JP2022514056A - 癌の治療に使用するためのRaf阻害剤及びCDK4/6阻害剤による組み合わせ療法 - Google Patents

癌の治療に使用するためのRaf阻害剤及びCDK4/6阻害剤による組み合わせ療法 Download PDF

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Abstract

本発明は、特に増殖性疾患、好ましくはメラノーマ又は膵管腺癌の治療で使用するための、(a)本明細書で定義される通りのRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤、特にリボシクリブとを含む医薬的組み合わせに関する。

Description

本発明は、(a)本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とを含む医薬的組み合わせに関する。
本発明は、癌の治療で使用するためのこうした組み合わせ、癌の治療のための医薬品の調製のためのこうした組み合わせの使用、癌の治療を、それを必要とする対象において行う方法であって、共同で治療有効量の前記組み合わせを前記対象に投与することを含む方法、癌の治療のためのこうした組み合わせの使用及びこうした組み合わせを含む医薬組成物にも関する。
本発明は、CDK4/6阻害剤、特にリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との組み合わせ療法に使用するための、本明細書で定義する通りの式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩にも関する。本明細書で定義する通りの式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩との組み合わせ療法に使用するための、CDK4/6阻害剤、特にリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩も本明細書で提供される。
ヒト癌の30%超は、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路における変異を内在し、そのうちの最も優勢なものは、RAS又はBRAF変異である。MAPK経路(RAS/RAF/CDK4/6/ERK経路としても公知である)は、細胞増殖、分化及び生存を誘導する重要なシグナル伝達カスケードである。この経路の調節不全は、メラノーマを含めた多くの場合の腫瘍形成の基礎をなす(Kirkwood et al,Clin Cancer Res 18(2):555-67,2012)。この経路は、RAS低分子グアニジントリホスファターゼ(GTPアーゼ)(これは、活性化されると、RAFファミリータンパク質(ARAF、BRAF及びCRAF(RAF1としても公知である))の活性化を促進する)から構成される。活性化されたRAFタンパク質は、CDK4/61/2タンパク質のリン酸化及び活性化をもたらし、続いて、これは、細胞外シグナル制御キナーゼ(ERK)をリン酸化及び活性化する。ERKは、複数の転写因子を含めた様々な基質をリン酸化し、増殖、分化、遊走、生存及び血管新生を含めたいくつかの重要な細胞活性を調節する。さらに、RAS又はBRAF変異は、サイクリンD-CDK4/6複合体を恒常的に活性化し、ここで、これらは、CDK4活性化に協力し、腫瘍進行をもたらす(Chudnovsky Y et al 2005;Monahan KB et al 2010)。
メラノーマにおいて、MAPK経路のタンパク質の高頻度の活性化変異が存在する。RAS変異メラノーマは、侵襲的挙動を示し、高い割合の肝臓及び脳転移が初期診断時に既に存在し(Bergamasco et al,Value in Health Journal 19 A347-A766,2016)、したがって予後不良である。標準治療の化学療法に対する反応は、非常に限られている。第3相研究は、ダカルバジンでの標準治療化学療法と比較した場合のCDK4/6阻害剤ビニメチニブのいくつかの利益、例えば7%に対する15という奏効率の改善を実証した。402人の患者を2:1様式でランダムに割り当てた。ビニメチニブに有利である、1.5(1.5~1.7)に対する2.8というPFS中央値(95% CI:2.8~3.6)、HR 0.62(0.47~0.80)が観察されている。しかし、研究薬物に関連することが疑われる有害事象の結果としての中断率が高く(5%に対する20%)、PFSにおける利益は、全生存期間(10.1(7.0~16.5)か月に対する11.0(95% CI:8.9~13.6)か月の改善に移行しなかった(Dummer et al,Lancet Oncol 18(4):435-445,2017)。
NRAS遺伝子は、メラノーマ - 比較的一般的なサブタイプのメラノーマの15~20%において変異している。メラノーマでは、NRASの活性化変異の大部分は、第61コドンで生じ、第12及び13コドンでの変異は、より低い頻度で生じる(Gao et al,Sci Signal,2013;van Elsas,Recent Results Cancer Res,1995)。メラノーマにおけるNRAS変異の存在は、cAMPシグナル伝達の調節不全を惹起する、MAPKシグナル伝達のBRAFからCRAFへの切り替えを引き起こし、これによりCRAFがCDK4/6にシグナル伝達を行うようになる(Dumaz 2006)。NRASの変異は、PTENの変化とは切り離され、NRAS単独の変異は、MAPK経路とPI3K経路とのいずれを通したシグナル伝達も活性化できることを意味している(Goel et al,J Invest Dermatol 6(269):pl1,2006,Davies et al,Clin Cancer Res 15(24):7538-46,2009)。NRAS変異を有するメラノーマは、他のメラノーマサブタイプと比較してより悪い予後を伴い(Devitt et al,Pigment Cell Melanoma Res 24(4):666-72,2011)、標準治療の化学療法に対する反応は、非常に限られている。
KRAS変異は、膵癌において頻繁に見られる(di Magliano MP&Logsdon CD,Gastroenterology 2013;144(6):1220-9)。PDAC患者試料に関する研究は、すべての試料の93%がKRAS変異を有することを示した(Biankin et al.Nature 2012;491,399-405)。KRASは、NRASと同じ下流エフェクターを有する。しかし、NRAS変異癌とKRAS変異癌との両方における依然として対処されていない高い医学的必要性が依然として存在する。
NRASの選択的な薬理学的阻害は、そのGTPアーゼ活性が、これまでのところ、特異的な低分子アンタゴニストの成功した設計を逃れてきたことから、依然として技術的に困難なままである。Munoz-Couselo E,et al、OncoTargets and Therapy,2017:10 Pages 3941-3947は、MEK阻害剤と免疫療法との組み合わせが最も有望な戦略であることを示唆している。しかし、現在の手法の有効性は、依然として確立されていない。
CDK4/6阻害剤であるアベマシクリブと組み合わせたpan-Raf阻害剤であるLY3009120は、KRAS又はBRAF変異を有するある種の腫瘍細胞の増殖を阻害することが最近報告された(Chen SH et al,Oncogene,2018,37,821-832)。しかし、LY3009120は、エフリン受容体、JNK及びSRCファミリーメンバーなど、癌における重要な役割を有するものを含めたいくつかの他のキナーゼを阻害し、したがってオフターゲット毒性をもたらす可能性がある。
したがって、NRAS変異メラノーマ及びKRAS膵管腺癌(PDAC)を含めたRAS変異癌を標的にする有効な治療法は、依然として対処されていない医学的必要性のままである。
式(I)の化合物などの選択的Raf阻害剤と組み合わせたCDK4/6阻害剤リボシクリブは、腫瘍細胞をインビトロで相乗的に阻害することが判明した。この組み合わせはまた、患者由来メラノーマ異種移植片、特にNRAS変異メラノーマ異種移植片における有意な腫瘍退縮及び前臨床モデルにおける生存率(パーセント)中央値の増大をもたらした。
式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせ治療は、良好な耐容性を示し、また患者由来腫瘍異種移植片において単剤と比較して抗腫瘍活性の増大をもたらした。これらのデータは、式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせ活性が、RAS変異癌(メラノーマなど)、特にNRAS変異癌、より具体的にはNRAS変異メラノーマを患う患者における、より大きくより持続的な反応を達成できることを示す。式(I)の化合物及びリボシクリブが単剤として使用された場合にごくわずかな効果のみを引き起こす用量が、両方の薬剤が組み合わせられた場合に大きい効果を引き起こすことが重要である。
したがって、式(I)の化合物と、CDK4/6阻害剤、特にリボシクリブ又はその薬学的に活性な塩との組み合わせは、活性化されたMAPK経路、特にNRAS変異メラノーマなどのNRAS変異癌又はKRAS変異膵管腺癌(PDAC)などのKRAS変異癌を有する患者における、より大きくより持続的な反応を達成することができる。この組み合わせ療法は、より少ない副作用も提供することができ、且つ/又はそれを必要とする患者にとってより許容され得る。
選択的Raf阻害剤である式(I)の化合物は、CDK4/6阻害剤リボシクリブと共に、NRAS変異メラノーマにおけるMAPKシグナル伝達の抑制を最適化することもできる。組み合わせでの式(I)の化合物及びリボシクリブは、NRAS変異メラノーマ又はKRAS変異PDACにおける、BRAFとCDK4/6(マイトジェン活性化プロテインキナーゼキナーゼ)阻害剤との組み合わせに対する耐性の出現を妨げることも促進し得る。
標的療法は、NRAS変異メラノーマを有する患者について、臨床研究以外に現在利用可能ではない。CDK4/6阻害剤の相乗的組み合わせは、NRAS変異癌、特にNRAS変異メラノーマを患う患者における強力な臨床上の利益を発揮することができる。
したがって、本発明は、Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせを提供し、ここで、Raf阻害剤は、式(I)
Figure 2022514056000001

の化合物又はその薬学的に許容し得る塩である。
別の態様では、本発明は、Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせを提供し、ここで、CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である。
別の態様では、本発明は、Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせを提供し、ここで、
(i)Raf阻害剤は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩であり;及び
(ii)CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である。
別の態様では、本発明は、癌の治療に使用するための、これらの医薬的組み合わせを提供する。
本発明は、特に、MAPK経路における活性化変異を特徴とする、特にNRAS又はKRASにおける1つ又は複数の変異を特徴とする癌の治療に使用するための本発明の組み合わせに関する。特に、本発明の組み合わせは、メラノーマ、特にNRAS変異メラノーマの治療に有用である可能性がある。さらに、本発明の組み合わせは、膵癌、特にKRAS変異PDACの治療に有用である可能性がある。
本発明は、CDK4/6阻害剤、例えばリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、式(I)の化合物を提供する。
本発明は、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩も提供する。
別の態様では、本発明は、癌の治療のための医薬品の調製のための、式(I)の化合物であるRaf阻害剤と、CDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせの使用を提供する。
別の態様では、本発明は、癌の治療を、それを必要とする対象において行うための方法であって、治療有効量の、式(I)の化合物であるRaf阻害剤と、CDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせを、それを必要とする対象に投与することを含む方法を提供する。
本発明は、癌を治療する方法であって、前記癌に対して共同で治療的に有効である量の本発明の組み合わせを、それを必要とする対象に同時に、別々に又は連続して投与することを含む方法も提供する。
本発明は、癌に対して共同で治療的に有効である、ある量の本発明の組み合わせと、任意選択で少なくとも1種の薬学的に許容し得る担体とを含む医薬組成物又は組み合わせ調製物も提供する。
本発明は、癌の治療で使用するための、(a)式(I)の化合物からなる群から選択されるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩の1つ又は複数の投薬単位と、(b)CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブの1つ又は複数の投薬単位とを含む組み合わせ調製物も提供する。
本発明は、癌、例えばメラノーマ及び特にNRAS変異メラノーマ又は膵癌、例えばKRAS変異PDACの治療で使用するための、それを必要とする患者への本発明の組み合わせの同時、個別又は連続投与のための、活性成分としての本発明の組み合わせと説明書とを含む市販用包装品も提供する。
