JP2022121896A - ゴム組成物及びタイヤ - Google Patents

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結香 横山
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Abstract

【課題】耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能を向上するゴム組成物及びタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物及びタイヤに関する。
タイヤにおいて、耐摩耗性、ウェット性能の向上のためにシリカを多量に配合する技術が提案されているが、加工性に問題があったり、シリカ分散が不十分でゴム強度に問題が出る等、改良の余地があった。
そのため、例えば、加工性やシリカ分散性を向上させるために、オイル、レジン等の可塑剤を多量に配合すると、ゴム組成物全体のTg、tanδが上昇して低燃費性が悪化したり、可塑剤を配合するにつれ、ゴム成分から析出することでゴム成分が劣化するという新たな問題も生じた。
本発明は、前記課題を解決し、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能を向上するゴム組成物及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物に関する。
前記ゴム成分Aは、数平均分子量が15万以上であることが好ましい。
前記官能基は、置換基を有してもよい、SiORで表される基(Rは水素原子又は炭化水素基)、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記ゴム成分Aは、ガラス転移温度が-10℃以下であることが好ましい。
前記変性樹脂の骨格を構成する樹脂は、C系樹脂、C-C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記変性熱可塑性エラストマーの骨格を構成する熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニルモノマーからなるブロックを有するものであることが好ましい。
前記ゴム成分Aは、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性ゴムを含むことが好ましい。
前記ゴム成分Aは、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記変性ポリマー伸展ゴムは、有機溶媒中で重合して前記ゴム成分Aを作製し、重合後の溶液中に前記変性樹脂及び/又は前記変性熱可塑性エラストマーの溶液を加えて製造されるものであることが好ましい。
全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量が20質量部以下であることが好ましい。
全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量が10質量部以下であることが好ましい。
全ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が30質量部以上であることが好ましい。
全ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が80質量部以上であることが好ましい。
本発明は、トレッドゴム層を備えたタイヤであって、前記トレッドゴム層は、タイヤの表面側に配された表面側トレッドゴム層と、前記表面側トレッドゴム層のタイヤ半径方向内側に配された内側トレッドゴム層とを少なくとも有し、前記表面側トレッドゴム層は、前述のゴム組成物からなり、前記内側トレッドゴム層は、前記ゴム組成物と異なるゴム組成物からなるタイヤに関する。
前記表面側トレッドゴム層を構成するゴム組成物及び前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物は、全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量がいずれも20質量部以下であることが好ましい。
本発明によれば、ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物であるので、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能を向上できる。
本発明の一実施形態に係る乗用車用タイヤの一部が示された断面図である。
本発明は、ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴム、を含むゴム組成物である。前記変性ポリマー伸展ゴムを用いることで、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能が向上する。
前記作用効果が得られるメカニズムは明らかではないが、以下のように推察される。
ゴムの加工性を向上させるために、オイル等の可塑剤を加えると、耐摩耗性やウェットグリップ性能の低下を招く恐れがある。これを防ぐために、通常の混練工程において、ゴムと、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂や変性熱可塑性エラストマーとを混合すると、シリカと作用する官能基(=親水性官能基)の影響によって、ゴム中に変性樹脂/変性熱可塑性エラストマーが分散しにくい。これに対し、予め変性樹脂/変性熱可塑性エラストマーによって伸展したゴムを用いると、そのような状況が生じにくくなり、その結果、変性基の作用によって混練工程におけるシリカの分散が良好になると考えられる。従って、前記変性ポリマー伸展ゴムを用いることで、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能が向上すると推察される。
〔変性ポリマー伸展ゴム〕
前記変性ポリマー伸展ゴムは、ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展したものである。「シリカとの親和性」とは、官能基とシリカの表面との間での共有結合や、共有結合よりも弱い分子間力(イオン-双極子相互作用、双極子-双極子相互作用、水素結合、ファンデルワールス力、イオン結合等といった分子間に働く電磁気学的な力)を生じさせる性質を総称するものとして定義する。
(変性ポリマー伸展ゴムを構成する変性ポリマー)
シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーにおいて、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂の骨格を構成する樹脂は特に限定されず、公知の樹脂を使用可能である。前記樹脂としては、例えば、C系樹脂、C-C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、アルキルフェノール系樹脂などの熱可塑性樹脂を好適に使用できる。
系樹脂は、C系合成石油樹脂が挙げられ、例えば、石油化学工業のナフサの熱分解によって得られるC留分を、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる脂肪族系石油樹脂などが例示される。C留分には、通常、1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、3-メチル-1-ブテン等のオレフィン系炭化水素;2-メチル-1,3-ブタジエン、1,2-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,2-ブタジエン等のジオレフィン系炭化水素;等が含まれる。なお、C系樹脂は市販品を利用でき、T-REZ RA100(東燃化学社製)、エスコレッツ1000シリーズ(エクソンモービルケミカル社製)、クイントン100シリーズのA100、B170、M100、R100(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
-C系樹脂は、C-C系合成石油樹脂が挙げられ、例えば、石油由来のC留分とC留分とを、AlCl、BF等のフリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体重合体が例示される。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。なお、C-C系樹脂は市販品を利用でき、T-REZ RD104(東燃化学社製)、ECR213(エクソンモービルケミカル社製)、クイントンG100B(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
系樹脂は、石油化学工業のナフサの熱分解により、エチレン、プロピレン等の石油化学基礎原料と共に副生するC留分である、ビニルトルエン、アルキルスチレン、インデンを主要なモノマーとする炭素数9の芳香族を重合した樹脂などが挙げられる。C留分の具体例としては、ビニルトルエン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、γ-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、インデン等が挙げられる。C系樹脂は、C留分と共に、C留分であるスチレン等、C10留分であるメチルインデン、1,3-ジメチルスチレン等、更にはナフタレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、p-tert-ブチルスチレン等をも原料として用い、これらのC~C10留分等を混合物のまま、例えばフリーデルクラフツ型触媒により共重合して得ることができる。なお、C系樹脂は市販品を利用でき、C系石油樹脂としては、日石ネオポリマーL-90、日石ネオポリマー120、日石ネオポリマー130、日石ネオポリマー140(JX日鉱日石エネルギー社製)等が挙げられる。
テルペン系樹脂は、マツ属の木からロジンを得る際に同時に得られるテレピン油、又は、これから分離した重合成分を配合し、フリーデルクラフツ型触媒を用いて重合して得られる固体状の樹脂などが挙げられる。具体的には、β-ピネン樹脂、α-ピネン樹脂等が挙げられる。テルペン系樹脂は市販品を利用でき、YSレジンシリーズ(ヤスハラケミカル社製)、ピコライトシリーズのA115、S115等(ハーキュリーズ社製)等が挙げられる。
