JP2022521800A - 皮膚がんを治療するためのpd-1阻害剤の投与 - Google Patents

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Abstract

本開示は、皮膚がんの患者において腫瘍の増殖を治療または阻害するための方法であって、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤(例えば、PD-1、PD-L1および/またはPD-L2に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメント)を患者に投与することを含む方法に関する。ある種の実施形態では、方法は、患者が皮膚がん、例えばCSCCのための手術および場合により放射線療法が完了しており、疾患再発の危険性が高くなった後に、アジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤を患者に投与することを含む。ある種の実施形態では、方法は、皮膚がんのための計画された手術の前に、ネオアジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤を皮膚がん患者に投与することを含む。ある種の実施形態では、方法は、皮膚がんのための計画された手術の前に、ネオアジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤を皮膚がん患者に投与すること、続いて、そのような手術後に、アジュバント療法としてPD-1阻害剤を患者に投与することを含む。

Description

本開示は、皮膚がんの患者を選択すること、および治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を患者に投与することを含む、腫瘍の増殖を治療または阻害するための方法に関する。
皮膚がんは米国で最も一般的ながんである(非特許文献1)。基底細胞癌および扁平上皮癌を含めた非黒色腫皮膚がんの推定540万の症例が、2012年に米国で診断された(非特許文献2)。皮膚扁平上皮癌(CSCC)は、基底細胞癌(BCC)についで、米国で2番目に一般的な悪性病変である(非特許文献3)。長期にわたる日光暴露が非黒色腫皮膚がんの優性危険因子である。
CSCCは、真皮の浸潤をともなう上皮角化細胞の悪性増殖であり、日光角化症などの非侵襲性前駆病変と区別される(非特許文献4)。世界的発生率は大きく変動し、オーストラリアが最高の発生率であり、アフリカの一部が最低の発生率である(非特許文献5)。CSCCの正確な発生率は、大抵のがん登録に含まれていないので、不明である。しかし、非侵襲性前駆病変のみを有する患者を含まない推定によれば、CSCCの発生率は最近数十年で高まっている(非特許文献5)(非特許文献6)(非特許文献7)。
CSCCの危険因子としては、UV曝露、高齢、および免疫抑制が挙げられる(非特許文献8;非特許文献9)。CSCCまたはBCCと診断された個体の大多数は非常に良好な予後を有するが、CSCCは、BCCに比べて、侵攻性の再発の傾向がある。さらに、CSCCと診断された個体は、BCCと診断されたものと異なり、同年齢の対照と比較して死亡率が高い(非特許文献10)。
手術的切除はCSCCまたはBCCの臨床的対応の最重要項目である。第1の目標はがんの完全な切除であり、許容される美容的転帰が第2の目標である。CSCCの予後不良に関連する因子としては、腫瘍サイズ>2cm、腫瘍深度>2mm、神経周囲浸潤、宿主免疫抑制および再発性病変が挙げられる。しかし、局所進行性と転移性の両方のCSCC包含する進行性CSCCを発生する患者の中には手術の候補ではないものもいる。そのような患者の中には、手術後の放射線療法または化学療法を施すことができるものもいるが、これらは、安全性および忍容性の懸念のために、魅力的な選択肢でない可能性がある。
UV曝露部位における複数のがん性病変と定義される広域発がんは、多くのCSCC患者の特徴である。さらに、再発性CSCCはその後の再発の危険性を高める。212人の患者の単一機関後ろ向き研究では、再発性CSCCは、一次CSCCと比較して、切除手術後に再び再発する可能性が2倍であった(非特許文献11)。経時的な複数の手術は、外観を損傷させる可能性があり、手術後の疲労、すなわち、連続的な手術行為に起因する身体的および情緒的衰弱につながる可能性がある。さらに、頭頸部の副部位、例えば、耳、こめかみ、および唇のCSCCは、さらに悪い臨床転帰に関連していた(非特許文献12;非特許文献11;非特許文献13)。
BCCの最も一般的な臨床サブタイプは結節状BCCである。まれな臨床サブタイプは表在性、モルフェア型(morphoeic)(線維化)および線維上皮性である。大抵の患者は手術によって治癒するが、ごく一部の患者は、再発性病変を経験するか、または切除不可能な局所進行性もしくは転移性疾患を発生する。BCCにおけるGタンパク質受容体Smoothened(SMO)の発がん的役割の認識は、一般にヘッジホッグ阻害剤(HHI)と称される、SMOの経口投与可能な阻害剤であるビスモデギブおよびソニデギブの開発につながった。HHIの有害な副作用に加えて、HHI(ビスモデギブ)で進行する患者に対して、別のHHI(ソニデギブ)によるその後の治療は腫瘍阻害をもたらさないことが見出された(非特許文献14)。
したがって、皮膚がん、例えば、CSCCおよびBCC、特に、以前の手術にもかかわらず再発した皮膚がんに対する安全かつ有効な療法を提供する必要性が依然として存在する。
さらに、ほんのわずかのCSCC患者は、非特許文献15を使用するがん進行度分類、免疫状態、リンパ管浸潤、リンパ節転移の程度、被膜外拡大浸潤の存在および治療歴を含めたいくつかの因子を使用して評価した場合に、危険性が高いCSCCを有することが考えられる。危険性が高い症例の場合、手術後の放射線療法が推奨される(非特許文献16)(非特許文献17)。しかし、危険性が高い患者は、局所領域的再発または遠隔転移をともなって再燃する可能性がある(非特許文献18)。したがって、特に危険性が高い患者において、CSCC再発の危険性を低減させるための未だ対処されていない必要性が存在する。
Guyら、Am.J.Prev.Med.48:183~87、2015 Rogersら、JAMA Dermatol.、151(10):1081~86、2015 Kariaら、J.Am.Acad.Dermatol.68:957~66、2013 Fernandezら、Immunol Allergy Clin North Am 37(2):315~27、2017 Lomasら、Br J Dermatol、166(5):1069~80、2012 Queら、J Am Acad Dermatol、78(2):237~47、2018 Rogersら、Arch Dermatol、146(3):283~87、2010 Alamら、New Engl.J.Med.344:975~83、2001 Madan、Lancet 375:673~85、2010 Reesら、Int.J.Cancer 137:878~84、2015 Harrisら、Otolaryngol Head Neck Surg、156(5):863~69、2017 Brantschら、Lancet Oncol 9(8):713~20、2008 Thompsonら、JAMA Dermatol 2016;152(4):419~28、2016 Danialら、Clin.Cancer Res.22:1325~29、2016 American Joint Committee on Cancer、第8版(AJCC、2017) Bichakjianら、J Natl Compr Canc Netw、16(6):742~74、2018 Stratigos、Eur J Cancer、51(14):1989~2007、2015 Porcedduら、J Clin Oncol、36(13):1275~83、2018
一態様では、開示される技術は、腫瘍の増殖を治療または阻害する方法であって:(a)皮膚がんを治療するための手術および/または放射線療法が完了している、皮膚がんの患者を選択すること;ならびに(b)続いて、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含むアジュバント治療を患者に施すことを含む方法に関する。一実施形態では、腫瘍の増殖を治療または阻害する方法は:(a)皮膚がんを治療するための手術および場合により手術後の放射線療法が完了している、皮膚がんの患者を選択すること;ならびに(b)続いて、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含むアジュバント治療を患者に施すことを含む。一実施形態では、皮膚がんは、皮膚扁平上皮癌(CSCC)、基底細胞癌(BCC)、メルケル細胞癌または黒色腫である。別の実施形態では、皮膚がんはCSCCである。別の実施形態では、患者はCSCCの再発の危険性が高い。一実施形態では、患者は転移性疾患を有し、切除手術を受けている。別の実施形態では、患者は、以下の高危険性構成の少なくとも1つを有する:被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;イントランジット転移(ITM);T4病変;神経周囲浸潤(PNI);ならびに再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:再発性病変に関連する≧N2bの疾患;公称≧T3;および≧20mmの直径の再発性病変。
別の実施形態では、治療有効量はPD-1阻害剤5mg~500mgを含む。別の実施形態では、治療有効量はPD-1阻害剤350mgを含む。別の実施形態では、PD-1阻害剤は静脈内にまたは腹腔内に投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤は静脈内投与される。別の実施形態では、工程(b)は、手術および/または放射線療法の完了から2~6週後に行われる。一実施形態では、1つまたはそれ以上の用量のPD-1阻害剤がアジュバント治療として投与され、各用量は直前の用量から2~12週後に投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、本明細書で開示される投与レジメンに従って、アジュバント治療として投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または後の皮膚がんの再発の発生を皆無にする。別の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、アジュバント皮膚がん治療なしの手術および放射線療法の完了後の患者と比較して、後の皮膚がんの再発の少なくとも約10%低い発生率につながる。別の実施形態では、方法は、化学療法剤、コルチコステロイド、抗炎症薬および/またはこれらの組み合わせから選択される第2の治療剤を投与することをさらに含む。
別の実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメント、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントおよび抗PD-L2抗体またはその抗原結合性フラグメントからなる群から選択される。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである。別の実施形態では、HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、PD-1阻害剤は、セミプリマブまたはその生物学的同等物である。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0608、BI 754091、PF-06801591、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、JNJ-63723283およびMCLA-134からなる群から選択される抗PD-1抗体である。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、H1H8314N、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、MDX-1105、LY3300054、FAZ053、STI-1014、CX-072、KN035およびCK-301からなる群から選択される抗PD-L1抗体である。
別の態様では、開示される技術は、手術および場合により手術後の放射線照射の完了後の皮膚がんのアジュバント治療で使用するための治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含む医薬組成物に関する。一実施形態では、PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである。別の実施形態では、HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む。別の実施形態では、医薬組成物はPD-1阻害剤5mg~500mgを含む。別の実施形態では、医薬組成物はPD-1阻害剤350mgを含む。別の実施形態では、皮膚がんはCSCCである。
別の態様では、開示される技術は、腫瘍の増殖を治療または阻害する方法であって:(a)手術的除去が計画される皮膚がんの患者を選択すること;および(b)手術的除去より前に、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含むネオアジュバント治療を患者に施すことを含む方法に関する。一実施形態では、皮膚がんは、皮膚扁平上皮癌(CSCC)、基底細胞癌(BCC)、メルケル細胞癌または黒色腫である。別の実施形態では、皮膚がんはCSCCである。別の実施形態では、患者はCSCCの再発の危険性が高い。別の実施形態では、患者は以下の高危険性構成の少なくとも1つを有する:被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;イントランジット転移(ITM);T4病変;神経周囲浸潤(PNI);ならびに再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:再発性病変に関連する≧N2bの疾患;公称≧T3;および≧20mmの直径の再発性病変。別の実施形態では、患者はステージIIからステージIVの皮膚がんを有し、患者は手術の候補である。一実施形態では、切除可能な腫瘍を有する患者は、再発の危険性および/または外観の損傷もしくは機能欠損の危険性が増大している。
別の実施形態では、治療有効量はネオアジュバントとして投与されるPD-1阻害剤5mg~500mgを含む。別の実施形態では、治療有効量はネオアジュバントとして投与されるPD-1阻害剤350mgを含む。一実施形態では、ネオアジュバント治療として1つまたはそれ以上の用量のPD-1阻害剤が投与され、各用量は直前の用量から2~12週後に投与される。別の実施形態では、方法は:(c)ネオアジュバント治療に続いて、皮膚がんを手術的に除去することをさらに含む。別の実施形態では、方法は、工程(c)の後で治療有効量のPD-1阻害剤を含むアジュバント治療を患者に施すことをさらに含み、アジュバントPD-1阻害剤はネオアジュバントPD-1阻害剤と同じでもよく、または異なっていてもよい。別の実施形態では、アジュバント治療はPD-1阻害剤の1つまたはそれ以上の用量を投与することを含み、各用量はPD-1阻害剤5mg~500mgを含む。別の実施形態では、アジュバント治療の各用量はPD-1阻害剤350mgを含む。一実施形態では、アジュバント治療の各用量は直前の用量から2~12週後に投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤は静脈内にまたは腹腔内に投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤は静脈内投与される。
別の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または後の皮膚がんの再発の発生を皆無にする。別の実施形態では、PD-1阻害剤の投与は、アジュバント皮膚がん治療なしの手術および放射線療法の完了後の患者と比較して、後の皮膚がんの再発の少なくとも約10%低い発生率につながる。別の実施形態では、方法は、化学療法剤、コルチコステロイド、抗炎症薬および/またはこれらの組み合わせから選択される第2の治療剤を投与することをさらに含む。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメント、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントおよび抗PD-L2抗体またはその抗原結合性フラグメントからなる群から選択される。
別の実施形態では、PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである。別の実施形態では、HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有し、軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する。
別の実施形態では、PD-1阻害剤はセミプリマブまたはその生物学的等価物である。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0608、BI 754048、PF-06371548、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、JNJ-63313240およびMCLA-134からなる群から選択される抗PD-1抗体である。別の実施形態では、PD-1阻害剤は、H1H8314N、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、MDX-1105、LY3300054、FAZ053、STI-1014、CX-031、KN035およびCK-301からなる群から選択される抗PD-L1抗体である。
別の態様では、開示される技術は、皮膚がんを治療するための計画された手術より前に、ネオアジュバント治療で使用するための治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含む医薬組成物に関する。一実施形態では、PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである。別の実施形態では、HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する。別の実施形態では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む。別の実施形態では、医薬組成物はPD-1阻害剤5mg~500mgを含む。別の実施形態では、医薬組成物はPD-1阻害剤350mgを含む。別の実施形態では、皮膚がんはCSCCである。
本明細書で使用する場合、「PD-1阻害剤」はネオアジュバントPD-1阻害剤およびアジュバントPD-1阻害剤の少なくとも1つを指すことができる。
実施例1に記載される研究を概説する図である。 実施例2に記載される研究を概説する図である。
本開示は、記載される特定の方法および実験条件に制限されず、これは、そのような方法および条件が変動し得るからであることを理解されたい。本明細書で使用される術語は特定の実施形態のみを説明することを目的とし、制限を意図したものではないこと、および本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ制限されることも理解されたい。
別段規定されない限り、本明細書で使用するすべての技術用語および科学用語は、開示される発明が属する当業者が通常理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用する場合、用語「約」は、特定の列挙された数値と関連して使用される場合、値が列挙される値から1%以下変動する可能性があることを意味する。例えば、本明細書で使用する場合、表現「約100」は、99および101ならびにその間のすべての値(例えば、99.1、99.2、99.3、99.4など)を含む。
本明細書に記載のものと同様または均等ないかなる方法および材料も本開示の実施で使用することができるが、好ましい方法および材料を次に記載する。
腫瘍の増殖を治療または阻害する方法
本開示は、皮膚がんの増殖を治療または阻害するための方法であって、皮膚がんの患者を選択すること、ならびに治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、PD-1、PD-L1および/またはPD-L2に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメント、または本明細書に記載の任意の他の「PD-1阻害剤」)を患者に投与することを含む方法を含む。本開示では、特に抗PD-1抗体への言及は、代表的なPD-1阻害剤を例示するために提供され、本開示の範囲を制限しない。一実施形態では、PD-1阻害剤は、手術および/または放射線療法で患者を治療するより前に投与される。ある種の実施形態では、方法は、皮膚がんを治療するための手術および場合により放射線療法、例えば、手術後の放射線療法の完了後に、アジュバント治療としてPD-1阻害剤を、それらを必要とする対象に投与することを含む。ある種の実施形態では、方法は、皮膚がんを治療するための計画された手術より前に、ネオアジュバント治療としてPD-1阻害剤を、それらを必要とする対象に投与することを含み、この方法は、場合により、続いて、皮膚がんを治療するための手術後に、アジュバント療法としてPD-1阻害剤を患者に投与することをさらに含むことができる。
ある種の実施形態では、本開示は、皮膚がんの増殖を治療または阻害するための方法であって、(a)皮膚がんの患者を選択することであって、患者は、以下の高危険性構成の少なくとも1つを有する、こと:被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;イントランジット転移(ITM);T4病変;神経周囲浸潤(PNI);ならびに再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:再発性病変に関連する≧N2bの疾患;公称≧T3;および≧20mmの直径の再発性病変;ならびに(b)アジュバントまたはネオアジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤を、それらを必要とする患者に投与することを含む方法を含む。
本明細書で使用する場合、用語「治療する(treating)」、「治療する(treat)」などは、一時的もしくは永続的に症状の原因を排除するために、腫瘍増殖を遅延させるかもしくは阻害するために、腫瘍細胞負荷もしくは腫瘍量を低減させるために、腫瘍退縮を促進するために、腫瘍の縮小、壊死および/もしくは消失を引き起こすために、腫瘍再発を防止するために、転移を防止もしくは阻害するために、転移性腫瘍増殖を阻害するために、手術の必要性を排除するために、ならびに/または対象の生存期間を延ばすために、少なくとも1つの症状または徴候の重症度を軽減するかまたは低減させることを意味する。多くの実施形態では、用語「腫瘍」、「病変」、「腫瘍病変」、「がん」および「悪性病変」は互換的に使用され、1つまたはそれ以上の増殖物を指す。