本発明の種々の態様を以下でさらに詳細に記載する。追加の定義は、本明細書全体を通して説明する。
式(I)の化合物は、本明細書では、「LXH254」又は「NVP-LXH254」とも呼ばれる。リボシクリブは、本明細書では、「LEE011」又は「NVP-LEE011」とも呼ばれる。
図1:SK-MEL-30メラノーマ細胞株における、単独治療に対する、式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせの、抗増殖及びphopho-Rb抑制効果に対する効果。(図1a、図1b、図1c)に示されるのは、NRAS(Q61K)及びBRAF(D287H)における同時発生的変異を内在するSK-MEL-30メラノーマ細胞株においてCyQUANT(登録商標)直接的細胞増殖アッセイによって測定される場合の、式(I)の化合物と組み合わせたリボシクリブについての、増殖の阻害(図1a)、Loewe(ADD)超過阻害(図1b)及び成長阻害(GI)(図1c)についての組み合わせ行列である。すべての場合において、リボシクリブの漸増濃度は、最も下の行に沿って左から右へと、式(I)の化合物の漸増濃度は、最も左側の列に沿って下部から上部へと示される。グリッド内のすべての残りの点は、2つの軸上に表される単剤濃度に相当する2つの阻害剤の組み合わせに起因する阻害(パーセント)を示す。超過阻害行列は、用量相加性のみに起因する阻害を予測するLoewe用量相加性モデル(Lehar et. al.,2009)からの予測値に対する、実験値(左グリッド)の超過阻害(パーセント)を示す。正の数は、増大している相乗作用の区域を、負の数は、拮抗作用の領域を表す。成長阻害(GI)尺度は、追加の時間0ビヒクル基準レベル(薬物追加の時点)を使用して、実験による阻害測定値を規準化することに基づいている。GI尺度は、時間0段階に(すなわちGI=100%に)「限界点」を有する、2つの異なる線形の規準化スケール部分上での効果の値をもたらす。静止状態の点を超える場合、GI値は、>100%となる(Lehar et al.2009)。(図1d)SK-MEL-20細胞における、リボシクリブ及び式(I)の化合物での単剤又は組み合わせ治療後の、リン酸化されたRB1、CDK4/61/2、ERK1/2及びRSK3のウエスタンブロット分析。ナノモル濃度(nM)での濃度を含めた薬物治療をウエスタンブロット画像の上に記す。すべての試料についての薬物治療の期間は、48時間であった。探索される具体的なタンパク質は、それぞれのパネル一式の右に記す。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) 図2:式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、IPC-298メラノーマ細胞株において、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示す。示されるのは、NRAS変異メラノーマ細胞株IPC298(NRASQ61L)における、抗増殖効果(図2a、図2b、図2c)及び主要なシグナル伝達タンパク質のウエスタン分析(図2d)である。図2a、図2b、図2c中の実験プロトコル及びデータ点は、上で図1について記載した通りである。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) 図3:式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、Meljusoメラノーマ細胞株において、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示す。示されるのは、NRAS変異メラノーマ細胞株Meljuso(NRASQ61L)における抗増殖効果(図3a、図3b及び図3c)並びに主要なシグナル伝達タンパク質のウエスタン分析(図3d)である。図3a、図3b及び図3c中の実験プロトコル及びデータ点は、上で図1について記載した通りである。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) 図4:式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、Meljusoメラノーマ細胞株において、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示す。示されるのは、NRAS変異メラノーマ細胞株SK-MEL-2(NRASQ61R)における、抗増殖効果(図4a、図4b及び図4c)並びに主要なシグナル伝達タンパク質のウエスタン分析(図4d)である。図4a、図4b及び図4c中の実験プロトコル及びデータ点は、上で図1について記載した通りである。 (上記の通り。) (上記の通り。) (上記の通り。) マウスにおける9つの患者由来NRASmutメラノーマ腫瘍異種移植モデルにわたる式(I)の化合物及びリボシクリブの抗腫瘍活性。各バーは、個々の患者由来異種移植(PDX)モデルにおける、各治療によって達成される最良の反応(3~5匹のマウス/治療の平均としてプロットされたもの)を表す。各治療に対するモデルは、次の順序で左から右にプロットされる:HMEX20864、HMEX20744、HMEX4339、HMEX5727、HMEX21124、HMEX3486、HMEX20667、HMEX20585及びHMEX2921。 腫瘍が単剤:式(I)の化合物、リボシクリブ又は両方の組み合わせの毎日の治療中に700mmのサイズに到達するまでの時間のカプラン・マイヤープロット。治療は、各モデルの平均腫瘍サイズがおよそ350mmであるときに開始し、すべての動物は、研究の期間中、継続的な毎日の薬物治療を受けた。研究は、動物が≧90日間治療されたとき又は≧700mmの腫瘍サイズに到達したときに停止した。組み合わせ群の生存曲線は、各単剤又は未治療対照と比較した場合、統計的に有意であった[*p<0.05 ログランク(Mantel-Cox検定)]。
本発明は、特に癌の治療で使用するための、(a)本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤とを含む医薬的組み合わせを提供する。
本明細書で使用する場合、用語「Raf阻害剤」は、B-Rafプロテインキナーゼ(本明細書ではb-RAF、BRAF又はb-Rafとも呼ばれる)及びC-Rafプロテインキナーゼ(本明細書ではc-RAF、CRAF又はc-Rafとも呼ばれる)のアデノシン三リン酸(ATP)競合的阻害剤を指す。Raf阻害剤は、Raf単量体とRaf二量体との両方を優先的に阻害する。
式(I)の化合物は、次の構造:
Figure 2022514056000002

を有する。
便宜上、この化合物及びその塩の群は、集合的に、「式(I)の化合物」又は「化合物(I)」と呼ばれ、これは、「式(I)の化合物」又は「化合物(I)」への言及が交互に化合物又はその薬学的に許容し得る塩のいずれかを指すこととなることを意味する。
Raf阻害剤、式(I)の化合物及びその薬学的に許容し得る塩は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2014/151616号パンフレットに記載されており、その調製の方法は、例えば、その中の実施例1156に記載されている。式(I)の化合物は、生化学的アッセイにおけるnM未満の50%阻害濃度(IC50)値でBRAFキナーゼとCRAFキナーゼとの両方を標的にしつつ、456キナーゼの2つのみ(ジスコイジンドメイン受容体チロシンキナーゼ1(DDR1)及び血小板由来増殖因子受容体、ベータポリペプチド(PDGFRβ))の結合をほぼ同じ程度に阻害する強力且つ選択的な阻害剤である。式(I)の化合物は、KRAS、NRAS及びBRAF癌遺伝子における活性化損傷を内在するモデルを含めた、広範囲のMAPK経路誘導性のヒト癌細胞株及びインビボ腫瘍異種移植片において有効性を示している。例えば、式(I)の化合物は、KRASにおける変異を発現するヒト膵癌細胞株に対して、低μMの範囲の活性を呈する(国際公開第2018/203219 A1号パンフレット、実施例1B、表2を参照されたい)。
本発明の医薬的組み合わせは、CDK4/6阻害剤をさらに含む。D-サイクリン-CDK4/6-RB1系は、細胞の、細胞周期のG1期からS期への移行を制御する、MAPKシグナル伝達の下流の主なエフェクター経路である。
本発明に使用するのに適したCDK4/6阻害剤には、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩及びパルボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩が含まれる。
本発明の医薬的組み合わせにおいて有用なCDK4/6阻害剤には、リボシクリブ又はパルボシクリブが含まれる。
リボシクリブ(Kisqali(登録商標))は、CDK4/サイクリンD1及びCDK6/サイクリンD3酵素複合体に対する高度に特異的な阻害活性を有する、経口的に生体利用可能な高度に選択的な低分子阻害剤である。リボシクリブの特に有用な塩は、そのコハク酸塩である。
本発明は、特に癌の治療における同時、個別又は連続使用のための、(a)本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤とを含む医薬的組み合わせにさらに関する。
選択された用語は、以下において且つ本出願全体を通して定義される。本発明の化合物は、標準の命名法を使用して記載する。そうでないと定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。そうでないと指定されない限り、本明細書では、以下の一般的な定義を適用するものとする。
本明細書で使用する場合、用語「本発明の組み合わせ」は、(a)式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩であるRaf阻害剤と、(b)CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との医薬的組み合わせを指す。本明細書で使用する場合、用語「本発明の組み合わせ」は、(a)式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩であるRaf阻害剤と、(b)CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与又は組み合わせ投与も指す。式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とは、両方の化合物を含む単位医薬組成物中での同時の投与により、本発明に従って組み合わせて用いることができる。代わりに、この組み合わせは、それぞれがRaf阻害剤及びCDK4/6阻害剤を含む別の医薬組成物中において、連続的な方式で(ここで、例えば、Raf阻害剤又はCDK4/6阻害剤が最初に、他方が2番目に投与される)別々に投与することができる。こうした連続投与は、時間が接近している(例えば、同時)か又は離れていることができる。
本明細書で使用する場合、本発明を説明する文脈における用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その」及び同様の言及は、本明細書内でそうでないと示されるか又は文脈によって明確に否定されるのではない限り、単数と複数との両方を包含すると解釈されるべきである。化合物、塩などについて、複数形が使用される場合、これは、単一の化合物、塩なども意味すると解釈される。
用語「又は」は、本明細書では、文脈によってそうでないと明確に指示されない限り、用語「及び/又は」を意味するために使用され、また用語「及び/又は」と互換的に使用される。
「約」及び「およそ」は、概して、測定の性質又は精度を考慮した、測定された量についての許容し得る程度の誤差を意味する。例示的な誤差の程度は、所与の値又は値の範囲の20パーセント(%)以内、典型的には10%以内、より典型的には5%以内である。本明細書での投薬量を「約」指定された量として記載する場合、実際の投薬量は、記述した量から最大10%変動する可能性があり、「約」のこの使用法から、所与の剤形内の厳密な量が、投与された化合物のインビボの効果に実質的に影響を与えずに、様々な理由で、意図される量とわずかに異なる可能性があることが理解される。
本明細書での投薬量を指定された量として、すなわち用語「約」を伴わずに記載する場合、実際の投薬量は、記述した量から最大10%(好ましくは最大5%)変動する可能性があり、この使用法から、所与の剤形内の厳密な量が、投与された化合物のインビボの効果に実質的に影響を与えずに、様々な理由で、意図される量とわずかに異なる可能性があることが理解される。
用語「含むこと」及び「含まれること」は、本明細書では、そうでないと記述されない限り、そのオープンエンド及び非限定的な意味で使用される。
「組み合わせ」、又は「と組み合わせた」、又は「同時投与」は、治療法又は治療薬が物理的に混合されなければならないか、又は同時に投与され且つ/又は一緒に送達されるために製剤化されなければならないことを意味するものではないが、これらの送達の方法は、本明細書に記載した範囲の範囲内である。これらの組み合わせにおける治療薬は、1つ又は複数の他の追加の治療法又は治療薬と並行して、又はこれの前又はこれの後に投与することができる。治療薬は、あらゆる順序で投与することができる。一般に、各薬剤は、その薬剤について決定された用量及び/又はタイムスケジュールで投与されることとなる。この組み合わせにおいて利用される追加の治療薬を単一の組成物中で一緒に投与し得るか、又は異なる組成物中で別々に投与し得ることがさらに理解されるであろう。一般に、組み合わせて利用される追加の治療薬は、これらが個々に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが予想される。いくつかの実施形態では、組み合わせて利用されるレベルは、単剤治療法として利用されるレベルよりも低いであろう。
