JP2022169340A - ステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】バスバーのような硬質の導電体を用いるステータについて、特にその径方向寸法の小型化を図る。【解決手段】三相のコイルと6以上のスロットとを備える環状のステータであって、硬質の導電体である複数のバスバーを有し、異なるスロットに配置される同相のコイルは、それぞれバスバーを介して電気的に接続され、複数のバスバーはそれぞれ、コイルが接続される接続部と、ステータの周方向に沿って湾曲または屈折するように延びるバー部と、を有し、複数のバスバーはスロットの上または下に配置され、バー部は、その長さ方向における中途でバー部の上下方向の位置または幅を変化させる段部を有しており、いずれかのバスバーは、バー部の少なくとも一部が、バー部を上または下から見たときに他のバスバーの位置と重なるように、他のバスバーと上下に並べて配置されているステータによりこれを解決する。【選択図】図4

Description

本発明はステータに関し、特にコイルの配線の一部に硬質の導電体が用いられたステータに関する。
下記特許文献1及び2には、三相コイルの結線にバスバーが用いられたステータが開示されている。
特開2012-44854号公報 特表2018-537063号公報
三相コイルの配線や結線にバスバーを用いる場合、一般にバスバーはコイル線よりも配置にスペースを要するためステータが大型化しやすい。
本発明が解決しようとする課題は、バスバーのような硬質の導電体を用いるステータについて、特にその径方向寸法の小型化を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明のステータは、三相のコイルと6以上のスロットとを備える環状のステータであって、硬質の導電体である複数のバスバーを有し、異なる前記スロットに配置される同相の前記コイルは、それぞれ前記バスバーを介して電気的に接続され、前記複数のバスバーはそれぞれ、前記コイルが接続される接続部と、前記ステータの周方向に沿って湾曲または屈折するように延びるバー部と、を有し、前記ステータの軸線方向に沿う方向を上下とし、前記ステータの軸線に直交する方向を側方または径方向、前記バー部の前記周方向の寸法を該バー部の長さというときに、前記複数のバスバーは前記スロットの上または下に配置され、前記バー部は、その長さ方向における中途で該バー部の上下方向の位置または幅を変化させる段部を有しており、いずれかの前記バスバーは、前記バー部の少なくとも一部が、該バー部を上または下から見たときに他の前記バスバーの位置と重なるように、該他のバスバーと上下に並べて配置されていることを特徴とする。
バスバーがスロットの上または下に配置されることにより、ステータの径方向寸法が肥大化することを防ぐことができる。そしてバスバーのバー部の上下方向の位置や幅をその長さ方向の中途で変化させ、バー部を他のバスバーと上下に並べて配置することにより、バスバーの接続部の径方向への折曲げの自由度が高くなるとともに、バー部の配置に要する径方向の空間を小さく抑えることができる。
このとき、前記コイルはY結線され、前記複数のバスバーは、異なる前記スロットに配置される同相の前記コイルを接続するスロット間バスバーと、中性点を構成するコモンバスバーと、を含み、前記スロット間バスバーはそれぞれ、その少なくとも一部が、前記コモンバスバーと上下方向における位置を揃えて径方向に並べて配置されており、前記ステータの周方向における各位置において、上下方向の位置を揃えて径方向に並べて配置される前記バスバーの最大数は2であることが好ましい。径方向に並べて配置されるバスバーの数を最大で2とすることにより、バー部の配置に要する径方向の空間の肥大化が抑えられるとともに、バスバーの間に挟まれるバスバーが存在しないことから、各バスバーの過熱を防ぐことができる。
また、本発明のステータは、前記各バスバーが板状の導電体であり、前記各バスバーはその板面を側方に向けて配置されることが好ましい。これによりバー部の配置に要する径方向の空間をより小さく抑えることができる。
また、本発明のステータは、前記バー部が、前記ステータの周方向に沿うように直線状に折り曲げられた屈折部を有し、前記複数のバスバーが、その全体として、前記ステータの周方向に沿って前記スロットの数を角数とする多角形状を構成するように配置されることが好ましい。バスバーがその全体として多角形状に配置され、さらにその角数がスロット数と同じであることにより、各バスバーの長さや屈折部の位置・数等、バスバーの形状に共通の規則をもたせることが容易となる。これによりバスバーの形状の種類を少なく抑えることができる。
