JP2022503576A - 骨髄線維症の血小板数非依存的処置方法 - Google Patents

骨髄線維症の血小板数非依存的処置方法 Download PDF

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Abstract

SIMPLIFY1および2試験データの再分析は、MMBが、JAKi未経験患者およびRUXに対する第二選択治療に有効であり、脾臓の肥大を減らし、骨髄線維症関連症状を改善し、基礎疾患およびRUX治療からの血小板減少症のリスクがある患者における輸血非依存性を増加させる利益を提供することを示している。したがって、骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置する方法が記載される。本方法は、治療有効量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を、(i)骨髄線維症および(ii)150×10/L未満の血小板数を有すると同定された対象に投与することを含むことができる。骨髄線維症を有する対象に、治療有効安定用量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を複数週間投与することを含む方法であって、対象が、期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持すると評価される、方法も記載される。

Description

相互参照
本出願は、2018年8月21日に出願された米国仮特許出願第62/720,782号、2018年10月22日に出願された米国仮特許出願第62/749,052号、および2018年12月3日に提出された米国仮特許出願第62/774,752号の利益を主張し、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
骨髄線維症(MF)は、世界中で約40,000~50,000人の患者が罹患する疾患であり、そのうち70~80%の患者が中間リスクから高リスクのMF患者に分類される。MFを有する全患者の生存期間中央値は約6年であるが、中間-2リスクまたは高リスクのMFに分類された患者では、それぞれ4年および2.25年と大きく悪化する。
骨髄線維症は、原発性MF(PMF)としてデノボで発生し得、または既存の骨髄増殖性腫瘍(MPN)、主に真性多血症(PV)もしくは本態性血小板血症(ET)から生じ得る。これらの状態が明らかに線維化の段階に達した場合、それらは臨床的に事実上区別できない。
MFの3つの主要な疾患兆候は、(1)多くの場合に血小板減少症または他の血球減少症に関連する、貧血、(2)全身症状、例えば、倦怠感、寝汗、発熱、悪液質、骨痛、掻痒、および体重減少、ならびに(3)髄外造血に起因する、主に脾臓、および低い頻度の肝臓の臓器肥大(これは、腹部膨満および腹痛、早期満腹感、呼吸困難、および下痢などの一般的関連症状を引き起こし得る)である。
ルキソリチニブ(RUX)は、原発性骨髄線維症、真性多血症後骨髄線維症、および本態性血小板血症後骨髄線維症を含む、中間リスクおよび高リスクの骨髄線維症の処置に使用されるヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤である。ルキソリチニブは、現在の患者の約70%の処置に使用されているが、重度の血小板減少症を有する患者には認可されていない。
さらに、ルキソリチニブによる処置はそれ自体が血小板減少症を引き起こし得る。ルキソリチニブの2つの第3相臨床試験において、ルキソリチニブ開始前に100×10~200×10/Lの血小板数を有する患者は、200×10/L超の参加時血小板数を有する患者と比較して、より高い頻度のグレード3または4の血小板減少症を有した(17%対7%)。グレード3または4の血小板減少症を発症した患者では、血小板減少症の発症までの期間の中央値は約8週間であった。血小板減少症は、一般に、用量の減少または用量の中断で回復した。50×10/Lを上回る血小板数の回復までの期間の中央値は14日間であった。
臨床診療では、処置中の血小板減少症は、必要に応じて血小板輸血を伴って、用量を減少するか、またはルキソリチニブ処置を一時的に中断することによって管理される。ルキソリチニブの中止後、骨髄増殖性腫瘍の症状はわずか7日間により処置前の重症度に戻り得る。
MFは、慢性かつ進行性の常に致命的な疾患である。現在の標準治療であるルキソリチニブは、現在の患者の30%に投与することができない。ルキソリチニブ自体が血小板減少症および貧血を引き起こし、用量の減少または中断および症状の再発を生じさせる。患者の殆どは、ルキソリチニブ治療後に追加の処置が必要である。
残念ながら、最近認可されたJAK2/FLT3阻害剤フェドラチニブは、ルキソリチニブと同様の血液毒性プロファイルを有し、50×10/L以上のベースライン血小板数を有する患者にのみ投与され、グレード4の血小板減少症または他の有害事象では用量を減少させる。結果として、ルキソリチニブおよびフェドラチニブが利用可能であるにかかわらず、この致死的疾患のための追加の治療の必要性が継続している。
モメロチニブ(MMB)は、骨髄線維症(MF)の処置のために開発された、JAK1、JAK2、およびアクチビンA受容体I型(ACVR1)の強力かつ選択的な、経口的に生物学的利用可能な小分子阻害剤である。しかしながら、MFの第一選択処置および第二選択処置についての2つの第3相臨床試験(それぞれSIMPLIFY-1および-2)では、MMBはこれら2つの臨床試験の各々で事前定義された主要または副次的エンドポイントのうちの1つを満さなかった。
SIMPLIFY-1試験(NCT01969838)では、MMB対ルキソリチニブ(RUX)の有効性および安全性を、JAK阻害剤による処置が未経験であり、かつ、1リットルあたり少なくとも50×10(/L)の血小板数を有する骨髄線維症を有する患者で研究した。高リスクまたは中間-2リスクまたは症候性中間-1リスク骨髄線維症を有する患者(N=432)は、200mgのMMBを1日1回、または20mgのRUXを1日2回(またはラベル通り)24週間処置した後、すべての患者が非盲検モメロチニブを受け取ることができる。脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血割合、および輸血非依存性または輸血依存性によって、RUXに対するMMBの非劣性を実証することを目的として、有効性を測定した。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少したことであった。
SIMPLIFY-1試験の結果の最初の分析は、Mesa et al.によって報告された(SIMPLIFY-1:A Phase III Randomized Trial of Momelotinib Versus Ruxolitinib in Janus Kinase Inhibitor-Naive Patients with Myelofibrosis”,J.Clinical Oncology 2017,35(34):3844-3850)。そのSIMPLIFY-1試験データ分析は、モメロチニブがJAKi未経験患者の脾臓サイズの低下についてRUXに対して非劣性であることを示しており、したがって、研究の主要エンドポイントを満たしている。しかしながら、その研究の症候性患者でのモメロチニブの症候性利益の証拠にもかかわらず、総症状スコア(TSS)反応の副次的エンドポイントについての非劣性は実証されなかった。MMB処置は、RUXと比較して、輸血非依存性率の増加、輸依存性率の低下、および輸血率の低下と関連し、これらはすべて名目上統計的に有意であった。
SIMPLIFY-2試験(NCT02101268)では、以前にルキソリチニブ(RUX)により処置された骨髄線維症を有する貧血または血小板減少症対象において、MMB対利用可能な最善の処置(BAT)の有効性および安全性を研究した。必要なベースライン血小板数についての下限はなかった。BATに対するMMBの優位性を実証することを目標とした有効性は、脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血割合、および輸血非依存性または輸血依存性によって、有効性を測定した。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少したことであった。
SIMPLIFY-2試験の結果の最初の分析は、Harrison et al.によって報告された(“Momelotinib versus best available therapy in patients with myelofibrosis previously treated with ruxolitinib(SIMPLIFY2):a randomised,open-label,phase 3 trial.”Lancet Haematol;第5巻、第2号、2018年2月、e73~e81頁)。そのSIMPLIFY-2試験データ分析は、モメロチニブが、脾臓サイズの低下について主要なルキソリチニブBATより優れていないことを示し、したがって、試験は主要エンドポイントを達成できず、正式な階層的統計的検定を止めた。
名目上の統計的有意性は、TSS奏効率および輸血非依存性率対BATで観察された。輸血依存性率の低下および輸血負担の減少も認められた。最初の分析は、無作為化研究処置の開始前にルキソリチニブの中止を義務付けなかったことによって複雑になった。以前のルキソリチニブからの強制的なウォッシュアウトを含まないことにより、脾臓反応の評価は、この研究では、いずれの群の対象でも不明瞭であった。さらに、この研究に登録された患者は、RUXでの脾臓の進行に基づいて選択されなかった。
我々は、SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2試験のデータを再分析して、モメロチニブの投与が血小板減少症を引き起こさず、したがって、血小板減少症のために用量を減少しまたは中断する必要なく、モメロチニブが、脾臓サイズ(SSR)の低下、総症状スコア(TSS)の改善、および1リットルあたり150×10(/L)以下の血小板数の患者における輸血非依存性の改善に有効であることを発見した。我々の再分析は、MMBがJAKi未経験患者およびRUXに対する第二選択治療として患者に有効であり、脾臓肥大を低減させ、骨髄線維症に関連する症状を改善し、基礎疾患および現在の標準治療由来の血小板減少症を有するかまたはそのリスクのある患者集団における輸血非依存性率を改善するという利点を提供することを示す。
したがって、本開示は、骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置する方法を記載する。いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を(i)骨髄線維症および(ii)150×10/L未満の血小板数を有すると同定された対象に投与することを含む。骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置する方法であって、治療有効安定用量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を複数週間の期間投与することを含み、対象は、処置期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持すると評価される、方法も提供される。
本開示のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、以下の説明および添付の図面に関してより理解されるようになるであろう。
慢性骨髄増殖性腫瘍(MPN)である骨髄線維症の特徴に関する概略図を示す。 骨髄線維症についての3つの疾患特徴、および初回診断から1年後にこれらの兆候を示す患者の割合を示す概略図である。Tefferi A et al.Mayo Clin.Proc.2012;87:25-33を参照のこと。 軽度、中間度、重度の貧血の骨髄線維症患者対貧血のない骨髄線維症患者の生存率のグラフを示し、貧血が重要な予後因子であることを示す。ベースライン貧血:軽度=10g/dl以上のHgbであるが、通常の下限を下回っている。中間度=8g/dl~10g/dl未満のHgb;重度=8g/dl未満のHgbまたは輸血依存性。例えば、Nicolosi et al.Leukemia 2018 32(5):1189-1199を参照のこと。 骨髄線維症における貧血への経路を示す概略図を示す。 骨髄線維症を有する対象におけるモメロチニブの貧血利益の生物学的根拠を示す。ACVR1およびヘプシジン:鉄代謝経路には、ACVR1などのTGFβスーパーファミリー受容体が関与する。ACVR1は、ヘプシジンの転写を活性化するSmadを介してシグナル伝達し(図5A)、ヘプシジンの上昇は赤血球生成の減少をもたらす(図5B)。TGFβスーパーファミリーを標的とする他の治療剤には、luspaterceptおよびsotaterceptが含まれる。 骨髄線維症を有する対象におけるモメロチニブの貧血利益の生物学的根拠を示す。ACVR1およびヘプシジン:鉄代謝経路には、ACVR1などのTGFβスーパーファミリー受容体が関与する。ACVR1は、ヘプシジンの転写を活性化するSmadを介してシグナル伝達し(図5A)、ヘプシジンの上昇は赤血球生成の減少をもたらす(図5B)。TGFβスーパーファミリーを標的とする他の治療剤には、luspaterceptおよびsotaterceptが含まれる。 モメロチニブ治療が骨髄線維症疾患の3つの特徴を改善することを示す概略図である。 モメロチニブが区別されるJAK阻害剤(JAKi)であることを示す。他のJAKiは、MF患者のニーズに対処する幅広い能力を一貫して示していない。モメロチニブのみが、脾臓、症状、および貧血の堅牢な利益を有する。モメロチニブは、1,200人超の患者への投与を含む、20を超える第1相、第2相、および第3相の臨床試験で研究されている。550人超の骨髄線維症患者が処置され、数人の患者が少なくとも7年間処置されている。モメロチニブは、脾臓、症状、および貧血などのMFにおける様々な堅牢な利益をもたらすことができ、貧血および血小板減少症の高い割合とは関連しない唯一のJAKiである。 骨髄線維症のモメロチニブ(MMB)処置を用いる2つの完了した第3相試験:SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2のパラメータを纏めた概略図を示す。図8A:以前にJAKiにより処置されていない第一選択集団でのMMBのSIMPLIFY-1試験。SIMPLIFY-1では、目標は、ルキソリチニブ(RUX)に対する非劣性であった。図8B:以前にRUXにより処置された貧血または血小板減少症対象の第二選択集団のSIMPLIFY-2試験。SIMPLIFY-2では、目標は、利用可能な最善の処置(BAT)よりも優れていることであった。 骨髄線維症のモメロチニブ(MMB)処置を用いる2つの完了した第3相試験:SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2のパラメータを纏めた概略図を示す。図8A:以前にJAKiにより処置されていない第一選択集団でのMMBのSIMPLIFY-1試験。SIMPLIFY-1では、目標は、ルキソリチニブ(RUX)に対する非劣性であった。図8B:以前にRUXにより処置された貧血または血小板減少症対象の第二選択集団のSIMPLIFY-2試験。SIMPLIFY-2では、目標は、利用可能な最善の処置(BAT)よりも優れていることであった。 SIMPLIFY1試験での総症状スコア(TSS)を構成する7つの個々の症状に関する1日症状スコアの4週間平均として評価されたベースライン中央値および24週平均症状スコア中央値のグラフを示し、モメロチニブおよびルキソリチニブの両方が、臨床的に同等の様式で、ベースラインと比較してすべての症状を大幅に改善したことを示す。棒グラフの挿入図は、ベースラインTSSの平均および中央値が、モメロチニブ群ではRUXに対して高かったことを示す。 MMB開始後の患者における急速かつ持続的なヘモグロビンの改善、およびSIMPLIFY11における24週後のモメロチニブ交差後における、ルキソリチニブに関して無作為化された対象における同様の急速かつ持続的なヘモグロビンの改善を示す。 MMB投与後にモメロチニブがヘプシジンを一貫して減少させたことを示すグラフである。投与後の急激な低下に加えて、ベースラインおよび登録時の投与前のレベルと比較して、24週間の研究期間にわたって徐々に低下した。トランスレーショナルバイオロジー第2相試験(N=41;GS-US-352-1672)。 MMBの探索的トランスレーショナルバイオロジー研究の概略図を示す。 トランスレーショナルバイオロジーの第2相試験(N=41;GS-US-352-1672)からのデータによって裏付けられた、モメロチニブ処置開始後の高レベルの鉄およびヘモグロビンの例示的なタイムラインである。 全体的に、およびMMB処置に対する輸血非依存性反応者(TI-R)で観察された、鉄およびヘモグロビンレベルの増加を示すグラフを示す。トランスレーショナルバイオロジー第2相試験(N=41;GS-US-352-1672)。 モメロチニブ二塩酸塩無水物形態IVのX線粉末回折(XRPD)を示す。 モメロチニブ二塩酸塩無水物形態IVの示差走査熱量測定(DSC)プロットを示す。 モメロチニブ二塩酸塩無水物形態IVの熱重量分析(TGA)を示す。 モメロチニブ二塩酸塩無水物形態IVの動的蒸気収着(DVS)プロットを示す。 モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIのXRPDパターンを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IのXRPDパターンを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IIIのXRPDパターンを示す。 モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIのDSCプロットを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IのDSCプロットを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IIIのDSCプロットを示す。 モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIのTGAを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IのTGAを示す。 モメロチニブ一塩酸塩無水物形態IIIのTGAを示す。 モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIのDVSプロットを示す。 SIMPLIFY-1試験の24週間のRUXまたはMMB処置中に赤血球(RBC)輸血を必要としない患者の割合のカプラン・マイヤー推定値を示す。 モメロチニブ(MMB)を用いた骨髄線維症処置のMOMENTUM試験のパラメータを纏めた概略図である。 24週間の二重盲検処置段階にわたるSIMPLIFY1試験でのMMB対RUXの対象での平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。 SIMPLIFY1研究(治療を意図した分析(ITT))のMMB対RUXについての二重盲検および非盲検処置段階での経時的な平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。 SIMPLIFY2試験(ITT)のMMB対利用可能な最善の治療(BAT)についての無作為化および長期処置段階での経時的な平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。 SIMPLIFY1試験の最初の24週間中の処置患者の処置による用量分類を示し、処置中のRUX用量の低下およびMMB用量レベルの相対的安定性を示す。 SIMPLIFY2試験の最初の24週間中の処置患者の処置による用量分類を示し、処置中のRUX用量の減少およびMMB用量レベルの相対的安定性を示す。 SIMPLIFY1試験により処置されたすべてのMMBまたは対照(すなわちRUX)患者の24週目の脾臓奏効率(SRR)対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。図36~47のグラフの水平棒は、すべての患者(すべてのポイント)の平均反応の95%信頼区間を示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば6以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのSRR対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば10以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのSRR対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置されたすべてのMMBまたは対照(すなわちRUX)患者にいての24週目での総症状スコア(TSS)対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば、6以上ベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTSS対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば10以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTSS対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置されたすべてのMMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目での輸血依存性(TD)から非依存性(TI)への変換率対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば6以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTDからTIへの変換率対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば10以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTDからTIへの割合対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置されたすべてのMMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目での輸血非依存性(TI)反応対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば6以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTI反応対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。 SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば10以上のベースラインTSS)MMBまたは対照(すなわちRUX)患者についての24週目でのTI反応対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。
