JP2022143189A - 媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラム - Google Patents

Abstract

【課題】綴じ媒体を適切に検出する。【解決手段】媒体搬送装置は、媒体を給紙するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、ピックローラのローラニップの上流側と分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、媒体の搬送方向の先端部が到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する判定部と、判定部によって媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する制御部と、を有する。【選択図】図８

Description

本発明は、媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関し、特に、綴じ媒体が搬送されたことを検出する媒体搬送装置、制御方法及び制御プログラムに関する。

一般に、媒体を搬送して撮像するスキャナ等の媒体搬送装置は、重ねて載置台に載置された複数の媒体を順次分離して搬送する。しかしながら、複数の媒体がステープル等で綴じられている場合、これらの媒体を分離する際に媒体が破損する可能性がある。そこで、媒体搬送装置において、このような綴じ媒体を適切に検出して搬送を停止させることが求められている。

綴じ媒体を分離しようとする際に生じる媒体の撓みによって押し上げることが可能な接触片を備える媒体搬送装置が知られている（特許文献１）。特許文献１の媒体搬送装置は、接触片が押し上げられた場合に綴じ媒体が搬送されていると判定し、媒体の搬送を停止する。

特開２００８－１６９０２６号公報

媒体搬送装置では、綴じ媒体をより高精度に検出することが求められている。

媒体搬送装置、制御方法、制御プログラムの目的は、綴じ媒体を適切に検出することにある。

実施形態に係る媒体搬送装置は、媒体を給紙するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、ピックローラのローラニップの上流側と分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、媒体の搬送方向の先端部が到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する判定部と、判定部によって媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する制御部と、を有することを特徴とする。

実施形態に係る制御方法は、媒体を給紙するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、ピックローラのローラニップの上流側と分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、媒体の搬送方向の先端部が到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定し、媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する、ことを含むことを特徴とする。

実施形態に係る制御プログラムは、媒体を給紙するピックローラと、ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、分離ローラよりも搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、ピックローラのローラニップの上流側と分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、媒体の搬送方向の先端部が到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定し、媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する、ことを媒体搬送装置に実行させることを特徴とする。

実施形態によれば、媒体搬送装置、制御方法及びプログラムは、綴じ媒体を適切に検出することを可能とする。

本発明の目的及び効果は、特に請求項において指摘される構成要素及び組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるだろう。前述の一般的な説明及び後述の詳細な説明の両方は、例示的及び説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。

媒体搬送装置１００の斜視図である。 媒体搬送装置１００の搬送経路について説明するための模式図である。 浮き上がりセンサ１１３の構成について説明するための斜視図である。 浮き上がりセンサ１１３及び第２媒体センサ１１６の配置について説明するための模式図である。 媒体搬送装置１００の概略構成の例を示すブロック図である。 記憶装置１４０及び処理回路１５０の概略構成の例を示すブロック図である。 媒体読取処理の流れの例を示すフロー図である。 判定処理の流れの例を示すフロー図である。 綴じ媒体の浮き上がりについて説明するための図である。 綴じ媒体の検出について説明するための図である。 後端カール媒体の検出について説明するための図である。 先端カール媒体の検出について説明するための図である。 先端カール媒体の検出について説明するための図である。 シワ媒体の検出について説明するための図である。 媒体搬送装置２００の搬送経路について説明するための模式図である。 処理回路３５０の概略構成の例を示すブロック図である。

以下、図面を参照しつつ、本発明の一側面における媒体搬送装置、制御方法及びプログラムについて説明する。本発明の技術的範囲はこれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明及びその均等物に及ぶ点に留意されたい。

図１は、イメージスキャナとして構成された媒体搬送装置１００を示す斜視図である。媒体搬送装置１００は、原稿である媒体を搬送し、撮像する。媒体は、用紙又は厚紙等である。また、媒体は、ステープル、紐又はクリップ等の綴じ具によって複数の媒体が綴じられた綴じ媒体、及び、運転免許証やＩＣカード等の、用紙よりも小さく且つ厚いカード媒体を含む。媒体搬送装置１００は、ファクシミリ、複写機、プリンタ複合機（ＭＦＰ、Multifunction Peripheral）等でもよい。なお、媒体搬送装置１００はプリンタ等でもよく、この場合、搬送される媒体は印刷対象物等である。

媒体搬送装置１００は、第１筐体１０１、第２筐体１０２、載置台１０３、排出台１０４、操作装置１０５及び表示装置１０６等を備える。

第１筐体１０１は、媒体搬送装置１００の上側に配置され、媒体つまり時、媒体搬送装置１００内部の清掃時等に開閉可能なようにヒンジにより第２筐体１０２に係合している。

載置台１０３は、搬送される媒体を載置可能に第２筐体１０２に係合している。載置台１０３は、第２筐体１０２の媒体供給側の側面に、不図示のモータによって略鉛直方向（高さ方向）Ａ１に移動可能に設けられる。載置台１０３は、媒体を搬送していないときは媒体が容易に載置されるように下端の位置に配置され、媒体を搬送するときは最も上側に載置された媒体が後述するピックローラと接触する位置まで上昇する。排出台１０４は、排出された媒体を保持可能に第１筐体１０１上に形成され、排出された媒体を積載する。

操作装置１０５は、ボタン等の入力デバイス及び入力デバイスから信号を取得するインタフェース回路を有し、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を出力する。表示装置１０６は、液晶、有機ＥＬ（Electro-Luminescence）等を含むディスプレイ及びディスプレイに画像データを出力するインタフェース回路を有し、画像データをディスプレイに表示する。

図１において矢印Ａ２は媒体搬送方向を示し、矢印Ａ３は媒体排出方向を示し、矢印Ａ４は媒体搬送方向と直交する幅方向を示す。以下では、上流とは媒体搬送方向Ａ２又は媒体排出方向Ａ３の上流のことをいい、下流とは媒体搬送方向Ａ２又は媒体排出方向Ａ３の下流のことをいう。

図２は、媒体搬送装置１００内部の搬送経路を説明するための図である。媒体搬送装置１００内部の搬送経路は、第１媒体センサ１１１、ピックローラ１１２、浮き上がりセンサ１１３、給送ローラ１１４、ブレーキローラ１１５、第２媒体センサ１１６、第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈ、第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈ、第１撮像装置１１９ａ及び第２撮像装置１１９ｂ等を有している。以下では、第１撮像装置１１９ａ及び第２撮像装置１１９ｂをまとめて撮像装置１１９と称する場合がある。

