JP2022514722A - 新規asm活性直接抑制化合物2-アミノ-2-(1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール誘導体及びその用途 - Google Patents

新規asm活性直接抑制化合物2-アミノ-2-(1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール誘導体及びその用途 Download PDF

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Abstract

本発明は2-アミノ-2-(1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール誘導体を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用組成物に関するもので、より詳しくは直接的にASM活性を抑制する効果がある前記化合物を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物に関するものである。【選択図】図2a

Description

本出願は2018年04月30日出願された大韓民国特許出願第10-2018-0050215号を優先権主張し、前記明細書全体は本出願の参考文献である。
本発明は新規なASM活性直接抑制化合物2アミノ-2-(1,2,3-トリアゾール-4イル)プロパン-1,3-ジオール誘導体及びその用途に関するもので、より詳しくは本明細書で化学式1で表示される化合物とその退行性神経疾患又はうつ病に対する予防、改善又は治療用途に関するものである。
スフィンゴ脂質代謝は正常的な細胞信号伝達を調節し、スフィンゴ脂質代謝の非正常的変化はアルツハイマー病を含む様々な神経退行性疾患に影響を及ぼす。一方、スフィンゴ脂質代謝を調節する酵素のASM(acid sphingomyelinase)は殆ど全ての種類の細胞から発現されるタンパク質であって、スフィンゴ脂質代謝及び細胞膜ターンオーバー(turnover)に重要な役割をする。
アルツハイマーを含む退行性神経疾患患者の脳ではASMの発現が正常人に比べて著しく増加していて、過剰発現されたASMの発現を阻害したりASMの活性を阻害すると、アミロイドβ(Aβ)の蓄積が抑制されて学習及び記憶力が改善され、退行性神経疾患の治療効果があると報告された(韓国登録特許10-1521117)。また最近うつ病のような神経疾患からASMの活性が増加していて、このようなASMの抑制はうつ病の緩和効果があると報告されている(Nature medicine.2013 Jul19(7):934-938,PLoS One.2016 Sep 6;11(9):e0162498)。したがって、ASM抑制剤、即ちASMの発現又は活性を抑制できる物質の開発は神経退行性疾患及びうつ病を含めてASMの増加により生じる様々な疾患らの有用な治療方法として期待されている。
一方、今まで直接的なASM抑制剤は開発されていないが、間接的にASMを抑制できる幾つかの抑制剤が同定された。先ずASMの間接的抑制剤として最も広く使われる三環系抗うつ薬(tricyclic antidepressants)(例えばアミトリプチリン(amitriptyline(AMI))、デシプラミン(desipramine)、イミプラミン(imipramine)等)は抗うつ剤薬物として実際臨床に使われている。最初にASM抑制剤として開発されたものではないが、様々な研究結果により本薬物らはASM抑制効果があることが証明された。三環系抗うつ薬の主な薬理作用(mode of action)は神経細胞から神経伝達物質の再吸収抑制を通じた神経伝達物質の活性増加であって、付随的な作用としてASM抑制効果を示す。しかし、三環系抗うつ薬の場合、神経系及び神経細胞に作用して朦朧となること、光感受性増加、嘔吐などの副作用を誘発するため、ASM活性を直接的に抑制できる新たな薬物の開発が必要である。
そこで、本発明者は新規ASM抑制剤を開発するため努力した結果、化学式1の構造を有する2-アミノ-2-(1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール誘導体は直接的にASM活性抑制効果が著しく、退行性神経疾患及びうつ病の治療において優れた効果を示すことを確認して本発明を完成した。
従って、本発明の目的は下記化学式1の化合物又はその塩を提供することである。
Figure 2022514722000002
前記の式で、
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明の他の目的は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
また、前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
また、前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供することである。
また、前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供することである。
また、前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供することである。
本発明の他の目的は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供することである。
また、下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供することである。
また、下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供することである。
Figure 2022514722000003
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
本発明のさらに他の目的は退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用製剤を製造するための下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供することである。
Figure 2022514722000004
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明のさらに他の目的は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は退行性神経疾患又はうつ病診断用製剤を製造するための診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供することである。
Figure 2022514722000005
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基であり、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
本発明のさらに他の目的は診断製剤又は検出製剤が結合された前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を退行性神経疾患又はうつ病が疑われる個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病診断方法を提供することである。
前記のような目的を達成するために、本発明は下記化学式1の化合物又はその塩を提供する。
Figure 2022514722000006
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明の他の目的を達成するために本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は前記化学式1の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用の薬学的組成物を提供する。
また、本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用の薬学的組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病予改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病予改善用食品組成物を提供する。
本発明の他の目的を達成するために本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
また、本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩が有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
Figure 2022514722000007
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルケニル基であって、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用製剤を製造するための以下の化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
Figure 2022514722000008
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とする退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療方法を提供する。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、退行性神経疾患又はうつ病診断用製剤を製造するための診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
Figure 2022514722000009
前記式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至
5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基であり、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、診断製剤又は検出製剤が結合された前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を退行性神経疾患又はうつ病が疑われる個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療方法を提供する。
以下、本発明に対してより詳細に説明する。
本発明は下記化学式1の化合物又はその塩を提供する。
Figure 2022514722000010
