JP2023006895A - タイヤ - Google Patents

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Abstract

Figure 2023006895000001
【課題】通信装置の位置が把握し易い、タイヤを提供する。
【解決手段】タイヤ1は、タイヤサイド部1dの内部に埋設された、通信装置10と、タイヤサイド部のタイヤ外表面1dsに形成され、ベース面30を有する、装飾部14と、装飾部に設けられた、1つ又は複数のパターン領域Kと、を備えた、タイヤであって、各パターン領域には、装飾部のベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mm以上で3.0mm以下の間隔の突起Qが複数形成されており、タイヤサイド部のタイヤ幅方向の投影面において、通信装置の全体が、装飾部の内部に位置している。
【選択図】図1

Description

本発明は、タイヤに関する。
従来より、タイヤの内部に通信装置(RFタグ等)を埋設したタイヤがある(特許文献1)。
特開2021-046057号公報
しかし、上記のような従来のタイヤにおいては、タイヤを外部から見たときに通信装置の位置が把握しにくいという課題があった。
本発明は、通信装置の位置が把握し易い、タイヤを提供することを目的とする。
本発明のタイヤは、
タイヤサイド部の内部に埋設された、通信装置と、
前記タイヤサイド部のタイヤ外表面に形成され、ベース面を有する、装飾部と、
前記装飾部に設けられた、1つ又は複数のパターン領域と、
を備えた、タイヤであって、
各前記パターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mm以上で3.0mm以下の間隔の突起が複数形成されており、
前記タイヤサイド部のタイヤ幅方向の投影面において、前記通信装置の全体が、前記装飾部の内部に位置している。
本発明のタイヤによれば、通信装置の位置が把握し易くなる。
本発明のタイヤにおいて、
前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に1.0mmよりも大きく3.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されていてもよい。
この場合、装飾部の表現の幅を広げることができる。
本発明のタイヤにおいて、
前記タイヤは、前記装飾部に前記パターン領域を複数備えており、
前記複数のパターン領域は、第一のパターン領域と第二のパターン領域とを含み、
前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第一突起が複数形成されており、
前記第二のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第二突起が複数形成されており、
夫々の前記第一突起の間隔と夫々の前記第二突起の間隔とが同様とされ、前記第一突起
の突出高さと前記第二突起の突出高さとが異なっていてもよい。
この場合、装飾部の表現の幅を広げることができる。
本発明のタイヤにおいて、
前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されており、
少なくとも前記第一のパターン領域では、複数の前記第一突起が、前記ベース面に垂直な法線に対して一方向に傾斜していてもよい。
この場合、装飾部を斜めから見たときにコントラストを得ることができる。
本発明のタイヤにおいて、
前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されており、
前記第一のパターン領域には、互いに隣接して配置される複数の前記第一突起の高さが漸減する漸減領域が設けられていてもよい。
この場合、装飾部の表現の幅を広げることができる。
本発明のタイヤにおいて、
前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
前記第一のパターン領域には、第一突起が隣り合う形態で複数形成され、
各前記第一突起は、前記ベース面に沿って延び、
各前記第一突起は、前記ベース面の側を形成する基部と、前記突出する先端の側を形成する先端部と、を含んで構成され、
前記第一のパターン領域には、互いに隣り合う前記第一突起の少なくとも一部が、前記第一突起の長さの方向から見て、互いに重なる重なり部が形成されており、
前記第一のパターン領域における前記第一突起は、前記ベース面から0.1mm以上1.0mm以下の突出高さで突出するとともに、前記隣り合う前記第一突起のピッチは、0.1mm以上1.0mm以下とされていてもよい。
この場合、装飾部の表現の幅を広げることができる。
本発明のタイヤにおいて、
各前記第一突起は、アスタリスク突起であってもよい。
本発明のタイヤにおいて、
前記通信装置は、RFタグを有すると、好適である。
本発明によれば、通信装置の位置が把握し易くなる、タイヤを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。 図1のタイヤの一部を、図1のA-A線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の任意の実施形態に係るタイヤに用いることができる、通信装置の一例を示す、斜視図である。 図3の通信装置を分解した状態で示す、分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るタイヤの一部を示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの側面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部を示した拡大側面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部の中明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部の中明度領域に形成された突起を示した平面図である。 図10(A)、図10(B)は、それぞれ、本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部の中明度領域、及び低明度領域に形成された突起を示した断面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部の低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第3実施形態に係るタイヤの装飾部の中明度領域に形成された突起を示した平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの側面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部を示した拡大側面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第一低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第一低明度領域に形成された突起を示した平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第二低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第二低明度領域に形成された突起を示した平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第三低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部の第三低明度領域に形成された突起を示した平面図である。 図21(A)、図21(B)、図21(C)は、それぞれ、本発明の第4実施形態に係るタイヤの装飾部に形成された突起を示した断面図である。 図22(A)は本発明の第5実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部を回転軸の斜め上から見下ろした斜視図であり、図22(B)は第5実施形態に係るタイヤの回転軸に沿った断面図である。 本発明の第5実施形態に係るタイヤの装飾部の第1低明度領域を示した平面図である。 本発明の第5実施形態に係るタイヤの装飾部の第1低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 本発明の第5実施形態係るタイヤの装飾部の第1低明度領域に形成された第一アスタリスク突起のタイヤ径方向に延びる延出部を示した断面図である。 本発明の第5実施形態係るタイヤの装飾部の第1低明度領域に形成された第一アスタリスク突起のタイヤ周方向に延びる延出部を示した断面図である。 図27(A)は本発明の第6実施形態に係るタイヤの側面図であり、図27(B)は装飾部の低明度領域に設けられたグラデーション領域の底上げ突起と明度との関係を示す説明図であり、図27(C)は底上げ突起の斜視図である。 本発明の第6実施形態に係るタイヤの装飾部の低明度領域を示した平面図である。 本発明の第6実施形態に係るタイヤの装飾部の低明度領域に形成された突起を示した拡大平面図である。 図30(A)は、本発明の第6実施形態係るタイヤの装飾部の低明度領域に形成された第一アスタリスク突起を示した断面図であり、図30(B)は、低明度領域に形成された第二アスタリスク突起を示した断面図である。 本発明の第7実施形態に係るタイヤの側面図である。 本発明の第7実施形態に係るタイヤの装飾部を示した拡大側面図である。 本発明の第7実施形態に係るタイヤの装飾部に形成された突起を示す拡大平面図である。 本発明の第7実施形態に係るタイヤの装飾部に形成された突起の一部を示す斜視図である。 本発明の第7実施形態に係るパターン領域に形成された隣り合う突起の重なり状態を示す概略平面図である。 本発明の第7実施形態に係るパターン領域に形成された隣り合う突起の重なり状態を示す概略断面図である。
本発明に係るタイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、乗用車用空気入りタイヤ、トラック・バス用空気入りタイヤ等に好適に利用できる。
以下、本発明に係るタイヤの実施形態について、図面を参照しつつ例示説明する。
各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。一部の図面では、タイヤ幅方向を符号「TW」で示し、タイヤ径方向を符号「RD」で示し、タイヤ周方向を符号「CD」で示している。本明細書において、タイヤ内腔に近い側を「タイヤ内側」といい、タイヤ内腔から遠い側を「タイヤ外側」という。
図1~図2は、本発明の第1実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図1は、本発明の第1実施形態に係るタイヤのタイヤサイド部の一部を、タイヤ幅方向外側から見た様子を示す、側面図である。図2は、図1のタイヤの一部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を、図1のA-A線に沿う断面により示す、タイヤ幅方向断面図である。図5は、本発明の第2実施形態に係るタイヤの一部(具体的には、タイヤ赤道面CLに対する一方側の部分)を示す、タイヤ幅方向断面図である。
図1~図2の実施形態のタイヤ1は、乗用車用空気入りタイヤとして構成されている。図5の実施形態のタイヤ1は、トラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている。以下では、説明の便宜上、これらの実施形態について併せて説明する。
なお、本発明の任意の実施形態のタイヤ1は、任意の種類のタイヤとして構成されてよい。
タイヤ1は、タイヤ本体1Mと、通信装置10と、を備えている。タイヤ本体1Mは、タイヤ1のうち、通信装置10以外の部分に相当する。
以下、特に断りのない限り、各要素の位置関係や寸法等は、タイヤ1を適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。また、タイヤ1を適用リムに装着し、タイヤ1に規定内圧を充填し、最大荷重を負荷した状態で、路面と接する接地面のタイヤ幅方向の幅を、タイヤの接地幅といい、当該接地面のタイヤ幅方向の端部を接地端という。
本明細書において、「適用リム」とは、空気入りタイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO(The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA(The Tire and Rim Association,Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指すが、これらの産業規格に記載のないサイズの場合は、空気入りタイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。「適用リム」には、現行サイズに加えて将来的に前述の産業規格に記載されるサイズも含まれる。「将来的に記載されるサイズ」の例として、ETRTO 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズが挙げられ得る。
本明細書において、「規定内圧」とは、前述したJATMA YEAR BOOK等の産業規格に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、前述した産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、本明細書において、「最大荷重」とは、前述した産業規格に記載されている適用サイズのタイヤにおける最大負荷能力に対応する荷重、又は、前述した産業規格に記載のないサイズの場合には、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する荷重を意味する。
まず、タイヤ本体1Mについて説明する。
図2、図5等に示すように、本明細書で説明する各実施形態において、タイヤ本体1Mは、トレッド部1aと、このトレッド部1aのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のサイドウォール部1bと、各サイドウォール部1bのタイヤ径方向内側の端部に設けられた一対のビード部1cと、を備えている。トレッド部1aは、タイヤ本体1Mのうち、一対の接地端どうしの間のタイヤ幅方向部分である。ビード部1cは、タイヤ1をリムに装着したときに、タイヤ径方向内側及びタイヤ幅方向外側においてリムに接するように構成される。
タイヤ本体1Mは、トレッド部1aのタイヤ幅方向の両端部からタイヤ径方向内側に延びる一対のタイヤサイド部1dを有する。タイヤサイド部1dは、サイドウォール部1b及びビード部1cからなる。本明細書では、タイヤサイド部1dにおけるタイヤ外側の表面を、「タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1ds」という。
また、タイヤ本体1Mは、一対のビードコア4aと、一対のビードフィラー4bと、カーカス5と、ベルト6と、トレッドゴム7と、サイドゴム8と、インナーライナー9と、を備えている。
各ビードコア4aは、それぞれ、対応するビード部1cに埋設されている。ビードコア4aは、周囲をゴムにより被覆されている複数のビードワイヤを備えている。ビードワイヤは、金属(例えばスチール)から構成されると好適である。ビードワイヤは、例えば、モノフィラメント又は撚り線からなるものとすることができる。なお、ビードワイヤは、有機繊維やカーボン繊維から構成されてもよい。
各ビードフィラー4bは、それぞれ、対応するビードコア4aに対してタイヤ径方向外側に位置する。ビードフィラー4bは、タイヤ径方向外側に向かって先細状に延びている。ビードフィラー4bは、例えばゴム製である。
ビードフィラーは、「スティフナー」と呼ばれることがある。
図5に示すように、タイヤ本体1M(ひいてはタイヤ1)がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、ビードフィラー4bは、複数(図5の例では、2つ)のビードフィラー部4b1、4b2から構成されてもよい。これら複数のビードフィラー部4b1、4b2は、例えば、硬さが異なり得る。これら複数のビードフィラー部4b1、4b2は、例えば、タイヤ径方向に沿って配列(積層)される。
カーカス5は、一対のビードコア4a間に跨っており、トロイダル状に延在している。カーカス5は、1枚以上のカーカスプライ5aから構成されている。各カーカスプライ5aは、1本又は複数本のカーカスコードと、カーカスコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。カーカスコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。
カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよいし、金属(例えばスチール)から構成されてもよい。タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、カーカスコードは、金属(例えばスチール)から構成されると好適である。タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成される場合、カーカスコードは、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されると好適である。
カーカスプライ5aは、一対のビードコア4a間に位置するプライ本体部5Mを備えている。カーカスプライ5aは、さらに、プライ本体部5Mの両端からビードコア4aの廻りでタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される、プライ折返し部5Tを、さらに備えていてもよい。ただし、カーカスプライ5aは、プライ折返し部5Tを備えていなくてもよい。カーカス5は、ラジアル構造であると好適であるが、バイアス構造でもよい。
ベルト6は、カーカス5のクラウン部に対してタイヤ径方向外側に配置されている。ベルト6は、1層以上のベルト層6aを備えている。各ベルト層6aは、1本又は複数本のベルトコードと、ベルトコードを被覆する被覆ゴムと、を含んでいる。ベルトコードは、モノフィラメント又は撚り線で形成することができる。ベルトコードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
トレッドゴム7は、トレッド部1aにおいて、ベルト6のタイヤ径方向外側に位置している。トレッドゴム7は、トレッド部1aのタイヤ径方向外側の面であるトレッド踏面を構成している。トレッド踏面には、トレッドパターンが形成されている。
サイドゴム8は、サイドウォール部1bにおいて、カーカス5のタイヤ幅方向外側に位置している。サイドゴム8は、サイドウォール部1bのタイヤ幅方向外側の面を構成している。サイドゴム8は、トレッドゴム7と一体で形成されている。
