JP2022138889A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷装置におけるテープ片の残留を簡単且つ低コストに防ぐ。【解決手段】印刷装置(10)は、テープ(31)を搬送させることでテープを搬送経路の外部に排出させるための搬送部(21)と、本体(11)に対して開閉可能な蓋(12)と、蓋が開く動作によって、搬送経路(24b)内に残留しているテープ片(32)を搬送経路の外部に排出させる排出機構(40、140)と、を備える。【選択図】図9

Description

本発明は、印刷装置に関する。
印刷装置の一種として、細長い帯状の被印刷媒体であるテープに対して文字や画像を印刷してラベルを作成するラベルプリンタが広く普及している。多くのラベルプリンタでは、テープを長手方向に巻いたロール形状にして取り付け、テープを引き出し方向に搬送しながら印刷部による印刷を行う。印刷後のテープは、排出口を通してラベルプリンタの外側に排出されると共に、ラベルプリンタが備える切断機構を用いて切断されて、所定の長さのラベルになる。
このようなラベルプリンタでは、切断機構で切断された残りのテープ片が、ラベルプリンタ内の搬送経路上に残留して、次回の印刷時におけるテープの搬送エラー(テープ詰まり)を誘発する場合があった。特に、ロール形状のテープの最終端の部分で、このような搬送経路上へのテープ片の残留が生じやすい。
残留したテープ片による不具合を防ぐために、搬送経路上に残留したテープ片をセンサによって検知する技術や、モータで駆動する排出ローラを有する排出装置によって、残留したテープ片を強制的にラベルプリンタ外へ排出させる技術が知られている。
特開2017-43480号公報 特開2015-182830号公報
センサによる検知は、幅などの種類が異なる多様なテープの全てに対応することが難しいという問題や、センサを設けることによるコストアップなどの問題がある。モータ駆動による排出装置を用いたテープ片の排出は、モータやローラなどを設けることによる部品点数の増加や構造の複雑化、コストアップ、メンテナンスの手間の増大などの問題がある。
以上のような問題点を解決するべく、本発明は、簡単且つ低コストにテープ片の残留を防ぐことが可能な印刷装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る印刷装置は、テープを搬送させることで前記テープを搬送経路の外部に排出させるための搬送部と、本体に対して開閉可能な蓋と、前記蓋が開く動作によって、前記搬送経路内に残留しているテープ片を前記搬送経路の外部に排出させる排出機構と、を備える。
上記の態様の印刷装置によれば、簡単且つ低コストにテープ片の残留を防ぐことができる。
蓋を閉じた状態の印刷装置の斜視図である。 蓋を途中まで開いた状態の印刷装置の斜視図である。 印刷装置の本体の平面図である。 蓋を閉じた状態における排出機構を示す図である。 図4のA-A線に沿う排出機構の断面図である。 図4のB-B線に沿って見た印刷部、搬送部及び排出機構の図である。 蓋を開く途中における排出機構を示す図である。 図7のC-C線に沿う排出機構の断面図である。 図7よりも蓋の開度を大きくした状態の排出機構を示す図である。 図9のD-D線に沿う排出機構の断面図である。 蓋を解除位置まで開いた状態での排出機構を示す図である。 図11のE-E線に沿う排出機構の断面図である。 蓋を解除位置よりも大きく開いた状態での排出機構を示す図である。 図13のF-F線に沿う排出機構の断面図である。 排出機構の変形例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1と図2は本実施形態の印刷装置10の外観を示している。印刷装置10は、帯状の被印刷媒体であるテープ31(図3及び図6参照)にラベル作成処理を行ってラベルを作成するラベルプリンタである。
互いに垂直な関係にあるX軸方向、Y軸方向、Z軸方向を基準として、印刷装置10の構成を説明する。印刷装置10は、概ね箱型の外観形状を有している。印刷装置10の外面のうち、Z軸方向に向く両面を第1面10a及び第2面10bとし、Y軸方向に向く両面を第3面10c及び第4面10dとし、X軸方向に向く両面を第5面10e及び第6面10fとする。
印刷装置10は、ラベル作成処理を行う機能を有する本体11と、本体11に対して開閉可能な蓋12を有している。印刷装置10で行うラベル作成処理は、印刷部であるサーマルヘッド22を用いて行うテープ31への印刷、搬送部であるプラテンローラ21を用いて行うテープ31の搬送、切断部であるテープカッター23を用いて行うテープ31の切断、を含む。
図1は蓋12が閉じた状態を示し、図2は蓋12が開いた状態を示している。なお、図2は蓋12を途中まで開いた状態であり、蓋12はさらに大きく開くことができる。蓋12は、閉じた状態で、第1面10aの略全体と、第5面10e及び第6面10fの略半分を構成する形状である。
図3に示すように、本体11には、第1面10aと第3面10cの境界付近にヒンジ部25が設けられている。蓋12はヒンジ部25に接続し、ヒンジ部25への接続部分を軸として、Z軸方向に引き上げるようにして蓋12を開くことができる。蓋12を開く動作は、ユーザの手動によって行われる。
本体11と蓋12には、蓋12を閉じた状態で保持するロック機構13(図2及び図3に一部を示す)が設けられている。本体11に設けたオープンボタン14を押し込むことにより、ロック機構13のロックを解除して蓋12を開くことができる。
本体11によって構成されている第3面10c上には、複数の操作ボタン15が設けられている。操作ボタン15の操作によって、電源のオンオフ、テープ31の搬送や切断などを実行させることができる。また、印刷装置10は、スマートフォンなどの外部機器で作成した印刷データを受信して印刷を行うタイプであり、外部機器との通信に使用するネットワークの接続設定なども操作ボタン15の操作によって行う。
