JP2022144406A - 繊維強化複合材製フレーム - Google Patents

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哲也 杉山
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Abstract

【課題】座屈の発生を抑制して曲げ強度を向上した繊維強化複合材製フレームを提供する。【解決手段】繊維強化複合材製フレーム1は、フレーム1の長手方向DLに直交する短手方向DSに向けてフレーム1を曲げる曲げ荷重が当該フレーム1に対して入力されたときに長手方向DLに沿って圧縮応力が生じる圧縮面部2と、圧縮面部2に隣接する角部5から短手方向DSに延びる側面部3と、を備える。圧縮面部2は、長手方向DLに強化繊維11aが配向された長手方向配向層11を備える。側面部3の表層部は、長手方向DLと異なる方向に強化繊維12aが配向された異方向配向層としての短手方向配向層12で構成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、繊維強化複合材製フレームに関する。
従来より、車両の車体などを構成するフレームでは、軽量かつ高剛性の繊維強化複合材で製造された繊維強化複合材製フレームが用いられている。
例えば、特許文献1記載の繊維強化複合材製フレームは、全方向からの入力荷重に対して耐えうるように疑似等方性を有する構造を有しており、具体的には、強化繊維の配向方向が異なる複数の繊維配向層を積層して成形した構造を有する。
さらに、このフレームでは、フレーム角部の剛性を向上するために、フレーム断面の角部における繊維配向層の積層を増やして当該角部の肉厚を部分的に厚くしている。
特開2015-193362号公報
しかし、上記のフレームのように、角部における繊維配向層の積層を増やした構造であっても、角部で生じる層間剥離に起因する座屈という繊維強化複合材製フレーム固有の問題を防ぐことが困難である。
すなわち、曲げ荷重が繊維強化複合材製フレームに入力した際、フレーム断面の角部では繊維配向層の間で層間剥離が生じ、角部の層間剥離した部分を起点として、フレームにおいて圧縮応力が作用する面(すなわち、曲げられたフレームにおける内側の湾曲面)およびそれに隣接する面のそれぞれの繊維配向層に亀裂が生じ、フレームの座屈が発生する。フレームの座屈が発生すれば、曲げ強度は大きく低下する。そのため、上記の特許文献1記載のフレームでは、このような現象の発生を防止することができない。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、座屈の発生を抑制して曲げ強度を向上した繊維強化複合材製フレームを提供することを目的とする。
本発明の繊維強化複合材製フレームは、複数の角部を有する閉断面を備え、所定方向に延設された繊維強化複合材製フレームにおいて、前記フレームは、前記フレームの長手方向に直交する短手方向に向けて前記フレームを曲げる曲げ荷重が当該フレームに対して入力されたときに前記長手方向に沿って圧縮応力が生じる圧縮面部と、前記圧縮面部に隣接する前記角部から前記短手方向に延びる側面部と、を備え、前記圧縮面部は、前記長手方向に強化繊維が配向された長手方向配向層を備え、前記側面部の表層部は、前記長手方向と異なる方向に強化繊維が配向された異方向配向層で構成されている、ことを特徴とする。
かかる構成では、フレームに対して当該フレームの長手方向に直交する方向に曲げる曲げ荷重が入力されたときに、圧縮面部では、フレームの長手方向に沿って圧縮応力が生じる。圧縮面部は、フレームの長手方向に沿う長手方向配向層を備えているため、圧縮面部は、高い圧縮応力に耐えることが可能になり、圧縮面部における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。そして、側面部の表層部は長手方向と異なる方向(例えば、側面部においてフレームの短手方向またはフレームの長手方向に対して傾斜する斜め方向)に強化繊維が配向された異方向配向層で構成されている。このため、側面部は、高いせん断応力や曲げ応力に耐えることが可能になり、側面部の変形(とくに座屈変形)を抑制することが可能である。このような構成では、フレームの角部に層間剥離が生じても圧縮面部および側面部へ亀裂が進展することを抑えることが可能になり、フレームの座屈体力を高めることが可能となる。その結果、フレーム全体の座屈を回避してフレームの曲げ強度を向上することが可能である。
なお、本発明でいう側面部の「表層部」とは、フレーム断面の内側および外側の表層部を意味する。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記異方向配向層は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層であるのが好ましい。
かかる構成によれば、側面部の表層部を構成する異方向配向層がフレームの短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層であるので、短手方向における側面部の剛性(例えば、短手方向に潰す方向の荷重に対する曲げ剛性)を向上することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記異方向配向層は、前記長手方向に45度傾斜した方向に強化繊維が配向された45度配向層であるのが好ましい。
かかる構成によれば、側面部のせん断剛性を向上することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記フレームは、前記圧縮面部から離間した位置で前記長手方向に延び、前記曲げ荷重が前記フレームに対して入力されたときに前記長手方向に沿って引張応力が生じる引張面部をさらに備え、前記引張面部は、前記長手方向配向層を備えているのが好ましい。