本発明の組み合わせは、治療的若しくは防御的機能又はその両方を有する。例えば、これらの分子は、本明細書に記載した通りの癌などの様々な障害を治療及び/又は予防するためにヒト対象に投与することができる。
本明細書で使用する場合の用語「組み合わせ」、「治療的組み合わせ」又は「医薬的組み合わせ」は、1つの投薬単位形態での固定された組み合わせ、又は固定されていない組み合わせ、又は組み合わせ投与(同時投与)のための要素一式を指し、ここで、2種以上の治療薬は、一緒に、同時に独立して又は時間間隔内に(特にこれらの時間間隔により、組み合わせの相手が共同的な、例えば相乗的な効果を示すことが可能になる場合に)別々に投与される可能性がある。
用語「組み合わせ療法」は、本開示に記載した治療的状態又は障害を治療するための2種以上の治療薬の投与を指す。こうした投与は、各活性成分について、実質的に同時の方式、例えば固定された比率の活性成分を有する単一の製剤での又は別の製剤(例えば、カプセル及び/又は静脈内製剤)でのこれらの治療薬の同時投与を包含する。さらに、こうした投与及び同時投与は、ほぼ同時の又は異なる時点での、連続又は個別方式でのそれぞれの種類の治療薬の使用も包含する。活性成分が単一の製剤として投与されるか又は別の製剤で投与されるかにかかわらず、薬物は、同じクールの治療法一部として同じ患者に投与される。いずれの場合でも、その治療レジメンは、本明細書に記載した状態又は障害を治療することにおける有益な効果を提供することとなる。
同時の治療的使用は、本発明の意味の範囲内では、同じ経路による且つ同じ時点又は実質的に同じ時点での少なくとも2種の活性成分の投与を意味する。
個別使用は、本発明の意味の範囲内では、特に異なる経路による同じ時点又は実質的に同じ時点での少なくとも2種の活性成分の投与を意味する。
連続的な治療的使用は、投与経路が同じ又は異なる、異なる時点での少なくとも2種の活性成分の投与を意味する。より具体的には、投与方法は、活性成分の1種の投与全体が、他のものの投与が開始する前に行われる方法を意味する。
本明細書で使用する場合の用語「固定された組み合わせ」、「固定された用量」及び「単一の製剤」は、癌の治療のために共同で治療的に有効である量の両方の治療薬を患者に送達するために製剤化される単一の担体又はビヒクル又は剤形を指す。単一のビヒクルは、ある量のそれぞれの薬剤を任意の薬学的に許容し得る担体又は賦形剤と共に送達するように設計される。いくつかの実施形態では、ビヒクルは、錠剤、カプセル、丸剤又はパッチである。他の実施形態では、ビヒクルは、溶液又は懸濁液である。
用語「固定されていない組み合わせ」又は「要素一式」は、本発明の組み合わせの治療薬が両方とも別の実体として、同時に、並行して又は特定の時間制限を伴わずに連続して患者に投与される(ここで、こうした投与は、それを必要とする対象の体内において、治療的に有効なレベルの2種の化合物を提供する)ことを意味する。後者は、カクテル療法、例えば3種以上の活性成分の投与にも適用する。
本明細書で使用する場合の用語「薬学的に許容し得る」は、妥当なベネフィット/リスク比に相応する、過剰な毒性、刺激性、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症を伴わない、対象、例えば哺乳類又はヒトの組織との接触に適した、適切な医学的判断の範囲内である化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
本明細書で使用する場合、用語「薬学的に許容し得る賦形剤」又は「薬学的に許容し得る担体」には、当業者に公知であろうあらゆる溶媒、分散媒、コーティング、界面活性剤、酸化防止剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、着香料、染料など、及びその組み合わせが含まれる。いずれかの従来の担体は、活性成分と適合しない場合を除いて、治療法又は医薬組成物におけるその使用が企図される。
用語「医薬組成物」は、本明細書では、対象に影響を与える特定の疾患又は状態を治療するために対象、例えば哺乳類又はヒトに投与されることとなる少なくとも1種の治療薬を含有する混合物又は溶液を指すと定義される。本発明の医薬的組み合わせは、糖衣錠、錠剤、カプセル、又は座剤、又はアンプルなど、経腸又は非経口投与に適した医薬組成物に製剤化することができる。そうでないと示されなければ、これらは、それ自体が公知である方式において、例えば当業者に容易に明らかな種々の従来の混合、粉砕、直接圧縮、造粒、糖衣がけ、溶解、凍結乾燥プロセス又は製造技術によって調製される。複数の投薬単位の投与により、必要な有効量に到達する可能性があるため、個々の用量の各剤形中に含有される組み合わせパートナーの単位含有量は、それ自体で有効量をなす必要がないことが理解されるであろう。医薬組成物は、約0.1%~約99.9%、好ましくは約1%~約60%の治療薬を含有することができる。当業者は、通常の実験法により、あらゆる過度の負担を伴わずに、剤形の特定の所望される特性に関して1種又は複数の前述の担体を選択することができる。使用される各担体の量は、当技術分野の通常の範囲内で変動し得る。次の参考文献は、経口剤形を製剤化するために使用される技術及び賦形剤を開示している:The Handbook of Pharmaceutical Excipients,4th edition,Rowe et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association(2003);及びRemington:the Science and Practice of Pharmacy,20th edition,Gennaro,Ed.,Lippincott Williams&Wilkins(2003)。これらの任意選択の追加の従来の担体は、造粒前又は造粒中に1種又は複数の従来の担体を最初の混合物に組み込むことにより、又は1種又は複数の従来の担体を、経口剤形中の薬剤の組み合わせ又は薬剤の組み合わせの個々の薬剤を含む顆粒と組み合わせることにより、経口剤形に組み込むことができる。後者の実施形態では、組み合わせられた混合物を、例えばV-混合器を通してさらにブレンドし、続いて錠剤、例えばモノリシック錠剤に圧縮又は成型するか、カプセルに封入するか又は小袋に充填することができる。
医薬組成物は、単位用量あたりであらかじめ決められた量の活性成分を含有する単位用量形態で提供することができる。ある種の実施形態では、単位用量は、各ビヒクルが、薬学的に許容し得る担体及び賦形剤と共に有効量の治療薬の少なくとも1種を含むように1種又は複数のビヒクルを含む。いくつかの実施形態では、単位用量は、患者に同時に投与される1種又は複数の錠剤、カプセル、丸剤、注射液、注入液、パッチなどである。当業者に公知である通り、用量あたりの活性成分の量は、治療される状態、投与経路並びに患者の年齢、体重及び状態に依存することとなる。好ましい単位投薬量組成物は、1日用量若しくは副用量又はその適切な分数分の活性成分を含有するものである。さらに、こうした医薬組成物は、薬学の技術分野において周知である方法のいずれかによって調製することができる。
本発明の医薬組成物は、「治療有効量」又は「有効量」の本発明の化合物を含むことができる。用語「薬学的に有効な量」、「治療有効量」又は「臨床的に有効な量」の治療薬の組み合わせは、組み合わせで治療される障害の臨床的に観察可能な徴候及び症状の、ベースラインに対する観察可能又は臨床的に有意な向上を提供するための、必要な投薬量及び期間での十分な量である。治療有効量は、個人の病態、年齢、性別及び体重などの因子によって変動し得る。治療有効量は、治療薬のあらゆる毒性又は有害な効果に対し、治療的に有益な効果が上回る量でもある。「治療的に有効な投薬量」は、腫瘍成長速度又は疾患進行などの測定可能なパラメータを所望の方式で調節することが好ましい。化合物が測定可能なパラメータを調節する能力は、好適な投薬レベル及びスケジュールを確立することを促進するために、ヒト腫瘍における効力を予測する動物モデル系において評価することができる。代わりに、組成物のこの特性は、当業者に公知のインビトロアッセイを使用することにより、化合物が望ましくないパラメータを調節する能力を調べることによって評価することができる。
本明細書で使用する場合の用語「共同で治療的に活性な」又は「共同治療効果」は、治療されることとなる対象、特にヒトが依然として(好ましくは相乗的な)相互作用(共同治療効果)を示すような時間間隔で治療薬を共同で、別々に又は連続して与え得ることを意味する。特に、これが該当するかどうかは、化合物の血中濃度を追跡することによって決定することができ、少なくともある一定の時間間隔中、治療されるヒトの血液中にいずれの化合物も存在することが示される。
本明細書で使用する場合、用語「薬剤」は、組織、系、動物、哺乳類、ヒト又は他の対象における所望される効果を生じる物質を意味することが理解される。「薬剤」は、単一の化合物又は2種以上の化合物の組み合わせ若しくは組成物であり得ることも理解されるべきである。
用語「癌」は、好ましくは、癌である。
本明細書で使用する場合、用語「癌」は、異常な細胞の望ましくない制御されない成長を特徴とする疾患を指す。癌細胞は、局所的に又は血流及びリンパ系を介して体の他の部分に広がることができる。本明細書で使用する場合、用語「癌」又は「腫瘍」には、前悪性の並びに悪性の癌及び腫瘍が含まれる。用語「癌」は、本明細書では、すべての固形及び血液の悪性腫瘍を含む広範な腫瘍を意味するために使用される。
用語「増殖性疾患」又は「増殖性障害」も一般の癌又は本明細書で定義した通りの癌を指す。
「経口剤形」には、経口投与のために処方される又は経口投与を目的とする単位剤形が含まれる。
本明細書で使用する場合、用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、障害、例えば増殖性障害の進行、重症度及び/又は期間の低減又は改善又は1つ又は複数の治療の施与に起因する障害の1つ又は複数の症状、適切には1つ又は複数の認識可能な症状の改善を指す。具体的実施形態では、用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、患者によって必ずしも認識可能でない、腫瘍の成長などの増殖性障害の少なくとも1つの測定可能な物理的パラメータの改善を指す。他の実施形態では、用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、例えば、認識可能な症状の安定化による物理的な、又は例えば物理的パラメータの安定化による生理学的な、又はその両方による増殖性障害の進行の阻害を指す。他の実施形態では、用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」は、腫瘍サイズ又は癌細胞数の低減又は安定化を指す。
用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」には、患者又は患者集団における、臨床検査値、バイタルサイン及び心電図(ECG)の変化を含めた、有害事象(AE)及び重篤AE(SAE)の発生率及び重症度の低下が含まれる。
用語「治療する」、「治療」及び「治療すること」には、患者又は患者集団における、例えば固形腫瘍縮小効果判定基準(RECIST)バージョン1.1による、奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)の改善が含まれる。
本開示の意味の範囲内では、用語「治療する」は、疾患を阻止し、開始(すなわち疾患の臨床的顕在化までの期間)を遅らせ、且つ/又は疾患を発症又は悪化させるリスクを低下させることも表す。用語「防御する」は、本明細書では、対象、例えば哺乳類又はヒトにおける疾患の発症、存続又は増悪を予防するか、遅らせるか若しくは治療するか又は必要に応じてこれらすべてを意味するために使用される。
本明細書で使用する場合の用語「対象」又は「患者」には、癌又はあらゆる障害(直接的又は間接的に癌に関与する)を患っているか又は悩まされている可能性がある動物が含まれることが意図される。対象の例としては、哺乳類、例えばヒト、類人猿、サル、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギ、ラット及びトランスジェニック非ヒト動物が挙げられる。好ましい実施形態では、対象は、ヒト、例えば癌などの癌を患っているか、患うリスクがあるか又は潜在的に患う可能性があるヒトである。
用語「阻害」、「阻害剤」又は「アンタゴニスト」には、ある種のパラメータ、例えば所与の分子又は経路の活性の低下が含まれる。例えば、標的にされるキナーゼ(Raf又はCDK4/6)の活性の5%、10%、20%、30%、40%又はそれ以上の阻害がこの用語に含まれる。このように、阻害は、100%であり得るが、100%である必要はない。
本明細書で使用する場合、「塩」(「又はその複数の塩」又は「又はその塩」が意味するもの)は、単独で又は本発明の組み合わせの遊離の化合物(例えば、式(I)を有するRaf阻害剤化合物又はCDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブとの混合物で存在することができ、また好ましくは薬学的に許容し得る塩である。こうした塩は、例えば、塩基性窒素原子を有する本発明の組み合わせの化合物から、好ましくは有機又は無機酸との酸付加塩、特に薬学的に許容し得る塩として形成される。用語「薬学的に許容し得る塩」は、化合物の生物学的有効性及び特性を保持し、一般的には生物学的に又は他の点で望ましくないものではない塩を指す。化合物は、アミノ基の存在のため、酸付加塩を形成することが可能である可能性がある。