図1のように蓋12を閉じた状態では、第1面10aの略全体を蓋12が構成する。また、本体11と蓋12が合わさって第5面10eと第6面10fを形成し、第5面10eと第6面10f上には、本体11と蓋12の境界である境界線PLが存在する。本体11の第5面10eを向く位置には、境界線PLを横切ってZ軸方向に延びる細長い排出口16が形成されている。排出口16は、印刷装置10によってラベル作成処理を行ったテープ31(作成後のラベル)を外部に排出するための部分である。排出口16の周囲には、本体11の切り欠き17と蓋12の切り欠き18が形成されており、切り欠き17及び切り欠き18を通して排出口16が印刷装置10の外面に露出する。
図3は、本体11から蓋12を取り外した状態で、本体11のうち第1面10a側に露出する構造を示した図である。主に図3を参照して、印刷装置10でのラベル作成処理に関する構造を説明する。
本体11にはアダプタ収納部20が形成されている。アダプタ収納部20は、第1面10a側に向けて開放される凹部であり、その内部にテープアダプタ30を収容可能である。テープアダプタ30はテープ31を収容するためのケースであり、テープ31はロール形状に巻かれた状態でテープアダプタ30に収められる。蓋12を開くことでアダプタ収納部20が露出して、アダプタ収納部20へのテープアダプタ30の着脱が可能になる。
印刷装置10では、幅などが異なる複数種のテープ31に対して印刷が可能であり、各種類のテープ31に対応して、形状の一部が異なる複数種のテープアダプタ30が準備されている。対応するテープアダプタ30にテープ31を収めて、当該テープアダプタ30をアダプタ収納部20に取り付けると、アダプタ収納部20内に設けた検知部(図示略)がテープアダプタ30の形状の違いを検知して、テープ31の種類を判別する。印刷装置10の制御部は、検知されたテープ31の種類に応じて印刷や搬送を制御する。
本体11の内部には、プラテンローラ21、サーマルヘッド22、テープカッター23が備えられている。
プラテンローラ21は、テープアダプタ30から繰り出されたテープ31を搬送するローラである。プラテンローラ21は、Z軸方向に延びる軸を中心として回転可能に支持されており、図示しない搬送用モータの駆動力により回転する。図3及び図6に示すように、テープアダプタ30から繰り出されたテープ31をプラテンローラ21とサーマルヘッド22の間に狭持した状態でプラテンローラ21を回転させることにより、テープ31を長手方向に搬送する。テープ31は、本体11内において概ねX軸方向に搬送される。
サーマルヘッド22は、テープ31に印刷を行う印刷ヘッドである。サーマルヘッド22は、テープ31の長手方向(搬送方向)に対して垂直な主走査方向に配列された複数の発熱素子を有しており、発熱素子でテープ31を加熱することにより1ラインずつ印刷(印字)を行う。
テープ31は、所定の温度以上に加熱することにより発色する(色が変化する)発色層を有する感熱テープである。テープ31の発色層のうち、サーマルヘッド22の発熱素子によって加熱された部分が発色して印刷が行われる。
なお、本実施形態では、被印刷媒体として感熱式のテープ31を用いているが、本発明における印刷装置の印刷方式は特に限定されない。例えば、印刷装置の印刷方式は、インクリボンを使用する熱転写方式、インクジェット方式、レーザ感光方式などであってもよい。
サーマルヘッド22によって印刷されたテープ31は、プラテンローラ21の回転によって排出方向(図3の右手方向)に搬送される。サーマルヘッド22よりも排出方向に進んだ位置にテープカッター23が設けられている。テープカッター23は、Y軸方向へ移動可能な刃を有しており、カッター駆動モータ(図示略)の駆動によって刃が移動してテープ31を切断する。テープカッター23によるテープ31の切断は、印刷後に自動的に行われても良いし、操作ボタン15の操作によってユーザが任意のタイミングで行わせても良い。
図6に示すように、テープカッター23に続く位置に、排出口16に向けてテープ31の進行を案内するテープガイド24が設けられている。テープガイド24は、Y軸方向に間隔を空けて対向する一対の側壁24aを有し、一対の側壁24aの間に、X軸方向に延びる細長いテープ通路24bが形成されている。テープ通路24bはテープカッター23と排出口16との間に位置しており、テープ通路24bのX軸方向の出口部分が排出口16につながっている。
図5などに示すように、テープ通路24bは、Z軸方向で第1面10a側に開口している。本体11には、このテープ通路24bの開口部分に連通する通路開口部26が形成されている。通路開口部26を通してZ軸方向へテープ31を通過させて、テープ通路24bにテープ31を出入りさせることが可能である。蓋12を閉じた状態で、通路開口部26は蓋12によって覆われる。
アダプタ収納部20内のテープアダプタ30から引き出されたテープ31は、プラテンローラ21及びサーマルヘッド22の間、テープカッター23の設置箇所、テープガイド24のテープ通路24b、を経由する搬送経路を通る。そして、図3及び図6に矢印Rで示す方向へのプラテンローラ21の回転によって搬送され、排出口16から印刷装置10の外側へ排出される。
印刷装置10は、排出口16から排出されずに本体11内の搬送経路(特にテープ通路24b)に残留したテープ片32を排出させる排出機構40を備えている。図4から図14は、排出機構40の構成と動作を示している。排出機構40は、本体11の内部に設けた第1リンク41、第2リンク42、排出部材43及び引張バネ44と、蓋12に設けた操作突起45とを備えている。第1リンク41と第2リンク42は中継部材の一例であり、引張バネ44は付勢部材の一例である。また、第1リンク41と第2リンク42と操作突起45は、伝達手段の一例である。
第1リンク41と第2リンク42はそれぞれ細長い板状の部材であり、平面状の両側面をY軸方向に向けて配されている。第1リンク41が支持軸41aを中心として回動(揺動)可能に支持されており、第2リンク42が支持軸42aを中心として回動(揺動)可能に支持されている。支持軸41aと支持軸42aは、Y軸方向に軸線が向いており、互いにX軸方向に位置を異ならせて配置されている。支持軸41aがX軸方向でテープガイド24から遠い位置にあり、支持軸42aがX軸方向でテープガイド24に近い位置にある。