ピックローラ１１２、給送ローラ１１４、ブレーキローラ１１５、第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈ及び／又は第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈのそれぞれの数は一つに限定されず、複数でもよい。その場合、複数のピックローラ１１２、給送ローラ１１４、ブレーキローラ１１５、第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈ及び／又は第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈは、それぞれ幅方向Ａ４に間隔を空けて並べて配置される。

第１筐体１０１の、第２筐体１０２と対向する面は媒体の搬送路の第１ガイド１０１ａを形成し、第２筐体１０２の、第１筐体１０１と対向する面は媒体の搬送路の第２ガイド１０２ａを形成する。

第１媒体センサ１１１は、載置台１０３に、即ち給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５より上流側に配置され、載置台１０３における媒体の載置状態を検出する。第１媒体センサ１１１は、媒体が接触している場合、又は、媒体が接触していない場合に所定の電流を流す接触検知センサにより、載置台１０３に媒体が載置されているか否かを判別する。第１媒体センサ１１１は、載置台１０３に媒体が載置されている状態と載置されていない状態とで信号値が変化する第１媒体信号を生成して出力する。なお、第１媒体センサ１１１は接触検知センサに限定されず、第１媒体センサ１１１として、光検知センサ等の、媒体の有無を検出可能な他の任意のセンサが使用されてもよい。

ピックローラ１１２は、第１筐体１０１に設けられ、媒体搬送路と略同一の高さまで上昇した載置台１０３に載置された媒体と接触して、その媒体を下流側に向けて給送する。

浮き上がりセンサ１１３は、第１筐体１０１内に、ピックローラ１１２より下流側に設けられる。浮き上がりセンサ１１３は、ピックローラ１１２によって給送された媒体の浮き上がりを検出する。媒体の浮き上がりとは、給送された媒体が搬送経路に対して第１筐体１０１側に湾曲することをいう。浮き上がりセンサ１１３の構成については図３を用いて後述する。

給送ローラ１１４は、第１筐体１０１内に、浮き上がりセンサ１１３より下流側に配置され、ピックローラ１１２により給送された媒体をさらに下流側に向けて給送する。ブレーキローラ１１５は、第２筐体１０２内に、給送ローラ１１４と対向して配置される。給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５は、分離ローラの一例であり、媒体の分離動作を行い、媒体を分離して一枚ずつ給送する。給送ローラ１１４は、ブレーキローラ１１５に対して上側に配置されており、媒体搬送装置１００は、いわゆる上取り方式により媒体を給送する。

第２媒体センサ１１６は、到達検出センサの一例であり、給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５より下流側に配置される。第２媒体センサ１１６は、その位置に媒体が存在するか否かを検出する。第２媒体センサ１１６は、回帰型プリズムセンサであり、発光素子、受光素子及び導光部材を含む。

発光素子及び受光素子は、第２ガイド１０２ａを挟んで媒体搬送路の外側に配置される。導光部材は、Ｕ字型のプリズム等の導光管であり、第１ガイド１０１ａを挟んで媒体搬送路の外側に、両端が発光素子及び受光素子とそれぞれ対向するように配置される。発光素子は、ＬＥＤ（Light Emitting Diode）等であり、媒体搬送路を挟んで導光部材に向けて光を照射する。受光素子は、発光素子から照射され、且つ、導光部材により導かれた光を受光する。受光素子は、受光した光の強度に応じた電気信号である第２媒体信号を生成して出力する。第２媒体センサ１１６の位置に媒体が存在する場合、発光素子から照射された光はその媒体により遮光されるため、第２媒体センサ１１６の位置に媒体が存在する状態と存在しない状態とで第２媒体信号の信号値は変化する。これにより、第２媒体センサ１１６は、媒体の到達を検出する。

なお、第２媒体センサ１１６の構成は上述した例に限られない。例えば、導光部材の代わりにミラー等の反射部材が用いられてもよい。また、第２媒体センサ１１６は、発光素子と受光素子とのみから構成されてもよい。この場合、発光素子と受光素子とは、媒体搬送路を挟んで相互に対向するように第１筐体１０１及び第２筐体１０２にそれぞれ配置される。また、第２媒体センサ１１６は、第１媒体センサ１１１と同様の接触検知センサであってもよい。

第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈ及び第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈは、給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５より下流側に設けられ、給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５により給送された媒体を下流側に向けて搬送する。第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈ及び第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈは、それぞれ媒体搬送路を挟んで相互に対向して配置される。

第１撮像装置１１９ａは、媒体搬送方向Ａ２において第１～第２搬送ローラ１１７ａ～ｂ及び第１～第２従動ローラ１１８ａ～ｂより下流側に設けられる。第１撮像装置１１９ａは、主走査方向に直線状に配列されたＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）による撮像素子を有する等倍光学系タイプのＣＩＳ（Contact Image Sensor）によるラインセンサを有する。第１撮像装置１１９ａは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換するＡ／Ｄ変換器とを有する。第１撮像装置１１９ａは、搬送される媒体の表面を撮像して入力画像を生成し、出力する。

第２撮像装置１１９ｂは、媒体搬送方向Ａ２において第１～第２搬送ローラ１１７ａ～ｂ及び第１～第２従動ローラ１１８ａ～ｂより下流側に設けられる。第２撮像装置１１９ｂは、主走査方向に直線状に配列されたＣＭＯＳ（Complementary Metal Oxide Semiconductor）による撮像素子を有する等倍光学系タイプのＣＩＳ（Contact Image Sensor）によるラインセンサを有する。第２撮像装置１１９ｂは、撮像素子上に像を結ぶレンズと、撮像素子から出力された電気信号を増幅し、アナログ／デジタル（Ａ／Ｄ）変換するＡ／Ｄ変換器とを有する。第２撮像装置１１９ｂは、搬送される媒体の裏面を撮像して入力画像を生成し、出力する。

媒体搬送装置１００は、第１撮像装置１１９ａ及び第２撮像装置１１９ｂを一方だけ有し、媒体の片面だけを読み取ってもよい。また、ＣＭＯＳによる撮像素子を備える等倍光学系タイプのＣＩＳによるラインセンサの代わりに、ＣＣＤ（Charge Coupled Device）による撮像素子を備える等倍光学系タイプのＣＩＳによるラインセンサが利用されてもよい。また、ＣＭＯＳ又はＣＣＤによる撮像素子を備える縮小光学系タイプのラインセンサが利用されてもよい。

載置台１０３に載置された媒体は、ピックローラ１１２、給送ローラ１１４がそれぞれ媒体給送方向Ａ５、Ａ６に回転することによって、第１ガイド１０１ａと第２ガイド１０２ａとの間を媒体搬送方向Ａ２に向かって搬送される。一方、ブレーキローラ１１５が媒体給送方向の反対方向Ａ７に回転することによって、載置台１０３に複数の媒体が載置されている場合、載置台１０３に載置されている媒体のうち給送ローラ１１４と接触している媒体のみが分離される。

