JP2022149567A - 熱可塑性エラストマー組成物、成形体、インストルメントパネル用表皮及び、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物、成形体、インストルメントパネル用表皮及び、熱可塑性エラストマー組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】凸引き真空成形における優れたシボ保持性とフォギング性とを両立する熱可塑性エラストマー組成物を提供する。【解決手段】下記成分(A)~(D)が、下記成分(E)の存在下で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体成分(C):オレフィン系樹脂成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤成分(E):有機過酸化物【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関する。詳しくは、本発明は、凸引き真空成形における優れたシボ保持性とフォギング性とを両立する熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、該熱可塑性エラストマー組成物を含むインストルメントパネル用表皮及び熱可塑性エラストマー組成物の製造方法に関する。
従来、インストルメントパネルの高級感を付与するために、インストルメントパネル用表皮に使用される自動車内装シートの表面に装飾模様加工を施した成形体、例えば、予めシボが付与されたシート(シボ付きシート)を凸引き真空成形することで得られる成形体が用いられている。
近年では、自動車部品の軽量化、リサイクル性、易焼却性等の環境問題のニーズ、耐熱性、耐寒性、耐熱老化性、耐光性、臭気、見た目の安物感を解消するため、このようなシート材料として、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(以下、単に「TPO」と略記する場合がある。)が実用されている。
このような自動車内装シートに使用し得るTPOの例として、オレフィン系共重合ゴム、オレフィン系共重合体および結晶性パラフィンを含んでなる組成物をエラストマー層とするシート状成形体が開示されている。例えば、ブロック共重合体樹脂成分として、スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体と、スチレン・エチレン・ブテン・スチレン共重合体又はスチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体とを含む樹脂成分と、非芳香族系ゴム用軟化剤と、ポリプロピレン系樹脂と有機過酸化物と架橋助剤とを含有する加飾成形用表皮材用熱可塑性エラストマー組成物が知られている(特許文献1)。
特開2015-48367号公報
しかしながら、従来の熱可塑性エラストマー組成物からなるシボ付きシートを凸引き真空成形した場合、予めシートに付与したシボ模様が浅くなることがあったり、成形体に皺が入り外観不良となることがあった。加えて、インストルメントパネル用途では、フロントガラスの曇り防止のため、一定以上のフォギング性も求められる。
特許文献1に記載の加飾成形用表皮材用熱可塑性エラストマー組成物は、真空成形時のシボ保持性を良化させているが、フォギング性との両立の観点で、改良の余地のあるものであった。
本発明の目的は、上記の従来品における課題を解決し、凸引き真空成形における優れたシボ保持性とフォギング性とを両立する熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと、スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体と、オレフィン系樹脂と、炭化水素系ゴム用軟化剤を有機過酸化物の存在下で架橋させてなる熱可塑性エラストマー組成物が、凸引き真空成形における優れたシボ保持性とフォギング性とを両立する熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮を実現できることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は以下の特徴を有する。
[1] 下記成分(A)~(D)が、下記成分(E)の存在下で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
成分(C):オレフィン系樹脂
成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(E):有機過酸化物
[2] 成分(A)が非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が100,000以上400,000以下であり、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が300,000以上1,000,000以下である、[1]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[3] 成分(B)の重量平均分子量が200,000以上500,000以下である、[1]又は[2]に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[4] 成分(A)~(D)の合計100質量部に対し、成分(D)を5~40質量部含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
[5] 更に下記成分(F)の存在下で架橋されてなる、[1]~[4]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
成分(F):架橋助剤
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる射出成形体。
[8] [1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる押出成形体。
[9] [1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を含む樹脂組成物よりなる凸引き真空成形体。
[10] [1]~[5]のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物を含む樹脂組成物よりなるインストルメントパネル用表皮。
[11] 下記成分(A)~(D)を、下記成分(E)の存在下で架橋する工程を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
成分(C):オレフィン系樹脂
成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(E):有機過酸化物
[12] 更に下記成分(F)の存在下で架橋する、[11]に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
