良好なシェービング体験と最高のシェービング結果を提供するために長年に亘ってシェービング装置に種々の改良を加えたにもかかわらず、最近の試験では、適切な圧力でシェービング装置を適用し、正しい動きでシェービング装置を動かすという点で、男性の多くは、顔をシェービングする際に正しいシェービング技術を使用していないことが示されている。特に、回転シェービング装置(高速に回転する1つ以上の円形刃を含む切断要素を使用して毛が切断される)の場合、多くの男性は、シェービング装置を過度にしっかりと又は過度に柔らかく押圧し、円運動の代わりに直線運動を使用する。でないシェービング技術でシェービング装置を使用すると、シェービング結果に対する不満をもたらす可能性がある。
それ故、ユーザを最適なシェービング技術に導くことが望ましい。国際特許出願公開WO2018/206805は、回転シェーバの動きに関してフィードバックを提供して、ユーザが小さな回転運動で回転シェーバを動かすことを促すことができると述べている。しかしながら、上述したように、ユーザが適切な圧力で皮膚にシェービング装置を適用することも望ましい。
それ故、シェービング装置が皮膚に適用されている圧力に関する適切なフィードバックを決定及び提供し、ユーザに適切な圧力を使用することを促すことができる技術が必要とされている。
第1の態様によれば、シェービング動作の間にシェービング装置のユーザにフィードバックを提供するコンピュータ実装された方法が提供される。前記方法は、1つ以上のパラメータのための値を決定するステップであって、前記1つ以上のパラメータは、(i)どれくらい頻繁に前記ユーザが前記シェービング装置を用いてシェービング動作を実行するかを示すシェービング頻度尺度、(ii)前記シェービング装置を用いたシェービング動作の間及び/又は後に前記ユーザにより体験される皮膚刺激を示す皮膚刺激尺度、(iii)前記シェービング装置を用いたシェービング動作の後に前記ユーザが前記ユーザの毛がどれくらい短くなっていることを欲するかを示すシェービング近接度尺度、及び(iv)前記シェービング装置が前記シェービング動作の間に湿った皮膚上で用いられるか乾いた皮膚上で用いられるかの少なくとも1つを有する、ステップと、前記決定された前記1つ以上のパラメータのための値に基づいて、前記ユーザについての圧力範囲を決定するステップであって、前記圧力範囲は、上限圧力閾値及び下限圧力閾値を持つ、ステップと、前記シェービング装置を用いたシェービング動作の間、前記シェービング装置が前記ユーザの皮膚に当てられる圧力を表す圧力測定値を受信するステップと、前記受信された圧力測定値を前記決定された圧力範囲と比較し、前記決定された圧力範囲に関して加えられる圧力に関する前記ユーザのためのフィードバックを決定するステップと、前記シェービング装置に関連するフィードバック要素にフィードバック制御信号を出力するステップであって、前記フィードバック制御信号は、前記決定されたフィードバックを前記ユーザに提供するよう前記フィードバック要素を制御するためのものである、ステップと、を有する。斯くして、第1の態様は、シェービング装置が皮膚に適用されている圧力に関する適切なフィードバックが決定され、提供されることを可能にし、このことは、ユーザがシェービングのために適切な圧力を使用することを奨励し得る。
幾つかの実施例においては、値を決定するステップは、シェービング頻度尺度、皮膚刺激尺度、シェービング近接度尺度、及びシェービング装置が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの全ての値を決定することを有する。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記シェービング頻度尺度を有する場合には、前記シェービング頻度尺度が第1のシェービング頻度値を持つ場合、前記下限圧力閾値を第1の下限圧力閾値に設定し、前記シェービング頻度尺度が第2のシェービング頻度値を持つ場合、前記下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定するステップを有し、前記第1のシェービング頻度値は、前記第2のシェービング頻度値よりも頻繁なシェービングを表し、前記第1の下限圧力閾値は、前記第2の下限圧力閾値よりも低い。斯くして、ユーザがシェービング操作を行う頻度が高いほど、圧力閾値は低くなる。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記皮膚刺激尺度を有する場合には、前記圧力範囲を決定するステップは、前記皮膚刺激尺度が第1の皮膚刺激値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記皮膚刺激尺度が第2の皮膚刺激値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定するステップを有し、前記第1の皮膚刺激値は、前記第2の皮膚刺激値よりも大きな皮膚刺激を表し、前記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも低い。斯くして、皮膚刺激が高ければ高いほど、皮膚刺激が、シェービング装置を皮膚に強く押しつけ過ぎることに起因するか、又はそれによって悪化する可能性があるので、上限圧力閾値は低くなる。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記シェービング近接度尺度を有する場合には、前記圧力範囲を決定するステップは、前記シェービング近接度尺度が、第1のシェービング近接度値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記シェービング近接度尺度が第2のシェービング近接度値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定するステップを有し、前記第1のシェービング近接度値は、前記第2のシェービング近接度値よりも近接を表し、前記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも高い。斯くして、シェービングが近ければ近いほど(即ちシェービング操作後の毛が短ければ短いほど)、上限圧力閾値は高くなるべきである。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータは、少なくとも前記シェービング装置が前記シェービング動作の間に湿った皮膚上で用いられるか乾いた皮膚上で用いられるかを有する場合には、前記圧力範囲を決定するステップは、前記シェービング装置が乾いた皮膚上で用いられる場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記シェービング装置が湿った皮膚上で用いられる場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定するステップを有し、記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも高い。斯くして、シェービング装置が乾いた皮膚と比較して湿った皮膚上で使用される場合、上限圧力閾値はより低い。
幾つかの実施例においては、値を決定するステップは、ユーザインタフェースを介して入力として1つ以上の値を受けるステップを有する。これにより、ユーザは、所望のシェービング近接度及び/又はシェービング頻度等のパラメータのうちの1つ以上に対する好適な値を入力しても良い。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、少なくともシェービング頻度尺度を有し、値を決定するステップは、或る期間に亘るシェービング装置の使用に関する使用情報を受信するステップと、使用情報を分析して、ユーザがシェービング動作を実行する頻度を決定するステップと、を有する。斯くして、幾つかの実施例においては、シェービング頻度尺度の値が自動的に決定され得る。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、少なくとも皮膚刺激尺度を有し、値を決定するステップは、ユーザの皮膚を観察又は測定する第1のセンサから第1の測定信号を受信するステップと、受信した第1の測定信号を分析して皮膚の皮膚刺激の値を決定するステップと、を有する。斯くして、幾つかの実施例においては、皮膚刺激尺度が自動的に決定され得る。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、シェービング装置がシェービング動作中に湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかを少なくとも有し、値を決定するステップは、ユーザの皮膚上及び/又はシェービング装置上の水分を測定する水分センサから第2の測定信号を受信するステップと、シェービング装置がシェービング動作中に湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかを決定するために、受信された第2の測定信号を分析するステップと、を有する。斯くして、幾つかの実施例においては、シェービング装置が湿った皮膚上で使用されるか、乾いた皮膚上で自動的に使用されるか、が決定され得る。
幾つかの実施例においては、前記フィードバックを決定するステップは、前記加えられる圧力が前記決定された圧力範囲内である場合、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定し、前記加えられる圧力が前記決定された圧力範囲外である場合、不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定するステップを有する。
