JP2022505871A - ヘテロ二量体fc融合タンパク質 - Google Patents

ヘテロ二量体fc融合タンパク質 Download PDF

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Abstract

Figure 2022505871000001
本発明は、天然/自然分子と比較して長い血清半減期を有し、よって、産生中のタンパク質の高い力価、保存中の高い安定性および治療として使用するとき有効性改善の達成に有利である、単価二量体としての、Fc融合タンパク質構築物を提供する。また提供されるのは、腫瘍増殖阻害活性が増加し、故に、癌治療として使用するとき有利である、Fc領域にエフェクター機能を低減する変異を有するFc融合タンパク質構築物である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月23日出願の米国仮特許出願62/749,489、2018年12月19日出願の米国仮特許出願62/781,898、2019年1月04日出願の米国仮特許出願62/788,499、2019年4月01日出願の米国仮特許出願62/827,347および2019年9月04日出願の米国仮特許出願62/895,889に対する利益および優先権を主張し、これらの開示は、全体としてすべての目的のために引用により本明細書に包含させる。
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提供され、全体として引用により本明細書に包含させる配列表を含む。該ASCIIコピーは2019年10月22日に作成し、DFY-063WO_SL.txtなる名称であり、サイズは946,355バイトである。
発明の分野
本発明は、一般にヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびこのようなタンパク質を含む医薬組成物およびヒト患者における疾患または障害の処置における使用方法に関する。
背景
生理学的に活性なタンパク質は、大部分はインビボ半減期が短いとの欠点を有する。この欠点を解決するために、PEG(ポリエチレングリコール)などとコンジュゲートさせるまたは抗体Fc(結晶性フラグメント)領域と融合させることが試みられている。2以上の異なるサブユニットからなり、該2以上の異なるサブユニットが生理学的活性を発揮するためにタンパク質複合体を形成するタンパク質を、Fcのホモ二量体性によりホモ二量体を形成する、Fc融合タンパク質形態を調製するために野生型Fcドメインと融合させ得る。2以上の異なるサブユニットからなり、該2以上の異なるサブユニットが生理学的活性を発揮するためにタンパク質複合体を形成するタンパク質を、また、IgG1だけでなく、IgG2、IgG3およびIgG4などの他のアイソタイプ抗体にも由来するヘテロ二量体Fc領域と融合させて、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を形成させ得る。故に、2以上の異なるサブユニットからなり、2以上のサブユニットがタンパク質複合体を形成することにより生理学的活性を発揮するタンパク質の1以上のサブユニットを、ヘテロ二量体Fcバリアント領域の末端に融合させて、改善されたFc融合タンパク質形態を形成し得る。
Fcヘテロ二量体化は、2つのFcフラグメントが、天然に存在する抗体と極めて類似する三次(tertiary)構造を有しながら、配列変動が最小のヘテロ二量体を形成するように、遺伝子操作により2つの異なるCH3ドメインのFcに変異を導入する技術である(例えば、米国特許7,695,936参照)。
本明細書に記載する本発明は、種々の長さのリンカーの導入またはFcのCH2およびCH3ドメインにおける変異により、ヘテロ二量体タンパク質の2つのサブユニットが異なるヘテロ二量体化ドメインを有する2つのFcドメインに結合されている、Fc融合タンパク質形態を改善するための設計を提供する。
概要
本発明は、一般にヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびこのようなタンパク質を含む医薬組成物に関する。
ある態様において、本発明は、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを含む第一ポリペプチド;および第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、ここで、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含み、そして、ここで多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットは互いに結合している、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。
ある実施態様において、エフェクター機能は、Fcドメインポリペプチドが抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導する能力を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、ヒト抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDまたはIgE Fcドメインポリペプチド(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDまたはIgE Fcドメインポリペプチド)である。ある実施態様において、第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドは、EUナンバリング下、233、234、235、236、237、297、318、320、322、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質はフコシル化されている。
ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、ヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドは、EUナンバリング下、234、235、237、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはL234A、L235A、L235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異L234AおよびL235Aを含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異L234A、L235AおよびP329Aを含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331Sを含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異C220Sを含む。
ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、ヒトIgG4 Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドは、EUナンバリング下、235および/または329の位置に1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはL235EおよびP329Aから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異L235Eを含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異L235EおよびP329Aを含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々変異S228Pを含む。
他の態様において、本発明は、配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。
さらに他の態様において、本発明は多サブユニットサイトカインのサブユニットおよび免疫グロブリンFcドメインポリペプチドを含むポリペプチドを提供し、Fcドメインポリペプチドは、異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのヘテロ二量体化を促進する変異およびFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含む。例えば、変異を含むFcドメインポリペプチドは、ヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドであり得る。
ある実施態様において、Fcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AまたはL235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される。例えば、ある実施態様において、Fcのエフェクター機能を低減させる変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AおよびP329Aである。
ある実施態様において、ヘテロ二量体化を促進する変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、K360EおよびK409Wである。ある他の実施態様において、ヘテロ二量体化を促進する変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Q347R、D399VおよびF405Tである。
ある実施態様において、Fcドメインポリペプチドは、さらに異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのジスルフィド結合形成を促進する変異を含む。例えば、ヘテロ二量体化変異がK360EおよびK409Wであるとき、ある実施態様において、ジスルフィド結合形成を促進する変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Y349Cである。ヘテロ二量体化変異がQ347R、D399VおよびF405Tであるとき、ある実施態様において、ジスルフィド結合形成を促進する変異は、EUナンバリングシステムにより番号付けして、S354Cである。
例えば、ある実施態様において、多サブユニットサイトカインのサブユニットおよび免疫グロブリンFcドメインポリペプチドを含むポリペプチドは、配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列のアミノ酸配列を含む。
他の態様において、本発明は、配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸を提供する。さらに他の態様において、本発明は、配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含む発現ベクターを提供する。ある態様において、本発明は、配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする核酸または配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含む発現ベクターを含む細胞を提供する。
他の態様において、本発明は、免疫グロブリンFcの第一Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるFcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、ここで、第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合しており、第一Fcドメインポリペプチドおよび/または第二の異なるFcドメインポリペプチドのN末端またはC末端の1以上の末端に結合しており;ここで、第一Fcドメインポリペプチドおよび第二Fcドメインポリペプチドがヘテロ二量体Fc形成を促進し、かつFcのエフェクター機能を低減するように変異されているものを提供する。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質はIL-12(例えば、ヒトIL-12)であり、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質において、IL-12のp35およびp40サブユニットが互いに結合しており、第一Fcドメインポリペプチドおよび/または第二FcドメインポリペプチドのN末端またはC末端の1以上の末端に結合しており;ここで、第一Fcドメインポリペプチドおよび第二Fcドメインポリペプチドがヘテロ二量体Fc形成を促進し、かつFcのエフェクター機能を低減するように変異されている。
ある態様において、本発明は、第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合した第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含み、ここで、第一ポリペプチドは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)を含むリンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをさらに含み(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである);多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、多サブユニットタンパク質のサブユニットは互いに結合しており;XがLであるおよび/またはXがLであるとき、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドの少なくとも一方はヘテロ二量体化を促進するQ347R変異を含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
他の態様において、本発明は、免疫グロブリンFcドメインポリペプチドにアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含むリンカーにより結合された多サブユニットサイトカインのサブユニットを含み;Fcドメインポリペプチドが異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのヘテロ二量体化を促進する変異およびFcのエフェクター機能を低減するためのL234A、L235AおよびP329A置換を含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を提供する。
ある実施態様において、本発明は、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含むまたはそれからなるリンカーにより第一ヒトIgG1(hFcドメインポリペプチドIgG1)Fcドメインポリペプチドに結合したヒトIL-12のp40サブユニットおよびアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)を含むまたはそれからなるリンカーにより第二hIgG1 Fcドメインポリペプチドに結合したヒトIL-12のp35サブユニットを含み、第一および第二Fcドメインポリペプチドがヘテロ二量体化を促進する変異およびhIgG1 Fcのエフェクター機能を低減するためのL234A、L235AおよびP329A置換を含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質提供する。
ある態様において、本発明は、第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、ここで、第一ポリペプチドは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをさらに含み、ここで、タンパク質配列は、第一抗体Fcドメインポリペプチドにアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(配列番号1)(ここで、XはLまたはEである)を含むリンカーにより融合しており;多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合され、多サブユニットタンパク質のサブユニットは互いに結合しており、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは互いに結合しているものを提供する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含み、ここで、第一ポリペプチドは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをさらに含み、ここで、タンパク質配列は第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより融合しており;そして第二ポリペプチドは多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットをさらに含み、ここで、タンパク質配列は第二抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより融合している。多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットのタンパク質配列を第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、G4S(配列番号110)、(G4S)(配列番号109)または(G4S)(配列番号108)を含み得る。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)を含む。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)を含む。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチドを含み、各々互いにヘテロ二量体化を促進するように変異されている。ある実施態様において、第一IgG4抗体FcドメインポリペプチドはK370EおよびR409Wから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG4抗体FcドメインポリペプチドはE357N、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG4抗体FcドメインポリペプチドはE357N、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG4抗体FcドメインポリペプチドはK370EおよびR409Wから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドは変異K370EおよびR409Wを含み、第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチドは変異E357N、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドは変異E357N、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチドは変異K370EおよびR409Wを含む。ある実施態様において、第一IgG4 FcドメインポリペプチドはK360EおよびR409Wから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG4 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG4 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG4 FcドメインポリペプチドはK360EおよびR409Wから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびR409Wを含み、第二の異なるIgG4 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なるIgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびR409Wを含む。
ここに開示するヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドを含み、各々互いにヘテロ二量体化を促進するように変異されている。ある実施態様において、第一IgG1 FcドメインポリペプチドはK360EおよびK409Wから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG1 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG1 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含み、第二の異なるIgG1 FcドメインポリペプチドはK360EおよびK409Wから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびK409Wを含み、第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびK409Wを含む。
ある実施態様において、ここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、エフェクター機能を低減するようにさらに変異されたIgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドを含む。ある実施態様において、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチド各々変異P329GまたはP329Aを含む。ある実施態様において、第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチド各々変異P329GまたはP329Aを含む。ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチド各々変異P329GまたはP329Aを含む。ある実施態様において、第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチド各々変異P329Aを含む。ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチド各々変異P329Aを含む。
ある実施態様において、ここに記載するヘテロ二量体Fcベースの融合は、各々A330SおよびP331Sから選択される変異を含む、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドを取り込む。ある実施態様において、ここに記載するヘテロ二量体Fcベースの融合は、各々変異A330SおよびP331Sから選択される変異を含む、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドを取り込む。
ある実施態様において、ここに記載するヘテロ二量体Fcベースのタンパク質は、鎖間ジスルフィド結合を導入するようにさらに変異されたIgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドを組み込む。ある実施態様において、第一IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドは変異Y349Cを含み、第二の異なるIgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドは変異S354Cを含む。ある実施態様において、第一IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドは変異S354Cを含み、第二の異なるIgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドは変異Y349Cを含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に天然ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、IL-12のp35とp40サブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、p35のC74とp40のC177の間に天然ジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、IL-12のp35とp40サブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、P35のV185CとP40のY292Cの間に人工のまたは操作されたジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に天然ジスルフィド結合および多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、IL-12のp35とp40サブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合およびIL-12のp35とp40サブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、p35のC74とp40のC177の間に天然ジスルフィド結合およびP35のV185CとP40のY292Cの間に人工のまたは操作されたジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、天然ジスルフィド結合が除かれ、次いで非天然の人工のまたは操作されたジスルフィド結合で置換されるよう操作される。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、天然C74がセリンに変異されているIL-12のp35および天然C177がセリンに変異されているIL-12のp40を含み、それにより、IL-12のp35とp40サブユニットの間の天然ジスルフィド結合が除かれる。この変異IL-12に、P35のV185CおよびP40のY292Cの、2つの新規変異が導入され、それにより、非天然の人工のまたは操作されたジスルフィド結合が導入される。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、第一ポリペプチドおよび第二の異なるポリペプチドは、それぞれ第一サブユニットおよび第二の異なる多サブユニットサイトカインのサブユニットを含む。本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、第一ポリペプチドおよび第二の異なるポリペプチドは、それぞれ第二の異なるサブユニットおよび第一多サブユニットサイトカインのサブユニットを含む。例示的実施態様において、サイトカインはIL-12(例えば、ヒトIL-12)である。ここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質の何れかを含む製剤、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を発現する1以上の核酸を含む細胞またはヘテロ二量体Fc融合タンパク質を発現するベクターおよびヘテロ二量体Fc融合タンパク質を使用して腫瘍細胞死を増強する方法も提供される。ある実施態様において、本発明は、ここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む製剤を提供する。
他の態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、少なくとも1つの抗体可変ドメイン(例えば、抗体重鎖可変ドメイン)をさらに含む。ある実施態様において、少なくとも1つの抗体重鎖可変ドメインは抗体軽鎖可変領域に結合してFabを形成し、Fabの重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインは第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび/または第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に融合する。
ある実施態様において、本発明の少なくとも1つの抗体可変ドメインを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、それぞれ、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを有する。
ある実施態様において、本発明の少なくとも1つの抗体可変ドメインを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、それぞれ、第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを有する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一ポリペプチドの第一抗体Fcドメインポリペプチドに対してC末端に位置した抗体重鎖可変ドメインを含む。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第二ポリペプチドの第二抗体Fcドメインポリペプチドに対してC末端に位置した抗体重鎖可変ドメインを含む。ある実施態様において、抗体重鎖可変領域は、scFvを形成するように抗体軽鎖可変領域に結合する。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、それぞれ第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に結合される。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、それぞれ第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび第一抗体FcドメインポリペプチドのN末端に結合される。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、抗体可変ドメインを含まない。例えば、ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニット(例えば、IL-12タンパク質)、所望によりスペーサーペプチドを含むリンカーおよび第一抗体Fcドメインポリペプチド;および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニット(例えば、IL-12タンパク質)、所望によりスペーサーペプチドを含むリンカーおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドからなるまたはそれから本質的になる。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、プロテオグリカン結合ドメインをさらに含む。ある実施態様において、プロテオグリカン結合ドメインは、腫瘍で特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する。ある実施態様において、プロテオグリカン結合ドメインは、シンデカン、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合する。ある実施態様において、SLRPは、デコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される。ある実施態様において、プロテオグリカン結合ドメインは、第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。ある実施態様において、プロテオグリカン結合ドメインは、第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインをさらに含む。ある実施態様において、コラーゲン結合ドメインは、腫瘍で特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する。ある実施態様において、コラーゲン結合ドメインは、第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。ある実施態様において、コラーゲン結合ドメインは、第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、ヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む。ある実施態様において、ヒアルロン酸結合ドメインは、第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。ある実施態様において、ヒアルロン酸結合ドメインは、第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合する。
本発明の他の態様は、患者における癌を処置する方法を提供する。方法は、患者、例えば、それを必要とする患者に有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または有効量のここに記載する多特異的結合タンパク質を含む製剤を投与することを含む。例えば、ある実施態様において、癌を処置する方法は、患者、例えば、それを必要とする患者に、有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む製剤を投与することを含む。
ある実施態様において、本発明は、癌を処置する方法であって、患者に単回用量のみのヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、単回用量は、癌に対する完全応答の誘導に十分な量である。ある実施態様において、単回用量は、癌の再発遅延または予防に十分な量である。
ある実施態様において、本発明は、癌を処置する方法であって、患者に単回用量のみの配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質またはヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む製剤を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、単回用量の配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質またはヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む製剤は、癌に対する完全応答の誘導に十分な量である。ある実施態様において、単回用量は、癌の再発遅延または予防に十分な量である。
本発明の他の態様は、急性放射線症候群を処置する方法であって、患者にここに開示するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または製剤を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、急性放射線症候群は造血放射線症候群、消化器放射線症候群、神経血管放射線症候群および皮膚放射線症候群から選択される1以上の症候群を含む。ある実施態様において、急性放射線症候群は造血放射線症候群、消化器放射線症候群、神経血管放射線症候群および皮膚放射線症候群からなる群から選択される症候群を含む。
要約すると、本発明は、多サブユニットタンパク質のヘテロ二量体Fc融合タンパク質構築物を提供する。これらの融合タンパク質構築物は、天然/自然多サブユニットタンパク質と比較して長い血清半減期、製造中の収率改善、保存中の安定性増強および/または治療として使用するとき有効性改善を示し得る。
図1Aは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、Fcドメインポリペプチド間のジスルフィド結合はヘテロ二量体を安定化する。さらなるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、(G4S)配列(配列番号108)を含み得る。
図1Bは、図1Aに記載するタンパク質に類似するが、またFcγR結合を低減するためにFcドメインポリペプチドに変異も含む例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。
図1Cは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットがリンカーにより第一抗体Fcドメインに結合されているおよび多サブユニットタンパク質の他のサブユニットが他のリンカーリンカーにより第二抗体Fcドメインに結合されている例示的タンパク質を記載する。
図1Dは、図1Cに記載するタンパク質に類似するが、FcγR結合を低減するためにFcドメインポリペプチドに変異も含む例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。
図1Eは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二ポリペプチドにおける第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に位置する以外、図1Bに記載するタンパク質に類似する例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。
図1Fは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第一ポリペプチドにおける第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に位置する以外、図1Eに記載するタンパク質に類似する例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。
図2Aは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドに他のリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含み、サブユニットが2ジスルフィド結合により結合される、例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、Fcドメインポリペプチド間のジスルフィド結合はヘテロ二量体を安定化する。記載されるタンパク質はFcγR結合を低減するためにFcドメインポリペプチドにおける変異も含む。
図2Bは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドに他のリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含み、サブユニットが1つの非天然ジスルフィド結合により結合される、例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。示す例示的タンパク質において、天然ジスルフィド結合は除去され、人工ジスルフィド結合に置き換えられている。例えば、IL-12構築物は変異p35-V185C/C74Sおよびp40-Y292C/C177Sを取り込み得る。第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、Fcドメインポリペプチド間のジスルフィド結合はヘテロ二量体を安定化する。タンパク質はFcγR結合を低減するためにFcドメインポリペプチドにおける変異も含む。
図3Aは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび同じアミノ酸配列を有する他のリンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合された多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、Fcドメインポリペプチド間のジスルフィド結合はヘテロ二量体を安定化する。
図3Bは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドに他のリンカーにより結合された多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を記載する。第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、Fcドメインポリペプチド間のジスルフィド結合はヘテロ二量体を安定化する。多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、(G4S)(配列番号109)またはG4S(配列番号110)配列を含み得る。
図4A~4Lは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットがリンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合しているおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが他のリンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合している、例示的scFv融合ヘテロ二量体Fc融合タンパク質構築物(図4A~4H)およびmAb融合ヘテロ二量体Fc融合タンパク質構築物(図4I~4L)を記載する。
図4A~4Dは、第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合した第一scFvおよび第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合した第二scFvを含む例示的Fc融合タンパク質を記載する。第一scFvおよび第二scFvは同一でも異なってもよい(例えば、異なる抗原にまたは単一抗原の異なるエピトープに結合する)。図4Aおよび図4Cに記載される例示的Fc融合タンパク質は、ヘテロ二量体化Fcバリアントの異なる対を含む。図4Bおよび図4Dに記載される例示的Fc融合タンパク質は、ヘテロ二量体化Fcバリアントの異なる対を含む。例えば、ヘテロ二量体化変異が「ノブ・イントゥー・ホール(knobs-into-holes)」変異を含むとき、図4Aおよび図4Dは、第一ポリペプチドが「ホール」変異を含み、第二ポリペプチドが「ノブ」変異を含む例示的Fc融合タンパク質を記載する;図4Bおよび図4Cは、第一ポリペプチドが「ノブ」変異を含み、第二ポリペプチドが「ホール」変異を含む例示的Fc融合タンパク質を記載する。図4Aおよび図4Bは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットのタンパク質配列が第一ポリペプチドに結合される、例示的Fc融合タンパク質を記載する;図4Cおよび図4Dは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第一ポリペプチドに結合される、例示的Fc融合タンパク質を記載する。他のタイプのヘテロ二量体化変異を有するヘテロ二量体Fc融合タンパク質も同様に考慮される。
図4Eおよび4Gは、第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合したscFvを含む、例示的Fc融合タンパク質を記載する。
図4Fおよび4Hは、第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に結合したscFvを含む、例示的Fc融合タンパク質を記載する。
図4I~4Lは、第一抗体FcドメインポリペプチドのN末端に結合した第一Fabおよび第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に結合した第二Fabを含む例示的Fc融合タンパク質を記載する。図4Iおよび図4Kは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットが第一ポリペプチドに結合される、例示的Fc融合タンパク質を記載する;図4Jおよび図4Lは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第一ポリペプチドに結合される、例示的Fc融合タンパク質を記載する。図4Kは、図4Iと、抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを結合する長いアミノ酸配列(例えば、ここに開示するスペーサーペプチド)を有する点で異なる;図4Jは、図4Lと、抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを結合する長いアミノ酸配列(例えば、ここに開示するスペーサーペプチド)を有する点で異なる。
図5A~5Cは、CT26腫瘍細胞を接種され、組み換えマウスIL-12(rmIL-12)(図5A)、DF-mIL-12-Fc wt(図5B)、DF-mIL-12-Fc si(図5C)またはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図6は、CT26腫瘍細胞を接種され、rmIL-12、DF-mIL-12-Fc wt、DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置されたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線を示すグラフである。
図7A~7Dは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt(図7A)、1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si(図7B)、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt(図7C)、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si(図7D)またはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図8は、CT26腫瘍細胞を接種され、1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt、1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置されたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線を示すグラフである。
図9A~9Cは、B16F10黒色腫細胞を接種され、rmIL-12(図9A)、DF-mIL-12-Fc wt(図9B)、DF-mIL-12-Fc si(図9C)またはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図10は、B16F10黒色腫細胞を接種され、rmIL-12、DF-mIL-12-Fc wt、DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置されたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線を示すグラフである。
図11A~11Dは、B16F10黒色腫細胞を接種され、0.5μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt(図11A)、0.5μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si(図11B)、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt(図11C)、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si(図11D)またはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図12は、B16F10黒色腫細胞を接種され、0.5μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt、0.5μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc si、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc wt、0.1μg rmIL-12のモル等量のDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプ対照で週1回処置されたマウスのカプラン・マイヤー生存曲線を示すグラフである。
図13Aは、HEK-Blue IL-12レポーターアッセイを使用する、DF-hIL-12-Fc si(DF IL-12-Fc)または組み換えヒトIL-12(rhIL-12)での処理に対するIL-12応答を示すグラフである。
図13Bは、DF-hIL-12-Fc si(DF IL-12-Fc)およびrhIL-12での処理に応答した末梢血単核細胞(PBMC)によるIFNγ産生を示すグラフである。
図14は、10μg/kgで等モル量のDF-hIL-12-Fc siまたは野生型rhIL-12単回静脈内投与後、カニクイザルK2 EDTA血漿におけるDF-hIL-12-Fc si、rhIL-12およびIFNγの相対的血漿濃度を示すグラフである。
図15A~15Bは、ナイーブBalb/cマウスにおけるrmIL-12(図15A)およびDF-mIL-12-Fc si(図15B)のPK/PDプロファイルを示すグラフである。図15AはナイーブBalb/cマウスにおけるrmIL-12のPK/PDプロファイルを示し、図15BはナイーブBalb/cマウスIL-12におけるDF-mIL-12-Fc siのPK/PDプロファイルを示す。血清のIL-12およびIFNγレベルはELISAにより分析した。図15Cは、ナイーブBalb/cマウスに静脈内投与したDF-mIL-12-Fc siのPK/PDプロファイルを示すグラフである。図15Dは、ナイーブBalb/cマウスに腹腔内投与したDF-mIL-12-Fc siのPK/PDプロファイルを示すグラフである。図15Eは、ナイーブBalb/cマウスに皮下投与したDF-mIL-12-Fc siのPK/PDプロファイルを示すグラフである。平均血清レベルは平均±SEMを表す。
図16A~16Cは、DF-mIL-12-Fc si、抗PD-1またはそれらの組み合わせで処置したB16F10腫瘍担持マウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。マウスを、0.5μgアイソタイプ対照または0.5μg DF-mIL-12-Fc si(図16A)、アイソタイプ対照または抗PD-1(図16B)およびアイソタイプ対照またはDF-mIL-12-Fc si/抗PD-1(図16C)で腹腔内処置した。動物に、上記のとおりDF-mIL-12-Fc siを週1回および抗PD-1を週2回注射した。腫瘍増殖を60日間評価した。グラフは個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示す。
図17A~17Bは、DF-mIL-12-Fc si、抗PD-1またはそれらの組み合わせで処置したB16F10腫瘍担持マウスの生存および体重を示すグラフである。マウスを、アイソタイプ、DF-mIL-12-Fc si、抗PD-1またはDF-mIL-12-Fc siと抗PD-1の組み合わせで処置した。動物に、0.5μg DF-mIL-12-Fc siを週1回および200μg抗PD-1またはアイソタイプを週2回注射した。図17Aはカプラン・マイヤー生存曲線を示す。図17Bは平均±標準偏差としてマウス体重を示す。
図18A~18Cは、DF-mIL-12-Fc si、mcFAE-C26.99 TriNKETまたはそれらの組み合わせで処置したB16F10腫瘍担持マウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。マウスを、150μgアイソタイプ対照または0.5μg DF-mIL-12-Fc si(図18A)、アイソタイプ対照または150μg TriNKET(図18B)およびアイソタイプ対照またはDF-mIL-12-Fc si/TriNKET(図18C)で腹腔内処置した。動物に、上記のとおりDF-mIL-12-Fc siを週1回およびTriNKETを週3回注射した。腫瘍増殖を72日間評価した。グラフは個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示す。
図19A~19Bは、DF-mIL-12-Fc si、mcFAE-C26.99 TriNKETまたはそれらの組み合わせで処置したB16F10腫瘍担持マウスの生存および体重を示すグラフである。マウスを、アイソタイプ、DF-mIL-12-Fc si、TriNKETまたはDF-mIL-12-Fc siとTriNKETの組み合わせで処置した。動物に0.5μg DF-mIL-12-Fc siを週1回および150μg TriNKETまたはアイソタイプを週3回注射した。図19Aはカプラン・マイヤー生存曲線を示す。図19Bは平均±標準偏差としてマウス体重を示す。
図20は、DF-mIL-12-Fc si/TriNKET組み合わせ治療(n=3)で処置し、2×10 B16F10黒色腫細胞移植で再負荷した図18のB16F10腫瘍モデル実験からの完全応答者(CR)マウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図21Aは、CT26腫瘍細胞を接種され、DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを単回投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図21Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、DF-mIL-12-Fc si、mIgG2aアイソタイプまたはrmIL-12を毎週投与されたマウスの体重±標準偏差を示すグラフである。
図21Cは、ナイーブまたはCT26腫瘍モデルにおいてDF-mIL-12-Fc siを先に単回投与されたときに完全応答者(CR)であった再負荷した個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図22A~22Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、毎週DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを腹腔内(IP)(図22A)または皮下(SC)(図22B)投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図23は、B16F10黒色腫細胞を接種され、DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを単回投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図24A~24Bは、B16F10黒色腫細胞を接種され、毎週DF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを腹腔内(IP)(図24A)または皮下(SC)(図24B)投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図25A~25Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのrmIL-12のモル当量でDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2Aアイソタイプを単回(図25A)または週1回投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図26A~26Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、DF-mIL-12-Fc siを週1回皮下投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図26Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または1μg DF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図26Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または2μg DF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図27A~27Cは、DF-mIL-12-Fc siの単回投与72時間後、B16F10腫瘍担持C57BL/6マウスにおける血液(左)および腫瘍(右)サンプルのIFNγ(図27A)、CXCL9(図27B)およびCXCL10(図27C)レベルを示すグラフである。
図28A~28Cは、1μg/kg(図28A)、2μg/kg(図28B)または4μg/kg(図28C)のDF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置されたカニクイザルにおけるDF-hIL-12-Fc siの薬物動態を示す線グラフであり。2240、2241、2740、2741は個々のカニクイザル対象を意味する。
図29A~29Fは、DF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置されたカニクイザルにおけるIFNγおよびIP10/CXCL10の濃度を示す線グラフである。図29A、29Cおよび29Eは、それぞれ1μg/kg、2μg/kgおよび4μg/kgのDF-hIL-12-Fc siで処置したカニクイザルにおけるIFNγ濃度/発現レベルを示す。図29B、29Dおよび29Fは、それぞれ1μg/kg、2μg/kgおよび4μg/kgのDF-hIL-12-Fc siで処置したカニクイザルにおけるIP10/CXCL10濃度/発現レベルを示す。3240、3241、3740、3741は個々のカニクイザル対象を意味する。
図30は、乳癌細胞を接種され、単剤療法(アイソタイプ対照、DF-mIL-12-Fc si、ドキシル(登録商標)(化学療法)または10Gy照射)または組み合わせ治療(ドキシル(登録商標)または照射と組み合わせたDF-mIL-12-Fc si)を毎週投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図31Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、アイソタイプ対照または抗PD-1抗体で処置(週2回)された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図31Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、アイソタイプ対照または抗PD-1抗体で処置(週2回)されたBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図31Bはまた、1μgのDF-mIL-12-Fc siの毎週処置と共に投与された抗PD-1抗体で先に処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線も示す。
図32Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、アイソタイプ対照またはDF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)腫瘍内処置された個々のマウスにおける処置(Tr)腫瘍の腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図32Bは、図32Aに記載する個々のマウスの非処置(NT)CT26-Tyrp1腫瘍の腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図33Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または2μg DF-mIL-12-Fc siで1回処置された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図33Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照、1μg DF-mIL-12-Fc si(毎週投与)、2μg DF-mIL-12-Fc si(毎週投与)または2μg DF-mIL-12-Fc si(1回)で処置された個々のマウスの平均腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図34Aは、L234A、L235AおよびP329A変異(LALAPA)またはL234A、L235A、P329G変異(LALAPG)を有するDF hIL-12-Fc-siで処置したPHA刺激PBMCのIFNγ産生を示すグラフである。図34Bは、LALAPA変異またはLALAPG変異を有するDF hIL-12-Fc-si存在下または非存在下のTHP-1細胞に対するフルオロフォアコンジュゲートhIgG1結合のフローサイトメトリーヒストグラムを示す。
詳細な記載
本発明は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質の改善、このようなタンパク質を含む医薬組成物および癌の処置を含むこのようなタンパク質および医薬組成物を使用する治療方法を提供する。
本発明の理解を用意にするために、いくつかの用語および表現を下に定義する。
ここで使用する単数表現は、文脈に反しない限り、「1以上」を意味し、複数を含む。
ここで使用する用語「対象」および「患者」は、ここに記載する方法および組成物で処置される生物をいう。このような生物は、好ましくは、哺乳動物(例えば、マウス、サル、ウマ、ウシ、ブタ、イヌ、ネコなど)を含む、より好ましくはヒトを含むが、これらに限定されない。
ここで使用する用語「有効量」は、化合物(例えば、本発明の化合物)の有益なまたは所望の結果(例えば、所望の予防または治療効果)を発揮するのに十分な量をいう。有効量を1回以上の投与、適用または用量により投与でき、特定の製剤または投与経路への限定は意図されない。ここで使用する用語「処置する」は、状態、疾患、障害などの改善またはその症状の改善をもたらす、あらゆる効果、例えば、軽減、低減、調節、改善または除去を含む。
ここで使用する用語「医薬組成物」は、原薬物をインビボまたはエクスビボでの診断または治療に特に適するものとするための、活性もしくは不活性な担体との組み合わせ物をいう。
ここで使用する用語「薬学的に許容される担体」は、リン酸緩衝化食塩水溶液、水、エマルジョン(例えば、油/水または水/油エマルジョンなど)および種々のタイプの湿潤剤などの標準医薬担体の何れかをいう。組成物はまた安定化剤および防腐剤も含み得る。担体、安定化剤およびアジュバントの例について、例えば、Martin, Remington's Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publ. Co., Easton, PA [1975]参照。
ここで使用する用語「薬学的に許容される塩」は、対象への投与により、本発明の化合物またはその活性代謝物もしくは残基を提供できる、本発明の化合物のあらゆる薬学的に許容される塩(例えば、酸または塩基との)をいう。当業者には知られるとおり、本発明の化合物の「塩」は、無機または有機酸および塩基に由来し得る。例示的酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素酸、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン-p-スルホン酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ベンゼンスルホン酸などを含むが、これらに限定されない。シュウ酸などの他の酸は、それ自体薬学的に許容されないが、本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を得る中間体として有用な塩の製造において用いられ得る。
例示的塩基は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)水酸化物、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)水酸化物、アンモニアおよび式NW (式中、WはC1-4アルキルなどである)の化合物を含むが、これらに限定されない。
例示的塩は、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、フルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピルビン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、ウンデカン酸塩などを含むが、これらに限定されない。塩の他の例は、Na、NH およびNW (式中、WはC1-4アルキル基である)などの適当なカチオンと会合する本発明の化合物のアニオンなどを含む。
治療使用のため、本発明の化合物の塩は薬学的に許容されることが意図される。しかしながら、薬学的に許容されない酸および塩基の塩も、例えば、薬学的に許容される化合物の製造または精製に有用であり得る。
明細書をとおして、組成物が特定の成分を有する、含むまたは包含すると記載されているときまたは過程および方法が特定の工程を有する、含むまたは包含すると記載されているとき、さらに、記載の成分から本質的になるまたはそれからなる本発明の組成物が存在するおよび記載する処理工程から本質的になるまたはそれからなる本発明の過程および方法があることが意図される。
一般的事項として、パーセンテージで特定する組成は、特に断らない限り重量による。さらに、可変要素に定義が付随しないならば、その可変要素の先の定義が支配する。
I. タンパク質
本発明は、多サブユニットタンパク質のアミノ酸配列を含むFc融合タンパク質構築物を提供する。これらの融合タンパク質構築物は、天然/自然の多サブユニットタンパク質と比較して長い血清半減期、製造中の収率改善、保存中の安定性増強および/または治療として使用するとき有効性改善を示し得る。
IgG1 Fc融合タンパク質
ある態様において、本発明は、第一抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第一抗体Fcドメインに結合した第二抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含む、ヘテロ二量体IgG1 Fc融合タンパク質であって、ここで、第一ポリペプチドは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)を含むリンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合された多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをさらに含み;多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、多サブユニットタンパク質のサブユニットは互いに結合しており;XがLであるおよび/またはXがLであるとき、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドの少なくとも一方はヘテロ二量体化を促進するQ347R変異を含むものを提供する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、さらにスペーサーペプチドを含む。ある実施態様において、リンカーは、配列番号237または配列番号6の配列およびスペーサーペプチドを含む。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)およびスペーサーペプチドを含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーのアミノ酸配列は、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーのアミノ酸配列と同一である。
「スペーサーペプチド」の表題下に記載するあらゆるスペーサーペプチドが用いられ得る。例えば、ある実施態様において、スペーサーペプチドは、配列番号107~120の何れかに示すアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、スペーサーペプチドは、配列番号107~120の何れかに示すアミノ酸配列からなる。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、ここに開示するスペーサーペプチドおよび配列番号237または配列番号6の配列を有するペプチドからなるまたは本質的にそれからなる。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、ここに開示するスペーサーペプチドおよび配列番号237または配列番号6の配列を有するペプチドからなるまたは本質的にそれからなる。ある実施態様において、スペーサーペプチドは、リンカーの一方または両方のN末端である。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)またはEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)を含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)からなる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、FcドメインポリペプチドはIgG1 Fcのものである。ある実施態様において、本発明のタンパク質は第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含み、両者とも互いにヘテロ二量体化を促進する変異IgG1 Fcドメインポリペプチドである。例えば、FcドメインがヒトIgG1のFc由来であるならば、FcドメインはヒトIgG1抗体のアミノ酸234~332と少なくとも90%同一であり、Q347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411およびK439からなる群から選択される1か所以上で異なるアミノ酸配列を含み得る。
ある実施態様において、抗体定常ドメインは、ヒトIgG1抗体のアミノ酸234~332と少なくとも90%同一であり、Q347E、Q347R、Y349S、Y349K、Y349T、Y349D、Y349E、Y349C、L351K、L351D、L351Y、S354C、E356K、E357Q、E357L、E357W、K360E、K360W、Q362E、S364K、S364E、S364H、S364D、T366V、T366I、T366L、T366M、T366K、T366W、T366S、L368E、L368A、L368D、K370S、N390D、N390E、K392L、K392M、K392V、K392F、K392D、K392E、T394F、D399R、D399K、D399V、S400K、S400R、D401K、F405A、F405T、Y407A、Y407I、Y407V、K409F、K409W、K409D、T411D、T411E、K439DおよびK439Eからなる群から選択される1以上の置換により異なるアミノ酸配列を含み得る。ここに開示するFcドメインまたはヒンジ領域における全アミノ酸位置は、EUナンバリングに従い番号付けされる。
ある実施態様において、第一抗体IgG1 FcドメインポリペプチドはK360EおよびK409Wから選択される1以上の変異を含み、第二抗体IgG1 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一抗体IgG1 FcドメインポリペプチドはQ347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含み、第二抗体IgG1 FcドメインポリペプチドはK360EおよびK409Wから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびK409Wを含み、第二抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体IgG1 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびK409Wを含む。
ある実施態様において、IgG1 Fcを有する本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIAまたはFcγRIIIB)または補体成分(例えば、C1q)への結合を低減する1以上の変異を含む。このような変異は、エフェクター機能の低減に有用である。例えば、本開示のタンパク質は、LALA(L234AおよびL235A)変異、LALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異、LALAPG(L234A、L235AおよびP329G)変異またはLALEGAASPS(L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331S)変異を含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、各々変異P329GまたはP329Aを含む第一抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドを含む。特定の実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、各々変異P329Aを含む第一抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドを含む。
ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドは、各々A330SおよびP331Sから選択される変異を含む。ある実施態様において、第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチド各々変異A330SおよびP331Sを含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体の安定性を改善するIgG1 Fcモノマー間のさらなるジスルフィド結合が導入される。例示的実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットに融合した第一抗体FcドメインポリペプチドはCH3ドメインにY349C置換を含み、これは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに融合した第二抗体FcドメインポリペプチドのS354C置換とジスルフィド結合を形成する。あるいは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットに融合した第一抗体FcドメインポリペプチドはCH3ドメインにS354C置換を含み、これは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに融合した第二抗体FcドメインポリペプチドのY349C置換とジスルフィド結合を形成する。
下表2に提供するIgG1抗体Fcドメインポリペプチドの何れも、下表1に提供するIgG1ヒンジ配列(これは、本発明においては、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットのタンパク質配列を第一IgG1抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーまたはさらなるサブユニットを第二の異なるIgG1抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーの一部または全体である)の何れと組み合わせて用いてもよい。例示的IgG1ヒンジ-Fcドメインポリペプチドは下表3に提供する。ある実施態様において、Fc融合タンパク質の第一および第二ポリペプチドは、それぞれ配列番号212および212;213および214;215および216;217および218;214および213;216および215;または218および217のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、Fc融合タンパク質の第一および第二ポリペプチドは、それぞれ配列番号228および228;229および230;231および232;233および234;235および236;230および229;232および231;234および233;236および235;228および250;250および228;250および250;229および252;252および229;251および230;230および251;253および232;232および253;231および254;254および231;255および234;234および255;233および256;256および233;257および236;236および257;258および235;または235および258のアミノ酸配列を含む。
IgG4 Fc融合タンパク質
ある態様において、本発明は、多サブユニットタンパク質を改善する。ある態様において、本発明は、第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合した第二の異なる抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体IgG4 Fc融合タンパク質であって、ここで、第一ポリペプチドは第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドにアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(配列番号1)を含むリンカーにより融合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをさらに含み(ここで、XはLまたはEである);多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドに融合しており、多サブユニットタンパク質のサブユニットは互いに結合しており;第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含むものを提供する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体IgG4 Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(ここで、XはLまたはEである)(配列番号1)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットのタンパク質配列を第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、さらにスペーサーペプチドを含む。ある実施態様において、リンカーは、配列番号1の配列およびスペーサーペプチドを含む。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(ここで、XはLまたはEである)(配列番号1)およびスペーサーペプチドを含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(ここで、XはLまたはEである)(配列番号1)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーのアミノ酸配列は、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーのアミノ酸配列と同一である。
「スペーサーペプチド」なる表題下に記載されるあらゆるスペーサーペプチドが用いられ得る。例えば、ある実施態様において、スペーサーペプチドは、配列番号107~120の何れかに示すアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、スペーサーペプチドは、配列番号107~120の何れかに示すアミノ酸配列からなる。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、ここに開示するスペーサーペプチドおよび配列番号1からなるまたは本質的にそれからなる。ある実施態様において、リンカーは、ここに開示するスペーサーペプチドおよび配列番号1からなるまたは本質的にそれからなる。ある実施態様において、スペーサーペプチドは第一リンカーおよび/または第二リンカーに対してN末端である。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質のサブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)を含む。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)を含む。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと第一抗体Fcドメインポリペプチドを融合するリンカーは、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)からなる。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)を含むリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)からなるリンカーにより、第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。
ある実施態様において、FcドメインポリペプチドはIgG4 Fcのものである。IgG4は、体内でFabアーム交換および他のIgG4抗体との対形成を受け得る不安定二量体である。ある実施態様において、S228P変異はヒンジ(これは、本発明においては、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーまたはさらなるサブユニットを第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーの一部または全体である)内に導入され、これはヒンジ領域の安定性を高め、Fabアーム交換の確率を下げる。ある実施態様において、Fcドメインポリペプチドモノマー間のさらなるジスルフィド結合が導入され、これはヘテロ二量体の安定性を改善する。例示的実施態様において、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットに結合した第一抗体FcドメインポリペプチドはCH3ドメインにY349C置換を含み、これは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに結合した第二抗体FcドメインポリペプチドのS354C置換とジスルフィド結合を形成する。あるいは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットに結合した第一抗体FcドメインポリペプチドはCH3ドメインにS354C置換を含み、これは、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに結合した第二抗体FcドメインポリペプチドのY349C置換とジスルフィド結合を形成する。
ある実施態様において、本発明のタンパク質は第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含み、これは互いにヘテロ二量体化を促進する変異IgG4 Fcドメインポリペプチドである。
ある実施態様において、第一抗体IgG4 FcドメインポリペプチドはK360E、K370EおよびR409Wから選択される1以上の変異を含み、第二抗体IgG4 FcドメインポリペプチドはE357N、Q347R、D399VおよびF405Tから選択される1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K370EおよびR409Wを含み、第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異E357N、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異E357N、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K370EおよびR409Wを含む。ある実施態様において、第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびR409Wを含み、第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む。ある実施態様において、第一抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体IgG4 Fcドメインポリペプチドは変異K360EおよびR409Wを含む。
ある実施態様において、IgG4 Fcを有する本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIAまたはFcγRIIIB)または補体成分(例えば、C1q)への結合を低減する1以上の変異を含む。このような変異は、エフェクター機能の低減に有用である。例えば、本開示のタンパク質は、SPLE(S228PおよびL235E)変異、SPLEPA(S228P、L235EおよびP329A)変異またはSPLEPG(S228P、L235EおよびP329G)変異を含む。
表2に提供するIgG4抗体Fcドメインポリペプチドの何れも、表1に提供するIgG4ヒンジ配列(これは、本発明においては、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一IgG4抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーまたは多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二の異なるIgG4抗体Fcドメインポリペプチドに結合するリンカーの一部または全体である)の何れと組み合わせて用いてもよい。例示的IgG4ヒンジ-Fcドメインポリペプチドは表3に提供される。ある実施態様において、Fc融合タンパク質の第一および第二ポリペプチドは、それぞれ配列番号205および205;206および207;208および209;210および211;207および206;209および208;または211および210のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、Fc融合タンパク質の第一および第二ポリペプチドは、それぞれ配列番号219および219;220および221;222および223;224および225;226および227;221および220;223および222;225および224;または227および226のアミノ酸配列を含む。
ジスルフィド結合
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、IL-12のp35とp40サブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、p35のC74とp40のC177の間に天然ジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、IL-12のp35とp40サブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、P35のV185CとP40のY292Cの間に人工のまたは操作されたジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合および多サブユニットタンパク質の第一サブユニットと多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。例えば、例示的実施態様において、IL-12のp35とp40サブユニットの間に天然ヘテロ二量体ジスルフィド結合を含み、IL-12のp35とp40サブユニットの間に人工のまたは操作されたヘテロ二量体ジスルフィド結合を含む。このようなタンパク質は、p35のC74とp40のC177の間に天然ジスルフィド結合およびP35のV185CとP40のY292Cの間に人工のまたは操作されたジスルフィド結合を含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、天然ジスルフィド結合を除き、非天然の人工のまたは操作されたジスルフィド結合に置き換えるよう操作される。例えば、例示的実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は天然C74がセリンに変異されているIL-12のp35および天然C177がセリンに変異されているIL-12のp40を含み、それにより、IL-12のp35とp40サブユニットの間の天然ジスルフィド結合が除かれる。この変異IL-12に、2つの新規変異が導入され、P35のV185CおよびP40のY292C、それにより、非天然の人工のまたは操作されたジスルフィド結合が導入される。
Fc融合ポリペプチドの成分の配列
本発明の例示的ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、下表1~2に記載のIgG1またはIgG4 Fcバリアント配列の何れかおよび対応するリンカー配列の何れかを用いて構築される。本発明の融合タンパク質構築物は、天然/自然の多サブユニットタンパク質と比較して長い血清半減期、製造中のタンパク質収率改善、保存中の安定性増強および/または治療剤として使用したときの有効性改善を提供し得る。
表4および5は、本発明の例示的タンパク質構築物のアミノ酸配列を列記する。Fcドメインポリペプチドにおける全ての変異/置換は、EUナンバリングシステムに従い番号付けされる。p35およびp40サブユニットにおける変異は、これらサブユニットの各N末端アミノ酸から開始して番号付けされる。
下表2に提供するIgG4抗体Fcバリアントドメインポリペプチドの何れも、下表1に提供するIgG4ヒンジ配列の何れと組み合わせて用いてもよい。同様に、下表2に提供するIgG1抗体Fcバリアントドメインポリペプチドの何れも、下表1に提供するIgG1ヒンジ配列の何れと組み合わせて用いてもよい。例示的IgG1ヒンジ-Fcドメインポリペプチドは、下表3に提供される。
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IL-12サブユニット
IL-12は、p40サブユニットおよびp35サブユニットを含む多サブユニットタンパク質である。成熟野生型IL-12 p40のアミノ酸配列は、下に示す配列番号127のGenBank Accession No. NP_002178.2のアミノ酸23~328である。成熟野生型IL-12 p35のアミノ酸配列は、下に示す配列番号128のGenBank Accession No. NP_000873.2のアミノ酸57~253である。ここで使用するp40およびp35のアミノ酸残基のナンバリングは、成熟野生型タンパク質配列に対応する。ここで使用するIL-12 p40サブユニットは、配列番号127と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。ここで使用するIL-12 p35サブユニットは、配列番号128と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列を含む。
前記態様の何れかのある実施態様において、IL-12のp40およびp35サブユニットは、それぞれ配列番号121および122;127および128;201および202;203および204;123および124;または125および126のアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、第一ポリペプチドはIL-12のp40サブユニットのアミノ酸配列を含み、第二ポリペプチドはIL-12のp35サブユニットのアミノ酸配列を含む。ある実施態様において、第一ポリペプチドはIL-12のp35サブユニットのアミノ酸配列を含み、第二ポリペプチドはIL-12のp40サブユニットのアミノ酸配列を含む。
ある実施態様において、本発明は、第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、ここで、第一ポリペプチドはリンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合したIL-12の第一サブユニット;および第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合したIL-12の第二の異なるサブユニットをさらに含み、ここで、IL-12の第一および第二の異なるサブユニットは互いに結合しており、ここで、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含む、ここで、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは互いに結合しており、そして、ここでIL-12の第一サブユニットはY292C置換を有するp40サブユニットであり、IL-12の第二の異なるサブユニットはV185C置換を有するp35サブユニットであるものを含む。ある実施態様において、IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットは、それぞれ配列番号125および126のアミノ酸配列を含む。
IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットは、表4に記載の構築物120、120-1、120-2、120-3、120-4、120-5、120-6および120-7および表5に記載の構築物20、20-1、20-2、20-3、20-4、20-5、20-6、20-7、20-8および20-9を含むが、これらに限定されない配列を有するFc融合タンパク質を形成するように、ここに開示する何れかのリンカーを介して、抗体Fcドメインポリペプチドの何れかに融合され得る。
ある実施態様において、IL-12のp40サブユニットはC177の置換をさらに含み、IL-12のp35サブユニットはC74の置換をさらに含む。ある実施態様において、IL-12のp40サブユニットにおけるC177はSに置換され、IL-12のp35サブユニットにおけるC74はSに置換される。ある実施態様において、IL-12のp40およびp35サブユニットは、それぞれ配列番号123および124のアミノ酸配列を含む。
IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットは、表4に記載の構築物119、119-1、119-2、119-3、119-4、119-5、119-6、119-7および119-8および表5に記載の構築物19、19-1、19-2、19-3、19-4、19-5、19-6、19-7、19-8、19-9および19-10を含むが、これらに限定されない配列を有するFc融合タンパク質を形成するように、ここに開示する何れかのリンカーを介して、抗体Fcドメインポリペプチドの何れかに融合され得る。
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ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む。ある実施態様において、配列番号290および配列番号291を含む本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一抗体FcドメインポリペプチドのCH3ドメインにY349C変異および第二抗体FcドメインポリペプチドのCH3ドメインにS354C変異を含む。ある実施態様において、配列番号290および配列番号291を含む本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、Fcドメイン間のヘテロ二量体化を促進するため各Fcドメインポリペプチド配列に異なる変異を含む。
ある実施態様において、第一ポリペプチド配列は、K360EおよびK409W置換を含む第一抗体Fcドメインポリペプチド(ヒトIgG1)配列を含む。ある実施態様において、第二ポリペプチド配列は、Q347R、D399VおよびF405T置換を含む第二抗体Fcドメインポリペプチド(ヒトIgG1)配列を含む。ある実施態様において、第一ポリペプチドおよび第二ポリペプチドアミノ酸配列は、エフェクター機能を低減するための1以上の変異を含む。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、LALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異を含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の第一ポリペプチド(配列番号290)において、ヒトIL-12のp40サブユニットは第一アミノ酸配列を含む第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合し、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の第二ポリペプチド(配列番号291)において、ヒトIL-12のp35サブユニットは第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合する。
配列番号290は、ヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドに融合したヒトIL-12のp40サブユニット(下線アミノ酸)の配列である。変異は太字で示す。
Figure 2022505871000102
配列番号291は、ヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドに融合したヒトIL-12のp35サブユニット(下線アミノ酸)の配列である。変異は太字で示す。
Figure 2022505871000103
それぞれ配列番号290および配列番号291のアミノ酸配列により表される第一および第二ポリペプチドは、配列番号290における第一抗体Fcドメインポリペプチド配列(ヒトIgG1)のCH3ドメインのY349C変異(太字および下線)および配列番号291における第二抗体Fcドメインポリペプチド配列(ヒトIgG1)のCH3ドメインのS354C変異(太字および下線)によりジスルフィド結合を形成し、これは、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に安定性を付与する(EUシステムによるFcナンバリング)。
ヘテロ二量体Fc融合タンパク質の2つのFcドメインポリペプチド間のヘテロ二量体化を促進するために、配列番号290の第一抗体Fcドメインポリペプチド配列(ヒトIgG1)はCH3ドメインにおけるK360EおよびK409W置換を含み、配列番号291の第二の異なるFcドメインポリペプチド配列(ヒトIgG1)はCH3ドメインにおけるQ347R、D399VおよびF405T置換を含む(EUシステムによるFcナンバリング)。
配列番号290および配列番号291の第一抗体Fcドメインポリペプチド配列および第二の異なるFcドメインポリペプチド配列(ヒトIgG1)は、エフェクター機能を低減するためのL234A、L235AおよびP329A(LALAPA)変異を含む。
スペーサーペプチド
例示的スペーサーペプチド配列を表7に提供し、例示的完全長リンカー配列を表4および5に提供する。
本発明の第一ポリペプチド内で、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットは、アミノからカルボキシル方向でリンカーを経て第一抗体Fcドメインポリペプチド(例えば、表2に開示するIgG4抗体Fcバリアント配列またはIgG1抗体Fcバリアント配列)に融合されている。そして本発明の第二ポリペプチド内で、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、アミノからカルボキシル方向でリンカーを経て第二抗体Fcドメインポリペプチド(例えば、表2に開示するIgG4抗体Fcバリアント配列またはIgG1抗体Fcバリアント配列)に融合されている。
ある実施態様において、本発明の多サブユニットタンパク質の第一サブユニットはリンカーを経て第一抗体Fcドメイン配列に融合され、ここで、リンカーはスペーサーペプチドLおよび配列番号1、2、4、6、7、9、11、237、238、239または240のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。ある実施態様において、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットはリンカーを経て第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合され、ここで、リンカーはスペーサーペプチドLおよび配列番号1、2、4、6、7、9、11、237、238、239または240のアミノ酸配列を含むまたはそれからなる。
ある実施態様において、LおよびLはペプチドリンカーであり、例えば、Lおよび/またはLは4~50アミノ酸残基含む。ある実施態様において、Lは4~50アミノ酸残基からなる。ある実施態様において、Lは4~20アミノ酸残基からなる。ある実施態様において、Lは4~50アミノ酸残基からなる。ある実施態様において、Lは約4~20アミノ酸残基からなる。ある実施態様において、LおよびLは各々独立して約4~50アミノ酸残基からなる。ある実施態様において、LおよびLは各々独立して4~20アミノ酸残基からなる。
ある実施態様において、LおよびLは最適化長および/またはアミノ酸組成を有する。ある実施態様において、LおよびLは同じ長さであり、同じアミノ酸組成を有する。他の実施態様において、LおよびLは異なる。
ある実施態様において、LとLは同じアミノ酸数である;ある実施態様において、LはLより長い(すなわち、アミノ酸数が多い);ある実施態様において、LはLより短い(すなわち、アミノ酸数が少ない)。
ある実施態様において、Lおよび/またはLは、例えば、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12アミノ酸残基からなる「短」である。故に、ある場合、スペーサーペプチドは、約12以下のアミノ酸残基からなる。0アミノ酸残基の場合、スペーサーペプチドはペプチド結合である。ある実施態様において、Lおよび/またはLは、例えば15、20または25アミノ酸残基からなる「長」である。ある実施態様において、スペーサーペプチドは、約3~約15、例えば8、9または10連続アミノ酸残基からなる。LおよびLのアミノ酸組成に関して、ペプチドは、本発明のタンパク質の第一および第二ポリペプチドに柔軟性を付与する、第一および第二の異なるサブユニットの互いの結合を妨害しないならびにプロテアーゼからの開裂に抵抗する性質から選択される。例えば、グリシンおよびセリン残基は、一般にプロテアーゼ抵抗性を提供する。多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを配列番号1、2、4、6、7、9、11、237、238、239または240のアミノ酸配列に結合するのに適するおよび/または多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを配列番号1、2、4、6、7、9、11、237、238、239または240のアミノ酸配列に結合するのに適するスペーサーペプチドは、リンカーの一部として、(GS)、(GGS)、(GGGS)、(GGSG)、(GGSGG)および(GGGGS)配列を含み得て、ここで、nは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20である。ある実施態様において、Lおよび/またはLは、リンカーの一部として、(GGGGS)(配列番号107)または(GGGGS)(配列番号108)配列を独立して含む。他の実施態様において、Lおよび/またはLは、リンカーの一部として、表7に列記する配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119および配列番号120から選択される配列において示される、ペプチド配列を含む。ある実施態様において、Lおよび/またはLは、独立して、(GGGGS)n=3(配列番号108)、(GGGGS)n=2(配列番号109)または(GGGGS)n=1(配列番号110)である。
Figure 2022505871000104