また、本発明のステータは、前記各バスバーの前記バー部を樹脂封止するバスバー保持部を有し、前記バスバー保持部は、前記複数のバスバーが封止された筒形状の封止部と、該封止部からその径方向外側に鍔状に拡がったフランジ部と、を有することが好ましい。バスバー保持部がフランジ部を有することにより、つまり封止部やバスバーをステータの内径側に配置することにより、封止部の小型化を図ることができる。
このとき、前記各スロットは、磁性材であるステータコアと、絶縁材料からなるインシュレータと、により構成され、前記フランジ部には前記コイルのコイル線を通す複数の穴であるコイル穴が形成され、前記コイル穴の少なくとも一部には、該コイル穴から前記フランジ部の外周縁まで径方向に連続する切欠きである第1スリットが形成され、前記インシュレータの外面のうち前記ステータの外周面を構成する面には、前記第1スリットから連続する切欠きである第2スリットが形成されることが好ましい。かかる構成によれば、スロットにバスバー保持部を取り付ける際に、コイル線を一度インシュレータの外(ステータの径方向外側)に退避させた状態でバスバー保持部を取り付け、その後にコイル線をコイル穴に戻してこれをバスバーの接続部に接合することができる。これよりステータの組立作業をより効率的に行うことが可能となる。
またこのとき、前記フランジ部は前記インシュレータと接合される複数の接合部を有し、前記接合部は、前記ステータの周方向に沿って、前記第1スリットと交互に設けられていることが好ましい。これにより、第1スリットによって分割されたフランジ部の各部がそれぞれインシュレータに固定され、駆動時にこれらがばたつくことによる騒音が抑えられる。
また、本発明のステータは、前記コイル、前記スロット、及び前記バスバーが導電性材料からなるケース体に収容されてもよい。例えば各コイルのコイル線をステータの外周面に回して結線する場合、その結線部分とケース体の内面とを別途何らかの手段で絶縁する必要がある。このような構成のステータに比べ、本発明のステータはバスバーがスロットの上または下に配置されるため、ケース体の内面とバスバーやコイル線との距離を長く確保することができる。
このように、本発明によれば、バスバーのような硬質の導電体を用いるステータについて、特にその径方向寸法の小型化を図ることができる。
実施形態に係るステータの外観を示す斜視図である。 ステータのスロット構成およびコイル配置を示す平面図である ステータの三相コイルの回路図である。 バスバーの配置構成を示す透視斜視図である。 図4に示すバスバーの平面図(a)及び側面図(b)である。 スロット間バスバーの形状を示す斜視図(a)、平面図(b)、及び側面図(c)である。 コモンバスバーの形状を示す斜視図(a)、平面図(b)、及び側面図(c)である。 バスバー保持部を成形した際に形成されるピン穴の位置を示す下面図(a)、及び、使用される金型ピンの種類を示す透視下面図(b)である。 第1金型ピンの構造を示す斜視図(a)及びその使用状態を示す透視平面図(b)である。 スロットの構造を示す斜視図(a)、及びスロットが有するステータコアの形状を示す斜視図(b)である。 ステータの組み立て時におけるコイル線の退避方法を示す斜視図である。 ケース体に収容されたステータを示す模式図である。
[構成概要]
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本実施形態に係るステータ10の外観を示す斜視図である。図2はステータ10のスロット構成およびコイル配置を示す平面図である。図3はステータ10の三相コイルの回路図である。以下の説明において、「上」及び「下」とは図1に示すステータ10の軸線Aに沿う方向をいい、同図のZ1側を「上」、Z2側を「下」とする。また、「側方」及び「径方向」とは、この軸線Aに直交する方向をいう。また、「周方向」とは、この軸線Aを回転中心線とする時計回り又は反時計回り方向をいう。以下、図1から図3を参照して本形態のステータ10の概要について説明する。
