JP2022520998A - アルブミン結合抗体及びその使用 - Google Patents

アルブミン結合抗体及びその使用 Download PDF

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Abstract

本開示は、各々抗アルブミン単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供する。該抗アルブミンコンストラクトは、治療剤、例えば、抗原結合部分又はサイトカインをさらに含むことができる。本開示は、該抗アルブミンコンストラクトを作製及び使用する方法も提供する。【選択図】図5

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/809,475号の優先権の恩典を主張するものであり;その開示は、その全体が引用により本明細書中に組み入れられる。
(開示の分野)
本開示は、抗アルブミン単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗アルブミンコンストラクト、並びにその作製方法及び使用に関する。
(配列表の参照)
本明細書は、117,812バイトのサイズの216A003WO01_SEQLIST_ST25.txtという表題が付けられ、2020年2月21日に作成されたコンピュータ可読形態(CRF)の配列表とともに出願されており;その内容は、その全体が引用により本明細書中に組み入れられる。
(開示の背景)
多くの治療薬、特に、ペプチド、ポリペプチド、及びポリヌクレオチドなどの生物製剤の有用性は、不十分な血清半減期のために制限を有する。不十分な血清半減期のために、一部の治療薬は、その所望の効力を達成することができない。そして、一部の治療薬は、治療効果に必要な血清レベルを維持するために、高頻度及び/又は高用量で投与されなければならない。そのような治療薬の頻繁な全身投与は、望ましくない副作用を伴うことが多い。例えば、頻繁な全身注射は、患者にとってかなり不快なものであり、投与に関連する高い感染リスクをもたらし、特に、治療薬が静脈内投与されることになっている場合、入院又は頻繁な通院を要求し得る。さらに、長期治療において、毎日の静脈内注射は、組織瘢痕化、及び血管穿刺の反復によって生じる血管病変などの、かなりの副作用をもたらし得る。同様の問題は、例えば、糖尿病患者へのインスリン又は多発性硬化症患者におけるインターフェロン薬の投与などの、治療薬の全ての頻繁な全身投与で知られている。これらの因子は全て、患者の服薬順守の減少及び保険制度の費用の増加をもたらす。したがって、延長された血清半減期を有する治療薬を開発する必要性が存在する。
(開示の概要)
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミン単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
本開示はまた、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む。
本開示はさらに、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む。
本開示はさらに、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つに示される配列を有する重鎖可変ドメイン内にCDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つに示される配列を有する重鎖可変ドメイン内にCDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。ある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。ある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、及び34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、及び35のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;並びに配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、及び36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、及び34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、及び35のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;並びに配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、及び36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、(1)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(2)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(3)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(4)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(5)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(6)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(7)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(8)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;又は(9)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント:を含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、(1)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(2)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(3)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(4)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(5)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(6)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(7)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(8)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;又は(9)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント:を含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つに示される配列を有する重鎖可変ドメイン内にCDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR1、CDR2、及びCDR3を含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9及び45~53のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。ある実施態様において、sdAb部分は、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、(1)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(2)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(3)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(4)配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(5)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(6)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(7)配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;(8)配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;又は(9)配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント:を含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、(1)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(2)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(3)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(4)配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(5)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(6)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(7)配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;(8)配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;又は(9)配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3;もしくは該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント:を含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つに示される配列を有する重鎖可変ドメイン内にCDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR1、CDR2、CDR3を含む。
本開示は、アルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトを提供し、ここで、該sdAb部分は、配列番号105~115のいずれか1つに示される配列を有する重鎖可変ドメイン内にCDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列をそれぞれ含むCDR1、CDR2、CDR3を含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。ある実施態様において、sdAb部分は、配列番号99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、sdAb部分は、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号105~115のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む。ある実施態様において、sdAb部分は、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、アルブミンは、ヒト血清アルブミン(HSA)、アカゲザル血清アルブミン(RhSA)、カニクイザル血清アルブミン(CySA)、又はマウス血清アルブミン(MuSA)である。ある実施態様において、アルブミンは、ヒト血清アルブミンである。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクトは、約10-6M~約10-10Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。ある実施態様において、コンストラクトは、約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクトは、pH約7で、約10-6M~約10-10Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。ある実施態様において、コンストラクトは、pH約7で、約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクトは、pH約5.5で、約10-6M~約10-10Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。ある実施態様において、コンストラクトは、pH約5.5で、約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、アルブミンに結合するsdAb部分は、ラクダ科動物のものであるか、キメラであるか、ヒトのものであるか、部分的にヒト化されているか、又は完全ヒト化されている。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクトはさらに、第一のポリペプチドに融合した第二のポリペプチドを含む。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのアミノ末端(N末端)に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのカルボキシ末端(C末端)に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のリンカーを介して、第一のポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、第一のリンカーは、切断可能である。ある実施態様において、第一のリンカーは、切断可能ではない。ある実施態様において、コンストラクトはさらに、第一及び/又は第二のポリペプチドに融合した第三のポリペプチドを含む。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のリンカーを介して、第一又は第二のポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、第二のリンカーは、切断可能である。ある実施態様において、第二のリンカーは、切断可能ではない。ある実施態様において、第二の及び/又は第三のポリペプチドは、抗原結合部分を含む。ある実施態様において、抗原結合部分は、腫瘍抗原に結合する。ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリン(「MSLN」)、GPA33、Her-2、EGFR、及びCD20からなる群から選択される。ある実施態様において、腫瘍抗原は、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。ある実施態様において、第二の及び/又は第三のポリペプチドは、サイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカインは、IL-21、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、IL-33、及びIL-22からなる群から選択される。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクトはさらに、シグナル伝達ペプチドを含む。
上記のコンストラクトのいずれか1つによるある実施態様において、コンストラクト中の第二のポリペプチド及び/又は第三のポリペプチドは、抗アルブミンsdAb部分の非存在下における第二のポリペプチド及び/又は第三のポリペプチドの血清半減期よりも少なくとも3倍大きい血清半減期を有する。
本開示は、上記のコンストラクトのいずれか1つを含む医薬組成物を提供する。
本開示は、個体の疾患又は疾病を治療する方法であって、該個体に、上記のコンストラクト又は組成物のいずれか1つの有効量を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、個体は、ヒトである。
(図面の簡単な説明)
図1は、(i)組換えヒトIL-21(rhIL-21)(30ng/mL);(ii)マウスIL-21-抗HSAコンストラクトC1(配列番号99)(60ng/mL);(iii)ヒトIL-21-抗HSAコンストラクトC2(配列番号100)(60ng/mL);又は(iv)rhIL-15 C5(配列番号102)/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC6(配列番号103)組合せ(60ng/mL)の存在下;かつ0.2、2、20、又は200ng/mLの抗メソテリン抗体B1(ここで、抗体B1は、配列番号92のCDR1、配列番号93のCDR2、及び配列番号94のCDR3を含む)の存在下でのN87細胞に対するNK細胞のADCC活性を示している。
図2は、(i)rhIL-21(30ng/mL);(ii)mIL-21-抗HSAコンストラクトC1(60ng/mL);(iii)hIL-21-抗HSAコンストラクトC2(60ng/mL);又は(iv)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC6組合せ(60ng/mL)の存在下;かつ0.2、2、20、又は200ng/mLの抗メソテリン抗体B1の存在下でのH226細胞に対するNK細胞のADCC活性を示している。
図3は、様々な濃度の(i)組換えヒトIL-15(rhIL-15);(ii)mIL-21-抗HSAコンストラクトC1;(iii)hIL-21-抗HSAコンストラクトC2;(iv)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC6組合せ;又は(v)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC7(配列番号104)組合せの存在下;かつ3ng/mLの抗メソテリン抗体B1の存在下でのN87細胞に対するNK細胞のADCC活性を示している。
図4は、様々な濃度の(i)rhIL-15(rhIL-15);(ii)mIL-21-抗HSAコンストラクトC1;(iii)hIL-21-抗HSAコンストラクトC2;(iv)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC6組合せ;又は(v)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC7(配列番号104)組合せの存在下;かつ20ng/mLの抗メソテリン抗体B1の存在下でのH226細胞に対するNK細胞のADCC活性を示している。
図5は、MC38同系マウスモデルにおける抗マウスPD-1抗体の存在下又は非存在下でのmIL-21-抗HSAコンストラクトC1の抗腫瘍活性を示している。
図6は、マウスにおけるhIL-21-抗HSAコンストラクトC2の薬物動態プロファイルを示している。
図7は、hIL-21-抗HSAコンストラクトC3(配列番号149)及びhIL-21-抗HSAコンストラクトC4(配列番号150)の薬物動態プロファイルを示している。
(開示の詳細な説明)
本開示は、疾患又は疾病を治療するための、抗アルブミンsdAbを含む抗アルブミンコンストラクト、その作製方法及び使用に関する。
したがって、本開示の一態様は、抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトを提供する。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、第二のポリペプチドを含む。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、治療剤、例えば、サイトカイン、又は腫瘍抗原に結合する抗原結合部分を含む。
その各々が本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトを含む、組成物(例えば、医薬組成物)、キット、及び製品;これらの作製方法、並びに本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトを用いて、疾患又は疾病(例えば、癌)を治療する方法も提供される。
さらに、その各々が本明細書に記載される二重特異性抗体を含む、組成物、キット、及び製品、並びにこれらの作製方法及び使用が提供される。
(I.定義)
本明細書に示される開示の理解を容易にするために、いくつかの用語が以下で定義される。
通常、本明細書で使用される命名法、並びに本明細書に記載される生化学、生物学、分子生物学、細胞生物学、免疫学、及び薬理学における実験手順は、当技術分野において周知であり、かつ一般に利用されているものである。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、通常、本開示が属する分野の専門家によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
「抗アルブミンコンストラクト」及び「抗アルブミンタンパク質」という用語は、例えば、アルブミンに特異的に結合するポリペプチドに関して、本明細書で互換的に使用される。
「単離された」抗体又はコンストラクトは、その産生環境(例えば、天然又は組換え)の成分から同定、分離、及び/又は回収されたものである。好ましくは、単離された抗体又はコンストラクトは、その産生環境由来の実質的に全ての他の成分と関連していない。その産生環境の夾雑成分、例えば、組換えトランスフェクト細胞から得られるものは、通常、抗体又はコンストラクトの研究、診断、又は治療への使用を妨害する物質であり、これには、酵素、ホルモン、及び他のタンパク質性又は非タンパク質性の溶質が含まれ得る。好ましい実施態様において、抗体又はコンストラクトは:(1)抗体又はコンストラクトの95重量%超まで、ある実施態様において、99重量%超まで;(2)スピニングカップシーケネーターの使用によって、N末端もしくは内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで;又は(3)クマシーブルーもしくは銀染色を用いる非還元もしくは還元条件下でのSDS-PAGEによって均一になるまで精製される。抗体の天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないので、単離された抗体又はコンストラクトには、組換え細胞内のインサイチュの抗体が含まれる。しかしながら、通常、単離された抗体又はコンストラクトは、少なくとも1つの精製工程によって調製される。
全長抗体は、2つの重鎖と2つの軽鎖を含む。軽鎖及び重鎖の可変領域は、抗原結合に関与する。重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、「VH」及び「VL」と呼ばれることがある。両鎖中の可変領域は、通常、相補性決定領域(CDR)(LC-CDR1、LC-CDR2、及びLC-CDR3を含む軽鎖(LC)CDR、並びにHC-CDR1、HC-CDR2、及びHC-CDR3を含む重鎖(HC)CDR)と呼ばれる可変性の高い3つのループを含有する。本明細書に開示される抗体及び抗原結合断片のCDR境界は、Kabat、Chothia、又はAl-Lazikani(Al-Lazikaniの文献 1997; Chothiaの文献 1985; Chothiaの文献 1987; Chothiaの文献 1989; Kabatの文献 1987; Kabatの文献 1991)の慣習によって定義又は同定され得る。重鎖又は軽鎖の3つのCDRは、CDRよりも高度に保存されており、かつ超可変ループを支持するための足場を形成する、フレームワーク領域(FR)として知られる隣接するストレッチ間に挿入される。重鎖及び軽鎖の定常領域は、抗原結合に関与しないが、様々なエフェクター機能を示す。抗体は、その重鎖の定常領域のアミノ酸配列に基づいてクラスに割り当てられる。抗体の5つの主要なクラス又はアイソタイプは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμ重鎖の存在によって特徴付けられる、IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMである。主要な抗体クラスのいくつかは、IgG1(γ1重鎖)、IgG2(γ2重鎖)、IgG3(γ3重鎖)、IgG4(γ4重鎖)、IgA1(α1重鎖)、又はIgA2(α2重鎖)などのサブクラスに分割される。
「全長抗体」、「無傷抗体」、又は「全抗体」という用語は、抗体断片とは対照的に、その実質的に無傷の形態の抗体を指すために互換的に使用される。具体的に、全長4鎖抗体は、Fc領域を含む重鎖及び軽鎖を有する抗体を含む。全長の重鎖のみ抗体は、重鎖可変ドメイン(例えば、VHH)及びFc領域を含む。定常ドメインは、天然配列定常ドメイン(例えば、ヒト天然配列定常ドメイン)又はそのアミノ酸配列バリアントであり得る。場合によっては、無傷抗体は、1以上のエフェクター機能を有し得る。
抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖及び軽鎖の可変ドメインは、それぞれ、「VH」及び「VL」と呼ばれることがある。これらのドメインは、通常、(同じクラスの他の抗体と比べて)抗体の最も変化する部分であり、抗原結合部位を含有する。ラクダ科動物種由来の重鎖のみ抗体は、「VHH」と呼ばれる単一の重鎖可変領域を有する。したがって、VHHは、特殊なタイプのVHである。
本明細書で使用される「抗原結合断片」という用語は、例えば、ダイアボディ、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv断片、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)、(dsFv)2、二重特異性dsFv(dsFv-dsFv')、ジスルフィド安定化ダイアボディ(dsダイアボディ)、単鎖Fv(scFv)、scFv二量体(二価ダイアボディ)、1以上のCDRを含む抗体の部分から形成された多重特異性抗体、ラクダ化単一ドメイン抗体、ナノボディ、ドメイン抗体、二価ドメイン抗体、又は抗原に結合するが、完全な抗体構造を含まない任意の他の抗体断片を含む、抗体断片を指す。抗原結合断片は、親抗体又は親抗体断片(例えば、親scFv)が結合する同じ抗原に結合することができる。ある実施態様において、抗原結合断片は、1以上の異なるヒト抗体由来のフレームワーク領域に移植された特定のヒト抗体由来の1以上のCDRを含む。
「Fv」という用語は、完全な抗原認識部位及び抗原結合部位を含有する最小抗体断片である。この断片は、緊密に非共有結合で会合した1つの重鎖可変領域ドメインと1つの軽鎖可変領域ドメインの二量体からなる。これら2つのドメインのフォールディングから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与し、かつ抗原結合特異性を抗体に付与する6つの超可変ループ(各々、重鎖及び軽鎖由来の3つのループ)が出現する。しかしながら、単一の可変ドメイン(又は抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)でさえ、結合部位全体よりも低い親和性であるが、抗原を認識し、それに結合する能力を有する。
「単鎖Fv」、「sFv」、又は「scFv」という用語は、単一のポリペプチド鎖に接続されたVH及びVL抗体ドメインを含む抗体断片を指す。ある実施態様において、scFvポリペプチドは、scFvが抗原結合のための所望の構造を形成することを可能にするVHドメインとVLドメインの間のポリペプチドリンカーをさらに含む。モノクローナル抗体の薬理学(The Pharmacology of Monoclonal Antibodies)、第113巻、Rosenburg及びMoore(編)、Springer-Verlag, New York, pp. 269-315(1994)所収のPluckthunの文献を参照されたい。
「重鎖のみ抗体」又は「HCAb」という用語は、重鎖を含むが、4鎖抗体に通常見られる軽鎖を欠く機能性抗体を指す。ラクダ科動物(例えば、ラクダ、ラマ、又はアルパカ)は、HCAbを産生することが知られている。
「単一ドメイン抗体(single-domain antibody)」、「単一ドメイン抗体(single domain antibody)」、又は「sdAb」という用語は、3つの相補性決定領域(CDR)を有する単一の抗原結合ポリペプチドを指す。sdAb単独で、対応するCDR含有ポリペプチドと対をなすことなく、抗原に結合することができる。場合によっては、単一ドメイン抗体は、ラクダ科動物HCAbから人工的に作製され、その重鎖可変ドメインは、本明細書において、「VHH」(重鎖抗体の重鎖の可変ドメイン)と呼ばれる。ラクダ科動物sdAbは、最小の既知の抗原結合抗体断片の1つである(例えば、Hamers-Castermanの文献、Nature 363:446-448(1993); Greenbergの文献、Nature 374:168-173(1995); Hassanzadeh-Ghassabehの文献、Nanomedicine(Lond.) 8:1013-1026(2013)を参照されたい。基本的なVHHは、N末端からC末端にかけて、以下の構造:FR1-CDR1-FR2-CDR2-FR3-CDR3-FR4を有し、ここで、FR1~FR4は、それぞれ、フレームワーク領域1~4を指し、CDR1~CDR3は、それぞれ、相補性決定領域1~3を指す。
「超可変領域」、「HVR」、又は「HV」という用語は、配列が超可変であり、かつ/又は構造的に定義されたループを形成する、抗体可変ドメインの領域を指す。通常、単一ドメイン抗体は、3つのHVR(又はCDR): HVR1(又はCDR1)、HVR2(又はCDR2)、及びHVR3(又はCDR3)を含む。HVR3(又はCDR3)は、3つのHVRのうち最大の多様性を示し、抗体に細かい特異性を付与するのに特有の役割を果たすと考えられる。例えば、Hamers-Castermanの文献、Nature 363:446-448(1993); Sheriffの文献、Nature Struct. Biol. 3:733-736(1996)を参照されたい。
「CDR」又は「相補性決定領域」という用語は、重鎖と軽鎖の両方のポリペプチドの可変領域内に見出される非隣接抗原結合部位を意味することが意図される。これらの特定の領域は、Kabatの文献、J. Biol. Chem. 252:6609-6616(1977); Kabatの文献、U.S. Dept. of Health and ヒトServices、「免疫学的に興味のあるタンパク質の配列(Sequences of proteins of immunological interest)」(1991); Chothiaの文献、J. Mol. Biol. 196:901-917(1987); Al-Lazikani B.の文献、J. Mol. Biol. 273:927-948(1997); MacCallumの文献、J. Mol. Biol. 262:732-745(1996); Abhinandan及びMartinの文献、Mol. Immunol. 45:3832-3839(2008); Lefrancの文献、Dev. Comp. Immunol. 27:55-77(2003);並びにHonegger及びPluckthunの文献、J. Mol. Biol. 309:657-670(2001)によって記載されており;ここで、これらの定義は、互いに比較した場合、アミノ酸残基の重複又はサブセットを含む。とは言え、抗体又は移植された抗体又はこれらのバリアントのCDRを指すためのいずれかの定義の適用は、本明細書で定義及び使用される用語の範囲内にあることが意図される。上に引用されている参考文献の各々によって定義されるCDRを包含するアミノ酸残基が下記の表1に比較として記載されている。CDR予測アルゴリズム及びインターフェースは、当技術分野で公知であり、例えば、Abhinandan及びMartinの文献、Mol. Immunol. 45: 3832-3839(2008); Ehrenmannの文献、Nucleic Acids Res. 38:D301-D307(2010);並びにAdolf-Bryfogleの文献、Nucleic Acids Res. 43:D432-D438(2015)がある。
表1. CDRの定義
Figure 2022520998000002
1残基付番は、Kabatの文献(上記)の命名法に従う。
2残基付番は、Chothiaの文献(上記)の命名法に従う。
3残基付番は、MacCallumの文献(上記)の命名法に従う。
4残基付番は、Lefrancの文献(上記)の命名法に従う。
5残基付番は、Honegger及びPluckthun(上記)の命名法に従う。
「Kabatと同様の可変ドメイン残基の付番」又は「Kabatと同様のアミノ酸位置の付番」という表現及びその変化形は、Kabatらの文献(上記)おける抗体の編集物の重鎖可変ドメイン又は軽鎖可変ドメインに使用される付番体系を指す。この付番体系を用いて、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのFRもしくはHVRの短縮又はFRもしくはHVRへの挿入に対応するより少ない又は追加のアミノ酸を含有し得る。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後ろの単一のアミノ酸挿入(Kabatによる残基52a)及び重鎖FR残基82の後ろの挿入された残基(例えば、Kabatによる残基82a、82b、及び82cなど)を含み得る。残基のKabat付番は、抗体の配列と「標準的な」Kabat付番配列との相同な領域でのアライメントにより、所定の抗体について決定され得る。