媒体は、第１ガイド１０１ａと第２ガイド１０２ａによりガイドされながら、第１～第２搬送ローラ１１７ａ～ｂが矢印Ａ８～Ａ９の方向に回転することによって、撮像装置１１９の撮像位置に送り込まれ、撮像装置１１９によって撮像される。さらに、媒体は、第３～第８搬送ローラ１１７ｃ～ｈがそれぞれ矢印Ａ１０～Ａ１５の方向に回転することによって排出台１０４上に排出される。排出台１０４は、第８搬送ローラ１１７ｈによって排出された媒体を積載する。

図３は、浮き上がりセンサ１１３の構成を説明するための斜視図である。

浮き上がりセンサ１１３は、アーム１１３ａと、馬蹄型センサ１１３ｂとを有する。

アーム１１３ａは、媒体の搬送経路の上側に、媒体搬送方向Ａ２に延伸するように設けられ、下面が第２ガイド１０２ａと所定距離だけ離間して対向するように配置される。浮き上がりセンサ１１３が複数設けられる場合、各アーム１１３ａは、高さ方向Ａ１において同一の高さに配置される。アーム１１３ａの下流側の端部１１３ｃは、上流側の端部１１３ｄが揺動するように、第１筐体１０１に回転可能に取り付けられる。所定距離は、媒体給送時に媒体が撓み得る最大高さにマージンを加えた距離に設定される。これにより、給送される媒体が浮き上がっていない場合には、媒体はアーム１１３ａに接触することなく搬送される。また、給送される媒体が浮き上がった場合には、媒体はアーム１１３ａに接触して、アーム１１３ａを回転させることにより上昇させる。即ち、アーム１１３ａは媒体の浮き上がりに応じて上昇するように配置されている。

馬蹄型センサ１１３ｂは、発光素子１１３ｅ、受光素子１１３ｆ及び発光素子１１３ｅと受光素子１１３ｆとを接続する接続部１１３ｇを有する。発光素子１１３ｅ及び受光素子１１３ｆは、相互に対向するように配置される。発光素子１１３ｅは、ＬＥＤ等であり、受光素子１１３ｆに向けて光を照射する。受光素子１１３ｆは、フォトダイオード等である。発光素子１１３ｅ及び受光素子１１３ｆは、それぞれ発光部及び受光部の一例である。受光素子１１３ｆは、アーム１１３ａを挟んで発光素子１１３ｅと対向して設けられ、発光素子１１３ｅからの光を検出する。受光素子１１３ｆは、検出された光の強度に応じた電気信号である浮き上がり検出信号を生成して出力する。

アーム１１３ａは、初期状態において、発光素子１１３ｅと受光素子１１３ｆとの間に配置され、且つ、上昇した状態において、発光素子１１３ｅ及び受光素子１１３ｆと対向しない位置に配置されるように設けられる。すなわち、アーム１１３ａは、上昇していない状態で発光素子１１３ｅから受光素子１１３ｆへの光を遮断し、上昇した状態で発光素子１１３ｅからの光を受光素子１１３ｆまで通過させるように形成される。これにより、浮き上がり検出信号は、給送される媒体が浮き上がった場合と浮き上がっていない場合とで信号値が異なる。すなわち、浮き上がりセンサ１１３は、受光素子１１３ｆが発光素子１１３ｅからの光を検出した場合に、アーム１１３ａの上昇を検出することにより媒体の浮き上がりを検出する。

図４は、浮き上がりセンサ１１３及び第２媒体センサ１１６の配置について説明するための図である。図４は、搬送経路を上から見た場合の浮き上がりセンサ１１３及び第２媒体センサ１１６の位置関係を示す模式図である。

図４に示す例では、２つの浮き上がりセンサ１１３が、ピックローラ１１２及び給送ローラ１１４に対して、幅方向Ａ４における外側にそれぞれ配置されている。２つの浮き上がりセンサ１１３の構成は、幅方向Ａ４に関して対称である点を除き、同じである。浮き上がりセンサ１１３の数は、２つに限定されず、１つ又は３つ以上でもよい。

浮き上がりセンサ１１３は、幅方向Ａ４において、ピックローラ１１２及び給送ローラ１１４から所定距離離間して配置される。所定距離は、一般にステープル又はクリップ等で綴じられる可能性が高い媒体のうち幅方向Ａ４の長さが最も小さい媒体（例えばＡ５サイズ）が搬送されたときに、その媒体の幅方向Ａ４における端部がアーム１１３ａの下側を通過するように設定される。これにより、浮き上がりセンサ１１３は、媒体搬送装置１００によって搬送可能な何れの媒体が搬送された場合にも、媒体の浮き上がりを検出することができる。

浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａの上流側の端部１１３ｄは、ピックローラ１１２のローラニップ１１２ａの上流端よりも上流側に位置する。また、浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａの下流側の端部１１３ｃは、給送ローラ１１４とブレーキローラ１１５のローラニップ１１４ａの下流端よりも下流側に位置する。これにより、浮き上がりセンサ１１３は、ピックローラ１１２のローラニップ１１２ａの上流側と、給送ローラ１１４とブレーキローラ１１５のローラニップ１１４ａの下流側との間で発生した媒体の浮き上がりを検出する。

第２媒体センサ１１６は、ブレーキローラ１１５の下流側に配置される。第２媒体センサ１１６は、二つのブレーキローラ１１５の間に、特に、幅方向Ａ４における略中央に配置されている。図４に示す例では、１つの第２媒体センサ１１６のみが配置されているが、複数の第２媒体センサ１１６が幅方向Ａ４に沿って間隔を空けて並べて配置されてもよい。

図５は、媒体搬送装置１００の概略構成の例を示すブロック図である。媒体搬送装置１００は、上述した構成に加えて、モータ１３１、インタフェース装置１３２、記憶装置１４０及び処理回路１５０等をさらに有する。

モータ１３１は、一又は複数のモータを含み、処理回路１５０からの制御信号によって、ピックローラ１１２、給送ローラ１１４、ブレーキローラ１１５及び第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈを回転させて媒体を給送及び搬送させる。なお、第１～第８従動ローラ１１８ａ～ｈは、各搬送ローラの回転に従って従動回転するのでなく、モータからの駆動力によって回転するように設けられてもよい。

インタフェース装置１３２は、例えばＵＳＢ等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、不図示の情報処理装置（例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等）と電気的に接続して読取画像及び各種の情報を送受信する。また、インタフェース装置１３２の代わりに、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有する通信部が用いられてもよい。所定の通信プロトコルは、例えば無線ＬＡＮ（Local Area Network）である。

