JP2022535043A - インスタントコーヒー粉末 - Google Patents

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ズザナ セディヴァ,
エーリッヒ ジョセフ ウィンダブ,
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ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
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Abstract

本発明は、15%~50%、又は20%~35%、又は25%~34%、又は30~34%、又は約30%の閉鎖気孔率を有するインスタントコーヒー粉末と、インスタントコーヒー粉末を製造するためのガスハイドレートの使用と、インスタントコーヒー粉末を製造する方法と、に関する。【選択図】 なし

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、インスタントコーヒー粉末及びインスタントコーヒー粉末を製造するためのガスハイドレートの使用に関する。
[背景技術]
焙煎して挽いたコーヒーから調製されたコーヒー飲料とは異なり、インスタントコーヒー粉末から調製されたコーヒー飲料は、通常は、お湯で再構成されたときに液面に微細な泡沫(クレマ)を呈さない。
この泡沫は、喫飲時の製品の口当たりに良い影響を与えることが知られており、したがって多くの消費者によって非常に望まれている。更に、泡沫は、飲料内の揮発性アロマをより多く留めるように作用することから、当該揮発性アロマは周囲環境へと拡散されずに消費者によって認識され得る。
焙煎して挽いたコーヒーから調製される飲料のフォームが形成された液面は、典型的には、加圧された水及び/又は蒸気で淹れることによって生じる。しかしながら、インスタントコーヒー粉末の場合、泡沫はインスタントコーヒー粉末を水で再構成することによって生成されなければならない。したがって、泡沫を得るためには、ガスをインスタントコーヒー粉末中に封じ込め、この粉末上にお湯を注ぐことによって放出させる必要がある。
発泡性インスタントコーヒー粉末(foaming instant coffee powder)を調製するための多数の方法が報告されている(例えば、欧州特許第2100514号、同第2689668号、同第2217086号及び米国特許出願公開第2013/0230628号)。しかしながら、多くの発泡性インスタントコーヒー粉末は、最初に生成された泡沫が喫飲時に保たれておらず、又はその構造が消費者により究極的に所望される微細かつ滑らかな泡沫(クレマ)ではなく粗い泡であるという点で、まだ不十分なものである。加えて、生成される泡沫(及び/又はクレマ)が不十分であることが多い。
更に、発泡性インスタントコーヒー粉末を調製するための現在の方法は、典型的には、ガスを粘性液体中に均質化し、凍結乾燥のためにそれらを予め凍結させるために必要な、エネルギーを消費する(energetically demanding)混合ユニット及び凍結ユニットを要する。これらはまた、典型的には、高用量のガス及び長時間のガス供与を必要とする。
したがって、改良された発泡性インスタントコーヒー粉末及び発泡性インスタントコーヒー粉末を製造する改善された方法が求められている。
[発明の概要]
本発明者らは、驚くべきことに、ガスハイドレート(クラスレートハイドレートとしても知られる)が、インスタントコーヒー粉末を製造するために使用することができることを見出した。本発明者らは、驚くべきことに、ガスハイドレートを使用して製造されたインスタントコーヒー粉末が、水で再構成されたときに、その液面に泡沫及び/又はクレマを形成できることを見出した。
本発明者らは、驚くべきことに、インスタントコーヒー粉末の製造にガスハイドレートを使用すると、現在の方法よりも、エネルギーをあまり要しない混合ユニット及び凍結ユニット、低用量のガス、及びより短時間のガス供与しか必要としないことを見出した。例えば、ガスハイドレートの使用により、高粘性のコーヒー溶液(例えば、60~63重量%のコーヒー固形分)をガス化することができる。
本発明者らは、驚くべきことに、COハイドレートを使用すると、水で再構成されたときに液面にクレマを形成するインスタントコーヒー粉末を製造できることを見出した。
したがって、一態様では、本発明は、食品製品をガス化するためのガスハイドレートの使用を提供する。ガスは、空気であってもよく、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含み得る。好ましくは、食品製品はコーヒー及び/又はコーヒー溶液である。
別の態様によれば、本発明は、インスタントコーヒー粉末を製造するためのガスハイドレートの使用を提供する。ガスは、空気であってもよく、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含み得る。
別の態様によれば、本発明は、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを製造する方法であって、
(a)第1のコーヒー溶液を用意する工程と、
(b)当該第1のコーヒー溶液を冷却する工程と、
(c)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを提供するために、当該第1のコーヒー溶液をガスで加圧する工程であって、当該ガスは、空気であり、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含む、加圧する工程と、
を含む。
いくつかの実施形態では、第1のコーヒー溶液は、工程(b)において、-10℃~10℃、若しくは-8℃~7℃、若しくは-5℃~5℃、若しくは約5℃以上に冷却され、及び/又は工程(c)におけるガス圧は、10~300バール、若しくは10~150バール、若しくは10~100バール、若しくは10~50バール、若しくは15~40バール、若しくは15~35バール、若しくは15~30バール(コーヒー溶液中のコーヒー固形分の重量%及びガスの素性(identity)によって異なる)である。いくつかの実施形態では、当該方法は、工程(b)において、第1のコーヒー溶液を、0~5℃、又は約3℃まで冷却する工程と、工程(c)において、第1のコーヒー溶液を、二酸化炭素で、好ましくは15~25バール、又は約20バールまで加圧した後、窒素で、好ましくは30~300バール、30~150バール、30~100バール、30~50バール、30~40バール、又は約35バールまで加圧する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、方法は、コーヒースラリー中にガスハイドレートを分散させる工程を更に含む。
別の態様によれば、本発明は、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを提供し、当該ガスは、空気であり、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含む。コーヒースラリーは、上記の方法によって得ることができる。
いくつかの実施形態では、第1のコーヒー溶液及び/又はコーヒースラリーは、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、又は約30重量%のコーヒー固形分を含む。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、10重量%~50重量%のコーヒー固形分では10mPas~1Pasの粘度を有する。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、10~100mPas、若しくは20~100mPas、若しくは30~65mPas、若しくは約30mPas以上、及び/又は約100mPas以下の粘度を有する。コーヒースラリーの粘度は、工程(a)で用意された第1のコーヒー溶液の粘度よりも高くてもよい。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、好ましくは0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、約1mol/L、若しくは約1.6mol/Lの二酸化炭素、及び/又は好ましくは0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、若しくは約0.05mol/Lの窒素を含む。いくつかの実施形態では、コーヒースラリーにおいて、ハイドレートフラクション中のガス対液体フラクション中のガス比(H:L)は1:1~5:1、好ましくは2:1~3:1である。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、0.5~5mol/Lの二酸化炭素、又は1~5mol/Lの二酸化炭素、又は1~2mol/Lの二酸化炭素、又は約1mol/Lの二酸化炭素、又は約1.6mol/Lの二酸化炭素、及び0.01~0.5mol/Lの窒素、又は0.02~0.1mol/Lの窒素、又は約0.05mol/Lの窒素を含む。いくつかの実施形態では、コーヒースラリーにおいて、ハイドレートフラクション中のガス対液体フラクション中のガスの比(H:L)は1:1~5:1、好ましくは2:1~3:1である。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、0.5~5mol/Lの二酸化炭素、若しくは1~5mol/Lの二酸化炭素、若しくは1~2mol/Lの二酸化炭素、若しくは約1mol/Lの二酸化炭素、若しくは約1.6mol/Lの二酸化炭素、又は0.01~0.5mol/Lの窒素、若しくは0.02~0.1mol/Lの窒素、若しくは約0.05mol/Lの窒素を含む。いくつかの実施形態では、コーヒースラリーにおいて、ハイドレートフラクション中のガス対液体フラクション中のガスの比(H:L)は1:1~5:1、好ましくは2:1~3:1である。
別の態様によれば、本発明は、インスタントコーヒー粉末を製造する方法を提供し、当該方法は、
(a)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを、第2のコーヒー溶液と混合して、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスを提供する工程と、
(b)圧力を解放し、及び/又は当該コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させて、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
(c)好ましくは凍結乾燥によって当該発泡コーヒー溶液を乾燥させて、乾燥コーヒーを提供する工程と、
(d)当該乾燥コーヒーを挽いて、インスタントコーヒー粉末を提供する工程と、を含む。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、上記の方法によって得られる、又は上記のガスハイドレートを含むコーヒースラリーである。
いくつかの実施形態では、第2のコーヒー溶液は、10重量%~70重量%、30重量%~70重量%、50重量%~70重量%、55重量%~65重量%、60重量%~65重量%、又は約60重量%のコーヒー固形分を含む。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、略等圧等温条件下で第2のコーヒー溶液に添加され、好ましくは、略等圧等温条件は、-10℃~10℃、若しくは-8℃~7℃、若しくは-5℃~5℃、若しくは約-5℃以上の温度であり、及び/又は10~300バール、若しくは10~150バール、若しくは10~100バール、若しくは10~50バール、若しくは15~40バール、若しくは15~35バール、若しくは15~30バールのガス圧力(コーヒー溶液中のコーヒー固形分の重量%及びガスの素性によって異なる)である。
いくつかの実施形態では、圧力を解放する工程及び/又はコーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させる工程において、圧力は、1バール~10バール、若しくは5バール~10バールまで解放され、及び/又はコーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度は、-5℃~10℃、若しくは0℃超、又は約5℃、若しくは10℃以上まで上昇する。当該方法は、発泡コーヒー溶液を乾燥させる前に、発泡コーヒー溶液を急速凍結させる追加の工程を含み得る。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、50~500%、又は200~400%、又は250~350%、又は約300%のオーバーランに達する。
別の態様によれば、本発明は、上記の方法で得られたインスタントコーヒー粉末を提供する。
別の態様によれば、本発明は、インスタントコーヒー粉末を提供し、当該粉末は、15%~50%、若しくは20%~35%、若しくは25%~34%、若しくは30%~34%、若しくは約30%の閉鎖気孔率、及び/又は25%~34%、若しくは30~34%、若しくは約30%の発泡性気孔率(foaming porosity)を有する。
