JP2022122397A - コーヒー飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、呈味のバランスが整えられた新規のコーヒー飲料を提供することである。【解決手段】本発明は、ピロールの含有量(A)が400~1000ppbであり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbであり、かつ、前記(A)の前記(B)に対する比((A)/(B))が0.8~1.6である、コーヒー飲料に関する。本発明のコーヒー飲料は、乳を含んでいてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、嗜好性のよいコーヒー飲料及びその製造方法に関する。
焙煎されたコーヒー豆から得られるコーヒー抽出液を含むコーヒー飲料は、世界各国で飲用されており、わが国においても身近な嗜好性飲料の一つとなっている。
そして、コーヒー飲料の含有成分を調整することによって、嗜好性を高める様々な技術が開発されている。例えば、特許文献1には、コーヒー風味の強さ及び良さ、並びに、後味の良さを併せ持つコーヒー飲料が記載されており、その具体的な手段として、コーヒーオイルと、2-メチルフラン、グアイアコール及びプロパナールとを所定の条件で含有させることが開示されている。また、特許文献2には、嗜好性・持続性が高く、香気・香味の改善ならびに異臭・異味のマスキング効果等を有するコーヒーフレーバー組成物及びそれを含む飲食品類が記載されている。また、特許文献3には、飲食品に焙煎香を付与するためにピロール類を添加する方法が記載されている。
特開2019-146526号公報 特開2006-020526号公報 特開2019-026565号公報
本発明の課題は、呈味のバランスが整えられた新規のコーヒー飲料を提供することである。
本発明者は、多種多様なターゲットに合わせた飲料の開発を進める中で、コーヒー感の強さやバランス、飲みごたえ、苦味、後味のキレ等の呈味のバランスがより調整された新規の飲料の開発が必要であると考えた。
そして、鋭意研究により、本発明者は、当該課題を解決するためにコーヒー飲料における特定の香気成分、すなわちピロール及び2-メチルフランの含有量とその含有比率を調整することで、本発明の課題を解決できることを見出した。特に、本発明者は、コーヒー飲料が乳成分を含む場合に、特定の香気成分の含有量とその含有比率を調整することで、同様に本発明の課題を解決できることを確認し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の態様を含むものである。
〔1〕ピロールの含有量(A)が400~1000ppbであり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbであり、かつ、前記(A)の前記(B)に対する比率((A)/(B))が0.8~1.6である、コーヒー飲料。
〔2〕さらに、乳を含有する、前記〔1〕に記載のコーヒー飲料。
〔3〕コーヒー抽出液を得る工程と、前記コーヒー抽出液を、ピロール含有量(A)が400~1000ppbとなり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbとなり、かつ、前記(A)の前記(B)に対する比((A)/(B))が0.8~1.6となるように希釈する、並びに/又は、前記コーヒー抽出液にピロール及び/若しくは2-メチルフランを添加する工程とを含む、コーヒー飲料の製造方法。
本発明は、呈味のバランスが整えられた、新規のコーヒー飲料を提供できる。
<コーヒー飲料>
本発明は、ピロールと2-メチルフラン(これらを合わせて香気成分とも呼ぶ)とを含むコーヒー飲料であって、当該飲料全質量を基準として、ピロールの含有量(A)が400~1000ppbであり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbであり、かつ、ピロールの含有量(A)の2-メチルフランの含有量(B)に対する比((A)/(B))が0.8~1.6である、コーヒー飲料に関する。
本発明のコーヒー飲料における、ピロール含有量(A)、及び、2-メチルフラン含有量(B)は、市販の香気成分(化合物)を添加することで調整できる。代わりに、これらの香気成分を含む組成物(香気成分の濃度が分かっているものが好ましい)等をコーヒー飲料に配合することで、コーヒー飲料中の各香気成分の含有量を調整してもよい。また、例えば、これらの香気成分を含有する飲食品(香気成分の濃度が分かっているものが好ましい)、例えば、ミルク、ココア、チョコレート等をコーヒー飲料に配合することで、その香気成分の含有量を調整してもよい。また、コーヒー飲料に含まれるコーヒー抽出液等を希釈することで香気成分の量を調整してもよい。