第1リンク41の長手方向の一端に近い位置に被伝達ピン41bが設けられ、第1リンク41の他端に近い位置に接続ピン41cが設けられている。被伝達ピン41bは被伝達部の一例である。被伝達ピン41bと接続ピン41cはそれぞれ、板状の第1リンク41の側面からY軸方向に突出する円柱形状の突起である。第1リンク41は、被伝達ピン41bと接続ピン41cの間の中間位置で、支持軸41aによって軸支されている。
第2リンク42の長手方向の一端に近い位置に第1接続孔42bが設けられ、他端に近い位置に第2接続孔42cが設けられている。第2リンク42は、第1接続孔42bと第2接続孔42cの間の中間位置で、支持軸42aによって軸支されている。
第1接続孔42bと第2接続孔42cはそれぞれ、第2リンク42をY軸方向に貫通する長孔である。第1接続孔42bの長手方向は、支持軸42aを中心とする半径方向に対してやや傾いている。第2接続孔42cの長手方向は、支持軸42aを中心とする半径方向に向いている。つまり、第1接続孔42bと第2接続孔42cは互いに非平行な長孔である。これに対応して、第2リンク42の形状は、第2接続孔42cが形成された部分に対して第1接続孔42bが形成された部分が屈曲したものになっている。
排出部材43は、テープガイド24の内側に位置するブロック状の部材である。排出部材43のY軸方向の両側面には、X軸方向に位置を異ならせて複数のガイドリブ43aが設けられている。各ガイドリブ43aは、排出部材43の側面からY軸方向に突出する突起であり、Z軸方向に長い形状である。
テープガイド24には、一対の側壁24aの対向する内面側に、Z軸方向へ延びる複数のガイド溝24cが形成されている。図5に示すように、Y軸方向に対向して配されている一対のガイド溝24cの内面間の幅W1は、Y軸方向での通路開口部26の開口幅W2よりも大きい。従って、各ガイド溝24cのZ軸方向の一端は、本体11のうち通路開口部26の近傍の縁部11aによって塞がれている。各ガイド溝24cのZ軸方向の他端には、段差形状の移動規制部24dが形成されている。
排出部材43に設けた複数のガイドリブ43aが、テープガイド24に設けた複数のガイド溝24cに挿入されている。各ガイドリブ43aが各ガイド溝24cの案内を受けることによって、排出部材43はZ軸方向へ移動可能に支持されている。排出部材43は、各ガイドリブ43aの一端が各移動規制部24dに当接する位置から、各ガイドリブ43aの他端が本体11の縁部11aに当接する位置までの範囲で、Z軸方向へ移動することができ、それ以上の移動は機械的に制限される。各ガイドリブ43aと各ガイド溝24cが嵌め合いになる構造は、X軸方向及びY軸方向への排出部材43の移動を制限する。
付勢部材である引張バネ44の一端が排出部材43に接続している。引張バネ44の他端は本体11内に固定されている。引張バネ44は、X軸方向で通路開口部26とは反対側(テープ通路24bの底部側)へ向けて排出部材43を付勢する。
排出部材43は、外部からの力を受けていない状態では、引張バネ44の力によって、各ガイドリブ43aが各移動規制部24dに接する位置に保持される。排出部材43の当該位置を退避位置と呼ぶ。退避位置にある排出部材43は、テープ通路24bからZ軸方向に退避しており、テープ通路24b内でのテープ31の進行を妨げない。換言すれば、テープガイド24の内部空間のうち、退避位置にある排出部材43によって占められていない領域が、テープ通路24bである。
排出部材43のX軸方向の一方の端部付近は、テープガイド24の側壁24aに覆われずに露出しており(図6参照)、排出部材43の当該位置に接続ピン43bが設けられている。接続ピン43bは、排出部材43からY軸方向に突出する円柱形状の突起である。
第1リンク41の接続ピン41cが第2リンク42の第1接続孔42bに挿入されている。第1リンク41が支持軸41aを中心として揺動すると、接続ピン41cが第1接続孔42bの内面を押し込んで第2リンク42に力を伝達する状態と、接続ピン41cが第1接続孔42bの長手方向に移動して第2リンク42に力を伝達しない状態のいずれかになる。いずれの状態になるかは、第1リンク41と第2リンク42の位置関係によって異なる。
排出部材43の接続ピン43bが第2リンク42の第2接続孔42cに挿入されている。第2リンク42が支持軸42aを中心として揺動すると、第2接続孔42cの内面が接続ピン43bを押し込んで力を伝達する。接続ピン43bは、第2接続孔42cの長手方向に位置を変化させながら、第2接続孔42cの内面からの力を受ける。
操作突起45は、蓋12の内面から突出する片持ち形状の突起である。本体11に対して蓋12を閉じた状態では、操作突起45はZ軸方向に延びている。操作突起45のうち蓋12の内面に接続する側を基端(根元)とし、その反対側を先端とする。操作突起45の先端近くには、X軸方向で第1リンク41側に向けて突出する山型の伝達部45aが形成されている。
伝達部45aには、第1押圧面45bと第2押圧面45cが形成されている。第1押圧面45bは、伝達部45aのうち操作突起45の基端側に位置しており、X軸方向の突出量が大きくなるに従って、Z軸方向で操作突起45の先端側に進む傾斜面である。第2押圧面45cは、伝達部45aのうち操作突起45の先端側に位置しており、X軸方向の突出量が大きくなるに従って、Z軸方向で操作突起45の基端側に進む傾斜面である。Z軸方向に対する傾斜角は、第1押圧面45bの方が第2押圧面45cよりも大きい。
本体11に対して蓋12を閉じると、操作突起45が本体11の内部に挿入される。伝達部45aは、蓋12が開閉する際に、第1押圧面45bや第2押圧面45cで被伝達ピン41bを押圧し、第1リンク41を動作させる。
以上の構成の排出機構40の動作を説明する。なお、以下の説明では、Z軸方向における第1面10a側(本体11の通路開口部26側)を上方とし、Z軸方向における第2面10b側を下方とする。また、排出機構40の動作をY軸方向に沿って見ている図4、図7、図9、図11、図13では、Z軸方向への操作突起45の位置変化を表しているが、蓋12の開閉動作はヒンジ部25を中心とする回動であり、蓋12の開閉に伴って操作突起45は、Z軸方向へ移動しながらY軸方向への位置も変化させている。