本明細書で別途示されない限り、免疫グロブリン重鎖中の残基の付番は、Kabatらの文献(上記)と同様のEU指数の付番である。「Kabatと同様のEU指数」は、ヒトIgG1 EU抗体の残基の付番を指す。
「フレームワーク」又は「FR」残基は、本明細書で定義されるCDR残基以外の可変ドメイン残基である。
「ヒト化」形態の非ヒト(例えば、齧歯類)抗体は、その各々が非ヒト抗体に由来する最小限の配列を含有するキメラ抗体である。大部分について、ヒト化抗体は、レシピエントの超可変領域(HVR)由来の残基が、所望の抗体特異性及び親和性を有するマウス、ラット、ウサギ、又は非ヒト霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)の超可変領域由来の残基によって置換されているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。ある実施態様において、ヒト免疫グロブリンの特定のフレームワーク領域(FR)残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。ある実施態様において、ヒト化抗体は、レシピエント抗体にもドナー抗体にも見られない残基を含むことができる。ある実施態様において、ヒト化抗体は、少なくとも1つ(例えば、2つ)の可変ドメインの実質的に全てを含み、その各々において、全ての又は実質的に全ての超可変ループが非ヒト免疫グロブリンのものに対応し、FRの全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のものである。ある実施態様において、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、例えば、ヒト免疫グロブリンFcをさらに含む。Jonesの文献、Nature 321:522-525(1986); Riechmannの文献、Nature 332:323-329(1988); Prestaの文献、Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596(1992)を参照されたい。
「パーセント(%)アミノ酸配列同一性」という用語は、比較されている抗体又はコンストラクト中のアミノ酸残基と同一である候補抗体又はコンストラクト中のアミノ酸残基の割合を指す。ある実施態様において、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムMUSCLEを用いて決定される。Edgarの文献、Nucleic Acids Res. 32:1792-1797(2004); Edgarの文献、BMC Bioinformatics 5:113(2004)。
「定常ドメイン」という用語は、抗原結合部位を含有する免疫グロブリンの他の部分である可変ドメインと比べてより保存されたアミノ酸配列を有する免疫グロブリン分子の部分を指す。定常ドメインは、重鎖のCH1、CH2、及びCH3ドメイン(まとめて、CH)、並びに軽鎖のCLドメインを含有する。
任意の哺乳動物種由来の抗体(免疫グロブリン)の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つの異なるタイプ:カッパ(「κ」)及びラムダ(「λ」)のうちの1つに割り当てられる。
「H1」ドメインの「C1」とも呼ばれる、ヒトIgG Fc領域のCH1ドメインは、EU付番体系に基づいて、通常、約アミノ酸118から約アミノ酸215に及ぶ。
「ヒンジ領域」という用語は、EU付番体系に基づいて、ヒトIgG1のGlu216~Pro230に対応するIgG中の領域を指す。Burton, Molec. Immunol. 22:161-206(1985)。
「H2」ドメインの「C2」とも呼ばれる、ヒトIgG Fc領域のCH2ドメインは、EU付番体系に基づいて、通常、約アミノ酸231から約アミノ酸340に及ぶ。
「C3」又は「H3」ドメインとも呼ばれる、ヒトIgG Fc領域のCH3ドメインは、C末端とFc領域中のCH2ドメイン、すなわち、EU付番体系に基づいて、約アミノ酸341から抗体配列のC末端、典型的には、IgGのアミノ酸446又は447までの残基を含む。
「Fc領域」又は「断片結晶化可能領域」という用語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を指す。ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、EU付番体系に基づいて、Cys226又はPro230からC末端に及ぶ。ある実施態様において、Fc領域のC末端リジンは除去される。本明細書に記載される抗体又はコンストラクトにおける使用のために好適な天然配列Fc領域としては、ヒトIgG1、IgG2、IgG2A、IgG2B、IgG3、及びIgG4のFc領域が挙げられる。
「Fc受容体」又は「FcR」という用語は、抗体のFc領域に結合する受容体を指す。ある実施態様において、FcRは、ヒトFcRである。ある実施態様において、FcRは、天然ヒトFcRである。ある実施態様において、FcRは、IgG抗体(例えば、ガンマ受容体)に結合するものである。Ravetch及びKinetの文献、Annu. Rev. Immunol. 9:457-492(1991); Capelの文献、Immunomethods 4:25-34(1994); de Haasの文献、J. Lab. Clin. Med. 126:330-341(1995)。ある実施態様において、FcRは、FcγRI受容体、FcγRIIA受容体(「活性化受容体」)、FcγRIIB受容体(「阻害受容体」)、FcγRII受容体、もしくはFcγRIII受容体;又はこれらのアレルバリアントもしくは選択的スプライシング形態である。活性化受容体FcγRIIAは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフ(ITAM)を含有する。阻害受容体FcγRIIBは、その細胞質ドメインに免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフ(ITIM)を含有する。Daeronの文献、Annu. Rev. Immunol. 15:203-234(1997)を参照されたい。
本明細書で使用される場合、第一の抗体又はその断片は、該第一の抗体又はその断片が、等モル濃度の該第一の抗体又はその断片の存在下で、第二の抗体又はその断片の標的抗原結合を、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%阻害するとき、標的抗原への結合を第二の抗体又はその断片と「競合する」、又はその逆もまた同じである。その交差競合に基づいて、抗体を「ビニングする」ハイスループットプロセスは、WO 03/48731号に記載されている。
本明細書で使用される場合、「サイトカイン」という用語は、哺乳動物において、予め選択された細胞型、例えば、癌細胞又はウイルス感染細胞に対する細胞破壊性免疫応答を刺激又は誘導することができる任意のタンパク質又はペプチド、その類似体又は機能性断片を意味することが理解される。したがって、種々のサイトカインが本開示に組み込まれ得ることが想定される。有用なサイトカインとしては、例えば、そのような細胞破壊性免疫応答を刺激又は誘導することができる、腫瘍壊死因子(TNF)、インターロイキン(IL)、リンホカイン(L)、コロニー刺激因子(CSF)、種バリアントを含むインターフェロン(IFN)、及びこれらの切断型類似体が挙げられる。有用な腫瘍壊死因子としては、例えば、TNFαが挙げられる。有用なリンホカインとしては、例えば、LTが挙げられる。有用なコロニー刺激因子としては、例えば、GM-CSF及びM-CSFが挙げられる。有用なインターロイキンとしては、例えば、IL-2、IL-4、IL-5、IL-7、IL-12、IL-15、IL-18、IL-21、IL22、及びIL-33が挙げられる。有用なインターフェロンとしては、例えば、IFN-α、IFN-β、及びIFN-γが挙げられる。「サイトカイン」という用語は、修飾を含み、かつその所望の機能のいずれかの少なくともかなりの部分(例えば、少なくとも約50%)を維持する野生型サイトカイン(例えば、IL-21、IL-7、及びIL-15)の任意のバリアントを包含することも理解される。
「対象」という用語は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含む、動物を指す。「対象」、「個体」、及び「患者」という用語は、例えば、哺乳動物対象、例えば、ヒトに関して、本明細書で互換的に使用されている。一実施態様において、対象は、ヒトである。
「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、障害、疾患、もしくは疾病、又は該障害、疾患、もしくは疾病と関連する症状の1つもしくは複数を軽減もしくは無効化すること;或いは障害、疾患、又は疾病それ自体の原因を軽減又は根絶することを含むことが意図される。
「予防する」、「予防すること」、及び「予防」という用語は、障害、疾患、もしくは疾病、及び/又はその付随症状の開始を遅延させ、及び/又は不可能にするか;対象が障害、疾患、又は疾病を獲得するのを阻止するか;或いは障害、疾患、又は疾病を獲得する対象のリスクを低下させることを含むことが意図される。
「軽減する」及び「軽減すること(alleviating)」という用語は、障害、疾患、又は疾病の1以上の症状(例えば、疼痛)を緩和すること又は軽減すること(reducing)を指す。これらの用語は、活性成分と関連する有害作用を軽減すること(reducing)を指すこともできる。時として、対象が予防剤又は治療剤から得る有益作用が、障害、疾患、又は疾病の治癒をもたらさないこともある。
「接触させること」又は「接触」という用語は、そのような接触の結果として、生理的及び/又は化学的効果が起こるように、治療剤と細胞又は組織を一緒にすることを指すことが意図される。接触させることは、インビトロ、エクスビボ、又はインビボで起こることができる。一実施態様において、治療剤を、細胞培養下(インビトロ)の細胞と接触させて、細胞に対する治療剤の効果を決定する。別の実施態様において、治療剤を細胞又は組織と接触させることは、接触させるべき細胞又は組織を有する対象への治療剤の投与を含む。
「治療有効量」又は「有効量」という用語は、投与されたときに、治療されている障害、疾患、もしくは疾病の発症を予防するか、又は該障害、疾患、もしくは疾病の症状の1つもしくは複数をある程度軽減するのに十分である化合物の量を含むことが意図される。「治療有効量」又は「有効量」という用語は、研究者、獣医、医師、又は臨床医によって求められている、生体分子(例えば、タンパク質、酵素、RNA、もしくはDNA)、細胞、組織、システム、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発するのに十分である化合物の量も指すことが意図される。
「IC50」又は「EC50」という用語は、そのような応答を測定するアッセイにおける最大応答の50%阻害に必要とされる化合物の量、濃度、又は投薬量を指す。
「医薬として許容し得る担体」、「医薬として許容し得る賦形剤」、「生理的に許容し得る担体」、又は「生理的に許容し得る賦形剤」という用語は、液体又は固体の充填剤、希釈剤、溶媒、又は封入材料などの、医薬として許容し得る材料、組成物、又はビヒクルを指す。一実施態様において、各々の成分は、医薬製剤の他の成分と適合性があり、かつ過度の毒性、刺激、アレルギー応答、免疫原性、又は他の問題もしくは合併症を伴わずに、対象(例えば、ヒト又は動物)の組織又は器官と接触させて使用するのに好適であり、妥当な利益/リスク比に見合うものであるという意味において「医薬として許容し得る」。例えば、レミントン:調剤の科学及び実践(Remington: The Science and Practice of Pharmacy)、第22版; Allen編; Pharmaceutical Press: London, 2012;医薬賦形剤のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Excipients)、第8版; Sheskey編; Pharmaceutical Press: London, 2017;医薬添加物のハンドブック(Handbook of Pharmaceutical Additives)、第3版; Ash及びAsh編; Synapse Information Resources: 2007;医薬予備製剤及び製剤(Pharmaceutical Preformulation and Formulation)、第2版; Gibson編; Drugs and the Pharmaceutical Sciences 199; Informa Healthcare: New York, NY, 2009を参照されたい。
「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、当業者により決定される特定の値についての許容し得る誤差を意味し、これは、その値が測定又は決定される方法にある程度左右される。ある実施態様において、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、1、2、又は3標準偏差以内を意味する。ある実施態様において、「約(about)」又は「約(approximately)」という用語は、所与の値又は範囲の25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
癌との関連において、「治療すること」という用語は、癌細胞の増殖を阻害すること、癌細胞の複製を阻害すること、全体的な腫瘍負荷を減少させること、及び疾患と関連する1以上の症状を改善すること:のいずれか又は全てを含む。
(II.抗アルブミンコンストラクト)
一実施態様において、アルブミンに特異的に結合する単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
別の実施態様において、アルブミンに特異的に結合するsdAb部分を含む単離された抗アルブミンコンストラクトが提供される。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、約10-6M~約10-10M又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、約10-5M~約10-6M、約10-6M~約10-7M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9M~約10-10M、約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-6M~約10-10M、約10-6M~約10-12M、約10-6M~約10-8M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M、約10-5M~約10-11M、約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-5M~約10-10M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M、約10-5M~約10-9M、約10-7M~約10-9M、約10-5M~約10-8M、又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、pH約7で、約10-6M~約10-10M又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、pH約7で、約10-5M~約10-6M、約10-6M~約10-7M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9 M~約10-10M、約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-6M~約10-10M、約10-6M~約10-12M、約10-6M~約10-8M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M、約10-5M~約10-11M、約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-5M~約10-10M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M~約10-5M~約10-9M、約10-7M~約10-9M、約10-5M~約10-8M、又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、pH約5.5で、約10-6M~約10-10M又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、pH約5.5で、約10-5M~約10-6M、約10-6M~約10-7M、約10-7M~約10-8M、約10-8M~約10-9M、約10-9M~約10-10M、約10-10M~約10-11M、約10-11M~約10-12M、約10-6M~約10-10M、約10-6M~約10-12M、約10-6M~約10-8M、約10-8M~約10-12M、約10-9M~約10-12M、約10-10M~約10-12M、約10-5M~約10-11M、約10-7M~約10-11M、約10-8M~約10-11M、約10-9M~約10-11M、約10-5M~約10-10M、約10-7M~約10-10M、約10-8M~約10-10M~約10-5M~約10-9M、約10-7M~約10-9M、約10-5M~約10-8M、又は約10-6M~約10-8Mの範囲のKDで、アルブミンに結合する。
アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKDは、限定されないが、ELISA、放射性リガンド結合アッセイ(RIA)、表面プラズモン共鳴(SPR)技法、親和性クロマトグラフィー、蛍光エネルギー共鳴移動(FRET)、及び等温滴定カロリメトリー(ITC)を含む、当技術分野で公知の方法によって決定することができる。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKonは、約102~約104M-1s-1、約104~約106M-1s-1、約106~約107M-1s-1、約102~約107M-1s-1、約103~約107M-1s-1、約104~約107M-1s-1、約105~約107M-1s-1、約103~約106M-1s-1、又は約104~約106M-1s-1の範囲である。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKoffは、約1~約10-2s-1、約10-2~約10-4s-1、約10-4~約10-5s-1、約10-5~約10-6s-1、約1~約10-6s-1、約10-2~約10-6s-1、約10-3~約10-6s-1、約10-4~約10-6s-1、約10-2~約10-5s-1、又は約10-3~約10-5s-1の範囲である。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKonは、pH約7で、約102~約104M-1s-1、約104~約106M-1s-1、約106~約107M-1s-1、約102~約107M-1s-1、約103~約107M-1s-1、約104~約107M-1s-1、約105~約107M-1s-1、約103~約106M-1s-1、又は約104~約106M-1s-1の範囲である。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKoffは、pH約7で、1~約10-2s-1、約10-2~約10-4s-1、約10-4~約10-5s-1、約10-5~約10-6s-1、約1~約10-6s-1、約10-2~約10-6s-1、約10-3~約10-6s-1、約10-4~約10-6s-1、約10-2~約10-5s-1、又は約10-3~約10-5s-1の範囲である。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKonは、pH約5.5で、約102~約104M-1s-1、約104~約106M-1s-1、約106~約107M-1s-1、約102~約107M-1s-1、約103~約107M-1s-1、約104~約107M-1s-1、約105~約107M-1s-1、約103~約106M-1s-1、又は約104~約106M-1s-1の範囲である。
ある実施態様において、アルブミンに結合する本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのKoffは、pH約5.5で、1~約10-2s-1、約10-2~約10-4s-1、約10-4~約10-5s-1、約10-5~約10-6s-1、約1~約10-6s-1、約10-2~約10-6s-1、約10-3~約10-6s-1、約10-4~約10-6s-1、約10-2~約10-5s-1、又は約10-3~約10-5s-1の範囲である。
また別の実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンsdAbコンストラクトのいずれか1つと競合的にアルブミンに結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。ある実施態様において、競合的結合は、ELISAアッセイを用いて決定される。
一実施態様において、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
別の実施態様において、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、又は138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、又は139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号: 12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、又は140のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、又は34のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、又は35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、又は36のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
また別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
また別の実施態様において、配列番号116、118、121、124、129、132、135、又は138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、又は139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号: 117、120、123、126、128、131、134、137、又は140のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAbコンストラクトと競合的にアルブミンに特異的に結合する抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトが提供される。
(A.抗アルブミン単一ドメイン抗体部分)
sdAbは、軽鎖の助けがなくても抗原に対する高い親和性を示すことができる、重鎖可変ドメイン(VHH)などの、単一の単量体抗体可変ドメインを有することにより、従来の4鎖抗体と異なる。ラクダ科動物VHHは、約15kDaの分子量を有する最小の機能性抗原結合断片として知られる。
一実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、又は3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、又は138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、又は139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、又は140のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、及び34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、及び35のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;並びに配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、及び36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、及び34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、及び35のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;並びに配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、及び36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、及び34のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、及び35のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;並びに配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、及び36のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号122もしくは127のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号123もしくは128のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122もしくは127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号123もしくは128のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号122もしくは127のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号123もしくは128のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。ある実施態様において、アミノ酸置換は、CDR1及び/又はCDR2中にある。
また別の実施態様において、配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
別の実施態様において、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9、45~53、及び105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号1~9及び45~53のいずれか1つと少なくとも約80%(例えば、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%)の配列同一性を有するそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つ(例えば、1つ、2つ、もしくは3つ)のアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、CDR、例えば、配列番号1~9及び45~53のCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3中にアミノ酸置換を含む。
別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含み、アミノ酸置換は、FR、例えば、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのFR1及び/又はFR2及び/又はFR3及び/又はFR4中にある。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、CDRとFRの両方にアミノ酸置換を含む。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメインを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号1~9及び45~53のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は配列番号105~115のいずれか1つと少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%の配列同一性を有するそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
また別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン、又は該VHHドメイン中に最大約3つ、一実施態様において、1つ、2つ、もしくは3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
一実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、CDR、例えば、配列番号105~115のいずれか1つのCDR1及び/又はCDR2及び/又はCDR3中にアミノ酸置換を含む。
別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、配列番号105~115のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含み、アミノ酸置換は、FR、例えば、配列番号105~115のいずれか1つのFR1及び/又はFR2及び/又はFR3及び/又はFR4中にある。
また別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメイン又はそのバリアントを含む抗アルブミンsdAb部分は、CDRとFRの両方にアミノ酸置換を含む。
また別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのアミノ酸配列を含むVHHドメインを含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
さらに別の実施態様において、配列番号105~115のいずれか1つのCDR1、CDR2、及びCDR3を含む抗アルブミンsdAb部分が提供される。
ある実施態様において、抗アルブミンsdAb部分は、ラクダ科動物のものであるか、キメラであるか、ヒトのものであるか、部分的にヒト化されているか、又は完全にヒト化されている。
(単一ドメイン抗体)
一実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、抗アルブミンsdAbである。
例示的なsdAbとしては、重鎖のみ抗体(例えば、ラクダ科のVHH(重鎖抗体の重鎖の可変ドメイン)又は軟骨魚類のVNAR(サメの新規抗原受容体の可変ドメイン))由来の重鎖可変ドメイン、従来の4鎖抗体に由来する単一ドメイン(例えば、VH又はVL)、ヒト化重鎖のみ抗体、及びヒト重鎖セグメントを発現するトランスジェニックマウス又はラットによって産生されるヒト単一ドメイン抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、マウス、ラット、ヒト、ラクダ、ラマ、ヤツメウナギ、魚、サメ、ヤギ、ウサギ、又はウシに由来する。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、重鎖のみ抗体又は「HCAb」としても知られる、軽鎖を欠く重鎖抗体として知られる天然の単一ドメイン抗原結合分子に由来する。例えば、WO 94/04678号及びHamers-Castermanの文献、Nature 363:446-448(1993)を参照されたい。明確にするために、天然に軽鎖を欠く重鎖分子に由来する可変ドメインは、それを4鎖免疫グロブリンの従来のVHと区別するために、本明細書においては、VHHとして知られる。ある実施態様において、VHHは、ラクダ科種、例えば、ラクダ、ラマ、ビクーニャ、ヒトコブラクダ、アルパカ、又はグアナコで惹起された抗体に由来する。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、軟骨魚類に見られる免疫グロブリンの可変領域に由来する。ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、サメの血清中に見出される新規抗原受容体(NAR)として知られる免疫グロブリンアイソタイプに由来する。NARの可変領域に由来する単一ドメイン抗体(「IgNAR」)を産生する方法は、WO 03/014161号及びStreltsovの文献、Protein Sci. 14:2901-2909(2005)に記載されている。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、組換え体であるか、CDR移植されたものであるか、ヒト化されたものであるか、ラクダ化されたものであるか、脱免疫されたものであるか、又はインビトロで作製されたもの(例えば、ファージディスプレイによって選択されたもの)である。ある実施態様において、sdAbのフレームワーク領域のアミノ酸配列は、フレームワーク領域中の特定のアミノ酸残基の「ラクダ化」によって改変される。ラクダ化は、重鎖抗体のVHHドメイン中の対応する位置に生じる1以上のアミノ酸残基による従来の4鎖抗体由来の(天然の)VHドメインのアミノ酸配列中の1以上のアミノ酸残基の交換又は置換を指す。そのような「ラクダ化」置換は、好ましくは、VH-VL境界及び/又は本明細書で定義される、所謂、ラクダ科ホールマーク残基を形成し、及び/又は該残基に存在するアミノ酸位置に挿入される。例えば、WO 94/04678号、Davies及びRiechmannの文献、FEBS Lett. 339:285-290(1994); Davies及びRiechmannの文献、Protein Engin. 9:531-537(1996); Riechmannの文献、J. Mol. Biol. 259:957-969(1996);並びにRiechmann及びMuyldermansの文献、J. Immunol. Methods 231:25-38(1999)を参照されたい。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、ヒト重鎖セグメントを発現するトランスジェニックマウス又はラットによって産生されるヒトsdAbである。例えば、US 2009/0307787A1号、US 2015/0289489A1号、U S2010/0122358A1号、US 8,754,287号、及びWO 2004/049794号を参照されたい。ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、親和性成熟させたものである。
