JP2023031343A - 鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】竪型締鋳造装置において、溶湯が漏出することなく、金型PL面からのガス抜きを確実に行う鋳造方法を提供することを目的とする。【解決手段】竪型締鋳造装置を用いて、溶湯を金型キャビティへ射出充填する際に、金型PL面からガス抜きを行う鋳造方法において、前記金型PL面は、前記金型キャビティの鉛直方向の最上位の位置に設定し、前記金型キャビティ内の溶湯の流動投影面積に基づいて、前記金型PL面の押付力を段階的に増大させ、前記金型PL面は、全周において、鉛直方向に直行する平面部を設け、あるいは、前記金型キャビティと離れた鉛直方向の上位の位置に設け、鉛直方向に延長された補助PL面を介して、前記金型キャビティと前記金型PL面が接続される。【選択図】図4

Description

本発明は、竪型締鋳造装置を用いて、溶湯を金型キャビティへ射出充填する際に、金型PL面からガス抜きを行う鋳造方法に関する。
アルミニウム合金等の溶湯を金型キャビティ内に射出充填する成形に用いる鋳造装置は、大きく2つに分類される。1つは、金型を支持する型締装置と溶湯を射出充填する射出装置が、水平方向に配置された横型締鋳造装置である。高速高圧の射出充填を得意とし、比較的に大型の鋳物や薄肉鋳物の鋳造に適用される。なお、射出充填に伴う溶湯の流動方向が、金型内で水平方向から鉛直方向に変化することや、高速高圧の射出充填により、溶湯流動の乱れ、空気やガスの巻き込み、ボイドやブリスター、湯ジワ、鋳バリ等の鋳造不良の発生が心配される。また、金型キャビティ内の溶湯の流動速度が比較的に速いために、金型キャビティ内に空気やガスが残り(ガス残りという)、凹み、湯廻り不良等のガス残りに起因する鋳造不良が問題となることがある。
これに対して、型締装置と射出装置を鉛直方向に配置した竪型締鋳造装置は、溶湯の流動方向に大きな変化が少なく、溶湯流動の乱れは比較的に少ない。また、下方から上方に向けた溶湯流動と、比較的に低速低圧の射出充填により、溶湯流動の乱れやガス抜け不良に起因する鋳造不良は比較的に少ないとされる。そこで、複雑形状の鋳物の鋳造に適用されることが多い。本発明においては、この竪型締鋳造装置を用いた鋳造を対象とする。
なお、この竪型締鋳造装置であっても、鋳物の形状や溶湯の種類等によっては、溶湯の乱れやガス抜け不良に起因する鋳造不良に悩まされることがある。そこで、溶湯の乱れは、流動解析等のツールを用いて、金型キャビティ内の溶湯の流動速度を適切に制御して改善を図ることができると報告されている。また、ガス抜き不良に関しても、例えば、製品押出ピンの隙間を利用する、ガス残りが発生した固定金型と可動金型の金型キャビティ周囲の合わせ面(金型PL面という)にガス抜き溝を加工する、金型キャビティの一部に多孔質金属を用いる、強制的にガス抜きを行うガス抜き装置を金型に設置する等、のガス抜き手段が多く提案されている。
しかしながら、これらのガス抜き手段は、局所的であるために効率は良くなく、必ずしもガス残りの部位と一致するとは限らない。また、ガス抜き手段に溶湯が差し込んで閉鎖すると、鋳造を中断して清掃等の金型メンテ作業を必要とし、生産性の低下につながる。
そこで、金型PL面の隙間または押付力を調整して、金型PL面からガス抜きを行うことで、上述した局所的なガス抜き手段の課題を解決することができるとされている。例えば、特許文献1は、低圧型締状態で金型PL面に適度な隙間を形成する特殊な構造の金型を用いて、低圧型締状態で溶湯の射出充填を開始し、溶湯の充填完了で高圧型締状態に切り替えることが提案されている。また、特許文献2は、金型PL面に隙間を設けた半型閉状態で溶湯の充填を開始し、溶湯の湯面がゲートに達すると、溶湯の充填を停止し完全型締を行い、溶湯を高速射出充填することが提案されている。特許文献1および特許文献2は、低圧型締状態または半型閉状態で金型PL面に適度な隙間が形成され、この隙間からガス抜きを行うものである。