テルペン-芳香族化合物系樹脂は、代表例としてテルペン-フェノール樹脂などが挙げられる。該テルペン-フェノール樹脂は、テルペン類と種々のフェノール類とを、フリーデルクラフツ型触媒を用いて反応させたり、又は更にホルマリンで縮合する方法で得ることができる。原料のテルペン類としては特に制限はなく、α-ピネンやリモネンなどのモノテルペン炭化水素が好ましく、α-ピネンを含むものがより好ましい。テルペン-芳香族化合物系樹脂は市販品を利用でき、例えば、YSポリスターUシリーズ、YSポリスターTシリーズ、YSポリスターSシリーズ、YSポリスターGシリーズ、YSポリスターNシリーズ、YSポリスターKシリーズ、YSポリスターTHシリーズ(ヤスハラケミカル社製)、タマノル803L、タマノル901(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
ロジン系樹脂は、マツ科の植物の樹液である松脂(松ヤニ)等のバルサム類を集めてテレピン精油を蒸留した後に残る残留物で、ロジン酸(アビエチン酸、パラストリン酸、イソピマール酸等)を主成分とする天然樹脂、及び、それらを変性、水素添加等で加工した変性樹脂、水添樹脂などが挙げられる。具体的には、天然樹脂ロジン、その重合ロジン及び部分水添ロジン;グリセリンエステルロジン、その部分水添ロジン、完全水添ロジン及び重合ロジン;ペンタエリスリトールエステルロジン、その部分水添ロジン及び重合ロジン;等が挙げられる。天然樹脂ロジンとして、生松ヤニやトール油に含まれるガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等が例示される。ロジン系樹脂は市販品を利用でき、ポリペール及びペンタリンC(イーストマンケミカル社製)、ライムレジンNo.1、ペンセルA及びペンセルAD(荒川化学工業社製)、ネオトール105(ハリマ化成社製)、SNタック754(サンノプコ社製)、ハイロジンS(大社松精油社製)等が挙げられる。
ジシクロペンタジエン樹脂は、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒等を用い、ジシクロペンタジエンを重合して得られる樹脂などが挙げられる。ジシクロペンタジエン樹脂は市販品を利用でき、マルカレッツM-890A(丸善石油化学社製)、クイントン1920、クイントン1105(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
アルキルフェノール系樹脂は、アルキルフェノールとホルムアルデヒドとの触媒下における縮合反応によって得られるものなどが挙げられる。アルキルフェノール系樹脂は市販品を利用でき、タッキロール201(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、タッキロール250-I(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、タッキロール250-III(臭素化アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、田岡化学工業社製)、ヒタノール1502P(アルキルフェノールホルムアルデヒド樹脂、日立化成社製)、R7521P、SP1068、R7510PJ、R7572P及びR7578P(SI GROUP INC.製)等が挙げられる。
上記軟化点160℃以下の樹脂としては、例えば、クマロンインデン樹脂、αメチルスチレン系樹脂、テルペン系樹脂、アルキルフェノール系樹脂等が挙げられる。
前記樹脂(前記変性樹脂の骨格を構成する樹脂)の軟化点は、20℃以上が好ましく、25℃以上がより好ましく、40℃以上が更に好ましく、70℃以上が特に好ましい。また、該軟化点は、160℃以下であり、150℃以下がより好ましく、130℃以下が更に好ましい。
なお、本明細書において、軟化点は、JIS K 6220-1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーにおいて、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーの骨格を構成する熱可塑性エラストマーは特に限定されず、公知の熱可塑性エラストマーを使用可能である。
熱可塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、スチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。
前記変性熱可塑性エラストマーの骨格を構成する熱可塑性エラストマーは、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、芳香族ビニルモノマーからなるブロックを有することが好ましい。芳香族ビニルモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、スチレンが好ましい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、少なくとも1個のスチレン系単位を含むハードセグメントと、少なくとも1個のソフトセグメントとを有するものなどが挙げられる。前記ハードセグメントは熱可塑性型ポリマーブロック、前記ソフトセグメントはエラストマー型ポリマーブロックが挙げられる。前記ハードセグメント及びソフトセグメントは、直鎖状、星状、枝分れに配置できる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、前記スチレン系ハードセグメントは、ガラス転移温度(Tg)が80℃以上であることが好適である。例えば、前記スチレン系ハードセグメントは、ポリスチレンであることが好ましい。
前記スチレン系ハードセグメントは、スチレンモノマーのホモポリマー、いくつかのスチレンモノマーのブロック又はランダムコポリマー;1種以上のスチレンモノマーと1種以上の非スチレンモノマー(1,3-ジエンなど)とのコポリマー;などが挙げられる。
前記スチレンモノマーは、本明細書において、スチレン又は置換スチレンのいずれでもよい。置換スチレンとしては、例えば、メチルスチレン(o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、α-メチルスチレン、α,2-ジメチルスチレン、α,4-ジメチルスチレン、ジフェニルエチレン等)、パラ-(tert-ブチル)スチレン、クロロスチレン(o-クロロスチレン、m-クロロスチレン、p-クロロスチレン、2,4-ジクロロスチレン、2,6-ジクロロスチレン、2,4,6-トリクロロスチレン等)、ブロモスチレン(o-ブロモスチレン、m-ブロモスチレン、p-ブロモスチレン、2,4-ジブロモスチレン、2,6-ジブロモスチレン、2,4,6-トリブロモスチレン等)、フルオロスチレン(o-フルオロスチレン、m-フルオロスチレン、p-フルオロスチレン、2,4-ジフルオロスチレン、2,6-ジフルオロスチレン、2,4,6-トリフルオロスチレン等)、パラ-ヒドロキシスチレンなどが例示される。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおいて、該スチレン系熱可塑性エラストマー100質量%中の共役ジエン単位(共役ジエンモノマー単位とも称する)の含有量は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましく、30質量%以上が更に好ましい。該含有量の上限は、98質量%以下が好ましく、95質量%以下がより好ましく、93質量%以下が更に好ましい。なお、該共役ジエン単位は、全体的に又は部分的に水素化されていてもよい、ジエン系ソフトセグメントを少なくとも1つを含む。
前記ジエン系セグメントとしては、共役ジエンのホモポリマー、いくつかの共役ジエンのブロックコポリマー又はランダムコポリマー;1種以上の共役ジエンと、1種以上の他の非ジエンモノマー(スチレンモノマーなど)とのコポリマー;等が挙げられる。
前記ジエン系ソフトセグメントを構成する共役ジエン単位の含有量は、該ジエン系ソフトセグメント100質量中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、、更に好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上である。
前記共役ジエン単位としては、1,3-ブタジエン単位、イソプレン単位などが挙げられる。よって、前記ジエン系セグメントとしては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、1,3-ブタジエンとイソプレンとのコポリマーなどが挙げられる。なお、1,3-ブタジエンとイソプレンとのコポリマーは、ブロック、ランダムのいずれでもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、例えば、単一のジエン系ソフトセグメント及び単一のスチレン系ハードセグメントから構成されるジブロックが挙げられる。このような単一のジエン系ソフトセグメント及び単一のスチレン系ハードセグメントから構成されるジブロックとしては、スチレン/ブタジエン(SB)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン(SI)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン(SBI)ブロックコポリマー、及びこれらのコポリマーの混合物などが例示される。なお、ジエン系ソフトセグメントのブロックは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれでもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの好適例として、2個以上のスチレン系ハードセグメントを有するスチレン系熱可塑性エラストマーが挙げられる。前記スチレン系熱可塑性エラストマーが2個以上のスチレン系ハードセグメントを有する場合、例えば、該スチレン系熱可塑性エラストマーの少なくとも2つの鎖末端に各々スチレン系ハードセグメントを備え、該スチレン系ハードセグメントが1個以上の前記ジエン系ソフトセグメントを介して結合されるもの等が挙げられる。なかでも、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、2個以上のスチレン系ハードセグメントを有するトリブロックが好ましい。この場合、該トリブロックは、2個のスチレン系ハードセグメント及び1個のジエン系ソフトセグメントから構成される。