本形態のステータ10は三相のコイル31,32,33を保持する6つのスロット20を備える環状のステータである。図3に示すように、これらコイル31,32,33はY結線(スター結線)されている。本形態のステータ10では、異なるスロット20に配置される同相のコイルは硬質の導電体であるスロット間バスバー40aを介して電気的に接続されており、中性点も同様に、硬質の導電体であるコモンバスバー40bにより電気的に接続されている。これらコイル31,32,33の末端は駆動回路やインバータ等に接続されており、ステータ10はモータや発電機のステータとして用いられる。以下の説明では、これらコイル31,32,33を総称して「三相コイル30」ともいう。また、スロット間バスバー40a及びコモンバスバー40bを総称して「バスバー40」ともいう。
図1に示すように、スロット20の上には各バスバー40の一部を樹脂封止するバスバー保持部50が装着されている。バスバー保持部50は、各バスバー40が封止された筒形状の封止部51と、封止部51の下端から径方向外側に鍔状に拡がったフランジ部52とを有している。バスバー保持部50はそのフランジ部52がねじ11でスロット20の上面に固定されている。本形態のステータ10では、バスバー保持部50がフランジ部52を有することにより、つまり封止部51やバスバー40がステータ10の内径側に配置されることで封止部51の小型化が図られている。一般に、三相コイルの配線や結線にバスバーを用いる場合、バスバーはコイル線よりも配置にスペースを要するためステータが大型化しやすい。本形態ではバスバー保持部50をスロット20の上に配置することでステータ10の径方向寸法の肥大化を避けている。尚、仮にバスバー保持部50がスロット20の下に配置されたとしても同様の効果を得ることはできる。
また本形態のバスバー40はそれぞれ、バスバー保持部50(封止部51)の外に配置され、三相コイル30のコイル線311,321,331が接続される接続部41を有している。コイル線311,321,331は、その端部がフランジ部52に形成されたコイル穴54から上方に延出しており、接続部41にヒュージングされている。
[バスバーの形状および配置構成]
図4は、バスバー40の配置構成を示す透視斜視図である。図5は、図4に示すバスバー40の平面図(a)及び側面図(b)である。図6はスロット間バスバー40aの形状を示す斜視図(a)、平面図(b)、及び側面図(c)である。図7はコモンバスバー40bの形状を示す斜視図(a)、平面図(b)、及び側面図(c)である。以下図4から図7を参照して本形態のバスバー40の形状および配置構成について説明する。
上でも述べたように、本形態のステータ10は、異なるスロット20に配置される同相のコイルを接続するスロット間バスバー40aと、中性点を構成するコモンバスバー40bとを有している。これらバスバー40はいずれも、コイル線311,321,331の端部が接合される接続部41と、ステータ10の周方向に沿って延びるバー部42とを有している。バー部42はステータ保持部50の封止部51に樹脂封止されている。
本形態のバスバー40はいずれも板状の導電体であり、これらバスバー40はその板面を側方に向けて配置されている。これによりバー部42の配置に要する径方向の空間が小さく抑えられている。
バー部42はステータ10の周方向に沿うように直線状に折り曲げられた屈折部43を有している。図5(a)に示すように、これらバスバー40はその全体として、スロット20の数(6つ)を角数とする六角形を構成するように配置されている。つまり本形態の各屈折部43の角度はいずれも60度である。本形態のステータ10は、バスバー40がその全体として多角形状に配置され、さらにその角数がスロット20の数と同じであることにより、各バスバー40の長さや屈折部43の位置・数等、バスバー40の形状に共通の規則をもたせることが容易となっており、バスバー40の形状の種類が少なく抑えられている。本形態の3つのスロット間バスバー40aは共通の部品で構成されている。
図6に示すように、スロット間バスバー40aは、その長さ方向(ステータ10の周方向に沿う方向。コモンバスバー40bについても同じ。)の両端に接続部41が設けられている。以下、これら2つの接続部40を区別するため、一方を接続部41a、他方を接続部41bという。そして、スロット間バスバー40aのバー部42には、その長さ方向における中途でバー部42の上下方向の位置を段状に変化させる段部423が設けられている。より具体的には、バー部42は上段バー421と下段バー422とを有しており、これらは段部423により段状に接続されている。接続部41aは上段バー421の端部に設けられ、接続部41bは下段バー422の端部に設けられている。段部423は、バー部42の長さ方向において接続部41aよりも接続部41bに寄った位置に設けられており、バー部42は下段バー422よりも上段バー421の方が長い。また、スロット間バスバー40aには屈折部43が2箇所設けられているが、これら屈折部43はどちらも上段バー421に設けられている。
