電流制限部900とを備える構成とした。直流電流推定部800では、インバータ効率情報η^を含んだ第一の直流電流Idc1^と、インバータ効率情報η^を含まない第二の直流電流Idc2^とを演算することにより、インバータ効率情報η^を抽出して直流電流の推定精度を向上させた。
また、直流電流推定部800で推定した直流電流Idc^を直流電流制限部900に入力し、予め定められた直流電流制限値Idclmtと比較してq軸電流指令Iq*を補正することにより、直流電流を制限値に抑え、余裕がある場合には出力を増加させて応答性を向上する構成とした。
さらに、同期電動機の駆動装置100と同様の構成として、同期電動機の駆動装置100’を設け、同期電動機200として二重三相モータを使用すると、直流電流のアンバランスがある場合、制限値を超過する方の直流電流は制限するようにq軸電流指令Iq*を補正し、制限値に余裕がある方の直流電流は増加するようにq軸電流指令Iq*を補正することにより、応答性を向上する構成とした。
本実施例により、電動補機の直流電流を適切に制限することができ、冗長型電動補機の信頼性向上に繋がる。また、応答性が重要視されるステアリングやブレーキ装置に適用することで、より高応答な電動補機を提供することができ、ドライバビリティの向上に繋がる。
図6を参照して、本発明の実施例2に係る車両について説明する。図6は、本実施例の車両1の概略構成を示す図である。
本実施例では、実施例1で説明した同期電動機の駆動装置100,100’を車体2に搭載し、四輪をそれぞれ制動する4つの電動ブレーキを統合的に駆動制御する例について説明する。
本実施例の車両1は、図6に示すように、車体2に、車輪3、電動ブレーキ4を備えている。また、車両1には、実施例1で説明した同期電動機の駆動装置100,100’が搭載されている。
なお、これ以外の構成部品については通常の車両と同様に搭載しているが、本発明の実施例の説明には不要であるため、説明を割愛する。
図6では、車両1の前後方向をx軸(前方向を正)、左右方向をy軸(左方向を正)、上下方向をz軸(上方向を正)の座標系とする。
また、図6において、FLは左前、Frは右前、RLは左後、Rrは右後に対応する構成であることを示す符号であり、車輪3を例にすれば、3FL、3Fr、3RL、3Rrはそれぞれ、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪である。
電動ブレーキ4は、車輪3の回転を制動するための装置であり、本実施例では、左前輪3FL用の電動ブレーキ4FLと、右前輪3Fr用の電動ブレーキ4Frと、左後輪3RL用の電動ブレーキ4RLと、右後輪3Rr用の電動ブレーキ4Rrの4つを備えている。
電動ブレーキ4の各々には、駆動用の同期電動機として、三相巻線を2つ備えた二重三相巻線モータ(六相モータ)が用いられており、同期電動機の駆動装置100は、2つの三相巻線のうち、一方の三相巻線に交流電力を供給し、同期電動機の駆動装置100と同一構成の別の同期電動機の駆動装置100’が、他方の三相巻線に交流電力を供給する。これにより、二重三相巻線モータを駆動して、電動ブレーキ4(4FL,4Fr,4RL,4Rr)により車輪3(3FL,3Fr,3RL,3Rr)を制動する。
本実施例の車両1は、以上のように構成されており、同期電動機の駆動装置100,100’の出力を、4つの電動ブレーキ4(4FL,4Fr,4RL,4Rr)に分配することで、四輪をそれぞれ制動する4つの電動ブレーキを統合的に駆動制御している。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…車両
2…車体
3(3FL,3Fr,3RL,3Rr)…車輪
4(4FL,4Fr,4RL,4Rr)…電動ブレーキ
100,100’…同期電動機の駆動装置
200…同期電動機
300…電流検出部
300u,300v,300w…電流センサ
400…電力変換器
500…電流制御部
600…電流指令演算部
700…座標変換部
800…直流電流推定部
810…第一の直流電流演算部
820…第二の直流電流演算部
830…モデル誤差抽出部
831…誤差抽出部
832…誤差修正部
840…直流電流補正部
900…直流電流制限部
910…q軸電流補正部

Claims (8)