特開平3-13257号公報 特開平4-172162号公報
ここで、特許文献1および特許文献2は、金型PL面に隙間がある状態で溶湯の射出充填を行うことから、金型PL面からのガス抜きは確実に行うことができるが、金型PL面からの溶湯の漏出や噴出(フラッシュという)の危険性が潜んでいる。また、特許文献1は、金型PL面の隙間調整や、金型キャビティ内の溶湯に対して加圧力を作用させるために、金型キャビティを形成する金型は分割され、分割した金型の位置を調整する別部材と金型の組立は、高い精度を要する。また、金型の分割数に応じて金型PL面も増える。金型は、高温の溶湯により温度上昇し熱膨張するために、金型の組立精度は大きく変動し、分割した金型の位置調整や、複数の金型PL面の隙間調整の結果も変動する。そのため、金型PL面からのガス抜き効果が低下したり、フラッシュが発生したりすることが避けられない。また、特許文献2は、溶湯がゲート位置に達した時点で完全型締とするために、ガス抜きを行う金型PL面の隙間は無くなる。その状態で、金型キャビティ内に溶湯を高速充填すれば、金型PL面からのガス抜きは全く期待できない。
また、竪型締鋳造装置において、金型キャビティ内の溶湯の流動は、下方から上方に向かって流動する。金型キャビティ内の空気やガスは比重が軽く、溶湯の流動に押されて金型キャビティの上方に集まる。しかしながら、特許文献1および特許文献2は、金型キャビティの上方部にガス抜きを行う金型PL面が存在しない。そのために、金型キャビティの上方に集まった空気やガスは排出されず、高い確率でガス残り不良となる。さらに、溶湯の射出充填の初期のタイミングで、金型キャビティの下方部は溶湯で充満され、溶湯の圧力は上昇する。特許文献1は、ガス抜きのための隙間を設けた金型PL面が、金型キャビティの下方部に設けているので、金型PL面からのガス抜きは期待できず、逆に溶湯のフラッシュが大いに心配される。
そこで本発明は、竪型締鋳造装置において、溶湯が漏出することなく、金型PL面からのガス抜きを確実に行う鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明の鋳造方法は、竪型締鋳造装置を用いて、溶湯を金型キャビティへ射出充填する際に、金型PL面からガス抜きを行う鋳造方法において、前記金型PL面は、前記金型キャビティの鉛直方向の最上位の位置に設定し、前記金型キャビティ内の溶湯の流動投影面積に基づいて、前記金型PL面の押付力を段階的に増大させる、ことを特徴とする。
本発明の鋳造方法において、前記金型PL面は、全周において、鉛直方向に直行する平面部を設ける、ことが好ましい。また、前記金型PL面は、前記金型キャビティと離れた鉛直方向の上位の位置に設け、鉛直方向に延長された補助PL面を介して、前記金型キャビティと前記金型PL面が接続される、ことが好ましい。
また、本発明の鋳造方法において、前記押付力は、固定金型と可動金型を型締する型締力である、ことが好ましい。
本発明によれば、竪型締鋳造装置において、溶湯が漏出することなく、金型PL面からのガス抜きを確実に行う鋳造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る竪型締鋳造装置を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る金型PL面を示す図である。 流動投影面積と適正型締力の関係を説明する図である。 図1に示す竪型締鋳造装置を用いた鋳造方法を説明するフロー図である。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが、各請求項に係る発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、本実施形態においては、各構成要素の尺度や寸法が誇張されて示されている場合や、一部の構成要素が省略されている場合がある。