前記2個のスチレン系ハードセグメント及び1個のジエン系ソフトセグメントから構成されるトリブロックとしては、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)ブロックコポリマー、スチレン/イソプレン/スチレン(SIS)ブロックコポリマー、スチレン/ブタジエン/イソプレン/スチレン(SBIS)ブロックコポリマー、及びこれらのコポリマーの混合物などが例示される。なお、ジエン系ソフトセグメントのブロックは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれでもよい。なかでも、SISブロックコポリマー、SBISブロックコポリマー、及びこれらのコポリマーの混合物が好ましく、SISブロックコポリマーがより好ましい。
なお、前記スチレン系熱可塑性エラストマーは、前記ジエン系ソフトセグメントの共役ジエン単位の一部が水素化されたもの、共役ジエン単位の全てが水素化されたものでもよい。また、前記ジエン系ソフトセグメントの共役ジエン単位の一部の二重結合が水素化以外の方法により単結合に還元されている前記スチレン系熱可塑性エラストマーも同等に使用可能である。共役ジエン単位の二重結合を単結合に還元する方法としては、水素化アルミニウム、ジイミンによる還元などが挙げられる。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるジエン系ソフトセグメントの共役ジエン単位の一部又は全てが水素化される場合、前記単一のジエン系ソフトセグメント及び単一のスチレン系ハードセグメントから構成されるジブロックが水素化されたものとしては、スチレン/エチレン/ブチレン(SEB)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン(SEP)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン(SEEP)ブロックコポリマー、及びこれらのコポリマーの混合物などが例示される。なお、ジエン系ソフトセグメント(水素化)のブロックは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれでもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーにおけるジエン系ソフトセグメントの共役ジエン単位の一部又は全てが水素化される場合、前記2個のスチレン系ハードセグメント及び1個のジエン系ソフトセグメントから構成されるトリブロックが水素化されたものとしては、スチレン/エチレン/ブチレン/スチレン(SEBS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEPS)ブロックコポリマー、スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン(SEEPS)ブロックコポリマー、及びこれらのコポリマーの混合物などが例示される。なお、ジエン系ソフトセグメント(水素化)のブロックは、ランダムコポリマー、ブロックコポリマーのいずれでもよい。
前記スチレン系熱可塑性エラストマーの数平均分子量(Mn)は、好ましくは5万以上、より好ましくは6万以上、更に好ましくは8万以上、特に好ましくは10万以上である。上限は、好ましくは50万以下、より好ましくは45万以下、更に好ましくは30万以下、特に好ましくは25万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、各種ポリマーのMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー(株)製GPC-8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製TSKGEL SUPERMULTIPORE HZ-M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めることができる。
前記シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、変性熱可塑性エラストマーにおいて、該シリカとの親和性を有する官能基は、シリカとの親和性を持つ任意の基を使用できる。該シリカとの親和性を有する官能基の好適例としては、酸素、珪素、硫黄及び窒素からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む官能基が挙げられる。
該シリカとの親和性を有する官能基の具体例としては、SiORで表される基(Rは水素原子又は炭化水素基)、アミノ基、アミド基、シリル基、アルコキシシリル基、イソシアネート基、イミノ基、イミダゾール基、ウレア基、エーテル基、カルボニル基、オキシカルボニル基、メルカプト基、スルフィド基、ジスルフィド基、スルホニル基、スルフィニル基、チオカルボニル基、アンモニウム基、イミド基、ヒドラゾ基、アゾ基、ジアゾ基、カルボキシル基、ニトリル基、ピリジル基、アルコキシ基、水酸基、オキシ基、エポキシ基等が挙げられる。なお、前記官能基は、置換基を有していてもよい。また、前記官能基は、1種でも、2種以上でもよい。
なかでも、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、置換基を有してもよい、SiORで表される基(Rは水素原子又は炭化水素基)、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基が好ましい。
前記SiORで表される基としては、SiOH、SiOR(Rは炭化水素基)が挙げられる。Rの炭化水素基は、炭素数が1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が更に好ましい。該炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよい。Rの炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などのアルキル基などが挙げられる。
アルコキシシリル基としては、-Si(OR(R3-kで表される基(R~Rは、水素又は炭化水素基を表し、同一であっても異なっていてもよい。kは、1、2又は3の整数を表す。)R~Rの炭化水素基は、炭素数が1~12が好ましく、1~8がより好ましく、1~4が更に好ましい。非置換又は置換アルコキシシリル基の具体例としては、モノアルコキシシリル基(モノメトキシシリル基、モノエトキシシリル基、モノプロポキシシリル基、モノブトキシシリル基など)、ジアルコキシシリル基(ジメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、ジプロポキシシリル基、ジブトキシシリル基など)、トリアルコキシシリル基(トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリブトキシシリル基など)、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメチルエトキシシリル基、アミノアルコキシシリル基などが挙げられる。
アミノ基としては、1級アミノ基(-NH)、2級アミノ基(-NHR11)、3級アミノ基(-NR1213)が挙げられる。ここで、R11~R13は、任意の有機基であり、結合して環を形成していてもよい。前記のとおり、アミノ基は置換基を有してもよい。R11~R13の炭素数は、1~12が好ましく、1~6がより好ましく、1~4が更に好ましい。非置換又は置換アミノ基の具体例としては、1級アミノ基(-NH)、アミノ基、アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基等のモノ-C1-4アルキルアミノ基)、ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等のジ-C1-4アルキルアミノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルアミノ基、イソプロキシカルボニルアミノ基、tert-ブトキシカルボニルアミノ基等のC1-6アルコキシカルボニルアミノ基)等が例示される。
前記官能基は、該官能基の導入が可能な任意の化合物を使用でき、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022121896000001
(式中、R、R及びRは、同一又は異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基(-COOH)、メルカプト基(-SH)又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一又は異なって、水素原子又はアルキル基を表す。R及びRは結合して窒素原子と共に環構造を形成してもよい。nは整数を表す。)
、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基(好ましくは炭素数1~3のアルキル基)が好適である。nは、好ましくは1~5、より好ましくは2~4、更に好ましくは3である。また、R及びRが結合して窒素原子と共に環構造を形成する場合、4~8員環であることが好ましい。なお、アルコキシ基には、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基、ベンジルオキシ基等)も含まれる。
前記式で表される化合物の具体例としては、2-ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2-ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なかでも、3-ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3-ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、3-ジエチルアミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記官能基の導入が可能な他の化合物として、以下の化合物も挙げられる。
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのエチレン性不飽和シラン化合物;
エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル;ジグリシジル化ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4-ジグリシジルベンゼン、1,3,5-トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’-ジグリシジル-ジフェニルメチルアミン、4,4’-ジグリシジル-ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、N,N’-ジグリシジル-4-グリシジルオキシアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル-p-フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル-1,3-ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物;
ビス-(1-メチルプロピル)カルバミン酸クロリド、4-モルホリンカルボニルクロリド、1-ピロリジンカルボニルクロリド、N,N-ジメチルカルバミド酸クロリド、N,N-ジエチルカルバミド酸クロリド等のアミノ基含有酸クロリド;1,3-ビス-(グリシジルオキシプロピル)-テトラメチルジシロキサン、(3-グリシジルオキシプロピル)-ペンタメチルジシロキサン等のエポキシ基含有シラン化合物;
(トリメチルシリル)[3-(トリメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(トリブトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジメトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジプロポキシシリル)プロピル]スルフィド、(トリメチルシリル)[3-(メチルジブトキシシリル)プロピル]スルフィド等のスルフィド基含有シラン化合物;
エチレンイミン、プロピレンイミン等のN-置換アジリジン化合物;メチルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;4-N,N-ジメチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジ-t-ブチルアミノベンゾフェノン、4-N,N-ジフェニルアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジフェニルアミノ)ベンゾフェノン、N,N,N’,N’-ビス-(テトラエチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有する(チオ)ベンゾフェノン化合物;4-N,N-ジメチルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジフェニルアミノベンズアルデヒド、4-N,N-ジビニルアミノベンズアルデヒド等のアミノ基及び/又は置換アミノ基を有するベンズアルデヒド化合物;N-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-2-ピロリドン、N-フェニル-2-ピロリドン、N-t-ブチル-2-ピロリドン、N-メチル-5-メチル-2-ピロリドン等のN-置換ピロリドン;N-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-2-ピペリドン、N-フェニル-2-ピペリドン等のN-置換ピペリドン;N-メチル-ε-カプロラクタム、N-フェニル-ε-カプロラクタム、N-メチル-ω-ラウリロラクタム、N-ビニル-ω-ラウリロラクタム、N-メチル-β-プロピオラクタム、N-フェニル-β-プロピオラクタム等のN-置換ラクタム類;
N,N-ビス-(2,3-エポキシプロポキシ)-アニリン、4,4-メチレン-ビス-(N,N-グリシジルアニリン)、トリス-(2,3-エポキシプロピル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリオン類、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチルマレイミド、N,N-ジエチル尿素、1,3-ジメチルエチレン尿素、1,3-ジビニルエチレン尿素、1,3-ジエチル-2-イミダゾリジノン、1-メチル-3-エチル-2-イミダゾリジノン、4-N,N-ジメチルアミノアセトフェン、4-N,N-ジエチルアミノアセトフェノン、1,3-ビス(ジフェニルアミノ)-2-プロパノン、1,7-ビス(メチルエチルアミノ)-4-ヘプタノン;
エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,2-シクロヘキサンジアミン、N-メチルエチレンジアミン、N-メチルプロパンジアミン、N,N-ジメチルエチレンジアミン、N,N-ジメチルプロパンジアミン、N-アセチルエチレンジアミン、イソホロンジアミン;
4-N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、3-N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、4-N,N-ジエチルアミノエチルスチレン、3-N,N-ジエチルアミノエチルスチレン、4-N,N-ジ-n-プロピルアミノエチルスチレン、3-N,N-ジ-n-プロピルアミノエチルスチレン、4-N,N-ジ-n-ブチルアミノエチルスチレン、
3-N,N-ジ-n-ブチルアミノエチルスチレン、4-N,N-ジアリルアミノエチルスチレン、3-N,N-ジアリルアミノエチルスチレン、4-N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、3-N,N-ビス(トリメチルシリル)アミノエチルスチレン、4-N,N-ビス(tert-ブチルジメチルシリル)アミノエチルスチレン、3-N,N-ビス(tert-ブチルジメチルシリル)アミノエチルスチレン、4-アジリジニルエチルスチレン、3-アジリジニルエチルスチレン、4-ピロリジニルエチルスチレン、3-ピロリジニルエチルスチレン、4-ピペリジニルエチルスチレン、3-ピペリジニルエチルスチレン、4-ヘキサメチレンイミノエチルスチレン、3-ヘキサメチレンイミノエチルスチレン;
前述のシリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、変性熱可塑性エラストマーは、公知の方法で製造可能である。例えば、骨格を構成する樹脂、熱可塑性エラストマーに、シリカとの親和性を有する官能基を付与する方法としては、樹脂や熱可塑性エラストマーの重合中に前記官能基を有するモノマーを共重合させて末端及び/又は主鎖中に前記官能基を導入する方法、重合後又は一般市販の樹脂や熱可塑性エラストマーに前記官能基を有する化合物を付加して前記官能基を導入する方法などが挙げられるが、特に限定されない。
具体的には、以下の方法が挙げられるが、これらの方法に限定されない。
(1)前記官能基を有する化合物が不飽和結合を有するものであって、前記樹脂、熱可塑性エラストマーにイオン的及び/又はラジカル的に付加させる。
(2)前記官能基を有する化合物に過酸化化合物等のラジカル発生剤を作用させて、前記樹脂、熱可塑性エラストマーに付加させる。
(3)前記樹脂、熱可塑性エラストマーがカルボキシル基、水酸基等の官能基を有するものであって、そこに更に前記官能基を有する化合物を反応させて、目的とする前記官能基を前記樹脂、熱可塑性に導入する。
(4)前記樹脂、熱可塑性エラストマーを重合する際に、前記官能基を有するモノマーを共重合させる。
(変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分A)
前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aは、数平均分子量が5万以上であることが好ましく、より好ましくは10万以上、更に好ましくは15万以上、特に好ましくは20万以上である。上限は、好ましくは300万以下、より好ましくは200万以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aは、ガラス転移温度(Tg)が-10℃以下であることが好ましく、-20℃以下であることがより好ましく、-40℃以下であることが更に好ましく、-45℃以下であることが特に好ましく、また、-50℃以下でも、-55℃以下でもよい。下限は特に限定されないが、好ましくは-130℃以上、より好ましくは-120℃以上である。
前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aは、非変性ゴム、変性ゴムのいずれでもよいが、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、変性ゴムが好ましい。
前記作用効果が得られるメカニズムは明らかではないが、以下のように推察される。
前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aと、前記変性ポリマーが官能基を有することにより、シリカと強固に相互作用するため、低燃費性、耐摩耗性、ゴム強度を向上できるため、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能、低燃費性の総合性能が向上すると推察される。
更に、変性ゴムと、前記変性ポリマーとが、互いに官能基を有し、事前に均一に混合されているため、強い相互作用で結びついていることから、前記変性ポリマーがブリードすることが防止され、経年変化が顕著に抑制されたゴムを提供することも可能となる。
変性ゴムとしては、シリカ等の充填剤と相互作用する官能基を有するゴム等が挙げられる。例えば、ゴムの少なくとも一方の末端を、官能基を有する化合物(変性剤)で変性された末端変性ゴム(末端に官能基を有する末端変性ゴム)や、主鎖に官能基を有する主鎖変性ゴムや、主鎖及び末端に官能基を有する主鎖末端変性ゴム(例えば、主鎖に官能基を有し、少なくとも一方の末端を変性剤で変性された主鎖末端変性ゴム)や、分子中に2個以上のエポキシ基を有する多官能化合物により変性(カップリング)され、水酸基やエポキシ基が導入された末端変性ゴム等が挙げられる。