また、本発明のコーヒー飲料は、さらに乳を含有することが好ましい。本発明における乳は、動物性乳成分を含む。動物性乳成分としては、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳及び馬乳等が挙げられるが、牛乳であることが特に好ましい。また、飲料に含まれる乳成分の形態としては、例えば、生乳、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳たんぱく濃縮物、バターミルク粉、無糖練乳、脱脂加糖練乳、全脂加糖練乳、生クリーム、及び発酵乳が挙げられる。また、当該乳として、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。また、乳成分は、単一種類の原料由来であっても、数の種類の原料由来であってもよい。
ここで、本発明において、呈味のバランスが整えられたコーヒー飲料とは、「コーヒー感の強さ」を保ちながらも、「苦味の良さ」、「飲みごたえ」及び「後味の良さ」を有するコーヒー飲料を含む。本発明における「コーヒー感の強さ」とは、コーヒー特有の苦み、酸味、コクなどの香味(コーヒーらしさ)を十分に感じられるような感覚を示す。また、本発明における「苦味の良さ」とは、苦味のキレや口に残る苦味そのものの良さを示す。また、本発明における「飲みごたえ」とは、例えば、口に含んだ際の濃厚な重厚感や力強さのような感覚を示す。また、本発明における「後味の良さ」とは、飲料を飲み込んだ後に残る後味のキレや口に残る苦渋味の良さを示す。
以下、本発明に係る飲料の各構成成分や物性等について詳述する。
・ピロール(CAS:109-97-7)
本発明におけるピロールには、ピロール類と称される、ピロールに官能基が結合した化合物や、ピロール派生体、ピロール誘導体等は含まない。本発明におけるピロールは、その化合物自体(CAS:109-97-7)を指す。
飲料におけるピロール含有量(A)は、上述したように、ピロールやこれを含む香料等を添加して調整することができる。本発明の飲料において、ピロールの含有量(A)は、400~1000ppbであり、450~1000ppbであることが好ましく、450~700ppbであることが特に好ましい。前記(A)が1000ppbを超える場合、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがある。また、前記(A)が400ppb未満である場合も同様に、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがあり、さらにコーヒー感の強さも損なわれて、コーヒー飲料としての呈味のバランスが崩れる恐れもある。コーヒー飲料におけるピロールの含有量(A)は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。
なお、ピロールは、ミルク、ココア、コーヒー、茶などにおいて自然発生的に含まれる香気成分として知られている。
・2-メチルフラン(CAS番号:534-22-5)
飲料における2-メチルフラン含有量(B)は、上述したように、2-メチルフランやこれを含む香料等を添加して調整することができる。本発明の飲料において、2-メチルフランの含有量(B)は、300~1000ppbであり、350~1000ppbであることが好ましく、400~1000ppbであることが特に好ましい。前記(B)が1000ppbを超える場合、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがあり、コーヒー飲料としての呈味のバランスが崩れる恐れもある。また、前記(B)が300ppb未満である場合、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがあり、さらにコーヒー感の強さも損なわれて、コーヒー飲料としての呈味のバランスが崩れる恐れもる。コーヒー飲料における2-メチルフランの含有量(B)は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。なお、2-メチルフランは、コーヒー、チョコレート、ココア、茶などにおいて自然発生的に含まれる香気成分として知られている。
・各香気成分の含有量の比