[竪型締鋳造装置]
先ず、本発明の実施形態に係る竪型締鋳造装置について、図1を用いて説明する。図1に示す竪型締鋳造装置100は、鋳造金型10と、射出装置20と、型締装置30と、制御装置40と、を備える。
鋳造金型10は、固定金型11と、可動金型12と、を備える。固定金型11と可動金型12は、鉛直方向に上下に配置され、固定金型11と可動金型12を型締して金型キャビティ14(図2に示す)を形成する。また、固定金型11には、金型キャビティ14に溶湯を充填するゲート13を備える。
射出装置20は、内部に溶湯Mを貯蔵する溶湯保持炉22と、溶湯保持炉22を収納する加圧室21と、溶湯保持炉22内の溶湯Mと鋳造金型10のゲート13を接続する給湯管23と、を備える。溶湯Mは、鋳造品の用途等に応じて適宜選択され所定の組成に調整された、例えば、アルミニウム合金等の金属材料を用い、所定の温度に溶解保持させる。そのため、溶湯保持炉22には、図示しない温度調整手段を備える。また、溶解炉等の溶湯Mを製造する手段を別に設け、溶湯保持炉22内に溶湯Mを定期的に補充するようにしても良い。加圧室21は密閉されており、例えば、加圧室21内に加圧ガスを供給して、加圧室21内を加圧することで、金型キャビティ14内に溶湯Mが射出充填される。加圧室21内の加圧により、溶湯保持炉22内の溶湯Mが押圧され、給湯管23内を溶湯Mが流動して、ゲート13を経由して金型キャビティ14に向けて溶湯Mが流動する。
型締装置30は、固定金型11を支持する固定盤31と、可動金型12を支持する可動盤32と、型締駆動部35を支持する型締盤33と、を備える。固定盤31と型締盤33は、複数のタイバー34で連結される。固定盤31と型締盤33の間に配置される可動盤32は、複数のタイバー34が貫通しており、タイバー34をガイドとして型開閉動作する。ここで、可動盤32の動作について、固定盤31に近づく下降動作を型閉動作CL、固定盤31から離れる上昇動作を型開動作OPと定義する(図2に示す)。また、固定金型11と可動金型12が接触した状態を金型タッチ点、金型タッチ点からの型閉動作を型締動作、型閉動作の完了位置を型締限、型締限から金型タッチ点に向かう型開動作を降圧動作と定義する。つまり、金型タッチ点から型締限の型締動作の範囲内において、金型キャビティ14が形成され、金型キャビティ14の周囲に金型PL面15(図2に示す)が形成される。金型PL面15の押付力を型締力という。型締力は、金型タッチ点ではゼロに近く、型締限で最大値となり、型締動作あるいは降圧動作を途中停止させることで、型締力を任意に調整して保持することができ、後述する金型PL面15からのガス抜き成形に効果を発揮する。
また、型締駆動部35は、例えば、油圧で駆動する油圧シリンダを用い、油圧シリンダの駆動ロッド36の先端は可動盤32に連結され、駆動ロッド36の前後進動作により可動盤32の型開閉動作を行う。なお、図1に示す型締装置30は、型締駆動部35に油圧シリンダを用いたものとしたが、これに限定されることなく、例えば、回転動作を直線動作に変換するボールネジ機構と電動モータを組み合わせたものであっても良く、両者を組み合わせたものでも良い。また、複数のトグルリンク機構を組み合わせたトグル式型締手段であっても良い。あるいは、型開閉動作は油圧駆動手段や電動駆動手段を用い、型締動作及び降圧動作は、例えば、タイバー34の先端部に油圧駆動の油圧シリンダ等を組み込んだ駆動手段で行うハイブリット式型締手段であっても良い。
制御装置40は、型締駆動部35を操作して型締装置30の動作を調整する型締制御部41と、射出装置20を操作して溶湯Mの射出充填等の動作を調整する射出制御部42と、予め設定された成形制御パターンに基づいて、型締制御部41と射出制御部42を操作して鋳造成形を行う鋳造制御部43と、を備える。
