JP2022178109A - モータ制御方法及びモータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ制御に関する演算処理の負荷を低減させる。【解決手段】モータ制御装置20は、モータ8の各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックしてモータ8の駆動をベクトル制御する。また、モータ制御装置20は、直流電力を交流電力に変換してモータ8に供給するインバータ6と、交流電流の検出値を座標変換により回転座標系の電流値に変換する座標変換器10と、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量に基づいて予め設定された補正値を用いて、回転座標系の電流値を補正する位相遅れ補正器14と、その補正された回転座標系の電流値と、外部から入力されるモータ8の出力目標値とに基づいて、インバータ6を制御する制御部(電流電圧変換器1、電流制御器2、座標変換器3、PWM変換器4)とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、多相モータの駆動を制御するモータ制御方法及びモータ制御装置に関する。
従来、多相モータのコイルに流れる交流電流を検出する電流センサの誤差(多相モータの各相の相電流の位相遅れ)分を補償して多相モータの駆動を制御する技術が存在する。例えば、多相モータの各相の相電流の位相遅れ量に基づいて設定される複数のパラメータから成る補正値を用いて、各相の固定座標系の相電流を回転座標系の電流値に変換する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012-39716号公報
上述した従来技術では、各相の固定座標系の相電流を回転座標系の電流値に変換する座標変換器で上述した複数のパラメータから成る補正値を用いた補正演算を行う。このため、座標変換器での演算が複雑になるとともに演算量が多くなり、モータ制御に関する演算処理負荷が増加する。
本発明は、モータ制御に関する演算処理の負荷を低減させることを目的とする。
本発明の一態様は、多相モータの各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックして多相モータの駆動をベクトル制御するモータ制御方法である。このモータ制御方法では、多相モータの各相の相電流の位相遅れ量に基づいて予め設定された補正値を用いて、座標変換により求められた回転座標系の電流値を補正し、その補正された回転座標系の電流値と、外部から入力される多相モータの出力目標値とに基づいて、直流電力から交流電力に変換して多相モータに供給する電力を制御する。
本発明によれば、モータ制御に関する演算処理の負荷を低減させることができる。
図1は、モータ制御装置の構成例を示すブロック図である。 図2は、インバータ及びモータの各相を実際に流れる相電流と電流センサにより検出される相電流との双方の波形を示す図である。 図3は、位相遅れ補正器により補正を行った場合と位相遅れ補正器による補正を行わない場合との双方のdq軸電流波形を示す図である。 図4は、座標変換器により変換された回転座標系の電流値と、位相遅れ補正器により補正された補正後の電流値との関係を示す図である。 図5は、第2実施形態におけるモータ制御装置の構成例を示すブロック図である。 図6は、位相遅れ補正器が保持する補正値テーブルを示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
[モータ制御装置の構成例]
図1は、モータ制御装置20の構成例を示すブロック図である。
モータ制御装置20は、電流電圧変換器1と、電流制御器2と、座標変換器3、10と、PWM(Pulse Width Modulation)変換器4と、バッテリ5と、インバータ6と、電流センサ7と、モータ8と、磁極位置検出器9と、回転数演算器11と、LPF(Low Pass Filter)12と、ゲイン補正部13と、位相遅れ補正器14とを備える。なお、モータ制御装置20は、モータ8の各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックしてモータ8の駆動をベクトル制御するモータ制御装置の一例である。
電流電圧変換器1には、モータ8の出力目標値として外部より入力されるトルク指令値(T)と、回転数演算器11の出力である、モータ8の角周波数(ω)、及び、バッテリ5からインバータ6に入力される電圧(Vdc)が入力される。電流電圧変換器1には、トルク指令値(T)、角周波数(ω)、電圧(Vdc)を指標として、dq電流指令(i 、i )及びdq軸非干渉電圧指令値(V _dcpl、V _dcpl)を出力するためのマップが格納されており、電流電圧変換器1は、当該マップを参照することにより、入力されたトルク指令値(T)、角周波数(ω)及び電圧(Vdc)に対応する、dq軸電流指令値(i 、i )及びdq軸非干渉電圧指令値(V _dcpl、V _dcpl)を算出し、出力する。ここで、dq軸は回転座標系の成分を示している。dq軸非干渉電圧指令値(V _dcpl、V _dcpl)について、d軸及びq軸に電流が流れると、d軸にはωLdid、q軸にはωLqiqの干渉電圧が発生するため、dq軸非干渉電圧指令値(V _dcpl、V _dcpl)は当該干渉電圧を打ち消すための電圧である。なお、Ldはd軸のリアクタンスを、Lqはq軸のリアクタンスを示す。