かかる構成によれば、フレームに対して曲げ荷重が入力されたときに、圧縮面部からフレームの短手方向に離間する引張面部では、フレームの長手方向に沿って引張応力が生じる。引張面部は、長手方向配向層を備えているため、引張強度を向上することが可能である。その結果、フレーム全体の座屈を効果的に回避してフレームの曲げ強度をさらに向上することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記圧縮面部または前記引張面部を構成する層と前記側面部を構成する層との接合部は、前記圧縮面部または前記引張面部と同一平面上に配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、圧縮面部または引張面部を構成する層と側面部を構成する層との接合部は、圧縮面部または引張面部と同一平面上に配置されており、フレームの角部から退避した位置にあるので、当該接合部を起点とした角部の屈曲を抑制することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記長手方向配向層は、前記角部を避けて配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、長手配向層がフレームの角部を避けて配置されているので、角部で生じた層間剥離及び亀裂による損傷を最小化することができ、角部の屈曲をさらに抑制することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記長手方向配向層は、前記圧縮面部の内側および/または外側の表層部に配置されているのが好ましい。
フレームに曲げ荷重が入力されたときには、圧縮面部の内側および外側の表層部において、圧縮応力が最も大きくなり、圧縮面部におけるひずみが最大となる。そこで上記の構成では、長手方向配向層が圧縮面部の内側および/または外側の表層部に配置されていることにより、圧縮面部はより高い圧縮応力に耐えることが可能になり、圧縮面部における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記圧縮面部は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層をさらに備え、前記長手方向配向層は、前記短手方向配向層よりも前記圧縮面部の表層側に配置されているのが好ましい。
フレームに曲げ荷重が入力されたときには、圧縮面部の表層部に近いほど圧縮応力が大きくなる傾向がある。そこで上記の構成では、長手方向配向層が短手方向配向層よりも圧縮面部の表層側に配置されていることにより、圧縮面部は、より高い圧縮応力に耐えることが可能になり、圧縮面部における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。
なお、この構成では、長手方向配向層は、圧縮面部の表層側のみ、または表層側および中央層側の両方に配置されてもよい。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記側面部の前記異方向配向層は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層であり、前記圧縮面部の前記短手方向配向層および前記側面部の前記短手方向配向層は、前記圧縮面部から前記側面部にわたって連続して配置されているのが好ましい。
かかる構成によれば、短手方向配向層が圧縮面部から側面部にわたって連続して配置されているので、フレーム全周にわたって断面を短手方向に潰すような変形を抑制することが可能であり、フレームの曲げ強度をさらに向上することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記側面部は、前記長手方向配向層をさらに備え、前記側面部の前記長手方向配向層は、前記異方向配向層よりも前記側面部の厚さ方向において中央部に配置されているのが好ましい。
フレームに曲げ荷重が入力されたときには、側面部の厚さ方向における中央の位置に近いほど短手方向、すなわち断面の周方向における圧縮・引張応力が小さくなる傾向がある。したがって、上記の構成のように、側面部の長手方向配向層が異方向配向層よりも側面部の厚さ方向における中央部に配置されていれば、当該長手方向配向層にとって不利となる、断面周方向の圧縮・引張応力の影響を小さくしつつ、当該長手方向配向層よりも表層側に位置する異方向配向層によって、側面部の変形を抑制することが可能である。
上記の繊維強化複合材製フレームにおいて、前記フレームが車両の車体を構成するセンターピラー、バンパービーム、サイドシル、ヒンジピラー、フロントピラー、およびクロスメンバからなる群から選択された少なくとも1つに適用されるのが好ましい。
かかる構成によれば、上記のフレームが車両の車体を構成するセンターピラー、バンパービーム、サイドシル、ヒンジピラー、フロントピラー、およびクロスメンバのうちの少なくとも1つに適用されることにより、車両衝突時において、車体の上記の各部分を構成するフレームに対して曲げ荷重が入力されたときには、フレーム全体の座屈を回避してフレームが曲げ荷重に耐えることが可能になる。これによって、車体の剛性を向上することが可能である。
本発明の繊維強化複合材製フレームによれば、フレームの座屈の発生を抑制して曲げ強度を向上することができる。
本発明の実施形態に係る繊維強化複合材製フレームの全体構成を示す概略斜視図である。 図1の繊維強化複合材製フレームの端面を示す正面図である。 図2の繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 図3の圧縮面部の積層構造を部分的に示す分解斜視図である。 図3の側面部の積層構造を部分的に示す分解斜視図である。 図1の繊維強化複合材製フレームが車両における車体各部の構成部材に適用された例を示す斜視説明図である。 本発明の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明の他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明のさらに他の変形例に係る繊維強化複合材製フレームの拡大断面図である。 本発明の比較例として疑似等方性を有する繊維強化複合材製フレームの断面図である。 図17の繊維強化複合材製フレームの積層構造を部分的に示す分解斜視図である。 本実施形態の繊維強化複合材製フレームにおける曲げ荷重が入力されたときの荷重分布を比較例である図17の疑似等方性を有するフレームと対比して示したグラフである。 