記憶装置１４０は、ＲＡＭ（Random Access Memory）、ＲＯＭ（Read Only Memory）等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、又はフレキシブルディスク、光ディスク等の可搬用の記憶装置等を有する。また、記憶装置１４０には、媒体搬送装置１００の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能且つ非一時的な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置１４０にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばＣＤ－ＲＯＭ（Compact Disc Read Only Memory）、ＤＶＤ－ＲＯＭ（Digital Versatile Disc Read Only Memory）等である。

処理回路１５０は、予め記憶装置１４０に記憶されているプログラムに基づいて動作する回路である。処理回路１５０は、例えばＣＰＵ（Central Processing Unit）である。処理回路１５０として、ＤＳＰ（Digital Signal Processor）、ＬＳＩ（Large Scale Integration）、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit）、ＦＰＧＡ（Field-Programmable Gate Array）等が用いられてもよい。

処理回路１５０は、操作装置１０５、表示装置１０６、第１媒体センサ１１１、浮き上がりセンサ１１３、第２媒体センサ１１６、撮像装置１１９、モータ１３１、インタフェース装置１３２及び記憶装置１４０等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路１５０は、モータ１３１を制御して媒体を搬送し、撮像装置１１９を制御して入力画像を取得し、取得した入力画像を、インタフェース装置１３２を介して情報処理装置に送信する。また、処理回路１５０は、浮き上がりセンサ１１３から受信した浮き上がり検出信号及び第２媒体センサ１１６から受信した第２媒体信号に基づいて、搬送される媒体が綴じ媒体であるか否かを判定する。

図６は、記憶装置１４０及び処理回路１５０の概略構成を示す図である。

記憶装置１４０には、制御プログラム１４１及び判定プログラム１４２等の各プログラムが記憶される。これらの各プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路１５０は、記憶装置１４０に記憶された各プログラムを読み取り、読み取った各プログラムに従って動作することにより、制御部１５１及び判定部１５２として機能する。

図７は、媒体搬送装置１００によって実行される媒体読取処理の動作の例を示すフロー図である。媒体読取処理は、記憶装置１４０に記憶されているプログラムに基づいて、処理回路１５０が媒体搬送装置１００の各要素と協働することにより実現される。

まず、制御部１５１は、媒体の読取を指示する操作信号を受信するまで待機する（Ｓ１０１）。操作信号は、利用者によって媒体の読取指示が操作装置１０５に入力されたことに応じて、操作装置１０５から制御部１５１に供給される。操作信号は、利用者によって読取指示が情報処理装置に入力されたことに応じて、情報処理装置からインタフェース装置１３２を介して供給されてもよい。

続いて、制御部１５１は、第１媒体センサ１１１から出力された第１媒体信号に基づいて、載置台１０３に媒体が載置されているか否かを判定する（Ｓ１０２）。媒体が載置されていない場合（Ｓ１０２－Ｎｏ）、制御部１５１は、媒体読取処理を終了する。

媒体が載置されている場合（Ｓ１０２－Ｙｅｓ）、制御部１５１は、載置台１０３を移動させるためのモータを駆動し、媒体を給送可能な位置まで載置台１０３を上昇させる。制御部１５１は、モータ１３１を駆動し、ピックローラ１１２、給送ローラ１１４、ブレーキローラ１１５及び第１～第８搬送ローラ１１７ａ～ｈを回転させ、載置台１０３に載置された媒体を給送及び搬送させる（Ｓ１０３）。

続いて、判定部１５２は、判定処理を実行する（Ｓ１０４）。判定部１５２は、判定処理において、搬送された媒体が綴じ媒体であるか否か等を判定する。判定処理の詳細は後述する。

続いて、制御部１５１は、判定処理において、搬送された媒体が綴じ媒体であると判定されたか否かを判定する（Ｓ１０５）。搬送された媒体が綴じ媒体であると判定された場合（Ｓ１０５－Ｙｅｓ）、制御部１５１は、綴じ媒体である旨の通知を出力する（Ｓ１０６）。制御部１５１は、綴じ媒体である旨の通知を表示装置１０６に表示させることにより出力し、利用者に通知する。制御部１５１は、綴じ媒体である旨の通知を示す通知信号を、インタフェース装置１３２を介して情報処理装置に送信することにより出力し、利用者に通知してもよい。続いて、制御部１５１は、モータ１３１を停止させることにより媒体の搬送を停止させ（Ｓ１１０）、媒体読取処理を終了する。なお、綴じ媒体である旨の通知を出力すること、及び、媒体の搬送を停止させることは、異常処理の一例である。

制御部１５１は、綴じ媒体が搬送された場合に媒体の搬送を停止させることにより、媒体のジャムが発生し、媒体の損傷が発生することを抑制できる。また、制御部１５１は、媒体を綴じていたステープル又はクリップ等が媒体の搬送路に進入し、撮像装置１１９のガラス面等を傷付けることを抑制できる。これにより、利用者は、搬送される媒体がステープルで綴じられているか否かを媒体搬送前に確認する必要がなくなり、媒体搬送装置１００は、利用者の利便性を向上させるとともに、媒体読取処理の処理時間を低減させることができる。

搬送された媒体が綴じ媒体でないと判定された場合（Ｓ１０５－Ｎｏ）、制御部１５１は、媒体の後端が撮像装置１１９の撮像位置を通過したか否かを判定する（Ｓ１０７）。制御部１５１は、例えば、第２媒体センサ１１６から定期的に第２媒体信号を取得し、第２媒体信号の信号値が、媒体が存在することを示す値から媒体が存在しないことを示す値に変化したときに、媒体の後端が第２媒体センサ１１６の位置を通過したと判定する。制御部１５１は、媒体の後端が第２媒体センサ１１６の位置を通過してから所定時間が経過した時に、媒体の後端が撮像位置を通過したと判定する。所定時間は、媒体が第２媒体センサ１１６から撮像位置まで搬送される時間にマージンを加えた時間に設定される。媒体の後端がまだ撮像位置を通過していない場合（Ｓ１０７－Ｎｏ）、制御部１５１は、処理をＳ１０４に戻し、Ｓ１０４～Ｓ１０７の処理を繰り返す。

媒体の後端が撮像位置を通過した場合（Ｓ１０７－Ｙｅｓ）、制御部１５１は、撮像装置１１９から入力画像を取得する。制御部１５１は、インタフェース装置１３２を介して、取得した入力画像を情報処理装置に送信する（Ｓ１０８）。