本発明の飲料において、ピロールの含有量(A)の2-メチルフランの含有量(B)に対する比((A)/(B))は、0.8~1.6である。(A)/(B)の比が1.6を超える場合、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがあり、コーヒー飲料としての呈味のバランスが崩れる恐れもある。また、(A)/(B)の比が0.8未満である場合、苦味の良さと後味の良さが損なわれる恐れがある。
・コーヒー抽出液
本発明におけるコーヒー抽出液とは、コーヒー豆由来の成分を含有する液体、例えば、粉砕した焙煎豆を水や温水を用いて抽出した溶液、或いは、該溶液を濃縮したコーヒーエキスや該溶液を乾燥させたインスタントコーヒーを水等に溶解した液体を含む。
本発明において使用されるコーヒー抽出液の原料であるコーヒー豆は、アラビカ種でもロブスタ種でもよく、特に限定されない。例えば、当該生豆としては、メキシコ、グアテマラ、ブルーマウンテン、クリスタルマウンテン、コスタリカ、コロンビア、ベネズエラ、ブラジル・サントス、ハワイ・コナ、モカ、ケニア、キリマンジャロ、マンデリン、及びロブスタから選択される豆、又はこれらの混合豆が挙げられる。
また、本発明で用いられるコーヒー抽出液は、例えば、コーヒー豆1~100g、より好ましくは20~80gに対して1Lの水で抽出されるのが好ましく、抽出時の水は、60~95℃であることが好ましい。また、当該コーヒー抽出液の抽出時間は30~120分間であることが好ましい。本発明のコーヒー抽出液の抽出方法は特に限定されず、例えば一般的なドリップ法や浸漬法、エスプレッソ法などで抽出されうる。
また、本発明において、コーヒー飲料の可溶性固形分(°)は、Brix(ブリックス)値と同義とすることができる。コーヒー飲料の可溶性固形分は、特に限定されないが、呈味や香味のバランスの調整のしやすさの観点から、例えば、1~25°Bxであることが好ましく、1~12°Bxであることがより好ましく、1~9°Bxであることがさらに好ましく、4~9°Bxであることが特に好ましい。本発明において可溶性固形分は、例えば、本実施例に記載の条件によって、測定することができる。
・乳固形分
本発明のコーヒー飲料において、乳を含む場合には、乳固形分の含有量は、飲料全質量を基準として、6質量%以下であり、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは4質量%以下である。なお、一般に、コーヒー飲料において、乳固形分の含有量量を単純に6質量%超に設定すると、沈殿や凝集物の発生や褐変が生じ、飲料の風味や外観の面で保存安定性を保つことが難しくなり、また、製品コストも上がる恐れがある。また、乳固形分の含有量の下限は特に限定されないが、ミルク感の強化の観点から、好ましくは1質量%以上である。
一方、「飲用乳の表示に関する公正競争規約」によれば、2017年現在、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものについては、乳飲料として扱われることになる。しかし、本実施形態に係るコーヒー飲料については、コーヒー豆を原料とした飲料であるため、重量百分率で乳固形分3.0%以上の成分を含有するものであったとしても、コーヒー飲料として扱うこととする。
なお、乳固形分における乳脂肪分は、飲料にミルク特有の濃厚感を付与する働きを有し、無脂乳固形分は、ミルク特有の旨みや甘みを付与する働きを有するため、乳脂肪分と無脂乳固形分の割合は適宜調整することができる。
飲料中の乳固形分の含有量は、製造に用いられる原材料に基づいて算出に従い決定することができる。なお、原材料としての乳及び乳製品の乳固形分は、例えば、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令((昭和二十六年厚生省令第五十二号)令和元年十二月二十七日公布(令和元年厚生労働省令第八十七号)改正)の内容に従って測定された値としてもよい。
・pH
本発明に係るコーヒー飲料は、pHは特に限定されないが、例えば4.6~8.0であることが好ましく、5.0~7.0であることが特に好ましい。これはコーヒー飲料に含まれるタンパク質等の安定性と、良好な風味の理由からである。なお、pHを調整するために、一般的なpH調整剤を飲料に添加してもよい。
・甘味度
甘味度とは、飲料100g中にショ糖1g含有する飲料の甘さを「1」とした場合の飲料の甘味の程度を表す指標である。当該飲料の甘味度は、各甘味成分の含有量を、ショ糖の甘味1に対する当該甘味成分の甘味の相対比に基づいて、ショ糖の相当量に換算して、次いで当該飲料に含まれる全ての甘味成分のショ糖甘味換算量(果汁やエキス等由来の甘味成分も含む)を総計することによって求められる。