ある実施態様において、特定の抗原又は標的に対する天然のVHHドメインを含む本明細書に記載されるsdAbは、ラクダ科VHH配列のナイーブ又は免疫ライブラリーから得られる。例えば、WO 99/37681号、WO 01/90190号、WO 03/025020号、及びWO 03/035694号を参照されたい。ある実施態様において、ナイーブ又は免疫VHHライブラリーに由来する改善された合成又は半合成ライブラリー、例えば、ランダム突然変異誘発及び/又はCDRシャッフリングなどの手法によってナイーブ又は免疫VHHライブラリーから得られるVHHライブラリーが使用される。例えば、WO 00/43507号を参照されたい。
ある実施態様において、本明細書に記載されるsdAbは、従来の4鎖抗体から作製される。例えば、EP 0 368 684号; WO 06/030220号; WO 06/003388号; Wardの文献、Nature 341:544-546(1989);及びHoltの文献、Trends Biotechnol. 21:484-490(2003)を参照されたい。
sdAbの独特の性質のため、VHHドメインを単一の抗原結合タンパク質又はドメインとして(すなわち、より大きなタンパク質、ポリペプチド、又はコンストラクトの一部として)用いることにより、従来のVH及びVL、scFv、並びに従来の抗体断片(例えば、Fab又は(Fab')2)に優るいくつかの重要な利点が提供される: 1)単一のドメインのみが高い親和性で抗原に結合するために必要であり、第二のドメインを有する必要及びこれら2つのドメインが正しい空間立体構造及び立体配置で存在することを確かめる必要がなくなる(例えば、フォールディングの間に重鎖と軽鎖を対にする必要もないし、scFv用のリンカーなどの特別に設計されたリンカーを使用する必要もない); 2)VHHドメイン又はsdAbは、単一の遺伝子から発現されることができ、翻訳後フォールディング又は修飾の必要がなくなる; 3)VHHドメイン又はsdAbは、多価及び/又は多重特異性フォーマット(例えば、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクト)に容易に改変することができる; 4)VHHドメイン又はsdAbは、高度に可溶性であり、そのため、その凝集する傾向が低下する(例えば、Wardの文献、Nature 341:544-546(1989)に記載されているマウス由来「dAb」と比較した場合); 5)VHHドメイン又はsdAbは、熱、pH、又はプロテアーゼに対して極めて安定である; 6)VHHドメイン又はsdAbは、例えば、微生物発酵を用いる大きい規模でも調製又は産生するのが容易でかつ比較的安価であり、(例えば、従来の抗体断片の産生によって要求されるような)哺乳動物発現系を使用する必要がなくなる; 7)VHHドメイン又はsdAbは、従来の4鎖抗体及びその抗原結合断片と比較して比較的小さく(約15kDa又は従来のIgGよりも10倍小さい)、したがって、例えば、固形腫瘍及び密集組織に対する高い(より高い)組織浸透能力を有する;及び8)VHHドメイン又はsdAbは、いわゆる、「空洞結合特性」(従来のVHドメインと比較して、その伸張したCDR3ループのため)を示すことができ、それゆえ、従来の4鎖抗体又はその抗原結合断片にとって接近しにくい標的又はエピトープに接近することができる。例えば、VHHドメイン又はsdAbが酵素を阻害することができることが示されている。例えば、WO 1997/049805号; Transueの文献、Proteins 32:515-522(1998); Lauwereysの文献、EMBO J. 17:3512-3520(1998)を参照されたい。
(アルブミン)
アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン又はHSA)は、生物学的製剤の血清半減期を延長させるために使用されている。例えば、Dennisの文献、J. Biol. Chem. 277:35035-35043(2002); Adamsの文献、MABS 8:1336-1346(2016)を参照されたい。例えば、HSAが利用されている。HSAは、血液中に最も多く存在するタンパク質であり、組織に広く分布し、かつ非急性機能を有する。これは、19日の半減期を有する。それゆえ、一実施態様において、アルブミン(例えば、HSA)は、薬物(例えば、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクト)の半減期を増大させるために、本明細書で使用される。
ある実施態様において、アルブミンは、HSA、アカゲザル血清アルブミン(RhSA)、カニクイザル血清アルブミン(CySA)、及びマウス血清アルブミン(MuSA)からなる群から選択される。ある実施態様において、アルブミンは、HSAである。
HSAのいくつかのアイソフォームが下の表2に掲載されている。UniProtKB - P02768(ALBU_HUMAN)を参照されたい。ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、配列番号54、55、56、又は57に結合する。
表2.ヒトセリンアルブミンのアイソフォーム
Figure 2022520998000003
ある実施態様において、HSAは、配列番号54、55、56、又は57のアミノ酸配列と少なくとも90%同一である。ある実施態様において、HSAは、配列番号54、55、56、又は57のアミノ酸配列と少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、又は少なくとも約99%同一である。ある実施態様において、HSAは、配列番号54、55、56、又は57との10個以下のアミノ酸の違いを有する。ある実施態様において、HSAは、配列番号54、55、56、又は57との5個、4個、3個、2個、又は1個以下のアミノ酸の違いを有する。ある実施態様において、HSAは、例えば、保存された突然変異又は非保存領域中の突然変異を有することにより、配列番号54、55、56、又は57と異なり、配列番号54、55、56、又は57のHSAと実質的に同じ生物学的機能を有する。
ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、上記のアルブミンのいずれか1つに結合する。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、配列番号54、55、56、又は57のアルブミンに結合する。
(キメラ又はヒト化抗体)
ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンsdAb部分は、キメラ抗体である。ある種のキメラ抗体は、例えば、US 4,816,567号;及びMorrisonの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 81:6851-6855(1984)に記載されている。一実施態様において、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、ラクダ科動物種、例えば、ラマに由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。別の実施態様において、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスがその親抗体のクラス又はサブクラスから変化した「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。
ある実施態様において、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低下させるためにヒト化されるが、親非ヒト抗体の特異性及び親和性を保持している。通常、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(又はその部分)が非ヒト抗体に由来し、かつFR(又はその部分)がヒト抗体配列に由来する1以上の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。ある実施態様において、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を回復し又は向上させるために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基と置換される。
ヒト化抗体及びそれを作製する方法は、例えば、Almagro及びFranssonの文献、Front. Biosci. 13:1619-1633(2008)で概説されている。ヒト化に使用することができるヒトフレームワーク領域としては、「最良適合」法を用いて選択されるフレームワーク領域;軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域;ヒト成熟(体細胞突然変異)フレームワーク領域又はヒト生殖系列フレームワーク領域;及びスクリーニングFRライブラリーに由来するフレームワーク領域が挙げられるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、抗アルブミンsdAbは、抗原に対するドメインの天然の親和性を減少させることなく、一方、非相同種に関して、その免疫原性を低下させながら、修飾、例えば、ヒト化される。例えば、ラマ抗体の抗体可変ドメイン(VHH)のアミノ酸残基を決定することができ、例えば、フレームワーク領域中のラクダ科動物アミノ酸のうちの1つ又は複数は、そのポリペプチドがその典型的な特徴を失うことなく、ヒトコンセンサス配列中に見られるそのヒト対応物に置き換えられる、すなわち、ヒト化は、得られるポリペプチドの抗原結合能力に顕著な影響を及ぼさない。ラクダ科動物単一ドメイン抗体のヒト化は、単一のポリペプチド鎖への限られた量のアミノ酸の導入及び突然変異誘発を必要とする。これは、軽鎖及び重鎖という2つの鎖へのアミノ酸変化の導入及び両鎖の会合の維持を必要とするscFv、Fab'、(Fab')2、及びIgGのヒト化と対照的である。
VHHドメインを含むsdAbは、ヒト様配列を有するようにヒト化することができる。ある実施態様において、本明細書で使用されるVHHドメインのFR領域は、ヒトVHフレームワーク領域との少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、又はそれ以上のいずれか1つのアミノ酸配列相同性を含む。ヒト化VHHドメインの1つの例示的なクラスは、VHHが、Kabat付番による位置45のグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、メチオニン、セリン、トレオニン、アスパラギン、又はグルタミン、例えば、L45など及び位置103のトリプトファンからなる群から選択されるアミノ酸を保有することを特徴とする。したがって、このクラスに属するポリペプチドは、ヒトVHフレームワーク領域との高いアミノ酸配列相同性を示し、該ポリペプチドは、それに由来する望ましくない免疫応答を予期することなく、かつさらなるヒト化の負荷を伴わずに、ヒトに直接投与することができる。
ヒト化ラクダ科動物単一ドメイン抗体の別の例示的なクラスは、WO 03/035694号に記載されており、ヒト起源の又は他の種由来の従来の抗体に典型的に見られる疎水性FR2残基を含有するが、この親水性の喪失を、二本鎖抗体由来のVH中に存在する保存されたトリプトファン残基に代わる位置103の荷電アルギニン残基で補っている。したがって、これら2つのクラスに属するペプチドは、ヒトVHフレームワーク領域との高いアミノ酸配列相同性を示し、該ポリペプチドは、それに由来する望ましくない免疫応答を予期することなく、かつさらなるヒト化の負荷を伴わずに、ヒトに直接投与することができる。
(ヒトドメイン抗体)
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンsdAb部分は、ヒト抗体(ヒトドメイン抗体又はヒトDabとして知られる)である。ヒト抗体は、当技術分野で公知の様々な技法を用いて産生することができる。例えば、Chen, Mol. Immunol. 47:912-21(2010)を参照されたい。完全ヒト単一ドメイン抗体(又はDAb)を産生することができるトランスジェニックマウス又はラットは、当技術分野で公知である。例えば、US 2009/0307787A1号、US 8,754,287号、US 2015/0289489A1号、US 2010/0122358A1号、及びWO 2004/049794号を参照されたい。
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、抗原投与に応答して無傷ヒト抗体又はヒト可変領域を有する無傷抗体を産生するように修飾されているトランスジェニック動物に免疫原を投与することにより調製することができる。そのような動物は、典型的には、内在性免疫グロブリン遺伝子座に取って代わるか、又は染色体外に存在するかもしくは動物の染色体にランダムに組み込まれている、ヒト免疫グロブリン遺伝子座の全て又は一部を含有する。そのようなトランスジェニックマウスでは、内在性免疫グロブリン遺伝子座は、通常、不活性化される。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonbergの文献、Nat. Biotech. 23:1117-1125(2005)を参照されたい。そのような動物によって生成された無傷抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることにより、さらに修飾することができる。
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体の産生のためのヒト骨髄腫及びマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株は、当技術分野で公知である。
ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することにより作製することもできる。そのような可変ドメイン配列は、次に、所望のヒト定常ドメインと組み合わせることができる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択する技法は、以下に記載されている。
特定の抗原又は標的に対するVHH配列を得るための1つの技法は、重鎖抗体を発現することができるトランスジェニック哺乳動物を好適に免疫すること(すなわち、該抗原又は標的に対する免疫応答及び/又は重鎖抗体を惹起するために)、該VHH配列(をコードする核酸配列)を含有する該トランスジェニック哺乳動物から好適な生物学的試料(例えば、血液試料、血清試料、又はB細胞の試料)を得ること、並びに次に、それ自体公知の任意の好適な技法(例えば、本明細書に記載される方法のいずれか又はハイブリドーマ技法)を用いて、該試料から出発して、該抗原又は標的に対するVHH配列を生成させることを伴う。例えば、この目的のために、重鎖抗体を発現するマウス、並びにWO 02/085945号、WO 04/049794号、及びWO 06/008548号、並びにJanssensの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 103:15130-15135(2006) に記載されているさらなる方法及び技法を使用することができる。例えば、そのような重鎖抗体を発現するマウスは、任意の好適な(単一)可変ドメイン、例えば、天然の供給源からの(単一)可変ドメイン(例えば、ヒト(単一)可変ドメイン、ラクダ科動物(単一)可変ドメイン、又はサメ(単一)可変ドメイン)、並びに例えば、合成又は半合成(単一)可変ドメインを有する重鎖抗体を発現することができる。
(ライブラリー由来抗体)
本開示の抗体は、所望の活性(単数又は複数)を有する抗体についてコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることにより単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作製し、そのようなライブラリーを所望の結合特性を保有する抗体についてスクリーニングするための種々の方法が当技術分野で公知である。単一ドメイン抗体ライブラリーを構築する方法は、例えば、US 7,371,849号に記載されている。
ある特定のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別々にクローニングし、ファージライブラリー中でランダムに組み換え、その後、これを、Winterの文献、Ann. Rev. Immunol. 12:433-455(1994)に記載されているように、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。VHH遺伝子のレパートリーをPCRによって同様にクローニングし、ファージライブラリー中でランダムに組み換え、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的には、抗体断片を、scFv断片又はFab断片のいずれかとして提示する。免疫された供給源由来のライブラリーは、ハイブリドーマを構築することを必要とせずに、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。或いは、Griffithsの文献、EMBO J. 12:725-734(1993)に記載されているように、ナイーブレパートリーを(例えば、ヒトから)クローニングして、いかなる免疫付与もなく、広範囲の非自己抗原及び自己抗原に対する単一供給源の抗体を提供することができる。最後に、Hoogenboom及びWinterの文献、J. Mol. Biol. 227:381-388(1992)に記載されているように、幹細胞由来の再構成されていないV遺伝子セグメントをクローニングして、高度可変CDR3領域をコードし、かつインビトロでの再構成を達成するためのランダム配列を含むPCRプライマーを使用することにより、ナイーブライブラリーを合成的に作製することもできる。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書におけるヒト抗体又はヒト抗体断片とみなされる。
(生物学的活性)
(1.血清半減期)
ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンsdAb部分の生物学的活性は、該抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトの血清半減期を延長するその能力によって決定される。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、個体に投与されたとき、少なくとも約15日、約14日、約13日、約12日、約11日、約10日、約9日、約8日、約7日、約6日、約5日、約4日、約3日、約2日、約24時間、約24時間、約20時間、約18時間、約16時間、約14時間、約12時間、約10時間、約8時間、約6時間、約4時間、約3時間、約2時間、又は約1時間の半減期を有する。抗アルブミンコンストラクトは、様々な経路を介して、例えば、静脈内に、経口的に、皮下に、又は腹腔内に投与することができる。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトの血清半減期は、参照コンストラクトの血清半減期よりも長い(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、又は90%長い)。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトの血清半減期は、参照コンストラクトの血清半減期の少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、12倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、又は50倍である。ある実施態様において、参照コンストラクトは、抗アルブミンsdAb部分を有さないが、抗アルブミンコンストラクトと同じ他の機能性部分(単数又は複数)を含む。
(2.安定性)
ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンsdAb部分の生物学的部分は、抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトの安定性を改善するその能力によって決定することができる。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトよりも高い安定性を有する。ある実施態様において、参照コンストラクトは、抗アルブミンsdAb部分を有さないが、抗アルブミンコンストラクトと同じ他の機能性部分(単数又は複数)を含む。
ある実施態様において、安定性は、熱安定性を含む。
ある実施態様において、安定性は、抗アルブミンコンストラクトが、規定の条件下で保存された後に、許容し得る程度の化学構造又は生物学的機能を保持する度合いによって評価される。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、それが、規定量の時間保存された後に、その化学構造又は生物学的機能の100%を維持しない場合であっても、高い安定性を有する。ある実施態様において、規定量の時間保存された後の本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトの構造又は機能の約90%、約95%、約96%、約97%、約98%、又は約99%の維持は、高い安定性を有するとみなすことができる。
安定性は、とりわけ、規定量の時間、規定の温度で保存された後に製剤(液体又は再構成されたもの)中に残存するネイティブな(凝集していない又は分解されていない)抗アルブミンコンストラクトのパーセンテージを決定することにより測定することができる。ネイティブな抗アルブミンコンストラクトのパーセンテージは、とりわけ、サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC))によって決定することができ、その結果、ネイティブは、非凝集及び非分解を意味する。ある実施態様において、ネイティブな形態の抗アルブミンコンストラクトの少なくとも約90%(例えば、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)を、規定量の時間、所与の温度で保存した後の製剤中で検出することができる。ある実施態様において、ネイティブな形態の抗アルブミンコンストラクトの少なくとも約90%(例えば、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%)を、室温(約25℃)下、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約26時間、少なくとも約28時間、少なくとも約30時間、少なくとも約32時間、少なくとも約34時間、少なくとも約36時間、少なくとも約38時間、少なくとも約40時間、少なくとも約42時間、少なくとも約44時間、少なくとも約46時間、又は少なくとも約48時間後の製剤中で検出することができる。
安定性は、とりわけ、規定の量の時間、規定の温度で保存された後の製剤(液体又は再構成されたもの)中の凝集物の中に形成される抗アルブミンコンストラクトのパーセンテージを決定することにより測定することができ、ここで、安定性は、形成される凝集物のパーセントと反比例する。凝集したアルブミンコンストラクトのパーセンテージは、とりわけ、サイズ排除クロマトグラフィー(例えば、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー(SE-HPLC))によって測定することができる。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトの約10%未満(好ましくは、約5%未満)が規定の量の時間、所定の温度で保存された後の製剤中に凝集物として存在する。ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、凝集を実質的に有さず、例えば、抗アルブミンコンストラクトのせいぜい約6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%が、規定の量の時間、所定の温度で、例えば、少なくとも約6時間、少なくとも約8時間、少なくとも約10時間、少なくとも約12時間、少なくとも約14時間、少なくとも約16時間、少なくとも約18時間、少なくとも約20時間、少なくとも約22時間、少なくとも約24時間、少なくとも約26時間、少なくとも約28時間、少なくとも約30時間、少なくとも約32時間、少なくとも約34時間、少なくとも約36時間、少なくとも約38時間、少なくとも約40時間、少なくとも約42時間、少なくとも約44時間、少なくとも約46時間、又は少なくとも約48時間、室温下(約25℃)で保存された後の製剤中の凝集物の中で検出することができる。
その標的に対する抗アルブミンコンストラクトの結合親和性の測定を用いて、安定性を評価することもできる。例えば、本開示の抗アルブミンコンストラクトは、例えば、室温(約25℃)で、規定量の時間(例えば、6時間、12時間、24時間、36時間、又は48時間)保存された後に、抗原結合ドメインが、該保存の前の抗体の結合親和性の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又はさらにそれ以上を有する場合、安定であるとみなすことができる。結合親和性は、例えば、ELISA又はプラズモン共鳴などの任意の方法によって決定することができる。そのような細胞への抗アルブミンコンストラクトの結合は、直接、例えば、FACS解析によって測定することができる。
(3.臨床的性質)
ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンsdAb部分の生物学的活性は、抗アルブミンsdAb部分を含む抗アルブミンコンストラクトの臨床的性質(単数又は複数)を改善するその能力によって決定される。ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトと比べて改善された臨床的性質を有する。ある実施態様において、参照コンストラクトは、抗アルブミンsdAb部分を有さないが、抗アルブミンコンストラクトと同じ他の機能性部分(単数又は複数)を含む。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトと比較して改善された細胞傷害性活性を示す。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトと比較して、より高い抗腫瘍効果(例えば、腫瘍負荷の低下及び/又は生存の向上)を示す。
a)細胞傷害性
細胞に対する本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトの細胞傷害性(例えば、ADCC活性)は、多くのアッセイを用いて試験することができる。例えば、抗アルブミンコンストラクトによって認識されることができる抗原を発現する癌細胞株とエフェクター細胞(例えば、PBMC細胞)を96ウェルプレート中で一緒に混合する。様々な濃度の抗アルブミンコンストラクトを添加する。インキュベーション後、EC50(ADCC活性を表す)を決定することができる。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトと比較して、細胞に対する改善されたADCC活性を示す。ある実施態様において、細胞に特異的な抗アルブミンコンストラクトのEC50は、約50%、40%、30%、20%、10%以下、又は参照コンストラクト未満である。ある実施態様において、細胞は、腫瘍細胞である。
b)癌の治療
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、個体において(例えば、腫瘍増殖を阻害することにより)癌を治療する。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、参照コンストラクトと比較して、癌に対する増強された抗腫瘍効果を示した。例えば、ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトの投与は、参照コンストラクトと比較して、低下した腫瘍負荷(例えば、少なくとも約10%、20%、30%、40%、又は50%小さい腫瘍体積)をもたらす。ある実施態様において、癌は、固形腫瘍である。ある実施態様において、癌は、液性腫瘍である。
(B.抗アルブミンsdAb部分を各々含むコンストラクト)
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチドと第二のポリペプチドとを含む。
(抗アルブミン融合タンパク質)
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチドに融合した第二のポリペプチドを含む。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、抗原結合部分を含む。ある実施態様において、抗原結合部分は、腫瘍抗原に結合する。ある実施態様において、腫瘍は、固形腫瘍である。ある実施態様において、腫瘍は、液性腫瘍である。ある実施態様において、腫瘍は、中皮腫、肺癌、乳癌、卵巣癌、膵癌、リンパ腫、白血病、頭頸部癌、肝臓癌、食道癌、胃癌、及び結腸直腸癌からなる群から選択される。ある実施態様において、癌は、高レベルの腫瘍抗原を発現する。例えば、ある実施態様において、癌は、参照組織のレベルの少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、30倍、40倍、又は50倍のレベルを発現する。ある実施態様において、参照組織は、同じ個体内の癌細胞を含まない組織である。
ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリン(「MSLN」)、GPA33、Her-2、EGFR、及びCD20からなる群から選択される。ある実施態様において、腫瘍抗原は、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。
ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリンである。ある実施態様において、抗原結合部分は、重鎖可変領域を含む単鎖抗体(抗MSLN VH)を含み、ここで、該抗MSLN VHは、CDR1、CDR2、及びCDR3、ここでは: a)配列番号92のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むCDR2、及び配列番号94のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは該CDR中に最大で合計3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;又はb)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2、及びGRYのアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは該CDR中に最大で合計3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む。
ある実施態様において、抗原は、免疫チェックポイントタンパク質である。ある実施態様において、免疫チェックポイントタンパク質は、PD-L1、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、TIGIT、GITR、TIM3、LAG3、CD27、4-1BB、及びB7H4からなる群から選択される。
ある実施態様において、抗原結合部分は、抗体又はその抗原結合断片である。ある実施態様において、本明細書に提供される抗体又はその抗原結合断片は、癌細胞上に発現される抗原のポリペプチド、ポリペプチド断片、又はエピトープに免疫特異的に結合することができる。一実施態様において、抗体は、ヒト癌抗原に結合する。ある実施態様において、本明細書に提供される抗体又はその抗原結合断片は、癌抗原の細胞外ドメイン(ECD)に結合する。ある実施態様において、抗体は、癌抗原のECD中のエピトープに結合する。ある実施態様において、癌抗原は、固形腫瘍の癌細胞上に発現される。