成分(F):架橋助剤
本発明によれば、凸引き真空成形における優れたシボ保持性とフォギング性とを両立する熱可塑性エラストマー組成物、該熱可塑性エラストマー組成物を成形してなる成形体、及び、該熱可塑性エラストマー組成物からなるインストルメントパネル用表皮を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の内容に限定されない。
本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後に記載される数値あるいは物性値を含む意味で用いることとする。また、上限、下限として記載した数値あるいは物性値は、その値を含む意味で用いることとする。
〔熱可塑性エラストマー組成物〕
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、下記成分(A)~(D)が、下記成分(E)の存在下で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物である。
成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
成分(C):オレフィン系樹脂
成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤
成分(E):有機過酸化物
[成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム]
本発明に用いる成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、共重合成分として、エチレンとプロピレンと非共役ジエン化合物とを含有する共重合体ゴムである。エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムには、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤との混合物(以下、「油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム」と称することもある。)である油展タイプのものと、炭化水素系ゴム用軟化剤を含まない非油展タイプのものがあり、本実施形態では非油展タイプを含むことが好ましいが、油展タイプのものも好適に用いることができる。すなわち、本発明において、成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、油展タイプと非油展タイプのいずれでも使用可能であり、非油展タイプのもの又は油展タイプのものの1種類のみを単独で用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いてもよく、油展タイプの1種又は2種以上と非油展タイプの1種又は2種以上とを任意の組み合わせ及び比率で用いることもできる。
なお、ここで、成分(A)が油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムである場合、この油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤は、成分(D)としての炭化水素系ゴム用軟化剤に含まれるものである。
成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける非共役ジエン単位としては、ジシクロペンタジエン単位、1,4-ヘキサジエン単位、シクロオクタジエン単位、メチレンノルボルネン単位、エチリデンノルボルネン単位、ビニリデンノルボルネン単位等が挙げられる。これらの中でもエチリデンノルボルネン単位及び/又はビニリデンノルボルネン単位が含まれていると、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに適度な架橋構造を与えることができるために好ましい。以上に挙げた非共役ジエン単位は、これらの1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおけるエチレン単位の含有率は、特に限定されないが、成分(A)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは50質量%以上であり、より好ましくは55質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上である。一方、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下であり、更に好ましくは80質量%以下である。エチレン単位の含有率が上記範囲であると適度な柔軟性を付与し易くなる。
また、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおけるプロピレン単位の含有率は、成分(A)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは9質量%以上であり、より好ましくは12質量%以上である。一方、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは37質量%以下である。プロピレン単位の含有率が上記範囲であると適度な柔軟性を付与し易くなる。
更に、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける非共役ジエン単位の含有率は、成分(A)を構成する単量体単位の合計100質量%に対し、好ましくは1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上である。一方、好ましくは10質量%以下であり、より好ましくは8質量%以下である。非共役ジエン単位の含有率が上記下限値以上であると熱可塑性エラストマー組成物の架橋度を高める観点から好ましく、また、上記上限値以下であると成形性の観点から好ましい。
なお、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおける各構成単位の含有率は赤外分光法により求めることができる。
成分(A)のうち、非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法(GPC法)によるポリプロピレン換算の重量平均分子量は、異物の発生を抑え、得られる成形体の外観を良好なものとする観点から、好ましくは400,000以下であり、より好ましくは380,000以下であり、更に好ましくは350,000以下である。また、シボ保持性の観点から、好ましくは100,000以上であり、より好ましくは120,000以上であり、更に好ましくは150,000以上である。