いくつかの実施形態では、皮膚がんは、皮膚扁平上皮癌(CSCC)、基底細胞癌(BCC)、メルケル細胞癌または黒色腫である。いくつかの実施形態では、皮膚がんは頭頸部の扁平上皮癌である。いくつかの実施形態では、皮膚がんは進行性CSCCである。いくつかの実施形態では、皮膚がんは、転移性、切除可能、切除不可能、再発性、または局所進行性である。いくつかの実施形態では、皮膚がんは、限定されないが、転移性CSCC、局所進行性CSCC、切除可能なCSCC、切除不可能なCSCCまたは再発性CSCCを含めた、CSCCである。一実施形態では、皮膚がんは、切除可能な再発性のCSCCである。
本明細書で使用する場合、用語「再発性」は、患者の皮膚がん(例えば、CSCC)の頻繁なもしくは繰り返される診断、または個々の腫瘍病変、例えば、原発腫瘍病変および/もしくは以前の腫瘍病変の再発を示し得る新しい腫瘍病変の頻繁なもしくは繰り返される発生を指す。
本明細書で使用する場合、用語「再発」は、局所的、領域的または遠隔の1つまたはそれ以上の新しい皮膚がん(例えば、CSCC)病変の出現と定義される。多くの場合、長期にわたるUV媒介性皮膚損傷からの広域発がんによる、皮膚の新しい病変は新しい原発腫瘍である(Christensen、F1000Res、7、2018)。CSCCに関して、局所的または領域的(局所領域的)再発は、疾患再発の以下の部位のいずれかによって定義される:(a)HN CSCCについて、鎖骨より上の結節組織または軟部組織の再発;(b)非HN CSCCについて、切除された腫瘍の最初の排出リンパ節流域(draining nodal basin)内(または最初の排出リンパ節流域内の関連する軟部組織)内の再発;(c)原発病変から>2cmであるが領域的リンパ節流域を越えない、皮膚または皮下の転移と定義される、イントランジット転移。遠隔再発は、疾患再発の以下の部位のいずれかによって定義される:(a)HN CSCCについて、鎖骨より下のリンパ節再発;(d)非HN CSCCについて、切除された腫瘍床の最初の排出リンパ節流域を越えた再発。2つのリンパ節流域における再発は、たとえ近接していても遠隔再発と見なされる(すなわち、2つの縦隔リンパ節流域、2つの骨盤リンパ節流域);(e)非リンパ節組織(限定されないが、肺、肝臓、骨、脳を含む)における再発;(f)上皮の関与がない真皮の遠隔病変と定義される、表皮向性転移。
本明細書で使用する場合、表現「それらを必要とする対象」または「それらを必要とする患者」は、皮膚がんの1つまたはそれ以上の症状もしくは徴候を示す、および/または固形腫瘍を含めた皮膚がんと診断されており、皮膚がんの治療を必要とする、ヒトまたはヒト以外の哺乳動物を意味する。多くの実施形態では、用語「対象」および「患者」は互換的に使用される。本表現は、原発性、定着、または再発性腫瘍病変を有する対象を含む。特定の実施形態では、本表現は、固形腫瘍を有する、および/または固形腫瘍の治療を必要とするヒト対象を含む。本表現は、原発性または転移性腫瘍(進行性悪性腫瘍)を有する対象も含む。ある種の実施形態では、本表現は、以前の療法(例えば、手術、もしくはカルボプラチンもしくはドセタキセルなどの抗がん剤による治療)に抵抗性もしくは不応性であるか、または以前の療法によって不適切に制御されている固形腫瘍を有する患者を含む。ある種の実施形態では、本表現は、以前の療法の1つまたはそれ以上のラインで治療された(例えば、手術的に除去された)が、その後に再発した腫瘍病変を有する患者を含む。ある種の実施形態では、本表現は、治癒的手術もしくは治癒的放射線の候補ではないか、または例えば、毒性副作用が理由で従来の抗がん療法が得策ではない、皮膚がんの腫瘍病変を有する対象を含む。他の実施形態では、本表現は、手術的除去が計画される皮膚がんの腫瘍病変を有する対象を含む。他の実施形態では、本表現は、手術後の再発の前歴が理由で再発の危険性が高い対象を含む。
ある種の実施形態では、本開示の方法は固形腫瘍を有する対象で使用される。本明細書で使用する場合、用語「固形腫瘍」は、嚢胞または液体領域を通常含まない組織の異常な腫瘤を指す。固形腫瘍は、良性(がんではない)または悪性(がん)であり得る。本開示において、用語「固形腫瘍」は、悪性固形腫瘍を意味する。本用語は、それを形成する細胞型に名前が由来する異なるタイプの固形腫瘍、すなわち、肉腫、癌腫およびリンパ腫を含む。ある種の実施形態では、用語「固形腫瘍」は、治療を必要としている対象において、互いに離れて位置する1個を超える腫瘍病変、例えば、2個以上、5個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上の病変を含む。ある種の実施形態では、1個を超える病変が互いに遠位に位置する。
ある種の実施形態では、開示される方法は、抗腫瘍療法と組み合わせて治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を投与することを含む。本明細書で使用する場合、表現「と組み合わせて」は、抗腫瘍療法の前、抗腫瘍療法の後、または抗腫瘍療法と同時にPD-1阻害剤が投与されることを意味する。抗腫瘍療法としては、限定されないが、従来の抗腫瘍療法、例えば、化学療法、放射線、手術、または本明細書の他の個所に記載されるものが挙げられる。一実施形態では、抗腫瘍療法は手術を含む。一実施形態では、PD-1阻害剤は、手術および/または放射線療法の前にネオアジュバント治療として投与される。別の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)は、手術後、放射線療法後または手術および手術後の放射線療法後にアジュバント治療として投与される。ある種の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)は、手術および場合により手術後の放射線療法の後に投与される。
ある種の実施形態では、本開示の方法は:(a)皮膚がんの患者を選択することであって、皮膚がんはCSCC、BCC、メルケル細胞癌または黒色腫から選択され、患者は以下の高危険性構成のうちの1つを有する、こと:被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;イントランジット転移(ITM);T4病変;神経周囲浸潤(PNI);ならびに再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:再発性病変に関連する≧N2bの疾患;公称≧T3;および≧20mmの直径の再発性病変);ならびに(b)治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、それらを必要とする患者に投与することを含む。いくつかの実施形態では、患者は進行性固形腫瘍、例えばCSCCを有する。ある種の実施形態では、進行性固形腫瘍は無痛性または侵攻性である。一実施形態では、患者は皮膚がんを治療するために以前の手術および/または放射線を受けている。いくつかの実施形態では、本開示の方法は、以下の高危険性構成のうちの1つを示す患者に基づいて、CSCCの再発の高危険性CSCC患者を選択することを含む:被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;イントランジット転移(ITM);T4病変;神経周囲浸潤(PNI);ならびに再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:再発性病変に関連する≧N2bの疾患;公称≧T3;および≧20mmの直径の再発性病変(場合により患者は切除手術を受けている)。
ある種の実施形態では、対象は以前の療法もしくは手術に応答性でないか、または以前の療法もしくは手術の後に再燃している(例えば、再発性病変を経験している)。ある種の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)は対象に静脈内または腹腔内投与される。いくつかの実施形態では、対象は、高危険性腫瘍構成、例えば、高危険性結節性疾患、T4腫瘍、神経周囲浸潤、イントランジット転移、または再発歴+少なくとも1つの他の危険因子をともなうCSCCを有する。
本明細書で使用する場合、CSCC患者におけるCSCCの再発または疾患再発に関する表現「高危険性」は、以下の因子の少なくとも1つを指す:(a)外科病理報告における被膜外拡大(ECE)および>20mmの少なくとも1つの結節を有する結節性疾患(ECEは、例えば、臨床検査における皮膚の浸潤(invasion)および筋系の浸潤(infiltration)/隣接する構造体への固着を含めた関連する間質反応をともなうかともなわない、リンパ節被膜を通じた周囲の結合組織中への拡大と定義される;(b)原発病変から>2cmであるが領域的リンパ節流域を超えない、皮膚または皮下の転移と定義される、イントランジット転移(ITM)(Leitenbergerら、J Am Acad Dermatol、75(5):1022-31、2016);(c)HN病変(AJCC、2017)および非HN病変(UICC、2015)を含めたT4病変;(d)指定された神経の臨床的および/または放射線学的関与と定義される、神経周囲浸潤(PNI)(UICC、Manual of Clinical Oncology、第9版、2015)(e)以前に切除された腫瘍の領域内に生じるCSCCと定義される、再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ(AJCC、2017):(i)再発性病変に関連する≧N2bの疾患、(ii)公称≧T3(直径≧4cmの再発性病変、もしくは軽微な骨びらん、もしくは正常な隣接する上皮の顆粒層から測定した場合の>6mmの深い浸潤)、または(iii)低分化組織像および≧20mmの直径の再発性病変(再発性腫瘍は、元の手術創の推定される中心部から測定した、最終的な異常部の最も長い半径の半径測定値によって、以前に切除されたCSCC領域内にあることが記録されなければならない)。
本開示の方法は、ある種の実施形態によれば、さらなる治療剤、治療レジメンまたは治療手順と組み合わせて治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を対象に静脈内または腹腔内投与することを含む。さらなる治療剤、治療レジメンまたは治療手順は、抗腫瘍効能を高めるために、1つもしくはそれ以上の療法の毒性作用を低減させるために、および/または1つもしくはそれ以上の療法の投薬量を低減させるために、施すことができる。様々な実施形態では、さらなる治療剤、治療レジメンまたは治療手順は、以下の1つまたはそれ以上を含むことができる:化学療法、シクロホスファミド、手術、がんワクチン、プログラム死リガンド1(PD-L1)阻害剤(例えば、抗PD-L1抗体)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)阻害剤(例えば、抗LAG3抗体)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)阻害剤(例えば、イピリムマブ)、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体(GITR)アゴニスト(例えば、抗GITR抗体)、T細胞免疫グロブリンおよびムチン含有-3(TIM3)阻害剤、BおよびTリンパ球アテニュエーター(B-and T-lymphocyte attenuator)(BTLA)阻害剤、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(T-cell immunoreceptor with Ig and ITIM domains)(TIGIT)阻害剤、CA28活性剤、4-1BBアゴニスト、CD38阻害剤、CD47阻害剤、インドールアミン-2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)アンタゴニスト、アンジオポエチン-2(Ang2)阻害剤、抗CD3抗体、トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)阻害剤、上皮増殖因子受容体(EGFR)阻害剤、腫瘍特異的抗原[例えば、CA9、CA125、黒色腫関連抗原3(MAGE3)、がん胎児抗原(CEA)、ビメンチン、腫瘍-M2-PK、前立腺特異的抗原(PSA)、ムチン-1、MART-1およびCA19-9]に対する抗体、抗CD3/抗CD20二重特異性抗体、ワクチン(例えば、カルメット-ゲラン桿菌)、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子、細胞毒、化学療法剤、IL-6R阻害剤、IL-4R阻害剤、IL-10阻害剤、サイトカイン、例えば、IL-2、IL-7、IL-21およびIL-15、抗炎症薬、例えば、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、ならびに栄養補助食品、例えば抗酸化剤。ある種の実施形態では、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)は、化学療法剤および/または手術を含めた療法と組み合わせて投与することができる。
ある種の実施形態では、手術および場合により放射線療法、例えば、手術後の放射線療法の完了後に、アジュバント治療としてPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、皮膚がんを有する対象に投与することは、腫瘍細胞のすべてのエビデンスの完全な消失(「完全奏効」)につながり、腫瘍細胞または腫瘍サイズの少なくとも30%以上の低下(「部分奏効」)につながり、または腫瘍細胞/新しい測定可能な病変を含めた病変の完全もしくは部分的な消失につながる。腫瘍の低減は当技術分野で既知の任意の方法、例えば、X線、陽電子放出断層撮影法(PET)、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、細胞診断、組織診断または分子遺伝学的分析によって、測定することができる。
ある種の実施形態では、手術および場合により放射線療法、例えば、手術後の放射線療法の完了後に、アジュバント治療としてPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、皮膚がんを有する対象に投与することは、「標準ケア」(SOC)療法(例えば、化学療法、手術または放射線)が施される対象と比較して、対象の全生存(OS)または無増悪生存(PFS)の延長につながる。ある種の実施形態では、PFSは、任意の1つまたはそれ以上のSOC療法が施される対象と比較して、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも2年または少なくとも3年増加する。ある種の実施形態では、OSは、任意の1つまたはそれ以上のSOC療法が施される対象と比較して、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも2年または少なくとも3年増加する。
ある種の実施形態では、手術および場合により手術後の放射線療法の完了後のアジュバント治療としての、皮膚がんを有する対象への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与(対象は再発の危険性が高い)は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または皮膚がんの再発の発生を皆無にする。ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための手術および/または放射線療法の完了後の、CSCC患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、後のCSCCの再発の危険性の低減につながる、またはCSCCの再発の発生を皆無にする。開示される方法のある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための手術および放射線療法の完了後の、CSCC患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、アジュバントPD-1阻害剤の投与後に、少なくとも6か月、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10年もしくはそれ以上にわたって、CSCCの再発の発生を皆無にする。
ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための手術および放射線療法の完了後の、皮膚がん患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、アジュバント皮膚がん治療なしの手術および放射線療法で治療された患者と比較して、後のCSCCの再発の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%低い発生率につながる。
ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための計画された手術より前に、ネオアジュバント治療としてPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、皮膚がんを有する対象に投与すること、および場合により、続いて、皮膚がんを治療するための手術後にアジュバント療法としてPD-1阻害剤を患者に投与することは、腫瘍細胞のすべてのエビデンスの完全な消失(「完全奏効」)につながり、腫瘍細胞または腫瘍サイズの少なくとも30%以上の低下(「部分奏効」)につながり、または腫瘍細胞/新しい測定可能な病変を含めた病変の完全もしくは部分的な消失につながる。腫瘍の低減は、当技術分野で既知の任意の方法、例えば、X線、陽電子放出断層撮影法(PET)、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴画像(MRI)、細胞診断、組織診断または分子遺伝学的分析によって、測定することができる。
ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための計画された手術より前に、ネオアジュバント治療としてPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、皮膚がんを有する対象に投与すること、および場合により、続いて、皮膚がんを治療するための手術後にアジュバント療法としてPD-1阻害剤を患者に投与することは、「標準ケア」(SOC)療法(例えば、化学療法、手術または放射線)が施される対象と比較して、対象の全生存(OS)または無増悪生存(PFS)の延長につながる。ある種の実施形態では、PFSは、任意の1つまたはそれ以上のSOC療法が施される対象と比較して、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも2年または少なくとも3年増加する。ある種の実施形態では、OSは、任意の1つまたはそれ以上のSOC療法が施される対象と比較して、少なくとも1か月、少なくとも2か月、少なくとも3か月、少なくとも4か月、少なくとも5か月、少なくとも6か月、少なくとも7か月、少なくとも8か月、少なくとも9か月、少なくとも10か月、少なくとも11か月、少なくとも1年、少なくとも2年または少なくとも3年増加する。
ある種の実施形態では、計画された手術より前のネオアジュバント治療としての、皮膚がんを有する対象への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または皮膚がんの再発の発生を皆無にする。ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための皮膚がん病変の手術的除去より前の、CSCC患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、後のCSCCの再発の危険性の低減につながる、またはCSCCの再発の発生を皆無にする。開示される方法のある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための計画された手術より前の、ネオアジュバント治療としての、CSCC患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、手術後に、少なくとも6か月、または少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10年もしくはそれ以上にわたって、CSCCの再発の発生を皆無にする。
ある種の実施形態では、皮膚がんを治療するための計画された手術より前の、ネオアジュバント治療としての、皮膚がん患者への治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与は、ネオアジュバント皮膚がん治療なしの手術で治療されない患者と比較して、後のCSCCの再発の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%または約90%低い発生率につながる。
PD-1阻害剤
本明細書に開示される方法は、治療有効量のPD-1阻害剤を投与することを含む。本明細書で使用する場合、「PD-1阻害剤」は、PD-1の活性または発現を阻害する、遮断する、抑止するまたは妨げることができる任意の分子を指す。いくつかの実施形態では、PD-1阻害剤は、抗体、小分子化合物、核酸、ポリペプチド、またはそれらの機能的フラグメントもしくは変異体であり得る。適切なPD-1阻害剤抗体の非限定例としては、抗PD-1抗体およびその抗原結合性フラグメント、抗PD-L1抗体およびその抗原結合性フラグメントならびに抗PD-L2抗体およびその抗原結合性フラグメントが挙げられる。適切なPD-1阻害剤の他の非限定例としては、RNAi分子、例えば、抗PD-1 RNAi分子、抗PD-L1 RNAiおよび抗PD-L2 RNAi、アンチセンス分子、例えば、抗PD-1アンチセンスRNA、抗PD-L1アンチセンスRNAおよび抗PD-L2アンチセンスRNA、ならびにドミナントネガティブタンパク質、例えば、ドミナントネガティブPD-1タンパク質、ドミナントネガティブPD-L1タンパク質およびドミナントネガティブPD-L2タンパク質が挙げられる。前述のPD-1阻害剤のいくつかの例は、例えば、US9308236、US10011656およびUS20170290808に記載されており、PD-1阻害剤を特定するその部分は、参照によって本明細書に組み入れる。