本明細書に提供される癌抗原に結合する抗体は、合成抗体、モノクローナル抗体、組換え産生抗体、多重特異性抗体(二重特異性抗体を含む)、ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、イントラボディ、単鎖Fv(scFv)(例えば、単一特異性及び二重特異性を含む)、ラクダ化抗体又はそのヒト化バリアント、Fab断片、F(ab')断片、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、抗イディオタイプ(抗Id)抗体、及びこれらのエピトープ結合断片であることができるが、これらに限定されない。
ある実施態様において、本明細書に提供される抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的活性部分、すなわち、癌抗原(例えば、固形腫瘍の癌抗原)に免疫特異的に結合する抗原結合部位を含有する分子を含む。本明細書に提供される免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意のタイプ(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA、もしくはIgY)、クラス(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、もしくはIgA2)、又はサブクラスのものであることができる。具体的な実施態様において、本明細書に提供される抗体は、IgG抗体、例えば、IgG1抗体である。
癌抗原のエピトープに特異的に結合する能力を保持する抗体断片を含む抗体のバリアント及び誘導体も本開示に含まれる。例示的な断片としては、Fab断片; Fab'; F(ab')2;二重特異性Fab; sFvとしても知られる、可変領域を含む単鎖Fab鎖;ジスルフィド結合Fv又はdsFv;ラクダ化VH;二重特異性sFv;ダイアボディ;及びトリアボディが挙げられる。抗体の誘導体も、抗体結合部位の1以上のCDR配列を含む。2以上のCDR配列が存在するとき、CDR配列は、スキャフォールド上で1つに連結されることができる。ある実施態様において、本明細書に提供される抗体は、単鎖Fv(「scFv」)を含む。上記の節に簡単に記載されているように、抗体断片を産生するための様々な技法が開発されている。
ある実施態様において、抗原結合部分は、腫瘍抗原に結合する単一可変ドメイン抗体(sdAb)(例えば、VHH抗体)である。特定のタイプの生物であるラクダ科動物及び軟骨魚類は、その免疫系の一部として、Fc等価ドメイン構造に取り付けられた高親和性単一V様ドメインを保有する。Woolvenの文献、Immunogenetics 50:98-101(1999);及びStreltsovの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 101:12444-12449(2004)。V様ドメイン(ラクダ科動物ではVHH、サメではV-NARと呼ばれる)は、典型的には、標的抗原の空洞への浸透を可能にする長い表面ループを提示する。これらは、疎水性表面パッチをマスキングすることにより、単離されたVHドメインを安定化する。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、サイトカイン、成長因子、又はタンパク質ホルモンを含む。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、サイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカインは、IL-21、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、IL-33、及びIL-22からなる群から選択される。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、IL-21を含む。ある実施態様において、IL-21は、ヒトIL-21である。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97もしくは98のアミノ酸配列、又は配列番号97もしくは98との少なくとも80%(例えば、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のいずれか)の同一性を含むそのバリアントを含む。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のS124からS133の間の約1~約10個のアミノ酸を欠くバリアントである。
ある実施態様において、IL-21は、それぞれ、R、R、K、及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、R9、K73、又はR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R9における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、K以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置K73における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R76における置換を含むムテインである。
ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R、R、K、及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、R9、K73、及び/又はR76における2つ、3つ、又は4つの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5及びR9における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R及びK以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5及びK73における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R及びK以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R9及びK73における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R9及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、K及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置K73及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R、R、及びK以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、R9、及びK73における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、R以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、R9、及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R、K、及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、K73、及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R、K、及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R9、K73、及びR76における置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、各々独立に、それぞれ、R、R、K、及びR以外の20の天然アミノ酸のうちの1つとの配列番号97のアミノ酸配列中の位置R5、R9、K73、及びR76における置換を含むムテインである。
ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR5A、R5E、R5N、R9A、R9E、R9N、K73A、K73E、K73N、R76A、R76E、又はR76N IL-21は、の置換を含むムテインである。ある実施態様において、配列番号97のアミノ酸配列中のR5A、R5E、又はR5Nの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR9A、R9E、又はR9Nの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のK73A、K73E、又はK73Nの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR76A、R76E、又はR76Nの置換を含むムテインである。
ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR5A、R5E、R9A、R9E、K73A、K73E、R76A、又はR76Eの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR5A又はR5Eの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR9A又はR9Eの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のK73A又はK73Eの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中のR76A又はR76Eの置換を含むムテインである。
ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の(i)R5N及び(ii)M7S又はM7Tの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の(i)R9N及び(ii)R11S又はR11Tの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の(i)K73N及び(ii)K75S又はK75Tの置換を含むムテインである。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の(i)R76N及び(ii)P78S又はP78Tの置換を含むムテインである。
ある実施態様において、IL-21は、配列番号97、98、及び151~167のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号98のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号151のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号152のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号153のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号154のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号155のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号156のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号157のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号158のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号159のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号160のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号161のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号162のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号163のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号164のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号165のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号166のアミノ酸配列を有する。ある実施態様において、IL-21は、配列番号167のアミノ酸配列を有する。
さらなるIL-21配列としては、その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれるUS 2019/0046611 A1号に記載されているものが挙げられる。
一実施態様において、IL-21は、グリコシル化されている。別の実施態様において、IL-21は、N-グリコシル化されている。
ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NXT又はNXSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含み、ここで、各々のXは、独立に、A、C、D、E、F、G、H、I、K、L、M、N、Q、R、S、T、V、W、又はYである。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NXT又はNXSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含み、ここで、各々のXは、独立に、H、K、L、又はMである。
ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NHT、NHS、NKT、NKS、NLT、NLS、NMT、又はNMSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NHT又はNHSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NKT又はNKSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NLT又はNLSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、NMT又はNMSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の位置5から始まるNHT又はNHSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の位置9から始まるNMT又はNMSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。また別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の位置73から始まるNLT又はNLSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。また別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、配列番号97のアミノ酸配列中の位置76から始まるNKT又はNKSのアミノ酸配列を有するN-グリコシル化部位を含む。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、アミノ酸置換R5Nを含み、ここで、位置5のアスパラギンはN-グリコシル化されている。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、アミノ酸置換R9Nを含み、ここで、位置9のアスパラギンはN-グリコシル化されている。また別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、アミノ酸置換K73Nを含み、ここで、位置73のアスパラギンはN-グリコシル化されている。さらに別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、アミノ酸置換R76Nを含み、ここで、位置76のアスパラギンはN-グリコシル化されている。ある実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、配列番号160から167のいずれか1つのアミノ酸配列を有する。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、1つのグリカンを有する。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、アスパラギン残基の側鎖中の窒素に付着した1つのグリカンを有する。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、2つのグリカンを有する。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、そのうちの少なくとも1つのグリカンがアスパラギン残基の側鎖中の窒素に付着している2つのグリカンを有する。また別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、その各々がアスパラギン残基の側鎖中の窒素に付着している2つのグリカンを有する。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21は、3つのグリカンを有する。一実施態様において、グリカンは、N-グリカンである。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、オリゴマンノース型である。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、複合型である。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、ハイブリッド型である。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、二分岐複合型である。別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、三分岐複合型である。また別の実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、四分岐複合型である。
一実施態様において、N-グリコシル化IL-21上のN-グリカンは、その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれるSzaboの文献、J. Proteome. Res. 2018, 17, 1559-1574に記載されているグリカンのうちの1つである。
ある実施態様において、IL-21は、1以上のさらなる置換、欠失、及び/もしくは挿入;並びに/又は1以上のさらなる翻訳後修飾をさらに含む。
ある実施態様において、本明細書に提供される融合タンパク質は、約1pM~約200nM、約10pM~約100nM、約20pM~約50nM、又は約50pM~約20nMの範囲の配列番号167のヒトIL-21Rαに対する解離定数を有する。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチドのN末端に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのC末端に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのN末端とC末端の両方に融合されている。ある実施態様において、第一のポリペプチドは、第二のポリペプチドのN末端とC末端の両方に融合されている。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のリンカーを介して、第一のポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、第一のリンカーは、ペプチドリンカーである。ある実施態様において、第一のリンカーは、切断可能である。ある実施態様において、第一のリンカーは、マトリックスメタロプロテアーゼ、レグマイン、マトリプターゼ、又はウロキナーゼ感受性である。ある実施態様において、第一のリンカーは、配列番号73~91からなる群から選択される。ある実施態様において、第一のリンカーは、切断可能ではない。ある実施態様において、第一のリンカーは、GSG及び配列番号58~72からなる群から選択される。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、a)抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド; b)第二のポリペプチドを含み、ここで、第二のペプチドは、第一のポリペプチドに融合されており(「第二のペプチド-ALBM」);かつc)第三のポリペプチドは、第二のペプチド-ALBMに融合されている。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、a)抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド; b)サイトカインを含む第二のポリペプチド(ここで、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドに融合されている(「サイトカイン-ALBM」));及びc)サイトカイン-ALBMに融合された第三のポリペプチドを含む。ある実施態様において、サイトカインは、IL-21、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、IL-33、及びIL-22からなる群から選択される。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、抗原結合部分を含む。ある実施態様において、抗原は、腫瘍抗原である。ある実施態様において、抗原は、メソテリン(「MSLN」)、GPA33、Her-2、EGFR、及びCD20からなる群から選択される。ある実施態様において、腫瘍抗原は、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のサイトカインを含む。ある実施態様において、第一のサイトカイン及び第二のサイトカインは、各々独立に、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、及びIL-21からなる群から選択される。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、a)抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド; b)抗原結合部分を含む第二のポリペプチド(ここで、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドに融合されている(「ABM-ALBM」));及びc)ABM-ALBMに融合された第三のポリペプチドを含む。ある実施態様において、抗原は、腫瘍抗原である。ある実施態様において、抗原は、メソテリン(「MSLN」)、GPA33、Her-2、EGFR、及びCD20からなる群から選択される。ある実施態様において、腫瘍抗原は、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二の抗原結合部分を含む。ある実施態様において、第二の抗原は、腫瘍抗原である。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、イメージング剤を含む。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、サイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカインは、IL-21、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、IL-33、及びIL-22からなる群から選択される。
ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのN末端に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのC末端に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、第一のポリペプチドのN末端とC末端の両方に融合されている。ある実施態様において、第一のポリペプチドは、第二のポリペプチドのN末端とC末端の両方に融合されている。ある実施態様において、第二のポリペプチドは、本明細書に記載される第一のリンカーを介して、第一のポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のペプチド-ALBMのN末端に融合されている。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のペプチド-ALBMのC末端に融合されている。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のペプチド-ALBMのN末端とC末端の両方に融合されている。ある実施態様において、第二のペプチド-ALBMは、第三のポリペプチドのN末端とC末端の両方に融合されている。ある実施態様において、第三のポリペプチドは、第二のリンカーを介して、第二のペプチド-ALBMに融合されている。ある実施態様において、第二のリンカーは、ペプチドリンカーである。ある実施態様において、第一のリンカーは、切断可能ではなく、第二のリンカーは、切断可能である。ある実施態様において、第一のリンカーと第二のリンカーは両方とも、切断可能ではない。ある実施態様において、第一のリンカーと第二のリンカーは両方とも、切断可能である。ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、マトリックスメタロプロテアーゼ、レグマイン、マトリプターゼ、又はウロキナーゼ感受性である。ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、各々独立に、配列番号73~91からなる群から選択される。ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、各々独立に、配列番号58~72からなる群から選択される。ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、各々独立に、配列番号58~91からなる群から選択される。
ある実施態様において、コンストラクトは、シグナル伝達ペプチドをさらに含む。
一実施態様において、本明細書に提供されるのは、インターロイキン-21ドメイン、VHH単一ドメイン抗体ドメイン、及び任意に、ペプチドリンカーを含む融合タンパク質であり;ここで、インターロイキン-21ドメインのC末端は、直接的に又はペプチドリンカーを介して、VHH単一ドメイン抗体ドメインのN末端に接続されている。
別の実施態様において、本明細書に提供されるのは、配列番号97、98、及び151~168のいずれか1つのアミノ酸配列を有する1つのインターロイキン-21ドメイン;配列番号1~9、45~53、及び105~115のアミノ酸配列を有する1つのVHH単一ドメイン抗体ドメイン;並びに任意に、GSG又は配列番号58~73のうちの1つのアミノ酸配列を有する1つのペプチドリンカーを含む融合タンパク質であり;ここで、インターロイキン-21ドメインのC末端は、直接的に又はペプチドリンカーを介して、VHH単一ドメイン抗体ドメインのN末端に接続されている。
(リンカー)
上記の抗アルブミンコンストラクトは、1以上のリンカー(例えば、上記の第一のリンカー及び第二のリンカー)を含み得る。
ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、ペプチドリンカーである。抗アルブミンコンストラクト中で使用されるペプチドリンカーの長さ、可撓度、及び/又は他の性質は、限定されないが、1以上の特定の抗原又はエピトープに対する親和性、特異性、又は結合力を含む性質に対して、ある程度影響を及ぼす可能性がある。例えば、2つの隣接するドメインが互いに立体的に干渉しないことを確実にするために、より長いペプチドリンカーを選択することができる。いくつかの実施態様において、ペプチドリンカーは、隣接するドメインが互いに対して自由に移動するように、可撓性残基(例えば、グリシン及びセリン)を含む。例えば、グリシン-セリンダブレットは、好適なペプチドリンカーであることができる。
ペプチドリンカーは、任意の好適な長さのものであることができる。ある実施態様において、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100、又はそれ以上のいずれかのアミノ酸長である。ある実施態様において、ペプチドリンカーは、約100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5以下、又はそれ未満のいずれかのアミノ酸長である。ある実施態様において、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸、約30アミノ酸~約50アミノ酸、約50アミノ酸~約100アミノ酸、又は約1アミノ酸~約100アミノ酸のいずれかである。
ある実施態様において、ペプチドリンカーは、約1~40個(例えば、1~35、1~30、1~25、1~20、4~20、又は4~16個)のアミノ酸の長さを有する。
ある実施態様において、第一のリンカー及び/又は第二のリンカーは、非ペプチドリンカーである。
他のリンカーの考慮事項は、溶解性、親油性、親水性、疎水性、安定性(多かれ少なかれ安定であり、かつ計画的な分解)、剛性、可撓性、免疫原性、抗体結合の調節、及びミセル又はリポソームに組み込まれる能力などの、得られる化合物の物理的又は薬物動態学的性質に対する効果を含む。
(1.ペプチドリンカー)
ペプチドリンカーは、天然の配列又は非天然の配列を有し得る。例えば、重鎖のみ抗体のヒンジ領域に由来する配列をリンカーとして使用することができる。例えば、WO 1996/34103号を参照されたい。
ペプチドリンカーは、任意の好適な長さのものであることができる。ある実施態様において、ペプチドリンカーは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、50、75、100、又はそれ以上のいずれかのアミノ酸長である。ある実施態様において、ペプチドリンカーは、約100、75、50、40、35、30、25、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5以下、又はそれ未満のいずれかのアミノ酸長である。ある実施態様において、ペプチドリンカーの長さは、約1アミノ酸~約10アミノ酸、約1アミノ酸~約20アミノ酸、約1アミノ酸~約30アミノ酸、約5アミノ酸~約15アミノ酸、約10アミノ酸~約25アミノ酸、約5アミノ酸~約30アミノ酸、約10アミノ酸~約30アミノ酸、約30アミノ酸~約50アミノ酸、約50アミノ酸~約100アミノ酸、又は約1アミノ酸~約100アミノ酸のいずれかである。
そのようなペプチドリンカーの本質的な技術的特色は、該ペプチドリンカーがいかなる重合活性も含まないということである。二次構造の促進の欠如を含むペプチドリンカーの特徴は、当技術分野で公知であり、例えば、Dall'Acquaの文献、Biochem. 37:9266-9273(1998); Cheadleの文献、Mol. Immunol. 29:21-30(1992);並びにRaag及びWhitlowの文献、FASEB 9:73-80(1995)に記載されている。「ペプチドリンカー」との関連において特に好ましいアミノ酸は、Glyである。さらに、いかなる二次構造も促進しないペプチドリンカーが好ましい。ドメイン同士の結合は、例えば、遺伝子工学によって提供することができる。融合され、機能的に連結された融合タンパク質成分を調製する方法及びそれを哺乳動物細胞又は細菌内で発現させる方法は、当技術分野で周知である。例えば、WO 99/54440号; Ausubelの文献、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Biology)、Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N. Y. 1989及び1994、又はSambrookの文献、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning: A Laboratory Manual)、Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., 2001を参照されたい。
ペプチドリンカーは、プロテアーゼによって、特に、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)によって切断可能でない安定なリンカーであることができる。ある実施態様において、リンカーは、GSG及び配列番号58~72からなる群から選択される。
ある実施態様において、リンカーは、切断可能である。ある実施態様において、リンカーは、マトリックスメタロプロテアーゼ、レグマイン、マトリプターゼ、又はウロキナーゼ感受性である。ある実施態様において、リンカーは、配列番号73~91からなる群から選択される。