続いて、制御部１５１は、第１媒体センサ１１１から出力された第１媒体信号に基づいて、載置台１０３に媒体が載置されているか否かを判定する（Ｓ１０９）。媒体が載置されている場合（Ｓ１０９－Ｙｅｓ）、制御部１５１は、処理をＳ１０４に戻し、Ｓ１０４～Ｓ１０９の処理を繰り返す。媒体が載置されていない場合（Ｓ１０９－Ｎｏ）、制御部１５１は、モータ１３１を停止させて（Ｓ１１０）、媒体読取処理を終了する。

図８は、判定処理の動作の例を示すフロー図である。判定処理は、媒体読取処理のＳ１０４において実行される。

まず、判定部１５２は、給送される媒体の状態を特定済みであるか否かを判定する（Ｓ２０１）。媒体の状態を特定済みである場合、判定部１５２は、判定処理を終了する。

媒体の状態をまだ特定していない場合、判定部１５２は、現在の検出期間を特定する（Ｓ２０２）。判定部１５２は、媒体の給送を開始してから、即ちピックローラ１１２の回転を開始させてから、第１時間が経過していない場合、現在の検出期間がカール検出期間であると判定する。第１時間は、媒体の先端部が載置台１０３の下流端の位置から、給送ローラ１１４のローラニップ１１４ａの上流端まで移動するために要する時間、又は、その時間よりも短い時間に設定される。判定部１５２は、時間の経過を、制御部１５１がモータ１３１を駆動した駆動量に基づいて算出してもよい。媒体の先端部とは、媒体の下流側の端部をいう。即ち、カール検出期間は、ピックローラ１１２の回転開始から、ピックローラ１１２によって給送された媒体の先端部が給送ローラ１１４のローラニップ１１４ａの上流端に到達する前の時点、又は、到達した時点までの期間に設定される。カール検出期間は、ピックローラ１１２の回転開始から第２媒体センサ１１６による媒体の到達検出前の第２所定期間の一例である。

なお、判定部１５２は、ピックローラ１１２の回転が開始したタイミングを不図示のローラエンコーダにより検出してもよい。ローラエンコーダは、ピックローラ１１２の回転に連動して回転するように設けられ且つ外周に沿って複数のスリットが設けられた円板と、円板を挟んで対向するように設けられた発光器及び受光器とを有する。発光器は、ＬＥＤ等であり、円板及び受光器に向かって光を照射する。受光器は、フォトダイオード等であり、発光器により照射された光を検出してその強度に応じた電流を出力する。ピックローラ１１２及び円板が回転している場合、発光器からの光が円板によって遮断される状態と、発光器からの光が円板のスリットを通過して受光器に検出される状態とが切り替わるため、受光器が出力する電流値が変化する。したがって、判定部１５２は、ローラエンコーダの受光器が出力する電流値が変化したことに基づいてピックローラ１１２の回転を検出することができる。

一方、判定部１５２は、カール検出期間が経過し、且つ、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６で検出されていない場合、現在の検出期間がシワ検出期間であると判定する。判定部１５２は、媒体の搬送方向Ａ２の先端部が第２媒体センサ１１６で検出されたか否かを判定する。判定部１５２は、定期的に第２媒体センサ１１６から第２媒体信号を取得し、各第２媒体信号の信号値が、媒体が存在しないことを示す値から媒体が存在することを示す値に変化したときに、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６で検出されたと判定する。即ち、シワ検出期間は、ピックローラ１１２によって給送された媒体の先端部が給送ローラ１１４のローラニップ１１４ａの上流端を通過する前の時点、又は、通過した時点から第２媒体センサ１１６の位置に到達するまでの期間に設定される。シワ検出期間は、カール検出期間の経過後且つ後述する綴じ媒体検出期間前の期間である。

一方、判定部１５２は、シワ検出期間が経過してから、第２時間が経過していない場合、現在の検出期間が綴じ媒体検出期間であると判定する。第２時間は、例えば先端部が綴じられた媒体が給送された場合に、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置を通過してから、媒体の浮き上がりが発生するまでに要する最大時間に設定される。第２時間は、媒体搬送装置１００が搬送可能な媒体の媒体搬送方向Ａ２における大きさ、及びアーム１１３ａの媒体搬送方向Ａ２における長さ等に基づいて適宜設定され、例えば媒体が３０ｍｍ以上且つ１００ｍｍ以下の任意の距離を移動する時間に設定される。即ち、綴じ媒体検出期間は、ピックローラ１１２によって給送された媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置を通過してから所定期間に設定される。綴じ媒体検出期間は、媒体の搬送方向Ａ２の先端部が第２媒体センサ１１６で検出されてからの第１所定期間の一例である。

現在の検出期間がカール検出期間である場合、判定部１５２は、何れかの浮き上がりセンサ１１３によって媒体の浮き上がりが検出されたか否かを判定する（Ｓ２０３）。判定部１５２は、各浮き上がりセンサ１１３から浮き上がり信号を取得し、何れかの浮き上がり信号の信号値が、浮き上がり閾値以上である場合に、その浮き上がりセンサ１１３が媒体の浮き上がりを検出したと判定する。浮き上がり閾値は、浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａが発光素子１１３ｅからの光を遮断している場合に受光素子１１３ｆから出力される浮き上がり信号の信号値と、発光素子１１３ｅからの光が直接に受光素子１１３ｆによって受光されている場合に受光素子１１３ｆから出力される浮き上がり信号の信号値との間の値に設定される。

カール検出期間内に浮き上がりが検出された場合（Ｓ２０３－Ｙｅｓ）、判定部１５２は、媒体が綴じ媒体ではなく先端カール媒体であると判定し（Ｓ２０４）、判定処理を終了する。綴じ媒体とは、複数の媒体が先端部において、ステープル、紐、クリップ等の綴じ具で綴じられた媒体をいい、先端カール媒体とは、媒体の先端部（幅方向Ａ４における一端又は全幅にわたる領域）が上方に湾曲又は屈曲している媒体をいう。即ち、判定部１５２は、カール検出期間内に媒体の浮き上がりが検出された場合に、綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが検出されるか否かにかかわらず、媒体が綴じ媒体でないと判定する。一方、浮き上がりが検出されていない場合（Ｓ２０３－Ｎｏ）、判定部１５２は、媒体の状態をまだ特定せずに、判定処理を終了する。

現在の検出期間がシワ検出期間である場合、判定部１５２は、シワ検出期間内に、何れかの浮き上がりセンサ１１３によって所定回数以上媒体の浮き上がりが検出されたか否かを判定する（Ｓ２０５）。判定部１５２は、シワ検出期間内に、何れかの浮き上がりセンサ１１３から出力された浮き上がり信号の信号値が、浮き上がり閾値未満の値から浮き上がり閾値以上の値に所定回数以上変化した場合に、所定回数以上媒体の浮き上がりが検出されたと判定する。所定回数は、２回以上の任意の回数であり、例えば３回である。