これらの実施例においては、圧力範囲は、下限圧力閾値の周りの第1の境界領域及び上限圧力閾値の周りの第2の境界領域を更に有しても良く、フィードバックを決定するステップは、(i)加えられる圧力が決定された圧力範囲内であり、かつ第1の境界領域及び第2の境界領域の外側である場合に、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定するステップと、(ii)加えられる圧力が決定された圧力範囲外であり、かつ第1の境界領域及び第2の境界領域の外側である場合に、不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定するステップと、(iii)加えられる圧力が第1の境界領域又は第2の境界領域内である場合に、中間フィードバックを決定するステップと、を有しても良く、中間フィードバックは、第1のフィードバック及び第2のフィードバックの重み付けされた組合せであり、第1のフィードバックの重み付け及び第2のフィードバックの重み付けは、それぞれ、加えられる圧力の線形関数に基づいて実行される。斯くして、これらの実施例は、第1のフィードバックと第2のフィードバックとの間に緩やかな移行があることを提供し、このことは、ユーザがフィードバックを解釈し、それらの行動を適切な圧力に調整するのを助けることができる。
代替の実施例においては、前記フィードバックを決定するステップは、前記加えられる圧力が前記決定された圧力範囲内である場合、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定し、前記加えられる圧力が前記下限圧力閾値よりも低い場合、低い不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定し、前記加えられる圧力が前記上限圧力閾値よりも高い場合、高い不適切な圧力を示す第3のフィードバックを決定するステップを有する。これらの実施例は、加えられた圧力が高過ぎるか低過ぎるかによってフィードバックが異なるため、適切な圧力を達成するためにユーザが必要とする調節がより直感的であるという利点を持つ。
これらの実施例においては、前記圧力範囲は更に、前記下限圧力閾値のまわりの第1の境界範囲と、前記上限圧力閾値のまわりの第2の境界範囲と、を有しても良く、前記フィードバックを決定するステップは、(i)前記加えられる圧力が前記決定された圧力範囲内であり且つ前記第1の境界範囲及び前記第2の境界範囲の外である場合、適切な圧力を示す前記第1のフィードバックを決定するステップと、(ii)前記加えられる圧力が前記下限圧力閾値よりも低く且つ前記第1の境界範囲の外である場合、低い不適切な圧力を示す前記第2のフィードバックを決定するステップと、(iii)前記加えられる圧力が前記上限圧力閾値よりも高く且つ前記第2の境界範囲の外である場合、高い不適切な圧力を示す前記第3のフィードバックを決定するステップと、(iv)前記加えられる圧力が前記第1の境界範囲内である場合、第1の中間フィードバックを決定するステップであって、前記第1の中間フィードバックは、前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックの重み付けされた組み合わせであり、前記第1のフィードバックのための重み付け及び前記第2のフィードバックのための重み付けは、それぞれ前記加えられる圧力の線形関数に基づいて実行される、ステップと、(v)前記加えられる圧力が前記第2の境界範囲内である場合、第2の中間フィードバックを決定するステップであって、前記第2の中間フィードバックは、前記第1のフィードバック及び前記第3のフィードバックの重み付けされた組み合わせであり、前記第1のフィードバックのための重み付け及び前記第3のフィードバックのための重み付けは、それぞれ前記加えられる圧力の線形関数に基づいて実行される、ステップと、を有する。斯くして、これらの実施例は、第1のフィードバックと第2のフィードバックとの間、及び第1のフィードバックと第3のフィードバックとの間に緩やかな移行があることを提供し、このことは、ユーザがフィードバックを解釈し、それらの行動を適切な圧力に調整するのを更に助けることができる。
幾つかの実施例においては、決定されたフィードバックは、1つ以上の照明要素の色である。代替の実施例においては、フィードバック要素は、1つ以上の照明要素、1つ以上のスピーカ、表示画面、及び1つ以上の触覚フィードバック要素のうちの任意の1つ以上である。
幾つかの実施例においては、前記比較するステップは、ローパスフィルタを用いて前記受信された圧力測定値をフィルタリングするステップと、前記フィルタリングされた圧力測定値を前記決定された圧力範囲と比較して前記フィードバックを決定するステップと、を有する。加えられる圧力/力は、シェービング動作中に極めて短いタイムスケールに亘って変化し得、及び/又は測定された圧力にノイズ/アーチファクトが存在することがあり得るため、ローパスフィルタリングは、フィードバックが急速に交番すること(ユーザが適切な方法でシェービング装置の使用を適応させることを困難にする可能性があり、ユーザにとって気を散らす可能性がある)を回避するという利益を有する。これらの実施例においては、ローパスフィルタは、0.2秒のような、0.1秒乃至0.7秒の範囲から選択される時定数を持っても良い。
幾つかの実施例においては、該方法は、シェービング動作中にユーザによるシェービング装置の動きを表す動き測定値を受信するステップと、受信した動き測定値を処理してユーザによるシェービング装置の動きのタイプを決定するステップと、決定された動きのタイプに関連するユーザのための動きフィードバックを決定するステップと、を更に有し、フィードバック制御信号は、決定された動きフィードバックをユーザに提供するようにフィードバック要素を制御するためのものである。斯くして、これらの実施例においては、フィードバックは、シェービング装置が皮膚に押し付けられている圧力と、シェービング装置の動きと、の両方に対して提供される。
幾つかの実施例においては、該方法は、1つ以上のシェービング動作の後に、1つ以上のシェービング動作でユーザの満足度の指示を受信するステップと、受信された指示が、ユーザが1つ以上のシェービング動作に満足していないことを示す場合に、1つ以上のパラメータの値を変更することをユーザに示す出力をユーザに提供するステップと、を更に有する。
幾つかの実施例においては、該方法は、シェービング装置内で実行される。代替の実施例においては、該方法は、シェービング装置とは別個の装置内で実行される。
幾つかの実施例においては、フィードバック要素は、シェービング装置の一部である。
第2の態様によれば、コンピュータ読み取り可能な媒体を有するコンピュータプログラム製品が提供される。コンピュータ読み取り可能な媒体は、そこに実装されたコンピュータ読み取り可能なコードを持つ。コンピュータ読み取り可能なコードは、適切なコンピュータ又はプロセッサによる命令実行時に、コンピュータ又はプロセッサに、第1の態様又はその任意の実施例による方法を実行させるように構成される。
第3の態様によれば、シェービング動作の間にシェービング装置のユーザにフィードバックを提供するための機器が提供される。前記機器は、1つ以上のパラメータのための値を決定し、ここで前記1つ以上のパラメータは、(i)どれくらい頻繁に前記ユーザが前記シェービング装置を用いてシェービング動作を実行するかを示すシェービング頻度尺度、(ii)前記シェービング装置を用いたシェービング動作の間及び/又は後に前記ユーザにより体験される皮膚刺激を示す皮膚刺激尺度、(iii)前記シェービング装置を用いたシェービング動作の後に前記ユーザが前記ユーザの毛がどれくらい短くなっていることを欲するかを示すシェービング近接度尺度、及び(iv)前記シェービング装置が前記シェービング動作の間に湿った皮膚上で用いられるか乾いた皮膚上で用いられるかの少なくとも1つを有し、決定された前記1つ以上のパラメータのための値に基づいて、前記ユーザについての圧力範囲を決定し、ここで前記圧力範囲は、上限圧力閾値及び下限圧力閾値を持ち、前記シェービング装置を用いたシェービング動作の間、前記シェービング装置が前記ユーザの皮膚に当てられる圧力を表す圧力測定値を受信し、前記受信された圧力測定値を前記決定された圧力範囲と比較し、前記決定された圧力範囲に関して加えられる圧力に関する前記ユーザのためのフィードバックを決定し、前記シェービング装置に関連するフィードバック要素にフィードバック制御信号を出力し、ここで前記フィードバック制御信号は、前記決定されたフィードバックを前記ユーザに提供するよう前記フィードバック要素を制御するためのものである、ように構成された処理ユニットを有する。斯くして、第3の態様は、シェービング装置が皮膚に適用されている圧力に関する適切なフィードバックが決定され、提供されることを可能にし、このことは、ユーザがシェービングのために適切な圧力を使用することを奨励し得る。