ある実施態様において、Lは、リンカーの一部として、(GGGGS)n=3(配列番号108)配列を含み、Lは、リンカーの一部として、(GGGGS)n=2(配列番号109)または(GGGGS)n=1(配列番号110)配列を含む。ある実施態様において、Lは、リンカーの一部として、(GGGGS)n=3(配列番号108)配列を含み、Lは、リンカーの一部として、(GGGGS)n=2(配列番号109)または(GGGGS)n=1(配列番号110)配列を含む。ある実施態様において、Lは、リンカーの一部として、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119または配列番号120に示す配列を含まない。
ある実施態様において、Lのみ、リンカーの一部として、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119または配列番号120に示す配列を含む。ある実施態様において、LもLも、リンカーの一部として配列、配列番号107、配列番号108、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号112、配列番号113、配列番号114、配列番号115、配列番号116、配列番号117、配列番号118、配列番号119または配列番号120に示す配列を含まない。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドを含み、ここで、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含み、ここで、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含むリンカーは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドに結合するもの、および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここでさらなるサブユニットは、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含まないリンカーで第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、GGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含まないリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに結合するもの、および第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチド、ここで、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットがGGGGSGGGGSGGGGS(配列番号118;(G4S))を含むリンカーで第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドを含み、ここで、(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含み、ここで、(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。
本開示のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカーを含み、これは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチド、例えばIgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合しており、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチド、例えばIgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカーは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドに結合するもの、および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここで、多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットが(GGGGS)n=2(配列番号109)を含まないリンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=2(配列番号109)を含まないリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに結合するもの、および第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここで、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドを含み、ここで、(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドを含み、ここで、(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチド、例えば、IgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。
本開示のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカーを含み、これは、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを第一抗体Fcドメインポリペプチド、例えばIgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合しており、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを第二抗体Fcドメインポリペプチド、例えばIgG4抗体のFcドメインポリペプチドまたはIgG1抗体のFcドメインポリペプチドに結合する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカーは多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドに結合するもの、および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここで多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが(GGGGS)n=1(配列番号110)を含まないリンカーで第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=1(配列番号110)を含まないリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットに結合するもの、および第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチド、ここで、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=1(配列番号110)配列を含むリンカーが多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドに結合するもの、および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここで、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカー配列で第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の一部は多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドであって、ここで、(GGGGS)n=2(配列番号109)を含むリンカー配列が多サブユニットタンパク質の第一サブユニットをFcドメインポリペプチドに結合するもの、および多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドであって、ここで、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが(GGGGS)n=1(配列番号110)を含むリンカー配列で第二抗体Fcドメインポリペプチドに結合するものを含む。
ヘテロ二量体化促進のためのFcドメインおよび置換
本発明のタンパク質の集合は、第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニット配列を含む第一ポリペプチド(例えば、表2に開示するIgG4抗体Fcバリアント配列またはIgG1抗体Fcバリアント配列)および第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニット配列を含む第二ポリペプチド(例えば、表2に開示するIgG4抗体Fcバリアント配列またはIgG1抗体Fcバリアント配列)を同じ細胞で発現させることにより達成でき、これは、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の集合に至る。集合したタンパク質は、互いに結合した第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドを有するヘテロ二量体Fcドメインポリペプチドを有する。Fcのヘテロ二量体の優先的集合の促進は、US13/494870、US16/028850、US11/533709、US12/875015、US13/289934、US14/773418、US12/811207、US13/866756、US14/647480およびUS14/830336に示されるとおり、各抗体重鎖定常領域のCH3ドメインに種々の変異を組み込むことにより達成され得る。例えば、変異はヒトIgG1に基づきCH3ドメインになし、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチド内に、これら2鎖が互いに選択的にヘテロ二量体化することを可能とする、別個の対のアミノ酸置換取り込むことによりなし得る。下記のアミノ酸置換の位置は、KabatにおけるようなEUインデックスに従い全て番号付けされる。
あるシナリオでは、第一抗体Fcドメインポリペプチドにおけるアミノ酸置換は元のアミノ酸を、アルギニン(R)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)またはトリプトファン(W)から選択されるより大型のアミノ酸に置き換え、少なくとも1つの第二抗体Fcドメインポリペプチドにおけるアミノ酸置換は、元のアミノ酸をアラニン(A)、セリン(S)、スレオニン(T)またはバリン(V)から選択されるより小型のアミノ酸で置き換え、大型アミノ酸置換(突起)が小型アミノ酸置換(洞)の表面に合うようにする。例えば、一方の抗体FcドメインポリペプチドはT366W置換を取り込み得て、他方はT366S、L368AおよびY407Vを含む3置換を取り込み得る。
本発明の多サブユニットタンパク質の第一サブユニット配列を含む第一ポリペプチドまたは多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニット配列を含む第二ポリペプチドを、CH1ドメインを伴いまたは伴わずにヒンジ、CH2およびCH3ドメインを含むIgG定常領域などの抗体定常領域と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)同一であるアミノ酸配列と所望により結合させ得る。ある実施態様において、定常領域のアミノ酸配列は、ヒトIgG1定常領域、IgG2定常領域、IgG3定常領域またはIgG4定常領域などのヒト抗体定常領域と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)同一である。ある他の実施態様において、定常領域のアミノ酸配列は、ウサギ、イヌ、ネコ、マウスまたはウマなどの他の哺乳動物からの抗体定常領域と少なくとも90%(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%)同一である。ヒトIgG1定常領域と比較して、1以上の変異を定常領域に、例えばQ347、Y349、L351、S354、E356、E357、K360、Q362、S364、T366、L368、K370、N390、K392、T394、D399、S400、D401、F405、Y407、K409、T411および/またはK439に取り込み得る。例示的置換は、例えば、Q347E、Q347R、Y349S、Y349K、Y349T、Y349D、Y349E、Y349C、T350V、L351K、L351D、L351Y、S354C、E356K、E357Q、E357L、E357W、K360E、K360W、Q362E、S364K、S364E、S364H、S364D、T366V、T366I、T366L、T366M、T366K、T366W、T366S、L368E、L368A、L368D、K370S、N390D、N390E、K392L、K392M、K392V、K392F、K392D、K392E、T394F、T394W、D399R、D399K、D399V、S400K、S400R、D401K、F405A、F405T、Y407A、Y407I、Y407V、K409F、K409W、K409D、T411D、T411E、K439DおよびK439Eを含む。
ある実施態様において、ヒトIgG1定常領域のCH1に取り込み得る変異は、アミノ酸V125、F126、P127、T135、T139、A140、F170、P171および/またはV173であり得る。ある実施態様において、ヒトIgG1定常領域のCκに取り込み得る変異は、アミノ酸E123、F116、S176、V163、S174および/またはT164であり得る。
アミノ酸置換は、表8に示す置換の次のセットから選択される。
Figure 2022505871000105