好適な塩のリストは、“Remington’s Pharmaceutical Sciences”,20th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,(1985);新版:“Remington:the science and practice of pharmacy”,22nd ed.,Pharmaceutical Press,London(2012)において、また“Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use”by Stahl and Wermuth(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2011)において参照することができる。
単離又は精製目的では、薬学的に許容し難い塩、例えばピクリン酸塩又は過塩素酸塩を使用することも可能である。治療的使用のため、薬学的に許容し得る塩又は遊離の化合物のみが用いられ(医薬調製物の形態で適用可能な場合)、したがってこれらが好ましい。遊離の形態の新規化合物と、その塩の形態の新規化合物(例えば、その新規化合物の精製及び同定における中間体として使用することができる塩が含まれる)との間の密接な関係を考慮すると、遊離の化合物へのあらゆる言及は、適宜、対応する塩への言及でもあることを理解するべきである。本発明の組み合わせにおいて使用される化合物の塩は、薬学的に許容し得る塩であることが好ましく、好適な対イオンを形成する薬学的に許容し得る塩が当分野で公知である。そうでないと指定されない限り又は本文によって明確に指示されない限り、本明細書で提供する医薬的組み合わせにおいて有用な治療薬への言及には、化合物の遊離の塩基と、化合物のすべての薬学的に許容し得る塩との両方が含まれる。
本明細書で使用する場合の用語「相乗効果」は、それ自体で投与される各薬物の効果を単純に足したものよりも大きい、例えば癌又はその症状の症候的進行を遅らせる効果をもたらす、例えば式(I)を有するRaf阻害剤化合物又はその薬学的に許容し得る塩及びCDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩などの2種の薬剤の作用を指す。
一実施形態では、本発明の組み合わせは、(a)式(I)
Figure 2022514056000003

の化合物であるRaf阻害剤化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤とを含む。
一実施形態では、本発明の組み合わせは、(a)Raf阻害剤、式(I)
Figure 2022514056000004

の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)リボシクリブ及びパルボシクリブから選択されるCDK4/6阻害剤及びその薬学的に許容し得る塩とを含む。CDK4/6阻害剤は、好ましくは、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である。
本発明の組み合わせは、細胞株及びヒト異種移植モデルにおいて、いずれかの単剤療法と比較して腫瘍反応の深さ及び持続性の向上を示し(実施例を参照されたい)、したがって癌の治療に有効である可能性がある。したがって、本発明は、固形腫瘍、特に1つ又は複数のMAPK経路変化を内在する腫瘍、例えばNRAS変異癌及びKRAS変異癌を治療するための、式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩を、CDK4/6阻害剤、特にリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と組み合わせて使用する組成物及び方法を提供する。
好ましくは、これらの治療薬は、組み合わせられた場合に有益な効果を提供する治療的に有効な投薬量で投与される。本発明は、特に、癌を治療するための、それを必要とする対象への個別、同時又は連続投与に有用な本発明の組み合わせに関連する。換言すると、本発明は、特に、癌の治療で使用するための本発明の組み合わせに関連する。
癌の性質は、多因子性である。ある種の状況では、作用の異なる機構を有する治療薬を組み合わせることができる。しかし、異なる作用様式を有する治療薬の任意の組み合わせのみを考えることが、好都合な効果を有する組み合わせを必ずしももたらすとは限らず、且つ特定の癌に罹患している患者にとって必ずしも臨床的利点になるとは限らない。
本発明では、本発明の組み合わせの投与は、従来の技術におけるあらゆる治療法又は組み合わせパートナーのいずれか1つでの単剤療法と比較して、例えば癌又はその症状の進行遅延又は阻害に関してより有益な効果、例えば相乗的又は向上された抗増殖効果をもたらすことが期待され、またさらなる有益な効果、例えば以下のもの:より少ない副作用、例えば皮膚関連の毒性(例えば、発疹)及び胃腸毒性(例えば、下痢)、忍容性の向上、生活の質の向上及び病的状態の減少のいずれか1つ以上のものなどを提供することもできる。
本発明の組み合わせの治療薬を、それを必要とする対象に別々に、同時に又は連続して投与することができる。好ましくは、これらの治療薬は、組み合わせられた場合に有益な効果を提供する治療的に有効な投薬量で投与される。したがって、本発明の一実施形態では、本発明の組み合わせは、癌、特に本明細書に記載される癌の治療で使用するためのものである。
用語「癌」は、本明細書では、すべての固形及び血液の悪性腫瘍を含む広範な腫瘍を意味するために使用される。癌は、初期、中間期又は末期であり得る。癌は、局所進行性又は転移性であり得る。
本明細書に記載した組み合わせ療法によって治療されることとなる癌は、標準治療後において又は有効な標準の治療法が存在しない人について進行している可能性がある。
一実施形態では、癌は、メラノーマである。
本発明の組み合わせは、特に、NRAS変異腫瘍などの1つ又は複数のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路変化を内在する癌並びに特に本明細書に記載した通りのRasの少なくとも1つの機能獲得型変異及び/又は本明細書に記載した通りのRafの少なくとも1つの機能獲得型変異を発現する腫瘍などの癌の治療に有用である。
含まれるのは、NRAS変異癌又は腫瘍である。対象のNRAS変異は、G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eから選択され得る、用語「NRAS変異」腫瘍又は癌には、変異したNRASタンパク質、特に機能獲得型NRAS変異を呈するあらゆる腫瘍;特にあらゆるG13R、Q61K、Q61L、Q61R、NRAS変異腫瘍が含まれる。したがって、NRAS変異メラノーマには、Q61K、Q61L又はQ61Rに対応する少なくとも1つのNRAS変異を有するメラノーマが含まれる。癌は、NRAS QG13R変異メラノーマであり得る。含まれるのは、KRAS変異癌又は腫瘍でもある。対象のKRAS変異は、G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eから選択することができる。用語「KRAS変異」腫瘍又は癌には、変異したKRASタンパク質を呈するあらゆる腫瘍が含まれる。癌は、初期、中間期又は末期であり得る。癌は、局所進行性又は転移性であり得る。
別の実施形態では、癌は、標準治療に対して耐性又は抵抗性である。
別の実施形態では、癌は、ダカルザビン(dacarzabine)での標準治療に対して耐性又は抵抗性である。
別の実施形態では、癌は、MEK阻害剤での治療に対して耐性又は抵抗性である。
別の実施形態では、癌は、1種以上の免疫チェックポイント阻害剤での治療法を含めた、免疫療法処置での治療に対して耐性又は抵抗性である。
別の実施形態では、癌は、ニトロソウレア及び/又はマイトマイシンCなどの細胞毒での治療に対して耐性又は抵抗性である。
一実施形態では、癌は、NRASタンパク質を含む群から選択される少なくとも1つの変異によって特徴付けられる。
一実施形態では、癌は、NRAS変異によって特徴付けられる。
一実施形態では、本発明の組み合わせは、癌、特にメラノーマを治療するための方法に関する。
本発明の組み合わせは、NRAS変異メラノーマを治療するのに特に有用であり得る。
一実施形態では、癌は、KRASタンパク質を含む群から選択される少なくとも1つの変異を特徴とする。
一実施形態では、癌は、KRAS変異を特徴とする。
一実施形態では、本発明の組み合わせは、癌、特に膵癌を治療するための方法に関する。
本発明の組み合わせは、KRAS変異PDACを治療するのに特に有用である可能性がある。
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、癌の治療を、それを必要とする対象において行うための方法であって、(a)本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤とを含む、治療有効量の本発明の医薬的組み合わせを投与することを含む方法である。好ましい実施形態では、CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である。
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、癌の治療を、それを必要とする対象において行うための方法であって、(a)本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であうRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤とを含む、前記癌に対して共同で治療的に有効である量の本発明の組み合わせを、それを必要とする対象に同時に、別々に又は連続して投与することを含む方法である。好ましい実施形態では、CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である。
さらなる実施形態では、本発明は、特に、1つ又は複数のマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)経路変化を内在する癌を治療する方法に関連する。一実施形態では、本発明は、NRASにおける少なくとも1つの変異によって特徴付けられる癌を治療する方法に関連する。別の実施形態では、本発明は、KRASにおける少なくとも1つの変異を特徴とする癌を治療する方法に関する。一実施形態では、本発明は、癌、特に本明細書に記載される癌の治療のための医薬品の調製のための本発明の組み合わせの使用に関する。一実施形態では、本発明の組み合わせは、癌の治療のための医薬品の調製に使用するためのものである。
さらなる実施形態では、本発明は、MAPK経路における機能獲得型変異によって特徴付けられる癌の治療のための医薬品の調製のための本発明の組み合わせの使用に関する。
一実施形態では、本明細書で提供される組み合わせ又は組成物又はその両方は、相乗効果を呈する。
したがって、一態様では、本発明は、抗癌化物を別の抗癌化合物と組み合わせて使用することにより、抗癌化合物の効力を高める方法、特に本明細書で定義される通りの式(I)の化合物であるRaf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩をCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と共に使用して、同様の用量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩又はCDK4/6阻害剤を単剤(単剤療法)として投与することでは達成することができない、高められた効力を提供する方法を提供することができる。
本発明によって提供されるさらなる利益は、本発明の組み合わせの、より低い用量の治療薬を使用することができ(例えば、その結果、多くの場合に投薬量をより少なくすることができるだけでなく、適用の頻度を低くすることができ)、又は組み合わせパートナー単独の1つで認められる副作用の発生率を減じるために使用し得ることである可能性がある。
いくつかの実施形態では、本明細書で定義される通りの式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩、及び/又はCDK4/6阻害剤若しくはその薬学的に許容し得る塩を、治療用量で又は単剤投与レベルよりも低い治療用量で投与することができる。ある種の実施形態では、阻害、例えば成長阻害又は腫瘍収縮を達成するために必要とされるある治療薬の濃度又は投薬量は、各治療薬が個々に投与される場合よりも、第1の治療薬と組み合わせて他の治療薬が使用又は投与される場合により低い。ある種の実施形態では、組み合わせ療法において、阻害、例えば成長阻害を達成するために必要とされるある治療薬の濃度又は投薬量は、単剤療法としての治療用量よりも低く、例えば10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、60~70%、70~80%又は80~90%低い。
1種又は複数の構成成分間の相乗的相互作用を決定することにおいて、効果に対する最適な範囲及び効果に対する各構成成分の絶対的な用量範囲を、治療を必要とする患者への異なるw/w比率範囲及び用量にわたる構成成分の投与により、確実に測定することができる。ヒトについて、患者に対する臨床試験を実施することの複雑性及び費用により、相乗作用についての一次モデルとしてのこの形態の試験の使用が実現不可能になる可能性がある。しかし、ある種の実験における相乗作用の観察は、他の種における効果を予測するものであり得、存在する動物モデルを使用して相乗効果をさらに定量化することができる。ある種における相乗作用の観察は、他の種における効果を予測するものであり得、本明細書に記載した通りに動物モデルを使用して相乗効果を測定することができ、こうした研究の結果をまた、薬物動態/薬力学的(PK/PD)方法の適用により、他の種において必要とされる有効な用量比率範囲及び絶対的な用量及び血漿中濃度を予測するために使用することができる。腫瘍モデルと、ヒトにおいて見られる効果との間の確立された相関は、動物における相乗作用を例えば異種移植モデルによって又は適切な細胞株において実証し得ることを示唆する。本発明の組み合わせが本明細書に記載した有益な効果をもたらすことは、確立された試験モデルによって示すことができる。当業者は、こうした有益な効果を証明するために妥当な試験モデルを選択することが十分に可能である。本発明の組み合わせの薬理活性は、例えば、本質的に本明細書に記載した通りの臨床試験において又はインビボ又はインビトロの試験手順において実証することができる。