幾つかの実施例においては、処理ユニットは、シェービング頻度尺度、皮膚刺激尺度、シェービング近接度尺度、及びシェービング装置が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるか、の全ての値を決定するように構成される。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記シェービング頻度尺度を有する場合には、前記処理ユニットは、前記シェービング頻度尺度が第1のシェービング頻度値を持つ場合、前記下限圧力閾値を第1の下限圧力閾値に設定し、前記シェービング頻度尺度が第2のシェービング頻度値を持つ場合、前記下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定することにより前記圧力範囲を決定するよう構成されても良く、前記第1のシェービング頻度値は、前記第2のシェービング頻度値よりも頻繁なシェービングを表し、前記第1の下限圧力閾値は、前記第2の下限圧力閾値よりも低い。斯くして、ユーザがシェービング操作を行う頻度が高いほど、圧力閾値は低くなる。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記皮膚刺激尺度を有する場合には、前記処理ユニットは、前記皮膚刺激尺度が第1の皮膚刺激値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記皮膚刺激尺度が第2の皮膚刺激値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定することにより前記圧力範囲を決定するよう構成されても良く、前記第1の皮膚刺激値は、前記第2の皮膚刺激値よりも大きな皮膚刺激を表し、前記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも低い。斯くして、皮膚刺激が高ければ高いほど、皮膚刺激は、シェービング装置を皮膚に強く押しつけ過ぎることに起因するか、又はそれによって悪化する可能性があるので、上限圧力閾値は低くなる。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記シェービング近接度尺度を有する場合には、前記処理ユニットは、前記シェービング近接度尺度が、第1のシェービング近接度値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記シェービング近接度尺度が第2のシェービング近接度値を持つ場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定することにより前記圧力範囲を決定するよう構成されても良く、前記第1のシェービング近接度値は、前記第2のシェービング近接度値よりも近接を表し、前記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも高い。それ故、シェービングが近ければ近いほど(即ちシェービング操作後の毛が短ければ短いほど)、上限圧力閾値は高くなるべきである。
幾つかの実施例においては、前記1つ以上のパラメータが、少なくとも前記シェービング装置が前記シェービング動作の間に湿った皮膚上で用いられるか乾いた皮膚上で用いられるかを有する場合には、前記処理ユニットは、前記シェービング装置が乾いた皮膚上で用いられる場合、前記上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定し、前記シェービング装置が湿った皮膚上で用いられる場合、前記上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定することにより前記圧力範囲を決定するよう構成されても良く、記第1の上限圧力閾値は、前記第2の上限圧力閾値よりも高い。斯くして、シェービング装置が乾いた皮膚と比較して湿った皮膚上で使用される場合、上限圧力閾値はより低い。
幾つかの実施例においては、処理ユニットは、ユーザインタフェースを介して入力として1つ以上の値を受信することによって価値を決定するように構成される。これにより、ユーザは、所望のシェービング近接度及び/又はシェービング頻度等のパラメータのうちの1つ以上に対する好適な値を入力しても良い。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、少なくともシェービング頻度尺度を有し、処理ユニットは、或る期間に亘るシェービング装置の使用に関する使用情報を受信し、使用情報を分析して、ユーザがシェービング動作を実行する頻度を決定することによって、値を決定するように構成される。斯くして、幾つかの実施例においては、シェービング頻度尺度の値が自動的に決定され得る。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、少なくとも皮膚刺激尺度を有し、処理ユニットは、ユーザの皮膚を観察又は測定する第1のセンサから第1の測定信号を受信し、受信した第1の測定信号を分析して皮膚の皮膚刺激値を決定することによって、値を決定するように構成される。それ故、幾つかの実施例においては、皮膚刺激尺度が自動的に決定され得る。
幾つかの実施例においては、1つ以上のパラメータは、シェービング装置がシェービング動作中に湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかを少なくとも有し、処理ユニットは、ユーザの皮膚及び/又はシェービング装置上の水分を測定する水分センサから第2の測定信号を受信することによって、及びシェービング装置がシェービング動作中に湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかを決定するために受信された第2の測定信号を分析することによって、値を決定するように構成される。斯くして、幾つかの実施例においては、シェービング装置が湿った皮膚上で使用されるか、又は乾いた皮膚上で自動的に使用されるかが決定され得る。
幾つかの実施例においては、処理ユニットは、加えられた圧力が決定された圧力範囲内にある場合には適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定し、加えられた圧力が決定された圧力範囲外にある場合には不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定することによって、フィードバックを決定するように構成される。
これらの実施例においては、圧力範囲は、更に、(i)加えられた圧力が決定された圧力範囲内であり、第1の境界領域及び第2の境界領域外である場合に、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定することと、(ii)加えられた圧力が決定された圧力範囲外であり、第1の境界領域及び第2の境界領域外である場合に、誤った圧力を示す第2のフィードバックを決定することと、(iii)加えられた圧力が第1の境界領域又は第2の境界領域内である場合に、中間フィードバックを決定することと、によってフィードバックを決定するように構成することができ、中間フィードバックは、第1のフィードバック及び第2のフィードバックの重み付けされた組合せであり、第1のフィードバックの重み付け及び第2のフィードバックの重み付けは、それぞれ、加えられた圧力の線形関数に基づいて実行される。斯くして、これらの実施例は、第1のフィードバックと第2のフィードバックとの間に緩やかな移行があることを提供し、このことは、ユーザがフィードバックを解釈し、それらの行動を適切な圧力に調整するのを助けることができる。
代替の実施例においては、処理ユニットは、加えられた圧力が決定された圧力範囲内にある場合には適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定し、加えられた圧力が下限圧力閾値を下回る場合には低い不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定し、加えられた圧力が上限圧力閾値を上回る場合には高い不適切な圧力を示す第3のフィードバックを決定することによって、フィードバックを決定するように構成される。これらの実施例は、加えられた圧力が高過ぎるか低過ぎるかによってフィードバックが異なるため、適切な圧力を達成するためにユーザが必要とする調節がより直感的となるという利点を持つ。
これらの実施例においては、圧力範囲は、更に、(i)加えられた圧力が決定された圧力範囲内であり、第1の境界領域及び第2の境界領域外である場合に、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定することと、(ii)加えられた圧力が、下限圧力閾値未満であり、かつ第1の境界領域外である場合に、低い不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定することと、(iii)加えられた圧力が、より高い不適切な圧力を示す第3のフィードバックを決定することと、(iv)加えられた圧力が、上限圧力閾値を超え、且つ第2の境界領域外である場合に、第3のフィードバックを決定することと、(iv)加えられた圧力が、第1の境界領域内である場合に、第1の中間フィードバックを決定することであって、第1の中間フィードバックは、第1のフィードバック及び第2のフィードバックの重み付けされた組合せであり、第1のフィードバックの重み付け及び第2のフィードバックの重み付けは、それぞれ、加えられた圧力の線形関数に基づくことと、(v)加えられた圧力が第2の境界領域内にある場合、第2の中間フィードバックを決定することであって、第2の中間フィードバックは、第1のフィードバック及び第3のフィードバックの重み付けされた組合せであり、第1のフィードバックの重み付け及び第3のフィードバックの重み付けは、それぞれ、加えられた圧力の線形関数に基づいて実行されことと、によってフィードバックを決定するように構成することができる。斯くして、これらの実施例は、第1のフィードバックと第2のフィードバックとの間、及び第1のフィードバックと第3のフィードバックとの間に緩やかな移行があることを提供し、このことは、ユーザがフィードバックを解釈し、それらの行動を適切な圧力に調整するのを更に助けることができる。
幾つかの実施例においては、決定されたフィードバックは、1つ以上の照明要素の色である。代替の実施例においては、フィードバック要素は、1つ以上の照明要素、1つ以上のスピーカ、表示画面、及び1つ以上の触覚フィードバック要素のうちの任意の1つ以上である。