リンカーは、可撓性リンカーであることもできる。例示的な可撓性リンカーとしては、グリシンポリマー(G)n、グリシン-セリンポリマー(例えば、(GS)n、 (GSGS)n (SEQ ID NO: 65) 、 (GGSG)n (SEQ ID NO: 66) 、 (GGGGS)n (SEQ ID NO: 60)を含み、ここで、nは、少なくとも1の整数である)、グリシン-アラニンポリマー、アラニン-セリンポリマー、及び当技術分野で公知の他の可撓性リンカーが挙げられる。グリシン及びグリシン-セリンポリマーは、比較的構造化されておらず、それゆえ、成分間の中立テザーとしての役割を果たすことができる可能性がある。グリシンは、アラニンよりも著しくφ-ψ空間に接近し、より長い側鎖を有する残基よりもはるかに制限されない(Scheragaの文献、Rev. Computational Chem. 11:173-142(1992)を参照されたい)。当業者であれば、抗体融合タンパク質の設計が、全て又は部分的に可撓性であるリンカーを含むことができ、その結果、該リンカーは、所望の抗体融合タンパク質構造を提供するために、可撓性リンカー部分及びあまり可撓性ではない構造を付与する1以上の部分を含むことができることを認識するであろう。
(2.非ペプチドリンカー)
上記の成分のカップリングは、両成分が、それぞれの活性、すなわち、サイトカイン受容体、アルブミン、又は標的抗原へのそれぞれの結合を保持する限り、2つの分子を結合する任意の化学反応によって達成され得る。この連結は、多くの化学的メカニズム、例えば、共有結合、親和性結合、インターカレーション、配位結合、及び錯化を含むことができる。ある実施態様において、結合は、共有結合である。共有結合は、既存の側鎖の直接縮合又は外部架橋分子の取込みのいずれかによって達成することができる。多くの二価又は多価の連結剤は、これに関連してタンパク質分子をカップリングするのに有用であり得る。例えば、代表的なカップリング剤は、チオエステル類、カルボジイミド、スクシンイミドエステル、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、及びヘキサメチレンジアミンなどの有機化合物を含むことができる。このリストは、当技術分野で公知の様々なクラスのカップリング剤を網羅することを意図するものではなく、むしろ、より一般的なカップリング剤の例示である。例えば、Killen及びLindstromの文献、J. Immunol. 133:2549-2553(1984); Jansenの文献、Immunol. Rev. 62:185-216(1982);並びにVitettaの文献、Science 238:1098-1104(1987)を参照されたい。
本開示に適用することができるリンカーは、MBS(M-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル)の使用を記載している文献(例えば、Ramakrishnanの文献、Cancer Res. 44:201-208(1984)に記載されている。ある実施態様において、本明細書で使用される非ペプチドリンカーとしては:(i)EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩;(ii)SMPT(4-スクシンイミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジル-ジチオ)-トルエン(Pierce Chem. Co., Cat.(21558G);(iii)SPDP(スクシンイミジル-6[3-(2-ピリジルジチオ)プロピオンアミド]ヘキサノエート(Pierce Chem. Co., Cat #21651G);(iv)スルホ-LC-SPDP(スルホスクシンイミジル 6[3-(2-ピリジルジチオ)-プロピアナミド]ヘキサノエート(Pierce Chem. Co. Cat. #2165-G);及び(v)EDCにコンジュゲートされたスルホ-NHS(N-ヒドロキシスルホ-スクシンイミド: Pierce Chem. Co., Cat. #24510)が挙げられる。
上記のリンカーは、異なる属性を有する成分を含有し、そのため、異なる物理化学的性質を有する融合タンパク質をもたらし得る。例えば、アルキルカルボキシレートのスルホ-NHSエステルは、芳香族カルボキシレートのスルホ-NHSエステルよりも安定である。NHS-エステル含有リンカーは、スルホ-NHSエステルよりも可溶性が低い。さらに、リンカーSMPTは、立体障害性ジスルフィド結合を含有し、安定性の増大した抗体融合タンパク質を形成することができる。ジスルフィド結合はインビトロで切断されるので、一般に、他の結合よりも安定性が低く、結果として、利用可能な抗体融合タンパク質が減少する。スルホ-NHSは、特に、カルボジイミドカップリングの安定性を増強することができる。カルボジイミドカップリング(例えば、EDC)は、スルホ-NHSとともに使用される場合、カルボジイミドカップリング反応単独よりも加水分解に対して耐性が高いエステルを形成する。
(C.抗アルブミンコンストラクトバリアント)
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトのアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗アルブミンコンストラクト全体又は抗アルブミンコンストラクトのいずれかの成分の結合親和性及び/又は他の生物学的性質を改善することが望ましい場合がある。抗アルブミンコンストラクトのアミノ酸配列バリアントは、抗アルブミンコンストラクトをコードする核酸配列中に適切な修飾を導入することによるか、又はペプチド合成によって調製することができる。そのような修飾としては、例えば、抗アルブミンコンストラクトのアミノ酸配列内の残基からの欠失及び/又は該残基への挿入及び/又は該残基の置換が挙げられる。最終生成物が所望の特徴を保有するという条件で、最終生成物に到達するために、欠失、挿入、及び置換の任意の組合せを行うことができる。
(1.置換、挿入、欠失、及びバリアント)
ある実施態様において、1以上のアミノ酸置換を有する抗アルブミンコンストラクトバリアントが提供される。置換突然変異誘発に対象となる部位は、アルブミン結合分子及び/又は抗原結合部分のHVR及びFRを含む。保存的置換は、表3に示されている。より多くの実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しの下、アミノ酸側鎖クラスを参照して、以下でさらに記載されているように提供される。アミノ酸置換は、抗アルブミンコンストラクトの成分中に導入され、生成物は、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の減少、又はADCCもしくはCDCの改善についてスクリーニングされ得る。
表3.アミノ酸置換
Figure 2022520998000004
アミノ酸は、共通の側鎖特性に従って分類することができる:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、及びIle;
(2)中性親水性: Cys、Ser、Thr、Asn、及びGln;
(3)酸性: Asp及びGlu;
(4)塩基性: His、Lys、及びArg;
(5)鎖の配向に影響を及ぼす残基: Gly及びPro;並びに
(6)芳香族: Trp、Tyr、及びPhe。
非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスに交換することを伴う。
置換バリアントの1つのタイプは、親抗体の1以上の超可変領域残基を置換することを含む(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)。通常、さらなる研究のために選択される得られたバリアントは、親抗体に対する特定の生物学的特性(例えば、親和性の増大及び/又は免疫原性の低下)にける修飾(例えば、改善)を有し、かつ/又は親抗体の特定の生物学的特性を実質的に保持する。例示的な置換バリアントは、親和性成熟抗体であり、これは、例えば、本明細書に記載されるものなどの、ファージディスプレイに基づく親和性成熟技法を用いて、好都合に作製することができる。簡潔に述べると、1以上のHVR残基を突然変異させ、バリアント抗体をファージ上に提示させ、特定の生物学的活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングする。
例えば、抗体親和性を向上させるために、改変(例えば、置換)をHVR中で行うことができる。そのような改変は、HVR「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセスの間に高頻度で改変を受けるコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhuryの文献、Methods Mol. Biol. 207:179-196(2008)を参照)、及び/又はSDR(a-CDR)中で行うことができ、得られたバリアントVH又はVLは、結合親和性について試験される。第二のライブラリーからの構築及び再選択による親和性成熟は、例えば、Methods Mol. Biol. 178:1-37(2001)所収のHoogenboomらの文献に記載されている。親和性成熟のある実施態様において、多様性は、種々の方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャッフリング、又はオリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発)のいずれかによって、成熟のために選択された可変遺伝子に導入される。その後、第二のライブラリーが作出される。その後、ライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有する任意の抗体バリアントを同定する。多様性を導入するための別の方法は、いくつかのHVR残基(例えば、一度に4~6個の残基)がランダム化されるHVR指向性アプローチ手法を含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング突然変異誘発又はモデリングを用いて特異的に同定することができる。特に、CDR-H3及びCDR-L3を標的にすることが多い。
ある実施態様において、置換、挿入、又は欠失は、そのような改変が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1以上のHVR内で生じてもよい。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的改変(例えば、本明細書に提供される保存的置換)がHVR中で行われてもよい。そのような改変は、HVR「ホットスポット」又はCDRの外側であってもよい。
突然変異誘発のために標的化され得る抗体の残基又は領域の同定に有用な方法は、Cunningham及びWellsの文献、Science, 244:1081-1085(1989)によって記載されている「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基又は基(例えば、Arg、Asp、His、Lys、及びGluなどの荷電残基)を同定し、中性又は負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)に置き換えて、抗体と抗原の相互作用が影響を及ぼすかどうかを決定する。さらなる置換を最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸位置に導入することができる。或いは、又はさらに、抗体と抗原の間の接触点を同定するための抗原-抗体複合体の結晶構造。そのような接触残基及び隣接残基を置換の候補として標的化又は除去することができる。バリアントをスクリーニングして、それが所望の性質を含有するかどうかを決定することができる。
アミノ酸配列挿入には、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さ範囲のアミノ末端及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入バリアントには、抗体のN末端又はC末端と該抗体の血清半減期を増大させる酵素(例えば、ADEPT用)又はポリペプチドとの融合体が含まれる。
(2.誘導体)
ある実施態様において、本明細書に提供される抗アルブミンコンストラクトは、当技術分野で公知であり、かつ容易に入手可能であるさらなる非タンパク質性部分を含有するようにさらに修飾されていてもよい。該抗アルブミンコンストラクトの誘導体化に好適な部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これらに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例としては、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマーのいずれか)、デキストラン又はポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、ポリプロピレンオキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のために、製造上の利点を有し得る。ポリマーは、任意の分子量のものであってもよく、分岐状又は非分岐状であってもよい。抗アルブミンコンストラクトに結合したポリマーの数は、様々に異なっていてもよく、複数のポリマーが結合している場合、それらは、同じ分子又は異なる分子であり得る。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、改善されるべき抗アルブミンコンストラクトの特定の性質又は機能、抗アルブミンコンストラクト誘導体が規定の条件下での治療に使用されるかどうかを含む、考慮事項に基づいて決定することができる。
放射線への曝露によって選択的に加熱され得る抗アルブミンコンストラクト及び非タンパク質性部分のコンジュゲートが提供される。ある実施態様において、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブである。Kamの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 102:11600-11605(2005)。放射線は、任意の波長のものであってもよく、通常の細胞に害はないが、抗アルブミンコンストラクトの非タンパク質性部分の近位にある細胞が死滅する温度まで非タンパク質性部分を加熱する波長を含むが、これに限定されない。
(III.医薬組成物)
本開示によってさらに提供されるのは、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトのいずれか1つ及び任意に医薬として許容し得る担体を含む医薬組成物である。医薬組成物は、所望の純度を有する本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトを、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で、任意の医薬として許容し得る担体、賦形剤、又は安定化剤(レミントンの医薬品科学(Remington's Pharmaceutical Sciences) 第16版, Osol, A.(編)(1980))と混合することにより調製することができる。
医薬組成物は、好ましくは、安定であるべきであり、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、基本的に、保存時にその物理的及び化学的安定性並びに完全性を保持している。タンパク質安定性を測定するための様々な分析技法が当技術分野において利用可能であり、ペプチド及びPeptide and Protein Drug Delivery, 247-301, Lee(編), Marcel Dekker社, New York, N.Y., Pubs.(1991)及びJonesの文献 Adv. Drug Delivery Rev. 10: 29-90(1993)で概説されている。安定性は、選択された期間、選択された温度で測定することができる。迅速なスクリーニングのために、製剤は、40℃で2週間~1カ月間維持されてもよく、その時点で、安定性が測定される。製剤が2~8℃で保存されることになっている場合、通常、該製剤は、少なくとも1カ月間、30℃もしくは40℃で安定であり、かつ/又は少なくとも2年間、2~8℃で安定であるべきである。製剤が30℃で保存されることになっている場合、通常、該製剤は、少なくとも2年間、30℃で安定であり、かつ/又は少なくとも6カ月間、40℃で安定であるべきである。例えば、保存時の凝集の度合いは、タンパク質安定性の指標として使用することができる。ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトの安定な製剤は、製剤中に凝集体として存在する抗アルブミンコンストラクトの約10%未満(好ましくは、約5%未満)を含み得る。
許容し得る担体、賦形剤、又は安定化剤は、利用される投薬量及び濃度で、レシピエントに対して無毒であり、これには、緩衝剤;アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む抗酸化剤;防腐剤;等張化剤(例えば、塩化ナトリウム);安定化剤;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);キレート剤、例えば、EDTA;及び/又は非イオン性界面活性剤が含まれる。
生理的に許容し得る担体の例としては、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝剤;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、もしくは塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルもしくはベンジルアルコール;メチルパラベンもしくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール; 3-ペンタノール;及びm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、もしくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、もしくはリジンなどのアミノ酸;単糖、二糖、及びグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物; EDTAなどのキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);並びに/又はTWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、及びPLURONICS(商標)又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が挙げられる。
緩衝剤は、特に、安定性がpH依存性である場合に、治療効果を最適化する範囲内にpHを制御するために使用される。緩衝剤は、好ましくは、約50mM~約250mMの範囲の濃度で存在する。本開示において使用するための好適な緩衝剤には、有機酸と無機酸の両方及びこれらの塩、例えば、クエン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酢酸塩が含まれる。さらに、緩衝剤は、ヒスチジン及びトリメチルアミン塩、例えば、トリスを含み得る。
防腐剤は、微生物の増殖を遅延させるために添加され、典型的には、0.2%~1.0%(w/v)の範囲で存在する。防腐剤の添加は、例えば、多用途(多重投与)製剤の作製を容易にし得る。本開示において使用するための好適な防腐剤には、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;ハロゲン化(例えば、塩化、臭化、ヨウ化)ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;チメロサール;フェノール;ブチル又はベンジルアルコール;メチルパラベン又はプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール; 3-ペンタノール;及びm-クレゾールが含まれる。
時に「安定化剤」として知られる等張化剤は、組成物中の液体の張度を調節又は維持するために存在する。タンパク質及び抗体などの大きな荷電生体分子とともに使用される場合、等張化剤は、アミノ酸側鎖の荷電基と相互作用し、それにより、分子間相互作用及び分子内相互作用の可能性を減少させることができるので、「安定化剤」と呼ばれることもある。等張化剤は、他の成分の相対量を考慮して、0.1重量%~25重量%、好ましくは、1%~5%の任意の量で存在することができる。好ましい等張化剤には、多価糖アルコール、好ましくは、グリセリン、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトール、及びマンニトールなどの3価以上の糖アルコールが含まれる。
さらなる賦形剤には、以下のもの:(1)充填剤、(2)溶解促進剤、(3)安定化剤、及び(4)変性又は容器壁への付着を防止する薬剤のうちの1つ又は複数の役割を果たすことができる薬剤が含まれる。そのような賦形剤には、多価糖アルコール(上に列挙されているもの);アラニン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、オルニチン、ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、及びトレオニンなどのアミノ酸;スクロース、ラクトース、ラクチトール、トレハロース、スタキオース、マンノース、ソルボース、キシロース、リボース、リビトール、ミオイニシトース(myoinisitose)、ミオイニシトール、ガラクトース、ガラクチトール、グリセロール、シクリトール(例えば、イノシトール)、及びポリエチレングリコールなどの有機糖又は糖アルコール;尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α-モノチオグリセロール、及びチオ硫酸ナトリウムなどの硫黄含有還元剤;ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチン、又は他の免疫グロブリンなどの低分子量タンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー類;単糖(例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、及びグルコース);二糖(例えば、ラクトース、マルトース、及びスクロース);ラフィノースなどの三糖;並びにデキストリン又はデキストランなどの多糖が含まれる。
非イオン性界面活性剤又は界面活性剤(detergent)(「湿潤剤」としても知られている)は、治療剤を可溶化するのを助けるため、及び治療用タンパク質を撹拌誘導凝集から保護するために存在し、活性のある治療用タンパク質又は抗体の変性を引き起こすことなく、製剤が剪断表面応力に曝されることも可能にする。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg/ml~約1mg/ml、好ましくは、約0.07mg/ml~約0.2mg/mlの範囲で存在する。
好適な非イオン性界面活性剤としては、ポリソルベート(20、40、60、65、又は80)、ポリオキサマー(184又は188)、PLURONIC(登録商標)ポリオール、TRITON(登録商標)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル(TWEEN(登録商標)-20又はTWEEN(登録商標)-80)、ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油10、50、及び60、グリセロールモノステアレート、ショ糖脂肪酸エステル、メチルセルロース、及びカルボキシメチルセルロースが挙げられる。使用し得る陰イオン性界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、及びスルホン酸ジオクチルナトリウムが含まれる。陽イオン性界面活性剤には、塩化ベンザルコニウム又は塩化ベンゼトニウムが含まれる。
医薬組成物がインビボ投与に使用されるために、それらは滅菌されていなければならない。医薬組成物は、滅菌濾過膜を通して濾過することにより滅菌状態にすることができる。本明細書における医薬組成物は、通常、滅菌アクセスポート、例えば、皮下注射針によって穿刺可能な栓を有する静脈用溶液バッグ又はバイアルを有する容器内に配置される。
投与経路は、既知の許容し得る方法によるもの、例えば、好適な様式での長期間にわたる単回もしくは複数回のボーラス又は注入、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、病巣内、もしくは関節内経路による注射もしくは注入、局所投与、又は持続放出もしくは延長放出手段による吸入によるものである。ある実施態様において、医薬組成物は、局所に、例えば、腫瘍内又は硝子体内に投与される。
持続放出調製物が調製され得る。持続放出調製物の好適な例としては、アンタゴニストを含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、成形品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形態のものである。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2-ヒドロキシエチル-メタクリレート)、又はポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(US 3,773,919号)、L-グルタミン酸とエチル-L-グルタミン酸塩のコポリマー、非分解性エチレン-酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性乳酸-グリコール酸コポリマー(乳酸-グリコール酸コポリマー及び酢酸ロイプロリドから構成される注射可能なマイクロスフェア)、並びにポリ-D-(-)-3-ヒドロキシ酪酸が挙げられる。
本明細書における医薬組成物はまた、治療される特定の兆候に必要なものとして複数の活性化合物、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的活性を有するものを含有し得る。或いは、又はさらに、該組成物は、細胞毒性剤、化学療法剤、サイトカイン、免疫抑制剤、又は増殖抑制剤を含み得る。そのような分子は、意図される目的に有効である量で組み合わさって好適に存在する。
活性成分はまた、例えば、コアセルベーション技法によるか又は界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、コロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルジョン、もしくはナノ粒子及びナノカプセル)中又はマクロエマルジョン中のヒドロキシメチルセルロース又はゼラチンマイクロカプセル及びポリ(メチルメタシレート)マイクロカプセルに捕捉されてもよい。このような技法は、レミントンの医薬品科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)、第18版に開示されている。
本明細書に開示される抗アルブミンコンストラクトは、免疫リポソームとして製剤化することができる。抗アルブミンコンストラクトを含有するリポソームは、当技術分野で公知の方法、例えば、Epsteinの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 82:3688-3692(1985); Hwangの文献、Proc. Natl Acad. Sci. U.S.A., 77:4030-4034(1980);並びにUS 4,485,045号及びUS 4,544,545号に記載されている方法によって調製される。循環時間が増加したリポソームは、US 5,013,556号に開示されている。
特に有用なリポソームは、ホスファチジルコリン、コレステロール、及びPEG誘導体化ホスファチジルエタノールアミン(PEG-PE)を含む脂質組成物を用いる逆相蒸発法によって作製することができる。リポソームを規定の孔径のフィルターを通して押し出すと、所望の直径を有するリポソームが得られる。
ある実施態様において、医薬組成物は、使い捨ての密閉バイアルなどの使い捨てのバイアルに含まれる。ある実施態様において、医薬組成物は、多用途バイアルに含まれる。ある実施態様において、医薬組成物は、容器内のバルク中に含まれる。ある実施態様において、医薬組成物は、凍結保存されている。
(IV.治療方法)
本開示の一態様は、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクト又は医薬組成物を用いて個体の疾患又は疾病を治療する方法を提供する。
ある実施態様において、個体の疾患又は疾病を治療する方法であって、該個体に、本明細書に記載されるコンストラクト又は医薬組成物の有効量を投与することを含む方法が提供される。ある実施態様において、個体の疾患又は疾病を治療する方法であって、抗アルブミンsdAb部分を含む第一のポリペプチド及び第二のポリペプチド(ここで、該第二のポリペプチドは治療剤を含む)を含む抗アルブミンコンストラクトの有効量を投与することを含む方法が提供される。ある実施態様において、治療剤は、抗原結合部分(例えば、腫瘍抗原に結合する抗体又はその断片)を含む。ある実施態様において、抗原は、腫瘍抗原である。ある実施態様において、腫瘍は、固形腫瘍である。ある実施態様において、腫瘍は、液性腫瘍である。ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリン(「MSLN」)、GPA33、Her-2、EGFR、CD20、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。ある実施態様において、作用因子は、免疫チェックポイントタンパク質である。ある実施態様において、治療剤は、サイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカインは、IL-21、IL-7、IL-15、IL-15Rαに結合したIL-15又はその断片、IL-33、及びIL-22からなる群から選択される。
(疾患又は障害)
本明細書に記載される方法を用いて、疾患又は障害を治療することができる。ある実施態様において、疾患又は疾病は、癌、炎症性疾患、又は感染症である。
ある実施態様において、疾患又は疾病は、炎症性疾患である。ある実施態様において、疾患は、潰瘍性大腸炎、クローン病、又は潰瘍性回腸炎、及び腸移植片対宿主病からなる群から選択される。
ある実施態様において、疾患又は疾病は、癌である。ある実施態様において、癌は、固形腫瘍である。ある実施態様において、癌は、液性腫瘍である。ある実施態様において、癌は、中皮腫、肺癌、乳癌、卵巣癌、膵癌、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)、白血病(例えば、急性骨髄性白血病)、頭頸部癌、肝臓癌、腎臓癌、腎臓癌、食道癌、胃癌、及び結腸直腸癌からなる群から選択される。ある実施態様において、癌は、中皮腫、肺癌、卵巣癌、及び胃癌からなる群から選択される。
(組合せ療法)
ある実施態様において、本方法は、第二の作用因子を投与することをさらに含む。ある実施態様において、第二の作用因子は、治療抗体、免疫チェックポイントインヒビター、第二のサイトカイン、化学療法剤、チロシンキナーゼインヒビター、又は免疫細胞を含む。
ある実施態様において、第二の作用因子は、治療抗体である。ある実施態様において、治療抗体は、腫瘍抗原に結合する。ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリン、GPA33、Her-2、EGFR、及びCD20からなる群から選択される。ある実施態様において、腫瘍抗原は、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、及びBCMAからなる群から選択される。
ある実施態様において、腫瘍抗原は、メソテリンである。ある実施態様において、第二の作用因子は、抗メソテリン抗体又はその断片である。ある実施態様において、抗メソテリン抗体又はその断片は、抗メソテリン重鎖可変領域(抗MSLN VH)を含む単鎖抗体を含み、ここで、該抗MSLN VHは、CDR1、CDR2、及びCDR3、ここでは: a)配列番号92のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号93のアミノ酸配列を含むCDR2、配列番号94のアミノ酸配列を含むCDR3、又は該CDR中に最大で合計3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアント;或いはb)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR1、配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR2、及びGRYのアミノ酸配列を含むCDR3、又は該CDR中に最大で合計3つ、2つ、もしくは1つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む。
ある実施態様において、第二の作用因子は、免疫チェックポイントモジュレーターである。ある実施態様において、免疫チェックポイントモジュレーターは、PD-L1、CTLA4、PD-L2、PD-1、CD47、アルブミン、GITR、TIM3、LAG3、CD27、及びB7H4からなる群から選択される免疫チェックポイントタンパク質のインヒビターである。
ある実施態様において、免疫チェックポイントタンパク質は、PD-1である。ある実施態様において、第二の作用因子は、抗PD-1抗体又はその断片である。
ある実施態様において、第二の作用因子は、第二のサイトカインである。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクト中のサイトカインは、IL-21であり、ここで、第二のサイトカインは、IL-7、IL-15、及びIL-15Rαに結合したIL-15、又は半減期が延長したこれらのバリアントからなる群から選択される。
ある実施態様において、第二の作用因子は、免疫細胞である。ある実施態様において、免疫細胞は、T細胞又はNK細胞を含む。ある実施態様において、免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)を発現するT細胞、修飾されたT細胞受容体(TCR)を発現するT細胞、又は腫瘍から単離されたT細胞を含む。