本明細書で使用する場合、用語「抗体」は、ジスルフィド結合によって相互接続した4つのポリペプチド鎖、すなわち、2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む免疫グロブリン分子ならびにその多量体(例えば、IgM)を指す。典型的な抗体では、各重鎖は、重鎖可変領域(HCVRまたはVと本明細書で省略される)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つのドメイン、すなわち、C1、C2およびC3を含む。各軽鎖は軽鎖可変領域(LCVRまたはVと本明細書で省略される)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つのドメイン(C1)を含む。VおよびV領域は、フレームワーク領域(FR)と呼ばれるより保存された領域が散在している、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる超可変性の領域にさらに細分することができる。各VおよびVは、3つのCDRおよび4つのFRから構成され、アミノ末端からカルボキシ末端に以下の順序で配置されている:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4。本発明の異なる実施形態では、抗IL-4R抗体(またはその抗原結合部分)のFRは、ヒト生殖系列と同一でもよく、または天然にもしくは人工的に改変されていてもよい。アミノ酸コンセンサス配列は、2つ以上のCDRのサイドバイサイド分析に基づいて定義することができる。本明細書で使用する場合、用語「抗体」は完全な抗体分子の抗原結合性フラグメントも含む。
本明細書で使用する場合、抗体の「抗原結合部分」、抗体の「抗原結合性フラグメント」などの用語は任意の天然に存在する、酵素的に得られる、合成のまたは遺伝子操作された、抗原に特異的に結合して複合体を形成するポリペプチドまたは糖タンパク質を含む。抗体の抗原結合性フラグメントは、任意の適切な標準的な技法、例えば、タンパク質消化または抗体の可変および場合により定常ドメインをコードするDNAの操作および発現を含む組換え遺伝子工学技法を使用して、例えば完全な抗体分子から生じ得る。そのようなDNAは既知であり、および/または例えば、商業的供給元、DNAライブラリー(例えば、ファージ抗体ライブラリーを含める)から容易に入手可能であり、もしくは合成することができる。DNAはシークエンスすることができ、化学的に、または分子生物学的技法を使用することによって操作して、例えば、1つもしくはそれ以上の可変および/もしくは定常ドメインを適切な構成に配置すること、またはコドンを導入する、システイン残基を作出する、アミノ酸を修飾する、付加する、もしくは欠失させることなどができる。
抗原結合性フラグメントの非限定例としては以下が挙げられる:(i)Fabフラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント;(iii)Fdフラグメント;(iv)Fvフラグメント;(v)単鎖Fv(scFv)分子;(vi)dAbフラグメント;および(vii)抗体の超可変領域を模倣するアミノ酸残基からなる最小認識単位(例えば、単離された相補性決定領域(CDR)、例えばCDR3ペプチド)、または拘束されたFR3-CDR3-FR4ペプチド。他の操作された分子、例えば、ドメイン特異的抗体、単一ドメイン抗体、ドメイン欠失抗体、キメラ抗体、CDRグラフト化抗体、ダイアボディ、トリアボディ、テトラボディ、ミニボディ、ナノボディ(例えば、一価ナノボディ、二価ナノボディなど)、小モジュラー免疫医薬品(small modular immunopharmaceuticals)(SMIP)、およびサメ可変IgNARドメインも、本明細書で使用する場合、表現「抗原結合性フラグメント」内に包含される。
抗体の抗原結合性フラグメントは、典型的には、少なくとも1つの可変ドメインを含む。可変ドメインは任意のサイズまたはアミノ酸組成のものでもよく、1つまたはそれ以上のフレームワーク配列に隣接するか、または該フレームワーク配列とインフレームである、少なくとも1つのCDRを一般に含む。Vドメインと結合しているVドメインを有する抗原結合性フラグメントでは、VおよびVドメインは、任意の適切な配置で互いに対して位置し得る。例えば、可変領域は二量体であり得、V-V、V-VまたはV-V二量体を含み得る。あるいは、抗体の抗原結合性フラグメントは、単量体のVまたはVドメインを含み得る。
ある種の実施形態では、抗体の抗原結合性フラグメントは、少なくとも1つの定常ドメインに共有結合している少なくとも1つの可変ドメインを含み得る。本開示の抗体の抗原結合性フラグメント内に見出すことができる可変ドメインおよび定常ドメインの非限定的な例示的構成としては、以下が挙げられる:(i)V-C1;(ii)V-C2;(iii)V-C3;(iv)V-C1-C2;(v)V-C1-C2-C3;(vi)V-C2-C3;(vii)V-C;(viii)V-C1;(ix)V-C2;(x)V-C3;(xi)V-C1-C2;(xii)V-C1-C2-C3;(xiii)V-C2-C3;および(xiv)V-C。上に列挙した例示的構成のうちのいずれかを含めた、可変ドメインおよび定常ドメインの任意の構成では、可変ドメインおよび定常ドメインは、互いに直接連結していてもよく、または完全もしくは部分的なヒンジもしくはリンカー領域によって連結していてもよい。ヒンジ領域は、単一ポリペプチド分子中の隣接する可変および/または定常ドメインの間に可撓性または半可撓性結合をもたらす、少なくとも2個(例えば、5、10、15、20、40、60個以上)のアミノ酸からなり得る。さらに、本開示の抗体の抗原結合性フラグメントは、互いとのおよび/または1つもしくはそれ以上の単量体VもしくはVドメインとの非共有会合(例えば、ジスルフィド結合による)で、上に列挙した可変ドメインおよび定常ドメイン構成のうちのいずれかのホモ二量体またはヘテロ二量体(または他の多量体)を含むことができる。
本明細書に開示される方法で使用される抗体はヒト抗体でもよい。本明細書で使用する場合、用語「ヒト抗体」は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する抗体を指す。それにもかかわらず、本開示のヒト抗体は、例えばCDR、特にCDR3に、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列にコードされないアミノ酸残基(例えば、インビトロのランダムもしくは部位特異的突然変異誘発によって、またはインビボの体細胞突然変異によって導入された突然変異)を含むことができる。しかし、本明細書で使用する場合、用語「ヒト抗体」は、別の哺乳類種、例えばマウスの生殖系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列に移植された抗体を含むことは意図されない。
本明細書に開示される方法で使用される抗体は組換えヒト抗体でもよい。本明細書で使用する場合、用語「組換えヒト抗体」は、組換え手段によって調製される、発現される、作出される、もしくは単離されるすべてのヒト抗体、例えば、宿主細胞にトランスフェクトされた組換え発現ベクターを使用して発現される抗体(以下でさらに記載される)、組換えのコンビナトリアルヒト抗体ライブラリーから単離される抗体(以下でさらに記載される)、ヒト免疫グロブリン遺伝子についてトランスジェニックである動物(例えば、マウス)から単離される抗体[例えば、Taylorら(1992)Nucl.Acids Res.20:6287~6295を参照されたい]、または他のDNA配列へのヒト免疫グロブリン遺伝子配列のスプライシングを含む任意の他の手段によって調製される、発現される、作出される、もしくは単離される抗体を含む。そのような組換えヒト抗体は、ヒト生殖系列免疫グロブリン配列に由来する可変領域および定常領域を有する。しかし、ある種の実施形態では、そのような組換えヒト抗体は、インビトロ突然変異誘発(または、ヒトIg配列についてトランスジェニックである動物が使用される場合、インビボ体細胞突然変異誘発)にかけられ、したがって、組換え抗体のVおよびV領域のアミノ酸配列は、ヒト生殖系列VおよびV配列に由来し、該配列に関係しているが、インビボでヒト抗体生殖系列レパートリー内に天然に存在比ない可能性がある配列である。
抗PD-1抗体およびその抗原結合性フラグメント
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法で使用されるPD-1阻害剤は、PD-1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントである。用語「特異的に結合する」などは、抗体またはその抗原結合性フラグメントが、生理的条件下で比較安定な複合体を抗原と形成することを意味する。抗体が抗原に特異的に結合するかどうかを決定するための方法は当技術分野で周知であり、例えば、平衡透析、表面プラスモン共鳴などが挙げられる。例えば、本開示において使用される場合、PD-1に「特異的に結合する」抗体は、表面プラスモン共鳴アッセイで測定した場合に、約500nM未満、約300nM未満、約200nM未満、約100nM未満、約90nM未満、約80nM未満、約70nM未満、約60nM未満、約50nM未満、約40nM未満、約30nM未満、約20nM未満、約10nM未満、約5nM未満、約4nM未満、約3nM未満、約2nM未満、約1nM未満または約0.5nM未満のKでPD-1またはその一部に結合する抗体を含む。しかし、ヒトPD-1に特異的に結合する単離抗体は、他の抗原、例えば、他の(非ヒト)種からのPD-1分子への交差反応性を有する可能性がある。
ある種の例示的実施形態によれば、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、その内容全体を参照によって本明細書に組み入れる米国特許第9,987,500号に記載される抗PD-1抗体のうちのいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、軽鎖可変領域(LCVR)および/または相補性決定領域(CDR)を含む。ある種の例示的実施形態では、本開示において使用することができる抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の重鎖相補性決定領域(HCDR)および配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖相補性決定領域(LCDR)を含む。ある種の実施形態によれば、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、3つのHCDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに3つのLCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含み、HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を含み;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を含み;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を含み;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を含み;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を含み;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号1を含むHCVRおよび配列番号2を含むLCVRを含む。ある種の実施形態では、本開示の方法は、抗PD-1抗体の使用を含み、抗体は配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖を含む。いくつかの実施形態では、抗PD-1抗体は配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む例示的抗体は、セミプリマブ(REGN2810、LIBTAYO(登録商標)としても知られる)として知られる完全ヒト抗PD-1抗体である。
ある種の例示的実施形態によれば、本開示の方法は、REGN2810またはその生物学的同等物の使用を含む。本明細書で使用する場合、用語「生物学的同等物」は、単回投与または多回投与で、同様の実験条件下で同じモル用量で投与される場合に、吸収の速度および/または程度が参照抗体(例えば、REGN2810)のものと有意差を示さない医薬的同等物または医薬的代替物である、抗PD-1抗体またはPD-1結合タンパク質またはそれらのフラグメントを指す。本開示において、用語「生物学的同等物」は、PD-1に結合し、安全性、純度および/または効力についてREGN2810と臨床的に意味のある違いを有さない抗原結合タンパク質を含む。
本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-1またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号1に対して90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するHCVRを含む。
本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-1またはその抗原結合性フラグメントは、配列番号2に対して90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するLCVRを含む。
本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-1またはその抗原結合性フラグメントは、5つ以下のアミノ酸置換を有する、配列番号1のアミノ酸配列を含むHCVRを含む。本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-1またはその抗原結合性フラグメントは、2つ以下のアミノ酸置換を有する、配列番号2のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。
配列同一性は、当技術分野で既知の方法(例えば、GAP、BESTFITおよびBLAST)によって測定することができる。
本開示は、皮膚がんを治療するための方法における抗PD-1抗体の使用も含み、抗PD-1抗体は、1つまたはそれ以上の保存的アミノ酸置換を有する、本明細書に開示されるHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のうちのいずれかの変異体を含む。例えば、本開示は、本明細書に開示されるHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のうちのいずれかに対して、例えば、10個以下、8個以下、6個以下、4個以下などの保存的アミノ酸置換を有するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列を有する抗PD-1抗体の使用を含む。
本開示の方法において使用することができる他の抗PD-1抗体としては、例えば、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、MEDI0608、ピディリズマブ、BI 754091、スパルタリズマブ(PDR001としても知られる)、カムレリズマブ(SHR-1210としても知られる)、JNJ-63723283、MCLA-134と当技術分野で称され、既知である抗体、または米国特許第6808710号、第7488802号、第8008449号、第8168757号、第8354509号、第8609089号、第8686119号、第8779105号、第8900587号および第9987500号に、ならびに特許公報WO2006/121168、WO2009/114335に記載されている抗PD-1抗体のうちのいずれかが挙げられる。抗PD-1抗体を特定する前述の刊行物のすべての諸部分、参照によって本明細書に組み入れる。
本開示の方法において使用される抗PD-1抗体は、pH依存的結合特性を有し得る。例えば、本開示の方法で使用するための抗PD-1抗体は、中性pHと比較して、酸性pHでPD-1への結合の低減を示し得る。あるいは、本発明の抗PD-1抗体は、中性pHと比較して、酸性pHでその抗原への結合の増強を示し得る。表現「酸性pH」は、約6.2未満、例えば、約6.0、5.95、5.9、5.85、5.8、5.75、5.7、5.65、5.6、5.55、5.5、5.45、5.4、5.35、5.3、5.25、5.2、5.15、5.1、5.05、5.0またはそれ以下のpH値を含む。本明細書で使用する場合、表現「中性pH」は約7.0~約7.4のpHを意味する。表現「中性pH」は、約7.0、7.05、7.1、7.15、7.2、7.25、7.3、7.35および7.4のpH値を含む。
特定の場合では、「中性pHと比較して、酸性pHでPD-1への結合の低減」は、酸性pHでのPD-1への抗体結合のK値対中性pHでのPD-1への抗体結合のK値(または逆)の比の点から表される。例えば、抗体またはその抗原結合性フラグメントは、抗体またはその抗原結合性フラグメントが約3.0以上の酸性/中性のK比を示す場合、本開示において「中性pHと比較して、酸性pHでPD-1への結合の低減」を示すと見なすことができる。ある種の例示的実施形態では、本開示の抗体または抗原結合性フラグメントに対する酸性/中性のK比は、約3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15.0、20.0、25.0、30.0、40.0、50.0、60.0、70.0、100.0またはそれ以上であり得る。
pH依存的結合特性を有する抗体は、例えば、中性pHと比較して、酸性pHでの特定の抗原への低減した(または増強した)結合について抗体の集団をスクリーニングすることによって、得ることができる。さらに、アミノ酸レベルでの抗原結合ドメインの改変は、pH依存的特性を有する抗体をもたらすことができる。例えば、抗原結合ドメイン(例えば、CDR内)の1つまたはそれ以上のアミノ酸をヒスチジン残基と置換することによって、中性pHと比べて、酸性pHで抗原結合が低減した抗体を得ることができる。本明細書で使用する場合、表現「酸性pH」は6.0以下のpHを意味する。
抗PD-L1抗体およびその抗原結合性フラグメント
いくつかの実施形態では、本明細書に開示される方法で使用されるPD-1阻害剤は、PD-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合性フラグメントである。例えば、本開示において使用される場合、PD-L1に「特異的に結合する」抗体は、約1×10-8M以下のK(例えば、Kが小さいほどより堅固な結合を示す)でPD-L1またはその一部に結合する抗体を含む。「高親和性」抗PD-L1抗体は、表面プラスモン共鳴、例えば、BIACORE(商標)または溶液親和性ELISAによって測定した場合に、少なくとも10-8M、好ましくは10-9M、より好ましくは10-10M、さらにより好ましくは10-11M、さらにより好ましくは10-12MのKとして表される、PD-L1への結合親和性を有するmAbを指す。しかし、ヒトPD-L1に特異的に結合する単離抗体は、他の抗原、例えば、他の(非ヒト)種からのPD-L1分子への交差反応性を有する可能性がある。
ある種の例示的実施形態によれば、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、その内容全体を参照によって本明細書に組み入れる米国特許第9,938,345号に記載される抗PD-L1抗体のうちのいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)、軽鎖可変領域(LCVR)および/または相補性決定領域(CDR)を含む。ある種の例示的実施形態では、本開示において使用することができる抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、重鎖可変領域(HCVR)の重鎖相補性決定領域(HCDR)および軽鎖可変領域(LCVR)の軽鎖相補性決定領域(LCDR)を含み、HCVRおよびLCVRは、米国特許第9,938,345号でH1H8314Nと指定された抗PD-L1抗体のアミノ酸配列を含む。ある種の実施形態によれば、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、3つのHCDR(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに3つのLCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含み、HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2およびLCDR3は、米国特許第9,938,345号でH1H8314Nと指定された抗PD-L1抗体のアミノ酸配列を含む。さらに他の実施形態では、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントは、米国特許第9,938,345号でH1H8314Nと指定された抗PD-L1抗体のアミノ酸配列を含む、HCVRおよびLCVRを含む。
本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-L1またはその抗原結合性フラグメントは、米国特許第9,938,345号でH2M8314Nと指定された抗PD-L1抗体のLCVRアミノ酸配列に対して90%、95%、98%または99%の配列同一性を有するLCVRを含む。
本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-L1またはその抗原結合性フラグメントは、5つ以下のアミノ酸置換を有する、米国特許第9,938,345号でH1H8314Nと指定された抗PD-L1抗体のアミノ酸配列を含むHCVRを含む。本開示のある種の実施形態によれば、抗ヒトPD-L1またはその抗原結合性フラグメントは、2つ以下のアミノ酸置換を有する、米国特許第9,938,345号でH1H8314Nと指定された抗PD-L1抗体のアミノ酸配列を含むLCVRを含む。
配列同一性は、当技術分野で既知の方法(例えば、GAP、BESTFITおよびBLAST)によって測定することができる。
本開示は、皮膚がんを治療するための方法における抗PD-L1抗体の使用も含み、抗PD-L1抗体は、1つまたはそれ以上の保存的アミノ酸置換を有する、本明細書に開示されるHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のうちのいずれかの変異体を含む。例えば、本開示は、本明細書に開示されるHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列のうちのいずれかに対して、例えば、10個以下、8個以下、6個以下、4個以下などの保存的アミノ酸置換を有するHCVR、LCVRおよび/またはCDRアミノ酸配列を有する抗PD-L1抗体の使用を含む。
本開示の方法において使用することができる他の抗PD-L1抗体としては、例えば、MDX-1105、アテゾリズマブ(TECENTRIQ(商標))、デュルバルマブ(IMFINZI(商標))、アベルマブ(BAVENCIO(商標))、LY3300054、FAZ053、STI-1014、CX-072、KN035(Zhangら、Cell Discovery、3、170004(2017年3月))、CK-301(Gorelikら、American Association for Cancer Research Annual Meeting(AACR)、2016-04-04 Abstract 4606)と当技術分野で称され、既知である抗体、または特許公報US7943743、US8217149、US9402899、US9624298、US9938345、WO2007/005874、WO2010/077634、WO2013/181452、WO2013/181634、WO2016/149201、WO2017/034916もしくはEP3177649に記載される他の抗PD-L1抗体のうちのいずれかが挙げられる。抗PD-L1抗体を特定する前述の刊行物のすべての諸部分、参照によって本明細書に組み入れる。