一方で、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのGPC法によるポリプロピレン換算の重量平均分子量は、炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードアウト防止の観点から、好ましくは300,000以上であり、より好ましくは350,000以上であり、更に好ましくは400,000以上である。また、得られる成形体の外観の観点から、好ましくは1,000,000以下であり、より好ましくは900,000以下であり、更に好ましくは800,000以下である。
成分(A)におけるエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのGPC法による重量平均分子量の測定条件は以下の通りである。
機器:WAters製液体クロマトグラム用RI検出器「WATERS150C」
カラム:ShodexAD806MS×3(8.0mm内径×300mm長さ)
検出器:IR(分散型、3.42μm)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:200μL
濃度:10mg/mL
較正試料:多分散標準ポリエチレン
較正法:MArk-Houwink式を用いてポリプロピレン換算
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに用いられる炭化水素系ゴム用軟化剤としては、鉱物油系軟化剤、合成樹脂系軟化剤等が挙げられるが、他の成分との親和性の観点から、鉱物油系軟化剤が好ましい。鉱物油系軟化剤は、一般的に、芳香族炭化水素、ナフテン系炭化水素及びパラフィン系炭化水素の混合物であり、全炭素原子の50%以上がパラフィン系炭化水素であるものがパラフィン系オイル、全炭素原子の30~45%がナフテン系炭化水素であるものがナフテン系オイル、全炭素原子の35%以上が芳香族系炭化水素であるものが芳香族系オイルと各々呼ばれている。これらの中でも、パラフィン系オイルが好ましい。なお、炭化水素系ゴム用軟化剤は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムにおいて、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤の含有割合は、[エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの質量]/[炭化水素系ゴム用軟化剤部の質量]が、通常100/10~150であり、好ましくは100/20~120である。
成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた重合方法が挙げられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒、メタロセン系錯体や非メタロセン系錯体の錯体系触媒を用いた、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法で製造することができる。
本発明において用いる成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのうち、非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム、即ち、油展されていないエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、125℃)は、通常10~100以下であり、好ましくは15~95である。
一方、油展エチレン・プロピレン・共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4、125℃)は、通常20~100以下であり、好ましくは30~90である。
成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムのムーニー粘度が上記下限以上であれば、得られる成形体の外観が良好となり、上記上限以下であると成形性が良好となる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを製造する方法(油展方法)としては公知の方法を用いることができる。例えば、ミキシングロールやバンバリーミキサーを用い、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤を機械的に混練して油展する方法、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに所定量の炭化水素系ゴム用軟化剤を添加し、その後スチームストリッピング等の方法により脱溶媒する方法、クラム状のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムと炭化水素系ゴム用軟化剤の混合物をヘンシェルミキサー等で撹拌して含浸させる方法が挙げられる。
成分(A)のエチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムは、市販品として入手することが可能である。非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの例としては、JSR社製JSR EPR、三井化学社製三井EPT、住友化学社製エスプレン(登録商標)、LANXESS社製Keltan(登録商標)、ダウ・ケミカル社製Engage(登録商標)、ダウ・ケミカル社製NORDEL(登録商標)、三井化学社製タフマー(登録商標)が挙げられる。
油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの例としては、JSR社製JSR EPR、三井化学社製三井EPT、住友化学社製エスプレン(登録商標)、LANXESS社製Keltan(登録商標)、KUMHO POLYCHEM社製KEPが挙げられる。
[成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に用いられる成分(B)は、スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体(以下、「水添共重合体」と称す場合がある。)である。
ここで「主体とする」とは、当該重合体ブロック中に通常50質量%以上、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80~100質量%含まれていることをさす。
成分(B)のポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量は、シボ保持性とフォギング性を良好なものとできることから、その下限は200,000以上が好ましく、250,000以上がより好ましく、390,000以上が更に好ましい。一方、外観の観点から、その上限は500,000以下が好ましく、470,000以下がより好ましい。
成分(B)におけるGPC法による重量平均分子量の測定条件は以下の通りである。
機器:WAters製液体クロマトグラム用RI検出器「WATERS150C」
カラム:ShodexAD806MS×3(8.0mm内径×300mm長さ)