インナーライナー9は、カーカス5のタイヤ内側に配置され、例えば、カーカス5のタイヤ内側に積層されてもよい。インナーライナー9は、例えば、空気透過性の低いブチル系ゴムで構成される。ブチル系ゴムには、例えばブチルゴム、及びその誘導体であるハロゲン化ブチルゴムが含まれる。インナーライナー9は、ブチル系ゴムに限られず、他のゴム組成物、樹脂、又はエラストマーで構成することができる。
図5に示すように、タイヤ本体1M(ひいてはタイヤ1)がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成される場合、タイヤ本体1Mは、ビードコア4aの周りに、補強部材3を備えてもよい。補強部材3は、図5の例のように、カーカス5に対してビードコア4aとは反対側に配置されてもよい。補強部材3は、1枚以上(図5の例では、3枚)の補強プライ3aを備えている。各補強プライ3aは、補強コードを含んでいる。補強コードは、金属(例えばスチール)から構成されてもよいし、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アラミドなどからなる有機繊維から構成されてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、図1~図2、図5に示すように、タイヤ本体1Mは、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsに形成され、ベース面30を有する、装飾部14と、装飾部14に設けられた、1つ又は複数のパターン領域Kと、を備えている。各パターン領域Kには、突起Qが複数形成されている。これら複数の突起Qは、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出している。これら複数の突起Qどうしの間の間隔は、0.1mm以上で3.0mm以下である。ベース面30は、装飾部14の底面を構成する。タイヤ本体1Mは、装飾部14を1つのみ備えてもよいし、装飾部14を複数備えてもよい。
このように、装飾部14には、これら複数の突起Qにより、微細な凹凸が形成されているので、光が吸収されやすい。そのため、装飾部14において外側に反射される光の量は、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsのうち装飾部14以外の部分において外側に反射される光の量と比して、少なくなる。よって、装飾部14の明度は、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsのうち装飾部14以外の部分の明度と比して、低くなる。
つぎに、通信装置10について説明する。
通信装置10は、タイヤ1の外部にある所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)と無線通信可能な構成であればよく、通信装置10の構成は特に限定されるものではない。
通信装置10は、RFタグを有すると好適である。RFタグは、「RFIDタグ」とも呼ばれる。RFタグは、パッシブ型に構成されると好適であるが、アクティブ型に構成されてもよい。
通信装置10は、RFタグに代えて又は加えて、タイヤ1の加速度を検出する加速度センサや、タイヤ1の内圧を検出する内圧センサ等を有してもよい。
図3~図4は、通信装置10の一例を示している。本例において、通信装置10は、RFタグを有している。本例において、通信装置10は、RFタグ10eと、被覆部10fと、を備えている。RFタグ10eは、ICチップ10cと、アンテナ部10bと、を備えている。RFタグ10eは、パッシブ型に構成されている。
ICチップ10cは、例えば、アンテナ部10bで受信する電波により発生する誘電起電力により稼働する。ICチップ10cは、例えば、制御部と記憶部とを有する。
記憶部は、任意の情報を記憶してよい。例えば、記憶部は、タイヤ1の識別情報を記憶してもよい。タイヤ1の識別情報は、例えば、タイヤ1の製造メーカ、製造工場、製造年月日等の、各タイヤをタイヤ毎に特定できるタイヤ1の固有の識別情報である。また、記憶部は、タイヤの走行距離、急制動回数、急発信回数、急旋回回数等のタイヤ履歴情報を記憶してもよい。また、例えば、タイヤ内部温度、タイヤ内圧、タイヤ加速度等を検出するセンサがタイヤ内腔に設けられており、記憶部が、これらセンサにより検出された検出情報を記憶してもよい。この場合、RFタグ10eは、アンテナ部10bを通じて、センサと無線通信することで、センサの検出情報を取得することができる。
制御部は、記憶部からの情報の読み出しが可能に構成される。
アンテナ部10bは、一対のアンテナ10b1、10b2を有している。一対のアンテナ10b1、10b2は、ICチップ10cにおいて互いに反対側に位置する端部にそれぞれ連結されている。アンテナ部10bは、タイヤ1の外部の上記所定外部装置と送受信可能に構成されている。図3~図4の例において、各アンテナ10b1、10b2は、直線状に延在しているが、各アンテナ10b1、10b2は、例えば波型等、任意の形状をなすように延在していてもよい。
被覆部10fは、RFタグ10eの全体を覆っている。被覆部10fは、例えばゴム又は樹脂から形成される。
本例において、被覆部10fは、一対のシート状の被覆部材10f1、10f2を有している。一対の被覆部材10f1、10f2は、両者間にRFタグ10eを挟んだ状態で、互いに重ねられている。一対の被覆部材10f1、10f2どうしは、接着等により互いに固着されていると、好適である。
ただし、被覆部10fは、1つの部材から構成されてもよい。
本例において、被覆部10fは、平面視において四角形状をなしているが、被覆部10fは、平面視において任意の形状をなしてよい。
なお、通信装置10は、被覆部10fを有していなくてもよく、すなわち、RFタグ10eのみから構成されてもよい。
このように構成された通信装置10は、上記所定外部装置から、電波又は磁界に乗せて送信される情報を、アンテナ部10bにより受信可能に構成される。整流(電波の場合)または共振(磁界の場合)により、通信装置10のアンテナ部10bに電力が発生し、ICチップ10cの記憶部及び制御部が所定の動作を行う。例えば、制御部は、記憶部内の情報を読み出し、電波または磁界に乗せてアンテナ部10bから、上記所定外部装置に返信(送信)する。上記所定外部装置は、通信装置10からの電波又は磁界を受信する。上記所定外部装置は、受信した情報を取り出すことで、通信装置10のICチップ10cの記憶部に記憶されている情報を取得することができる。
ただし、通信装置10は、本例とは異なる任意の構成を有してよい。
通信装置10は、長手方向LDと、短手方向SDと、厚さ方向TDと、を有してもよい。長手方向LDと短手方向SDと厚さ方向TDとは、互いに垂直である。
図3~図4に示すように、通信装置10がRFタグ10eを有する場合、通信装置10の長手方向LDは、アンテナ部10bの延在方向に平行である。アンテナ部10bの各アンテナ10b1、10b2が波型である場合、アンテナ部10bの延在方向は、各アンテナ10b1、10b2のなす波型の振幅中心線の延在方向を指す。通信装置10において、通信装置10の厚さ方向TDは、通信装置10が被覆部10fを有する場合、被覆部10fの厚さ方向を指し、通信装置10が被覆部10fを有さない場合、ICチップ10cの厚さ方向を指す。
RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、20mm以上、又は、50mm以上が好適である。また、RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、100mm以下、又は、70mm以下が好適である。
RFタグ10eの短手方向SDの長さは、例えば、10mm以下、又は、8mm以下が好適である。
RFタグ10eの厚さ方向TDの長さは、例えば、5mm以下、又は、2mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の長手方向LDの長さは、例えば、30mm以上、又は、60mm以上が好適である。また、RFタグ10eの長手方向LDの長さは、例えば、110mm以下、又は、80mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の短手方向SDの長さは、例えば、20mm以下、又は、15mm以下が好適である。
通信装置10が被覆部10fを有する場合、通信装置10の厚さ方向TDの長さは、例えば、6mm以下、又は、3mm以下が好適である。
被覆部10fの被覆部材10f1、10f2のそれぞれの厚さは、例えば、0.5mm以上が好適である。また、被覆部10fの被覆部材10f1、10f2のそれぞれの厚さは、例えば、1mm以下が好適である。
本明細書で説明する各実施形態においては、図1~図2、図5に示すように、通信装置10の全体が、タイヤ本体1Mのタイヤサイド部1dの内部に埋設されている。通信装置10は、タイヤ本体1Mのタイヤサイド部1dのうち、カーカス5よりもタイヤ幅方向外側の部分に埋設されている。
タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面(図1)において、通信装置10の全体が、装飾部14の内部に位置している。ここで、「タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面」とは、図1のように、タイヤサイド部1dをタイヤ幅方向に投影して見たときの投影面である。
通信装置10は、通信装置10の厚さ方向TDが、タイヤ幅方向にほぼ沿うように、指向される(図2、図5)。
タイヤ1の製造時においては、タイヤ本体1Mを構成する生タイヤと、通信装置10とが、タイヤ成形用金型の内部に収容されて、加硫成形される。
装飾部14は、タイヤ成形用金型を用いた加硫成形後に得られた生タイヤに対して切削加工が施されることにより形成されてもよいし、あるいは、タイヤ成形用金型を用いた加硫成形により形成されてもよい。
ここで、本明細書で説明する各実施形態の効果を説明する。
まず、上述のように、本明細書で説明する各実施形態においては、図1~図2、図5に示すように、通信装置10が、タイヤサイド部1dの内部に埋設されている。ここで、一般的に、金属は、通信装置10と上記所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)との間の電波を弱めて、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信性を低下させるおそれがあり、ひいては、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離が短くなるおそれがある。一方、タイヤ本体1Mにおいて、金属(例えば、スチール)は、カーカス5、ベルト6、ビードコア4a、補強部材3等に使用され得る。そして、一般的に、タイヤサイド部1dのほうが、トレッド部1aに比べて、金属の量が少ない傾向がある。したがって、通信装置10をタイヤサイド部1dに配置することにより、仮に通信装置10をトレッド部1aに配置する場合に比べて、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
また、上述のように、本明細書で説明する各実施形態においては、図1に示すように、タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面において、通信装置10の全体が、装飾部14の内部に位置していることにより、外部から視認がし易い装飾部14が、通信装置10の位置を表す表示機能を有するので、通信装置10の位置が把握しやすくなる。よって、上記所定外部装置(例えば、リーダ、あるいは、リーダ/ライタ)によって通信装置10の読み取りを行おうとする作業者は、上記所定外部装置を装飾部14の近傍にかざすだけで、通信装置10を読み取ることが可能になり、読み取り作業がスムーズになる。また、装飾部14によってタイヤ1を装飾することができるので、タイヤ1の外観を向上できる。つまり、装飾部14は、タイヤ1の装飾機能と、通信装置10の位置表示機能とを、併せ持つことができる。
また、タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面において、通信装置10の全体が、装飾部14の内部に位置していることにより、装飾部14に形成された微細な凹凸によって、タイヤ1の転動時等において、装飾部14の近傍に歪が集中しづらくなるため、通信装置10に掛かる負荷を軽減でき、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
また、タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面において、通信装置10の全体が、装飾部14の内部に位置していることにより、装飾部14に形成された微細な凹凸によって、装飾部14に対してタイヤ幅方向内側に位置する通信装置10の輪郭(特に、例えば、通信装置10がRFタグ10eを有する場合、RFタグ10eの輪郭)が目立ちにくくなるので、タイヤ1の外観を向上できる。なお、仮に、装飾部14に形成された凹凸がさほど微細ではない場合(具体的には、突起Qの突出高さが1.0mm超である場合、かつ/又は、突起Qどうしの間の間隔が3.0mm超である場合)は、通信装置10の輪郭が目立ちやすくなり、タイヤ1の外観が低下するおそれがある。
本明細書で説明する各実施形態において、通信装置10の指向方向(向き)は任意であるが、通信装置10の耐久性等の観点から、通信装置10は、図1の例のように、通信装置10の長手方向LDがタイヤ周方向にほぼ沿うように指向されていると、好適である。ただし、通信装置10は、通信装置10の短手方向LDがタイヤ周方向にほぼ沿うように指向されていてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、通信装置10は、図2、図5の各実施形態のように、サイドウォール部1bに配置されていると、好適である。一般的に、サイドウォール部1bのほうが、ビード部1cに比べて、金属の量が少ない傾向がある。したがって、通信装置10をサイドウォール部1bに配置することにより、仮に通信装置10をビード部1cに配置する場合に比べて、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図2)、通信装置10のタイヤ径方向外端10u(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードコア4aのタイヤ径方向外端よりもタイヤ径方向外側にあると好適であり、ビードフィラー4bのタイヤ径方向中心よりもタイヤ径方向外側にあるとより好適であり、例えば、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図2)、上述のように通信装置10がサイドウォール部1bに配置される場合、図2の例のように、通信装置10のタイヤ径方向外端10uは、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eよりもタイヤ径方向内側に位置していると、好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
通信装置10のタイヤ径方向外端10uとカーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eとの間のタイヤ径方向距離は、3~30mmが好適であり、5~15mmがより好適である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図2)、図2の例のように、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向外側に位置していると好適である。ただし、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端と同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向内側に、位置していてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図2)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよい。ここで、「タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置」とは、タイヤ本体1Mのタイヤ幅方向の寸法が最大となるタイヤ径方向位置である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1が乗用車用空気入りタイヤとして構成されている場合(図2)、図2の例のように、通信装置10は、カーカス5のタイヤ幅方向外側の面に接していると、好適であり、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ幅方向外側の面に接していると、より好適である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードコア4aのタイヤ径方向外端よりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になる。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
ここで、「カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5e」とは、カーカス5の各カーカスプライ5aのプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端のうち最もタイヤ径方向外側にあるタイヤ径方向外端を指す。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、補強部材3のタイヤ径方向外端3uよりもタイヤ径方向外側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
ここで、「補強部材3のタイヤ径方向外端3u」とは、補強部材3の各補強プライ3aのタイヤ径方向外端のうち最もタイヤ径方向外側にあるタイヤ径方向外端を指す。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、通信装置10のタイヤ径方向中心10m(より好適には、通信装置10の全体)は、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側にあると好適である。これにより、通信性を向上でき、通信装置10と上記所定外部装置との間の通信距離を長くすることが可能になるとともに、タイヤ本体1Mのうち、タイヤ1の転動時等において比較的歪の少ない部分に通信装置10を配置できるので、通信装置10ひいてはタイヤ1の耐久性を向上できる。