モメロチニブ(MMB)は、骨髄線維症(MF)の処置のために開発された、JAK1、JAK2、およびACVR1の強力かつ選択的な、経口的に生物学的利用可能な小分子阻害剤である。
しかしながら、2つの第3相臨床試験(SIMPLIFY-1および-2)では、MMBは、SIMPLIFY-1ではTSS反応の事前定義された副次的エンドポイントを満たさず、SIMPLIFY-2ではSRRの主要エンドポイントを満たさなかった。
SIMPLIFY-1試験(NCT01969838;GS-US-352-0101)では、JAK阻害剤による処置未経験である骨髄線維症を有する患者において、MMB対ルキソリチニブ(RUX)の有効性および安全性を研究した。高リスクまたは中間-2リスクもしくは症候性中間-1リスクの骨髄線維症を有する患者(N=432)は、200 mg MMBを1日1回、または20 mg RUXを1日2回(またはラベル通り)で24週間処置を受け、その後、すべての患者が非盲検モメロチニブを受けることができた。RUXに対するMMBの非劣性を実証することを目的として、脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血割合、および輸血非依存性または輸血依存性によって、有効性を測定した。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少することであった。
SIMPLIFY1試験の結果の最初の分析は、Mesa et al.によって報告された(SIMPLIFY-1:A Phase III Randomized Trial of Momelotinib Versus Ruxolitinib in Janus Kinase Inhibitor-Naive Patients with Myelofibrosis”,J.Clinical Oncology 2017,35(34):3844-3850)。そのSIMPLIFY-1試験データ分析は、モメロチニブがJAKi未経験患者の脾臓サイズの低下についてRUXに非劣性であることを示しており、したがって、研究の主要エンドポイントを満たしている。しかしながら、その研究の症候性患者でのモメロチニブの症候性利益の証拠にもかかわらず、総症状スコア(TSS)反応の副次的エンドポイントについての非劣性が実証されなかった。MMB処置は、RUXと比較して、輸血非依存性率の増加、輸依存性率の低下、および輸血率の低下と関連し、これらはすべて名目上統計的に有意であった。
SIMPLIFY-2試験(NCT02101268;GS-US-352-1214)では、以前にルキソリチニブ(RUX)により処置された骨髄線維症を有する貧血または血小板減少症対象において、MMB対利用可能な最善の処置(BAT)の有効性および安全性を研究した。必要なベースライン血小板数についての下限はなかった。BATに対するMMBの優位性を実証することを目的とした有効性は、脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血割合、および輸血非依存性または輸血依存性によって測定された。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少したことであった。
SIMPLIFY-2試験の結果の最初の分析は、Harrison et al.によって報告された(“Momelotinib versus best available therapy in patients with myelofibrosis previously treated with ruxolitinib (SIMPLIFY2):a randomised,open-label,phase 3 trial.” Lancet Haematol;第5巻、第2号、2018年2月、e73~e81頁)。SIMPLIFY-2試験データの分析は、脾臓サイズの低下に関してモメロチニブがBATより優れていないことを示したため、試験は主要エンドポイントを達成できなかった。
Harrisonらによる分析では、重要な副次的エンドポイントは名目上有意であったが、これらは分析エンドポイントの階層では統計的に有意であるとはみなされなかった。一般に、モメロチニブ群の患者は、BAT群の患者と比較して、総症状スコア(TSS)反応が大きく、輸血が少なく、輸血非依存性が高く、輸血依存性が低かった。最初の分析は、無作為化研究処置の開始前にルキソリチニブの中止を義務付けなかったことによって複雑になった。以前のルキソリチニブからの強制的なウォッシュアウトを含まないことにより、脾臓反応の評価は、この研究では、いずれの群の対象でも不明瞭であった。さらに、この研究に登録された患者は、RUXでの脾臓の進行に基づいて選択されなかった。
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2試験のデータを再分析し、モメロチニブが、血小板減少症を引き起こすモメロチニブ投与なしに、したがって、血小板減少症のために用量の減少または中断の必要なく、1リットルあたり150×10以下の血小板数の患者において、脾臓サイズ(SSR)の低下、総症状スコア(TSS)の改善、および輸血非依存性の改善に有効であることを発見した。我々の再分析は、MMBがJAKi未経験患者およびRUXに対する第二選択治療としての患者に有効であり、例えば脾臓肥大を低減させ、骨髄線維症に関連する症状を改善し、基礎疾患および現在の標準治療由来の血小板減少症を有するかまたはそのリスクのある患者集団における輸血非依存性率を改善するという利点を提供することを示す。
したがって、本開示は、骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置する方法を記載する。いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を(i)骨髄線維症および(ii)150×10/L未満の血小板数を有すると同定された対象に投与することを含む。
したがって、本開示は、骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置する方法であって、複数週間の期間にわたって、治療有効安定用量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含み、対象は、処置期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持すると評価される、方法を記載する。
骨髄線維症の処置方法
第1の態様では、ベースライン(処置前)血小板数の有意な減少がないか、または処置中(処置実施中)に血小板減少症を発症するリスクのない対象における、骨髄線維症などの骨髄増殖性腫瘍(MPN)を処置するための方法が提示される。特に、血小板数が特に少ないか、または血小板減少症を発症するリスクがあると同定された対象のMPNを処置する方法が提供される。いくつかの実施形態では、150×10/L未満の血小板数を有する対象(例えば、本明細書に記載されるように)は、対象方法による処置の標的とされる。いくつかの実施形態では、方法は、処置中の血小板数が特定の閾値を下回ったときにルキソリチニブ患者にしばしば必要とされる効力を制限する用量の減少を回避しながら、長期間の治療有効安定用量のモメロチニブの投与を提供する。
実験項目および図の分析で示されるように、モメロチニブ治療は、従来のルキソリチニブ治療と比較して、血小板数が特に少ない骨髄線維症患者に望ましい治療利益を提供することができる。図34は、JAKi未経験骨髄線維症患者が150×10/L未満、例えば100×10/L未満のベースライン血小板数を有した場合、SIMPLIFY1試験のMMB患者の脾臓奏効率(SRR)がRUX患者よりも優れていたことを示す。従来のRUX治療に対するMMBのその利点は、対象が治療開始時に症候性でもあった場合、例えば、対象が6以上の総症状スコア(TSS)を有した場合、より顕著であることが示された(図37、40、43)。
いくつかの実施形態では、方法は、治療有効量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を(i)骨髄増殖性腫瘍(MPN)および(ii)150×10/L未満の血小板数を有すると同定された対象に投与することを含む。方法の特定の実施形態では、対象は、100×10/L未満の血小板数を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象はまた、少なくとも25×10/L、例えば、少なくとも30×10/L、少なくとも40×10/L、または少なくとも50×10/Lの血小板数を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、25×10/L以上および50×10/L未満の血小板数を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、50×10/L以上および100×10/L未満の血小板数を有すると同定される。いくつかの実施形態では、対象は、100×10/L以上および150×10/L未満の血小板数を有すると同定される。一般的に、150×10/L~約450×10/Lの血小板数は正常レベルであるとみなされる。血小板減少症は、一般に、150×10/L未満の血小板数によって特徴付けられ、対象の特定の血小板数に応じてグレード1~4によってさらに特徴付けられる。いくつかの場合では、グレード3または4(50×10/L未満の血小板数)の血小板減少症は、重症とみなされ、緊急の対処が必要である。
対象の血小板数は、モメロチニブ治療の開始前に決定され得る。したがって、方法の態様は、患者の試料中の血小板レベル(例えば血小板数)を決定することを含む。血小板数は、ベースライン血小板数であり得る。いくつかの実施形態では、ベースライン血小板数は、モメロチニブ治療の開始前の1週間以内に決定され、ここで、患者は、i)モメロチニブ治療の開始前の少なくとも2週間、以前のJAK阻害剤治療により処置されていないか、またはii)以前のJAKi治療が未経験であった。いくつかの実施形態では、ベースライン血小板数は、モメロチニブ治療の開始前の2または3週間以内に採取された試料により決定され、ここで、患者は、血小板試料が採取される前の少なくとも2週間、以前のJAK阻害剤治療により処置されていない。特定の実施形態では、患者の血小板数は、例えばベースライン値からの任意の有意な変化が生じるかどうか(例えば、25%以下、例えば、20%以下、15%以下、10%以下、または5%以下のベースラインからの血小板数の減少)を決定するために、処置中に監視される。任意の好都合な方法を利用して、例えばサンプリングにより、患者の血小板数を決定することができる。本明細書に開示される方法での使用に適応することができる血小板を計数するための方法には、電子粒子計数法(例えば、Coulter S-plus)、光学計数法(例えば、Ortho ELT8)、および血球計算器を使用する計数方法が含まれるが、これらに限定されない。
図31~33は、SIMPLIFY1試験でのMMB対RUXについての対象の平均血小板数のプロットを示す。このデータは、MMBにより処置された対象が、処置期間中、例えば、24週間の二重盲検研究期中、血小板レベルを維持することができたことを示す。比較すると、RUX対象は、ベースラインからの血小板数の有意な減少を示し、これは、多くの場合、必要な用量の減少(例えば、本明細書に記載されるように)に通じ得る。したがって、MMBの対象は、該対象が治療中に血小板数をほとんど維持することができたため、血小板減少症(例、グレード3または4の血小板減少症)を発症するか、または望ましくない用量を減少しなければならないリスクが低かった。比較すると、血小板減少症などの有害事象の発生を回避または対処するために、従来のRUX処置中では用量の減少(例えば、本明細書に記載されるように)が必要となり得る。
したがって、本開示の態様は、血小板減少症、血小板減少症のリスクの増加、または血小板減少症の程度の悪化(例えば、処置中に血小板数の減少によって引き起こされる)を生じさせずに、かつ、処置期間中に血小板減少症のための用量の減少または中断を必要とせずに、MMBを使用して、MPNの対象を処置する方法(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。いくつかの実施形態では、方法は、治療有効安定用量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を複数週間の処置期間にわたって投与すること、すなわち、用量を減少させずにMMBまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む。これらの方法に従って処置された対象は、処置期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持することができる。特定の実施形態では、MPNはMFである。
「安定用量」は、用量を減少せずに(すなわち一定用量で)複数の定期的な投与間隔で継続し、それにより、処置期間中、対象における薬物の治療有効レベルを維持する投与レジメン(例えば、本明細書に記載されるように)に従って、設定された時間単位中(例えば、1日~最大1週間)投与される薬物の量である。特定の実施形態では、安定用量は、処置期間中に維持される一貫した1日用量(例えば、1日1回)である。いくつかの実施形態では、特定の投薬レジメンは調整されてもよいが、投与される薬物の量は一定のままである。いくつかの実施形態では、安定用量は、特定のレジメンに従って1日1回または2回投与される。モメロチニブの任意の好都合な治療有効用量(例えば、本明細書に記載されるように)は、対象の方法で使用するための安定な用量として選択することができる。安定用量は、任意の好都合なレジメン(例えば、本明細書に記載されるように)に従って投与することができる。特定の実施形態では、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩の治療有効安定用量は、200mg/日である。特定の実施形態では、安定用量が1日1回投与される。特定の実施形態では、安定用量はBIDである。特定の実施形態では、安定用量が経口投与される。
上に要約したように、これらの方法に従って処置された対象は、処置期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持することができる。したがって、本明細書に開示される方法の実施形態は、処置期間中、所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持すると評価される対象にMMBを投与することを含む。所定の閾値血小板数は、処置開始前の対象の血小板数に基づいて決定される血小板数レベルであり得る。いくつかの実施形態では、処置開始前の対象の血小板数は、ベースライン血小板数(例えば、本明細書に記載されるように)と称される。いくつかの実施形態では、所定の閾値血小板数は、対象のベースライン血小板数を最大で25%下回る、例えば、対象のベースライン血小板数を20%以内、15%以内、10%以内、または5%以内で下回る血小板レベルである。いくつかの実施形態では、所定の閾値血小板数は、ベースライン血小板数の75%以上、例えば、ベースライン血小板数の80%以上、85%以上、90%以上、または95%以上のレベルであるように選択される。
典型的には、ベースライン血小板数は、MMB治療開始前の1週間以内に決定され、患者は、MMB治療開始前の少なくとも2週間は以前のJAK阻害剤治療により処置されていない。RUX治療などの以前のJAK阻害剤治療は、処置される対象の血小板数に影響を及ぼし、したがって、治療がない場合に対象の予想される血小板数を歪曲し得る。
治療有効安定用量が投与される処置期間は、長期間であり得る。いくつかの実施形態では、用量減少を伴わない複数の週は、8週間以上、例えば10週間以上である。いくつかの実施形態では、用量減少を伴わない複数の週は、12週間以上である。いくつかの実施形態では、用量減少を伴わない複数の週は、24週以上(例えば24週超)、例えば、28週以上、32週以上、36週以上、40週以上、44週以上、48週間以上、52週間以上、またはそれ超である。いくつかの実施形態では、用量減少を伴わない処置期間は、1年以上、例えば、2年以上、3年以上、4年以上、5年以上、6年以上、7年以上、または8年以上である。
いくつかの実施形態では、対象は、対象は、処置期間中、50×10/L以上、例えば、100×10/L以上、150×10/L以上、200×10/L以上、250×10/L以上、300×10/L以上、またはそれ以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、血小板減少症のリスクに起因して用量を減少させる必要なく、処置期間中、150×10/L未満である閾値血小板数を上回る血小板数を維持する。いくつかの実施形態では、対象は、処置期間中、50×10/L以上および150×10/L未満である閾値血小板数を上回る血小板数を維持する。いくつかの実施形態では、閾値血小板数は、25×10/L以上および50×10/L未満である。いくつかの実施形態では、閾値血小板数は、50×10/L以上および100×10/L未満である。いくつかの実施形態では、閾値血小板数は、100×10/L以上および150×10/L未満である。
いくつかの実施形態では、対象は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)を有するか、またはそのリスクがあると同定もしくは診断された対象である。「骨髄増殖性疾患」および「骨髄増殖性腫瘍(MPN)」、特に真性多血症(PV)、本態性血小板血症(ET)、および骨髄線維症(MF)は、骨髄由来の1つ以上の細胞の相対的過剰産生、インビトロでの増殖因子非依存性コロニー形成、骨髄細胞過形成、髄外造血、脾臓および肝腫大、ならびに血栓性および/または出血性素因を含む、広範囲の生物学的、病理学的、および臨床的特徴を共有する、多能性造血幹細胞のクローン障害の多様であるが相互に関連する群である。骨髄増殖性腫瘍の研究および処置のための国際ワーキンググループ(IWG-MRT)が設立され、これらの状態を描写および定義している(例えば、Vannucchi et al.,CA Cancer J.Clin.,2009,59:171-191を参照のこと)。
任意の好都合な方法を利用して、対象方法に従って処置の候補となる対象を同定または診断することができる。MPN、特にMF(例えばPMF)が存在している対象、特にヒトの患者は、上記のIWG-MRT基準などの方法を使用して同定することができる。いくつかのMPNは、JAK1およびJAK2シグナル伝達の調節不全に関連している。特定の形態のMPNの「リスクがある」対象は、疾患の初期段階形態を有する対象であり、例えば、その遺伝子マーカー、例えば、PV(>95%)、ET(60%)、およびPMF(60%)に関連するJAK2V617F対立遺伝子を有する対象を含み得る。対象がすでに初期段階形態の症状を示している場合、対象はまた、MPNの形態の「リスクがある」とみなされる。
特定の実施形態では、対象において診断されるMPNは、骨髄線維症(MF)である。骨髄線維症は、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後MF(PV後MF)、および本態性血小板血症後MF(ET後MF)を含むことを意味する。PMFの診断は、世界保健機関(WHO)2016の基準に従って行うことができる。PV/ET後MFの診断は、国際ワーキンググループ-骨髄増殖性腫瘍の研究および処置(IWG-MRT)基準に従って確認することができる。