あるいは、アミノ酸置換は、表9に示す次の置換のセットから選択される。
Figure 2022505871000106

あるいは、アミノ酸置換は、表10に示す次の置換のセットから選択される。
Figure 2022505871000107

あるいは、各ポリペプチド鎖のポリペプチド鎖は表11から選択される。
Figure 2022505871000108

あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換を表12における置換の次のセットから選択でき、ここで、第一ポリペプチドカラムに示す位置が、何らかの既知負荷電アミノ酸で置換され、第二ポリペプチドカラムに示す位置が、何らかの既知正荷電アミノ酸で置換される。
Figure 2022505871000109

あるいは、少なくとも1つのアミノ酸置換を表13の次のセットから選択でき、ここで、第一ポリペプチドカラムに示す位置が、何らかの既知正荷電アミノ酸で置換され、第二ポリペプチドカラムに示す位置が、何らかの既知負荷電アミノ酸で置換される。
Figure 2022505871000110

あるいは、アミノ酸置換を表14の次のセットから選択できる。
Figure 2022505871000111

これとは別にまたはこれに加えて、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の構造的安定性を、2つのポリペプチド界面内に人工ジスルフィド結合を形成する第一または第二ポリペプチド鎖の何れかにS354Cおよび逆のポリペプチド鎖にY349Cを導入することにより高めることがでる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366位で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366、L368およびY407から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366、L368およびY407から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366位で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とE357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405およびT411から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405およびT411から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349、E357、S364、L368、K370、T394、D401、F405およびT411から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とE357、K360、Q362、S364、L368、K370、T394、D401、F405およびT411から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とL351、D399、S400およびY407から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366、N390、K392、K409およびT411から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366、N390、K392、K409およびT411から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とL351、D399、S400およびY407から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とQ347、Y349、K360およびK409から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とQ347、E357、D399およびF405から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とQ347、E357、D399およびF405から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349、K360、Q347およびK409から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とK370、K392、K409およびK439から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とD356、E357およびD399から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とD356、E357およびD399から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とK370、K392、K409およびK439から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とL351、E356、T366およびD399から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349、L351、L368、K392およびK409から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349、L351、L368、K392およびK409から選択される1か所以上で異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とL351、E356、T366およびD399から選択される1か所以上で異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とS354C置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349C置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とY349C置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とS354C置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とK360EおよびK409W置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とO347R、D399VおよびF405T置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とO347R、D399VおよびF405T置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とK360EおよびK409W置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366W置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366S、T368AおよびY407V置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366S、T368AおよびY407V置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT366W置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT350V、L351Y、F405AおよびY407V置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT350V、T366L、K392LおよびT394W置換により異なる。
ある実施態様において、抗体定常領域の一方のポリペプチド鎖のアミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT350V、T366L、K392LおよびT394W置換により異なり、抗体定常領域の他方のポリペプチド鎖アミノ酸配列はIgG1定常領域のアミノ酸配列とT350V、L351Y、F405AおよびY407V置換により異なる。
タンパク質の製造および/または保存中、N末端グルタミン酸(E)またはグルタミン(Q)が環化してラクタムを形成し得ることを、当業者は認識する(例えば、自発的にまたは製造および/または保存中存在する酵素による触媒により)。従って、ある実施態様において、ポリペプチドのアミノ酸配列のN末端残基がEまたはQであるとき、ピログルタミン酸に置換されたEまたはQに対応するアミノ酸配列もここで考慮される。
タンパク質の製造および/または保存中、タンパク質のC末端リシン(K)が除去され得ることを、当業者は認識する(例えば、自発的にまたは製造および/または保存中存在する酵素による触媒により)。このようなKの除去は、C末端にFcドメインを含むタンパク質でしばしば観察される。従って、ある実施態様において、ポリペプチドのアミノ酸配列のC末端残基(例えば、Fcドメイン配列)がKであるとき、除去されたKに対応するアミノ酸配列もここで考慮される。
エフェクター機能を低減するための変異
ある態様において、本発明は、(a)第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを含む第一ポリペプチド;および(b)第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、ここで、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含み、そして、ここで多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットは互いに結合しているものを提供する。ある実施態様において、Fcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含むここに開示するヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、エフェクター機能を低減するFc変異がないその対応物より、腫瘍増殖阻害活性が高い。ここで意図される変異はアミノ酸残基の置換、挿入および欠失を含む。ここに開示するFcドメインまたはヒンジ領域における全アミノ酸位置は、EUナンバリングに従い番号付けされる。
ある実施態様において、第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドは、Fcドメインポリペプチドが抗体依存性細胞傷害(ADCC)および/または抗体依存性細胞食作用(ADCP)を誘導する能力を低減させる、1以上の変異を含む。ADCCおよびADCPは、一般にFc受容体が介在する。例えば、ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、ヒトIgG(例えば、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3またはヒトIgG4)抗体配列である。Fcガンマ受容体(FcγR)とも称するヒトIgGのFc受容体は、活性化Fcガンマ受容体FcγRI(CD64)、FcγRIIA(CD32A)、FcγRIIIA(CD16またはCD16A)およびFcγRIIIB(CD16B)および阻害性Fcガンマ受容体FcγRIIB(CD32B)を含むが、これらに限定されない。従って、ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにおける活性化FcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIIAまたはFcγRIIIB)への結合を低減する1以上の変異を含む。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにおける阻害性FcγR(例えば、FcγRIIB)への結合を増加させる1以上の変異を含む。
活性化FcγRへの結合を低減するおよび/または阻害性FcγRへの結合を増加させるFc変異は当分野で知られる。例えば、ヒンジおよびFc領域内で、CD16結合はヒンジ領域およびCH2ドメインが介在する。例えば、ヒトIgG1内で、CD16との相互作用は、主にCH2ドメインのアミノ酸残基Asp265-Glu269、Asn297-Thr299、Ala327-Ile332、Leu234-Ser239および炭水化物残基N-アセチル-D-グルコサミンに集約される(Sondermann et al, Nature, 406 (6793):267-273参照)。既知ドメインに基づき、変異を、ファージディスプレイライブラリーまたは酵母表面提示cDNAライブラリーを使用するなどにより、CD16への結合親和性を増強または低減するように選択できまたは相互作用の既知三次元構造に基づき設計し得る。
Want et al., Protein Cell (2018) 9(1):63-73にレビューされるとおり、アミノ酸位置232~239、265~270、296~299および325~332を含む領域は、ヒトIgG1 Fcの結晶構造によると活性化FcγR結合に関与する。Wang et al.はまたヒトIgG4のL235EおよびF234A/L235A変異、ヒトIgG1のL234A/L235A変異およびIgG抗体のN297変異(例えば、N297A、N297Q、N297GまたはN297D)が活性化FcγR結合を低減することも開示する。米国特許8,969,526に開示されるとおり、329位の変異(例えば、P329A、P329GまたはP329R)も活性化FcγR結合を低減する。活性化FcγR結合に関与するさらなるアミノ酸位置および変異(例えば、E233P変異)は、米国特許7,943,743およびIsaacs et al., J. Immunol. (1998) 161:3862-69に開示される。
従って、ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、233、234、235、297および329から選択される1か所以上に変異(例えば、野生型ヒトIgG1に比して置換)を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異E233P;L234A(ヒトIgG1)またはF234A(ヒトIgG4);L235AまたはL235E;N297A、N297Q、N297GまたはN297D;および/またはP329A、P329GまたはP329Rを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異L234AおよびL235Aを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異L234A、L235AおよびP329Aを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異L235Eを含むヒトIgG4抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異L235EおよびP329Aを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。
ある実施態様において、第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドは、Fcドメインポリペプチドが補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導する能力を低減させる1以上の変異を含む。CDCは、一般に補体成分(例えば、C1q)が介在する。従って、ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドに補体成分(例えば、C1q)への結合を低減する1以上の変異を含む。
C1qへの結合を低減するFc変異は当分野で知られる。例えば、米国特許5,648,260および5,624,821に開示するとおり、Fcの234位、235位、236位、237位、297位、318位、320位および322位のアミノ酸残基はC1q結合に関与する。Tao et al., J. Exp. Med. (1993) 178:661-667およびBrekke et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24:2542-47に開示されるとおり、331位の残基ProはC1q結合に関与する。Idusogie et al., J. Immunol. (2000) 164:4178-84に開示のとおり、Fcの270位(例えば、D270A)、322位(K322A)、329位(例えば、P329A)および331位(例えば、P331A、P331SまたはP331G)の変異はC1q結合を低減させる。
従って、ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、234、235、236、237、270、297、318、320、322、329および331から選択される1か所以上に変異(例えば、野生型ヒトIgG1に比して置換)を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異G237A、A330S、P331Sおよび/またはP329Aを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異G237A、A330SおよびP331Sを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは、変異P329Aを含むヒトIgG1抗体Fcドメインポリペプチドである。
ADCCおよび/またはADCPを低減する変異およびCDCを低減する変異を組み合わせ得る。ある実施態様において、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはFcドメインポリペプチドがADCCおよび/またはADCPを誘導する能力を低減させる1以上の変異を含み、さらにFcドメインポリペプチドがCDCを誘導する能力を低減させる1以上の変異を含む。ある実施態様において、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々FcドメインポリペプチドがADCCおよび/またはADCPを誘導する能力を低減させる1以上の変異を含み、さらにFcドメインポリペプチドがCDCを誘導する能力を低減させる1以上の変異を含む。
ある実施態様において、IgG4 Fcを有する本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIAまたはFcγRIIIB)または補体成分(例えば、C1q)への結合を低減する1以上の変異を含む。このような変異は、エフェクター機能の低減に有用である。例えば、本開示のタンパク質は、SPLE(S228PおよびL235E)変異、SPLEPA(S228P、L235EおよびP329A)変異またはSPLEPG(S228P、L235EおよびP329G)変異を含み得る。
ある実施態様において、IgG1 Fcを有する本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第一および/または第二ポリペプチドにFcγR(例えば、FcγRI、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIIAまたはFcγRIIIB)または補体成分(例えば、C1q)への結合を低減する1以上の変異を含む。このような変異は、エフェクター機能の低減に有用である。例えば、本開示のタンパク質は、LALA(L234AおよびL235A)変異、LALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異、LALAPG(L234A、L235AおよびP329G)変異またはLALEGAASPS(L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331S)変異を含み得る。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、各々変異P329GまたはP329Aを含む第一抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体IgG4またはIgG1 Fcドメインポリペプチドを含む。
ある実施態様において、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドは、各々A330SおよびP331Sから選択される変異を含む。
ある実施態様において、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチド各々変異A330SおよびP331Sを含む。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の第一ポリペプチドにおいて、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットは、第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の第二ポリペプチドにおいて、多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットは、第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合されている。このような用途に適するリンカーのアミノ酸配列は、表題「IgG4構築物」および「IgG1構築物」下に記載される。第一および/または第二ポリペプチドに使用するのに適するさらなるリンカー配列は、野生型IgG(例えば、ヒトIgG1、ヒトIgG2、ヒトIgG3またはヒトIgG4)ヒンジ配列およびその変異体形態を含むが、これらに限定されない。例えば、ある実施態様において、第一および第二リンカーは各々アミノ酸配列ESKYGPPCPPCPAPEFXGG(ここで、XはLまたはEである)(配列番号280)またはSKYGPPCPPCPAPEFXGG(ここで、XはLまたはEである)(配列番号281)を含む。ある実施態様において、第一および第二リンカーは各々アミノ酸配列ESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号282)またはSKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号283)を含む。ある実施態様において、第一および第二リンカーは各々アミノ酸配列ESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号284)またはSKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号285)を含む。
血清半減期
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、治療使用に適する薬物動態性質を有する。例えば、ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は少なくとも約50時間の血清半減期を有する。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は少なくとも約100時間の血清半減期を有する。
ある実施態様において、対象への静脈内投与50時間後、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の血清濃度は、該対象に投与1時間後の本発明のタンパク質の血清濃度の少なくとも10%である。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、Fcドメインポリペプチドに融合していない多サブユニットタンパク質より少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%長い血清半減期を有する。ある実施態様において、本発明の多サブユニットタンパク質のタンパク質配列を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、Fcドメインポリペプチドに融合していない多サブユニットタンパク質より少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍または20倍長い血清半減期を有する。
腫瘍保持
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、所望により腫瘍部位でのタンパク質保持を増強するためのさらなる特性が取り込まれ得る。例えば、本発明のある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインおよび/またはヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、腫瘍(例えば、腫瘍細胞表面上、腫瘍の細胞周囲マトリクスまたは腫瘍の細胞外マトリクス)に存在する1以上のプロテオグリカン(例えば、当分野で知られるプロテオグリカン、例えば、Lozzo et al., Matrix Bio (2015) 42:11-55;およびNikitovic et al., Frontiers in Endocrinology (2018) 9:69に開示のとおり)に結合するプロテオグリカン結合をさらに含み得る。ある実施態様において、コラーゲン結合ドメインは、腫瘍(例えば、腫瘍細胞表面上、腫瘍の細胞周囲マトリクスまたは腫瘍の細胞外マトリクス)に存在する1以上のコラーゲンに結合する。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、腫瘍に存在する1以上のヒアルロン酸に結合するヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む。このようなヘテロ二量体Fc融合タンパク質は腫瘍での保持が増強され、低用量および/または頻度で対象に腫瘍内投与され得る。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に含まれるプロテオグリカン結合ドメインは、腫瘍(例えば、腫瘍細胞表面上、腫瘍の細胞周囲マトリクスまたは腫瘍の細胞外マトリクス)に特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に含まれるコラーゲン結合ドメインは、腫瘍(例えば、腫瘍細胞表面上、腫瘍の細胞周囲マトリクスまたは腫瘍の細胞外マトリクス)に特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する。このようなヘテロ二量体Fc融合タンパク質は投与(例えば、静脈内、皮下または肺投与)後腫瘍に濃縮され、腫瘍保持が増強され、それにより低用量および/または頻度での投与が可能となり得る。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、シンデカン、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン4(CSPG4)、ベータグリカン、ホスファカン、グリピカン、ペルレカン、アグリン、コラーゲン(例えば、コラーゲンIX、IXI、XVまたはXVIII)、ヒアレクタン、アグリカン、ベルシカン、ニューロカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合するプロテオグリカン結合ドメインをさらに含む。癌に関与するプロテオグリカンは、コラーゲン、シンデカン(例えば、シンデカン-1またはシンデカン-2)、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン(例えば、グリピカン-1またはグリピカン-3)、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよびSLPR(例えば、デコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカン)を含むが、これらに限定されない。従って、ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に含まれるプロテオグリカン結合ドメインは、シンデカン(例えば、シンデカン-1またはシンデカン-2)、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン(例えば、グリピカン-1またはグリピカン-3)、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよびSLPRから選択される1以上のプロテオグリカンに結合する。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に含まれるプロテオグリカン結合ドメインは、デコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される1以上のSLPRに結合する。
ヘテロ二量体Fc融合タンパク質に含まれるプロテオグリカン結合ドメインは、タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)、ペプチド(例えば、プロテオグリカン結合タンパク質の一部またはそのバリアント)、アプタマー、小分子またはそれらの組み合わせであり得る。プロテオグリカン結合ドメインは文献においても知られる。例えば、シンデカン結合ドメインは、米国特許6,566,489、8,647,828および10,124,038;米国特許出願公開2009/0297479;およびPCT特許出願公開WO2018199176A1に開示される。CSPG4結合ドメインは、米国特許9,801,928および10,093,745;および米国特許出願公開2016/0032007、2017/0342151および2018/0072811に開示される。β-グリカン結合ドメインは、米国特許7,455,839に開示される。グリピカン結合ドメインは、米国特許7,919,086、7,776,329、8,680,247、8,388,937、9,260,492、9,394,364、9,790,267、9,522,940および9,409,994;米国特許出願公開2004/0236080、2011/0123998、2018/0244805、2018/0230230および2018/0346592;欧州特許2270509;およびPCT特許出願公開WO2017053619A1、WO2018026533A1、WO2018165344A1およびWO2018199318A1に開示される。ペルレカン結合ドメインは、米国特許10,166,304に開示される。デコリン結合ドメインは、米国特許6,517,838およびPCT特許出願公開WO2000021989A1、WO2000077041A2およびWO2000078800A2に開示される。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、コラーゲン結合ドメインをさらに含む。コラーゲンは、脊椎動物で少なくとも28の異なるタイプが同定されている、タンパク質群である。各タイプのコラーゲンは、Fang et al., Tumor Biol. (2014) 35:2871-82およびXiong et al., J. Cancer Metasta. Treat. (2016) 2:357-64に記載のとおり、その特有の構造的特徴および分布パターンを有する。Col3A1、Col5A2、Col6、Col7A1、Col15A1 Col19A1およびCol22A1を含むが、これらに現地絵されない種々のタイプのコラーゲンが癌に関与する。コラーゲン結合ドメインはタンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)、ペプチド(例えば、コラーゲン結合タンパク質の一部またはそのバリアント)、アプタマー、小分子またはそれらの組み合わせであり得る。コラーゲン結合ドメインは当分野で知られ、例えば、米国特許5,788,966、5,587,360、5,851,794、5,741,670、5,849,701、6,288,214、6,387,663、6,908,994、7,169,902、7,488,792、7,820,401、8,956,612、8,642,728および8,906,649および米国特許出願公開2007/0161062、2009/0142345および2012/0100106に開示される。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、ヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む。ヒアルロン酸結合ドメインは、タンパク質(例えば、抗体またはその抗原結合フラグメント)、ペプチド(例えば、ヒアルロン酸結合タンパク質の一部またはそのバリアント)、アプタマー、小分子またはそれらの組み合わせであり得る。ヒアルロン酸結合ドメインは当分野で知られ、例えば、米国特許6,864,235、8,192,744、8,044,022、8,163,498、8,034,630、9,217,016、9,795,686および9,751,919および米国特許出願公開2002/0055488および2007/0259380に開示される。
プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインおよび/またはヒアルロン酸結合ドメインは、存在するならば、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質のどの位置にでもよい。例えば、ある実施態様において、IL-12サブユニットが抗体Fcドメインポリペプチドに対してN末端に位置するとき、ここに開示するプロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインおよび/またはヒアルロン酸結合ドメインは第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端および/または第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に融合し得る。ある実施態様において、IL-12サブユニットが抗体Fcドメインポリペプチドに対してC末端に位置するとき、ここに開示するプロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインおよび/またはヒアルロン酸結合ドメインは第一抗体FcドメインポリペプチドのN末端および/または第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に融合し得る。
プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインおよび/またはヒアルロン酸結合ドメインは、存在するならば、リンカーを介してヘテロ二量体Fc融合タンパク質の残りに結合し得る。ある実施態様において、プロテオグリカン結合ドメインは、ペプチドリンカーを介してヘテロ二量体Fc融合タンパク質の残りに融合する。ある実施態様において、ペプチドリンカーは、ここに開示するスペーサーペプチドを含む。
II. 製造方法
本発明のタンパク質は、当業者に周知の組み換えDNAテクノロジーを使用して製造し得る。例えば、第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニット配列を含む第一ポリペプチドをコードする第一核酸配列を第一発現ベクターにクローン化し得る;第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットの第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチドをコードする第二核酸配列を第二発現ベクターにクローン化し得る;そして第一および第二発現ベクターを、一緒に宿主細胞に安定にトランスフェクトして、多量体タンパク質を産生し得る。
最高タンパク質収率を達成するために、種々の比の第一および第二発現ベクターを探索して、宿主細胞へのトランスフェクションのための最適比を決定し得る。トランスフェクション後、単一クローンを、限界希釈、ELISA、FACS、顕微鏡検査またはClonepixなどの当分野で知られる方法を使用する、細胞銀行作製のために単離し得る。
クローンを、本発明のタンパク質のバイオリアクター規模拡大および発現維持に適する条件下、培養し得る。タンパク質を、遠心分離、デプス濾過、細胞溶解、均質化、凍結・解凍、親和性精製、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィーおよび混合モードクロマトグラフィーを含む当分野で知られる方法を使用して、単離および精製できる。
III. 医薬組成物
本発明はまた、有効量のここに記載するタンパク質を含む医薬組成物に関する。組成物は、多様な薬物送達系で使用するために製剤化され得る。1以上の生理学的に許容される添加物または担体も適切な製剤のために組成物に包含させ得る。本発明で使用するのに適する製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, Pa., 17th ed., 1985に見られ得る。薬物送達のための方法の総説として、例えば、Langer (Science 249:1527-1533, 1990)を参照のこと。
本発明の静脈内薬物送達製剤は、バッグ、ペンまたはシリンジに含まれ得る。ある実施態様において、バッグを、チューブおよび/または針を含む流路に接続し得る。ある実施態様において、製剤は凍結乾燥製剤または液体製剤であり得る。ある実施態様において、製剤は、フリーズドライ(凍結乾燥)され、約12~60バイアルに含まれ得る。ある実施態様において、製剤はフリーズドライされてよく、45mgのフリーズドライ製剤が1バイアルに含まれ得る。ある実施態様において、約40mg~約100mgのフリーズドライ製剤が1バイアルに含まれ得る。ある実施態様において、12、27または45バイアルからのフリーズドライ製剤を合わせて、静脈内薬物製剤の治療用量のタンパク質を得る。ある実施態様において、製剤は液体製剤であり、約250mg/バイアル~約1000mg/バイアルで保存し得る。ある実施態様において、製剤は液体製剤であり、約600mg/バイアルとして保存し得る。ある実施態様において、製剤は液体製剤であり、約250mg/バイアルとして保存し得る。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、製剤を形成する緩衝化溶液中に、有効量のタンパク質を含む液体水性医薬製剤として含まれる。
これら組成物は慣用の滅菌技術により滅菌できまたは滅菌濾過し得る。得られた水溶液は、そのまままたは凍結乾燥して包装され得て、凍結乾燥調製物は投与前滅菌水性担体と合わせられる。調製物のpHは、一般に3~11、より好ましくは5~9または6~8および最も好ましくは7~8、例えば7~7.5である。得られた固形の組成物を、各固定量の上記1以上の薬剤を含む、複数単回用量単位に包装し得る。固形組成物は、量に柔軟性をもたせるための容器にも包装できる。
ある実施態様において、本発明は、マンニトール、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物、リン酸二水素ナトリウム二水和物、塩化ナトリウム、ポリソルベート80、水および水酸化ナトリウムと組み合わせて本開示のヘテロ二量体Fc融合タンパク質を含む、長い有効期間を有する製剤を提供する。
ある実施態様において、pH緩衝化溶液中に本開示のヘテロ二量体Fc融合タンパク質を含む水性製剤が調製される。本発明の緩衝液は約4~約8、例えば、約4.5~約6.0または約4.8~約5.5の範囲のpHを有するかまた約5.0~約5.2のpHを有し得る。上記pHの範囲の中間のpHも本発明の一部であることが意図される。例えば、上限および/または下限として上に記載した何らかの値の組み合わせを使用する値の範囲が包含されることが意図される。pHをこの範囲内に制御する緩衝液の例は、酢酸(例えば、酢酸ナトリウム)、コハク酸(例えばコハク酸ナトリウム)、グルコン酸、ヒスチジン、クエン酸および他の有機酸緩衝液を含む。
ある実施態様において、製剤は、約4~約8の範囲にpHを維持するためのクエン酸およびリン酸を含む緩衝系を含む。ある実施態様において、pH範囲は約4.5~約6.0または約pH4.8~約5.5またはpH範囲約5.0~約5.2であり得る。ある実施態様において、緩衝系は、クエン酸一水和物、クエン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム二水和物および/またはリン酸二水素ナトリウム二水和物を含む。ある実施態様において、緩衝系は、約1.3mg/mLのクエン酸(例えば、1.305mg/mL)、約0.3mg/mLのクエン酸ナトリウム(例えば、0.305mg/mL)、約1.5mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物(例えば、1.53mg/mL)、約0.9mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物(例えば、0.86)および約6.2mg/mLの塩化ナトリウム(例えば、6.165mg/mL)を含む。ある実施態様において、緩衝系は、1~1.5mg/mLのクエン酸、0.25~0.5mg/mLのクエン酸ナトリウム、1.25~1.75mg/mLのリン酸二ナトリウム二水和物、0.7~1.1mg/mLのリン酸二水素ナトリウム二水和物および6.0~6.4mg/mLの塩化ナトリウムを含む。ある実施態様において、製剤のpHは水酸化ナトリウムで調節される。
等張化剤として作用し、抗体を安定化し得るポリオールも製剤に含有され得る。ポリオールは、製剤の所望の等張性に関連して変わり得る量で製剤に加えられる。ある実施態様において、水性製剤は等張であり得る。加えられるポリオールの量は、ポリオールの分子量によっても変わり得る。例えば、二糖(例えばトレハロース)と比較して、加えられる単糖(例えば、マンニトール)の量は少なくてよい。ある実施態様において、製剤で等張化剤として使用され得るポリオールはマンニトールである。ある実施態様において、マンニトール濃度は約5~約20mg/mLであり得る。ある実施態様において、マンニトール濃度は約7.5~15mg/mLであり得る。ある実施態様において、マンニトール濃度は約10~14mg/mLであり得る。ある実施態様において、マンニトール濃度は約12mg/mLであり得る。ある実施態様において、ポリオールソルビトールが製剤に含まれ得る。
界面活性剤または界面活性物質も製剤に加え得る。例示的界面活性剤は、ポリソルベート(例えば、ポリソルベート20、80など)またはポロキサマー(例えば、ポロキサマー188)などの非イオン性界面活性剤を含む。加える界面活性剤の量は、製剤化された抗体の凝集を低減するおよび/または製剤における粒子形成を最小化するおよび/または吸着を低減するものである。ある実施態様において、製剤は、ポリソルベートである界面活性物質を含み得る。ある実施態様において、製剤は、界面活性剤ポリソルベート80またはTween 80を含み得る。Tween 80は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを表すために使用される名称である(Fiedler, Lexikon der Hifsstoffe, Editio Cantor Verlag Aulendorf, 4th ed., 1996参照)。ある実施態様において、製剤は、約0.1mg/mL~約10mg/mLのポリソルベート80または約0.5mg/mL~約5mg/mLを含み得る。ある実施態様において、約0.1%ポリソルベート80を製剤に加え得る。