いくつかの実施形態では、インスタントコーヒー粉末は、二峰性の閉気孔分布を有する。二峰性気孔分布は、(i)20~100マイクロメートル、又は20~45マイクロメートル、又は約40マイクロメートルの平均径を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満、又は1~20マイクロメートル未満、又は1~18マイクロメートル、又は1~15マイクロメートル、又は1~10マイクロメートル、又は2~5マイクロメートルの平均径を有する気孔と、を含み得る。いくつかの実施形態では、(i)は、全気孔体積の10~99%に寄与し、及び/若しくは(ii)は、全気孔体積の1~90体積%に寄与する、並びに/又は(i)は、全気孔の数の10~90%に寄与し、及び/若しくは(ii)は、全気孔の数の10~90%に寄与する。より大きな気孔は、実質的に開気孔からなっている可能性があり、及び/又はより小さな気孔は、実質的に閉気孔からなっている可能性がある。
インスタント可溶性コーヒー製造の基本的な工程を示すフローチャートである。 スキームは、Bhandari,B.,N.Bansal,M.Zhang,and P.Schuck:Handbook of Food Powders:Processes and Properties.Elsevier Science,2013から採用されている。スケッチは、インスタントコーヒー粉末の処理手順を示している。抽出工程では、挽いたコーヒーを水で固形分20~30重量%まで抽出する。その後、加圧及び高温下で、抽出したコーヒーを、40~50重量%の固形分を有する粘性スラリーへと濃縮する。CO及びNは、通常は、更なる乾燥のために媒体の密度を制御するために添加される(Clarke,2003,Coffee Instant,Encyclopedia of Food Sciences and Nutrition,pp.1493-1498)。本発明は、ガスハイドレートで濃縮コーヒー溶液を発泡させるための方法を提供する。その後、発泡コーヒー溶液を脱水工程で乾燥させる。 コーヒー溶液中のCOの溶解度曲線である。 現在の研究からの、4℃及び10℃での30重量%及び50重量%のコーヒー溶液中のCOの溶解度曲線、並びにWilken,M.,K.Fischer,and I.Meier:Experimental Determination of Carbon Dioxide Solubility in 20mass percent Coffee Aqueous Solution at 80 and 20℃ and Pressures up to 30 bar.Technical report,University Oldenburg,Oldenburg,1999.からの80℃及び120℃での20重量%のコーヒー溶液に関するCOの溶解度曲線。多項式にデータ点を当てはめて、圧力と溶解度との間に正の相関を得た。 コーヒー系に関するガスハイドレートの相図である。 純水-CO及び純粋な25重量%及び50重量%の糖水溶液モデル-CO系に関する熱力学モデルと比較したCOハイドレートコーヒー系に関する相図。Tサイクル加熱/冷却法及び高圧DSC法(30重量%のコーヒー溶液で実施)による実験的なガス水和点は、純水と25重量%糖溶液との間にある。したがって、25重量%の糖溶液は、30重量%のコーヒー溶液に関するモデル系として機能することができる。 コーヒー系に関するガスハイドレートの相図である。 (b)Kang,S.P.,et al.,2001.The Journal of Chemical Thermodynamics,33(5),pp.513-521からのCO/N水相図。グラフ中の数字は、CO組成比を意味している。 ガスハイドレートを含まないコーヒー溶液のレオロジー特性である。 (a)では、剪断速度に対する粘度の流動曲線プロファイルにより、30重量%、40重量%、50重量%及び60重量%のコーヒー溶液のニュートン挙動を示している。下方剪断速度勾配のみが示されている。 ガスハイドレートを含まないコーヒー溶液のレオロジー特性である。(b)では、30重量%、40重量%、50重量%及び60重量%のコーヒー溶液の、温度に対する粘度依存性が示されている。下方傾斜のみが描かれている。上方傾斜は、プロットされたものに類似ていた。 異なる送り込み試験のための発泡性媒体の調製実験から得られた高圧CLAG(クラスレートハイドレートスラリー発生器)反応器処理変数である。 コーヒースラリー発生プロセス変数。経時的な粘度、密度、圧力及び温度。COを含有するガスハイドレート(説明のためCOHにより標識)と、CO及びNを含有するガスハイドレート(説明のためCO:N=0.54により標識)、並びにガスで飽和させたコーヒー溶液(CO溶存及びN溶存と標識)を含むコーヒースラリーを、CLAG反応器中で形成した。 全ての実験は、30重量%のコーヒー溶液から形成した。誘導時間(ガスハイドレートの第1の出現)を時間軸上に標識した。略語dissは溶存を表し、Hはハイドレートを表している。 コーヒースラリーの送り込み中の処理可変プロファイルである。 コーヒースラリーの送り込み中の処理可変プロファイルである。 (a)における30%コーヒーCOハイドレートスラリーの送り込み(transfer)中の操作変数プロファイルを、(b)における60重量%コーヒー濃縮物中に送り込んだ30重量%コーヒースラリー中の溶存窒素と比較した。ループからの材料がEGLIラインに供与されると、ループにおける圧力は減少する。 ループ:CLAG側流(すなわち、コーヒースラリー)を指している。メイン:EGLI、主流を指している。Tin=入口温度Tin=Tloop、すなわち等温での送り込み、T>0℃。T=表面かき取り式熱交換器1と2との間の温度。Tout=出口温度 再構成された挽いて篩にかけたインスタントコーヒー粉末及びそれらの特性である。 再構成された挽いて篩にかけたインスタントコーヒー粉末及びそれらの特性である。 (a)30重量%のコーヒーCOハイドレートスラリーの送り込みによって作製された試料、及び(b)0.54のCO/N比及び0.48のCO:N比を有する30重量%のコーヒー混合CO/Nハイドレートスラリーの送り込みによって作製された試料。閉鎖気孔率(CP)及びオーバーラン(OR)は、再構成されたインスタントコーヒー粉末画像の下に示してある。 走査型電子顕微鏡検査である。 クレマを生成する基準インスタントコーヒー粉末(窒素ガスで作製)由来の顆粒の走査型電子顕微鏡観察を、本発明によるインスタントコーヒー粉末(CO/Nガスハイドレートで作製)の顆粒の走査型電子顕微鏡観察と比較した。 低温走査型電子顕微鏡観察の画像である。 凍結乾燥前の凍結発泡コーヒー溶液試料の微細構造に関する低温走査型電子顕微鏡観察の画像。サンプルを2000倍及び250倍の倍率及び2kVの加速電圧で取得した。 本発明によるインスタントコーヒー粉末を製造する方法の概略図である。 本発明の方法は、 (a)第1のコーヒー溶液を用意する工程と、 (b)当該第1のコーヒー溶液を冷却する工程と、 (c)当該第1のコーヒー溶液をガスで加圧してガスハイドレートを含むコーヒースラリー(側流)を提供する工程であって、好ましくは、当該ガスは、空気であり、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴンのうちの1種以上を含み、好ましくは、当該ガスは、二酸化炭素及び/又は窒素を含む、工程と、 (d)ガスハイドレートを含むコーヒースラリー(側流)を、第2のコーヒー溶液(主流)と混合して、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスを提供する工程と、 (e)当該コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの圧力を解放して、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、 (f)発泡コーヒー溶液を急速に凍結させて、安定化された発泡コーヒー溶液(例えば、固形コーヒーブロック形式(solid coffee block format))を提供する工程と、 (g)安定化された発泡コーヒー溶液を乾燥させて、好ましくは凍結乾燥させて、乾燥コーヒー(例えば、乾燥固形コーヒーブロック形式)を提供する工程と、 (h)当該乾燥コーヒーを粉砕して、インスタントコーヒー粉末を提供する工程と、を含み得る。
[発明を実施するための形態]
ガスハイドレート
「ガスハイドレート」は、クラスレートハイドレート又は水クラスレートとしても知られている。ガスハイドレートは、水素結合による水分子の3D「ケージ」の内部にガスが捕捉されている、物理的に氷に似た結晶性水系固体である。
、H、N、NO、CO、CH、HS、Ar、Kr、Ne、He及びXeを含むほとんどの低分子量ガスは、好適な温度及び圧力でハイドレートを形成する。ガスハイドレートは、好適なガスを提供し、好適な溶液(例えば、コーヒー抽出溶液)の温度を低下させ、及び/又はガス圧を上昇させることによって、形成され得る。
ガスの素性は特に限定されない。インスタントコーヒー粉末を製造するのに好適な、及び/又は工業用食品プロセスでの使用に好適な任意のガスが使用され得る。例えば、ガスは、空気であってもよく、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴンのうちの1種以上を含み得る。好ましい実施形態では、ガスは、二酸化炭素及び/又は窒素を含む。いくつかの実施形態では、ガスハイドレートは、実質的に同じガスを含む。いくつかの実施形態では、ガスは純粋なガス(例えば、99%以上、又は99.9%以上、又は100%の単一のガスである)である。好ましい実施形態では、ガスハイドレートはCO又はNハイドレートである。
好適な温度及びガス圧は、ガス及び食品製品に応じて異なる。例えば、COハイドレートは、約6℃及び約30バールの30重量%のコーヒー溶液、又は約4℃及び約30バールの50重量%のコーヒー溶液中に形成され得る。溶液の温度が低くなるほど、必要とされるガス圧は低くなり、逆もまた同様に、溶液の温度が高くなるほど、必要されるガス圧は高くなる。例えば、COハイドレートは、約6℃及び約30バールにおいて、又は約-4℃及び約10バールにおいて、30重量%のコーヒー溶液中で形成され得る。氷が形成し、及び/又はガスが凝縮する条件を回避する必要があり得る。凝固点降下(すなわち、純粋な氷が形成される温度)は、コーヒー溶液中のコーヒー固形分の重量%に依存する。ガスハイドレートは、このような条件で形成することができるが、これらは処理が複雑であり、閉塞を形成する場合がある。例えば、30重量%のコーヒー溶液では-4℃がほぼ凝固点降下であることから、30重量%のコーヒー溶液中にガスハイドレートを形成するためには、これよりも低い温度を使用するべきではない。例えば、第2の四重点(液体、ハイドレート、蒸気、及び凝縮ガス相が集まる点)は、30重量%のコーヒー溶液中のCOについては約8~10℃及び44バールである。したがって、COは、より低い温度及び/又はより高い圧力で液体となる。温度及びガス圧は、所望の粘度及び/又は所望のガス濃度に応じて変更することができる。
したがって、ガスハイドレートを形成するために必要とされる温度及び圧力は、相互依存的であり、ガス及び溶液(例えば、コーヒー溶液中の固形分の重量%)に応じて変更することになる。30重量%のコーヒー溶液中にCOハイドレートを形成するための例示的な条件は、-3~7.8℃及び10~38バール、又は約10バール以上である。30重量%のコーヒー溶液中にNハイドレートを形成するための例示的な条件は、-2.5℃~5.5℃及び140~285バールである。30重量%のコーヒー溶液中にNOハイドレートを形成するための例示的な条件は、約0~9℃及び12~28バールである。より低い圧力でハイドレートを形成するためには、より低い温度を使用しなければならない。
いくつかの実施形態では、ガスハイドレートは、1種以上の更なるガスを導入する前に、第1のガスによって形成される。したがって、最終的なガスハイドレートは、2種以上のガスを含有することができ、すなわち、当該ガスハイドレートは、混合ガスハイドレートであり得る。例えば、混合CO/Nハイドレートでは、COにより、小さなハイドレートケージを空けておく(unoccupied)ことによって、低圧下でNを埋め込むことができる。まず最初に、COハイドレートをより低い圧力で調製し、次いで、Nを、より高い圧力で添加することができる。同様の方法を、好適なガスの任意の組み合わせに使用することができる。好ましい実施形態では、ガスハイドレートは混合CO/Nハイドレートである。CO/Nハイドレート中に捕捉されたCOのモル分率は、0.1~0.99、又は0.5~0.99、又は0.8~0.99、又は0.9~0.99、又は0.95~0.99、又は約0.97であり得る。他の実施形態では、ガスハイドレートは、NO/Nハイドレート(Yang,Y.,et al.,2017.Environmental science & technology,51(6),pp.3550-3557)又はNO/COハイドレート又はNO/CO/Nハイドレートである。
好ましい実施形態では、COハイドレート(又は代替的にNO若しくはCO/NOハイドレート)は、窒素ガスの導入前に形成される。例えば、COハイドレートは、10~50バール、15~25バール、又は約20バール及び-3~7.8℃又は約2℃(例えば、1~2℃及び20~30バール、又は約20バール以上)で導入された二酸化炭素で形成され得る。少量のCOハイドレートの形成後に(圧力低下によって示される)、窒素を導入して、全ガス圧を増加させることができる。導入される窒素の量(すなわち、CO:N比)及び必要な圧力は、ガスハイドレート中のCO/Nの所望の比率に応じて変更することになる。全ガス圧は、-5℃~5℃、0~5℃又は約2℃において、10~300バール、10~200バール、20~300バール、20~200バール、20~100バール、20~50バール、30~40バール、又は約35バールに増加させることができる(Kang,S.P.,et al.,2001.The Journal of Chemical Thermodynamics,33(5),pp.513-521と比較)。混合CO/Nハイドレートを形成するためのCOのモル分率(最終ガスミックス中)は、0.1~0.9、又は0.2~0.8、又は0.4~0.6、又は0.47~0.54、又は約0.54であり得る。COの分率(最終ガスミックス中)は、COが凝縮しないようなものであるべきである。COは、蒸気圧に応じて、広範な圧力及び温度条件で凝縮することになる。例えば、COは、30重量%のコーヒー溶液中で約8~10℃及び44バールで凝縮する。