いくつかの場合では、対象は、中間リスクまたは高リスクのMFを有すると分類される。骨髄線維症を有する対象は、生存期間の中央値がそれぞれ約11、8、4、および2年である、低リスク、中間-1リスク、中間-2リスク、または高リスクの短生存期間であると分類することができる。対象は、表1に要約されている基準に従って分類することができる。例えば、Cervantes et al.(“New prognostic scoring system for primary myelofibrosis based on a study of the International Working Group for Myelofibrosis Research and Treatment.” Blood. 2009;113:2895-2901)を参照のこと。MFを有する患者のリスク層別化はまた、国際予後予測スコアリングシステム(IPSS)(Cervantes et al.を参照のこと)、ダイナミックIPSS(DIPSS)(Passamonti et al.“A dynamic prognostic model to predict survival in primary myelofibrosis:a study by the IWG-MRT (International Working Group for Myeloproliferative Neoplasms Research and Treatment)” Blood 2010;115:1703-1708を参照のこと)、DIPSS plus (Gangat et al.“DIPSS plus:a refined Dynamic International Prognostic Scoring System for primary myelofibrosis that incorporates prognostic information from karyotype,platelet count,and transfusion status”,J.Clin. Oncol.,2011;29:392-397)、および変異促進(mutation-enhanced) IPSS(MIPSS)(Vannucchi et al.,“Mutation-enhanced International Prognostic Scoring System(MIPSS)for primary myelofibrosis:an AGIMM&IWG-MRT project[abstract]”,Blood.2014;124:405)に従って達成することができる。
Figure 2022503576000001
NR:到達せず、危険因子には、年齢>65歳超、全身症状(診断前年のベースライン値の10%超の体重減少、および/または原因不明の発熱もしくは1ヶ月超続く過剰発汗として定義される)、ヘモグロビン2510/L、末梢血芽球1%が含まれる。危険因子(スコア)には、年齢>65歳超(1)、全身症状(1)、ヘモグロビン<10g/dL(2)、白血球数>2510/L(1)、および末梢血芽球1%が含まれる。スコア付けは、DIPSSリスク分類(低リスク、0ポイント;中間-1リスク、1ポイント;中間-2リスク、2ポイント;高リスク、3ポイント)、および追加のリスク要因(好ましくない核型、1ポイント;血小板数<100 10/L、1ポイント;輸血の必要性、1ポイント)に基づく。危険因子(スコア)には、年齢>60歳(1.5)、全身症状(0.5)、ヘモグロビン<100g/L(0.5)、血小板数<20010/L(1.0)、トリプルネガティブ変異状態(1.5)、JAK2またはMPL変異(0.5)、ASXL1(0.5)、およびSRSF2(0.5)が含まれる。
特定の実施形態では、対象方法による処置の標的となる患者は、骨髄線維症を有し、症候性であると同定される。症候性の患者は、病気の1つ以上の症状を示している患者である。症候性の患者は、骨髄増殖性腫瘍-症状評価形態(MPN-SAF)総症状スコア(TSS)ガイドラインを使用して評価することができる。例えば、Gwaltney C,Paty J,Kwitkowski VE et al.Development of a harmonized patient-reported outcome questionnaire to assess myelofibrosis symptoms in clinical trials.Leukemia Research.2017を参照のこと。いくつかの実施形態では、症候性の骨髄線維症患者は、6以上、例えば、7以上、8以上、9以上、または10以上のスコアの総症状スコア(TSS)を有すると同定される患者である。
対象方法は、目的のMPNの第一選択処置として利用することができる。いくつかの場合では、MPNは骨髄線維症である。本開示の方法に従って処置される患者は、ヤヌスキナーゼ阻害剤(JAKi)治療について未経験であってもよい。第二選択処理方法も提供される。特定の実施形態では、本開示の方法に従って処置される患者は、以前にJAK阻害剤により処置されている。特定の実施形態では、JAK阻害剤はルキソリチニブ(RUX)である。特定の実施形態では、JAK阻害剤はフェドラチニブである。特定の場合では、以前に処置された患者は、ヤヌスキナーゼ阻害剤、例えば、RUXまたはフェドラチニブに対して不十分な反応を示したか、もしくはそれから十分な利益を得られなかったか、またはそれに対して不耐性であった。いくつかの実施形態では、以前の治療(例えば、RUXまたはフェドラチニブによる)に反応しなかったかまたは反応しなくなった患者は、本開示の方法に従って処置される。いくつかの場合では、対象は、例えば主要または副次的エンドポイントにより決定される有益なまたは所望の臨床結果を以前の処置から得られなかった。
特定の実施形態では、対象または患者は、(i)疾患の処置を受けていない(すなわち、未経験である)か、(ii)以前の処置(例えば、RUXまたはフェドラチニブなどのJAKi)を受けており、それに不耐性であるか、または(iii)以前の処置(例えば、RUXなどのJAKi)から十分な利益を得られないか、それに反応しなかったか、もしくはそれに抵抗性があるか、またはそれに対して再発する。特定の実施形態では、必要な用量の減少(例えば、有害事象に起因して)によってより少ない治療効果がもたらされるので、患者は、以前の処置(例えば、RUXまたはフェドラチニブなどのJAKi)から十分な利益を得られない。
「処置」または「処置すること」は、臨床結果を含む有益なまたは所望の結果を得るための手法である。有益なまたは所望の臨床結果には、以下の1つ以上が含まれてもよい:a)疾患または状態を阻害する(例えば、疾患もしくは状態に起因する1つ以上の症状または兆候を減少させる、および/または疾患もしくは状態の程度を減少させる)、b)疾患または状態に関連する1つ以上の臨床症状の発症を遅延または阻止する(例えば、疾患もしくは状態を安定化する、疾患もしくは状態の悪化もしくは進行を防止もしくは遅延する、および/または疾患もしくは状態の拡散(例えば転移)を防止もしくは遅延する、c)疾患を軽減する、すなわち、臨床症状の退行を引き起こす(例えば、疾患状態を改善する、1つ以上の症状もしくは兆候を緩和もしくは改善する、疾患もしくは状態の部分的もしくは完全な寛解を提供する、別の薬物療法の効果の増強する、疾患の進行を遅延させる、生活の質を高める、および/または生存を延長する、ならびに/あるいはd)輸血非依存性、輸液依存性から非依存性への転換、総症状スコア(TSS)、脾臓反応(SRR)、および貧血の改善を含むがこれらに限定されない、1つ以上の臨床エンドポイント(例えば、本明細書に記載されるように)の減少を改善または安定化または防止する。
慢性疾患として、MFは、高い疾患負担、疾患の合併症、生活の質(QoL)の低下、および短生存期間によって特徴付けられる。疾患を患っている患者は、社会的機能、身体活動、日常業務での自立、および全体的な生産性に悪影響を与える様々な症状を経験する。MFを有する患者に影響を与える最も一般的な症状には、全身性炎症に関連する全身症状、例えば、寝汗、発熱、体重減少、脾腫に続発する腹部症状、例えば、腹部不快感/腹痛、早期満腹感、呼吸困難、および下痢、貧血の症状、例えば、倦怠感、ならびにMFの合併症に続発する症状が含まれる。倦怠感(疲労、疲れ)は、最も一般的かつ最も重篤な症状として同定されている。
本開示の態様は、MPNを有すると同定された対象の疾患の1つ以上の症状または兆候を少なくとも改善する方法を含む。いくつかの場合では、MPNは骨髄線維症であり、骨髄線維症の1つ以上の症状は本明細書に記載される通りである。改善され得る骨髄線維症の症状には、倦怠感、寝汗、発熱、悪液質、骨痛、掻痒、体重減少、腹部膨満および腹痛、早期満腹、呼吸困難、ならびに下痢が含まれるが、これらに限定されない。疾患の他の兆候には、貧血、血小板減少症、および肝脾腫が含まれるが、これらに限定されない。
処置が患者の望ましくない臨床症状を安定化または軽減する進行中の疾患処置は、特に関心がある。予想される無増悪生存期間は、再発、病期、および他の要因を含む予後因子に応じて、数ヶ月から数年で測定することができる。生存期間の延長には、少なくとも1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約6ヶ月、約1年、約2年、約少なくとも3年以上の期間が含まれるが、これらに限定されない。
全生存期間はまた、数ヶ月から数年で測定することができる。患者の症状は、静止したままでも、または軽減してもよい。「有効量」という用語は、疾患を処置するために対象に投与されたときに、疾患についてそのような処置を行うのに十分である化合物の量を含む、所望の生物学的または医学的反応を誘発するのに有効であり得る量を指す。有効量は、化合物、疾患およびその重症度、および処置される対象の年齢、体重などによって変動する。有効量には、様々な量を含めることができる。
「対象」および「患者」という用語は、交換可能に使用され、処置、観察、もしくは実験の対象であったか、または該対象となるであろう哺乳動物(ヒトを含む)などの動物を指す。本明細書に記載の方法は、ヒトの治療および/または獣医用途において有用であり得る。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。一実施形態では、対象はヒトである。本開示の方法を使用して、様々な他の哺乳動物を処置することができる。例えば、ウシ(cow)、ヒツジ(sheep)、ヤギ、ウマ(horse)、イヌ(dog)、ネコ(cat)、モルモット、ラット、または他のウシ(bovine)、ヒツジ(ovine)、ウマ(equine)、イヌ(canine)、ネコ(feline)、げっ歯類、もしくはネズミの種を含むがこれらに限定されない、哺乳動物を処置することができる。
「それを必要としているヒト」とは、特定の処置、例えば、本出願による化合物による処理から利益を得るであろう疾患または状態を有するか、または有すると疑われるヒトを指す。「それを必要とする対象」または「それを必要とする患者」という用語は、本明細書に記載の処置から利益を得るであろう疾患、障害、もしくは状態を有するか、または有すると診断されるか、または有することが疑われる対象または患者を指す。
化合物またはその薬学的に許容される塩、異性体、プロドラッグ、もしくは溶媒和物の「治療有効量」という用語は、対象に投与されたときに処置を行う、例えば、1つ以上の症状を緩和し、または疾患の進行を遅延させるなどの治療上の利益を提供するのに十分な量を意味する。治療有効量は、対象、および処置される疾患または状態、対象の体重および年齢、疾患または状態の重症度、ならびに投与方法に応じて変動してもよく、これらは容易に決定され得る。
本出願の化合物またはその組成物は、本明細書に記載の任意の好適な様式を使用して、1日1回、2回、3回、または4回投与してもよい。また、MMBによる投与または処置は数日間継続されてもよい。例えば、通常、処置は1サイクルの処置について少なくとも7日間、14日間、または28日間継続する。処置サイクルは、一般的に既知であり、サイクル間で、約1~28日、通常は約7日間または約14日間の休止期間と交互に行われることが多い。他の実施形態では、処置サイクルはまた連続的であってもよい。
同定された対象の処置において、MMB化合物の適切な単位用量は、一般に、1日あたり患者の体重1kgあたり約0.01~500mgであり、これを単回または複数回用量で投与することができる。投与量レベルは、1日あたり約0.1~約250mg/kg、例えば、1日あたり約0.5~約100mg/kgである。好適な投与量レベルは、約0.01~250mg/kg/日、約0.05~100mg/kg/日、または約0.1~50mg/kg/日であってもよい。この範囲内で、投与量は、1日あたり0.05~0.5、0.5~5、または5~50mg/kgであってもよい。好適な単位用量は、典型的には、10~500mgの範囲、例えば、50~400mg、例えば、100、150、200、250、または300mgである。経口投与では、組成物は、好ましくは、1.0~1000ミリグラムの活性成分、特に1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900、および1000ミリグラムの活性成分を含む錠剤の形態で提供される。投与量は、治療効果および/または処置される患者への投与量の症候的な調整のために、例えば、これらの範囲のいずれか内の任意の用量に選択されてもよい。化合物は、好ましくは、1日あたり1~4回、好ましくは1日あたり1回または2回のレジメンで投与される。
任意の特定の患者での特定の用量レベルおよび投与頻度は、変動してもよく、使用される特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与様式および時間、***率、薬物の組み合わせ、特定の状態の重症度、ならびに治療を受けている宿主を含む、様々な要因に依存することが理解されるであろう。
対象方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のMMB化合物の治療有効量は、50mg、100mg、150mg、200mg、250mg、または300mgの用量である。特定の場合では、治療有効量は、100mg/日~300mg/日、例えば、100mg/日、150mg/日、200mg/日、250mg/日、または300mg/日である。特定の場合では、治療有効量は、50mg/日~200mg/日、例えば、50mg/日、100mg/日、150mg/日、または200mg/日である。対象方法のいくつかの実施形態では、治療有効量は、200mg/日である。投与は経口的であり得る。いくつかの場合では、投与は1日1回である。いくつかの場合では、投与はBIDであり、例えば、等しく分割された用量ある。いくつかの場合では、MMBは食物と共に投与される。いくつかの場合では、MMBは食物なしで投与される。
錠剤を経口的に摂取することができない患者の場合、治療有効量のMMB化合物を別の経路、例えば、経鼻胃管を介して投与することができる。
対象方法を実施することから生じるMMB治療の改善された結果は、1つ以上の臨床エンドポイント(例えば、本明細書に記載されるように)、例えば、貧血反応、脾臓反応および/または症状反応の改善として現れ得る。「貧血反応」とは、患者のヘモグロビンレベルの上昇、または輸血に依存していた患者が輸血に依存しなくなることを意味する。望ましいことに、0.5g/dL、例えば、1.0g/dL、1.5g/dL、または2.0g/dLのヘモグロビンの最小の増加が最低8週間続くことが達成され、これは、国際ワーキンググループ(IWG)コンセンサス基準で指定された改善レベルである。しかしながら、ヘモグロビンのわずかではあるが医学的に有意な増加も、「貧血反応」という用語の範囲内であるとみなす。「輸血非依存性」は、貧血のエンドポイントであり、12週間にわたってRBC輸血を必要とせず、12週間にわたって8g/dL~8.5 g/dL未満のヘモグロビンレベルを有さない対象を指す。いくつかの実施形態では、輸血非依存性の12週間の期間は、24週間の研究期間の最終12週間である。研究の24週目での赤血球(RBC)輸血非依存率とは、臨床的に明らかな出血(overt bleeding)に関連する場合を除いて、24週目に輸血非依存性であった対象の割合を意味する。
「脾臓反応」とは、身体検査中の以前に触診可能な脾臓の触診、または画像診断のいずれかによって評価される、患者の脾臓のサイズの低下を意味する。IWGコンセンサス基準では、ベースライン(処置前)で少なくとも10cmの脾臓の脾腫(脾臓肥大)が最低50%減少するか、またはベースラインでの左肋骨縁5cm超下で触診可能な脾臓の触診可能な脾腫が触診可能でなくなるかのいずれかである。しかしながら、より小さな減少も「脾臓反応」という用語の範囲内であるとみなされる。脾臓の肥大は、触診で評価することができる。脾臓のサイズおよび体積は、超音波、CT、MRIなどの画像診断によっても測定することができる。いくつかの場合では、通常の脾臓のサイズは、頭尾長で約11.0cmとみなされる。
「症状反応」または「症候性反応」とは、処置開始時または処置開始前に決定されたベースラインTSS(例えば、本明細書に記載されるように)と比較して、患者の1日平均TSSが少なくとも50%減少することを意味する。
モメロチニブ
本明細書に記載の方法において、モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩は、治療有効量で投与される。
モメロチニブ(MMB)は、JAK(JAK1およびJAK2)およびACVR1の阻害剤であり、N-(シアノメチル)-4-(2-(4-モルホリノフェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ベンズアミドまたはCYT-0387としても既知であり、式Iの構造を有する:
Figure 2022503576000002
「薬学的に許容される塩」は、基礎となる化合物の生物学的有効性および特性を保持し、生物学的にまたは他の様式で望ましくないものではない化合物の塩を指す。MMBは、酸付加塩として存在することができる。塩基性薬物の薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸および有機酸を使用して調製されてもよい。MMBと反応して薬学的に許容される塩(酸付加塩)を形成するのに有用な酸、およびそれを達成するための方法は、当業者に既知である。MMBが酸付加塩として存在する場合、MMB遊離塩基は、酸性塩の溶液を塩基性化することによって得ることができる。溶媒和物は、溶媒とMMB化合物との相互作用によって形成される。本明細書に記載のMMB化合物の塩の溶媒和物はまた、本明細書に記載の方法の特定の実施形態で使用される。いくつかの場合では、MMB化合物の溶媒和物は水和物である。
本明細書に開示される方法の実施形態は、モメロチニブの任意の好都合な薬学的に許容される酸付加塩、またはその溶媒和物もしくは水和物を使用する。いくつかの実施形態では、モメロチニブ化合物は塩酸塩である。特定の実施形態では、対象方法において使用が見出される化合物塩酸塩は、式IIのモメロチニブ一塩酸塩である:
Figure 2022503576000003
特定の実施形態では、モメロチニブ一塩酸塩は無水物である。特定の実施形態では、モメロチニブ一塩酸塩は、水和物、例えば、一水和物である。
特定の実施形態では、使用されるモメロチニブ塩酸塩は、式IIIのモメロチニブ二塩酸塩である:
Figure 2022503576000004
特定の実施形態では、モメロチニブ二塩酸塩は無水物である。特定の実施形態では、モメロチニブ二塩酸塩は、水和物、例えば、モメロチニブ二塩酸塩一水和物である。
本明細書に記載の方法の実施形態は、WO20/15191846に記載されている形態を含むがこれらに限定されない、任意の結晶性塩形態のモメロチニブを使用し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、モメロチニブの結晶性塩形態は、化合物の多形形態と称する。
いくつかの実施形態では、使用されるMMB化合物は、結晶形態IIにあるモメロチニブ二塩酸塩一水和物である。結晶形態IIは、以下のような1つ以上のパラメータによって特徴付けられる。結晶形態IIは、T=100°Kで、単位格子パラメータがa=10.2837(6)A、b=10.4981(6)A、c=11.5143(7)A、a=83.297(2)°、β=87.649(2)°、γ=67.445(2)°、および三斜晶系Pl空間群によって特徴付けすることができる。結晶形態IIは、実質的に図19に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIは、7.7°、19.3°、24.0°、25.7°、および29.6°2-Θ+0.2°2-Θにピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIは、実質的に図22に示される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIは、実質的に図28に示される動的蒸気収着(DVS)パターンによって、または実質的に図25に示される熱重量分析(TGA)によって特徴付けすることができる。