ある実施態様において、本発明のタンパク質製品は液体製剤として製剤化される。液体製剤は、ゴム栓を施し、アルミニウムクリンプシールで封したUSPまたはPh EurタイプI 50Rバイアルに10mg/mL濃度で存在し得る。栓はUSPおよびPh Eurに適合するエラストマー製である。ある実施態様において、60mLの抽出可能体積を可能とするような、バイアルに61.2mLのタンパク質製品溶液を入れる。ある実施態様において、液体製剤を0.9%食塩水溶液で希釈し得る。
ある実施態様において、本発明の液体製剤を、安定化レベルの糖と組み合わせて、10mg/mL濃度溶液として調製し得る。ある実施態様において、液体製剤を水性担体中に調製し得る。ある実施態様において、安定化剤を、静脈内投与に望ましくないまたは不適切な粘性をもたらし得る量を超えない量で加え得る。ある実施態様において、糖は二糖、例えば、スクロースであり得る。ある実施態様において、液体製剤は緩衝剤、界面活性物質および防腐剤の1以上も含み得る。
ある実施態様において、液体製剤のpHを、薬学的に許容される酸および/または塩基の添加により調節し得る。ある実施態様において、薬学的に許容される酸は塩酸であり得る。ある実施態様において、塩基は水酸化ナトリウムであり得る。
凝集に加えて、発酵、収集/細胞浄化、精製、薬物物質/薬物製品保存中およびサンプル分析中に起こり得る脱アミド化は、ペプチドおよびタンパク質の一般的製品変性である。脱アミド化は、加水分解を受けるスクシンイミド中間体を形成する、タンパク質からのNHの喪失である。スクシンイミド中間体は、親ペプチドから17ダルトン質量減少させる。続く加水分解は、18ダルトン質量増加させる。スクシンイミド中間体の単離は、水性条件下での不安定性により困難である。従って、脱アミド化は、一般に1ダルトン質量増加として検出可能である。アスパラギンの脱アミド化は、アスパラギンまたはイソアスパラギン酸をもたらす。脱アミド化の速度に影響するパラメータは、pH、温度、溶媒誘電率定数、イオン強度、一次配列、局所ポリペプチド立体構造および三次元構造を含む。ペプチド鎖でAsnに隣接するアミノ酸残基は脱アミド化速度に影響する。タンパク質配列でAsn後のGlyおよびSerは、脱アミド化に対する高い感受性をもたらす。
ある実施態様において、本発明の液体製剤を、タンパク質製品の脱アミノ化を防止するpHおよび湿度条件下に保存し得る。
ここで興味ある水性担体は、薬学的に許容され(ヒトへの投与に安全かつ非毒性)、液体製剤の製造に有用なものである。例示的担体は、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化食塩水)、無菌食塩水溶液、リンゲル液またはデキストロース溶液を含む。
防腐剤を、細菌活動を低減するために、所望によりここでの製剤に加え得る。防腐剤の添加は、例えば、多回使用(多回用量)製剤の製造を容易にし得る。
静脈内(IV)製剤は、患者が移植後入院して、全薬物をIV経路により受けるときなど、特定の場合好ましい投与経路であり得る。ある実施態様において、液体製剤を投与前0.9%塩化ナトリウム溶液で希釈する。ある実施態様において、注射用希釈済薬物製品は等張であり、静脈内点滴での投与に適する。
ある実施態様において、塩または緩衝液成分を、10mM~200mMの量で加え得る。塩および/または緩衝液は薬学的に許容され、種々の既知酸(無機および有機)と「塩基形成」金属またはアミンに由来する。ある実施態様において、緩衝液はリン酸緩衝液であり得る。ある実施態様において、緩衝液は、グリシン酸、炭酸、クエン酸緩衝液であってよく、この場合、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムイオンがカウンターイオンとして役立ち得る。
防腐剤を、細菌活動を抑制するために、所望によりここでの製剤に加え得る。防腐剤の添加は、例えば、多回使用(多回用量)製剤の製造を容易にし得る。
ここで興味ある水性担体は、薬学的に許容され(ヒトへの投与に安全かつ非毒性)、液体製剤の製造に有用なものである。例示的担体は、注射用滅菌水(SWFI)、注射用静菌水(BWFI)、pH緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化食塩水)、無菌食塩水溶液、リンゲル液またはデキストロース溶液を含む。
本開示のタンパク質は、タンパク質および凍結保護物質を含む凍結乾燥製剤で存在し得る。凍結保護物質は糖、例えば、二糖であり得る。ある実施態様において、凍結保護物質はスクロースまたはマルトースであり得る。凍結乾燥製剤はまた緩衝剤、界面活性物質、増量剤および/または防腐剤の1以上も含み得る。
凍結乾燥薬物製品の安定に有用なスクロースまたはマルトースの量は、重量比で少なくとも1:2 タンパク質:スクロースまたはマルトースであり得る。ある実施態様において、タンパク質:スクロースまたはマルトース重量比は1:2~1:5であり得る。
ある実施態様において、製剤のpHは、凍結乾燥前、薬学的に許容される酸および/または塩基の添加により調節され得る。ある実施態様において、薬学的に許容される酸は塩酸であり得る。ある実施態様において、薬学的に許容される塩基は水酸化ナトリウムであり得る。
凍結乾燥前、本開示のタンパク質を含む溶液のpHを、6~8に調節し得る。ある実施態様において、凍結乾燥薬物製品のpH範囲は7~8であり得る。
ある実施態様において、塩または緩衝液成分を10mM~200mMの量で加え得る。塩および/または緩衝液は薬学的に許容され、種々の既知酸(無機および有機)と「塩基形成」金属またはアミンに由来する。ある実施態様において、緩衝液はリン酸緩衝液であり得る。ある実施態様において、緩衝液は、グリシン酸、炭酸、クエン酸緩衝液であってよく、この場合、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムイオンがカウンターイオンとして役立ち得る。
ある実施態様において、「増量剤」を加え得る。「増量剤」は、凍結乾燥混合物の量を増やし、凍結乾燥ケーキの物理的形態維持に貢献する化合物である(例えば、開孔構造を維持する本質的に均一な凍結乾燥ケーキの製造を促進)。例示的増量剤は、マンニトール、グリシン、ポリエチレングリコールおよびソルビトールを含む。本発明の凍結乾燥製剤はこのような増量剤を含み得る。
防腐剤を、細菌活動を低減するために、所望によりここでの製剤に加え得る。防腐剤の添加は、例えば、多回使用(多回用量)製剤の製造を容易にし得る。
ある実施態様において、凍結乾燥薬物製品を水性担体で構成し得る。ここで矯味ある水性担体は、薬学的に許容され(例えば、ヒトへの投与に安全かつ非毒性)、凍結乾燥後、液体製剤の製造に有用なものである。例示的希釈剤は、SWFI、BWFI、pH緩衝化溶液(例えば、リン酸緩衝化食塩水)、無菌食塩水溶液、リンゲル液またはデキストロース溶液を含む。
ある実施態様において、本発明の凍結乾燥薬物製品を、米国局方SWFI、または米国局方0.9%塩化ナトリウム注射で再構成される。再構成中、凍結乾燥粉末は溶液に溶解する。
ある実施態様において、本発明の凍結乾燥タンパク質製品を、約4.5mL注射用水で構成し、0.9%食塩水溶液(塩化ナトリウム溶液)で希釈する。
本発明の医薬組成物における活性成分の実際の投与量レベルは、患者に毒性とならずに、特定の患者、組成物および投与方法で所望の治療応答を達成するのに有効である活性成分の量を得るために、変わり得る。
特定の用量は、各患者に対して均一な用量、例えば、50~5000mgのタンパク質であり得る。あるいは、患者の用量を、患者のおおよその体重または表面積に対して適合化させ得る。適切な投与量を決定する他の因子は、処置または予防する疾患または状態、疾患重症度、投与経路および患者の年齢、性別および医学的条件を含み得る。処置のための適切な投与量の決定に必要な計算のさらなる微調整は、特にここに開示する投与量情報およびアッセイに鑑みて、当業者により容易になされる。投与量はまた適切な用量-応答データと共に使用する投与量を決定する既知アッセイの使用を介しても、決定され得る。個々の患者の投与量を、疾患進行の追跡により調節し得る。患者の標的化可能構築物または複合体の血中レベルを測定して、有効濃度に到達または維持するために投与量の調節が必要であるか確認できる。遺伝薬物学を使用して、どの標的化可能構築物および/または複合体およびその投与量が、ある個体に有効である可能性が最も高いか決定し得る(Schmitz et al., Clinica Chimica Acta 308: 43-53, 2001; Steimer et al., Clinica Chimica Acta 308: 33-41, 2001)。
一般に、体重に基づく投与量は約0.01μg~約100mg/kg体重、例えば約0.01μg~約100mg/kg体重、約0.01μg~約50mg/kg体重、約0.01μg~約10mg/kg体重、約0.01μg~約1mg/kg体重、約0.01μg~約100μg/kg体重、約0.01μg~約50μg/kg体重、約0.01μg~約10μg/kg体重、約0.01μg~約1μg/kg体重、約0.01μg~約0.1μg/kg体重、約0.1μg~約100mg/kg体重、約0.1μg~約50mg/kg体重、約0.1μg~約10mg/kg体重、約0.1μg~約1mg/kg体重、約0.1μg~約100μg/kg体重、約0.1μg~約10μg/kg体重、約0.1μg~約1μg/kg体重、約1μg~約100mg/kg体重、約1μg~約50mg/kg体重、約1μg~約10mg/kg体重、約1μg~約1mg/kg体重、約1μg~約100μg/kg体重、約1μg~約50μg/kg体重、約1μg~約10μg/kg体重、約10μg~約100mg/kg体重、約10μg~約50mg/kg体重、約10μg~約10mg/kg体重、約10μg~約1mg/kg体重、約10μg~約100μg/kg体重、約10μg~約50μg/kg体重、約50μg~約100mg/kg体重、約50μg~約50mg/kg体重、約50μg~約10mg/kg体重、約50μg~約1mg/kg体重、約50μg~約100μg/kg体重、約100μg~約100mg/kg体重、約100μg~約50mg/kg体重、約100μg~約10mg/kg体重、約100μg~約1mg/kg体重、約1mg~約100mg/kg体重、約1mg~約50mg/kg体重、約1mg~約10mg/kg体重、約10mg~約100mg/kg体重、約10mg~約50mg/kg体重、約50mg~約100mg/kg体重である。
用量を、1日1回またはそれ以上、毎週、毎月または毎年または2~20年に1回投与し得る。当業者は、体液または組織における標的化可能構築物または複合体の測定された滞在時間および濃度に基づき、投与の反復割合を容易に推定できる。本発明の投与は、カテーテルを通すかん流または直接病巣内注射による、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、髄腔内、腔内であり得る。1日1回以上、週1回以上、月1回以上および年1回以上投与され得る。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)は腫瘍内投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、腫瘍内に、全身性より少ない用量または頻度で投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、局所麻酔投与後腫瘍内投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、直接腫瘍塊触診下、腫瘍内投与される。
IV. 治療適用
本発明は、ここに記載するヘテロ二量体Fc融合結合タンパク質および/またはここに記載する医薬組成物を使用する、癌の処置方法を提供する。方法を、それを必要とする患者に有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質を投与することにより、多様な癌の処置に使用し得る。ある実施態様において、ここに開示する方法により処置される癌は、局所進行悪性腫瘍である。ある実施態様において、局所進行悪性腫瘍は完全に切除され得る。ある実施態様において、局所進行悪性腫瘍は完全に切除されて、本発明の処置が切除に続いて提供される。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)は単剤療法として進行悪性腫処置に使用される。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、重度感染症の能動的免疫療法のアジュバントとして使用する。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、予防ワクチン接種のアジュバントとして使用する。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、放射線療法後骨髄抑制の処置に使用する。
本発明はまた造血毒性を低減する方法を提供する。造血毒性は、遺伝的、感染性または放射線および化学療法を含むが、これらに限定されない環境原因に起因し得る。例えば、ある実施態様において、本発明は、照射(例えば、イオン化照射、アルファ照射、ベータ照射、ガンマ照射、X照射または中性子照射)と関連する疾患または障害を処置する方法を提供する。例えば、ある実施態様において、本発明は、放射線療法後の骨髄抑制を抑制する方法でわって、それを必要とする患者に有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または製剤を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、放射線療法線量は少なくとも1Gy、5Gy、10Gy、15Gyまたは20Gyである。ある実施態様において、照射治療は、骨髄、リンパ性系、免疫系、粘膜組織、粘膜免疫系、消化器系、心血管系、神経系、生殖臓器、前立腺、卵巣、肺、腎臓、皮膚および脳からなる群から選択される系、臓器または組織を損傷させる。ある実施態様において、本発明の方法は損傷を低減する。
ここに提供される方法は、照射に起因する骨髄抑制の処置に有用である。従って、ある実施態様において、本発明は、照射への偶発的被爆の状況下で起こる骨髄抑制を処置する方法であって、それを必要とする患者に治療有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または製剤を投与することを含む、方法を提供する。
ある実施態様において、本発明は、急性放射線症候群(ARS)を処置する方法であって、それを必要とする患者に有効量のここに記載するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または製剤を投与することを含む、方法を提供する。ARSは、造血放射線症候群、消化器放射線症候群、神経血管放射線症候群および皮膚放射線症候群を含むが、これらに限定されない。例えば、造血放射線症候群は、少なくとも一部、造血幹細胞プールの枯渇に起因し、リンパ球減少症および顆粒球減少症の徴候を示す。消化器症候群は、少なくとも一部、陰窩に位置する幹細胞および前駆細胞が損傷し、絨毛表面の細胞が置き換われないことに起因し、水様下痢、脱水、電解質喪失、消化器出血および穿孔の徴候を示す。ある実施態様において、ここに提供される処置方法は、ARSの前駆期に実施される。前駆期は、一般に照射被爆後1~3日以内の、悪心、嘔吐、摂食障害、発熱、頭痛および/または早期皮膚紅斑の症状により特徴づけられる、急性疾病の初期相である。ある実施態様において、ここに提供される処置方法を、ARSの潜伏期に実施する。潜伏期は、症状は改善するが、リンパ球減少症および顆粒球減少症の検査値を示し、被爆線量により数時間~数週間継続し得る相である。前駆期または潜伏期の処置は、罹患系、臓器および/または組織の症候群の発症を和らげ得る。ある実施態様において、ここに提供される処置方法を、ARSの疾病顕在期に実施する。この相における処置は、なおARSからの回復を促進し得る。
本発明はまた免疫細胞の生存、増殖、分化および/または活性を増加させる方法であって、免疫細胞とここに開示するヘテロ二量体Fc融合タンパク質または製剤を接触させることを含む、方法も提供する。ある実施態様において、免疫細胞はT細胞(例えば、CD4 T細胞)である。ある実施態様において、免疫細胞はNK細胞である。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)は、癌と診断された対象の処置に使用される。ある実施態様において、癌は膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、白血病、肺癌、リンパ腫、中皮腫、黒色腫、骨髄腫、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓細胞癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、脳癌、肉腫、神経芽腫または頭頸部癌細胞の扁平上皮細胞癌腫を含む。ある実施態様において、癌は結腸癌である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、単剤療法として、結腸癌と診断された対象に投与する。ある実施態様において、癌は黒色腫である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、単剤療法として、黒色腫と診断された対象に投与する。ある実施態様において、癌は乳癌である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、単剤療法として、乳癌と診断された対象に投与する。
ある実施態様において、本発明は、癌を処置する方法であって、患者に単回用量のみのヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質を投与することを含む、方法を提供する。ある実施態様において、単回用量は、癌に対する完全応答の誘導に十分な量である。ある実施態様において、単回用量は、癌の再発遅延または予防に十分な量である。
ある実施態様において、本発明は、癌を処置する方法であって、患者に単回用量のみの配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質またはヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む製剤を投与することを含む、方法を提供する。
ある実施態様において、単回用量の配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含むヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質またはヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質(例えば、配列番号290および配列番号291を含む)および薬学的に許容される担体を含む製剤は、癌に対する完全応答の誘導に十分な量である。ある実施態様において、単回用量は、癌の再発遅延または予防に十分な量である。ある実施態様において、完全に処置された癌(例えば、本発明のIL-12-Fc融合タンパク質で処置後完全応答)の再発は、6カ月~72カ月またはそれ以上(例えば、6カ月、12カ月、24カ月、36カ月、48カ月、60カ月、72カ月、84カ月または96カ月)遅延または予防される。
ある実施態様において、1回またはそれ以上のヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質(例えば、配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む)により処置される癌は転移癌である。ある実施態様において、転移癌は、局所、領域性または遠位転移癌である。ある実施態様において、単回または複数回のヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質(例えば、配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む)は、原発癌の起源臓器または組織ではないおよび/または処置レジメンの直接標的ではない遠位癌をアブスコパル効果により処置する。ある実施態様において、ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質のアブスコパル効果は、照射および/または化学療法を含む処置計画の途中および/または後増強される。ある実施態様において、単回または複数回のヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質(例えば、配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む)は、例えば、患者の血清および/または腫瘍におけるIFNy、CXCL9および/またはCXCL10発現増加により決定される、全身抗腫瘍応答の誘導により、患者における癌を処置する。
V. 組み合わせ治療
本発明の他の態様は、組み合わせ治療を提供する。ここに記載する多特異的結合タンパク質を、癌を処置するためのさらなる治療剤と組み合わせで使用し得る。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、癌を有すると診断された対象を処置するために組み合わせ治療として投与する。ある実施態様において、癌は、膀胱癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、肝細胞癌、白血病、肺癌、リンパ腫、中皮腫、黒色腫、骨髄腫、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、膵臓癌、腎臓細胞癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、脳癌、肉腫、神経芽腫または頭頸部癌細胞の扁平上皮細胞癌腫である。ある実施態様において、癌は結腸癌である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、結腸癌を有すると診断された対象に組み合わせ治療として投与する。ある実施態様において、癌は黒色腫である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、黒色腫を有すると診断された対象に組み合わせ治療として投与する。ある実施態様において、癌は乳癌である。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、乳癌を有すると診断された対象に組み合わせ治療として投与する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、細胞毒性化学療法;放射線療法;CTLA-4、PD-1、PD-L1またはTGF-βなど抗腫瘍免疫応答に関与する分子を標的とする抗体;腫瘍関連抗原でADCCにより作用する抗体;所望によりPD-1またはPD-L1を標的とする抗体と組み合わせて投与される、NKG2D、CD16および腫瘍関連抗原に結合する多特異的抗体;個別化癌ワクチン;腫瘍溶解性癌ワクチン;およびPD-1またはPD-L1を標的とする抗体と組み合わせて投与される、個別化ワクチンから選択される他の治療剤と組み合わせで進行悪性腫瘍の処置に使用する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、NK標的化治療(例えば、CAR-NK治療)、抗体治療、チェックポイント阻害剤治療、さらなるサイトカイン治療、自然免疫系アゴニスト治療、化学療法、標的剤治療、放射線療法、養子NK治療、幹細胞移植(SCT)治療、アゴニスト抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療、T細胞受容体(TCR)改変治療、多特異的結合タンパク質(TriNKET)、細胞老化を誘導する薬剤およびワクチンおよび/または腫瘍溶解性ウイルス治療を含むが、これらに限定されない他の治療と組み合わせて、悪性腫瘍(例えば、進行悪性腫瘍)処置に使用する。ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、NK標的化治療(例えば、CAR-NK治療)、抗体治療、チェックポイント阻害剤治療、さらなるサイトカイン治療、自然免疫系アゴニスト治療、化学療法、標的剤治療、放射線療法、養子NK治療、幹細胞移植(SCT)治療、アゴニスト抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療、T細胞受容体(TCR)改変治療、多特異的結合タンパク質(TriNKET)、細胞老化を誘導する薬剤およびワクチンおよび/または腫瘍溶解性ウイルス治療から選択される2以上のさらなる治療と組み合わせて、悪性腫瘍(例えば、進行悪性腫瘍)の処置に使用する。
ある実施態様において、本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)を、PD-1またはPD-L1を標的とする癌ワクチンまたは抗体と組み合わせて、完全に切除され得る局所進行悪性腫瘍の処置に使用する。
本発明のタンパク質を、原発病変の外科的除去の補助剤としても使用し得る。
本発明のヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)およびさらなる治療剤の量および投与の相対的タイミングは、所望の組み合わせ治療効果を達成するように選択され得る。例えば、組み合わせ治療をこのような投与を必要とする患者に投与するとき、組み合わせ中の治療剤または治療剤を含む1以上の医薬組成物を、例えば、逐次的に、同時に、共に、一緒になど、どの順番で投与してもよい。さらに、例えば、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、さらなる治療剤が予防または治療効果を発揮しているときに投与してよくまたは逆も可能である。
ここに開示するとおり、本発明の方法は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)およびさらなる治療剤の組み合わせの共投与を含む。ここに開示するとおり、本発明の方法は、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤の組み合わせの共投与を含む。
共投与は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)およびさらなる治療剤が同時に投与される、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤が逐次的に投与されるおよびヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤の一方または両方が間欠的にまたは連続的に投与されるまたは同時、逐次的、間欠的および/または連続的の何らかの組み合わせでの方法を包含する。当業者は、間欠的投与は、間欠的がある薬剤の最初の投与、次いでまさにその薬剤のその後の投与も含むため、必ずしも連続的と同じではないことを認識する。さらに、当業者は、間欠的投与がある薬剤の最初の投与の、該第一剤が再投与される前の他剤の投与での中断を含まないため、ある実施態様において、間欠的投与は逐次的投与も含むことを理解する。さらに、当業者は、連続的投与が静脈内滴下(IV点滴)または栄養管などを含む多数の経路により達成され得ることも知っている。
さらにおよびより一般的な意味で、用語「共投与」は、対象へのヘテロ二量体Fc融合タンパク質の個々の投与とさらなる治療剤の個々の投与が何らかのタイフムレーム中に重複する任意かつ全ての方法を包含する。
対象へのヘテロ二量体Fc融合タンパク質またはさらなる治療剤の投与頻度は、当分野でQndまたはqnd(ここで、nはその薬剤の連続的投与について日数での頻度である)として知られる。例えば、Q3dは、薬剤の3日に1回の投与である。ある実施態様において、方法は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の何れか一方または両方またはそれらの組み合わせの対象へのQld、Q2d、Q3d、Q4d、Q5d、Q6d、Q7d、Q8d、Q9d、Ql0d、Q14d、Q21d、Q28d、Q30d、Q90d、Q120d、Q240dまたはQ365dでの投与を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または両方は間欠的に投与される。ある実施態様において、方法は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質またはさらなる治療剤の一方または両方の、対象への投与間に 少なくとも10分、15分、20分、30分、40分、60分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、10時間、12時間、14時間、18時間、24時間、36時間、48時間、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、3週間または4週間の遅延がある投与を含む。ある実施態様において、遅延がある投与は、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または両方またはそれらの何らかの組み合わせを、10分~約365日の一定期間連続的に投与し、その後約10分~約30日の一定期間投与しないパターンに従う。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または何らかの組み合わせを間欠的に投与し、他方を連続的に投与する。ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の組み合わせを、第二有効量のさらなる治療剤と逐次的に投与する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤は同時に投与される。ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質の組み合わせが第二有効量のさらなる治療剤と逐次的に投与される。このような実施態様において、組み合わせは「共投与」ということもでき、なぜなら本用語は対象が組み合わせの両成分に曝される任意かつ全ての方法を含むからである。しかしながら、このような実施態様は、一製剤または組成物でのみ投与される組み合わせに限定されない。ある濃度のヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤が、ある間隔でより有利に送達されることがあり、従って、第一有効量および第二有効量は、投与される製剤により異なり得る。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤は同時にまたは逐次的に投与される。ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は第二有効量のさらなる治療剤の後逐次的に投与される。ある実施態様において、第二有効量のさらなる治療剤は第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質後逐次的に投与される。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質(例えば、IL-12サブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質)およびさらなる治療剤の組み合わせは1製剤で投与される。ある実施態様において、組み合わせは、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質が第二有効量のさらなる治療剤の製剤と別の製剤で投与される、二(2)組成物で投与される。ある実施態様において、組み合わせは、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質が第二有効量のさらなる治療剤の製剤と別の製剤で投与される二(2)組成物で投与される。ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第二有効量のさらなる治療剤後逐次的に投与される。ある実施態様において、第二有効量のさらなる治療剤は、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質後逐次的に投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤が投与され、その後ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤両方が、少なくとも二十四(24)時間間欠的に投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤は、重ならない隔日スケジュールで投与される。
ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第二有効量のさらなる治療剤後4時間以降投与される。ある実施態様において、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質は、第二有効量のさらなる治療剤投与後、10分以降、15分以降、20分以降、30分以降、40分以降、60分以降、1時間以降、2時間以降、4時間以降、6時間以降、8時間以降、10時間以降、12時間以降、24時間以降、2日以降、4日以降、6日以降、8日以降、10日以降、12日以降、14日以降、21日以降または30日以降投与される。ある実施態様において、第二有効量のさらなる治療剤は、第一有効量のヘテロ二量体Fc融合タンパク質投与後、10分以降、15分以降、20分以降、30分以降、40分以降、60分以降、1時間以降、2時間以降、4時間以降、6時間以降、8時間以降、10時間以降、12時間以降、24時間以降、2日以降、4日以降、6日以降、8日以降、10日以降、12日以降、14日以降、21日以降または30日以降投与される。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または両方は、静脈内、皮下、皮膚、経口、筋肉内および腹腔内からなる群から選択される経路により投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または両方は静脈内投与される。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質および/またはさらなる治療剤の一方または両方またはそれらの何らかの組み合わせは経口投与される。
本発明の単位剤形を同一または異なる物理形態、すなわちカプセル剤または錠剤により経口および/またはIV点滴による液体などで投与できることは当業者に理解される。さらに、各投与のための単位剤形は特定の投与経路で異なり得る。いくつかの種々の剤形が、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤の組み合わせの一方または両方に存在し得る。医学的条件が違えば、異なる投与経路が必要となり得るため、ここに記載する組み合わせの同じ成分は組成および物理形態が寸分違わないものであり得るが、状態を軽減するために、なお、異なる方法でおそらく異なる時点で投与する必要があり得る。例えば、特に嘔吐を伴う持続的悪心などの状態は、経口剤形の使用を困難とし得て、そのような場合、他の単位剤形で投与する必要があり、おそらく、代わりにまたは同様に吸入、頬側、舌下または坐薬経路で、前にまたは後に使用される他の剤形と同一のものである。特定の剤形は、化学的安定性または薬物動態などの種々の因子の問題が存在し得るため、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質およびさらなる治療剤の特定の組み合わせについて必要であり得る。
NK標的化治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、NK標的化治療と組み合わせる。例えば、ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、NKp46を標的とする治療剤と共投与する。ある実施態様において、NKp46を標的とする治療剤はCD16、1以上の腫瘍関連抗原またはそれらの組み合わせにも結合する。NKp46を標的とする例示的治療剤は、引用により全ての目的のために本明細書に包含させる、米国出願US20170198038A1により詳細に記載される。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、BiKEおよびTriKE治療標的化NK細胞を含む二および三特異的キラーエンゲージャー(BiKEおよびTriKE)治療と組み合わせる。BiKEおよびTriKEは、各目的の抗体の可変領域の単一重(VH)および軽(VL)鎖から構築される。VHおよびVLドメインを、短い柔軟性のあるポリペプチドリンカーにより結合させて、解離を阻止する。BiKEおよびTriKEは、引用により全ての目的のために本明細書に包含させる、米国出願US20180282386A1およびUS20180258396A1により詳細に記載される。BiKEおよびTriKEはNK細胞に特異的な結合ドメインを含み得る。
ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、ハイリスク骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、全身性肥満細胞症または肥満細胞白血病を有することが知られるまたは疑われる対象を処置するために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、3週処置ブロックの単コースとして投与される。ある実施態様において、処置ブロックは、4連続24時間連続的点滴(約96時間)、続く72時間休薬を含む。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、5μg/kg/日、10μg/kg/日、25μg/kg/日、50μg/kg/日、100μg/kg/日または200μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも5μg/kg/日、少なくとも10μg/kg/日、少なくとも25μg/kg/日、少なくとも50μg/kg/日、少なくとも100μg/kg/日または少なくとも200μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも1μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも5μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも200μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも500μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、少なくとも1000μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、200μg/kg/日またはそれ以下の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、500μg/kg/日またはそれ以下の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、1000μg/kg/日またはそれ以下の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、1~200μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、5~200μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、1~500μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、1~1000μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、5~500μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、5~1000μg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、最大耐容量で投与される。ある実施態様において、BiKEおよびTriKE治療は、最大耐容量未満で投与される。
多特異的結合タンパク質(「TriNKET」)治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質国際公開例示的腫瘍関連抗原は、HER2、CD20、CD33、B細胞成熟抗原(BCMA)、EpCAM、CD2、CD19、CD25、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、CLL1/CLEC12A、FLT3、EGFR/ERBB1、IGF1R、HER3/ERBB3、HER4/ERBB4、MUC1、cMET、SLAMF7、PSCA、MICA、MICB、TRAILR1、TRAILR2、MAGE-A3、B7.1、B7.2、CTLA4、HLA-EおよびPD-L1を含むが、これらに限定されない。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、体重に基づく多特異的結合タンパク質の用量を含む治療と組み合わせる。例えば、体重に基づく多特異的結合タンパク質の用量は、約0.01μg~約100mg/kg体重、例えば約0.01μg~約100mg/kg体重、約0.01μg~約50mg/kg体重、約0.01μg~約10mg/kg体重、約0.01μg~約1mg/kg体重、約0.01μg~約100μg/kg体重、約0.01μg~約50μg/kg体重、約0.01μg~約10μg/kg体重、約0.01μg~約1μg/kg体重、約0.01μg~約0.1μg/kg体重、約0.1μg~約100mg/kg体重、約0.1μg~約50mg/kg体重、約0.1μg~約10mg/kg体重、約0.1μg~約1mg/kg体重、約0.1μg~約100μg/kg体重、約0.1μg~約10μg/kg体重、約0.1μg~約1μg/kg体重、約1μg~約100mg/kg体重、約1μg~約50mg/kg体重、約1μg~約10mg/kg体重、約1μg~約1mg/kg体重、約1μg~約100μg/kg体重、約1μg~約50μg/kg体重、約1μg~約10μg/kg体重、約10μg~約100mg/kg体重、約10μg~約50mg/kg体重、約10μg~約10mg/kg体重、約10μg~約1mg/kg体重、約10μg~約100μg/kg体重、約10μg~約50μg/kg体重、約50μg~約100mg/kg体重、約50μg~約50mg/kg体重、約50μg~約10mg/kg体重、約50μg~約1mg/kg体重、約50μg~約100μg/kg体重、約100μg~約100mg/kg体重、約100μg~約50mg/kg体重、約100μg~約10mg/kg体重、約100μg~約1mg/kg体重、約1mg~約100mg/kg体重、約1mg~約50mg/kg体重、約1mg~約10mg/kg体重、約10mg~約100mg/kg体重、約10mg~約50mg/kg体重、約50mg~約100mg/kg体重である。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1日1回以上、毎週、毎月または毎年または2~20年に1回投与する多特異的結合タンパク質の用量を含む治療と組み合わせる。当業者は、体液または組織中の標的化可能構築物または複合体の滞在時間および濃度の測定に基づき、投与の反復割合を容易に推定できる。多特異的結合タンパク質の投与は、カテーテルによるかん流または直接病巣内注射による、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、胸膜内、髄腔内、腔内であり得る。1日1回以上、週1回以上、月1回以上または年1回以上投与し得る。