前記式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明で前記“アルキル基”とは、炭素数1乃至10の直鎖又は側鎖炭化水素を意味する。代表的なアルキル基の例はメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、2級-ブチル基、イソブチル基、3級-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、3-メチルヘキシル基、2,2-ジメチルペンチル基、2,3-ジメチルペンチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、及びn-デシル基を含むがこれに制限されない。
本発明で使われる用語“カルボニル基”は-C(O)-グループを意味する。
本発明で前記“アルキルカルボニル基”は、前記定義されたようなカルボニルグループを通じて母分子残基に結合された前記アルキルグループを意味する。代表的なアルキルカルボニル基の例は、アセチル基、1-オキソプロピル基、2,2-ジメチル-1-オキソプロピル基、1-オキソブチル基と1-オキソペンチル基を含むがこれに制限されない。
本発明で前記アルキルカルボニル基が“置換された”アルキルカルボニル基の場合、ヒドロキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基及びアミノ基からなる群から選ばれた1種以上の置換基に置換されたものでもある。
本発明で前記“アルケニル基”は2つの水素の除去で形成された一つ以上の炭素-炭素二重結合を含有する炭素数2乃至10の直鎖又は側鎖炭化水素を意味する。アルケニル基の代表的な例はエテニル基、2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、3-ブテニル基、4-ペンテニル基、5-ヘキセニル基、2-ヘプテニル基、2-メチル-1-ヘプテニル基及び3-デセニル基を含むがこれに制限されない。
本発明で前記“アルキニル基”は1つ以上の炭素-炭素三重結合を含む炭素数2乃至10の直鎖又は側鎖炭化水素グループを意味する。代表的なアルキニルの例はアセチレニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、3-ブチニル基、2-ペンチニル基及び1-ブチニル基を含むがこれに制限されない。
好ましくは、本発明で前記Rは水素又はアセチルであって、前記Rは炭素数1乃至10のアルキル基でもある。さらに好ましくは、本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数4乃至10のアルキル基でもある。より好ましくは、本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数6乃至9のアルキル基でもある。最も好ましくは本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数9のアルキル基でもある。
本発明はまた、下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用の薬学的組成物を提供する。
また、本発明は下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
また、本発明は下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用薬学的組成物を提供する。
Figure 2022514722000011
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
アルツハイマーを含む退行性神経疾患患者の脳では、ASMの発現が正常であるに比べてはるかに増加していて、過剰発現されたASMの発現を阻害したり、ASMの活性を阻害するとアミロイドβ(Aβ)の蓄積が抑制されて学習及び記憶力が改善され、退行性神経疾患の治療効果があることが報告された(韓国登録特許10-1521117)。また、最近うつ病のような神経疾患からASMの活性が増加していて、このようなASMの抑制はうつ病緩和効果を示すとの報告がある(Nature medicine.2013
Jul19(7):934-938,PLoS One,2016 Sep 6;11(9):e0162498)。従って、ASMの発現又は活性を抑制できる物質は神経退行性疾患及びうつ病を含む疾患らの有用な治療剤として開発することができる。
本発明の一実施例によると、前記の化学式1の化合物はASMの活性を抑制する効果が極めて優れていて、アルツハイマーの脳の環境でAβプラークを減少させて神経炎症を緩和するなどの効果があって、アルツハイマーを含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療剤として使用できることを確認した。
本発明の他の一実施例によると、前記の化学式1の化合物はアルツハイマー患者繊維芽細胞からASMの活性部位に結合してASMの活性を直接的に抑制できることを確認した。反面、前記化学式1の化合物はSIP(sphingosine-1-phosphate)及びSIPR1(sphingosine-1-phosphate recep
tor 1)の抑制効果は示さないものと現れ、ASMを特異的に抑制できる直接的な抑制剤であることを確認した。
本発明の薬学的組成物に含まれる前記化学式1の化合物から前記Rは、好ましくは水素又はアセチルであって、前記Rは炭素数1乃至10のアルキル基でもある。より好ましくは本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数4乃至10のアルキル基でもある。最も好ましくは、本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数4乃至10のアルキル基でもある。一番好ましくは本発明で前記Rは水素であって、前記Rは炭素数6乃至9のアルキル基でもある。
本発明の一実施例によると、前記の化学式1で前記Rが炭素数10を超過するアルキル基である場合、炭素数10以下のアルキル基の場合と比較して化合物の脳内分布が急激に低下されるだけでなく、ヒトの肝臟マイクロゾームによる代謝が急激に増加することが確認された。退行性神経疾患のような脳疾患治療剤を開発するにおいて、薬物が血液-脳障壁(blood-brain barrier)を通過して脳の領域で高い分布を示すことが極めて重要であること、及び薬物を経口投与する場合、肝臓の初回通過効果(first pass effect)を経るべきであるため、肝臓での代謝安定性が経口投与薬物の体内分布を左右できる程の極めて重要な因子であることを考慮した場合、前記化学式1でRが炭素数10を超過することは好ましくない。
本発明の他の一実施例によると、前記の化学式1で前記Rが炭素数10を超過するアルキル基である場合、炭素数10以下のアルキル基である場合と比較してASM活性の抑制効果、脳でのAβプラーク沈着減少効果、アルツハイマー動物モデルから記憶力、不安感、鬱症改善効果及び脳における神経炎症減少効果が低下することが確認された。従って、薬理学的活性の面でも前記化学式1でRが炭素数10を超過することは好ましくない。
本発明は前記化学式1で表示される化合物だけでなく、その薬学的に許容可能な塩、これにより製造可能な溶媒化物、水化物、ラセミ体、又は立体異性質体を全て含む。
本発明の化学式1で表示される化合物の薬学的に許容可能な塩には、薬学的に許容可能な遊離酸により形成された酸付加塩が有用である。酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、ブロム化水素酸、ヨード化水素酸、亜窒酸、亜リン酸などのような無機酸類、脂肪族モノ及びジカルボキシレート、フェニル置換されたアルカノエート、ヒドロキシアルカノエート及びアルカンジオエート、芳香族酸類、脂肪族及び芳香族スルホン酸類などのような非毒性有機酸、酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、フマル酸などの有機酸から得る。これらの薬学的に無毒な塩の種類には、サルフェート、ピロサルフェート、バイサルフェート、サルファイト、バイサルファイト、ニトレート、ホスフェート、モノヒドロゲンホスフェート、ジヒドロゲンホスフェート、メタホスフェート、ヒロホスフェートクロライド、ブロマイド、イオダイド、フルオライド、アセテート、プロピオネート、デカノエート、カプリレート、アクリレート、ホーメート、イソブチレート、カプレート、ヘプタノエート、プロピオネート、オキサレート、マロネート、サクシネート、スベラート、セバケート、フマレート、マレエート、ブチン-1,4-ジオエート、ヘキサン-1,6-ジオエート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、メチルベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、フタレート、テレフタラート、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、キシレンスルホネート、フェニルアセテート、フェニルプロピオネート、フェニルブチレート、シトレート、ラクテート、β-ヒドロキシブチレート、グリコレート、マレート、タルトレート、メタンスルホネート、プロパンスルホネート、ナフタレン-1-スルホネート、ナフタレン
-2-スルホネート、マンデル塩などを含むことができる。
本発明による酸付加塩は通常の方法、例えば、化学式1で表示される化合物は過量の酸水溶液の中に溶解させて、この塩を水混和性有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセトン又はアセトニトリルを使って沈殿させて製造できる。なお、その混合物から溶媒と過量の酸を蒸発させて乾燥させるか又は析出された塩を吸入ろ過させて製造することもできる。
また、塩基を使用して薬学的に許容可能な金属塩を造れる。アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩は、例えば化合物を過量のアルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物溶液の中に溶解し、非溶解化合物塩をろ過して余液を蒸発、乾燥させて得る。そのとき、金属塩としてはナトリウム、カリウム又はカルシウム塩を製造することが制約上適している。これに対応する銀塩はアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩を適等な銀塩(例、硝酸銀)と反応させて得られる。
本発明で前記退行性神経疾患は、当業界にスフィンゴ脂質代謝異常又は/及びASMの活性又は発現の増加が病因として作用する神経疾患であれば、その種類に特に制限は無いが、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、オリーブ核小脳萎縮症(OPCA)、シャイ・ドレーガー症候群、線条体黒質変性症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、本態性振戦症、皮質基底核変性症、レビー小体型認知症、パーキンソン-ALS-認知症複合症、ピック病、脳虚血及び脳梗塞からなる群から選ばれることもあるがこれに制限されない。