ある実施態様において、第二の作用因子は、チロシンキナーゼインヒビターである。
ある実施態様において、第二の作用因子は、化学療法剤(例えば、ソラフェニブ)である。
(投与レジメン)
抗アルブミンコンストラクト及び/又は第二の作用因子は、任意の好適な投薬量及び投与経路を用いて個体に投与することができる。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクト及び/又は第二の作用因子は、個体に非経口投与される。投与経路は、既知の許容し得る方法によるもの、例えば、好適な様式での長期間にわたる単回もしくは複数回のボーラス又は注入、例えば、皮下、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、病巣内、関節内経路、腫瘍内、又は経口経路による注射又は注入によるものである。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクト及び第二の作用因子は、同時に(simultaneously)、同時に(concurrently)、又は連続的に個体に投与される。
好適な投薬量又は投与経路の決定は、十分に当業者の技量の範囲内である。動物実験は、ヒト診断用途に有効な用量の決定についての信頼性の高い指針を提供する。有効用量の種間スケーリングは、トキシコキネティクス及び新薬開発(Toxicokinetics and New Drug Development)、Yacobi編、Pergamon Press, New York 1989, pp. 42-46所収のMordenti及びChappellの文献、「トキシコキネティクスにおける種間スケーリングの使用(The Use of Interspecies Scaling in Toxicokinetics)」によって定められている原理に従って実施することができる。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、約3週間に1回から約1週間に2回(約3週間に1回から約2週間に1回、約2週間に1回から約1週間に1回、又は約1週間に1回から約1週間に2回)投与される。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、約3週間に1回、約2週間に1回、約1週間に1回、又は約1週間に2回以上で投与される。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、約3週間に1回、約2週間に1回、約1週間に1回、又は約1週間に2回以下で投与される。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、約3週間に1回、約2週間に1回、約1週間に1回、又は約1週間に2回投与される。
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトは、各々の治療サイクルについて、少なくとも約1週間~6カ月間(1週間~2、3、又は4週間、1週間~1、2、3、4、5、又は6カ月間、1カ月~2、3、4、5、又は6カ月間、3カ月~4、5、又は6カ月間)投与される。
ある実施態様において、各々の投与のための抗アルブミンコンストラクトの量は、約100ng/kg~約10mg/kg(例えば、約100ng/kg~約500ng/kg、約500ng/kg~約1μg/kg、約1μg/kg~約5μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約10μg/kg~約50μg/kg、約50μg/kg~約100μg/kg、約100μg/kg~約500μg/kg、約500μg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、又は約5mg/kg~約10mg/kg)である。
ある実施態様において、第二の作用因子(例えば、メソテリン又はPD-1の阻害剤に結合する治療抗体)は、1カ月当たり約1回から1週間当たり約2回(1カ月当たり約1回から約1カ月に2、3、又は4回、約2週間に1回、約3週間に1回、約1週間に1回、又は毎週2回)投与される。
ある実施態様において、各々の投与のための第二の作用因子(例えば、メソテリン又はPD-1の阻害剤に結合する治療抗体)の量は、約100ng/kg~約100mg/kg(例えば、約100ng/kg~約500ng/kg、約500ng/kg~約1μg/kg、約1μg/kg~約5μg/kg、約5μg/kg~約10μg/kg、約10μg/kg~約50μg/kg、約50μg/kg~約100μg/kg、約100μg/kg~約500μg/kg、約500μg/kg~約1mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約10mg/kg~約50mg/kg、又は約50mg/kg~約100mg/kg)である。
(VI.調製方法)
本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトは、当技術分野で公知の又は本明細書に記載される任意の方法を用いて調製することができる。例えば、実施例1~5を参照されたい。ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトを産生する方法であって:(a)本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトをコードする単離された核酸又はベクターを含む宿主細胞を、コードされた抗アルブミンコンストラクトを発現するのに有効な条件下で培養すること;及び(b)発現された抗アルブミンコンストラクトを該宿主細胞から得ることを含む方法が提供される。ある実施態様において、工程(a)の方法は、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトをコードする単離された核酸又はベクターを含む宿主細胞を産生することをさらに含む。
sdAbを調製する方法は記載されている。例えば、Els Pardonの文献、Nat. Protoc. 9:674-693(2014)を参照されたい。sdAb(例えば、VHH)は、当技術分野で公知の方法を用いて、例えば、ラクダ科動物種(例えば、ラクダ又はラマ)を免疫し、そこからハイブリドーマを得ることによるか、又は当技術分野で公知の分子生物学的技法及び未選択のライブラリーの個々のクローンを用いるELISAによるもしく又はファージディスプレイを使用することによる後続の選択を用いて単一ドメイン抗体のライブラリーをクローニングすることにより得ることができる。
sdAbの組換え産生のために、単一ドメイン抗体をコードする核酸が単離され、さらなるクローニング(DNAの増幅)用又は発現用の複製可能ベクターに挿入される。単一ドメイン抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)容易に単離され、シークエンシングされる。多くのベクターが利用可能である。ベクターの選択は、使用されることになる宿主細胞に部分的に依存する。通常、好ましい宿主細胞は、原核生物起源又は真核生物(通常、哺乳動物)起源のいずれかである。ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトをコードする単離された核酸は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つをコードする核酸配列を含む。ある実施態様において、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトをコードする単離された核酸は、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つをコードする核酸配列を含む。
(1.原核細胞における組換え産生)
a)ベクター構築
本開示の抗体をコードするポリ核酸配列は、標準的な組換え技法を用いて得ることができる。所望のポリ核酸配列は、ハイブリドーマ細胞などの抗体産生細胞から単離し、シークエンシングすることができる。或いは、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド合成装置又はPCR技法を用いて合成することができる。ひとたび得られれば、ポリペプチドをコードする配列は、原核生物宿主で異種ポリヌクレオチドを複製及び発現することができる組換えベクターに挿入される。利用可能であり、かつ当技術分野で公知の多くのベクターは、本開示の目的のために使用することができる。適切なベクターの選択は、主に、ベクターに挿入されることになる核酸のサイズ及び該ベクターで形質転換されることになる特定の宿主細胞に依存する。各々のベクターは、その機能(異種ポリヌクレオチドの増幅及び/又は発現)並びにそれが存在する特定の宿主細胞とのその適合性に応じて、様々な成分を含有する。ベクター成分は、通常、複製起点、選択マーカー遺伝子、プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、シグナル配列、異種核酸挿入物、及び転写終結配列を含むが、これらに限定されない。
一般に、レプリコン及び宿主細胞と適合する種に由来する制御配列を含有するプラスミドベクターは、これらの宿主に関連して使用される。ベクターは、通常、複製部位、及び形質転換細胞における表現型選択を提供することができるマーキング配列を保有する。
さらに、レプリコン及び宿主微生物と適合する種に由来する制御配列を含有するファージベクターは、これらの宿主に関連して形質転換ベクターとして使用することができる。例えば、GEM(商標)-11などのバクテリオファージを、大腸菌(E.coli) LE392などの感受性宿主細胞を形質転換するために使用することができる組換えベクターを作製するのに利用してもよい。
本開示の発現ベクターは、ポリペプチド成分の各々をコードする2以上のプロモーター-シストロンペアを含み得る。プロモーターは、その発現を制御するシストロンの上流(5')に位置する非翻訳調節配列である。原核生物プロモーターは、典型的には、誘導性及び構成的という2つのクラスに分類される。誘導性プロモーターは、培養条件の変化、例えば、栄養素の有無又は温度の変化に応答して、その制御下のシストロンの転写のレベルの増大を惹起するプロモーターである。
種々の潜在的な宿主細胞によって認識される多数のプロモーターが周知である。選択されたプロモーターは、制限酵素消化によって供給源DNA由来のプロモーターを除去し、単離されたプロモーター配列を本開示のベクターに挿入することにより、軽鎖又は重鎖をコードするシストロンDNAに機能的に連結することができる。天然のプロモーター配列と多くの異種プロモーターの両方を用いて、標的遺伝子の増幅及び/又は発現を指示することができる。ある実施態様において、異種プロモーターが利用されるが、それは、これが、通常、天然の標的ポリペプチドプロモーターと比較して、発現された標的遺伝子のより多くの転写及びより高い収率を可能にするためである。
原核生物宿主とともに使用するのに好適なプロモーターとしては、PhoAプロモーター、ガラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、並びにtac又はtrcプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが挙げられる。しかしながら、細菌において機能的である他のプロモーター(例えば、他の公知の細菌又はファージプロモーター)も同様に好適である。これらの核酸配列は公開されており、それにより、当業者が、リンカー又はアダプターを用いて、それらを標的軽鎖及び重鎖をコードするシストロンに機能的に連結させて、任意の必要とされる制限部位を供給するのを可能にする。Siebenlistの文献、Cell 20:269-281(1980)。
一態様において、組換えベクター内の各々のシストロンは、膜を横断する発現ポリペプチドの移行を指示する分泌シグナル配列成分を含む。一般に、シグナル配列は、ベクターの成分であってもよいし、又はそれは、ベクターに挿入される標的ポリペプチドDNAの一部であってもよい。本開示のために選択されるシグナル配列は、宿主細胞によって認識及び処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。異種ポリペプチドに固有のシグナル配列を認識及び処理しない原核生物宿主細胞については、シグナル配列は、例えば、アルカリホスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、又は熱安定性エンテロトキシンII(STII)リーダー、LamB、PhoE、PelB、OmpA、及びMBPからなる群から選択される原核生物シグナル配列によって置換される。本開示のある実施態様において、発現系の両方のシストロンで使用されるシグナル配列は、STIIシグナル配列又はそのバリアントである。
ある実施態様において、本開示による抗アルブミンコンストラクトの産生は、宿主細胞の細胞質で生じることができ、それゆえ、各々のシストロン内の分泌シグナル配列の存在を必要としない。ある実施態様において、第一の抗原結合部分に任意に融合された第二の抗原結合部分のVHドメインをコードするポリペプチド及び第一の抗原結合部分に任意に融合された第二の抗原結合部分のVLドメインをコードするポリペプチドなどのポリペプチド成分は、細胞質内で発現され、フォールディングされ、機能的抗体を形成するように会合する。ある宿主株(例えば、大腸菌trxB-株)は、ジスルフィド結合形成に好都合である細胞質条件を提供し、それにより、発現されたタンパク質サブユニットの適切なフォールディング及び会合を可能にする。Proba及びPluckthunの文献、Gene 159:203-207(1995)。
本開示は、分泌され、適切に会合した本開示の抗体の収率を最大化するために、発現されるポリペプチド成分の量比を調節することができる発現系を提供する。そのような調節は、ポリペプチド成分の翻訳強度を同時に調節することにより、少なくとも部分的に達成される。翻訳強度を調節するための1つの技法は、US 5,840,523号に開示されている。これは、シストロン内の翻訳開始領域(TIR)のバリアントを利用する。所与のTIRについて、様々な翻訳強度を有する一連のアミノ酸又は核酸配列バリアントを作出し、それにより、この因子を特定の鎖の所望の発現レベルに適合させる好都合な方法を提供することができる。TIRバリアントは、アミノ酸配列を改変することができるコドン変化をもたらすが、サイレントな核酸配列の変化が好ましい、従来の突然変異誘発技法によって作製することができる。TIRの改変としては、例えば、シグナル配列の改変の他に、シャイン-ダルガーノ配列の数又は間隔の改変が挙げられる。突然変異体シグナル配列を生成させるための1つの方法は、コード配列の開始点にシグナル配列のアミノ酸配列を変化させない(すなわち、この変化はサイレントである)「コドンバンク」を生成させることである。これは、各々のコドンの3番目のヌクレオチド位置を変化させることにより達成することができ;さらに、ロイシン、セリン、及びアルギニンなどのいくつかのアミノ酸は、バンクの作製をさらに複雑にし得る複数の1番目及び2番目位置を有する。
好ましくは、ベクターのセットは、その中の各々のシストロンについて、様々なTIR強度を有して作製される。この限定されたセットにより、各々の鎖の発現レベル並びに様々なTIR強度組合せの下での所望のタンパク質産物の収率の比較が提供される。TIR強度は、US 5,840,523号に詳細に記載されているように、レポーター遺伝子の発現レベルを定量化することにより決定することができる。翻訳強度比較に基づいて、所望の個々のTIRを選択して、本開示の発現ベクターコンストラクト中で組み合わせる。
b)原核宿主細胞
本開示の抗体を発現させるのに好適な原核宿主細胞としては、古細菌(Archaebacteria)及び真正細菌(Eubacteria)、例えば、グラム陰性又はグラム陽性生物が挙げられる。有用な細菌の例としては、エシェリキア属(Escherichia)(例えば、大腸菌)、バシラス属(Bacilli)(例えば、枯草菌(B.subtilis))、腸内細菌(Enterobacteria)、シュードモナス(Pseudomonas)種(例えば、緑膿菌(P.aeruginosa))、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)、セラチア・マルセスカンス(Serratia marcescans)、クレブシエラ属(Klebsiella)、プロテウス属(Proteus)、赤痢菌(Shigella)、根粒菌(Rhizobia)、ビトレオシラ属(Vitreoscilla)、又はパラコッカス属(Paracoccus)が挙げられる。ある実施態様において、グラム陰性細胞が使用される。ある実施態様において、大腸菌が宿主として使用される。大腸菌株の例としては、遺伝子型W3110 AfhuA(AtonA) ptr3 lac Iq lacL8 AompT A(nmpc-fepE) degP41 kanRを有する株33D3(US 5,639,635号)を含む、株W3110及びその派生物が挙げられる。他の株及びその派生物、例えば、大腸菌294(ATCC 31,446)、大腸菌B、大腸菌1776(ATCC 31,537)、及び大腸菌RV308(ATCC 31,608)も好適である。これらの例は、限定的なものではなく、例示的なものである。通常、細菌の細胞内でのレプリコンの複製可能性を考慮して、適切な細菌を選択する必要がある。例えば、pBR322、pBR325、pACYC177、又はpKN410などの周知のプラスミドを用いてレプリコンを供給する場合、大腸菌、セラチア、又はサルモネラ属(Salmonella)種を宿主として好適に使用することができる。
典型的には、宿主細胞は、最小量のタンパク質分解酵素を分泌するべきであり、さらなるプロテアーゼインヒビターが細胞培養物中に組み入れられることが望ましい。
c)タンパク質産生
宿主細胞は、上記の発現ベクターで形質転換され、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために、必要に応じて修飾された従来の栄養培地中で培養される。形質転換とは、DNAが染色体外エレメントとしてか又は染色体成分によるかのいずれかで複製可能であるように、DNAを原核生物宿主に導入することを意味する。使用される宿主細胞に応じて、形質転換は、そのような細胞に適切な標準的な技法を用いて行われる。塩化カルシウムを利用するカルシウム処理は、かなりの細胞壁障壁を含有する細菌細胞に通常使用される。別の形質転換法は、ポリエチレングリコール/DMSOを利用する。使用されるさらに別の技法は、エレクトロポレーションである。
本開示の抗体を産生するために使用される原核細胞は、当技術分野で公知であり、かつ選択された宿主細胞の培養に好適な培地中で増殖させる。好適な培地の例としては、ルリアブロス(LB)+必要な栄養補充物質が挙げられる。ある実施態様において、培地は、発現ベクターを含有する原核細胞の増殖を選択的に可能にするために、発現ベクターの構造に基づいて選択された選択剤を含有し得る。例えば、アンピシリンは、アンピシリン耐性遺伝子を発現する細胞の増殖のために培地に添加される。
炭素、窒素、及び無機リン酸供給源以外の任意の必要な補充物質を、単独で又は別の補充物質もしくは培地、例えば、複合窒素源との混合物として導入して、適切な濃度で含めることもできる。任意に、培養培地は、グルタチオン、システイン、シスタミン、チオグリコレート、ジチオエリスリトール、及びジチオスレイトールからなる群から選択される1以上の還元剤を含有し得る。原核生物宿主細胞は、好適な温度で培養される。大腸菌の増殖について、例えば、好ましい温度は、約20℃~約39℃、より好ましくは、約25℃~約37℃の範囲であり、一層より好ましくは、約30℃である。培地のpHは、主として宿主生物によるが、約5~約9の範囲の任意のpHであり得る。大腸菌について、pHは、好ましくは、約6.8~約7.4、より好ましくは、約7.0である。
誘導性プロモーターが本開示の発現ベクターに使用される場合、タンパク質発現は、プロモーターの活性化に好適な条件下で誘導される。本開示の一態様において、PhoAプロモーターがポリペプチドの転写を制御するために使用される。したがって、形質転換された宿主細胞は、誘導用のリン酸制限培地中で培養される。好ましくは、リン酸制限培地は、C.R.A.P培地である。当技術分野で公知のように、種々の他の誘導物質を、利用されるベクターコンストラクトに応じて使用することができる。
本開示の発現された抗アルブミンコンストラクトは、宿主細胞のペリプラズムに分泌され、そこから回収される。タンパク質回収は、典型的には、一般に浸透圧ショック、超音波処理、又は溶解のような手段による微生物の破壊を伴う。細胞を破壊したら、細胞細片又は全細胞を遠心分離又は濾過によって除去することができる。タンパク質は、例えば、親和性樹脂クロマトグラフィーによって、さらに精製することができる。或いは、タンパク質は、培養培地中に運ばれ、そこで単離されることもできる。細胞を培養物及び培養上清から除去し、産生されたタンパク質のさらなる精製のために濾過及び遠心分離することができる。発現されたポリペプチドは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)及びウェスタンブロットアッセイなどの一般に知られている方法を用いて、さらに単離及び同定することができる。
或いは、抗体生産は、発酵プロセスによって大量に実施される。様々な大規模フェッドバッチ発酵手順が組換えタンパク質の産生に利用可能である。大規模発酵は、少なくとも1,000リットルの容量を有し、好ましくは約1,000~100,000リットルの容量を有する。これらの発酵槽は、撹拌羽根を用いて、酸素及び栄養素、特に、グルコース(好ましい炭素/エネルギー源)を分配する。小規模発酵は、通常、容積が約100リットル以下であり、約1リットル~約100リットルの範囲であり得る培養槽での培養を指す。
発酵プロセスにおいて、タンパク質発現の誘導は、典型的には、細胞が好適な条件下で、所望の密度、例えば、約180~220のOD550まで増殖した後に開始され、この段階で、細胞は初期静止期にある。当技術分野で公知のように、かつ上記のように、種々の誘導物質を利用されるベクターコンストラクトに応じて使用することができる。細胞は、誘導前に短期間増殖させることができる。細胞は、通常、約12~50時間誘導されるが、より長い又はより短い誘導時間を使用してもよい。
本開示の抗体の産生収率及び品質を向上させるために、様々な発酵条件を修正することができる。例えば、分泌されたポリペプチドの適切な会合及びフォールディングを向上させるために、Dsbタンパク質(DsbA、DsbB、DsbC、DsbD、及び/もしくはDsbG)又はFkpA(シャペロン活性を有するペプチジルプロリルシス、トランスイソメラーゼ)などのシャペロンタンパク質を過剰発現するさらなるベクターを用いて、宿主原核細胞を共形質転換することができる。シャペロンタンパク質は、細菌宿主細胞で産生された異種タンパク質の適切なフォールディング及び可溶性を促進することが示されている。
発現された異種タンパク質(特に、タンパク質分解に感受性のもの)のタンパク質分解を最小限に抑えるために、タンパク質分解酵素が欠損している特定の宿主株を本発明に使用することができる。例えば、宿主細胞株を修飾して、既知の細菌プロテアーゼ、例えば、プロテアーゼIII、OmpT、DegP、Tsp、プロテアーゼI、プロテアーゼMi、プロテアーゼV、プロテアーゼVI、及びこれらの組合せをコードする遺伝子の遺伝子突然変異を達成することができる。
タンパク質分解酵素が欠損し、かつ1以上のシャペロンタンパク質を過剰発現するプラスミドで形質転換された大腸菌株を、本開示の抗体をコードする発現系で宿主細胞として使用することができる。
d)タンパク質精製
本明細書において産生される抗アルブミンコンストラクトをさらに精製して、さらなるアッセイ及び使用のために実質的に均質である調製物を得る。当技術分野で公知の標準的なタンパク質精製法を利用することができる。以下の手順は、好適な精製手順の例である:免疫親和性又はイオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上での又はDEAEなどの陽イオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、及び例えば、Sephadex G-75を用いるゲル濾過。
ある実施態様において、固相に固定されたプロテインAは、本開示のFc領域を含む抗体の免疫親和性精製に使用される。プロテインAは、411(Dの細胞壁タンパク質であり、高い親和性で抗体のFc領域に結合する。Lindmarkの文献、J. Immunol. Meth. 62:1-13(1983)。プロテインAが固定される固相は、好ましくは、ガラス又はシリカ表面を含むカラム、より好ましくは、制御孔ガラスカラム又はケイ酸カラムである。いくつかの用途において、カラムは、夾雑物の非特異的接着を防止しようとして、グリセロールなどの試薬でコーティングされている。その後、固相を洗浄して、固相に非特異的に結合した夾雑物を除去する。最後に、対象となる抗体を溶出によって固相から回収する。
(2.真核細胞における組換え産生)
真核生物発現について、ベクター成分は、通常、以下のもの、シグナル配列、複製起点、1以上のマーカー遺伝子、並びにエンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列のうちの1つ又は複数を含むが、これらに限定されない。
a)シグナル配列成分
真核宿主において使用するためのベクターは、成熟タンパク質又はポリペプチドのN末端に特異的な切断部位を有するシグナル配列又は他のポリペプチドをコードする挿入物であってもよい。選択される異種シグナル配列は、好ましくは、宿主細胞によって認識及び処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものである。哺乳動物細胞発現において、哺乳動物シグナル配列及びウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。
そのような前駆体領域のためのDNAは、本開示の抗体をコードするDNAにリーディングフレーム中でライゲーションされる。
b)複製起点
通常、複製起点成分は、哺乳動物発現ベクターに必要とされない(SV40起点は、典型的には、初期プロモーターを含有するという理由だけで使用することができる)。
c)選択遺伝子成分
発現及びクローニングベクターは、選択可能マーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含有し得る。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質もしくは他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、もしくはテトラサイクリンに対する耐性を付与するか、(b)栄養要求性欠損を相補するか、又は(c)複合培地から入手不可能な重要な栄養素を供給するタンパク質をコードし、例えば、バシラス属のD-アラニンラセマーゼをコードする遺伝子がある。
選択スキームの1つの例は、宿主細胞の増殖を停止させるための薬物を利用する。異種遺伝子による形質転換が成功している細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を産生し、したがって、選択レジメンを生き残る。そのような優性選択の例は、薬物のネオマイシン、ミコフェノール酸、及びハイグロマイシンを使用する。
哺乳動物細胞のための好適な選択可能マーカーの別の例は、本開示の抗体をコードする核酸を取り込む能力のある細胞の同定を可能にするもの、例えば、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン-I及び-II、好ましくは、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、又はオルニチンデカルボキシラーゼである。
例えば、DHFR選択遺伝子で形質転換された細胞は、まず、DHFRの競合的アンタゴニストであるメトトレキサート(Mtx)を含有する培養培地中で全ての形質転換体を培養することにより同定される。野生型DHFRが利用されるときの適切な宿主細胞は、DHFR活性が欠損しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(例えば、ATCC CRL-9096)である。
或いは、ポリペプチドをコードするDNA配列、野生型DHFRタンパク質、及びアミノグリコシド 3'-ホスホトランスフェラーゼ(APH)などの別の選択可能マーカーで形質転換又は共形質転換された宿主細胞(特に、内在性DHFRを含有する野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン、又はG418などの選択可能マーカーのための選択用薬剤を含有する培地中での細胞増殖によって選択することができる。
d)プロモーター成分
発現及びクローニングベクターは、通常、宿主生物によって認識され、かつ所望のポリペプチド配列をコードする核酸に機能的に連結されているプロモーターを含有する。ほぼ全ての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位から約25~30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写開始場所から70~80塩基上流に見出される別の配列は、CNCAAT領域であり、ここで、Nは、任意のヌクレオチドであり得る。大部分の真核生物の3'末端には、コード配列の3'末端へのポリAテールの付加のためのシグナルとなり得るAATAAA配列がある。これらの配列は全て、真核生物発現ベクターに挿入することができる。
原核生物宿主とともに使用するのに好適な他のプロモーターとしては、phoAプロモーター、ラクタマーゼ及びラクトースプロモーター系、アルカリホスファターゼプロモーター、トリプトファン(trp)プロモーター系、並びにtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーターが挙げられる。しかしながら、他の既知の細菌プロモーターが好適である。細菌系で使用するためのプロモーターはまた、抗体をコードするDNAに機能的に連結されたシャイン-ダルガーノ(S.D.)配列を含有する。
哺乳動物宿主細胞におけるベクターからのポリペプチド転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えば、アデノウイルス2)、ウシパピローマウイルス、トリ肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、B型肝炎ウイルス、及びより好ましくは、サルウイルス40(SV40)などのウイルスのゲノムから、異種哺乳動物プロモーター、例えば、アクチンプロモーター又は免疫グロブリンプロモーターから、熱ショックプロモーターから得られるプロモーターによって制御され、ただし、そのようなプロモーターは、宿主細胞系と適合する。
SV40ウイルスの初期及び後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含有するSV40制限断片として好都合に得られる。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、HindIII E制限断片として好都合に得られる。ウシパピローマウイルスをベクターとして用いて哺乳動物宿主でDNAを発現するための系は、US 4,419,446号に開示されている。この系の修飾は、US 4,601,978号に記載されている。単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞におけるヒト‐インターフェロンcDNAの発現に関しては、Reyesの文献、Nature 297:598-601(1982)も参照されたい。或いは、ラウス肉腫ウイルス末端反復配列をプロモーターとして使用することができる。
e)エンハンサーエレメント成分
高等真核生物による本開示の抗体をコードするDNAの転写は、多くの場合、ベクターにエンハンサー配列を挿入することにより増加する。哺乳動物遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α‐フェトプロテイン、及びインスリン)由来の多くのエンハンサー配列が現在公知である。しかしながら、典型的には、真核細胞ウイルス由来のエンハンサーが使用される。例として、複製起点の後方(late side)(100~270bp)のSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後方のポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーが挙げられる。エンハンサーは、ポリペプチドコード配列に対して5'又は3'の位置で、ベクター中にスプライシングされ得るが、好ましくは、プロモーターから5'の部位に位置する。
f)転写終結成分
真核生物宿主細胞(酵母、真菌、昆虫、植物、動物、ヒト、又は他の多細胞生物由来の有核細胞)において使用される発現ベクターは、転写の終結及びmRNAの安定化に必要な配列も含有する。そのような配列は、一般的に、真核生物又はウイルスのDNA又はcDNAの5'及び場合により3'非翻訳領域から入手可能である。これらの領域は、ポリペプチドをコードするmRNAの非翻訳部分に、ポリアデニル化断片として転写されるヌクレオチドセグメントを含有する。1つの有用な転写終結成分は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026号及びその中で開示されている発現ベクターを参照されたい。
g)宿主細胞の選択及び形質転換