シワ検出期間内に媒体の浮き上がりが所定回数以上検出された場合（Ｓ２０５－Ｙｅｓ）、判定部１５２は、媒体が綴じ媒体でなくシワ媒体であると判定し（Ｓ２０６）、判定処理を終了する。シワ媒体とは、媒体の先端部以外の複数の部分が上方に屈曲している媒体をいう。一方、まだ所定回数以上浮き上がりが検出されていない場合（Ｓ２０５－Ｎｏ）、判定部１５２は、媒体の状態をまだ特定せずに、判定処理を終了する。

現在の検出期間が綴じ媒体検出期間である場合、判定部１５２は、媒体の浮き上がりが検出されたか否かを判定する（Ｓ２０７）。

綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが検出された場合（Ｓ２０７－Ｙｅｓ）、判定部１５２は、媒体が綴じ媒体であると判定し（Ｓ２０８）、判定処理を終了する。綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが検出されなかった場合（Ｓ２０７－Ｎｏ）、判定部１５２は、媒体の状態をまだ特定せずに、判定処理を終了する。

現在の検出期間が綴じ媒体検出期間の経過後である場合、判定部１５２は、媒体が綴じ媒体であるか否かを判定することなく、通常媒体であると判定し（Ｓ２０９）、判定処理を終了する。通常媒体とは、綴じ媒体、シワ媒体及び先端カール媒体の何れでもない媒体をいう。

図９は、綴じ媒体が給送ローラ１１４によって給送された場合に生じる浮き上がりについて説明するための図である。図９は、綴じ媒体の先端部が分離部（給送ローラ１１４及びブレーキローラ１１５）を通過して第２媒体センサ１１６の位置に到達し、綴じ媒体に浮き上がりが発生した状態を上方から見た図である。

綴じ媒体の先端部が分離部を通過すると、綴じ媒体のうち、上側に綴じられて給送ローラ１１４に接触している媒体Ｍ１は、給送ローラ１１４との接触位置Ｃにおいて下流側に押し出される力を受ける。一方で、給送ローラ１１４に接触していない媒体Ｍ２はブレーキローラ１１５によって上流側に押し出される力を受けるため、綴じ位置Ｓにおいて上流側に押し出される力を受ける。その結果、図９に示すように、媒体Ｍ１の給送ローラ１１４との接触位置Ｃと綴じ位置Ｓとの間の領域に浮き上がりＤが発生する。

浮き上がりＤは、概ね、幅方向Ａ４において給送ローラ１１４の外側の位置に発生する。したがって、給送ローラ１１４に対して幅方向Ａ４における外側に設けられた浮き上がりセンサ１１３により浮き上がりＤが検出される。

図１０は、綴じ媒体の検出について説明するための模式図である。図１０（Ａ）は、綴じ媒体が給送ローラ１１４の位置に到達する前の状態を側方から見た図である。図１０（Ａ）に示すように、綴じ媒体が給送ローラ１１４の位置に到達する前の状態では、綴じ媒体に浮き上がりは発生しない。

図１０（Ｂ）は、図１０（Ａ）に示した状態から時間が経過して、綴じ媒体の先端部が分離部を通過して第２媒体センサ１１６によって検出された状態を示す図である。図９を用いて説明したように、綴じ媒体の先端部が分離部を通過すると、幅方向Ａ４において給送ローラ１１４の外側の位置に浮き上がりが発生する。これにより、浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａが上方に押し上げられ、馬蹄型センサ１１３ｂにおいて受光素子１１３ｆが発光素子１１３ｅからの光を受光するため、媒体の浮き上がりが検出される。

即ち、綴じ媒体が給送された場合、媒体の先端部が分離部の下流側に配置された第２媒体センサ１１６の位置に到達する前には浮き上がりが検出されず、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達した後に浮き上がりが検出される。したがって、判定処理のＳ２０８において綴じ媒体であると判定される。

図１１は、後端カール媒体の検出について説明するための模式図である。後端カール媒体とは、媒体の先端部に対向する後端部（幅方向Ａ４における一端又は全幅にわたる領域）が上方に湾曲又は屈曲した媒体である。図１１は、後端カール媒体の先端部が第２媒体センサ１１６によって検出されてからさらに時間が経過した状態を示す図である。

図１１に示すように、後端カール媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置を通過してさらに搬送されると、媒体の後端部が浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａの下方に当接する。これにより、アーム１１３ａが媒体の後端部によって押し上げられ、馬蹄型センサ１１３ｂにおいて受光素子１１３ｆが発光素子１１３ｅからの光を受光するため、媒体の浮き上がりが検出される。

このように、後端カール媒体が給送された場合、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達し、さらに媒体の後端部がアーム１１３ａの下方に到達した後に浮き上がりが検出される。したがって、綴じ媒体検出期間を、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達した後であり且つ媒体の後端部がアーム１１３ａの下方に到達する前に設定することにより、判定処理のＳ２０９において後端カール媒体については綴じ媒体であるか否かが判定されない。したがって、媒体搬送装置１００は、後端カール媒体を綴じ媒体であると誤って判定することを抑制できる。

図１２は、先端カール媒体の検出について説明するための模式図である。図１２（Ａ）は、先端カール媒体の先端部が給送ローラ１１４の位置に到達する前の状態を側方から見た図である。図１２（Ａ）に示すように、先端カール媒体が給送ローラ１１４の位置に到達する前に、浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａが媒体の先端部によって上方に押し上げられ、媒体の浮き上がりが検出される。

図１２（Ｂ）は、図１２（Ａ）に示した状態から時間が経過して、先端カール媒体の先端部が分離部を通過して第２媒体センサ１１６によって検出された状態を示す図である。先端カール媒体は先端部のみが上方に湾曲又は屈曲しており、先端カール媒体の先端部が分離部を通過する時に分離部によって押さえつけられるため、第２媒体センサ１１６の位置に到達した後は、媒体の浮き上がりは検出されない。

図１３は、複数の先端カール媒体が重なって給送され、給送ローラ１１４に接触する媒体の先端部が分離部を通過した状態を示す図である。この場合、分離部を通過した媒体は、給送ローラ１１４と接触しない媒体によって押し上げられ、先端部が分離部を通過し第２媒体センサ１１６の位置に到達した後も、媒体の浮き上がりが検出される可能性がある。