本発明でうつ病、即ち憂鬱障害は意欲の低下と憂鬱感を主要症状として様々な認知、精神及び身体的症状を起こして、日常機能の低下をもたらす疾患を意味する。本発明のうつ病は当業界に憂鬱障害として知らされているものであればその細部種類が特に制限されないが、例えば前記うつ病は主要憂鬱障害(MDD)、血管痴呆性うつ病、双極性障害(二極性障害)、単極性うつ病、季節性情動障害(SAD)、軽うつ病、メンタル不全または退行性神経疾患と同伴されるうつ病などを含む。好ましくはASM活性の非正常的増加(活性過剰)によるうつ病でもある。
本発明による薬学的組成物は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を単独で含有するか又は薬学的に許容可能な担体と共に適切な形態で製剤化できて、賦形剤又は希釈剤をさらに含有することができる。前記で“薬学的に許容される”とは生理学的に許容されてヒトに投与される場合、通常的に胃腸障害、目眩などのようなアレルギー反応又はそれと同様な反応を起こさない非毒性の組成物を意味する。
薬学的に許容される担体には例えば、経口投与用担体又は非経口投与用担体をさらに含むことができる。経口投与用担体はラクトース、澱粉、セルロース誘導体、マグネシウムステアレート、ステアリン酸などを含むことができる。併せて、ペプチド製剤の経口投与用に使われる様々な薬物伝達物質を含める。また、非経口投与用担体は、水、適切な油、食塩水、水性グルコース及びグリコールなどを含めて安定化剤、及び保存剤をさらに含むことができる。適切な安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム又はアスコルビン酸のような抗酸化剤がある。適切な保存剤としては、ベンザルコニウムクロライド、メチル又はプロピル-パラベン、及びクロロブタノールがある。本発明の薬学的組成物は、前記成分に加えて潤滑剤、湿潤剤、甘味料、香味剤、乳化剤、懸濁剤などを追加して含める。それ以外の薬学的に許容される担体及び製剤は当業界に公知されていることを参考にできる。
本発明の組成物はヒトをはじめ、哺乳動物にどのような方法でも投与できる。例えば、経口又は非経口的に投与できる。非経口的投与方法としてはこれに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、硬膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局
所、舌下または直腸内投与でもある。
本発明の一実施例によると、本発明の前記化学式1の化合物は生体利用率(Bioavailibility)が極めて優れているだけでなく、ヒトの肝臟マイクロゾームによる代謝安定性も従来報告されたASM阻害剤と比較して、はるかに向上したものと確認された。従って、好ましくは本発明の前記薬学的組成物は経口投与用薬学的組成物でもある。
本発明の薬学的組成物は前述のような投与経路により経口投与用又は非経口投与用製剤として製剤化することができる。経口投与用製剤の場合、本発明の組成物は粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル化剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液などで当業界に公知された方法を用いて製剤化できる。例えば、経口用製剤は活性成分を固体賦形剤と配合した後、それを粉砕して適切な補助剤を添加した後、顆粒混合物に加工することで錠剤又は糖衣錠を得ることができる。適切な賦形剤の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、及びマルチトールなどを含む糖類とトウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及びいも澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチル-セルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどの充填剤を含むことができる。また、場合によっては架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸またはナトリウムアルギネートなどを崩壊剤として添加することができる。さらに、本発明の薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤、および防腐剤などをさらに含むことができる。
非経口投与用製剤の場合には注射剤、クリーム剤、ローション剤、外用軟膏剤、オイル剤、保湿剤、ゲル化剤、エアロゾル及び鼻腔吸入剤の形態で当業界に公知された方法で製剤化することができる。これら製剤は全ての製薬化学に一般的に公知されている。
本発明の組成物の総有効量は、単一投与量(single dose)で患者に投与することもでき、多重投与量(multiple dose)で長期間投与される分割治療方法(fractionated treatment protocol)により投与することができる。本発明の薬学的組成物は疾患の程度により有効成分の含量を異にすることができる。好ましくは本発明の薬学的組成物の好ましい全体容量は1日当たり患者体重1kg当たり約0.01μg乃至10,000mg、最も好ましくは0.1μg乃至100mgでもある。しかし、前記薬学的組成物の容量は製剤化方法、投与経路及び治療回数だけでなく、患者の年齢、体重、健康状態、性別、疾患の重症度、食餌及び***率など様々な要因らを考慮して患者に対する有効投容量が決定されることであるため、このような点を考慮するとき、当分野の通常的な知識を有する者であれば、本発明の組成物の適切な有効投与量を決定できるはずである。本発明による薬学的組成物は本発明の効果を示す限りその剤形、投与経路及び投与方法に特に制限されない。
本発明はまた、下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供する。
また、本発明は下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物を提供する。
Figure 2022514722000012
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
本発明による食品用組成物は機能性食品(functional food)、栄養補助剤(nutritional supplement)、健康食品(health food)及び食品添加剤(food additives)などの全ての形態を含む。前記の類型らは当業界に公知される通常的な方法により様々な形態で製造することができる。
例えば、健康食品としては本発明の食品用組成物自体をお茶、ジュース及びドリンクの形態で製造して飲用するようにしたり、顆粒化、カプセル化、及び粉末化して摂取することができる。また、本発明の食品用組成物は、退行性神経疾患またはうつ病の予防、改善または治療効果があると知られた公知の物質または活性成分と共に混合して組成物の形態で製造することができる。
また、機能性食品には飲料(アルコール飲料含め)、果実及びその加工食品(例えば、果物缶詰、瓶詰、ジャム、マーマレードなど)、魚類、肉類及びその加工食品(例えば、ハムとコンビーフソーセージなど)、パン類および麺類(例えば、うどん、蕎麦、ラーメン、スパゲッティ、マカロニなど)、果汁、各種ドリンク、クッキー、飴、乳製品(例えば、バター、チーズなど)、食用植物油脂、マーガリン、植物性タンパク質、レトルト食品、冷凍食品、各種調味料(例えば、味噌、醤油、ソースなど)等に本発明の食品用組成物を添加して製造することができる。
本発明による食品用組成物の好ましい含有量としてはこれに限定はされないが、好ましくは最終的に製造された食品総重量の内0.01乃至50重量%である。本発明の食品用組成物を食品添加剤の形態で使用するには粉末又は濃縮液の形態で製造して使用することができる。
本発明は又診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
また、本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
また、本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として必須的に構成される退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物を提供する。
Figure 2022514722000013
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
医学映像検査は患者の診断及び治療剤に寄与するところが大きい。最近ではレポーター遺伝子技術が導入されてから生体内で分子水準、細胞水準の変化を映像化できる分子映像が注目されるようになった。分子映像は生きている有機物の細胞又は分子単位から生命現象を非侵襲的な方法で映像化することで、疾病による解剖学的変化が起こらない初期状態に微細な機能上の差を映像化して疾病の診断に役立て得る。従って、分子映像は疾病前の状態を早期に発見および治療をして、治療薬剤開発において新しい可能性を提示し、治療後の反応を早期に評価して治療による毒性を最小限にしながらそれぞれの患者に適した治療ができるようにする。
このような映像を得るための検査法として、本発明の前記診断用組成物は放射性元素を利用した単光子単層撮影術(single photon emission computed tomography、SPECT)、陽電子断層撮影術(positron
emission tomography、PET)などの映像撮影において探針子に活用できる。SPECT、PETのような核医学技法を利用した分子映像は中枢神経系の機能を評価するために極めて速やかな速度で発展し、実際に基礎医学研究と臨床において有用な技術である。特にアルツハイマー病のような退行性神経疾患の原因物質を映像化するためのPET用放射性探査機を開発するための研究が活発に行われている。
本発明の一実施例によると、前記化学式1の化合物はアルツハイマー病、多発性硬化症のような退行性神経疾患患者の脳から発現が増加することと知られているASMタンパク質(Neurobiology of Aging 31 (2010)398-408,SCIENTIFIC REPORT(2018) 8:3071)に特異的及び直接的に結合する活性が極めて優れていることが確認された。
従って、診断製剤又は検出製剤が結合された前記化学式1で表示される化合物を生体内に直接投与するか又は生体外生物学的物質として生体組織サンプル、血漿液又は体液に処理してASMタンパク質を追跡、定量するための診断物質として有用に活用することができ、さらにASMの過剰発現で引起される退行性神経疾患を診断するための診断物質として有用に活用できる。
本発明で前記の診断製剤/検出製剤の非制限的な例としては放射性同位元素、染料(例えば、ビオチン(biotin)-ストレプトアビジン(streptavidin)複合体)、造影剤、蛍光化合物または蛍光タンパク質及びMRI(magnetic resonance imaging)造影増強剤(常磁性イオン)を含む。好ましくは、診