いくつかの実施形態では、使用されるMMB化合物は、結晶形態Iにある無水モメロチニブ一塩酸塩無水物である。結晶形態Iは、以下のように、1つ以上のパラメータによって特徴付けられる。結晶形態Iは、実質的に図20に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態Iは、13.5°、20.9°、26.1°、26.6°、および28.3°2-Θ+0.2°2-Θにピークを有するX線粉末回折(「XRPD」)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態Iは、実質的に図23に示される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態Iは、実質的に図26に示されるTGAによって特徴付けすることができる。
いくつかの実施形態では、使用されるMMB化合物は、結晶形態IIIであるモメロチニブ一塩酸塩無水物である。結晶形態IIIは、以下のような1つ以上のパラメータによって特徴付けられる。結晶形態IIIは、実質的に図21に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIIは、12.7°、14.6°、17.8°、19.7°、および23.3°2-Θ+0.2°2-Θにピークを有するX線粉末回折パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIIは、実質的に図24に示される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けすることができる。結晶形態IIIは、実質的に図27に示されるTGAによって特徴付けすることができる。
いくつかの実施形態では、使用されるMMB化合物は、モメロチニブ二塩酸塩無水物形態IV(MMB形態IV)である。結晶形態IVは、以下のように、1つ以上のパラメータによって特徴付けられる。結晶形態IIIは、5.5°、10.1°、14.9°、25.1°、および26.6°2-Θ+0.2°2-Θにピークを有するXRPDパターンを有することができる。
Figure 2022503576000005
以下の特許出願は、該特許出願に記載されるMMBの使用を含むがこれに限定されないすべての目的のために、参照により組み込まれる:2008年3月12日に出願された国際出願第PCT/AU2008/000339号、および2011年11月29日に出願された国際出願第PCT/AU2011/001551号、および2015年6月11日に出願された国際出願第PCT/US2015/035316号、ならびに2017年8月8日に出願された国際出願第PCT/US2017/045957号。
医薬組成物
MMB化合物は通常、医薬組成物の形態で投与される。本明細書に開示される方法の実施形態は、本明細書に開示されるMMB化合物、またはその薬学的に許容される塩、もしくはその溶媒和物もしくは水和物、ならびに担体、補助剤、および賦形剤から選択される1つ以上の薬学的に許容されるビヒクルを含む医薬組成物を投与することを含む。
医薬組成物は、単回投与または複数回投与のいずれかで投与してもよい。医薬組成物は、様々な方法によって投与されてもよい。特定の実施形態では、医薬組成物は、動脈内注射によって、静脈内、腹腔内、非経口、筋肉内、皮下、経口、局所的に、または吸入剤として投与される。
経口投与は、本明細書に記載のMMB化合物の本発明で好ましい投与経路である。本発明で好ましい実施形態では、本明細書に記載のそのMMBの形態または組成物は、薬学的に許容される担体を使用して経口投与用に製剤化される。経口投与用に製剤化される医薬組成物は、錠剤、カプセル、カシェ、糖衣錠、ロゼンジ、液体、ゲル、シロップ、スラリー、エリキシル、懸濁液、または粉末剤の形態であり得る。
投与は、例えば、カプセルまたは腸溶性コーティング錠を介してもよい。本明細書に記載のMMB化合物、または薬学的に許容される塩もしくはその溶媒和物もしくは水和物を含む医薬組成物を製造する際、活性成分は、通常、賦形剤によって希釈され、および/またはカプセル、サシェ、紙、または他の入れ物の形態であり得るそのような担体内に封入される。賦形剤が希釈剤として機能する場合、賦形剤は、活性成分のビヒクル、担体、または媒体として機能する、固体、半固体、または液体材料の形態であり得る。したがって、組成物は、錠剤、粉末剤、ロゼンジ、サシェ、カシェ、エリキシル、懸濁液、乳液、溶液、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中で)、例えば最大10重量%の活性化合物を含む軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、滅菌注射可能溶液、ならびに滅菌パッケージ化粉末剤の形態であり得る。
錠剤などの固体組成物を調製するために、主要な活性成分を薬学的賦形剤と混合して、上記式のいずれかの化合物またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、もしくは溶媒和物の均一な混合物を含む固体予備製剤(preformulation)組成物を形成してもよい。これらの予備製剤組成物を均質であると称する場合、組成物を錠剤およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化し得るように、活性成分を組成物全体に均一に分散させてもよい。本明細書に記載のMMB化合物の錠剤は、長期作用の利点を与える剤形を提供するために、または胃の酸性状態から保護するために、コーティングまたは他の様式で配合されてもよい。例えば、錠剤またはピルは、内側投与量および外側投与量成分を含むことができ、後者は前者を覆う封入形態である。2つの成分は、胃中での崩壊に抵抗し、内部成分が無傷で十二指腸へと通過するか、または放出を遅らせるのに役立つ腸管層によって分離することができる。様々な材料をそのような腸溶層またはコーティングに使用することができ、そのような材料には、多数のポリマー酸およびポリマー酸とシェラック、セチルアルコール、および酢酸セルロースなどの材料との混合物が含まれる。
特定の対象についての本明細書に記載のMMB化合物の特定の用量レベルは、使用される特定の化合物の活性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、ならびに治療を受けている対象における***率、薬物の組み合わせ、および特定の疾患の重症度を含む、様々な要因に依存する。例えば、投与量は、対象の体重1キログラムあたりのMMB化合物のミリグラム数(mg/kg)として表してもよい。約0.01~200mg/kgの投与量が適切であり得る。いくつかの実施形態では、約0.01および150mg/kgが適切であり得る。他の実施形態では、0.05~100mg/kgの投与量が適切であり得る。対象の体重に応じて正規化することは、サイズが大きく異なる対象間で投与量を調整する場合、例えば、小児および成人の両方で薬物を使用する場合、またはイヌなどの非ヒト対象での有効投与量をヒト対象に好適な投与量に変換する場合に特に有用である。
薬学的に許容されるビヒクル
薬学的に許容されるビヒクルには、担体、補助剤、および賦形剤、例えば、不活性固体希釈剤および充填剤、滅菌水溶液および様々な有機溶媒を含む希釈剤、透過促進剤、可溶化剤、ならびに補助剤が含まれる。
「担体」という用語は、MMB化合物と共に投与される、希釈剤または充填剤、崩壊剤、沈殿抑制剤、界面活性剤、流動促進剤、結合剤、潤滑剤、抗酸化剤、ならびに他の賦形剤およびビヒクルを指す。本明細書に記載の方法で投与される投与形態において有用な担体の例には、モノステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、イソステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシオクタコサニルヒドロキシステアレート、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ラクトース一水和物、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、微結晶セルロース、ポロキサマー124、ポロキサマー181、ポロキサマー182、ポロキサマー188、ポロキサマー237、ポロキサマー407、ポビドン、二酸化ケイ素、コロイド状二酸化ケイ素、シリコーン、シリコーン接着剤4102、およびシリコーンエマルジョンが挙げられるが、これらに限定されない。しかしながら、本開示で提供される医薬組成物のために選択される担体、および組成物中のそのような担体の量は、製剤化方法(例えば、乾式造粒製剤化、固体分散製剤化)に応じて変化してもよいことを理解されたい。
「希釈剤」または「充填剤」という用語は、一般に、送達前にMMB化合物を希釈するために使用される物質を指す。希釈剤はまた、化合物を安定化するように機能し得る。希釈剤の例には、デンプン、糖類、二糖類、ショ糖、ラクトース、多糖類、セルロース、セルロースエーテル、ヒドロキシプロピルセルロース、糖アルコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、微結晶セルロース、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、ラクトース一水和物、リン酸二カルシウム、セルロース、圧縮糖(compressible sugar)、二塩基性リン酸カルシウム二水和物、マンニトール、微結晶セルロース、および三塩基性リン酸カルシウムが挙げられ得る。
「崩壊剤」という用語は、一般に、固体調製物に添加した際に、投与後のその分解または崩壊を促進し、可能な限り効率的な活性成分の放出を可能にして、その迅速な溶解を可能にする物質を指す。崩壊剤の例には、トウモロコシデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、微結晶セルロース、化工コーンスターチ、カルボキシメチルデンプンナトリウム、ポビドン、アルファ化デンプン、およびアルギン酸が挙げられる。
「沈殿抑制剤」という用語は、一般に、活性剤の沈殿を防止または抑制する物質を指す。沈殿抑制剤の一例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
「界面活性剤」という用語は、一般に、2つの液体間または液体と固体との間の表面張力を低下させる化合物を指す。界面活性剤の例には、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
「流動促進剤」という用語は、一般に、錠剤圧縮中の流動特性を改善し、凝固防止効果を生み出すために錠剤およびカプセル製剤に使用される物質を指す。流動促進剤の例には、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、ヒュームドシリカ、デンプン、デンプン誘導体、およびベントナイトが挙げられる。
「結合剤」という用語は、一般に、担体の活性成分および不活性成分を一緒に結合して、密着および別個部分を保持するために使用することができる任意の薬学的に許容されるフィルムを指す。結合剤の例には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン、コポビドン、エチルセルロース、ゼラチン、およびポリエチレングリコールが挙げられる。
「潤滑剤」という用語は、一般に、錠剤化またはカプセル化プロセス中に圧縮された粉末塊が装置に付着するのを防ぐために粉末ブレンドに添加される物質を指す。潤滑剤は、錠剤化中にダイからの錠剤の排出を助け、粉末の流れを改善することができる。潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリカ、脂肪、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、フマル酸ステアリルナトリウム、またはタルク、およびラウリン酸、オレイン酸、Cg/Cio脂肪酸を含む脂肪酸などの可溶化剤が挙げられる。
「抗酸化剤」という用語は、一般に、他の物質の酸化を阻害する物質を指す。本発明の特定の実施形態では、抗酸化剤が医薬組成物に添加される。酸化防止剤の例には、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、チオグリセロール、チオグリコール酸、トコフェロール(ビタミンE)、D-αトコフェリルポリエチレングリコール1000スクシネート(ビタミンE TPGS)、および没食子酸プロピルが挙げられる。特定の実施形態では、抗酸化剤は、没食子酸プロピルである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、MMB二塩酸塩一水和物形態II、ならびにブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸、および没食子酸プロピルから選択される抗酸化剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、MMB二塩酸塩一水和物形態II、および抗酸化剤である没食子酸プロピルを含む。抗酸化剤は、MMB活性成分(MMB形態IIなど)の分解を防止、阻害、および/または低減するのに十分な量で存在してもよい。例として、抗酸化剤は、医薬組成物中に約0.001、約0.002%、約0.005%、約0.01%、約0.02%、約0.05%、約0.1%、約0.2%、約0.5%、または約1重量%の量で存在してもよい。一実施形態では、医薬組成物は、約0.001%、約0.01%、約0.1%、約0.2%、約0.5%、または約1%の量の没食子酸プロピルを含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、MMB二塩酸塩一水和物形態IIおよび約0.2%の没食子酸プロピルを含む。
特定の態様では、医薬粗製物は、MMB化合物活性剤(例えば、MMB二塩酸塩一水和物形態II)、および(a)~(e)のうちの1つ以上を含む医薬組成物:a)少なくとも1つの希釈剤;b)少なくとも1つの崩壊剤、c)少なくとも1つの流動促進剤、d)少なくとも1つの潤滑剤、およびe)少なくとも1つの酸化防止剤を含む。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つまたは少なくとも2つの希釈剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つまたは2つの希釈剤を含む。特定の実施形態では、希釈剤は、マンニトール、微結晶セルロース、ラクトース、デキストロース、スクロース、ludiflash、F-melt、advantose、GalenlQ、およびそれらの任意の混合物から選択される。一実施形態では、希釈剤は、マンニトール、微結晶セルロース、またはそれらの混合物である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの崩壊剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つの崩壊剤を含む。特定の実施形態では、崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムである。一実施形態では、崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムである。別の実施形態では、崩壊剤は、クロスポビドンである。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの流動促進剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つの流動促進剤を含む。一実施形態では、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素である。
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの潤滑剤を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、1つの潤滑剤を含む。一実施形態では、潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムである。
特定の実施形態では、医薬組成物は、MMB二塩酸塩一水和物形態II、少なくとも1つの希釈剤、少なくとも1つの崩壊剤、少なくとも1つの流動促進剤、少なくとも1つの潤滑剤、および少なくとも1つの抗酸化剤を含む。さらなる実施形態では、少なくとも1つの希釈剤は、微結晶セルロースであり、少なくとも1つの崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムであり、少なくとも1つの流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素であり、少なくとも1つの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、少なくとも1つの抗酸化剤は、没食子酸プロピルである。さらに別の実施形態では、少なくとも1つの希釈剤は、ラクトースであり、少なくとも1つの崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムであり、少なくとも1つの流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素であり、少なくとも1つの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、少なくとも1つの酸化防止剤は、没食子酸プロピルである。
他の実施形態では、医薬組成物は、MMB二塩酸塩一水和物形態II、少なくとも2つの希釈剤、少なくとも1つの崩壊剤、少なくとも1つの流動促進剤、少なくとも1つの潤滑剤、および少なくとも1つの抗酸化剤を含む。さらに他の実施形態では、少なくとも2つの希釈剤は、微結晶セルロースおよびラクトースであり、少なくとも1つの崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムであり、少なくとも1つの流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素であり、少なくとも1つの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、少なくとも1つの抗-酸化剤は没食子酸プロピルである。
特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約80%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約85%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約90%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。さらに別の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約95%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約97%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約98%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約99%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。さらに他の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約99.5%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約99.9%がMMB二塩酸塩一水和物形態IIであるMMB化合物を含む。
医薬組成物は、薬学的に許容される担体のありとあらゆる組み合わせが具体的かつ個別に記載されているのと同じように、本明細書に詳述される薬学的に許容される担体を含むことを理解されたい。
単位剤形
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、単位剤形で製剤化される。「単位剤形」という用語は、対象(例えば、ヒト対象および他の哺乳動物)のための単位投与量としての適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、好適な薬学的担体に関連して、所望の治療効果を生み出すように計算された所定量のMMB化合物活物質を含む。
さらなる実施形態では、単位剤形は、MMB二塩酸塩一水和物形態IIを含む。いくつかの実施形態では、単位剤形は、約10mg~約1000mg、約10mg~約800mg、約10mg~約700mg約10mg~約500mg、約10mg~約400mg、約10mg~約300mg、約10mg~約250mg、約10mg~約200mg、約10mg~約150mg、約10mg~約100mg、約10mg~約50mg、約50mg~約1000mg、約50mg~約800mg、約50mg~約700mg約50mg~約500mg、約50mg~約400mg、約50mg~約300mg、約50mg~約250mg、約50mg~約200mg、約50mg~約150mg、約50mg~約100mg、約100mg~約1000mg、約100mg~約800mg、約100mg~約700mg約100mg~約500mg、約100mg~約400mg、約100mg~約300mg、約100mg~約250mg、約100mg~約200mg、約150mg~約300mg、約150mg~約250mg、約150mg~約200mg、約200mg~約300mg、約200mg~約250mg、または約200mg~約300mgのMMB遊離塩基と同等の量のMMB二塩酸塩一水和物形態IIを含む。