通信装置10のタイヤ径方向中心10mとビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buとの間のタイヤ径方向距離は、1~30mmが好適であり、5~15mmがより好適である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側に位置していると好適であるが、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buと同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buよりもタイヤ径方向内側に位置していると好適であるが、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、ビードフィラー4bのタイヤ径方向外端4buと同じタイヤ径方向位置、あるいは、それよりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、カーカス5のプライ折返し部5Tのタイヤ径方向外端5eは、図5の例のように、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
ここで、「タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置」とは、タイヤ本体1Mのタイヤ幅方向の寸法が最大となるタイヤ径方向位置である。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、補強部材3のタイヤ径方向外端3uは、図5の例のように、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向内側に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置と同じタイヤ径方向位置に位置していてもよいし、タイヤ本体1Mのタイヤ最大幅位置よりもタイヤ径方向外側に位置していてもよい。
本明細書で説明する各実施形態においては、タイヤ1がトラック・バス用空気入りタイヤとして構成されている場合(図5)、図5の例のように、通信装置10は、ビードフィラー4bのタイヤ幅方向外側の面に接していると、好適である。
以下、図6~図36を参照しつつ、装飾部14及びパターン領域Kの様々な変形例について説明する。
図6~図12は、本発明の第3実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図13~図21は、本発明の第4実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図22~図26は、本発明の第5実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図27~図30は、本発明の第6実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図31~図36は、本発明の第7実施形態に係るタイヤ1を説明するための図面である。図6~図36の各実施形態は、装飾部14及びパターン領域Kの構成がそれぞれ異なる。ただし、図6~図36の各実施形態においても、図1~図5を参照しつつ上述した各実施形態と同様に、タイヤ本体1Mは、タイヤサイド部1dのタイヤ外表面1dsに形成され、ベース面30を有する、装飾部14と、装飾部14に設けられた、1つ又は複数のパターン領域Kと、を備えている。各パターン領域Kには、突起Qが複数形成されている。これら複数の突起Qは、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出している。これら複数の突起Qどうしの間の間隔は、0.1mm以上で3.0mm以下である。ベース面30は、装飾部14の底面を構成する。タイヤ本体1Mは、装飾部14を1つのみ備えてもよいし、装飾部14を複数備えてもよい。
図6~図36では、便宜のため、通信装置10の図示は省略する。ただし、図6~図36の各実施形態においても、タイヤ1は、通信装置10を備えており、通信装置10の全体が、タイヤ本体1Mのタイヤサイド部1dの内部に埋設されており、タイヤサイド部1dのタイヤ幅方向の投影面において、通信装置10の全体が、装飾部14の内部に位置している。
以下、図6~図12を参照しつつ、本発明の第3実施形態に係るタイヤ1について説明する。
第3実施形態のタイヤ1において、装飾部14に設けられた1つ又は複数のパターン領域Kは、第一のパターン領域Kを含み、第一のパターン領域Kには、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に1.0mmよりも大きく3.0mm以下の間隔の第一突起Qが複数形成されている。
図6に示されるように、タイヤ1のタイヤサイド部1dには、装飾部14が形成されている。装飾部14は、タイヤ1の軸方向から見て、円弧状とされ、タイヤ中心軸CEを挟んで対称位置の2カ所に配置されている。さらに、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の領域で、突起等が形成されていない他の領域20に対して凹んだベース面30が、装飾部14に形成されている。このベース面30は、装飾部14の底面を構成すると共にタイヤ周方向から見て、タイヤ1の幅方向の外側に凸を成す湾曲面状とされている。本実施形態では、ベース面30は、他の領域20に対して0.4〔mm〕凹んでいる。
さらに、装飾部14には、他の領域20に比して明度が低く、黒色に見える低明度領域18(K)と、他の領域20に比して明度と比して低く、かつ、低明度領域18に比して明度が高く、グレー色に見える中明度領域16(K)とが形成されている。換言すると、低明度領域18と中明度領域16とによって、装飾部14が形成されている。中明度領域16は、第一のパターン領域(パターン領域)Kの一例であって、低明度領域18は、第二のパターン領域(パターン領域)Kの一例である。
そして、図7に示されるように、装飾部14に形成された低明度領域18は、タイヤ周方向に延びており、中明度領域16は、タイヤ周方向において低明度領域18の両端側に夫々配置されている。
なお、タイヤ1を成形するためのタイヤ成形用金型において、低明度領域18及び中明度領域16に対応する部分に凹凸を設けることによって、低明度領域18及び中明度領域16が形成される。また、低明度領域18及び中明度領域16は、タイヤ最大幅位置(タイヤサイド部間の直線距離の最大部分)よりもタイヤ径方向の外側に配置されることが、車両にタイヤ1を装着した状態での視認性の観点から好ましい。
(低明度領域18)
低明度領域18は、図12に示されるように、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(以下、「アスタリスク突起」という。)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起34(Q)と、複数の第二アスタリスク突起36(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起34と、第二アスタリスク突起36とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36は、第二突起(突起)Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起34〕
第一アスタリスク突起34は、図11に示されるように、ベース面30に対して直交する方向(例えば、タイヤ1の回転軸方向)から見て、基点としての中心O1から夫々異なる方向へ延出された第一延出部35A-1、35A-2、第二延出部35B-1、35B-2、及び第三延出部35C-1、35C-2で構成されている。以下、これらの6本の延出部を、まとめて「延出部34E」と称する。そして、一の延出部34Eと他の延出部34E(中心O1から互いに逆向きに延出されているもの同士を除く)とで、中心O1において屈曲された線形状が構成されている。
第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第一延出部35A-1は、中心O1からタイヤ径方向の外側に延び、第一延出部35A-2は、中心O1からタイヤ径方向の内側に延びている。そして、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とは同様の長さとされている。以下、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とを、まとめて「第一延出部35A」と称する。
第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第二延出部35B-1及び第二延出部35B-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の外側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第二延出部35B-1は、中心O1からタイヤ周方向の一方側に延び、第二延出部35B-2は、中心O1からタイヤ周方向の他方側に延びている。そして、第二延出部35B-1は、第二延出部35B-2と比して長くされている。さらに、第二延出部35B-2の先端側の部分は、タイヤ径方向の内側に湾曲している。以下、第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とを、まとめて「第二延出部35B」と称する。
第三延出部35C-1と第三延出部35C-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第三延出部35C-1と第三延出部35C-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第三延出部35C-1及び第三延出部35C-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の内側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第三延出部35C-1は、中心O1からタイヤ周方向の他方側に延び、第三延出部35C-2は、中心O1からタイヤ周方向の一方側に延びている。そして、第三延出部35C-1は、第三延出部35C-2と比して短くされている。以下、第三延出部35C-1と
第三延出部35C-2とを、まとめて「第三延出部35C」と称する。
6本の延出部34Eは、隣り合う延出部34Eと、夫々60°の角度を成している。第一アスタリスク突起34は、換言すると、中心O1から6本の延出部34Eが放射状に延出された形状となっている。
図10(A)に示されるように、第一アスタリスク突起34の延出部34Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面34Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起34は、頂面34Cと、一対の側面34Dとを有している。本実施形態では、頂面34Cの幅(図中W1)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起34の頂角(図中D1)は、26〔度〕とされている。また、第一アスタリスク突起34の高さ(図中H1)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。突起の高さ(突出高さ)が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難になり、かつ、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。さらに、突起の高さを1.0〔mm〕以下とすることで、突起の部分の剛性と突起の周辺の部分の剛性との差を小さくし、局部的な応力集中を抑制させるようになっている。
なお、本実施形態における突起の高さ及び後述する突起の間隔(ピッチ)等の寸法については、一例として、株式会社キーエンスのワンショット3D形状測定機VR-3000シリーズを用いて測定することができる。
〔第二アスタリスク突起36〕
第二アスタリスク突起36は、図11に示されるように、第一アスタリスク突起34と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起36は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心O1を中心にして第一アスタリスク突起34を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心O1を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起34の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の第一延出部35A-1、35A-2、第二延出部35B-1、35B-2、第三延出部35C-1、35C-2、及び中心O1に対応する部分を、第一延出部37A-1、37A-2、第二延出部37B-1、37B-2、第三延出部37C-1、37C-2、及び中心O2と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部36E」称する。
また、第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の頂面34Cに対応する部分を、頂面36Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の側面34Dに対応する部分を、側面36Dと称する(図10(A)参照)。
〔その他〕
図11、図12に示されるように、第一アスタリスク突起34と、第二アスタリスク突起36とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、低明度領域18の全体を埋めている(図7参照)。
そして、第一アスタリスク突起34の第一延出部35A-1、35A-2の夫々の先端は、タイヤ径方向で隣り合う第二アスタリスク突起36の第二延出部37B-2と第三延出部37C-1の間、第二延出部37B-1と第三延出部37C-2の間に夫々挿入されている。また、第二アスタリスク突起36の第一延出部37A-1、37A-2の夫々の先端は、タイヤ周方向に隣り合う第一アスタリスク突起34の第二延出部35B-1と第
三延出部35C-2の間、第二延出部35B-2と第三延出部35C-1の間に挿入されている。
さらに、第一アスタリスク突起34の第三延出部35C-1の先端と、第一アスタリスク突起34に対してタイヤ径方向の外側に配置された第二アスタリスク突起36の第二延出部37B-1の先端とは連結されている。これにより、連結部34Aが形成されている。さらに、第一アスタリスク突起34の第二延出部35B-1の先端と、第一アスタリスク突起34に対してタイヤ周方向の一方側に配置された第二アスタリスク突起36の第三延出部37C-1の先端とは連結されている。これにより、連結部34Bが形成されている。
この構成において、第一アスタリスク突起34と第二アスタリスク突起36とは、タイヤ径方向の内側から外側に向かって、連結部34A、34Bを介して階段状に連結されている。
また、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起34と第二アスタリスク突起36において、中心O1と中心O2との間隔(以下「間隔P1」)は、0.1〔mm〕以上1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。間隔P1が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難となる。さらに、間隔P1が1.0〔mm〕より大きくなると、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。
ここで、本実施形態に記載する黒色に見える低明度領域18とは、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計(NF333)を用いて測定した明度L* の値が、一例として10未満の領域である。
(中明度領域16)
中明度領域16は、図9に示されるように、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(アスタリスク突起)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起44(Q)と、複数の第二アスタリスク突起46(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起44と、第二アスタリスク突起46とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起44、及び第二アスタリスク突起46は、第一突起(突起)Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起44〕
第一アスタリスク突起44については、低明度領域18の第一アスタリスク突起34(図11参照)と異なる部分を主に説明する。
図8に示されるように、第一アスタリスク突起44は、ベース面30に対して直交する方向から見て、低明度領域18の第一アスタリスク突起34(図11参照)と同様の形状とされている。第一アスタリスク突起44において、第一アスタリスク突起34の第一延出部35A-1、35A-2、第二延出部35B-1、35B-2、第三延出部35C-1、35C-2、及び中心O1に対応する部分を、第一延出部45A-1、45A-2、第二延出部45B-1、45B-2、第三延出部45C-1、45C-2、及び中心O3と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部44E」称する。夫々の延出部44Eの延出方向の長さについては、第一アスタリスク突起34の夫々の延出部34Eを同様の割合で延出方向に長くした長さとなっている。
図10(B)に示されるように、第一アスタリスク突起44の延出部44Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面44Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起44は、頂面44Cと、一対の側面44Dとを有している。本実施形態では、頂面44Cの幅(図中W2)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起44の頂角(図中D2)は、26〔度〕とされている。また、第一アスタリスク突起44の高さ(図中H2)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。突起の高さが0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難になり、かつ、入射された光を減衰させてグレー色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。さらに、突起の高さを1.0〔mm〕以下とすることで、突起の部分の剛性と突起の周辺の部分の剛性との差を小さくし、局部的な応力集中を抑制させるようになっている。
〔第二アスタリスク突起46〕