断製剤は放射性同位元素、MRI造影増強剤、及び蛍光化合物を含む。本発明の前記化学式1の化合物と放射性金属又は常磁性イオンと負荷するために、イオンの結合にキレート基の多数と付着された長い尾を有する反応物と反応することが必要であることもある。前記の尾はポリリシン、ポリサッカライドのような高分子、又はエチレンジアミンテトラアセト(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA;diethylenetriaminepentaacetic acid)、ポルフィリン(porphyrin)、ポリアミン、クラウンエーテル、ビス-チオセミカルバゾン(thiosemicarbazone)、ポリオキシム(polyoximes)のようなキレート基と結合できるペンダント基を有し、前記の目的に有用であると知られた基を有する誘導化されるか又は誘導できる鎖でもある。キレートは標準化学を使用して前記化学式1の化合物に結合できる。キレートは正常的に免疫反応性の最小損失と最小集合体及び/又は内部交差連結で分子に結合を形成できる基により前記化学式1の化合物に連結することもできる。
前記診断及び検出のための蛍光物質にはローダミン、アレクサ誘導体、シアニン誘導体、FAM、TAMRA、FITC、PE、PerCP、APC、クマリン又はこれらの誘導体等の蛍光化合物又はGFP、eGFP、CFP、eCFP、YFP、RFP等の蛍光蛋白質でもあるが、これに制限されない。好ましくはCy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5及びCy7等のシアニン誘導体でもある。前記蛍光物質は直接又はリンカーを通じて本発明の前記化学式1の化合物に結合することができる。
特に、有用な金属-キレート組合せは診断性同位元素と60乃至4,000keVの一般的なエネルギー範囲で使用される2-ベンジル-DTPA及びそのモノメチルとシクロヘキシル類似体を含み、例えば、映像化剤及び/又は治療剤として使用される放射性同位元素には125I、131I、123I、124I、62Cu、64Cu、67Cu、186Re、188Re、82Rb、177Lu、18F、153Sm、213Bi、111In、67Ga、68Ga、89Sr、169Er、192Ir、111In、90Y、99mTc、94mTc、11C、13N、15O、76Brなどがある。非放射性金属のうちマンガン(Mn)、鉄(Fe)とガドリニウム(Gd)のような代表的な遷移金属イオンは常磁性物質としてMRIに有用である。しかし、前記のイオン及び放射性同位元素は自らの毒性が強いため、キレート剤などと複合化して使用することが出来る。前記キレート剤としては金属の種類により、DTPA、NOTA、DOTA、MS325、HPDO3A、EDTA、NTA、及びTETAのような大環状(macrocyclic)キレート剤と複合化でき、前記複合体は、本発明の前記化学式1の化合物に結合させて使用することができる。好ましくはガリウム、イットリウム(yttrium)及び銅の放射性核種とそれぞれ使用することができて、前記金属キレート複合体は、対象の金属にリングサイズを合わせることにより、極めて安定して製造できる。RAIT(radiation andimaging technology)に使われる223Raのような核種と安定した結合に有用な巨大環ポリエーテル類のような環状キレートまたは本発明の範疇にも含まれる。
一方、本発明の前記化学式1の化合物に診断製剤又は検出製剤が結合されない場合には、前記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基の炭素原子が放射性同位元素[11C]でもある。
本発明は退行性神経疾患またはうつ病の予防又は治療用製剤を製造するための以下の化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
Figure 2022514722000014
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。
また、本発明は前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病予防又は治療方法を提供する。
本発明は退行性神経疾患又はうつ病診断用製剤を製造するための診断製剤又は検出製剤が結合された化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
Figure 2022514722000015
前記の式で
は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
は水素;又は炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。
また、本発明は診断製剤又は検出製剤が結合された前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を退行性神経疾患又はうつ病が疑われる個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病診断方法を提供する。
本発明の前記“有効量”とは、個体に投与するとき、退行性神経疾患又はうつ病の改善、治療、予防、検出、診断又は退行性神経疾患又はうつ病の抑制又は減少効果を示す量を意味し、前記“個体”とは、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物であって、動物から由来した細胞、組織、器官などでもある。前記個体は前記の効果が必要な患者(patient)でもある。
本発明の前記“治療”とは、退行性神経疾患又はうつ病又は退行性神経疾患又はうつ病の症状を改善させることを包括的に指称し、これは退行性神経疾患又はうつ病を治癒したり、実質的に予防したり又は状態を改善させることを含むこともでき、退行性神経疾患又はうつ病から始まる一つの症状または殆どの症状を緩和させたり、治癒したり予防するこ
とを含むがこれに限定されるものではない。
本発明の用語“~を含む(comprising)”とは、“含有する”又は“特徴とする”と同様に使われ、組成物又は方法において、言及されない追加的な成分要素又は方法段階等を排除しない。用語“~で構成される(consisting of)”とは、別途記載されない追加的要素、段階又は成分等を除外することを意味する。用語“必須的に構成される(consisting essentially of)”とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分要素又は段階と共にその基本的特性に実質的に影響を及ぼさない成分要素又は段階等を含むことを意味する。
本発明の化学式1のASM抑制化合物はASMタンパク質に直接結合してASMを抑制する効果が卓越であって、アルツハイマー脳環境からAβプラーク減少、神経炎症緩和、記憶力及び不安症改善等の治療効果があって、脳での分布が極めて高く、肝マイクロゾームによる代謝安定性が極めて優れて、アルツハイマー病を含む退行性神経疾患の予防又は治療剤、及び退行性神経疾患診断用組成物開発に極めて有用に使用できる。また、ASMの抑制は、うつ病の緩和に効果的であるとの従来の報告のように、本発明の化学式1のASM新規抑制化合物はうつ病を含む神経疾患の予防または治療剤としても有用に使用できる。
図1は、物質名SCNPA501、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘキシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、 物質名SCNPA401、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘプチル-1H-1、2、3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1、3-ジオール、 物質名SCNPA301、化合物名2-アミノ-2-(1-オクチル-1H-1、2、3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1、3-ジオール、 物質名SCNPA201、化合物名2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1、2、3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1、3-ジオール、 物質名SCNPA101、化合物名2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1、2、3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1、3-ジオールである。 図2a及び図2bは、アルツハイマー患者繊維芽細胞(PS1 fibroblast)にASM抑制化合物及びFTY720を処理した後、表われるASM活性変化(図2a)とASMにより生成される生成物のセラミド(図2b)の量を示す図である(n=6/グループ)。 図3a及び図3bは、ASM抑制化合物がASMの活性を50%抑制できる濃度(図3a)とASM活性部分に直接的に結合する図及びこれに対する結合エネルギー(図3b)を数値化した図である。 図4a乃至図4cは、ASM抑制化合物がSphk活性抑制(図4a)及びS1P抑制可否(図4b)とS1Pリセプター1(S1PR1)の発現減少(図4c)を誘導するか否かを確認した図である(n=3-5/グループ)。 図5a及び図5bは、ASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101の薬物動態試験分析に対する図である。 図5aは、正常マウスにASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101を口腔(経口投与:10mg/kg)又は静脈投与(静脈内1mg/kg)後時間帯別に血中の残留濃度を表したグラフである(n=3/グループ)。 図5bは、正常マウスにASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101を口腔(経口投与:10mg/kg)又は静脈投与(静脈内1mg/kg)後血中内薬物動態試験分析結果である(n=3/グループ)。 図6a及び図6bは、ASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101のin vivo注入後脳分布に対する薬物動態試験分析に対する図である(n=3/グループ)。 図6aは、正常マウスにASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101を口腔( 経口投与:10mg/kg)投与後時間帯別に脳内残留濃度を示した結果(左)と、24時間後の脳、肝臓、腎臓、心臓の残留濃度を示した結果(右)である(n=3/グループ)。 図6bは、ASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101のin vivo注入後脳分布に対する薬物動態試験分析結果である(n=3/グループ)。 図7a及び図7bは、ASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101のヒト又はマウスの肝臟マイクロゾームでの安全性を示した図である。 