上記のとおり、ガスハイドレートを形成するために必要とされる温度及び圧力は、相互依存的であり、ガス及び溶液(例えば、コーヒー溶液中の固形分の重量%)に応じて異なる。30重量%のコーヒー溶液中に混合CO/Nハイドレートを形成するための例示的な条件は、ガス混合物中のCOのモル分率約0.54であり、COは、Nを導入する前に、約20バール及び0~5℃又は約2℃で導入して、全ガス圧を35バールに到達させる。混合ハイドレートにおいてより多量のNが望ましい場合、より高い圧力(及び/又はより低い温度)と組み合わせて、より低いモル分率のCOを使用することができ、例えば、COのモル分率約0.1及びおよそ0℃で約100~130バールの圧力を使用して、より多量のNを有するCO/Nハイドレートを形成することができる(図3bを参照されたい)。
ガスハイドレートは、温度を上昇させ、及び/又は圧力を低下させることによって分解され得る。好ましくは、ガスハイドレートは、温度を上昇させ、及び圧力を低下させることによって、又は圧力のみを低下させることによって、分解され得る。その結果、乾燥前に、発泡食品製品(例えば、コーヒー)中にガスハイドレートは存在していない可能性がある。例えば、発泡コーヒー溶液、安定化された発泡コーヒー溶液、乾燥コーヒー、又はインスタントコーヒー粉末中には、ガスハイドレートは存在していない可能性がある。
食品製品をガス化するためのガスハイドレートの使用
一態様では、本発明は、食品製品をガス化するためのガスハイドレートの使用を提供する。ガスは、空気であってもよく、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含み得る。好ましい実施形態では、食品製品は、100mPas~10Pas、又は500mPas~10Pas、又は1Pas~10Pas、及び1Pas~5Pasの粘度を有する。
食品製品としては、例えば、液体製品(例えば、レディ・トゥ・ドリンク製品、レディ・トゥ・ヒート製品、液体濃縮物、飲料)、例えば、コーヒー、コーヒーチコリ、コーヒーシリアルチコリ混合物、ココア、茶、栄養飲料、トッピング、デザート、ソース、及びスープ;粉末製品、例えば、インスタントコーヒー粉末、インスタントココアパウダー、インスタント茶粉末、栄養飲料粉末、インスタントトッピング粉末、インスタントデザート粉末、インスタンスソース粉末、インスタントスープ粉末、パンミックス、ケーキミックス、ペストリーミックス、ワッフルミックス、及びピザクラストミックス;並びに冷凍製品が挙げられる。好ましくは、食品製品は、コーヒー、コーヒー溶液及び/又はインスタントコーヒー粉末である。
本発明は、食品製品を泡立てるための方法を提供する。本方法は、
(a)食品製品の第1の部分にガスハイドレートを形成して、ガスハイドレートを含む食品製品スラリーを提供する工程と、
(b)ガスハイドレートを含む食品製品スラリーを、食品製品の第2の部分と混合して、食品製品スラリー/食品製品ミックスを提供する工程と、
(c)圧力を解放し、及び/又は食品製品スラリー/食品製品ミックスの温度を上昇させて、発泡食品製品を提供する工程と、を含む。
好ましくは、食品製品の第1の部分は、食品製品の1~20体積%、又は2~15体積%、又は5~15体積%、又は5~10体積%であり、食品製品の第2の部分は、当該食品製品の残部である。
ガスは、空気であってもよく、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含み得る。好ましくは、食品製品は、コーヒー溶液である。
好ましい実施形態では、食品製品は、100mPas~10Pas、又は500mPas~10Pas、又は1Pas~10Pas、及び1Pas~5Pasの粘度を有する。粘度は、当業者に既知の任意の方法、例えばレオメーターによって、測定され得る。好ましくは、粘度は、100s-1の剪断速度及び7℃の温度で測定される。
有利には、ガスを、固体形態の食品製品中に(例えば、ガスハイドレートを含む食品製品中に)混合すると、食品製品へのガスの混合が容易になり、及び/又は食品製品をガス化するために必要な時間が減少し、及び/又は食品製品をガス化するために必要なエネルギーが低減される。
ガスハイドレートを含むコーヒースラリー
本発明による「コーヒー溶液」は、可溶性コーヒー成分を含む溶液である。コーヒー溶液はまた、非可溶性コーヒー成分及び/又は他の非コーヒー成分、及び/又は懸濁液中のそのような成分も含み得る。本発明による「コーヒースラリー」は、分散ガスハイドレートを含むコーヒー溶液である。
本発明で使用するためのコーヒー溶液は、焙煎コーヒー豆又はコーヒー粉砕物から抽出され得る。焙煎コーヒー豆又はコーヒー粉砕物は、当業者に既知の任意の方法によって、例えば、熱水抽出、真空蒸発、遠心分離濃化又は凍結濃縮によって、抽出され得る(Bhandari et al.2013 Handbook of Food powders;processes and properties)。したがって、コーヒー溶液は、コーヒー抽出液であってもよい。
本発明は、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを製造するための方法を提供する。本方法は、
(a)第1のコーヒー溶液を用意する工程と、
(b)当該第1のコーヒー溶液を冷却する工程と、
(c)当該第1のコーヒー溶液をガスで加圧して、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを提供する工程であって、当該ガスは、空気を含み、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素、及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/若しくは窒素のうちの1つ以上を含む、工程と、
を含む。
当該方法は、コーヒースラリー中にガスハイドレートを分散させる工程を更に含み得る。ガスハイドレートは、形成中及び/又は形成後に分散され得る。好ましくは、ガスハイドレートは、コーヒースラリーを混合することによって、例えば、混合をもたらす回転デバイス、静的ミキサー又はピンミキサーを使用して混合することによって、分散される。ガスハイドレートは、かき取り表面熱交換器(SSHE)において、及び/又はポンプ搬送作用を通じて、混合され得る。
第1のコーヒー溶液は、任意の好適なコーヒー溶液、例えば、インスタントコーヒー粉末を製造するのに好適なコーヒー溶液であり得る。好ましくは、第1のコーヒー溶液は、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、25重量%~35重量%、30重量%~35重量%、又は約30重量%のコーヒー固形分を含む。好ましくは、第1のコーヒー溶液は、10mPas~10Pas、又は10mPas~2.5Pas、又は10mPas~1Pas、又は10mPas~100mPas、又は20~100mPas、又は20mPas~60mPas、又は約20mPas以上及び/又は約100mPas以下の粘度を有する。粘度は、コーヒー固形分の重量%に依存し、すなわち、より高い重量%は、より高い粘度をもたらすことになる(図4を参照されたい)。例えば、60重量%のコーヒー溶液は、30バール、7℃及び100s-1の剪断速度で、およそ2.3Pasの粘度を有し得る一方で、30重量%のコーヒー溶液は、30バール、7℃及び100s-1の剪断速度で、およそ10~20mPasの粘度を有し得る。粘度はまた、温度にも依存し、温度が低くなるほど粘度は高くなる。粘度は、当業者に既知の任意の方法、例えばレオメーターによって、測定され得る。例えば、粘度は、ガスハイドレートを含まないコーヒー溶液に関して、100s-1の剪断速度及び7℃の温度で測定され得る。
ガスハイドレートを形成するために必要とされる温度及び圧力は、相互依存的であり、ガス及び溶液(例えば、コーヒー溶液中の固形分の重量%)に応じて異なる。例えば、図3は、30重量%及び50重量%のコーヒー溶液においてCOハイドレートを形成するための相図を提供している。氷が形成し、及び/又はガスが凝縮する条件を回避する必要があり得る。凝固点降下は、コーヒー溶液中のコーヒー固形分の重量%に依存する。例えば、30重量%のコーヒー溶液は、約-4℃の凝固点温度を有し、60重量%のコーヒー溶液は、約-16℃の凝固点を有する。
例えば、コーヒー溶液は、ガス、コーヒー溶液及びガス圧に応じて、工程(b)において、-15℃~15℃、又は-10℃~12℃、又は-10℃~10℃、又は-10℃~8℃、又は-8℃~7℃、又は-5℃~5℃、又は約-7℃、-5℃、又は-4℃以上まで冷却され得る。工程(c)におけるガス圧は、ガス、コーヒー溶液及び温度に応じて、10~500バール、10~300バール、10~200バール、10~150バール、10~100バール、10~50バール、又は15~40バール、又は15~35バール、又は15~30バールであり得る。好ましくは、COハイドレートが所望される場合、30重量%のコーヒー溶液は、-3~7.8℃及び10~38バール、又は約10バール以上に冷却される。好ましくは、Nハイドレートが所望される場合、30重量%のコーヒー溶液は、-2.5℃~5.5℃に冷却され、Nで140~285バールに加圧される。好ましくは、NOハイドレートが所望される場合、30重量%のコーヒー溶液は、約0~9℃に冷却され、NOで12~28バールに加圧される。より低い圧力でハイドレートを形成するためには、より低い温度を使用しなければならない。好ましくは、CO/N混合ハイドレートが所望される場合、第1のコーヒー溶液は、約-3~2℃に冷却され、COで約20バールに加圧され、次いでN(及び約0.54のCOのモル分率)で約35バールまで加圧する。あるいは、大量のNを有するCO/N混合ハイドレートが望まれる場合、第1のコーヒー溶液は、約-3~2℃に冷却され、COで約20バールに加圧され、次いで、Nで約100~300バールに加圧される(約0.1以下のCOのモル分率を達成する)。
本発明によるガスハイドレートを含むコーヒースラリーは、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、25重量%~35重量%、30重量%~35重量%、又は約30重量%のコーヒー固形分を含み得る。例えば、コーヒースラリーは、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、25重量%~35重量%、30重量%~35重量%、又は約30重量%のコーヒー固形分を含む第1のコーヒー溶液から製造され得る。
ガスハイドレートを含むコーヒースラリーは、10mPas~100mPas、又は20~100mPas、又は20~60mPas、又は約20mPas以上、及び/又は約100mPas以下の粘度を有し得る。コーヒー溶液の粘度は、ガスハイドレートの形成によって増加する。したがって、ガスハイドレートの形成は、コーヒースラリーの粘度を測定することによってモニターすることができる。好ましくは、コーヒースラリーの粘度は、工程(a)で提供されるコーヒー溶液よりも高く、例えば2~4倍高い。粘度は、当業者に既知の任意の方法によって、例えば、レオメーター又は流量計によって、測定され得る。例えば、粘度は、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーに関して、100s-1の剪断速度及び1℃の温度で測定され得る。
コーヒースラリーは、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴン、好ましくは二酸化炭素及び/又は窒素のうちの1つ以上を含み得る。コーヒースラリーは、0.01~7.5mol/L、0.1~7.5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、又は約1.5mol/Lのガスを含み得る。いくつかの好ましい実施形態では、コーヒースラリーは、好ましくは0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、又は約1.6mol/Lの二酸化炭素を含む。いくつかの他の好ましい実施形態では、コーヒースラリーは、好ましくは0.5~5mol/L、0.5~2mol/L、又は約1mol/Lの二酸化炭素、及び好ましくは0.01~5mol/L、0.01~2mol/L、0.01~1mol/L、0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、又は約0.05mol/Lの窒素を含む。ガスの量とは、コーヒースラリー中のガスの総量、すなわちハイドレートフラクション中及び液体フラクション中の両方のガスの総量を指す。ガスの量は、任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー、PIV、FBRP、光学的方法、圧電センサー、インピーダンス、又はコンダクタンス測定によって、測定され得る。
コーヒースラリーにおいて、ハイドレートフラクション中のガス対液体フラクション中のガスの比(H:L)は、1:1~5:1、好ましくは2:1~3:1であり得る。例えば、コーヒースラリーは、ハイドレート形態で捕捉された約1mol/Lのガスと、約0.5mol/Lの溶存ガスとを含み得る。H:L比は、任意の方法によって、例えば、クロマトグラフィー、ラマン分光法、X線散乱、及び/又はモデリングによって、測定され得る。好ましくは、ガスの大部分は、ガスハイドレート中に捕捉される。