幾つかの実施例においては、前記処理ユニットは更に、ローパスフィルタを用いて前記受信された圧力測定値をフィルタリングし、前記フィルタリングされた圧力測定値を前記決定された圧力範囲と比較して前記フィードバックを決定するよう構成される。加えられる圧力/力は、シェービング動作中に極めて短いタイムスケールに亘って変化し得、及び/又は測定された圧力にノイズ/アーチファクトが存在することがあり得るため、ローパスフィルタリングは、フィードバックが急速に交番すること(ユーザが適切な方法でシェービング装置の使用を適応させることを困難にする可能性があり、ユーザにとって気を散らす可能性がある)を回避するという利益を有する。これらの実施例においては、ローパスフィルタは、0.2秒のように、0.1秒乃至0.7秒の範囲から選択される時定数を持っても良い。
幾つかの実施例においては、処理ユニットは、更に、シェービング動作中にユーザによるシェービング装置の動きを表す動き測定値を受け取り、受け取った動き測定値を処理して、ユーザによるシェービング装置の動きの種類を決定し、決定された動きの種類に関連するユーザのための動きフィードバックを決定するよう構成され、フィードバック制御信号は、決定された動きフィードバックをユーザに提供するようにフィードバック要素を制御するためのものである。斯くして、これらの実施例においては、フィードバックは、シェービング装置が皮膚に押し付けられている圧力と、シェービング装置の動きとの両方に対して提供される。
幾つかの実施例においては、処理ユニットは、1つ以上のシェービング動作の後に、1つ以上のシェービング動作でユーザの満足度の指示を受信し、受信された指示が、ユーザが1つ以上のシェービング動作に満足していないことを示す場合、1つ以上のパラメータの値を変更することをユーザに示す出力をユーザに提供するように更に構成される。
幾つかの実施例においては、該機器は、シェービング装置の一部である。代替の実施例においては、該機器は、シェービング装置とは別個である。
幾つかの実施例においては、フィードバック要素は、シェービング装置の一部である。
これら及び他の態様は、以下に記載される実施例から明らかであり、かつ、それを参照して解明されるであろう。
本発明をより良く理解し、本発明がどのように実行され得るかをより明確に示すために、単なる例として、添付の図面を参照する。
ここに記載された技術は、ユーザの皮膚に適用(押圧)され、皮膚上で動かされて、皮膚上の毛が切断されるシェービング動作を実行するシェービング装置に適用可能である。シェービング装置は、フォイル(foil)ベースのシェービング装置又は回転シェービング装置のような任意のタイプのシェービング装置であっても良い。回転シェービング装置は、急速に回転する1つ以上の円形の刃を有する切断要素を使用して毛を切断するシェービング装置の一種である。好適には、回転シェービング装置は、回転運動を用いて皮膚上を移動され、その結果、シェービング装置は、例えば、ユーザの皮膚上の略円形の経路をたどる。回転シェービング装置は、典型的には、少なくとも2つの切断要素、好適には三角形に配置された3つの切断要素を含むが、異なる数の切断要素及び/又は配置を持つ回転シェービング装置が利用可能である。小さな回転運動で回転シェービング装置を動かすことは、特に皮膚刺激を減少させる点で、改善されたシェービング性能を提供することが見出された。しかしながら、シェービング装置(回転式であってもフォイルベースであっても)が適切な圧力で皮膚に適用されることは依然として重要である。従って、ここに記載される技術は、シェービング装置がユーザの皮膚に適用されている圧力についてフィードバックを提供することを可能にする。
図1は、シェービング装置4及び機器6を含む種々の実施例によるシェービングシステム2のブロック図である。これらの種々の実施例においては、機器6を使用して、1つ以上の特定のパラメータの値に基づいてユーザの圧力範囲を決定し、圧力範囲を、シェービング装置が皮膚に適用されている圧力の測定値と比較することによって、ユーザに提供されるフィードバックを決定しても良い。以下に述べるように、種々の他の実施例においては、機器6は圧力範囲のみを決定することができ、シェービング装置4はフィードバックを決定しても良い。また、以下に述べるように、種々の他の実施例において、シェービングシステム2は、別個の機器6を含まなくても良く、ここに記載される機器6の機能は、シェービング装置4内に又はそれによって提供されても良い。
図示の実施例においては、機器6は、処理ユニット8、メモリユニット10、ユーザインタフェース要素12及びインタフェース回路14を有する。幾つかの実施例においては、機器6は、スマートフォン、スマートウォッチ、タブレット、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、スマートミラー等の電子装置の形態であるか、又はシェービング装置4のための充電ステーション又はベースステーションの形をとっても良い。
処理ユニット8は、一般的に、機器6の動作を制御し、ここで説明する手法によって提供される処理ステップのうちの1つ以上を実施しても良い。処理ユニット8は、以下に説明する種々の機能を実行するために、ソフトウェア及び/又はハードウェアを用いて、種々の方法で実装され得る。処理ユニット8は、必要とされる機能を実行するために、及び/又は必要とされる機能を実行するために処理ユニット4の構成要素を制御するために、ソフトウェア又はコンピュータプログラムコードを使用してプログラムされ効果、1つ以上のマイクロプロセッサ又はディジタル信号プロセッサ(DSP)を備え効果。処理ユニット8は、幾つかの機能を実行するための専用ハードウェア(例えば増幅器、前置増幅器、アナログ-ディジタル変換器(ADC)及び/又はディジタル-アナログ変換器(DAC))と、他の機能を実行するためのプロセッサ(例えば1つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ、コントローラ、DSP、及び関連する回路)との組合せとして実装され得る。本開示の種々の実施例で使用され得る構成要素の例は、従来のマイクロプロセッサ、DSP、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
処理ユニット8は、機器6の動作を制御する際及び/又はここに記載された方法を利用又は利用する際に処理ユニット8が使用するためのデータ、情報及び/又は信号を記憶し得るメモリユニット10に接続されている。一部の実装では、メモリユニット10は、処理ユニット8がここに記載する方法を含む1つ以上の機能を実行するように、処理ユニット8によって実行可能なコンピュータ読み取り可能なコードを記憶する。特定の実施の形成では、プログラムコードは、スマートウォッチ、スマートフォン、タブレット、ラップトップ又はコンピュータのためのアプリケーションの形成としても良い。メモリユニット10は、メモリチップ、光ディスク(コンパクトディスク(CD)、ディジタル汎用ディスク(DVD)又はBlu-Rayディスク等)、ハードディスク、テープ記憶方法、又はメモリスティック、ソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等を含むソリッドステート装置等の形態で実装される、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)及び電気的消去可能PROM(EEPROM)等の、揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ等の任意のタイプの非一時的な機械読み取り可能媒体を含んでも良い。
ユーザインタフェース要素12は、機器6のユーザが情報、値、データ及び/又は命令を機器6に入力すること、例えば、圧力範囲を決定するために使用される特定のパラメータの値を入力すること、及び/又は機器6が情報又はデータを機器6のユーザに出力することを可能にする、1つ以上の構成要素を含む。ユーザインタフェース要素12は、キーボード、キーパッド、1つ以上のボタン、スイッチ又はダイヤル、マウス、トラックパッド、タッチスクリーン、スタイラス、カメラ、マイクロフォン等を含むがこれらに限定されない任意の適切な入力要素を有することができ、ユーザインタフェース要素12は、ディスプレイスクリーン、1つ以上の照明又は照明要素、1つ以上のラウドスピーカ、振動要素等の1つ以上の触覚フィードバック要素を含むがこれらに限定されない、任意の適切な出力要素を有しても良い。
図1に示すシェービングシステム2の実施例においては、機器6がシェービング装置4とは別個であるため、機器6内のインタフェース回路14は、シェービング装置4とのデータ接続、及び/又はサーバ、データベース等の他の装置とのデータ接続、及び/又は他の装置とのデータ接続を可能にする。該接続は、直接的又は間接的(例えばインターネットを介して)であっても良く、それ故、インタフェース回路14は、任意の望ましい有線又は無線通信プロトコルを介して、機器6とインターネット等のネットワークとの間、又は機器6とシェービング装置4との間の接続を可能にしても良い。例えば、インタフェース回路14は、WiFi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、又は任意のセルラー通信プロトコル(GSM(登録商標)のためのグローバルシステム、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)、LTE(Long Term Evolution)、LTE-Advanced(登録商標)等)を用いて動作しても良い。無線接続の場合、インタフェース回路14(従って、機器6)は、伝送媒体(例えば空気)を介して送受信するための1つ以上の適切なアンテナを含んでも良い。代替としては、無線接続の場合、インタフェース回路14は、インタフェース回路14が、伝送媒体(例えば空気)を介して送受信するために、機器6の外部の1つ以上の適切なアンテナに接続されることを可能にするための手段(例えばコネクタ又はプラグ)を含んでも良い。インタフェース回路14は、処理ユニット8に接続されており、インタフェース回路14によって受信された情報又はデータが処理ユニット8に供給され、及び/又は処理ユニット8からの情報又はデータがインタフェース回路14によって送信されることを可能にする。