検出器:IR(分散型、3.42μm)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:200μL
濃度:10mg/mL
較正試料:多分散標準ポリエチレン
較正法:MArk-Houwink式を用いてポリプロピレン換算
スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体の具体例としては、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体等を挙げることができる。本発明において、特に好ましい水添ブロック共重合体は、スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体である。
成分(B)におけるスチレンを主体とする重合体ブロックの含有率は、通常3質量%以上70質量%以下である。スチレンを主体とする重合体ブロックの含有率が上記下限以上であれば、熱可塑性エラストマー組成物の機械的強度や耐熱性に優れる傾向にある。スチレンを主体とする重合体ブロックの含有率が上記上限以下であれば、柔軟性を維持し得ると共に、炭化水素系ゴム用軟化剤のブリードを抑制しやすい傾向にある。
スチレンを主体とする重合体ブロックの含有率の下限としては、4質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。一方、スチレンを主体とする重合体ブロックの含有率の上限は、50質量%以下が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
成分(B)の水添ブロック共重合体は市販品として入手することができる。例えばクラレ(株)製「セプトン(登録商標)」シリーズから該当品を選択して用いることができる。
成分(B)の水添ブロック共重合体は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
[成分(C):オレフィン系樹脂]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(C)は成形性に寄与する。
本発明に用いる成分(C)のオレフィン系樹脂としては、プロピレン系樹脂、エチレン系樹脂が挙げられ、中でもプロピレン系樹脂が好適である。プロピレン系樹脂としては、全単量体単位に対するプロピレン単位の含有率が50質量%よりも多いプロピレン系樹脂が好ましく、プロピレン単位の含有率は60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることが更に好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。プロピレン系樹脂のプロピレン単位の含有率が上記下限値以上であることにより、耐熱性及び剛性が良好となる傾向にある。一方、上限については特に制限されず、通常100質量%である。なお、プロピレン系樹脂のプロピレン単位の含有率は、赤外分光法により求めることができる。
成分(C)のプロピレン系樹脂としては、その種類は特に制限されず、プロピレン単独重合体、プロピレンランダム共重合体、プロピレンブロック共重合体等のプロピレン共重合体等いずれも使用することができる。成分(C)のプロピレン系樹脂は、これらの1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
成分(C)がプロピレンランダム共重合体である場合、プロピレンと共重合する単量体としては、エチレン、1-ブテン、2-メチルプロピレン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテンを例示することができる。また、成分(C)がプロピレンブロック共重合体である場合、多段階で重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられ、より具体的には、第一段階でポリプロピレンを重合し、第二段階でプロピレン・エチレン共重合体を重合して得られるプロピレンブロック共重合体が挙げられる。
成分(C)の230℃、荷重21.2Nでのメルトフローレート(MFR)は通常、0.05g/10分以上であり、流動性の観点から、好ましくは0.1g/10分以上であり、より好ましくは0.5g/10分以上である。一方、成分(C)のMFRは、通常100g/10分以下であり、成形性の観点から、好ましくは70g/10分以下であり、より好ましくは50g/10分以下であり、易破断性の観点から、更に好ましくは30g/10分以下であり、特に好ましくは10g/10分以下である。
成分(C)のプロピレン系樹脂の製造方法としては、公知のオレフィン重合用触媒を用いた重合方法が用いられる。例えば、チーグラー・ナッタ系触媒を用いた多段重合法を挙げることができる。この多段重合法には、スラリー重合法、溶液重合法、塊状重合法、気相重合法等を用いることができ、これらを2種以上組み合わせて製造してもよい。
また、成分(C)のプロピレン系樹脂は市販の該当品を用いることも可能である。市販のプロピレン系樹脂としては下記に挙げる製造者等から調達可能であり、適宜選択することができる。入手可能な市販品としては、プライムポリマー社のPrimPolypro(登録商標)、住友化学社の住友ノーブレン(登録商標)、サンアロマー社のポリプロピレンブロックコポリマー、日本ポリプロ社のノバテック(登録商標)PP、LyondellBasell社のMoplen(登録商標)、ExxonMobil社のExxonMobilPP、FormosAPlAstics社のFormolene(登録商標)、BoreAlis社のBoreAlisPP、LGChemical社のSEETECPP、A.SchulmAn社のASIPOLYPROPYLENE、INEOSOlefins&Polymers社のINEOSPP、Braskem社のBraskemPP、SAMSUNGTOTALPETROCHEMICALS社のSumsungTotal、Sabic社のSabic(登録商標)PP、TOTALPETROCHEMICALS社のTOTALPETROCHEMICALSPolypropylene、SK社のYUPLENE(登録商標)等がある。
成分(C)のエチレン系樹脂は、特に限定されず、エチレン単独重合体、エチレン系樹脂(エチレン単位と他の単量体単位とのブロック共重合体又はランダム共重合体)等、いずれであっても使用することができる。
ここで、エチレン系樹脂は、エチレン単位の含有率が50質量%以上であるものを意味する。
成分(C)のエチレン系樹脂がエチレン系樹脂である場合、エチレンと共重合する他の単量体としては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘプテン等の炭素数3~20のα-オレフィン;1,4-ペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカンジエン、3,6-ジメチル-1,7-オクタジエン、4,5-ジメチル-1,7-オクタジエン、5-メチル-1,8-ナノジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、2,5-ノルボルナジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ナノジエン等の非共役ポリエンが挙げられるが、これらに特に限定されない。これらの他の共重合成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