図4及び図5は、蓋12を完全に閉じた状態を示している。蓋12を閉じた状態では、引張バネ44の力によって、排出部材43がテープ通路24bの下方の退避位置に引き込まれている。退避位置よりも下方への排出部材43の移動は、各ガイド溝24cの移動規制部24dに対する各ガイドリブ43aの当接によって規制されるので、テープガイド24から下方への排出部材43の脱落は生じない。退避位置にある排出部材43は、支持軸41aや支持軸42aよりも下方に位置している。
印刷装置10による一連のラベル作成処理は、蓋12を閉じた状態で実行される。ラベル作成処理が行われたテープ31は、概ねX軸方向に向けて搬送され、テープ通路24bを通過して排出口16から外部へ排出される。退避位置にある排出部材43は、テープ通路24b内に進出していないので、ラベル作成処理の際にテープ31の搬送動作を妨げない。
蓋12を閉じた状態では、第2リンク42は、退避位置に保持される排出部材43に伴って、接続ピン43bが挿入されている第2接続孔42cの先端を斜め下方に向け、第1接続孔42bの先端を斜め上方に向けた角度に保たれている。第1リンク41は、第1接続孔42bに挿入されている接続ピン41cを支持軸41aよりも上方に位置させ、被伝達ピン41bを支持軸41aよりも下方に位置させた角度に保たれている。つまり、第1リンク41と第2リンク42は、接続ピン41cと第1接続孔42bの接続部分を高くした山型配置になっている。第1リンク41と第2リンク42の当該位置を初期位置とする。
閉じられた蓋12から突出している操作突起45が本体11内に挿入されており、伝達部45aが支持軸41aよりも下方に位置している。伝達部45aを構成する第1押圧面45bが、被伝達ピン41bに下方から接する位置にある。
ユーザの操作によって蓋12を開くと、図7及び図8、図9及び図10、図11及び図12、図13及び図14の順で排出機構40が動作する。蓋12を閉じた状態で図5のようにテープ片32がテープ通路24b内に残留している場合には、蓋12を開く際の排出機構40の動作によって、テープ片32が本体11の外側に排出される。
閉じた状態にある蓋12を開く動作を開始すると、図7に示すように、操作突起45の第1押圧面45bが被伝達ピン41bをZ軸方向の上方へ向けて押圧する。この押圧によって第1リンク41は、初期位置から、被伝達ピン41bを上方に移動させ接続ピン41cを下方に移動させる方向(図7の時計方向)への回動を行う。すると、接続ピン41cが被伝達ピン41bの内面を下方に押し込んで、第2リンク42は、初期位置から、第1接続孔42bを下方に移動させ第2接続孔42cを上方に移動させる方向(図7の反時計方向)への回動を行う。第2リンク42が当該回動を行うと、第2接続孔42cの内面が接続ピン43bを上方に向けて押圧する。その結果、引張バネ44の力に抗して、排出部材43が退避位置から上方への移動を開始する。
図4と図7の比較から分かるように、初期位置からの第1リンク41と第2リンク42のそれぞれの回動に伴って、第1接続孔42bの長手方向での接続ピン41cの位置が変化する。より詳しくは、図4の状態では、第1接続孔42bの長手方向の中央付近に位置していた接続ピン41cが、図7の状態では、第1接続孔42bのうち支持軸42aに近い側に位置を変化させている。また、第2リンク42の回動と排出部材43の上方への移動に伴って、第2接続孔42cの長手方向での接続ピン43bの位置が変化する。より詳しくは、図4の状態では、第2接続孔42cのうち支持軸42aから遠い側に位置していた接続ピン43bが、図7の状態では、第2接続孔42cの長手方向の中央付近に位置を変化させている。このように、長孔として形成された第1接続孔42bと第2接続孔42cに対して接続ピン41cと接続ピン43bが位置を変化させることで、第1リンク41と第2リンク42が互いの動作を妨げることなく、排出部材43へのスムーズな動力伝達を行うことができる。
また、第1リンク41の回動に伴って、被伝達ピン41bは、Z軸方向に加えてX軸方向にも位置を変化させる。図4の状態から図7の状態への第1リンク41の角度変化では、被伝達ピン41bはX軸方向で操作突起45に近づく方向(図4及び図7の左手方向)へ位置を変化させる。図7の位置よりもさらに第1リンク41が時計方向に回動すると、被伝達ピン41bはX軸方向で操作突起45から離れる方向(図4及び図7の右手方向)へ位置を変化させる。
図8に示すように、排出部材43が退避位置よりも上方へ移動すると、テープ通路24b内に排出部材43が進出していく。排出部材43はテープ通路24bの底部を構成しているので、テープ通路24bの深さが小さくなる。その結果、テープ通路24b内に残留していたテープ片32が通路開口部26に向けて押し上げられる。
蓋12を開く動作を継続すると、操作突起45の第1押圧面45bが被伝達ピン41bをZ軸方向の上方へ向けてさらに押圧する。そして、図9に示すように、第1リンク41と第2リンク42は、接続ピン41cと第1接続孔42bの接続部分を支持軸41a及び支持軸42aよりも下方に位置させ、被伝達ピン41bと第2接続孔42cを支持軸41a及び支持軸42aよりも上方に位置させたV字状の配置になる。接続ピン41cは、第1接続孔42bの長手方向の中央付近に位置を変化させ、接続ピン43bは、第2接続孔42cのうち支持軸42aから遠い側に位置を変化させる。つまり、図9の状態において、第1リンク41と第2リンク42は、図4に示す初期位置から上下に反転させたような状態になる。そして、第2接続孔42cと接続ピン43bの接続部分は図7の状態よりもさらに上方に移動している。
この動作の結果、図10に示すように、第1リンク41と第2リンク42を介して押し上げられた排出部材43がZ軸方向で通路開口部26の近傍まで達し、テープ通路24b内に残留していたテープ片32を、通路開口部26を通してテープ通路24bの外側に押し出す。排出部材43の当該位置をテープ排出位置と呼ぶ。
図9及び図10の状態では、被伝達ピン41bが第1押圧面45bの先端に近い位置(第2押圧面45cとの境界に近い位置)に接している。この状態から蓋12をさらに開くと、第1押圧面45bからの押圧によって、被伝達ピン41bを上方に移動させる方向(図9の時計方向)へ第1リンク41が回動しようとする。