また、飲料の嗜好性の評価としてのコーヒー飲料の甘味度は、0であってもよいし、0よりも高くてもよいし、例えば、1~15であってもよい。また、コーヒー飲料が乳を含む場合には、その甘味度は、例えば、1~15であることが好ましく、1~12であることがより好ましく、1~9であることがさらに好ましく、3~9であることが特に好ましい。本発明に係るコーヒー飲料が乳を含む場合には、当該甘味度が1未満であると、飲みごたえ付与の効果が得られにくい場合がある。一方、当該甘味度が15超過であると、後味のキレを感じにくくなり、飲みやすさが低下する場合がある。本発明において、甘味度は、例えば後述する実施例に記載の方法で規定される。
本発明における甘味度は、公知の甘味料を使用することで上記の値に調整することができる。たとえば、ショ糖、ブドウ糖、グラニュー糖、果糖、乳糖、及び麦芽糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖果糖液糖等の糖類;キシリトール、D-ソルビトール等の低甘味度甘味料;タウマチン、ステビア抽出物、グリチルリチン酸二ナトリウム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、ネオテーム、及びサッカリンナトリウム等の高甘味度甘味料を単独で、又は適宜2種類以上を組み合わせて調整することが好ましく、ショ糖や果糖ぶどう糖液糖、アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテームで調整することがコーヒー飲料に求められる自然な甘みや爽やかな酸味といった嗜好性の観点から特に好ましい。また、糖分を含みうる果汁や野菜汁などを飲料に添加することでその糖度を調整してもよい。
・その他の添加成分
また、本発明のコーヒー飲料に対して、茶抽出物(緑茶、焙じ茶、紅茶など)、キャラメル、チョコレート、ココアを含有してもよく、また、風味等を損なわない範囲で、必要に応じて任意の酸性成分として、果汁、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナ等の果汁を添加してもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、さらに植物性ミルクを含有してもよい。当該植物性ミルクは、豆乳、アーモンドミルク、カシューミルク、ココナッツミルク、ライスミルク等から選択される。また、植物性ミルクは、液状体のほか、粉末体のものを用いてもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、乳化状態を良好に保持する点において、乳化剤を含有することが好ましい。乳化剤としては、食品や飲料に用いられうるものであれば、特に制限無く使用できるが、例えば、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アラビアガム、レシチン等が挙げられる。乳化剤は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用しても良い。
当該コーヒー飲料への乳化剤の配合割合は、その種類等に応じて本発明の効果を損なわない範囲で適宜決定できる。該配合割合は、特に制限されないが、例えば、飲料の全質量を基準として、その下限は通常0.0001質量%であり、その上限は通常0.5質量%とすることができる。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、原料(生乳など)を乳酸菌や酵母等を用いて発酵して得られる、液状又は糊状の発酵乳飲食品等を含むものであってもよい。
また、本発明に係るコーヒー飲料は、本発明の目的を損なわない範囲であれば、一般的に使用されうる、上述していない甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤、安定剤等の食品添加物を含有させてもよい。
本発明のコーヒー飲料は、コーヒー抽出液入りの飲料であれば特に限定されない
本発明に用いる水は特に限定されず、例えば、イオン交換水を用いることができる。
・製造方法
本発明に係るコーヒー飲料は、コーヒー抽出液、各香気成分、及び必要に応じて乳成分を配合し、香気成分が上述した含有量になるように調整する工程により得られる。その際、例えばコーヒー抽出液を適宜希釈してもよい。