LPF12は、dq軸非干渉電圧指令値(V _dcpl、V _dcpl)を入力として、高周波帯域をカットし、電圧指令値(V _dcpl_flt、V _dcpl_flt)を出力する。
電流制御器2は、dq軸電流指令値(i 、i )、電圧指令値(V _dcpl_flt、V _dcpl_flt)及び後述する補正後の電流値(id_co、iq_co)を入力として、制御演算を行い、dq軸電圧指令値(V 、V )を出力する。
座標変換器3は、dq軸電圧指令値(V 、V )及び磁極位置検出器9の検出値θを入力として、以下の式(1)を用いて、当該回転座標系のdq軸電圧指令値(V 、V )を固定座標系のu、v、w軸の電圧指令値(V 、V 、V )に変換する。
Figure 2022178109000002
PWM変換器4は、入力される電圧指令値(V 、V 、V )に基づき、インバータ6のスイッチング素子の駆動信号(Duu 、Dul 、Dvu 、Dvl 、Dwu 、Dwl )を生成し、インバータ6に出力する。
バッテリ5は、二次電池を含む直流電源である。
インバータ6は、MOSFETやIGBT等のスイッチング素子を対に接続した回路を複数接続した三相インバータ回路により構成されている。各スイッチング素子にはPWM変換器の出力信号(Duu 、Dul 、Dvu 、Dvl 、Dwu 、Dwl )が入力される。そして、当該スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源の直流電圧が交流電圧(V、V、V)に変換され、モータ8に入力される。また、モータ8が発電機として動作する場合には、インバータ6はモータ8から出力される交流電圧を直流電圧に変換し、バッテリ5に出力する。これによりバッテリ5が充電される。
電流センサ7は、インバータ6とモータ8との間に接続され、3相交流の相電流(i、i、i)をそれぞれ検出する。電流センサ7は複数のセンサにより構成されており、当該複数のセンサは各相に接続されている。
モータ8は、多相モータであり、インバータ6に接続される。また、モータ8は発電機としても動作する。
磁極位置検出器9はモータ8に設けられ、モータ8の磁極の位置を検出する検出器であり、検出値(θ)を座標変換器3、10及び回転数演算器11に出力する。
回転数演算器11は、磁極位置検出器9の検出値(θ)からモータ8の角周波数(ω)を演算し、その演算結果(モータ8の角周波数(ω)の測定値)を出力する。
ゲイン補正部13は、各相の相電流(i、i、i)をそれぞれゲイン補正し、ゲイン補正後の電流値(iu_gain、iv_gain、iw_gain)を座標変換器10に出力する。電流センサ7は複数のセンサであるため、生産工程のばらつきが各相で生じる。そのため、第1実施形態では、電流センサ7と座標変換器10との間に、ゲイン補正部13を設け、各相の相電流を補正する。
ゲイン補正部13により補正された電流値(iu_gain、iv_gain、iw_gain)は、以下の式(2)より表される。
Figure 2022178109000003
ただし、k、k、kはu、v、w相のそれぞれのゲイン係数を表しており、各相に接続される電流センサ7に応じて予め設定される係数である。
なお、電流センサ7がu相、v相のみに設けられている場合は、w相の電流は、ゲイン補正部13により補正された電流値(iu_gain、iv_gain)に基づき、以下の式(3)を用いて算出される。
Figure 2022178109000004
座標変換器10は、3相2相変換を行う制御部であり、補正された電流値(iu_gain、iv_gain、iw_gain)及び磁極位置検出器9の検出値(θ)を入力として、以下の式(4)により固定座標系の電流値(iu_gain、iv_gain、iw_gain)を回転座標系の電流値(i、i)に変換する。
Figure 2022178109000005
位相遅れ補正器14は、各相の電流センサ7の位相遅れ量に基づき、補正値(a、b)を設定し、以下の式(5)を用いて回転座標系の電流値(i、i)を補正後の電流値(id_co、iq_co)に変換する。
Figure 2022178109000006
ここで、位相遅れ補正器14により設定される補正値(a、b)について説明する。各相の電流センサ7は、生産時のばらつきにより、各相の電流センサ7間で検出電流の位相遅れ量(度)にばらつきが生じる。そこで、第1実施形態では、各相の電流センサ7の固定座標系における位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を用いて、以下の式(6)を用いて補正値(a、b)を求める。なお、各相の電流センサ7の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)は、生産時のばらつきに応じて予め取得可能な値である。このように、補正値(a、b)は、各相の電流センサ7の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて設定される係数である。
Figure 2022178109000007
なお、電流センサ7がu相、v相のみに設けられている場合は、以下の式(7)を用いて補正値(a、b)が導出される。
Figure 2022178109000008