エチレン系樹脂としては、エチレン単独重合体、エチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。
エチレン系樹脂は、密度の観点で、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンプラストマー、エチレンエラストマーに分類できる。この中でも、柔軟性の観点から直鎖低密度ポリエチレンが好ましい。
成分(C)のエチレン系樹脂は、メルトフローレート(MFR;ASTM D1238、230℃、荷重21.2N)が0.1~13g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.1~12g/10分である。このようなMFRを有する成分(C)のエチレン系樹脂を使用することにより、熱可塑性エラストマー組成物の流動性が増し、シート化しやすくなるためインストルメントパネル等の用途に好適に用いることができる。
成分(C)のエチレン系樹脂は市販の該当品を用いることも可能である。市販のエチレン系樹脂としては下記に挙げる製造者等から調達可能であり、適宜選択することができる。入手可能な市販品としては、日本ポリエチレン社製ノバテック(登録商標)シリーズ、旭化成ケミカルズ社製クレオレックス(登録商標)シリーズ、JSR社製のJSR EP、三井化学社製の三井EPT(登録商標)、住友化学社製のエスプレン(登録商標)、ARLANXEO社製のKeltan(登録商標)、サウディ石油化学株式会社製のQAMAR(登録商標)がある。
成分(C)のオレフィン系樹脂は、1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
[成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、得られる熱可塑性エラストマー組成物を軟化させ、柔軟性と弾性を増加させるとともに、得られる熱可塑性エラストマー組成物の加工性、流動性を向上させるために、成分(D)として炭化水素系ゴム用軟化剤を含む。
成分(D)の炭化水素系ゴム用軟化剤は、成分(D)の油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤と同様のものが使用できる。ただし、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムに含まれる炭化水素系ゴム用軟化剤と成分(D)として添加される炭化水素系ゴム用軟化剤とは同一のものである必要はなく、異なるものであってもよい。
成分(D)の炭化水素系ゴム用軟化剤の40℃における動粘度は、20センチストークス(cSt)以上であることが好ましく、50cSt以上であることがより好ましく、一方、800cSt以下であることが好ましく、600cSt以下であることがより好ましい。また、炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上がより好ましい。
成分(D)の炭化水素系ゴム用軟化剤は1種類のみを単独で、又は2種類以上を任意の組み合わせ及び比率で用いることができる。
[成分(E):有機過酸化物]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(E)の有機過酸化物で架橋されている。本発明の熱可塑性エラストマー組成物において、成分(E)の有機過酸化物は動的熱処理において架橋剤として作用する。
成分(E)の有機過酸化物としては、芳香族系有機過酸化物及び脂肪族系有機過酸化物のいずれも使用することが可能である。具体的には、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3-ヘキシン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキシド類;t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)-3-ヘキシン等のパーオキシエステル類;アセチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、p-クロロベンゾイルパーオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキシド等のヒドロパーオキシド類が挙げられる。これらの中でも、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。なお、以上に挙げた有機過酸化物は1種類のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[成分(F):架橋助剤]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を製造する際には、前記成分(E)の有機過酸化物と共に成分(F)の架橋助剤の存在下で動的熱処理を行うことが好ましい。
架橋助剤としては、例えば、硫黄、p-キノンジオキシム、p-ジニトロソベンゼン、1,3-ジフェニルグアニジン等の過酸化物用助剤;ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。これらは1種のみで用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[配合割合]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の原料の配合割合について以下に説明する。なお、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は成分(A)~(D)を含む組成物を成分(E)の存在下で、好ましくは動的熱処理することにより架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物であり、以下に説明する各成分の配合割合は動的熱処理を行う前の仕込み量を意味するものである。
成分(A)の含有率は、成分(A)~(D)の合計100質量%に対し、柔軟性の観点から好ましくは10質量%以上であり、より好ましくは15質量%以上である。また、成形加工性の観点から、好ましくは45質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。
成分(B)の含有率は、成分(A)~(D)の合計100質量%に対し、シボ保持性の観点から、好ましくは5質量%以上である。一方、フォギング性の観点から好ましくは40質量%以下であり、より好ましくは30質量%以下である。