  1. 第1電圧指令値と同期電動機の巻線の電流値とバッテリ電圧とに基づいて第1の直流電流を演算する第1の直流電流演算部と、
    前記同期電動機の巻線の電流値と前記同期電動機の回転数と前記同期電動機の所定のモータ特性に基づいて第2の直流電流を演算する第2の直流電流演算部と、
    前記第1の直流電流および前記第2の直流電流に基づいてインバータ効率を演算するモデル誤差抽出部と、
    前記第1の直流電流と前記第2の直流電流と前記インバータ効率とに基づいて推定直流電流を演算する直流電流補正部と、
    前記推定直流電流と予め定められた直流電流制限値とに基づいて前記巻線の電流指令値を補正する直流電流制限部と、
    を備える同期電動機の駆動装置。
  2. 請求項1に記載の同期電動機の駆動装置であって、
    前記モデル誤差抽出部は、誤差抽出部と、誤差修正部と、を有し、
    前記誤差修正部は、前記第2の直流電流と、前記インバータ効率との積を演算し、
    前記誤差抽出部は、前記第1の直流電流と、前記誤差修正部の出力に基づいて前記インバータ効率を演算する同期電動機の駆動装置。
  3. 請求項1に記載の同期電動機の駆動装置であって、
    前記同期電動機に流れる三相電流を検出する電流検出部と、
    前記三相電流をd軸電流およびq軸電流に変換する座標変換部と、を有し、
    前記第1の直流電流演算部および前記第2の直流電流演算部は、前記d軸電流および前記q軸電流を前記同期電動機の巻線の電流値として用いる同期電動機の駆動装置。
  4. 請求項1に記載の同期電動機の駆動装置であって、
    前記同期電動機は、三相巻線を2つ備えた二重三相巻線モータであり、
    前記同期電動機の駆動装置は、前記2つの三相巻線のうち、一方の三相巻線に交流電力を供給し、
    前記同期電動機の駆動装置と同一構成の別の同期電動機の駆動装置が、他方の三相巻線に交流電力を供給することで、前記同期電動機を駆動する同期電動機の駆動装置。
  5. 請求項4に記載の同期電動機の駆動装置であって、
    前記同期電動機は、自動車の電動ブレーキを駆動する六相モータであり、
    前記自動車の四輪をそれぞれ制動する4つの電動ブレーキを統合的に制御する同期電動機の駆動装置。
  6. 以下のステップを有する同期電動機の駆動方法;
    (a)第1電圧指令値と同期電動機の巻線の電流値とバッテリ電圧とに基づいて第1の直流電流を演算するステップ、
    (b)前記同期電動機の巻線の電流値と前記同期電動機の回転数と前記同期電動機の所定のモータ特性に基づいて第2の直流電流を演算するステップ、
    (c)前記第1の直流電流および前記第2の直流電流に基づいてインバータ効率を演算するステップ、
    (d)前記第1の直流電流と前記第2の直流電流と前記インバータ効率とに基づいて推定直流電流を演算するステップ、
    (e)前記推定直流電流と予め定められた直流電流制限値とに基づいて前記巻線の電流指令値を補正するステップ。
  7. 請求項6に記載の同期電動機の駆動方法であって、
    前記(c)ステップは、
    (c1)前記第2の直流電流と、前記インバータ効率との積を演算するステップ、
    (c2)前記第1の直流電流と、前記(c1)ステップの演算結果とに基づいて前記インバータ効率を演算するステップ、
    を有する同期電動機の駆動方法。
  8. 請求項6に記載の同期電動機の駆動方法であって、
    前記同期電動機に流れる三相電流を座標変換したd軸電流およびq軸電流を前記同期電動機の巻線の電流値として用いる同期電動機の駆動方法。
JP2021138652A 2021-08-27 2021-08-27 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法 Pending JP2023032492A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021138652A JP2023032492A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法
EP22860920.2A EP4395160A1 (en) 2021-08-27 2022-06-01 Synchronous motor driving device and synchronous motor driving method
CN202280047543.1A CN117597859A (zh) 2021-08-27 2022-06-01 同步电动机的驱动装置和同步电动机的驱动方法
PCT/JP2022/022343 WO2023026625A1 (ja) 2021-08-27 2022-06-01 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021138652A JP2023032492A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023032492A true JP2023032492A (ja) 2023-03-09

Family

ID=85321666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021138652A Pending JP2023032492A (ja) 2021-08-27 2021-08-27 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP4395160A1 (ja)
JP (1) JP2023032492A (ja)
CN (1) CN117597859A (ja)
WO (1) WO2023026625A1 (ja)

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5511885B2 (ja) * 2012-05-02 2014-06-04 三菱電機株式会社 モータ制御装置およびモータ制御方法
JP2016113111A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 日立オートモティブシステムズステアリング株式会社 電動パワーステアリング装置及び車両搭載機器の制御装置
US11424706B2 (en) * 2019-11-15 2022-08-23 Steering Solutions Ip Holding Corporation Battery current limiting of permanent magnet synchronous motor drives using operation condition monitoring

Also Published As

Publication number Publication date
WO2023026625A1 (ja) 2023-03-02
CN117597859A (zh) 2024-02-23
EP4395160A1 (en) 2024-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5948613B2 (ja) モータの制御装置
CN102414978B (zh) 功率变换装置
JP5928438B2 (ja) 交流電動機の制御装置
WO2016125567A1 (ja) 同期機制御装置および同期機の永久磁石温度推定方法
CN111869092B (zh) 永磁体同步电动机的控制装置、电动助力转向装置及电动车辆
JP2001186799A (ja) 交流モータの制御装置
WO2011070651A1 (ja) 電力変換装置
JP2010268566A (ja) 独立車輪駆動電動車の制御装置
JP6396869B2 (ja) モータ制御装置
WO2020217764A1 (ja) 電力変換装置およびそれを備えた電動車両システム
WO2019171836A1 (ja) 車両制御装置
JP5043981B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
WO2023026625A1 (ja) 同期電動機の駆動装置、同期電動機の駆動方法
JP5349121B2 (ja) 車両用同期機制御装置
CN113169695A (zh) 马达控制装置
WO2018179822A1 (ja) 誘導電動機の駆動装置
JP2021035220A (ja) モータ駆動装置
JP2019050684A (ja) パワーステアリング装置の制御装置
JP2016165165A (ja) 電動車両の制動制御装置
JP7053335B2 (ja) モータ制御装置、電動車両
JP2011250616A (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動車両
JP4977739B2 (ja) 電気車の電力変換装置
JP5325556B2 (ja) モータ制御装置
JP2017017888A (ja) インバータの制御装置
JP2005218186A (ja) 交流電気車の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240213