このように、補正値(a、b)は、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)の平均値(udly+vdly+wdly/3又はudly+vdly/2)に基づいて設定される。
図4は、座標変換器10により変換された回転座標系の電流値(i、i)と、位相遅れ補正器14により補正された補正後の電流値(id_co、iq_co)との関係を示す図である。
図4では、縦軸をq軸とし、横軸をd軸とする例を示す。また、点線E1は、上述した式(4)を用いて座標変換器10により変換された回転座標系の電流値(i、i)を示す。実線E2は、上述した式(5)を用いて位相遅れ補正器14により補正された補正後の電流値(id_co、iq_co)を示す。言い換えると、実線E2は、dq軸変換後の真の電流値(id_co、iq_co)を示す。
また、角度R1は、回転座標系の電流値(i、i)の遅れ量(遅れ角度)を示す。言い換えると、角度R1は、固定座標系の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)の平均値(udly+vdly+wdly/3又はudly+vdly/2)に相当する値である。
図4に示すように、位相遅れ補正器14は、回転座標系の電流値(i、i)の遅れ角度R1を、真の角度となるように戻すように補正する。例えば、原点を中心として角度R1だけ回転させるための2次元の回転行列を用いた回転変換により補正することが可能である。
すなわち、第1実施形態の補正値は、固定座標系の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を打ち消すように定められた回転座標系の電流値(i、i)に対する線形変換(回転変換)として定められる。特に、第1実施形態では、補正値を構成するにあたり、固定座標系の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)の各成分の平均値を用いることで補正のための演算に用いるパラメータ数を低減している。
より具体的に説明する。仮に、平均値を用いずに固定座標系の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を打ち消す補正値(線形変換)を定めるようとすると、当該線形変換を構成する各要素(2×2行列の各成分)に位相遅れ量の各成分(udly、vdly、wdly又はudly、vdly)が不規則に入り込むこととなる。すなわち、固定座標系上における各相(u軸、v軸、w軸)について独立して定めた位相遅れの影響が回転座標系上ではd軸及びq軸の相互の位相のずれとして現れるため、上記線形変換を定める際にはこれを考慮する必要がある。
このため、回転座標系の電流値(i、i)を補正する線形変換は、各要素が独立したパラメータであることを仮定した線形変換(すなわち、それぞれがudly、vdly、及び/又はwdlyの関数となる4つの独立成分で定まる2×2行列)として設定する必要がある。
これに対して、第1実施形態では、固定座標系において3つのパラメータである位相遅れ量の各成分の平均値を、回転座標系の電流値(i、i)の位相角変化を表す単一のパラメータに落とし込むことで、上記線形変換を構成するための実質的なパラメータの数を減少させている。特に、位相遅れの補正においては、電流値(i、i)の大きさ(電流ベクトルノルム)は維持されると考えることができるので、上記線形変換を、回転座標系上において電流値(i、i)の位相を平均値の分シフトさせる(進める)回転変換(上記式(5)及び上記式(6))として定めることができる。このため、補正値を、回転変換を構成する2つの主要成分(sinとcos)に応じた2つのパラメータ(a、b)により定めることができる。
さらに、上述したように、各相の電流センサ7の位相遅れは生産段階のばらつきにより予め固定される値であり、補正値(a、b)は一義的に定まる。このため、補正値(a、b)を予め演算して求めることが可能である。また、予め演算して求められた補正値(a、b)を位相遅れ補正器14が保持して用いることができる。そして、位相遅れ補正器14は、保持された補正値(a、b)を用いて、上述した式(5)に従って各相の電流センサ7の位相遅れの補正を行う。
また、上述のように、第1実施形態では、2つのパラメータで構成される補正値(a、b)を予め設定し、座標変換器10による3相2相変換後の電流値について、上述した式(5)の演算を行う。なお、座標変換器10による3相2相変換処理において位相遅れ補正(例えば特開2012-39716号公報に記載された補正)を行う場合、上述した式(4)に示す2行3列の行列の6つの要素について、6つのパラメータを補正値として用いる必要がある。このため、当該補正では、座標変換器10での補正のための複雑な演算処理が必要となる。これに対して、第1実施形態では、座標変換器10による3相2相変換後の電流値について、2つのパラメータ(a、b)を補正値として用いて補正演算をするため、複雑な演算処理を低減させることができる。すなわち、座標変換器10による3相2相変換処理において位相遅れ補正を行う必要がないため、座標変換器10での補正のための複雑な演算処理をする必要がない。また、2つのパラメータ(a、b)を補正値として用いて補正演算を行うため、複雑な演算処理を低減させ、モータ制御に関する演算処理の負荷を低減させることができる。また、各相の電流センサ7の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて設定された補正値(a、b)を用いて補正を行うため、精度良く電流センサ7の位相遅れを補正することができる。