図7aは、ヒト又はマウスの肝臟マイクロゾームにASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101を処理した後時間帯別に残っている量のパーセントを示した図である(n=3/グループ)。 図7bは、ヒト又はマウスの肝臟マイクロゾームにASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201、SCNPA101を処理した後30分後に残る量のパーセント及び半減期を示した結果である(n=3/グループ)。 図8は、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720の注入によるASM抑制がアルツハイマー病に与える影響を調べるために遂行した実験の概要を示した図である。 図9a及び図9bは、アルツハイマー動物モデルにASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720投与後マウスの血清(図9a)及び脳組織(図9b)でのASM濃度変化を示した図である(n=4-6/グループ)(WT:野生型、APP/PS1:アルツハイマー動物モデル)。 図10は、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720投与したアルツハイマ動物モデルの脳髄質と海馬でチオフラビンS(ThioS、繊維のアミロイドβプラーク)の免疫蛍光染色と原繊維のアミロイドベータプラークが占めている面積を定量化した結果である(n=3-4/グループ)(WT:野生型、APP/PS1:アルツハイマー動物モデル)。 図11a及び図11bは、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720を投与したアルツハイマー動物モデルの脳髄質又は海馬からAβ40(図11a)又はAβ42(図11b)の蓄積を免疫蛍光染色及びこれを定量化して表した結果である(n=3-4/グループ)(WT:野生型、APP/PS1:アルツハイマー動物モデル)。 図12a乃至図12cは、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720を投与したアルツハイマー動物モデルから学習及び認知機能の回復程度を表した結果である(野生型マウス(n=8)、ASM抑制化合物であるSCNPA201飲水供給したAPP/PS1マウス(n=7)、ASM抑制化合物であるSCNPA101飲水供給したAPP/PS1マウス(n=8)、FTY720を飲水供給したAPP/PS1マウス(n=7)、あるいは供給していないAPP/PS1マウス(n=8))。 図12aは、野生型マウス、ASM抑制新規化合物のSCNPA201飲水供給したAPP/PS1マウス、ASM抑制新規化合物のSCNPA101飲水供給したAPP/PS1マウス、FTY720を飲水供給したAPP/PS1マウス又は供給しないAPP/PS1マウスからモリスの水迷路試験を通じた学習及び記憶力を評価した結果である。 図12bは、試験11日目に標的プラットフォームで留まる時間を示した結果である。 図12cは、試験11日目に標的プラットフォームのターゲット地域内に入った回数を示す。 図13a及び図13bは、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720を投与したアルツハイマー動物モデルから活動性及び不安感を好転させたことを表した結果である(野生型マウス(n=8)、ASM抑制化合物であるSCNPA201飲水供給したAPP/PS1マウス(n=7)、ASM抑制化合物であるSCNPA101を飲水供給したAPP/PS1マウス(n=8)、FTY720を飲水供給したAPP/PS1マウス(n=7)、あるいは供給していないAPP/PS1マウス(n=8))。 図13aは、オープンフィールドのテスト中にマウスが壁面及び中心部で所要した時間と中心部の比率を表した結果である。 図13bは、ダーク/ライト(dark&light)テスト中にマウスが暗い場所及び明るい場所で使った時間を測定した結果とテスト中にマウスが暗い場所と明るい場所を往復した回数、マウスが最初に暗い場所から明るい場所に移動した時間を測定した結果である。 図14a及び図14bは、アルツハイマー動物モデルで増加した神経炎症が、ASM抑制化合物のSCNPA201の注入により減少することを確認した結果である(WT:野生型、AD:アルツハイマー動物モデル(APP/PS1マウス))。 図14aは、野生型マウス、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720を投与したアルツハイマー動物モデルの大脳髄質からグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)のパーセントを定量化した結果である(n=3-4/グループ)。 図14bは、ASM抑制化合物のSCNPA201、SCNPA101又はFTY720を投与したアルツハイマー動物モデルの大脳髄質から炎症性マーカー(TNF-α、IL-1β、IL-6)のmRNA発現水準を評価した結果である(n=3-4/グループ)。
以下、本発明を詳細に説明する。
但し、以下実施例は本発明を例示するのみ、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
実験材料及び実験方法
0.化合物の合成
物質名SCNPA501、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘキシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、
物質名SCNPA401、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘプチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、
物質名SCNPA301、化合物名2-アミノ-2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、
物質名SCNPA201、化合物名2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、および
物質名SCNPA101、化合物名2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールは、下記一連の工程を通じて製作し、その例には、物質名SCNPA201、化合物名2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールの詳細制作過程は下記の通りである。
0-1.反応式1、1-アジドノナン(1-azidononane)合成
Figure 2022514722000016
反応式1の1-アジドノナンを合成するため、 DMF(200ml)中の化学式1の1-ブロモノナン(20g、96mmole)の溶液にナトリウムアジド(12.6g、190mmol、2eq)を添加した。混合物を室温で三日間撹拌してEA(30ml)/n-核酸(100ml)で希釈した。混合物をHO(600mlx2)で洗浄してMgSO上で乾燥させ、濃縮して化学式2の1-アジドノナン(16g,98%)を得た。
H NMR(400MHzCDCl): δ 3.25(t,2H)、1.59(pentet,2H,)、1.37-1.24(m,15H)、0.88(t,3H)
0-2.反応式2、2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール(2-amino-2-(hydroxymethyl)propane-1,3-diol)の合成
Figure 2022514722000017
反応式2の2-アミノ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオールを合成するために、DMF(500ml)の内、化学式3のトリス(ヒドロキシメチル)アミノ-メタン(25.0g,0.206mol)の懸濁液にBoc2O(49.5g,1.1eq)を添加した。混合物を室温で2時間攪拌した後、2,2-ジメトキシプロパン(30.4ml,1.2eq)及びp-TsOH.HO(2.0g,0.05eq)を添加した。混合物を室温で18時間攪拌してEt2O(500ml)に希釈した。有機層を飽和したNaHCO溶液(300ml)及び塩水(200ml)で洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥して濃縮させた。残留物をn-ヘキサンで結晶化して、化学式4のtert-ブチル[5-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5
-イル]カルバメートを白色固体として得た(32.0g,59.4%)。
H NMR (600MHz, CDCl): δ 5.32(s,1H)、3.86-3.80(m,4H)、3.73(s,2H)、3.68(s,1H)、1.46-1.44(m,15H)
0-3.反応式3、tert-ブチル(5-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(tert-butyl(5-formyl-2,2-dimethyl-1,3-dioxan-5-yl)carbamate)の合成
Figure 2022514722000018
反応式3のtert-ブチル(5-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメートを合成するためには、先ず-78℃で乾燥MC(340ml)中のオキサリルクロリド(33.4ml,3.17eq)の溶液にDMSO(43.7ml,5eq)を混合した。混合物を15分間攪拌した後、無水MC(340ml)中の化学式4のtertブチル[5-(ヒドロキシメチル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル]カルバメート(32.0g,0.123mol)ml)を混合した。混合物を2時間攪拌した後、Et3N(171ml,10eq)を添加した。混合物を10分間攪拌した後、冷却槽を除去して混合物を室温に置いた。淡褐色懸濁液をEA(300ml)で希釈して10%NHOH(1500ml)で洗浄した。有機層を濃縮して残留物をEA/n-ヘキサン=1/10で溶出させるSiOカラムクロマトグラフィーに適用して化学式5のtert-ブチル(5-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(15.0g,47.2%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz, CDCl):δ9.64(s,1H)、5.56(s,1H)、4.07(d,2H,J=12.0Hz)、3.95(d,2H,J=12.0Hz)、1.47(s,15H)
0-4,反応式4、tert-ブチル(5-エチニル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(tert-butyl(5-ethynyl-2,2-dimethyl-1,3-dioxan-5-yl)carbamate)合成