また、上述した甘味料や香料、各種栄養成分、各種植物抽出物、着色料、希釈剤、酸化防止剤等の食品添加物を当該コーヒー飲料に適宜混合してもよい。本発明のコーヒー飲料においては、その製造工程において、適宜必要に応じて、均質化処理や殺菌処理を加えて行なうことができる。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されず、常法に従うことができる。
殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。
殺菌処理後の本発明のコーヒー飲料を容器に充填する方法としては、例えば、飲料を容器にホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法により行うことができる。
・容器
本発明に係るコーヒー飲料を充填する容器は特に制限されず、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)ボトル、PE(ポリエチレン)容器、PP(ポリプロピレン)容器、ガラス瓶、アルミ缶、スチール缶、紙容器、アルミパウチ、チルドカップなどが挙げられる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものでなく、本発明の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更させてもよい。
1.測定・分析・官能評価方法
各成分の含有値を測定又は算出するための方法、及び官能評価方法については、以下の通りとした。
(1)香気成分含有量の分析条件
分析対象である試料10mLを、20ml容バイアルに入れ、内標を添加し密栓した。各バイアルを50℃で5分間振とうした後、SPME用ファイバー(DVB/CAR/PDMS,Stableflex 23Ga(Gray)50/30μm:SIGMA-ALDRICH社製)を、各バイアル中のヘッドスペースに露出させた。その後、50℃で30分間、揮発性成分をファイバーに吸着させた後、注入口で5分間脱着させ、GC/MSにより分析を行った。検量線は標準添加法にて作成し、内標としてシクロヘキサノールを用いた。
[GC/MSの分析条件]
GC:Agilent Technologies社製 7890A
MS:Agilent Technologies社製 5975C
カラム:Agilent Techologies社製 DB-WAX UI 30m×0.25mm、膜厚0.25μm
流速:0.8ml/min(圧力一定モード)
注入法:スプリットレス
キャリアガス:He
注入口温度:240℃
トランスファーライン:240℃
オーブン温度:40℃(5min)→5℃/min→240℃(0min)
MS条件:スキャンモード
定量イオン:ピロールm/z=67.1、
2-ジメチルフランm/z=82.1、
シクロヘキサノール(内標)m/z57.1
(2)可溶性固形分[°]
可溶性固形分濃度をBrix(ブリックス)値と同義とした。本発明において当該可溶性固形分濃度は、例えば、商品名「RX-5000」((株)アタゴ社製)を使用して20℃で測定した固形分量とすることができる。
(3)pH
pHは、pHメーター計を用いて、測定を行った。
(4)乳固形分[質量%]
乳固形分は、液状の乳を含む原材料に含まれる乳固形分(測定値)、及び/又は、乾燥状態の乳原料(例えば脱脂粉乳、全粉乳)の質量とすることができる。
(5)甘味度
甘味度は、飲料中に含まれる各原料の「甘味度」を算出し、合計した値とした。
(6)官能評価方法
官能評価は、実験1と実験2では5名の専門パネリストによって、25℃のサンプルに対し、各実験系の「対照」を基準点である「4」とした分量評定法を用いて行われた。評価項目は、「おいしさ」「コーヒー感の強さ」「苦味の良さ」「飲みごたえ」「後味の良さ」の5項目とし、それぞれ7段階評価し、専門パネリスト5名の評点の平均値の小数第2位を四捨五入したものを最終評点とした。官能評価基準は、7点:とても良い、6点:良い、5点:やや良い、4点:対照とあまり変わらない、3点:やや悪い、2点:悪い、1点:とても悪いとした。なお、「おいしさ」は、コーヒー飲料としての嗜好性を様々な風味・呈味も加味し、総合的に評価したものである。各パネリストの評点にばらつきはあまりなかった。
総合評価○:「おいしさ」「コーヒー感の強さ」「苦味の良さ」「後味の良さ」「飲みごたえ」の5項目全てが4点(4.0)以上、かつ4項目以上が4点よりも大きい
総合評価×:それ以外
2.実験1
<ベース液Aの作製>