[電流の波形例]
次に、図2及び図3を用いて、位相遅れ補正器14による補正を行う場合のdq軸の電流波形と、補正を行わない場合のdq軸電流波形について説明する。
図2は、インバータ6及びモータ8の各相を実際に流れる相電流と電流センサ7により検出される相電流との双方の波形を示す図である。なお、波形a1乃至a3は、u、v、w相をそれぞれ実際に流れる相電流を示し、波形b1乃至b3は、u、v、w相で電流センサ7により検出される相電流を示す。
図3は、位相遅れ補正器14により補正を行った場合と位相遅れ補正器14による補正を行わない場合との双方のdq軸電流波形を示す図である。なお、波形c1及びc2は補正無しの場合のdq軸の電流を示し、波形d1及びd2は補正有りの場合のdq軸の電流を示す。
図2に示すように、各相を実際に流れる相電流と電流センサ7により検出される相電流とは一致しておらず、各相で位相遅れが生じていることが確認できる。そして、図3に示すように、補正無しの場合のdq軸の電流は脈動しており、補正有りの場合のdq軸の電流では脈動が抑制されていることが確認できる。すなわち、第1実施形態によれば、各相での位相遅れを補正することにより、図3に示すように、電流センサ7の各相の位相遅れに起因するdq軸の電流の脈動を抑制することができる。
また、上述したように、各相における位相の遅れを考慮しない場合には、上述した式(4)を用いて3相2相変換することで、回転座標系のdq軸の相電流を算出することができる。しかし、各相の電流を検出するために、相毎に設けられたセンサからなる電流センサ7を設ける場合には、各センサ間で位相遅れが生じる。そのため、第1実施形態では、上述した式(4)を用いて3相2相変換した値(回転座標系のdq軸の相電流)をそのまま用いるのではなく、その3相2相変換した値を補正した値を用いる。すなわち、各相の位相遅れを踏まえた係数(補正値(a、b))を設定した上で、上述した式(5)を用いて、回転座標系のdq軸の相電流を補正した値を用いる。
このように、第1実施形態では、各相の相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を設定し、それらの値(udly、vdly、wdly)に基づく補正量(a、b)を設定し、その補正値(a、b)を用いて、回転座標系のdq軸の相電流を補正する。これにより、三相のそれぞれの電流を電流センサ7で検出し、各相の間で位相遅れが生じる場合に、三相二相変換後の電流値について位相遅れを補正した値を用いたフィードバック制御を行うことができる。これにより、精度よくフィードバック制御を行うことができ、そのフィードバック制御により適切なベクトル制御を実現することができる。
このように、モータ制御装置20は、モータ8(多相モータの一例)に接続され、直流電力を交流電力に変換するインバータ6(電力変換手段の一例)と、モータ8の少なくとも2相の相電流をそれぞれ検出する電流センサ7(電流検出手段の一例)と、電流センサ7により検出された、少なくとも2相の相電流を含む、各相の固定座標系の相電流を回転座標系の電流に変換する座標変換器10(座標変換手段の一例)と、モータ8の各相の相電流の位相遅れ補正値(a、b)をそれぞれ設定し、座標変換器10により変換された回転座標系の電流を補正する位相遅れ補正器14(位相遅れ補正手段の一例)と、位相遅れ補正器14により補正された回転座標系の電流と、外部から入力されるモータ8の出力目標値とに基づいて、インバータ6を制御する電流電圧変換器1、電流制御器2、座標変換器3及びPWM変換器4(制御手段の一例)とを備える。また、モータ制御装置30は、モータ8の回転数(モータ8の角周波数(ω))を検出する回転数演算器11(回転数検出手段の一例)を備える。また、位相遅れ補正器14は、モータ8の各相の位相遅れ量に基づき、回転座標系の電流に対応する複数の補正値(a、b)を設定し、複数の補正値(a、b)を用いて回転座標系の電流を補正する。
[第1実施形態の構成及び効果]
第1実施形態に係るモータ制御方法は、モータ8(多相モータの一例)の各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックしてモータ8の駆動をベクトル制御するモータ制御方法である。このモータ制御方法では、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて予め設定された補正値(a、b)を用いて、座標変換により求められた回転座標系の電流値を補正し、その補正された回転座標系の電流値と、外部から入力されるモータ8の出力目標値とに基づいて、直流電力から交流電力に変換してモータ8に供給する電力を制御する。