上記変性ゴムにおける上記官能基としては、例えば、前述のシリカとの親和性を有する官能基などが挙げられる。なかでも、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、前述の置換基を有してもよい、SiORで表される基(Rは水素原子又は炭化水素基)、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、カルボキシル基が好ましい。また、該官能基の導入が可能な化合物としては、例えば、前述の化合物などが挙げられる。
前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aとしては、例えば、ジエン系ゴムを使用できる。ジエン系ゴムとしては、イソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)などが挙げられる。また、ブチル系ゴム、フッ素ゴムなども挙げられる。なかでも、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能の観点から、SBR、BR、イソプレン系ゴムが好ましく、SBR、BRがより好ましい。なお、前記のとおり、ジエン系ゴムは、非変性ジエン系ゴムでもよいし、変性ジエン系ゴムでもよい。また、水素添加物でもよい。
SBRとしては特に限定されず、例えば、乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR)、溶液重合スチレンブタジエンゴム(S-SBR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
SBRのスチレン量は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、該スチレン量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、特に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、SBRのスチレン含量は、H-NMR測定により算出される。
SBRのビニル量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは12質量%以上である。上記ビニル量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、更に好ましくは25質量%以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、ビニル含有量(1,2-結合ブタジエン単位量)は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
SBRとしては、例えば、住友化学(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等により製造・販売されているSBRを使用できる。
SBRは、非変性SBRでもよいし、変性SBRでもよい。変性SBRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性SBRが挙げられる。また、SBRは、水素添加物でもよい。
BRは特に限定されず、例えば、高シス含量のハイシスBR、シンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR、希土類系触媒を用いて合成したBR(希土類BR)等を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、耐摩耗性が向上するという理由から、シス含量が90質量%以上のハイシスBRが好ましい。
また、BRは、非変性BRでもよいし、変性BRでもよい。変性BRとしては、変性ジエン系ゴムと同様の官能基が導入された変性BRが挙げられる。BRは、水素添加物でもよい。
BRとしては、例えば、宇部興産(株)、JSR(株)、旭化成(株)、日本ゼオン(株)等の製品を使用できる。
イソプレン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、改質NR、変性NR、変性IR等が挙げられる。NRとしては、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。IRとしては、特に限定されず、例えば、IR2200等、ゴム工業において一般的なものを使用できる。改質NRとしては、脱タンパク質天然ゴム(DPNR)、高純度天然ゴム(UPNR)等、変性NRとしては、エポキシ化天然ゴム(ENR)、水素添加天然ゴム(HNR)、グラフト化天然ゴム等、変性IRとしては、エポキシ化イソプレンゴム、水素添加イソプレンゴム、グラフト化イソプレンゴム等、が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記変性ポリマー伸展ゴムは、前記ゴム成分Aと、前記シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂並びに変性熱可塑性エラストマーとを、十分に混合することにより製造できる。例えば、有機溶媒中の溶液状態のゴム成分Aと、液体状態に調整された前記変性樹脂及び/又は変性熱可塑性エラストマーとを混合し、必要に応じて、公知の方法で前記変性ポリマー伸展ゴムを回収する工程を行うことにより、前記変性ポリマー伸展ゴム得ることができる。
前記有機溶媒としては、前記ゴム成分Aのモノマー、前記ゴム成分A、前記変性樹脂及び/又は変性熱可塑性エラストマーと相溶性の任意の溶媒などを使用できる。好適な有機溶媒は、脂肪族、脂環式であり、具体的には、n-ペンタン、イソペンタン、イソアミレン(2-メチル-2-ブテン、2-メチル-1-ブテンおよび3-メチル-1-ブテン)、2,2-ジメチルブタン、2,2-ジメチルプロパン(ネオペンタン)、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、n-ヘキサン、メチルシクロペンタンおよびメチルシクロヘキサン、及びこれらの化合物の混合物を例示できる。また、他の有機溶媒としては、芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエンなど)も挙げられる。
前記液体状態に調整された前記変性樹脂及び/又は変性熱可塑性エラストマーは、例えば、室温で固体状態であり、液体状態に移行するプロセスに供されたものが挙げられる。具体的には、液体状態に調整された前記変性樹脂及び/又は変性熱可塑性エラストマーは、公知技術により、その軟化点を超える温度まで加熱されてもよい。
なかでも、前記変性ポリマー伸展ゴムは、有機溶媒中で重合して前記ゴム成分Aを作製し、重合後の溶液中に前記変性樹脂及び/又は前記変性熱可塑性エラストマーの溶液を加えて製造されるものであることが好ましい。この場合、ゴム成分Aと、前記変性ポリマーとが十分に混合した前記変性ポリマー伸展ゴムが好適に得られる。有機溶媒中の重合、前記変性樹脂及び/又は前記変性熱可塑性エラストマーの溶液の作製、前記変性樹脂及び/又は前記変性熱可塑性エラストマーの溶液の添加の方法は特に限定されず、公知の方法を適宜使用すればよい。
前記変性ポリマー伸展ゴムにおいて、前記ゴム成分A100質量部に対する前記変性樹脂及び変性熱可塑性エラストマーの総量は、好ましくは5質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは40質量部以上である。該総量の上限は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは70質量部以下、更に好ましくは60質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(ゴム組成物を構成する全ゴム成分)
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分は、前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するゴム成分Aと、必要に応じて該ゴム成分A以外に含まれるゴム成分Bとから構成される。例えば、変性SBR及び前記変性ポリマーからなる変性ポリマー伸展ゴムと、非変性BRと、フィラーとからなるゴム組成物の場合、該ゴム組成物に含まれる全ゴム成分は、変性SBR(ゴム成分Aに相当)及び非変性BR(ゴム成分Bに相当)である。ここで、前記ゴム成分Bとしては、ゴム分野に公知のゴムを使用でき、例えば、前記変性ポリマー伸展ゴムを構成する前述のゴム成分Aと同様の非変性ゴム、変性ゴムなどが挙げられる。
なお、本明細書において、前記変性熱可塑性エラストマー、前記熱可塑性エラストマーは、ゴム組成物を構成する全ゴム成分には含まれないものとする。
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%(前記ゴム成分A及び前記ゴム成分Bの合計量100質量%)中、SBRの含有量(前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するSBRと、該SBR以外に含まれる他のSBRとの合計量)は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。下限は特に限定されないが、5質量%以上でも、10質量%以上でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%中、BRの含有量(前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するBRと、該BR以外に含まれる他のBRとの合計量)は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上である。下限は特に限定されないが、5質量%以上でも、10質量%以上でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%中、イソプレン系ゴムの含有量(前記変性ポリマー伸展ゴムを構成するイソプレン系ゴムと、該イソプレン系ゴム以外に含まれる他のイソプレン系ゴムとの合計量)は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。下限は特に限定されないが、3質量%以上でも、5質量%以上でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%中、前記変性ポリマー伸展ゴムに含まれるゴム成分Aの含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(ゴム組成物を構成する変性ポリマー)