本発明の特定の実施形態では、単位剤形は、少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む。他の実施形態では、単位剤形は、MMB二塩酸塩一水和物形態II、少なくとも2つの希釈剤、少なくとも1つの崩壊剤、少なくとも1つの流動促進剤、少なくとも1つの潤滑剤、および少なくとも1つの抗酸化剤を含む。さらに別の実施形態では、単位剤形は、約36%~44%のMMB二塩酸塩一水和物形態II、約44%~58%の希釈剤、約4%~8%の崩壊剤、約0.25%~0.75%の流動促進剤、約1.2%~1.8%の潤滑剤、および約0.1%~0.5%の酸化防止剤を含む。さらに他の実施形態では、少なくとも2つの希釈剤は、微結晶セルロースおよびラクトースであり、少なくとも1つの崩壊剤は、デンプングリコール酸ナトリウムであり、少なくとも1つの流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素であり、少なくとも1つの潤滑剤は、ステアリン酸マグネシウムであり、少なくとも1つの抗-酸化剤は没食子酸プロピルである。さらに別の実施形態では、単位剤形は、約36%~44%のMMB二塩酸塩一水和物形態II、約30%~38%の微結晶セルロース、約14%~20%のラクトース、約4%~8%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.25%~0.75%のコロイド状二酸化ケイ素、約1.2%~1.8%のステアリン酸マグネシウム、および約0.1%~0.5%の没食子酸プロピルを含む。
本明細書に記載の医薬組成物は、限定するものではないが、混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、磨砕化(levigating)、乳化、カプセル化、捕捉(entrapping)、溶融紡糸、噴霧乾燥、または凍結乾燥プロセスなどの任意の従来方法を使用して製造することができる。当業者は、従来の製剤化によって錠剤を調製するための好適な方法および技術を認識するであろう。錠剤に圧縮するための粉末を調製するための例示的な方法および技術には、乾式造粒または湿式造粒が含まれる。乾式造粒は、一般に、液体溶液を使用せずに顆粒を形成するプロセスを指し、湿式造粒は、一般に、液体溶液を粉末に加えて造粒するプロセスを指す。
ルキソリチニブ治療
本開示の態様は、第二選択治療としてMMBを使用して、MPNの対象を処置する方法(例えば、本明細書に記載されるように)を含む。いくつかの実施形態では、対象は、ルキソリチニブまたはフェドラチニブなどの以前の第一選択JAK阻害剤治療により処置されている。SIMPLIFY1および2臨床試験の従来のルキソリチニブ治療の詳細を以下に示す。
ルキソリチニブは、通常、均等に分割された用量でBIDで投与される。骨髄線維症を有する患者に推奨される用量の範囲は、1日2回の最高25mg~1日1回の最低5mgまでの10倍である。ルキソリチニブの推奨開始用量は、血小板数に基づき、処置前の血小板数が100~200×109/Lである患者には、1日2回15mgの弱毒化開始用量が推奨される(表3)。全血球計算(CBC)および血小板計数は、治療開始前に、用量が安定化するまで2~4週間ごとに行われ、次いで臨床的に示される。用量は、安全性および有効性に基づいて漸増されてもよい。
Figure 2022503576000006
100×10/L以上の血小板数を有する処置を開始する骨髄線維症の患者のための血液毒性に関するルキソリチニブ用量修正ガイドラインには、処置の中断および投与の再開が含まれる。50×10/L未満の血小板数または0.5×10/L未満の絶対好中球数(ANC)の断続的処置。50×10/Lを上回る血小板数および0.75×10/Lを上回るANCの回復後、投与を再開してもよい。0.5×10/L未満のANCの処置中断後、ANCが0.75×10/L以上に回復後、処置中断の前の週に、最大用量未満での5mg超を1日1回または5mgを1日2回の投与を再開する。50×10/L未満の血小板数での処置の中断およびこの閾値を上回るまで回復後、最大再開用量を表4に示す。
Figure 2022503576000007
表5および6に概説されるように血小板数が減少した場合、血小板減少症のための投与の中断を回避することを目標として、ルキソリチニブの用量減少を考慮する。
Figure 2022503576000008
50×10/L~100×10/L未満の血小板数を有する処置を開始する骨髄線維症の患者のための血液毒性に関するルキソリチニブ用量修正ガイドラインには、処置の中断および投与の再開が含まれる。25×10/L未満の血小板数または0.5×10/L未満のANCの断続的処置。35×10/Lを上回る血小板数および0.75×10/Lを上回るANCの回復後、ルキソリチニブ投与を再開してもよい。投与が中断される25×10/L未満の血小板数または0.5×10/未満のANCの減少の前の週に、最大容量未満で1日1回5mg超または1日2回5mgで投与を再開することができる。表3に記載されるように、35×10/L未満の血小板数ではルキソリチニブの用量を減少する。
Figure 2022503576000009
本発明は、記載された特定の実施形態に限定されず、したがって当然に変動し得ることが理解されるべきである。本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書で使用される用語は特定の実施形態のみを説明することを目的としており、限定することを意図しないことも理解されたい。
値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に介在する各値、およびその記載された範囲内の任意の他の記載されたまたは介在する値は文脈が明確に別途指示しない限り、下限の単位の10分の1まで、本発明に包含されることが理解される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立して、記載された範囲における任意の具体的に除外された制限を条件として、より小さな範囲に含まれてもよく、また本発明内に包含される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる制限の一方または両方のいずれかを除外した範囲も本発明に含まれる。
本明細書では、「約」という用語が先行する数値を伴って特定の範囲が示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、およびその用語が先行する数に近いまたは近似する数についての文字上のサポートを提供するために使用される。数が具体的に記載された数に近いかまたは近似するかどうかを決定する際に、記載されていない数に近いかまたは近似する数は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数と実質的に同等であり得る。
別途定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法および材料はまた、本発明の実施または試験に使用することができるが、代表的な例示的な方法および材料がここに記載される。
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別途指示をしない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、任意の任意選択的要素を除外するために起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、本記述は、特許請求要素の記載に関連した「単独で」、「のみ」などの排他的な用語の使用、または「否定的な」制限の使用のための先行する基礎として機能することを意図する。
本明細書で引用されるすべての公開物および特許は、あたかも個々の公開物または特許が参照により組み込まれるように具体的かつ個別に示されているかのように参照により本明細書に組み込まれ、公開物が引用されることに関連して方法および/または材料を開示および説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。いかなる公開物の引用も、出願日前の開示についてであり、本発明が先行発明のためにそのような公開物に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日とは異なる場合があり、実際の公開日は個別に確認する必要がある。
本開示を読んだ当業者に明らかであるように、本明細書に記載および例示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のうちのいずれかの特徴から容易に分離され、またはそれらと組み合わされてもよい、別個の構成要素および特徴を有する。いかなる記載された方法も、記載された事象の順序、または理論的に可能な他の任意の順序で実施することができる。
以下は、本発明を実施するための特定の実施形態の実施例である。これらの実施例は、例示目的のためにのみ提供され、本発明の範囲を制限することを何ら意図しない。使用される数値(例えば、量、温度など)に関して正確性を確保するための努力をしているが、ある程度の実験誤差および偏差は当然ながら許容されるべきである。
実施例1:SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2
モメロチニブ(MMB)は、骨髄線維症(MF)の処置のために開発された、JAK1、JAK2、およびACVR1の強力かつ選択的な、経口的に生物学的利用可能な小分子阻害剤である。しかしながら、MFの第一選択および第二選択処置のための2つの第3相臨床試験(それぞれSIMPLIFY-1および-2)では、MMBは、SIMPLIFY-1のTSS反応の予め規定されたすべての副次的エンドポイントおよびSIMPLIFY-2のSRRの主要エンドポイントのすべてを満たすことができなかった。
SIMPLIFY-1試験(NCT01969838)において、MMB対ルキソリチニブ(RUX)の有効性および安全性を、JAK阻害剤および血小板数の処置について未経験であり、50×10/L以上の血小板数を有する骨髄線維症を有する患者で研究した。高リスクまたは中間2リスクまたは症候性中間1リスク骨髄線維症を有する患者(N=432)は、200mgのMMBを1日1回、または20mgのRUXを1日2回(またはラベル通り)24週間処置した後、すべての患者がオープンラベルのモメロチニブを受け取ることができる。RUXに対するMMBの非劣性を実証することを目的として、脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血割合、および輸血非依存性または輸血依存性によって、有効性を測定した。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少したことであった。
SIMPLIFY-2試験(NCT02101268)では、MMBの有効性および安全性が、以前にルキソリチニブ(RUX)により処置された、骨髄線維症を有する貧血または血小板減少症対象で研究された。BATに対するMMBの優位性を実証することを目的として、脾臓反応、総症状スコア(TSS)、赤血球輸血率、輸血非依存性または輸血依存性により、有効性を測定した。具体的には、(少なくとも28日間)(RUX)により処置されたことがあるかまたは以前に処置された貧血または血小板減少骨髄線維症患者を、MMB対利用可能な最善の処置(BAT)、主にRUXに対する反応(患者の89%)について24週間にわたって研究したが、あるいは処置または他の標準的介入なく、その期間後、すべての患者が長期のMMB処置を受けることができた。グレード3の血小板減少症、貧血、および/またはグレード3もしくはそれより悪いグレードでの出血があり、少なくとも5cmの触診可能な脾臓を有し、グレード2以上の末梢神経障害を伴わない、赤血球の輸血またはRUXの用量減少のいずれかが必要であった以前に処置されたRUX患者が試験に含まれた。必要なベースライン血小板数についての下限はなかった。主要エンドポイントは、ベースラインと比較して、24週間で脾臓体積が少なくとも35%減少したことであった。
図8A~8Bは、骨髄線維症のモメロチニブ(MMB)処置による2つの完了した第3相試験:SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2のパラメータを要約した概略図を示す。図8A:以前にJAKiにより処置されていない第一選択集団でのMMBのSIMPLIFY-1試験。SIMPLIFY-1では、目標は、ルキソリチニブ(RUX)に対する非劣性であった(MMB:N=215人の対象、RUX:N=217人の対象)。図8B:以前にRUXにより処置された貧血または血小板減少症対象の第二選択集団のSIMPLIFY-2試験(RUXでの赤血球(RBC)輸血=64%。RUX用量調整:血小板減少症の場合=21%;貧血/血腫の場合=35%)。SIMPLIFY-2では、目標は、利用可能な最善の処理(BAT)よりも優れていることであった(MMB:N=104人の対象、BAT:N=52人の対象)。SIMPLIFY-1およびSIMPLIFYの両方で、主要エンドポイント:24週間で脾臓体積が35%以上の減少。副次的エンドポイント:24週間での総症状スコア(TSS)反応。RBC輸血の必要性に対する影響。
SIMPLIFY-1試験の結果の最初の分析は、Mesa et al.によって報告された(SIMPLIFY-1:A Phase III Randomized Trial of Momelotinib Versus Ruxolitinib in Janus Kinase Inhibitor-Naive Patients with Myelofibrosis”,J.Clinical Oncology 2017,35(34):3844-3850)。そのSIMPLIFY-1試験データ分析は、モメロチニブがJAKi未経験患者の脾臓サイズの低下についてRUXに対して非劣性であることを示しており、したがって、研究の主要エンドポイントを満たしている。しかしながら、その研究の症候性患者でのモメロチニブの実証可能な症候性利益の証拠にもかかわらず、総症状スコア(TSS)反応の副次的エンドポイントについての非劣性が実証されなかった。MMB処置は、輸血非依存率の増加と関連しており、RUXと比較して、輸依存性率が低下し、輸血率が低下し、これらはすべて名目上統計的に有意であった。
SIMPLIFY-2試験の結果は、Harrison et alによって報告された(“Momelotinib versus best available therapy in patients with myelofibrosis previously treated with ruxolitinib(SIMPLIFY2):a randomised,open-label,phase 3 trial.” Lancet Haematol;第5巻、第2号、2018年2月、e73~e81頁)。モメロチニブで示されたSIMPLIFY-2試験データの解釈は、脾臓サイズの低下についてBATより優れていなかったことを示し、したがって、試験は主要エンドポイントを達成できなかった。
重要な副次的エンドポイントは、Harrison et alによる分析では名目上有意であったが、これらは、分析エンドポイントの階層では統計的に有意であるとはみなされなかった。一般に、モメロチニブ群の患者は、BAT群の患者と比較して、総症状スコア(TSS)反応が大きく、輸血が少なく、輸血非依存性が高く、輸血依存性が低い。最初の分析は、無作為化研究処置の開始前にルキソリチニブの中止を可能または許容もしなかったことによって複雑になった。以前のルキソリチニブからの強制的なウォッシュアウトを含まないことにより、脾臓反応の評価は、この研究では、いずれの群の対象でも不明瞭であった。さらに、この研究に登録された患者は、RUXでの脾臓の進行に基づいて選択されなかった。
実施例2:SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2の再分析
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2試験のデータを再分析し、モメロチニブが、血小板減少症を引き起こすモメロチニブ投与なしに、したがって、血小板減少症のために用量の減少または中断の必要なく、1リットルあたり150×10以下の血小板数の患者において脾臓サイズ(SSR)の低下、総症状スコア(TSS)の改善、および輸血非依存性の改善に有効であることを発見した。我々の再分析は、MMBが、JAKi未経験患者およびRUXに対する第二選択治療としての患者に有効であり、脾臓肥大を低減させ、骨髄線維症に関連する症状を改善し、基礎疾患および現在の標準治療由来の血小板減少症を有するかまたはそのリスクのある患者集団における輸血非依存性率を上昇させることを示す。
MMBまたはRUX処置中の血小板レベル
図31は、二重盲検処置段階の24週間にわたるSIMPLIFY1試験でのMMB対RUX対象の平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。RUX患者の平均血小板数は、MMB患者の平均血小板数よりも明らかに低い。
図32は、SIMPLIFY1研究(治療の意図による(Intention-to-Treat)(ITT)分析)のMMB対RUXの二重盲検および非盲検処置段階での経時的な平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。
図33は、SIMPLIFY2試験(治療の意図による(ITT)分析)のMMB対利用可能な最善の処理(BAT)の無作為化および長期の処置段階での経時的な平均(±標準誤差)血小板数のプロットを示す。
図31~33は、SIMPLIFY1試験でのMMB対RUXの対象についての平均血小板数のプロットを示し、これは、MMBにより処置された対象が、処置期間中、例えば、24週間の二重盲検研究段階中に血小板レベルを維持することができたことを示す。比較すると、RUX対象は、ベースラインからの血小板数の有意な減少を示し、これは、多くの場合、必要な用量の減少(例えば、本明細書に記載されるように)をもたらし得る。したがって、MMBの対象は、該対象が治療中に血小板数をほとんど維持することができたため、血小板減少症(例、グレード3または4の血小板減少症)を発症するか、または望ましくない用量を減少しなければならないリスクが低かった。
図32~33はまた、24週間後にRUXからMMBに切り替えたときに血小板を回復する(立ち直らせる)MMBの能力を示す。
図34は、24週間の二重盲検処置段階中の各週の研究での群ごとのSIMPLIFY1における平均1日用量のプロットを示す。縦棒は、様々な用量を受けた対象の割合を表す。MMB対象の大多数は、研究過程を通して1日あたり200mgを受けた。RUX群では、対象の半数未満に標準の40mg/日(20mg BID)が投与され、約4分の1には10mg/日(5mg BID)のみ投与された。
図35は、24週間の無作為化処置段階中の各週の研究での群ごとのSIMPLIFY2における平均1日量のプロットを示す。縦棒は、様々な用量を受けた対象の割合を表す。MMB対象の大多数は、研究過程を通して1日あたり200mgを受けた。BAT群では、研究過程を通して最も一般的な用量は、20mg/日(10mg BID)であり、続いて10mg/日(5mg BID)であった。非常に少人数の対象(約10%)は、40mg/日(20mgBID)を受けた。
図34~35は、SIMPLIFY1または2試験の処置患者についての処置による用量分類をそれぞれ示しており、24週間の処置期間中にRUX用量の低下(用量の減少)およびMMB用量レベルの相対的安定性があったことを示す。
ベースライン血小板数サブグループによる患者の反応
SIMPLIFY1(S1)
研究のMMB群およびRUX群において特定のベースライン血小板数を有する対象のサブグループについて、SIMPLFY1臨床試験データを再分析した。
患者データを、以下のベースライン血小板数(PLT)サブグループに従って、特に、150×10/Lの閾値PLTに従って分析した:1)PLT<50×10/L;2)50×10/L≦PLT<100×10/L;3)100×10/L≦PLT<150×10/L。再分析データを表13(SIMPLIFY1)に示す。選択したデータも以下の図に示される。
表7~9に示されるデータは、一般に、各エンドポイント(TSS、SRR、および24週目のTI率)について、RUXの奏効率が、ITT奏効率と比較して、サブグループ2(50×10/L)の対象では低下傾向にある(有効性が低下する)ことを示しており(50×10/L≦PLT<100×10/L)および3(100×10/L≦PLT<150×10/L)、ほとんどの結果は、各エンドポイントで達成された結果の95%CI外である。RUX治療(TSS)開始時に症候性であったRUX対象の奏効率(TSS≧6、またはTSS≧10)は、この観察と一致している。
分析は、有効性(SRR、TSS、TI)が、血小板が少ない患者(サブグループ2~3)では、RUXを用いると低下するかまたは大幅に低下することを示しており、血小板が50K×10/L未満の患者(サブグループ1)では禁忌であることを示す(図示せず)。
Figure 2022503576000010