このようなモータ制御方法によれば、座標変換器10による3相2相変換後の電流値について、固定座標系における相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて予め設定された補正値(a、b)を用いて補正演算を行う。このように、固定座標系よりも少ない座標成分の回転座標系の電流値に対する補正を前提として予め定められた補正値(a、b)により補正を行うことで、演算に用いるパラメータの数を低減することができる。結果として、複雑な演算処理を低減させ、モータ制御に関する演算処理の負荷を低減させることができる。また、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて設定された補正値(a、b)を用いて補正を行うため、補正値(a、b)に相電流の位相遅れの影響を適切に反映させることができるので、精度良く電流センサ7の位相遅れを補正することができる。
また、第1実施形態に係るモータ制御方法において、補正値(a、b)は、モータ8の各相の相電流(固定座標系における相電流)の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)の各成分udly、vdly、wdlyの平均値に基づいて設定される。すなわち、位相遅れ補正器14は、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量の平均値に基づいて、位相遅れ補正値(a、b)を設定する。例えば、電流センサ7が3相にそれぞれに設けられた各センサから成る場合は、上述した式(6)を用いて、位相遅れ量の平均値(udly+vdly+wdly/3)に基づいて補正値(a、b)が設定される。また、電流センサ7がu相、v相のみに設けられた各センサから成る場合は、上述した式(7)を用いて、位相遅れ量の平均値(udly+vdly/2)に基づいて補正値(a、b)が設定される。
このようなモータ制御方法によれば、位相遅れ量の平均値に基づいて設定された補正値(a、b)を用いて、回転座標系の電流値を補正することができるため、電流センサ7の位相遅れの補正精度を高めることができる。
また、第1実施形態に係るモータ制御装置20は、モータ8(多相モータの一例)の各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックしてモータ8の駆動をベクトル制御するモータ制御装置である。また、モータ制御装置20は、直流電力を交流電力に変換してモータ8に供給するインバータ6(電力変換部の一例)と、その検出値を座標変換により回転座標系の電流値に変換する座標変換器10(座標変換部の一例)と、モータ8の各相の相電流の位相遅れ量に基づいて予め設定された補正値を用いて、回転座標系の電流値を補正する位相遅れ補正器14(補正部の一例)と、補正された回転座標系の電流値と、外部から入力されるモータ8の出力目標値とに基づいて、インバータ6を制御する電流電圧変換器1、電流制御器2、座標変換器3及びPWM変換器4(制御部の一例)とを備える。
このようなモータ制御装置20によれば、上述したモータ制御方法の使用に適した具体的な装置構成が実現されることとなる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、電流センサ7の位相遅れ量がモータ8の角周波数(ω)に依存しない場合の例を示した。第2実施形態では、電流センサ7の位相遅れ量がモータ8の角周波数(ω)に依存する場合の例を示す。なお、第2実施形態は、第1実施形態の変形例であるため、第1実施形態と共通する部分についての説明の一部を省略する。
[モータ制御装置の構成例]
図5は、モータ制御装置30の構成例を示すブロック図である。なお、モータ制御装置30は、図1に示すモータ制御装置20の一部を変形した変形例であり、位相遅れ補正器15がモータ8の角周波数(ω)を用いて補正値を設定する点が異なる。この点以外については、モータ制御装置30は、図1に示すモータ制御装置20と同様であるため、図5では、図1に示すモータ制御装置20と共通する部分には、同一の符号を付してこれらの説明を省略する。なお、第1実施形態で示したように、モータ8の角周波数(ω)は、回転数演算器11により求められる。
位相遅れ補正器15は、回転数演算器11の角周波数(ω)及び各相の電流センサの位相遅れ量に基づき、補正値(a、b)を設定し、上述した式(5)を用いて回転座標系の電流値(i、i)を補正後の電流値(id_co、iq_co)に変換する。なお、モータ8の角周波数(ω)に応じた補正値(a、b)の演算方法については、図6を参照して詳細に説明する。
図6は、位相遅れ補正器15が保持する補正値テーブルを示す図である。図6に示す補正値テーブルには、モータ8の角周波数(ω)と、補正値(a、b)とが関連付けて格納されている。
ここで、図6に示す補正値テーブルに格納される補正値(a、b)について説明する。第1実施形態で示したように、各相の電流センサ7は、生産時のばらつきにより、各相の電流センサ7間で検出電流の位相遅れ量(度)にばらつきが生じる。また、電流センサ7の位相遅れ量がモータ8の角周波数(ω)に依存する場合には、モータ8の角周波数(ω)に応じて各相の電流センサ7の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)が異なる。このため、第2実施形態では、モータ8の角周波数(ω)に応じた各相の電流センサ7の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて、上述した式(6)を用いて、モータ8の角周波数(ω)毎の補正値(a、b)を求める。なお、電流センサ7がu相、v相のみに設けられている場合は、第1実施形態と同様に、上述した式(7)を用いて補正値(a、b)を求める。