インスタントコーヒー粉末の製造方法
本発明は、乾燥コーヒーを製造するための方法を提供する。本方法は、
(a)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを、第2のコーヒー溶液と混合して、これらの混合物(すなわち、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックス)を提供する工程と、
(b)圧力を解放し、及び/又は当該コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させて、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
(c)当該発泡コーヒー溶液を乾燥させて、好ましくは凍結乾燥させて、乾燥コーヒーを提供する工程と、を含む。
本発明は、インスタントコーヒー粉末を製造するための方法を提供する。本方法は、
(a)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを、第2のコーヒー溶液と混合して、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスを提供する工程と、
(b)圧力を解放し、及び/又は当該コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させて、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
(c)当該発泡コーヒー溶液を乾燥させて、好ましくは凍結乾燥させて、乾燥コーヒーを提供する工程と、
(d)当該乾燥コーヒーを粉砕して、インスタントコーヒー粉末を提供する工程と、を含む。
インスタント可溶性コーヒー製造の基本的な工程を図1に示す。当該方法は、図1に概説した工程のうちの1つ以上を更に含み得る。本発明による方法を図10に示す。当該方法は、図10に概説した工程のうちの1つ以上を更に含み得る。
有利には、ガスを、固体形態の(例えば、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーの)コーヒー溶液に混合すると、コーヒー溶液へのガスの混合が容易になり、及び/又はコーヒー溶液をガス化するために必要な時間が減少し、及び/又はコーヒー溶液をガス化するために必要なエネルギーが低減される。
本発明によるインスタントコーヒー粉末を製造するための方法において、コーヒースラリーは、本明細書に記載の方法によって製造され得る。コーヒースラリーは、側流(すなわち、クラスレートハイドレートスラリー発生器(CLAG))で製造され得る。
本発明によるインスタントコーヒー粉末を製造するための方法において、第2のコーヒー溶液は、当業者に既知の任意の方法によって製造され得る。第2のコーヒー溶液は、主流に存在し得る。好ましくは、第2のコーヒー溶液は、ガスハイドレートを含まない。第2のコーヒー溶液は、10重量%~70重量%、30重量%~70重量%、50重量%~70重量%、55重量%~65重量%、60重量%~65重量%、又は約60重量%のコーヒー固形分を含み得る。好ましくは、第2のコーヒー溶液は、コーヒースラリー(すなわち、第1のコーヒー溶液)よりも高い重量%のコーヒー固形分を有し、例えば、コーヒースラリー(及び第1のコーヒー溶液)は、約30重量%のコーヒー固形分を含むことができ、第2のコーヒー溶液は、約60重量%のコーヒー固形分を含むことができる。第2のコーヒー溶液は、10mPas~10Pas、又は10mPas~2.5Pas、又は10mPas~1Pas、又は10mPas~100mPas、又は20~100mPas、又は20mPas~60mPas、又は約20mPas以上及び/又は約100mPas以下の粘度を有し得る。粘度は、コーヒー固形分の重量%に依存し、すなわち、より高い重量%は、より高い粘度をもたらすことになる(図4を参照されたい)。例えば、60重量%のコーヒー溶液は、30バール、7℃及び100s-1の剪断速度で、およそ2.3Pasの粘度を有し得る一方で、30重量%のコーヒー溶液は、30バール、7℃及び100s-1の剪断速度で、およそ10~20mPas Pasの粘度を有し得る。粘度はまた、温度にも依存し、温度が低くなるほど粘度は高くなる。粘度は、当業者に既知の任意の方法、例えばレオメーターによって、測定され得る。好ましくは、粘度は、100s-1の剪断速度及び7℃の温度で測定される。
コーヒースラリー(側流)及び第2のコーヒー溶液(主流)は、コーヒースラリーを第2のコーヒー溶液に添加することによって、すなわち、側流を主流に添加することによって、混合され得る。側流と主流との混合により、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスが製造される。好ましくは、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスは、混合終了まで主流中に残る。いくつかの実施形態では、側流速度は、5~200mL/分、又は10~100mL/分、又は約15mL/分であり、主流速度は、100~500mL/分又は100~200mL/分、又は約170mL/分である。例えば、コーヒースラリーがCOハイドレートを含む場合、側流は、10~20mL/分の速度で、150~200mL/分の主流に添加することができ、コーヒースラリーがCO/Nハイドレートを含む場合、側流は、80~100mL/分の速度で、150~200mL/分の主流に添加することができる。いくつかの実施形態では、側方流速度の主流速度に対する比は、1未満、又は0.05~0.5、又は0.05~0.1、又は約0.08である。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、供与によって(すなわち、個別の時間間隔でコーヒースラリーの特定量(体積)を添加することによって)第2のコーヒー溶液に添加される。いくつかの実施形態では、添加されるコーヒースラリーの量(体積)は、1~1000cm、1~100cm、1~50cm、10~50cm、又は5~20cm、又は約15cmである。いくつかの実施形態では、コーヒースラリーは、1~1000秒毎、又は5~200秒毎、又は60~100秒毎に添加される。いくつかの実施形態では、10~50cmが60~100秒毎に添加される。
いくつかの実施形態では、添加されるコーヒースラリーの量(体積)及び/又は速度は、第2のコーヒー溶液に0.001~1mol/分、又は0.02~0.1mol/分のガスを提供するのに十分である。例えば、コーヒースラリーがCOハイドレートを含む場合、添加されるスラリーの体積及び速度は、0.02~0.1mol/分のCOが提供されるようなものであることができ、コーヒースラリーがCO/Nハイドレートを含む場合、添加されるスラリーの体積及び速度は、0.02~0.1mol/分のCO及び0.001~0.005mol/分のNが提供されるようなものであることができる。
いくつかの実施形態では、コーヒースラリー(側流)及び第2のコーヒー溶液(主流)は混合され、及び/又は側流は、等圧等温に近い(すなわち、ほぼ又は約)条件下で、好ましくは等圧等温条件下で、主流に添加される。本発明による「等圧等温条件」とは、混合が、一定の温度及び一定のガス圧で行われる条件である。好ましくは、等圧等温条件は、混合前のコーヒースラリー(側流)の条件と同じであり、すなわち、等圧等温条件とは、副流が主流に入る入口の圧力及び温度を指している。略等圧等温条件とは、等圧等温条件の±2℃及び±5バール以内であり得る。好ましくは、当該温度及びガス圧は、上記のように、ガスハイドレートの形成及び/又は保持に好適である。したがって、温度は、ガス、コーヒー溶液及びガス圧に応じて、-15℃~15℃、若しくは-10℃~12℃、若しくは-10℃~10℃、若しくは-10℃~8℃、若しくは-8℃~7℃、若しくは-5℃~5℃、若しくは約-7℃以上、-5℃以上、若しくは-4℃以上であることができ、及び/又はガス圧は、ガス、コーヒー溶液及び温度に応じて、10~500バール、10~300バール、10~200バール、10~150バール、10~100バール、10~50バール、15~40バール、若しくは15~35バール、若しくは15~30バールであることができる。ガスハイドレートを形成及び/又は保持するために必要とされる温度及び圧力は、相互依存的であり、ガス及び溶液(例えば、コーヒー溶液中の固形分の重量%)に応じて異なる。好ましい実施形態では、コーヒースラリー及び第2のコーヒー溶液は、約10~38バール、又は約10バール以上の圧力及び/又は-3~7.8℃で混合される(コーヒースラリーはCOハイドレートを含む)。他の実施形態では、コーヒースラリー及び第2のコーヒー溶液は、約140~285バールの圧力及び/又は-2.5℃~5.5℃で混合される(コーヒースラリーはNハイドレートを含む)。好ましい実施形態では、コーヒースラリー及び第2のコーヒー溶液は、約35バールのCO/N全ガス圧及び/又は1~5℃、若しくは約3℃で混合される(コーヒースラリーはCO/N混合ハイドレートを含む)。いくつかの実施形態では、コーヒースラリー(側流)及び第2のコーヒー溶液(主流)は、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを製造するために使用される同じ温度及び/又は圧力下で混合される。
本発明によれば、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスは、圧力を解放した後、及び/又はコーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させた後の発泡コーヒー溶液である。好ましくは、コーヒースラリーの供与及び/又はコーヒースラリーと第2のコーヒー溶液との混合は、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックス(すなわち、発泡コーヒー溶液)が50~500%、又は100~500%、又は100~400%、又は150~400%、又は200~400%、又は250~350%、又は約300%のオーバーランに達するまで、継続する。本明細書で使用するとき、「オーバーラン」とは、コーヒー溶液の体積の増加であり、当業者に既知の任意の方法によって測定することができる。いくつかの実施形態では、所望のオーバーラン(例えば、50~500%、又は100~500%、又は150~400%、又は100~400%、又は200~400%、又は250~350%又は約300%)に達した後、側流(コーヒースラリー)を、主流(第2のコーヒー溶液)に一定の供与速度で、例えば、第2のコーヒー溶液に0.001~1.5mol/分、又は0.02~0.1mol/分のガスを提供するのに十分な供与速度で、連続的に添加して、所望のオーバーランを維持する。いくつかの実施形態では、混合及び/又は供与は、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスが0.01~7.5mol/L、0.1~7.5mol/L、0.5~2mol/L、又は約1mol/Lのガスを含むまで、継続する。
いくつかの実施形態では、当該方法は、圧力を解放し、及び/又はコーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させて、発泡コーヒー溶液を提供する追加の工程を含む。好ましくは、当該方法は、温度を上昇させ、かつ圧力を減少させる追加の工程、又は圧力のみを減少させる(すなわち、温度は上昇しない)追加の工程を含む。好ましくは、この工程は、任意の残りのガスハイドレートを分解し、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックス中のガスを解放する。ガスハイドレートを分解するために必要とされる温度及び圧力は、相互依存的であり、ガス及び溶液(例えば、コーヒースラレー/コーヒー溶液ミックス中の固形分の重量%)に応じて異なる。したがって、ガス圧及び温度は、ガスハイドレートの素性に応じて異なる。ガス圧を、(任意選択で、温度を上昇させることと組み合わせて)解放させ得る。いくつかの実施形態では、ガス圧を、1バール~10バール、又は5バール~10バールに低下させ得る。温度を、(任意選択で、ガス圧を低下させることと組み合わせて)上昇させ得る。いくつかの実施形態では、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を、10℃超、15℃超、又は20℃超に上昇させ得る。いくつかの実施形態では、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を、ガス圧を低下させることと組み合わせて、-5℃~10℃、-5℃~5℃、0℃~10℃、0℃~5℃、約0℃超、又は約5℃超まで上昇させ得る。好ましくは、ガス圧は解放される(すなわち、温度は上昇させない)。例えば、30重量%のコーヒー溶液中のCO(又は混合CO)ハイドレートの場合、ガス圧は、1~2℃の温度で約10バール(例えば、1~10バール、又は1~5バール)未満、又は5~6℃の温度で20バール未満に低下され得る。例えば、30重量%のコーヒー溶液中のNハイドレートの場合、ガス圧は、-2.5℃~5.5℃の温度で、約135バール(例えば、1~100バール、1~50バール、1~20バール)未満に低下させ得る。