医薬組成物および投与
本明細書に開示されるPD-1阻害剤を、適切な担体、賦形剤、緩衝液、および適切な移行、送達、忍容性などを提供する他の薬剤とともに製剤化することができる医薬組成物内に含めることができる。すべての薬剤師に知られている処方集:Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Company、Easton、PAに多数の適切な製剤を見出すことができる。これらの製剤は、例えば、粉末、ペースト、軟膏、ゼリー、ワックス、油、脂質、脂質(陽イオン性または陰イオン性)含有ベシクル(例えばLIPOFECTIN(商標))、DNAコンジュゲート、無水吸収ペースト、水中油型および油中水型エマルジョン、エマルジョンカーボワックス(様々な分子量のポリエチレングリコール)、半固体ゲル、およびカーボワックス含有半固体混合物を含む。Powellら、「Compendium of excipients for parenteral formulations」PDA、J Pharm Sci Technol 52:238~311(1998)も参照されたい。
様々な送達システムが知られており、本発明の医薬組成物を投与するために使用することができ、例えば、リポソーム中のカプセル化、マイクロ粒子、マイクロカプセル、突然変異ウイルスを発現することができる組換え細胞、受容体媒介性エンドサイトーシスである。例えば、Wuら、J.Biol.Chem.262:4429~32(1987)を参照されたい。
本明細書に開示されるPD-1阻害剤を含む医薬組成物は、静脈内投与または腹腔内投与に適している。
医薬組成物の注射用製剤は、既知の方法によって調製することができる。例えば、注射用製剤は、例えば、注射のために従来から使用されている滅菌した水性媒体または油性媒体中に上記の抗体またはその塩を溶解すること、懸濁させること、または乳化することによって調製することができる。注射のための水性媒体として、例えば、生理食塩水、グルコースおよび他の補助剤を含む等張液などがあり、これらは、適切な可溶化剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤[例えば、ポリソルベート80、HCO-50(硬化ヒマシ油のポリオキシエチレン(50モル)付加物)]などと組み合わせて使用することができる。油性媒体として、例えば、ゴマ油、ダイズ油などが用いられ、これらは、可溶化剤、例えば、ベンジル安息香酸、ベンジルアルコールなどと組み合わせて使用することができる。このように調製された注射用製剤は、好ましくは、適切な注射アンプル中に充填される。いくつかの実施形態では、注射用製剤は、PD-1阻害剤の濃縮物および1種またはそれ以上の溶媒(例えば、蒸留水、食塩水など)を含む、注射液の形態でもよい。
ある種の実施形態では、本開示は、治療量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)および医薬的に許容可能な担体を含む、医薬組成物または製剤を提供する。ある種の実施形態では、本開示は、静脈内注射による投与に適切な医薬組成物中に製剤化されたPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を提供する。
本開示において使用することができる抗PD-1抗体を含む例示的医薬組成物は、例えば、US2019/0040137に開示されている。
投与レジメン
ある種の実施形態では、本明細書に開示される方法は、例えば、特定の治療的投与レジメンの一部として、治療有効量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)を、それらを必要とする対象の腫瘍に複数回用量で投与することを含む。例えば、適切な治療的投与レジメンは、治療応答が達成される限り、約1日1回、2日ごとに1回、3日ごとに1回、4日ごとに1回、5日ごとに1回、6日ごとに1回、週に1回、2週ごとに1回、3週ごとに1回、4週ごとに1回、5週ごとに1回、6週ごとに1回、8週ごとに1回、12週ごとに1回、月に1回、2か月ごとに1回、3か月ごとに1回、4か月ごとに1回、1日2回、2日ごとに2回、3日ごとに2回、4日ごとに2回、5日ごとに2回、6日ごとに2回、週に2回、2週ごとに2回、3週ごとに2回、4週ごとに2回、5週ごとに2回、6週ごとに2回、8週ごとに2回、12週ごとに2回、月2回、2か月ごとに2回、3か月ごとに2回、4か月ごとに2回、1日3回、2日ごとに3回、3日ごとに3回、4日ごとに3回、5日ごとに3回、6日ごとに3回、週に3回、2週ごとに3回、3週ごとに3回、4週ごとに3回、5週ごとに3回、6週ごとに3回、8週ごとに3回、12週ごとに3回、月に3回、2か月ごとに3回、3か月ごとに3回、4か月ごとに3回の頻度で、またはより低頻度に、または必要に応じに応じて、1またはそれ以上の用量のPD-1阻害剤を対象に投与すること含むことができる。一実施形態では、1またはそれ以上の用量の抗PD-1抗体が週に1回投与される。
ある種の実施形態では、1またはそれ以上の用量が少なくとも1つの治療サイクルで投与される。本態様による方法は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10以上の用量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与を含む少なくとも1つの治療サイクルを、それらを必要とする対象に施すことを含む。一実施形態では、治療サイクルは3用量のPD-1阻害剤を含む。一実施形態では、治療サイクルは12用量のPD-1阻害剤を含む。一実施形態では、治療サイクルは24用量のPD-1阻害剤を含む。一実施形態では、治療サイクルは3用量のPD-1阻害剤を含み、各用量は直前の用量の2週後に投与される。一実施形態では、治療サイクルは10用量のPD-1阻害剤を含み、各用量は直前の用量の1週後に投与される。一実施形態では、治療サイクルは12用量のPD-1阻害剤を含み、各用量は直前の用量の1週後に投与される。
一実施形態では、治療サイクルで投与されるすべての用量は、同じ量のPD-1阻害剤を含む。別の実施形態では、治療サイクルは、異なる量のPD-1阻害剤を含む少なくとも2用量の投与を含む。一実施形態では、治療サイクルの第1の用量は、治療サイクルのその後の用量より大量のPD-1阻害剤を含む。一実施形態では、治療サイクルの第1の用量は、治療サイクルのその後の用量よりも少量のPD-1阻害剤を含む。
一実施形態では、治療サイクルのすべての用量は、同じ投与経路を使用して投与される。別の実施形態では、治療サイクルの用量は、2つ以上投与経路を含めた異なる投与経路を使用して投与される。
一実施形態では、治療サイクルは反復される。いくつかの実施形態では、治療サイクルは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12またはそれ以上の回数が反復される。
ある種の実施形態では、ある用量のPD-1阻害剤は、単一のセッションまたは患者の来院で対象に投与される。
本明細書で使用する場合、用語「初回の」、「第2の」、「第3の」などは、投与の時間的順序を指す。したがって、「初回用量」は治療レジメンの初めに投与される用量(「ベースライン用量」とも称される)であり;「第2の用量」は初回用量の後に投与される用量であり;「第3の用量」は、第2の用量の後に投与される用量である。初回、第2および第3の用量はすべて同じ量のPD-1阻害剤(抗PD-1抗体)を含むことができる。しかし、ある種の実施形態では、初回、第2および/または第3の用量に含まれる量は、治療の過程において互いに異なる(例えば、適宜、上または下に調整される)。ある種の実施形態では、1またはそれ以上の(例えば、1、2、3、4または5)用量が治療レジメンの初めに「負荷用量」として投与され、その後に、より低頻度の基準(例えば、「維持量」)で投与されるその後の用量が続く。例えば、抗PD-1抗体は、患者の体重について約1mg/kg~約3mg/kgの負荷用量、続いて、約0.1mg/kg~約20mg/kgの1つまたはそれ以上の維持量でがんの患者に投与することができる。
本開示の例示的一実施形態では、各第2および/または第3の用量は、直前の用量の1/2~4週以上(例えば、1/2、1、1と1/2、2、2と1/2、3、3と1/2、4またはそれ以上の週)後に投与される。本明細書で使用する場合、フレーズ「直前の用量」は、複数回投与の順序において、介在用量なしで、その順序の次の用量の投与より前に対象に投与される抗PD-1抗体の用量を意味する。
同様に、「初回の治療サイクル」は治療レジメンの初めに施される治療サイクルであり;「第2の治療サイクル」は初回の治療サイクル後に施される治療サイクルであり;「第3の治療サイクル」は第2の治療サイクル後に施される治療サイクルである。本開示において、治療サイクルは互いに同じでもよいし、異なっていてもよい。
投薬量
ある種の実施形態では、PD-1阻害剤の各用量は、患者の体重について0.1、1、0.3、3、4、5、6、7、8、9または10mg/kgを含む。ある種の実施形態では、各用量は、PD-1阻害剤5~500mg、例えば、PD-1阻害剤5、10、15、20、25、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450mg以上を含む。一実施形態では、PD-1阻害剤はREGN2810(セミプリマブ)である。
本明細書に開示される方法に従って対象に(例えば、静脈内または腹腔内)投与されるPD-1阻害剤の量は、一般に治療有効量である。本明細書で使用する場合、用語「治療有効量」は、以下の1つまたはそれ以上をもたらすPD-1阻害剤の量を意味する:(a)皮膚がん、例えば腫瘍病変の症状もしくは徴候の重症度もしくは継続期間の低減;(b)腫瘍増殖の阻害、もしくは腫瘍壊死、腫瘍縮小および/もしくは腫瘍消失の増大;(c)腫瘍の増殖および発生の遅延;(d)腫瘍転移の阻害;(e)腫瘍増殖の再発の防止;ならびに/または(f)がんを有する対象の生存を増加させる。
PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の場合には、治療有効量は、抗体約5mg~約500mg、約10mg~約450mg、約50mg~約400mg、約75mg~約350mg、または約100mg~約300mgであり得る。例えば、様々な実施形態では、PD-1阻害剤の量は、PD-1阻害剤約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約210mg、約220mg、約230mg、約240mg、約250mg、約260mg、約270mg、約280mg、約290mg、約300mg、約310mg、約320mg、約330mg、約340mg、約350mg、約360mg、約370mg、約380mg、約390mg、約400mg、約410mg、約420mg、約430mg、約440mg、約450mg、約460mg、約470mg、約480mg、約490mg、約500mg、約510mg、約520mg、約530mg、約540mg、約550mg、約560mg、約570mg、約580mg、約590mg、または約600mgである。
一実施形態では、本明細書に開示されるある特定の方法に従って、手術および場合により手術後の放射線療法の後に、アジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤350mg(例えば、抗PD-1抗体)を静脈内投与することができる。別の実施形態では、本明細書に開示されるある特定の方法に従って、皮膚がんを治療するための計画された手術より前に、ネオアジュバント治療として治療有効量のPD-1阻害剤350mg(例えば、抗PD-1抗体)を静脈内投与することができる。
個々の用量に含まれるPD-1阻害剤の量は、対象の体重キログラムあたりの抗体ミリグラム(すなわち、mg/kg)を単位として表すことができる。ある種の実施形態では、本明細書に開示される方法で使用されるPD-1阻害剤は、対象の体重について約0.0001~約100mg/kgの用量で対象に投与することができる。ある種の実施形態では、抗PD-1抗体は、患者の体重について約0.1mg/kg~約20mg/kgの用量で投与することができる。ある種の実施形態では、本開示の方法は、患者の体重について約1mg/kg、3mg/kg、5mg/kgまたは10mg/kgの用量のPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与を含む。
ある種の実施形態では、患者に(例えば、静脈内または腹腔内)投与されるPD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)の個々の投与量は、治療有効量未満、すなわち、治療量より少ない用量でもよい。例えば、治療有効量のPD-1阻害剤が3mg/kgを含む場合、治療量より少ない用量は、3mg/kg未満の量、例えば、2mg/kg、1.5mg/kg、1mg/kg、0.5mg/kgまたは0.3mg/kgを含む。本明細書で定義される場合、「治療量より少ない用量」はそれ自体で治療効果を引き起こさないPD-1阻害剤の量を指す。しかし、ある種の実施形態では、対象において治療効果を集合的に達成するために、治療量より少ない複数の用量のPD-1阻害剤が投与される。
ある種の実施形態では、各用量は、対象の体重について0.1~10mg/kg(例えば、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kgまたは10mg/kg)を含む。ある種の他の実施形態では、各用量は、PD-1阻害剤(例えば、抗PD-1抗体)5~600mg、例えば、PD-1阻害剤5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、40mg、45mg、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mgまたは500mgを含む。
以下の例を用いて、開示される技術を次に記載する。本明細書の任意の場所でのこれらおよび他の例の使用は例示に過ぎず、本発明または任意の例示された形態の範囲および意味を決して制限しない。同様に、本発明は、本明細書に記載の任意の特定の好ましい実施形態に制限されない。実際に、本発明の改変および変形は、本明細書を読めば当業者に明らかになり得、その趣旨および範囲から逸脱することなく行うことができる。したがって、本発明は、特許請求の範囲が権利付与される均等物の全範囲とともに、特許請求の範囲の用語によってのみ制限されるべきである。さらに、使用される数(例えば、量、温度など)について正確性を確実にするように努力したが、いくらかの実験上の誤差および偏差が考慮されるべきである。別段指示がない限り、部は重量部であり、分子量は平均分子量であり、温度摂氏度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
手術後および放射線療法後のCSCC患者のためのアジュバント治療として、抗PD-1抗体対プラセボを比較する臨床試験
本研究は、手術および手術後の放射線療法(RT)が完了している、再発性疾患の高危険性に関連する構成を有するCSCC患者のためのアジュバント治療として、抗PD-1抗体対プラセボを比較する、無作為化プラセボ対照二重盲検多施設フェーズ3研究である。研究集団は、手術および手術後のRTが完了している、外科病理で高危険性構成を有するCSCC患者を含む。図1を参照されたい。
本研究で使用される例示的抗PD-1抗体はREGN2810(セミプリマブ、またはUS9987500に開示されているH4H7798Nとしても知られる)であり、これは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列対;および配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖CDR配列を含む、完全ヒトモノクローナル抗PD-1抗体である。
研究目的
研究の第1の目的は、手術およびRT後に、アジュバントREGN2810で治療される高危険性CSCCを有する患者対プラセボで治療される者の無病生存(DFS)を比較することである。
研究の第2の目的は、以下を含む:(1)手術およびRT後に、アジュバントREGN2810で治療される高危険性CSCC患者対プラセボで治療される者の全生存(OS)を比較すること;(2)手術およびRT後に、患者の無局所領域的再発(FFLRR)に対するアジュバントREGN2810の効果をプラセボのものと比較すること;(3)手術およびRT後に、患者の無遠隔再発(FFDR)に対するアジュバントREGN2810の効果をプラセボのものと比較すること;(4)手術およびRT後に、二次原発CSCC腫瘍(SPT)の累積発生率に対するアジュバントREGN2810の効果をプラセボのものと比較すること;および(5)手術およびRT後に、高危険性CSCC患者においてアジュバントREGN2810の安全性およびプラセボのものを評価すること。
研究継続期間
研究の第1部(盲検治療期間)の継続期間は48週までである。研究の第2部(非盲検REGN2810治療期間)の継続期間は96週までである。
研究集団
およそ412人の患者をそれぞれおよそ206人の患者の2つの治療群に無作為化する。標的患者集団は、外科的切除、続いてRTを受けている成人の高危険性CSCC患者からなる。以下の組み入れ基準に従って、研究のための登録および無作為化より前に、頭頸部(HN)および非HN部位の高危険性CSCCの完全な巨視的切除に続いて、手術後の放射線療法(PORT)を与える。
組み入れ基準:患者は、研究への組み入れの対象となるためには、以下の判断基準を満たさなければならない:(1)少なくとも18歳(日本のみ、少なくとも21歳);(2)すべての疾患の巨視的な肉眼的切除による、病理学的に確認されるCSCC(原発CSCC病変のみ、またはリンパ節転移をともなう原発CSCC、または排出リンパ節エシェロン内の以前に治療を受けた既知の原発CSCC病変をともなうCSCC結節性転移)の切除を有する患者;(3)以下の少なくとも1つによって定義される高危険性CSCC:(a)外科病理報告における被膜外拡大(ECE)および>20mmの少なくとも1つの結節を有する結節性疾患(ECEは、関連する間質反応をともなうかともなわない、リンパ節被膜を通じた周囲の結合組織中への拡大と定義される。肉眼的なECEの明白なエビデンス(臨床検査における皮膚の浸潤(invasion)、筋系の浸潤(infiltration)/隣接する構造体への固着と定義される)は、これらをECE陽性と分類するのに十分に高い閾値である(AJCC、2017));(b)原発病変から>2cmであるが、領域的リンパ節流域を超えない、皮膚または皮下の転移と定義される、イントランジット転移(ITM)(Leitenbergerら、J Am Acad Dermatol、75(5):1022~31、2016);(c)HN病変(AJCC、2017)および非HN病変(UICC、2015)を含めたT4病変;(d)指定された神経の臨床的および/または放射線学的関与と定義される、神経周囲浸潤(PNI)(UICC、Manual of Clinical Oncology、第9版、2015)(e)以前に切除された腫瘍の領域内に生じるCSCCと定義される、再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ(AJCC、2017):(i)再発性病変に関連する≧N2bの疾患、(ii)公称≧T3(直径≧4cmの再発性病変、もしくは軽微な骨びらん、もしくは正常な隣接する上皮の顆粒層から測定した場合の>6mmの深い浸潤)、または(iii)低分化組織像および≧20mmの直径の再発性病変(再発性腫瘍は、元の手術創の推定される中心部から測定した、最終的な異常部の最も長い半径の半径測定値によって、以前に切除されたCSCC領域内にあることが記録されなければならない);(4)無作為化の2~6週以内の治癒目的の手術後RTの完了。患者は、頭頸部原発部位に対して60Gy、および非頭頸部原発部位に対して50Gyの、部分あたり2Gy(EQD2)の最小の生物学的等価線量を以前の肉眼的疾患部位に受けなければならない;(5)米国東海岸癌臨床試験グループパフォーマンスステータス(ECOG PS)≦1;(6)十分な肝臓機能:a.総ビリルビン≦1.5×正常上限(ULN)、b.トランスアミナーゼ(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST]およびアラニンアミノトランスフェラーゼ[ALT])≦3×ULN、c.アルカリホスファターゼ(ALP)≦2.5×ULN;(7)十分な腎機能:血清クレアチニン≦1.5×ULNまたはコッククロフトおよびゴールトの方法による推定クレアチニンクリアランス(CrCl)>30mL/分;(8)十分な骨髄機能:a.ヘモグロビン≧9.0g/dL、b.好中球絶対数(ANC)≧1.0×10/L、c.血小板数≧75×10/L;(9)保健当局および機関のガイドラインによって指定される場合、研究患者または法的に許容される代表者によって署名されたインフォームドコンセントを進んで提供することができなければならない;(10)照射域の味覚異常、疲労、口内乾燥、開口障害、脱毛、線維化、または浮腫を除いて、放射線療法由来のすべての毒性が、グレード1以下に解決されていなければならない;(11)クリニックへの来院および研究関連手順に進んで従うことができること;ならびに(12)研究関連の質問表を理解し、完了することができること。