キメラ抗原受容体(CARs)治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、CAR治療と組み合わせる。用語「キメラ抗原受容体」、あるいは「CAR」は、少なくとも細胞外抗原結合ドメイン、膜貫通ドメインおよび刺激分子由来の機能的シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメイン(ここでは「一次シグナル伝達ドメイン」とも称する)を含む、組み換えポリペプチド構築物をいう。
従って、ある実施態様において、CARは、腫瘍関連抗原に結合する細胞外抗原結合部位、膜貫通ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含む。ある実施態様において、CARは、1以上の少なくとも1つの共刺激分子由来の機能的シグナル伝達ドメイン(「共刺激シグナル伝達ドメイン」とも称する)をさらに含む。
ある実施態様において、CARは、細胞外抗原結合ドメインとして重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む腫瘍関連抗原結合ドメイン(例えば、腫瘍関連抗原結合scFvドメイン)、膜貫通ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ融合タンパク質を含む。ある実施態様において、CARは、細胞外抗原結合ドメインとして重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む腫瘍関連抗原結合ドメイン(例えば、腫瘍関連抗原結合scFvドメイン)、膜貫通ドメインおよび共刺激シグナル伝達ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ融合タンパク質を含む。ある実施態様において、CARは、細胞外抗原結合ドメインとして重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む腫瘍関連抗原結合ドメイン(例えば、腫瘍関連抗原結合scFvドメイン)、膜貫通ドメインおよび2つの共刺激シグナル伝達ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ融合タンパク質を含む。ある実施態様において、CARは、細胞外抗原結合ドメインとして重鎖可変ドメインおよび軽鎖可変ドメインを含む腫瘍関連抗原結合ドメイン、膜貫通ドメインおよび少なくとも2つの共刺激シグナル伝達ドメインおよび一次シグナル伝達ドメインを含む細胞内シグナル伝達ドメインを含むキメラ融合タンパク質を含む。
膜貫通ドメインについて、種々の実施態様において、CARは、CARの細胞外ドメインに融合する膜貫通ドメインを含むよう、設計される。ある実施態様において、膜貫通ドメインは、CARのドメインの一つと天然に結合するものである。いくつかの場合、膜貫通ドメインは、受容体複合体の他のメンバーとの相互作用を最小化するため、同一または異なる表面膜タンパク質の膜貫通ドメインへのこのようなドメインの結合を回避するよう選択されるかアミノ酸置換により修飾される。他の実施態様において、膜貫通ドメインは、CAR T細胞表面の他のCARとホモ二量体化できる。他の実施態様において、膜貫通ドメインのアミノ酸配列を、同じCAR T細胞に存在する天然結合パートナーの結合ドメインとの相互作用を最小化するため、修飾または置換され得る。
膜貫通ドメインはあらゆる天然に存在する膜結合または膜貫通タンパク質に由来し得る。ある実施態様において、膜貫通領域は、CARが標的に結合したときは常に細胞内ドメインにシグナル伝達できる。ある実施態様において、膜貫通ドメインは、TCR α鎖、TCR β鎖、TCR ζ鎖、CD28、CD3ε、CD45、CD4、CD5、CD8、CD9、CD16、CD22、CD33、CD37、CD64、CD80、CD86、CD134、CD137およびCD154からなる群から選択される1以上のタンパク質の膜貫通領域を含む。ある実施態様において、膜貫通ドメインは、KIRDS2、OX40、CD2、CD27、LFA-1(CD11a、CD18)、ICOS(CD278)、4-1BB(CD137)、GITR、CD40、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD160、CD19、IL2Rβ、IL2Rγ、IL7Rα、ITGA1、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、TNFR2、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、PAG/Cbp、NKG2DおよびNKG2Cからなる群から選択される1以上のタンパク質の膜貫通領域を含む。
細胞外腫瘍関連抗原結合ドメイン(例えば、腫瘍関連抗原結合scFvドメイン)は、ヒンジ領域により膜貫通ドメインに結合され得る。ヒトIgヒンジ(例えば、IgG4ヒンジ、IgDヒンジ)、Gly-Serリンカー、(GS)リンカー、KIR2DS2ヒンジおよびCD8αヒンジを含むが、これらに限定されない多様なヒンジが用いられ得る。
CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、CARが配置されている免疫細胞の専門化機能(例えば、T細胞の、サイトカイン分泌を含む、細胞溶解活性またはヘルパー活性)の少なくとも1つの活性化を担う。故に、ここで使用する用語「細胞内シグナル伝達ドメイン」は、エフェクター機能シグナルを伝達し、細胞に専門化機能の実施を指示するタンパク質の部分をいう。通常細胞内シグナル伝達ドメイン全体が用いられ得るが、多くの場合、鎖全体を使用する必要はない。細胞内シグナル伝達ドメインの切断部分が使用される限り、このような切断部分を、エフェクター機能シグナルを伝達する限り、インタクト鎖の代わりに使用し得る。故に、用語細胞内シグナル伝達ドメインは、エフェクター機能シグナルの伝達に十分な、細胞内シグナル伝達ドメインのあらゆる切断部分を含むことが意図される。
CARの細胞内シグナル伝達ドメインは、一次シグナル伝達ドメイン(すなわち刺激分子由来の機能的シグナル伝達ドメイン)および1以上の共刺激シグナル伝達ドメイン(すなわち少なくとも1つの共刺激分子由来の機能的シグナル伝達ドメイン)を含む。
ここで使用する用語「刺激分子」は、免疫細胞シグナル伝達経路の少なくとも一部態様について刺激方向に免疫細胞の活性化を制御する、細胞質シグナル伝達配列を提供する、免疫細胞、例えば、T細胞、NK細胞またはB細胞により発現される分子をいう。ある実施態様において、シグナルは、例えば、TCR/CD3複合体とペプチドを負荷されたMHC分子の結合により開始され、増殖、活性化、分化などを含むが、これらに限定されないT細胞応答の介在に至る、一次シグナルである。
刺激方法で作用する一次シグナル伝達ドメインは、免疫受容体チロシンベースの活性化モチーフまたはITAMとして知られるシグナル伝達モチーフを含み得る。本発明で特に有用なITAM含有細胞質シグナル伝達配列の例は、CD3ゼータ、共通FcRガンマ(FCER1G)、FcガンマRIIa、FcRベータ(FcイプシロンR1b)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD79a、CD79b、DAP10およびDAP12を含む。ある実施態様において、1以上のCARの何れかにおける一次シグナル伝達ドメインは、CD3-ゼータ由来の細胞質シグナル伝達配列を含む。
ある実施態様において、一次シグナル伝達ドメインは、TCRゼータ、FcRガンマ、FcRベータ、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD5、CD22、CD79a、CD79b、CD66d、4-1BBおよび/またはCD3-ゼータの機能的シグナル伝達ドメインである。ある実施態様において、細胞内シグナル伝達ドメインは、CD3ゼータ、共通FcRガンマ(FCER1G)、FcガンマRIIa、FcRベータ(FcイプシロンR1b)、CD3ガンマ、CD3デルタ、CD3イプシロン、CD79a、CD79b、DAP10および/またはDAP12の機能的シグナル伝達ドメインを含む。特定の実施態様において、一次シグナル伝達ドメインは、T細胞受容体複合体と結合したゼータ鎖の機能的シグナル伝達ドメインである。
ここで使用する用語「共刺激分子」は、共刺激リガンドと特異的に結合し、それにより、増殖を含むが、これに限定されないT細胞による共刺激応答に介在する、T細胞の同族結合パートナーをいう。共刺激分子は、リンパ球の抗原に対する効率的応答に必要な、抗原受容体またはそのリガンド以外の細胞表面分子である。このような分子の例は、CD27、CD28、4-1BB(CD137)、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1、CD11a/CD18)、CD2、CD7、CD258(LIGHT)、NKG2C、B7-H3およびCD83と特異的に結合するリガンドなどを含む。このような共刺激分子のさらなる例は、CD5、ICAM-1、GITR、BAFFR、HVEM(LIGHTR)、SLAMF7、NKp80(KLRF1)、NKp44、NKp30、NKp46、CD160、CD19、CD4、CD8アルファ、CD8ベータ、IL2Rベータ、IL2Rガンマ、IL7Rアルファ、ITGA4、VLA1、CD49a、ITGA4、IA4、CD49D、ITGA6、VLA-6、CD49f、ITGAD、CD11d、ITGAE、CD103、ITGAL、CD11a、LFA-1、ITGAM、CD11b、ITGAX、CD11c、ITGB1、CD29、ITGB2、CD18、LFA-1、ITGB7、NKG2D、NKG2C、TNFR2、TRANCE/RANKL、DNAM1(CD226)、SLAMF4(CD244、2B4)、CD84、CD96(Tactile)、CEACAM1、CRTAM、Ly9(CD229)、CD160(BY55)、PSGL1、CD100(SEMA4D)、CD69、SLAMF6(NTB-A、Ly108)、SLAM(SLAMF1、CD150、IPO-3)、BLAME(SLAMF8)、SELPLG(CD162)、LTBR、LAT、GADS、SLP-76、PAG/CbpおよびCD83と特異的に結合するリガンドを含む。ある実施態様において、CARの共刺激シグナル伝達ドメインは、ここに記載する共刺激分子の機能的シグナル伝達ドメイン、例えば、OX40、CD27、CD28、CD30、CD40、PD-1、CD2、CD7、CD258、NKG2C、B7-H3、CD83に結合するリガンド、ICAM-1、LFA-1(CD11a/CD18)、ICOSおよび4-1BB(CD137)またはそれらの何らかの組み合わせである。
ここで使用する用語「シグナル伝達ドメイン」は、二次メッセンジャーの産生によりまたはこのようなメッセンジャーに応答してエフェクターとして機能することにより、規定されたシグナル伝達経路を経て細胞活性を制御するために、細胞内で情報伝達に作用する、タンパク質の機能的部分をいう。
CARの細胞質シグナル伝達部分内の細胞質シグナル伝達配列は、互いに無作為にまたは特定の順番で結合され得る。所望により、短オリゴまたはポリペプチドリンカー、例えば、2~10アミノ酸長が結合を形成し得る。
抗体治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、癌を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のための抗体療法と組み合わせる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、抗HER2抗体または抗HER2抗体プラットフォーム(例えば、抗HER2結合ドメイン、抗HER2抗体-薬物コンジュゲートまたは抗HER2 CARを含む二特異的または三特異的抗体)などの抗HER2結合ドメインを含む治療と組み合わせる。抗HER2抗体は、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標) - Roche/Genentech;Kanjinti - Amgen)、ペルツズマブ(PERJETA(登録商標) - Roche/Genentech)およびMGAH22(引用により、全ての目的のために本明細書に包含させる米国特許8,802,093に詳述)を含むが、これらに限定されない。抗HER2抗体プラットフォームは、エリツマキソマブ(REXOMUN(登録商標) - Creative Biolabs)およびトラスツズマブエムタンシン(アド-トラスツズマブエムタンシン/T-DM1;KADCYLA(登録商標) - Roche/Genentech)を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療を、癌を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療はIV点滴により投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、1mg/kg/日、2mg/kg/日、3mg/kg/日、4mg/kg/日、5mg/kg/日、6mg/kg/日、7mg/kg/日、8mg/kg/日、9mg/kg/日、10mg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、少なくとも1mg/kg/日、少なくとも2mg/kg/日、少なくとも3mg/kg/日、少なくとも4mg/kg/日、少なくとも5mg/kg/日、少なくとも6mg/kg/日、少なくとも7mg/kg/日、少なくとも8mg/kg/日、少なくとも9mg/kg/日、少なくとも10mg/kg/日の用量で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、1mg/kg/日未満の用量で投与される。
ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療を、乳癌を有することが知られるまたは疑われる対象、例えば、転移HER2過発現乳癌を有すると診断された対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、4mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、4mg/kg/日を90分間のIV点滴で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、2mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、2mg/kg/日を30分間のIV点滴で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、4mg/kg/日の初期用量で投与され、その後毎週2mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、4mg/kg/日の初期用量で投与され、その後毎週2mg/kg/日を52週間投与される。
ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療を、胃癌を有することが知られるまたは疑われる対象、例えば、転移HER2過発現胃癌を有すると診断された対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、8mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、8mg/kg/日を90分間のIV点滴で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、6mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、6mg/kg/日を30~90分間のIV点滴で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、8mg/kg/日の初期用量で投与され、その後毎週6mg/kg/日で投与される。ある実施態様において、抗HER2結合ドメイン治療は、8mg/kg/日の初期用量で投与され、その後毎週6mg/kg/日で52週間投与される。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、抗CD20結合ドメインを含む治療、例えば、抗CD20抗体または抗CD20抗体プラットフォーム(例えば、抗CD20結合ドメイン、抗CD20抗体-薬物コンジュゲートまたは抗CD20 CARを含む二特異的または三特異的抗体)と組み合わせる。抗CD20抗体は、リツキシマブ(リツキサン(登録商標) - Roche/Genentech)、オクレリズマブ(OCREVUS(登録商標) - Roche/Genentech)、オビヌツズマブ(GAZYVA(登録商標) - Roche/Genentech)、オファツムマブ(ARZERRA(登録商標) - Novartis)およびベルツズマブを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、癌を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療はIV点滴により投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、100mg/m、200mg/m、300mg/m、400mg/m、500mg/m、600mg/m、700mg/m、800mg/m、900mg/mまたは1000mg/mの用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、375mg/mの用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、少なくとも100mg/m、少なくとも200mg/m、少なくとも300mg/m、少なくとも400mg/m、少なくとも500mg/m、少なくとも600mg/m、少なくとも700mg/m、少なくとも800mg/m、少なくとも900mg/mまたは少なくとも1000mg/mの用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、400mg/m未満の用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、375mg/m未満の用量で投与される。
ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、非ホジキンリンパ腫(NHL)を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、IV点滴で375mg/mの用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、IV点滴で375mg/m未満の用量で投与される。
ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、慢性リンパ球性白血病(CLL)を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、第一サイクルで375mg/mをIV点滴の用量およびさらなる2~6サイクルでサイクルあたり500mg/mをIV点滴の用量で投与される。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療は、IV点滴で375mg/m未満の用量を投与される。組み合わせた抗CD20結合ドメインおよびヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、フルダラビンおよびシクロホスファミド(FC)と組み合わせて使用し得る。
ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、関節リウマチ(RA)を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、1000mg2回で、IV点滴により、2週間離して投与する。ある実施態様において、抗CD20結合ドメイン治療を、24週間まで、1000mg2回で、IV点滴により、2週間離して投与する。ある実施態様において、組み合わせた抗CD20結合ドメインおよびヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、メトトレキサートと共投与する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、アゴニスト抗体を含む抗体治療を含む治療と組み合わせる。ある実施態様において、アゴニスト抗体は、抗4-1BB抗体、抗CD137抗体、抗FAP抗体、抗OX40抗体、抗CD40抗体、抗GITR抗体または抗CD27抗体である。ある実施態様において、アゴニスト抗体は、二特異的抗体である。ある実施態様において、アゴニスト抗体は、抗4-1BB抗体、抗CD137抗体、抗FAP抗体、抗OX40抗体、抗CD40抗体、抗GITR抗体または抗CD27抗体から選択される2以上の抗原結合ドメインを含む、多特異的抗体、例えば、二特異的抗体である。その例は、ウトミルマブ(Pfizer)などの4-1BBおよびCD137を標的とする二特異的アゴニスト抗体である。
チェックポイント阻害剤治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、チェックポイント阻害剤治療と組み合わせ得る。遮断または阻害の標的とし得る例示的免疫チェックポイント分子は、CTLA-4、4-1BB(CD137)、4-1BBL(CD137L)、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、TIM3、B7H3、B7H4、VISTA、KIR、2B4(CD2ファミリーの分子に属し、全NK、γδおよび記憶CD8+(αβ)T細胞)、CD160(BY55とも称する)およびCGEN-15049を含むが、これらに限定されない。免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4、PDL1、PDL2、PD1、B7-H3、B7-H4、BTLA、HVEM、TIM3、GAL9、LAG3、TIM3、B7H3、B7H4、VISTA、KIR、2B4、CD160およびCGEN-15049の1以上と結合し、活性を遮断または阻害する抗体またはその抗原結合フラグメントまたは他の結合タンパク質を含む。例示的免疫チェックポイント阻害剤は、ニボルマブ(抗PD-1;オプジーボ(登録商標) - BMS)、AMP224(抗PD-1;NCI)、ペムブロリズマブ(抗PD-1;MK-3475/キイトルーダ(登録商標) - Merck)、ピディリズマブ(抗PD-1抗体;CT-011 - Teva/CureTech)、アテゾリズマブ(抗PD-L1;テセントリク(登録商標) - Roche/Genentech)、デュルバルマブ(抗PD-L1;MEDI4736/イミフィンジ(登録商標) - Medimmune/AstraZeneca)、アベルマブ(抗PD-L1;バベンチオ(登録商標)-Pfizer)、BMS-936559(抗PD-L1-BMS)、イピリムマブ(抗CTLA-4;ヤーボイ(登録商標) - BMS)、トレメリムマブ(抗CTLA-4;Medimmune/AstraZeneca)、リリルマブ(抗KIR;BMS)、モナリズマブ(抗NKG2A;Innate Pharma/AstraZeneca)、BY55(抗CD160)、抗OX40、抗TIM3および抗LAG3を含む。
ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療を、癌を有することが知られるまたは疑われる対象の処置のために、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療はIV点滴により投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は、30分間のIVにより投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は3週間毎に投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mgまたは1000mgの用量で投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は、200mgの用量で投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は、少なくとも100mg、少なくとも200mg、少なくとも300mg、少なくとも400mg、少なくとも500mg、少なくとも600mg、少なくとも700mg、少なくとも800mg、少なくとも900mgまたは少なくとも1000mgの用量で投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療は、200mg未満の用量で投与される。ある実施態様において、チェックポイント阻害剤治療を、黒色腫、非小細胞肺癌(NSCLC)、頭頚部扁平上皮細胞癌(HNSCC)、古典的ホジキンリンパ腫(cHL)、一次縦隔大B細胞リンパ腫(PMBCL)、尿路上皮癌腫、マイクロサテライト不安定高癌、胃癌、子宮頸癌、肝細胞癌腫(HCC)、メルケル細胞癌腫(MCC)、腎臓細胞癌腫(RCC)を有することが知られるまたは疑われる対象の処置に、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療と組み合わせて使用する。
さらなるサイトカイン治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上のさらなるサイトカイン治療、1以上のケモカイン治療またはそれらの組み合わせと組み合わせる。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上のさらなるサイトカイン治療と組み合わせる。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上のケモカイン治療と組み合わせる。ある実施態様において、サイトカイン治療は、炎症促進性サイトカイン、Th1サイトカインまたはTh2サイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカイン治療は、組み換えヒトサイトカインまたはケモカインを含む。
ある実施態様において、サイトカイン治療は、インターロイキン(例えば、IL-1、IL-2、IL-6、IL-7、IL-8、IL-12、IL-13、IL-15、IL-16、IL-18、IL-21およびIL-22)であるサイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカイン治療は、増殖因子(例えば、腫瘍壊死因子(TNF)、LT、EMAP-II、GM-CSF、FGFおよびPDGF)であるサイトカインを含む。ある実施態様において、サイトカイン治療は、抗炎症性サイトカイン(例えば、IL-4、IL-10、IL-11、IL-13およびTGF)を含む。
ある実施態様において、ケモカイン治療は、炎症促進性ケモカイン(例えば、GRO-α、GRO-b、LIX、GCP-2、MIG、IP10、I-TACおよびMCP-1、RANTES、エオタキシン、SDF-1およびMIP3a)を含む。ある実施態様において、ケモカイン治療は、ケモカイン受容体を含む。ある実施態様において、ケモカイン治療は、CXCケモカイン受容体(例えば、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CXCR6およびCXCR7)、CCケモカイン受容体(例えば、CCR1、CCR2、CCR3、CCR4、CCR5、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10およびCCR11)、CX3Cケモカイン受容体(例えば、CX3C11)またはXCケモカイン受容体(例えば、XCR1)を含む。ある実施態様において、ケモカイン治療は、Gタンパク質架橋膜貫通受容体を含む。
ある実施態様において、サイトカイン治療は、IL-12シグナル伝達と相乗作用するサイトカイン治療を含む。ある実施態様において、サイトカイン治療は、IL-2サイトカインまたはその誘導体を含む。ある実施態様において、IL-2治療は、アルデスロイキン(Proleukin - Prometheus Therapeutics)である。ある実施態様において、IL-2治療および/またはアルデスロイキンを静脈内投与する。ある実施態様において、サイトカイン治療は、IL-15サイトカインまたはその誘導体を含む。ある実施態様において、IL-15治療は、ALT-803(Altor Bioscience)またはNKTR-255(Nektar)である。ある実施態様において、IL-15治療、NKTR-255および/またはALT-803を皮下投与する。ある実施態様において、ケモカイン治療は、CXCL9ケモカイン、CXCL10ケモカインまたはその誘導体を含む。
ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、対象へのサイトカインまたはケモカインの投与を含む。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、対象への組み換えサイトカインまたはケモカインの投与を含む。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、サイトカインまたはケモカインを産生させるための細胞の操作を含む。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、サイトカインまたはケモカインを産生させるためのエクスビボ、インビトロまたはインビボでの細胞の操作を含む。
ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、特異的細胞型または受容体を標的とするよう設計された、ウイルスベクターベースの送達プラットフォーム、例えば、ワクシニア、鶏痘、自己複製アルファウイルス、マラバウイルス、アデノウイルス(例えば、Tatsis et al., Adenoviruses, Molecular Therapy (2004) 10, 616-629)、第二、第三またはハイブリッド第二/第三世代レンチウイルスおよびあらゆる世代の組み換えレンチウイルスを含むが、これらに限定されないレンチウイルスを使用する、サイトカインまたはケモカインを産生させるための細胞の操作を含む(例えば、Hu et al., Immunization Delivered by Lentiviral Vectors for Cancer and Infectious Diseases, Immunol Rev. (2011) 239(1): 45-61, Sakuma et al., Lentiviral vectors: basic to translational, Biochem J. (2012) 443(3):603-18, Cooper et al., Rescue of splicing-mediated intron loss maximizes expression in lentiviral vectors containing the human ubiquitin C promoter, Nucl. Acids Res. (2015) 43 (1): 682-690, Zufferey et al., Self-Inactivating Lentivirus Vector for Safe and Efficient In Vivo Gene Delivery, J. Virol. (1998) 72 (12): 9873-9880)または米国特許5,173,414; Tratschin et al, Mol. Cell. Biol. 5:3251-3260 (1985); Tratschin, et al, Mol. Cell, Biol. 4:2072-2081 (1984); Hermonat & Muzyczka, PNAS 81:64666470 (1984); およびSamuiski et al, J. Virol. 63:03822-3828 (1989)に詳述のアデノ随伴ウイルス(「AAV」)参照)。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、LNP、リポソームまたはエクソソームを使用するサイトカインまたはケモカインを産生させるための細胞の操作を含む。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、ヌクレアーゼベースのゲノム編集系(例えば、クラスター化して規則的な配置の短い回文配列リピート(CRISPR)ファミリー、転写アクティベーター様エフェクターヌクレアーゼ(TALEN)、ジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)およびホーミングエンドヌクレアーゼ(HE)ベースのゲノム編集系またはその誘導体)を使用するなどの、ゲノム編集を使用するサイトカインまたはケモカインを産生させるための細胞の操作を含む。ある実施態様において、サイトカインまたはケモカイン治療は、エレクトロポレーションを使用するサイトカインまたはケモカインを産生させるための細胞の操作を含む。
自然免疫系アゴニスト治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上の自然免疫系アゴニストと組み合わせる。
ある実施態様において、自然免疫系アゴニストは、トール様受容体(TLR)アゴニストを含む。ある実施態様において、TLRアゴニストは、TLR1/2、TLR2/6、TLR3、TLR4、TLR7、TLR8、TLR7/8またはTLR9アゴニストを含む。ある実施態様において、TLR2/6アゴニストは、リポタンパク質、例えば細菌リポタンパク質または誘導体、例えばPam2CSK4を含む。ある実施態様において、TLR1/2アゴニストは、リポタンパク質を含む。ある実施態様において、TLR3アゴニストは、dsRNAアナログ、例えばリンタトリモド(AMPLIGEN(登録商標) - Hemispherx Biopharma)またはポリIC-LC(例えば、ヒルトノール(登録商標))を含む。ある実施態様において、TLR4アゴニストは、リポ多糖(LPS、エンドトキシンとも称する)または誘導体、例えば、リピドAを含む。ある実施態様において、TLR7アゴニストは、レシキモド(R848とも称する)、イミキモド(ZYCLARA(登録商標)、Aldara-Medicis)およびガーディキモッドを含むが、これらに限定されない、ssRNAまたは誘導体またはイミダゾキノリン誘導体を含む。ある実施態様において、TLR7アゴニストはTLR8アゴニスト、例えば、イミキモドまたはMedi-9197(AstraZeneca/Medimmune)でもある。ある実施態様において、TLR9アゴニストは、CpG含有オリゴデオキシヌクレオチド(CpG-ODN)またはSD-101(Dynavax)を含む。
ある実施態様において、自然免疫系アゴニストは、インターフェロン遺伝子刺激因子(STING)アゴニストを含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、環状ジヌクレオチド(CDN)を含む。ある実施態様において、CDNは環状ジAMP、環状ジGMPまたは環状-GMP-AMP(cGAMP)を含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、cGASを刺激する核酸(例えば、DNAまたはRNA)を含む。ある実施態様において、STINGアゴニストは、ADU-S100(MIW815とも称する - Aduro/Novartis)である。
化学療法
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上の化学療法と組み合わせる。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、癌と診断された対象を処置するための1以上の化学療法と組み合わせる。化学療法剤の例は、アルデスロイキン、アルボシジブ、アンチネオプラストンAS2-1、アンチネオプラストンA10、抗胸腺細胞グロブリン、アミホスチン三水和物、アミノカンプトテシン、三酸化ヒ素、ベータアレチン、Bcl-2ファミリータンパク質阻害剤ABT-263、ABT-199、BMS-345541、ボルテゾミブ(ベルケイド(登録商標))、ブリオスタチン1、ブスルファン、カルボプラチン、キャンパス-1H、CC-5103、カルムスチン、酢酸カスポフンギン、クロファラビン、シスプラチン、クラドリビン(ロイスタチン(登録商標))、クロラムブシル(リューケラン(登録商標))、クルクミン、シクロスポリン、シクロホスファミド(Cyloxan、エンドキサン、Endoxana、Cyclostin)、シタラビン、デニロイキンジフチトクス、デキサメサゾン、DT PACE、ドセタキセル、ドラスタチン10、ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標)、ADRIBLASTINE(登録商標))、塩酸ドキソルビシン、エンザスタウリン、エポエチンアルファ、エトポシド、エベロリムス(RAD001)、フェンレチニド、フィルグラスチム、メルファラン、メスナ、フラボピリドール、フルダラビン(フルダラ(登録商標))、ゲルダナマイシン(17-AAG)、イホスファミド、塩酸イリノテカン、イクサベピロン、レナリドマイド(レブラミド(登録商標)、CC-5013)、リンホカイン活性化キラー細胞、メルファラン、メトトレキサート、塩酸ミトキサントロン、モテキサフィンガドリニウム、ミコフェノール酸モフェチル、ネララビン、オブリメルセン(GENASENSE(登録商標)) オバトクラックス(GX15-070)、オブリメルセン、酢酸オクトレオチド、オメガ-3脂肪酸、オキサリプラチン、パクリタキセル、PD0332991、ペグ化リポソーム塩酸ドキソルビシン、ペグフィルグラスチム、ペントスタチン(NIPENT(登録商標))、ペリホシン、プレドニゾロン、プレドニゾン、R-ロスコビチン(SELICILIB(登録商標)、CYC202)、組み換えインターフェロンアルファ、組み換えインターロイキン-12、組み換えインターロイキン-11、組み換えflt3リガンド、組み換えヒトトロンボポエチン、リツキシマブ、サルグラモスチム、シクエン酸ルデナフィル、シンバスタチン、シロリムス、スチリルスルホン、タクロリムス、タネスピマイシン、テムシロリムス(CC1-779)、サリドマイド、治療同種リンパ球、チオテパ、ティピファルニブ、ベルケイド(登録商標)(ボルテゾミブ(登録商標)またはPS-341)、ビンクリスチン(オンコビン(登録商標))、ビンクリスチン硫酸、二酒石酸ビノレルビン、ボリノスタット(SAHA)およびFR(フルダラビン、リツキシマブ)、CHOP(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾン)、CVP(シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン)、FCM(フルダラビン、シクロホスファミド、ミトキサントロン)、FCR(フルダラビン、シクロホスファミド、リツキシマブ)、hyperCVAD(多分割シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメサゾン、メトトレキサート、シタラビン)、ICE(イホスファミド、カルボプラチンおよびエトポシド)、MCP(ミトキサントロン、クロラムブシルおよびプレドニゾロン)、R-CHOP(リツキシマブ+CHOP)、R-CVP(リツキシマブ+CVP)、R-FCM(リツキシマブ+FCM)、R-ICE(リツキシマブ-ICE)およびR-MCP(R-MCP)を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、結腸癌、直腸癌または結腸直腸癌(CRC)を有すると診断された対象を処置するための1以上の化学療法と組み合わせる。ある実施態様において、化学療法は、FOLFOX(5-FU、ロイコボリンおよびオキサリプラチン/Eloxatin)、FOLFIRI(ロイコボリン、5-FUおよびイリノテカン/Camptosar)、FOLFOXIRI(ロイコボリン、5-FU、オキサリプラチンおよびイリノテカン)、CapeOx(カペシタビンおよびオキサリプラチン)、5-FUとロイコボリン共投与、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))単独またはトリフルリジンおよびチピラシル(ロンサーフ(登録商標))を含む。ある実施態様において、化学療法は、VEGF標的化剤、例えばベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、ziv-アフリベルセプト(ザルトラップ(登録商標))、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))またはレゴラフェニブ(スチバーガ(登録商標))またはEGFR標的化剤、例えばセツキシマブ(アービタックス)またはパニツムマブ(ベクティビックス(登録商標))を含む。ある実施態様において、化学療法は、FOLFOX、FOLFIRI、FOLFOXIRI、CapeOx、5-FUとロイコボリン共投与、カペシタビン単独およびVEGF標的化剤またはEGFR標的化剤と一緒のトリフルリジン/チピラシルから選択される化学療法と共投与される。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、乳癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の化学療法と組み合わせる。ある実施態様において、化学療法は、ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン(ELLENCE(登録商標))、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、アルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン(登録商標))、5-フルオロウラシル(5-FU)、シクロホスファミド(シトキサン(登録商標))、カルボプラチン(パラプラチン(登録商標))、シスプラチン、ビノレルビン(ナベルビン(登録商標))、カペシタビン(ゼローダ)、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、イクサベピロン(イグゼンプラ(登録商標))またはエリブリン(ハラヴェン)を含む。ある実施態様において、化学療法は、ドキソルビシン(アドリアマイシン(登録商標))、ペグ化リポソームドキソルビシン、エピルビシン(ELLENCE(登録商標))、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、アルブミン結合パクリタキセル(アブラキサン(登録商標))、5-フルオロウラシル(5-FU)、シクロホスファミド(シトキサン(登録商標))、カルボプラチン(パラプラチン(登録商標))、シスプラチン、ビノレルビン(ナベルビン(登録商標))、カペシタビン(ゼローダ(登録商標))、ゲムシタビン(ジェムザール(登録商標))、イクサベピロン(イグゼンプラ(登録商標))およびエリブリン(ハラヴェン(登録商標))から選択される2以上の化学療法の組み合わせを含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、黒色腫/皮膚癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の化学療法と組み合わせる。ある実施態様において、化学療法は、ダカルバジン(別名DTIC)、テモゾロミド、nab-パクリタキセル、パクリタキセル、シスプラチン、カルボプラチンまたはビンブラスチンを含む。