成分(C)の含有率は、成分(A)~(D)の合計100質量%に対し、成形加工性の観点から、好ましくは10質量%以上である。一方、柔軟性の観点から好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下である。
成分(D)の含有量は、成分(A)~(D)の合計100質量部に対し、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、更に好ましくは20質量部以上である。一方、好ましくは75質量部以下であり、より好ましくは60質量部以下であり、更に好ましくは40質量部以下である。成分(D)の含有量が上記下限値以上であると柔軟性や成形加工性が良好となる傾向にあり、上記上限値以下であると成形し易くなる傾向にある。なお、成分(A)として油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムを用いた場合、前述の通り、成分(A)中の炭化水素系ゴム用軟化剤は成分(D)としての炭化水素系ゴム用軟化剤に含まれる。
成分(E)の有機過酸化物の使用量は、架橋反応を十分に進行させるため、成分(A)~(D)の合計100質量部に対し、好ましくは0.05質量部以上であり、より好ましくは0.1質量部以上であり、更に好ましくは0.3質量部以上である。一方、架橋反応を制御する観点から、好ましくは5.0質量部以下であり、より好ましくは4.0質量部以下であり、更に好ましくは3.0質量部以下である。
成分(F)の架橋助剤を使用する場合、成分(F)は、成分(A)~(D)の合計100質量部に対し、通常0.01~4.0質量部の範囲で用いられ、好ましくは0.05~3.0質量部の範囲で用いられる。成分(F)の使用量が上記下限値以上であると架橋助剤の使用効果が得られ、上記上限値以下であることがコスト面で好ましい。
[その他の成分]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物には、上記した成分(A)~(F)以外に本発明の効果を損なわない範囲で、目的に応じてその他の成分を配合することができる。
その他の成分としては例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、防黴材、蛍光増白剤等の各種添加物、成分(A)~(C)以外の熱可塑性樹脂、成分(A)~(C)以外のエラストマー等を挙げることができる。これらは任意のものを単独又は併用して用いることができる。
充填材としては、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、金属石鹸、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。充填材を用いる場合、成分(A)~(D)の合計100質量部に対して通常0.1~50質量部で用いられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤を用いる場合には成分(A)~(D)の合計100質量部に対して通常0.01~3.0質量部で用いられる。
成分(A)~(C)以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂;ポリメチルメタクリレート系樹脂を挙げることができる。また、成分(A)~(C)以外のエラストマーとしては、例えばスチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー(ただし、成分(B)に該当するものを除く。);ポリエステル系エラストマー;ポリブタジエンを挙げることができる。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物に成分(A)~(C)以外の熱可塑性樹脂を混合して用いる場合、本発明の熱可塑性エラストマー組成物の効果を有効に発揮させる観点から、本発明の成分(A)~(C)と、成分(A)~(C)以外の熱可塑性樹脂との合計100質量部中に、成分(A)~(C)以外の熱可塑性樹脂は30質量部以下、特に15質量部以下とすることが好ましい。
[熱可塑性エラストマー組成物の製造方法]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)~(D)を、成分(E)、或いは成分(E)及び成分(F)の存在下に動的熱処理することにより架橋させて得られるものが好ましい。
本発明において「動的熱処理」とは溶融状態又は半溶融状態で混練することを意味する。この動的熱処理は、溶融混練によって行うのが好ましく、そのための混合混練装置としては、例えば非開放型バンバリーミキサー、ミキシングロール、ニーダー、二軸押出機が用いられる。これらの中でも二軸押出機を用いることが好ましい。この二軸押出機を用いた製造方法の好ましい態様としては、複数の原料供給口を有する二軸押出機の原料供給口(ホッパー)に各成分を供給して動的熱処理を行うものである。
動的熱処理を行う際の温度は、通常80~300℃、好ましくは100~250℃である。また、動的熱処理を行う時間は通常0.1~30分である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物を二軸押出機により動的熱処理を行う場合においては、二軸押出機のバレル半径R(mm)、スクリュー回転数N(rpm)及び吐出量Q(kg/時間)の間に下記式の関係を保ちながら押出することが好ましく、下記式(2)の関係を保ちながら押出することがより好ましい。
2.6<NQ/R<22.6(1)
3.0<NQ/R<20.0(2)
二軸押出機のバレル半径R(mm)、スクリュー回転数N(rpm)及び吐出量Q(kg/時間)との間の前記関係が上記下限値より大きいことが熱可塑性エラストマー組成物を効率的に製造するために好ましい。一方、前記関係が上記上限値より小さいことが、剪断による発熱を抑え、外観不良の原因となる異物が発生しにくくなるために好ましい。
[熱可塑性エラストマー組成物の成形方法]
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、必要に応じて公知の方法により成形して各種の成形体として使用することができる。成形法としては、熱可塑性エラストマーに通常用いられている成形法、例えば、射出成形法、押出成形法、中空成形法、圧縮成形法等が挙げられる。また、その後に積層成形、熱成形等の二次加工を行なってもよい。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は単体で成形体としてもよく、他の材料と組み合わせ、積層体等としてもよい。
また、以下の通り、凸引き真空成形を行って、凸引き真空成形体とすることもできる。
即ち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、シボ等の装飾模様加工を施したシートとして、凸引き真空成形に供した場合、優れたシボ保持性を奏するため、凸引き真空成形体よりなる各種工業部品の表皮材として好適であり、とりわけ優れたフォギング性からインストルメントパネル用表皮として有用である。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる表皮材を製造する方法としては、例えば、以下のような方法が挙げられる。