除外基準:以下の判断基準のうちのいずれかを満たす患者は研究から除外されるであろう:(1)非皮膚部位(例えば、乾燥した赤い唇[赤唇]、口腔、中咽頭、副鼻腔、喉頭、下咽頭、鼻咽頭、唾液腺、鼻粘膜、肛門生殖器部、または原発不明のSCC結節性転移)に生じる扁平上皮癌(SCC);(2)転移または死亡の無視できるほどの危険性しかない腫瘍、例えば、皮膚の適切に治療された(BCC)、頸の上皮内癌、または***の非浸潤性乳管癌、または管理計画が積極的監視である低危険性初期前立腺腺癌(T1-T2N0M0およびグリーソンスコア≦6および前立腺特異的抗原(PSA)≦10ng/mL)、もしくは管理計画が積極的監視である、報告されたPSA倍加時間が>12か月である生化学的にみの再発をともなう前立腺腺癌(D’Amicoら、JAMA、294(4):440~47、2005)(Phamら、J Urol、196(2):392~98、2016)を除いて、無作為化の日付から3年以内の、限局性CSCC以外の同時発生的悪性病変および/または限局性CSCC以外の悪性病変の病歴;(3)血液悪性腫瘍(例えば、慢性リンパ性白血病[CLL])を有する患者;(4)無病間隔が少なくとも3年でない限り、遠隔性転移CSCC(内臓または遠隔の結節)の病歴を有する患者(登録より前に切除および照射された排出リンパ節流域中の疾患の領域的リンパ節転移は除外基準2によって除外されないであろう);(5)免疫関連有害事象(irAE)の危険性を示唆する可能性がある、全身的免疫抑制治療による治療を必要とした著しい自己免疫疾患の進行中または最近(無作為化日から5年以内)のエビデンス。以下は除外されない:ホルモン補充のみを必要とした白斑、解決した小児喘息、1型糖尿病、残留甲状腺機能低下症、または全身的治療を必要としない乾癬;(6)無作為化日から4週または5半減期(どちらか長い方)以内に研究的薬剤または研究的装置の研究に参加していたこと。しかし、研究的免疫PET試薬による治療に関与する研究を受けたことがある、または該研究に登録されている患者は除外されない;(7)無作為化日から28日以内に生ワクチンを受けたこと;(8)CSCCについて以前に全身的抗がん免疫療法を受けたことがあること。免疫モジュレート剤の例としては、限定されないが、CTLA-4、4-1BB(CD137)もしくはOX-40の遮断薬、治療ワクチン、抗PD-1/PD-L1またはPI3Kδ阻害剤が挙げられる;9)REGN2810/プラセボの最初の用量よりの前の4週以内の免疫抑制コルチコステロイド投与(毎日>10mgのプレドニゾンまたは等価物)(注記:短期コースのステロイド(例えば、造影剤への過敏症が理由の、画像評価のための予防)を必要とする患者は除外されない。生理的補充(すなわち、副腎不全)のためにステロイドを服用している人々は除外されない);(10)無作為化日から4週以内に認可された抗がん全身療法による治療を受けたことがあること、または組み入れ基準6、7および8に記載されている臨床検査による変化を除いて、任意の急性毒性からまだ回復していないこと(すなわち、≦グレード1またはベースライン)(注記:ビスホスホネートまたはデノスマブを受けている患者は除外されない);(11)以前の同種幹細胞移植または自家幹細胞移植;(12)薬物関連毒性が理由で、抗がん免疫モジュレート療法を永続的に中止した患者;(13)スクリーニング/登録の前の年の脳炎、髄膜炎、または制御されない発作;(14)無作為化日の前の6か月以内に心筋梗塞を有する患者;(15)無作為化日の2週以内の、入院および/または静脈内抗生物質療法を必要とする任意の感染;(16)活動性結核;(17)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎もしくはC型肝炎ウイルス(HBVもしくはHCV)感染による制御されない感染;または免疫不全の診断。(注記:・感染を制御した(自発的にか、または安定な抗ウイルスレジメンでかのいずれかでの、検出不可能なウイルス負荷(HIV RNA PCR)および350を超えるCD4数)、既知のHIV感染を有する患者は、許可される。制御されたHIV感染を有する患者については、現場の標準に従ってモニタリングを行うであろう。・患者はスクリーニング時にHBVおよびHCVについて検査されるであろう。・感染を制御した(検出限界未満である血清HBV DNA PCR、およびHBVについて抗ウイルス療法を受けていること)、HBV(B型肝炎表面抗原陽性;HepBsAg+)を有する患者は、許可される。制御された感染を有する患者は、HBV DNAの定期的なモニタリングを受けなければならない。患者は、治験用研究薬の最終用量を過ぎて少なくとも6か月にわたって抗ウイルス療法を続けなければならない。・HCV抗体陽性(HCV Ab+)であり、感染を制御した(自発的にか、または抗HCV療法の成功した以前のコースに応答してかのいずれかの、PCRによって検出不可能なHCV RNA)患者は、許可される;(18)過去5年以内の免疫関連間質性肺炎の病歴;(19)間質性肺疾患(例えば、特発性肺線維症、器質化肺炎)または管理を支援するために免疫抑制用量のグルココルチコイドを必要とする活動性の非感染性間質性肺炎の病歴。照射域における放射線間質性肺炎の病歴は、無作為化日の≧6月前に解決された間質性肺炎に限り許可される;(20)抗体治療に起因する記録されたアレルギー反応または急性過敏症反応の病歴;(21)REGN2810薬物製品中の賦形剤のうちのいずれかに対する既知の過敏症またはアレルギー;(22)固形臓器移植の病歴を有する患者(以前の角膜移植を有する患者は除外されない);(23)任意の医学的併存症、身体検査の所見もしくは代謝機能障害、または治験責任医師の見解では、安全上の高い危険性および/もしくは研究の結果の解釈に影響を及ぼす可能性が理由で患者を臨床試験の参加に不適合にする臨床検査の異常;(24)研究の要件をともなった参加を妨げるであろう既知の精神医学的または物質乱用障害;(25)臨床現場の研究チームのメンバーまたは彼/彼女の肉親者;(26)スクリーニング/ベースライン来院時に、血清β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)妊娠検査が陽性の女性。陽性の場合、患者が対象となるために、妊娠は、患者に対する超音波によって除外されなければならない;(27)母乳栄養中の女性;(28)研究療法の最初の用量より前に、研究の間、および最終用量から少なくとも180日間非常に有効な避妊を行うことに気が進まない、妊娠可能な女性(WOCBP)または性的に活発な男性。非常に有効な避妊対策としては、以下が挙げられる:a.スクリーニングの前に2回以上の月経周期を開始した***の抑制に関連する、併用型(エストロゲンおよびプロゲストゲン含有)ホルモン避妊法(経口、腟内、経皮)もしくはプロゲストゲンのみのホルモン避妊法(経口、注射用、埋め込み式)の安定的な使用;b.子宮内避妊具(IUD);子宮内ホルモン放出性システム(IUS);c.両側卵管結紮;d.精管切除されたパートナー;ならびに/またはe.性的禁欲。WOCBPは、以下のように、月経の1回のエピソードがあり、まだ閉経期に達していないか、または手術的に不妊になった女性と定義される。閉経期は、月経のいかなるエピソードもない(ホルモンによって誘導されない)連続した少なくとも12か月と定義される。閉経後の女性は、出産の可能性が考慮されないために、少なくとも12か月無月経でなければならない。妊娠検査および避妊は、子宮摘出、両側卵巣摘出または卵管結紮が記録された女性には必要とされない。性的禁欲は、研究治療に関連する危険性の全期間中、異性間***を控えると定義された場合のみ、非常に有効な方法と考えられる。定期的な禁欲(カレンダー法、症候体温法、***後法)、膣外***(中絶***)、殺***剤のみ、および授乳性無月経法(LAM)は許容されない避妊方法である。女性用コンドームと男性用コンドームは一緒に使用するべきではない。
研究変数
本研究の主要エンドポイントは、無作為化から最初の記録された疾患再発(局所的、領域的および/もしくは遠隔)または任意の原因による死亡までの時間と定義される、DFSである。腫瘍再発または死亡がない患者については、DFSは、最後の疾患評価の日付で打ち切られるであろう。DFS評価について推定される時間枠はおよそ54か月までである。
これの副次的エンドポイントは以下を含む:・無作為化から死亡の日付までの時間と定義される、全生存。死亡していない患者は、生存しているとして、最後の既知の日付で打ち切られるであろう。OS評価について推定される時間枠はおよそ78か月までである;・無作為化から最初の局所領域的再発(LRR)の日付までの時間と定義される、無局所領域的再発。先行するLRRなしで死亡した患者は、死亡の日付で打ち切られるであろう。LRRまたは死亡がない患者については、FFLRR評価の最後の疾患日付で打ち切られるであろう。FFLRR評価について推定される時間枠はおよそ54か月までである;・無作為化から最初の遠隔再発(DR)の日付までの時間と定義される、無遠隔再発。先行するDRなしで死亡した患者は、死亡の日付で打ち切られるであろう。DRまたは死亡がない患者については、FFDRは最後の疾患評価の日付で打ち切られるであろう。FFDR評価について推定される時間枠はおよそ54か月までである;・無作為化から最初の主要エンドポイント事象の発生または研究の終了までの、各患者についてのSPTの累積発生。SPTの累積発生に対する評価の推定される時間枠はおよそ54か月までである;・治療下で発現した有害事象(TEAE)の発生率および重症度、死亡、および検査の異常によって測定した安全性。安全性評価について推定される時間枠はおよそ78か月までである。
薬物動態(PK)変数は各時点におけるREGN2810濃度である。本研究のサンプルは、まばらなサンプリングスケジュールを使用して収集する(例えば、任意の1回のクリニック来院で薬物濃度測定のための1血液サンプルのみを収集する)。
研究デザイン
本研究は、手術および手術後RTが完了している、再発性疾患の高危険性に関連する構成を有するCSCC患者のためのアジュバント治療としてREGN2810を評価する、無作為化二重盲検プラセボ対照フェーズ3試験である。研究集団は、CSCCについて手術および手術後RTが完了しており、CSCCの再発の危険性を高くさせる少なくとも1因子を有する患者を対象にする。患者は、48週間まで、3週ごと(Q3W)に、REGN2810 350mg対プラセボに対して1:1で無作為化する。主要エンドポイントは無病生存(DFS)である。研究中に記録された疾患再発を経験する患者については、最初の再発後にその後のREGN2810療法の選択肢がある。図1は本研究の全般的な概要についての流れ図を提供する。
REGN2810は、滅菌した使い捨てのバイアル中に液体として供給される。各バイアルは濃度50mg/mLのREGN2810を含む。プラセボは、活性物質の添加なしで、REGN2810に使用されるものと同じ配合を使用して調製される。プラセボは滅菌した使い捨てのバイアル中に液体として供給される。REGN2810 350mgまたはプラセボは、30分(±10分)のIV注入として外来患者設定で3週ごとに投与される。
研究は2つの部分を含む。第1部(盲検化)は、無作為化より前の28日までのスクリーニング期間、48週までの治療期間、および追跡調査期間を含む。治療期間(48週まで)の間、患者は、およそ1年(48週)の計画された治療期間の間、各12週サイクルの終了時に、腫瘍再発について画像評価を受ける。患者は、疾患再発または研究の終了まで治療後追跡調査を受ける。研究の第1部は、主要エンドポイントを支持する。第2部(非盲検化)は、疾患再発を経験するプラセボアームの患者に対する随意のREGN2810治療、および48週の計画されたREGN2810治療を完了後に≧3か月の疾患再発を経験するREGN2810アームの患者に対するREGN2810を用いた随意のその後の治療を含む。
研究第1部(盲検化):患者は、CSCCの手術および手術後RTが一旦完了すれば、スクリーニングを始めることができる。適格性判断基準を満たし、切除された腫瘍サンプルの外科病理で高危険性構成を示す患者を1:1で無作為化して、REGN2810 350mgまたはプラセボを静脈内(IV)に与える。REGN2810またはプラセボの最初の用量は、無作為化の5日以内に投与し、これは、RTの完了後2週から6週の間に行う。REGN2810またはプラセボは、48週間まで、または許容できない毒性、疾患再発、死亡、もしくは同意の撤回まで、3週ごと(Q3W)にIV投与する。各REGN2810またはプラセボ治療より前に、クリニックで患者を評価する。サイクルの長さは12週(Q3Wスケジュールで、サイクルあたり4治療)である。追跡調査期間は、計画された48週の治療期間の完了か、または任意の他の理由による治療の時期尚早の中止かのいずれかの理由で患者が治療を中止した後に始まる。
DFSは第1部の主要エンドポイントである。高危険性CSCCを有する患者について、不成功のパターンは、局所領域的再発、遠隔再発、局所領域的再発および遠隔再発、または死亡を含む(Porcedduら、J Clin Oncol、36(13):1275~83、2018)。DFSは、これが不成功のこれらのパターンのすべてを包含するので、研究の主要エンドポイントとして選ばれた。
疾患再発の危険性が高い患者に対するアジュバントREGN2810の効能を評価するために、1:1の無作為化においてREGN2810をプラセボと比較する。RT後の現在の標準的ケアは監視なので、プラセボは、手術およびRT後のアジュバント治療としてのREGN2810の効能の評価を可能にするためにREGN2810と比較するのに適した対照アームである。
研究第2部(非盲検化):疾患再発を経験するプラセボアームの患者に対する随意のREGN2810治療および48週の計画されたREGN2810治療を完了後に≧3か月の疾患再発を経験するREGN2810アームの患者に対するREGN2810を用いた随意のその後の治療。患者を96週間まで治療することができる。
第1部でプラセボ群に割り当てられた患者は、疾患再発を実証するための以下の判断基準を満たす場合、研究の第2部で非盲検のその後のREGN2810療法を受ける資格がある:(i)疾患再発の証拠資料を有すること;(ii)その後のREGN2810療法のために別の同意書を提供すること;(iii)許容できない毒性が理由でプラセボ治療を中止していないこと(患者が許容できない毒性が理由で研究治療を中止し、次いで、非盲検のため、プラセボ中であったことが分かった場合、そのような患者は永続的な研究治療中止の判断基準を満たしていたであろうから、患者は、第2部でREGN2810を受ける機会はないであろう);および(iv)反復のスクリーニング手順が、(選択された適格性判断基準を除いて)引き続き研究適格性判断基準を満たすこと。
第1部でREGN2810群に割り当てられた患者も疾患再発を実証するための以下の判断基準を満たす場合、研究の第2部で非盲検のその後のREGN2810療法を受ける資格がある:(i)(たとえ計画されたREGN2810治療の1つまたはそれ以上の用量を48週の治療期間の間に逃した場合でも)、48週の計画されたREGN2810治療の完了から少なくとも3か月(90日±3日)後の疾患再発の証拠資料;(ii)第2部におけるその後のREGN2810治療のために別の同意書を提供すること;(iii)許容できない毒性が理由で、以前のREGN2810が中止されなかったこと;および(iv)反復のスクリーニング手順が、(選択された適格性判断基準を除いて)引き続き研究適格性判断基準を満たすこと。
研究の第2部におけるその後のREGN2810療法の対象となる患者は、96週間まで(第2部)、または疾患の進行、許容できない毒性、同意の撤回、死亡、もしくは追跡調査不能まで、REGN2810 350mg Q3Wを受けることができる。
AE(AEに分類される検査所見を含める)の重症度は、NCI-CTCAE段階分けシステム(NCI-CTCAE v5)を使用して段階分けされるであろう。NCI-CTCAE v5に列挙されない有害事象は、表1で上述したスケールに従って段階分けされるであろう。
併用薬物適用および手順
禁止される薬物適用および手順:本研究に参加している間に、患者は、以下に別段の指定がない限り、インフォームドコンセント時から追跡調査期間の終了まで以下のいずれも受けることができない:(a)REGN2810およびプラセボ以外の、腫瘍の治療のための標準的または研究的薬剤;(b)PD-1/PD-L1経路を遮断する薬剤(本研究でREGN2810を受けるように割り当てられる患者以外);(c)放射線療法;および(d)研究薬の最終用量から少なくとも3か月間の生ワクチン。
許可された薬物適用および手順:以下の条件下で、以下の薬物適用および手順は許可される:(a)全身的コルチコステロイドを含めた、AEおよび/またはirAEを治療するのに必要とされる任意の薬物適用、(b)生理的補充のための全身的コルチコステロイド(たとえ>10mg/日のプレドニゾン同等物であっても)、(c)非自己免疫性状態の予防または治療のための短期コースのコルチコステロイド、(d)ビスホスホネートおよびデノスマブ、(e)たとえ>10mg/日のプレドニゾン同等物であっても、生理的補充用量の全身的コルチコステロイド、(f)経口避妊薬、ホルモン補充療法または他の維持療法は継続することができる、(g)用量≦2g/日のアセトアミノフェン、(h)臨床的に示された場合、非インデックス病変の手術的切除、ならびに(i)他の薬物適用および手順は個々に許可される可能性がある。これはアジュバント研究であるので、手術は計画されない。しかし、任意の緊急の医学的問題のための手術が個々の患者に臨床的に示される場合、これは許可される。
手順および評価
スクリーニング/ベースライン手順は以下を含む:凝固試験、血清β-HCGアッセイ、脳画像診断(コンピュータ断層撮影[CT]または磁気共鳴画像[MRI])、ならびにB型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)のスクリーニング。
効能手順は以下を含む:腫瘍再発についての放射線学的画像評価。胸部、腹部および骨盤のコンピュータ断層撮影画像診断は各画像評価で必要とされる。切除されたHN病変を有する患者について頭頸部の画像を得る。腫瘍の生検は、再発性疾患またはSPTの病理学的(組織学的または細胞学的)エビデンスを得ることが可能な場合に実施する。再発性病変については、不成功のパターンを評価し、再発は、局所的、領域的または遠隔の再発とカテゴリー化することができる≧1の病変と定義される。
安全性手順は以下を含む:有害事象(AE)の取得、身体検査(完全または限定的)、体重、12誘導心電図(ECG)、バイタルサイン評価、ならびに血液学、血液化学および尿検査を含めた臨床検査によって評価する、REGN2810とプラセボの安全性および忍容性の比較。
PK/薬物濃度:REGN2810の血清濃度の評価のためにPKサンプルを収集する。
結果
手術および手術後RTが完了しており、再発の危険性が高いCSCC患者のためのアジュバント治療としてのREGN2810の投与は、その後の疾患再発の危険性の低減につながる、またはその後の疾患再発の発生を皆無にすることが期待される。手術およびRT後に高危険性CSCC患者に施されるアジュバントREGN2810治療は、疾患管理を改善することも期待される。
ステージIIからIV(M0)の皮膚扁平上皮癌(CSCC)のためのネオアジュバント治療として投与される抗PD-1抗体の臨床試験
本研究は、手術の候補であるが、再発の危険性および/または外観の損傷もしくは機能欠損の危険性が増大している、ステージIIからIV(M0)のCSCCを有する患者に対する、フェーズ2シングルアーム非盲検多施設研究である。
本研究で使用される例示的抗PD-1抗体はREGN2810(セミプリマブまたはUS9987500に開示されるH4H7798Nとしても知られる)であり、これは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列対;ならびに配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖のCDR配列を含む完全ヒトモノクローナル抗PD-1抗体である。
研究目的
研究の第1の目的は、独立の中央病理学レビューあたりの病理学的完全奏効(pCR)率によって測定した、REGN2810を用いたネオアジュバント治療の効能を評価することである。
研究の第2の目的は、以下を含む:(1)(a)独立の中央病理学レビューあたりの主要病理学的応答(mPR)率、(b)局所的病理学レビューあたりのpCR率およびmPR率、ならびに(c)RECIST 1.1を使用する局所的評価に従った、手術より前の客観的奏効率(ORR)を含めた疾患応答の尺度に対する、ネオアジュバントREGN2810の効能を評価すること;(2)無事象生存(EFS)、無病生存(DFS)および全生存(OS)に対するネオアジュバントREGN2810の効能を評価すること;(3)ネオアジュバントREGN2810の安全性プロファイルを評価すること;(4)治験責任医師のレビューおよび別個の手術専門家のレビューの両方に従って、スクリーニング期間から最終的な手術までの手術計画(切除および再建手順)の変更を評価すること;ならびに(5)治験責任医師のレビューおよび別個の手術専門家のレビューの両方に従って、スクリーニング期間から手術後の病理学的レビューまでの手術後の管理計画(放射線照射、化学放射線照射または観察)の変更を評価すること。
本研究の探索的目的は以下を含む:(1)治療応答との関連のためのベースライン腫瘍マーカー、REGN2810の作用機構に関連する末梢および腫瘍の尺度ならびに効能または安全性の他の潜在的予測マーカーの発見を探索すること;(2)疾患再発を経験する患者において、不成功(局所領域的対遠隔)のパターンを説明すること;(3)行われた実際の手術行為と比較して、スクリーニング期間中の手術計画の変更による費用への影響を評価すること:(4)実際の手術後の管理と比較して、スクリーニング期間中の手術後の管理計画の変更による費用への影響を評価すること;(5)REGN2810の免疫原性を評価すること;ならびに(6)ネオアジュバントREGN2810を受けるCSCCを有する患者において、健康に関連した生活の質を評価すること。
研究継続期間
研究の第1部(手術前の治療期間)の継続期間は12週までである。研究の第2部(随意の手術後治療期間)の継続期間は48週までである。追跡調査期間は3年までである。患者は、疾患再発または研究の終了まで(どちらか最初に起こる方)追跡されるであろう。
研究集団
およそ76人の患者を登録する。標的集団は、頭/頸部、四肢または体幹のステージIIIからIV(M0)のCSCCを有する成人患者からなり、ステージIIのCSCCを有する、手術のために選択された患者は、決まりきった診療で推薦されるであろう。
組み入れ基準:患者は、研究への組み入れの対象となるためには、以下の判断基準を満たさなければならない:(1)少なくとも18歳;(2)手術が決まりきった診療で推薦されるであろう、ステージIIからIV(M0)のCSCC。ステージIIの患者については、病変は最長直径で≧3cmでなければならない(注記:病期分類は、HN腫瘍についてAJCC第8版(Amin MB、American Joint Committee on C,American Cancer S.AJCC cancer staging manual.第8版Springer International Publishing;2017)に従って、非HN腫瘍については、UICC第9版(O’Sullivan B,Union for International Cancer C.UICC manual of clinical oncology.第9版John Wiley & Sons,Ltd;2015)に従って定義される(3)RECIST 1.1で測定可能な少なくとも1つの病変:(4)0または1の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス;(5)(a)ヘモグロビン>9.0g/dL;(b)好中球絶対数(ANC)>1.5×10/L;(c)血小板数>75×10/L;(d)血清クレアチニン<1.5正常上限 (ULN)または推定クレアチニンクリアランス(CrCl)>30mL/分によって記録された、十分な臓器および骨髄機能;(e)十分な肝臓機能(総ビリルビン<1.5×正常上限(ULN);アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)とアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の両方<3×ULN;アルカリホスファターゼ(ALP)<2.5×ULN)(注記:ジルベール症候群を有する患者については、総ビリルビン≦3×ULN。ジルベール症候群は、既往歴として適切に記録されなければならない);(6)クリニックへの来院および研究関連手順に進んで従うことができること;(7)研究患者または法的に許容される代表者によって署名されたインフォームドコンセントを進んで提供することができること;ならびに(8)研究関連の質問表を理解し、完了することができること。