いくつかの実施形態では、インスタントコーヒー粉末を製造する方法は、乾燥前に発泡コーヒー溶液を急速凍結させて、安定化された発泡コーヒー溶液を提供する追加の工程を含み得る。好ましい実施形態では、安定化された発泡コーヒー溶液は、固形コーヒーブロック形式である。急速凍結は、任意の更なる気泡膨張(expansion)又は気泡凝集を回避することによって、発泡コーヒー溶液の泡沫微細構造を安定化させることができる。当業者に既知の任意の急速凍結方法を使用することができる。いくつかの実施形態では、発泡コーヒー溶液は、約-196℃、又は約-78℃、又は-196℃~-40℃、又は-80℃~-40℃、又は-80℃~-65℃、好ましくは約-60℃まで急速凍結される。例えば、急速凍結方法が液体窒素を使用して発泡コーヒー溶液を安定化させるものである場合、当該溶液は、約-196℃まで急速凍結され得る。あるいは、急速凍結方法がドライアイスを使用して発泡コーヒー溶液を安定化させるものである場合、当該溶液は、約-79℃まで急速凍結され得る。好ましくは、安定化された発泡コーヒー溶液(例えば、固形コーヒーブロック形式)は、-80℃~-40℃、又は約-60℃で保管される。いくつかの実施形態では、急速凍結の工程は、圧力を更に解放する追加の工程の前である。例えば、当該方法は、発泡コーヒー溶液を提供するために圧力を解放する工程(例えば、15~25バール)と、続いて急速凍結する工程(例えば、液体窒素による安定化)と、続いて圧力を更に解放する工程(例えば、1バールまで)と、を含み得る。
いくつかの実施形態では、インスタントコーヒー粉末を製造する方法は、発泡コーヒー溶液又は安定化された発泡コーヒー溶液(例えば、固形コーヒーブロック形式)を乾燥させて乾燥コーヒーを製造する工程を含み得る。好ましい実施形態では、乾燥コーヒーは、乾燥固形コーヒーブロック形式である。(安定化された)発泡コーヒー溶液を乾燥させる工程では、当業者に既知の任意の方法、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥が使用され得る。好ましい実施形態では、(安定化された)発泡コーヒー溶液を乾燥させる工程は、凍結乾燥である。好ましくは、凍結乾燥は、システム中の水の急速昇華を低減及び/又は回避し、それによって小さなガスポケットの凝集を低減及び/又は回避する。水の急速昇華を低減及び/又は回避するための好適な凍結乾燥方法は、当業者に良く知られている。いくつかの実施形態では、乾燥速度は、(安定化された)発泡コーヒー溶液が0℃に達するまで1℃/時間であり、好ましくは、(安定化された)発泡コーヒー溶液の初期温度は、-60℃~-20℃、好ましくは約-40℃である。
乾燥コーヒー(例えば、乾燥固形コーヒーブロック形式)を粉砕する工程では、当業者に既知の任意の方法を使用することができる。乾燥コーヒー(例えば、乾燥固形コーヒーブロック形式)を挽く工程は、挽いた乾燥コーヒーを篩分けして、インスタントコーヒー粉末を提供する工程を更に含み得る。粉砕(及び任意選択で、篩分け)後、インスタントコーヒー粉末は、例えば、0.5mm超及び/又は4mm未満の平均径を有する顆粒からなり得る。好ましくは、インスタントコーヒー粉末顆粒は、約3mmの平均径を有し得る。
したがって、いくつかの実施形態では、インスタントコーヒー粉末を製造するための方法は、
(a)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを、第2のコーヒー溶液と混合して、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスを提供する工程と、
(b)当該コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの圧力を解放して、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
(c)発泡コーヒー溶液を急速に凍結させて、安定化された発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
(d)任意選択で、圧力を更に解放する工程と、
(e)当該安定化された発泡コーヒー溶液を乾燥させて、好ましくは凍結乾燥させて、乾燥コーヒーを提供する工程と、
(f)当該乾燥コーヒーを粉砕して、インスタントコーヒー粉末を提供する工程と、を含む。
インスタントコーヒー粉末
「インスタントコーヒー粉末」とは、液体、例えば、熱湯又は冷水、ミルクなどの添加によって再構成することができる乾燥粉末組成物を意味している。インスタントコーヒー粉末は、コーヒー固形分、例えば可溶性コーヒー固形分からなり得る。コーヒー固形分は、コーヒー、例えば焙煎コーヒーから得られた、水以外の化合物である。可溶性コーヒー固形分は、典型的には水及び/又は蒸気を使用してコーヒー豆から抽出された水溶性化合物である。高濃度のコーヒー固形分は、コーヒーの部分的加水分解により可溶性多糖類の放出が起こる100℃を超える温度、例えば130℃~180℃の温度での水性抽出によって、焙煎コーヒーから抽出することができる。
本発明のインスタントコーヒー粉末は、好ましくは、水で再構成されたときに、その液面に泡沫及び/又はクレマを形成する、すなわち、それは「発泡性インスタントコーヒー粉末」とみなすことができる。「クレマ」とは、エスプレッソの液面上に形成された濃厚な赤褐色の泡沫を意味している。クレマは、固体粒子(不溶性コーヒー沈殿物)を含有している場合があり、その連続相は水中油型エマルションである。25~30mLの典型的な標準のエスプレッソコーヒーカップの容積(1杯分)では、クレマは総体積の少なくとも10%に相当する(Navarini,E.Illy,Food biophysics 2011,volume 6,issue 3,pp:335-348)。いくつかの実施形態では、泡沫及び/又はクレマは、有利な官能性、例えば、改善された口当たり及び/又はアロマを付与する。いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末によって生成される泡沫及び/又はクレマは、改善された食感、安定性、及び/又はより大きな体積を有する。
本発明のインスタントコーヒー粉末は、好ましくは、その液面に泡沫及び/又はクリームを形成する追加の発泡剤又はクレマ形成剤を必要としない。したがって、本発明のインスタントコーヒー粉末は、好ましくは、追加の発泡剤又はクレマ形成剤を含まない(すなわち、本発明のインスタントコーヒー粉末は、純粋なインスタントコーヒー粉末であり得る)。
インスタントコーヒー粉末の「気孔率」は、ボイドスペース(気孔)の尺度であり、0~1の値を有する、又は0%~100%のパーセンテージで、インスタントコーヒー粉末の全体積にわたる気孔の体積の部分である。
「閉鎖気孔率」は、インスタントコーヒー粉末中の閉気孔の全体積の部分である。「開気孔率」は、インスタントコーヒー粉末中の開気孔の全体積の部分である。
「発泡性気孔率」は、発泡形成に寄与し、本発明のインスタントコーヒー粉末の潜在的な発泡能を特徴とする気孔率の尺度である。閉気孔は、発泡に寄与することになる。開気孔は、閉気孔と比較して、発泡に同程度には寄与しない、又は場合によっては、発泡に全く寄与しない。2マイクロメートル未満の開口径を有する気孔は、これらの気孔中の毛細管圧が周囲圧力よりも大きく、これは泡沫形成を可能にし得るため、発泡に寄与し得る。したがって、発泡性気孔率は、閉気孔と、2マイクロメートル未満の開口径を有する開気孔と、を考慮することによって決定され得る。発泡性気孔率は、2マイクロメートルを超える開口径を有する開気孔の体積を除いた、凝集体の体積に対する発泡に寄与する気孔の体積の比率によって得られる。
インスタントコーヒー粉末中の気孔のサイズは、「気孔サイズ分布」によって与えられる。気孔サイズ分布は、気孔径の関数としての増分体積によって定義してもよく、及び/又は気孔径の関数としての気孔の数によって定義してもよい。
インスタントコーヒー粉末中の閉気孔のサイズは、「閉気孔サイズ分布」によって与えられる。閉気孔サイズ分布は、閉気孔径の関数としての増分体積によって定義してもよく、及び/又は閉気孔径の関数としての閉気孔の数によって定義してもよい。
気孔率、閉鎖気孔率、開気孔率、発泡性気孔率、気孔サイズ分布、発泡気孔サイズ分布、及び閉気孔サイズ分布は、当該技術分野において既知の任意の手段によって測定することができる。例えば、それらは、水銀ポロシメトリー、X線断層撮影技術、SEM及び/又は実施例に記載の方法などの標準的な測定法によって測定することができる。気孔サイズは、例えば、SEM画像を検査することによって、例えば、画像解析ソフトウェアを用いて決定することができる。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、60%~90%、又は70%~90%、又は70%~85%、又は約78%の全気孔率(閉鎖及び開放)を有する。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、10%~60%、15%~50%、15%~34%、又は20%~34%、又は25%~34%、又は30~34%、又は約25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、又は34%、好ましくは約30%の発泡性気孔率を有し、好ましくは、閉気孔と、2マイクロメートル未満の開口径を有する開気孔とが、混合CO/Nハイドレートを含むコーヒースラリーから形成された。いくつかの他の実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、10%~20%の発泡性気孔率を有し、好ましくは、閉気孔と、2マイクロメートル未満の開口径を有する開気孔とが、COハイドレートを含むコーヒースラリーから形成された。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、10%~60%、15%~50%、又は20%~35%、又は20%~34%、又は25~34%、又は30~34%、又は約25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、又は35%、好ましくは約30%の閉鎖気孔率を有し、好ましくは、閉気孔は、混合CO/Nハイドレートを含むコーヒースラリーから形成された。いくつかの他の実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、10%~20%の閉鎖気孔率を有し、好ましくは、閉気孔が、COハイドレートを含むコーヒースラリーから形成された。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、二峰性気孔分布を有する。二峰性気孔分布は、2つの異なるモード(すなわち、平均サイズ)を有する連続気孔サイズ分布である。好ましくは、二峰性気孔分布は、2つのガウス気孔分布を含み、モードは、ガウス気孔分布の平均値とほぼ等しい。
いくつかの実施形態では、二峰性気孔分布は、二峰性発泡性気孔分布である。二峰性発泡性気孔分布は、2つの異なるモードを有する、閉気孔と、2マイクロメートル未満の開口径を有する開気孔(すなわち、発泡気孔)と、に関する連続気孔サイズ分布である。
二峰性気孔分布は、(i)20~100マイクロメートル、又は20~50マイクロメートル、又は25~45マイクロメートル、又は30~45マイクロメートル、又は35~45マイクロメートル、又は約40マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満、又は約15マイクロメートル未満、又は約10マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は1~20マイクロメートル、又は1~18マイクロメートル、又は1~15マイクロメートル、又は1~10マイクロメートル、又は1~5マイクロメートル、又は2~20マイクロメートル、又は2~18マイクロメートル、又は2~15マイクロメートル、又は2~10マイクロメートル、又は2~5マイクロメートル、又は5~20マイクロメートル、又は5~18マイクロメートル、又は5~15マイクロメートル、又は5~10マイクロメートル、又は約2マイクロメートル、又は約5マイクロメートル、又は約10マイクロメートル、又は約15マイクロメートル、又は約20マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、を含み得る。好ましい実施形態では、二峰性気孔分布は、(i)約20~50マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)の平均径(モード径)を有する気孔と、を含む。他の好ましい実施形態では、二峰性気孔分布は、(i)約25~45マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)、又は約2~20マイクロメートル、又は約5~15マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、を含む。インスタントコーヒー粉末を、CO/Nハイドレートを含むコーヒースラリーを使用して製造するとき、より大きい気孔はCOによって形成される可能性があり、より小さい気孔はNによって形成される可能性がある。より大きい気孔は、開気孔(発泡気孔を含む)及び/又は閉気孔を含むことができ、好ましくは、より大きい気孔は、開気孔を実質的に含み(すなわち、より大きい気孔の90%超、95%超、99%超又は約100%は開気孔である)、最も好ましくは、開気孔は、2マイクロメートル以上の開口径を有する開気孔である。より小さい気孔は、閉気孔及び/又は発泡気孔(すなわち、2マイクロメートル未満の開口径を有する開気孔)を含むことができ、好ましくは、より小さい気孔は、閉気孔を実質的に含む(すなわち、より小さい気孔の90%超、95%超、99%超又は約100%は、閉気孔である)。