平均L値20のコーヒー豆を95℃の熱水で抽出し、コーヒー抽出液を得た。得られたコーヒー抽出液に、下記表1の配合で各原材料を添加したサンプルを作製した。
Figure 2022122397000001

上記表1の配合のサンプルを、缶に充填してレトルト殺菌をかけた。この缶入り溶液をベース液Aとした。このベース液Aの測定・分析結果は、表2の通りだった。
Figure 2022122397000002
<実施例1~8、及び、比較例1~8>
上記で得られたベース液Aを比較例1(対照)とした。比較例1(対照)に、下記表3及び表4の組成になるように、ピロールを添加し、かつ、必要に応じて2-メチルフランを添加して、各実施例及び各比較例の飲料サンプルを作製した。得られた各サンプルについて、比較例1のサンプルを対照として官能評価した。比較例1に対する官能評価について表3及び表4に結果を示す。
Figure 2022122397000003
Figure 2022122397000004
実施例1~8では、比較例1と比較して「おいしさ」「コーヒー感の強さ」「飲みごたえ」を維持又は向上しながら、「苦味の良さ」「後味の良さ」も向上する結果となった。
一方で比較例2、4、5、7では「コーヒー感の強さ」は向上するが「おいしさ」や「後味の良さ」が低減し、香気成分の含有量やその含有比率が、コーヒー飲料の呈味のバランスに寄与していることが確認された。
これらの結果から、本発明における特定の香気成分(ピロール及び2-メチルフラン)の含有量とその含有比率を調整することで、「コーヒー感の強さ」や「飲みごたえ」を保ちつつ、「苦味の良さ」「後味の良さ」を向上できることが示唆された。
3.実験2
ベース液Aにおけるコーヒー抽出液中に、既に一定量のピロール及び2-メチルフランが内在していたので、これらの香気成分濃度を低減させた場合における、コーヒー飲料の呈味への影響について確認する実験を行った。
<ベース液Bの作製>
上記2.で得られたベース液Aを0.8倍濃度に希釈してなる、ベース液Bを作製した。ベース液Bのピロール含有量(A)の測定値は、279ppbで、2-メチルフラン含有量(B)の測定値は、289ppbだった。
<実施例9、及び、比較例9~13>
上記で得られたベース液Bを比較例9(対照)とした。比較例9(対照)に、下記表5の組成になるように、ピロール及び/又は2-メチルフランを添加して、各比較例の飲料サンプルを作製した。得られた各サンプルについて、比較例9のサンプルを対照として官能評価した。比較例9に対する官能評価について表5に結果を示す。なお、比較例9は、比較例1と比較した場合、コーヒー感の強さや苦みは低減していたものの、おいしさや後味の良さにおいては差がなかった。
Figure 2022122397000005
比較例10~13は、比較例9(対照)と比較して、「コーヒー感の強さ」は向上したが、「苦みのよさ」「後味の良さ」が低減し、「おいしさ」も損なわれた。
また、実施例9に着目すると、コーヒー固形分(可溶性固形分)が上記ベース液Aよりも少ないベース液Bに対しても、香気成分の含有量やその含有比率を本発明の範囲に調整することで、全ての評価項目において比較例9(対照)よりも改善された。したがって、コーヒー飲料中のコーヒー固形分の高低にかかわらず、当該コーヒー飲料における本発明の香気成分の含有量とその比率の調整が、官能評価に直接的に影響する可能性が示唆された。
実験2の結果も、本発明における特定の香気成分(ピロール及び2-メチルフラン)の含有量とその含有比率を調整することによる効果を支持している。

Claims (3)

  1. ピロールの含有量(A)が400~1000ppbであり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbであり、かつ、前記(A)の前記(B)に対する比((A)/(B))が0.8~1.6である、コーヒー飲料。
  2. さらに、乳を含有する、請求項1に記載のコーヒー飲料。
  3. コーヒー抽出液を得る工程と、
    前記コーヒー抽出液を、
    ピロール含有量(A)が400~1000ppbとなり、2-メチルフランの含有量(B)が300~1000ppbとなり、かつ、前記(A)の前記(B)に対する比((A)/(B))が0.8~1.6となるように希釈する、並びに/又は、前記コーヒー抽出液にピロール及び/若しくは2-メチルフランを添加する工程と
    を含む、コーヒー飲料の製造方法。
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