このときの第1リンク41の回動は、被伝達ピン41bをZ軸方向の上方に移動させる動作成分とX軸方向で操作突起45から離間させる(図9で右手方向に移動させる)動作成分を含む。そのため、図11に示すように、被伝達ピン41bが伝達部45aの先端(第1押圧面45bと第2押圧面45cの境界)に達して、第1押圧面45bから外れる。つまり、被伝達ピン41bが伝達部45aから離れる。被伝達ピン41bが伝達部45aから離れると、蓋12と排出部材43の連動が解除され、第1リンク41と第2リンク42を介して排出部材43を押し上げていた力が伝達されなくなる。この図11の状態における蓋12の位置を、解除位置と呼ぶ。
第1押圧面45bは、X軸方向へ突出するにつれてZ軸方向で操作突起45の先端側(下方)に進む傾斜形状である。そのため、操作突起45がZ軸方向で上方へ移動すると、第1押圧面45bから被伝達ピン41bに対して、Z軸方向への力に加えてX軸方向への分力も作用し、伝達部45aから被伝達ピン41bをX軸方向へ離脱させる動作がアシストされる。これにより、蓋12が解除位置に達したときに、被伝達ピン41bと伝達部45aの当接状態をスムーズに解除させることができる。
図12に示すように、蓋12が解除位置に達して被伝達ピン41bが伝達部45aから離れる直前で、排出部材43は最も上方に押し上げられた状態になり、排出部材43の上面が通路開口部26の直下に達する。これにより、テープ片32がテープ通路24b内から完全に押し出される。Z軸方向での通路開口部26の深さは、テープ片32の幅寸法に比して遥かに小さいため、排出部材43によって通路開口部26まで押し出されたテープ片32は、通路開口部26の内側には残らずに自重で倒れて、本体11の外面上に載る状態になる。図9及び図10の状態と同様に、図11及び図12の状態でも、排出部材43の位置はテープ排出位置である。
また、Y軸方向において、通路開口部26の開口幅W2(図5参照)よりもガイドリブ43aを含む排出部材43の幅の方が大きい。そのため、テープ排出位置まで押し上げられた排出部材43は通路開口部26を通過せず、テープガイド24から上方への排出部材43の脱落は生じない。
蓋12を開く動作に連動して排出部材43が退避位置(図4及び図5)からテープ排出位置(図9から図12)へ移動した結果、引張バネ44は、徐々に引き伸ばされて付勢力をチャージした状態になっている。被伝達ピン41bが伝達部45aから離れて排出部材43を押し上げていた力の伝達が解除されると、図13及び図14に示すように、引張バネ44の力によって排出部材43がZ軸方向で下方に移動して退避位置に戻る。退避位置への排出部材43の移動によって接続ピン43bが下方に位置を変化させると、第1リンク41と第2リンク42も初期位置に戻る。蓋12が解除位置を超えた以降は、蓋12の開度をそれ以上大きくしても、第1リンク41と第2リンク42と排出部材43の位置関係は変わらず、図13及び図14に示す位置関係を維持する。
上述したように、テープ排出位置まで移動した排出部材43によってテープ通路24bから押し出されたテープ片32は、倒れて本体11の外面上に載った状態になる(図11から図14参照)。従って、図13及び図14に示すように、排出部材43が退避位置に戻っても、テープ片32は本体11の外面上に露出した状態を維持し、退避位置への排出部材43の移動に追従してテープ片32が再びテープ通路24b内に進入することがない。
以上のように、テープ通路24b内に残留していたテープ片32は、蓋12を開く動作によって、排出機構40を介してテープ通路24bから通路開口部26を通って本体11の外側に排出される。排出されたテープ片32は、蓋12を開いた状態でユーザが容易に視認及びアクセスできる位置(本体11の外面上)にあるため、排出後のテープ片32の存在をユーザに確実に気付かせることができ、しかも工具などを用いずにテープ片32を簡単に除去することができる。
開いた状態から蓋12を閉じると、操作突起45が本体11内に新入する。図13に示すように、蓋12を閉じる際の伝達部45aの移動軌跡上に被伝達ピン41bが位置している。そして、蓋12が完全に閉じられる状態の少し前の段階で、操作突起45の第2押圧面45cが被伝達ピン41bに当接する。
第2押圧面45cは、X軸方向へ突出するにつれてZ軸方向で操作突起45の基端側(上方)に進む傾斜形状である。そのため、Z軸方向における下方への操作突起45の移動によって第2押圧面45cが被伝達ピン41bに当接すると、第2押圧面45cから被伝達ピン41bに対して、Z軸方向への力に加えてX軸方向への分力も作用する。当該分力によって、第1リンク41が図13における反時計方向に回動する。この第1リンク41の回動では、接続ピン41cが第1接続孔42b内を支持軸42aから離れる方向に移動し、第1接続孔42bの内面に対して回動方向への力を伝達しない。つまり、第2リンク42の第1接続孔42bに対して、第1リンク41の接続ピン41cが空振りする状態になる。従って、第2リンク42は第1リンク41に連動した回動を行わず、排出部材43は退避位置に保持され続ける。
蓋12をさらに閉じて、伝達部45aの先端(第1押圧面45bと第2押圧面45cの境界)が被伝達ピン41bを乗り越えるまで操作突起45が本体11内に進入すると、第2押圧面45cによる被伝達ピン41bの押し込みが解除されて、被伝達ピン41bが第1押圧面45bに接するようになる。そして、蓋12が完全に閉じられると、排出機構40が図4に示す状態に戻る。
以上に説明した通り、印刷装置10は、本体11に対して蓋12が開く動作によって、本体11内に残留するテープ片32を本体11の外側に排出させる排出機構40を備えている。
排出機構40は、蓋12を開く動作を利用した排出動作を行うので、モータによる駆動力を要する電動式の排出装置に比べて小型且つ簡単な構造で済み、電力消費も生じない。特に、本実施形態の印刷装置10は、蓋12の開閉をユーザの手動操作で行うタイプであるため、蓋12の動作自体もシンプルな構造で行うことができる。
また、テープ片32の残留をセンサなどで検出してから対策を行うのではなく、蓋12の開閉動作で必ず排出機構40による排出動作が行われるので、テープ片32の除去に関する確実性が高く、センサを配するためのコストや手間も要さないという利点がある。