射出制御部42は、供給量調整部44と、圧力調整部45と、加圧ガス供給源46と、排出調整部47と、を備える。加圧ガス供給源46に貯蔵される加圧ガスは、圧力調整部45で所定の圧力に調整して供給量調整部44に送られる。供給量調整部44で加圧ガスの供給量を調整して、加圧室21内の圧力制御を行う。加圧室21内の圧力制御に基づいて、溶湯保持炉22内の溶湯Mが押圧されて、給湯管23を介して金型キャビティ14内への溶湯Mの射出充填の状態が調整される。射出充填の後は、排出調整部47を操作して、加圧室21内から供給した加圧ガスを排出して、加圧室21内の圧力を低減させる。この操作により、給湯管23内に残った溶湯Mは、溶湯保持炉22内に回収され、次ショットの鋳造に利用される。
ここで、加圧ガスは、安価な圧縮空気を用いても良いが、溶湯Mの酸化防止による品質安定化の観点からは、アルゴンや窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。その際に、加圧室21内は不活性ガスで充満状態を維持することが好ましい。また、窒素ガスにおいては、分離膜や吸着膜等を用いて空気中から窒素ガスのみを分離収集する窒素ガス発生装置を、加圧ガス供給源46に用いても良い。
また、図1において、加圧ガスを供給して溶湯の射出充填を行う構成としたが、これに限定されることなく、例えば、溶湯保持炉22内の溶湯Mの中で、ピストン式の加圧手段と給湯管23を連結し、ピストン操作により溶湯Mを給湯管23に排出して射出充填する構成であっても良い。また、例えば、型締装置30の下方部に、射出スリーブとプランジャを備えた射出装置20を竪型に配置し、プランジャの押圧動作により、射出シリンダ内に供給された溶湯Mを射出充填する構成であっても良い。いずれにしても、金型キャビティ14内の溶湯Mは、下方から上方に向かって流動する竪型締鋳造装置100である。
[金型PL面]
次に、図1に示す竪型鋳造装置100を用いて、金型PL面からガス抜きを行う鋳造成形に好適な実施形態について、図2を用いて説明する。なお、図2は、金型PL面15を説明できる範囲に限定しており、その他の構成については省略している。
先ず、図2(a)に示すように、固定金型11と可動金型12が型締されて金型キャビティ14を形成する。金型キャビティ14の下方側の固定金型11には、給湯管23と接続するゲート13を備える。溶湯Mは、ゲート13を通過して金型キャビティ14内に流動し、金型キャビティ14内を下方から上方に向かって流動する。この状態で、金型キャビティ14の鉛直方向の最上位の位置に金型PL面15を設ける(特徴1とする)。つまり、溶湯Mの流動によって押されて集まった比重の軽い空気やガスが溜まる金型キャビティ14の上方位置に、金型PL面15が存在することで、金型PL面15からのガス抜きが効率的にできる。さらに、先に溶湯Mが充満して圧力が上昇する金型キャビティ14の下方位置には、金型PL面15が存在しないので、溶湯Mの漏出を確実に防止できる。
また、金型PL面15は、全周において、鉛直方向に直交する平面部を設ける(特徴2とする)。つまり、金型PL面15の押付力(型締力)を適正に調整することで、溶湯Mの漏出を防止し、空気やガスのみを排出する好適な金型PL面15の接触状態を確保することができる。その型締力は、可動金型12の型閉動作CLの方向と同軸の鉛直方向であり、金型PL面15の全周に型締力が精度良く作用し、金型PL面15の全周において、高精度なガス抜きと溶湯Mの漏出防止を行うことができる。
これに対して、図2(b)は、金型PL面(15A、15B)は特徴1を満足するが、特徴2を満足していない事例を示す。この場合、特徴1によりガス抜き効果は期待できるが、特徴2により溶湯Mの漏出防止効果は期待できない。例えば、金型PL面15Aは鉛直方向に直行する平面部とし、金型PL面15Bは鉛直方向に対して角度θの傾斜面部とする。その結果、金型PL面15Bに作用する型締力は角度θ分だけ小さくなり、金型PL面15Bから溶湯Mが漏出してしまう。また、金型PL面15Bを溶湯Mの漏れ防止効果を得る型締力に設定すると、金型PL面15Aの型締力は過大となり、金型PL面15Aからのガス抜き効果が大きく低下する。