本実施形態の繊維強化複合材製フレームにおける曲げ荷重が入力されたときの変形の様子を比較例である図17の疑似等方性を有するフレームと対比して示した斜視説明図である。 図20の本実施形態の繊維強化複合材製フレームにおける曲げ荷重が入力されたときの変形の様子を示した断面説明図である。 図20の比較例の繊維強化複合材製フレームにおける曲げ荷重が入力されたときの変形の様子を示した断面説明図である。 本実施形態の繊維強化複合材製フレームにおける接合部が圧縮面部または引張面部と同一平面上に配置された構造を簡略化して示した斜視説明図である。 比較例である繊維強化複合材製フレームにおける接合部が角部に配置された構造を簡略化して示した斜視説明図である。 図24の比較例のフレームにおいて圧縮面部の角部付近の部分が局部的な曲げ荷重を受けることを示した斜視説明図である。 本実施形態の繊維強化複合材製フレームにおける曲げ荷重が入力されたときの荷重分布を比較例である図24の接合部が角部に配置されたフレームと対比して示したグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の一形態について詳述する。
図1~2に示されるように、繊維強化複合材製フレーム1(以下、フレーム1と呼ぶ)は、複数の角部5を有する閉断面1bを備え、所定方向(図1の長手方向D)に延設された繊維強化複合材で製造された高強度の部材である。フレーム1は、後述の車両の車体21(図6参照)などの各部を構成する部材などに用いられる。
具体的には、フレーム1は、基本的な構成として、フレーム1の長手方向Dに延びる4つの面を構成する部分、すなわち、圧縮面部2と、圧縮面部2の幅方向両側に互いに離間する一対の側面部3と、圧縮面部2から対向した状態で離間する引張面部4とを備えている。
これら圧縮面部2、一対の側面部3、および引張面部4は、それぞれ複数の繊維配向層(すなわち、図3に示される長手方向配向層11、短手方向配向層12、+45度配向層13、および-45度配向層14)が積層して成形されることによって一体形成される。これら圧縮面部2、一対の側面部3、および引張面部4によって、4つの角部5を有する矩形の閉断面1bが形成されている。角部5は、直線状または円弧状に面取りしていてもよい。
圧縮面部2は、フレーム1の長手方向Dに直交する(すなわち、長手方向Dに90度傾斜した)短手方向Dに向けてフレーム1を曲げる曲げ荷重Fが当該フレーム1に対して入力されたときに長手方向Dに沿って圧縮応力σ1が生じる面を構成する部分である。すなわち、圧縮面部2は、曲げられたフレーム1における内側の湾曲面になる。
ここで、曲げ荷重Fは、フレーム1の長手方向Dに直交する短手方向Dに向けてフレーム1を曲げる荷重であればよく、例えば、車両の車体21(図6参照)が外部の障害物(自動車や路上設置物等)に衝突したときに、図1に示されるように、フレーム1が両端支持された状態(例えば、図1の簡略化されたモデルではフレーム1が一対の支点Sで両端支持された状態)で圧縮面部2が圧縮荷重(衝突荷重)Fを短手方向D(すなわち、図1の圧縮面部2の法線方向)に向けて受けたときに生じる曲げ荷重が想定される。この場合、圧縮荷重Fは、フレーム1の圧縮面部2で受ける。
または、曲げ荷重Fは、フレーム1の長手方向Dの端部1aから長手方向Dに向けて圧縮荷重(衝突荷重)を受けたときに生じる曲げ荷重なども想定される(例えば、図6の車体21の側部から障害物が衝突したときに受けるクロスメンバ26の曲げ荷重など)。この場合には、圧縮荷重は、フレーム1の端部1aで受ける。
一対の側面部3のそれぞれは、圧縮面部2に隣接する一対の角部5から短手方向Dに延びる面(具体的には、曲げ荷重Fまたは圧縮荷重Fと平行な方向に延びる面)を構成する部分である。側面部3は、フレーム1が曲げ荷重Fを受けたときには、図1の中立軸Nよりも圧縮面部2に近い範囲では圧縮応力が生じ、中立軸Nよりも引張面部4に近い範囲では引張応力が生じる。一対の側面部3のそれぞれと圧縮面部2とによって角部5が形成される。
引張面部4は、圧縮面部2から離間した位置で長手方向Dに延び、曲げ荷重Fがフレーム1に対して入力されたときに長手方向Dに沿って引張応力σ2が生じる面の部分である。すなわち、引張面部4は、曲げられたフレーム1における外側の湾曲面になる。引張面部4と一対の側面部3のそれぞれとによって角部5が形成される。
図3~4に示されるように、本実施形態の圧縮面部2は、長手方向Dに強化繊維11aが配向された長手方向配向層11を備えている。具体的には、図3~4に示される圧縮面部2は、2層の長手方向配向層11と、4層の短手方向配向層12と、2層の長手方向配向層11とがフレーム1の断面の厚さ方向Dに積層されて構成されている。圧縮面部2の積層構造は、厚さ方向Dにおいて対称の構造である。
長手方向配向層11は、具体的には、図4に示されるように、基材11bと、フレーム1の長手方向Dと同一の方向D(すなわち、長手方向Dに対する傾斜角度が0度)に配向された強化繊維11aとによって構成されている。
基材11b(12b、13b、14b)とは、オートクレーブ成形やプレス成型で用いられる、強化繊維11a(12a、13a、14a)と樹脂からなるシート状の基材や、RTM成形などで使われる強化繊維11aを仮止めした基材を指す。基材11bは、例えば、耐熱性、強度および加工性にすぐれた樹脂製材料などからなり、例えばエポキシ樹脂などの樹脂によって構成されている。強化繊維11aは、軽量かつ高強度の繊維材料によって構成され、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、セルロース繊維、スチール繊維などの繊維によって構成されている。とくに、炭素繊維は、軽量かつ高強度のいずれの点においてもすぐれているので好ましい。
短手方向配向層12は、具体的には、図4に示されるように、基材12bと、フレーム1の短手方向D、すなわち、長手方向Dと直交する方向D(傾斜角度が90度)に配向された強化繊維12aとによって構成されている。短手方向配向層12の基材12bおよび強化繊維12aについても、上記の長手方向配向層11の基材11bおよび強化繊維11aと同様の材料が用いられるが、他の材料が用いられてもよい。