シェービング装置4は、処理ユニット18と、メモリユニット20と、圧力センサ22と、インタフェース回路24とを有する。処理ユニット18は、一般的に、シェービング装置4の動作を制御するためのものであり、ここに記載の技術によって提供される処理ステップのうちの1つ以上を実施しても良い。処理ユニット18は、機器6内の処理ユニット8に関して上述した方法のいずれかで実装されても良い。
メモリユニット20は、処理ユニット18に接続され、シェービング装置4の動作を制御する際、及び/又はここに記載の方法を実行又は遂行する際に、処理ユニット18によって使用されるデータ、情報及び/又は信号を記憶しても良い。幾つかの実施例においては、メモリユニット20は、処理ユニット18がここに記載する方法を含む1つ以上の機能を実行するように、処理ユニット18によって実行可能なコンピュータ読み取り可能なコードを記憶する。メモリユニット20は、機器6のメモリユニット20に関して上述したいずれの態様で実装されても良い。
圧力センサ22は、シェービング動作中にシェービング装置4がユーザの皮膚に適用されているか又は押圧されている圧力又は力を測定するために設けられている。任意の適切なタイプの圧力センサ、例えば、圧電ベースの圧力センサが使用されても良い。圧力センサ22は、典型的には、圧力を測定されることができるように、シェービング中に皮膚と接触するように配置されるシェービング装置4の表面の近くに配置される。例えば、圧力センサは、切断要素の下に配置されても良いし、又は切断要素の側面の一部であっても良い。幾つかの実施例においては、シェービング装置4は、例えば、各々がそれぞれの切断要素に関連付けられた複数の圧力センサ22を含んでも良い。
圧力センサ22は、サンプリングレートに従って圧力を測定し、圧力測定信号の形をとる圧力測定値の時系列を処理ユニット18に出力しても良い。圧力センサ22は、任意の所望のサンプリング周波数、例えば毎秒50回の測定値(50Hz)、64Hz、100Hz、2Hz、4Hz等を使用しても良い。
圧力測定値又は圧力測定信号は、処理ユニット18によってメモリユニット20に保存されても良い。
シェービング装置4内のインタフェース回路24は、機器6とのデータ接続、及び/又はサーバ、データベース等の他の装置とのデータ接続、及び/又は他の装置からのデータ接続を可能にする。インタフェース回路24は、機器6内のインタフェース回路14に関して上述した方法のいずれかで動作しても及び/又は実装されても良い。インタフェース回路24は、インタフェース回路24によって受信された情報又はデータが処理ユニット18に提供されること、及び/又は処理ユニット18からの情報又はデータ(例えば圧力測定値又は圧力測定信号)がインタフェース回路24によって送信されることを可能にするために、処理ユニット18に接続される。
シェービング動作中に加えられた圧力についてのフィードバックをユーザに提供するために、シェービングシステム2は、ユーザにフィードバックを提供するように動作可能なフィードバック要素を更に有する。フィードバック要素は、機器6内にあっても良く、その場合、ユーザインタフェース要素12内のフィードバック要素26によって図1に示されるように、ユーザインタフェース要素12内の要素のうちの1つであっても良い。代替としては、フィードバック要素は、処理ユニット18に接続されたフィードバック要素28によって示されるように、シェービング装置4内にあっても良い。いずれの場合も、関連する処理ユニット8、18は、フィードバック要素26、28を制御して必要なフィードバックを提供するために、フィードバック制御信号をフィードバック要素26、28に出力しても良い。フィードバックは、視覚要素、可聴要素、触覚(触覚)要素等のうちの1つ以上を含む、任意の適切な形態又は所望の形態であっても良く、フィードバック要素26、28は、これらの要素を提供又は出力することが可能な形をとっても良い。視覚要素は、放出された光、文字、番号、記号、画像等の色を含むことができ、それ故、フィードバック要素26、28は、スマートウォッチ、スマートフォン、タブレット、スマートミラー、又は他のパーソナル電子装置上で使用されるもの等の表示画面等の表示要素を有しても良い。代替的に(又は追加的に)、視覚要素は、1つ以上の色(例えば赤、橙、黄、緑、青等)を持つ1つ以上の光(例えば1つ以上の発光ダイオード(LED))を使用して提供しても良い。可聴要素は、トーン又はビープ音、言葉メッセージ等を含むことができ、従って、フィードバック要素26、28は、必要なオーディオを生成するためのラウドスピーカを含んでも良い。触覚要素は、特定の強度及び/又は持続時間の振動を含むことができ、それ故、フィードバック要素26、28は、振動を生成しても良い構成要素、例えば振動モータを含んでも良い。
提供されるフィードバックは、複数のタイプのフィードバック(例えば視覚的及び可聴)を含んでも良く、それ故、フィードバック要素26、28は、適切なタイプのフィードバックを構成することができ、又は提供しても良いことが理解されるであろう。好適な実施例においては、シェービング装置4のフィードバック要素28は、フィードバックを提供するために異なる色の光を放出するように動作可能又は制御可能な光源である。
図1は、ここに記載の技術を説明するのに有用なシェービング装置4及び機器6の要素のみを示し、シェービング装置4及び機器6は、図1には示されていない他の要素を含むことが理解されるであろう。例えば、シェービング装置4及び機器6の両方は、記載された機能を実行するために、バッテリ及び/又は主電源への接続等の電源を必要とし、シェービング装置4は、毛を切断するための1つ以上の切断要素と、切断要素を作動/操作するためのアクチュエータとを含むことが理解されるであろう。シェービング装置4はまた、ユーザがシェービング装置4と相互作用して制御することを可能にし、例えば、シェービング装置4上の切断要素を作動又は非作動にし、及び/又はシェービング装置4の1つ以上の設定又は動作を制御しても良い、1つ以上のユーザインタフェース要素を含んでも良い。シェービング装置4上のユーザインタフェース要素は、シェービング装置4に関する情報、例えば、バッテリ充電状態等をユーザに提供しても良い。更なる実施例においては、シェービング装置4は、ユーザによる使用中のシェービング装置4の動き又は動きを測定するための、加速度計のような移動センサを含んでも良い。動きセンサからの測定値は、国際特許出願公開WO2018/206805に記載されている手法を使用して、シェービング動作中のシェービング装置4の動きに関するフィードバックをユーザに提供するために使用しても良い。
上述のように、ここに記載の技術は、シェービング装置がユーザの皮膚に適用されている圧力にフィードバックを提供することを可能にする。一般に、許容可能なシェービング結果を達成するために、典型的なユーザがシェービング装置4を皮膚に押し付ける圧力範囲を定義することが可能である。しかしながら、そのような「一般的である」圧力範囲は、ユーザがシェービングのための所望の結果について異なり得る(例えば幾つかのユーザは、可能な限り近接したシェービングを望み得るが、他のユーザは、或るレベルの剃り残しを保つことを好む)ので、ユーザは、「良好である」シェービングが何であるかの知覚において異なり得、シェービングから受け取られる皮膚刺激に関して異なり得るので、全てのユーザに適するわけではない。それ故、全てのユーザ及びその所望の結果に適した一般的な圧力範囲を定義することは不可能であることが見出されている。それ故、ここで提供される技法は、圧力範囲が、シェービングに関する1つ以上のパラメータの値に基づいて、特定のユーザに個別化されることを可能にする。このとき、シェービング圧力は、シェービング動作中に測定され、ユーザ固有の圧力範囲と比較され、その比較の結果に基づいて、加えられた圧力に関するフィードバックが行われる。
図2は、ここで説明される技術の一態様による、シェービング動作中にシェービング装置4のユーザにフィードバックを提供する方法を示す。本方法のステップのいずれも、圧力センサ22、メモリユニット10、メモリユニット20、インタフェース回路14、インタフェース回路24、ユーザインタフェース要素12及び/又はフィードバック要素26、28のいずれかと関連して、機器6内の処理ユニット8によって、又はシェービング装置4内の処理ユニット18によって、適宜実行されても良い。いずれの処理ユニット8、18も、例えば、メモリユニット10及びメモリユニット20のようなコンピュータ読み取り可能な媒体上にそれぞれ記憶しても良いコンピュータプログラムコードの実行に応答して、1つ以上のステップを実行しても良い。
ステップ101で、1つ以上のパラメータの値が、ユーザに対して決定される。1つ以上のパラメータは、シェービング頻度尺度、皮膚刺激尺度、シェービング近接度尺度、及びシェービング動作中にシェービング装置4が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの指標のうちの少なくとも1つを有する。幾つかの実施例においては、2つ以上のパラメータの値がステップ101で決定される。幾つかの実施例においては、列挙されたパラメータの4つ全ての値がステップ101で決定される。