標的化剤治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、1以上の標的化剤と組み合わせる。一般に、標的化剤は、癌と関連する標的などの特定の分子標的に作用する。標的化剤は、標準化学療法が全ての急速に***している正常および癌性細胞に作用する点で、標準化学療法と区別される。標的化剤は、ホルモン治療、シグナル伝達阻害剤、遺伝子発現モジュレーター、アポトーシスインデューサー、血管形成阻害剤、免疫療法、毒素送達分子(例えば、抗体薬物-コンジュゲート)およびキナーゼ阻害剤を含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、標的化剤は受容体アゴニストまたはリガンドを含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、結腸癌、直腸癌または結腸直腸癌(CRC)を有すると診断された対象を処置するための1以上の標的化剤と組み合わせる。ある実施態様において、標的化剤は、セツキシマブ(アービタックス(登録商標))、パニツムマブ(ベクティビックス(登録商標))、ベバシズマブ(アバスチン(登録商標))、ziv-アフリベルセプト(ザルトラップ(登録商標))、レゴラフェニブ(スチバーガ(登録商標))、ラムシルマブ(CYRAMZA(登録商標))、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標))またはイピリムマブ(ヤーボイ(登録商標))を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、乳癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の標的化剤と組み合わせる。ある実施態様において、標的化剤は、エベロリムス(アフィニトール(登録商標))、タモキシフェン(ノルバデックス(登録商標))、トレミフェン(フェアストン(登録商標))、トラスツズマブ(ハーセプチン(登録商標))、フルベストラント(フェソロデックス(登録商標))、アナストロゾール(アリミデックス(登録商標))、エキセメスタン(アロマシン(登録商標))、ラパチニブ(タイケルブ(登録商標))、レトロゾール(フェマーラ(登録商標))、ペルツズマブ(PERJETA(登録商標))、ado-トラスツズマブエムタンシン(カドサイラ(登録商標))、パルボシクリブ(イブランス(登録商標))、リボシクリブ(KISQALI(登録商標))、マレイン酸ネラチニブ(NERLYNXTM)、アベマシクリブ(ベージニオTM)、オラパリブ(LYNPARZATM)、アテゾリズマブ(テセントリク(登録商標))またはアルペリシブ(PIQRAY(登録商標))を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、黒色腫/皮膚癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の標的化剤と組み合わせる。ある実施態様において、標的化剤は、ビスモデギブ(エリベッジ(登録商標))、ソニデジブ(オドムゾ(登録商標))、イピリムマブ(ヤーボイ(登録商標))、ベムラフェニブ(ゼルボラフ(登録商標))、トラメチニブ(MEKINIST(登録商標))、ダブラフェニブ(タフィンラー(登録商標))、ペムブロリズマブ(キイトルーダ(登録商標))、ニボルマブ(オプジーボ(登録商標))、コビメチニブ(COTELLICTM)、アリトレチノイン(PANRETIN(登録商標))、アベルマブ(バベンチオ(登録商標))、エンコラフェニブ(ビラフトビTM)、ビニメチニブ(メクトビ(登録商標))またはセミプリマブ-rwlc(LIBTAYO(登録商標))を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、受容体アゴニストまたはリガンド治療と組み合わせる。ある実施態様において、受容体アゴニストまたはリガンド治療は、アゴニスト抗体を含む。ある実施態様において、受容体アゴニストまたはリガンド治療は、受容体リガンド、例えば4-1BBLまたはCD40Lを含む。
放射線療法
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、放射線療法と組み合わせる。ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、放射性同位体粒子、例えばインジウムIn-111、イットリウムY-90またはヨウ素I-131と組み合わせる。組み合わせ治療の例は、ヨウ素-131トシツモマブ(ベキサール(登録商標))、イットリウム-90イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン(登録商標))およびベキサール(登録商標)とCHOPを含むが、これらに限定されない。ある実施態様において、放射線療法は、外照射放射線療法(EBRT)、組織内放射線療法(密封小線源治療)、空洞内放射線療法、間質性密封小線源治療、放射線塞栓療法、少分割放射線療法、術中放射線療法(IORT)、3D-原体放射線療法、定位放射線手術(SRS)または体幹部定位放射線療法(SBRT)を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、結腸癌、直腸癌または結腸直腸癌(CRC)を有すると診断された対象を処置するための1以上の放射線療法と組み合わせる。ある実施態様において、放射線療法は、外照射放射線療法(EBRT)、組織内放射線療法(密封小線源治療)、空洞内放射線療法、間質性密封小線源治療または放射線塞栓療法を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、乳癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の放射線療法と組み合わせる。ある実施態様において、放射線療法は、外照射放射線療法、少分割放射線療法、術中放射線療法(IORT)または3D-原体放射線療法を含む。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、黒色腫/皮膚癌を有すると診断された対象を処置するための1以上の放射線療法と組み合わせる。ある実施態様において、放射線療法は、定位放射線手術(SRS;例えば、ガンマナイフまたは線形加速器を使用)または体幹部定位放射線療法(SBRT)を含む。
ワクチンおよび腫瘍溶解性ウイルス治療
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、特定の免疫応答、例えば、腫瘍特異的免疫応答を誘発できる、1以上の免疫原性組成物、例えば、ワクチン組成物または腫瘍溶解性ウイルスと組み合わせる。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、ワクチン組成物と組み合わせる。ワクチン組成物は、一般に標的とすべき腫瘍に特異的な複数の抗原およびまたはネオ抗原を含む。ワクチン組成物はワクチンとも称され得る。
ある実施態様において、ワクチン組成物は、さらにアジュバントおよび/または担体を含む。ある実施態様において、ワクチン組成物は、T細胞にペプチドを提示できる、タンパク質または樹状細胞(DC)などの抗原提示細胞などの担体を伴う。ある実施態様において、担体は、抗原またはネオ抗原が結合できる、足場構造、例えばポリペプチドまたは多糖である。
一般に、アジュバントは、ワクチン組成物に混ぜることにより、抗原またはネオ抗原に対する免疫応答を増強するかまたは他の点で修飾するあらゆる物質である。所望により、アジュバントは、共有結合性または非共有結合性にコンジュゲートされる。アジュバントが抗原に対する免疫応答を増加する能力は、一般に免疫介在反応の顕著なまたは実質的な増加または疾患症状軽減により顕在化される。例えば、液性免疫の増加は、一般に抗原に対して誘発される抗体の力価増加により顕在化され、T細胞活性は、一般に細胞増殖または細胞毒性増加またはサイトカイン分泌により顕在化される。アジュバントは、例えば、を、一次液性またはTh応答を一次細胞またはTh応答に変えることにより、免疫応答も変え得る。適当なアジュバントは、1018 ISS、アルム、アルミニウム塩、Amplivax、AS15、BCG、CP-870,893、CpG7909、CyaA、dSLIM、GM-CSF、IC30、IC31、イミキモド、ImuFact IMP321、ISパッチ、ISS、ISCOマトリクス、JuvImmune、LipoVac、MF59、モノホスホリルリピドA、モンタナイドIMS 1312、モンタナイドISA 206、モンタナイドISA 50V、モンタナイドISA-51、OK-432、OM-174、OM-197-MP-EC、ONTAK、PepTelベクター系、PLG微粒子、レシキモド、SRL172、ビロソームおよび他のウイルス様粒子、YF-17D、VEGF trap、R848、ベータ-グルカン、Pam3Cys、サポニン由来のAquila's QS21スティミュロン(Aquila Biotech, Worcester, Mass., USA)、マイコバクテリア抽出物および合成細菌細胞壁模倣物および他の専売アジュバント、例えばRibi's Detox、QuilまたはSuperfosを含むが、これらに限定されない。不完全フロインドまたはGM-CSFなどのアジュバントは有用である。樹状細胞およびその調製に特異的ないくつかの免疫学的アジュバント(例えば、MF59)は先に記載されている(Dupuis M, et al., Cell Immunol. 1998; 186(1):18-27; Allison A C; Dev Biol Stand. 1998; 92:3-11)。サイトカインもまた使用され得る。いくつかのサイトカインは、樹状細胞のリンパ系組織への遊走(例えば、TNF-アルファ)、樹状細胞のTリンパ球のための効率的抗原提示細胞への成熟加速(例えば、GM-CSF、IL-1およびIL-4)(米国特許5,849,589、特に引用により全体として本明細書に包含させる)および免疫アジュバントとしての作用(例えば、IL-12)に直接関連している(Gabrilovich D I, et al., J Immunother Emphasis Tumor Immunol. 1996 (6):414-418)。ある実施態様において、アジュバントはCpG免疫刺激性オリゴヌクレオチドを含む。ある実施態様において、アジュバントはTLRアゴニストを含む。
有用なアジュバントの他の例は、化学的に修飾されたCpGs(例えばCpR、Idera)、ポリ(I:C)(例えばポリi:CI2U)、非CpG細菌DNAまたはRNAならびに治療剤および/またはアジュバントとして作用し得る免疫活性小分子および抗体、例えばシクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ、セレブレックス、NCX-4016、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ソラフェニブ、XL-999、CP-547632、パゾパニブ、ZD2171、AZD2171、イピリムマブ、トレメリムマブおよびSC58175を含むが、これらに限定されない。アジュバントおよび添加物の量および濃度は、当業者により過度の実験なく容易に決定され得る。さらなるアジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF、サルグラモスチム)などのコロニー刺激因子を含む。
ある実施態様において、ワクチン組成物は1を超える異なるアジュバントを含む。ある実施態様において、ワクチン組成物は、上記の何れかを含む何らかのアジュバント物質またはそれらの組み合わせを含む。ワクチンおよびアジュバントを一緒にまたは別々に何らかの適切な順番で投与できることも考慮される。
ある実施態様において、担体(または添加物)は、アジュバントと関係なく存在する。ある実施態様において、担体の機能は、分子量増加、活性または免疫原性増加、安定性付与、生物学的活性増加または血清半減期延長である。ある実施態様において、担体は、T細胞へのペプチド提示を助ける。ある実施態様において、担体は、当業者に知られるあらゆる適当な担体、例えばタンパク質または抗原提示細胞を含む。担体タンパク質の例は、キーホールリンペットヘモシアニン、トランスフェリン、ウシ血清アルブミン、ヒト血清アルブミン、サイログロブリンまたは卵白アルブミンなどの血清タンパク質、免疫グロブリンまたはインスリンまたはパルミチン酸などのホルモンを含むが、これらに限定されない。ヒトの免疫化のために、担体は、一般にヒトに許容されかつ安全である生理学的に許容される担体である。しかしながら、破傷風トキソイドおよび/またはジフテリアトキソイドは適当な担体である。あるいは、担体はデキストラン、例えばセファロースである。
ある実施態様において、ワクチンは、特異的細胞型または受容体を標的とするよう設計された、ウイルスベクターベースのワクチンプラットフォーム、例えばワクシニア、鶏痘、自己複製アルファウイルス、マラバウイルス、アデノウイルス(例えば、Tatsis et al., Adenoviruses, Molecular Therapy (2004) 10, 616-629参照)または第二、第三またはハイブリッド第二/第三世代レンチウイルスおよびあらゆる世代の組み換えレンチウイルスを含むが、これらに限定されないレンチウイルス(例えば、Hu et al., Immunization Delivered by Lentiviral Vectors for Cancer and Infectious Diseases, Immunol Rev. (2011) 239(1): 45-61, Sakuma et al., Lentiviral vectors: basic to translational, Biochem J. (2012) 443(3):603-18, Cooper et al., Rescue of splicing-mediated intron loss maximizes expression in lentiviral vectors containing the human ubiquitin C promoter, Nucl. Acids Res. (2015) 43 (1): 682-690, Zufferey et al., Self-Inactivating Lentivirus Vector for Safe and Efficient In Vivo Gene Delivery, J. Virol. (1998) 72 (12): 9873-9880参照)を含む。一般に、宿主への導入により、感染細胞は抗原またはネオ抗原を発現し、それによりペプチドに対する宿主免疫(例えば、CTL)応答が誘発される。
上記ウイルスベクターベースのワクチンプラットフォームのパッケージング能により、ある実施態様において、ワクチン組成物は、1以上のウイルス-ベクターを含む。ある実施態様において、ウイルス-ベクターは、リンカーにより離されたまたは細胞内区画をターゲティングする1以上の配列が前にある非変異配列が隣接する配列を含む(例えば、Gros et al., Prospective identification of neoantigen-specific lymphocytes in the peripheral blood of melanoma patients, Nat Med. (2016) 22 (4):433-8, Stronen et al., Targeting of cancer neoantigens with donor-derived T cell receptor repertoires, Science. (2016) 352 (6291):1337-41, Lu et al., Efficient identification of mutated cancer antigens recognized by T cells associated with durable tumor regressions, Clin Cancer Res. (2014) 20( 13):3401-10参照)。免疫化プロトコールに有用なワクシニアベクターおよび方法は、例えば、米国特許4,722,848に記載される。他のベクターはBCG(カルメット・ゲラン桿菌)である。BCGベクターは、Stover et al. (Nature 351:456-460 (1991))に記載される。ネオ抗原の治療的投与または免疫化に有用な広範な他のワクチンベクター、例えば、チフス菌ベクターなどは、本明細書の記載から当業者に明らかである。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を腫瘍溶解性ウイルス治療と組み合わせる。一般に、腫瘍溶解性ウイルスは、主に癌細胞に感染し、殺すよう操作されたウイルスである。ある実施態様において、癌細胞を殺す腫瘍溶解性ウイルスに加えて、腫瘍溶解性ウイルスは、癌細胞に対する免疫応答を誘導する。
ある実施態様において、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質治療を、黒色腫/皮膚癌を有すると診断された対象を処置するための腫瘍溶解性ウイルス治療と組み合わせる。ある実施態様において、腫瘍溶解性ウイルスは、T-VECとも称するタリモジーン・ラハーパレプベック(IMLYGIC(登録商標))を含む。ある実施態様において、IL-12のサブユニットを含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質を、腫瘍溶解性ウイルス(例えば、タリモジーン・ラハーパレプベック(IMLYGIC(登録商標))またはT-VEC)と組み合わせて癌(例えば、進行悪性腫瘍)の処置に使用する。
上の記載は、本発明の複数の態様および実施態様を説明する。本特許出願は、これら態様および実施態様の全ての組み合わせおよび順列を特に意図する。
一般的に記載していた本発明は、ここで、単に本発明のある態様および実施態様を説明する目的で包含させ、本発明を限定する意図はない次の実施例を参照してより容易に理解される。
実施例1 - 製造方法
本発明のタンパク質は、一般に組み換えDNAテクノロジーを使用して製造される。ある例示的実施態様において、第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットタンパク質の第一サブユニット(ヒトIL-12のp40サブユニット)を含む第一ポリペプチドをコードする第一核酸配列を、第一発現ベクター(pET-pSURE-Puro)にクローン化した;第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合した多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニット(ヒトIL-12のp35サブユニット)を含む第二ポリペプチドをコードする第二核酸配列を第二発現ベクター(pET-pSURE-Puro)にクローン化した;そして第一および第二発現ベクターを、一緒に宿主細胞に安定にトランスフェクトして、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質を産生した。
第一発現ベクターによりコードされる例示的アミノ酸配列を配列番号292に示す。第一発現ベクターは、Y349C変異を含むヒトIgG1 Fc配列に融合したヒトIL-12のp40サブユニットを含む第一ポリペプチドをコードした。第一ポリペプチドは、ヘテロ二量体化を促進するK360EおよびK409W変異およびエフェクター機能を低減するLALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異も含んだ。配列番号292において、リーダー配列は斜体で示し、ヒトIL-12のp40サブユニット配列は下線を引き、変異は太字で示す。
Figure 2022505871000112
第二発現ベクターからコードされる例示的アミノ酸配列を配列番号293に示す。第二発現ベクターは、S354C変異を含むヒトIgG1 Fc配列に融合したヒトIL-12のp35サブユニットを含む第二ポリペプチドをコードした。第二ポリペプチドは、ヘテロ二量体化を促進するQ347R、D399VおよびF405T変異およびエフェクター機能を低減するLALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異も含んだ。配列番号293で、リーダー配列は斜体で示し、ヒトIL-12のp35サブユニット配列は下線を引き、変異は太字で示す。
Figure 2022505871000113
最高タンパク質収率を達成するために、種々の比の第一および第二発現ベクターを探索して、宿主細胞へのトランスフェクションのための最適比を決定する。トランスフェクション後、単一クローンを、限界希釈、ELISA、FACS、顕微鏡検査またはClonepixなどの当分野で知られる方法を使用する、細胞銀行作製のために単離する。
クローンを、タンパク質のバイオリアクター規模拡大および発現維持に適する条件下、培養。タンパク質を、遠心分離、デプス濾過、細胞溶解、均質化、凍結・解凍、親和性精製、ゲル濾過、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用交換クロマトグラフィーおよび混合モードクロマトグラフィーを含む当分野で知られる方法を使用して、単離および精製する。
実施例2 - CT26腫瘍モデルにおけるサイレントFcドメインポリペプチドと融合したIL-12による腫瘍抑制
この実施例は、組み換えマウスIL-12(rmIL-12)の2つのIL-12-Fc融合構築物がマウス結腸癌モデルにおける腫瘍進行を制御する相対的能力を記載する。この実施例で使用した2つのIL-12-Fc融合バリアントは、野生型マウスIgG2a FcドメインポリペプチドのN末端に融合した野生型マウスIL-12 p40およびp35サブユニットを含むmIL-12-Fc野生型(DF-mIL-12-Fc wt)および変異L234A、L235AおよびP329Gを有するマウスIgG2a FcドメインポリペプチドのN末端に融合した野生型マウスIL-12 p40およびp35サブユニットを含むmIL-12-Fcサイレント(DF-mIL-12-Fc si)であった。タンパク質のアミノ酸配列を以下に示す。
mIL-12-p40-mIgG2A-EW(DF-mIL-12-Fc wtの第一鎖)
Figure 2022505871000114
mIL-12-p35-mIgG2A-RVT(DF-mIL-12-Fc wtの第二鎖)
Figure 2022505871000115
mIL-12-p40-mIgG2A-EW-LALAPG(DF-mIL-12-Fc siの第一鎖)
Figure 2022505871000116
mIL-12-p35-mIgG2A-RVT-LALAPG(DF-mIL-12-Fc siの第二鎖)
Figure 2022505871000117
簡潔には、Balb/cマウスの脇腹に10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が270mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、1μgのrmIL-12、1μg rmIL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc wt、1μg rmIL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照で週1回腹腔内処置した。腫瘍増殖を60日間評価した。
図5A~5Cに示すとおり、IL-12(図5A)およびDF-mIL-12-Fc wt(図5B)は一部マウスで腫瘍進行を効率的に制御したが、DF-mIL-12-Fc siのみが頑強な腫瘍退縮を誘導し、100%完全腫瘍退縮をもたらした(図5C)。さらに、全生存はDF-mIL-12-Fc si治療での処置により有意に延長され - 処置マウスの100%が60日目になお生存し、一方アイソタイプ対照、DF-mIL-12-Fc wtおよびIL-12で処置されたマウスの中央生存期間はそれぞれ27日、33日および46日であった(図6)。
次に、種々の用量のDF-mIL-12-Fc wtおよびDF-mIL-12-Fc siの腫瘍進行制御を比較した。簡潔には、Balb/cマウスの脇腹に10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が300mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、1μgに相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc wtまたは0.1μg rmIL-12または1μgに相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは0.1μg IL-12で週1回腹腔内処置した。腫瘍増殖を55日間評価した。
図7A~7Dに示すとおり、DF-mIL-12-Fc wtでの処置は、1μg rmIL-12モル当量用量で一部マウスで腫瘍進行を低減させ、2マウスで完全退縮させたが(図7A)、0.1μg IL-12モル当量用量で腫瘍抑制は観察されなかった(図7C)。対照的に、1μg IL-12モル当量用量のDF-mIL-12-Fc si処置は100%完全腫瘍退縮をもたらし(図7B)、低用量の0.1μg IL-12モル等量で腫瘍増殖の頑強な遅延を誘導した(図7D)。1μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc wtで処置したマウスの中央生存は32日であり、0.1μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc siで処置したマウスの34日の中央生存に類似し、DF-mIL-12-Fc siがその野生型バリアントより10倍強力であったことを示唆する(図8)。DF-mIL-12-Fc wtは0.1μg IL-12モル等量用量で効率的ではなく、アイソタイプ処置群と同じ24日の中央生存を示した。
次に、DF-mIL-12-Fc siの種々の投与経路のインビボ有効性を比較した。簡潔には、Balb/cマウスの脇腹に10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が270mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたはモル当量のmIgG2aアイソタイプ対照で週1回腹腔内または皮下処置した。腫瘍増殖を60日間にわたり評価した。
図22A-22Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの腹腔内(図22A)および皮下(図22B)投与何れも頑強な腫瘍退縮を誘導し、100%完全腫瘍退縮をもたらした。故に、DF-mIL-12-Fc si処置は、種々の投与経路を使用して有効性が示された。
実施例3 - B16F10腫瘍モデルにおけるサイレントFcドメインポリペプチドに融合したIL-12による腫瘍抑制
この実施例は、マウス黒色腫モデルにおけるDF-mIL-12-Fc wtおよびDF-mIL-12-Fc siが腫瘍進行を制御する相対的能力を記載する。簡潔には、C57BL/6マウスに10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後8日目、腫瘍体積が250mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10)に無作為化し、週1回0.5μgのIL-12、0.5μg IL-12に対応するモル用量のDF-mIL-12-Fc wt、0.5μg IL-12に対応するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは0.5μgのmIgG2aアイソタイプ対照で処置した。腫瘍増殖を32日間評価した。
図9A~9Cに示すとおり、試験したIL-12-Fc構築物の各々は腫瘍進行を遅延させたが、DF-mIL-12-Fc siは腫瘍増殖制御に最も効率的であった。DF-mIL-12-Fc siで処置したマウスの中央生存期間は29日であり、それぞれ16日、26日および22日であったアイソタイプ対照、DF-mIL-12-Fc wtおよびIL-12で処置されたマウスの中央生存期間より長かった(図10)。
次に、種々の用量のDF-mIL-12-Fc wtおよびDF-mIL-12-Fc siの腫瘍進行制御を比較した。簡潔には、C57BL/6マウスの脇腹に10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後8日目、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、0.5μgまたは0.1μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc wtまたは0.5μgまたは0.1μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc siで週1回腹腔内処置した。腫瘍増殖を30日間評価した。
図11A~11Dに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siは、何れの用量でも、腫瘍増殖抑制がDF-mIL-12-Fc wtより優れた。さらに、各用量で、DF-mIL-12-Fc wtで処置したマウスの中央生存は20日であった。対照的に、0.1μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc siで処置したマウスの中央生存は21日であり、0.5μg IL-12モル当量のDF-mIL-12-Fc siで処置したマウスの中央生存は28日であった(図12)。これらの結果は、高用量(0.5μg IL-12モル等量)のDF-mIL-12-Fc siは、その野生型対応物またはアイソタイプ対照と比較して、マウスの生存を有意に延長させたことを示した。
次に、DF-mIL-12-Fc si処置の単回投与を、先に記載した毎週処置と比較した。簡潔には、C57BL/6マウスに10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後8日目、腫瘍体積が200mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10)に無作為化し、週1回0.5μg IL-12に対応するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたはモル当量のmIgG2aアイソタイプ対照で処置した。腫瘍増殖を39日間評価した。
図23に示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの単回投与は100%のマウスで腫瘍増殖を低減させたが、腫瘍増殖は、毎週投与と比較して早く起こった(図9C)。さらに、マウスは一過性体重減少を示したが、初回投与後のみであった(データは示していない)。従って、DF-mIL-12-Fc siの単回投与は治療困難腫瘍モデルで初期有効性を示したが、続く毎週投与がこのモデルでは良好に腫瘍増殖を遅延させる。
次に、DF-mIL-12-Fc siの種々の投与経路のインビボ有効性を比較した。簡潔には、C57BL/6マウスに10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後7日目、腫瘍体積が260mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10)に無作為化し、1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたはモル当量のmIgG2aアイソタイプ対照で週1回腹腔内または皮下処置した。腫瘍増殖を40日間評価した。
図24A~24Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの腹腔内(図24A)および皮下(図24B)投与は、何れも100%のマウスで腫瘍退縮を誘導した。故に、DF-mIL-12-Fc si処置は、種々の投与経路を使用して有効性が示された。
実施例4 - DF-hIL-12-Fc wtおよびrhIL-12のインビトロ有効性
インビトロバイオアッセイを使用して、rhIL-12と比較したDF-hIL-12-Fc siの有効性を評価した。
IL-12の有効性をHEK-Blue IL-12レポーターアッセイを使用してアッセイした。IL-12R+ HEK-Blueレポーター細胞(InvivoGen)を培養培地から集め、培養培地で1×10細胞/mLに調節した。DF-hIL-12-Fc si(DF IL-12-Fc)および組み換えヒトIL-12(rhIL-12; PeproTech)を培地で希釈した。100μLのPBMC懸濁液を100μLの希釈試験品と混合し、48時間インキュベートした。上清を集め、IL-12受容体とレポーター細胞により安定に発現されるシグナル伝達成分の結合を、製造業者の指示に従い細胞から分泌される胚アルカリホスファターゼの測定により検出した。簡潔には、25μLのサンプル上清を200μLのQU抗Blue試薬と混合し、暗所でRTで10分間インキュベートした。次いでプレートをSpectraMax i3xプレートリーダーで620nMで読み、光学密度を相対的IL-12活性を表すものとして報告した。
図13Aに示すとおり、IL-12R+ HEKレポーター細胞によるSEAP産生は、DF-hIL-12-Fc siまたはrhIL-12の濃度の増加と共に増えた。HEK-Blueレポーターアッセイにおいて測定されたIL-12応は、試験した濃度でDF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12で同等であった。
次に、IL-12有効性を、ヒトPBMCからのIFNγ産生の定量により評価した。PBMCを、ヒト末梢血バフィーコートから密度勾配遠心分離を使用して単離し、培養培地で1×10細胞/mLに調節した。DF-hIL-12-Fc siおよび組み換えヒトIL-12(rhIL-12)を培地で希釈した。100μLのPBMC懸濁液を100μLの希釈試験品と混合し、48時間インキュベートした。上清を集め、IFNγを、ヒトIFN-γ ELISA MAXキット(BioLegend)を使用して定量した。IFNγ ELISAプレート展開後、SpectraMax i3x装置で450nmで読み、540nmでバックグラウンド減算した。サンプルウェルのIFNγ含量を、アッセイ標準曲線からサンプル読取り値を内挿することにより近似させた。
図13Bに示すとおり、IFNγ産生は、IFNγ応答強度を増幅させるための5μg/mlのPHAとの同時処置で、ヒトPBMCをDF-hIL-12-Fc siまたはrhIL-12と培養したとき増加した。IL-12刺激後IFN-γ産生は、試験した濃度でDF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12で同等であった。
従って、2つの細胞型および刺激条件でのEC50値は1桁以上違うが、DF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12の同等な活性が両アッセイで示され、DF-hIL-12-Fc si構築物が天然組み換えヒトIL-12に類似する有効性を示すことが示唆される。
実施例5 - DF-hIL-12-Fc siまたはrhIL-12IV点滴後のサル血漿におけるIL-12、DF-hIL-12-Fc siおよびIFNγ濃度
薬力学(PD)および薬物動態(PK)を、DF-hIL-12-Fc siまたはrhIL-12のIV点滴後カニクイザルで評価した。
カニクイザルに、DF-hIL-12-Fc siおよび組み換えヒトIL-12を10μg/kgでIV点滴で投与した。
免疫アッセイを、Quantikine ELISAヒトIL-12 p70免疫アッセイキットに基づくDF-hIL-12-Fc siおよびヒトIL-12の検出に使用した:このアッセイは定量的サンドイッチ酵素免疫アッセイ技術を用いた。ヒトIL-12 p70に特異的なモノクローナル抗体を固相キャプチャーとして使用し、検出を抗体HRPタグ付レポーターを使用して達成した。標準およびRhIL-12またはDF-hIL-12-Fc si対照標準添加QCを、試験サンプルと共にマイクロタイタープレートのウェルにピペットで加え、サンプルに存在するすべてのIL-12 p70を、固相の固定化抗体に結合させた。非結合物質を洗い流し、ヒトIL-12 p70に特異的な酵素架橋ポリクローナル抗体をウェルに加えた。非結合抗体-酵素試薬を洗い流し、TMB基質を各ウェルに加えた。得られた酵素反応は青色生成物を生じ、酸停止溶液を加えたとき黄色になった。各ウェルで測定された色の強度は、初期段階で結合したrhIL-12またはDF-hIL-12-Fc siの量に直接比例する。プレートを、データ収集ソフトウェア、SoftMax Pro Enterprise version 4.6と共に、SpectraMaxマイクロプレートリーダーで540nmを対照として450nmで読んだ。データをテキストファイルに変換し、Watson LIMS v.7.2.0.02にインポート/処理した。Logistic(Auto Estimate)曲線フィッティングを重み係数1で使用して、回帰を実施した。
未処置MSDマイクロタイタープレートのサル吸着ヤギ抗ヒトIgGでのコーティングと室温でのインキュベートを含む、免疫アッセイ(メソスケールディスカバリー(MSD) - ELISA様免疫アッセイ)もDF-hIL-12-Fc siの検出に使用した。プレートを洗浄し、遮断し、洗浄し、試験サンプルと共にDF-hIL-12-Fc si対照標準を添加した標準曲線および品質管理サンプルとインキュベートした。このインキュベーション後、プレートを洗浄し、ビオチン抗ヒトIL-12/IL-23 p40を一次検出抗体としてプレートに加えた。さらなる洗浄工程後、ストレプトアビジンコンジュゲートSULFO-TAGを二次検出抗体として加えた。プレートを最後に洗浄し、MSD Read緩衝液Tをプレートに加え、プレートをMSD Sector Imager S600を使用して読んだ。生MSDデータをテキストファイルにエクスポートし、次いでEnvigoでカスタム設計したExcelスプレッドシートプログラムを使用してWatson LIMS互換性ファイルに変換した。データをインポートし、Watson LIMS Software v.7.2.0.02で回帰させた。
メソスケールディスカバリー方法を、カニクイザル血漿におけるNHP炎症促進性バイオマーカーの相対的定量的測定のために使用した。方法は、カニクイザルK2 EDTA血漿(サル血漿と称する)のPro-inflammatory Panel 1 BiomarkerIFNγ、IL-1β、IL-2、IL-6 IL-8およびIL-10の相対的定量的測定のサンドイッチ免疫アッセイ方法を使用した。方法は、V-PLEXおよびV-PLEX Plus、Catalog No. K15056D-1、K15056D-2、K15056D-4、K15056D-6、K15056G-1、K15056G-2、K15056G-4、K15056G-6のMSD非ヒト霊長類(NHP)キットに基づく。方法は、ヒトキャプチャーおよびカニクイザルと反応する検出抗体を使用する。キットは、96ウェル多スポットプレートの各ウェルに独立した十分定義されたスポットのキャプチャー抗体でプレコートされたプレートを提供する。プレートをサル血漿サンプルとインキュベートし、洗浄し、次いで電気化学発光(ECL)ラベル(MSD SULFO-TAG)とコンジュゲートした検出抗体(各検体特異的)とインキュベートした。サンプル中の検体は作動中の電極表面に固定化したキャプチャー抗体に結合させ、結合検体による検出抗体の動員がサンドイッチを完成させる。プレートを洗浄し、MSD Read緩衝液を、電気化学発光(ECL)に適切な化学環境を作るため加えた。プレートを、MSD Sector Imager 600(SI600)装置に充填し、そこで、電圧をプレート電極に適用し、捕捉ラベルを発光させた。装置は、相対的光単位(RLU)の観点で発光強度を測定し、サンプル中の検体の相対的定量的測定を提供する。生RLUデータをテキストファイルにエクスポートし、次いでEnvigoでカスタム設計したExcelスプレッドシートプログラムを使用してWatson LIMS互換性ファイルに変換した。データをその後インポートし、Watson LIMS Software v.7.2.0.02で回帰させた。
図14は、IV投与後経時的なDF-hIL-12-Fc siおよび組み換えヒトIL-12の相対的血漿濃度を示す。データは、DF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12の濃度が、予想どおり経時的に減少することを示した。しかしながら、DF-hIL-12-Fc siは長い半減期を示し、全体的に時間経過に伴う曝露量がrhIL-12と比較して全体的に多かった。
図14はまたIV投与後のサル血漿のIFNγの相対的濃度(PD)を示す。データは、DF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12の薬力学は、IFNγ産生により評価して、何れもIV投与後活性を示したことを示す。しかしながら、DF-hIL-12-Fc siは、rhIL-12と比較して高いピーク活性および長い持続を示した。
実施例6 - マウスサロゲートDF-mIL-12-Fc siの薬理学的特徴づけ
DF-mIL-12-Fc siと名付けた半減期が長いマウスIL-12バリアントの血清半減期およびインビボ薬力学を試験した。
1μg IL-12に対応する当モル量のDF-mIL-12-Fc siを非腫瘍担持Balb/cマウスに静脈内注射し、PK/PD特徴をIL-12と比較した。ナイーブBalb/c(n=6)に、1μg DF-mIL-12-Fc siおよびIL-12(1μg IL-12に相当するモル)を静脈内注射した。注射0.017時間、0.5時間、3時間、6時間、24時間、48時間、72時間、96時間、144時間および219時間後、採血した。血清のIL-12およびIFNγレベルを、先に記載のとおりELISAにより分析した。
図15Aおよび15Bに示し、表15に定量化するとおり、DF-mIL-12-Fc siは約30時間の長期化血清半減期を示し(図15B、DF-mIL-12-Fc si T1/2=29.85時間)、これはIL-12の5倍長かった(図15A;IL-12 T1/2=6.05時間)。半減期延長に加えて、DF-mIL-12-Fc si介在IFNγ産生(AUC=916654)もIL-12(AUC=20304と比較して長かった)。
次に、DF-mIL-12-Fc siの種々の投与経路のPK/PD性質を比較した。1μg IL-12に対応する当モル量のDF-mIL-12-Fc siを、静脈内、腹腔内または皮下投与により非腫瘍担持Balb/cマウスに単回用量として注射し、PK/PD特徴を記載のとおり評価した。
図15C~15Eに示し、表16に定量化するとおり、静脈内(図15C)、腹腔内(図15D)または皮下(図15E)投与は、種々の投与経路にわたり同等なDF-mIL-12-Fc si介在IFNγ産生をもたらした。顕著なことに、皮下投与は低いIL-12 Cmaxをもたらした。従って、DF-mIL-12-Fc si投与の薬物動態(例えば、IL-12濃度)は投与経路により変わったが、薬力学的性質(IFNγ産生)は長期化されたままであり、異なる経路にわたり比較的同等であった。
Figure 2022505871000118