いくつかの実施形態では、より大きい気孔は、全気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又はより小さい気孔は、全気孔体積の1~90体積%に寄与する。いくつかの他の実施形態では、より大きい気孔は、全気孔の数の10~90%に寄与し、及び/又はより小さい気孔は、全気孔の数の10~90%に寄与する。各モードによって寄与した全気孔の体積及び/又は数は、気孔サイズ分布に基づいて推定することができる。気孔サイズ分布は、各モードに関して推定することができ、寄与率は、全気孔サイズ分布に基づいて計算した。例えば、好ましくは、二峰性気孔分布は、2つのガウス気孔分布を含み、したがって、各モードに関するガウス分布のそれぞれの領域を使用して、各モードによって寄与された全気孔の体積及び/又は数を計算することができる。
好ましい実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、二峰性閉気孔分布を有する。したがって、いくつかの実施形態では、二峰性気孔分布は、二峰性閉気孔分布である。二峰性閉気孔分布は、2つの異なるモードを有する連続閉気孔サイズ分布である。
いくつかの実施形態では、二峰性閉気孔分布は、(i)20~100マイクロメートル、又は20~50マイクロメートル、又は25~45マイクロメートル、又は30~45マイクロメートル、又は35~45マイクロメートル、又は約40マイクロメートルの平均径(モード径)を有する閉気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満、又は約15マイクロメートル未満、又は約10マイクロメートル未満、又は約5マイクロメートル未満、又は1~20マイクロメートル、又は1~18マイクロメートル、又は1~15マイクロメートル、又は1~10マイクロメートル、又は1~5マイクロメートル、又は2~20マイクロメートル、又は2~18マイクロメートル、又は2~15マイクロメートル、又は2~10マイクロメートル、又は2~5マイクロメートル、又は5~20マイクロメートル、又は5~18マイクロメートル、又は5~15マイクロメートル、又は5~10マイクロメートル、又は約2マイクロメートル、又は約5マイクロメートル、又は約10マイクロメートル、又は約15マイクロメートル、又は約20マイクロメートルの平均径(モード径)を有する閉気孔と、を含む。好ましい実施形態では、二峰性閉気孔分布は、(i)約20~50マイクロメートルの平均径(モード径)を有する閉気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)の平均径(モード径)を有する閉気孔と、を含む。他の好ましい実施形態では、二峰性閉気孔分布は、(i)約25~45マイクロメートルの平均径(モード径)を有する閉気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)、又は約2~20マイクロメートル、又は約5~15マイクロメートルの平均径(モード径)を有する閉気孔と、を含む。インスタントコーヒー粉末をCO/Nハイドレートを使用して製造するとき、より大きい閉気孔はCOによって形成される可能性があり、より小さい閉気孔はNによって形成される可能性がある。
いくつかの実施形態では、より大きい気孔は、全閉気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又はより小さい気孔は、全閉気孔体積の1~90体積%に寄与する。いくつかの他の実施形態では、より大きい気孔は、全閉気孔の数の10~90%に寄与し、及び/又はより小さい気孔は、全閉気孔の数の10~90%に寄与する。各モードによって寄与した全閉気孔の体積及び/又は数は、閉気孔サイズ分布に基づいて推定することができる。閉気孔サイズ分布は、各モードに関して推定することができ、寄与率は、全閉気孔サイズ分布に基づいて計算した。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、15%~34%、又は20%~34%、又は25%~34%、又は30~34%、又は約30%の発泡性気孔率、及び二峰性気孔分布を有する。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、15%~34%、又は20%~34%、又は25%~34%、又は30~34%、又は約30%の発泡性気孔率と、二峰性気孔分布と、を有し、当該二峰性発泡性気孔分布は、(i)20~100マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満の平均径(モード径)を有する気孔と、を含み、好ましくは、(i)は全気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又は(ii)は全気孔体積の1~90体積%に寄与する。好ましくは、より大きい気孔は開気孔を実質的に含み、より小さい気孔は閉気孔を実質的に含む。
いくつかの実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、20%及び34%の発泡性気孔率と、二峰性気孔分布と、を有し、当該二峰性気孔分布は、(i)約25~45マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)、又は約2~20マイクロメートル、又は約5~15マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、を含み、好ましくは、(i)は全気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又は(ii)は全気孔体積の1~90体積%に寄与する。好ましくは、より大きい気孔は開気孔を実質的に含み、より小さい気孔は閉気孔を実質的に含む。
好ましい実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、20%~40%、又は20%及び34%閉鎖気孔率と、二峰性気孔分布と、を有する。
他の好ましい実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、20%~40%、又は20%及び34%の閉鎖気孔率と、二峰性気孔分布と、を有し、当該二峰性気孔分布は、(i)20~100マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満の平均径(モード径)を有する気孔と、を含み、好ましくは、(i)は全気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又は(ii)は全気孔体積の1~90体積%に寄与する。好ましくは、より大きい気孔は開気孔を実質的に含み、より小さい気孔は閉気孔を実質的に含む。
他の好ましい実施形態では、本発明のインスタントコーヒー粉末は、20%及び34%の閉鎖気孔率と、二峰性気孔分布と、を有し、当該二峰性気孔分布は、(i)約25~45マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、(ii)約20マイクロメートル未満(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18又は19マイクロメートル)、又は約2~20マイクロメートル、又は約5~15マイクロメートルの平均径(モード径)を有する気孔と、を含み、好ましくは、(i)は全気孔体積の10~99体積%に寄与し、及び/又は(ii)は全気孔体積の1~90体積%に寄与する。好ましくは、より大きい気孔は開気孔を実質的に含み、より小さい気孔は閉気孔を実質的に含む。
有利なことに、インスタントコーヒー粉末中のより大きい(開いた)気孔は、試料の再構成を容易にすることに関して有益であり、当該インスタントコーヒーを水の浸透しやすいものにする。有利には、インスタントコーヒー粉末中のより小さい(閉じた)気孔は、泡沫又はクレマの生成に有益である。
いくつかの実施形態では、インスタントコーヒー粉末は、凍結乾燥中に氷結晶及び昇華によって形成され得る開気孔を更に含む。
インスタントコーヒー粉末は、水との再構成時に少なくとも0.25mL/gのクレマ、例えば、水との再構成時に少なくとも0.75mL/gのクレマを有するコーヒー飲料を提供するためのものであり得る。
インスタントコーヒー粉末は、顆粒を含み得る。好ましくは、インスタントコーヒー粉末顆粒は、0.5mmを超える平均径を有する。好ましくは、インスタントコーヒー粉末顆粒は、4mm未満の平均径を有する。最も好ましくは、インスタントコーヒー粉末顆粒は、約3mmの平均径を有する。平均顆粒直径は、例えば、較正された篩によって測定することができる。
本明細書で使用する場合、用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」は、「含む(including)」又は「含む(includes)」又は「含有する(containing)」又は「含有する(contains)」と同義であり、他を包含し得るもの、すなわちオープンエンドであり、かつ追加の、列挙されていない構成、要素、又は工程を除外しない。用語「含む(comprising)」、「含む(comprises)」、及び「から構成される(comprised of)」はまた、用語「を含む(consisting of)」を含む。
本明細書で使用するとき、用語「約(about)」は、略(approximately)、のあたり(in the region of)、大体(roughly)、又はおよそ(around)、を意味している。用語「約」が数値又は範囲と共に使用されるとき、「約」は、記載される数値(単数又は複数)を超える及び下回る境界を拡張することによって、その数値又は範囲を変更する。一般に、用語「約」及び「ほぼ」は、本明細書では、規定された値(単数又は複数)を10%だけ超える及び下回る数値(単数又は複数)を変更するために使用される。
[実施例]
実施例1-コーヒー溶液中のガス溶解度の特性、コーヒー溶液-ガス系の相図、及びコーヒー溶液のレオロジー
コーヒー溶液中のガス溶解度
コーヒー溶液中のガス溶解度を、強化高圧槽反応器及び圧力収着減衰(pressure sorption decay)方法を用いて実験的に評価し、三次多項式ガス状態方程式でヘッドスペースからのガス消費をモニターした。実験は、4℃及び10、20、30、35バールで、10℃及び10、20、30、35、40バールで実施した。初期充填量は、30重量%又は50重量%のコーヒー溶液のいずれかを100gとした。
図2及び表1は、コーヒー溶液中のCO溶解度に関する実験結果を示している。35バール及び4℃で、38.6mg/gのCOを、30重量%のコーヒー溶液に溶解した。30重量%のコーヒー溶液もまた、4℃及び10℃において、Nで試験した。35バール及び4℃で0.7mg/g及び50バール及び4℃で2.94mg/gを溶解した。10℃では、30重量%のコーヒー溶液へのNの溶解は検出できなかった。
Figure 2022535043000001
コーヒー溶液-CO及びコーヒー溶液-N相図
コーヒー溶液/COハイドレート-液体-蒸気(H-L-V)安定線を得るための相図は、高圧撹拌槽反応器及び高圧示差走査熱量測定(DSC)法における、等積多段階加熱/冷却分離温度サイクル法を用いて推定した。
図3aは、30重量%のコーヒー溶液・CO系に関して得られた平衡点を示している。得られた点は、純粋な水と、25重量%の糖溶液ハイドレート-液体-蒸気境界領域と、の間に収まっていて、これは、十分に記述されている25重量%の糖溶液が、30重量%のコーヒー溶液にとって好適なモデルであることを示唆している。
図3bには、文献(Kang,S.P.,et al.,2001.The Journal of Chemical Thermodynamics,33(5),pp.513-521)から採用した水中のCO/Nゲストとの混合ハイドレートに関する相図が含まれている。ハイドレート-液体-蒸気境界線は、単一CO(バール単位の2桁の圧力値)及びNハイドレート(バール単位の3桁の圧力値)に関する境界間に存在する様々なCO組成物について表示されている。
コーヒー溶液のレオロジー
30重量%、40重量%、50重量%及び60重量%のコーヒー溶液の粘度を測定した。図4は、コーヒー溶液のレオロジー特性評価の結果を示している。
図4aにおける剪断速度に対する粘度依存性は、大気圧及び30バールで同じであった。10~1000s-1の剪断速度スケールでは、材料はニュートン流体として分類することができた。主流ラインで主に使用した60重量%のコーヒー濃縮物では、粘度は、30バールで、およそ2.3Pasであった。主に高圧クラスレートハイドレートスラリー発生器(CLAG)反応器で使用した30重量%ミックスの場合、粘度は、およそ14~16mPasであった。これは、CO溶解前の高圧CLAG反応器での流量計測定値と符合した。高圧CLAG反応器でのガス溶解中、粘度値は、ハイドレート成長中に、およそ5℃の温度及び最大60mPasで、30重量%のコーヒー溶液について最大30mPasに上昇した。粘度値の上昇は、ガスの溶解及びガスハイドレートケージ中への埋め込みを示した。
図4bは、温度に対する粘度依存性を示している。温度が上昇すると粘度が低下する傾向が見られた。
実施例2-ガスハイドレートを含むコーヒースラリーの製造
ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを製造するために、高圧クラスレートハイドレートスラリー発生器(CLAG)反応器において、ガスの種類及び量のいくつかの組み合わせを試験した。ガスハイドレートを含まない溶存ガスを有するコーヒースラリーもまた、ガスハイドレート系との比較のために試験した。実験の完全なリストを表3に示す。
Figure 2022535043000002
COハイドレートコーヒースラリー