図3および図5に示される側面部3の表層部は、長手方向Dと異なる方向に強化繊維が配向された異方向配向層で構成されている。ここでいう側面部3の「表層部」とは、フレーム1の断面の内側および外側の表層部を意味する。
異方向配向層は、長手方向Dと異なる方向に強化繊維が配向された層であればよい。したがって、異方向配向層は、具体的には、短手方向Dに強化繊維が配向された短手方向配向層12、または長手方向Dに45度傾斜した方向に強化繊維が配向された45度配向層(さらに具体的には、後述の+45度配向層13および-45度配向層14)であってもよい。
図5に示されるように、短手方向配向層12は、上記と同様に、基材12bと、フレーム1の短手方向Dに配向された強化繊維12aとによって構成されている。
45度配向層は、長手方向Dに45度傾斜した方向に強化繊維が配向された層であればよく、図5に示されるように、長手方向Dに45度傾斜した+45度配向層13および長手方向Dに-45度傾斜した-45度配向層14のいずれであってもよい。
例えば、+45度配向層13は、強化繊維13aが長手方向Dを基準として当該配向層13の面内方向で反時計方向に45度旋回した方向に配向された層である。同様に、-45度配向層14は、強化繊維14aが長手方向Dを基準として当該配向層14の面内方向で時計方向に45度(反時計方向を正方向とすれば-45度)旋回した方向に配向された層である。
具体的には、図3および図5に示される側面部3は、2層の短手方向配向層12と、+45度配向層13と、2層の-45度配向層14と、+45度配向層13と、2層の短手方向配向層12とがフレーム1の断面の厚さ方向Dに積層されて構成されている。側面部3の積層構造は、厚さ方向Dにおいて対称の構造である。
+45度配向層13は、具体的には、図5に示されるように、基材13bと、長手方向Dに対して+45度傾斜した方向Dに配向された強化繊維13aとによって構成されている。同様に、-45度配向層14は、具体的には、図5に示されるように、基材14bと、長手方向Dに対して-45度傾斜した方向Dに配向された強化繊維14aとによって構成されている。これらの基材13b、14bおよび強化繊維13a、14aについても、上記の長手方向配向層11の基材11bおよび強化繊維11aと同様の材料が用いられるが、他の材料が用いられてもよい。
図3に示される引張面部4は、上記の圧縮面部2と同様に、長手方向配向層11を備えている。具体的には、図3に示される引張面部4は、上記の圧縮面部2と同様の積層構成、すなわわち、2層の長手方向配向層11と、4層の短手方向配向層12と、2層の長手方向配向層11とがフレーム1の断面の厚さ方向Dに積層されて構成されている。したがって、引張面部4の積層構造も、圧縮面部2の積層構造と同様に、厚さ方向Dにおいて対称の構造である。
図3に示されるように、本実施形態では、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6は、圧縮面部2または引張面部4と同一平面上に配置されている。圧縮面部2または引張面部4を構成する層は、具体的には、図3に示されるように、4層の長手方向配向層11および4層の短手方向配向層12である。また、側面部3を構成する層は、4層の短手方向配向層12、2層の+45度配向層13および2層の-45度配向層14である。
ここでいう「接合部6」とは、隣接する異なる層同士を接合している部分である。接合部6は、隣接する2つの層同士が部分的に積層した状態で接合した部分、または隣接する2つの層の端部同士が突き合わされた状態で接合した部分などの種々の状態の接合部分が含まれる。
また、図3に示されるように、圧縮面部2および引張面部4における長手方向配向層11は、角部5を避けた位置に配置されている。
しかも、長手方向配向層11は、圧縮面部2および引張面部4のそれぞれの内側(すなわち、フレーム1の閉断面1bの内周面側)および/または外側(すなわち、フレーム1の外周面側)の表層部に配置されている。
さらに、図3に示されるように、縮面部2の短手方向配向層12および側面部3の短手方向配向層12は、圧縮面部2から側面部3にわたって連続して配置されている。具体的には、短手方向配向層12は、フレーム1の短手方向Dsの全周囲(すなわち、圧縮面部2、一対の側面部3、および引張面部4)にわたって配置されている。このようなフレーム1の全周にわたって配置された短手方向配向層12の場合、短手方向配向層12の切れ目(または端縁同士の接合部)は、図1の圧縮荷重(衝突荷重)Fの影響を受けにくい引張面部4に設けられているのが好ましい。
上記のように構成された本実施形態のフレーム1は、車両衝突時などにおいて高い曲げ強度が要求される車両の車体21を構成する種々の部材、例えば、図6に示されるように、センターピラー20、バンパービーム22、サイドシル23、ヒンジピラー24、フロントピラー25、およびクロスメンバ26からなる群から選択された少なくとも1つに適用される。
これらの群のうち、センターピラー20、バンパービーム22、サイドシル23、ヒンジピラー24、フロントピラー25に上記実施形態のフレームを適用する場合には、車体21の外側を向く面に圧縮面部2(すなわち、衝突荷重が入力される面)が配置されるようにすればよい。また、クロスメンバ26については、上側または下側を向く面に圧縮面部2が配置されるようにすればよい。
ここで、センターピラー20は、車体21の側端のフロントドアとリヤドアとの間において上下方向に延びる部材である。バンパービーム22は、車体21の前端において車体21の幅方向に延び、バンパーを構成する部材である。サイドシル23は、車体21の車体21の側端下部において車体21の前後方向に延びる部材である。ヒンジピラー24は、車体21の側端前側において上下方向に延び、車体21におけるフロントドアがヒンジ結合される部材である。フロントピラー25は、車体21の前側でフロントガラスの両側において上方かつ後方(斜め後方)に向けて略円弧状に延びる部材である。クロスメンバ26は、車体21の床部において車体21の幅方向に延びる部材である。
(本実施形態の特徴)
(1)
本実施形態のフレーム1は、複数の角部5を有する閉断面1bを備え、所定方向に延設された繊維強化複合材で製造されたフレーム1ある。フレーム1は、図1に示されるように、フレーム1の長手方向Dに直交する短手方向Dに向けてフレーム1を曲げる曲げ荷重Fが当該フレーム1に対して入力されたときに長手方向Dに沿って圧縮応力σ1が生じる圧縮面部2と、圧縮面部2に隣接する角部5から短手方向Dに延びる側面部3とを備えている。