前記ゴム組成物は、前記変性ポリマー(前記変性樹脂、前記変性熱可塑性エラストマー)を含むものであるが、ゴム組成物を構成する前記変性ポリマーは、該組成物中に含まれる全ての前記変性ポリマーを意味する。例えば、変性SBR及び前記変性樹脂からなる変性ポリマー伸展ゴムと、前記変性樹脂と、フィラーとからなるゴム組成物の場合、該ゴム組成物に含まれる前記変性ポリマーは、該変性ポリマー伸展ゴムを構成する前記変性樹脂と、別途添加された前記変性樹脂とである。
前記ゴム組成物において、前記変性樹脂及び変性熱可塑性エラストマーの総量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部(前記ゴム成分A及び前記ゴム成分Bの合計量100質量部)に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは30質量部以上、特に好ましくは40質量部以上である。上限は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは90質量部以下、特に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。なお、全ゴム成分100質量部に対する前記変性樹脂の含有量、変性熱可塑性エラストマーの含有量も同様の範囲が望ましい。
前記ゴム組成物に含まれる前記変性樹脂及び変性熱可塑性エラストマーの総量100質量%中、前記変性ポリマー伸展ゴムに含まれる前記変性樹脂及び変性熱可塑性エラストマーの総含有率は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは50質量%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(フィラー)
前記ゴム組成物は、フィラー(充填材)を含むことが好ましい。フィラーとしては、シリカ、カーボンブラック、炭酸カルシウム、タルク、アルミナ、クレイ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、マイカなどの無機フィラー;難分散性フィラー;等のゴム分野で公知のものを使用できる。なかでも、シリカ、カーボンブラックが好ましく、シリカがより好ましい。
前記ゴム組成物において、フィラーの総量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以上、より好ましくは85質量部以上、更に好ましくは105質量部以上、特に好ましくは125質量部以上である。上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは175質量部以下、更に好ましくは155質量部以下、特に好ましくは135質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
使用可能なシリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水シリカ)、湿式法シリカ(含水シリカ)などが挙げられる。なかでも、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカとしては、例えば、デグッサ社、ローディア社、東ソー・シリカ(株)、ソルベイジャパン(株)、(株)トクヤマ等の製品を使用できる。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは70m/g以上、より好ましくは140m/g以上、更に好ましくは160m/g以上、特に好ましくは180m/g以上である。また、シリカのNSAの上限は特に限定されないが、好ましくは300m/g以下、より好ましくは275m/g以下、更に好ましくは250m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、シリカのNSAは、ASTM D3037-93に準じてBET法で測定される値である。
前記ゴム組成物において、シリカの含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは80質量部以上、更に好ましくは100質量部以上、特に好ましくは120質量部以上である。上限は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは170質量部以下、更に好ましくは150質量部以下、特に好ましくは130質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
シリカを含有する場合、シリカとともにシランカップリング剤を配合してもよい。
使用可能なシランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用することができ特に限定されず、例えば、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、などのスルフィド系、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、Momentive社製のNXT、NXT-Zなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシランなどのビニル系、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、などのグリシドキシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシラン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランなどのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキシシラン、3-クロロプロピルトリエトキシシランなどのクロロ系などが挙げられる。市販品としては、デグッサ社、Momentive社、信越シリコーン(株)、東京化成工業(株)、アヅマックス(株)、東レ・ダウコーニング(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、スルフィド系、メルカプト系が好ましい。
前記ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、3質量部以上が好ましく、6質量部以上がより好ましい。また、上記含有量は、20質量部以下が好ましく、15質量部以下がより好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
使用可能なカーボンブラックとしては、N134、N110、N220、N234、N219、N339、N330、N326、N351、N550、N762などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。市販品としては、例えば、旭カーボン(株)、キャボットジャパン(株)、東海カーボン(株)、三菱化学(株)、ライオン(株)、新日化カーボン(株)、コロンビアカーボン社等の製品を使用できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、50m/g以上が好ましく、80m/g以上がより好ましく、100m/g以上が更に好ましい。また、上記NSAは、200m/g以下が好ましく、150m/g以下がより好ましく、130m/g以下が更に好ましい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
なお、本明細書において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217-2:2001によって求められる。
前記ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、更に好ましくは5質量部以上である。上限は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
(可塑剤)
前記ゴム組成物は、前記変性ポリマー伸展ゴムを構成する変性ポリマー(前記変性樹脂、変性熱可塑性エラストマー)以外に他の可塑剤を含んでもよい。ここで、可塑剤とは、ゴム成分に可塑性を付与する材料であり、例えば、液体可塑剤(常温(25℃)で液体状態の可塑剤)、樹脂(常温(25℃)で固体状態の樹脂)等が挙げられる。前記ゴム組成物は、前記変性ポリマー(前記変性樹脂、前記変性熱可塑性エラストマー)を含むものであるが、ゴム組成物を構成する可塑剤は、該組成物中に含まれる全ての可塑剤を意味する。例えば、変性SBR及び前記変性樹脂からなる変性ポリマー伸展ゴムと、オイルと、前記熱可塑性エラストマーと、フィラーとからなるゴム組成物の場合、該ゴム組成物に含まれる可塑剤は、該変性ポリマー伸展ゴムを構成する前記変性樹脂と、オイルと、前記熱可塑性エラストマーとである。
前記ゴム組成物において、可塑剤の総量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは35質量部以上、更に好ましくは45質量部以上、特に好ましくは55質量部以上である。上限は、好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは90質量部以下、特に好ましくは85質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
前記ゴム組成物において、前記液体可塑剤の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下であり、0質量部でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。なお、液体可塑剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイルの量も含まれる。
可塑剤としては、例えば、前記変性ポリマー(前記変性樹脂、前記変性熱可塑性エラストマー)が挙げられるが、他の可塑剤としては、オイル等も挙げられる。
オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油、又はその混合物が挙げられる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。植物油としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、桐油等が挙げられる。なかでも、プロセスオイル(パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル等)、植物油が好ましい。