高圧クラスレートハイドレートスラリー発生器(CLAG)反応器中のコーヒー溶液からCOハイドレートスラリーを生成するための典型的なプロトコルは、いくつかの工程を含んだ。高圧CLAG反応器に、3リットルの30重量%コーヒー溶液を充填した。同時に、規定量のガス(50~400g)をガス槽シリンダーに充填した(圧力最大35バール)。SSHEユニットは、800rpmで回転させ、ポンプは40~50Hz(最大330L・h-1)であった。高圧CLAG反応器全体を、7℃~-8℃の範囲のガスハイドレート安定ゾーンの範囲内又は範囲外の温度領域まで冷却した。その後、ガス槽から高圧CLAG反応器を加圧した。過飽和が達成された後、一定時間後にガスハイドレートが形成された。この時、ガスハイドレートが最初に認められた時点を、誘導点(induction point)と呼ぶ。誘導点までの時間は、誘導時間と呼ばれる。誘導点の後、ガスハイドレートは成長期に入った。
特定の発泡用途のために水の量を低減するために、高粘性の初期コーヒー溶液が望ましかった。しかしながら、より高い粘度のスラリー(0.3Pas)ではポンピングが困難であった。したがって、送り込み試験のためには30重量%のコーヒー溶液を選択した。
CO:Nハイドレートコーヒースラリー
試験では、CO及びNを用いてガスハイドレートを形成し、COのNに対する最大0.64の比率について試験した。0.47~0.54のCO比率は、ガスハイドレート形成後に均一な流動プロファイルを有し、取り扱いが容易であった。およそ20バールの圧力でCOを用いてコーヒー溶液中に少量のガスハイドレートを形成した後、水素結合している未占有のケージをより小さいN分子によって更に充填することができると仮定して、35バールの圧力まで加圧してNを添加した。
送り込み試験のための高圧CLAG反応器条件
図5及び表4は、CO及びCO:Nハイドレートコーヒースラリーのガスハイドレート出現後に、高圧CLAG反応器試験における密度の減少及び粘度傾向の増加を示している。
Figure 2022535043000003
最後の行の圧力及び温度は、ガスハイドレートスラリーがEGLI主流ラインに送り込まれる前の状態について示している。窒素注入前のCO2/N2実験の高圧CLAG反応器の圧力は、およそ19バールであった。Hはハイドレートを表し、Pは圧力を表し、Tは温度を表している。
ガス溶解による粘度の増加及び密度の低下は、ハイドレートが存在しない試験では顕著ではなく、ガスの消費が少ないことを示している。ある程度までは、密度及び粘度は、スラリー中のクラスレート物質の増加により報告することができよう。
コーヒースラリー試験におけるガス分布について推定するために、システム中のコーヒーは無視し、存在する相の占有率、水和数、及び体積分率を、コロラド鉱山学校(the Colorado school of Mines)CSMGEMガスハイドレートソフトウェアを使用して、システム中の水に関してのみ計算した(Sloan,E.D.and C.A.Koh:Clathrate Hydrates of Natural Gases.p.752,2007)。CO、50%占有率及び11.5の水和数を有する30重量%のコーヒー溶液について、ケージ占有率に関してより低い範囲の推定値が得られた(Teng,H,et al.,Chemical Engineering Science,50(4):559-564,1995を参照されたい)。Kangらによる観察結果(Kang,S.P.,et al.,2001.The Journal of Chemical Thermodynamics,33(5),pp.513-521)及び相図によって、プロセス条件におけるハイドレート中のCO/Nの量を推定することも可能であった。低圧及び所与のCO/N充填により、約2%の窒素がハイドレートに埋め込まれ、残りは二酸化炭素のままであった。結果を表5に示す。
Figure 2022535043000004
相分率は体積測定であり、Lは水である液体を表し、Hはハイドレートを表している。所与の場合に関する圧力温度の作業条件を示す。*この場合、液体は、(熱力学モデルで処理した)コーヒー溶液とみなす。
実施例3-インスタントコーヒー粉末の製造
主流EGLIラインへのコーヒースラリーの送り込み
ガスハイドレートがコーヒースラリー中に出現し、系が平衡状態にあったとき、又は系がガスで完全に飽和したとき、表6に示した設定でスラリーを主流EGLIラインに送り込んだ。主流は、独立した表面かき取り式熱交換器(SSHE)ユニットを有する改良型EGLI(EGLI AG)マーガリンパイロットプラントから構成されていた。主流ラインには、最大65重量%を含有する濃縮物を供給した。
Figure 2022535043000005
送り込みのための平均供与速度は、Nの場合は5~30秒毎とし、ガスハイドレートスラリーの場合には60~100秒毎とし、15.3cmを供与した。バルブの開口は、一般に1秒とした。500%ものオーバーランも容易に達成された。標準的なオーバーランは、使用された全ての発泡性媒体で100~200%の範囲であった。実験の大部分は、主流ライン上で60重量%のコーヒー溶液で行った。
典型的なガスハイドレートスラリーの送り込みを図6aに示し、またコーヒーに溶存Nを供与した状況(図6b)と比較した。
試験では溶液を頻繁に供与しなければならず、したがって、高圧CLAG反応器中の混合物は、供与プロセスの過程でより速く枯渇した。高圧CLAG反応器において、ガスハイドレートを含有せず、溶存ガスのみを含有する溶液の場合、供与される必要のあるより多くのガス化コーヒー溶液によってCLAG反応器圧力が変動したときに、主流ラインに関する背圧を調節することは一般に更に困難であった。スラリーを含有するガスハイドレートと比較して、高圧CLAG反応器からのより多量の供与(より高い供与頻度又はより長いバルブ開放)及びEGLIの表面かき取り式熱交換器ユニット上のより高いスクレーパー速度が、溶存ガスコーヒースラリーにとって必要であった。表6も参照されたい。
急速凍結安定化
これまでの試験により得られた発泡コーヒースラリーを、凍結乾燥工程まで、その気孔率及びガス保持を維持するように安定化した。EGLIの膨張バルブを超える更なる気泡膨張又は凝集を回避する急速凍結安定化が好ましい。安定化のために、以下のアプローチを適用した:
・ 泡沫微細構造を安定化させる-78.5℃で固体COペレットで生成物を捕捉すること。
・ 急冷効果を想定する-195.79℃で液体窒素中に生成物を直接捕捉すること。
・ 生成物を15~20バールの高圧で、Kisag(Bellach,CH)製の予圧され予冷された1Lの容器中に捕捉し、その内容物をドライアイス又は液体窒素で急速に冷却すること。圧力/温度主流ラインにおいて各条件がある程度保持されるという事実を考慮すると、生成物の部分的な膨張が想定される。このようにして、ガスハイドレートを保存することができる。
・ 液体窒素中に予め浸漬された厚さ1cmのアルミニウムプレート上に生成物を捕捉すること。直接液体窒素急冷と比較して、より遅い熱伝達が想定される。
・ -25℃、及び60重量%のコーヒー溶液の凝固点降下に近い温度(-16℃)において、2工程方式で第1のアニーリングをし、次いで、当該試料を-60℃で保管し、氷結晶成長を誘導する非常に穏やかな凍結プロファイル(標本の凍結乾燥に働き得る)を達成すること。当該アニーリングは、冷凍庫ボックス中で1時間行い、次いで、-60℃で保管する前に、Vebabox(Uden,NL)製の冷却ボックスにおいて、およそ融点の温度までゆっくりと戻した。
試料が安定化した後、当該試料を-60℃に保持された冷凍庫に保管した。
凍結乾燥
その後、試料を凍結乾燥させた。表7には、Millrock Technology freeze drier(Kingston,USA)で行った典型的な凍結乾燥プロファイルを示す。凍結乾燥は、系中の水の急速な昇華を回避し、小さなガスポケットの凝集を引き起こすために、長期に計画的に設計した乾燥プロセスで意図的に行った。
Figure 2022535043000006
実施例4-急速凍結させ乾燥凍結させた乾燥コーヒー試料の特性評価
クレマ形成
図7は、再構成された凍結乾燥試料及びそれらのクレマ生成能の実施例を示している。この1.6gの試料のインスタントコーヒー顆粒(約3mm)を、85℃の150mLの水で再構成した。
試料の全気孔率は、78%±9であり、72.7%の気孔率を有する参照インスタントコーヒー生成物と同等であった。
閉鎖気孔率は、クレマ形成に関連する情報を与えるため、より示唆的である。安定化した発泡コーヒー溶液の凍結乾燥後に、空気を含有する閉じた小さな気孔が発生した。これらの気孔は、多孔質インスタントコーヒー粉末が熱水で再構成されたときに解放される。参照インスタントコーヒー生成物は、61.2%の閉鎖気孔率を有し、全ての閉気孔は、5超~20μmの範囲であり、クレマ層をもたらした。従来のインスタントコーヒー生成物を、クレマをもたらさない6.2%の閉鎖気孔率を有するものと比較した。これによると、この研究からのインスタントコーヒー粉末は、インスタントコーヒー粉末からのクレマ形成を改善することに著しく寄与した。
COハイドレートスラリーを使用して製造されたインスタントコーヒー生成物について達成された最高の閉鎖気孔率は、18.9%であり、図7aを参照されたい。15.7%の閉鎖気孔率及び164%の高いオーバーランを有する最良のクレマ出現(COハイドレートスラリーを使用して製造されたインスタントコーヒー生成物に関して)が認められた。
窒素を導入して、気孔のサイズを減少させた。Nが関与している試料は全て、COハイドレートスラリーよりも閉鎖気孔率が高かった。クレマに関して、混合CO/Nハイドレートスラリーを使用して製造された最も成功したインスタントコーヒー生成物は、32%の閉鎖気孔率を有していた。
所与の実施例から、高いオーバーラン、高い気孔率(例えば、高い全気孔率、発泡性気孔率及び/又は閉鎖気孔率)、及び小さな閉気孔(混合ガスハイドレート中の窒素に起因する、例えば、CO/N>0.54)が、クレマ発生において最良に機能すると結論付けることができよう。
気孔分布
図8は、CO/Nハイドレートから形成された218%のオーバーランを有する、図7bのクレマに関する最良の試料を示している。
SEM画像は、20μm未満のより小さい気孔及びより大きい気孔約50μmを有する二峰性気孔分布を特徴として示している。小さい、ほとんど閉じた気孔は、Nからのみ形成された参照画像に似ており、ハイドレート構造から発生するNに起因している。一方、COに起因したより大きな気孔は、試料の再構成を容易にすることにとって有益であり、当該コーヒーを水の浸透しやすいものにする。したがって、参照の1/2倍の低い閉鎖気孔率を有するにもかかわらず、試料は依然としてクレマ層をもたらした。
図9は、主流EGLIラインから回収し、安定化された後、低温SEMで分析した試料を示している。溶存Nを有する第1の試料は、43%の低いオーバーランを有するが、気孔は非常に小さく、閉鎖している。0.55のCO/Nガス比率を有する別の画像は、非常に小さい閉気孔のフラクション及び151%のより高いオーバーランを特徴として示している。
図9の最後の2つの実施例は、Nが関与しない高CO充填を有する実施例を倍率250倍で示す。1つの試料は発泡した60重量%の濃縮物、もう一方は55重量%の濃縮物であった。COで発泡した55重量%コーヒー濃縮物は、60重量%のコーヒー濃縮物試料よりもわずかに大きい気孔を有する泡沫を形成した。クレマ形成に関して発泡コーヒー溶液の安定化タイプには効果は観察されなかった。
これらの結果は、理想的には、コーヒー濃縮物は、窒素ハイドレートで発泡させるべきであるが、そのためには高圧が必要とされる(最大300バール)ことを示唆している。
より低圧での持続可能なプロセスの場合、COハイドレート又は混合CO/Nハイドレートは、クレマ層をもたらすことができるインスタントコーヒー生成物を製造するための良好な代替である。COハイドレート又は混合CO/Nハイドレートの使用により、工業用途において所望されるフレキシブルさ及び急速凍結乾燥温度プロファイルを可能にし、純粋な窒素ハイドレートと比較して操作圧力を低下させることができる。
更に、混合CO/Nハイドレート中に分子的に埋め込まれた窒素は、参照試料に見られるように、高圧(150バール超)での溶存窒素と同様の構造を作り出すようである。混合ハイドレート中の窒素フラクションは、操作条件をより高い圧力及びより低い温度にシフトさせることによって増加させることができ、N由来の凍結乾燥生成物の閉鎖気孔率を増加させる。
溶存ガスを使用する方法(すなわち、参照試料を製造するために使用される方法)と比較して、ガスハイドレートを使用する利点は、クレマ層をもたらすことができるインスタントコーヒー製品を製造するために必要とされるガスがより少ない点である。また、中圧(35~50バール)でハイドレートを生成させる時間は、窒素ガスを溶解するための数時間と比較して、数分の範囲である。
実施例5-方法
示差走査熱量測定(DSC)
コーヒー溶液から形成されたCOハイドレートに関するハイドレート-液体-蒸気境界線を決定するための高圧DSC測定。使用したデバイスは、Setaram(Caluire,France)製のmicro DSC VII(1-7721-3)であり、測定は、大気圧、10バール、30バール及び50バールで、30重量%及び50重量%のコーヒー溶液について行った。試料及びサファイア基準物質の温度を炉中で記録した。測定の間中、圧力は一定であると仮定した。100μg未満のサイズの試料を特殊な高圧セルに充填し、所定の圧力に加圧した。その後、以下の表の温度プロファイルを適用し、3サイクルで繰り返した。ガスハイドレート解離のための吸熱融解ピークを特定し、開始温度をCOハイドレート平衡点とした。
Figure 2022535043000007