次に、図2(c)は、特徴1および特徴2を満足するが、金型キャビティ14の形状により、金型PL面(15A、15C)の鉛直方向の高さが異なる事例を示す。例えば、金型PL面15Aよりも低い位置に金型PL面15Cが設定される。金型キャビティ14内を流動する溶湯Mは、金型PL面15Cに先に到達し、金型PL面15Aは未充填状態のバランスの悪い状態となる。この状態で溶湯Mの射出充填を継続すると、金型PL15Cから溶湯Mが漏出する危険性が高まる。金型PL面15Cの溶湯Mの漏出防止を図るために、型締力を増大させると、金型PL面15Aからのガス抜き効果が大きく低下する。
そこで、特徴1および特徴2を満足させた状態で、図2(d)に示すように、特徴3をさらに加えるものとする。ここで、特徴3は、金型キャビティ14と離れた鉛直方向の上位の位置に、鉛直方向と直交する平面部の金型PL面15を設け、金型キャビティ14の上方部から鉛直方向に延長された補助PL面16を介して、金型キャビティ14と金型PL面15を接続させる。先ず、特徴1により、金型PL面15からのガス抜き効果を確保する。次に、特徴2により、金型PL面15の全周の型締力を精度良く作用させることができる。最後に、特徴3により、金型キャビティ14の形状に関係なく、補助PL面16を経由して金型PL面15からのガス抜き効果と、溶湯Mの漏出防止効果を確実なものとすることができる。
ここで、補助PL面16は、型開閉動作の方向と同じ鉛直方向に設けているので、可動金型12の型開閉動作には全く支障がない。また、溶湯Mの温度を受けて、固定金型11あるいは可動金型12が熱膨張することを加味して、補助PL面16には適度な隙間を設けることが好ましい。仮に、補助PL面16の隙間に溶湯Mが差し込んだとしても、金型PL面15で溶湯Mの漏出防止を確実に行うことができる。補助PL面16に差し込んだ溶湯Mは、軽度な鋳バリとして鋳造後の後処理工程で除去処理を行う。
なお、図2(d)において、金型PL面15の全周を鉛直方向の同じ位置としたが、これに限定されることなく、例えば、補助PL面16で溶湯Mの差し込みの程度が上手く調整できていて、金型PL面15に溶湯Mが到達しない状況においては、金型PL面15の高さを部分的に変えても良い。また、金型PL面15を、鉛直方向と直交する平面部としたが、例えば、金型PL面15の全周を、図2(b)に示すような、鉛直方向に対して角度θの傾斜面部としても良い。
[鋳造方法]
次に、図1に示す竪型締鋳造装置100を用いて、金型PL面からガス抜きを行う鋳造成形について、図3と図4を用いて説明する。図3は、金型PL面15からガス抜きを行う鋳造成形における適正型締理論と、この適正型締理論に基づいた型締力の設定事例を示す。また、図4は、図3を参考とした鋳造成形のフロー図を示す。
先ず、図3(a)を用いて、金型PL面15からガス抜きを行う鋳造成形における適正型締理論について詳細に説明する。溶湯保持炉22の加圧室21内に加圧ガスを供給して、溶湯Mの充填開始から充填完了までの、金型キャビティ14内の溶湯Mの流動投影面積を横軸に、流動投影面積に基づいた型締力を縦軸としたグラフである。ここで、流動投影面積とは、金型キャビティ14内を流動する溶湯Mの流動面積を、型開閉方向の投影面積で表した指数である。溶湯Mの充填開始の流動投影面積はゼロであって、充填の進行とともに流動投影面積は増大し、充填完了で流動投影面積は最大となる。この流動投影面積に溶湯Mの成形圧力を乗じた数値を適正型締力GPという。この適正型締力GPをキープできれば、金型PL面15の押付力の適正化が確保でき、金型PL面15からはガス抜き効果と溶湯Mの漏れ防止効果の両立を図ることができる。これを適正型締力理論という。実際には余裕代を加味した設定となる(領域A)。なお、成形圧力は、溶湯Mの種類、金型キャビティ14の大きさ、製品の肉厚や形状等により適宜設定され、代表的なものは文献やメーカカタログ等に記載されているものを用いても良い。