図3~5に示されるように、圧縮面部2は、長手方向Dに強化繊維が配向された長手方向配向層11を備えている。側面部3の表層部(すなわち、フレーム1の内側および外側の表層部)は、長手方向Dと異なる方向に強化繊維が配向された異方向配向層として短手方向配向層12で構成されている。
かかる構成では、フレーム1に対して当該フレーム1の長手方向Dに直交する方向に曲げる曲げ荷重Fが入力されたときに、圧縮面部2では、フレーム1の長手方向Dに沿って圧縮応力σ1が生じる。圧縮面部2は、フレーム1の長手方向Dに沿う長手方向配向層11を備えているため、圧縮面部2は、高い圧縮応力σ1に耐えることが可能になり、圧縮面部2における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。そして、側面部3の表層部は長手方向Dと異なる方向(例えば、側面部3においてフレーム1の短手方向Dまたはフレーム1の長手方向Dに対して傾斜する斜め方向)に強化繊維が配向された異方向配向層として短手方向配向層12で構成されている。このため、側面部3は、高いせん断応力や曲げ応力に耐えることが可能になり、側面部3の変形(とくに座屈変形)を抑制することが可能である。このような構成では、フレーム1の角部5に層間剥離が生じても圧縮面部2および側面部3へ亀裂が進展することを抑えることが可能になり、フレーム1の座屈体力を高めることが可能となる。その結果、フレーム1全体の座屈を回避してフレーム1の曲げ強度を向上することが可能である。
(2)
本実施形態のフレーム1では、側面部3の表層部を構成する異方向配向層がフレーム1の短手方向Dに強化繊維が配向された短手方向配向層12であるので、短手方向Dにおける側面部3の剛性(例えば、短手方向Dに潰す方向の荷重に対する曲げ剛性)を向上することが可能である。
(3)
また、本実施形態のフレーム1では、側面部3の表層部を構成する異方向配向層は、長手方向Dに45度傾斜した方向に強化繊維が配向された45度配向層(具体的には、+45度配向層13およびー45度配向層14)であってもよい。この場合も、側面部3のせん断剛性を向上することが可能である。
(4)
本実施形態のフレーム1は、図3に示されるように、圧縮面部2から離間した位置で長手方向Dに延び、曲げ荷重Fがフレーム1に対して入力されたときに長手方向Dに沿って引張応力σ2が生じる引張面部4をさらに備えている。引張面部4は、長手方向配向層11を備えている。
かかる構成によれば、フレーム1に対して曲げ荷重Fが入力されたときに、圧縮面部2からフレーム1の短手方向Dに離間する引張面部4では、フレーム1の長手方向Dに沿って引張応力σ2が生じる。引張面部4は、長手方向配向層11を備えているため、引張強度を向上することが可能である。その結果、フレーム1全体の座屈を効果的に回避してフレーム1の曲げ強度をさらに向上することが可能である。
(5)
本実施形態のフレーム1では、図3に示されるように、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6は、圧縮面部2または引張面部4と同一平面上に配置されている。
かかる構成によれば、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6は、圧縮面部2または引張面部4と同一平面上に配置されており、フレーム1の角部5から退避した位置にあるので、当該接合部6を起点とした角部5の屈曲を抑制することが可能である。
(6)
本実施形態のフレーム1では、図3に示されるように、長手方向配向層11は、角部5を避けて配置されている。このため、角部5で生じた層間剥離及び亀裂による損傷を最小化することができ、角部5の屈曲をさらに抑制することが可能である。
(7)
本実施形態のフレーム1では、図3に示されるように、長手方向配向層11は、圧縮面部2の内側および/または外側の表層部に配置されている。本実施形態では、長手方向配向層11は、圧縮面部2および引張面部4のそれぞれの表層部に配置されている。
フレーム1に曲げ荷重Fが入力されたときには、圧縮面部2の内側および外側の表層部において、圧縮応力σ1が最も大きくなり、圧縮面部2におけるひずみが最大となる。そこで上記の構成では、長手方向配向層11が圧縮面部2の内側および/または外側の表層部に配置されていることにより、圧縮面部2はより高い圧縮応力σ1に耐えることが可能になり、圧縮面部2における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。
(8)
本実施形態のフレーム1では、図3に示されるように、圧縮面部2の短手方向配向層12および側面部3の短手方向配向層12は、圧縮面部2から側面部3にわたって連続して配置されている。このため、フレーム1全周にわたって断面を短手方向Dに潰すような変形を抑制することが可能であり、フレーム1の曲げ強度をさらに向上することが可能である。
(9)
本実施形態のフレーム1は、車両の車体21を構成するセンターピラー20、バンパービーム22、サイドシル23、ヒンジピラー24、フロントピラー25、およびクロスメンバ26からなる群から選択された少なくとも1つに適用される。これにより、車両衝突時において、車体21の上記の各部分を構成するフレーム1に対して曲げ荷重Fが入力されたときには、フレーム1全体の座屈を回避してフレーム1が曲げ荷重Fに耐えることが可能になる。これによって、車体21の剛性を向上することが可能である。
(10)
図1~5に示されるように、本実施形態のフレーム1では、圧縮面部2は、長手方向配向層11だけでなく、短手方向Dに強化繊維が配向された短手方向配向層12をさらに備えている。長手方向配向層11は、短手方向配向層12よりも圧縮面部2の表層側に配置されている。なお、この構成では、長手方向配向層11は、圧縮面部2の表層側のみ、または表層側および中央層側の両方に配置されてもよい。