除外基準:以下の判断基準のうちのいずれかを満たす患者は研究から除外されるであろう:(1)計画された登録日の5年以内の固形悪性病変、または血液悪性腫瘍(任意の時点の慢性リンパ性白血病[CLL])を含める(注記:潜在的治癒的療法を受けている非黒色腫皮膚がん、または子宮頸部上皮内癌、または前立腺特異的抗原が検出不可能な前立腺上皮内がん、または治療されている任意の他の腫瘍を有する患者は、患者が登録より前に少なくとも2年間完全寛解状態であると見なされ、研究期間の間さらなる療法が必要とされない場合、除外されない);(2)遠隔転移性疾患(M1)、内臓および/または遠隔の結節;(3)CSCCに対する以前の放射線療法;(4)研究薬の最初の用量の14日以内にコルチコステロイド療法(>10mgプレドニゾン/日または等価物)を必要とする状態を有する患者(注記:生理的補充用量は、これが免疫抑制目的のために投与されない限り、たとえ>10mgのプレドニゾン/日または等価物であっても許可される。吸入または局所用ステロイドは、これらが自己免疫障害の治療のためでないことを条件として、許可される);(5)計画された登録日の5年以内に全身療法を必要とした、活動性の、既知の、または疑われる自己免疫疾患を有する患者(注記:ホルモン補充のみを必要とする白斑、I型糖尿病および内分泌疾患(自己免疫性甲状腺炎による甲状腺機能低下症を含める)、解決した小児喘息または全身的治療を必要としない乾癬を有する患者は、許可される);(6)間質性肺疾患(例えば、特発性肺線維症、器質化肺炎)または管理を支援するために免疫抑制用量のグルココルチコイドを必要とする活動性の非感染性間質性肺炎の病歴;(7)ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、B型肝炎もしくはC型肝炎ウイルス(HBVもしくはHCV)感染による制御されない感染;または免疫不全の診断(注記:(a)患者は、スクリーニング時にHIV、HBVおよびHCVについて検査されるであろう;(b)感染を制御した(自発的にか、または安定な抗ウイルスレジメンでかのいずれかでの、検出不可能なウイルス負荷[ポリメラーゼ連鎖反応を介して測定したHIV RNA]および350を超えるCD4数)、既知のHIV感染を有する患者は許可される。制御されたHIV感染を有する患者については、現場の標準に従ってモニタリングを行うであろう;(c)感染を制御した(検出限界未満ある、ポリメラーゼ連鎖反応を介して測定した血清B型肝炎ウイルスDNA、およびB型肝炎について抗ウイルス療法を受けていること)、B型肝炎(HBsAg+)を有する患者は、許可される。制御された感染を有する患者は、HBV DNAの定期的なモニタリングを受けなければならない。患者は、治験用研究薬の最終用量を過ぎて少なくとも6か月にわたって抗ウイルス療法を続けなければならない;(d)C型肝炎ウイルス抗体陽性(HCV Ab+)であり、感染を制御した(自発的にか、または抗HCV療法の成功した以前のコースに応答してかのいずれかの、ポリメラーゼ連鎖反応によって検出不可能なHCV RNA)患者は、許可される;(8)活動性結核;(9)登録の6か月以内の心筋梗塞;(10)任意の医学的併存症、身体検査の所見もしくは代謝機能障害、または治験責任医師の見解では、安全上の高い危険性および/もしくは研究の結果の解釈に影響を及ぼす可能性が理由で患者を臨床試験の参加に不適合にする臨床検査の異常;(11)抗体治療に起因する記録されたアレルギー性または急性過敏症反応;(12)計画された登録日より前の過去3年以内の抗がん全身療法を用いた以前の治療;(13)抗PD1/PD-L1剤を用いた任意の以前の治療;(14)登録の4週以内に研究的薬剤または研究的装置の研究に参加していたこと;(15)スクリーニング/ベースライン来院時に血清絨毛性ゴナドトロピンHCG妊娠検査が陽性である、女性。母乳栄養中の女性も除外される;(16)研究療法の最初の用量より前に、研究の間、および最終用量から少なくとも6か月にわたって、非常に有効な避妊を行うことに気が進まない、妊娠可能な女性(以下で定義される)および性的に活発な男性。非常に有効な避妊対策としては、以下が挙げられる:(a)スクリーニングの前に2回以上の月経周期を開始した***の抑制に関連する、併用型(エストロゲンおよびプロゲストゲン含有)ホルモン避妊法(経口、腟内、経皮)もしくはプロゲストゲンのみのホルモン避妊法(経口、注射用、埋め込み式)の安定的な使用;(b)子宮内避妊具(IUD);子宮内ホルモン放出性システム(IUS);(c)両側卵管結紮;(d)精管切除されたパートナー(但し、男性の精管切除されたパートナーが妊娠可能な女性(WOCBP)の研究参加者の唯一の性的パートナーであること、および精管切除されたパートナーが手順の手術的成功の医学的評価を得ていることを条件とする);ならびに/または(e)性的禁欲(以下で定義される);(17)登録28日以内に生ワクチンを受けたこと;(18)以前の同種幹細胞移植または自家幹細胞移植;(19)固形臓器移植(角膜移植以外)の受容者;(20)原発不明(または潜在性)の扁平上皮癌の診断;(21)司法当局または行政当局のいずれかによって発令された命令に基づいて施設に入れられている患者;ならびに(22)治験依頼者よって事前に承認されない限り、臨床現場の研究チームのメンバーまたは彼/彼女の肉親者。
妊娠可能な女性は、永続的に不妊でない限り、初経後に、閉経後(以下で定義される)になるまで妊娠可能な女性と定義される。永続的不妊方法としては、子宮摘出、両側卵管摘出および両側卵巣摘出が挙げられる。閉経後の状態は、別の医学的原因なしで12か月間月経がないことと定義される。閉経後の範囲の高い卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルは、ホルモン不妊法またはホルモン補充療法を使用しない女性において閉経後の状態を確認するために使用することができる。しかし、無月経が12か月ない場合、単一のFSH測定は、閉経後の状態の発生を決定するのに不十分である。上記の定義は、臨床試験促進グループ(Clinical Trial Facilitation Group)(CTFG)のガイダンスに従う。妊娠検査および避妊は、子宮摘出または卵管結紮が記録された女性には必要とされない。
性的禁欲は、研究薬に関連する危険性の全期間中、異性間***を控えると定義された場合のみ、非常に有効な方法と考えられる。性的禁欲の信頼性は、臨床試験の継続期間ならびに患者の好ましいおよび通常の生活様式との関連で評価される必要がある。定期的な禁欲(カレンダー法、症候体温法、***後法)、膣外***(中絶***)、殺***剤のみ、および授乳性無月経法(LAM)は許容されない避妊方法である。女性用コンドームと男性用コンドームは一緒に使用するべきではない。
研究変数
pCR、mPRおよびORRを測定するエンドポイントのために(研究の第1部)、手術時(12週)に患者を評価する。無事象生存(EFS)およびOSは、ネオアジュバントREGN2810の最初の用量から追跡調査の完了まで評価する。無病生存(DFS)は、手術から追跡調査の完了まで評価する。無事象生存(EFS)、DFSおよびOS評価は、およそ4年と3か月の全継続期間である、すべての登録患者が追跡調査を完了するまで継続する。
本研究の主要エンドポイントは以下を含む:独立の中央病理学レビューによって評価されるpCR率。
本研究の副次的エンドポイントは以下を含む:(1)独立の中央病理学レビューによって評価されるmPR率;(2)局所的病理学レビューによって評価されるpCR率およびmPR率;(3)RECIST 1.1を使用した治験責任医師の評価による、手術より前のORR;(4)無事象生存(EFS);(5)無病生存(DFS);(6)全生存(OS);(7)有害事象(AE)、重大な有害事象(SAE)、死亡および検査の異常の発生率によって測定した安全性および忍容性;(8)ネオアジュバントREGN2810後の実際の手術と比較した、スクリーニング期間中の手術計画の変更;および(9)実際の手術後の管理と比較した、スクリーニング期間中の手術後の管理計画の変更。
本研究の探索的変数は以下を含む:(1)記述統計によって測定した、局所的、領域的または遠隔の疾患再発を有する患者の不成功のパターン;(2)ネオアジュバントREGN2810後の行われた実際の手術行為と比較した、スクリーニング期間中の手術計画の変更による推定費用の変化、(3)実際の手術後の管理と比較した、スクリーニング期間中の手術後の管理計画の変更による推定費用の変化;(4)REGN2810に対するADAの発生率;および(5)EORTC QLQ-C30を使用して評価した、健康に関連した生活の質。
薬物動態(PK)変数は、経時的なREGN2810の血清濃度を含む。
免疫原性変数は、抗薬物抗体(ADA)ステータス、用量力価、および時点/来院を含む。
安全性変数は、(1)バイタルサイン;(2)身体検査結果;(3)心電図(ECG)結果;(4)臨床検査結果;(5)有害事象(AE);および(6)免疫関連有害事象(irAE)を含む。
病理学的完全奏効(pCR)は、外科病理サンプル中に生存可能な癌細胞がないことと定義される。
主要病理学的応答(mPR)は、pCRを達成していない患者における、外科病理サンプル中に生存可能な≦10%の癌細胞と定義される。
客観的奏効率(ORR)は、RECIST 1.1を使用して治験責任医師によって評価される(Eur J Cancer 2009;45(2):228~47)。
無事象生存(EFS)は、ネオアジュバントREGN2810の最初の用量から以下の事象のうちのいずれかまでの時間と定義される:手術を妨げる疾患の進行、完全な切除(R0もしくはR1)を受けることができないこと、完全な切除(R0もしくはR1)を受ける患者に対する疾患再発(局所的、領域的または遠隔)、または任意の原因による死亡。
無病生存(DFS)は、手術の完了時に疾患がない(R0またはR1切除)患者についての、手術から最初の再発(局所的、領域的もしくは遠隔)または任意の原因による死亡までの時間と定義される。
全生存(OS)は、ネオアジュバントREGN2810の最初の用量から任意の原因による死亡までの時間として測定される。
研究デザイン
本研究は、手術の候補であるが、再発の危険性および/または外観の損傷もしくは機能欠損の危険性が増大している、ステージIIからIV(M0)のCSCCを有する患者に対する、シングルアーム非盲検多施設フェーズ2研究である。
本研究は2部からなる:
第1部(ネオアジュバント):28日までのスクリーニング期間、12週までの治療期間、および12週までの治療後の手術。研究の第1部は主要エンドポイントを支持する。
第2部(アジュバント):48週間までの随意の手術後REGN2810治療(または治験責任医師の裁量で放射線療法もしくは観察のみ)。
研究の第2部の後、3年までの期間にわたって患者は追跡されるであろう。図2は、本研究の全般的な概要についての流れ図を提供する。
REGN2810は、使い捨てのガラスバイアル中に滅菌した液体として供給される。各バイアルは濃度50mg/mLのREGN2810を含む。REGN2810 350mgは、第1部の手術より前の12週間まで(4用量まで)、および(随意)第2部の手術後の48週間まで(16用量まで)、30分(±10分)にわたるIV注入として3週ごと(Q3W)に投与される。
研究第1部:計画された手術があるステージIIからIV(M0)のCSCCを有し、適格性判断基準を満たす患者は、12週間まで(4用量まで)、または許容できない毒性、疾患の進行もしくは同意の撤回まで、3週ごと(Q3W)に、REGN2810 350mgを静脈内(IV)に受けるであろう。各用量より前にクリニックで患者を評価し、患者は、第3用量のREGN2810を受けるより前(43±3日目)および手術より前(85日目)に腫瘍応答画像評価を受けるであろう。手術のウインドウは、75日目から100日目までである。患者が12週のネオアジュバント期間中のREGN2810を中止するための判断基準を満たす場合、治療担当医師は、より早期に患者を手術に転じることができる。手術的腫瘍切除に続いて、主要エンドポイント(pCR率)が独立の中央病理学レビュー委員会によって評価されるであろう。
研究第2部:患者は、48週間まで(16用量まで)、または許容できない毒性、疾患再発もしくは同意の撤回まで、手術に続いてアジュバントREGN2810治療(350mg IV Q3W)を受けるための選択肢を有するであろう。アジュバント治療の最初の用量は、治療第1部(EOT1)の終了から3週(±3日)後に行われる。治験責任医師の裁量で、患者は代わりにアジュバント放射線療法(同時またはその後のREGN2810治療は許可されない)を受けるか、または観察のみの期間に入ることができる。研究の第2部の間、クリニックで15週ごとに患者を評価する。アジュバントREGN2810を受ける患者は、事象のスケジュールに記載されているように完全な評価を受けるであろうが、アジュバントREGN2810を受けない患者は、並行するスケジュールに従って画像評価のみを受けるであろう。
追跡調査:追跡調査は、患者が疾患の進行(手術前)または疾患再発(手術後)なしで第1部および研究の第2部を完了した後に始まるであろう。患者は、さらに3年間までクリニックで評価されるであろう。
併用薬物適用および手順
禁止される薬物適用および手順:本研究(生存追跡調査を含めない)に参加している間に、以下に別段の指定がない限り、患者は、インフォームドコンセント時から追跡調査期間の終了まで以下の薬物適用いずれも受けることができない:(1)腫瘍の治療のための標準的または研究的薬剤(REGN281以外);および(2)研究薬の最終用量から少なくとも3か月間の生ワクチン。
許可される薬物適用および手順:以下の条件下で、以下の薬物適用および手順は許可されるであろう:(1)全身的コルチコステロイドを含めた、AEおよび/またはirAEを治療するために必要とされる任意の薬物適用;(2)生理的補充のための全身的コルチコステロイド(たとえ>10mg/日のプレドニゾン等量であっても);(3)非自己免疫性状態の予防または治療のための短期コースのコルチコステロイド;(4)経口避妊薬、ホルモン補充療法、または他の維持療法は継続することができる;(5)用量≦2g/日のアセトアミノフェン;(5)前悪性病変または基底細胞癌(BCC)病変の外科的切除;および(6)他の薬物適用および手順は、治験責任医師によって、および治験依頼者と相談して個々に許可される可能性がある。放射線療法(同時の抗がん細胞毒性化学療法および/または上皮増殖因子受容体指向性療法をともなう)は、治験責任医師の裁量で、研究のアジュバント部分で許可される。そのような患者は、疾患再発について追跡されるであろうが、研究でさらなるREGN2810は受けないであろう。
手順および評価
スクリーニング/ベースライン手順は以下を含む:B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)のスクリーニング、身長測定、血清β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)検査(妊娠可能な女性について)。
効能手順は以下を含む:(1)病理学的応答についての、手術的に切除された腫瘍の評価;(2)腫瘍応答ならびに疾患再発(研究のアジュバント部分および追跡調査)についての放射線学的画像評価(ネオ研究のアジュバント部分);(3)デジタル医学写真で補足された、外部から目に見える病変の画像;(4)疾患再発の組織学的もしくは細胞学的エビデンスまたは二次原発腫瘍(SPT)のエビデンスを得るための腫瘍の生検;ならびに(5)再発性病変についての不成功のパターンの評価。再発は、局所的、領域的または遠隔の再発とカテゴリー化することができる≧1の病変と定義される。
安全性手順は以下を含む:有害事象(AE)の取得、身体検査(完全または限定的)、体重の評価、12誘導心電図(ECG)の記録、バイタルサイン評価、ならびに血液学、血液化学および尿検査を含めた臨床検査。
臨床検査手順は以下を含む:(1)血液化学:ナトリウム、カリウム、クロリド、二酸化炭素(バイカーボネート)、カルシウム、グルコース(空腹時または非空腹時)、アルブミン、タンパク質(血清)、クレアチニン、血中尿素窒素(BUN)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ、総ビリルビン);血液学:ヘモグロビン、白血球、血小板数、好中球、リンパ球);(3)尿検査:pH、比重、ケトン、グルコース、血液、スポット尿タンパク質;および(4)他の臨床検査:(a)HBV、HCV、HIV検査;(b)妊娠検査:血清β-HCGまたは尿β-HCG;(c)反射T3および遊離T4での甲状腺刺激ホルモン(TSH);および(d)INRおよびaPTTの測定による、凝固。
結果
研究のフェーズ1について、手術より前のネオアジュバント治療としてのREGN2810の投与は、CSCCを有する患者において有意な病理学的完全奏効(pCR)率をもたらすであろうことが期待される。
研究のフェーズ2について、手術および手術後RTが完了しており、再発の危険性が高いCSCC患者のためのアジュバント治療としてのREGN2810の投与は、その後の疾患再発の危険性の低減につながる、またはその後の疾患再発の発生を皆無にすることが期待される。手術およびRT後に高危険性CSCC患者に施されるアジュバントREGN2810治療は、疾患管理を改善することも期待される。
転移性のまたは切除不能な進行性皮膚扁平上皮癌(CSCC)を有する患者において投与される抗PD-1抗体の臨床試験
本研究は、進行性CSCCを有する患者に対するフェーズ2非無作為化5群ピボタル試験である。
本研究で使用される例示的抗PD-1抗体はREGN2810(セミプリマブまたはUS9987500に開示されるH4H7798Nとしても知られる)であり、これは、配列番号9のアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号10のアミノ酸配列を含む軽鎖;配列番号1/2を含むHCVR/LCVRアミノ酸配列対;ならびに配列番号3~8を含む重鎖および軽鎖のCDR配列を含む完全ヒトモノクローナル抗PD-1抗体である。
研究群
群1は、REGN2810(3mg/kg/用量、IV、2週ごとに1回)で治療される転移性(結節性または遠隔)CSCCを有する患者からなる。
群2は、REGN2810(3mg/kg/用量、IV、2週ごとに1回)で治療される切除不能な局所進行性CSCCを有する患者からなる。
群3は、REGN2810(350mg/用量、IV、3週ごとに1回)で治療される転移性(結節性または遠隔)CSCCを有する患者からなる。
群4は、REGN2810 (600mg/用量、IV、4週ごとに1回)で治療される進行性CSCC[転移性(結節性もしくは遠位性)または切除不能な局所進行性]を有する患者からなる。
群5は、REGN2810(438mg/用量、SC)で、3週後にREGN2810(350mg/用量、IV、3週ごとに1回)で治療される進行性CSCC(転移性または局所進行性)を有する患者からなる。
5つの研究群についての疾患ステージの概要を表3に提供する。
Figure 2022521800000001
研究目的
群1~4についての本研究の第1の目的は以下を含む:転移性(結節性もしくは遠隔)CSCCまたは切除不能なCSCCを有する患者に対するREGN2810単独療法の臨床的有用性(中央レビューによる全奏効率)を推定すること。群5についての本研究の目的は以下を含む:(1)皮下(SC)投与後の血清中のREGN2810の濃度を測定して、REGN2810の皮下バイオアベイラビリティを評価すること、ならびに(2)単回用量の皮下REGN2810の安全性、忍容性およびPKを評価すること。
研究の第2の目的は、以下を含む:(1)治験責任医師のレビューに従って客観的奏効率(ORR)を推定すること;(2)中央および治験責任医師のレビューによって、応答、無増悪生存(PFS)および全生存(OS)の継続期間を推定すること;(3)中央レビューによって完全奏効(CR)率を推定すること;(4)REGN2810の安全性および忍容性を評価すること;(5)REGN2810の薬物動態(PK)を評価すること;(6)REGN2810の免疫原性を評価すること;および(7)European Organisation for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire Core 30(EORTC QLQ-C30、Youngら、European Journal of Cancer、1999、35(13):1773~82を参照されたい)を使用して、生活の質に対するREGN2810の影響を評価すること。
群4についての研究の第2の目的は、以下をさらに含む:EORTC判断基準を使用して、18F-フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影法(18F-FDG-PET)に従って、ORRを評価すること。
群2および4についてのさらなる研究目的は以下を含む:(1)REGN2810で治療されるCSCC患者において、ベースラインで、治療中に、および進行時に得られた腫瘍生検で、REGN2810の薬力学的効果を評価すること;(2)腫瘍浸潤リンパ球(TIL)(CD8T細胞、CD4T細胞、調節性T細胞および組織が許容する他のサブタイプ、例えば、B細胞、骨髄由来細胞、NK細胞など)の数および分布;(3)プログラム死リガンド1(PD-L1)、グルココルチコイド誘導性TNFRファミリー関連遺伝子(GITR)およびリンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3)ならびにおそらく他のチェックポイントモジュレーターの発現レベル(mRNAおよび/またはタンパク質);(4)既知の癌遺伝子および潜在的な腫瘍新生抗原中の突然変異;ならびに(5)腫瘍突然変異負荷。
研究継続期間
研究の継続期間は、5群すべてについてスクリーニング期間(4週まで)を含む。群1および2は、それぞれ、96週までの治療を受ける。群3は、54週までの治療を受ける。群4は、48週までの治療を受ける。群5は、54週までの治療を受ける。すべての群は、2年間までの再治療の対象となる。
すべての群は、およそ1.5年までの追跡調査を受けるであろう。
研究集団
研究は、転移性(結節性および/または遠隔)CSCC(群1および3)ならびに切除不能な局所進行性CSCC(群2)を有する対象となる患者を含む。転移CSCCについての群3は、群1への登録が完了した後にのみ開かれる。群4および5は、転移性(結節性または遠隔)CSCCと局所進行性CSCCの両方を含む用語である進行性CSCCを有する患者を登録する。