組み合わせの投与(換言すると、ある治療剤の、他の組み合わせパートナーと一緒の投与、すなわち「同時投与」)には、あらゆる好適な経路による単一の製剤又は単位剤形での組み合わせの投与、組み合わせの個々の薬剤の並行してではあるが、別々の投与又は組み合わせの個々の薬剤の連続した投与が含まれる。本発明の組み合わせの個々の組み合わせパートナーは、治療法のクール中の異なる時点で別々に、又は任意の順序で連続して、又は分割された若しくは単一の組み合わせ形態で並行して、例えば同時に又は共同で治療有効量、好ましくは相乗的に有効な量、例えば本明細書に記載した量に対応する毎日の若しくは断続的な(すなわち毎日ではない)投薬量で投与することができる。
本明細書に開示した方法、治療、組み合わせ及び組成物に使用するための、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、BRAF及びCRAFの強力な阻害剤である。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩又は、経口的に投与される。一実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、約200~1200mg、約300~1000mg、約400~800mg又は約500~600mg(例えば、1日につき1回)の総1日用量で投与される。式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg又は約1200mgの総1日用量で投与することができる。好ましい実施形態では、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、約200mg、400mg、600mg、800mg及び120mgの総1日用量で投与することができる。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩の総用量は、式(I)の化合物の2回のそれぞれの用量が1日2回投与されるように分割することができ、実際の投薬量及び投与のタイミングは、患者の年齢、体重及び性別;治療されることとなる癌の程度及び重症度;及び治療を行う医師の判断などの判断基準によって決定される。好ましくは、総用量の式(I)の化合物は、1日1回投与される。別の好ましい実施形態では、総用量の式(I)の化合物は、1日2回投与される。
本発明による組み合わせの一部としてのCDK4/6阻害剤は、治療有効量でそれを必要とする対象に投与される。
好ましい実施形態では、それを必要とする対象における、本発明による組み合わせの一部として1日に投与される、CDK4/6阻害剤リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩の総用量は、1日あたり約100mg~約600mgから選択される量となり;適切には、この量は、1日あたり約200mg~約400mgから選択されることとなる。好ましい実施形態では、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩は、約100、約200mg、約400mg及び約600mgから選択される1日用量で投与される。代わりに、総用量を、1日2回投与される2回の用量に分けることができる。
具体的には、次の1日用量が想定され得る。
Figure 2022514056000005
本明細書において用量又は投薬量が言及される場合、言及される量は、治療薬の量を指す。例えば、200mg用量のリボシクリブが投与される場合、リボシクリブは、リボシクリブコハク酸塩を含有する錠剤で投与され、この錠剤は、200mgリボシクリブと均等なリボシクリブコハク酸塩を含有することとなる。
いくつかの実施形態では、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得るは、経口的に投与される。一実施形態では、リボシクリブは、経口送達を介する投与のために調製され、塩形態、例えばブコハク酸塩形態で使用することができる。いくつかの実施形態では、化合物は、経口投与のための錠剤形態で調製される。錠剤は、柔軟性のある投与のための様々な投薬量で製造することができる。
その用量のリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩は、1日1回、又は1日2回、又は1日3回、又は1日4回投与することができる。総1日用量のリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩は、1日1回又は1日2回投与することができる。
例えば、組み合わせ療法の一部として、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩を約200mg、約400mg、約600mg、約800mg又は約1200mgの総1日用量で投与することができ、リボシクリブを例えばコハク酸塩形態において、約100mg、約200mg、約400mg又は約600mgの総1日用量で投与することができる。1日用量の式(1)の化合物を1日につき1回又は2回投与することができる。したがって、約200mgの式(I)の化合物の1回投与を1日につき2回(総1日用量 約400mg)投与することができ、約100mg又は約200mgのリボシクリブの1回投与を1日につき1回投与することができる。代わりに、約200mgの式(I)の化合物の1回投与を1日につき2回(総1日用量 約400mg)投与することができ、約100mg又は約200mgのリボシクリブの1回投与を1日につき2回投与することができる。
代わりに、式(I)の化合物を1日2回(b.i.d又はBID)600mg投与し、リボシクリブを1日1回600mgで投与することができる。式(I)の化合物を1日2回(BID)400mg投与し、リボシクリブを1日1回200mgで投与することもできる。
式(I)の化合物は、継続的に、すなわち休薬期間を伴わずに投与されることが好ましい。
CDK4/6阻害剤は、継続的に、すなわち治療期間中に中断せずに又は休薬期間を伴って投与することができる。
例えば、CDK4/6阻害剤、例えばリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩は、3週のオン及び1週のオフ又は2週のオン及び2週のオフ;好ましくは3週のオン及び1週のオフで投与することができる。具体的には、次のレジメンを本発明に従って使用することができる。
Figure 2022514056000006
例えば、式(I)の化合物を、1日1回又は2回、休薬期間を伴わずに与えることができ、CDK4/6阻害剤(例えばリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩)を3週のオン及び1週のオフで投与することができる。
想定される薬物レジメンでは、式(I)の化合物及びCDK4/6阻害剤の総1日用量は、上記及び説明全体を通して記載した通りである
例えば、400mg又は600mgの式(I)の化合物の1回投与を1日1回又は2回、好ましくは1日2回与えることができ、200mgのリボシクリブの1回投与を1日1回、3週のオン及び1週のオフで与えることができる。
例えば、600mgの式(I)の化合物の1回投与を1日1回又は2回、好ましくは1日2回与えることができ、600mgのリボシクリブの1回投与を1日1回、3週のオン及び1週のオフで与えることができる。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とは、本明細書に開示した方法に従って一緒に使用することができる。本発明の治療は、2日、3日、4日、5日、6日、1週、2週、3週、4週又は4週より長い間、継続できることが企図されるため、これらの2種の化合物は、治療を行う医師に適切であると判断される通りに、またさらに好適な投薬量及び投与頻度を決定するための本明細書に記載した方法を使用して案内される通りに、意図される投薬量及び投与頻度に応じて一緒に又は別々に投与することができる。投薬の頻度は、使用される化合物及び治療されることとなる特定の状態に応じて変動する可能性がある。一般に、有効な治療法を提供するのに十分である最小の投薬量の使用が好ましく、患者の年齢、体重及び性別;治療されることとなる癌の程度及び重症度;及び治療を行う医師の判断などの判断基準によって決定することができる。患者を、一般に、当業者が熟知しているであろう治療される状態に適したアッセイを使用して治療有効性について観察することができる。
本発明の組み合わせ(すなわち式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との、毒性を伴わずに効力をもたらす最適な比率、個々の及び組み合わせられる投薬量及び組み合わせパートナーの濃度は、標的部位に対する治療薬の利用可能性の動態及び限定されないが、疾患の進行の程度;個人の年齢、体重、全身的健康、性別及び食事;投与の時間及び経路;並びに個人が受けている他の薬物療法を含む様々な因子に基づく。最適な投薬量は、当技術分野で周知である通常の試験及び手順を使用して設定することができる。例えば、単一のボーラスを投与するか、いくつかの分割用量を、時間をかけて投与するか、又は用量を、治療状況の緊急性により、示された通りに比例的に低下若しくは増大させることができる。
本発明の組み合わせの治療薬は、あらゆる適切な経路によって投与することができる。好ましい経路は、例えば、組み合わせのレシピエントの状態及び治療されることとなる癌の位置によって変動し得ることが理解されるであろう。治療薬のそれぞれを同じ又は異なる経路によって投与し得ること、また治療薬、例えば式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とを医薬組成物中で一緒に組み合わせ得ることも理解されるであろう。
式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブとは、本明細書に開示した通りに一緒に使用することができる。本発明の組み合わせの2種の治療薬は、一緒に(同時に)、連続して又は別々に投与することができる。
さらに、化合物が同じ剤形中で投与されるかどうかは問題ではなく、例えば一方の化合物を局所的に投与することができ、他方の化合物を経口的に投与することができる。適切には、両方の治療薬は、経口的に投与される。これらの化合物は、同じ又は異なる剤形中で投与することができる。
したがって、一実施形態では、1つ又は複数の用量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、1つ又は複数の用量のCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と同時に、連続して又は別々に投与される。
一実施形態では、反復用量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩は、反復用量のCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と同時に、連続して又は別々に投与される。
一実施形態では、反復用量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩は、単一用量のCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と同時に、連続して又は別々に投与される。
一実施形態では、単一用量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩は、反復用量のCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と同時に、連続して又は別々に投与される。
一実施形態では、単一用量の式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩は、単一用量のCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と同時に、連続して又は別々に投与される。
上記のすべての実施形態では、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩を最初に投与するか、又はCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ若しくはその薬学的に許容し得る塩を最初に投与することができる。
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、本発明の方法で使用するための、(a)式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、(b)CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とを含む医薬組成物である。一実施形態では、この医薬組成物は、1種又は複数の薬学的に許容し得る希釈剤、賦形剤又は担体をさらに含む。担体、希釈剤又は賦形剤は、医薬製剤を可能にする製剤の他の成分と適合性があり、且つそのレシピエントに対して有害でないという意味で許容し得るものでなければならない。利用される医薬組成物のこうした要素は、別の医薬的組み合わせ中に提供するか、又は1つの医薬組成物に一緒に製剤化することができる。本明細書で開示した組み合わせは、単一の組成物中で一緒に投与するか、又は2種以上の異なる組成物、例えば記載した通りの組成物又は剤形中で別々に投与することができ、構成成分は、同じ製剤として又は例えば上で示した通りに別の製剤として単独で又は1種又は複数の薬学的に許容し得る担体と組み合わせて、あらゆる好適な経路によって投与することができる。