フレーム1に曲げ荷重Fが入力されたときには、圧縮面部2の表層部に近いほど圧縮応力σ1が大きくなる傾向がある。そこで本実施形態のフレーム1の構成では、長手方向配向層11が短手方向配向層12よりも圧縮面部2の表層側に配置されていることにより、圧縮面部2は、より高い圧縮応力σ1に耐えることが可能になり、圧縮面部2における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。
(実施例1)
つぎに、図1~5に示される本実施形態のフレーム1の曲げ強度について比較例と対比しながら説明する。
本実施形態のフレーム1は、一辺50mmの正方形断面を有し、角部5は半径10mmの円弧状の面取り部を有する。フレーム1の各面の厚さは3.4mmである。
曲げ強度を調べる場合、フレーム1は、一般的な曲げ試験の手順に基づいて、図1の2つの支点S(300mm間隔)で両端支持された状態で、圧縮面部2の長手方向Dの中点Cに圧子を当てて圧子を下向きに変位させていき、フレーム1を曲げていく。これにより、図19のグラフの曲線Iのように、圧子の下方向の変位Xとフレーム1の曲げ荷重P(すなわち、圧子がフレーム1から受ける反力)との関係を調べた。
一方、比較例として、図17~18に示される疑似等方性を有する繊維強化複合材製フレーム51(以下、フレーム51と呼ぶ)を用意する。
比較例のフレーム51は、複数の角部55を有する閉断面51bを構成するフレームであって、上記のフレーム1と同様に、圧縮面部52、一対の側面部53、および引張面部54を備える。
ただし、比較例51の各面部52~54は、同一の積層構成を有している。すなわち、各面部52~54は、疑似等方性を有するように、複数の長手方向配向層11、短手方向配向層12、+45度配向層13、および-45度配向層14がほぼ均等の割合になるように積層されて成形されることによって構成されている。また、これら長手方向配向層11、短手方向配向層12、+45度配向層13、および-45度配向層14は、角部55を経由してフレーム51の全周にわたって連続的に配置されている。したがって、各面部52~54は、同一の積層構成となっている。
上記のような図17~18に示される疑似等方性を有する比較例のフレーム51についても、フレーム1と同様の手順で曲げ強度を調べた結果が、図19のグラフの曲線IIに示される。
図19のグラフにおいて、本実施形態のフレーム1の曲げ荷重Pを示す曲線Iの方が、比較例のフレーム51の曲げ荷重Pを示す曲線IIと比較して最大荷重が32%向上していることが分かる。この曲げ荷重の違いは、疑似等方性を有する比較例のフレーム51では座屈が生じて曲げ強度が低いのに対し、本実施形態のフレーム1では、座屈を回避して曲げ強度を向上しているためである。すなわち、本実施形態のフレーム1では、上述のように、図3に示される圧縮面部2に多く配置した長手方向配向層11および側面部3の表層部に配置した短手方向配向層12によって、角部5に生じる層間剥離から圧縮面部2および側面部3への亀裂の進展を抑制し、フレーム1の座屈を防止しているためである。
また、図20には、本実施形態のフレーム1と比較例のフレーム51の曲げ変形したときの各部分の変位の分布を示す。図20では、変位量の大小が各部分の明暗で示されている。各フレーム1、51に対して、それぞれ2つの支点Sの中間位置に圧縮荷重Fを加えたときには、本実施形態のフレーム1では座屈が生じないので、各面における変位量が小さい(図20のフレーム1の暗い部分が少ない)のに対し、比較例のフレーム51では座屈が生じているので、各面(とくに側面)における変位量が大きい(図20のフレーム51の暗い部分が多く、より深い暗さである)。
上記の図20のように、本実施形態のフレーム1と比較例のフレーム51の曲げ変形した場合、図21に示される本実施形態のフレーム1の断面形状は面外変形が小さい(すなわち、2つの角部5の間の距離の変化が小さい)のに対し、図22に示される比較例のフレーム51の断面形状は面外変形が大きい(すなわち、2つの角部55の間の距離の変化が大きい)ことが分かる。これら図21~22を比較しても、比較例のフレーム51と比べて、本実施形態のフレーム1は座屈が生じずに断面形状を維持して曲げ強度を向上していることが分かる。
(実施例2)
また、本実施形態のフレーム1では、図23の簡略化したモデルに示されるように、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6が、角部5を避けた位置、すなわち、圧縮面部2または引張面部4と同一平面上に配置されている。この本実施形態のフレーム1について、上記の実施例1と同様に、図26のグラフの曲線IIIのように、圧子の下方向の変位Xとフレーム1の曲げ荷重P(すなわち、圧子がフレーム1から受ける反力)との関係を調べた。
一方、比較例として、図24~25に示される繊維強化複合材製フレーム60(以下、フレーム60と呼ぶ)を用意する。この比較例のフレーム60では、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6が、角部5に配置されている。
上記のような図24~25に示される比較例のフレーム60についても、フレーム1と同様の手順で曲げ強度を調べた結果が、図26のグラフの曲線IVに示される。
図26のグラフにおいて、本実施形態のフレーム1の曲げ荷重Pを示す曲線IIIの方が、接合部6が角部5に配置された比較例のフレーム60の曲げ荷重Pを示す曲線IVと比較して変位Xの初期の段階(10~11mm以下)で向上しており、本実施形態のフレーム1の方が曲げ荷重が入力された初期段階(例えば、車両衝突直後の段階)におけるフレーム1の吸収エネルギーが大きいことが分かる。
この曲げ荷重の違いは、図24~25に示される比較例のフレーム60では、角部5にまで圧縮面部2に含まれる長手方向配向層11(図3~4参照)が延びている構成になるので、角部5近傍では圧縮面部2に含まれる長手方向配向層11が圧縮荷重Fと異なる局部的な曲げ荷重Fが生じ、接合部6を起点とした角部5の屈曲が生じて曲げ強度が低くなるのに対し、本実施形態のフレーム1では、角部5の屈曲を回避して曲げ強度を向上しているためである。すなわち、本実施形態のフレーム1では、上述のように、圧縮面部2または引張面部4を構成する層と側面部3を構成する層との接合部6は、圧縮面部2または引張面部4と同一平面上に配置されており、フレーム1の角部5から退避した位置にあるので、当該接合部6を起点とした角部5の屈曲を抑制することが可能である。