図8に示されるように、第二アスタリスク突起46は、第一アスタリスク突起44と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起46は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心O3を中心にして第一アスタリスク突起44を 時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心O3を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起44の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起46において、第一アスタリスク突起44の第一延出部45A-1、45A-2、第二延出部45B-1、45B-2、第三延出部45C-1、45C-2、及び中心O3に対応する部分を、第一延出部47A-1、47A-2、第二延出部47B-1、47B-2、第三延出部47C-1、47C-2、及び中心O4と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部46E」称する。
また、第二アスタリスク突起46において、第一アスタリスク突起44の頂面44Cに対応する部分を、頂面46Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起46において、第一アスタリスク突起44の側面44Dに対応する部分を、側面46Dと称する(図10(B)参照)。
〔その他〕
図8に示されるように、第一アスタリスク突起44と、第二アスタリスク突起46とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、中明度領域16(図7参照)の全体を埋めている。
そして、第一アスタリスク突起44の第一延出部45A-1、45A-2の夫々の先端は、タイヤ径方向で隣り合う第二アスタリスク突起46の第二延出部47B-2と第三延出部47C-1の間、第二延出部47B-1と第三延出部47C-2の間に夫々挿入されている。また、第二アスタリスク突起46の第一延出部47A-1、47A-2の夫々の先端は、タイヤ周方向に隣り合う第一アスタリスク突起44の第二延出部45B-1と第三延出部45C-2の間、第二延出部45B-2と第三延出部45C-1の間に挿入されている。
また、第一アスタリスク突起44の第三延出部45C-1の先端と、第一アスタリスク突起44に対してタイヤ径方向の外側に配置された第二アスタリスク突起46の第二延出部47B-1の先端とは連結されている。これにより、連結部44Aが形成されている。さらに、第一アスタリスク突起44の第二延出部45B-1の先端と、第一アスタリスク突起44に対してタイヤ周方向の一方側に配置された第二アスタリスク突起46の第三延出部47C-1の先端とは連結されている。これにより、連結部44Bが形成されている。
この構成において、第一アスタリスク突起44と第二アスタリスク突起46とは、タイヤ径方向の内側から外側に向かって、連結部44A、44Bを介して階段状に連結されている。
また、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起44と第二アスタリスク突起46において、中心O3と中心O4の間隔(以下「間隔P2」)が、1.0〔mm〕より大きく3.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。間隔P2が1.0〔mm〕以下の場合は、入射された光が過度に減衰してしまい黒色に見える程度まで明度が低くなる虞がある(詳細は後述)。さらに、間隔P2が3.0〔mm〕より大きくなると、入射された光を減衰させてグレー色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。
ここで、本実施形態に記載するグレー色に見える中明度領域16とは、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計(NF333)を用いて測定した明度L* の値が、一例として10以上20以下の領域である。また、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の他の領域20(突起が形成されていない領域)については、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計(NF333)を用いて測定した明度L* の値が、一例として20より大きい領域である。つまり、グレー色に見える中明度領域16とは、タイヤ1の外面において、相対的に明度が中程度の領域である。
(作用、効果)
次に、第3実施形態に係るタイヤ1の装飾部14及びパターン領域Kによる作用効果について説明する。
タイヤサイド部1dの装飾部14の低明度領域18では、低明度領域18に形成された第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36へ入射する光は、図10(A)に示す側面34D、36Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面34D、36D間で反射を繰り返しながら減衰して、外側に反射される。
また、タイヤサイド部1dの装飾部14の中明度領域16では、中明度領域16に形成された第一アスタリスク突起44及び第二アスタリスク突起46へ入射する光は、図10(B)に示す側面44D、46Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面44D、46D間で反射を繰り返しながら減衰して、外側に反射される。
さらに、タイヤサイド部1dの突起が形成されていない他の領域20では、他の領域20に入射した光は、他の領域20を構成する外面によって外側に反射される。
ここで、低明度領域18に形成されている第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36の間隔P1は、0.1〔mm〕以上1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。これに対して、中明度領域16に形成されている第一アスタリスク突起44及び第二アスタリスク突起46の間隔P1は、1.0〔mm〕より大きく3.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。つまり、中明度領域16に形成されている突起の密度は、低明度領域18に形成されている突起の密度と比して、低くされている。
さらに、夫々の突起の頂角が同様であるため、中明度領域16のベース面30が単位面積当たりに占める割合は、低明度領域18のベース面30が単位面積当たりに占める割合と比して大きくなる。
これにより、中明度領域16において外側に反射される光の量は、低明度領域18において外側に反射される光の量と比して多くなる。さらに、中明度領域16において外側に反射される光の量は、突起が形成されていない他の領域20において外側に反射される光の量と比して少なくなる。つまり、低明度領域18、中明度領域16、及び他の領域20は、この順番で明度L*が高くなる。
このため、低明度領域18が、他の領域と比して相対的に黒色に見え、他の領域20が
、他の領域と比して相対的に白色に見え、中明度領域16が、他の領域と比して相対的にグレー色に見える。
このように、第一アスタリスク突起44及び第二アスタリスク突起46の間隔P2を、1.0〔mm〕より大きく3.0〔mm〕以下とすることで、他の領域20の明度と比して低くし、かつ、低明度領域18の明度と比して高くなり、グレー色に見える中明度領域16が形成される。これにより、タイヤ1において突起が形成されている領域を有する装飾部14の表現の幅を広げることができるである(手法を増やすことができる)。
また、第一アスタリスク突起44の夫々の延出部44Eは、異なる方向に延出されており、第二アスタリスク突起46の夫々の延出部46Eは、異なる方向に延出されている。これにより、中明度領域16に対して視認する角度を変えて中明度領域16を見た場合でも、見え方が異なるのを抑制することができる。低明度領域18についても同様の作用を奏する。
また、中明度領域16に形成された第一アスタリスク突起44は、夫々異なる方向に延出されると共に6本が中心O3で連結された延出部44Eで構成され、第二アスタリスク突起46は、夫々異なる方向に延出されると共に6本が中心O4で連結された延出部46Eで構成されている。したがって、第一アスタリスク突起44、第二アスタリスク突起46の夫々は、倒れにくくなり、夫々の第一アスタリスク突起44、第二アスタリスク突起46の耐久性を向上させることができる。第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36についても同様の作用を奏する。
また、中明度領域16に近接して低明度領域18が形成されている。これにより、他の領域20と比して相対的に黒色に見える低明度領域18と、他の領域20と比して相対的にグレー色に見える中明度領域16と、低明度領域18と比して相対的に白色に見える他の領域20とが並んでいる。このため、明度L*の段階的な変化(グラデーション効果)を表現することができる。
また、第一アスタリスク突起44と、第二アスタリスク突起46とが、連結部44A、44Bを介して階段状に連結されている。これにより、連結部44A、44Bを介して第一アスタリスク突起44と第二アスタリスク突起46が互いに支え合い、第一アスタリスク突起44及び第二アスタリスク突起46の倒れ込みが抑制され、耐久性を向上させることができる。
以下、図13~図21を参照しつつ、本発明の第4実施形態に係るタイヤ1について説明する。
第4実施形態のタイヤ1において、タイヤ1は、装飾部14にパターン領域Kを複数備えており、複数のパターン領域Kは、第一のパターン領域Kと第二のパターン領域Kとを含み、第一のパターン領域Kには、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第一突起Qが複数形成されており、第二のパターン領域Kには、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第二突起Qが複数形成されており、夫々の第一突起Qの間隔と夫々の第二突起Qの間隔とが同様とされ、第一突起Qの突出高さと第二突起Qの突出高さとが異なっている。
図13に示されるように、タイヤ1のタイヤサイド部1dには、装飾部14が形成されている。装飾部14は、タイヤ1の軸方向から見て、円弧状とされ、タイヤ中心軸CEを挟んで対称位置の2カ所に配置されている。さらに、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の領域で、突起等が形成されていない他の領域122に対して凹んだベース面30が、装飾部14に形成されている。このベース面30は、装飾部14の底面を構成すると共にタイヤ周方向から見て、タイヤ1の幅方向の外側に凸を成す湾曲面状とされている。本実施形態では、ベース面30は、他の領域122に対して0.4〔mm〕凹んでいる。
さらに、装飾部14には、他の領域122に対して明度が低く、黒色に見える第一低明度領域116(K)、第二低明度領域118(K)、及び第三低明度領域120(K)が形成されている。換言すると、第一低明度領域116、第二低明度領域118、及び第三低明度領域120とによって、装飾部14が形成されている。第一低明度領域116は、第一のパターン領域(パターン領域)Kの一例であって、第二低明度領域118は、第二のパターン領域(パターン領域)Kの一例であって、第三低明度領域120は、第三のパターン領域(パターン領域)Kの一例である。
そして、図14に示されるように、第一低明度領域116は、タイヤ周方向に延びており、第二低明度領域118は、タイヤ周方向において第一低明度領域116の両端側に夫々配置されている。さらに、第三低明度領域120は、第二低明度領域118を挟んで第一低明度領域116の反対側に夫々配置されている。このように、第一低明度領域116と第二低明度領域118とは近接して配置されており、第二低明度領域118と第三低明度領域120とは近接して配置されている。
なお、タイヤ1を成形するためのタイヤ成形用金型において、第一低明度領域116、第二低明度領域118、及び第三低明度領域120に対応する部分に凹凸を設けることによって、第一低明度領域116、第二低明度領域118、及び第三低明度領域120が形成される。また、第一低明度領域116、第二低明度領域118、及び第三低明度領域120は、タイヤ最大幅位置(例えば、タイヤサイド部間の直線距離の最大部分)よりもタイヤ径方向の外側に配置されることが、車両にタイヤ1を装着した状態での視認性の観点から好ましい。
(第一低明度領域116)
第一低明度領域116は、図16に示されるように、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(以下、アスタリスク突起)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起134(Q)と、複数の第二アスタリスク突起136(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起134と、第二アスタリスク突起136とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起134、及び第二アスタリスク突起136は、第一突起(突起)Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起134〕
第一アスタリスク突起134は、図15に示されるように、ベース面30に対して直交する方向(タイヤ1の回転軸方向)から見て、基点としての中心1O1から夫々異なる方向へ延出された第一延出部135A-1、135A-2、第二延出部135B-1、135B-2、及び第三延出部135C-1、135C-2で構成されている。以下、これらの6本の延出部を、まとめて「延出部134E」と称する。一の延出部134Eと他の延出部134E(中心1O1から互いに逆向きに延出されているもの同士を除く)とで、中心1O1において屈曲された線形状が構成されている。
第一延出部135A-1と第一延出部135A-2とは、中心1O1から互いに逆方向に延出され、第一延出部135A-1と第一延出部135A-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第一延出部135A-1は、中心1O1からタイヤ径方向の外側に延び、第一延出部135A-2は、中心1O1からタイヤ径方向の内側に延びている。そして、第一延出部135A-1と第一延出部135A-2とは同様の長さとされている。以下、第一延出部135A-1と第一延出部135A-2を、まとめて「第一延出部135A」と称する。
第二延出部135B-1と第二延出部135B-2とは、中心1O1から互いに逆方向に延出され、第二延出部135B-1と第二延出部135B-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第二延出部135B-1及び第二延出部135B-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の外側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第二延出部135B-1は、中心1O1からタイヤ周方向の一方側に延び、第二延出部135B-2は、中心1O1からタイヤ周方向の他方側に延びている。そして、第二延出部135B-1は、第二延出部135B-2と比して長くされている。さらに、第二延出部135B-2の先端側の部分は、タイヤ径方向の内側に湾曲している。以下、第二延出部135B-1と第二延出部135B-2を、まとめて「第二延出部135B」と称する。
第三延出部135C-1と第三延出部135C-2とは、中心1O1から互いに逆方向に延出され、第三延出部135C-1と第三延出部135C-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第三延出部135C-1及び第三延出部135C-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の内側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第三延出部135C-1は、中心1O1からタイヤ周方向の他方側に延び、第三延出部135C-2は、中心1O1からタイヤ周方向の一方側に延びている。そして、第三延出部135C-1は、第三延出部135C-2と比して短くされている。以下、第三延出部135C-1と第三延出部135C-2を、まとめて「第三延出部135C」と称する。
6本の延出部134Eは、隣り合う延出部134Eと、夫々60°の角度を成している。第一アスタリスク突起134は、換言すると、中心1O1から6本の延出部134Eが放射状に延出された形状となっている。
図21(A)に示されるように、第一アスタリスク突起134の延出部134Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面134Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起134は、頂面134Cと、一対の側面134Dとを有している。本実施形態では、頂面134Cの幅(図中1W1)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起134の頂角(図中1D1)は、26〔度〕とされている。また、第一アスタリスク突起134の高さ(図中1H1)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされており、本実施形態では、一例とて0.35〔mm〕とされている。突起の高さが0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難になり、かつ、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。さらに、突起の高さを1.0〔mm〕以下とすることで、突起の部分の剛性と突起の周辺の部分の剛性との差を小さくし、局部的な応力集中を抑制させるようになっている。
なお、本実施形態における突起の高さ及び後述する突起の間隔(ピッチ)等の寸法については、一例として、株式会社キーエンスのワンショット3D形状測定機VR-3000シリーズを用いて測定することができる。
〔第二アスタリスク突起136〕
第二アスタリスク突起136は、図15に示されるように、第一アスタリスク突起134と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起136は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心1O1を中心にして第一アスタリスク突起134を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心1O1を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起134の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起136において、第一アスタリスク突起134の第一延出部135A-1、135A-2、第二延出部135B-1、135B-2、第三延出部135C-1、135C-2、及び中心1O1に対応する部分を、第一延出部137A-1、137A-2、第二延出部137B-1、137B-2、第三延出部137C-1、137C-2、及び中心1O2と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部136E」称する。