組み入れ基準:患者は、研究への組み入れの対象となるためには、以下の判断基準を満たさなければならない:(1)侵襲性CSCCの組織学的に確認される診断;(a)腫瘍原発部位に関して:扁平上皮癌の原発部位が乾燥した赤い唇(赤唇)であった患者は対象とならない。乾燥した赤い唇(赤唇)上に延びた、皮膚性有毛(非無毛)唇に生じる腫瘍を有する患者は、メディカルモニターと連絡を取り、メディカルモニターから許可を得た後に対象となる可能性がある。扁平上皮癌の原発部位が肛門生殖器部(陰茎、陰嚢および肛門周囲領域)であった患者は対象とならない。原発部位が鼻部である患者は、治験責任医師が、原発部位が皮膚であり、皮膚まで外側に延びた鼻粘膜でないことを明白に証明することができる場合のみ、対象となる;ならびに(b)腫瘍組織像に関して:混合組織像(例えば、肉腫様、腺扁平上皮)を有する患者は、一般に、対象とならないであろう。主な組織像が(混合組織像の最小限の成分のみを有する)侵襲性CSCC混合組織像を有する患者は、メディカルモニターと連絡を取り、メディカルモニターから許可を得た後に対象となる可能性がある;(2)研究判断基準によって測定可能な少なくとも1つの病変。以前に照射した病変を標的病変として追跡する場合、放射線療法後に生検によって進行を確認すべきである。少なくとも1つの他の測定可能な標的病変がある場合、以前に照射した病変を非標的病変として追跡することができる;(a)転移性(結節性または遠隔)CSCCを有する患者(群1および3のすべての患者ならびに転移CSCCを有する群4および5の患者)について:固形癌効果判定基準(RECIST)1.1判断基準に従って、最大直径が≧10mm(リンパ節については1.5cm)である少なくとも1つのベースライン測定可能な病変が存在しなければならない。RECIST 1.1による標的病変判断基準を満たさない転移性疾患を有する患者の場合(例えば、骨のみの病変、神経周囲疾患;Eisenhauerら、Eur J Cancer 2009;45:228~247を参照されたい)。外部から目に見えるCSCC標的病変の場合、デジタル医学写真による2次元測定を使用することができる(ベースラインで、垂直直径は両方とも≧10mmでなければならない)。次いで、患者は、2次元測定での写真撮影によって、外部から目に見える標的病変を測定する計画で登録されるであろう;RECIST 1.1判断基準によって測定可能でない転移性病変は、非標的病変としてスキャンで追跡されるであろう;(b)切除不能な局所進行性CSCCを有する患者(群2のすべての患者ならびに局所進行性CSCCを有する群4および5の患者)について:デジタル医学写真が続く場合、最長直径(LD)と垂直直径が両方とも≧10mmである少なくとも1つの測定可能なベースライン病変が存在しなければならない。群2についての測定不可能な疾患は、1次元測定可能な病変、明瞭に定められない縁を有する腫瘍、または最大垂直直径が10mm未満である病変のいずれかと定義される。ベースラインで測定可能な疾患がない患者は研究の対象とならない;(3)米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス≦1(ECOG PS 1定義:身体的に激しい活動は制限されるが、歩行することができ、軽いまたは座ってする性質の仕事、例えば、軽い家事、事務作業は行うことができる。ECOG PS>1を有する患者は不適格である;(4)≧18歳;(5)肝臓機能;(a)総ビリルビン≦1.5×正常上限(ULN;肝転移≦3×ULNである場合)。ジルベール病を有し、総ビリルビンが3×ULNまでの患者は、メディカルモニターと連絡を取り、メディカルモニターから許可を得た後に対象となる可能性がある;(b)トランスアミナーゼ≦3×ULN(または肝転移の場合≦5.0×ULN);および(c)アルカリホスファターゼ(ALP)≦2.5×ULN(または肝臓もしくは骨転移の場合、≦5.0×ULN)。肝臓転移を有し、群1、群3、群4または群5に登録されることを望む患者について:トランスアミナーゼレベル(ASTおよび/またはALT)が>3×であるが≦5×ULNである場合、総ビリルビンは≦1.5×ULNでなければならない。総ビリルビンが>1.5×であるが≦3×ULNである場合、両方のトランスアミナーゼ(ASTおよびALT)は≦3×ULNでなければならない;(6)腎機能:血清クレアチニン≦1.5×ULNまたは推定クレアチニンクリアランス(CrCl)>30mL/分;(7)骨髄機能:(a)ヘモグロビン≧9.0g/dL;(b)好中球絶対数(ANC)≧1.5×10/L;および(c)血小板数≧75×10/L;(8)署名されたインフォームドコンセントを提供する能力;(9)予定されている来院、治療計画、臨床検査および他の研究関連手順に従う能力およびこれらを進んですること;(10)予測される余命>12週;(11)局所進行性CSCCを有する患者:群2のすべての患者(および局所進行性CSCCを有する群4および5の患者):モース皮膚外科医、頭頸部外科医または形成外科医の見解では、手術は禁忌であると見なされるべきである。登録から60日以内の臨床来院からの外科医の診察記録コピーが提出されなければならない。外科医の記録中の許容される禁忌は、以下を含む:(a)2回以上の手術行為後に同じ位置に再発し、治癒的切除は見込みがないと見なされるCSCC;(b)完全な切除を妨げる著しい局所浸潤があるCSCC;(c)手術が重度の外観の損傷または機能障害(例えば、顔構造、例えば、鼻、耳または眼のすべてまたは一部の除去;または肢切断の必要)をもたらす可能性がある、解剖学的に困難な位置にあるCSCC;および(d)手術について禁忌を示していると見なされる他の状態は、患者を登録する前にメディカルモニターと議論されるべきである;(12)局所進行性CSCCを有する患者(群2のすべての患者および局所進行性CSCCを有する群4および5の患者):患者は、放射線療法に適していないと見なされるべきである。特に、患者は以下の判断基準の少なくとも1つを満たさなければならない:(a)CSCCについて放射線療法を以前に受けた患者であって、その結果、放射線腫瘍医によれば、さらなる放射線療法が、許容される累積線量の閾値を超えると思われる患者。登録から60日以内の臨床来院からの放射線腫瘍医の診察記録のコピーが提出されなければならない;(b)そのような腫瘍は療法に応答しそうにないという放射線腫瘍医の判断。登録から60日以内の臨床来院からの放射線腫瘍医の診察記録のコピーが提出されなければならない;および(c)治験責任医師の個別化された利益:リスク評価が、提案された研究の登録より前の60日以内に、集学的チーム(最低でも、放射線腫瘍医および皮膚性悪性腫瘍の専門的知識を有する腫瘍内科医、放射線腫瘍医か皮膚性悪性腫瘍の専門的知識を有する腫瘍内科医かのいずれか、または皮膚腫瘍医、または頭頸部外科医からなる)によって行われたこと、ならびに放射線療法が禁忌であると見なされたことを示す、治験責任医師の臨床記録。いかなる以前の放射線照射も受けたことがない患者についての、治験責任医師の記録にある放射線療法に対して許容される禁忌は、以下を含む:(i)集学的チームの見解では、患者の全体的医学的状態と関連して、放射線療法が許容できない毒性の危険性に関連すると思われる解剖学的に困難な位置にある、CSCC(例えば、放射線療法が経皮的胃瘻管の潜在的な必要性をもたらすと思われる頸部腫瘍)。集学的評価を実証する治験責任医師の診察記録のコピーが提出されなければならない;および(ii)放射線療法について禁忌を示していると見なされる他の状態は、患者を登録する前にメディカルモニターと議論されるべきである;(13)いずれの群のすべての患者も、CSCCの診断の確認のための中央病理学レビューのために、保管されたまたは新しく得られた腫瘍材料(ホルマリン固定され、パラフィン包埋された[FFPE]ブロックかまたは10枚の非染色もしくは染色スライドのいずれか)を提供することに同意しなければならない。この材料は、登録より前に、中央検査室によって、受け取ったままの状態で確認されなければならない;(14)群2(局所進行性CSCC患者)および群4(局所進行性CSCC患者および転移CSCC患者)のみ:患者は、ベースライン、すなわちサイクル1の29日目(±3営業日)で、腫瘍進行時に、および治験責任医師の見解で、臨床的に示される可能性がある他の時点で、CSCC病変の生検受けることに同意しなければならない;(15)群2のすべての患者、および局所進行性CSCCを有する群4および5の患者のみ:患者の進行性CSCCの自然経過は、臨床試験の他に現在利用可能な管理選択肢で、3年以内に命に関わる可能性があるであろうことを述べる治験責任医師の記録。
除外基準:以下の判断基準のうちのいずれかを満たす患者は研究から除外されるであろう:(1)免疫関連有害事象(irAE)の危険性を示唆する可能性がある、全身的免疫抑制治療による治療を必要とした著しい自己免疫疾患の進行中または最近(5年以内)のエビデンス。以下は除外されない:ホルモン補充のみを必要とした白斑、解決した小児喘息、1型糖尿病、残留甲状腺機能低下症、または全身的治療を必要としない乾癬;(2)PD-1/PD-L1経路を遮断する薬剤を用いた以前の治療;(3)(a)REGN2810の最初の用量より前の4週(28日)未満以内であった、または(b)REGN2810の最初の用量より前の90日以内に、≧グレード1であった免疫媒介性有害事象に関連した、または(c)免疫モジュレート剤の中止をもたらした毒性に関連した、他の免疫モジュレート剤を用いた以前の治療。免疫モジュレート剤の例としては、治療的抗がんワクチン、サイトカイン治療(G-CSFおよびエリスロポエチン以外)、または細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA-4)、4-1BB(CD137)、PI 3-K-δもしくはOX-40を標的にする薬剤が挙げられる;(4)活動的と考えることができる未治療の脳転移。(注記:転移ではなく浸潤性腫瘍の直接的な拡大によりCSCCの脳併発を有する患者は、毎日10mgより多いプレドニゾンを必要としない場合、メディカルモニターの議論および許可の後に、登録することが許可される可能性がある)。以前に治療を受けた脳転移を有する患者は、病変が安定(スクリーニング期間に得られた画像で、少なくとも6週間進行のエビデンスなし)であり、新しいまたは拡大している脳転移のエビデンスがなく、REGN2810の最初の用量の4週以内に、患者が脳転移の管理のためのいかなる免疫抑制用量の全身的コルチコステロイドを必要としないことを条件として、参加することができる;(5)REGN2810の最初の用量より前の4週以内の免疫抑制コルチコステロイド投与(毎日>10mgプレドニゾンまたは等価物)。注記:(例えば、造影剤への過敏症が理由で画像診断の予防として)短期コースのステロイドを必要とする患者は除外されない;(6)療法を必要とする活動性感染、例えば、ヒト免疫不全ウイルスの感染、またはB型肝炎ウイルス(HBV)もしくはC型肝炎ウイルス(HCV)の活動性感染;(7)過去5年以内の非感染性間質性肺炎の病歴。間質性肺炎が、病因が純粋に感染性であった場合、メディカルモニターとの議論後にプロトコールに登録することが許可される可能性がある;(8)登録時にグレード≧3の高カルシウム血症;(9)REGN2810の初回投与の30日以内の、または研究期間の間に行われていることが計画されている、任意の全身抗がん治療(化学療法、標的全身療法、光線力学的療法)、研究的または標準的ケア(ビスホスホネートまたはデノスマブを受けている患者は除外されない)、REGN2810の初回投与の14日以内の、または研究期間の間に行われることが計画されている、放射線療法。注記:治験責任医師によって標的病変として指定されない複数のCSCCをベースラインで有する患者について、手術によるこれらの非標的CSCCの治療は許可される可能性があるが、いかなる手術行為よりも前にメディカルモニターと議論されるべきである;(10)抗体治療に起因する記録されたアレルギー反応または急性過敏症反応の病歴;(11)REGN2810に、または賦形剤のいずれかに対してアレルギーまたは過敏症を有する患者は、除外されるべきである。特に、REGN2810のトレース成分存在のために、ドキシサイクリンまたはテトラサイクリンに対してアレルギーまたは過敏症を有する患者は除外される;(12)母乳栄養;(13)陽性の血清妊娠検査(連続的な測定および負の超音波によって実証される場合、メディカルモニターと連絡し、メディカルモニターから許可を得た際に、偽陽性の妊娠検査は除外されないであろう);(14)転移または死亡の無視できるほどの危険性しかない腫瘍、例えば、皮膚の適切に治療されたBCC、頸の上皮内癌、または***の非浸潤性乳管癌、または管理計画が積極的監視である低危険性初期前立腺腺癌(T1-T2aN0M0およびグリーソンスコア≦6およびPSA≦10ng/mL)、もしくは管理計画が積極的監視である、報告されたPSA倍加時間が>12か月である生化学的にみの再発をともなう前立腺腺癌(D’Amico 2005、Pham 2016)を除いて、REGN2810の最初の計画された用量の日付から3年以内の、CSCC以外の同時発生的悪性病変および/またはCSCC以外の悪性病変の病歴。血液悪性腫瘍(例えば、慢性リンパ性白血病、CLL)を有する患者は除外される;(15)治験責任医師の見解では、患者を参加に不適格にする、任意の急性または慢性の精神医学的問題;(16)初回用量より前の、研究の間の、および研究薬の最終用量から少なくとも6か月にわたる、非常に有効な避妊を行うことに気が進まない、男性または妊娠可能な女性における継続した性行為。非常に有効な避妊対策としては、以下が挙げられる:スクリーニングの前に2回以上の月経周期を開始した***の抑制に関連する、併用型(エストロゲンおよびプロゲストゲン含有)ホルモン避妊法(経口、腟内、経皮)またはプロゲストゲンのみのホルモン避妊法(経口、注射用、埋め込み式)の安定的な使用;子宮内避妊具;子宮内ホルモン放出システム;両側卵管結紮;精管切除されたパートナーおよび性的禁欲。避妊は精管切除が記録されている男性については必要とされない。閉経後の女性は、出産の可能性が考慮されないために、少なくとも12か月無月経でなければならない。妊娠検査および避妊は、子宮摘出または卵管結紮が記録された女性には必要とされない;(17)固形臓器移植の病歴を有する患者(以前の角膜移植を有する患者は、メディカルモニターとの議論およびメディカルモニターの許可の後に、登録することが許可される可能性がある);(18)BRAF阻害剤を用いた以前の治療;(19)任意の医学的併存症、身体検査の所見もしくは代謝機能障害、または治験責任医師の見解では、安全上の高い危険性および/もしくは研究の結果の解釈に影響を及ぼす可能性が理由で患者を臨床試験の参加に不適合にする臨床検査の異常;(20)任意の造影剤増強放射線応答評価を受けることができないこと。画像選択肢に関する注記:(例えば、造影剤アレルギーが理由で)ヨード造影剤を用いるCTを受けることができない患者は、ガドリニウムを用いるMRIによって彼/彼女の疾患を測定することができる場合、除外されないであろう。ガドリニウムを用いるMRIを受けることができない患者は、造影剤を用いるCTスキャンによって彼/彼女の疾患を測定することができる場合、除外されないであろう。群2、4および5(局所進行性CSCC患者のみ)に関する注記:選択されるケースでは、いかなる造影剤増強放射線写真画像法(ヨード造影剤を用いるCTもガドリニウムを用いるMRIも)受けることができない局所進行性CSCC患者(群2、4または5)は、患者の疾患がデジタル医学写真で包括的に評価することができる場合、メディカルモニターと連絡を取り、メディカルモニターから許可を得た後に、対象となる可能性がある。
研究変数
本研究の主要効能エンドポイントは以下を含む:12治療サイクル(群1および2)または6治療サイクル(群3および4)の間の中央レビューによるORR。全奏効率は、転移CSCCを有する患者または切除不能な局所進行性CSCCを有する患者について別々に評価されるであろう。
転移性疾患を有する患者(群1、3および4)について、RECIST バージョン1.1を使用してORRを決定するであろう(Eisenhauer,EAら、Eur J Cancer 2009;45:228~247)。RECIST 1.1に従って放射線学的スキャンですべての応答評価が行われる患者では、独立の放射線学的応答評価委員会の決定が、中央応答評価としての機能を果たすであろう。すべての転移性病変がRECISTによって測定可能でない(例えば、骨のみ転移を有する患者で起こる可能性がある)場合、臨床的または複合的な応答判断基準を、外部から目に見える標的病変を有する患者に使用することができる。
切除不能な局所進行性疾患を有する患者(群2および4)について、世界保健機関(WHO)判断基準に従って、2次元測定を必要とする外部から目に見える腫瘍に関して、臨床応答判断基準を使用してORRを決定するであろう。臨床応答判断基準によって測定可能な標的病変とRECIST 1.1によって測定可能な標的病変の両方を有する患者に複合的な応答判断基準を使用して、ORRを決定するであろう。CRを達成する患者では、完全対PRの最終的な決定において腫瘍生検を使用するであろう。
RECISTバージョン1.1によって評価可能でない(NE)と見なされる患者(群1、3および4)または臨床的もしくは複合的な応答判断基準によって評価不能な患者(群2)は、ORRについて部分奏効(PR)/完全奏効(CR)に達していないと考えられるであろう。
本研究の副次的エンドポイントは以下を含む:(1)治験責任医師の評価による、群1から5についてのORR:(a)RECIST 1.1に従って放射線学的スキャンですべての応答評価が行われる、群1、3、4(転移性の場合)および群5(転移性の場合)の患者について、用語「複合性応答評価」は適用できない。そのような患者に対する治験責任医師の応答評価は、RECIST 1.1評価であろう;(b)外部から目に見える腫瘍のための臨床応答判断基準(Clinical Response Criteria for Externally Visible Tumors)に従ってすべての応答評価が写真で行われる、群2、4(切除不能な局所進行性の場合)および群5(切除不能な局所進行性の場合)の患者について、用語「複合性応答評価」は適用できない。そのような患者に対する治験責任医師の応答評価は、外部から目に見える腫瘍のための臨床応答判断基準に従うであろう;(c)スキャン(RECIST 1.1に従う)と写真(外部から目に見える腫瘍のための臨床応答判断基準に従う)の両方で標的病変応答評価が行われる患者について、治験責任医師の応答評価は複合的な応答判断基準に従うであろう;(d)群4の患者は、ベースラインで、および6か月間隔で、PET-CTスキャンを受けるであろう。治験責任医師の応答評価は、EORTC criteria、Youngら、European Journal of Cancer, 1999、第35巻、第13号、1773~82に従うであろう;(2)応答の継続期間;(3)PFS;(4)OS;(5)CR率;(6)EORTC QLQ-C30で患者が報告した転帰のスコアの変化;(7)AE;(8)REGN2810の血清濃度;ならびに(9)抗REGN2810抗体。
本研究のための探索的転帰尺度は以下を含む:(1)腫瘍組織で発現している遺伝子のmRNA発現の倍数変化;(2)TIL(CD8T細胞、CD4T細胞、調節性T細胞および組織が許容する他のサブタイプ、例えば、B細胞、骨髄由来細胞、NK細胞など)の数のパーセント変化、ならびに腫瘍組織および間質に関するTILの分布の記述的変化;(3)PD-L1、GITRおよびLAG-3およびおそらく他のチェックポイントモジュレーターの発現レベル(mRNAおよび/またはタンパク質)のパーセント変化;(4)既知の癌遺伝子および潜在的な腫瘍新生抗原における遺伝子変異の数およびタイプの変化;ならびに(5)腫瘍突然変異負荷の変化。
REGN2810の血清中濃度を研究治療および追跡調査期間の全体を通して複数の時点で評価し、PKを分析するであろう。薬物動態変数としては、限定されないが、以下を挙げることができる:(1)Ceoi-注入終了時の濃度(IV);(2)Cmax-ピーク濃度(SC);(3)CTROUGH-注入前濃度;(4)teoi-注入終了の時間;(5)tmax-ピーク濃度までの時間(SC);(6)AUC3w-最初のSCまたはIV投与後の血漿濃度-時間曲線下の面積;および(7)F-SC投与後の絶対バイオアベイラビリティ。
REGN2810の免疫原性の影響を評価するであろう。抗薬物抗体(ADA)変数としては、以下のADAのステータスおよび力価が挙げられる:(1)治療により出現する-ベースライン結果が陰性である場合の任意の陽性の投与後ADAアッセイ応答と定義される;(2)治療によりブースト化される-ベースライン力価レベルと比較して少なくとも9倍である任意の投与後ADA応答と定義される。;(3)力価値(力価値のカテゴリー);(4)低(力価<1,000);(5)中(1,000≦力価≦10,000);高(力価>10,000)。REGN2810の免疫原性とPKの間の関連性を適宜評価することができる。
研究デザイン
群1および2:28日間までのスクリーニング期間の終了後、群1および2のそれぞれの患者は、合計で96週までの治療にわたって、12回までの56日(8週)治療サイクルを受ける。各患者は、各治療サイクルの間、1、15±3、29±3および43±3日目にREGN2810 3mg/kgのIVを受けるであろう。腫瘍評価は、各治療サイクルの終了時に行われるであろう。広範囲にわたる安全性評価は、各サイクルの1日目に行われ;決まりきった安全性評価は、各REGN2810投薬来院時に行われるであろう。
群3:このコホートは転移CSCCを有する患者を登録する。群3は、群1への登録の完了後にのみ登録を始める。用量レジメンは54週間まで3週ごとに350mg IVである。
群4:このコホートは進行性CSCCを有する患者(転移性[結節性もしくは遠隔]または局所進行性)を登録する。群4は、群1から3の登録の完了後にのみ登録を始める。用量レジメンは48週間まで4週ごとに600mg IVである。
群5:このコホートは進行性CSCCを有する患者を登録する。レジメンは、438mg SC、1用量であり、その後、3週間の内に、54週の全治療にわたって3週ごとに350mg IVが続く。群5の最初の3患者は、注射部位反応(ISR)をモニターするために3日に分けて投与される。最初の3患者で重度のISRが皆無であることが観察されれば、残りのコホートは、登録日に制限なしで登録することができる(すなわち、1患者より多くが同じ日に治療を開始することができる)。1つまたはそれ以上の重度のISRが観察される場合、登録を一時的に中止するであろう。その状況では、群5の登録の続行は、すべて関連するデータのレビューおよびメディカルモニターとファーマコビジランス&リスクマネジメント部門の指定されたリスクマネジメントリードの間の合意後に、許可される可能性がある。これらの患者のケアに関与する治験責任医師に意見を聞くこともできる。
患者は、療法の計画された継続期間が完了する(群1および2について96週、群3および5について54週、ならびに群4について48週)まで、または疾患の進行、許容できない毒性もしくは同意の撤回まで、REGN2810を継続する。(CRを経験する群1または2の患者は、48週後に治療を中止する選択肢を有する)。
群1~5に対する投与レジメンを表4~7にまとめる。
用量レベルは、表8に従って低減させることができる。
群1から5:計画された治療期間の完了時に進行性疾患(PD)を経験しない患者は、およそ6か月間の追跡調査に入るであろう。この追跡調査期間の完了後、患者は、次いで、4か月ごとに評価があり、さらにおよそ1年間の延長追跡調査期間に入るであろう(表9)。
Figure 2022521800000002
Figure 2022521800000003
Figure 2022521800000004
Figure 2022521800000005
Figure 2022521800000006
REGN2810は、およそ30分(±10分)のIV注入として外来患者設定で投与されるであろう。中断が必要とされる場合、より長い注入継続期間が許容される。群1および群2 患者の用量は個々の体重に依存するであろう。REGN2810の用量は、≧10%の体重変化に対して、各サイクルで調整されるべきである。<10%の体重変化に対する用量調整は治験責任医師の裁量であろう。
REGN2810は滅菌した使い捨てのバイアル中に液体として供給される。REGN2810の各バイアルは濃度25もしくは50mg/mL(IV注入用)または濃度175mg/mL(SC注射用)を含む。
手順および評価