印刷装置10においてテープ通路24b内にテープ片32の残留が生じるのは、テープアダプタ30に収容されたロール形状のテープ31が最終端まで引き出された場合であることが多い。この状態で印刷装置10に対してユーザが次に行うのは、テープアダプタ30を取り外したり交換したりするべく、蓋12を開く動作となる。従って、テープ片32が残留しやすい状況を考慮した場合に、蓋12と排出機構40を連動させて、蓋12を開く動作をテープ片32の排出動作に変換させることが合理的である。つまり、テープ片32の残留が生じすい状況であっても、ユーザがテープ片32の排出を意識したり、テープ片32を排出させるための独自の操作を行ったりすることなく、蓋12を開けてテープアダプタ30の取り外しや交換などを行うという通常の使用形態だけで、テープ片32の残留を解消させることができるという点で優れている。
排出機構40は、プラテンローラ21によるテープ31の搬送方向であるX軸方向に対して略垂直なZ軸方向にテープ片32を排出するように構成されている。より詳しくは、Z軸方向のうち、閉じた状態の蓋12によって覆われる第1面10a側(通路開口部26側)へテープ片32を排出させる。当該位置へ排出されたテープ片32は、開かれた蓋12の下方で本体11の外面上に表れる状態になるので、蓋12を開く動作を行ったユーザの注意が届きやすく、排出後のテープ片32の存在をユーザに認識させやすい。よって、本体11の外面上からテープ片32を確実に除去させることができる。また、蓋12を開く方向とテープ片32の排出方向が概ね一致するので、排出機構40の構造をシンプルにさせることができ、力の伝達ロスが少ない効率的な動作を実現できる。
排出機構40では、排出部材43を引張バネ44によって退避位置へ付勢し、蓋12が閉じられている状態や、蓋12を所定の解除位置まで開いた後の状態では、排出部材43を付勢力で退避位置に保持させる。つまり、退避位置を排出部材43の基本状態とし、蓋12の動作範囲の一部に限定して排出部材43をテープ排出位置へ移動させている。この構成によれば、蓋12が閉じられてラベル作成処理が実行されるときには、排出部材43を確実に退避位置に位置させることができ、排出部材43がテープ31の搬送の支障となるおそれがない。
また、蓋12が所定以上開いた状態では、蓋12と排出部材43の連動が解除されるので、排出機構40を小型且つ簡単な構成にすることができると共に、良好な操作性を得ることができる。
例えば、本実施形態とは異なり、蓋12を開く際に、テープ通路24bからテープ片32を排出させた図11及び図12の状態に引き続いて蓋12(伝達部45a)と第1リンク41(被伝達ピン41b)の接続が維持されている場合を想定する。この場合、第1リンク41、第2リンク42、排出部材43のそれぞれの動作量が多くなり、排出機構40を設けるためのスペースが増大する。しかも、排出部材43を図9から図12に示すテープ排出位置よりもZ軸方向で上方に移動させることになるので、排出部材43がテープガイド24から脱落してしまうか、排出部材43が脱落しないようにテープガイド24をZ軸方向に延長させるか、のいずれかになる。また、排出部材43がZ軸方向へ移動し続けると、引張バネ44のチャージ量の増大も継続し、蓋12を開く際の負荷が過大になってしまう。加えて、蓋12に対して引張バネ44からの閉じ方向の力が作用し続けてしまうので、蓋12から手を離すと閉じてしまい、蓋12を開いた状態でのテープアダプタ30の交換などの作業性が悪化する。
本実施形態では、蓋12が解除位置まで開いた時点で、伝達部45aが被伝達ピン41bから離れて蓋12と排出部材43の連動が解除されるように排出機構40を構成しているので、以上のような不具合を回避できる。
排出機構40は、排出部材43に接続する中継部材として第1リンク41及び第2リンク42を有しており、第1リンク41に設けた被伝達ピン41bに対して、蓋12の伝達部45aが接触及び押圧することで、蓋12が開く際の力を排出部材43に伝達している。上述のように、蓋12を解除位置まで開いた後は、蓋12と排出部材43の連動関係を解除させるが、この連動関係の解除を、X軸方向への被伝達ピン41bの位置変化によって実現している。
より詳しくは、蓋12がZ軸方向(厳密には、Y軸方向の移動成分も含む)に開閉動作するのに対して、被伝達ピン41bを有する第1リンク41は、支持軸41aを中心として、Z軸方向とX軸方向の移動成分を含む回動を行う。つまり、被伝達ピン41bは、蓋12が開閉する際の伝達部45aの移動方向(Z軸方向)に対して交差する方向(X方向)に位置変化可能である。
そして、伝達部45aと重なるX軸方向の範囲に被伝達ピン41bが位置するときには、第1押圧面45bや第2押圧面45cを被伝達ピン41bに接触させて押圧することが可能である。一方、第1リンク41の回動によって、X軸方向において被伝達ピン41bが伝達部45aとは重ならない位置まで移動すると、第1押圧面45bや第2押圧面45cが被伝達ピン41bに接触できなくなる。
このように、回動する第1リンク41を用いることで、被伝達ピン41bをZ軸方向だけでなくX軸方向にも位置変化させて、蓋12側の伝達部45aに対して接触可能な状態と、伝達部45aから離れる状態とを得ることができる。また、第1リンク41を本体11側に設けることで、蓋12に設けられる操作突起45を、可動部分の無いシンプルな構成にすることができる。
伝達部45aにおける第1押圧面45bは、Z軸方向とX軸方向の両方に対して傾きのある傾斜面として形成されている。蓋12を開く際に被伝達ピン41bに対してZ軸方向への力を伝達するという機能に関しては、第1押圧面45bをZ軸方向に対して垂直な(X軸方向と平行な)面として設定することも可能である。しかし、本実施形態の第1押圧面45bは、Z軸方向及びX軸方向に対する傾きを有する傾斜面として形成されている。そして、蓋12を開く際に、第1押圧面45bは、被伝達ピン41bをZ軸方向へ押し上げながらX軸方向で伝達部45aから離れる方向に押し出す力を与える。これにより、蓋12が解除位置まで開かれたときに、被伝達ピン41bを伝達部45aからスムーズに離間させる効果が得られる。
伝達部45aにおける第2押圧面45cは、第1押圧面45bと同様に、Z軸方向及びX軸方向に対する傾きを有する傾斜面であるが、傾斜の方向が第1押圧面45bとは逆である。従って、第2押圧面45cは、蓋12を閉じる際に、被伝達ピン41bをZ軸方向へ押し下げながらX軸方向で伝達部45aから離れる方向に押し出す力を与える。これにより、蓋12が閉じる際に、被伝達ピン41bと干渉させずに伝達部45aをスムーズに通過させる効果が得られる。