なお、図6では、説明を容易にするため、500単位のモータ8の角周波数(ω)について補正値(a、b)を求めた場合の例を示す。すなわち、図6に示す補正値テーブルには、500毎のモータ8の角周波数(ω)の値「0,500,1000,…」と、これらの各値について設定された補正値(a、b)「(a0、b0)(a500、b500)、…」とが格納される。
また、モータ8の角周波数(ω)に対して各補正値(a、b)は一義的に定まるため、図6に示す補正値テーブルの各値は、予め演算して求めることが可能である。そこで、図6に示す補正値テーブルを位相遅れ補正器15が保持して用いることができる。そして、位相遅れ補正器15は、図6に示す補正値テーブルを参照して、モータ8の角周波数(ω)に対応する補正値(a、b)を設定し、上述した式(5)に基いて各相の電流センサ7の位相遅れの補正を行う。これにより、位相遅れ補正器15は、モータ8の角周波数(ω)を考慮して、各相の電流センサ7で生じる位相遅れを適切に補正することができる。
このように、第2実施形態においても、2つのパラメータで構成される補正値(a、b)を予め記憶した補正値テーブルを設定することにより、上述した式(5)を用いた演算により精度良く電流センサ7の位相遅れを補正することができる。また、第2実施形態においても、位相遅れ補正器15による補正を行うことで、図3に示すように、電流センサ7の各相の位相遅れに起因するdq軸の電流の脈動を抑制することができる。
このように、第2実施形態では、位相遅れ補正器15は、回転数演算器11により検出された回転数(モータ8の角周波数(ω))に応じて、位相遅れ補正値(a、b)を設定する。
ここで、図6に示す補正値テーブルを用いて、回転数演算器11により求められたモータ8の角周波数(ω)に基づいて、2つの補正値(a、b)を求めるテーブル引きについて説明する。
例えば、図6に示す補正値テーブルに格納されている角周波数の値(0,500,1000,…)の中に、回転数演算器11により求められたモータ8の角周波数(ω)の値が存在する場合には、その対応する値に関連付けられている補正値(a、b)を用いる。例えば、モータ8の角周波数(ω)が500である場合には、補正値(a、b)として(a500、b500)を用いる。また、モータ8の角周波数(ω)が2500である場合には、補正値(a、b)として(a2500、b2500)を用いる。
一方、図6に示す補正値テーブルに格納されている角周波数の値(0,500,1000,…)の中に、回転数演算器11により求められたモータ8の角周波数(ω)の値が存在しない場合には、線形補間を用いて補正量(a、b)を算出する。
例えば、回転数演算器11により求められたモータ8の角周波数(ω)が300である場合を想定する。この場合には、図6に示す補正値テーブルに格納されている角周波数(ω)の値(0,500,1000,…)のうち、300が含まれる2つの角周波数(ω)の値(0,500)を用いて、以下の式(8)を用いて補正量(a、b)を算出する。なお、X1は、角周波数(ω)の値0に対応する補正値(a0、b0)を示し、X2は、角周波数(ω)の値500に対応する補正値(a500、b500)を示す。また、m+n=500であり、mは、0及び300間の値300であり、nは、300及び500間の値200であるものとする。
X12=(X1・n+X2・m)/(m+n) (8)
具体的には、補正量aを算出する場合には、位相遅れ補正器15は、式(8)において、X1=a0、X2=a500、n=200、m=300としてX12を算出し、この算出されたX12を補正量aとする。また、補正量bを算出する場合には、位相遅れ補正器15は、式(8)において、X1=b0、X2=b500、n=200、m=300としてX12を算出し、この算出されたX12を補正量bとする。
ここで、比較例の補正演算について説明する。ここでは、上述した式(4)に示す2行3列の行列の6つの要素について、6つのパラメータを補正値として用いて補正する比較例(例えば特許文献1)を想定する。この比較例でも、モータの角周波数(ω)と、補正値(6つのパラメータ)とが補正値テーブルに関連付けて格納されているものとする。また、この比較例でも、補正値テーブルに格納されている角周波数(ω)の値(例えば0,500,1000,…)の中に、モータの角周波数(ω)の値が存在しない場合には、線形補間を用いて補正量(6つのパラメータ)を算出するものとする。
この比較例では、補正値テーブルの角周波数(ω)の中に、モータの角周波数(ω)の値が存在しない場合には、モータの角周波数(ω)に応じたパラメータ(補正値)を補正値テーブルから求めるテーブル引きが、6つのパラメータ分だけ必要となる。すなわち、この比較例では、6回のテーブル引きが補正演算に必要となる。このテーブル引きは、上述した式(8)で示すように、加算2回、乗算2回、除算1回の演算が必要となる。すなわち、1回のテーブル引きについて、5演算(加算2回、乗算2回、除算1回)が必要となる。
このように、比較例では、多相モータの各相に設けた電流センサにより検出された誤差を含む各相の検出値に対して、各相の検出値に対応した誤差の補正を行った上で、dq座標系の電流成分に座標変換する。このために、誤差の補正に用いるパラメータの数が多くなり、誤差補正の演算量が多くなる。例えば、3相モータの場合には、上述したように、6つのパラメータを用いる必要がある。言い換えると、比較例では、多相モータの各相の電流の位相遅れを、固定座標系から回転座標系に変換する座標変換器で補正する構成であるとともに、座標変換時に6パラメータをテーブル引きする構成となる。このため、座標変換器での演算が複雑になるとともに、その演算量が多くなり、座標変換器の演算処理負荷が大きくなる。