スクリーニング手順は以下を含む:インフォームドコンセント、ゲノミクス副試験インフォームドコンセント(随意)、組み入れ/除外、病歴/腫瘍歴、人口統計、完全な身体検査およびECOG PS、12-Lead ECG、バイタルサインおよび体重、脳MRI、ウイルス血清学、凝固、尿検査、臨床検査(血液学、血液化学、血清HCG≦72時間投与前、尿検査、HBV、HCV、HIV)、CSCCの組織学的確認のための保管された組織、群2についての腫瘍生検、CT/MRIおよび/またはデジタル写真撮影、ならびに治療の割り当て。
効能手順は以下を含む:腫瘍量を測定するための、および応答判断基準を使用して研究治療の効能プロファイルを特徴づけるための、画像(コンピュータ断層撮影[CT]または磁気共鳴画像[MRI])およびデジタル医学写真(外部から目に見える病変用)。さらなる効能手順は、腫瘍測定および腫瘍生検を含む。
安全性手順は以下を含む:バイタルサインの評価、身体検査、心電図(ECG)、免疫安全性アッセイ、免疫グロブリンレベル(IgG、IgM、IgE)、有害事象(AE)モニタリング、臨床検査(妊娠可能な女性についての妊娠検査を含める)。
免疫安全性アッセイは、リウマトイド因子(RF)、TSH、C反応性タンパク質(CRP)および抗核抗体(ANA)の力価およびパターンの測定を含む。研究の過程で、RFもしくはANAのベースラインからの4倍以上の増加またはTSHもしくはCRPの異常なレベルが観察される場合、以下の検査を行うこともできる:抗DNA抗体、抗シェーグレン症候群抗原(SSA)抗体(Ro)、抗シェーグレン症候群B抗原(SSB)抗体(La)、抗サイログロブリン抗体、抗LKM抗体、抗リン脂質抗体、抗島細胞抗体、抗好中球細胞質抗体、C3、C4、CH50。
臨床検査手順は以下を含む:血液学、血液化学、妊娠検査(女性のみ)および尿検査。
PK/薬物濃度:REGN2810の血清濃度の評価のためにPKサンプルを収集することになる。
抗薬物抗体測定:REGN2810に対する免疫原性の評価のために血清サンプルを収集することになる。
ゲノミクス副研究測定は以下を含む:候補遺伝子および周囲のゲノム領域の配列決定または一塩基多型研究、全エキソームシークエンシング、全ゲノムシークエンシングおよびDNAコピー数多型。
併用薬物適用および手順
禁止される薬物適用および手順。本研究に参加している間に、患者は、単独療法としてのREGN2810以外に、腫瘍の治療のためのいかなる標準的または研究的薬剤も受けることができない。患者が24週の研究治療を一旦完了すれば、治験依頼者との連絡後、腫瘍の局所的制御のために限局性姑息的療法(例えば、放射線照射)が許可されるであろう。患者の幸福に必要であると考えられ、研究薬の評価を妨げることが予想されない任意の他の薬物適用を治験責任医師の裁量で与えることができる。
コルチコステロイド補充目的以外の免疫抑制用量(1日あたり>10mgのプレドニゾンまたは等価物)の全身的コルチコステロイドを使用する患者は、研究の対象とならないであろう。患者は、命に関わる緊急事態の場合および/またはirAEを治療する場合を除いて、研究全体を通していかなる時点でも全身的コルチコステロイド、例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン(ソルメドロール(登録商標))またはデキサメタゾン(デカドロン(登録商標))を受けないことが推奨される。生理的補充用量の全身的コルチコステロイドは、たとえ>10mg/日プレドニゾン等量であっても許可される。予防(例えば、造影剤色素アレルギー)のための、または非自己免疫性状態(例えば、接触アレルゲンによって引き起こされる遅延型過敏症反応)の治療のための短期コースのコルチコステロイドは許可される。ビスホスホネートおよびデノスマブは禁止されない。
手術:ベースラインで切除不能であると考えられるが、その後に、REGN2810に対する腫瘍応答により、研究の過程で切除可能であると見なされる局所進行性標的病変を有する患者について、治癒目的の手術が許可される可能性があるが、いかなる手術行為よりも前にメディカルモニターと議論されるべきである。(この記載は、即時の手術を必要とする緊急の命に関わる状況下の患者に適用しない)。明確な縁をともなって手術可能になる、ベースラインで手術不能のCSCCを有する患者はPRを経験したと見なされるであろう。
研究の過程で、CSCC以外の非黒色腫皮膚がん(例えば、BCC)であることが疑われる新しい皮膚性病変を患者が発生する場合、研究中の病変の除去および治療の継続は、メディカルモニターとの議論後に、許可される可能性がある。
放射線療法:放射線療法は研究レジメンの一部ではない。放射線療法が計画される患者は対象とならない。研究の過程で、治験責任医師によって姑息的放射線療法が適切であると見なされる症候性病変を患者が発生する場合、これはPDと見なされ、一般に、患者は研究から除かれるであろう。姑息的放射線療法は、少なくとも24週間研究中である患者のある特定の状況で許可される可能性がある。そのようなケースは、治験責任医師が放射線照射後のREGN2810の再開が患者の最大の利益となると思う場合、任意の放射線療法より前にメディカルモニターと議論されるべきである。患者は、放射線療法が開始される場合、疾患の進行を経験したと見なされるであろうが、OSについて追跡されるであろう。
2次元測定を必要とする外部から目に見える腫瘍のWHO判断基準
WHO判断基準による、2次元測定を必要とする外部から目に見える腫瘍の臨床応答の判断基準は以下の通りである:
外部から目に見える疾患の完全奏効(vCR):少なくとも4週間維持される、もはや目に見えないすべての標的病変および非標的病変。vCRの証拠資料は、中央病理学レビュー(付録5)に従って、残留悪性病変がないことの組織学的確認をともなう、外部から目に見える標的病変の部位の生検による確認を必要とする。そのような組織学的確認がない場合、vCRを経験したと患者を見なすことができず、最高の応答は部分奏効であろう。
外部から目に見える疾患の部分奏効(vPR):少なくとも4週の間維持される、標的病変の垂直最長寸法の積の和の50%(WHO判断基準)以上の減少。
安定な外部から目に見える疾患(vSD):vCR、vPR、または進行性疾患に対する判断基準を満たさない。
目に見える疾患の進行(vPD):標的病変の垂直最長寸法の積の和の≧25%(WHO判断基準)の増加。まれなケースでは、非標的病変の疑いのない進行はvPDとして認めることができる。
結果
REGN2810の投与は、腫瘍退縮の増強および疾患管理の改善につながるであろうことが期待される。さらに、REGN2810の投与は、CSCCを有する患者において安全性の増大につながり、有害事象および/または毒性の発生率が低減するまたは皆無であることが期待される。転移CSCCを有さない患者については、転移CSCCを可能性が低減することが期待される。
193患者(pt)を登録した(群1、n=59;群2、n=78;群3、n=56)。128ptは以前の抗がん全身療法を受けておらず、65ptは以前に治療されていた。2019年10月11日(データカットオフ)時点で、追跡調査の継続期間の中央値は、すべてのptの間で15.7か月(範囲:0.6~36.1)であり;群1について18.5か月(範囲:1.1~36.1)、群2について15.5か月(範囲:0.8~35.0)、群3について17.3か月(範囲:0.6~26.3)であった。INVあたりのORRは、すべてのptについて54.4%(95%CI:47.1~61.6)であり;群1について;50.8%(95%CI:37.5~64.1)、群2について56.4%(95%CI:44.7~67.6)、群3について55.4%(95%CI:41.5-68.7)であった。INVあたりのORRは治療未経験ptの間で57.8%(95% CI:48.8~66.5)、以前に治療を受けたptの間で47.7%(95% CI:35.1~60.5)であった。応答継続期間の中央値(DOR)には達しなかった(観察されたDOR範囲:1.8~34.2か月)。応答性ptでは、24か月での推定DORは76.0%(95%CI:64.1~84.4)であった。OS中央値には達しなかった。24か月での推定OSは73.3%(95%CI:66.1~79.2)であった。任意のグレードによる、最も一般的な治療下で発現した有害事象(TEAE)は、疲労(34.7%)、下痢(27.5%)および悪心(23.8%)であった。最も一般的なグレード≧3のTEAEは高血圧 (4.7%)ならびに貧血および蜂巣炎(各4.1%)であった。
進行性CSCCを有する患者について、セミプリマブはDORを達成し、生存は他の薬剤を用いて報告されているものより優れている。

Claims (66)

  1. 腫瘍の増殖を治療または阻害する方法であって:
    (a)皮膚がんを治療するための手術および/または放射線療法が完了している、皮膚がんの患者を選択すること;ならびに
    (b)続いて、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含むアジュバント治療を患者に施すこと
    を含む前記方法。
  2. 患者は手術および場合により手術後の放射線療法が完了している、請求項1に記載の方法。
  3. 皮膚がんは皮膚扁平上皮癌(CSCC)、基底細胞癌(BCC)、メルケル細胞癌または黒色腫である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 皮膚がんはCSCCである、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 患者はCSCCの再発の危険性が高いか、または再発の少なくとも1つのインシデントを患ったことがある、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 患者は、以下の高危険性構成の少なくとも1つを有する、請求項5に記載の方法:
    (a)被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;
    (b)イントランジット転移(ITM);
    (c)T4病変;
    (d)神経周囲浸潤(PNI);ならびに
    (e)再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:
    (i)再発性病変に関連する≧N2bの疾患;
    (ii)公称≧T3;および
    (iii)≧20mmの直径の再発性病変。
  7. 治療有効量はPD-1阻害剤5mg~500mgを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 治療有効量はPD-1阻害剤350mgを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  9. PD-1阻害剤は1つまたはそれ以上の用量として投与され、各用量は直前の用量から2~12週、好ましくは3週後に投与される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 各用量はPD-1阻害剤5mg~500mg、好ましくは350mgを含む、請求項9に記載の方法。
  11. PD-1阻害剤は静脈内投与される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 工程(b)は放射線療法の完了から2~6週後に行われる、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. PD-1阻害剤の投与は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または後の皮膚がんの再発の発生を皆無にする、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  14. PD-1阻害剤の投与は、アジュバント皮膚がん治療なしの手術および放射線療法の完了後の患者と比較して、後の皮膚がんの再発の少なくとも約10%低い発生率につながる、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
  15. 化学療法剤、コルチコステロイド、抗炎症薬および/またはこれらの組み合わせから選択されるさらなる治療剤を投与することをさらに含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメント、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメント、および抗PD-L2抗体またはその抗原結合性フラグメントからなる群から選択される、請求項1~15のいずれか1項に記載の方法。
  17. PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む、請求項17または18に記載の方法。
  20. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  22. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有し、該軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項17~19のいずれか1項に記載の方法。
  23. PD-1阻害剤は、セミプリマブまたはその生物学的同等物である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  24. PD-1阻害剤は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0608、BI 754091、PF-06801591、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、JNJ-63723283およびMCLA-134からなる群から選択される抗PD-1抗体である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  25. PD-1阻害剤は、H1H8314N、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、MDX-1105、LY3300054、FAZ053、STI-1014、CX-072、KN035およびCK-301からなる群から選択される抗PD-L1抗体である、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  26. 手術および手術後の放射線照射の完了後に皮膚がんのアジュバント治療で使用するための治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含む医薬組成物。
  27. PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項26に記載の医薬組成物。
  28. HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する、請求項27に記載の医薬組成物。
  29. 抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. PD-1阻害剤5mg~500mgを含む、請求項26~29のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  31. PD-1阻害剤350mgを含む、請求項26~30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  32. 皮膚がんはCSCCである、請求項26~31のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  33. 腫瘍の増殖を治療または阻害する方法であって:
    (a)手術的除去が計画される皮膚がんの患者を選択すること;および
    (b)手術的除去より前に、治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含むネオアジュバント治療を患者に施すこと
    を含む前記方法。
  34. 皮膚がんは皮膚扁平上皮癌(CSCC)、基底細胞癌(BCC)、メルケル細胞癌または黒色腫である、請求項33に記載の方法。
  35. 皮膚がんはCSCCである、請求項33または34に記載の方法。
  36. 患者はCSCCの再発の危険性が高い、請求項33~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 患者は、以下の高危険性構成の少なくとも1つを有する、請求項36に記載の方法:
    (a)被膜外拡大および>20mmの少なくとも1つの結節をともなう結節性疾患;
    (b)イントランジット転移(ITM);
    (c)T4病変;
    (d)神経周囲浸潤(PNI);ならびに
    (e)再発性CSCC+以下のさらなる構成の少なくとも1つ:
    (i)再発性病変に関連する≧N2bの疾患;
    (ii)公称≧T3;および
    (iii)≧20mmの直径の再発性病変。
  38. 治療有効量はネオアジュバントとして投与されるPD-1阻害剤5mg~500mgを含む、請求項33~37のいずれか1項に記載の方法。
  39. 治療有効量はネオアジュバントとして投与されるPD-1阻害剤350mgを含む、請求項33~38のいずれか1項に記載の方法。
  40. ネオアジュバント治療として1つまたはそれ以上の用量のPD-1阻害剤が投与され、各用量は直前の用量から2~12週、好ましくは3週後に投与される、請求項33~38のいずれか1項に記載の方法。
  41. 各用量はPD-1阻害剤5mg~500mg、好ましくは350mgを含む、請求項40に記載の方法。
  42. (c)ネオアジュバント治療に続いて、皮膚がんを手術的に除去することをさらに含む、請求項33~41のいずれか1項に記載の方法。
  43. 工程(c)の後で治療有効量のPD-1阻害剤を含むアジュバント治療を患者に施すことをさらに含み、該アジュバントPD-1阻害剤はネオアジュバントPD-1阻害剤と同じでもよく、または異なっていてもよい、請求項42に記載の方法。
  44. アジュバント治療はPD-1阻害剤5mg~500mgを投与することを含む、請求項43に記載の方法。
  45. アジュバント治療はPD-1阻害剤350mgを投与することを含む、請求項43または44に記載の方法。
  46. PD-1阻害剤は静脈内投与される、請求項33~42のいずれか1項に記載の方法。
  47. PD-1阻害剤の投与は、後の皮膚がんの再発の危険性の低減につながる、または後の皮膚がんの再発の発生を皆無にする、請求項33~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. PD-1阻害剤の投与は、アジュバント皮膚がん治療なしの手術および放射線療法の完了後の患者と比較して、後の皮膚がんの再発の少なくとも約10%低い発生率につながる、請求項33~46のいずれか1項に記載の方法。
  49. 化学療法剤、コルチコステロイド、抗炎症薬および/またはこれらの組み合わせから選択されるさらなる治療剤を投与することをさらに含む、請求項33~46のいずれか1項に記載の方法。
  50. PD-1阻害剤は、抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメント、抗PD-L1抗体またはその抗原結合性フラグメントおよび抗PD-L2抗体またはその抗原結合性フラグメントからなる群から選択される、請求項33~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項33~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する、請求項51に記載の方法。
  53. 抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む、請求項51または52に記載の方法。
  54. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有する、請求項51~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項51~53のいずれか1項に記載の方法。
  56. 抗PD-1抗体は重鎖および軽鎖を含み、該重鎖は配列番号9のアミノ酸配列を有し、該軽鎖は配列番号10のアミノ酸配列を有する、請求項51~53のいずれか1項に記載の方法。
  57. PD-1阻害剤はセミプリマブまたはその生物学的等価物である、請求項33~50のいずれか1項に記載の方法。
  58. PD-1阻害剤は、セミプリマブ、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、MEDI0608、BI 754048、PF-06371548、スパルタリズマブ、カムレリズマブ、JNJ-63313240およびMCLA-134からなる群から選択される抗PD-1抗体である、請求項33~50のいずれか1項に記載の方法。
  59. PD-1阻害剤は、H1H8314N、アベルマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、MDX-1105、LY3300054、FAZ053、STI-1014、CX-031、KN035およびCK-301からなる群から選択される抗PD-L1抗体である、請求項33~50のいずれか1項に記載の方法。
  60. 皮膚がんを治療するための計画された手術より前にネオアジュバント治療で使用するための治療有効量のプログラム死1(PD-1)阻害剤を含む医薬組成物。
  61. PD-1阻害剤は、配列番号1のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(HCVR)の3つの相補性決定領域(CDR)(HCDR1、HCDR2およびHCDR3)ならびに配列番号2のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(LCVR)の3つのCDR(LCDR1、LCDR2およびLCDR3)を含む抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントである、請求項60に記載の医薬組成物。
  62. HCDR1は配列番号3のアミノ酸配列を有し;HCDR2は配列番号4のアミノ酸配列を有し;HCDR3は配列番号5のアミノ酸配列を有し;LCDR1は配列番号6のアミノ酸配列を有し;LCDR2は配列番号7のアミノ酸配列を有し;LCDR3は配列番号8のアミノ酸配列を有する、請求項61に記載の医薬組成物。
  63. 抗PD-1抗体またはその抗原結合性フラグメントは配列番号1/2のHCVR/LCVR配列対を含む、請求項62に記載の医薬組成物。
  64. PD-1阻害剤5mg~500mgを含む、請求項60~63のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  65. PD-1阻害剤350mgを含む、請求項60~63のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  66. 皮膚がんはCSCCである、請求項60~65のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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