前記ゴム組成物において、オイルの含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、特に好ましくは5質量部以下であり、0質量部でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。なお、オイルの含有量には、油展ゴムに含まれるオイルも含まれる。
液体可塑剤、固体可塑剤としては、例えば、丸善石油化学(株)、住友ベークライト(株)、ヤスハラケミカル(株)、東ソー(株)、RutgersChemicals社、BASF社、アリゾナケミカル社、日塗化学(株)、(株)日本触媒、JXTGエネルギー(株)、荒川化学工業(株)、田岡化学工業(株)等の製品を使用できる。
(ゴム組成物を構成する他の成分)
前記ゴム組成物は、耐クラック性、耐オゾン性等の観点から、老化防止剤を含有することが好ましい。
老化防止剤としては特に限定されないが、フェニル-α-ナフチルアミン等のナフチルアミン系老化防止剤;オクチル化ジフェニルアミン、4,4′-ビス(α,α′-ジメチルベンジル)ジフェニルアミン等のジフェニルアミン系老化防止剤;N-イソプロピル-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミン等のp-フェニレンジアミン系老化防止剤;2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物等のキノリン系老化防止剤;2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、スチレン化フェノール等のモノフェノール系老化防止剤;テトラキス-[メチレン-3-(3′,5′-ジ-t-ブチル-4′-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等のビス、トリス、ポリフェノール系老化防止剤などが挙げられる。なかでも、p-フェニレンジアミン系老化防止剤、キノリン系老化防止剤が好ましく、N-(1,3-ジメチルブチル)-N′-フェニル-p-フェニレンジアミン、2,2,4-トリメチル-1,2-ジヒドロキノリンの重合物がより好ましい。市販品としては、例えば、精工化学(株)、住友化学(株)、大内新興化学工業(株)、フレクシス社等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物において、老化防止剤の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上である。下限以上にすることで、充分な耐オゾン性が得られる傾向がある。該含有量は、好ましくは7.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下である。上限以下にすることで、良好な外観が得られる傾向がある。
前記ゴム組成物は、ステアリン酸を含んでもよい。前記ゴム組成物において、ステアリン酸の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部以上、より好ましくは0.5~5質量部である。
なお、ステアリン酸としては、従来公知のものを使用でき、例えば、日油(株)、花王(株)、富士フイルム和光純薬(株)、千葉脂肪酸(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物は、酸化亜鉛を含んでもよい。前記ゴム組成物において、酸化亜鉛の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
なお、酸化亜鉛としては、従来公知のものを使用でき、例えば、三井金属鉱業(株)、東邦亜鉛(株)、ハクスイテック(株)、正同化学工業(株)、堺化学工業(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ワックスを配合してもよい。前記ゴム組成物において、ワックスの含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5~10質量部、より好ましくは1~5質量部である。
ワックスとしては特に限定されず、石油系ワックス、天然系ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理した合成ワックスも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、石油外資源由来のワックスであれば特に限定されず、例えば、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。市販品としては、例えば、大内新興化学工業(株)、日本精蝋(株)、精工化学(株)等の製品を使用できる。
前記ゴム組成物には、ポリマー鎖に適度な架橋鎖を形成し、良好な前記性能バランスを付与するという点で、硫黄を配合してもよい。
前記ゴム組成物において、硫黄の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上、更に好ましくは0.7質量部以上である。該含有量は、好ましくは6.0質量部以下、より好ましくは4.0質量部以下、更に好ましくは3.0質量部以下である。
硫黄としては、ゴム工業において一般的に用いられる粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄、可溶性硫黄などが挙げられる。市販品としては、鶴見化学工業(株)、軽井沢硫黄(株)、四国化成工業(株)、フレクシス社、日本乾溜工業(株)、細井化学工業(株)等の製品を使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム組成物は、加硫促進剤を含んでもよい。
前記ゴム組成物において、加硫促進剤の含有量は、前記ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、通常、0.3~10質量部、好ましくは0.5~7質量部である。
加硫促進剤の種類は特に制限はなく、通常用いられているものを使用可能である。加硫促進剤としては、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアジルスルフェンアミド等のチアゾール系加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラベンジルチウラムジスルフィド(TBzTD)、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド(TOT-N)等のチウラム系加硫促進剤;N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシエチレン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N’-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド等のスルフェンアミド系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、ジオルトトリルグアニジン、オルトトリルビグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、前記性能バランスの観点から、スルフェンアミド系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
前記ゴム組成物には、上記成分以外にも、離型剤や顔料等の応用分野に従って、それらの使用に使われる通常の添加物を適宜配合してもよい。
前記ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、必要に応じて架橋する方法などにより製造できる。なお、混練条件としては、混練温度は、通常50~200℃、好ましくは80~190℃であり、混練時間は、通常30秒~30分、好ましくは1分~30分である。
前記ゴム組成物を用いるタイヤ部材としては特に限定されないが、トレッド(キャップトレッド)に好適に使用できる。
前記ゴム組成物は、タイヤに好適に使用できる。タイヤとしては、空気入りタイヤ、非空気入りタイヤなどが挙げられるが、なかでも、空気入りタイヤが好ましい。特に、夏用タイヤ(サマータイヤ)、冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ、スノータイヤ、スタッドタイヤなど)、オールシーズンタイヤ、等として好適に使用できる。タイヤは、乗用車用タイヤ、大型乗用車用タイヤ、大型SUV用タイヤ、トラック、バスなどの重荷重用タイヤ、ライトトラック用タイヤ、二輪自動車用タイヤ、レース用タイヤ(高性能タイヤ)などに使用可能である。なかでも、乗用車用タイヤ、ライトトラック用タイヤに好適に使用できる。
タイヤは、前記ゴム組成物を用いて通常の方法により製造される。例えば、変性ポリマー伸展ゴムなどの各種材料を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤ部材の形状に合わせて押し出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造することができる。
前記タイヤの好適例として、例えば、トレッドゴム層を備えたタイヤであって、前記トレッドゴム層は、タイヤの表面側に配された表面側トレッドゴム層と、前記表面側トレッドゴム層のタイヤ半径方向内側に配された内側トレッドゴム層とを少なくとも有し、かつ、前記表面側トレッドゴム層が前述のゴム組成物、前記内側トレッドゴム層が該ゴム組成物と異なるゴム組成物からなるタイヤが挙げられる。
以下、図面を参照しつつ、前記タイヤの好ましい実施形態の一例を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る乗用車用タイヤの一部が示された断面図である。なお、図1は乗用車用タイヤについて例示したが、前述の他のタイヤにも適用できる。
図1において、上下方向がタイヤ半径方向であり、左右方向がタイヤ軸方向であり、紙面に対して垂直方向がタイヤ周方向である。乗用車用タイヤ1は、トレッド部7と、その両端からタイヤ半径方向内方に延びる一対のサイドウォール部8と、各サイドウォール部8の内方端に位置するビード部3と、リム上部に位置するチェーファー2とを備える。また両側のビード部3の間にはカーカス10が架け渡されるとともに、このカーカス10のタイヤ半径方向外側にブレーカー部9が配置されている。