これに対して、第2実施形態では、補正値テーブルの角周波数(ω)の中に、モータ8の角周波数(ω)の値が存在しない場合には、2つのパラメータから成る補正値(a、b)の分だけ、テーブル引きが必要となる。すなわち、第2実施形態では、2回のテーブル引きが補正演算に必要となる。ただし、第2実施形態では、テーブル引きにより求められた補正値(a、b)について、上述した式(5)を用いた演算処理が必要となり、この演算処理では、6演算(加減算2回、乗算4回)が必要となる。
ここで、第2実施形態と比較例との演算量を比較する場合の演算量係数として、加減乗除の演算を1とする場合を想定する。この場合には、1回のテーブル引きでは、5演算(加算2回、乗算2回、除算1回)が必要となるため、1回のテーブル引きの演算量は5となる。上述したように、比較例では、6回のテーブル引きが補正演算に必要となるため、比較例の補正演算の演算量は30(=5×6)以上となる。これに対して、第2実施形態では、2回のテーブル引きと、テーブル引きにより求められた2つのパラメータから成る補正値(a、b)についての6演算(加減算2回、乗算4回)とが補正演算に必要となるため、第2実施形態の補正演算の演算量は16(=5×2+1×6)となる。このように、上述した演算量係数を用いた比較では、第2実施形態は、補正演算に要する演算量を約50%低減することができる。このように、第2実施形態では、比較例と同等の補正が演算量を約50%低減しても可能となるため、補正演算量(演算負荷)を大幅に低減することができる。
[第2実施形態の構成及び効果]
第2実施形態に係るモータ制御方法は、補正値(a、b)は、モータ8(多相モータ)の角周波数(回転状態の一例)に応じたモータ8の各相の相電流の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)、特にその平均値に基づいてモータ8の角周波数毎に設定される。例えば、図6に示すように、補正値(a、b)「(a0、b0)(a500、b500)、…」が、500毎のモータ8の角周波数「0,500,1000,…」について設定される。
このようなモータ制御方法によれば、モータ8の角周波数に応じた適切な補正値(a、b)を用いて補正を行うため、精度良く電流センサ7の位相遅れを補正することができる。また、上述した比較例と同等の補正が演算量を低減させても可能となり、補正演算量(演算負荷)を大幅に低減することができる。
また、第2実施形態に係るモータ制御方法では、モータ8(多相モータの一例)の角周波数と、当該角周波数に応じてモータ8の各相の相電流の位相遅れ量の平均値に基づいて設定された補正値(a、b)とが角周波数毎に関連付けて格納されている補正値テーブル(テーブルの一例)を用いて、回転座標系の電流値を補正する。
このようなモータ制御方法によれば、補正値テーブルを用いて、回転座標系の電流値を補正するため、モータ8の角周波数に応じた適切な補正値(a、b)を用いて補正を行うことができる。
また、第2実施形態に係るモータ制御方法では、補正値テーブルに格納されている角周波数と、回転数演算器11により求められたモータ8(多相モータの一例)の角周波数の測定値とを用いた線形補間により、その測定値に対応する2つのパラメータから成る補正値(a、b)を算出し、その補正値(a、b)を用いて回転座標系の電流値を補正する。例えば、上述した式(8)を用いた線形補間により、補正量(a、b)を算出することができる。
このようなモータ制御方法によれば、補正値テーブルを用いた線形補間により、モータ8の角周波数の測定値に対応する2つのパラメータから成る補正値(a、b)を算出することができるため、モータ8の角周波数に応じた適切な補正値(a、b)を用いて補正を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
なお、以下に記載する2つのモータ制御方法も、本明細書の出願当初に記載されている事項の範囲に含まれる。
第1のモータ制御方法では、
モータ8の各相の相電流(iu_gain、iv_gain、iw_gain)の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)に基づいて設定された補正値を、固定座標系(特に3相座標系)における相電流(iu_gain、iv_gain、iw_gain)の位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を打ち消すように回転座標系(特にd-q軸座標系)の電流値(i、i)を変換する回転座標系上の変換を構成する複数のパラメータ(例えば2×2行列の各要素)として定める。例えば、図4に示すように、原点を中心として角度R1だけ回転させるための2次元の回転行列の各要素を複数のパラメータとして定めることができる。