(1) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を表皮材層とする多層押出成形
(2) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物を表皮材層とする二層射出成形又はインサート成形
(3) 本発明の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形シートの表皮材にポリオレフィン系樹脂又はポリオレフィン系発泡体を積層した凸引き真空成形
以下、実施例を用いて本発明の内容を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例によって限定されるものではない。以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
[原材料]
以下の実施例・比較例で使用した原材料は以下の通りである。
<成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム>
(A-1):非油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム/ダウ・ケミカル社製 NORDEL(登録商標)IP 4760P
エチレン単位含有率:67質量%
プロピレン単位含有率:19.1質量%
エチリデンノルボルネン単位含有率:4.9質量%
ポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量:328,000
ムーニー粘度(ML1+4,125℃):60
(A-2):油展エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム/JSR株式会社製 JSR EPR EP505EC
エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴム100質量部に対しパラフィン系オイルを100質量部含有するもの
エチレン単位含有率:66質量%
プロピレン単位含有率:29.5質量%
エチリデンノルボルネン単位含有率:4.5質量%
ポリプロピレン(PP)換算の重量平均分子量:647,000
ムーニー粘度(ML1+4,125℃):65
<成分(B):スチレン系水添ブロック共重合体>
(B-1):スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体/クラレ株式会社製 セプトン(登録商標)4099
重合体ブロック:スチレン
共重合体ブロック:エチレンとエチレンとプロピレン
スチレン単位含有率:30質量%
重量平均分子量:452,000
(B-2):スチレン・エチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体/クラレ株式会社製 セプトン(登録商標)4077
重合体ブロック:スチレン
共重合体ブロック:エチレンとエチレンとプロピレン
スチレン単位含有率:30質量%
重量平均分子量:381,000
(B´-1):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体/クレイトンコーポレーション社製 クレイトン(登録商標)G G1651
重合体ブロック:スチレン
共重合体ブロック:エチレンとブタジエン
スチレン単位含有率:33質量%
重量平均分子量:264,000
<成分(C):オレフィン系樹脂>
(C-1):プロピレン・エチレンランダム共重合体/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)EG8B
MFR:0.8g/10分(測定条件:230℃、荷重21.2N)
(C-2):プロピレン単独重合体/日本ポリプロ株式会社製 ノバテック(登録商標)EA9HD
MFR:0.4g/10分(測定条件:230℃、荷重21.2N)
(C-3):直鎖低密度ポリエチレン/サウディ石油化学株式会社製 QAMAR(登録商標)FC18N
MFR:1g/10分(230℃、荷重21.2N)
<成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤>
(D):パラフィン系オイル/出光興産株式会社製 ダイアナ(登録商標)プロセスオイル PW-90
40℃の動粘度:95.54cSt
引火点:272℃
<成分(E):有機過酸化物>
(E):2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン40質量%と炭酸カルシウム60質量%の混合物/化薬ヌーリオン株式会社製 トリゴノックス(登録商標)101-40C
<成分(F):架橋助剤>
(F):ジビニルベンゼン/日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製 DVB570
[評価方法]
以下の実施例・比較例における熱可塑性エラストマー組成物の評価方法は以下の通りである。
(1)デュロ硬度A
インラインスクリュウタイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)にて、射出圧力50MPA、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で射出成形して横120mm、縦80mm、肉厚2mmのシートを得た。これを用い、ISO 7619に準拠して硬度を測定した。
デュロ硬度Aは、表皮材等としての用途において、50~80であることが好ましい。
(2)フォギング性
各例で得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットから、ラボプラストミル(東洋精機社製4C150)を用いて180℃の条件下、厚み0.5mmの押出シートを作成して試験片形状(25mm×50mm)のダンベルにて打ち抜き、測定に用いた。試験片2枚をフォギングテスター(スガ試験機株式会社製WSF-2)に投入し、80℃の条件下で3時間経過後、取り出した。投入前後のガラス板の60°光沢値の比率(百分率)をフォギング性として算出した。フォギング性が高いものほど優れたものと判断され、以下の基準で評価した。
◎:90%以上
○:85%以上90%未満
△:80%以上85%未満
×:80%未満
(3)シボ保持性
各例で得られた熱可塑性エラストマー組成物のペレットを単層Tダイ成形機を用いてシート化し、その際に発泡オレフィンシート(東レ株式会社製トーレペフ)を一緒にシボ模様が入ったロールを通して表面にシボ模様を付与したシートを得た。そのシートを、真空成形機(三和興業株式会社製PLAVAC TV44)を用いて凸引き真空成形を行い賦形させた。表面粗さ計(株式会社東京精密製サーフコム480A)を用いて、真空成形前後の表面粗さを測定し、その比率(百分率)をシボ保持性として算出した。シボ保持性が高いほど優れたものと判断し、以下の基準で評価した。