これにより、第二アスタリスク突起136の高さは、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされており、本実施形態では、一例とて0.35〔mm〕とされている。つまり、第一アスタリスク突起134の高さと第二アスタリスク突起136の高さは、同様の値で、0.35〔mm〕とされている。
また、第二アスタリスク突起136において、第一アスタリスク突起134の頂面134Cに対応する部分を、頂面136Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起136において、第一アスタリスク突起134の側面134Dに対応する部分を、側面136Dと称する(図21(A)参照)。
〔その他〕
図15、図16に示されるように、第一アスタリスク突起134と、第二アスタリスク突起136とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、第一低明度領域116の全体を埋めている(図14参照)。
そして、第一アスタリスク突起134の第一延出部135A-1、135A-2の夫々の先端は、タイヤ径方向で隣り合う第二アスタリスク突起136の第二延出部137B-2と第三延出部137C-1の間、第二延出部137B-1と第三延出部137C-2の間に夫々挿入されている。また、第二アスタリスク突起136の第一延出部137A-1、137A-2の夫々の先端は、タイヤ周方向に隣り合う第一アスタリスク突起134の第二延出部135B-1と第三延出部135C-2の間、第二延出部135B-2と第三延出部135C-1の間に挿入されている。
さらに、第一アスタリスク突起134の第三延出部135C-1の先端と、第一アスタリスク突起134に対してタイヤ径方向の外側に配置された第二アスタリスク突起136の第二延出部137B-1の先端とは連結されている。これにより、連結部134Aが形成されている。また、第一アスタリスク突起134の第二延出部135B-1の先端と、第一アスタリスク突起134に対してタイヤ周方向の一方側に配置された第二アスタリスク突起136の第三延出部137C-1の先端とは連結されている。これにより、連結部134Bが形成されている。
この構成において、第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136とは、タイヤ径方向の内側から外側に向かって、連結部134A、134Bを介して階段状に連結されている。
また、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136において、中心1O1と中心1O2との間隔(以下「間隔1P1」)は、0.1〔mm〕以上1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。間隔1P1が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難となる。さらに、間隔1P1が1.0〔mm〕より大きくなると、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。
ここで、本実施形態に記載する黒色に見える第一低明度領域116とは、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計(NF333)を用いて測定した明度L* の値が、一例として10未満の領域である。本実施形態では、第一低明度領域116の明度L*の値は、この測定器具を用いて4と測定された。
(第二低明度領域118)
第二低明度領域118は、図17、図18に示されるように、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(アスタリスク突起)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起144(Q)と、複数の第二アスタリスク突起146(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起144と、第二アスタリスク突起146とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起144、及び第二アスタリスク突起146は、第二突起(突起)Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起144〕
第一アスタリスク突起144については、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134(図15参照)と異なる部分を主に説明する。
図17に示されるように、第一アスタリスク突起144は、ベース面30に対して直交する方向から見て、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134(図15参照)と同様の形状とされている。第一アスタリスク突起144において、第一アスタリスク突起134の第一延出部135A-1、135A-2、第二延出部135B-1、135B-2、第三延出部135C-1、135C-2、及び中心1O1に対応する部分を、第一延出部145A-1、145A-2、第二延出部145B-1、145B-2、第三延出部145C-1、145C-2、及び中心1O3と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部144E」称する。
図21(B)に示されるように、第一アスタリスク突起144の延出部144Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面144Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起144は、頂面144Cと、一対の側面1441Dとを有している。本実施形態では、頂面144Cの幅(図中1W2)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起144の頂角(図中1D2)は、26〔度〕とされている。さらに、第一アスタリスク突起144の高さ(図中1H2)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。本実施形態では、一例とて0.28〔mm〕とされている。つまり、第一アスタリスク突起144の高さ(突出高さ)は、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134の高さと比して低くされている。
〔第二アスタリスク突起146〕
図17に示されるように、第二アスタリスク突起146は、第一アスタリスク突起144と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起146は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心1O3を中心にして第一アスタリスク突起144を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心1O3を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起144の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起146において、第一アスタリスク突起144の第一延出部145A-1、145A-2、第二延出部145B-1、145B-2、第三延出部145C-1、145C-2、及び中心1O3に対応する部分を、第一延出部147A-1、147A-2、第二延出部147B-1、147B-2、第三延出部147C-1、147C-2、及び中心1O4と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部146E」称する。
また、第二アスタリスク突起146において、第一アスタリスク突起144の頂面144Cに対応する部分を、頂面146Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起146において、第一アスタリスク突起144の側面144Dに対応する部分を、側面146Dと称する(図21(B)参照)。
そして、第二アスタリスク突起146の高さは、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされており、本実施形態では、一例とて0.28〔mm〕とされている。つまり、第一アスタリスク突起144の高さと第二アスタリスク突起146の高さとは、同様の値で、0.28〔mm〕とされている。
〔その他〕
図18に示されるように、第一アスタリスク突起144と、第二アスタリスク突起146とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、第二低明度領域118(図14参照)の全体を埋めている。そして、第一アスタリスク突起144と第二アスタリスク突起146とは、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136と同様に、連結されている。
また、図17に示されるように、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起144と第二アスタリスク突起146において、中心1O3と中心1O4の間隔(以下「間隔1P2」)が、1.0〔mm〕より大きく3.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。本実施形態では、中心1O3と中心1O4の間隔1P2は、第一低明度領域116における中心1O1と中心1O2の間隔1P1と同様の値とされている。
本実施形態では、第一低明度領域116の明度L*の値は、前述した測定器具を用いて6と測定された。
(第三低明度領域120)
第三低明度領域120は、図19、図20に示されるように、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(アスタリスク突起)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起154(Q)と、複数の第二アスタリスク突起156(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起154と、第二アスタリスク突起156とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起154、及び第二アスタリスク突起156は、第三突起(突起)Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起154〕
第一アスタリスク突起154については、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134(図15参照)と異なる部分を主に説明する。
図19に示されるように、第一アスタリスク突起154は、ベース面30に対して直交する方向から見て、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134(図15参照)と同様の形状とされている。第一アスタリスク突起154において、第一アスタリスク突起134の第一延出部135A-1、135A-2、第二延出部135B-1、135B-2、第三延出部135C-1、135C-2、及び中心1O1に対応する部分を、第一延出部155A-1、155A-2、第二延出部155B-1、155B-2、第三延出部155C-1、155C-2、及び中心1O5と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部154E」称する。
図21(C)に示されるように、第一アスタリスク突起154の延出部154Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面154Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起154は、頂面154Cと、一対の側面154Dとを有している。本実施形態では、頂面154Cの幅(図中1W3)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起154の頂角(図中1D3)は、26〔度〕とされている。さらに、第一アスタリスク突起154の高さ(図中1H3)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。本実施形態では、一例とて0.2〔mm〕とされている。つまり、第一アスタリスク突起154の高さは、第二低明度領域118の第一アスタリスク突起144の高さと比して低くされている。
〔第二アスタリスク突起156〕
図19に示されるように、第二アスタリスク突起156は、第一アスタリスク突起154と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起156は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心1O5を中心にして第一アスタリスク突起154を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心1O5を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起154の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起156において、第一アスタリスク突起154の第一延出部155A-1、155A-2、第二延出部155B-1、155B-2、第三延出部155C-1、155C-2、及び中心1O5に対応する部分を、第一延出部157A-1、157A-2、第二延出部157B-1、157B-2、第三延出部157C-1、157C-2、及び中心1O6と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部156E」称する。
また、第二アスタリスク突起156において、第一アスタリスク突起154の頂面154Cに対応する部分を、頂面156Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起156において、第一アスタリスク突起154の側面154Dに対応する部分を、側面156Dと称する(図21(C)参照)。
そして、第二アスタリスク突起156の高さは、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされており、本実施形態では、一例とて0.2〔mm〕とされている。つまり、第一アスタリスク突起154の高さと第二アスタリスク突起156の高さは、同様の値で、0.2〔mm〕とされている。
〔その他〕
図20に示されるように、第一アスタリスク突起154と、第二アスタリスク突起156とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、第三低明度領域120(図14参照)の全体を埋めている。そして、第一アスタリスク突起154と第二アスタリスク突起156とは、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136と同様に、連結されている。
また、図19に示されるように、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起154と第二アスタリスク突起156において、中心1O5と中心1O6の間隔(以下「間隔1P3」)が、1.0〔mm〕より大きく3.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。本実施形態では、中心1O5と中心1O6の間隔1P3は、第一低明度領域116における中心1O1と中心1O2の間隔1P1と同様の値とされている。つまり、第一低明度領域116における第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136との間隔1P1、第二低明度領域118における第一アスタリスク突起144と第二アスタリスク突起146との間隔1P2、及び第三低明度領域120における第一アスタリスク突起154と第二アスタリスク突起156との間隔1P3は、同様の値とされている。
本実施形態では、第三低明度領域120の明度L*の値は、前述した測定器具を用いて9と測定された。また、突起が形成されていない他の領域122の明度L* の値は、前述した測定器具を用いて24と測定された。
(作用、効果)
次に、第4実施形態に係るタイヤ1の装飾部14及びパターン領域Kによる作用効果について説明する。
タイヤサイド部1dの装飾部14の第一低明度領域116では、第一低明度領域116に形成された第一アスタリスク突起134及び第二アスタリスク突起136へ入射する光は、図21(A)に示す側面134D、136Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面134D、136D間で反射を繰り返しながら減衰して、外側に反射される
また、タイヤ周方向において第一低明度領域116の両端側に夫々配置された第二低明度領域118では、第二低明度領域118に形成された第一アスタリスク突起144及び第二アスタリスク突起146へ入射する光は、側面144D、146Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面144D、146D間で反射を繰り返しながら減衰して、外側に反射される。
さらに、タイヤ周方向において第二低明度領域118の両端側に夫々配置された第三低明度領域120では、第三低明度領域120に形成された第一アスタリスク突起154及び第二アスタリスク突起156へ入射する光は、側面154D、156Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面154D、156D間で反射を繰り返しながら減衰して、外側に反射される。
さらに、タイヤサイド部1dの突起が形成されていない他の領域122では、他の領域122に入射した光は、他の領域122を構成する外面によって外側に反射される。
ここで、第一低明度領域116における第一アスタリスク突起134と第二アスタリスク突起136との間隔1P1、第二低明度領域118における第一アスタリスク突起144と第二アスタリスク突起146との間隔1P2、及び第三低明度領域120における第一アスタリスク突起154と第二アスタリスク突起156との間隔1P3は、同様の値とされている。つまり、第一低明度領域116に形成されている突起の密度、第二低明度領域118に形成されている突起の密度、及び第三低明度領域120に形成されている突起の密度は、同様の値となっている。