シェービング頻度尺度は、ユーザがシェービング装置4を使用してシェービング動作を実行する頻度を示す。シェービング頻度尺度の可能な値は、「毎日」、「2日毎」、「週1回」等を含んでも良い。幾つかの実施例においては、シェービング頻度尺度の値は、シェービング頻度を示す機器6内のユーザインタフェース要素12を介してユーザからの入力を受信することによって、又はメモリユニット10又はメモリユニット20からユーザによって以前に入力された値を取り出すことによって、ステップ101で決定される。代替としては、シェービング頻度は、シェービング装置4がシェービング動作を実行するためにどのくらい頻繁に使用されるかを示す使用情報を分析することによって自動的に決定され得る。この場合、シェービング頻度尺度の値は、シェービング装置4によって収集された使用情報に基づいて決定しても良い。
皮膚刺激尺度は、シェービング装置4によるシェービング動作中及び/又はシェービング動作後にユーザが経験する皮膚刺激を示す。皮膚刺激性測定の可能な値は、「刺激無し」から「大きな刺激」等の範囲であることができ、又は皮膚刺激性は数値として表すことができる。幾つかの実施例においては、皮膚刺激尺度の値は、ステップ101において、機器6内のユーザインタフェース要素12を介してユーザからの皮膚刺激を示す入力を受信することによって、又はメモリユニット10又はメモリユニット20からユーザによって以前に入力された値を取り出すことによって決定される。代替としては、皮膚刺激は、以前のシェービング動作後の皮膚の測定値から決定しても良い。例えば、シェービング操作後の皮膚の画像又は測定信号を得ることができ、画像又は測定信号は、例えば、皮膚の赤みの量(又はシェービング操作前と比較したシェービング操作後の皮膚の赤みの量)によって示されるような刺激の量を決定するために、当技術分野で公知の技術を使用して分析される。この場合、皮膚刺激尺度の値は、ステップ101において、皮膚の画像又は測定信号を分析することにより、又はメモリ、例えばメモリユニット10又はメモリユニット20から皮膚刺激について以前に決定された値を検索することにより、動的に決定しても良い。
シェービング近接度尺度は、シェービング装置4によるシェービング動作の後、ユーザが毛をどれだけ短くしたいかを示す。シェービングの近さの尺度のとり得る値は、「非常に近い」、「近い」、又は「正常」等としても良い。幾つかの実施例においては、シェービング近接度尺度は、機器6内のユーザインタフェース要素12を介してユーザからの所望のシェービング近接度を示す入力を受信することによって、又はメモリユニット10又はメモリユニット20からユーザによって以前に入力された値を取り出すことによって、ステップ101で決定される。
シェービング装置4がシェービング操作中に湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの指標は、例えば、「湿った」、「乾いた」、及び「両方」の可能な値を持つことができる。幾つかの実施例においては、シェービング装置4が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの値は、機器6内のユーザインタフェース要素12を介してユーザから入力を受け取ることによって、又はメモリユニット10又はメモリユニット20からユーザによって以前に入力された値を取り出すことによって、ステップ101で決定される。代替としては、同様の条件下で次のシェービング動作が行われると仮定して、前回のシェービング動作中に得られた水分センサによる測定から決定しても良い。この場合、シェービング装置4が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの値は、シェービング装置4が以前に使用されていたときに水分センサによって得られた測定値を分析することによって、又はメモリ、例えばメモリユニット10又はメモリユニット20から以前に決定された指示を取り出すことによって、ステップ101において動的に決定しても良い。水分センサは、シェービング動作中に皮膚及び/又はシェービング装置4上の水分を測定する。
ステップ101で決定された値は、ユーザによる以前のシェービング動作(特に、皮膚刺激尺度及びシェービング頻度尺度)に関連しても良く、又はユーザによる次の又は将来のシェービング動作(特に、シェービングの近接度尺度、及び湿式シェービング動作であるか乾式シェービング動作であるか)に関連しても良いことが理解されるであろう。
図3は、ユーザが上記で定義された4つのパラメータのそれぞれの値を入力することを可能にする、機器6の表示画面上に表示され得る例示的なユーザインタフェース40を示す。このように、シェービング頻度尺度(UI要素42)、皮膚刺激尺度(UI要素44)、シェービング近接度尺度(UI要素46)、及びシェービング動作が湿った皮膚であるか乾いた皮膚であるか(UI要素48)の各々に対して、入力ユーザインタフェース(UI)要素が存在する。この例では、各UI要素42、44、46、48はスライダバーであり、ユーザがスライダバーに沿ってスライダを適切な値に移動することによって、各パラメータの値が入力される。当業者であれば、ユーザインタフェース40上で他のUI要素を使用できることを理解するであろう。例えば、UI要素42、44、46、48のいずれも、ドロップダウンリスト、可能な値のリスト、それぞれの値に関連付けられたラジアルボタンのセット、フリーテキストフィールド等としても良い。
ステップ103では、ステップ101で決定された1つ以上のパラメータの値に基づいて、ユーザの圧力範囲が決定される。圧力範囲とは、ユーザが次回のシェービング動作で使用するための個人設定された圧力範囲である。圧力範囲は、上限圧力閾値と下限圧力閾値との間にある。図3に示す例示的なユーザインタフェース40は、決定された圧力範囲を表すUI要素50も有する。UI要素50は、下限圧力閾値54と上限圧力閾値56との間のスケール上のバー52としての圧力範囲を含むスケールである。この例では、力が適用される表面積が一定であるため、スケールは力の単位(ニュートン、N)で示される。また、この例では、圧力範囲52は、0.9Nと2.1Nとの間にあるものとして示されている。
幾つかの実施例においては、特定のパラメータの値は、下限圧力閾値の値、上側閾値の値、又は圧力範囲の範囲又は幅(即ち上限圧力閾値と下限圧力閾値との間の差の大きさ)のうちの1つ以上を変更又は設定しても良い。
ステップ103の更なる詳細は、以下に提供される。
ステップ103において圧力範囲が決定された後、シェービング装置4がユーザの皮膚に加えられている圧力を表す圧力測定値が受信される(ステップ105)。フィードバックがリアルタイム又は略リアルタイムでユーザに提供されることを可能にするために(即ちユーザがフィードバックを使用して、ユーザの電流シェービング挙動を調整するのを助けることができるように十分に近接して)、圧力測定値は、シェービング動作中に受信される。従って、ステップ105において、圧力センサ22によって得られた圧力測定値は、(どの処理ユニットが方法の後続のステップを実行するかに応じて)処理ユニット8又は処理ユニット18によって受信される。
次いで、ステップ107で、受信された圧力測定値をステップ103で決定された圧力範囲と比較して、加えられた圧力に関連するユーザに対するフィードバックを決定する。
幾つかの実施例においては、ステップ107において、加えられた圧力が決定された圧力範囲内にある(即ち、加えられた圧力が下限圧力閾値を上回り、上限圧力閾値を下回る)と判断される場合、ステップ107は、適切な圧力を示す第1のフィードバックを決定するステップを含んでも良い。例えば、第1のフィードバックは、緑色光、目盛り(チェック記号)、圧力範囲のグラフィック表現上の加えられる圧力の指標、特定のノイズ、オーディオメッセージ、又はユーザに肯定的なフィードバックを伝えるか、又はユーザに肯定的なフィードバックを伝えると理解しても良い、任意の他のタイプのフィードバックとしても良い。加えられた圧力が決定された圧力範囲内にない(即ち、加えられた圧力が、下限圧力閾値より低いか、又は上限圧力閾値より高い)と決定される場合、ステップ107は、不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定することを含み得る。例えば、第2のフィードバックは、赤色光、十字、圧力範囲のグラフィック表現上の加えられる圧力の指標、特定のノイズ、オーディオメッセージ、又はユーザに負のフィードバックを伝えるか、又はユーザに負のフィードバックを伝えると理解しても良い、任意の他のタイプのフィードバックとしても良い。
使用する適切な圧力についてユーザに提供されるガイダンスを改善するために、上記の実施例のように加えられる圧力が正しくない場合に単一のタイプのフィードバックを提供するのではなく、代替の実施例においては、加えられる圧力が、決定された圧力範囲未満(即ち下限圧力閾値未満)であるか、又は決定された圧力範囲を超える(即ち上限圧力閾値を超える)かに応じて、異なる負のフィードバックを提供しても良い。これらの実施例においては、加えられた圧力が決定された圧力範囲内にあるとき、第1のフィードバックは、上述のように決定しても良い。加えられた圧力が決定された圧力範囲を下回る場合、低い不適切な圧力を示す第2のフィードバックを決定しても良い。例えば、第2のフィードバックは、青色光、下向き矢印、圧力範囲のグラフィック表現上の指標、特定のノイズ、オーディオメッセージ、又は、加えられた圧力が低過ぎるというフィードバックをユーザに伝えるか、又は伝えるものとして理解され得る、任意の他のタイプのフィードバックとしても良い。加えられる圧力が、決定された圧力範囲を上回る場合、高い不適切な圧力を示す第3のフィードバックを決定しても良い。例えば、第3のフィードバックは、赤色光、上向き矢印、圧力範囲のグラフィック表現上の加えられる圧力の指標、特定のノイズ、オーディオメッセージ、又は加えられる圧力がユーザにとって高過ぎるというフィードバックを伝えるか、又は伝えるものとして理解され得る、任意の他のタイプのフィードバックとしても良い。