第1押圧面45bは、蓋12を開く際に排出部材43を退避位置からテープ排出位置まで移動させる力を継続的に被伝達ピン41bに伝達する役割を有する。そのため、Z軸方向に対する第1押圧面45bの傾斜角を大きく設定して、被伝達ピン41bとの接触を維持する時間及び移動距離を確保させている。
これに対して、第2押圧面45cは、蓋12を閉じる際に、被伝達ピン41bの位置を伝達部45aが通過できる(伝達部45aを被伝達ピン41bが乗り越える)ように、被伝達ピン41bを一時的にX軸方向に押し込む役割を有する。そのため、Z軸方向に対する第2押圧面45cの傾斜角を小さく設定して、Z軸方向の短い移動距離で迅速に被伝達ピン41bをX軸方向へ移動させるようにしている。
このような理由から、伝達部45aでは、Z軸方向に対する第1押圧面45bの傾斜角が、Z軸方向に対する第2押圧面45cの傾斜角よりも大きく設定されている。
なお、第1押圧面45bや第2押圧面45cに相当する部分が、図示の構成とは逆方向に傾斜する面であると、被伝達ピン41bを押し込む際に、X軸方向で操作突起45に近づける方向の分力を生じさせるので、このような逆方向の傾斜面は伝達部45aにおける押圧面として採用されない。
第1リンク41は、支持軸41aを挟んだ一方の端部側に被伝達ピン41bを有し、他方の端部側に接続ピン41cを有している。伝達部45aと被伝達ピン41bが接触している状態において、Z軸方向での伝達部45aの移動方向と被伝達ピン41bの移動の向きが一致するのに対し、接続ピン41cはZ軸方向で伝達部45aとは逆方向に移動する。ここで、第1リンク41と排出部材43の間に第2リンク42を介在させることで、Z軸方向での移動の向きを反転させ、Z軸方向での伝達部45aの移動の向きと接続ピン43bの移動の向きを一致させている。このように、中継部材として、第1リンク41及び第2リンク42という2つの回動部材を用いることで、蓋12が開閉する際の、伝達部45aの移動方向と排出部材43の移動方向を同じ(いずれもZ軸方向における上方)にさせることができる。
また、第1リンク41と第2リンク42のレバー比などの条件設定により、蓋12が開閉する際の伝達部45aの移動量と排出部材43の移動量の大小関係を任意に選択できる。例えば、蓋12が解除位置まで開くときに、伝達部45aの移動量よりも排出部材43の移動量の方が小さくなる(あるいは大きくなる)ように構成できる。
図15は、第1リンク41と第2リンク42のような中継部材を備えない変形例の排出機構140を示している。排出機構140において、先に説明した排出機構40と共通する部分については、同じ符号で示して説明を省略する。
排出機構140の排出部材143は、X軸方向に長い長孔43cを有しており、長孔43c内には、被伝達部の一例である被伝達ピン46が配置されている。被伝達ピン46は、Y軸方向に軸線が向く円柱状の部材であり、長孔43cに対して、X軸方向への移動が可能で、Z軸方向への移動が規制されている。被伝達ピン46は、付勢バネ47によってX軸方向へ付勢されている。付勢バネ47の付勢力は、被伝達ピン46を操作突起45に近づける方向(図15の左手方向)に押し出すものである。
蓋12が閉じている状態では、被伝達ピン46が伝達部45aの第1押圧面45bに接している。蓋12を開く動作を行うと、第1押圧面45bが被伝達ピン46をZ軸方向の上方へ押圧し、被伝達ピン46から長孔43cの内面に力が伝えられて、排出部材143が退避位置からテープ排出位置へ向けてZ軸方向の上方に移動する。
被伝達ピン46は、Z軸方向で押し上げられながら、第1押圧面45bの傾斜に沿って、X軸方向で操作突起45から離れる方向(図15の右手方向)に移動する。この被伝達ピン46の移動は、付勢バネ47の力に抗して行われる。
図15は、蓋12が解除位置の直前まで開かれた状態である。図15の状態よりもさらに蓋12が開かれると、被伝達ピン46が第1押圧面45bと第2押圧面45cの境界位置まで達し、それ以降は被伝達ピン46が伝達部45aから離れる。伝達部45aから離れた被伝達ピン46は、付勢バネ47の力で、操作突起45に近づく方向に押し出されて、伝達部45aと接触可能な状態に戻る。また、排出部材143は、引張バネ44の力によって、テープ排出位置から退避位置に戻る。
開いた状態から蓋12を閉じると、第2押圧面45cが被伝達ピン46に接触して、付勢バネ47の力に抗して被伝達ピン46をX軸方向に押し込みながら、伝達部45aが被伝達ピン46の位置を通過する。蓋12が完全に閉じられると、付勢バネ47の力で被伝達ピン46が再び押し出されて、被伝達ピン46が第1押圧面45bに接する状態になる。
図15に示す変形例の排出機構140は、被伝達ピン46が排出部材143により直接に支持されており、シンプルで省スペースに構成できるという利点がある。一方、排出部材143に支持した被伝達ピン46が蓋12の伝達部45aによって直接に操作されるので、蓋12と排出部材143の間で動作量や動作方向が大きく異なる場合には適さない。このような場合には、第1リンク41と第2リンク42のような中継部材を備えた構成を選択することが好ましい。
以上の実施形態は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、本体11に対して蓋12が、ヒンジ部25を軸とする回動で開閉する構成であるが、蓋12がZ軸方向へ直線的に移動して開閉する構成などでも本発明を適用可能である。
上記実施形態では、排出部材43、143を引張バネ44によって退避位置へ付勢しているが、引張バネ以外の形態の付勢部材を用いてもよい。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
テープを搬送させることで前記テープを搬送経路の外部に排出させるための搬送部と、
本体に対して開閉可能な蓋と、
前記蓋が開く動作によって、前記搬送経路内に残留しているテープ片を前記搬送経路の外部に排出させる排出機構と、を備える、
ことを特徴とする印刷装置。
[付記2]