本明細書におけるベクターでのDNAのクローニング又は発現に好適な宿主細胞には、脊椎動物宿主細胞を含む、本明細書に記載されている高等真核生物細胞が含まれる。培養(組織培養)下での脊椎動物細胞の増殖は、ルーチン手順となっている。有用な哺乳動物宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胎児胚性腎臓株(懸濁培養下での増殖のためにサブクローニングされた293又は293細胞、Grahamの文献、J. Gen. Virol. 36:59-74(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO、Urlaubの文献、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 77:4216-4620(1980));マウスセルトリ細胞(TM4、Mather, Biol. Reprod. 23:243-252(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587);ヒト子宮頸癌細胞(HELA、ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(Hep G2、HB 8065);マウス***腫瘍(MMT 060562、ATCC CCL51); TR1細胞(Matherの文献、Ann. N.Y. Acad. Sci. 383:44-68(1982)); MRC 5細胞; FS4細胞;並びにヒト肝癌株(Hep G2)である。
宿主細胞は、抗体産生用の上記の発現又はクローニングベクターで形質転換され、プロモーターを誘導するか、形質転換体を選択するか、又は所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために、必要に応じて修飾された従来の栄養培地中で培養される。
h)宿主細胞の培養
本開示の抗体を産生するのに使用される宿主細胞は、種々の培地中で培養することができる。HamのF10(Sigma)、最小必須培地((MEM)、(Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、及びダルベッコ改変イーグル培地((DMEM)、Sigma)などの市販の培地は、宿主細胞を培養するのに好適である。培地には、必要に応じて、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えば、インスリン、トランスフェリン、又は上皮成長因子)、塩(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、及びリン酸塩)、バッファー(例えば、HEPES)、ヌクレオチド(例えば、アデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、GENTAMYCIN(商標)薬)、微量元素(マイクロモル濃度範囲の最終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、並びにグルコース又は等価なエネルギー源を補充することができる。任意の他の必要な補充物質を当業者に公知の適切な濃度で含めることもできる。温度及びpHなどの培養条件は、発現のために選択された宿主細胞とともに以前に使用された条件であり、当業者には明らかとなろう。
i)タンパク質精製
組換え技法を使用する場合、抗体は、ペリプラズム空間で細胞内産生されるか、又は培地中に直接的に分泌されることができる。抗体が細胞内産生される場合、第一の工程として、宿主細胞又は溶解された断片のいずれかの粒子状残渣は、例えば、遠心分離又は限外濾過によって除去される。Carterの文献、Biotechnology(N.Y.) 10:163-167(1992)には、大腸菌のペリプラズム空間に分泌される抗体を単離するための手順が記載されている。簡潔に述べると、細胞ペーストを、酢酸ナトリウム(pH 3.5)、EDTA、及びフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)の存在下で、約30分間にわたって解凍する。細胞残渣は、遠心分離によって除去することができる。抗体が培地中に分泌される場合、そのような発現系からの上清は、通常まず、市販のタンパク質濃縮フィルター、例えば、Amicon又はMillipore Pellicon製の限外濾過ユニットを用いて濃縮することができる。PMSFなどのプロテアーゼインヒビターを、タンパク質分解を阻害するために、前述の工程のいずれかに含めることができ、抗生物質を、偶発的な夾雑物の増加を防止するために含めることができる。
細胞から調製された抗体組成物は、例えば、ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、及び親和性クロマトグラフィーを用いて精製することができ、親和性クロマトグラフィーが好ましい精製技法である。親和性リガンドとしてのプロテインAの好適性は、抗体に存在するいずれかの免疫グロブリンFcドメインの種及びアイソタイプに依存する。プロテインAを用いて、1つ、2つ、又は4つの重鎖を含有するヒト免疫グロブリンに基づく抗体を精製することができる。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプ及びヒト3に対して推奨される。親和性リガンドが付着するマトリックスは、ほとんどの場合、アガロースであるが、他のマトリックスが利用可能である。制御孔ガラス又はポリ(スチレン-ジビニル)ベンゼンなどの機械的に安定的なマトリックスは、アガロースで達成され得るものよりも速い流速及び短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J. T. Baker, Phillipsburg, N.J.)が精製に有用である。イオン交換カラム上での分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上でのクロマトグラフィー、ヘパリンSEPHAROSE(商標)上でのクロマトグラフィー、陰イオン又は陽イオン交換樹脂(例えば、ポリアスパラギン酸カラム)上でのクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、及び硫酸アンモニウム沈殿などのタンパク質精製のための他の技法も、回収されることになる抗体に応じて利用可能である。
任意の予備的精製工程の後、対象となる抗体及び夾雑物を含む混合物は、好ましくは、低塩濃度(例えば、約0~0.25M塩)で行われる、約2.5~4.5のpHの溶出バッファーを用いる低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーに供することができる。
(3.ポリクローナル抗体)
ポリクローナル抗体は、通常、関連抗原及びアジュバントの複数回の皮下(s.c.)又は腹腔内(i.p.)注射によって、動物で惹起される。関連抗原を、二官能性剤又は誘導体化剤、例えば、マレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介するコンジュゲーション)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介する)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、又はR1N=C=NR(ここで、R及びR1は、独立に、低級アルキル基である)を用いて、免疫されることになる種で免疫原性であるタンパク質、例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、血清アルブミン、ウシチログロブリン、又は大豆トリプシンインヒビターにコンジュゲートすることが有用である場合がある。利用し得るアジュバントの例としては、フロイントの完全アジュバント及びMPL-TDMアジュバント(モノホスホリル脂質A、合成トレハロースジコリノミコレート)が挙げられる。免疫プロトコルは、過度な実験を伴うことなく、当業者によって選択されることができる。
例えば、100μg又は5μgのタンパク質又はコンジュゲート(それぞれ、ウサギ又はマウス用)を3容量のフロイントの完全アジュバントと組み合わせ、この溶液を複数の部位で皮内注射することにより、動物を、抗原、免疫原性コンジュゲート、又は誘導体に対して免疫する。1カ月後、複数の部位での皮下注射により、動物を、フロイントの完全アジュバント中のもとの量の1/5~1/10のペプチド又はコンジュゲートで追加免疫する。7~14日後、動物から採血し、血清を抗体力価についてアッセイする。力価プラトーまで、動物を追加免疫する。コンジュゲートは、組換え細胞培養物中でタンパク質融合体として作製することもできる。また、ミョウバンなどの凝集剤は、免疫応答を増強するのに好適である。ラクダでの免疫については、実施例1も参照されたい。
(4.モノクローナル抗体)
モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の集団から得られる、すなわち、該集団を含む個々の抗体は、微量に存在し得る天然のあり得る突然変異及び/又は翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除いて同一である。したがって、「モノクローナル」という修飾語句は、別々の抗体の混合物ではないような抗体の性質を示す。例えば、モノクローナル抗体は、Kohlerの文献、Nature 256:495-497(1975)によって最初に記載されたハイブリドーマ法を用いて作製されてもよく、又は組換えDNA法(US 4,816,567号)によって作製されてもよい。ハイブリドーマ法では、マウス又は他の適切な宿主動物、例えば、ハムスターもしくはラマを上述のように免疫して、免疫に使用されるタンパク質に特異的に結合する抗体を産生する又は産生することができるリンパ球を誘発する。或いは、リンパ球をインビトロで免疫してもよい。その後、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を用いて骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成させる(Godingの文献、モノクローナル抗体:原理及び実践(Monoclonal Antibodies: Principles and Practice)、pp. 59-103(Academic Press, 1986))。ラクダでの免疫については、実施例1も参照されたい。
免疫剤は、典型的には、抗原性タンパク質又はその融合体バリアントを含む。通常、ヒト起源の細胞が望ましい場合に、末梢血リンパ球(「PBL」)が使用されるか、又は非ヒト哺乳動物源が望ましい場合に、脾臓細胞もしくはリンパ節細胞が使用されるかのいずれかである。その後、リンパ球を、ポリエチレングリコールなどの好適な融合剤を用いて不死化細胞株と融合させて、ハイブリドーマ細胞を形成させる。Godingの文献、モノクローナル抗体:原理及び実践(Monoclonal Antibodies: Principles and Practice)、Academic Press(1986), pp. 59-103。
不死化細胞株は、通常、形質転換された哺乳動物細胞、特に、齧歯類、ウシ、及びヒト起源の骨髄腫細胞である。通常、ラット又はマウス骨髄腫細胞株が利用される。このように調製されたハイブリドーマ細胞を、好ましくは、融合していない親骨髄腫細胞の増殖又は生存を阻害する1以上の物質を含有する好適な培養培地中に播種し、その中で増殖させる。例えば、親骨髄腫細胞が、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)という酵素を欠く場合、ハイブリドーマ用の培養培地は、通常、HGPRT欠損細胞の増殖を妨げる物質である、ヒポキサンチン、アミノプテリン、及びチミジン(HAT培地)を含む。
好ましい不死化骨髄腫細胞は、効率的に融合し、選択された抗体産生細胞による安定した高レベルの抗体産生を支持し、かつHAT培地などの選択培地に感受性がある細胞である。これらの中で、好ましいのは、マウス骨髄腫株、例えば、ソーク研究所細胞配布センター(Salk Institute Cell Distribution Center)(San Diego, Calif. USA)から入手可能なMOPC-21及びMPC-11マウス腫瘍から派生したもの、並びにアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(Manassas, Va. USA)から入手可能なSP-2細胞(及びその派生物、例えば、X63-Ag8-653)である。
ハイブリドーマ細胞が増殖している培養培地を抗原に対するモノクローナル抗体の産生についてアッセイする。好ましくは、ハイブリドーマ細胞によって産生されるモノクローナル抗体の結合特異性は、免疫沈降によるか、又はインビトロ結合アッセイ、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)又は酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によって決定される。
ハイブリドーマ細胞が培養される培養培地は、所望の抗原に対するモノクローナル抗体の存在についてアッセイすることができる。好ましくは、モノクローナル抗体の結合親和性及び特異性は、免疫沈降によるか、又はインビトロ結合アッセイ、例えば、放射免疫アッセイ(RIA)又は酵素結合アッセイ(ELISA)によって決定することができる。例えば、結合親和性は、Munsonの文献、Anal. Biochem. 107:220-239(1980)のスキャッチャード解析によって決定することができる。
所望の特異性、親和性、及び/又は活性の抗体を産生するハイブリドーマ細胞が同定された後、クローンを限界希釈法によってサブクローニングし、標準的な方法によって増殖させることができる(Godingの文献、上記)。この目的のための好適な培養培地としては、例えば、D-MEM又はRPMI-1640培地が挙げられる。さらに、ハイブリドーマ細胞は、哺乳動物内の腫瘍としてインビボで増殖させることができる。
サブクローンによって分泌されるモノクローナル抗体は、例えば、プロテインA-セファロース、ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、又は親和性クロマトグラフィーなどの従来の免疫グロブリン精製手順によって、培養培地、腹水液、又は血清から好適に分離される。
モノクローナル抗体は、組換えDNA法によって作製することもできる。モノクローナル抗体をコードするDNAは、従来の手順を用いて(例えば、マウス抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用することにより)、容易に単離され、シークエンシングされる。ハイブリドーマ細胞は、そのようなDNAの好ましい供給源としての役割を果たす。ひとたび単離すれば、DNAを発現ベクター中に入れることができ、これをその後、トランスフェクトされなければ免疫グロブリンタンパク質を産生することはない、大腸菌細胞、サルCOS細胞、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又は骨髄腫細胞などの宿主細胞に、そのような組換え宿主細胞でモノクローナル抗体を合成するためにトランスフェクトする。
さらなる実施態様において、抗体を、McCaffertyの文献、Nature 348:552-554(1990)に記載されている技法を用いて作製される抗体ファージライブラリーから単離することができる。Clacksonの文献、Nature 352:624-628(1991)及びMarksの文献、J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)には、ファージライブラリーを用いる、それぞれ、マウス及びヒト抗体の単離が記載されている。その後の出版物には、鎖シャッフリング(Marksの文献、Biotechnology(N.Y.) 10:779-783(1992))、並びに非常に大きいファージライブラリーを構築するための戦略としてのコンビナトリアル感染及びインビボ組換え(Waterhouseの文献、Nucl. Acids Res. 21:2265-2266(1993))による高親和性(nM範囲)のヒト抗体の産生が記載されている。したがって、これらの技法は、モノクローナル抗体の単離のための従来のモノクローナル抗体ハイブリドーマ技法の実行可能な代替案である。
DNAは、例えば、ヒト重鎖及び軽鎖定常ドメインのコード配列を相同なマウス配列の代わりに使用することによるか(US 4,816,567号; Morrisonの文献、Proc. Natl Acad. Sci. U.S.A. 81:6851-6855(1984))、又は免疫グロブリンコード配列を非免疫グロブリンポリペプチドのコード配列の全てもしくは一部に共有結合させることにより修飾することもできる。典型的には、そのような非免疫グロブリンポリペプチドは、抗体の定常ドメインに置き換えられるか、又はそれらは、抗体の1つの抗原結合部位の可変ドメインに置き換えられて、ある抗原に対する特異性を有する1つの抗原結合部位と異なる抗原に対する特異性を有するもう1つの抗原結合部位を含むキメラ二価抗体を生み出す。
本明細書に記載されるモノクローナル抗体は、一価であってもよく、その調製は、当技術分野で周知である。例えば、1つの方法は、免疫グロブリン軽鎖及び修飾された重鎖の組換え発現を伴う。重鎖架橋を防止するために、重鎖は、通常、Fc領域中の任意の点で切断される。或いは、関連システイン残基は、別のアミノ酸残基で置換されてもよく、又は重鎖架橋を防止するために欠失させられる。インビトロ法も、一価抗体を調製するのに好適である。その断片、特に、Fab断片を産生するための抗体の消化は、当技術分野で公知のルーチンの技法を用いて達成することができる。
キメラ又はハイブリッド抗体も、架橋剤を伴うものを含む、合成タンパク質化学における公知の方法を用いて、インビトロで調製することができる。例えば、ジスルフィド交換反応を使用するか、又はチオエーテル結合を形成することにより、免疫毒素を構築することができる。この目的のための好適な試薬の例としては、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチリミデートが挙げられる。
モノクローナルsdAb産生については、実施例1も参照されたい。
(5.ヒト化抗体)
非ヒト(例えば、マウス)抗体のヒト化形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小の配列を含有する、キメラ免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、又はこれらの断片(例えば、Fv、Fab、Fab'、F(ab')2、もしくは抗体の他の抗原結合サブ配列)である。ヒト化抗体には、レシピエントのCDR由来の残基が、所望の特異性、親和性、及び能力を有するマウス、ラット、ウサギ、ラクダ科動物、又はラマなどの非ヒト種のCDR(ドナー抗体)由来の残基に置き換えられているヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)が含まれる。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク残基が対応する非ヒト残基に置き換えられる。ヒト化抗体は、レシピエント抗体にも移入されたCDR又はフレームワーク配列にも見られない残基を含むこともできる。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ及び典型的には、2つの可変ドメインの実質的に全てを含むことができ、該可変ドメインでは、CDR領域の全て又は実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応し、FR領域の全て又は実質的に全てがヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のFR領域に対応する。ある実施態様において、ヒト化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的には、ヒト免疫グロブリンの定常領域の少なくとも一部を含む。例えば、Jonesの文献、Nature 321:522-525(1986); Riechmannの文献、Nature 332:323-329(1988); Prestaの文献、Curr. Op. Struct. Biol. 2:593-596(1992)を参照されたい。
非ヒト抗体をヒト化する方法は、当技術分野で周知である。通常、ヒト化抗体は、非ヒト源からそれに導入された1以上のアミノ酸残基を有する。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば、「移入」残基と呼ばれ、これは、通常、「移入」可変ドメインから取得される。ヒト化は、基本的には、Winter及び共同研究者らの方法、Jonesの文献、Nature 321:522-525(1986); Riechmannの文献、Nature 332:323-327(1988); Verhoeyenの文献、Science 239:1534-1536(1988)に従うか、又は齧歯類CDRもしくはCDR配列をヒト抗体の対応する配列の代わりに用いることにより実施することができる。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、無傷のヒト可変ドメインよりも実質的に少ないものが非ヒト種由来の対応する配列によって置き換えられているキメラ抗体である(US 4,816,567号)。実際、ヒト化抗体は、典型的には、いくつかのCDR残基及び場合により、いくつかのFR残基が齧歯類抗体の類似の部位由来の残基に置き換えられているヒト抗体である。
ヒト化抗体を作製する際に使用されることになる、軽鎖と重鎖の両方のヒト可変ドメインの選択は、抗原性を低下させるのに重要である。いわゆる「最良適合」法に従って、齧歯類抗体の可変ドメインの配列を既知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングする。その後、齧歯類の配列に最も近いヒト配列をヒト化抗体用のヒトフレームワーク(FR)として受け入れる。Simsの文献、J. Immunol. 151:2296-2308(1993); Chothiaの文献、J. Mol. Biol. 196:901-917(1987)。別の方法では、軽鎖又は重鎖の特定のサブグループの全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークが使用される。同じフレームワークをいくつかの異なるヒト化抗体に使用することができる。
抗体は、抗原に対する高い親和性及び他の有利な生物学的特性を保持したままでヒト化されることがさらに重要である。この目標を達成するために、好ましい方法に従って、ヒト化抗体が、親配列及びヒト化配列の3次元モデルを用いる親配列及び様々な概念上のヒト化産物の解析のプロセスによって調製される。3次元の免疫グロブリンモデルは、一般に利用可能であり、当業者によく知られている。選択された候補免疫グロブリン配列の可能性のある3次元立体構造を図示及び提示するコンピュータプログラムが利用可能である。これらの提示の検討により、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の考えられる役割の解析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の解析が可能となる。このようにして、標的抗原に対する親和性の増大などの、所望の抗体特徴が達成されるように、FR残基をレシピエント配列及び移入配列から選択し、組み合わせることができる。一般に、CDR残基は、抗原結合に影響を及ぼすことに直接的にかつ最も実質的に関与している。
ある実施態様において、sdAbは、抗原に対するドメインの天然の親和性を低減させることなく、一方で、非相同種に関するその免疫原性を低下させて、修飾、例えば、ヒト化される。例えば、ラマ抗体の抗体可変ドメイン(VHH)のアミノ酸残基を決定することができ、例えば、フレームワーク領域中のラクダ科動物アミノ酸のうちの1つ又は複数は、ポリペプチドがその典型的な性質を失うことなく、すなわち、ヒト化が結果として得られるポリペプチドの抗原結合能力に顕著な影響を及ぼすことなく、ヒトコンセンサス配列中に見られるようなそのヒト対応物によって置き換えられる。ラクダ科sdAbのヒト化は、単一のポリペプチド鎖における限られた数のアミノ酸の導入及び突然変異誘発を必要とする。これは、軽鎖と重鎖という2つの鎖へのアミノ酸変化の導入及び両方の鎖の会合の維持を必要とするscFv、Fab'、(Fab')2、及びIgGのヒト化と対照的である。
(6.ヒト抗体)
ヒト化の代替案として、ヒト抗体を作製することができる。例えば、現在、免疫時に、内在性免疫グロブリン産生の非存在下で、ヒト抗体の完全なレパートリーを産生することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス)を産生することが可能である。例えば、キメラ及び生殖系列突然変異体マウスにおける抗体重鎖結合領域(JH)遺伝子のホモ接合型欠失が内在性抗体産生の完全な阻害をもたらすことが記載されている。そのような生殖系列突然変異体マウスへのヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子アレイの移入は、抗原刺激時にヒト抗体の産生をもたらす。
或いは、ファージディスプレイ技術を用いて、非免疫ドナー由来の免疫グロブリン可変(V)ドメイン遺伝子レパートリーから、インビトロでヒト抗体及び抗体断片を産生することができる。McCaffertyの文献、Nature 348:552-553(1990); Hoogenboom及びWinterの文献、J. Mol. Biol. 227:381-388(1992)。この技法によれば、抗体Vドメイン遺伝子がM13又はfdなどの糸状バクテリオファージのメジャーコートタンパク質又はマイナーコートタンパク質のいずれかの中にインフレームでクローニングされ、ファージ粒子の表面に機能的抗体断片として提示される。糸状粒子は、ファージゲノムの一本鎖DNAコピーを含有するので、抗体の機能的性質に基づく選択は、これらの性質を示す抗体をコードする遺伝子の選択ももたらす。したがって、ファージは、B細胞の性質の一部を模倣する。ファージディスプレイは、種々のフォーマットで実施することができる。V遺伝子セグメントのいくつかの供給源をファージディスプレイに使用することができる。Clacksonの文献、Nature 352:624-628(1991)。非免疫ヒトドナー由来のV遺伝子のレパートリーを構築することができ、抗原(自己抗原を含む)の多様なアレイに対する抗体を、基本的には、Marksの文献、J. Mol. Biol. 222:581-597(1991)又はGriffithの文献、EMBO J. 12:725-734(1993)によって記載されている技法に従って単離することができる。US 5,565,332号及びUS 5,573,905号も参照されたい。
Coleらの文献(モノクローナル抗体及び癌療法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)、Alan R. Liss, p. 77(1985))及びBoernerらの文献(J. Immunol. 147:86-95(1991))の技法も、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である。同様に、ヒト抗体は、ヒト免疫グロブリン座をトランスジェニック動物、例えば、内在性免疫グロブリン遺伝子が部分的に又は完全に不活性化されているマウスに導入することにより作製することができる。抗原投与すると、遺伝子再配列、アセンブリ、及び抗体レパートリーを含む、全ての点でヒトで見られるものと非常によく似ているヒト抗体産生が観察される。この手法は、例えば、US 5,545,807号; US 5,545,806号; US 5,569,825号; US 5,625,126号; US 5,633,425号;及びUS 5,661,016号;並びにMarksの文献、Biotechnology(N.Y.) 10:779-783(1992); Lonbergの文献、Nature 368:856-859(1994); Morrisonの文献、Nature 368:812-813(1994); Fishwildの文献、Nat. Biotechnol. 14:845-851(1996); Neubergerの文献、Nat. Biotechnol. 14:826(1996); Lonberg及びHuszarの文献、Intern. Rev. Immunol. 13:65-93(1995)に記載されている。例えば、ある実施態様において、ヒト抗体(例えば、ヒトDAb)は、ヒトHCAbマウスの免疫によって作製することができる。例えば、HCAb(例えば、sdAb-Fc融合タンパク質)は、内在性マウス抗体発現が除去され、ヒト導入遺伝子が導入されているトランスジェニックマウスを免疫することにより作製することができる。HCAbマウスは、US 8,883,150号; US 8,921,524号; US 8,921,522号; US 8,507,748号; US 8,502,014号; US 2014/0356908号; US 2014/0033335号; US 2014/0037616号; US 2014/0356908号; US 2013/0344057号; US 2013/0323235号; US 2011/0118444号;及びUS 2009/0307787号に開示されており;これらは全て、それらが重鎖のみ抗体及びトランスジェニックマウスにおけるその産生に関して開示している全てのことについて、引用により本明細書中に組み込まれる。HCAbマウスを免疫し、得られるプライミングされた脾臓細胞をマウス骨髄腫細胞と融合させて、ハイブリドーマを形成させる。その後、得られるHCAbを、マウスCH2及びCH3領域をヒト配列と交換することにより、完全にヒトのものにする。
最後に、ヒト抗体は、インビトロで活性化されたB細胞(US 5,567,610号及びUS 5,229,275号を参照)によるか又はファージディスプレイライブラリー(Hoogenboom及びWinterの文献、J. Mol. Biol. 227:381-388(1992); Marksの文献、J. Mol. Biol. 222:581-597(1991))を含む、当技術分野で公知の様々な技法を使用することにより作製することもできる。
(VII.製品及びキット)
ある実施態様において、抗アルブミンコンストラクトを個体に投与するための、個体の疾患又は疾病の治療に有用な材料を含有する製品が提供される。該製品は、容器及び該容器上の又は該容器に付随するラベル又は添付文書を含むことができる。好適な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、及びシリンジが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの種々の材料から形成されていてもよい。通常、容器は、本明細書に記載される疾患又は障害を治療するのに有効である組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有することができる(例えば、容器は、静脈内溶液バッグ又は皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有するバイアルであってもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本明細書に記載される抗アルブミンコンストラクトである。ラベル又は添付文書は、組成物が特定の疾病を治療するために使用されることを示す。ラベル又は添付文書は、抗アルブミンコンストラクトを患者に投与するための指示をさらに含む。本明細書に記載されるコンビナトリアル療法を含む製品及びキットも想定される。
添付文書は、治療用製品の使用に関する適応、使用法、投薬量、投与、禁忌、及び/又は警告についての情報を含むそのような治療用製品のコマーシャルパッケージに習慣的に含まれる指示書を指す。ある実施態様において、添付文書は、組成物が疾患又は疾病(例えば、癌又は炎症性疾患)を治療するために使用されることを示す。
さらに、製品は、医薬として許容し得るバッファー、例えば、静菌性注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンガー溶液、及びグルコース溶液を含む第二の容器をさらに含むことができる。これは、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、及びシリンジを含む、商業的観点及び利用者の観点から望ましい他の材料をさらに含むことができる。
様々な目的のために、例えば、本明細書に記載される疾患又は疾病(例えば、癌又は炎症性疾患)の治療のために、任意に、製品と組み合わせて、個体に抗アルブミンコンストラクトを投与するために有用であるキットも提供される。本開示のキットは、抗アルブミンコンストラクト組成物(又は単位剤形及び/又は製品)を含む1以上の容器を含み、ある実施態様において、別の薬剤(例えば、本明細書に記載される薬剤)及び/又は本明細書に記載される方法のいずれかによる使用のための指示をさらに含む。キットは、治療に好適な個体の選択に関する記載をさらに含むことができる。本開示のキット中に供給される指示は、通常、ラベル又は添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)に書かれた指示であるが、機械読み出し可能な指示(例えば、磁気又は光学記憶ディスクで実行される指示)も許容可能である。
例えば、ある実施態様において、キットは、抗アルブミンコンストラクトを含む組成物を含む。ある実施態様において、キットは、a)抗アルブミンコンストラクトを含む組成物及びb)有効量の本明細書に記載される少なくとも1つの他の薬剤を含む。ある実施態様において、キットは、a)抗アルブミンコンストラクトを含む組成物及びb)治療のために個体に抗アルブミンコンストラクト組成物を投与するための指示書を含む。ある実施態様において、キットは、a)抗アルブミンコンストラクトを含む組成物、b)有効量の本明細書に記載される少なくとも1つの他の薬剤、並びにc)治療のために個体に抗アルブミンコンストラクト組成物及び他の薬剤を投与するための指示書を含む。抗アルブミンコンストラクト及び他の薬剤は、別々の容器中に又は単一の容器中に存在することができる。例えば、キットは、1つの異なる組成物又は2以上の組成物を含むことができ、ここで、1つの組成物は、抗アルブミンコンストラクトを含み、別の組成物は、別の薬剤を含む。