図7に示すように、本形態のコモンバスバー40bはスロット間バスバー40aよりもその全長が長く、4つの屈折部43と3つの接続部41を有している。コモンバスバー40bのバー部42にも、その長さ方向における両端と略中心に段部423が設けられている。コモンバスバー40bの接続部41はすべて下段バー422に設けられており、その長さ方向における配置は段部423の配置と同じである。また、コモンバスバー40bは上段バー421がコモンバスバー40bの全長に及んでおり、この意味で、コモンバスバー40bの段部423はバー部42の上下方向におえる位置を変化させるというよりも、バー部42の上下方向の幅を変化させるような態様となっている。
バスバー40を平面視したときに、各スロット間バスバー40aは、上段バー421の一部がこれに隣接するスロット間バスバー40aの下段バー422と重なるように配置されている(図4及び図5(a)参照)。つまり各スロット間バスバー40aは、その上段バー421および下段バー422が、その隣接するスロット間バスバー40aの上段バー421および下段バー422と上下に並べて配置されている。本形態のステータ10は、各スロット間バスバー40aのバー部42の上下方向の位置をその長さ方向の中途で変化させ、バー部42をその隣接するスロット間バスバー40aのバー部42と上下に並べて配置することにより、各バスバー40の接続部41の径方向への折曲げの自由度が高くなっており、また、バー部42の配置に要する径方向の空間が小さく抑えられている。
また、スロット間バスバー40aはそれぞれ、その上段バー421の少なくとも一部が、コモンバスバー40bの上段バー421と上下方向における位置を揃えて径方向に並べて配置されている。より具体的には、コモンバスバー40bは、その上段バー421および下段バー422の上下方向における位置をスロット間バスバー40aの上段バー421および下段バー422の位置と揃えて、これらスロット間バスバー40aが形成する六角形の内側に屈折部43の位置を揃えて配置されている。コモンバスバー40bの各接続部41は各スロット間バスバー40aの上段バー421の下を通って封止部51の外に突き出している。各スロット間バスバー40aの上段バー421が下段バー422よりも長く形成されているのはこのためである。
そして、本形態のステータ10では、ステータ10の周方向における各位置において、上下方向の位置を揃えて径方向に並べて配置されるバスバー40の数は最大で2とされている。径方向に並べて配置されるバスバー40の数を最大で2とすることにより、バー部42の配置に要する径方向の空間の肥大化が抑えられるとともに、バスバー40の間に挟まれるバスバー40が存在しないことから、各バスバー40の過熱が防止されている。
[バスバーの位置決め構造]
図8は、バスバー保持部50を成形した際に形成されるピン穴53の位置を示す下面図(a)、及び、使用される金型ピンの種類(第1金型ピン60,第2金型ピン70)を示す透視下面図(b)である。図9は第1金型ピン60の構造を示す斜視図(a)及びその使用状態を示す透視平面図(b)である。以下、図8及び図9を参照してバスバー40の位置決め構造について説明する。
バスバー保持部50は樹脂製の部材であり、インサート成形により各バスバー40のバー部42を封止している。一般に、バスバーをインサート成形により樹脂封止する場合、成形時に金型内を流動する樹脂にバスバーが圧迫され、バスバーの位置が乱れることがある。特に複数のバスバーをインサート成形する場合には、バスバー同士が絶縁されるようこれらの間に十分な距離を確保しなければならない。特に本形態のバスバー保持部50は、上でも述べたように封止部51が小型化されているため、狭い体積で高い集積率と安全な絶縁距離とを両立させる必要がある。
本形態のバスバー保持部50を成形する時には、各バスバー40は金型のピンで支持される。その結果、図8(a)に示すように、成形されたバスバー保持部50の下面にはピン穴53が形成される。尚、本形態のピン穴53は凹部でありバスバー保持部50を貫通していないが、これを貫通させてもよい。その場合、バスバー保持部50の上下面にピン穴53が形成されることとなる。