Figure 2022514722000019
反応式4のtert-ブチル(5-エチニル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメートを合成するために、KCO(3.0g,2.25eq)及
びp-トルエンスルホニルアジド(トルエンの内14%溶液,15.8ml,1.05eq)が含まれているアセトニトリル(50ml)懸濁液にジメチル-2-オキソプロフィール-ホスホネート(1.6g,1.02eq)ml)を添加し、混合物を室温で2.5時間激しく撹拌した。メタノール(40ml)に含まれている化学式5のtert-ブチル(5-ホルミル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(2.5g、9.64mmol)の溶液を最初の反応混合物に添加した。KCO(2.7g、2.06eq)添加後、混合物を1.5時間撹拌して減圧下で濃縮し、残留物をMC(200ml)及びHO(200ml)で希釈した。有機層をHO(200ml)で洗浄してMgSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮させた。残留物をEA/n-ヘキサン=1/9で溶離しながらSiOカラムクロマトグラフィーに適用して化学式6のtert-ブチル(5-エチニル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(2.3g,93.4%)を白色固体として得た。
H NMR(400MHz、CDCl):δ5.15(s,1H)、4.05-3.95(m,4H)、2.43(s,1H)、1.48-1.38(m,15H)
0-5.反応式5、tert-ブチル[5-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル]カルバメート(tert-butyl[5-(1-nonanyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)-2,2-dimethyl-1,3-dioxan-5-yl]carbamate)合成
Figure 2022514722000020
反応式5のtert-ブチル[5-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル]カルバメートを合成するためには、化学式6のtert-ブチル(5-エチニル-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル)カルバメート(6.7g,26mmol)、反応式1の1-アジドノナン(4.89g,29mmol)、ナトリウムL(6.76g,34mmol)、t-BuOH(100ml)及びHO(214ml)の溶液にCuSO.5HO(2.62g,10mmol)を添加した。2相溶液を室温で18時間、空気中で攪拌し、HO(300ml)及びMC(100ml)で希釈した。有機層をMgSO上で乾燥させて減圧下で濃縮させた。残留物をn-ヘキサンで結晶化して化学式7のtert-ブチル[5-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル]カルバメート(9.7g、87.8%)を白色固体として得た。
H NMR (600MHz, CDCl): δ 7.64(s, 1H), 5.6 4(s, 1H), 4.37(br, 2H), 4.32 (t, 2H), 4.13(d, 2H), 1.9(m, 2H), 1.55(s, 3H), 1.51(s, 3H), 1.43(s, 9H), 1.32-1.25(m, 12H), 0.88(t, 3H)
0-6.反応式6、2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール(2-amino-2-(1-nonanyl-1H-1,2,3-triazol-4-yl)propane-1,3-diol
hydrochloride)の合成
Figure 2022514722000021
反応式6のSCNPA201である2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールを合成するためには、化学式7のtert-ブチル[5-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2,2-ジメチル-1,3-ジオキサン-5-イル]カルバメート(9.7g、20mmol)を濃いHCL(37.9ml)とエタノール(380ml)と混合して40℃で6時間攪拌した後、減圧下に濃縮した。残留物をアセトンで再結晶化して2-アミノ-2-(1-ノナニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールを白色固体として得た(5g、71.2%)。前記得られたSCNPA201は、図1に示した通りの構造式を有し、分子量は284.4である。
H NMR(400 MHz, methanol-d 4): δ 8.05 (s, 1H), 4.41 (t, 2H), 3.95 (s, 4H), 1.91
(m, 2H), 1.33-1.21 (m, 12H), 0.91 (t, 3H)
0-7.物質名SCNPA501、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘキシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、物質名SCNPA401、化合物名2-アミノ-2-(1-ヘプチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、物質名SCNPA301、化合物名2-アミノ-2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、物質名SCNPA101、化合物名2-アミノ-2-(1-ドデシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールの合成
前記反応式1で1-ブロモヘキサン、1-ブロモヘプタン、1-ブロモオクタン、1-ブロモドデカンを出発物質とし、その後、前記反応式2~6と同様の方法で、図1に示した通りの構造式を有し、分子量がそれぞれSCNPA501=242.32、SCNPA401=257.35、SCNPA301=270.38、SCNPA101=362.94の化合物を得た。
1.細胞培養
ヒトの繊維芽細胞株(normal及びPS1)をCoriell Instituteから得て15%FBSを含むDMEMで37℃及び5%のCOで培養して使用した。その後、前記細胞株に前記合成された各ASM抑制化合物及びFTY720(Cayman)を10μMに処理した後ASM活性度、セラミド、S1P、S1PR1の変化を測定した。
2.マウス
IACUC(Kyungpook National University Institutional Animal Care and Use Committee)からマウスの実験に対する承認を得た。C57BL/6マウス(Charles River、UK)をもとにAPPswe(hAPP695swe)またはPS1(presenilin-1M146V)を過剰発現させた形質転換マウスラインを利用した[以下、APPマウス:APPsweを過剰発現するマウス、PS1マウス:presenilin-1M146Vを過剰発現するマウス;GlaxoSmithKline]。
ASM抑制の治療効果を確認するために7ヶ月齢のマウスに前記合成されたASM抑制化合物のSCNPA201(100mg/kg/day)、SCNPA101(100mg/kg/day)またはFTY720(1mg/kg/day)を飲水を通って供給した。飲水供給1ヶ月後、行動学的分析を実施して、行動学的分析のあとマウスの脳組織をサンプリングした(図8)。
3.ASM、Sphk活性、セラミド、S1P測定
ASMの濃度水準を以下のように測定した。具体的にマイクロリットルのマウスの血清、脳組織及び繊維芽細胞資料3μlをASM活性緩衝液と混合し37℃で保管した。114μlのエタノールを加えて加水分解反応を終了した後に遠心分離させた。30μlの上澄み液をガラスバイアルに移した後、5μlをUPLCシステムに適応させた。前記ASM濃度水準をスピンゴミエリン及びセラマイドと結合したBodipy(ボディピー;アミノアセトアルデヒド)と比較することにより定量化した。Sphkの濃度水準を測定するために、繊維芽細胞試料3μlをSphk活性緩衝液と混合して37℃で保管した。引続き54μlのエタノールを加えて加水分解反応を終了した後、遠心分離した。30μlの上澄み液をガラスバイアルに移した後、5μlをUPLCシステムに適用させた。前記Sphk濃度水準をスフィンゴシン及びSIPと結合したNBDと比較することによりそれぞれのSphk濃度水準をUPLCシステムを利用して定量化した。セラミド及びS1Pの抽出及び定量化は公知の方法試料から脂質を抽出し、前記乾燥された脂質抽出物を25μlの0.2%Igepal CA-630(Sigma-Aldrich)に再浮遊させて、それぞれのセラミド及びS1Pの濃度水準をUPLCシステムを利用して定量化した。
4.ASM直接抑制実験
前記合成されたASM抑制化合物のASM IC50を求めるために、それぞれのASM抑制化合物を様々な濃度(0~200μM)で希釈した後、ASM及びASMの基質ボディピー-スフィンゴミエリン(Bodipy-Sphigomyelin)を添加して37℃で10分間反応させた。10分後、エタノールを入れて加水分解反応を終了した後、遠心分離させた。30μlの上澄み液をガラスバイアルに移した後、5μlをUPLCシステムに適用させた。前記ASM濃度水準をスフィンゴミエリン及びセラミドと結合したボディピーと比較することで定量化した。それぞれのASM抑制化合物とASMとの直接的結合エネルギーを比較するためDiscovery studioプログラムを利用して定量化を行った。
5.免疫蛍光法
マウスの大脳及び海馬を固定したあと、0.5%thioflavin S(Sigma-Aldrich)、Aβ42に対する抗ー20G10(マウス、1:1000)及びAβ40に対する抗-G30(ラビット、1:1000)抗-GFAP(ラビット、1:500、DAKO)を一緒に培養した。前記部位をFluoview SV1000画像ソフトウェア(Olympus FV1000,Japan)を装着したレーザースキャニング共焦点顕微鏡又はOlympus BX51顕微鏡を利用して分析した。Metamorph software(Molecular Devices)を利用して総組織の広さに対する染色された部位のパーセントを定量化して分析した。
6.ウェスタンブロット
ウエスタンブロッティングを利用して、S1PR1のタンパク質発現を分析した。まず、S1PR1(abcam)及びβ-アクチン(Santa Cruz)に対する抗体を利用して、密度定量化(desitometric quantification)はImageJソフトウェア(US National Institutes of Health)を利用して行った。
7.リアルタイム定量PCR(Real-time quantitative PCR)