最後に、ステップ109において、処理ユニット8、18はフィードバック制御信号を生成し、フィードバック要素26、28に出力する。フィードバック制御信号は、それがフィードバック要素26、28を制御して、決定されたフィードバックをユーザに提供するように生成される。例えば、加えられる圧力が決定された圧力範囲内にある場合、フィードバック制御信号は、光ベースのフィードバック要素26、28を制御して緑色光を生成しても良い。
幾つかの実施例においては、本方法は、フィードバック制御信号に応答してフィードバック要素26、28を使用して決定されたフィードバックを生成するステップを更に有しても良い。
更なる実施例においては、上述したように、本方法は、シェービング動作中にシェービング装置4の動きに関するフィードバックを提供するステップを更に有しても良い。それ故、シェービング動作中に、ユーザによるシェービング装置4の動きを表す動き測定値を受け取ることができ、受け取った動き測定値を処理して、ユーザによるシェービング装置4の動きのタイプ(例えば直線運動、大きな円運動、小さな円運動等)を決定し、次いで、決定された動きのタイプに関連して、動きフィードバックを決定しても良い。これらの実施例においては、フィードバック制御信号は、フィードバック要素26、28を制御して、圧力フィードバックに加えてユーザに決定された動きフィードバックを提供するように決定される。
幾つかの実施例においては、ユーザが1つ以上のシェービング動作を完了した後(例えば数日間)、ユーザは、1つ以上のシェービング動作に対する満足度の指示を入力しても良い。例えば、ユーザは、より良好な皮膚刺激を経験しているか、より悪い皮膚刺激を経験しているか、シェービングの近さが所望通りであるか、又はより一般的には、ユーザがシェービング操作又はシェービング装置4に満足しているかどうか、を示す入力を提供しても良い。受信された指標が、ユーザがシェービング操作又はシェービング装置4に満足していないことを示す場合、ステップ101で決定された1つ以上のパラメータの値を変更すべきであることを示す出力をユーザに提供しても良い(任意に、出力は、例えば、より多く/より少ない頻度でシェービングすること、湿式/乾式のシェービングをすること等、提案された変更を提供しても良い)。このようにして、ユーザは、シェービング装置4又はシェービング動作に対する満足度を向上させるために、(ステップ101における入力として)自身の挙動を変更するように促されることができる。
ステップ103では、下限圧力閾値は、シェービング頻度尺度の値に依存しても良い。一般に、ユーザがシェービング操作を行う頻度が高いほど、圧力閾値は低くなる。それ故、ステップ103の実施例においては、シェービング頻度尺度が第1のシェービング頻度値を有し、シェービング頻度尺度が第2のシェービング頻度値を持つ場合に、下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定しても良い場合に、下限圧力閾値を第1の下限圧力閾値に設定しても良い。第1のシェービング頻度値は、第2のシェービング頻度値よりも頻繁なシェービングを表し(例えば毎日対1週間に1回)、第1の下限圧力閾値は、第2の下限圧力閾値よりも低い。
ステップ103において、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値は、皮膚刺激尺度の値に依存しても良い。一般に、皮膚の刺激が高ければ高いほど、皮膚の刺激は、シェービング装置4を皮膚に強く押しつけ過ぎることに起因するか、又はそれによって悪化することがあるので、上限圧力閾値が低くなり、下限圧力閾値が低くなる。それ故、ステップ103の実施例においては、皮膚刺激尺度が第1の皮膚刺激値を持つ場合、上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定することができ、皮膚刺激尺度が第2の皮膚刺激値を持つ場合、上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定しても良い。第1の皮膚刺激値は、第2の皮膚刺激値よりも多くの皮膚刺激を表し、第1の上限圧力閾値は、第2の上限圧力閾値よりも低い。代替的に又は追加的に、ステップ103の実施例においては、皮膚刺激尺度が第1の皮膚刺激値を持つ場合に、下限圧力閾値を第1の下限圧力閾値に設定することができ、皮膚刺激尺度が第2の皮膚刺激値を持つ場合に、下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定しても良い。ここでもまた、第1の皮膚刺激値は、第2の皮膚刺激値よりも多くの皮膚刺激を表し、第1の下限圧力閾値は、第2の下限圧力閾値よりも低い。
ステップ103では、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値は、シェービング近接度尺度の値に依存しても良い。一般に、シェービングが近ければ近いほど(即ちシェービング操作後の毛が短ければ短いほど)、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値が高くなるはずである。このように、ステップ103の実施例においては、シェービング近接度測定が第1のシェービング近接度値を有している場合には上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に、シェービング近接度測定が第2のシェービング近接度値を有している場合には上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値としても良い。第1のシェービング近接値は、第2のシェービング近接値よりも近いシェービングを表し、第1の上限圧力閾値は、第2の上限圧力閾値よりも高い。代替として又はこれに加えて、ステップ103の実施例においては、シェービング近接度尺度が第1のシェービング近接度値を有し、シェービング近接度尺度が第2のシェービング近接度値を持つ場合に、下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定しても良い。ここでもまた、第1のシェービング近接値は、第2のシェービング近接値よりも近いシェービングを表し、第1の低い圧力閾値は、第2の低い圧力閾値よりも高い。
ステップ103において、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値は、シェービング装置4がシェービング動作中に湿った皮膚又は乾いた皮膚に使用されるかどうかに依存しても良い。一般に、シェービング装置4が乾いた皮膚と比較して湿った皮膚上で使用される場合、圧力はより低くなければならない(即ち乾いた皮膚上での使用と比較して、湿った皮膚上での使用のために、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値がより低くなければならない)。それ故、ステップ103の実施例においては、シェービング装置4が乾いた皮膚上で使用される場合、上限圧力閾値を第1の上限圧力閾値に設定することができ、シェービング装置4が湿った皮膚上で使用される場合、上限圧力閾値を第2の上限圧力閾値に設定しても良い。ここで、第1の上限圧力閾値は、第2の上限圧力閾値よりも高い。代替的に又は追加的に、ステップ103の実施例においては、シェービング装置4が乾いた皮膚に使用される場合、下限圧力閾値を第1の下限圧力閾値に設定することができ、シェービング装置4が湿った皮膚に使用される場合、下限圧力閾値を第2の下限圧力閾値に設定しても良い。ここで、第1の低い圧力閾値は、第2の低い圧力閾値よりも高い。
1つ以上のパラメータが、シェービング頻度尺度、シェービング近接度尺度、皮膚刺激尺度、及びシェービング装置4が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるか、のうち複数のパラメータを含む実施例においては、パラメータのそれぞれの値が、上限圧力閾値及び/又は下限圧力閾値の値に寄与しても良いことが理解されるであろう。例えば、下限圧力閾値及び上限圧力閾値は、シェービング頻度尺度が「毎日」であり、皮膚刺激尺度が「多くの刺激」であり、シェービング近接度尺度が「普通」又は「あまり接近していない」であり、シェービング装置4が湿った皮膚上で使用される場合、シェービング頻度尺度が「週に1回」であり、皮膚刺激尺度が「刺激無し」であり、シェービング近接度尺度が「非常に接近している」であり、シェービング装置4が乾いた皮膚上で使用される場合、とり得る最低値からとり得る最高値まで変化しても良い。
以下の表1は、下限圧力閾値、上限圧力閾値、及び圧力範囲(即ち下限圧力閾値と上限圧力閾値との間の差)の設定に対する例示的な実施例を示す。
表1は、4つのパラメータの各々についての値の範囲、及び各パラメータについての基準値(Ref)を示し、基準値は、パラメータについての公称値又はデフォルト値を表す(例えばシェービング頻度尺度についての公称値は、「2日毎のシェービング」であり、皮膚刺激尺度についての公称値は、「中程度の刺激」であり、シェービング近さ尺度についての公称値は、「中程度の近さ」であり、湿潤/乾燥におけるシェービングについての公称値は、「乾燥」である)。「Max Δ if value = MIN」列は、パラメータの値が基準値を下回る場合に、下限圧力閾値(ΔL1)及び上限圧力閾値(ΔH1)の公称値に対するそれぞれの補正係数を提供し、「Max Δif value = MAX」列も、パラメータの値が基準値を上回る場合に、下限圧力閾値(ΔL2)及び上限圧力閾値(ΔH2)の公称値に対するそれぞれの補正係数を提供する。圧力閾値の補正係数は、ニュートンNで表される。下限圧力閾値は、表1に示す調整が適用されるデフォルト値を持つことができる。例えば、該デフォルト値は1.5Nであっても良い。上限圧力閾値は、表1に示される調整が適用されるデフォルト値を持っても良い。例えば、該デフォルト値は3.0Nであっても良い。