一般的に、型締力は製品投影面積に成形圧力を乗じた数値(最大型締力Pmax)が広く採用されている。この製品投影面積は、充填完了時の流動投影面積に相当する。この最大型締力Pmaxの状態で溶湯Mの射出充填を行う従来の鋳造方法では、溶湯Mの充填開始から充填完了の範囲の大半において、金型PL面15の押付力が強固過ぎて、金型PL面15からのガス抜き効果は全く期待できない(領域B)。また、適正型締力GPよりも過小な型締力の状態では、金型PL面15の押付力が弱過ぎて、金型PL面15から溶湯Mの漏れ防止効果は全く期待できない(領域Z)。
この適正型締力理論に基づいて、金型PL面15からのガス抜き効果と、溶湯Mの漏出防止効果を得る鋳造成形時の型締力設定を行う。先ず、流動投影面積は、金型キャビティ14内への溶湯Mの射出充填量(溶湯充填高さという)に関係するので、図3(b)に示すように、充填開始から充填完了までの流動投影面積を、溶湯充填高さに置き替える。次に、溶湯充填高さを分割(S0~SE)する。なお、分割数は、射出装置20や型締装置30の性能、金型キャビティ14の大きさや形状、溶湯Mの物性等から適宜選択される。また、溶湯充填高さは、溶湯保持炉22内の溶湯Mの湯面高さの変化量、加圧室21内の加圧ガス圧力、供給量調整部44で操作する加圧ガス供給量等に置き替えても良い。
次に、溶湯充填高さの分割(S0~SE)に、適正型締力GP相当の分割型締力(P0~P7)を設定する。溶湯Mの充填完了の分割型締力は、最大型締力Pmaxとする。また、充填開始の分割型締力P0は、例えば、安定運転が確保できる型締装置30の最低型締力とする。あるいは、金型メーカが金型PL面15の仕上げ調整に用いる調整用型締力としても良い。また、金型PL面15から溶湯Mの漏出防止効果を優先させる場合は、充填完了よりも手前の分割位置で最大型締力Pmaxを設定しても良い。なお、金型PL面15からのガス抜きの効果が弱まるので、成形材料の漏出とガス抜きの兼ね合いを確認しながら、分割型締力の設定の微調整を行うことが好ましい。このようにして、金型PL面15からのガス抜き効果と溶湯Mの漏出防止効果が両立できる鋳造方法を可能とする。
次に、図1に示す竪型締鋳造装置100を用いて、金型PL面15からガス抜きを行う鋳造方法について、図4を用いて説明する。先ず、型締制御部41は、最大型締力設定、分割数設定、分割位置設定、分割型締力設定の型締設定を行う。最大型締力設定は、充填完了時の流動投影面積(あるいは製品投影面積)に成形圧力を乗じた最大型締力Pmaxを設定する。分割数と分割位置と分割型締力は、図3で説明した適正型締力理論に基づいて設定を行う。なお、分割位置設定において、射出制御部42に設定される金型キャビティ14内への溶湯Mの射出充填を行う加圧パターン設定の射出設定を参考とする。
型締設定と射出設定を終えると鋳造成形に進む。型締制御部41は、型締駆動部35を操作して型閉・型締動作を行い、分割型締力の制御を開始する。分割型締力P0を確認すると、射出制御部42は、予め設定した加圧パターン設定に基づいて、供給量調整部44を操作して加圧制御を開始する。加圧制御により、加圧室21内に加圧ガスが供給され、溶湯保持炉22内の溶湯Mを押圧して、給湯管23を経由して金型キャビティ14内に溶湯Mが射出充填される。同時に、射出制御部42は、溶湯充填高さの情報を型締制御部41に転送する。型締制御部41は、情報転送を受けて分割型締力(P0~Pmax)の切替え制御を行う。なお、これらの鋳造成形に関する情報転送は、鋳造制御部43を経由して行われ、鋳造制御部43は、情報転送に基づいて型締制御部41と射出制御部42を調整して、鋳造成形を円滑に行う。