炎症反応に関するサイトカイン(TNF-a、IL-1b、IL-6)の発現量を測定するために、リアルタイム定量PCR法を使用した。総RNAをRNeasy Plusミニキット(Qiagen、Korea、Ltd)を使用して、脳組織からRNAを抽出し、Clontech(Mountain View、CA)社製キットを使用して、5μg総RNAからcDNAを合成した。また、Corbett Research RG-6000 Real-time PCR機器を使用して、95℃、10分;95℃、10秒;58℃、15秒;72℃、20秒を1サイクルとして40サイクルを繰り返す実時間定量PCRを行った。
前記実時間定量PCRに使用したプライマーは表1の通りである。
Figure 2022514722000022
8.行動実験
学習及び記憶に対する潜在的効果を確認するために、MWM(Morris water maze)実験を行った。MWMは、マウスに対して10日間、1日に4回ずつ課題を学習させ、11日目にはプラットフォームを除去してプローブ試験(probe trial)を行った。活動性と不安感を評価するために、オープンフィールドテストとダーク/ライト(dark and light )テストを行った。オープンフィールドテストはマウスを10分間長方形の箱に入れて、全体的な活動性と壁面及び中心部での歩き回った時間を測定した。ダーク/ライトテストは、マウスを10分間、暗い箱と明るい箱で構成された長方形の箱に入れて、それぞれの箱内にとどまった時間、箱の往復回数及び最初に明るい箱内に入った時間を測定した。
9.統計学的分析
二つのグループの比較のために学生のT-testを行う一方、多数のグループの比較のためにはSAS統計学的パッケージ(release9.1;SAS Institute Inc.,Cary,NC)に従ってTukey’s HSDテスト及び分散テストの繰り返し測定分析を行った。*p<0.05,**p<0.01,***p<0.001を有意なものとみなした。
実験結果
1.アルツハイマー患者の繊維芽細胞からASM抑制化合物を処理した後ASM活性及びセラミド変化の確認
ASM抑制によるアルツハイマー病変の緩和効果をin vitro上で確認するためにASM抑制化合物(SCNPA501,SCNPA401,SCNPA301,SCNPA201)及びFTY720をアルツハイマー病患者由来の繊維芽細胞に10μM濃度で処理した後、ASM活性変化を先に測定した。
FTY720は最初にASM抑制剤として開発されたものではないが、様々な研究結果
によりASM抑制効果を示すことが証明されたため、本発明で効果比較のための陽性対照群として使われた(Biochem Biophys Res Commun.2011
Jan 7;404(1):321-323)。
実験結果、PS1繊維芽細胞からは正常人由来の繊維芽細胞に比べてASM活性が著しく増加されていたが、これは前記ASM抑制化合物(SCNPA501,SCNPA401,SCNPA301,SCNPA201)処理により確実に減少され(図2a)、ASM活性により生成される生成物のセラミドも亦前記ASM抑制化合物処理により確実に減少した(図2b)。
2.ASM抑制化合物によるASM活性の直接的抑制効果の確認
本発明のASM抑制化合物がASM活性を直接的に抑制できるかを確認するために様々な濃度のASM抑制化合物とASM酵素及びASM酵素の基質スフィンゴミエリン(sphigomyelin)を反応させASM活性を50%抑制できる濃度を確認した結果、全ての化合物が低い濃度(SCNPA501=1.86μM, SCNPA401=1.82μM, SCNPA301=1.75μM, SCNPA201=1.14μM)でASM活性を抑制できることが確認された(図3a)。
また、ASM抑制化合物がASMに直接的に結合して活性を抑制するかを確認するためにDockingシミュレーションを実施し、ASM抑制化合物がASMの活性部位に結合するかを確認するために基質スフィンゴミエリンのホスホコリン(Phosphocholine)とASMの結合部位を比較した。その結果ASMとスフィンゴミエリンのホスホコリンの結合に関与する周囲のアミノ酸ら(D206,D278,H319,N318等)が本発明のASM活性抑制化合物がASMとの結合に関与するアミノ酸とほぼ似ていることを確認した(図3b)。即ち、本発明のASM抑制化合物はASM活性部位、即ち、基質のスフィンゴミエリンのホスホコリンが結合する部位に直接的に結合してASM活性を抑制できることを示した。
一方、従来の研究によればアルツハイマー病患者の脳からASM蛋白質の発現量が増加していて(Neurobiology of Aging 31 (2010) 398-408)、退行性神経疾患中の一つである多発性硬化症患者の脳でもASM蛋白質の発現量が増加していることが報告されている(SCIENTIFIC REPORT(2018) 8:3071)。
ところが、前記図3bの結果を参考にすれば本発明によるASM抑制化合物はASM蛋白質に直接結合する活性を示すので、蛍光物質のような診断物質を標識すれば個体又は個体から拾得した生物学的試料からASM蛋白質の発現量を定量化することができる。
したがって、本発明によるASM抑制化合物は個体又は個体から拾得した生物学的試料からASM蛋白質の発現量を定量化することにより退行性神経疾患の診断又は予後予測に活用できることを判断できる。
3.ASM抑制化合物によるS1P及びS1PR1変化確認
FTY720の場合、スフィンゴシン(Sphingosine)に代わってSphk酵素と反応してSphkの活性を抑制させてリン酸化されたホスホ-FTY720に変換されスフィンゴシン生成物のS1Pの発現を減少すると知られている。又、リン酸化されたホスホ-FTY720はS1P1受容体(S1PR1)に結合し、S1P1受容体発現を減少させると知られている(AIMS Molecular Science. DOI:10.3934/molsci.2014.4.162; Front Cell Neurosci.2014 Sep12;8:283)。
本発明のASM抑制化合物がこのような効果を表すかを確認するために正常又はアルツハイマー病患者由来繊維芽細胞にASM抑制化合物(SCNPA501,SCNPA401,SCNPA301,SCNPA201)及びFTY720をアルツハイマー患者由来
繊維芽細胞に10μM濃度で処理した後Sphk活性、S1P及びS1PR1変化を先ず測定した。
その結果、FTY720の場合Sphk活性及びS1PとS1PR1の発現を減少させるが、ASM抑制化合物はこのような効果を示さないことを確認した(図4aとb)。このような結果は本発明のASM抑制化合物がASM活性だけを特異的に抑制させることを示し、FTY720とは異なる薬理学的機転を示すことを確認することができた。
4.ASM抑制化合物の薬物動態学評価
ASM抑制化合物の薬物動態学的な物性を比較するためにSCNPA501、SCNPA201とSCNPA101の薬物動態試験を比較分析した。
前記SCNPA101は従来本発明者がASM抑制活性があることを確認したことがある化合物として本発明による前記ASM抑制化合物(SCNPA201及びSCNPA501)との比較のため、実験で使われた。
正常マウスにSCNPA501、SCNPA201とSCNPA101をそれぞれの口腔(10mg/kg)又は尾静脈(1mg/kg)に投与した後5分、15分、30分、1時間、2時間、4時間、8時間及び24時間目にそれぞれの血液を採集し各々の化合物の血中濃度を測定した(図5a)。薬物動態学的パラメーターを分析した結果生態利用率(BA,Bioavailability)パーセントがSCNPA501(72.26%)とSCNPA201(50.33%)がSCNPA101(19.64%)より高いことから口腔投与製剤としてより効果的であることが示された(図5b)。
5.ASM抑制化合物の脳分布確認
本発明のASM抑制化合物の退行性脳疾患適用のためにはASM抑制化合物の注入後ASMが増加されている脳によく分布することが重要である。これを確認するためにSCNPA501、SCNPA201とSCNPA101をそれぞれの口腔(10mg/kg)に投与した後、時間帯別に脳を摘出して濃度を測定し、24時間後には脳、肝臓、腎臓、心臓を摘出して濃度を測定した。その結果、SCNPA201が脳での濃度が極めて高いことが確認できた(図6a)。
一方、脳から薬物動態学的なパラメーターを確認した結果,脳内分布(Brain distribution)の値がSCNPA501(1.41)、SCNPA201(3.64)、SCNPA101(3.61)と確認した(図6b)。
前記の結果を通じて薬物動態学的な面からSCNPA201はSCNPA101よりさらに、理想的な脳分布を表して退行性神経疾患のような脳疾患治療剤開発により有用に活用できることが示された。
6.ASM抑制化合物の肝臟マイクロゾーム安定性確認
ASM抑制化合物の代謝安全性を確認するために、ヒト又はマウス肝臟マイクロゾームにSCNPA501、SCNPA201又はSCNPA101を処理した後、30分後に各化合物の残留量を確認した。
その結果、マウスの肝臟マイクロゾームではSCNPA501(98.21%)、SCNPA201(95.66%)、SCNPA101(86.36%)順に安全性が高いことを確認し、ヒトの肝臟マイクロゾームでも同じ傾向を示した。特にヒトの肝臟マイクロゾームではSCNPA201、SCNPA501と比較してSCNPA101が7.8%で安全性が極めて低いことを確認した(図7a及び図7b)。
このような結果は、SCNPA101がヒトの肝臟マイクロゾームで代謝安全性が極めて低く、それに比べて本発明の前記ASM抑制化合物のSCNPA501、SCNPA201は代謝安全性が高いことが示された。
特に、SCNPA101の場合、マウスの肝臟マイクロゾームによる代謝安全性はさほど不良ではなかったが、人の肝臟マイクロゾームによる代謝安全性は極めて不良であることから、マウスを利用した実験結果と実際ヒトに適用させたときの臨床結果が全く相異す
ることもあって、このような代謝特性は特に肝臟初回通過効果を経なければならない経口投与製剤を開発するにおいて、大きな限界点として現れることもあり得ることが確認できた。即ち、前記の“薬物動態学評価”実験結果からSCNPA101のマウスの生態利用率は19.64%として表れているが、ヒトに適用する場合SCNPA101は経口投与後肝臓による代謝が著しく、生態利用率がマウスの場合より低くなることと予想できる。
これに反して、本発明での前記ASM抑制化合物らはSCNPA101と比較して人の肝臓マイクロゾームによる代謝安定性が極めて優れていることから、実際ヒトに投与したときの薬理効果及び薬効持続性がSCNPA101より極めて優れていることと予想できる。
7.ASM抑制化合物を投与したアルツハイマー動物モデルからASM活性の変化確認
ASM活性抑制によるアルツハイマー病変の緩和効果をin vivo上で検証するため、アルツハイマー実験動物モデル(AD:APP/PS1マウス)を利用してASM抑制化合物のSCNPA201の治療効果をSCNPA101、FTY720と比較した。アルツハイマー治療効果を比較するため、7ヶ月齢のアルツハイマー動物モデルにSCNPA201(100mg/kg/day)、SCNPA101(100mg/kg/day)又はFTY720(1mg/kg/day)を飲水を通じて供給した。