前記搬送経路は、前記テープを切断する切断部と前記搬送部によって搬送される前記テープを外部に排出させる排出口との間に位置するテープ通路を備え、
前記テープ通路は、閉じた状態の前記蓋によって覆われる側に開口しており、
前記排出機構は、前記テープ通路の前記開口側に前記テープ片を排出させる、
ことを特徴とする付記1に記載の印刷装置。
[付記3]
前記排出機構は、
前記テープ通路外に退避した退避位置及び前記テープ通路内に進出するテープ排出位置に移動可能な排出部材と、
前記排出部材を前記退避位置へ付勢する付勢部材と、
前記蓋が開く際の力を前記排出部材に伝達して前記テープ排出位置へ移動させ、前記蓋が所定の解除位置まで開かれると前記排出部材に対する力の伝達を解除する伝達手段と、を備え、
前記退避位置から前記テープ排出位置への前記排出部材の移動によって、前記テープ通路内の前記テープ片を排出させる、
ことを特徴とする付記2に記載の印刷装置。
[付記4]
前記伝達手段は、
前記排出部材に接続する中継部材又は前記排出部材に設けられた被伝達部と、
前記蓋に設けられ、前記蓋が開閉する際に、前記被伝達部に接触する伝達部と、を備え、
前記蓋が前記解除位置まで開く際には、前記伝達部が前記被伝達部を押圧して、前記排出部材を前記退避位置から前記テープ排出位置まで移動させ、
前記蓋が前記解除位置よりも開かれると、前記伝達部が前記被伝達部から離れて、前記付勢部材の力によって前記排出部材が前記退避位置へ移動する、
ことを特徴とする付記3に記載の印刷装置。
[付記5]
前記伝達部は、
前記蓋が前記解除位置まで開く際に前記被伝達部を押圧する第1押圧面と、
前記蓋が閉じる際に前記被伝達部を押圧する第2押圧面と、を備え、
前記第1押圧面及び前記第2押圧面は、前記被押圧部を押圧する際に、前記被伝達部が前記伝達部から離れる方向への力を与える形状である、
ことを特徴とする付記4に記載の印刷装置。
[付記6]
前記中継部材は、
前記被伝達部を有して回動可能な第1リンクと、
前記第1回動部材及び前記排出部材に接続して回動可能な第2リンクと、を備え、
前記被伝達部が前記伝達部によって押圧されると、前記第1リンク及び前記第2リンクが回動して前記排出部材を動作させる、
ことを特徴とする付記4又は5に記載の印刷装置。
10 印刷装置
11 本体
12 蓋
16 排出口
20 アダプタ収納部
21 プラテンローラ(搬送部)
22 サーマルヘッド
23 テープカッター(切断部)
24 テープガイド
24b テープ通路(搬送経路)
24c ガイド溝
26 通路開口部
30 テープアダプタ
31 テープ
32 テープ片
40 排出機構
41 第1リンク(伝達手段、中継部材)
41b 被伝達ピン(被伝達部)
42 第2リンク(伝達手段、中継部材)
43 排出部材
44 引張バネ(付勢部材)
45 操作突起(伝達手段)
45a 伝達部
45b 第1押圧面
45c 第2押圧面
46 被伝達ピン(被伝達部)
47 付勢バネ(付勢部材)
140 排出機構
143 排出部材

Claims (6)

  1. テープを搬送させることで前記テープを搬送経路の外部に排出させるための搬送部と、
    本体に対して開閉可能な蓋と、
    前記蓋が開く動作によって、前記搬送経路内に残留しているテープ片を前記搬送経路の外部に排出させる排出機構と、を備える、
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記搬送経路は、前記テープを切断する切断部と前記搬送部によって搬送される前記テープを外部に排出させる排出口との間に位置するテープ通路を備え、
    前記テープ通路は、閉じた状態の前記蓋によって覆われる側に開口しており、
    前記排出機構は、前記テープ通路の前記開口側に前記テープ片を排出させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記排出機構は、
    前記テープ通路外に退避した退避位置及び前記テープ通路内に進出するテープ排出位置に移動可能な排出部材と、
    前記排出部材を前記退避位置へ付勢する付勢部材と、
    前記蓋が開く際の力を前記排出部材に伝達して前記テープ排出位置へ移動させ、前記蓋が所定の解除位置まで開かれると前記排出部材に対する力の伝達を解除する伝達手段と、を備え、
    前記退避位置から前記テープ排出位置への前記排出部材の移動によって、前記テープ通路内の前記テープ片を排出させる、
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記伝達手段は、
    前記排出部材に接続する中継部材又は前記排出部材に設けられた被伝達部と、
    前記蓋に設けられ、前記蓋が開閉する際に、前記被伝達部に接触する伝達部と、を備え、
    前記蓋が前記解除位置まで開く際には、前記伝達部が前記被伝達部を押圧して、前記排出部材を前記退避位置から前記テープ排出位置まで移動させ、
    前記蓋が前記解除位置よりも開かれると、前記伝達部が前記被伝達部から離れて、前記付勢部材の力によって前記排出部材が前記退避位置へ移動する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
  5. 前記伝達部は、
    前記蓋が前記解除位置まで開く際に前記被伝達部を押圧する第1押圧面と、
    前記蓋が閉じる際に前記被伝達部を押圧する第2押圧面と、を備え、
    前記第1押圧面及び前記第2押圧面は、前記被押圧部を押圧する際に、前記被伝達部が前記伝達部から離れる方向への力を与える形状である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記中継部材は、
    前記被伝達部を有して回動可能な第1リンクと、
    前記第1回動部材及び前記排出部材に接続して回動可能な第2リンクと、を備え、
    前記被伝達部が前記伝達部によって押圧されると、前記第1リンク及び前記第2リンクが回動して前記排出部材を動作させる、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の印刷装置。
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