溶湯充填高さが最終の分割位置SEに到達後は、金型キャビティ14内に射出充填された溶湯Mの密度を高める増圧工程と、冷却に伴う凝固収縮を補う溶湯Mを補充する保圧工程を行う。なお、増圧工程も保圧工程も、射出制御部42の加圧制御により、溶湯保持炉22から給湯管23を経由して溶湯Mの押圧を継続する。保圧工程の完了で射出制御部42の加圧制御を終える。その後、冷却工程を経て、可動金型12を型開して鋳造品を金型キャビティ14内から取り出し、金型清掃や離型剤塗布等の次ショットの鋳造の準備に進む。また、加圧制御の終了後は、排出調整部47を操作して、加圧室21内の加圧ガスを排出して、加圧室21内の圧力を低下させ、給湯管23内に残った溶湯Mを溶湯保持炉22内に回収する。必要に応じて、溶湯保持炉22に新たな溶湯Mが補充される。
[効果]
このように、竪型締鋳造装置を用いて、金型PL面からガス抜きを行う鋳造方法において、金型PL面は、金型キャビティの鉛直方向の最上位の位置に設定し、金型PL面の押付力(型締力)は、金型キャビティ内の溶湯の流動投影面積に基づいて段階的に増大させる鋳造方法を提供する。その結果、例えば、金型キャビティにガス抜き手段を追加する、金型キャビティを分割する、金型PL面の隙間を調整する手段を金型に追加する等の、金型に複雑な細工を加えることなく、溶湯の漏出を確実に防止でき、金型PL面からのガス抜きを効率良く行うことができる。これにより、鋳バリ、フラッシュ、湯廻り不良等の溶湯の漏れに起因する鋳造不良の改善と、ボイド、ブリスター、鋳巣、凹み、湯ジワ等のガス残りに起因する鋳造不良を改善でき、高品質な鋳造品の安定供給と、生産性の高い鋳造成形の鋳造方法を提供することができる。
また、鉛直方向に直行する平面部を有する金型PL面とする。これにより、金型PL面の押付力(型締力)を均等に作用することができ、効率の良い金型PL面からのガス抜き効果と、確実な溶湯漏出防止の効果を得ることができる。さらに、金型キャビティから離れた位置に金型PL面を設定し、補助PL面を介して金型キャビティと金型PL面を接続する。これにより、金型キャビティの形状に関係なく、金型PL面からの溶湯の漏出防止とガス抜き効果を確実なものとする鋳造方法を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に記載された範囲には限定されない。上記の実施形態には多様な変更または改良を加えることが可能である。
100 竪型締鋳造装置
10 鋳造金型
11 固定金型
12 可動金型
13 ゲート
14 金型キャビティ
15、15A、15B、15C 金型PL面
16 補助PL面
20 射出装置
21 加圧室
22 溶湯保持炉
23 給湯管
M 溶湯
θ 角度
30 型締装置
31 固定盤
32 可動盤
33 型締盤
34 タイバー
35 型締駆動部
36 駆動ロッド
CL 型閉動作
OP 型開動作
40 制御装置
41 型締制御部
42 射出制御部
43 鋳造制御部
44 供給量調整部
45 圧力調整部
46 加圧ガス供給源
47 排出調整部
GP 適正型締力
Pmax 最大型締力
A、B、Z 領域
S0~SE 分割
P0~P7 分割型締力

Claims (4)

  1. 竪型締鋳造装置を用いて、溶湯を金型キャビティへ射出充填する際に、金型PL面からガス抜きを行う鋳造方法において、
    前記金型PL面は、前記金型キャビティの鉛直方向の最上位の位置に設定し、前記金型キャビティ内の溶湯の流動投影面積に基づいて、前記金型PL面の押付力を段階的に増大させる、ことを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記金型PL面は、全周において、鉛直方向に直行する平面部を設ける、請求項1記載の鋳造方法。
  3. 前記金型PL面は、前記金型キャビティと離れた鉛直方向の上位の位置に設け、鉛直方向に延長された補助PL面を介して、前記金型キャビティと前記金型PL面が接続される、請求項2記載の鋳造方法。
  4. 前記押付力は、固定金型と可動金型を型締する型締力である、請求項1から3のいずれか1項に記載の鋳造方法。
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