図8(b)に示すように、本形態のピン穴53は、基本的に各バスバー40の屈折部43の側方に隣接する位置に形成されている。より具体的には、バスバー40がその全体として形成する六角形のうち、コモンバスバー40bのバー部42が届く5つの角部において、スロット間バスバー40aとコモンバスバー40bとに挟まれる位置にピン穴53が形成されている。ピン穴53からは、そのピン穴53に隣接するバスバー40の板面の一部が露出している。また、詳しくは後段で説明するが、一部のピン穴53からはバスバー40の下面の一部も露出している。
本形態のステータ10は、バスバー40の屈折部43に隣接してピン穴53が形成されていることにより、つまり、各バスバー40の屈折部43の位置を基準としてこれを金型のピンで支えることにより、金型に対してバスバー40を比較的容易に、かつ正確に位置決めすることができる。また、バスバー40の接続部41はバスバー保持部50の外に配置されている。この接続部41と屈折部43とを金型で支持することにより、樹脂の流動によるバスバー40の位置ずれを抑えることができる。特に、本形態ではスロット間バスバー40aとコモンバスバー40bとの間にピン穴53が設けられていることにより、つまりこれらバスバー40の間に金型のピンが配置されることにより、流動する樹脂にバスバー40が圧迫されても、その間隔がピンによって構造的に維持される。さらに、上でも述べたように、本形態のバスバー40はその板面を側方に向けて配置された板状の導電体である。一般に、板状のバスバーを樹脂封止する場合、バスバーはその小口よりも板面で樹脂の圧力を受けることとなる。つまり板状のバスバーはその板厚方向に位置ずれしやすい。本形態では各バスバー40の板面が金型のピンで支持されるため、バスバー40の位置の乱れが効果的に抑えられている。
本形態のステータ10では、バスバー40の支持に2種類の金型ピンを用いている。一つは各バスバー40の上下方向位置と径方向位置を定める第1金型ピン60である。もう一つは各バスバー40の径方向位置のみを定める第2金型ピン70である。図8(b)に示すように、これら第1金型ピン60及び第2金型ピン70はステータ10の周方向に沿って交互に配置されている。
図9(a)(b)に示すように、第1金型ピン60はその周面の一部が平面状に切り欠かれることで形成されたDカット面61を有している。Dカット面61の下にはコモンバスバー40bの接続部41が載置される下段バー支持面62が形成されている。また、Dカット面61の上には、スロット間バスバー40a及び/又はコモンバスバー40bの上段バー421が載置される上段バー支持面63が設けられている。上段バー支持面63の中央からは、上段バー支持面63の直径よりも小径の軸体であるバー間隔維持ピン64が上方に延びている。バー間隔維持ピン64はスロット間バスバー40aとコモンバスバー40bの板面に挟まれる位置に延出している。
一方、第2金型ピン70は第1金型ピン60でいうところのバー間隔維持ピン64のみで構成されている。そのため、第2金型ピン70のピン穴53からはバスバー40の板面の一部のみが露出しており、第1金型ピン60のピン穴53からは、バスバー40の板面の一部に加え、下段バー支持面62と上段バー支持面63に載置されるバスバー40の下面の一部も露出している。
また、上でも述べたように本形態のピン穴53は凹部であり、バスバー保持部50はその下面をスロット20に被せるようにねじ固定されている(図1参照)。これによりピン穴53やピン穴53内のバスバー40の露出部は隠されており、これが外部に晒されていることによる不具合が防止されている。
このように、本形態のステータ10では、各バスバー40の屈折部43の位置を基準として、第1金型ピン60及び第2金型ピン70によりこれらの上下方向の位置と径方向の位置が固定される。これにより樹脂の流動によるバスバー40の位置ずれが防止され、また、封止部51の狭い体積における高い集積率と安全な絶縁距離の確保とが両立されている。
[コイル線の退避構造]
図10は、スロット20の構造を示す斜視図(a)、及びスロット20が有するステータコア21の形状を示す斜視図(b)である。図11は、ステータ10の組み立て時におけるコイル線331の退避方法を示す斜視図である。以下、図10及び図11を参照してコイル線の退避構造について説明する。
図10に示すように、本形態のスロット20は、磁性材であるステータコア21と、絶縁材料からなるインシュレータ22とにより構成されている。ステータコア21は、ステータ10の内周側に設けられたティース部211と、外周側に設けられたヨーク部212とを有している。インシュレータ22は上下に分割される上側インシュレータ22aと下側インシュレータ22bにより構成されており、これら上側インシュレータ22aと下側インシュレータ22bとをステータコア21に対して上下から装着し、そのコイル線巻回部223にコイル線を巻くことで、ステータコア12と三相コイル30とが絶縁される。