式(1)及び(2)は、それぞれ下限圧力閾値及び上限圧力閾値の値を決定するための、ステップ103での使用のための例示的な式である。これらの方程式において、シェービング頻度尺度の値は、日数(w)∈{1,2,3,4,5,6,7}によって表され、皮膚刺激尺度の値は、刺激(x)∈{1,2,3,4,5}によって表され、シェービング近接度尺度の値は、近接度(y)∈{1,2,3}によって表され、シェービング装置4が湿った皮膚上で使用されるか乾いた皮膚上で使用されるかの値は、DCW(z)∈{1,2,3}によって与えられる。下限圧力閾値のデフォルト値を公称L、上限圧力閾値のデフォルト値を公称Hとすると、下限圧力閾値(Pressure Lowと示される)は、以下によって与えられる:
ここで、*
Refは、表1に示すパラメータ*の基準値を表し、ΔL1*、ΔL2*、ΔH1*、及びΔH2*は、パラメータ*の値によって適宜、下限圧力閾値又は上限圧力閾値への調整を表す。
以上に概説したように、ステップ107の幾つかの実施例においては、ユーザのために異なるフィードバックが決定されることができ、ここで、フィードバックは、上限圧力閾値及び下限圧力閾値に対する加えられる圧力/力の比較に基づいて決定される。例えば、加えられた圧力/力が下限圧力閾値を上回り上限圧力閾値を下回る場合、フィードバックは青色光とすることができ、加えられた圧力/力が上限圧力閾値を上回る場合、フィードバックは赤色光としても良い。その結果、これらの実施例においては、ユーザがシェービング装置4を使用しているときに、与えられたフィードバックに急激な変化(例えば赤と青との間のフリック)が生じることがあり、その理由は、加えられる自然な圧力がシェービング動作中に変化するからである。それ故、幾つかの実施例においては、下限圧力閾値及び上限圧力閾値の一方又は両方の周囲に境界領域を画定することができ、加えられる圧力/力がこれらの境界領域のうちの1つ内にあるときに提供されるべきフィードバックは、周囲の圧力範囲に対するフィードバックの組み合わせである。例えば、下限圧力閾値の周囲の境界領域について、加えられた圧力/力が境界領域内にある場合、決定されるフィードバックは、青色光と緑色光との組み合わせであり得る。
幾つかの実施例においては、加えられた圧力/力が境界領域内にある場合のフィードバックは、加えられた圧力/力の関数として、例えば、周囲のフィードバックの線形結合として決定される。このことは、加えられた圧力/力の異なる値に対して光源によって与えられる光フィードバックの色を表すグラフである図4に示されている。下限圧力閾値60及び上限圧力閾値62は、下限圧力閾値60に中心合わせされた第1の境界領域64と、上限圧力閾値62に中心合わせされた第2の境界領域66と共に示されている。実線68は緑色光の強度を表し、加えられた圧力/力が下限圧力閾値60と上限圧力閾値62との間、具体的には第1の境界領域64と第2の境界領域66との間にある場合、フィードバックは緑色光68のみであることが分かる。破線70は、赤色光の強度を表し、加えられた圧力/力が上限圧力閾値62を超え、具体的には第2の境界領域66を超えている場合、フィードバックは赤色光70のみであることが分かる。しかしながら、加えられた圧力/力が第2の境界領域66内にあるとき、フィードバックは緑色光68と赤色光70の両方を有する。図示の実施例においては、加えられた圧力/力が第2の境界領域66内にあるときに決定されるフィードバックは、第2の境界領域66を横切るフィードバックの色に緩やかな遷移があるように、緑色光68と赤色光70の強度の線形結合である。線形結合は、緑色光68と赤色光70の強度の重み付けされた組み合わせとすることができ、緑色光68の強度に対する重み付け及び赤色光70の強度に対する重み付けは、それぞれ、加えられた圧力/力の線形関数に基づいて、即ち、それぞれの光強度と加えられた圧力/力との間の線形関係に基づいて決定されることが理解されるであろう。
点破線72は、青色光の強度を表し、加えられた圧力/力が、下限圧力閾値64、具体的には、第1の境界領域64より下にある場合、フィードバックは、青色光72のみであることが分かる。しかしながら、加えられた圧力/力が第1の境界領域64内にある場合、フィードバックは青色光72と緑色光68の両方を有する。図示の実施例においては、加えられた圧力/力が第1の境界領域64にあるときに決定されるフィードバックは、第1の境界領域64を横切るフィードバックの色に緩やかな遷移があるように、青色光72と緑色光68の強度の線形結合である。線形結合は、青色光72と緑色光68の強度の重み付けされた組み合わせであり得、緑色光68の強度に対する重み付け及び青色光72の強度に対する重み付けは、それぞれ、加えられた圧力/力の線形関数に基づいて、即ち、それぞれの光強度と加えられた圧力/力との間の線形関係に基づいて決定されることが理解されるであろう。
上述の境界領域は、加えられた圧力/力が下限圧力閾値60を下回るか、上限圧力閾値62を上回るかにかかわらず、フィードバックが同じ(例えば赤色光)である実施例にも適用できることが理解されよう。換言すれば、加えられた圧力/力が第1の境界領域64又は第2の境界領域66内にあるときのフィードバックは、赤色光と緑色光との組み合わせとしても良い。
図4は、放射光の色の形をとるフィードバックに関して境界領域64、66を示しているが、境界領域64、66の使用、及び加えられた圧力/力が境界領域64、66内にあるときの異なるフィードバックの組み合わせは、異なる色及び/又は強度の光、音、振動等の他のタイプのフィードバックに適用しても良いことが理解されよう。
図4はまた、第2の圧力閾値74を示す。この第2の下限圧力閾値74は、カットオフ閾値として使用することができ、それ未満では、フィードバックはユーザに提供されない。特に、シェービング動作の間、シェービング装置4が皮膚から持ち上げられ、皮膚の他の場所に再配置されると、加えられる圧力/力は、低い圧力閾値60を下回ることになるが、これらの圧力/力においては圧力が低過ぎることをユーザにフィードバックすることは必要ではない。それ故、第2の下限圧力閾値74は、カットオフ閾値とすることができ、それを下回ると、ステップ107でユーザに対してフィードバックが決定されない。例えば、加えられた圧力/力が第2の下限圧力閾値74を下回る場合、光は発せられなくても良い。
図4はまた、上述した第1及び第2の境界領域64、66と同様の方法で使用しても良い、第2の下限圧力閾値74の中心に位置する第3の境界領域76を示す。即ち、ユーザに提供されるフィードバックは、加えられる圧力/力の関数であり得る。加えられる圧力/力が下限圧力閾値60を下回り、第1の境界領域64を下回るときに提供されるフィードバックは、加えられる圧力/力が減少するにつれて、第3の境界領域76を横切って直線的に減少するという効果を持つ。
以上の実施例のいずれにおいても、ステップ107は、生の(即ち未処理の)圧力測定値を決定された圧力範囲と比較することを有しても良い。代替的に、加えられる圧力/力は、シェービング動作の間、極めて短いタイムスケールに亘って変化することができ、及び/又は測定される圧力にノイズ/アーチファクトがある場合があるので、フィードバックが急速に交互になる(例えば赤色と青との間でちらつく)ことを回避することが望ましい。というのは、このことは、ユーザが、シェービング装置4の使用を適切な方法で適応させることを困難にし、及び/又はユーザにとって気を散らす可能性があるからである。それ故、幾つかの実施例においては、受信した圧力測定値をローパスフィルタでフィルタリングして、ノイズ/アーチファクト又は測定された圧力の他の短期変動を平滑化しても良い。次いで、ステップ107において、フィルタリングされた圧力測定値を、決定された圧力範囲と比較しても良い。幾つかの実施例においては、ローパスフィルタは、1次ローパスフィルタである。幾つかの実施例においては、ローパスフィルタは、0.1秒乃至0.7秒の範囲の時定数を持つ。例えば、時定数は0.2秒としても良い。時定数が短すぎてはならず(例えば0.1秒未満又は0.2秒未満)、このことは、フィードバックが急速に変化又は交互に変化することにつながり得、このことは、ユーザにとって気を散らすか、又はユーザがシェービング装置4の使用を正しく適応させることを困難にし得る又はフラストレーションをもたらし得ることが、理解されるであろう。また、時定数は長すぎてはならず(例えば0.7秒以上又は0.63秒以上)、このことは、ユーザは、関連する動きとフィードバックとの間の遅延のために、シェービング装置4を使用する際にフィードバックを自分自身の挙動に関連付けることが困難になるからである。
斯くして、シェービング装置4が皮膚に適用されている圧力に関する適切なフィードバックを決定し、提供する手法が提供される。
開示された実施例に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の研究から、ここに記載された原理及び技法を実施する際に当業者によって理解され、実施されることができる。特許請求の範囲において、単語「有する(comprising)」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a又はan)」は、複数を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に列挙される幾つかのアイテムの機能を満たすことができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に、又はその一部として供給される光記憶媒体又は固体媒体等の適切な媒体上に記憶又は配布しても良いが、インターネット又は他の有線もしくは無線電気通信システム等を介して、他の形態で配布することもできる。特許請求の範囲におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。