(変形例)
(A)
上記の本実施形態のフレーム1では、図3~4に示されるように、圧縮面部2が2層の長手方向配向層11、4層の短手方向配向層12、および2層の長手方向配向層11が積層された構成、すなわち、+45度配向層13および-45度配向層14を有していない構成であるが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、本発明の変形例として図7に示されるフレーム1のように、圧縮面部2が+45度配向層13および-45度配向層14を有する構成であってもよい。例えば、図7に示されるフレーム1の圧縮面部2は、2層の長手方向配向層11、短手方向配向層12、+45度配向層13、2層の-45度配向層14、+45度配向層13、短手方向配向層12、および2層の長手方向配向層11が積層された構成であってもよい。
この図7に示されるフレーム1では、フレーム1の全周にわたって、短手方向配向層12、+45度配向層13、2層の-45度配向層14、+45度配向層13、および短手方向配向層12が配置され、圧縮面部2および引張面部4の内側および外側の表層側に2層の長手方向配向層11が配置されている。
上記のように図7に示されるフレーム1では、圧縮面部2が+45度配向層13および-45度配向層14を有する構成であっても、圧縮面部2の内側および外側の表層側には、2層の長手方向配向層11が配置されている。このため、圧縮面部2はより高い圧縮応力σ1に耐えることが可能になり、圧縮面部2における座屈強度を向上することが可能である。また同時に曲げ剛性も向上可能となる。
この図7に示される変形例のフレーム1においても、上記実施形態の特徴(1)~(10)と同様の作用効果を奏することが可能である。
(B)
上記実施形態のフレーム1では、図3および図5に示されるように、側面部3の厚さ方向において中央部に-45度配向層14が配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、図8(および図10~11ならびに図14~16)に示される変形例のフレーム1のように、側面部3は、長手方向配向層11をさらに備え、側面部3の長手方向配向層11は、異方向配向層(本実施形態では、短手方向配向層12、+45度配向層13、および-45度配向層14)よりも側面部3の厚さ方向において中央部に配置されているようにしてもよい。
フレーム1に曲げ荷重Fが入力されたときには、側面部3の厚さ方向における中央の位置に近いほど短手方向D、すなわち断面の周方向における圧縮・引張応力が小さくなる傾向がある。したがって、上記の図8(および図10~11、14~16)に示される構成のように、側面部3の長手方向配向層11が異方向配向層よりも側面部3の厚さ方向における中央部に配置されていれば、当該長手方向配向層11へのせん断応力にとって不利となる、断面周方向の圧縮・引張応力の影響を小さくしつつ、当該長手方向配向層11よりも表層側に位置する異方向配向層によって、側面部3の変形を抑制することが可能である。
(C)
図8に示されるフレーム1は、疑似等方性のフレームをベースとして、圧縮面部2および引張面部4の表層側の長手方向配向層11を増やし、さらに、側面部3の短手方向配向層12を増やすことにより構成されている。この構成においても、上記実施形態の特徴(1)~(10)と同様の作用効果を奏することが可能である。
(D)
図9に示される変形例のフレーム1は、長手方向配向層11および短手方向配向層12をベースとして、圧縮面部2および引張面部4の表層側の長手方向配向層11を増やすことにより構成されている。
この図9に示されるフレーム1では、フレーム1の全周にわたって、短手方向配向層12、長手方向配向層11、2層の短手方向配向層12、長手方向配向層11、および短手方向配向層12が配置され、圧縮面部2および引張面部4の内側および外側の表層側に2層の長手方向配向層11が配置されている。
この構成においても、上記実施形態の特徴(1)~(2)、(4)~(5)、(7)~(10)と同様の作用効果を奏することが可能である。
(E)
図10に示される変形例のフレーム1は、各配向層11~14の配向比率を等分にし、板厚方向で各配向層11~14の配置を最適化することにより構成されている。この図10に示されるフレーム1では、圧縮面部2および引張面部4の内側および外側の表層部に長手方向配向層11が配置され、側面部3の内側および外側の表層部に短手方向配向層12が配置されている。この構成においても、上記実施形態の特徴(1)~(5)、(7)~(10)と同様の作用効果を奏することが可能である。
(F)
図11される変形例のフレーム1は、図8のフレーム1と同様に疑似等方性のフレームをベースとして、圧縮面部2および引張面部4の表層側に長手方向配向層11を配置し、それとともに側面部3の表層側に短手方向配向層12を配置することにより構成されている。この構成においても、上記実施形態の特徴(1)~(5)、(7)~(10)と同様の作用効果を奏することが可能である。
(G)
上記のように、図1~5に示される実施形態のフレーム1ならびに図7~11に示されるフレーム1では、圧縮面部2および引張面部4の表層部に長手方向配向層11が配置されているが、本発明はこれに限定するものではない。
すなわち、本発明では、圧縮面部2が長手方向配向層11を備え、側面部3の表層部が短手方向配向層を備えていればよく、図12~16に示される変形例のフレーム1のように、圧縮面部2および引張面部4の長手方向配向層11よりも表層側に長手方向配向層11以外の層、例えば+45度配向層13などが配置されていてもよい。これら図12~16に示されるフレーム1においても、上記実施形態の特徴(1)~(6)、(8)~(10)(なお、図14~16の場合は(6)を除く)と同様の作用効果を奏することが可能である。
なお、図12に示される変形例のフレーム1は、図3に示される本実施形態のフレーム1の圧縮面部2および引張面部4の表層部に+45度配向層13が追加され、側面部3の+45度配向層13が側面部3の表層部に移動した構成である。
図13に示される変形例のフレーム1は、図7に示される変形例のフレーム1の圧縮面部2、側面部3、および引張面部4の+45度配向層13が圧縮面部2、側面部3、および引張面部4それぞれの表層部に移動した構成である。