上側インシュレータ22aの上面には、スロット20の外部に連通する一対の溝部である第2スリット221が形成されている。また、これら第2スリット221の間には、バスバー保持部50のフランジ部52がねじ固定されるねじ穴222が形成されている。
一方、図1や図8(a)に示すように、バスバー保持部50のフランジ部52には、三相コイル30のコイル線を通す複数の穴であるコイル穴54が形成されており、これらコイル穴54の一部には、コイル穴54からフランジ部52の外周縁まで径方向に連続する切欠きである第1スリット55が形成されている。また、フランジ部52の外周縁にはインシュレータ22とねじ固定される接合部であるねじ穴56が形成されている。ねじ穴56は、バスバー保持部50の周方向に沿って、第1スリット55と交互に設けられている。これは、第1スリット55によって分割されたフランジ部52の各部を全てインシュレータ20にねじ固定し、駆動時にこれらがばたつくことを防ぐためである。
図11に示すように、フランジ部52のコイル穴54及び第1スリット55と、上側インシュレータ22aの第2スリット221とは連続している。かかる構成により本形態のステータ10は、スロット20にバスバー保持部50を取り付ける際に、コイル線(図11の例ではコイル線331)を一度インシュレータ20の外(ステータ10の径方向外側)に退避させた状態でバスバー保持部50を取り付け、その後にコイル線331をコイル穴54に戻してこれをバスバー40の接続部41に接合することができる。これよりステータ10の組立作業を効率的に行うことができる。尚、本形態ではコイル穴54の半数にしか第1スリット55が設けられていないが、全てのコイル穴54に対して第1スリット55を設けることもできる。この場合、第1スリット55によって分割されたフランジ部52の一部がねじ固定されないため、別途ばたつきによる騒音を防止する対策をとることが望ましい。
[ケース体との絶縁構造]
図12はケース体19に収容されたステータ10を示す模式図である。本形態のステータ10は、スロット20(及びこれに巻回された三相コイル30)、バスバー40、並びにバスバー保持部50が、導電性材料からなるケース体19に収容される。例えば各コイルのコイル線をステータの外周面に回して結線する場合、その結線部分とケース体の内面とを別途何らかの手段で絶縁する必要がある。このような構成のステータに比べ、本形態のステータ10はバスバー40がスロット20の上に配置されるため、ケース体19の内面とバスバー40やコイル線との距離を長く確保することができる。特に、本形態のステータ10は、樹脂封止されたバスバー40でコイル線を結線することができるため、ステータ10の信頼性や組立性が高い。また、バスバー保持部50の封止部51がステータ10の内径側に寄せられていることによって、ケース体19の内面とバスバー40との距離がさらに長く確保されている。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態では6つのスロット20を備えるステータ10の例を挙げたが、6以上の3の倍数個のスロットを備えるステータであれば本発明を適用することができる。また、上記実施形態では三相コイル30がY結線されている例のみを挙げたが、三相コイル30はデルタ結線されてもよい。その場合はコモンバスバー40bに代えて他相間のコイルを電気的に接続するバスバーを別途用意すればよい。また、上記実施形態では、金型に対してバスバー40を容易かつ正確に位置決めすること、またバスバー40の加工も容易であることから、バー部42を平板部と屈折部43とで構成し、その屈折部43の位置を基準として金型のピンを配置しているが、バスバー40の位置決めや加工性が問題とならないのであれば、ステータ10の周方向に沿って湾曲するように延びるバスバーを用いてもよい。また、上記実施形態では板状のバスバー40を用いているが、硬質の導電体であれば丸棒や角棒のバスバーを用いることも可能である。