◎:40%以上
○:36%以上39%未満
△:33%以上39%未満
×:33%未満
[実施例/比較例]
<実施例1>
成分(A-1)13.5質量%、成分(A-2)(パラフィン系オイルを除いたエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体ゴムのみの含有割合として)16.5質量%、成分(B-1)3.8質量%、成分(C-1)23.1質量%、成分(C-2)8.1質量%、成分(C-3)7.7質量%、成分(D)(成分(A-2)中のパラフィン系オイルとの合計の含有割合として)27.3質量%、これらの合計100質量部に対して成分(E)0.54質量部、成分(F)0.31質量部を混合し、得られた混合物を二軸混練機により溶融混練(シリンダー温度180℃~200℃)し、熱可塑性エラストマー組成物のペレットを製造した。得られた熱可塑性エラストマー組成物について評価を実施した。結果を表-1に示す。
<実施例2~6及び比較例1~6>
表-1に示したように配合組成を変更した以外は実施例1と同様に実施し、熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物について実施例1と同様の評価を実施した。結果を表-1に示す。
Figure 2022149567000001
<評価結果>
表-1に示す通り、実施例1~6はシボ保持性とフォギング性に優れることがわかる。一方、比較例1は成分(B)を用いなかった例であり、シボ保持性とフォギング性ともに劣る結果となった。また比較例2,3は成分(A)を用いなかった例であり、シボ保持性が良好である一方で、フォギング性は劣る結果となった。比較例4~6は成分(A)と成分(B´-1)を併用した例でありフォギング性が劣る結果となった。
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は真空成形後のシボ保持性と、フォギング性に優れるものである。このためインストルメントパネル用表皮として好適であり、皮革模様を備えたインストルメントパネル用表皮として特に好適である。本発明の熱可塑性エラストマー組成物の用途はインストルメントパネル用表皮に制限されず、インストルメントパネル用表皮以外の自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、各種パッキン類等)、土木・建材部品(止水材、目地材、窓枠等)、スポーツ用品(ゴルフクラブやテニスラケットのグリップ類等)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類等)、医療用部品(医療用容器、ガスケット、パッキン等)、食品用部品(容器、パッキン等)、医療用機器部品、電線、雑貨等の広汎な分野で用いることができる。

Claims (12)

  1. 下記成分(A)~(D)が、下記成分(E)の存在下で架橋されてなる熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
    成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
    成分(C):オレフィン系樹脂
    成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(E):有機過酸化物
  2. 成分(A)が非油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が100,000以上400,000以下であり、油展エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴムの場合、重量平均分子量が300,000以上1,000,000以下である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 成分(B)の重量平均分子量が200,000以上500,000以下である、請求項1又は2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 成分(A)~(D)の合計100質量部に対し、成分(D)を5~40質量部含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. 更に下記成分(F)の存在下で架橋されてなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
    成分(F):架橋助剤
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる成形体。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる射出成形体。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物よりなる押出成形体。
  9. 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を含む樹脂組成物よりなる凸引き真空成形体。
  10. 請求項1~5のいずれか一項に記載の熱可塑性エラストマー組成物を含む樹脂組成物よりなるインストルメントパネル用表皮。
  11. 下記成分(A)~(D)を、下記成分(E)の存在下で架橋する工程を有する熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
    成分(A):エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴム
    成分(B):スチレンを主体とする重合体ブロック2個と、ブタジエンとイソプレンを主体とする重合体ブロック1個からなるブロック共重合体を水素添加して得られる水添ブロック共重合体
    成分(C):オレフィン系樹脂
    成分(D):炭化水素系ゴム用軟化剤
    成分(E):有機過酸化物
  12. 更に下記成分(F)の存在下で架橋する、請求項11に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
    成分(F):架橋助剤
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023120624A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途

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WO2023120624A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 三井化学株式会社 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途

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