Figure 2022505871000119

実施例7 - B16F10マウスモデルにおけるDF-mIL-12-Fc siおよびPD-1遮断の組み合わせ
DF-mIL-12-Fc siおよびPD-1遮断の組み合わせ治療を確立されたB16F10腫瘍で抗腫瘍免疫応答が増幅され得るか分析するために、実施した。
C57BL/6マウスに、10 B16F10黒色腫細胞をマウスの脇腹に皮下注射した。腫瘍接種後8日目、マウスを無作為化した(n=10/群)。平均腫瘍体積が約245mmに達したら、マウスを0.5μgアイソタイプ対照、0.5μg DF-mIL-12-Fc si、200μg抗PD-1クローンRMP1-14または組み合わせDF-mIL-12-Fc si/抗PD-1で腹腔内処置した。動物にDF-mIL-12-Fc siを週1回および抗PD-1を週2回注射した。腫瘍増殖を60日間評価し、生存および体重をモニターした。
図16A~16Cに示すとおり、DF-mIL-12-Fc si単独投与は腫瘍退縮を遅らせ(図16A)、PD-1単独は腫瘍増殖に最小効果を有するが(図16B)、DF-mIL-12-Fc siとPD-1遮断の組み合わせは腫瘍増殖をさらに遅延させ(図16C)、抗PD-1処置がDF-mIL-12-Fc si処置への抗腫瘍応答をさらに増幅したことが示唆された。
図17Aおよび17Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc si治療およびPD-1遮断との組み合わせでの全生存は延長され、アイソタイプの15日および200μg抗PD-1処置マウスの17.5日(図17A)と比較して、29日(DF-mIL-12-Fc si単剤療法)および36日(組み合わせ)の中央生存を示した。顕著なことに、高い応答率にかかわらず、DF-mIL-12-Fc siおよび組み合わせ治療のレジメンは、B16F10腫瘍担持マウスにより忍容性が良好であると考えられた(図17B)。
従って、DF-mIL-12-Fc siおよびPD-1遮断の組み合わせ治療は、何れか処置単独と比較して有効性の改善を示した。
実施例8 - B16F10マウスモデルにおけるDF-mIL-12-Fc siとmcFAE-C26.99 TriNKETの組み合わせ
DF-mIL-12-Fc siとmcFAE-C26.99 TriNKETの組み合わせ治療を確立されたB16F10腫瘍で抗腫瘍免疫応答が増幅され得るか分析するために、実施した。
C57BL/6マウスに、マウスの脇腹に10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後7日目マウスを無作為化した(n=10/群)。腫瘍平均が200mmに達したら、マウスを150μgアイソタイプ対照または0.5μg DF-mIL-12-Fc si、150μg TriNKETまたは組み合わせDF-mIL-12-Fc si/TriNKETで腹腔内処置した。腫瘍増殖を60日間評価し、生存および体重をモニターした。
図18Aに示すとおり、DF-mIL-12-Fc si単剤療法は、腫瘍増殖を低減させた。200mmの腫瘍体積で開始するmcFAE-C26.99 TriNKETの単剤としての処置は、腫瘍進行を遅延させなかった(図18B)。対照的に、DF-mIL-12-Fc siとmcFAE-C26.99の組み合わせは、DF-mIL-12-Fc si単独(図18C)と比較してさらに抗腫瘍応答を増強し、30%の完全応答体(CR)(n=3)をもたらし、TriNKET処置がDF-mIL-12-Fc si処置への抗腫瘍応答をさらに増幅したことが示唆された。
図19Aに示すとおり、DF-mIL-12-Fc si治療およびmcFAE-C26.99 TriNKETとの組み合わせでの全生存は延長され、アイソタイプの16日およびTriNKET処置マウスの17日と比較して、29日(DF-mIL-12-Fc si単剤療法)および60日(TriNKET組み合わせ)の中央生存を示した。顕著なことに、高い応答率にかかわらず、DF-mIL-12-Fc siおよび組み合わせ治療のレジメンは、B16F10腫瘍担持マウスにより忍容性が良好であると考えられた(図19B)。
3完全応答体(上記実験からのCRおよびデータは図18Cに示す)を、最初の腫瘍接種72日後、2×10 B16F10黒色腫細胞で再負荷した。齢適合ナイーブC57BL/6マウスを対照群として使用した。初期DF-mIL-12-Fc si/TriNKETコンボ処置群からの3マウス中1は無腫瘍のままであり、他のマウスは、95日目に腫瘍形成の開示が示され、第三のマウスの腫瘍進行は年齢適合対照群に類似し(図20)、組み合わせ治療での免疫学的記憶の形成が示唆された。
従って、DF-mIL-12-Fc siおよびTriNKETの組み合わせ治療は、マウス集団における、完全、持続性応答を示したことを含み、何れかの処置単独と比較して、有効性の改善を示した。
実施例9 - DF-mIL-12-Fc siでの処置は、CT26腫瘍における完全回復を促進する
この実施例は、DF-mIL-12-Fc siでの処置がCT26腫瘍担持マウスにおける回復を促進することを示す。
Balb/cマウスの脇腹に、10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が270mmに達したとき、マウスを種々の処置群に無作為化し、週1回1μgの1μg rmIL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を腹腔内注射した。腫瘍増殖を60日間評価した。完全応答体を、最初の腫瘍接種72日後、10 CT26細胞で再負荷した。年齢適合ナイーブBalb/Cマウスを対照群として使用した。
図21Aは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを単回投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図21Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを毎週投与されたマウスの体重を示すグラフである。図21Cは、CT26腫瘍細胞の接種で再負荷された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図21A~Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc si投与は、mIgG2aアイソタイプと比較して強固な腫瘍退縮をもたらし、処置動物の体重に影響する毒性は観察されなかった。図21Cに示すとおり、初期DF-mIL-12-Fc si処置マウスは無腫瘍のままであり、DF-mIL-12-Fc si処置による免疫学的記憶の形成が示唆された。
実施例10 - 腹腔内または皮下送達したDF mIL-12-Fc siは、CT26腫瘍モデルにおける腫瘍体積の低減に有効である
この実施例は、腹腔内または皮下DF-mIL-12-Fc si投与がCT26腫瘍担持マウスにおける100%完全回復を確実にすることを示す。
簡潔には、Balb/cマウスの脇腹に10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が270mmに達したとき、マウスを種々の処置群に無作為化し、週1回1μgの1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を腹腔内注射するかまたは週1回1μgの1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を皮下注射した。腫瘍増殖を60日を超えて評価した。
図22Aは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを腹腔内送達により毎週投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図22Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを皮下送達により毎週投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図22A~Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの腹腔内または皮下送達は、CT26腫瘍体積低減に有効であった。
実施例11 - DF-mIL-12-Fc si単回投与はB16F10マウスモデルにおける腫瘍体積低減に有効である
この実施例は、DF-mI12-Fc siの単回投与がB16F10黒色腫腫瘍担持マウスの腫瘍体積低減に有効であることを示す。
簡潔には、C57BL/6マウスに、マウスの脇腹に10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後7日目マウスを無作為化した。腫瘍平均が200mmに達したら、マウスを単回用量アイソタイプ対照または1μgのDF-mIL-12-Fc siで腹腔内処置した。腫瘍増殖を50日間評価した。
図23に示すとおり、1μgのDF-mIL-12-Fc siの単回投与は、B16F10腫瘍担持マウスの腫瘍体積低減に有効である。
実施例12 - 腹腔内または皮下送達されたDF-mIL-12-Fc siはB16F10マウスモデルにおける腫瘍体積低減に有効である
この実施例は、腹腔内または皮下DF-mIL-12-Fc si投与が、B16F10黒色腫腫瘍担持マウスにおける100%完全回復をもたらすことを示す。
簡潔には、C57BL/6マウスの脇腹に10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後7日目、マウスを無作為化した。腫瘍平均が200mmに達したら、マウスに週1回1μgの1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を腹腔内注射するかまたは週1回1μgの1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を皮下注射した。腫瘍増殖を40日間評価した。
図24A~Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの腹腔内または皮下送達は、アイソタイプ対照と比較してB16F10腫瘍体積低減に有効であった。
実施例13 - DF-mIL-12-Fc siは単回投与として効果的である
この実施例は、DF-mIL-12-Fc siが単回投与したときCT26腫瘍体積低減に有効であるおよび反復投与したとき、さらにより有効であることを示す。
簡潔には、Balb/cマウスの脇腹に10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後14日目、腫瘍体積が270mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、0.1μg IL-12に相当するモル等量の1μgのDF-mIL-12-Fc siを単回または1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を週1回腹腔内注射した。あるいは、マウスに週1回1μgの1μg IL-12に相当するモル用量のDF-mIL-12-Fc siまたは1μgのmIgG2aアイソタイプ対照を腹腔内注射した。腫瘍増殖を60日を超えて評価した。
図25Aは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを単回投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図25Bは、CT26腫瘍細胞を接種され、1μgのDF-mIL-12-Fc siまたはmIgG2aアイソタイプを毎週投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図21Aおよび図25Aに示すとおり、1μgのDF-mIL-12-Fc siの単回投与は、mIgG2aアイソタイプと比較して、腫瘍担持マウスの強力な70%完全回復をもたらした。しかしながら、図5Cおよび図25Bに示すとおり、1μgのDF-mIL-12-Fc siの反復毎週投与は、mIgG2aアイソタイプと比較して、腫瘍担持マウスの100%完全回復を確実にした。図21Bに示すとおり、全反復DF-mIL-12-Fc si投与は、体重により評価して、観察される毒性はなく、忍容性が良好であった。
さらに、完全応答体(CR)の逆の脇腹に5×10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を再負荷し、腫瘍進行を、同じ腫瘍用量を負荷されたナイーブマウスと比較した。図21Cに示すとおり、再負荷後、ナイーブマウスで腫瘍は増殖したが、100%の完全応答体は無腫瘍のままであった。従って、DF-mIL-12-Fc siの単回投与は、マウス集団で完全、持続性応答を示した。
実施例14 - DF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置したカニクイザルにおける薬物動態
カニクイザルにおいて1μg/kg(図28A)、2μg/kg(図28B)または4μg/kg(図28C)のDF-hIL-12-Fc siを皮下注射後、ELISA様免疫アッセイ-メソスケールディスカバリー(MSD)免疫アッセイ方法を使用して薬物動態を決定した。簡潔には、未処置MSDマイクロタイタープレートをサル吸着ヤギ抗ヒトIgGで被覆し、室温でインキュベートした。コーティングおよびインキュベーション後、プレートを洗浄し、遮断し、洗浄し、試験サンプルと共に、DF-hIL-12-Fc si対照標準を添加した標準曲線および品質管理サンプルとインキュベートした。インキュベーション後、プレートを洗浄し、ビオチン抗ヒトIL-12/IL-23 p40を一次検出抗体としてプレートに加えた。さらなる洗浄工程後、ストレプトアビジンコンジュゲートSULFO-TAGを二次検出抗体として加えた。プレートを最後の洗浄をして、その後MSD read buffer Tをプレートに加えた。プレートをMSD Sector Imager S6000を使用して読んだ。
図28A~28Cは、1μg/kg(図28A)、2μg/kg(図28B)または4μg/kg(図28C)のDF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置されたカニクイザルにおける薬物動態を示す線グラフである。
データは、全試験用量で類似する薬物動態プロファイルで、DF-hIL-12-Fc siおよびrhIL-12の濃度が、予想どおり経時的に減少することを示す。
実施例15 - DF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置されたカニクイザルにおけるサイトカイン放出
カニクイザルにおける1μg/kg(図29Aおよび29B)、2μg/kg(図29Cおよび29D)または4μg/kg(図29Eおよび29F)でのDF-hIL-12-Fc si皮下注射後のサイトカインの定量的測定を、MSD免疫アッセイキットを使用して決定した。方法は、カニクイザルK2 EDTA血漿(サル血漿と称する)におけるPro-inflammatory Panel 1 BiomarkerであるIFNγ、IL-1β、IL-2、IL-6 IL-8およびIL-10の相対的定量的測定のために、サンドイッチ免疫アッセイキット(Pro-inflammatory Panel 1 BiomarkerおよびV-PLEX Plus Chemokine Panel 1 NHP Kit)を使用した。方法は、V-PLEXおよびV-PLEX Plus、Catalog No. K15056D-1、K15056D-2、K15056D-4、K15056D-6、K15056G-1、K15056G-2、K15056G-4、K15056G-6のMSD非ヒト霊長類(NHP)キットに基づく。方法は、カニクイザルと反応するヒトキャプチャーおよび検出抗体を使用する。キットは、96ウェル多スポットプレートの各ウェル内の、独立した、十分定義されたスポット上にキャプチャー抗体でプレコートされたプレートを提供する。プレートをサル血漿サンプルとインキュベートし、洗浄し、次いで電気化学発光(ECL)ラベル(MSD SULFO-TAG)とコンジュゲートした検出抗体(各検体特異的)とインキュベートした。サンプル中の検体は作動電極表面に固定化したキャプチャー抗体に結合する;結合検体による検出抗体の動員がサンドイッチを完成させる。プレートを洗浄し、MSD Read緩衝液を、電気化学発光(ECL)に適切な化学環境を作るため加えた。プレートを、MSD Sector Imager 600(SI600)装置に装着し、そこで、電圧をプレート電極に適用し、捕捉ラベルを発光させた。装置は、相対的光単位(RLU)の観点で発光強度を測定し、サンプル中の検体の相対的定量的測定を提供する。生RLUデータをテキストファイルにエクスポートし、次いでEnvigoでカスタム設計したExcelスプレッドシートプログラムを使用してWatson LIMS互換性ファイルに変換した。データをその後インポートし、Watson LIMS Software v.7.2.0.02で回帰させた。
図29A~29Fは、1μg/kg(図29Aおよび29B)、2μg/kg(図29Cおよび29D)または4μg/kg(図29Eおよび29F)のDF-hIL-12-Fc si単回皮下投与で処置したカニクイザルにおけるIFNγ(図29A、29Cおよび29E)およびIP10/CXCL10(図29B、29Dおよび29F)の濃度を示す線グラフである。
図29Aに示すとおり、1μg/kgでのDF-hIL-12-Fc si単回皮下投与は、検出可能レベルのIFNγをもたらさなかった。2μg/kgおよび4μg/kgのDF-hIL-12-Fc siの皮下投与は、投与後4日目にピークとなるIFNγレベル増加を一部動物でもたらした(図29Cおよび29E)。1μg/kg、2μg/kgおよび4μg/kgでのDF-hIL-12-Fc si皮下投与は、全て投与後4日目ピークとなるIP10/CXCL10レベル上昇をもたらした(図29B、29Dおよび29F)。
実施例16 - 4T1同所性マウスモデルにおける照射または化学療法を使用したDF-mIL-12-Fc si組み合わせ治療
DF-mIL-12-Fc si投与により誘発される抗腫瘍活性が増幅され得るかを示すために、照射または化学療法を使用した組み合わせ試験を実施した。簡潔には、Balb/cマウスに***脂肪パッドに5×10 4T1-luc腫瘍細胞を同所性に注射した。腫瘍接種後14日目、マウスを無作為化した(n=10/群)。マウスを、アイソタイプ、DF-mIL-12-Fc si(何れも1μg IL-12と等モル)皮下、5mg/kg ドキシル(登録商標)(化学療法)静脈内または10Gy照射を単剤療法またはドキシル(登録商標)もしくは照射と組み合わせたDF-mIL-12-Fc siで処置した。腫瘍増殖を経時的に評価した。図30は、乳癌細胞を接種され、アイソタイプ対照、DF-mIL-12-Fc si、ドキシル(化学療法)または10Gy照射を単剤療法またはドキシル(登録商標)もしくは照射と組み合わせたDF-mIL-12-Fc siを毎週投与された個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。グラフは腫瘍増殖±標準誤差平均の群平均を示す。
図30に見られるとおり、DF-mIL-12-Fc si単剤療法はそれ自体4T1腫瘍担持マウスで有効であったが、組み合わせ治療は抗腫瘍免疫応答を増強し、10~30%のマウスで完全腫瘍退縮に至った。
実施例17 - PD-1遮断耐性大CT26結腸癌腫腫瘍に対するDF-mIL-12-Fc si介在抗腫瘍有効性
この実施例は、DF-mIL-12-Fc siが、PD-1遮断耐性CT26-Tyrp1腫瘍に対する強力な、抗腫瘍応答を誘発するか否かを分析する。Balb/cマウスに0.5×10 CT26-Tyrp1腫瘍細胞を注射した。平均腫瘍体積が約120mmに達したとき接種した後、マウスを9日目に無作為化した。マウスを200μgアイソタイプまたは抗PD-1抗体(週2回)で処置した。図31Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、アイソタイプ対照または抗PD-1抗体で処置(週2回)されたBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。17日目、抗PD-1(平均腫瘍体積約800mm)で先に処置した群を2処置群に細分した。群1はPD-1遮断処置週2回を継続して受け続け、群2はPD-1遮断(週2回)とDF-mIL-12-Fc si(1μg毎週)を受けた。図31Bは、抗PD-1抗体(週2回)と1μgのDF-mIL-12-Fc si毎週処置で処置した、先に抗PD-1抗体処置したBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図31Aに示すとおり、抗PD-1単剤療法は腫瘍進行を制御できなかった。しかしながら、図31Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの追加は、有効な腫瘍退縮をもたらした。
実施例18 - 大CT26結腸癌腫腫瘍に対するDF-mIL-12-Fc siの局所処置は、アブスコパル抗腫瘍応答を誘導する
この実施例は、DF-mIL-12-Fc si処置がアブスコパル治療効果を誘導できるか否かを示す。簡潔には、Balb/cに、左(0.8×10腫瘍細胞)および右(0.4×10腫瘍細胞)脇腹療法にCT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下移植した。腫瘍接種後13日目、左腫瘍に、0.1μgアイソタイプ対照または0.1μg DF-mIL-12-Fc siを、2~3週間、週1回注射した。図32Aは、Balb/cマウス CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、アイソタイプ対照またはDF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)処置された処置(Tr)腫瘍の腫瘍増殖曲線を示すグラフである。右腫瘍は未処置(NT)のままであった。
図32Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種されたBalb/cマウスにおける未処置(NT)腫瘍の腫瘍増殖曲線を示すグラフである。
図32A~32Bに示すとおり、対照アイソタイプ処置腫瘍は、右部分および左部分両方で増殖し続けた。図32A~32Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siは、局所注射部位(図32A)および遠位非処置腫瘍(図32B)で有効な抗腫瘍応答をもたらし、アブスコパル治療効果を示した。
実施例19 - 大CT26結腸癌腫腫瘍に対するDF-mIL-12-Fc si介在抗腫瘍有効性
この実施例は、変異L234A、L235AおよびP329Gを有するマウスIgG2a FcドメインポリペプチドのN末端に融合した野生型マウスIL-12 p40およびp35サブユニットを含むDF-mIL-12-Fc si(実施例2に記載)が、大きな腫瘍容積に対して効果的であることを示す。
CT26大結腸癌腫腫瘍に対するDF-mIL-12-Fc si介在抗腫瘍有効性を試験した。簡潔には、Balb/cマウスに10 CT26-Tyrp1結腸癌腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後18日目、腫瘍体積が800mmに達したとき、マウスを種々の処置群(n=10/群)に無作為化し、1μgまたは2μg IL-12に相当するモル用量に相当するDF-mIL-12-Fc siまたはモル用量のmIgG2aアイソタイプで単回または週1回腹腔内処置した。
腫瘍増殖を65日間評価した。図26Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または1μg DF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)処置されたBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図26Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または2μg DF-mIL-12-Fc siで1回(毎週)処置されたBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図33Aは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照または2μg DF-mIL-12-Fc siで1回処置されたBalb/cマウスの腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図33Bは、CT26-Tyrp1腫瘍細胞を接種され、2μg mIgG2aアイソタイプ対照、1μg DF-mIL-12-Fc si(毎週投与)、2μg DF-mIL-12-Fc si(毎週投与)または2μg DF-mIL-12-Fc si(1回)で処置されたBalb/cマウスの平均腫瘍増殖曲線を示すグラフである。図26A、26Bおよび33Aは、個々のマウスの腫瘍増殖曲線を示す。図33Bは、腫瘍平均±標準誤差平均を示す。
図26A、26Bおよび33Bに示すとおり、DF-mIL-12-Fc siの毎週投与(1μgまたは2μg)は、腫瘍進行の制御に効率的であり、100%のマウスがDF-mIL-12-Fc si処置に応答した。さらに、図33Aに示すとおり、2μg DF-mIL-12-Fc siでの単回処置は腫瘍退縮を示し、100%応答率をもたらした。この実施例に記載するデータおよび図は、DF-mIL-12-Fc siが単回投与したとき、大CT26腫瘍体積の減少に有効であるだけでなく、CT26腫瘍体積低減に有効であることも示す。
実施例20 - B16F10黒色腫に対するDF-mIL-12-Fc si処置は、血清および腫瘍におけるサイトカインおよびケモカイン産生を誘導する
この実施例は、DF-mIL-12-Fc si処置がB16F10腫瘍担持C57BL/6マウスの血中および腫瘍でIFNγ、CXCL9およびCXCL10のレベルを上昇させることを示す。簡潔には、C57BL/6マウスに、10 B16F10黒色腫細胞を皮下注射した。腫瘍接種後7日目(平均腫瘍体積が150mmに達したとき)、マウスを無作為化した(n=8/群)。マウスにアイソタイプ対照、IL-12または1μg IL-12と等モルのDF-mIL-12-Fcで腹腔内処置した。
処置72時間後、血清および腫瘍溶解物を調製し、マルチプレックステクノロジーを使用してIFNγ(図27A)、CXCL9(図27B)およびCXCL10(図27C)発現を分析した。図34A~Cは、マウスにおける平均サイトカイン/ケモカインレベルを示す。
図27A~27Cに示すとおり、0.5μgのDF-mIL-12-Fc si単回投与は、血清(左パネル)および腫瘍内(右パネル)でのIFNγ(図27A)、CXCL9(図27B)およびCXCL10(図27C)の発現増加をもたらし、一方IL-12処置はほとんどまたは全く効果がなかった。
実施例21 - LALAPAおよびLALAPG変異を有するDF hIL-12-Fc siは、類似するIFNγ刺激活性およびFcγR結合消失を示す
この実施例は、LALAPA(L234A、L235AおよびP329A)変異またはLALAPG(L234A、L235AおよびP329G)変異を有するIgG1 Fcを有するDF hIL-12-Fc siのIFNγ刺激およびFcγR結合活性を示す。完結には、ヒトPBMCを、2日間、5μg/mlフィトヘマグルチニン(PHA)およびLALAPAまたはLALAPG変異を有するDF hIL-12-Fc-siの漸増用量両方と培養した。2日間刺激後、上清を収集し、IFNγ含量をELISAにより測定した。FcγR結合活性を決定するために、高親和性FcγR CD32およびCD64を発現するTHP-1細胞に結合したフルオロフォアコンジュゲートhIgG1アイソタイプ抗体(83nM)をフローサイトメトリーにより決定した。
図34Aに示すとおり、hIL-12-Fc-LALAPAおよびhIL-12-Fc-LALAPGは、PHAと同時で、PHA単独で生じる量より相当多くPBMCからのIFNγ産生を刺激する能力を有する。
図34Bに示すとおり、標識hIgG1アイソタイプ抗体との混合物中の16倍モル過剰のhIL-12-Fc-wt(1.3μM)の同時の包含は、おそらくCD32およびCD64へのIgG1結合の競合により、結合シグナルを相当低減させた。対照的に、同じ濃度で、hIL-12-Fc-LALAPAまたはhIL-12-Fc-LALAPG何れとのインキュベーションも、検出可能なIgG1アイソタイプ結合をもたらさず、LALAPAおよびLALAPG変異に起因する両タンパク質のFcγR結合消失が示唆された。
番号付けした実施態様
ここに開示する実施態様は、番号付けした実施態様の開示に提供する実施態様P1~P121を提供する。
実施態様P1:
第一抗体Fc配列を含む第一ポリペプチドおよび第二の異なる抗体Fc配列を含む第二ポリペプチド
を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、
ここで、第一ポリペプチドは多サブユニットタンパク質のサブユニットのタンパク質配列をさらに含み、
ここで、タンパク質配列は、アミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(配列番号1)を含むリンカーにより第一抗体Fc配列(ここで、XはLまたはEである)に融合しており;そして
多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットが第二の異なる抗体Fc配列に融合しており、そして多サブユニットタンパク質のサブユニットが互いに結合しており、
ここで、第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列は各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
ここで、第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列は互いに結合しているものである、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P2:リンカーがアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)を含む、実施態様P1のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P3:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P2のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P4:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P3のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P5:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P2のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P6:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P5のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P7:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P2のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P8:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P7のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P9:タンパク質配列と第一抗体Fc配列を融合するリンカーがアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)からなる、実施態様P2~P8の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P10:リンカーがアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)を含む、実施態様P1のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P11:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P10のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P12:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P11のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P13:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P10のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P14:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P13のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P15:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P10のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P16:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P15のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P17:タンパク質配列と第一抗体Fc配列を融合するリンカーがアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)からなる、実施態様P10~P16の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P18:
第一抗体Fc配列を含む第一ポリペプチドおよび第二の異なる抗体Fc配列を含む第二ポリペプチド
を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、
ここで、第一ポリペプチドは多サブユニットタンパク質のサブユニットのタンパク質配列をさらに含み、
ここで、タンパク質配列がアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号6)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)を含むリンカーにより第一抗体Fc配列(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)に融合しており;そして
多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットが第二の異なる抗体Fc配列に融合しており、そして多サブユニットタンパク質のサブユニットが互いに結合しており、そして
ここでXがLであるおよび/またはXがLであるとき、第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列の少なくとも1つはヘテロ二量体化を促進するQ347R変異を含み、
ここで、第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列は互いに結合しているものである、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P19:リンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)またはPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)を含む、実施態様P18のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P20:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P19のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P21:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号241)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P20のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P22:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列
GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P19のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P23:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号242)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P22のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P24:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列
GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P19のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P25:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号243)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P24のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P26:タンパク質配列と第一抗体Fc配列を融合するリンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号7)またはPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)からなる、実施態様P19~P25の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P27:リンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含む、実施態様P18のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P28:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P27のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P29:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号244)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P28のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P30:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P27のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P31:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号245)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P30のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P32:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P27のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P33:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号246)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P32のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P34:タンパク質配列と第一抗体Fc配列を融合するリンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号9)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)からなる、実施態様P27~P33の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P35:リンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)を含む、実施態様P18のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P36:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P35のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P37:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)またはGGGGSGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号247)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P36のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P38:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P35のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P39:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)またはGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号248)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P38のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P40:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)を含むリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P35のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P41:多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットがアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)またはGGGGSGGGGSPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号249)からなるリンカーにより、第二の異なる抗体Fc配列に融合される、実施態様P40のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P42:タンパク質配列と第一抗体Fc配列を融合するリンカーがアミノ酸配列EPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号11)またはPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)からなる、実施態様P35~P41の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P43:第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列が互いにヘテロ二量体化を促進するために変異されたIgG4 Fc配列である、実施態様P1~P17の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P44:第一抗体Fc配列がK370E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がE357N、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P45:第一抗体Fc配列がE357N、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がK370E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P46:第一抗体Fc配列が変異K370EおよびR409Wを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異E357N、D399VおよびF405Tを含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P47:第一抗体Fc配列が変異E357N、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異K370EおよびR409Wを含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P48:第一抗体Fc配列がK360E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P49:第一抗体Fc配列がQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がK360E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P50:第一抗体Fc配列が変異K360EおよびR409Wを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P51:第一抗体Fc配列が変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異K360EおよびR409Wを含む、実施態様P43のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P52:第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列が互いにヘテロ二量体化を促進するように変異されたIgG1 Fc配列である、実施態様P18~P42の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P53:第一抗体Fc配列がK360E、K409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P52のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P54:第一抗体Fc配列がQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二の異なる抗体Fc配列がK360E、K409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P52のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P55:第一抗体Fc配列が変異K360EおよびK409Wを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む、実施態様P52のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P56:第一抗体Fc配列が変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異K360EおよびK409Wを含む、実施態様P52のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P57:IgG4またはIgG1 Fc配列がエフェクター機能を低減するようさらに変異されている、実施態様P43~P56の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P58:第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列が各々変異L234A、L235AまたはL235Eおよび/またはP329Aを含む、実施態様P57のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P59:第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列が各々G237A、A330S、P331Sおよびその何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、実施態様P57または実施態様P58のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P60:第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列が各々変異G237A、A330SおよびP331Sを含む、実施態様P57または実施態様P58のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P61:IgG4またはIgG1 Fc配列が鎖間ジスルフィド架橋を導入するようさらに変異されている、実施態様P43~P60の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P62:第一抗体Fc配列が変異Y349Cを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異S354Cを含む、実施態様P61のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P63:第一抗体Fc配列が変異S354Cを含み、第二の異なる抗体Fc配列が変異Y349Cを含む、実施態様P61のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P64:多サブユニットタンパク質のサブユニットが多サブユニットサイトカインのサブユニットである、実施態様P1~P63の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P65:サイトカインがIL-12である、実施態様P64のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P66:少なくとも1つの抗体可変ドメインをさらに含む、実施態様P1~P65の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P67:少なくとも1つの抗体重鎖可変領域がFabを形成するように抗体軽鎖可変領域に結合しており、ここで、Fabが第一抗体Fc配列および/または第二の異なる抗体Fc配列のN末端に結合する、実施態様P66のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P68:多サブユニットタンパク質のサブユニットおよび多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットのタンパク質配列がそれぞれ第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列のC末端に結合する、実施態様P67のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P69:多サブユニットタンパク質のサブユニットおよび多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットのタンパク質配列がそれぞれ第二の異なる抗体Fc配列および第一抗体Fc配列のC末端に結合する、実施態様P67のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P70:第一ポリペプチドが第一抗体Fc配列に対してC末端に位置する抗体重鎖可変ドメインを含む、実施態様P66のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P71:第二ポリペプチドが第二の異なる抗体Fc配列に対してC末端に位置する抗体重鎖可変ドメインを含む、実施態様P66または実施態様P70のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P72:抗体重鎖可変領域がscFvを形成するように抗体軽鎖可変領域に結合する、実施態様P70または実施態様P71のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P73:多サブユニットタンパク質のサブユニットおよび多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットのタンパク質配列がそれぞれ第一抗体Fc配列および第二の異なる抗体Fc配列のN末端に結合する、実施態様P70~72の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P74:多サブユニットタンパク質のサブユニットおよび多サブユニットタンパク質のさらなるサブユニットのタンパク質配列がそれぞれ第二の異なる抗体Fc配列および第一抗体Fc配列のN末端に結合する、実施態様P70~P72の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P75:抗体可変ドメインを含まない、実施態様P1~P65の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P76:プロテオグリカン結合ドメインをさらに含む、実施態様P1~P65または実施態様P75のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P77:プロテオグリカン結合ドメインが腫瘍で特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する、実施態様P76のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P78:プロテオグリカン結合ドメインがシンデカン、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合する、実施態様P77のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P79:SLRPがデコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される、実施態様P78のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P80:コラーゲン結合ドメインをさらに含む、実施態様P1~P65または実施態様P75~P79のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P81:コラーゲン結合ドメインが腫瘍で特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する、実施態様P80のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P82:ヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む、実施態様P1~P65または実施態様P75~P81のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P83:プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインまたはヒアルロン酸結合ドメインが第一抗体Fcドメインポリペプチドまたは第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に融合する、実施態様P76~P82の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P84:先の実施態様の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む、製剤。
実施態様P85:実施態様P1~P83の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質をコードする1以上の核酸を含む、細胞。
実施態様P86:癌を処置する方法であって、患者に実施態様P1~P83の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質または実施態様P84の製剤を投与することを含む、方法。
実施態様P87:急性放射線症候群を処置する方法であって、患者に実施態様P1~P83の何れかのヘテロ二量体Fc融合タンパク質または実施態様P84の製剤を投与することを含む、方法。
実施態様P88:急性放射線症候群が造血放射線症候群、消化器放射線症候群、神経血管放射線症候群、皮膚放射線症候群およびその何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の症候群を含む、実施態様P87の方法。
実施態様P89:配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
実施態様P90:多サブユニットサイトカインのサブユニットおよび免疫グロブリンFcドメインポリペプチドを含むポリペプチドであって、ここで、Fcドメインポリペプチドが異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのヘテロ二量体化を促進する変異およびFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含む、ポリペプチド。
実施態様P91:FcドメインがヒトIgG1抗体Fcドメインである、実施態様P90のポリペプチド。
実施態様P92:Fcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AまたはL235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される、実施態様P91のポリペプチド。
実施態様P93:Fcのエフェクター機能を低減させる変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AおよびP329Aである、実施態様P91または実施態様P92のポリペプチド。
実施態様P94:ヘテロ二量体化を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、K360EおよびK409Wである、実施態様P91~P93の何れかのポリペプチド。
実施態様P95:ヘテロ二量体化を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Q347R、D399VおよびF405Tである、実施態様P91~P93の何れかのポリペプチド。
実施態様P96:Fcドメインが異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのジスルフィド結合形成を促進する変異をさらに含む、実施態様P94またはP95のポリペプチド。
実施態様P97:ヘテロ二量体化変異がK360EおよびK409Wであるとき、ジスルフィド結合形成を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Y349Cである、実施態様P96のポリペプチド。
実施態様P98:ヘテロ二量体化変異がQ347R、D399VおよびF405Tであるとき、ジスルフィド結合形成を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、S354Cである、実施態様P96のポリペプチド。
実施態様P99:配列番号290のアミノ酸配列を含む、実施態様P97のポリペプチド。
実施態様P100:配列番号291のアミノ酸配列を含む、実施態様P98のポリペプチド。
実施態様P101:抗体可変ドメインをさらに含む、実施態様P90~P100の何れかのポリペプチド。
実施態様P102:抗体可変ドメインが抗体重鎖可変ドメインを含む、実施態様P101のポリペプチド。
実施態様P103:抗体重鎖可変ドメインがポリペプチドのN末端に融合する、実施態様P102のポリペプチド。
実施態様P104:抗体重鎖可変ドメインがFabを形成するように抗体軽鎖可変ドメインに結合する、実施態様P103のポリペプチド。
実施態様P105:抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、実施態様P103のポリペプチド。
実施態様P106:多サブユニットサイトカインのサブユニットが免疫グロブリンFcドメインのC末端に融合する、実施態様P101~P105の何れかのポリペプチド。
実施態様P107:抗体重鎖可変ドメインがポリペプチドのC末端に融合する、実施態様P101のポリペプチド。
実施態様P108:抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、実施態様P107のポリペプチド。
実施態様P109:多サブユニットサイトカインのサブユニットが免疫グロブリンFcドメインのN末端に融合する、実施態様P107またはP108のポリペプチド。
実施態様P110:抗体可変ドメインを含まない、実施態様P90~P100の何れかのポリペプチド。
実施態様P111:プロテオグリカン結合ドメインをさらに含む、実施態様P90~P100またはP110の何れかのポリペプチド。
実施態様P112:プロテオグリカン結合ドメインが腫瘍に特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する、実施態様P111のポリペプチド。
実施態様P113:プロテオグリカン結合ドメインがシンデカン、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合する、実施態様P112のポリペプチド。
実施態様P114:SLRPがデコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される、実施態様P113のポリペプチド。
実施態様P115:コラーゲン結合ドメインをさらに含む、実施態様P90~P100または110~114の何れかのポリペプチド。
実施態様P116:コラーゲン結合ドメインが腫瘍に特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する、実施態様P115のポリペプチド。
実施態様P117:aヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む、実施態様P90~P100または110~116の何れかのポリペプチド。
実施態様P118:プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインまたはヒアルロン酸結合ドメインがポリペプチドのC末端に融合する、実施態様P111~P117の何れかのポリペプチド。
実施態様P119:実施態様P89~P118の何れかの配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、核酸。
実施態様P120:実施態様P89~P118の何れかの配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含む、発現ベクター。
実施態様P121:実施態様P119の核酸または実施態様P120の発現ベクターを含む、細胞。
引用による取り込み
ここに引用した特許文献および科学論文の各々の開示全体を、引用により全ての目的のために本明細書に包含させる。
均等
本発明は、その精神または必須の特徴から逸脱することなく、他の特異的形態で具体化され得る。したがって、前記実施態様はその記載に本発明を限定するのではなく、全ての点で例示的と解釈されるべきである。故に、本発明の範囲は、前記ではなく、添付する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味および範囲に入る全ての変更はそれに包含されることが意図される。