さらに、第一低明度領域116の第一アスタリスク突起134の高さと第二アスタリスク突起136の高さは、同様の値で、0.135〔mm〕とされている。また、第二低明度領域118の第一アスタリスク突起144の高さと第二アスタリスク突起146の高さは、同様の値で、0.28〔mm〕とされている。さらに、第三低明度領域120の第一アスタリスク突起154の高さと第二アスタリスク突起156の高さは、同様の値で、0.2〔mm〕とされている。つまり、第一低明度領域116の突起、第二低明度領域118の突起、及び第三低明度領域120の突起は、この順番で高さが低くなっている。
また、夫々の突起の頂角が同様であるため、第一低明度領域116のベース面30が単位面積当たりに占める割合、第二低明度領域118のベース面30が単位面積当たりに占める割合、及び第三低明度領域120のベース面30が単位面積当たりに占める割合が、この順番で大きくなる。
これにより、第一低明度領域116において外側に反射される光の量は、第二低明度領域118において外側に反射される光の量と比して少なくなる。さらに、第二低明度領域118において外側に反射される光の量は、第三低明度領域120において外側に反射される光の量と比して少なくなる。
このため、第三低明度領域120、第二低明度領域118、及び第一低明度領域116が、この順番で明度L*が低くなっている。つまり、第一低明度領域116は、第二低明度領域118と比して相対的に黒色に見え、第二低明度領域118は、第三低明度領域120と比して相対的に黒色に見える。
このように、突起の高さを変えることで、突起が形成された装飾部14を全体に亘って同様の明度L*とする場合と比して、突起が形成されている領域を有する装飾部14を表現するための幅を広げることができる(手法を増やすことができる)。
また、装置周方向(一方向の一例)に並ぶ第三低明度領域120、第二低明度領域118、及び第一低明度領域116については、この順番で明度を低くすることで、明度の段階的な変化(グラデーション効果)を表現することができる。
また、第一アスタリスク突起134の夫々の延出部134Eは、異なる方向に延出されており、第二アスタリスク突起136の夫々の延出部136Eは、異なる方向に延出されている。これにより、反射光の集中が抑制され、第一低明度領域116に対して視認する角度を変えて第一低明度領域116を見た場合でも、見え方が異なるのを抑制することができる。さらに、第一アスタリスク突起134、第二アスタリスク突起136の夫々は、倒れにくくなり、夫々の第一アスタリスク突起134、第二アスタリスク突起136の耐久性を向上させることができる。第二低明度領域118、及び第三低明度領域120においても同様の作用を奏する。
さらに、第一アスタリスク突起134、144、154と、第二アスタリスク突起136、146、156とが、連結部134A、144A、154A及び連結部134B、144B、154Bを介して連結されている。これにより、夫々の連結部を介して第一アスタリスク突起134、144、154と第二アスタリスク突起136、146、156とが互いに支え合い、第一アスタリスク突起134、144、154及び第二アスタリスク突起136、146、156の倒れ込みが抑制され、耐久性を向上させることができる。
以下、図22~図26を参照しつつ、本発明の第5実施形態に係るタイヤ1について説明する。
第5実施形態のタイヤ1において、装飾部14に設けられた1つ又は複数のパターン領域Kは、第一のパターン領域Kを含み、第一のパターン領域Kには、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起Qが複数形成されており、少なくとも第一のパターン領域Kでは、複数の第一突起Qが、ベース面30に垂直な法線に対して一方向に傾斜している。
図22(A)に示されるように、タイヤ1のタイヤサイド部1dには、タイヤ1の軸方向から見て、タイヤ最大幅位置Wmaxをタイヤ径方向に跨り、かつタイヤ周方向に連続した円環状の装飾部14が形成されている。
さらに、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の領域で、後述する突起等が形成されていない他の領域220に対して一定の寸法で凹んだ平滑なベース面30が、装飾部14に形成されている。本実施形成では、ベース面30は、タイヤサイド部1dの他の領域220に対して0.45〔mm〕凹んでいる。なお、本実施形態のベース面30は、他の領域220と同様の表面粗さとされている。
(第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218B)
さらに、装飾部14には、他の領域220に比して明度が低く、黒色に見える第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bがタイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に形成されている。第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bは、パターン領域の一例である。なお、本実施形態の第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bは、平面視で矩形状とされている。
なお、タイヤ1を成形するためのタイヤ成形用金型において、第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bに対応する部分に凹凸を設けることによって、第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bが形成される。
以下に代表して第1低明度領域218Aについて説明する。
図23~図24に示すように、第1低明度領域218Aは、ベース面30から突出した複数の第一アスタリスク突起234と、複数の第二アスタリスク突起236とを有している。そして、第一アスタリスク突起234と、第二アスタリスク突起236とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起234、及び第二アスタリスク突起236は、突起の一例である。
〔第一アスタリスク突起234〕
図24に示すように、第一アスタリスク突起234は、ベース面30に対して直交する方向(タイヤ1の回転軸方向)から見て、基点としての中心2O1から夫々異なる方向へ延出された第一延出部235A-1、235A-2、第二延出部235B-1、235B-2、及び第三延出部235C-1、235C-2で構成されている。以下、これらの6本の延出部を、まとめて「延出部234E」と称する。そして、一の延出部234Eと他の延出部234E(中心2O1から互いに逆向きに延出されているもの同士を除く)とで、中心2O1において屈曲された線形状が構成されている。
第一延出部235A-1と第一延出部235A-2とは、中心2O1から互いに逆方向に延出され、第一延出部235A-1と第一延出部235A-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第一延出部235A-1は、中心2O1からタイヤ径方向の外側に延び、第一延出部235A-2は、中心2O1からタイヤ径方向の内側に延びている。そして、第一延出部235A-1と第一延出部235A-2とは同様の長さとされている。以下、第一延出部235A-1と第一延出部235A-2とを、まとめて「第一延出部235A」と称する。
第二延出部235B-1と第二延出部235B-2とは、中心2O1から互いに逆方向に延出され、第二延出部235B-1と第二延出部235B-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第二延出部235B-1及び第二延出部235B-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の外側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第二延出部235B-1は、中心2O1からタイヤ周方向の一方側に延び、第二延出部235B-2は、中心2O1からタイヤ周方向の他方側に延びている。そして、第二延出部235B-1は、第二延出部235B-2と比して長くされている。さらに、第二延出部235B-2の先端側の部分は、タイヤ径方向の内側に湾曲している。以下、第二延出部235B-1と第二延出部235B-2とを、まとめて「第二延出部235B」と称する。
第三延出部235C-1と第三延出部235C-2とは、中心2O1から互いに逆方向に延出され、第三延出部235C-1と第三延出部235C-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第三延出部235C-1及び第三延出部235C-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の内側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第三延出部235C-1は、中心2O1からタイヤ周方向の他方側に延び、第三延出部235C-2は、中心2O1からタイヤ周方向の一方側に延びている。そして、第三延出部235C-1は、第三延出部235C-2と比して短くされている。以下、第三延出部235C-1と第三延出部235C-2とを、まとめて「第三延出部235C」と称する。
6本の延出部234Eは、隣り合う延出部234Eと、夫々60°の角度を成している。第一アスタリスク突起234は、換言すると、中心2O1から6本の延出部234Eが放射状に延出された形状となっている。
図25には、代表して第一アスタリスク突起234の延出部234Eの内の、タイヤ径方向一方に沿って延びる第一延出部235A-1のタイヤ周方向断面が示されている。図25に示されるように、第一延出部235A-1において、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面234Cを有する三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起234は、頂面234Cと、一対の側面234Dとを有している。本実施形態では、延出部234Eの頂面234Cの幅(図中2W1)は、0.02〔mm〕とされ、延出部234Eの頂角(図中2D1)は、26〔度〕とされている。
また、ベース面30から計測する第一アスタリスク突起234の高さ(図中2H1)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。突起の高さ(突出高さ)が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難になり、かつ、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。さらに、突起の高さを1.0〔mm〕以下とすることで、突起の部分の剛性と突起の周辺の部分の剛性との差を小さくし、局部的な応力集中を抑制させるようになっている。
なお、本実施形態における突起の高さ及び後述する突起の間隔(ピッチ)等の寸法については、一例として、株式会社キーエンスのワンショット3D形状測定機VR-3000シリーズを用いて測定することができる。
〔第二アスタリスク突起236〕
図24に示すように、第二アスタリスク突起236は、第一アスタリスク突起234と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起236は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心2O1を中心にして第一アスタリスク突起234を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心2O1を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起234の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起236において、第一アスタリスク突起234の第一延出部235A-1、235A-2、第二延出部235B-1、235B-2、第三延出部235C-1、235C-2、及び中心2O1に対応する部分を、第一延出部237A-1、237A-2、第二延出部237B-1、237B-2、第三延出部237C-1、237C-2、及び中心2O2と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部236E」称する。
なお、第二アスタリスク突起236の高さ2H1、頂角2D1は、第一アスタリスク突起234と同様の規定である。
ここで、本実施形態の装飾部14においては、第一アスタリスク突起234の延出部234E、及び第二アスタリスク突起236の延出部236Eは、全体がタイヤ径方向外側へ傾斜している。
図26には、代表して第二アスタリスク突起236の延出部236Eの内の、タイヤ周方向に沿って延びる第一延出部237A-1のタイヤ径方向断面が示されている。図26に示すように、第一延出部237A-1は、タイヤ径方向外側(矢印2B方向)に傾斜している(ベース面30に対する第一延出部237A-1の幅方向(厚み方向)の中心線2C1の傾斜角度はθ°)。
また、第一延出部237A-1の様にタイヤ周方向に沿って延びる延出部236Eは、図26に示すように延出部236Eのタイヤ径方向外側の側面236D側へ傾斜しているが、第一延出部235A-1の様にタイヤ径方向に沿って延びる延出部234Eは、図25に示すように何れかの側面234D側へは傾斜していない。
図示は省略するが、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びる延出部234Eにおいては、タイヤ径方向外側の側面234D側に傾斜しており、同様に、タイヤ周方向に対して傾斜する方向に延びる延出部236Eにおいては、タイヤ径方向外側の側面236D側に傾斜している。
ちなみに、第一アスタリスク突起234は、全体がタイヤ径方向外側に傾斜しているので、延出部234Eの傾斜角度θは、タイヤ周方向に沿って延びている延出部234Eの傾斜角度θが最も大きく(例えば、30°)、延出部234Eの延びている方向がタイヤ周方向に近づくに従って傾斜角度θが徐々に小さくなり、延出部234Eの延びている方向がタイヤ周方向になると傾斜角度θが零となる(図25参照)。
〔その他〕
図23、図24に示されるように、第一アスタリスク突起234と、第二アスタリスク突起236とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、第1低明度領域218Aの全体を埋めている。
そして、第一アスタリスク突起234の第一延出部235A-1、235A-2の夫々の先端は、タイヤ径方向で隣り合う第二アスタリスク突起236の第二延出部237B-2と第三延出部237C-1の間、第二延出部237B-1と第三延出部237C-2の間に夫々挿入されている。また、第二アスタリスク突起236の第一延出部237A-1、237A-2の夫々の先端は、タイヤ周方向に隣り合う第一アスタリスク突起234の第二延出部235B-1と第三延出部235C-2の間、第二延出部235B-2と第三延出部235C-1の間に挿入されている。
さらに、第一アスタリスク突起234の第三延出部235C-1の先端と、第一アスタリスク突起234に対してタイヤ径方向の外側に配置された第二アスタリスク突起236の第二延出部237B-1の先端とは連結されている。これにより、連結部234Aが形成されている。さらに、第一アスタリスク突起234の第二延出部235B-1の先端と、第一アスタリスク突起234に対してタイヤ周方向の一方側に配置された第二アスタリスク突起236の第三延出部237C-1の先端とは連結されている。これにより、連結部234Bが形成されている。
この構成において、第一アスタリスク突起234と第二アスタリスク突起236とは、タイヤ径方向の内側から外側に向かって、連結部234A、234Bを介して階段状に連結されている。
また、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起234と第二アスタリスク突起236において、中心2O1と中心2O2との間隔(以下「間隔2P1」)は、0.1〔mm〕以上1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。間隔2P1が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難となる。さらに、間隔2P1が1.0〔mm〕より大きくなると、入射された光を減衰させて、タイヤサイド部1dにおける装飾部14以外の他の領域220に比較して黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。
図25、及び図26に示すように、第一アスタリスク突起234の高さ2H1、及び第二アスタリスク突起236の高さ2H1は、各々装飾部14の深さ寸法2D(タイヤサイド部1dの他の領域220の表面からベース面30までの寸法)よりも小さいことが好ましい。言い換えれば、第一アスタリスク突起234、及び第二アスタリスク突起236は、タイヤサイド部1dの他の領域220の表面よりも突出していないことが好ましい。
ここで、本実施形態に記載する黒色に見える第1低明度領域218Aとは、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計を用いて測定した明度Lの値が、一例として10未満の領域であるが、装飾部14以外の他の領域220よりも黒く見えればよく、明度Lの値は10未満でなくてもよい。
一方、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の他の領域220(第一アスタリスク突起234、及び第二アスタリスク突起236が形成されていない領域)については、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計を用いて測定した明度Lの値が、一例として220より大きい領域であるが、明度Lは220以下であってもよい。つまり、黒色に見える第1低明度領域218とは、タイヤ1の外面において、相対的に周囲に比べて明度が低い領域のことである。
なお、第2低明度領域218Bは、第1低明度領域218Aにおける第一アスタリスク突起234、及び第二アスタリスク突起236を、タイヤ径方向内側に傾斜させたものである。言い換えれば、第2低明度領域218Bは、平面視で、第1低明度領域218Aを180°回転させたものであるため、図示、及び詳細な説明は省略する。
(作用、効果)
次に、第5実施形態に係るタイヤ1の装飾部14及びパターン領域Kによる作用効果について説明する。
タイヤサイド部1dの第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236が形成されていない他の領域220では、入射した光は、他の領域220を構成する外面によって外側に反射される。