これにより、回転座標系の電流値(i、i)を、固定座標系の相電流における位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を打ち消すように補正する補正値を、回転座標系で定義される変換(特に線形変換)に必要な数以下(特にd-q軸座標系では4つ以下)のパラメータにより定めることができる。このため、固定座標系の相電流(iu_gain、iv_gain、iw_gain)に対しそのまま位相遅れ量(udly、vdly、wdly)を打ち消す補正を行う場合に比べて、演算負担を軽減することができる。
第2のモータ制御方法では、第1のモータ制御方法を前提として、
固定座標系における位相遅れ量の各成分udly、vdly、wdlyに基づいて、該位相遅れ量によって生じる回転座標系の電流値(i、i)の位相角変化を単一のパラメータである平均値udly+vdly+wdly/3として求める。そして、上記補正値を、回転座標系の電流値(i、i)の位相を、該回転座標系上において位相角変化である平均値udly+vdly+wdly/3を打ち消す方向にシフトさせる回転変換(式(5)の右辺の係数)を構成する2つのパラメータ(a、b)として定める。例えば、図4に示すように、原点を中心として角度R1だけ回転させるための2次元の回転行列は、各要素を2つのパラメータ(a、b)を用いて設定可能なため、その2つのパラメータ(a、b)を定めることができる。
これにより、当該補正値を、回転変換を構成する2つの主要成分(sinとcos)に応じた2つのパラメータ(a、b)により定めることができる。結果として、補正に用いるパラメータの数をより低減して、演算負担をさらに軽減することができる。なお、回転座標系の電流値(i、i)の位相角変化を表す単一のパラメータは、固定座標系における位相遅れ量の各成分の平均値に限らず、所望の補正の精度を実現できる範囲において当該各成分から演算可能な他の値(例えば中央値などの平均値以外の統計量)を用いても良い。
1 電流電圧変換器、2 電流制御器、3、10 座標変換器、4 PWM変換器、5 バッテリ、6 インバータ、7 電流センサ、8 モータ、9 磁極位置検出器、11 回転数演算器、12 LPF、13 ゲイン補正部、14、15 位相遅れ補正器、20、30 モータ制御装置

Claims (8)

  1. 多相モータの各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックして前記多相モータの駆動をベクトル制御するモータ制御方法であって、
    前記多相モータの各相の相電流の位相遅れ量に基づいて予め設定された補正値を用いて、前記座標変換により求められた前記回転座標系の電流値を補正し、
    補正された前記回転座標系の電流値と、外部から入力される前記多相モータの出力目標値とに基づいて、直流電力から交流電力に変換して前記多相モータに供給する電力を制御する、
    モータ制御方法。
  2. 請求項1に記載のモータ制御方法であって、
    前記補正値は、前記固定座標系における前記位相遅れ量の平均値に基づいて設定される、
    モータ制御方法。
  3. 請求項1または2に記載のモータ制御方法であって、
    前記補正値は、前記多相モータの回転状態に応じた前記位相遅れ量に基づいて前記多相モータの回転状態毎に設定される、
    モータ制御方法。
  4. 請求項3に記載のモータ制御方法であって、
    前記回転状態は前記多相モータの角周波数であり、
    前記角周波数と前記補正値とが関連付けて格納されているテーブルを用いて、前記回転座標系の電流値を補正する、
    モータ制御方法。
  5. 請求項4に記載のモータ制御方法であって、
    前記テーブルに格納されている前記角周波数と、前記角周波数の測定値とを用いた線形補間により、前記測定値に対応する前記補正値を算出し、当該補正値を用いて前記回転座標系の電流値を補正する、
    モータ制御方法。
  6. 請求項1から5の何れかに記載のモータ制御方法であって、
    前記補正値を、
    前記固定座標系における前記相電流の前記位相遅れ量を打ち消すように前記回転座標系の電流値を変換する、該回転座標系上の変換を構成する複数のパラメータとして定める、
    モータ制御方法。
  7. 請求項6に記載のモータ制御方法であって、
    前記固定座標系における前記位相遅れ量の各成分に基づいて、該位相遅れ量によって生じる前記回転座標系の電流値の位相角変化を単一のパラメータとして求め、
    前記補正値を、前記回転座標系の電流値の位相を該回転座標系上において前記位相角変化を打ち消す方向にシフトさせる回転変換を構成する2つのパラメータとして定める、
    モータ制御方法。
  8. 多相モータの各相に流れる交流電流の検出値を固定座標系から回転座標系に座標変換して求められた電流値をフィードバックして前記多相モータの駆動をベクトル制御するモータ制御装置であって、
    直流電力を交流電力に変換して前記多相モータに供給する電力変換部と、
    前記検出値を前記座標変換により前記回転座標系の電流値に変換する座標変換部と、
    前記多相モータの各相の相電流の位相遅れ量に基づいて予め設定された補正値を用いて、前記回転座標系の電流値を補正する補正部と、
    補正された前記回転座標系の電流値と、外部から入力される前記多相モータの出力目標値とに基づいて、前記電力変換部を制御する制御部と、を備える、
    モータ制御装置。
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