凝固点降下及び分子量を測定するための大気圧でのDSC測定。示差走査熱量測定を用い、コーヒー溶液の凝固点降下及びそれらの分子量を測定した。30重量%及び60重量%のコーヒー溶液について、三通りの試料を、Mettler Toledo(Ohio,USA)のDSC822e熱量計で測定した。凝固点降下は、Mettler Toledoによって提供されたSTAReソフトウェアにおける吸熱融解事象の開始として評価した。次いで、-1.86℃.m-1(水溶媒の量あたり)に等しい水溶媒に関する凝固点降下定数を使用して分子量を計算した。コーヒー粉末の分子量は、186g/molとなった。それぞれの凝固点降下は、30重量%のコーヒー溶液で-4.4℃であり、60重量%のコーヒー溶液で-15.5℃であった。
レオロジー
30重量%、40重量%、50重量%及び60重量%のコーヒー溶液の粘度をシリンダーカップ-ボブクエットジオメトリを使用して、圧力30バール及び大気圧下において、MRC302レオメーター(Anton Paar,Graz,Austria)で測定した。60重量%超のコーヒー溶液は、レオメーターにおいて良好に評価することができなかった。
剪断速度及び温度への粘度の依存性については、7℃の一定温度で1~1000s-1の範囲の剪断速度勾配で行った(ハイドレートの存在を除く)。次いで、30バールの圧力下で測定を繰り返した。温度による粘度変化は、線形温度勾配で10℃~0℃で行った後、次いで、0℃で5分間保持し、2℃/分の同じ速度で最大10℃まで上昇させた。
測定されたデータは、以下の等式を使用して当てはめた。
Figure 2022535043000008
凍結乾燥生成物の特徴
凍結乾燥生成物を挽き、篩分けして、従来のインスタントコーヒーに相当する代表的な顆粒(3mm)を得た。密度、開気孔率及び閉鎖気孔率、並びにクレマの生成能を試験した。
凍結乾燥コーヒーの密度測定マトリックス密度は、DMA4500M装置(Anton Paar,Switzerland AG)によって測定した。試料は、試料に応じた周波数で振動するように励起されたU字型ホウケイ酸ガラス管に導入した。特定の振動特徴に基づいて密度を測定した。器具の精度は、密度については5.10-5g・cm、温度については0.03℃であった。
凍結乾燥コーヒーの気孔率測定コーヒー顆粒の見かけ密度は、Accupyc 1330 ピクノメーター(Micrometrics Instrument Corporation,USA)によって測定した。この装置は、読み取り精度0.03%に公称フルスケールのセル室容積の精度0.03%を加えた範囲内で、体積の補正されたヘリウムの圧力変化を測定することにより、密度及び体積を求める。次いで、以下の等式に従って、マトリックス密度及び見かけ密度から開気孔率を計算した:
Figure 2022535043000009
閉鎖気孔率は、体積測定に基づいて測定された開気孔率と同様であった。凍結乾燥させた標本を、Geopyc1360デバイス(Micromeritics,Norcross,USA)で分析した。エンベロープ密度は、変位方法に基づいてピクノメーターによって測定した。当該試料は、高度の流動性を有する小さな硬質粒子のマトリックス中に配置した。試料の周囲で流動する球体(既知の重量を有する)は、開気孔には到達するが閉気孔には到達しないため、開気孔率を定義する。
安定化された凍結多孔質コーヒー標本の走査型電子顕微鏡法(低温SEM)。微細構造及び孔径は、安定化された凍結多孔質コーヒー標本の低温SEMで更に分析した。このために、安定化された試料は液体窒素下で保管した。その後、小刀を使用して試料を崩し、次いで、60%糖溶液を使用して代表的な片を試料ホルダーに接着した。調製は、液体窒素下で行った。試料ホルダーを、-150℃未満に予備冷却したBAF060低温SEM調製凍結フラクション及びエッチングステーション(Leica Microsystems,Wetzlar Germany)に試料を送り込むために使用される真空チャンバシャトルマニピュレータアーム中に挿入した。BAFステーションでは、新しく作製された表面を得るために、試料を破砕し、次いで、真空下で表在性の氷層を昇華させて、長い試料調製に起因して隠れ得る一部の部分を露出させることにより、エッチングした。エッチングは、-110℃で1.5分間行った。次いで、試料を、2kVの電圧で、制御された電子ビームガンによって3nmの層を有する炭素-金属ミックスでコーティングした。次いで、試料を、Gatan低温-真空-ホルダーシャトルを用いてSEM顕微鏡に移し、ステージに載せた。非点収差(stigmatism)及び絞り(aperture)を顕微鏡において設定し、画像を様々な倍率で取得した。
凍結乾燥多孔質コーヒー標本(SEM)の走査型電子顕微鏡法。気孔率調査のための凍結乾燥試料の走査型電子顕微鏡観察のため、試料を、両面導電性テープを備えた金属性標本スタブ上に接着させた。その後必要に応じて、それらの内部構造を明らかにするために、かみそり刃を使用して試料を破砕した。試料を、Leica SCD500スパッタコーターを使用して10nmの金層でコーティングし、Thermo Fischer Scientific(Waltham,USA)製のQuanta F200 Scanning Electron Microscopeを使用して、高/低真空モードで画像を取得した。
上記明細書で言及した全ての刊行物は、本明細書に参照により組み込まれる。本発明の開示される方法、組成物及び使用の様々な修正及び変更は、本発明の範囲及び主旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明は、特定の好ましい実施形態に関連して開示されているが、特許請求される本発明は、このような特定の実施形態に過度に限定されるべきではないことを理解されたい。実際、当業者には自明であり、本発明を実施するために開示された様式の種々の改変は以下の特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。

Claims (21)

  1. インスタントコーヒー粉末を製造するためのガスハイドレートの使用であって、前記ガスが、空気を含み、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴンのうちの1種以上を含み、好ましくは、前記ガスが、二酸化炭素及び/又は窒素を含む、使用。
  2. ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを製造する方法であって、
    (a)第1のコーヒー溶液を用意する工程と、
    (b)前記第1のコーヒー溶液を冷却する工程と、
    (c)前記第1のコーヒー溶液をガスで加圧して、ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを提供する工程であって、前記ガスが、空気であり、及び/又は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴンのうちの1種以上を含み、好ましくは、前記ガスが、二酸化炭素及び/又は窒素を含む、工程と、
    を含む、方法。
  3. 前記第1のコーヒー溶液が、-10℃~10℃、若しくは-8℃~7℃、若しくは-5℃~5℃、若しくは約5℃以上に冷却され、及び/又は前記ガス圧が、10~300バール、若しくは10~150バール、若しくは10~100バール、若しくは10~50バール、若しくは15~40バール、若しくは15~35バール、若しくは15~30バールである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記方法が、前記第1のコーヒー溶液を、0~5℃、又は約3℃まで冷却する工程と、前記第1のコーヒー溶液を、窒素で、好ましくは30~300バール、30~150バール、30~100バール、30~50バール、30~40バール、又は約35バールまで加圧する前に、前記第1のコーヒー溶液を、二酸化炭素で、好ましくは15~25バール、又は約20バールまで加圧する工程と、を含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記方法が、前記コーヒースラリー中に前記ガスハイドレートを分散させる工程を更に含む、請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. ガスハイドレートを含むコーヒースラリーであって、前記ガスが、空気であり、及び/又は二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素及びアルゴンのうちの1種以上を含み、好ましくは、前記ガスが、二酸化炭素及び/又は窒素を含む、コーヒースラリー。
  7. 前記コーヒースラリーが、二酸化炭素を、好ましくは0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、約1mol/L、若しくは約1.6mol/L含み、及び/又は窒素を、好ましくは0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、又は約0.05mol/L含む、請求項2~5のいずれか一項に記載の方法又は請求項5に記載のコーヒースラリー。
  8. 前記コーヒースラリーが、1:1~5:1、好ましくは2:1~3:1の、前記ハイドレートフラクション中のガス対前記液体フラクション中のガスの比(H:L)を有する、請求項2~5、7のいずれか一項に記載の方法又は請求項6若しくは7に記載のコーヒースラリー。
  9. 前記コーヒースラリーが、10重量%~50重量%、20重量%~40重量%、又は約30重量%のコーヒー固形分を含む、請求項2~5、7、8のいずれか一項に記載の方法又は請求項6~8のいずれか一項に記載のコーヒースラリー。
  10. 前記コーヒースラリーが、10~100mPas、若しくは20~100mPas、若しくは30~65mPas、若しくは約30mPas以上、及び/又は約100mPas以下の粘度を有し、好ましくは、前記コーヒースラリーの前記粘度が、前記第1のコーヒー溶液より大きい、請求項2~5、7~9のいずれか一項に記載の方法又は請求項6~9のいずれか一項に記載のコーヒースラリー。
  11. インスタントコーヒー粉末を製造する方法であって、
    (a)ガスハイドレートを含むコーヒースラリーを、第2のコーヒー溶液と混合して、コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスを提供する工程と、
    (b)圧力を解放し、及び/又は前記コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの温度を上昇させて、発泡コーヒー溶液を提供する工程と、
    (c)好ましくは凍結乾燥によって前記発泡コーヒー溶液を乾燥させて、乾燥コーヒーを提供する工程と、
    (d)前記乾燥コーヒーを粉砕して、インスタントコーヒー粉末を提供する工程と、
    を含む、方法。
  12. 前記コーヒースラリーが、請求項2~5、8~10のいずれか一項に記載の方法によって製造される、又は請求項6~10のいずれか一項に記載のガスハイドレートを含むコーヒースラリーである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記コーヒースラリーが、二酸化炭素を、好ましくは0.5~5mol/L、1~5mol/L、1~2mol/L、約1mol/L、若しくは約1.6mol/L含み、及び/又は窒素を、好ましくは0.01~0.5mol/L、0.02~0.1mol/L、若しくは約0.05mol/L含む、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 前記第2のコーヒー溶液が、10重量%~70重量%、30重量%~70重量%、50重量%~70重量%、55重量%~65重量%、60重量%~65重量%、又は約60重量%のコーヒー固形分を含む、請求項11~13に記載の方法。
  15. 前記コーヒースラリーが、略等圧等温条件下で前記第2のコーヒー溶液に添加され、好ましくは、前記略等圧等温条件は、-10℃~10℃、若しくは-8℃~7℃、若しくは-5℃~5℃、若しくは約-5℃以上の温度であり、及び/又は10~300バール、若しくは10~150バール、若しくは10~100バール、若しくは10~50バール、若しくは15~40バール、若しくは15~35バール、若しくは15~30バールのガス圧力である、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記発泡コーヒー溶液が、50~500%、又は200~400%、又は250~350%、又は約300%のオーバーランに達する、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記圧力を解放する工程及び/又は前記コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの前記温度を上昇させる工程において、前記圧力が、1バール~10バール、若しくは5バール~10バールまで解放され、及び/又は前記コーヒースラリー/コーヒー溶液ミックスの前記温度が、-5℃~10℃、若しくは0℃以上、若しくは約5℃、若しくは10℃以上まで上昇する、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記方法が、前記発泡コーヒー溶液を乾燥させる前に、前記発泡コーヒー溶液を急速凍結させる追加の工程を含む、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 15%~50%、又は20%~35%、又は25%~34%、又は30~34%、又は約30%の閉鎖気孔率を有する、インスタントコーヒー粉末。
  20. 25%~34%、又は30~34%、又は約30%の発泡性気孔率を有する、インスタントコーヒー粉末。
  21. 前記インスタントコーヒー粉末が、二峰性気孔分布を有する、請求項19又は20に記載のインスタントコーヒー粉末。

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