一方、タイヤサイド部1dの装飾部14に設けられた第1低明度領域218A、及び第1低明度領域218Bでは、第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236へ入射する光が、側面234D及び側面236Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面234D間、及び側面236D間で反射を繰り返しながら減衰してから、外側に反射される。
したがって、第1低明度領域218A、及び第2低明度領域218Bにおいて外側に反射される光の量は、第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236が形成されていない他の領域220において外側に反射される光の量と比して少なくなり、低明度領域218は他の領域220と比して相対的に黒色に見えるようになる。
さらに、第1低明度領域218Aについて、例えば、図26に示すように、延出部236Eの傾斜方向、言い換えれば延出部236Eの中心線2C1の延長線方向から見た場合(視線2E1。符号2Eは目。)と、延出部236Eの傾斜方向とは反対方向から見た場合(視線2E2。符号2Eは目。)、及び第1低明度領域218Aを平面視で見た場合(視線2E3。符号2Eは目)とを比較すると、延出部236Eの傾斜方向とは反対方向に傾斜した方向に反射される光の量、及び第1低明度領域218Aの垂直方向に反射される光の量は、延出部236Eの傾斜方向に反射される光の量に比較して大きい。これは、図26に示す延出部236Eにおいて、視線2E2、2E3に対する図面右側の側面236Dの角度が大きいため、図面右側の側面236Dで目2Eの方向に反射される光の量が多くなるためである。
本実施形態の装飾部14では、第1低明度領域218Aの第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236がタイヤ径方向外側へ傾斜しており、第2低明度領域218Bの第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236がタイヤ径方向内側に配置されているので、例えば、図22(2B)に示すように、タイヤ1の回転軸の上側に位置するタイヤ最大幅位置Wmaxを跨る装飾部14は、タイヤ最大幅位置Wmaxを斜め上方から見下ろした際に、視線2E1の向きと第1低明度領域218Aの第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236の傾斜した方向と近くなる、または一致し、第1低明度領域218Aは、他の領域220、かつ第2低明度領域218Bよりも黒く見え、第1低明度領域218Aと他の領域220との間で大きなコントラストを得ることができる。
言い換えれば、車両に装着したタイヤ1を、例えば、立った状態で斜め下に視線を移動して見下ろした際に、図22(A)に示すように、タイヤサイド部1dの、タイヤ回転軸の上側部分の装飾部14において、第1低明度領域218Aを最も黒色に見せて大きなコントラストを得ることができる。
なお、第一アスタリスク突起234と、第二アスタリスク突起236とが、連結部234A、234Bを介して階段状に連結されている。これにより、連結部234A、234Bを介して第一アスタリスク突起234と第二アスタリスク突起236が互いに支え合い、第一アスタリスク突起234及び第二アスタリスク突起236の倒れ込みが抑制され、耐久性を向上させることができる。
以下、図27~図30を参照しつつ、本発明の第6実施形態に係るタイヤ1について説明する。
第6実施形態のタイヤ1において、装飾部14に設けられた1つ又は複数のパターン領域Kは、第一のパターン領域Kを含み、第一のパターン領域Kには、装飾部14のベース面30から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起Qが複数形成されており、第一のパターン領域Kには、互いに隣接して配置される複数の第一突起Qの高さが漸減する漸減領域が設けられている。
図27(A)に示されるように、タイヤ1のタイヤサイド部1dには、装飾部14が形成されている。本実施形態の装飾部14は、タイヤ1の軸方向から見て、円弧状とされているが、周方向に連続した円環状であってもよい。
さらに、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の領域で、後述する突起等が形成されていない他の領域20に対して一定の寸法で凹んだ平滑なベース面30(図30参照)が、装飾部14に形成されている。本実施形成では、ベース面30は、タイヤサイド部1dの他の領域20に対して0.45〔mm〕凹んでいる(図30参照)。なお、本実施形態のベース面30は、他の領域20と同様の表面粗さとされている。
さらに、装飾部14には、他の領域20に比して明度が低く、黒色に見える低明度領域18(K)が全体的に形成されている。低明度領域18は、パターン領域Kの一例である。
なお、タイヤ1を成形するためのタイヤ成形用金型において、低明度領域18に対応する部分に凹凸を設けることによって、低明度領域18が形成される。低明度領域18は、タイヤサイド部1dに配置されることが、車両にタイヤ1を装着した状態での視認性の観点から好ましい。
(低明度領域18)
図28~図29に示すように、低明度領域18は、ベース面30から突出した複数のアスクリスク状の突起(アスタリスク突起)Qを有しており、具体的には、複数の第一アスタリスク突起34(Q)と、複数の第二アスタリスク突起36(Q)とを有している。そして、第一アスタリスク突起34と、第二アスタリスク突起36とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されている。第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36は、突起Qの一例である。
〔第一アスタリスク突起34〕
図29に示すように、第一アスタリスク突起34は、ベース面30に対して直交する方向(タイヤ1の回転軸方向)から見て、基点としての中心O1から夫々異なる方向へ延出された第一延出部35A-1、35A-2、第二延出部35B-1、35B-2、及び第三延出部35C-1、35C-2で構成されている。以下、これらの6本の延出部を、まとめて「延出部34E」と称する。そして、一の延出部34Eと他の延出部34E(中心O1から互いに逆向きに延出されているもの同士を除く)とで、中心O1において屈曲された線形状が構成されている。
第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第一延出部35A-1は、中心O1からタイヤ径方向の外側に延び、第一延出部35A-2は、中心O1からタイヤ径方向の内側に延びている。そして、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とは同様の長さとされている。以下、第一延出部35A-1と第一延出部35A-2とを、まとめて「第一延出部35A」と称する。
第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第二延出部35B-1及び第二延出部35B-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の外側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第二延出部35B-1は、中心O1からタイヤ周方向の一方側に延び、第二延出部35B-2は、中心O1からタイヤ周方向の他方側に延びている。そして、第二延出部35B-1は、第二延出部35B-2と比して長くされている。さらに、第二延出部35B-2の先端側の部分は、タイヤ径方向の内側に湾曲している。以下、第二延出部35B-1と第二延出部35B-2とを、まとめて「第二延出部35B」と称する。
第三延出部35C-1と第三延出部35C-2とは、中心O1から互いに逆方向に延出され、第三延出部35C-1と第三延出部35C-2とで直線状に連続した形状が構成されている。第三延出部35C-1及び第三延出部35C-2は、タイヤ周方向の一方側(図中左側)の端部が他方側(図中右側)の端部と比して、タイヤ径方向の内側に位置するように、タイヤ周方向に対して傾斜している。
第三延出部35C-1は、中心O1からタイヤ周方向の他方側に延び、第三延出部35C-2は、中心O1からタイヤ周方向の一方側に延びている。そして、第三延出部35C-1は、第三延出部35C-2と比して短くされている。以下、第三延出部35C-1と第三延出部35C-2とを、まとめて「第三延出部35C」と称する。
6本の延出部34Eは、隣り合う延出部34Eと、夫々60°の角度を成している。第一アスタリスク突起34は、換言すると、中心O1から6本の延出部34Eが放射状に延
出された形状となっている。
図30(A)に示されるように、第一アスタリスク突起34の延出部34Eにおいて、延出方向と直交する方向の断面は、平坦な頂面34Cを有する略二等辺三角形状とされている。つまり、第一アスタリスク突起34は、頂面34Cと、一対の側面34Dとを有している。本実施形態では、頂面34Cの幅(図中W1)は、0.02〔mm〕とされ、第一アスタリスク突起34の頂角(図中D1)は、26〔度〕とされている。また、ベース面30から計測する第一アスタリスク突起34の高さ(図中H1)は、0.1〔mm〕以上、1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。突起の高さ(突出高さ)が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難になり、かつ、入射された光を減衰させて黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。さらに、突起の高さを1.0〔mm〕以下とすることで、突起の部分の剛性と突起の周辺の部分の剛性との差を小さくし、局部的な応力集中を抑制させるようになっている。
なお、本実施形態における突起の高さ及び後述する突起の間隔(ピッチ)等の寸法については、一例として、株式会社キーエンスのワンショット3D形状測定機VR-3000シリーズを用いて測定することができる。
〔第二アスタリスク突起36〕
図29に示すように、第二アスタリスク突起36は、第一アスタリスク突起34と同様の形状をしている。具体的には、第二アスタリスク突起36は、ベース面30に対して直交する方向から見て、中心O1を中心にして第一アスタリスク突起34を時計回り方向に90〔度〕回転させ、さらに、中心O1を中心に90〔度〕回転させた第一アスタリスク突起34の上下を反転させた形状である。
第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の第一延出部35A-1、35A-2、第二延出部35B-1、35B-2、第三延出部35C-1、35C-2、及び中心O1に対応する部分を、第一延出部37A-1、37A-2、第二延出部37B-1、37B-2、第三延出部37C-1、37C-2、及び中心O2と称する。以下、前述の6本の延出部を、まとめて「延出部36E」称する。
図30(B)に示すように、第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の頂面34Cに対応する部分を、頂面36Cと称する。さらに、第二アスタリスク突起36において、第一アスタリスク突起34の側面34Dに対応する部分を、側面36Dと称する。なお、第二アスタリスク突起36の高さH1、頂角D1は、第一アスタリスク突起34と同様の規定である。
〔その他〕
図28、図29に示されるように、第一アスタリスク突起34と、第二アスタリスク突起36とは、タイヤ周方向、及びタイヤ径方向に交互に配置されており、低明度領域18の全体を埋めている。
そして、第一アスタリスク突起34の第一延出部35A-1、35A-2の夫々の先端は、タイヤ径方向で隣り合う第二アスタリスク突起36の第二延出部37B-2と第三延出部37C-1の間、第二延出部37B-1と第三延出部37C-2の間に夫々挿入されている。また、第二アスタリスク突起36の第一延出部37A-1、37A-2の夫々の先端は、タイヤ周方向に隣り合う第一アスタリスク突起34の第二延出部35B-1と第三延出部35C-2の間、第二延出部35B-2と第三延出部35C-1の間に挿入されている。
さらに、第一アスタリスク突起34の第三延出部35C-1の先端と、第一アスタリスク突起34に対してタイヤ径方向の外側に配置された第二アスタリスク突起36の第二延出部37B-1の先端とは連結されている。これにより、連結部34Aが形成されている。さらに、第一アスタリスク突起34の第二延出部35B-1の先端と、第一アスタリスク突起34に対してタイヤ周方向の一方側に配置された第二アスタリスク突起36の第三延出部37C-1の先端とは連結されている。これにより、連結部34Bが形成されている。
この構成において、第一アスタリスク突起34と第二アスタリスク突起36とは、タイヤ径方向の内側から外側に向かって、連結部34A、34Bを介して階段状に連結されている。
また、タイヤ径方向及びタイヤ周方向で隣り合う第一アスタリスク突起34と第二アスタリスク突起36において、中心O1と中心O2との間隔(以下「間隔P1」)は、0.1〔mm〕以上1.0〔mm〕以下の予め決められた一の値とされている。間隔P1が0.1〔mm〕未満の場合は、突起の成形が困難となる。さらに、間隔P1が1.0〔mm〕より大きくなると、入射された光を減衰させて、タイヤサイド部1dにおける装飾部14以外の他の領域20に比較して黒色に見える程度まで明度を低くできない虞がある(詳細は後述)。
図30に示すように、第一アスタリスク突起34の高さH1、及び第二アスタリスク突起36の高さH1は、各々装飾部14の深さ寸法D(タイヤサイド部1dの他の領域20の表面からベース面30までの寸法)よりも小さいことが好ましい。言い換えれば、第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36は、タイヤサイド部1dの他の領域20の表面よりも突出していないことが好ましい。
〔グラデーション領域48〕
本実施形態の装飾部14では、低明度領域18の明度を全体的に一様に低くしておらず(即ち、明度の値を一定の値にしていない)、装飾部を表現するための幅を広げるために、黒色から徐々に明るく見えるような明度のグラデーションを一部につけている。以後、低明度領域18において、グラデーションをつけている領域をグラデーション領域48と呼ぶ。図27に示すように、本実施形態の装飾部14には、タイヤ周方向に対して傾斜して延びる帯状のグラデーション領域48が4本設けられている。
図27(B)に示すように、本実施形態の低明度領域18には、グラデーション領域48を設けるために、ベース面30にリブ状の底上げ突起50が設けられている。底上げ突起50は、底上げ部の一例である。底上げ突起50の長手方向に直角な断面形状は、中央の最も高い尾根50Aから幅方向両側に向けて高さが漸減している。言い換えれば、底上げ突起50は、両方の幅方向端部(裾野)50Cから尾根50Aに向けて高さが漸増している。この底上げ突起50において、尾根50Aの片側の部分(幅方向の半分の部分)が、漸増領域の一例である。尾根50Aの両側に位置する斜面50Bは、タイヤ外側に曲率中心を有し、ベース面30に向けて凸となる略円弧形状面に形成されている。言い換えれば、ベース面30に対する斜面50Bの傾斜角度は、幅方向端部(裾野)50Cから尾根50Aに向けて徐々に漸増している。
なお、この図27(B)に示す左側の底上げ突起50の長手方向に直角な断面図、及び右側の低明度領域18のグラデーション領域48の明度を示す拡大平面図においては第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36の記載を省略しており、右側の平面図においては明度の変化のみを表している。
底上げ突起50の高さ3H3は、装飾部14の深さ寸法D(図30(A)参照)よりも小さく、且つ第一アスタリスク突起34の高さH1、及び第二アスタリスク突起36の高さH1(図30参照)よりも小さいことが好ましい。本実施形態の底上げ突起50の高さ3H3は底上げ突起50の長手方向に一定である。なお、底上げ突起50の幅3Wは、特に規定は無いが、図28に示すように、グラデーション領域48の幅方向の1/2の半領域48A(底上げ突起50の幅3Wの1/2の幅)の中に、幅方向(高さの変化する方向)に複数の第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36が配置されればよい。半領域48Aは、漸減領域の一例である。
ここで、本実施形態のグラデーション領域48のベース面30において、尾根50Aから幅方向端部(裾野)50Cまでの斜面50Bの設けられている領域、言い換えれば、グラデーション領域48の幅方向の1/2の半領域48Aが、本発明の一例としての漸減領域に相当している。ベース面30に斜面50Bを設けることで、複数の第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36において、底上げ突起50の表面(斜面50Bの表面)から計測する高さ(見かけの高さ)Hfを、尾根50Aから幅方向端部(裾野)50Cまでの斜面50Bにかけて漸減させている。
ここで、本実施形態に記載する黒色に見える低明度領域18とは、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計を用いて測定した明度Lの値が、一例として10未満の領域であるが、装飾部14以外の他の領域20よりも黒く見えればよく、明度Lの値は10未満でなくてもよい。
一方、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の他の領域20(第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36が形成されていない領域)については、日本電色工業(株)のハンディ型分光色差計を用いて測定した明度Lの値が、一例として20より大きい領域であるが、明度Lは20以下であってもよい。つまり、黒色に見える低明度領域18とは、タイヤ1の外面において、相対的に周囲に比べて明度が低い領域のことである。
(作用、効果)
次に、第6実施形態に係るタイヤ1の装飾部14及びパターン領域Kによる作用効果について説明する。
タイヤサイド部1dの第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36が形成されていない他の領域20では、入射した光は、他の領域20を構成する外面によって外側に反射される。
一方、タイヤサイド部1dの装飾部14に設けられた低明度領域18では、低明度領域18に形成された第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36へ入射する光が、図30(A)に示す側面34Dに当たる。そして、入射した光は、向かい合う側面34D間で反射を繰り返しながら減衰してから、外側に反射される。