本明細書で使用する場合の投薬単位形態は、治療されることとなる対象に対する単位投薬量として適合された物理的に不連続の単位を指し;各単位は、所望される治療効果をもたらすように算出された、あらかじめ決定された量の活性な化合物(例えば、式(I)の化合物若しくはその薬学的に許容し得る塩又はCDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ若しくはその薬学的に許容し得る塩を、必要とされる薬剤用担体と共に含有する。単位剤形は、固定された組み合わせでもあり得る。
有効な投薬量の組み合わせパートナーのそれぞれは、組み合わせ内の他の治療薬と比較して、治療薬の1つのより高頻度の投与を必要とする可能性がある。したがって、適切な投薬を可能にするために、包装された医薬生成物は、化合物の組み合わせを含有する1種又は複数の剤形及び本発明の組み合わせの治療薬の1つを含有するが、本発明の組み合わせの他の治療薬を含有しない1種又は複数の剤形を含有することができる。
本発明の組み合わせ内で用いられる組み合わせパートナーが、単一の薬物として販売される形態で適用される場合、その投薬量及び投与の方式は、そうでないと言及されなければ、それぞれの販売される薬物の添付文書上に提供される情報に従うものであり得る。
したがって、適切な投薬を可能にするために、包装された医薬生成物は、薬剤の組み合わせを含有する1種又は複数の剤形及び組み合わせの治療薬の1つを含有するが、組み合わせの他の治療薬を含有しない1種又は複数の剤形を含有することができる。
また、本発明の範囲内であるのは、1種又は複数の他の要素を伴う、治療薬としての、本明細書に記載した通りの同時、個別又は連続投与のための本発明の組み合わせ:使用のための説明書;本発明の組み合わせと共に使用するための他の試薬;投与のための化合物を調製するための装置又は他の材料、例えば混合容器;薬学的に許容し得る担体;及び対象への投与のための装置又は他の材料、例えば注射器を含む組み合わせキットである。
本明細書で使用する場合の用語「組み合わせキット」又は「要素一式」は、本発明に従って使用される医薬組成物又は組成物を意味する。両方の化合物が同時に投与される場合、組み合わせキットは、錠剤などの単一の医薬組成物中又は別の医薬組成物中において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とを含有することができる。式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とが同時には投与されない場合、組み合わせキットは、単一の包装品内の別の医薬組成物中又は別の包装品内の別の医薬組成物中において、式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩と、CDK4/6阻害剤、適切にはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩とを含有することとなる。
本発明の一実施形態では、要素一式は、次の構成成分を含む:(a)(i)式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩(薬学的に許容し得る賦形剤、希釈剤及び/又は担体と共に)、及び(b)CDK4/6阻害剤、好ましくはリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩。ここで、これらの構成成分は、連続、個別及び/又は同時投与に適した形態で提供される。組み合わせキットは、投薬及び投与の説明書などの説明書と共に提供することもできる。こうした投薬及び投与の説明書は、例えば、薬物製品ラベルによる、医師に対して提供される種類のものであり得るか、又は患者に対する説明書などの医師によって提供される種類のものであり得る。
本発明の他の特徴、目的及び利点は、説明及び図面から、また特許請求の範囲から明らかであろう。
以下の実施例は、上記に記載した本発明を例示する。しかし、これらの実施例は、決して本発明の範囲を限定することを意図しない。本発明の医薬的組み合わせの有益な効果は、それ自体が当業者に公知である他の試験モデルによって決定することもできる。
実施例1:NRAS変異メラノーマ細胞株におけるRAF阻害とCDK4/CDK6阻害との増進された組み合わせ効果
方法
式(I)の化合物(NVP-LXH254)及びリボシクリブ(NVP-リボシクリブ)を合成し、リボシクリブの化合物ストックを、DMSO中に10mMの最終濃度で調製した。組み合わせプロットについて、作業用ストックを、適切な細胞培養培地で3倍(リボシクリブについて2倍)ずつ段階希釈して、NVP-LXH254について10μMから1.5nM及び(コハク酸塩の形態の)NVP-リボシクリブについて10μMから39nMの範囲の最終アッセイ濃度を達成した。
SK-MEL-2細胞は、American Type Culture Collection(ATCC)から購入し、MEL-JUSO細胞は、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)から購入し、MM415細胞は、Cell Bank Australiaから購入し、IPC-298及びSK-MEL-30細胞は、GNFから得た。IPC-298、MEL-JUSO、MM415及びSK-MEL-30細胞は、RPMI培地(ATCC)中で培養し、SK-MEL-2細胞は、EMEM培地(ATCC)中で培養し、いずれも10%ウシ胎児血清(Gibco)を添加し、37℃/5% CO2でインキュベートした。組み合わせ活性について、細胞を96ウェルプレート(Corning #3904)内の80μlの培地に1ウェルあたり5,000細胞で播種し、一晩インキュベートし、その後、化合物を添加した。化合物ストック(10×)を、適切な培養培地中で新たに調製し、電動マルチチャンネルピペットによってプレートに手作業で添加して、完全な10×10の組み合わせ行列グリッドを作製した。最低3つの反復ウェルにおいて、化合物添加時の細胞の数及び生存能並びに72時間後の組み合わせ効果の定量化を、蛍光に基づくDNA結合型の増殖アッセイ、CyQUANT(登録商標)Direct(Thermo #C35011)により、製造者のプロトコルに従って評価した。組み合わせデータの解析は、Novartis内部のソフトウェア、Combination Analysis Moduleを使用して実施した。このアプリケーションは、Loewe用量相加性モデルを利用して、各用量行列にわたる重み付けされた相乗作用スコアを算出し、それにより用量サンプリング及び適用範囲について調整し、また高い阻害レベルの組み合わせ効果を優先するように重み付けする(Lehar et al.,2009)。
細胞を1ウェルあたり0.5×10細胞の密度で6ウェルディッシュ(#3506,Corning,NY)にプレーティングした。プレーティングの1日後、細胞株を48時間、200、400及び800nMの単剤リボシクリブ及び式(I)の化合物(300nM)の組み合わせで処理した。細胞を、プロテアーゼ阻害剤(#87785,Thermo Fisher,Waltham,MA)及びホスファターゼ阻害剤(#78420,Thermo Fisher,Waltham,MA)を含有するRIPA溶解緩衝液(#89900,Thermo Fisher,Waltham,MA)中で回収した。タンパク質を、4~12% Bis-Tris NuPAGE SDSゲル(#WG1403Bx10,Life Technologies,Carlsbad,CA)上で分離し、Trans-Blot Turbo System(Bio-Rad,Hercules,CA)を使用してニトロセルロースに転写した。タンパク質を、pRB(#8516,Cell Signaling Technology,Beverly,MA)、pCDK4/61/2(#9154,Cell Signaling Technology,Beverly,MA)、pERK1/2(#4730,Cell Signaling Technology,Beverly,MA)及びpRSK(#9348,Cell Signaling Technology,Beverly,MA)を認識する抗体の1:1000希釈物並びにβ-アクチン(#AM4302,Life Technologies,Carlsbad,CA)を認識する抗体の1:5000希釈物を用いて検出した。タンパク質レベルは、抗マウス-HRP又は抗ウサギ-HRP二次抗体を使用して検出し、GE Image Quant LAS 4000イメージングシステム(GE Healthcare,Woburn,MA)上で、SuperSignal West Femto(#34096,Thermo Scientific,Waltham,MA)又はDura化学発光基質(#34076,Thermo Scientific,Waltham,MA)で発色させた。
結果
式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、SK-MEL-30メラノーマ細胞株における、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示した(図1)。SK-MEL-30メラノーマ細胞株は、NRAS(Q61K)及びBRAF(D287H)における同時発生的変異を内在する。
式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、IPC-298メラノーマ細胞株における、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示した(図2)。IPC-298メラノーマ細胞株は、NRAS変異(NRASQ61L)を内在する。
式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、Meljusoメラノーマ細胞株における、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示した(図3)。Meljusoメラノーマ細胞株は、NRAS変異(NRASQ61L)を内在する。
式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせは、Meljusoメラノーマ細胞株における、単独治療に対して向上した抗増殖及びphopho-Rb抑制効果を示した(図4)。
実施例2:NRAS変異メラノーマ患者由来異種移植片における式(I)の化合物とリボシクリブとの組み合わせ効力
インビボでの選択的なRAF及びCDK4/6二重阻害の効果を、9つのNRAS変異患者由来メラノーマ異種移植片において、式(I)の化合物とリボシクリブとを組み合わせることによって調べた。
方法
動物及び維持状態:非近交系の胸腺欠損(nu/nu)雌マウス(胸腺欠損ヌード-nu’’)(Charles River,Indianapolis)を、処置前に最低3日間、食料及び水に制約なしに接触させながら、Novartis NIBR動物施設に順化させた(表1)。
Figure 2022514056000007
動物福祉に関する宣言:動物は、Novartis NIBR ACUC規程及び指針に従って扱った。
試験化合物及び製剤:式(I)の化合物(遊離塩基形態)は、MEPC4ビヒクル(45% Cremophor RH40+27% PEG400+18%トウモロコシ油グリセリド+10%エタノール)中で、p.o.(経口的に)投与した。式(I)の化合物は、5mg/mLで製剤化した。リボシクリブコハク酸塩は、0.5%メチルセルロースのビヒクル中で、p.o.(経口的に)投与した;リボシクリブは、7.5mg/mLで製剤化した。
ヌードマウスにおける患者由来異種移植(PDX)モデル作製
HMEX5727、HMEX3486、HMEX20667、HMEX2921、HMEX20864、HMEX20585、HMEX4339、HMEX20744及びHMEX21124の患者由来腫瘍異種移植片(PDX)を、ヌードマウスにおける腫瘍スラリーの連続継代によって増殖させた。簡単に言うと、前の継代からの新鮮な腫瘍の断片を、gentle MACS Dissociator(MACS(Miltenyi Biotec,#120-005-331)を使用してホモジナイズし、組織グラインダー(Chemglass lifeSciences #CLS-5020-085)を通過させ、PBSで希釈し、等体積のMatrigel(商標)Matrix(Corning #354234)と混合した。次いで、200μlの腫瘍スラリーを、雌ヌードマウスの右側腹部に皮下移植した。腫瘍体積は、ノギスでの測定によって求め、式(ここで、腫瘍体積(V)(mm)=(l×w2)/2であり、式中、lは腫瘍の最も長い軸であり、wはlに対して垂直である)を使用して計算した。マウスは、2回/週、腫瘍成長、体重及び身体状態について観察した。
PDXモデルにおける有効性研究デザイン
すべてのモデルについての有効性研究デザインを、表2に記載する。試験薬剤は、10mL/kgの用量体積(これは、体重に従って調節される)で投与された。腫瘍寸法及び体重は、無作為化の時点で、また、その後、研究期間中に週2回収集した。マウスを、平均腫瘍体積がおよそ350mmであるときに治療群(n=3~5/群)に無作為に割り付け、腫瘍成長(腫瘍体積≧700mm)又はおよそ90日まで治療を実施した。腫瘍体積の変化(パーセント)は、すべてのモデルについて、時間tでの腫瘍体積変化を、そのベースラインと比較することによって求めた。最良の反応は、t≧10日間の腫瘍体積変化(パーセント)の最小値であった。未治療対照マウスを屠殺した時点で、各群からの2匹のマウスも屠殺し、将来的な薬力学(PD)分析のために腫瘍を収集した。この時点より後、有効性は、3匹のマウス/群を用いて実施した。