Figure 2022503576000011
Figure 2022503576000012
表10~12は、表7~9に対応するベースライン血小板数によるSIMPLIFY1のMMB群のデータの分析を示す。表10~12に示されているデータは、一般に、各エンドポイント(TSS、SRR、および24週目のTI率)に関して、MMBの奏効率が、ITT奏効率と比較して、サブグループ2(50×10/L≦PLT<100×10/L)、およびサブグループ3(100×10/L≦PLT<150×10/L)で一貫していることを示しており、ほとんどの結果は、各エンドポイントで達成された結果の95%CI内にとどまっている。MMB処置開始時に症候性であったMMB対象の奏効率(TSS≧6またはTSS≧10)は、この観察と一致している。
Figure 2022503576000013
Figure 2022503576000014
Figure 2022503576000015
RUX患者について示される一般的に悪化する反応とは対照的に、サブグループ3および2のMMB対象は、すべての患者の反応と比較して、一般的に安定した有効性(例えば、24週目でのTSSおよびTI率)を示した。
サブグループ3(表11)での脾臓奏効率(SRR)は、すべてのMMB患者およびサブグループ2患者について決定された反応を下回っていたが、このサブグループ3のSRR率は、このサブグループのためのRUXに対してMMBの方が依然として高かった。
図36は、SIMPLIFY1試験により処置されたすべてのMMBまたはRUX患者についての24週目の脾臓奏効率(SRR)対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。水平棒は、すべての患者(すべてのポイント)の平均反応についての95%信頼区間を示す。
図37~38は、SIMPLIFY1試験により処置された症候性(例えば、それぞれ、TSSが6以上、または10以上)MMBまたはRUX患者の24週目での脾臓奏効率(SRR)対ベースライン血小板数サブグループのグラフを示す。水平棒は、すべての患者(すべてのポイント)の平均反応についての95%信頼区間を示す。
図42~44は、24週目での輸血依存性から非依存性性への変換率について同様の結果を示す。図39~41は、症状奏効率(TSS)について同様の結果を示す。図45~47は、24週目でのTI反応についての同様の結果を示す。
これらのグラフおよび表は、モメロチニブ治療が、従来のルキソリチニブ治療と比較して、150×10/L以下のベースライン血小板数を有する骨髄線維症患者に所望の治療上の利益を提供することができることを示す。図36は、JAKi未経験骨髄線維症患者のベースライン血小板数が150×10/L以下、例えば100×10/L以下である場合、SIMPLIFY1試験のMMB患者の脾臓奏効率(SRR)がRUX患者よりも優れていたことを示す。従来のRUX処置に対するMMBのその利点は、対象が治療開始時に症候性でもあった場合、例えば、対象が6以上(図37)、例えば10以上(図38)の総症状スコア(TSS)であった場合、より顕著であることが示された。輸血依存性から非依存性への変換率(図42~44)および症状奏効率(図39~41)について同様の利点が見出された。
SIMPLIFY2(S2)
研究のMMB群対BAT群における特定のベースライン血小板数を有する対象のサブグループについて、SIMPLFY2臨床試験データを再分析した。
以下のベースライン血小板数(PLT)サブグループに従って、特に、150×10/L:1)PLT<50×10/L;2)50×10/L≦PLT<100×10/L;3)100×10/L≦PLT<150×10/Lの閾値PLTに従って、患者データを分析した。再分析したデータを表14(SIMPLIFY2)に示す。
SIMPLIFY2のデータから、血小板が50×10/L未満の患者を含め、血小板数に関係なく、患者においてMMBを全用量で投与することができることが分かっている。SRR、TSS、TIの有効性の結果は、50~100×10/Lの血小板を有する患者(サブグループ2)ではMMBを用いて維持され、100~150×10/Lの血小板を有する患者(サブグループ3)では、TSSおよびTIエンドポイントについて維持される。
SIMPLIFY2研究は、全体的に小規模な研究であり(SIMPLIFY1のサイズの1/3未満)、したがって、ベースライン血小板数サブグループの患者数はすべて少なく、結果全体にわたってより固有の変動がある。
一般に、表14の分析は、SRRを除くすべてのエンドポイントについて、150×10/L未満のベースライン血小板数サブグループでは、BAT対象と比較してMMB対象の優れた結果を示す。例えば、ベースライン血小板数サブグループ3(100~150×10/L)のMMB対象について、24週目の輸血依存性から非依存性への変換率は46%であったが、BAT対象では9%であった。
これらの結果は、SIMPLIFY1について上に示した結果と概ね一致する。しかしながら、小規模なSIMPLIFY2研究のデータには固有の変動があるため、MMB処置によって低いベースライン血小板数のサブグループ患者に提供される臨床的利益の大きさに関して結論は出なかった。
Figure 2022503576000016
Figure 2022503576000017
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2の結果の詳細な分析および特性評価を以下に示す。
SIMPLIFY1の結果:
脾腫に対するモメロチニブ活性:26.5%SRR。モメロチニブは、脾臓のRUXに対して統計的に非劣性であった(p=0.011)。
モメロチニブは、RUX交差後、より深化した(deepened)脾臓反応を示した。深化反応:非盲検段階(モメロチニブ群)の任意の時点において46.2%の脾臓反応(SRR)。RUX後の利益:対象の16.5%は、ルキソリチニブでは脾臓反応を達成しなかったが、24週間の追加のモメロチニブ処置後に達成した(交差群)。
図9は、SIMPLIFY1試験での総症状スコア(TSS)を構成する7つの個々の症状に関する1日症状スコアの4週間平均として評価されたベースライン中央値および24週平均症状スコア中央値のグラフを示しており、モメロチニブが、臨床的に同等の症状の利益をRUXにもらしたことを示す。モメロチニブおよびルキソリチニブの両方が、臨床的に同等の様式で、ベースラインと比較してすべて症状を実質的に改善した(MMBは、SIMPLIFY-1ではRUXに対して総症状スコア(TSS)非劣性をわずかに失った:28.4%対42.2%(非劣性の比例差0.00(-0.08、0.08)))。RUXに対してMMBでのより高い平均および中央値ベースラインTSSは、層別化を欠くことに起因するベースラインスコアの不均衡を示し、反応を達成するためにMMB群におけるTSSのより大きな絶対的減少を達成する必要性を生じさせた。
図10は、MMB開始後の患者における急速かつ持続的なヘモグロビンの改善、およびSIMPLIFY1の24週後のモメロチニブ交差後における、ルキソリチニブに対して無作為化された対象における同様の急速かつ持続的なヘモグロビンの改善を示す。
モメロチニブは、SIMPLIFY1試験において骨髄線維症患者では良好な認容性であった。貧血率は、モメロチニブで14%であり、RUXで38%であった。グレード3以上の貧血率は、モメロチニブで6%であり、RUXで23%であった。
モメロチニブは、SIMPLIFY-1においてルキソリチニブと同等の全体的安全性プロファイルを有しており、血小板減少症および貧血の割合が大幅に低いことを示す。有害事象(AE)の割合は概ね同等であったが、ルキソリチニブに対してモメロチニブでは、少数の患者がAEを経験し、少数の患者がグレード3または4のAEを経験した。
無白血病生存(LFS)および全生存(OS)の傾向は、ルキソリチニブよりもモメロチニブが好ましい(mLFS/mOS達せず)。
SIMPLIFY2の結果:
モメロチニブは、第二選択患者ではBAT(約90%ルキソリチニブ)と比較して症状に対して顕著な活性を示した。統計的に有意な症状反応(p<0.001):モメロチニブでは26.2%のTSS対利用可能な最善の処理(BAT)では5.9%。
LFSおよびOSの傾向は、利用可能な最善の治療よりもモメロチニブが好ましい。MMBのmOSは28ヶ月である。モメロチニブは、ルキソリチニブ処置患者で報告された14ヶ月のヒストリカル対照生存率と比較して、注目すべきRUX後生存を提供した(Newberry et al.,2017 Blood 130(9):1125-1131)。
モメロチニブは、貧血および輸血に対して区別される活性を示す。SIMPLIFY1では、モメロチニブは患者の66%で輸血非依存性を促進および維持したが、RUXでは49%であった。統計的に有意な輸血非依存性(TI)率(p<0.001)。SIMPLIFY2では、モメロチニブは輸血の必要性がなかった:ベースラインでの輸血依存性(TD)患者の32.8%がモメロチニブで24週目にTIであったのに対し、BATでは3.7%であった。SIMPLIFY2では、モメロチニブは、輸血非依存性を促進および維持した:患者の43%が24週目にモメロチニブでTIであったのに対し、BATでは21%であった。
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2第3相試験は、モメロチニブが輸血非依存性(TI)の維持を提供したことを示す。
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2の第3相試験では、モメロチニブが輸血依存性から非依存性への切り替えをもたらしたこと(12週間)が示される:SIMPLIFY-1の場合、12週間以上の輸血非依存性率は49.1%であった。SIMPLIFY-2の場合、12週間以上の輸血非依存性率は46.6%であった。
SIMPLIFY-1およびSIMPLIFY-2の第3相試験は、モメロチニブが輸血依存性から非依存性への切り替えをもたらしたこと(8週間)を示す:SIMPLIFY-1では、8週間以上の輸血非依存性率は58.5%であった。SIMPLIFY-2では、8週間以上の輸血非依存性率は46.6%であった。
12週間/8週間での輸血非依存性率に対する依存性の比率の研究全体にわたる複合的分析は、12週間以上の輸血非依存性率は44.1%であり、8週間以上の輸血非依存性率は48.7%であったことを示す(SIMPLIFY-1、SIMPLIFY-2、および‘1672のTD患者(n=152)におけるTI奏効率の合計。この集計データは、一連の中間リスク/高リスクのMF患者を表す。
Figure 2022503576000018
図11は、MMB投与後に、ヘプシジンが一貫してモメロチニブを減少させたことを示すグラフである。トランスレーショナルバイオロジー第2相試験(N=41;GS-US-352-1672)。12週間の輸血非依存(TI)奏効率は34%であったが、これは、ACVR1活性およびヘプシジンが減少し、鉄およびヘモグロビンが増加した臨床的に有効なメカニズムを示す。
図13は、モメロチニブ処置開始後における高レベルの鉄およびヘモグロビンの例示的なタイムラインである。モメロチニブ処置はヘプシジンを減少させ、2週間以内に血清鉄およびトランスフェリンの増加をもたらし、赤芽球に鉄塊を提供して赤血球成熟を促進する。赤血球生成が回復すると、鉄レベルはその後に正常化する一方、ヘモグロビン、RBC、および血小板は24週目まで増加し続ける。
トランスレーショナルバイオロジー研究
トランスレーショナルバイオロジー研究において、血漿ヘプシジン、鉄貯蔵および利用可能性のマーカー、赤血球生成、ならびに炎症に対するモメロチニブの影響を決定し、MF関連貧血および輸血非依存性に対するモメロチニブの好ましい効果のメカニズムを探索した。Oh et al.“Hepcidin Suppression by Momelotinib Is Associated With Increased Iron Availability and Erythropoiesis in Transfusion-Dependent Myelofibrosis Patients”,Abstract #4282:Presented at ASH 60th Annual Meeting&E×position:December 1-4,2018,San Diego,CAを参照のこと、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
図12は、探索的トランスレーショナルバイオロジー研究の概略図を示す。集団:原発性MF(PMF)、真性多血症後MF(PV後MF)、または本態性血小板血症後MF(ET後MF)。MF治療が必要(研究者の意見)。高リスクまたは中間-2(DIPSS)。ベースラインでの輸血依存性(TD)。[MMBの初回投与の8週間前において4U以上の赤血球(RBC)輸血として定義される]。目標:探索的トランスレーショナルバイオロジー研究(MMB:N=41人の対象)。目的:主要目的:モメロチニブにより処置されたMFを有するTD対象の輸血非依存性奏効率の決定(TI;12週間以上および8週間以上)副次的目的:ベースラインレベルおよび鉄代謝マーカーの変化を評価すること;JAK1/2の阻害を評価すること;MFを有する輸血依存性患者におけるモメロチニブの薬物動態を評価すること;ならびに循環サイトカインおよび炎症マーカーの変化を評価すること。
Figure 2022503576000019
図14は、全体的に観察された、およびMMB処置に対する輸血非依存性反応者(TI-R)について観察された、鉄およびヘモグロビンレベルの増加を示すグラフを示す。
結果
主要エンドポイント:12週間以上の輸血非依存性率は34.1%であった。副次的エンドポイント:8週間以上の輸血非依存性率は39.0%であった。
TI-NR患者での貧血の利益(Anemia Benefit)。TI-NR患者での輸血負担の軽減(50%以上)が、任意の8週間において症例の77.8%で観察された(RBCユニットが2ユニット以上減少)。
実施例3:
動的および生存時間(Time-To-Event)分析は、ルキソリチニブと直接比較して、モメロチニブにより処置されたヤヌスキナーゼ阻害剤未経験の骨髄線維症患者での輸血の必要性の著しい減少を示す。
モメロチニブ(MMB)は、中間リスクおよび高リスクの骨髄線維症(MF)の処置のために開発されたJAK1、JAK2、およびACVR1の強力かつ選択的な、経口的に生物学的利用可能である小分子阻害剤である。MFの病因に不可欠な全身性炎症は、ACVR1活性の増加をもたらし、それが次にヘプシジンの分泌を増加させ、鉄の恒常性の乱れおよび鉄制限性貧血をもたらす(Ganz T. “Systemic Iron Homeostasis:,Physiol Rev.2013;93:1721-41;およびLangdon JM,Yates SC,Femnou LK et al.“Hepcidin-dependent and hepcidin-independent regulation of erythropoiesis in a mouse model of anemia of chronic inflammation”,Am J Hematol. 2014;89:470-9)。JAK阻害剤(JAKi)クラスの中で特有なACVR1のMMB阻害は、ヘプシジンの減少、鉄の恒常性およびRBC生成の回復、ならびに貧血および輸血依存性(TD)の緩和をもたらす。慢性かつ進行性の貧血は、MFの重要な特徴である。貧血およびTDは、生存率の低下を強く予測する(Pardanani A,Finke C,Abdelrahman RA,Lasho TL and Tefferi A.“Associations and prognostic interactions between circulating levels of hepcidin,ferritin and inflammatory cytokines in primary myelofibrosis.” Am J Hematol. 2013;88:312-6).悪化をもたらすルキソリチニブ(RUX)とは対照的に、MMBは、貧血の改善をもたらす強力なACVR1阻害活性を有する唯一の臨床病期のJAKiである。
432人の患者がMMBまたはRUXによる無作為処置を24週間受けたSIMPLIFY-1(S1)試験である二重盲検実薬対照第3相試験が以前に報告された(Mesa RA,Kiladjian JJ,Catalano J V. et al.“Simplify-1:A phase III randomized trial of momelotinib versus ruxolitinib in janus kinase inhibitor-naive patients with myelofibrosis”,Journal of Clinical Oncology,2017;35:3844-50)。脾腫の有意な減少および全身症状の改善に加えて、本研究は、MMB群の患者が、RUXの患者と比較して、24週目での高い率の輸血非依存性(p<0.001)および低い率のTD(p=0.019)を含む、試験されたすべての貧血エンドポイントについて名目統計的有意性を達成したことを示し、MMBの赤血球生成促進効果と一致する。全体として、RUXに対してMMB対を受けた患者では、明らかに輸血の必要性が減少したことが認められた。
輸血の負担は臨床医および患者にとって重大な懸念事項であるため、RBC輸血のダイナミクスをより良く理解するために、輸血までの時間および輸血の経時的強さを含む様々な新規な貧血利益エンドポイントを利用する統計モデルにより、S1データをさらに調べた。輸血0回および4回の患者の割合を計算し、輸血される最初のユニットまでの時間および5番目のユニットまでの時間を調べる、事象までの時間分析も行った。輸血は典型的には2つのユニットで構成されるため、輸血される5番目のユニットは事実上3番目の輸血事象を表す。輸血されるユニット数も再発事象とみなし、共変数としての患者のベースライン特性がある場合とない場合で調べた。最後に、輸血データに適合したゼロ過剰負の二項(ZINB)分布に基づく混合モデルを使用して、輸血の負担がなく、平均輸血率を有する対象の割合を処置群の間で比較した。
24週間の無作為処置期間中に輸血されたユニットを必要としなかった患者の割合のカプラン・マイヤー推定値は、MMBおよびRUXについてそれぞれ73%と46%であった(p<0.0001;図29)が、4ユニット以下を必要とした患者の割合は、83%および62%であった(p<0.0001)。再発事象として輸血されたユニットを調べると、MMBを受けた患者は、共変数としての患者のベースライン特性を有するモデルおよび有しないモデルの両方で、RUXでの患者に対して約半分のハザード比を有していた(HR0.522;p<0.0001)。ZINB共変数モデルは、MMBが、最初の24週間においてゼロのユニットが輸血される確率をRUXに対して9.3倍増加させることを示した(p<0.0001)。
纏めると、記載される新規な動的かつ事象までの時間分析方法は、MFを有する患者の輸血負担についての標準的測定値と関係し、該測定値に対する有益な追加である。これらの分析の結果により、JAKi未経験患者の二重盲検試験におけるRUXと比較したMMBの区別される貧血利益についてのより詳細な説明が可能になる。SIMPLIFY研究からの追加データと組み合わせると、これらの結果は、MMBが、MFの3つの特徴的な特性、すなわち脾腫、全身症状、および貧血に対処し、他のJAK阻害剤と区別することができることを示す。
実施例4:
MOMENTUM臨床研究
以前にJAK阻害剤療法(MOMENTUM試験)で処置された、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症(PV)後骨髄線維症、または本態性血小板血症(ET)後骨髄線維症を有する患者でのモメロチニブ(MMB)対ダナゾール(DAN)の活性を評価するための無作為化二重盲検第3相試験を行う。輸血負担の軽減におけるMMBの利点を評価する。全身症状、脾腫、および貧血の評価に加えて、MOMENTUMは、貧血の利益と患者が報告した臨床的利益の測定値との間の関連性をさらに評価する。
モメロチニブ(MMB)またはN-(シアノメチル)-4-(2(4モルホリノフェニルアミノ)ピリミジン-4-イル)ベンズアミド、二塩酸塩一水和物が活性成分である。
主要目的:認可されたJAK阻害剤治療で以前に処置されたPMF、PV後骨髄線維症(MF)、またはET後MFを有する対象における骨髄線維症の症状評価フォームv4.0(MFSAF)総症状スコア(TSS)の改善によって評価されるMMB対DANの有効性を決定すること。
副次目的:
・24週目での輸血非依存性(TI)状態に対するMMB対DANの効果を比較すること
・MMB対DANにより処置された対象のSRRを比較すること
・MMB対DANにより処置された対象のRBC輸血の必要性を比較すること
・MFSAF TSS反応の持続時間を評価すること
・24週目でのTI状態の持続期間を評価すること
・貧血反応および輸血の必要性に関するMMB対DANの利益を比較すること
・MMB対DANにより処置された対象についての24週目でのベースラインMFSAF TSSからの変化を比較すること
・MMBの安全性を特徴づけること
・MMB対DANにより処置された対象の全生存期間(OS)および無白血病生存期間(LFS)を比較すること
・MMB曝露(薬物動態[PK])と結果との関連を評価すること
・プロトコルで定義されている他の副次的目的。
探索的目的:
・MMB対DANにより処置された対象についての脾臓進行までの時間を評価すること
・他の探索的エンドポイント。
試験設計:
これは、MFについての認可されたヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤治療を最低90日間、またはJAK阻害剤治療が、8週目での4ユニット以上のRBC輸血の必要性によって、または血小板減少症、貧血、もしくは血腫のグレード3/4の有害事象(AE)によって複雑になった場合は最低28日間受けたことがある対象において、MMB対DANの区別される臨床的利益を確認するための無作為化二重盲検試験である。対象は、スクリーニングで10以下のMFSAF TSSであり、かつ、10g/dL未満のヘモグロビン(Hgb)の貧血を伴った症候性である必要がある。
スクリーニングで進行中のJAK阻害剤治療を受けている対象について、JAK阻害剤治療は、少なくとも1週間にわたって漸減し、その後、無作為化前に終了する2週間の非処置間隔が続く必要がある。その間に毎日の症状スコアが取得される無作為化前に7日間のベースライン期間(BL1~BL7日)が必要である。以前のJAK阻害剤を漸減して中止し、この14日間の非処置間隔を開始した対象では、7日間のベースライン期間は、1週間の非処置間隔が完了した後にのみ開始される。1日目の研究処置は、無作為化後3日以内に行われる。
対象は、無作為化処置、MMBおよびDANプラセボ、またはDANおよびMMBプラセボを経口投与する。
対象は、可能な限りいつでも、無作為化された処置の割り当てについて未知のままである。どの患者が非盲検MMBを開始することが可能であるかについての決定を可能にするために、例えば、非盲検プロセスに従う必要がある。すべての24週間の評価の完了後、対象は、非盲検により患者がMMBを受けていることを確認した場合に24週間の完了前に盲検研究処置を中止した対象を除き、非盲検延長処置期間にMMBを受ける選択を与えられる。24週間の前に、対象は、24週間の完了後に非盲検MMBを受けることを希望するかどうかを調査員または被指名人と話し合う。MMB群から早期に中止した対象を除いて、対象は、以下の時点で非盲検MMBを開始し、204週の終わりまで治療を継続してもよい、a)無作為化処置期間およびすべての24週間評価を完了した場合、24週間の終わり、b)24週間の終わりの前にDANによる処置を中止したが、研究評価を継続し、禁止された薬物を受けなかった場合には、24週間の終わり、およびc)確認された症候性脾臓の進行についてのプロトコル定義基準を満たしている場合、無作為化処置期間中の任意の時点。MMBによる非盲検処置は、204週間の終わりまで継続してもよい。MMB延長試験への移行は、利用可能の場合、対象が少なくとも48週間の試験中で完了した時点で行ってもよい。
DANを受けるために無作為化された、24週間の終わりに臨床的利益を受ける対象は、48週まで非盲検DAN治療を継続してもよい。DANを継続するか、またはMMBと交差するかは、24週間の終わりまでに決定する必要がある。
主要有効性エンドポイントの分析は、主要エンドポイントの結果がすべての対象について決定可能である場合、すなわち、各対象が無作為化処置期間を完了したか、または脱落した場合に行う。スクリーニング、無作為化処置、非盲検延長処置、安全性フォローアップ、および生存フォローアップ期間を含む、試験への最大参加期間は約7年間である。試験の実施中、データ監視委員会(DMC)は、臨床試験の中間進捗、安全性データ、臨床的有効性エンドポイントを精査し、研究の継続的な実施に関して治験依頼者に推奨を行う。DMCは治験の将来の実施に関して治験依頼者に助言するよう求められるが、治験依頼者は治験のすべての側面に関する最終的な意思決定権限を保持する。
スクリーニングおよびベースライン期間後、この試験は、24週間の無作為化処置期間で開始し、その間に、有効性の一次分析ためにデータを収集する。対象は、2:1ベース(MMBおよびDANプラセボ:DANおよびMMBプラセボ)で無作為化され、ベースラインMFSAF TSS、左肋骨縁より下にあるベースラインの触診可能な脾臓の長さ、無作為化前の8週間に輸血されたベースラインRBCユニット、および調査部位によって層別化される。
盲検処置(MMBおよびプラセボまたはDANおよびプラセボ)は、プロトコルで指定された基準に従って、血小板減少症、好中球減少症、非造血系または他の毒性に起因して中断および/または軽減されてもよい。減少した用量での治療の継続が、治療の中止よりも好ましいが、治療を継続する能力および/または治療の安全な継続のために必要な試験の特定の手順を損なう疾患の進行または毒性が観察された場合、治験依頼者の判断において、研究処置を中止する。プロトコルまたは白血病形質転換に従って定義される症候性の脾臓進行が確認された対象は、研究処置を中止する。DANに関して無作為化された対象は、症候性脾臓進行の確認についてのプロトコル定義基準を満たしている場合、無作為化処置期間中いつでもMMBに交差させてもよい。
対象が処置を中止した場合、事象の予定(輸血記録、症状評価、および患者報告結果[PRO]を含む)に従ってすべての試験評価を24週間の終わりまで継続し、安全フォローアップ訪問および生存フォローアップ評価を含むフォローアップ手順を行うために、あらゆる試みが行われる。
対象または調査員にとって、処置を中止した後に対象が試験評価を継続することが不可能または許容できない場合にのみ、対象は試験から離脱する必要がある。
方法論:
スクリーニングおよびベースライン評価:
インフォームドコンセントが得られた後、スクリーニング活動が開始される。スクリーニング評価には、妊娠の可能性のある女性の血清妊娠検査(WOCBP)、臨床検査(化学、鑑別を伴うCBC、および尿分析)、ウイルス学的スクリーニング、疾患関連の臨床兆候を含む身体検査、バイタルサイン、12誘導心電図(ECG)、ダイナミック国際予後予測スコアリングシステム(DIPSS、またはDIPSS-plus)の疾患評価、および米国東海岸癌臨床試験グループ(EGOG)パフォーマンスステータスが含まれる。AEおよび重篤な有害事象(SAE)の記録は、インフォームドコンセント形態(ICF)の署名時から始まる。JAK阻害剤治療の最後の経緯、最後の脾臓体積測定、および前の治療中の最良の脾臓反応(反応、安定した疾患、またはIWG基準に従った脾臓の進行)を含む、病歴および投薬履歴が記録される。対象が記入した麻薬性疼痛投薬ログの使用を含む併用投薬の記録が始まる。輸血前のHgb濃度、および臨床的に明らかな出血または事故/負傷などの要因に起因して輸血が行われたかどうかの文書化を含む、RBC輸血の記録が開始される。無作為化前12週間の輸血歴および輸血前のHgb濃度は、対象の記録から収集される。対象は、対象に付与されたePROデバイスの使用についてトレーニングを受ける。ePROデバイスは、自宅および研究訪問時に毎日PROデータを収集するために患者によって使用される物理ハードウェアである。適格性を判断するために、MFSAFは、その場でePROデバイスを使用して1日で完了する。無作為化直前の連続7日間に、ePROデバイスを使用する毎日のMFSAF評価が、ベースラインMFSAF TSSを決定するために対象によって自宅で完了される。
ベースラインでは、尿妊娠検査(WOCBPの場合)が、臨床検査(化学、鑑別を伴うCBC、尿検査、および変異分析を含む探索的評価のための血液試料)、疾患関連の臨床兆候を含む身体検査、バイタルサイン、ECOGパフォーマンスステータス、ならびにAEおよびSAE、RBC輸血、および併用薬の継続的な記録と共に行われる。層別化のためのベースライン脾臓長の測定は、身体検査の一部として触診(または超音波)によって行われる。
脾臓体積の一貫したベースライン評価を提供するために、ベースライン磁気共鳴画像法(MRI)走査、または対象がMRIを受けることができない場合にはコンピューター断層撮影(CT)走査を以下の期間内に行う必要がある:スクリーニング時に脾臓のサイズを低下することが既知である任意の積極的なMF治療(JAK阻害剤を含む)を受けた対象については、走査を1日目前の1週間以内に(可能であれば3日以内が望ましい)行う必要があり、スクリーニング期間の開始時に脾臓のサイズを低下することが既知である積極的なMF治療を受けていない対象については、走査を研究処置の初回投与(1日目)前の14日以内に行う必要がある。しかしながら、走査の結果は、研究処置を開始する前に必要ではない。
MFSAFベースライン評価は、自宅でePROデバイスを使用して電子的に完了する。毎日の評価は、無作為化の直前に7日間連続して(BL1日~BL7日)完了する。この7日間の評価期間から1日3回超のMFSAF TSS結果が欠落した場合にはスコアは欠落しているとみなされ、対象を無作為化しない必要がある。したがって、対象がベースラインMFSAF日を欠落したことがサイトに通知された場合は、すぐに対象に連絡し、毎日の評価を完了することの重要性について助言することが重要である。対象の非準拠以外の理由(ePROデバイスの技術的な問題など)に起因してベースラインMFSAFを欠落した場合は、治験依頼者に連絡して指導を求める必要がある。
ベースライン評価は、癌の調査および処置のための欧州組織 生活の質に関する質問(European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life Questionnaire)(EORTC QLQ-C30)、患者報告アウトカム測定情報システム(PROMIS)-身体機能、患者の印象による総合重症度(PGIS)、およびEuroQoL Five Dimension(EQ-5D)のための現場訪問中に、ePROデバイスを使用して電子的に完了する。
研究処置の初日(1日目):
研究処置の初回投与(1日目)は、無作為化後3日以内に行われる。対象は、初回投与後最低4時間は観察のために留まる必要があり、降圧治療は、初回投与日には、研究処置の投与後少なくとも4時間までしてはならない。1日目の研究手順には、研究処置の分配、身体検査、バイタルサイン、ECG、ECOGパフォーマンスステータス、ならびに毎日のMFSAF記録および毎日の研究処置自己管理の開始が含まれる。
有効性評価:
輸血の状態を評価するために、輸血前Hgb濃度を含むRBC輸血履歴が、無作為化前の12週間および中止までの各訪問時に、対象の記録から収集される。無作為化処置期間では、対象が治療を中止した場合でも輸血およびCBCの記録は少なくとも4週間に1回行われる。非盲検延長処置期間では、輸血おおびCBCの記録は、96週目の終わりまでまたは中止まで、各研究訪問時において継続される。
PROアンケートは、周期的に、電子的に完了する。MFSAFは、無作為化処置期間中、および非盲検延長処置期間の25週間~48週間までの各4週間期間の最後の7日間(±7日間)において、ePROデバイスを使用して毎日完了する。24週目より前に処置を中止した対象は、24週間の終わりまで毎日MFSAF評価を継続する。
臨床、検査、および疾患の評価(ECOGパフォーマンスステータスおよびMF症状評価を含む)、ならびにRBC輸血の継続的な記録は、定期的な訪問時に完了する。
脾臓の体積は、24週目および48週目の終わりに、脾臓の進行を確認するために必要に応じて評価される。
無白血病生存およびOSは、生存率フォローアップ中に評価される。
安全性評価:AEおよびSAEの記録は、ICFに署名した時点で開始され、研究処置の最後の投与後30日まで継続される。併用薬、臨床検査(化学、鑑別を伴うCBC、および尿検査)、尿妊娠検査、12誘導ECG、身体検査(触診または超音波による脾臓の長さの測定を含む)、およびバイタルサインは訪問時に完了する。
探索的評価:様々な時点で追加の探索的データが収集される。
薬物動態評価:PK分析用の血液試料は様々な時点で収集される。
対象数:最初は180人の対象で、最大270人まで増やしてもよい。
診断および包含の主な基準:
認可されたJAK阻害剤治療により以前に処置された、PMF、PV後MF、またはET後MFを有する症候性貧血患者。
包含基準:
1.18年歳以上の年齢
2.世界保健機関(WHO)2016基準に従ったPMF、または国際ワーキンググループ-骨髄増殖性腫瘍研究および処置(IWG-MRT)基準に従ったPV/ET後MFの確定診断
3.症候性、スクリーニング検査時に単一のMFSAFv4.0評価によって評価された10ユニット以上のMFSAF TSSとして定義
4.貧血、以下のいずれかとして定義される:
-任意の対象について、ベースライン評価(BL1)の初日前の28日以内に輸血を受け、輸血前に10g/dL未満のHgbである、または
-スクリーニング時に継続しているJAK阻害剤治療を受けていない対象について、ベースライン期間中(BL1日~BL7日)、10g/dL未満のHgbである、または
-スクリーニング時に進行中のJAK阻害剤治療を受けている対象について、JAK阻害剤漸減の開始前のスクリーニング中に10g/dL未満のHgbである
5.PMFまたはPV/ET後MFのために、90日以上、あるいはJAK阻害剤治療が、8週目での4ユニット以上のRBC輸血の必要性によって、または血小板減少症、貧血、もしくは血腫のグレード3/4の有害事象(AE)によって複雑になった場合は28日以上、認可されたJAK阻害剤で以前に処置されている
-スクリーニング前にJAK阻害剤治療を中止した対象は、追加の非処置間隔を必要としない
-スクリーニングでJAK阻害剤治療中の対象について、JAK阻害剤治療は、少なくとも1週間にわたって漸減する必要があり、非処置間隔は、BL1日の7日前(ベースラインMFSAF評価の連続した7日間の初日)に開始する。
6.無作為化前の任意の時点でスクリーニング中に評価される、5cm以上の、LCM未満の、または画像(超音波、MRI、もしくはCTが許容される)上で450cm以上の体積である、触診可能な脾臓を有すると定義されるベースライン脾腫
7.DIPSSまたはDIPSS-plusで定義される高リスク、中間-2リスク、または中間-1リスク
8.同種幹細胞移植は計画しない
9.許容される実験室評価:
Figure 2022503576000020
10.米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスが0、1、または2である
11.平均余命>24週間
12.ICFを理解することができ、署名する意思がある
13.プロトコルに従ってePROデバイスを使用してPRO評価を完了する意思があり、それを理解することができる
14.WOCBP、妊娠の可能性のあるパートナーを有する男性、および妊娠中または授乳中のパートナーを有する対象は、MMBの最初の投与から試験全体を通して、およびMMBの最後の投与後6ヶ月間、臨床試験プロトコルの避妊要件に従うことに同意する必要がある。
除外基準:
1.表記された期間内に以下の処置を使用すること(基準a~i):
a.いつでもMMB
b.無作為化前の2週間以内のJAK阻害剤治療(包含基準#5を参照)
c.無作為化前2週間以内の積極的な抗MF治療。非MF適応症に対するステロイドを含む支持療法を使用してもよい
d.無作為化前1週間以内の強力なシトクロムP4503A4(CYP3A4)誘導物質
e.無作為化前の4週間以内の治験薬
f.無作為化前4週間以内の赤血球生成刺剤(ESA)
g.無作為化前3ヶ月以内のダナゾール
h.無作為化前3ヶ月以内の脾臓照射
i.シンバスタチン、アトルバスタチン、ロバスタチン、またはロスバスタチンによる現在の処置
2.外科的によって処置されたかまたは治療目的の放射線治療によって処置され、かつ、治癒したと推定される限局性前立腺癌を除く、前立腺癌の病歴
3.前立腺特異抗原(PSA)>4ng/mL
4.以前の脾臓摘出術のため、または脾臓体積測定のためにMRIまたはCT走査を受けることを望まないかもしくは受けることができないため、脾臓体積測定には不適切
5.次のいずれか(基準a~k):
a.不制御な活動性感染症(制御下にあるかまたは感染予防としての外来患者抗菌処置および/または抗ウイルス処置を受けている対象が、試験に含まれてもよい)を含むがこれらに限定されない、不制御な併発疾患
b.重大な活動性または慢性的出血事象が、無作為化前4週間以内に、有害事象共通用語規準(CTCAE)v5.0によるグレード2以上
c.無作為化前6ヶ月以内の不安定狭心症
d.無作為化前6ヶ月以内の症候性うっ血性心不全
e.無作為化前6ヶ月以内の制御不能な心不整脈
f.脚ブロックに起因しない限り、QTcF間隔>500ミリ秒
g.処置にもかかわらず現在の進行性血栓症
h.ポルフィリン症の病歴
i.チャイルド・ピュー(Child-Pugh)スコア10以上
j.精神病、社会的状況、または試験要件の遵守を制限し得るか、もしくは調査員もしくは治験依頼者の判断による研究結果の解釈を妨げ得る任意の他の状態
k.治験処置前および処置中のMF治療および他の薬物治療に関するプロトコル制限を遵守できないかまたはその意思がない
6.以前または同時の悪性腫瘍を有し、その自然経過または処置が治験レジメンの安全性または有効性評価を妨げる重大な可能性を有する対象
7.鉄、ビタミンB12、もしくは葉酸欠乏症による既知の臨床的に重大な貧血、または自己免疫性もしくは遺伝性溶血性貧血、または胃腸出血
8.HIVの既知の陽性状態
9.慢性かつ活動性または急性ウイルス性A型、B型、もしくはC型肝炎感染、またはB型もしくはC型肝炎キャリア(B型およびC型肝炎に必要な検査)
10.CTCAEv5.0によるグレード1より大きい、以前の処置による未解決の非血液毒性
11.末梢神経障害の存在が、CTCAEv5.0によるグレード2以上
12.すでに妊娠中または授乳中の女性
13.MMBもしくはDAN、それらの代謝物、または製剤添加剤に対する既知の不耐性または過敏症。
14.ガラクトース不耐症、Lappラクターゼ欠損症、またはグルコース-ガラクトース吸収不良の希少な遺伝的問題を有する患者。注記:DANカプセルはラクトースを含む。
治験製品、参照治療、ならびにプラセボの投与量および投与形式:
MMBおよびDANのプラセボまたはDANおよびMMBのプラセボを、食物に関係なく、毎日ほぼ同じ時間に経口的に自己投与する。MMBの開始用量は200mgであり、好ましくは朝に投与する。DANの開始用量は、600mgの総1日用量である。MMBまたはDANによる盲検処置および非盲検処置は、必要に応じて漸減し、血小板減少症、好中球減少症、またはプロトコル指定基準に従った他の毒性に起因して中断および/または軽減してもよい。
この試験の開始MMB用量は200mgである。この用量は、脾腫、全身症状、および貧血利益の臨床的改善をもたらし、第3相SIMPLIFY試験で観察された重大な薬物関連の安全性の懸念なしに、長期間の使用にわたって良好な認容性であった。この試験での開始DAN用量は、600mgの総1日用量である。48週目まで非盲検DAN処置を継続している対象は、総1日用量400mgの減少した用量を受け、反応を維持するために必要な最小用量まで徐々に減少してもよい。研究処置用量は、処置に関連する毒性に起因して減少される。
処置期間:
無作為化処置期間は24週間である。MMBによる非盲検長期処置(MMBに関して無作為化されたものの場合)またはMMBによる処置との交差(DANを受けるために無作為化されたものの場合)は、204週の終わりまで、すなわち、約4年の総処置期間まで継続してもよい。スクリーニング、無作為化処置、非盲検延長処置、およびフォローアップ期間を含む試験への最大参加期間は、約7年間である。
MMB延長試験への移行は、利用可能の場合、対象が少なくとも48週間の試験中で完了した時点で行ってもよい。
評価基準:
主要エンドポイント:
24週目でのMFSAF TSS奏効率。TSS奏効率は、ベースラインと比較して、24週間の終わりの直前の28日間にわたって50%以上のTSSの減少を達成した対象の割合として定義される。
Figure 2022503576000021
副次的エンドポイント(省略):
24週間の終わりにTI状態を有する対象の割合;24週間の終わりの直前の12週間以上にわたってRBC輸血を必要とせず(臨床的に明白な出血の場合を除く)、8g/dL以上のHgbレベルを有すると定義される。すべての対象で評価
SRR;脾臓反応(24週間の終わりにベースラインから35%以上の脾臓の体積の減少)を示す対象の割合として定義される
他の副次的エンドポイントには、貧血利益の測定および反応期間、ベースラインMFSAF TSSからの平均変化、安全性評価、生存分析、PROにおけるベースラインからの変化、およびMMBの血漿中濃度が含まれる。
探索的エンドポイント(省略形):
探索的エンドポイントには、脾臓進行までの時間および他のエンドポイントが含まれる。
定義:
骨髄線維症症状評価形態総症状スコア(MFSAF TSS):
症状:スクリーニング検査時にMFSAFv4.0によって評価された10ユニット以上のMFSA TSS。
ベースラインMFSAF TSS:無作為化直前の連続7日間(BL1日~BL7日)の1日あたりのMFSAF TSSの平均。
MFSAF TSS反応:ベースラインと比較して、24週目におけるMFSAF TSSの50%の減少、すなわち、24週間の終わる前の連続28日間からの毎日のTSSの平均。
脾臓反応および進行:
脾臓の反応:ベースラインから35%以上の脾臓体積の減少。
脾臓進行の確認:以下の基準の両方を満たすものとして定義される:
・グレード2以上(すなわち、ベースラインから10%以上)の体重減少を伴う早期満腹感の悪化、または以下のいずれかに続く持続性脾臓痛の悪化:
・毎日2週間連続の麻薬性鎮痛薬、または
・ベースラインから50%以上の麻薬性鎮痛薬の1日用量の増加。
・ベースラインから15%以上の脾臓体積の増加(追加の磁気共鳴画像法[MRI]またはコンピューター断層撮影[CT]走査を行って脾臓の進行を確認する)。
貧血:
貧血:研究の適格性を目的として、次のいずれかとして定義される:
・任意の対象について;ベースライン評価(BL1)の初日前28日以内に輸血を受け、輸血前にHgb<10g/dLを有する、または
・スクリーニング時に継続しているJAK阻害剤治療を受けていない対象について;ベースライン期間中(BL1日~BL7日)、10g/dL未満のHgbである、または
・スクリーニング時に継続しているJAK阻害剤治療を受けている対象について;JAK阻害剤漸減の開始前のスクリーニング中、10g/dL未満のHgbである
ベースラインHgbレベル:輸血前(輸血前7日まで)のHgb値が使用される、RBC輸血を28日以内に受けた場合を除き、無作為化前に最後に観察されたHgb。
ベースラインRBC輸血の必要性:1ヶ月に必要なRBC輸血のユニット数;無作為化前の8週間に与えられたRBC輸血の数から決定される(注:輸血履歴は、無作為化前の12週間にわたって収集される)。
輸血非依存性(TI):12週間以上にわたってRBC輸血を必要とせず(臨床的に明らかな出血の場合を除く)、8g/dL以上のHgbレベルを有する。
輸血依存性(TD):無作為化の8週間前に4ユニット以上のRBC輸血が必要である。9.5g/dL以下のHgbレベルがTDに計数される。臨床的に明白な出血、または事故/傷害(調査員によって評価される)のために与えられたRBC輸血は、TDに計数されない。
輸血の必要性(TR):TDまたはTIの基準を満たさない。
TI反応の持続期間:TI状態が確立された12週間の最初の日から、最初のRBC輸血(臨床的に明らかな出血の場合を除く)または8g/dL未満のHgbレベルまでの日数。
TI状態への変換:ベースラインでTDまたはTRであった対象について、12週間以上にわたってRBC輸血の必要性がなくなり(臨床的に明白な出血の場合を除く)、8g/dL以上のHgbレベルを有する。
TD状態への変換:ベースラインでTIまたはTRであった対象について、24週(およびMMB群では48週)前の8週間に、4RBCユニット以上の必要性の発生すること。
RBC輸血の割合:臨床的に明白な出血または事故/傷害に関連しない、1ヶ月あたりのRBCユニットの平均数。
白血病性形質転換(Leukemic Transformation):
白血病性形質転換:2週間以上にわたって続く1×10/L以上の絶対芽球数に関連する、20%以上の骨髄芽球数または20%以上の末梢血芽球含有量
用量の調整または停止の基準
血小板減少症、好中球減少症、または他の毒性に起因して、盲検処置(MMBおよびプラセボまたはDANおよびプラセボ)およびMMBまたはDANによる非盲検処置を中断および/または軽減する。無作為化処置期間中、毒性が発生した場合には、研究処置の両方の成分、すなわちMMBとプラセボまたはDANおよびプラセボの用量は、以下のプロトコル指定基準に従って減少される。
減少した用量での研究処置の継続は、処置の中止よりも好ましい。用量の減少は、非血液学的または他の毒性の場合を除いて、連続的な用量の減少によるものである。次の項目で説明するように、処置は漸減を含めて最大28日間中断され、再開されてもよい。毒性が28日を超えて持続する場合は、治験依頼者の認可を得て処置を再開してもよい。毒性が再発した場合、追加の処置中断をしてもよく、処置が再開された場合は連続的な用量減少を適用してもよい。毒性が解消されたとき、またはベースライングレードに戻ったときに、再漸増が許可される。
Figure 2022503576000022
血小板減少症での用量調整
血小板数は研究全体を通して監視され、研究処置用量は血小板減少症の程度に基づいて調整される。治験依頼者の裁量により、毒性が解消されたとき、またはベースライングレードに戻ったときに、再漸増が許可される。
脾臓の進行、白血病性形質転換、および疾患の進行
症候性の脾臓進行または白血病形質転換が確認された対象は、研究処置を中止する。症候性の脾臓進行が確認されたために中止したDANに関して無作為化された対象は、MMBによる非盲検処置と交差してもよい。
治験依頼者の判断において、治療を継続する能力および/または治療の安全な継続に必要な試験に特有の手順を損なう疾患の進行または毒性が観察された場合、研究処置は中止される。
研究処置の交差
24週目の前に、対象は、24週間のすべての評価を完了した後、非盲検MMBを受けることを望むかどうかを調査員または被指名人と話し合う。24週目のすべての評価が完了した後、対象は、試験基準に従って制限されていない限り、非盲検延長処置期間中にMMBを受けることができる。
非盲検MMBを受けることを所望し、かつ、受けることができる対象は、以下の時点で非盲検MMBを開始し、204週の終わりまで治療を継続してもよい。
・無作為化処置期間およびすべての24週の評価を完了した場合、24週間の終わり。
・24週間の終わりより前にDANによる処置を中止したが、研究評価を継続し、禁止された薬物治を受けなかった場合には、24週間の終わり。
・プロトコルで定義された症候性の脾臓進行の基準を満たし、非盲検プロセスに従ってDANによる無作為化処置を受けたことが確認された場合には、無作為化処置期間中いつでも。
すべての24週の評価を含む無作為化処置期間の完了時に、非盲検MMBを受けることを選択し、プロトコルによる制限を受けていない対象は、無作為化処置期間中にMMBに関連する毒性が疑われるために研究処置用量を減少させた場合を除き、200mgの開始用量により処置を開始する。用量の再漸増は、毒性が解消されたときまたはベースライングレードに戻ったときに、治験依頼者の裁量で、最大1日量200mgMMBまで許可される。
24週間の終わりに臨床的利益を受け、かつ、MMBに交差しない、DANを受けるために無作為化された対象は、400mgの最大総1日用量で48週目まで非盲検DAN治療を継続することができる。無作為化処置期間中に減少した用量のDANを受けた対象は、減少した用量を維持する必要がある。DANによる非盲検処置中、反応を維持するために必要な最小用量まで用量を徐々に減らしてもよい。非盲検MMBまたはDANを継続しないことを選択した対象は、研究処置を中止する。
MOMENTUM試験は、以前にJAK阻害剤療法(MOMENTUM試験)で処置された、原発性骨髄線維症(PMF)、真性多血症後(PV)骨髄線維症、または本態性血小板血症(ET)後骨髄線維症を有する患者でのモメロチニブ(MMB)対ダナゾール(DAN)の活性を評価するための無作為化二重盲検第3相試験である。第3相試験の結果は、輸血の負担、および全身症状、脾腫、ならびに貧血の軽減におけるMMBの臨床的利益(例えば、上記の通り)を確認している。貧血の利益と患者が報告した臨床的利益の測定値との間の関連は、第3相試験の結果によって確認されている。
前述の発明は、理解を明確にするために例示および例としてある程度詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明の教示に照らして、本発明に特定の変更および修正が可能であることは当業者に容易に明らかである。
したがって、上記は単に本発明の原理を例示するものである。当業者は、本明細書に明示的に記載または示されていないが、本発明の原理を具体化し、その趣旨および範囲内に含まれる様々な調整を考案することができることが理解されよう。さらに、本明細書に列挙されたすべての例および条件付き言語は、主に、読み手が本発明の原理および発明者が当該技術分野を促進することに寄与する概念を理解するのを助けることを意図し、そのような具体的に列挙された例および条件に限定されないものとして解釈されるべきである。さらに、本発明の原理、態様、および実施形態、ならびにそれらの特定の例を記載する本明細書のすべての記述は、それらの構造的および機能的同等物の両方を包含することを意図する。さらに、そのような同等物には、現在既知である同等物および将来開発される同等物の両方、すなわち、構造に関係なく同じ機能を実行する開発された任意の要素が含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されるものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に付与することを意図するものではない。
したがって、本発明の範囲は、本明細書に示され、説明される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲および趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具体化される。特許請求の範囲では、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は、正確な句「means for」または正確な句「step for」が、特許請求項中のそのような制限の最初に記載されている場合にのみ、特許請求項での制限が適用され、そのような正確な句が特許請求項中の制限で使用されていない場合、米国特許法第112条(f)または米国特許法第112条(6)は適用されないと定義される。

Claims (66)

  1. 対象における骨髄線維症を処置する方法であって、
    (i)骨髄線維症および(ii)150×10/L未満の血小板数を有すると同定された対象に、治療有効量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を投与することを含む、方法。
  2. 前記対象が、100×10/L未満の血小板数を有すると同定される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記対象が、50×10/L未満の血小板数を有すると同定される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記血小板数が、モメロチニブ治療の開始前の1週間以内に決定されたベースライン血小板数であり、前記対象が、モメロチニブ治療前に少なくとも2週間、以前のJAK阻害剤治療により処置されていない、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 骨髄線維症を有する対象の試料中の血小板のレベルを決定する初期の工程をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記対象が、以前にJAK阻害剤により処置されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記対象が、以前にルキソリチニブにより処置されている、請求項6に記載の方法。
  8. 前記対象が、ルキソリチニブに対して不十分な反応を示したか、またはルキソリチニブに不耐性である成人である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記対象が、以前のルキソリチニブ治療に反応しなかったか、または反応しなくなった、請求項7に記載の方法。
  10. 前記対象が、以前にフェドラチニブにより処置されている、請求項6に記載の方法。
  11. 前記対象が、フェドラチニブに対して不十分な反応を示したか、またはフェドラチニブに不耐性である成人である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記対象が、以前のフェドラチニブ治療に反応しなかったか、または反応しなくなった、請求項10に記載の方法。
  13. 前記対象が、JAK阻害剤治療を未経験である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記骨髄線維症が、中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記骨髄線維症が、中間-2リスクまたは高リスクの骨髄線維症である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記骨髄線維症が、原発性骨髄線維症(PMF)である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記骨髄線維症が、真性多血症後または本態性血小板血症後の骨髄線維症(PV/ET後MF)である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩一水和物である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIである、請求項19に記載の方法。
  21. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、T=100°Kで、a=10.2837(6)Å、b=10.4981(6)Å、c=1l.5143(7)Å、α=83.297(2)°、β=87.649(2)°、y=67.445(2)°、および三斜晶系P-1空間群の単位格子パラメータを有する結晶を含む結晶形態である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図19に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、請求項20に記載の方法。
  23. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、約7.7°、19.3°、24.0°、25.7°、および29.6°2-θ±0.2°2-θにピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、請求項20に記載の方法。
  24. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図22に示される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、請求項20に記載の方法。
  25. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図28に示される動的蒸気収着(DVS)パターンによって特徴付けられる、請求項20に記載の方法。
  26. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、毎日投与される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記治療有効量が、50mg/日~200mg/日である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記治療有効量が、200mg/日である、請求項29に記載の方法。
  31. 前記治療有効量が、150mg/日である、請求項29に記載の方法。
  32. 前記治療有効量が、100mg/日である、請求項29に記載の方法。
  33. 前記治療有効量が、50mg/日である、請求項29に記載の方法。
  34. 対象における骨髄線維症を処置する方法であって、
    骨髄線維症を有する対象に、治療有効安定用量のモメロチニブまたはその薬学的に許容される塩を、複数週間の処置期間にわたって投与することを含み、前記対象は、前記処置期間中に所定の閾値血小板数を上回る血小板数を維持すると評価される、方法。
  35. 前記安定用量が、200mg/日である、請求項34に記載の方法。
  36. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、経口投与される、請求項35に記載の方法。
  37. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、1日1回投与される、請求項35または36に記載の方法。
  38. 前記対象が、以前にJAK阻害剤により処置された、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記対象が、以前にルキソリチニブにより処置されている、請求項38に記載の方法。
  40. 前記対象が、ルキソリチニブに対して不十分な反応を示したか、またはルキソリチニブに不耐性である成人である、請求項39に記載の方法。
  41. 前記対象が、以前のルキソリチニブ治療に反応しなかったか、または反応しなくなった、請求項39に記載の方法。
  42. 前記対象が、以前にフェドラチニブにより処置されている、請求項38に記載の方法。
  43. 前記対象が、フェドラチニブに対して不十分な反応を示したか、またはフェドラチニブに不耐性である成人である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記対象が、以前のフェドラチニブ治療に反応しなかったか、または反応しなくなった、請求項42に記載の方法。
  45. 前記対象が、JAK阻害剤治療を未経験である、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記骨髄線維症が、中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症である、請求項34~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記骨髄線維症が、中間-2リスクまたは高リスクの骨髄線維症である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記骨髄線維症が、原発性骨髄線維症(PMF)である、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記骨髄線維症が、真性多血症後または本態性血小板血症後の骨髄線維症である、請求項34~47のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩である、請求項34~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩一水和物である、請求項50に記載の方法。
  52. 前記モメロチニブまたはその薬学的に許容される塩が、モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIである、請求項51に記載の方法。
  53. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、T=100°Kで、a=10.2837(6)Å、b=10.4981(6)Å、c=1l.5143(7)Å、α=83.297(2)°、β=87.649(2)°、y=67.445(2)、および三斜晶系P-1空間群の単位格子パラメータを有する結晶を含む結晶形態である、請求項52に記載の方法。
  54. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図19に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、請求項52に記載の方法。
  55. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、約7.7°、19.3°、24.0°、25.7°、および29.6°2-θ±0.2°2-θにピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンによって特徴付けられる、請求項52に記載の方法。
  56. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図22に示される示差走査熱量測定(DSC)パターンによって特徴付けられる、請求項52に記載の方法。
  57. 前記モメロチニブ二塩酸塩一水和物形態IIが、実質的に図28に示される動的蒸気収着(DVS)パターンによって特徴付けられる、請求項52に記載の方法。
  58. 前記対象が、前記処置期間中、50×10/L以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する、請求項34~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記対象が、前記処置期間中、100×10/L以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する、請求項34~57のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記対象が、前記処置期間中、150×10/L未満の血小板数を維持する、請求項34~59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記対象が、前記処置期間中、150×10/L以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する、請求項34~59のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記対象が、前記処置期間中、200×10/L以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する、請求項61に記載の方法。
  63. 前記対象が、前記処置期間中、250×10/L以上の閾値血小板数を上回る血小板数を維持する、請求項61に記載の方法。
  64. 複数週間の前記処置期間が、12週間以上である、請求項34~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 複数週間の前記処置期間が、24週間以上である、請求項64に記載の方法。
  66. 複数週間の前記処置期間が、36週間以上である、請求項64に記載の方法。

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