したがって、低明度領域18において外側に反射される光の量は、第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36が形成されていない他の領域20において外側に反射される光の量と比して少なくなり、低明度領域18は他の領域20と比して相対的に黒色に見えるようになる。
また、図27、及び図30に示すように、低明度領域18には、複数の第一アスタリスク突起34、及び第二アスタリスク突起36の底上げ突起50の表面から計測する高さHfを変化させるグラデーション領域48が設けられている。グラデーション領域48において相対的に高さHfの高い第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36が形成されている部分では外側に反射される光の量が少なく相対的に黒く見え、相対的に高さHfの低い第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36が形成されている部分では外側に反射される光の量が相対的に多く、相対的に明るく見える。
グラデーション領域48では、底上げ突起50の高さが徐々に変化しているので、底上げ突起50の低い部分から高い部分に向けて徐々に明るくなって見える。即ち、グラデーション領域48において明度に滑らかなグラデーションがつけられることになるので、明度を一定にした場合に比較して、装飾部14を表現するための幅を広げることができる(手法を増やすことができる)。なお、低明度領域18においては、底上げ突起50の尾根50A付近が相対的に明るく目立つようになる。
図29に示すように、第一アスタリスク突起34の夫々の延出部34Eは、異なる方向に延出されており、第二アスタリスク突起36の夫々の延出部36Eは、異なる方向に延出されている。これにより、低明度領域18に対して視認する角度を変えて低明度領域18を見た場合でも、見え方が異なるのを抑制することができる。
また、第一アスタリスク突起34と、第二アスタリスク突起36とが、連結部34A、34Bを介して階段状に連結されている。これにより、連結部34A、34Bを介して第一アスタリスク突起34と第二アスタリスク突起36が互いに支え合い、第一アスタリスク突起34及び第二アスタリスク突起36の倒れ込みが抑制され、耐久性を向上させることができる。
以下、図31~図36を参照しつつ、本発明の第7実施形態に係るタイヤ1について説明する。
第7実施形態のタイヤ1において、装飾部14に設けられた1つ又は複数のパターン領域Kは、第一のパターン領域Kを含み、第一のパターン領域Kには、第一突起Qが隣り合う形態で複数形成され、各第一突起Qは、ベース面30に沿って延び、各第一突起Qは、ベース面30の側を形成する基部と、突出する先端の側を形成する先端部と、を含んで構成され、第一のパターン領域Kには、互いに隣り合う第一突起Qの少なくとも一部が、第一突起Qの長さの方向から見て、互いに重なる重なり部が形成されており、第一のパターン領域Kにおける第一突起Qは、ベース面30から0.1mm以上1.0mm以下の突出高さで突出するとともに、隣り合う第一突起Qのピッチは、0.1mm以上1.0mm以下とされている。
図31に示すように、タイヤ1のタイヤ外面の一例としてのタイヤサイド部1dには、ベース面30を有する装飾部14が形成されている。装飾部14は、タイヤ1の軸方向から見て、円弧状とされ、本実施形態では、タイヤ中心軸CEを挟んで対称位置の2カ所に配置されている。
また、タイヤサイド部1dにおいて装飾部14以外の領域で、突起等が形成されていない他の領域418に対して凹んだベース面30が、装飾部14に形成されている。このベース面30は、装飾部14の底面を構成すると共にタイヤ周方向から見て、タイヤ1の幅方向の外側に凸を成す湾曲面状とされている。本実施形態では、ベース面30は、他の領域418に対して0.4〔mm〕凹んでいる。
さらに、装飾部14には、他の領域418に比して明度が低く、黒色に見える低明度領域となるパターン領域420(K)が形成されている。換言すると、パターン領域420によって装飾部14が形成されている。
そして、図32に示すように、装飾部14に形成されたパターン領域420は、タイヤ周方向に延びており、他の領域418は、タイヤ周方向においてパターン領域420の両端側に夫々配置されている。
なお、タイヤ1を成形するためのタイヤ成形用金型において、パターン領域420に対応する部分に凹凸を設けることによって、低明度領域が形成される。また、パターン領域420は、タイヤ最大幅位置(タイヤサイド部間の直線距離の最大部分)よりもタイヤ径方向の外側に配置されている。これは、車両にタイヤ1を装着した状態でのパターン領域420の視認性を向上させる観点から好ましい。
<要部の構成>
本実施形態の要部の構成を、図32から図36に従って説明する。
[パターン領域]
パターン領域420(K)は、図33及び図34に示すように、装飾部14のベース面30から突出するとともに、ベース面30に沿って延び、ベース面30の側を形成する基部432と、ベース面30から該ベース面に直交する方向に突出して先端の側を形成する先端部434とを含んで構成される突起430(Q)と、を備える。
また、パターン領域420は、図33に示すように、突起430が隣り合う形態で複数形成され、互いに隣り合う突起430の基部432の側が、突起430の長さの方向から見て、互いに重なる状態に形成されている。
パターン領域420は、図32に示すように、装飾部14において、タイヤの回転方向CDに複数の領域4Pに分割されて形成されている。
それぞれの領域4Pには、領域4Pの範囲内において、互いに隣り合う複数の突起430がそれぞれ平行に形成されている。
これにより、パターン領域420は、領域4Pにより区画され、それぞれの領域4Pは、タイヤの中心軸CEを基準に、タイヤの径方向RDに放射状に配置されている。
(突起)
突起430(Q)は、図33から図35に示すように、後述する、基部432と、先端部434と、第一壁部436と、第二壁部438と、を含んで構成されている。
また、突起430は、ベース面30に沿う突起の長さの方向から見て、基部432の側が広く、かつ、先端部434の側が狭い形状を有する。
また、基部432と先端部434とを結ぶ、第一壁部436と、第二壁部438と、を備える。
この突起430は、図33に示すように、ベース面30に沿って、本実施形態では、タイヤの径方向RDに向けて、複数が互いに隣り合って平行に配置されている。
(基部)
基部432は、図34に示すように、突起430のベース面30の側を構成し、突起430の長さの方向から見て、後述する先端部434よりも広く形成されている。
また、ベース面30に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向WDから見て、基部432の側が波状に形成されている。
(先端部)
先端部は、図33、図34に示すように、突起430がベース面30から突出する先端の側を構成し、タイヤの径方向RDに向けて直線状に形成され、基部432と、後述する第一壁部436と第二壁部438とをつないでいる。
(第一壁部)
第一壁部436は、基部432の一方の端部432Aと先端部434に向かって延在して面状に形成されている。
また、第一壁部436は、ベース面30に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向WDから見て、波状に形成されている。
この波状の第一壁部436は、先端部434を基準として、基部432に向けて張り出す山部436Aと、基部432に向けて山部436Aよりへこんでいる谷部436Bと、を含んで構成されている。
具体的には、図35に示すように、山部436Aと谷部436Bは、線4LBの方向に振幅を有して、突起430の長さの方向に周期的に連続している。ここで、線4LBは、第一壁部436において隣り合う谷部436Bを結ぶ線4LAに直交する線である。
(第二壁部)
第二壁部438は、基部432の他方の端部432Bと先端部434に向かって延在して面状に形成されている。
また、第二壁部438は、ベース面30に直交する方向、すなわち、タイヤの幅方向WDから見て、波状に形成されている。
この波状の第二壁部438は、先端部434を基準として、基部432に向けて張り出す山部438Aと、基部432に向けて山部438Aよりへこんでいる谷部438Bと、を含んで構成されている。
具体的には、図35に示すように、山部438Aと谷部438Bは、第一壁部438において隣り合う谷部438Bを結ぶ線4LAに直交する線4LBの方向に、振幅を有して突起430の長さの方向に周期的に連続している。
[隣り合う突起の関係]
上記のとおりの構成を有する突起430は、パターン領域420内において隣り合って形成されているが、隣り合う突起同士の配置関係について説明する。
図35に示すように、一方の突起430(例えば、図面上左側の突起430)と、他方の突起430(例えば、図面上右側の突起430)とが隣り合って平行に配置されている。
本実施形態では、一方の突起430と他方の突起430とは、溝部440によって隔てられて配置されている。
これら隣り合うふたつの突起430は、一方の突起430の第二壁部438の山部438Aと、他方の突起430の第一壁部436の谷部436Bとが、対向する状態で配置されている。
同様に、一方の突起430の第二壁部438の谷部438Bと、他方の突起430の第一壁部436の山部436Aとが、対向する状態で配置されている。
具体的には、一方の突起430の第二壁部438と他方の突起430の第一壁部436は、突起430の長さの方向、すなわち、タイヤの径方向RDに対して、溝部440を挟んで、同じ位相で、例えば同一周期で対向している。
この周期的に対向している、一方の突起430の第二壁部438の山部438Aと、他方の突起430の第一壁部436の山部436Aとは、突起430の長さの方向、すなわち、タイヤの径方向RDからみて、互いに重なる状態に配置されている。
具体的には、図35に示すように、他方の突起430の山部436Aが、一方の突起430の周期的に配置されている山部438A同士を結ぶ線4LCを越えて、一方の突起430の谷部438Bの側に入り込んで、重なり部442が形成される。
これを、突起430の長さの方向から見ると、図36に示すように、一方の突起430の山部438Aと他方の突起430の山部436Aとが互いに重なって、隣り合う突起430の基部432から、一定の幅と一定の高さを有する重なり部442が形成される。
具体的には、隣り合う突起430における重なり部442の高さは、突起430の突出高さ4L1の2分の1から3分の1程度であり、この高さは、突起430の突出高さ4L1と、互いに隣り合う突起430のピッチ4L2と、に依存する。
換言すれば、この重なり部442の一定の幅と一定の高さは、予め定められた幅と予め定められた高さとして設定し、該幅と高さが確保されるように、突起430の突出高さ4L1と、互いに隣り合う突起430のピッチ4L2と、を決定してもよい。
このような構成を有する突起430、及び隣り合う突起430同士の関係は、タイヤの回転方向CDにおける領域4Pの範囲内において、複数繰り返して形成され、これにより、ひとつのパターン領域420が構成されている。
そして、装飾部14に、タイヤの回転方向CDに連続して、複数のパターン領域420が形成されている。
本実施形態においては、パターン領域420における突起430は、ベース面30から0.1mm以上1.0mm以下の突出高さ4L1で突出するとともに、互いに隣り合う突起430のピッチ4L2は、0.1mm以上1.0mm以下とされている。
また、好ましくは、突起430の突出高さ4L1は0.2以上0.8以下であり、互いに隣り合う突起430のピッチ4L2は、0.2mm以上0.8mm以下である。
突起430の突出高さ4L1が、0.1mm未満であると、制作が困難となり、1.0mmを超えると、突起430の倒れや破断が生じる可能性が大きくなり、好ましくない。
また、互いに隣り合う突起430のピッチ4L2が、0.1mm未満であると制作が困難となり、1.0mmを超えると、第一壁部436及び第二壁部438の傾斜が緩やかになり、光が反射して明度を低く維持できなくなって、好ましくない。
なお、本実施形態における突起の高さ及び隣り合う突起同士のピッチ等の寸法については、一例として、株式会社キーエンスのワンショット3D形状測定機VR-3000シリーズを用いて測定することができる。
<要部の作用と効果>
次に、第7実施形態に係るタイヤ1の装飾部14及びパターン領域Kによる作用効果について説明する。
まず、比較例として、装飾部におけるパターン領域において、突起が一直線に形成され、隣り合う突起に重なり部がないものでは、装飾部に入射する光は、突起の長さの方向に一様に通過する。このため、装飾部の明度と、突起が形成されていない他の領域の明度との差は小さく、タイヤにおいて、突起が形成されているパターン領域を有する装飾部の表現の幅を広げることができない。
これに対し、本実施形態では、装飾部14において、パターン領域420に入射する光の一部は、図35、図36に示す重なり部442によって遮られ、突起430の長さの方向、すなわち、タイヤの径方向RDに対して、通過することができない。
すなわち、装飾部14の明度は、突起430が形成されていない他の領域418の明度よりも低い状態となる。
これにより、タイヤ1において、突起430が形成されているパターン領域420を有する装飾部14の表現の幅を広げることができる。
また、図36に示すように、突起430の第一壁部436の山部436A及び第二壁部438の山部438Aは、突起430の長さの方向に対する装飾部14に入射する光が衝突して、その光の一部を通過させない。
また、衝突した光の他の一部は、第一壁部436の山部436A及び第二壁部438の山部438Aの間で反射して減衰されるので、重なり部442の光の遮断機能に加え、装飾部14の明度をより低下させる機能を有する。
本発明に係るタイヤは、任意の種類の空気入りタイヤに好適に利用でき、例えば、乗用車用空気入りタイヤ、トラック・バス用空気入りタイヤ等に好適に利用できる。
1:タイヤ
1M:タイヤ本体、 1a:トレッド部、 1b:サイドウォール部、 1c:ビード部、 1d:タイヤサイド部、 1ds:タイヤサイド部のタイヤ外表面、
2ab:ベース面、
3:補強部材、 3a:補強プライ、 3u:補強部材のタイヤ径方向外端、
4a:ビードコア、 4b:ビードフィラー、 4b1、4b2:ビードフィラー部、 4bu:ビードフィラーのタイヤ径方向外端、
5:カーカス、 5a:カーカスプライ、 5M:プライ本体部、 5T:プライ折返し部、 5e:カーカスのプライ折返し部のタイヤ径方向外端、 6:ベルト、 6a:ベルト層、
7:トレッドゴム、 8:サイドゴム、
9:インナーライナー、
10:通信装置、
10e:RFタグ、
10b:アンテナ部、 10b1、10b2:アンテナ、
10f:被覆部、 10f1、10f2:被覆部材、
10c:ICチップ、
10u:通信装置のタイヤ径方向外端、
10m:通信装置のタイヤ径方向中心、
14:装飾部、
30:ベース面、
Q:突起(第一突起、第二突起、第三突起)、
K:パターン領域(第一のパターン領域、第二のパターン領域、第三のパターン領域)、
CL:タイヤ赤道面、
WD:タイヤ幅方向、 RD:タイヤ径方向、 CD:タイヤ周方向、
LD:通信装置の長手方向、 SD:通信装置の短手方向、 TD:通信装置の厚さ方向

Claims (8)

  1. タイヤサイド部の内部に埋設された、通信装置と、
    前記タイヤサイド部のタイヤ外表面に形成され、ベース面を有する、装飾部と、
    前記装飾部に設けられた、1つ又は複数のパターン領域と、
    を備えた、タイヤであって、
    各前記パターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mm以上で3.0mm以下の間隔の突起が複数形成されており、
    前記タイヤサイド部のタイヤ幅方向の投影面において、前記通信装置の全体が、前記装飾部の内部に位置している、タイヤ。
  2. 前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
    前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に1.0mmよりも大きく3.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されている、請求項1に記載のタイヤ。
  3. 前記タイヤは、前記装飾部に前記パターン領域を複数備えており、
    前記複数のパターン領域は、第一のパターン領域と第二のパターン領域とを含み、
    前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第一突起が複数形成されており、
    前記第二のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の予め決められた値の突出高さで突出すると共に0.1mm以上1.0mm以下の予め決められた値の間隔の第二突起が複数形成されており、
    夫々の前記第一突起の間隔と夫々の前記第二突起の間隔とが同様とされ、前記第一突起
    の突出高さと前記第二突起の突出高さとが異なる、請求項1に記載のタイヤ。
  4. 前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
    前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されており、
    少なくとも前記第一のパターン領域では、複数の前記第一突起が、前記ベース面に垂直な法線に対して一方向に傾斜している、請求項1に記載のタイヤ。
  5. 前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
    前記第一のパターン領域には、前記装飾部の前記ベース面から0.1mm以上で1.0mm以下の突出高さで突出すると共に0.1mmよりも大きく1.0mm以下の間隔の第一突起が複数形成されており、
    前記第一のパターン領域には、互いに隣接して配置される複数の前記第一突起の高さが漸減する漸減領域が設けられている、請求項1に記載のタイヤ。
  6. 前記1つ又は複数のパターン領域は、第一のパターン領域を含み、
    前記第一のパターン領域には、第一突起が隣り合う形態で複数形成され、
    各前記第一突起は、前記ベース面に沿って延び、
    各前記第一突起は、前記ベース面の側を形成する基部と、前記突出する先端の側を形成する先端部と、を含んで構成され、
    前記第一のパターン領域には、互いに隣り合う前記第一突起の少なくとも一部が、前記第一突起の長さの方向から見て、互いに重なる重なり部が形成されており、
    前記第一のパターン領域における前記第一突起は、前記ベース面から0.1mm以上1.0mm以下の突出高さで突出するとともに、前記隣り合う前記第一突起のピッチは、0.1mm以上1.0mm以下とされている、請求項1に記載のタイヤ。
  7. 各前記第一突起は、アスタリスク突起である、請求項2~5のいずれか一項に記載のタイヤ。
  8. 前記通信装置は、RFタグを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のタイヤ。
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