Figure 2022514056000008
データ分析
体重:体重の変化(パーセント)は、(BWcurrent-BWinitial)/(BWinitial)×100%として算出した。データは、治療開始の日からの平均の体重変化(パーセント)±SEMとして示した。
腫瘍体積:腫瘍体積の変化(パーセント)は、次の式:腫瘍体積変化(%)=ΔV=100%×((V-Vinitial)/Vinitial)を使用して、時間tでの腫瘍体積変化を、そのベースラインと比較することによって求めた。最良の反応は、t≧10日間のΔVの最小値であった。
ここで、
ΔV=腫瘍体積の変化、
=研究の特定の日の薬物治療(又は未治療)群の腫瘍体積、
initial=投薬の最初の日の薬物治療(又は未治療)群の腫瘍体積。≧-30%の最良の反応を腫瘍退縮とみなした。
カプラン・マイヤー生存プロットは、腫瘍サイズ≧700mmのエンドポイントに到達した個々のマウスに対してGraphPad Prismソフトウェアを使用して作製した。ログランク(Mantel-Cox)検定を使用して、群間の有意性についての統計分析を実施した。p<0.05を、有意であるとみなした。
結果:ヌードマウスにおける患者由来NRAS変異メラノーマ異種移植モデルにおける式(I)の化合物とリボシクリブの組み合わせ効力
リボシクリブと組み合わせた場合の式(I)の化合物の抗腫瘍効力を、ヌードマウスにおける9つのNRAS変異患者由来メラノーマ異種移植モデル:HMEX5727(NRASQ61K)、HMEX3486(NRASQ61K)、HMEX20667(NRASQ61R)、HMEX2921(NRASQ61R)、HMEX20585(NRASQ61R)、HMEX20864(NRASQ61R)、HMEX21124(NRASQ61H)、HMEX20744(NRASQ61K)及びHMEX4339(NRASQ61R)を使用して決定した。マウスは、およそ90~100日間又は各群における腫瘍サイズが≧700mmに到達するまで治療された。腫瘍体積の変化(パーセント)(最良の反応)、体重の変化(パーセント)及び生存率を表3、図5及び図6に報告する。
50mg/kg bid及び式(I)の化合物)+75mg/kg qd(リボシクリブ)で投与された式(I)の化合物+リボシクリブの組み合わせ活性は、試験されたモデルの44%において、腫瘍退縮をもたらした。それと比較して、50mg/kg bidで投与された単剤:式(I)の化合物も、75mg/kg qdで投与された単剤:リボシクリブも、試験されたモデルのいずれにおいても腫瘍退縮を達成しなかった(表3及び図5)。さらに、式(I)の化合物+リボシクリブの組み合わせは、各単剤又は未治療対照と比較して、有意に増大した生存率中央値をもたらした(図6)。
体重減少がないことによって判断された場合、モデル全体を通して、単剤治療と組み合わせ治療は両方とも、非常に良好な耐容性を示した。式(I)の化合物で治療した1匹のマウスを、体重減少により、早い時点で屠殺した。
Figure 2022514056000009
Figure 2022514056000010
Figure 2022514056000011
結論及び考察
NRAS変異メラノーマにおける式(I)の化合物+リボシクリブの組み合わせのインビボ活性を、9つのNRAS変異患者由来メラノーマ異種移植片のパネルにおいて網羅的解析した。50mg/kg bid(式(I)の化合物)+75mg/kg qd(リボシクリブ)で投与された式(I)の化合物+リボシクリブの組み合わせ活性は、試験されたモデルの44%において、腫瘍退縮をもたらした。それと比較して、50mg/kg bidで投与された単剤:式(I)の化合物も、75mg/kg qdで投与された単剤:リボシクリブも、試験されたモデルのいずれにおいても腫瘍退縮を達成しなかった(表3及び図5)。さらに、式(I)の化合物+リボシクリブとの組み合わせは、良好な耐容性を示し、また、各単剤又は未治療対照と比較して有意に増大した生存率(パーセント)中央値をもたらした。CDK4/6阻害剤リボシクリブと式(I)の化合物との強力な相乗作用が、NRAS変異患者由来メラノーマ異種移植片において観察されており、前臨床モデルにおける有意な腫瘍退縮及び増大した生存率(パーセント)中央値がもたらされた。まとめると、これらのデータは、式(I)の化合物+リボシクリブの組み合わせが、NRAS変異メラノーマ患者における、より大きくより持続的な反応を達成できることを示す。
実施例3:NRAS変異メラノーマを有する患者におけるリボシクリブと組み合わせた式(I)の化合物の、第Ib相の非盲検の多施設研究
この研究の目的は、NRAS変異メラノーマを有する患者における式(I)の化合物とリボシクリブとの二重の組み合わせの安全性及び忍容性を特徴付け、且つ推奨用量を明確にすることである。
主要評価項目は、
(1)安全性:臨床検査値、バイタルサイン及び心電図(ECG)の変化を含めた、有害事象(AE)及び重篤AE(SAE)の発生率及び重症度、第1サイクル(用量漸増のみ)中の用量制限毒性(DLT)の発生率及び性質、
(2)忍容性:投与中断、用量低下及び用量強度
である。
副次的目的及び評価項目は、
(a)リボシクリブと組み合わせた式(I)の化合物の暫定的な抗腫瘍活性を評価すること。固形腫瘍縮小効果判定基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST)バージョン1.1による、奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)。用量拡大パートについてのみ:全生存期間(OS)、血漿中濃度及び得られたPKパラメータ、
(b)組み合わせでの式(I)の化合物とリボシクリブの薬物動態(PK)プロフィールを特徴付けること。腫瘍組織におけるPDマーカーDUSP6のベースラインからの変化、
(c)腫瘍(DUSP6)における、組み合わせでの式(I)の化合物とリボシクリブの薬力学的(PD)効果を評価すること
である。
探索的目的及び評価項目は、
(a)腫瘍試料(腫瘍及び血漿(循環遊離DNA(cfDNA))における複数の癌関連遺伝子の遺伝子変異を評価して、それと臨床転帰/耐性の発現との関連性を評価すること。ベースライン及び投与後(疾患進行時点が含まれる)での腫瘍試料に見られる複数の癌関連遺伝子の遺伝子変異及びそれと臨床転帰評価項目との関連性、
(b)リボシクリブと組み合わせた式(I)の化合物のPD効果をさらに評価すること。血液中のPDマーカー(例えばDUSP6)のベースラインからの変化、
(c)式(I)の化合物とリボシクリブとの間の薬物-薬物相互作用(DDI)を評価すること。式(I)の化合物及びリボシクリブの血漿中濃度並びに得られたPKパラメータ、
(d)cfDNA変化が、保管の及び(入手可能な場合には)新たに得られた腫瘍試料の遺伝子変異をどのように反映するかを調べること。所与の時点での(投与前及び投与後)、腫瘍と、同じ患者からの代替組織としての血漿試料との両方において測定された遺伝子変異の差
である。
これは、多施設の非盲検の第Ib相用量漸増研究、それに続く用量拡大パートである。リボシクリブと組み合わせた式(I)の化合物が、NRAS変異を保有するメラノーマ患者において投与されることとなる。患者が許容し難い毒性、進行性の疾患を経験し、且つ/又は研究者若しくは患者の裁量で又は同意の撤回により治療が中断されるまで、この研究治療を受けることとなる。1サイクルは、28日と定められる。
選択基準:標準治療後に進行しているか又は有効な標準治療が存在しないか、耐容性を示さないか、適切ではないか若しくは研究治療に相当するとみなされない、局所進行性又は転移性のNRAS変異メラノーマと診断された成人(18歳以上)のメラノーマ患者がこの研究に参加するのに適格となる。腫瘍組織におけるNRAS変異の存在が、研究治療前に、地域の研究所若しくはNovartisが指定した中央の研究所又はKRAS、BRAF若しくはNRAS変異の書面によって決定されている。ECOG(米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group))パフォーマンスステータスが≦2である。患者は、生検を適用できる疾患の部位を有しなければならず、且つ治療する機関の独自の指針及びこうした処置の必要性に従って、ベースラインでの及び治療中の新たな腫瘍生検を受ける意思がなければならない。RECIST v1.1による少なくとも1つの測定可能な病変の存在が必要とされる。
除外基準:
(a)RAF阻害剤(あらゆるBRAF阻害剤及びRaf阻害剤が含まれる)又はCDK4/6阻害剤での前治療。
(b)研究治療の初回投与前の、記述した時間枠内の次の抗癌治療法のいずれかでの治療:
(i)研究治療の初回投与前の、放射線療法について≦4週又は緩和のための制限された放射線について≦2週
(ii)化学療法又は生物学的療法(免疫療法を除く)又は継続的若しくは断続的な低分子治療薬又は他のあらゆる治験薬について≦4週又は≦5半減期(いずれか短い方)
(iii)免疫チェックポイント阻害剤を含めたあらゆる免疫療法処置について≦4週
(iv)ニトロソウレア及びマイトマイシンCなどの重大な遅発性毒性を有する細胞毒について≦6週。
(c)網膜静脈閉塞症(RVO)の病歴又は現在のエビデンス又はRVOについての現在のリスクファクター(例えば、管理されていない緑内障若しくは眼球高血圧、過粘稠度症候群若しくは凝固性亢進症候群の病歴)。
(d)安全性の問題又は臨床研究手順の順守に起因して、研究者の判断で、臨床研究への患者の参加を阻止するであろう、あらゆる医学的状態。研究参加又は研究治療投与に伴うリスクを増大させる可能性があるか、又は研究結果の解釈を妨げる可能性があり、研究者の判断で、患者を研究にとって不適切とするであろう重症、急性若しくは慢性のあらゆる医学的若しくは精神医学的状態又は検査所見異常。
(e)研究治療の開始の7日前及び研究期間中、中断することができない、CYP3A及びCYP2C8の強力な阻害剤及び/又は誘導因子;UGT2B7の阻害剤又は誘導因子;UGT1A1の基質及び阻害剤;狭い治療指数を有するCYP2C8、CYP2C9及びCYP3Aの基質;及びCYP3Aの高感度の基質であることが公知である薬物、肝臓毒性を引き起こすことが公知である植物薬での治療を受けている患者。
(f)研究治療の開始の3日前及び研究期間中、中断することができない、プロトンポンプ阻害剤(PPI)を受けている患者。
(g)この研究で治療されるもの以外の悪性疾患を有する患者。この除外基準の例外には、以下のものが含まれる:治癒的に治療され、且つ研究治療前の2年以内に再発していない悪性腫瘍;完全に切除された基底細胞及び扁平細胞皮膚癌;及びあらゆる種類の完全に切除された上皮内癌。
臨床有効性は、RECISTバージョン1.1による、奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)並びに全生存期間(OS)(用量拡大パートのみ)を測定することによって評価されることとなる。
Calu-6異種移植における用量分割効力研究からのデータは、QD投与される(qd)及び1日2回(BID)分割される式(I)の化合物が、様々な投薬レベルにわたって同様のレベルの抗腫瘍活性を示すことを実証した。これらの結果は、診療所におけるQD又はBID投与レジメンの審査を促進する。
ORR、PFS及びOS評価を含めた、臨床有効性の潜在的徴候の評価が実施されることとなる。
この研究の用量漸増パート中に登録されたすべての患者は、その組み合わせの安全性及び忍容性を評価するために、リボシクリブと組み合わせた式(I)の化合物を受けるように割り当てられることとなる。
それぞれの試験されるレジメンについての用量漸増は、第1サイクルのDLTデータに基づいて、ベイズのロジスティック回帰分析モデル(BLRM)によって導かれることとなる。
BLRM/BHLRMは、癌患者におけるMTDを推定するための、十分に確立された方法である。適応型のBLRM/BHLRMは、研究中の将来の患者におけるDLTのリスクを制御するために、過量投与制御を伴う用量漸増(EWOC)方針によって導かれることとなる。小さいデータセットに対するベイズの反応適応型モデルの使用は、EMEAによって承認されており(“Guideline on clinical trials in small populations”,February 13,2007)、多数の刊行物によって推奨され(Babb et al 1998、Neuenschwander et al 2008、Neuenschwander et al 2010)、その開発及び適切な使用は、FDAのCritical Path Initiativeの一環である。
この拡大パートに登録された患者は、式(I)の化合物とリボシクリブとの推奨用量の組み合わせで(MTD以下の用量の組み合わせで)治療されることとなる。
組み合わせの安全性(用量-DLT関連性が含まれる)及び忍容性が評価されることとなる;用量(1つ又は複数)及びレジメン(1つ又は複数)は、用量拡大に使用するために、これらのデータの再検討に基づいて明確にされることとなる。拡大のための推奨用量は、PK、PD及び暫定的な抗腫瘍活性に関する利用可能な情報によっても導かれる。
治療
研究治療は、絶食状態で、28日の投薬サイクルで施されることとなる。経口使用のための錠剤及びカプセルを、28日サイクル中、割り当てられた1日用量として投与する。
研究者又は責任を負う施設職員は、研究薬物を処方された通りに正しく服用するように患者に指示して服薬遵守を促すべきである。
患者は、研究施設スタッフに、あらゆる服薬忘れ又は服薬遅れを知らせるべきである。
患者は、研究者若しくは患者の裁量で治療が中断され、且つ/又は患者が同意を撤回する場合に許容し難い毒性、進行性の疾患に起因して、研究治療を早くに中断される可能性がある。
次の表は、この試験中に評価することができる、(組み合わせではない)個々の研究薬物の開始用量及び仮の用量レベルを記載する。
Figure 2022514056000012