10:ステータ,A:ステータの軸線,11:ねじ,19:ケース体,20:スロット,21:ステータコア,211:ティース部,212:ヨーク部,22:インシュレータ,22a:上側インシュレータ,22b:下側インシュレータ,221:第2スリット,222:ねじ穴,223:コイル線巻回部,30:三相コイル,31:U相コイル,311:U相コイル線,32:V相コイル,321:V相コイル線,33:W相コイル,331:W相コイル線,40:バスバー,40a:スロット間バスバー,40b:コモンバスバー,41,41a,41b:接続部,42:バー部,421:上段バー,422:下段バー,423:段部,43:屈折部,50:バスバー保持部,51:封止部,52:フランジ部,53:ピン穴,54:コイル穴,55:第1スリット,56:ねじ穴(接合部),60:第1金型ピン,61:Dカット面,62:下段バー支持面,63:上段バー支持面,64:バー間隔維持ピン,70:第2金型ピン

Claims (8)

  1. 三相のコイルと6以上のスロットとを備える環状のステータであって、
    硬質の導電体である複数のバスバーを有し、
    異なる前記スロットに配置される同相の前記コイルは、それぞれ前記バスバーを介して電気的に接続され、
    前記複数のバスバーはそれぞれ、
    前記コイルが接続される接続部と、
    前記ステータの周方向に沿って湾曲または屈折するように延びるバー部と、を有し、
    前記ステータの軸線方向に沿う方向を上下とし、前記ステータの軸線に直交する方向を側方または径方向、前記バー部の前記周方向の寸法を該バー部の長さというときに、
    前記複数のバスバーは前記スロットの上または下に配置され、
    前記バー部は、その長さ方向における中途で該バー部の上下方向の位置または幅を変化させる段部を有しており、
    いずれかの前記バスバーは、前記バー部の少なくとも一部が、該バー部を上または下から見たときに他の前記バスバーの位置と重なるように、該他のバスバーと上下に並べて配置されていることを特徴とするステータ。
  2. 前記コイルはY結線され、
    前記複数のバスバーは、異なる前記スロットに配置される同相の前記コイルを接続するスロット間バスバーと、中性点を構成するコモンバスバーと、を含み、
    前記スロット間バスバーはそれぞれ、その少なくとも一部が、前記コモンバスバーと上下方向における位置を揃えて径方向に並べて配置されており、
    前記ステータの周方向における各位置において、上下方向の位置を揃えて径方向に並べて配置される前記バスバーの最大数は2であることを特徴とする請求項1に記載のステータ。
  3. 前記各バスバーは板状の導電体であり、前記各バスバーはその板面を側方に向けて配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のステータ。
  4. 前記バー部は、前記ステータの周方向に沿うように直線状に折り曲げられた屈折部を有し、
    前記複数のバスバーは、その全体として、前記ステータの周方向に沿って前記スロットの数を角数とする多角形状を構成するように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のステータ。
  5. 前記各バスバーの前記バー部を樹脂封止するバスバー保持部を有し、
    前記バスバー保持部は、前記複数のバスバーが封止された筒形状の封止部と、該封止部からその径方向外側に鍔状に拡がったフランジ部と、を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のステータ。
  6. 前記各スロットは、磁性材であるステータコアと、絶縁材料からなるインシュレータと、により構成され、
    前記フランジ部には前記コイルのコイル線を通す複数の穴であるコイル穴が形成されており、
    前記コイル穴の少なくとも一部には、該コイル穴から前記フランジ部の外周縁まで径方向に連続する切欠きである第1スリットが形成され、
    前記インシュレータの外面のうち前記ステータの外周面を構成する面には、前記第1スリットから連続する切欠きである第2スリットが形成されていることを特徴とする請求項5に記載のステータ。
  7. 前記フランジ部は前記インシュレータと接合される複数の接合部を有し、
    前記接合部は、前記ステータの周方向に沿って、前記第1スリットと交互に設けられていることを特徴とする請求項6に記載のステータ。
  8. 前記コイル、前記スロット、及び前記バスバーは導電性材料からなるケース体に収容されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のステータ。

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