図14に示される変形例のフレーム1は、図8に示される変形例のフレーム1の圧縮面部2、側面部3、および引張面部4の+45度配向層13が圧縮面部2、側面部3、および引張面部4それぞれの表層部に移動した構成である。
図15に示される変形例のフレーム1は、図10に示される変形例のフレーム1の圧縮面部2、側面部3、および引張面部4の+45度配向層13が圧縮面部2、側面部3、および引張面部4それぞれの表層部に移動した構成である。
図16に示される変形例のフレーム1は、図11に示される変形例のフレーム1の圧縮面部2、側面部3、および引張面部4の+45度配向層13が圧縮面部2、側面部3、および引張面部4それぞれの表層部に移動した構成である。
(H)
なお、上記実施形態および変形例で示される強化繊維の配向角度、例えば、「0度」、「90度」、「45度」、および「-45度」については、これらの角度の±15度の範囲であれば本発明の効果を奏することが可能である。
1 繊維強化複合材製フレーム
2 圧縮面部
3 側面部
4 引張面部
5 角部
6 接合部
11 長手方向配向層
12 短手方向配向層
13 +45度配向層
14 -45度配向層
11a~14a 強化繊維
20 センターピラー
21 車体
22 バンパービーム
23 サイドシル
24 ヒンジピラー
25 フロントピラー
26 クロスメンバ

Claims (11)

  1. 複数の角部を有する閉断面を備え、所定方向に延設された繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記フレームは、
    前記フレームの長手方向に直交する短手方向に向けて前記フレームを曲げる曲げ荷重が当該フレームに対して入力されたときに前記長手方向に沿って圧縮応力が生じる圧縮面部と、
    前記圧縮面部に隣接する前記角部から前記短手方向に延びる側面部と、
    を備え、
    前記圧縮面部は、前記長手方向に強化繊維が配向された長手方向配向層を備え、
    前記側面部の表層部は、前記長手方向と異なる方向に強化繊維が配向された異方向配向層で構成されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  2. 請求項1に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記異方向配向層は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層である、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  3. 請求項1または2に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記異方向配向層は、前記長手方向に45度傾斜した方向に強化繊維が配向された45度配向層である、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記フレームは、前記圧縮面部から離間した位置で前記長手方向に延び、前記曲げ荷重が前記フレームに対して入力されたときに前記長手方向に沿って引張応力が生じる引張面部をさらに備え、
    前記引張面部は、前記長手方向配向層を備えている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  5. 請求項4に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記圧縮面部または前記引張面部を構成する層と前記側面部を構成する層との接合部は、前記圧縮面部または前記引張面部と同一平面上に配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記長手方向配向層は、前記角部を避けて配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  7. 請求項1~6のいずれか1項に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記長手方向配向層は、前記圧縮面部の内側および/または外側の表層部に配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  8. 請求項1に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記圧縮面部は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層をさらに備え、
    前記長手方向配向層は、前記短手方向配向層よりも前記圧縮面部の表層側に配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  9. 請求項8に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記側面部の前記異方向配向層は、前記短手方向に強化繊維が配向された短手方向配向層であり、
    前記圧縮面部の前記短手方向配向層および前記側面部の前記短手方向配向層は、前記圧縮面部から前記側面部にわたって連続して配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記側面部は、前記長手方向配向層をさらに備え、
    前記側面部の前記長手方向配向層は、前記異方向配向層よりも前記側面部の厚さ方向において中央部に配置されている、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の繊維強化複合材製フレームにおいて、
    前記フレームが車両の車体を構成するセンターピラー、バンパービーム、サイドシル、ヒンジピラー、フロントピラー、およびクロスメンバからなる群から選択された少なくとも1つに適用される、
    ことを特徴とする繊維強化複合材製フレーム。
JP2021045402A 2021-03-19 2021-03-19 繊維強化複合材製フレーム Pending JP2022144406A (ja)

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