Claims (244)

  1. (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを含む第一ポリペプチド;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチド
    を含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、
    ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドは各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドはFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含み、そして
    多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合しているものである、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  2. エフェクター機能が抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導するFcの能力を含む、請求項1に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  3. ヘテロ二量体Fc融合タンパク質がフコシル化されている、請求項1または2に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  4. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドがヒト抗体Fcドメインポリペプチドである、請求項1~3の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  5. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDまたはIgE Fcドメインポリペプチドである、請求項1~4の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  6. 第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより番号付けして、233、234、235、236、237、297、318、320、322、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む、請求項1~5の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  7. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドである、請求項1~6の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  8. 第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより、234、235、237、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む、請求項7に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  9. 第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドがL234A、L235A、L235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される1以上の変異を含む、請求項8に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  10. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235AおよびP329Aを含む、請求項9に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  11. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234AおよびL235Aを含む、請求項9に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  12. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331Sを含む、請求項9に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  13. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異C220Sを含む、請求項7~12の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  14. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG4 Fcドメインポリペプチドである、請求項1~6の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  15. 第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより番号付けして、235位および/または329位に1以上の変異を含む、請求項14に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  16. 第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドがL235EおよびP329Aから選択される1以上の変異を含む、請求項15に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  17. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235Eを含む、請求項16に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  18. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235EおよびP329Aを含む、請求項16に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  19. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異S228Pを含む、請求項14~18の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  20. 配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二ポリペプチドを含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  21. 多サブユニットサイトカインのサブユニットおよび免疫グロブリンFcドメインポリペプチドを含むポリペプチドであって、ここで、Fcドメインポリペプチドが異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのヘテロ二量体化を促進する変異およびFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含む、ポリペプチド。
  22. FcドメインがヒトIgG1抗体Fcドメインである、請求項21に記載のポリペプチド。
  23. Fcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AまたはL235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される、請求項22に記載のポリペプチド。
  24. Fcのエフェクター機能を低減させる変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AおよびP329Aである、請求項22または23に記載のポリペプチド。
  25. ヘテロ二量体化を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、K360EおよびK409Wである、請求項22~24の何れかに記載のポリペプチド。
  26. ヘテロ二量体化を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Q347R、D399VおよびF405Tである、請求項22~24の何れかに記載のポリペプチド。
  27. Fcドメインが異なる免疫グロブリンFcドメインポリペプチドとのジスルフィド結合形成を促進する変異をさらに含む、請求項25または26に記載のポリペプチド。
  28. ヘテロ二量体化変異がK360EおよびK409Wであるとき、ジスルフィド結合形成を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、Y349Cである、請求項27に記載のポリペプチド。
  29. ヘテロ二量体化変異がQ347R、D399VおよびF405Tであるとき、ジスルフィド結合形成を促進する変異が、EUナンバリングシステムにより番号付けして、S354Cである、請求項27に記載のポリペプチド。
  30. 配列番号290のアミノ酸配列を含む、請求項28に記載のポリペプチド。
  31. 配列番号291のアミノ酸配列を含む、請求項29に記載のポリペプチド。
  32. 配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする、核酸。
  33. 配列番号290または配列番号291のアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードする配列を含む核酸を含む、発現ベクター。
  34. 請求項32に記載の核酸または請求項33に記載の発現ベクターを含む、細胞。
  35. (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを含む第一ポリペプチド;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチド
    を含むヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、
    ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットが第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、ここで、第一リンカーは第一アミノ酸配列を含み、ここで、第一アミノ酸配列はアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)を含み、
    ここで、XがLであるおよび/またはXがLであるとき、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドの少なくとも一方はヘテロ二量体化を促進するQ347R変異を含み
    ここで、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合しているものである、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  36. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含む、請求項35に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  37. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)からなる、請求項36に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  38. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)を含む、請求項36または37に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  39. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)からなる、請求項38に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  40. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)を含む、請求項35に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  41. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)からなる、請求項40に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  42. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)を含む、請求項40または41に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  43. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)からなる、請求項42に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  44. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)を含む、請求項40または41に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  45. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)からなる、請求項44に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  46. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)を含む、請求項40または41に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  47. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)からなる、請求項46に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  48. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)を含む、請求項40または41に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  49. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)からなり、請求項48に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  50. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)を含む、請求項40または41に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  51. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)からなる、請求項50に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  52. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)を含む、請求項35に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  53. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)からなる、請求項52に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  54. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)を含む、請求項52または53に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  55. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)からなる、請求項54に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  56. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)を含む、請求項52または53に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  57. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)からなる、請求項56に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  58. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)を含む、請求項52または53に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  59. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)からなる、請求項58に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  60. (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第一サブユニットを含む第一ポリペプチド;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドおよび多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットを含む第二ポリペプチド
    を含む、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質であって、
    ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、多サブユニットタンパク質の第一サブユニットが第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、ここで、第一リンカーが第一アミノ酸配列を含み、ここで、第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(配列番号1)(ここで、XはLまたはEである)を含み、そして
    多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合しているものである、ヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  61. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)を含む、請求項60に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  62. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)からなる、請求項61に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  63. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)を含む、請求項61または62に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  64. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)からなる、請求項63に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  65. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)を含む、請求項61または62に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  66. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)からなる、請求項65に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  67. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)を含む、請求項61または62に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  68. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)からなる、請求項67に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  69. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)を含む、請求項60に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  70. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)からなる、請求項69に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  71. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)を含む、請求項69または70に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  72. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)からなる、請求項71に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  73. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)を含む、請求項69または70に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  74. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)からなる、請求項73に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  75. 多サブユニットタンパク質の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)を含む、請求項69または70に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  76. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)からなる、請求項75に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  77. 第一および/または第二ポリペプチドがFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含む、請求項35~76の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  78. エフェクター機能が抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導するFcの能力を含む、請求項77に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  79. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドである、請求項77または78に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  80. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが、各々、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L234A、L235AまたはL235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される1以上の変異を含む、請求項79に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  81. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235AおよびP329Aを含む、請求項80に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  82. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234AおよびL235Aを含む、請求項80に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  83. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331Sを含む、請求項80に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  84. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異C220Sを含む、請求項79~83の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  85. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG4 Fcドメインポリペプチドである、請求項77または78に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  86. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより番号付けして、L235EおよびP329Aから選択される1以上の変異を含む、請求項85に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  87. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235Eを含む、請求項86に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  88. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235EおよびP329Aを含む、請求項86に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  89. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異S228Pを含む、請求項85~88の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  90. 第一抗体FcドメインポリペプチドがK360E、K409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何らかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項7~13、35~59および79~84の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  91. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異K360EおよびK409Wを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む、請求項90に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  92. 第一抗体FcドメインポリペプチドがQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何らかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがK360E、K409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項7~13、35~59および79~84の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  93. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異K360EおよびK409Wを含む、請求項92に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  94. 第一抗体FcドメインポリペプチドがK370E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがE357N、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項14~19、60~76および85~89の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  95. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異K370EおよびR409Wを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異E357N、D399VおよびF405Tを含む、請求項94に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  96. 第一抗体FcドメインポリペプチドがE357N、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがK370E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項14~19、60~76および85~89の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  97. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異E357N、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異K370EおよびR409Wを含む、請求項96に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  98. 第一抗体FcドメインポリペプチドがK360E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項14~19、60~76および85~89の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  99. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異K360EおよびR409Wを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異Q347R、D399VおよびF405Tを含む、請求項98に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  100. 第一抗体FcドメインポリペプチドがQ347R、D399V、F405Tおよびそれらの何れかの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含み、第二抗体FcドメインポリペプチドがK360E、R409Wおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される1以上の変異を含む、請求項14~19、60~76および85~89の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  101. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異Q347R、D399VおよびF405Tを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異K360EおよびR409Wを含む、請求項100に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  102. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが鎖間ジスルフィド結合を導入するためにさらに変異される、請求項1~19または35~101の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  103. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異Y349Cを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異S354Cを含む、請求項102に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  104. 第一抗体Fcドメインポリペプチドが変異S354Cを含み、第二抗体Fcドメインポリペプチドが変異Y349Cを含む、請求項102に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  105. 多サブユニットタンパク質が多サブユニットサイトカインである、請求項1~19または35~104の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  106. 多サブユニットサイトカインがIL-12である、請求項105に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  107. 多サブユニットサイトカインの第一サブユニットがヒトIL-12のp40サブユニットであり、多サブユニットサイトカインの第二の異なるサブユニットがヒトIL-12のp35サブユニットである、請求項106に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  108. 多サブユニットサイトカインの第一サブユニットがヒトIL-12のp35サブユニットであり、多サブユニットサイトカインの第二の異なるサブユニットがヒトIL-12のp40サブユニットである、請求項106に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  109. 野生型p35配列に対応するC74がセリンによって置換され、野生型p40に対応するC177がセリンによって置換され、これらの置換がヒトIL-12の野生型p35および野生型p40サブユニット間で形成される天然ジスルフィド結合を除去する、請求項107または108に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  110. ヒトIL-12のp35サブユニットがV185C置換を含み、ヒトIL-12のp40サブユニットがY292C置換を含み、これがヒトIL-12のp35サブユニットおよびp40サブユニット間に非天然ジスルフィド結合を形成する、請求項109に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  111. 抗体可変ドメインをさらに含む、請求項1~19または35~110の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  112. 抗体可変ドメインが抗体重鎖可変ドメインを含む、請求項111に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  113. 抗体重鎖可変ドメインが第一抗体Fcドメインポリペプチドまたは第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に融合する、請求項112に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  114. 抗体重鎖可変ドメインがFabを形成するように抗体軽鎖可変ドメインに結合する、請求項113に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  115. 抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、請求項113に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  116. 多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットがそれぞれ第一抗体FcドメインポリペプチドのC末端および第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に融合する、請求項113~115の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  117. 抗体重鎖可変ドメインが第一抗体Fcドメインポリペプチドまたは第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に融合する、請求項112に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  118. 抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、請求項117に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  119. 多サブユニットタンパク質の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットがそれぞれ第一抗体FcドメインポリペプチドのN末端および第二抗体FcドメインポリペプチドのN末端に融合する、請求項117または118に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  120. 抗体可変ドメインをさらに含む、請求項21~31の何れかに記載に記載のポリペプチド。
  121. 抗体可変ドメインが抗体重鎖可変ドメインを含む、請求項120に記載に記載のポリペプチド。
  122. 抗体重鎖可変ドメインがポリペプチドのN末端に融合する、請求項121に記載に記載のポリペプチド。
  123. 抗体重鎖可変ドメインがFabを形成するように抗体軽鎖可変ドメインに結合する、請求項122に記載に記載のポリペプチド。
  124. 抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、請求項122に記載に記載のポリペプチド。
  125. 多サブユニットサイトカインのサブユニットが免疫グロブリンFcドメインのC末端に融合する、請求項122~124に記載の何れかに記載のポリペプチド。
  126. 抗体重鎖可変ドメインがポリペプチドのC末端に融合する、請求項121に記載に記載のポリペプチド。
  127. 抗体重鎖可変ドメインがscFvを形成するようにさらに抗体軽鎖可変ドメインに融合する、請求項126に記載に記載のポリペプチド。
  128. 多サブユニットサイトカインのサブユニットが免疫グロブリンFcドメインのN末端に融合する、請求項126または127に記載に記載のポリペプチド。
  129. 抗体可変ドメインを含まない、請求項1~19または35~110の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  130. プロテオグリカン結合ドメインをさらに含む、請求項1~19、35~110または129の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  131. プロテオグリカン結合ドメインが腫瘍に特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する、請求項130に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  132. プロテオグリカン結合ドメインがシンデカン、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合する、請求項131に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  133. SLRPがデコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される、請求項132に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  134. コラーゲン結合ドメインをさらに含む、請求項1~19、35~110または129~133の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  135. コラーゲン結合ドメインが腫瘍に特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する、請求項134に記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  136. ヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む、請求項1~19、35~110または129~135の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  137. プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインまたはヒアルロン酸結合ドメインが第一抗体Fcドメインポリペプチドまたは第二抗体FcドメインポリペプチドのC末端に融合する、請求項130~136の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質。
  138. 抗体可変ドメインを含まない、請求項21~31の何れかに記載に記載のポリペプチド。
  139. プロテオグリカン結合ドメインをさらに含む、請求項21~31の何れかに記載に記載のポリペプチド。
  140. プロテオグリカン結合ドメインが腫瘍に特異的に発現される1以上のプロテオグリカンに結合する、請求項139に記載に記載のポリペプチド。
  141. プロテオグリカン結合ドメインがシンデカン、セルグリシン、CSPG4、ベータグリカン、グリピカン、ペルレカン、ベルシカン、ブレビカンおよび小ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)から選択される1以上のプロテオグリカンに結合する、請求項140に記載に記載のポリペプチド。
  142. SLRPがデコリン、ビグリカン、アスポリン、フィブロモジュリンおよびルミカンから選択される、請求項141に記載に記載のポリペプチド。
  143. コラーゲン結合ドメインをさらに含む、請求項21~31または138~142の何れかに記載に記載のポリペプチド。
  144. コラーゲン結合ドメインが腫瘍において特異的に発現される1以上のコラーゲンに結合する、請求項143に記載に記載のポリペプチド。
  145. ヒアルロン酸結合ドメインをさらに含む、請求項21~31または138~144の何れかに記載に記載のポリペプチド。
  146. プロテオグリカン結合ドメイン、コラーゲン結合ドメインまたはヒアルロン酸結合ドメインがポリペプチドのC末端に融合する、請求項139~145に記載の何れかに記載のポリペプチド。
  147. 請求項1~20、35~119または129~137の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む、製剤。
  148. 請求項1~20、35~119または129~137の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質または請求項120~128または138~146の何れかに記載のポリペプチドをコードする1以上の核酸を含む、細胞。
  149. 癌を処置する方法であって、患者に請求項1~20、35~119または129~137の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質または請求項147に記載の製剤を投与することを含む、方法。
  150. 急性放射線症候群を処置する方法であって、患者に請求項1~20、35~119または129~137の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質または請求項147に記載の製剤を投与することを含む、方法。
  151. 急性放射線症候群が造血放射線症候群、消化器放射線症候群、神経血管放射線症候群、皮膚放射線症候群およびその何れかの組み合わせから選択される1以上の症候群を含む、請求項150に記載の方法。
  152. 患者にチェックポイント阻害剤、サイトカイン、TLRアゴニスト、STINGアゴニスト、化学療法剤、癌標的剤、腫瘍溶解性ウイルス、ワクチン、照射、養子NK治療、幹細胞移植(SCT)治療、アゴニスト抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療、多特異的結合タンパク質(TriNKET)および細胞老化を誘導する薬剤から選択される第二治療剤を投与することをさらに含む、請求項149に記載の方法。
  153. チェックポイント阻害剤が抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA4抗体、抗KIR抗体、抗NKG2A抗体、抗LAG3抗体および抗TIM3抗体から選択される、請求項152に記載の方法。
  154. TLRアゴニストがTLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR7/8アゴニスト、TLR9アゴニスト、TLR4アゴニストおよびTLR3アゴニストから選択される、請求項152に記載の方法。
  155. STINGアゴニストがADU-S100である、請求項152に記載の方法。
  156. 化学療法剤がパクリタキセル、nab-パクリタキセル、ドキソルビシン、ゲムシタビンまたはシクロホスファミドである、請求項152に記載の方法。
  157. チェックポイント阻害剤がニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、リリルマブおよびモナリズマブから選択される、請求項152に記載の方法。
  158. TLRアゴニストがR848/レシキモド、VTX-2337、イミキモドおよびCpGオリゴデオキシヌクレオチドから選択される、請求項152に記載の方法。
  159. アゴニスト抗体が抗4-IBB/CD137抗体、抗OX40抗体、抗CD40抗体、抗CD40L抗体、抗GITR抗体および抗CD27抗体から選択される、請求項152に記載の方法。
  160. サイトカインがIL-2、IL-15、CXCL9およびCXCL10から選択される、請求項152に記載の方法。
  161. 多特異的結合タンパク質(TriNKET)が
    (a)NKG2Dに結合する第一抗原結合部位;
    (b)腫瘍関連抗原に結合する第二抗原結合部位;および
    (c)CD16に結合するのに十分な抗体Fcドメインもしくはその一部またはCD16に結合する第三抗原結合部位
    を含み;
    ここで、腫瘍関連抗原がEpCAM、CD2、CD19、CD20、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、EGFR/ERBB1、IGF1R、HER3/ERBB3、HER4/ERBB4、MUC1、cMET、SLAMF7、PSCA、MICA、MICB、TRAILR1、TRAILR2、MAGE-A3、B7.1、B7.2、CTLA4およびPD-L1からなる群から選択される、請求項152に記載の方法。
  162. 請求項1~20、35~119または129~137の何れかに記載のヘテロ二量体Fc融合タンパク質または請求項147に記載の製剤が患者に静脈内、皮下、腹腔内または腫瘍内投与される、請求項149または152~161の何れかに記載の方法。
  163. 癌が急性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、B細胞リンパ腫、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、汎発性大B細胞リンパ腫食道癌、ユーイング肉腫、濾胞性リンパ腫、胃癌、消化器癌、消化器間質腫瘍、神経膠芽腫、頭頸部癌、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、腎臓細胞癌腫、神経芽腫、非小細胞肺癌、神経内分泌腫瘍、卵巣癌および膵臓癌、前立腺癌、肉腫、小細胞肺癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺癌腫、甲状腺癌、尿路上皮癌、骨髄由来サプレッサー細胞により浸潤された癌、細胞外マトリクス沈着を伴う癌、高レベルの反応性間質を伴う癌および新血管形成を伴う癌からなる群から選択される、請求項149または152~162の何れかに記載の方法。
  164. 患者に単回用量のみのヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質を投与することを含む、癌を処置する方法。
  165. 単回用量が癌に対する完全応答の誘導に十分な量である、請求項164に記載の方法。
  166. 単回用量が癌の再発遅延または予防に十分な量である、請求項165に記載の方法。
  167. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が
    (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよびIL-12の第一サブユニット;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドおよびIL-12の第二の異なるサブユニットを含み、ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、IL-12の第一サブユニットが第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、ここで、第一リンカーが第一アミノ酸配列を含み、ここで、第一アミノ酸配列がPKSSDKTHTCPPCPAPEXGX(配列番号237)(ここで、XはLまたはAであり、XはL、EまたはAであり、そしてXはAまたはGである)を含み、
    ここで、XがLであるおよび/またはXがLであるとき、第一抗体Fcドメインポリペプチドおよび第二抗体Fcドメインポリペプチドの少なくとも一方はヘテロ二量体化を促進するQ347R変異を含み、
    ここで、IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合している、請求項164~166の何れかに記載の方法。
  168. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)を含む、請求項167に記載の方法。
  169. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号239)からなる、請求項168に記載の方法。
  170. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)を含む、請求項168または169に記載の方法。
  171. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号10)からなる、請求項170に記載の方法。
  172. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)を含む、請求項167または168に記載の方法。
  173. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号65)からなる、請求項172に記載の方法。
  174. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)を含む、請求項167または168に記載の方法。
  175. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAAGG(配列番号66)からなる、請求項174に記載の方法。
  176. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)を含む、請求項167に記載の方法。
  177. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号238)からなる、請求項176に記載の方法。
  178. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)を含む、請求項176または177に記載の方法。
  179. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号8)からなる、請求項178に記載の方法。
  180. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)を含む、請求項176または177に記載の方法。
  181. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号15)からなる、請求項180に記載の方法。
  182. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)を含む、請求項176または177に記載の方法。
  183. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPELLGG(配列番号16)からなる、請求項182に記載の方法。
  184. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)を含む、請求項167に記載の方法。
  185. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列PKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号240)からなる、請求項184に記載の方法。
  186. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)を含む、請求項184または185に記載の方法。
  187. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号12)からなる、請求項186に記載の方法。
  188. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)を含む、請求項184または185に記載の方法。
  189. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号67)からなる、請求項188に記載の方法。
  190. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)を含む、請求項184または185に記載の方法。
  191. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSEPKSSDKTHTCPPCPAPEAEGA(配列番号68)からなる、請求項190に記載の方法。
  192. IL-2のヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が
    (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよびIL-12の第一サブユニット;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドおよびIL-12の第二の異なるサブユニット
    を含み、
    ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、IL-12の第一サブユニットが第一アミノ酸配列を含む第一リンカーにより第一抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、ここで、第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFXGG(配列番号1)(ここで、XはLまたはEである)を含み、そして
    ここで、IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合している、請求項164~166の何れかに記載の方法。
  193. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)を含む、請求項192に記載の方法。
  194. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号2)からなる、請求項193に記載の方法。
  195. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)を含む、請求項193または194に記載の方法。
  196. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号3)からなる、請求項195に記載の方法。
  197. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)を含む、請求項193または194に記載の方法。
  198. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号13)からなる、請求項197に記載の方法。
  199. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)を含む、請求項193または194に記載の方法。
  200. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFLGG(配列番号14)からなる、請求項199に記載の方法。
  201. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)を含む、請求項192に記載の方法。
  202. 第一アミノ酸配列がアミノ酸配列RVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号4)からなる、請求項201に記載の方法。
  203. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)を含む、請求項201または202に記載の方法。
  204. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号5)からなる、請求項203に記載の方法。
  205. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)を含む、請求項201または202に記載の方法。
  206. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号63)からなる、請求項205に記載の方法。
  207. IL-2の第二の異なるサブユニットが第二アミノ酸配列を含む第二リンカーにより第二抗体Fcドメインポリペプチドに融合しており、そして、ここで第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)を含む、請求項201または202に記載の方法。
  208. 第二アミノ酸配列がアミノ酸配列GGGGSGGGGSRVESKYGPPCPPCPAPEFEGG(配列番号64)からなる、請求項207に記載の方法。
  209. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が
    (a)第一抗体Fcドメインポリペプチドを含む第一ポリペプチドおよびIL-12の第一サブユニット;および
    (b)第二抗体Fcドメインポリペプチドを含む第二ポリペプチドおよびIL-12の第二の異なるサブユニット
    を含み、
    ここで、第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々ヘテロ二量体化を促進する異なる変異を含み、
    ここで、第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドがFcのエフェクター機能を低減させる1以上の変異を含み、そして
    ここで、IL-12の第一サブユニットおよび第二の異なるサブユニットが互いに結合している、請求項164~166の何れかに記載の方法。
  210. エフェクター機能が抗体依存性細胞傷害(ADCC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)および/または補体依存性細胞傷害(CDC)を誘導するFcの能力を含む、請求項209に記載の方法。
  211. ヘテロ二量体Fc融合タンパク質がフコシル化されている、請求項209または210に記載の方法。
  212. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドがヒト抗体Fcドメインポリペプチドである、請求項209~211の何れかに記載の方法。
  213. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA、IgDまたはIgE Fcドメインポリペプチドである、請求項209~212の何れかに記載の方法。
  214. 第一および/または第二ポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより番号付けして、233、234、235、236、237、297、318、320、322、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む、請求項213に記載の方法。
  215. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG1 Fcドメインポリペプチドである、請求項209~214の何れかに記載の方法。
  216. 第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより、234、235、237、329、330および/または331の位置に1以上の変異を含む、請求項215に記載の方法。
  217. 第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドがL234A、L235A、L235E、G237A、P329A、A330SおよびP331Sから選択される1以上の変異を含む、請求項216に記載の方法。
  218. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235AおよびP329Aを含む、請求項217に記載の方法。
  219. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234AおよびL235Aを含む、請求項217に記載の方法。
  220. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L234A、L235E、G237A、A330SおよびP331Sを含む、請求項217に記載の方法。
  221. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異C220Sを含む、請求項215~220の何れかに記載の方法。
  222. 第一および第二抗体FcドメインポリペプチドがヒトIgG4 Fcドメインポリペプチドである、請求項209~214の何れかに記載の方法。
  223. 第一および/または第二抗体Fcドメインポリペプチドが、EUナンバリングシステムにより番号付けして、235および/または329の位置に1以上の変異を含む、請求項222に記載の方法。
  224. 第一および/または第二抗体FcドメインポリペプチドがL235EおよびP329Aから選択される1以上の変異を含む、請求項223に記載の方法。
  225. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235Eを含む、請求項223に記載の方法。
  226. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異L235EおよびP329Aを含む、請求項223に記載の方法。
  227. 第一および第二抗体Fcドメインポリペプチドが各々変異S228Pを含む、請求項222~226の何れかに記載の方法。
  228. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が配列番号290のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号291のアミノ酸配列を含む第二の異なるポリペプチドを含む、請求項164~166または209~219の何れかに記載の方法。
  229. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が配列番号291のアミノ酸配列を含む第一ポリペプチドおよび配列番号290のアミノ酸配列を含む第二の異なるポリペプチドを含む、請求項164~166または209~219の何れかに記載の方法。
  230. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が患者に腫瘍内、皮下、腹腔内または静脈内投与される、請求項164~229の何れかに記載の方法。
  231. ヘテロ二量体IL-12-Fc融合タンパク質が患者に腫瘍内投与される、請求項230に記載の方法。
  232. 患者にチェックポイント阻害剤、サイトカイン、TLRアゴニスト、STINGアゴニスト、化学療法剤、癌標的剤、腫瘍溶解性ウイルス、ワクチン、照射、養子NK治療、幹細胞移植(SCT)治療、アゴニスト抗体、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療、多特異的結合タンパク質(TriNKET)および細胞老化を誘導する薬剤から選択される第二治療剤を投与することをさらに含む、請求項164~231の何れかに記載の方法。
  233. チェックポイント阻害剤が抗PD1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA4抗体、抗KIR抗体、抗NKG2A抗体、抗LAG3抗体および抗TIM3抗体から選択される、請求項232に記載の方法。
  234. TLRアゴニストがTLR7アゴニスト、TLR8アゴニスト、TLR7/8アゴニスト、TLR9アゴニスト、TLR4アゴニストおよびTLR3アゴニストから選択される、請求項232に記載の方法。
  235. STINGアゴニストがADU-S100である、請求項232に記載の方法。
  236. 化学療法剤がパクリタキセル、nab-パクリタキセル、ドキソルビシン、ゲムシタビンまたはシクロホスファミドである、請求項232に記載の方法。
  237. チェックポイント阻害剤がニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、イピリムマブ、トレメリムマブ、リリルマブおよびモナリズマブから選択される、請求項232に記載の方法。
  238. TLRアゴニストがR848/レシキモド、VTX-2337、イミキモドおよびCpGオリゴデオキシヌクレオチドから選択される、請求項232に記載の方法。
  239. アゴニスト抗体が抗4-IBB/CD137抗体、抗OX40抗体、抗CD40抗体、抗CD40L抗体、抗GITR抗体および抗CD27抗体から選択される、請求項232に記載の方法。
  240. サイトカインがIL-2、IL-15、CXCL9およびCXCL10から選択される、請求項232に記載の方法。
  241. 多特異的結合タンパク質(TriNKET)が
    (a)NKG2Dに結合する第一抗原結合部位;
    (b)腫瘍関連抗原に結合する第二抗原結合部位;および
    (c)CD16に結合するのに十分な抗体Fcドメインもしくはその一部またはCD16に結合する第三抗原結合部位
    を含み;
    ここで、腫瘍関連抗原がEpCAM、CD2、CD19、CD20、CD30、CD38、CD40、CD52、CD70、EGFR/ERBB1、IGF1R、HER3/ERBB3、HER4/ERBB4、MUC1、cMET、SLAMF7、PSCA、MICA、MICB、TRAILR1、TRAILR2、MAGE-A3、B7.1、B7.2、CTLA4およびPD-L1からなる群から選択される、請求項232に記載の方法。
  242. 癌が急性骨髄性白血病、急性骨髄単球性白血病、B細胞リンパ腫、膀胱癌、乳癌、結腸直腸癌、汎発性大B細胞リンパ腫食道癌、ユーイング肉腫、濾胞性リンパ腫、胃癌、消化器癌、消化器間質腫瘍、神経膠芽腫、頭頸部癌、黒色腫、中皮腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、腎臓細胞癌腫、神経芽腫、非小細胞肺癌、神経内分泌腫瘍、卵巣癌および膵臓癌、前立腺癌、肉腫、小細胞肺癌、T細胞リンパ腫、精巣癌、胸腺癌腫、甲状腺癌、尿路上皮癌、骨髄由来サプレッサー細胞により浸潤された癌、細胞外マトリクス沈着を伴う癌、高レベルの反応性間質を伴う癌および新血管形成を伴う癌からなる群から選択される、請求項164~241の何れかに記載の方法。
  243. 癌が転移癌である、請求項149または152~242の何れかに記載の方法。
  244. 転移癌が局所、領域性または遠位転移癌である、請求項243に記載の方法。
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