研究の漸増パート中の式(I)の化合物及びリボシクリブ治療の第1サイクルにおいて、治療された患者の33%以上でDLTを引き起こす可能性が低い(<25%の事後確率)組み合わせという理由で、任意の組み合わせについてのMTD(1つ又は複数)は、最も高い用量の組み合わせと定められる。
RDは、MTD以下であり、且つ研究者及びNovartis研究員の、安全性及び忍容性、PK、PD並びに活性情報の再検討に基づく最も適切なベネフィット・リスク評価を考慮した用量となる。場合によりMTDに到達しないことがある可能性があることに留意されたい。
CDK4/6阻害剤は、継続的に、すなわち治療期間中に中断せずに又は休薬期間を伴って投与することができる。
例えば、CDK4/6阻害剤、例えばリボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩は、3週のオン及び1週のオフ又は2週のオン及び2週のオフ;好ましくは3週のオン及び1週のオフで投与することができる。具体的には、次のレジメンを、本発明に従って使用することができる。
Figure 2022514056000013

Figure 2022514056000038
本発明は次の実施態様を含む。
[請求項1]
Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせであって、前記Raf阻害剤は、式(I)
Figure 2022514056000039
の化合物又はその薬学的に許容し得る塩である、医薬的組み合わせ。
[請求項2]
前記CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の医薬的組み合わせ。
[請求項3]
癌の治療に使用するための、請求項1又は2に記載の医薬的組み合わせ。
[請求項4]
前記癌は、NRAS変異又はKRAS変異を有する、請求項3に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項5]
前記癌は、メラノーマであり、任意選択で、前記メラノーマは、NRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現する、請求項3又は4に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項6]
前記癌は、膵癌(例えば、膵管腺癌(PDAC))であり、任意選択で、前記癌は、KRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現するPDACである、請求項3又は4に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項7]
前記2種の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、別々に、同時に又は連続して投与される、請求項3~6のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項8]
前記Raf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg又は1600mgの総1日用量で投与される、請求項3~7のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項9]
前記Raf阻害剤は、1日につき1回又は1日につき2回投与される、請求項3~8のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項10]
前記Raf阻害剤は、治療期間中に継続的に投与される、請求項3~9のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項11]
前記CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩であり、且つ約100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg又は600mgの総1日用量で投与される、請求項3~10のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項12]
前記CDK4/6阻害剤は、1日につき1回又は1日につき2回投与される、請求項11に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項13]
前記CDK4/6阻害剤は、休薬期間を伴って、例えば3週のオン及び1週のオフで投与される、請求項11又は12に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
[請求項14]
リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、式(I)
Figure 2022514056000040
の化合物又はその薬学的に許容し得る塩であって、任意選択で、前記癌は、NRAS変異メラノーマである、化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
[請求項15]
式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩であって、任意選択で、前記癌は、NRAS変異メラノーマである、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩。

Claims (26)

  1. Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせであって、前記Raf阻害剤は、式(I)
    Figure 2022514056000014

    の化合物又はその薬学的に許容し得る塩である、医薬的組み合わせ。
  2. 前記CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である、Raf阻害剤とCDK4/6阻害剤との医薬的組み合わせ。
  3. (i)前記Raf阻害剤は、前記式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩であり;及び
    (ii)前記CDK4/6阻害剤は、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩である、請求項1に記載の医薬的組み合わせ。
  4. 癌の治療に使用するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせ。
  5. 前記癌は、NRAS変異を有する、請求項4に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  6. 前記癌は、KRAS変異を有する、請求項4に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  7. 前記癌は、メラノーマである、請求項4又は5に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  8. 前記癌は、変異メラノーマ、好ましくはNRAS変異メラノーマである、請求項7に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  9. 前記メラノーマは、NRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現する、請求項8に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  10. 前記癌は、膵癌、例えば膵管腺癌(PDAC)である、請求項4又は6に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  11. 前記癌は、変異膵癌、例えば変異PDAC、好ましくはKRAS変異PDACである、請求項10に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  12. 前記PDACは、KRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P及びQ61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現する、請求項11に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  13. 前記2種の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、別々に、同時に又は連続して投与される、請求項4~12のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  14. 一方若しくは両方の化合物又はその薬学的に許容し得る塩は、経口的に投与される、請求項4~13のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  15. 前記Raf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg又は1600mgの総1日用量で投与される、請求項4~14のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  16. 前記Raf阻害剤は、1日につき1回又は1日につき2回投与される、請求項4~15のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  17. 前記Raf阻害剤は、治療期間中に継続的に投与される、請求項4~16のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  18. 前記CDK4/6阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg又は600mgの総1日用量で投与される、請求項4~17のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  19. 前記CDK4/6阻害剤は、1日につき1回又は1日につき2回投与される、請求項4~18のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  20. 前記CDK4/6阻害剤は、休薬期間を伴って、例えば3週のオン及び1週のオフで投与される、請求項4~19のいずれか一項に記載の使用のための医薬的組み合わせ。
  21. 前記Raf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約600mg bidの1日用量で投与され、前記CDK4/6阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約600mg qdの1日用量で投与される、変異メラノーマ、好ましくはNRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P、Q61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現するNRAS変異メラノーマ又は変異膵癌、例えば変異PDAC、好ましくはKRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P、Q61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現するKRAS変異PDACの治療に使用するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせ。
  22. 前記Raf阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約600mg bidの1日用量で投与され、前記CDK4/6阻害剤又はその薬学的に許容し得る塩は、約600mg qdの1日用量において3週のオン及び1週のオフで投与される、変異メラノーマ、好ましくはNRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P、Q61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現するNRAS変異メラノーマ又は変異膵癌、例えば変異PDAC、好ましくはKRAS変異G12C、G12R、G12D、G12V、G12S、G12A、G13R、G13D、G13C、G13A、G13、G13S、G13V、Q61R、Q61L、Q61K、Q61H、Q61P、Q61Eからなる群から選択される少なくとも1つの変異を発現するKRAS変異PDACの治療に使用するための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせ。
  23. 癌の治療のための医薬品の調製のための、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせの使用。
  24. 癌の治療を、それを必要とする対象において行うための方法であって、治療有効量の、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬的組み合わせを前記対象に投与することを含む方法。
  25. リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、式(I)
    Figure 2022514056000015

    の化合物又はその薬学的に許容し得る塩。
  26. 式(I)の化合物又はその薬学的に許容し得る塩との同時投与によって癌を治療するのに使用するための、リボシクリブ又はその薬学的に許容し得る塩。
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