先端カール媒体が給送される場合、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達する前に浮き上がりが検出される。したがって、判定処理のＳ２０４において先端カール媒体が検出される。また、先端カール媒体が給送された場合、媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達した後に、浮き上がりが検出される場合と浮き上がりが検出されない場合とがある。判定部１５２は、カール検出期間に媒体の浮き上がりが検出された場合、綴じ媒体検出期間に媒体の浮き上がりが検出されたか否かにかかわらず、媒体が綴じ媒体でないと判定することにより、先端カール媒体を綴じ媒体であると誤って判定することを抑制できる。これにより、媒体搬送装置１００は、先端カール媒体が給送された場合に、媒体の給送を誤って停止させることを抑制でき、媒体読取処理にかかる時間の増大を抑制できる。

図１４は、シワ媒体の検出について説明するための模式図である。図１４（Ａ）は、シワ媒体の先端部が給送ローラ１１４の位置に到達する前の状態を側方から見た図である。図１４（Ａ）に示すように、シワ媒体が給送ローラ１１４の位置に到達する前に、浮き上がりセンサ１１３のアーム１１３ａが媒体の上方に屈曲した部分によって上方に押し上げられ、馬蹄型センサ１１３ｂにおいて受光素子１１３ｆが発光素子１１３ｅからの光を受光するため、媒体の浮き上がりが検出される。

図１４（Ｂ）は、図１４（Ａ）に示した状態から時間が経過した状態を示す図である。シワ媒体は媒体の複数の部分が上方に屈曲しているため、シワ媒体の先端部が第２媒体センサ１１６の位置に到達するまでに、媒体の浮き上がりが複数回にわたって検出される。

このように、シワ媒体が給送された場合、媒体の先端部が給送ローラの位置に到達する前に複数回にわたって浮き上がりが検出される。また、シワ媒体は、媒体の先端部以外の部分が上方に屈曲しているため、シワ媒体の浮き上がりは、先端カール媒体の浮き上がりよりも後に検出される。したがって、判定処理のＳ２０６においてシワ媒体が検出される。判定部１５２は、シワ検出期間に複数回にわたって媒体の浮き上がりが検出された場合、媒体が綴じ媒体でないと判定することにより、シワ媒体を綴じ媒体であると誤って判定することを抑制できる。これにより、媒体搬送装置１００は、シワ媒体が給送された場合に、媒体の給送を誤って停止させることを抑制でき、媒体読取処理にかかる時間の増大を抑制できる。

また、判定部１５２は、先端カール媒体、シワ媒体、後端カール媒体が給送された場合に、綴じ媒体が給送されたと誤って判定することを抑制することが可能となり、綴じ媒体の検出精度を向上させることが可能となる。これにより、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体の検出機能のＯＮ／ＯＦＦを変更可能に設けた場合に、デフォルト設定をＯＮとすることが可能となり、利用者の利便性を向上させることが可能となる。

以上説明したように、実施形態に係る媒体搬送装置１００は、綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが浮き上がりセンサ１１３で検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する。これにより、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体を適切に検出することを可能とする。

また、媒体搬送装置１００は、媒体の先端の浮き上がりを検出することにより、媒体の後端が載置台１０３に設けられたサイドガイドに乗り上がることを検出する場合より、早期に媒体が綴じ媒体であることを検出できる。したがって、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体が給送された場合に、早期に媒体の給送を停止することが可能となり、媒体の損傷の発生を抑制することが可能となる。

また、媒体搬送装置１００は、ピックローラ１１２の回転開始から第２媒体センサ１１６による媒体の到達検出前のカール検出期間内に媒体の浮き上がりが検出された場合に、媒体が先端カール媒体であると判定する。この場合、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが検出されるか否かにかかわらず、媒体が綴じ媒体でないと判定する。これにより、媒体搬送装置１００は、先端カール媒体と綴じ媒体とを適切に区別して検出することを可能とする。

また、媒体搬送装置１００は、カール検出期間の経過後且つ綴じ媒体検出期間前のシワ検出期間内に媒体の浮き上がりが所定回数以上検出された場合に、媒体がシワ媒体であると判定する。この場合、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体検出期間内に媒体の浮き上がりが検出されるか否かにかかわらず、媒体が綴じ媒体でないと判定する。これにより、媒体搬送装置１００は、シワ媒体と綴じ媒体とを適切に区別して検出することを可能とする。

また、媒体搬送装置１００は、綴じ媒体検出期間の経過後は、媒体が綴じ媒体であるか否かを判定しない。これにより、媒体搬送装置１００は、後端カール媒体が給送された場合に、綴じ媒体が給送されたと誤って判定することを抑制することが可能となる。

また、媒体搬送装置１００において馬蹄型センサ１１３ｂは、媒体の浮き上がりに応じて上昇するように配置されたアーム１１３ａの上昇を検出することにより媒体の浮き上がりを検出する。これにより、媒体搬送装置１００は、媒体の浮き上がりを良好に検出することを可能とする。

また、媒体搬送装置１００において、アーム１１３ａは、上昇していない状態で馬蹄型センサ１１３ｂの発光素子１１３ｅからの光を遮断し、上昇した状態で発光素子１１３ｅからの光を受光素子１１３ｆまで通過させるように形成される。これにより、発光素子１１３ｅが正常に光を照射できず、又は受光素子１１３ｆが正常に光を検出できなくなった場合に浮き上がりが検出されなくなるため、判定処理において、通常媒体が搬送されていると判定される。したがって、媒体搬送装置１００は、発光素子１１３ｅ又は受光素子１１３ｆに異常が生じた場合に搬送を停止させることがなくなり、利用者の利便性を向上させることを可能とする。なお、アーム１１３ａは、上昇した状態で馬蹄型センサ１１３ｂの発光素子１１３ｅからの光を遮断し、上昇していない状態で発光素子１１３ｅからの光を受光素子１１３ｆまで通過させるように形成されてもよい。

また、媒体搬送装置１００において浮き上がりセンサ１１３は、ピックローラ１１２及び給送ローラ１１４に対して、幅方向Ａ４における外側にそれぞれ設けられる。これにより、媒体搬送装置１００は、一般的な綴じ媒体の浮き上がりを良好に検出することを可能とする。

図１５は、他の実施形態に係る媒体搬送装置２００内部の搬送経路を説明するための図である。媒体搬送装置２００は、浮き上がりセンサ１１３の代わりに、浮き上がりセンサ２１３を有する。