最初にASM活性抑制の可否を確認するためにそれぞれのアルツハイマー動物モデルの血漿及び脳組織を抽出してASM活性度を確認した。その結果、SCNPA201を投与したアルツハイマー動物モデルの血漿(図9a)と脳組織(図9b)からASM濃度の水準が最も低いことを確認した。
8.ASM抑制化合物を投与したアルツハイマー動物モデルからアミロイドβ沈着確認
ASM抑制化合物投与によるASM活性抑制がアルツハイマー病変に効果があるかを確認するために、先ずマウスの大脳髄質及び海馬を公知の方法によりチオフラビンS(ThioS)で染色して原繊維性アミロイド-β沈着を確認した。また、Aβ40及びAβ42の免疫蛍光染色を実施してアミロイド-β沈着を確認した。
実験結果、APP/PS1マウスと比較してSCNPA201を投与したAPP/PS1マウスから原繊維性Aβ沈着及びAβ40とAβ42の沈着が最も低いことを確認した。このような効果はSCNPA101又はFTY720を注入したAPP/PS1マウスよりさらに優れた効果を示した。
9.ASM抑制化合物を投与したアルツハイマー動物モデルから記憶力好転確認
アルツハイマー動物モデルからASM抑制化合物投与によるASM抑制が記憶力に対する潜在的効果があるかを確認するために、MWM(Morris water maze(モリス水迷路))テストを行った。
図12a乃至図12cに示した通り、APP/PS1マウスは認知力形成に深刻な障碍があったが、SCNPA201を投与したマウスの場合SCNPA101又はFTY720に比べて認知力改善効果がより高いことを確認した。
又、ASM抑制化合物が活動性及び不安感に及ぼす影響を確認するためにオープンフィールドテストとダーク/ライトテストを実施した。
図13aと図13bに示した通り、APP/PS1マウスに比べSCNPA201又はSCNPA101を投与したAPP/PS1マウスから活動性及び不安感が好転される現象を確認した。特に、SCNPA201の場合SCNPA101に比べて活動性及び不安感改善効果が更に高いことを確認した。一方FTY720を投与したAPP/PS1マウスではこのような効果がないことを確認した。
10.ASM抑制化合物を投与したアルツハイマー動物モデルから神経炎症変化の確認
アルツハイマー動物モデルからASM抑制化合物注入によるASM抑制が神経炎症変化に及ぼす影響を確認するために脳から星状膠細胞で、SCNPA201又はSCNPA1
01たAPP/PS1マウスから星状膠細胞の活性が著しく低下することを確認した(図14a)。特に、SCNPA101を投与したAPP/PS1マウスよりSCNPA201を投与したAPP/PS1マウスの脳から星状膠細胞の活性が最も多く低下された。一方、FTY720を投与したAPP/PS1マウスではこのような効果がないことを確認した。
APP/PS1マウスでは、野生マウスに比べて炎症性サイトカインのTNF-a、IL-1b、及びIL-6の遺伝子発現が著しく増加していたが、SCNPA201又はSCNPA101を投与したAPP/PS1マウスでは、炎症性サイトカインの発現が正常水準に回復されたことを確認した(図14b)。特に、SCNPA101を投与したAPP/PS1マウスよりSCNPA201を投与したAPP/PS1マウスの脳でこのような炎症性サイトカインの発現がはるかに減少され、FTY720を投与したAPP/PS1マウスでは、このような効果が示されないことを確認した。
前記の結果を総合すると、ASM抑制化合物であるSCNPA501、SCNPA401、SCNPA301、SCNPA201はアルツハイマー病患者の繊維芽細胞でASMの活性を有意に抑制することができ、また、ASM活性部位に結合してASMの活性を直接阻害できることを示した。一方Sphk活性、S1P及びS1PR1抑制効果は示さないため、ASMを特異的に抑制することができる直接阻害剤であることを示した。加えて、本発明のASM抑制化合物は、ASM活性部位に直接結合可能なので、ASMが増加している脳疾患の診断用にも使用できることを再び確認することができた。
それだけでなく、薬物動態学的試験及び脳分布の結果によると、本発明のASM抑制化合物は、本発明者が開発した既存のASM活性阻害剤であるSCNPA101より優れた効果を示し、特に人の間のマイクロゾームで代謝安定性がSCNPA101の場合は極めて低い反面、本発明のASM抑制化合物は、このような代謝安定性が高いので、薬物製剤として開発可能性が大幅に優れていることが示された。
同様に、アルツハイマー病の動物モデルでの治療効果もまた、本発明のASM抑制化合物がSCNPA101又はFTY720より脳でASM活性抑制、Aβプラークの減少、記憶力及びうつ病の改善、神経炎症緩和などにおいて、より優れた治療効果を示しているので、本発明のASM抑制化合物は、アルツハイマー病のような退行性神経疾患及びうつ病の予防または治療剤として活用が可能であることが示された。
本発明の化学式1のASM抑制化合物はASMタンパク質に直接結合してASMを抑制する効果が優れて、アルツハイマー脳環境でAβプラーク減少、記憶力及び不安症改善、神経炎症緩和等の治療効果があり、脳からの分布がかなり高く、肝臓マイクロゾームによる代謝安全性が優れ、アルツハイマー病を含む退行性神経疾患予防及び治療剤、及び退行性神経疾患診断用組成物の開発に極めて有用に使われる可能性がある。なお、ASMの抑制はうつ病緩和に効果的であるとの従来報告の通り、本発明の化学式1のASM新規抑制化合物はうつ病を含む神経疾患の予防又は治療剤としても有用に使われて、産業上の利用可能性が極めて優れている。

Claims (12)

  1. 以下化学式1の化合物及びその塩。
    Figure 2022514722000023
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基又は炭素数2乃至10のアルキニル基である。)
  2. 下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療用の薬学的組成物。
    Figure 2022514722000024
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基である。)
  3. 前記化学式1の化合物は、2-アミノ-2-(1-ヘキシル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、2-アミノ-2-(1-ヘプチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオール、2-アミノ-2-(1-オクチル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1、3-ジオール又は2-アミノ-2-(1-ノニル-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)プロパン-1,3-ジオールであることを特徴とする請求項第2項記載の薬学的組成物。
  4. 前記化学式1の化合物はASM(acid sphingomyelinase)活性抑制効果を示すことを特徴とする請求項第2項記載の薬学的組成物。
  5. 前記退行性神経疾患はアルツハイマー病、パーキンソン病、進行性核上麻痺、多系統萎縮症、オリーブ橋小脳萎縮症(OPCA)、シャイ・ドレーガー症候群、線条体黒質退行症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、本態性振戦症、皮質基底核変性症、 レビー小体型認知症、パーキンソン-ALS-認知症複合症、ピック病、脳虚血及び脳梗塞からなる群から選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項第2項記載の薬学的組成物。
  6. 前記組成物は経口投与用であることを特徴とする請求項第2記載の薬学的組成物。
  7. 前記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病改善用食品組成物。
    Figure 2022514722000025
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基である。)
  8. 診断製剤又は検出製剤が結合された以下の化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む退行性神経疾患又はうつ病診断用組成物。
    Figure 2022514722000026
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
    前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。)
  9. 退行性神経疾患又はうつ病予防又は治療用製剤を製造するための下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
    Figure 2022514722000027
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基である。)
  10. 下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病の予防又は治療方法。
    Figure 2022514722000028
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基である。)
  11. 退行性神経疾患又はうつ病診断用製剤を製造するための診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1又はその薬学的に許容可能な塩の使用。
    Figure 2022514722000029
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のアルキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
    前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。)
  12. 診断製剤又は検出製剤が結合された下記化学式1の化合物又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分として含む組成物の有効量を退行性神経疾患又はうつ病が疑われる個体に投与する段階を含む退行性神経疾患又はうつ病診断の方法。
    Figure 2022514722000030
    (前記式で
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基;又は置換又は非置換された炭素数1乃至5のキルカルボニル基であって、
    は水素;炭素数1乃至10のアルキル基、炭素数2乃至10のアルケニル基または炭素数2乃至10のアルキニル基であって、
    前記定義されたアルキル基、アルケニル基、アルキニル基又はアルキルカルボニル基はそれぞれ放射性同位元素を含むか又は含まない。)
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