本発明のキットは、好適な包装中にある。好適な包装としては、バイアル、ボトル、瓶、及びフレキシブル包装(例えば、Mylar製又はプラスチック製の密封されたバッグ)が挙げられるが、これらに限定されない。キットは、任意に、バッファー及び解釈的情報などの追加の要素を提供することができる。したがって、本開示は、バイアル(例えば、密閉バイアル)、ボトル、瓶、及びフレキシブル包装を含む製品も提供する。
抗アルブミンコンストラクト組成物の使用に関する指示は、通常、意図された治療のための投薬量、投与スケジュール、及び投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、多用量パッケージ)、又はサブ単位用量であることができる。例えば、1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、又はそれより長い期間のいずれかなどの長期間、個体の有効な治療を提供するための十分な投薬量の本明細書に開示される抗アルブミンコンストラクトを含有するキットを提供することができる。キットはまた、複数単位用量の抗アルブミンコンストラクト及び医薬組成物及び使用のための指示書を含み、薬局、例えば、病院薬局及び調剤薬局における保存及び使用のために十分な量で包装することができる。
当業者は、いくつかの実施態様が本開示の範囲及び精神の範囲内で可能であることを認識しているであろう。本開示は、ここで、以下の非限定的な実施例を参照することにより、より詳細に記載される。以下の実施例は、本開示をさらに例説するが、当然ながら、決してその範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
(実施例)
下記の実施例は、本開示を例示するものであることが意図されており、決して本開示の範囲を限定するものと考えられるべきではない。
(実施例1.抗HSA単一ドメイン抗体の作製)
イネから発現されたヒト血清アルブミン(HSA)(Sigma, #A9731)を用いて、ラマを免疫して、抗HSA単一ドメイン抗体(VHH抗体)を産生した。免疫後、末梢単核細胞(PBMC)をRNA抽出用に単離した。抗体遺伝子をコードするmRNA/cDNAを用いて、VHH抗体ファージディスプレイライブラリーを構築した。構築されたファージディスプレイライブラリーを抗原との複数回の親和性結合によってスクリーニングした。陽性クローンをOCTET(登録商標)親和性測定(OCTET(登録商標) RED96)によって同定した。陽性クローンの抗体遺伝子をシークエンシングし、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞発現のためにUCOE(登録商標)ベクター(EMD Millipore, #CS221284)にクローニングした。
表4には、上記の方法に従って作製された例示的な抗HSA単一ドメイン(例えば、VHH)抗体(例えば、抗体A1~A18)が掲載されている。これらの例示的VHH抗体のCDR配列は、表5に掲載されている。これらの抗体の中で、抗体A8は、ヒト、カニクイザル、及びマウス血清アルブミンと相互作用する。抗体A1~A7及びA9は、ヒト血清アルブミンとカニクイザル血清アルブミンの両方と相互作用する。
表4.抗HSA VHH抗体のアミノ酸配列
Figure 2022520998000005
Figure 2022520998000006
表5.抗HSA VHH抗体のCDR配列
Figure 2022520998000007
(実施例2.ヒト化抗HSA単一ドメイン抗体の作製)
抗HSA単一ドメイン抗体(sdAb)の各々のラマ配列をIMGT(登録商標)データベースに対してblastして、最も適合するヒトIGHV3生殖系列を同定した。複数の生殖系列が類似の相同性を有する場合、IGMT(登録商標)付番でのFR2の位置52におけるアミノ酸の類似性を用いて、どの生殖系列をヒト化スキャフォールドとして採用するかを決定した。その後、選択された生殖系列由来のFR1及びFR3を「ヒト化」FR1及びFR3として採用した。FR2について、それぞれのラマ配列が保持される位置42及び52を除いて、ヒト配列の大部分を採用した。表6は、抗HSA抗体の各々についての例示的ヒトFR領域配列を示している。ヒトFR4について、ヒト化抗体A1~A9、A19、及びA20は、各々独立に、
Figure 2022520998000008
というアミノ酸配列を有する。一実施態様において、ヒトFR4について、ヒト化抗体A1~A9は、各々、
Figure 2022520998000009
というアミノ酸配列を有する。別の実施態様において、ヒトFR4について、ヒト化抗体A19は、
Figure 2022520998000010
というアミノ酸配列を有する。別の実施態様において、ヒトFR4について、ヒト化抗体A19は、
Figure 2022520998000011
というアミノ酸配列を有する。
表6.ヒト化抗HSA VHH抗体のフレームワーク領域
Figure 2022520998000012
(実施例3.抗アルブミン抗体の解離定数(KD))
酸性化したエンドソームのpHを模倣するために、VHH抗アルブミン抗体を、ヒト、サル、及びマウス血清アルブミンと様々なpH値、例えば、pH 7,4又はpH 5.5で相互作用するその能力について評価した。簡潔に述べると、VHH抗アルブミン抗体をヒトIgG1-Fc上に融合させた。その後、発現されたタンパク質をプロテインAバイオセンサー(OCTET(登録商標) RED96)上にローディングした。次に、バイオセンサーを、3以上の異なる濃度、例えば、50、100、もしくは200nM、又は100、200、もしくは400nMのヒト、サル、又はマウス血清を含有する溶液に浸漬させた。一次実験データをグローバルフィッティングを用いて解析して、解離定数(KD)を決定した。結果は、表7(pH 5.5)及び表8(pH 7.4)にまとめられており、ここで、Aは、10nM以下の値を表し、Bは、10nM超だが、100nM以下の値を表し、Cは、100nM超だが、500nM以下の値を表す。
表7. pH 5.5でのヒト及びサル血清アルブミンに対する抗アルブミン抗体の解離定数(KD)
Figure 2022520998000013
表8. pH 7.4でのヒト、サル、及びマウス血清アルブミンに対する抗アルブミン抗体の解離定数(KD)
Figure 2022520998000014
NA-結合が検出されなかった
表8の結果は、抗体A8のヒト化抗アルブミン抗体である抗体A19がヒト、サル、及びマウス血清アルブミンに対するその結合を保持することを示している。表7及び8の結果は、抗アルブミン抗体が低pHでヒト及びサル血清アルブミンに対するその結合を維持することも示しており、そのような抗体が酸性環境(例えば、酸性化したエンドソーム)での使用に好適であることを示している。
(実施例4. IL-21-抗HSAコンストラクトの分子クローニング)
IL-21-抗HSAコンストラクト発現ベクターの構築が本明細書中に例示されている。ヒトIL-21全長(配列番号97)をコードするcDNA配列を、GENEART(登録商標) Gene Synthesis(ThermoFisher Scientific)を用いる遺伝子合成によって得た。これらの遺伝子のコドン使用をチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における発現のために最適化した。ヒトIL-21のC末端をペプチドリンカーを介して抗HSA VHH抗体のN末端に融合させた。ヒトIL-21、ペプチドリンカー、及び抗HSA VHH抗体をコードするDNA配列を、アセンブリクローニング(New England BioLabs, #E5520S)又は同様のインビトロ組換え法によって、継ぎ目なく1つにアセンブリさせた。IL-21-抗HSA融合タンパク質のオリゴヌクレオチドをCHO細胞発現のためにUCOE(登録商標)発現ベクターCET1019-AS-Puro(EMD Millipore, #CS221284)に挿入した。表9には、ヒトIL-21の配列が掲載されている。表10には、IL-21-抗HSAコンストラクトでの使用に好適である例示的なペプチドリンカーが掲載されている。
表9.インターロイキン-21(IL-21)
Figure 2022520998000015
表10.ペプチドリンカー
Figure 2022520998000016
(実施例5. IL-21-抗アルブミンコンストラクトの発現及び精製)
IL-21-抗アルブミンコンストラクトをコードするDNA配列をEXPICHO-S(商標)細胞(GIBCO(商標), #A29127)で一過性に発現させた。簡潔に述べると、-1日目に、EXPICHO-S(商標)を、通気式Erlenmeyer振盪フラスコ中に、EXPICHO(商標)発現培地(GIBCO(商標), #A2910001)とともに、3~4×106細胞/mLで播種し、8%CO2の37℃インキュベーター中の125-rpmオービタルシェーカー上に置いた。0日目に、プラスミドDNAをAN EXPIFECTAMINE(商標) CHO試薬と混合した。その後、混合物を細胞にゆっくりと添加した。16時間後、細胞を5%CO2の32℃インキュベーターに移した。細胞に、1日目と5日目に2回、EXPICHO(商標)フィード(GIBCO(商標), #A29129)を供給した。親和性カラムでの精製のために、CHO細胞を8~12日目に回収した。
(実施例6. IL-21-抗HSAコンストラクト:組換えヒトIL-21に類似したIL-21シグナル伝達効力)
Pfeiffer細胞を、10%胎仔ウシ血清及びペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI-1640中で維持した。Pfeiffer細胞(100,000個)を、10mM HEPESを含有するHanksの平衡塩溶液中、37℃及び5%CO2で30分間、表示された濃度の組換えヒトIL-21(rhIL-21)(配列番号97)、マウスIL-21-抗HSAコンストラクトC1(配列番号99)、又はヒトIL-21-抗HSAコンストラクトC2(配列番号100)で処理した。製造元の指示書に従ってホスホ-STAT3(Tyr705)ホモジニアス時間分解蛍光(HTRF)アッセイ(Cisbio)を用いて、ホスホ-STAT3を測定した。665nm/620nmのシグナル比に1,000を掛け、プロットし、計算されたEC50に対する用量応答曲線(Graphpad Prism)を用いてフィッティングした。結果は、表11にまとめられており、これは、IL-21-抗HSAコンストラクトC1及びC2並びに組換えhIL-21が同様の効力を有することを示している。表11において、コンストラクトC1は、配列番号148のマウスIL-21(mIL-21)部分、配列番号8の抗HSA抗体部分、及び(GSG)4のペプチドリンカー(配列番号58)を含むマウスIL-21-抗HSA融合タンパク質であり;ここで、mIL-21のC末端は、ペプチドリンカーを介して、抗HSA抗体のN末端に接続されている。コンストラクトC2(配列番号100)は、配列番号97のヒトIL-21(hIL-21)部分;配列番号8の抗HSA抗体部分;及び(GSG)4のペプチドリンカー(配列番号58)を含むヒトIL-21-抗HSA融合タンパク質であり;ここで、hIL-21のC末端は、ペプチドリンカーを介して、抗HSA抗体のN末端に接続されている。
表11.様々なIL-21バリアントのEC50
Figure 2022520998000017
(実施例7. ADCC活性)
NCI-N87及びNCI-H226癌細胞株を、10%胎仔ウシ血清及びペニシリン/ストレプトマイシンを含有するRPMI-1640中で維持した。0日目に、NCI-N87細胞(ウェル当たり10,000個)及びNCI-H226細胞(ウェル当たり5,000個)を96-ウェル平底プレート中の培養培地中にプレーティングした。1日目に、NK細胞を、ROSETTESEP(商標) NK単離キット(Stemcell Technologies)を用いて、ヒトバフィーコートから単離した。その後、NK細胞(ウェル当たり100,000個)を、表示された処理と併せて、癌細胞に添加した。
NCI-N87及びNCH-H226細胞を、それぞれ、37℃及び5%CO2で24時間又は48時間インキュベートした後、細胞を4%パラホルムアルデヒドで固定し、核をSYTOX(商標)オレンジで染色した。CYTATION(商標) 1(Biotek)を用いて、各々のウェルに残っている癌細胞核の数をカウントすることにより、残りの癌細胞の数を計算した。より低い細胞数は、より良好なNK媒介性細胞殺傷を示した。
図1及び2に示されているように、mIL-21-抗HSAコンストラクトC1(配列番号99)及びhIL-21-抗HSAコンストラクトC2(配列番号100)は、抗MSLN B1と組み合わせたとき、NK細胞ADCC活性を増強させた。ADCCの増強の大きさは、IL-21-抗HSAコンストラクトC1及びC2とrhIL-21の間で同様であった。図1及び2において、単一ドメイン抗MSLN抗体である抗MSLN B1は、配列番号92のCDR1、配列番号93のCDR2、及び配列番号94のCDR3を含む。C5は、配列番号102のヒトIL-15を表す。コンストラクトC6(配列番号103)は、ヒトIL-15Rα(hIL-15Rα)(配列番号102)の断片及び配列番号8の抗HSA抗体部分;及び(G4S)4のペプチドリンカー(配列番号60)を含むIL-15Rα-抗HSAコンストラクトを表す。
図3及び4に示されているように、IL-21-抗HSAコンストラクト(i)C1、(ii)C2、(iii)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC6組合せ、及び(iv)rhIL-15 C5/hIL-15Rα-抗HSAコンストラクトC7組合せは、抗MSLN B1と組み合わせたとき、0.6ng/mL以下までの十分なADCC効力を示す。コンストラクトC7(配列番号104)は、ヒトIL-15Rαの断片及び配列番号8の抗HSA抗体部分;及び(G4S)4のペプチドリンカー(配列番号60)を含むIL-15Rα-抗HSAコンストラクトを表す。
(実施例8.同系マウスモデルにおけるインビボ抗腫瘍活性)
0日目に、MC38マウス結腸癌細胞(3×106細胞)をC57BL/6マウスの脇腹に皮下移植した。4、8、12、及び16日目に、マウスを、PBS、抗mPD-1(100μg)、mIL-21-抗HSAコンストラクトC1(25μg)、抗mPD-1(100μg)及びmIL-21-抗HSAコンストラクトC1(25μg)、又は抗mPD-1(100μg)及びmIL-21-抗HSAコンストラクトC1(5μg)のいずれかで処置した。腫瘍サイズを、表示された日にキャリパーを用いて測定し、その後、腫瘍体積を計算した。
図5に示されているように、mIL-21-抗HSAコンストラクトC1単剤療法は、腫瘍増殖を顕著に緩徐化させる。mIL-21-抗HSAコンストラクトC1と抗mPD-1の組合せは、全てのマウスで腫瘍を消失又は縮小させた。
(実施例9. hIL-21-抗HSAコンストラクトC2のマウスPK試験)
Balb/cマウスに、時間0でhIL-21-抗HSAコンストラクトC2を腹腔内注射した。表示された時点で、血液(100μL)を伏在静脈経由で回収した。血液をEDTA血液回収チューブに入れ、氷上に置き、遠心分離した。その後、血漿を1.5mLチューブに移し、凍結させ、-80℃で保存した。hIL-21濃度を測定するために、血漿試料を解凍し、製造元の指示書に従ってヒトIL-21ELISA(Invitrogen)を用いて試験した。図6に示されているように、インビトロ用量応答データに基づいて有効と考えられるIL-21濃度は、少なくとも3~4日間維持された。用量当たり3及び30μgのhIL-21-抗HSAコンストラクトC2のPKパラメータを決定し、表12にまとめた。
表12.マウスにおけるhIL-21-抗HSAコンストラクトC2のPKパラメータ
Figure 2022520998000018
(実施例10.トランスジェニックマウスにおけるIL-21-抗HSAコンストラクトのPK試験)
ヒト血清アルブミン及びヒト新生児Fc受容体の導入遺伝子発現並びにマウスアルブミン及びマウス新生児Fc受容体(Genoway)のノックアウトを有する遺伝子修飾マウスに、hIL-21-抗HSAコンストラクトC3(配列番号149)(3μg)又はhIL-21-抗HSAコンストラクトC4(配列番号150)(3μg)を投与した。1、24、48、96、168、及び336時間後、血液をマウスから回収し、EDTAを抗凝固薬として用いて血漿へと処理した。試料を、市販のELISAキット(Thermo Fisher)を用いて、IL-21濃度について解析した。用量当たり3μgのhIL-21-抗HSAコンストラクトC3及びC4のPKパラメータを決定し、表13にまとめた。抗HSA A20にコンジュゲートされたとき、IL-21のCmax及びt1/2は、抗HSA A19と比較してより大きかった。
表13.トランスジェニックマウスにおけるIL-21-抗HSAコンストラクトC3及びC4のPKパラメータ
Figure 2022520998000019
本明細書に記載される配列は、下の配列表に提供されている。
(配列表)
Figure 2022520998000020
Figure 2022520998000021
Figure 2022520998000022
Figure 2022520998000023
Figure 2022520998000024
Figure 2022520998000025
Figure 2022520998000026
Figure 2022520998000027
Figure 2022520998000028
Figure 2022520998000029
Figure 2022520998000030
Figure 2022520998000031
Figure 2022520998000032
上記の実施例は、当業者に、特許請求された実施態様の作製方法及び使用方法の完全な開示及び説明を与えるために提供されており、本明細書に開示されているものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者に明白である修飾は、以下の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。本明細書に引用されている刊行物、特許、及び特許出願は全て、各々のそのような刊行物、特許、又は特許出願が具体的かつ個別的に引用により本明細書中に組み込まれることが示されているかのように、引用により本明細書中に組み込まれる。

Claims (51)

  1. 配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3、又は最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアントを含む単一ドメイン抗体(sdAb)部分を含む、単離された抗アルブミンコンストラクトであって、ここで、該抗アルブミンコンストラクトがアルブミンに結合する、前記単離された抗アルブミンコンストラクト。
  2. 前記sdAb部分が、配列番号10、13、16、19、22、25、28、31、34、116、118、121、124、129、132、135、もしくは138のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号11、14、17、20、23、26、29、32、35、119、122、125、127、130、133、136、もしくは139のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号12、15、18、21、24、27、30、33、36、117、120、123、126、128、131、134、137、もしくは140のいずれか1つのアミノ酸配列を含むCDR3;又は該CDR領域中に最大約3つのアミノ酸置換を含むこれらのバリアントを含む、請求項1記載の抗アルブミンコンストラクト。
  3. 前記sdAb部分が:
    (1)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (2)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (3)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (4)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (5)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (6)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (7)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (8)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (9)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (10)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (11)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (12)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (13)配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (14)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (15)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (16)配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    (17)配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;又は
    (18)配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR1、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;
    配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR2、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント;及び
    配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR3、もしくは最大約3つのアミノ酸置換を含むそのバリアント
    を含む、請求項1又は2記載の抗アルブミンコンストラクト。
  4. 前記sdAb部分が:
    (1)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (2)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (3)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (4)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (5)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (6)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (7)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (8)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (9)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3;又は
    (10)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3
    を含む、請求項1~3のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  5. 前記sdAb部分が:
    (1)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR3;
    (2)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR3;又は
    (3)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR1;
    配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR2;及び
    配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR3
    を含む、請求項4記載の抗アルブミンコンストラクト。
  6. 前記sdAb部分が、ラクダ科動物のものであるか、キメラであるか、ヒトのものであるか、又はヒト化されている、請求項1~5のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  7. 前記sdAb部分がヒト化されている、請求項6記載の抗アルブミンコンストラクト。
  8. 前記sdAb部分が、配列番号37、38、39、もしくは141のアミノ酸配列を有するFR1;配列番号40、41、42、142、もしくは143のアミノ酸配列を有するFR2;配列番号43、44、もしくは144のアミノ酸配列を有するFR3;及び/又は配列番号145、146、もしくは147のアミノ酸配列を有するFR4をさらに含む、請求項6又は7記載の抗アルブミンコンストラクト。
  9. 前記sdAb部分が、配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメイン;又は配列番号1~9、45~53、99~101、103~115、149、及び150のいずれか1つと少なくとも約80%の配列同一性を有するそのバリアントを含む、請求項1~8のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  10. 前記sdAb部分が、配列番号1~9、45~53、114、及び115のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1~9のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  11. 前記sdAb部分が、配列番号45~53、114、及び115のいずれか1つのアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1~10のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  12. 前記sdAb部分が、配列番号52、114、又は115のアミノ酸配列を有する重鎖可変ドメインを含む、請求項1~11のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  13. 前記アルブミンが、ヒト血清アルブミン、アカゲザル血清アルブミン、カニクイザル血清アルブミン、及びマウス血清アルブミンである、請求項1~12のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  14. 前記アルブミンがヒト血清アルブミンである、請求項1~13のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  15. 前記ヒト血清アルブミンが、配列番号54、55、56、又は57のアミノ酸配列を有する、請求項14記載の抗アルブミンコンストラクト。
  16. 前記コンストラクトが、pH約7で、約10-6M~約10-10Mの範囲のKDで、前記アルブミンに結合する、請求項1~15のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  17. 前記コンストラクトが、pH約5.5で、約10-6M~約10-10Mの範囲のKDで、前記アルブミンに結合する、請求項1~16のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  18. 第二のポリペプチド部分.をさらに含む、請求項1~17のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  19. 前記第二のポリペプチド部分のC末端が前記sdAb部分のN末端に融合されている、請求項18記載の抗アルブミンコンストラクト。
  20. 前記第二のポリペプチド部分のN末端が前記sdAb部分のC末端に融合されている、請求項18記載の抗アルブミンコンストラクト。
  21. 前記第二のポリペプチド部分がペプチドリンカーを介して前記sdAb部分に融合されている、請求項18~20のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  22. 前記ペプチドリンカーが切断可能である、請求項21記載の抗アルブミンコンストラクト。
  23. 前記ペプチドリンカーが配列番号73~91のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項21又は22記載の抗アルブミンコンストラクト。
  24. 前記ペプチドリンカーが切断可能ではない、請求項21記載の抗アルブミンコンストラクト。
  25. 前記ペプチドリンカーが配列番号58~72のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項21又は24記載の抗アルブミンコンストラクト。
  26. 前記第二のポリペプチド部分が抗原結合部分を含む、請求項18~25のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  27. 前記抗アルブミンコンストラクトが前記抗原結合部分を介して腫瘍抗原に結合する、請求項26記載の抗アルブミンコンストラクト。
  28. 前記腫瘍抗原が、メソテリン、GPA33、Her-2、EGFR、又はCD20である、請求項27記載の抗アルブミンコンストラクト。
  29. 前記腫瘍抗原がメソテリンである、請求項27又は28記載の抗アルブミンコンストラクト。
  30. 前記抗原結合部分が、配列番号92又は95のアミノ酸配列を含むCDR1;配列番号93又は96のアミノ酸配列を含むCDR2;及び配列番号94又はGRYのアミノ酸配列を含むCDR3を含む単一ドメイン抗体部分を含む、請求項27~30のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  31. 前記腫瘍抗原が、CEA、MUC16、MUC1、AFP、EPCAM、CD19、CD21、CD22、CD30、CD33、CD37、CD45、PSMA、又はBCMAである、請求項27記載の抗アルブミンコンストラクト。
  32. 前記第二のポリペプチド部分がサイトカイン又はその断片のアミノ酸配列を含む、請求項18~25のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  33. 前記サイトカインが、IL-7、IL-15、IL-21、IL-22、もしくはIL-33;又はその断片である、請求項32記載の抗アルブミンコンストラクト。
  34. 前記サイトカインが、IL-7、IL-15、もしくはIL-21;又はその断片である、請求項32又は33記載の抗アルブミンコンストラクト。
  35. 前記サイトカインがIL-7である、請求項32~34のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  36. 前記サイトカインがIL-15である、請求項32~34のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  37. 配列番号101のアミノ酸を有する、請求項1又は36記載の抗アルブミンコンストラクト。
  38. 前記サイトカインがIL-21である、請求項32~34のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  39. 配列番号99、100、149、又は150のアミノ酸配列を有する、請求項1又は38記載の抗アルブミンコンストラクト。
  40. 前記第二のポリペプチド部分が、サイトカイン受容体又はその断片のアミノ酸配列を含む、請求項18~25のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト。
  41. 前記サイトカイン受容体がIL-15Rαである、請求項36記載の抗アルブミンコンストラクト。
  42. 配列番号103又は104のアミノ酸配列を有する、請求項1又は41記載の抗アルブミンコンストラクト。
  43. 請求項請求項1~42のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト及び医薬として許容し得る賦形剤を含む医薬組成物。
  44. 前記医薬組成物が単一剤形のものである、請求項43記載の医薬組成物。
  45. 前記医薬組成物が固体である、請求項43又は44記載の医薬組成物。
  46. 前記医薬組成物が非経口剤形のものである、請求項43又は44記載の医薬組成物。
  47. 前記医薬組成物が静脈内剤形のものである、請求項46記載の医薬組成物。
  48. 前記医薬組成物が溶液である、請求項43、44、46、及び47のいずれか一項記載の医薬組成物。
  49. 対象における癌の1以上の症状を治療、予防、又は改善することの1以上の症状を治療する方法であって、該対象に、請求項1~42のいずれか一項記載の抗アルブミンコンストラクト又は請求項42~48のいずれか一項記載の医薬組成物の治療有効量を投与することを含む、前記方法。
  50. 前記癌が胃癌又は肺扁平上皮癌である、請求項49記載の方法。
  51. 前記対象がヒトである、請求項49又は50記載の方法。
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