浮き上がりセンサ２１３は、第１筐体１０１内に、媒体搬送方向Ａ２においてピックローラ１１２より下流側且つ給送ローラ１１４より上流側に、且つ、ピックローラ１１２及び給送ローラ１１４に対して幅方向Ａ４における外側に配置される。浮き上がりセンサ２１３は、測距センサを有する。測距センサは媒体の搬送経路の上方に設けられ、媒体までの距離を測定することにより媒体の浮き上がりを検出する。測距センサは、発光素子及び受光素子を含む。発光素子は、ＬＥＤ等であり、給送される媒体に向けて光を照射する。受光素子は、発光素子から照射され且つ給送される媒体によって反射された光を受光する。測距センサは、発光素子が光を照射してから受光素子が光を検出するまでの時間に基づいて媒体までの距離を測定する。測距センサは、測定された距離が所定距離以下である場合に、媒体の浮き上がりを検出する。所定距離は、測距センサから、媒体給送時に媒体が撓み得る最大高さまでの距離からマージンを差し引いた距離に設定される。浮き上がりセンサ２１３は、検出した距離に応じた電気信号を浮き上がり検出信号として生成して出力する。浮き上がりセンサ２１３は、ピックローラ１１２のローラニップ１１２ａの上流側と、給送ローラ１１４とブレーキローラ１１５のローラニップ１１４ａの下流側との間の任意の場所で発生した媒体の浮き上がりを検出できるように、複数の測距センサを有してもよい。

また、上述した実施形態では、給送ローラ１１４がブレーキローラ１１５の上側に配置されて載置台１０３に載置された媒体を上側から順に給送していたが、載置台に載置された媒体を下側から順に給送するように、給送ローラがブレーキローラの下側に配置されてもよい。

図１６は、他の実施形態に係る媒体搬送装置における処理回路３５０の概略構成を示す図である。処理回路３５０は、媒体搬送装置１００の処理回路１５０の代わりに用いられ、媒体読取処理を実行する。処理回路３５０は、制御回路３５１及び判定回路３５２等を有する。なお、これらの各部は、それぞれ独立した集積回路、マイクロプロセッサ、ファームウェア等で構成されてもよい。

制御回路３５１は、制御部の一例であり、制御部１５１と同様の機能を有する。制御回路３５１は、操作装置１０５から操作信号を、第１媒体センサ１１１から第１媒体信号を、判定回路３５２から判定処理における判定結果を受信し、受信した各信号及び判定結果に基づいてモータ１３１を制御する。また、制御回路３５１は、撮像装置１１９から入力画像を受信し、記憶装置１４０に記憶するとともにインタフェース装置１３２を介して情報処理装置へ送信する。

判定回路３５２は、判定部の一例であり、判定部１５２と同様の機能を有する。判定回路３５２は、浮き上がりセンサ１１３及び第２媒体センサ１１６からそれぞれ浮き上がり検出信号及び第２媒体信号を受信する。判定回路３５２は、受信した各信号に基づいて、媒体が綴じ媒体であるか否か等を判定し、判定結果を制御回路３５１に出力する。

以上説明したように、媒体搬送装置は、処理回路３５０を用いる場合においても、綴じ媒体を適切に検出することを可能とする。

当業者は、本発明の精神および範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。例えば、上述した実施形態及び変形例は、本発明の範囲において、適宜に組み合わせて実施されてもよい。

１００ 媒体搬送装置
１１２ ピックローラ
１１３ 浮き上がりセンサ
１１３ａ アーム
１１３ｅ 発光素子
１１３ｆ 受光素子
１１４ 給送ローラ
１１５ ブレーキローラ
１１６ 第２媒体センサ
１５１ 制御部
１５２ 判定部

Claims (10)

1. 媒体を給送するピックローラと、
   前記ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、
   前記分離ローラよりも前記搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、
   前記ピックローラのローラニップの上流側と前記分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、
   媒体の搬送方向の先端部が前記到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが前記浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定する判定部と、
   前記判定部によって媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する制御部と、
   を有することを特徴とする媒体搬送装置。
2. 前記判定部は、前記ピックローラの回転開始から前記到達検出センサによる媒体の到達検出前の第２所定期間内に媒体の浮き上がりが検出された場合に、前記第１所定期間内に媒体の浮き上がりが検出されるか否かにかかわらず、媒体が綴じ媒体でないと判定する、請求項１に記載の媒体搬送装置。
3. 前記判定部は、前記第２所定期間の経過後且つ前記第１所定期間前に媒体の浮き上がりが所定回数以上検出された場合に、媒体が綴じ媒体でないと判定する、請求項１又は２に記載の媒体搬送装置。
4. 前記判定部は、前記第１所定期間の経過後は、媒体が綴じ媒体であるか否かを判定しない、請求項１－３の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
5. 媒体の搬送経路の上側に、媒体の浮き上がりに応じて上昇するように配置されたアームをさらに有し、
   前記浮き上がりセンサは、前記アームの上昇を検出することにより媒体の浮き上がりを検出する、請求項１－４の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
6. 前記浮き上がりセンサは、発光部と、前記アームを挟んで前記発光部と対向して設けられ、前記発光部からの光を検出するための受光部と、を有し、
   前記アームは、上昇していない状態で前記発光部からの光を遮断し、上昇した状態で前記発光部からの光を前記受光部まで通過させるように形成され、
   前記浮き上がりセンサは、前記受光部が前記発光部からの光を検出した場合に、媒体の浮き上がりを検出する、請求項５に記載の媒体搬送装置。
7. 前記浮き上がりセンサは、媒体の搬送経路の上側に配置され、媒体までの距離を測定することにより媒体の浮き上がりを検出する、請求項１－４の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
8. 前記浮き上がりセンサは、前記ピックローラ及び前記分離ローラに対して、前記搬送方向と直交する方向における外側にそれぞれ設けられる、請求項１－７の何れか一項に記載の媒体搬送装置。
9. 媒体を給送するピックローラと、前記ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、前記ピックローラのローラニップの上流側と前記分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、を有する媒体搬送装置の制御方法であって、
   媒体の搬送方向の先端部が前記到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが前記浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定し、
   媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する、
   ことを含むことを特徴とする制御方法。
10. 媒体を給送するピックローラと、前記ピックローラよりも媒体の搬送方向下流側に配置された分離ローラと、前記分離ローラよりも前記搬送方向下流側に配置され、媒体の到達を検出する到達検出センサと、前記ピックローラのローラニップの上流側と前記分離ローラのローラニップの下流側との間で、媒体の浮き上がりを検出する浮き上がりセンサと、を有する媒体搬送装置の制御プログラムであって、
    媒体の搬送方向の先端部が前記到達検出センサで検出されてからの第１所定期間内に媒体の浮き上がりが前記浮き上がりセンサで検出された場合に、媒体が綴じ媒体であると判定し、
    媒体が綴じ媒体であると判定された場合に、異常処理を実行する、
    ことを前記媒体搬送装置に実行させることを特徴とする制御プログラム。

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