カーカス10は、カーカスコードを配列する1枚以上のカーカスプライから形成される。該カーカスプライは、トレッド部7からサイドウォール部8を経て、ビードコア4と、該ビードコア4の上端からサイドウォール方向に延びるビードエイペックス5との周りをタイヤ軸方向の内側から外側に折返されて係止される。ブレーカー部9は、ブレーカーコードを配列した2枚以上のブレーカープライからなり、各ブレーカーコードがブレーカープライ間で交差するよう向きを違えて配置している。ブレーカー部9の上側には、ブレーカー部9を保護するバンド6が配置されている。
トレッド部7は、路面に接地する側に配置される表面側トレッドゴム層7cと、該表面側トレッドゴム層7cのタイヤ半径方向内側に配置される内側トレッドゴム層7bとで構成される。なお、図1には、一例として、表面側トレッドゴム層7c及び内側トレッドゴム層7bで構成される2層構造トレッドの例が示されているが、任意の多層構造トレッドに適用可能であり、2層構造トレッドの他、3層構造トレッド、4層以上の構造のトレッドにも適用できる。
前記タイヤの好適例における多層トレッド構造について、好ましい形態としては、例えば、2層構造トレッドの場合、表面側トレッドゴム層が該2層構造トレッドの最表面層(第1層)を構成し、内側トレッドゴム層が該最表面層のタイヤ半径方向内側に隣接して配された第2層を構成する形態などが挙げられる。3層構造トレッドの場合、表面側トレッドゴム層が該3層構造トレッドの最表面層(第1層)を構成し、該表面側トレッドゴム層及び内側トレッドゴム層とは異なるゴム層が該最表面層のタイヤ半径方向内側に隣接して配された第2層を構成し、内側トレッドゴム層が該第2層のタイヤ半径方向内側に隣接して配された第3層(トレッドゴム層の最内側層)を構成する形態や、表面側トレッドゴム層及び内側トレッドゴム層とは異なるゴム層が該3層構造トレッドの最表面層(第1層)を構成し、表面側トレッドゴム層が該最表面層のタイヤ半径方向内側に隣接して配された第2層を構成し、内側トレッドゴム層が該第2層のタイヤ半径方向内側に隣接して配された第3層(トレッドゴム層の最内側層)を構成する形態、などが挙げられる。
図1の2層構造トレッドを備えたタイヤ1において、表面側トレッドゴム層7cを構成する表面側トレッドゴム層用ゴム組成物は、前述の変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物で構成され、内側トレッドゴム層7bを構成する内側トレッドゴム層用ゴム組成物は、表面側トレッドゴム層用ゴム組成物とは異なるゴム組成物で構成されている。
内側トレッドゴム層用ゴム組成物に使用可能なゴム成分、フィラー、可塑剤(前記変性樹脂、前記熱可塑性エラストマーなど)、他の成分(老化防止剤など)としては、前述のゴム組成物と同様のもの等が挙げられる。
内側トレッドゴム層用ゴム組成物において、該内側トレッドゴム層用ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量%中のイソプレン系ゴムの含有量は、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上、更に好ましくは60質量%以上である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
内側トレッドゴム層用ゴム組成物において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは60m/g以上である。該NSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは180m/g以下、更に好ましくは150m/g以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
内側トレッドゴム層用ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、該内側トレッドゴム層用ゴム組成物に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上、更に好ましくは3質量部以上である。該含有量は、好ましくは150質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。
内側トレッドゴム層用ゴム組成物において、可塑剤の含有量、他の成分の含有量(老化防止剤の含有量など)は、適宜設定可能であり、例えば、前述のゴム組成物と同様の範囲などを適用できる。
特に、表面側トレッドゴム層を構成する表面側トレッドゴム用ゴム組成物及び内側トレッドゴム層を構成する内側トレッドゴム層用ゴム組成物の両ゴム組成物は、液体可塑剤の含有量が、いずれも、該ゴム組成物中に含まれる全ゴム成分100質量部に対して、好ましくは50質量部以下、より好ましくは20質量部以下、更に好ましくは10質量部以下であり、0質量部でもよい。下限は特に限定されないが、1質量部以上でも、3質量部以上でもよい。上記範囲内であると、効果がより良好に得られる傾向がある。なお、液体可塑剤の含有量には、油展ゴムに含まれるオイルの量も含まれる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、製造例で用いた各種薬品について説明する。
SBR1~SBR3、BR1:下記製造例1-1、1-2
水添SBR:下記製造例1-3
DCPD(非水添):ExxonMobil社製Oppera PR 383(DCPD樹脂、軟化点103℃)
水添DCPD:ExxonMobil社製Oppera PR 100(水添DCPD樹脂、軟化点140℃)
-C系樹脂:エネオス社製PD104(軟化点103℃)
系樹脂:アリゾナケミカル社製SYLVARES SA85(αメチルスチレン系樹脂〔α-メチルスチレンとスチレンとの共重合体〕、軟化点85℃)
アリルトリエトキシシラン
3-アミノプロピルトリエトキシシラン
N-アセチルエチレンジアミン
4-ピロリジニルエチルスチレン
変性樹脂1~5:下記製造例2-1~2-5
変性TPE:下記製造例2-6
(製造例1-1:SBR1(変性SBR)の製造)
乾燥置換中メチルシクロヘキサン溶媒に1,3-ブタジエン547g、スチレン173g、テトラヒドロフラン6.1ml、エチレングリコールジエチルエーテル5.0mlを重合反応器内に投入し、n-ブチルリチウム13.1mmolをn-ヘキサン溶液として投入し、重合を行った。3-ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン11.1mmolを添加し、末端にアミノアルコキシル変性基を有する表1に記載のSBR1を得た。
(製造例1-2:SBR2~3(変性SBR)、BR1(変性BR)の製造)
前記SBR1(変性SBR)の製造と同様の方法により、表1に記載のSBR2~3(変性SBR)、BR1(変性BR)を得た。
(製造例1-3:水添SBRの製造)
前記SBR1(変性SBR)の製造で得られた重合体を水素添加する以外は、SBR1と同様の処方にて水添SBRを得た。すなわち、SBR1において重合転化反応後、エタノールを加えて重合反応を停止させず、次いで、水素ガスを0.4MPa-Gaugeの圧力で供給しながら20分間撹拌し、未反応のポリマー末端リチウムと反応させ、水素化リチウムとした。水素ガス供給圧力を0.7MPa-Gauge、反応温度を90℃とし、チタノセンジクロリドを主体とする触媒を用いて水素添加を行った。水素の吸収が目的の水素添加率となる積算量に達した時点で、反応温度を常温とし、水素圧を常圧に戻して反応容器より抜き出し、反応溶液を水中に撹拌投入して溶媒をスチームストリッピングにより除去することにより、表1に記載の水添SBR(変性水添SBR)を得た。
Figure 2022121896000002
(製造例2-1:変性樹脂1の製造)
DCPD(非水添)にアリルトリエトキシシランを付加させることにより、表2に記載の変性樹脂1を得た。
(製造例2-2:変性樹脂2の製造)
水添DCPDにアミノプロピルトリエトキシシランを反応させることにより、表2に記載の変性樹脂2を得た。
(製造例2-3:変性樹脂3の製造)
-C系樹脂にアミノプロピルトリエトキシシランを反応させることにより、表2に記載の変性樹脂3を得た。
(製造例2-4:変性樹脂4の製造)
-C系樹脂にアセチルエチレンジアミンを反応させることにより、表2に記載の変性樹脂4を得た。
(製造例2-5:変性樹脂5の製造)
系樹脂にピロリジニルエチルスチレンを反応させることにより、表2に記載の変性樹脂5を得た。
(製造例2-6:変性TPEの製造)
攪拌機及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄、乾燥、窒素置換し、予め精製したスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を投入した。次いでn-ブチルリチウム及びテトラメチルエチレンジアミンを添加し、70℃で1時間重合した後、予め精製したブタジエン80質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合し、更にスチレン10質量部を含むシクロヘキサン溶液(濃度20質量%)を加えて70℃で1時間重合した。その後、変性剤としてアミノプロピルトリエトキシシランを重合に使用したn-ブチルリチウムに対して等モル反応させた。その後、アルコールを加えて反応を止め、反応溶液に2,6-tert-ブチル-p-クレゾール1gを添加後、再沈殿精製により、表2に記載の変性スチレン/ブタジエンブロック共重合体(変性TPE(変性熱可塑性エラストマー))を得た。
Figure 2022121896000003
(製造例3-1:変性ポリマー伸展ゴム1の製造)
製造例1-1で得られたSBR1溶液に、製造例2-1で別途準備した変性樹脂1(360g)のメチルシクロヘキサン溶液を加え、よく混合した後、溶媒除去して変性ポリマー伸展ゴム1(MB1(SBR1/変性樹脂1=100/50))を得た。
(製造例3-2:変性ポリマー伸展ゴム2~9の製造)
表3に従い、製造例3-1と同様にして、変性ポリマー伸展ゴム2~9(MB2~MB9)を得た。
Figure 2022121896000004
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
(キャップトレッド)
MB1~MB7:前記製造例3-1、3-2
BR2:宇部興産社製BR150B(シス含有量97質量%、Tg-110℃)
NR:TSR20(Tg-62℃)
SBR1:前記製造例1-1
シリカ1:エボニックデグッサ社製ウルトラシルVN3(NSA175m/g)
シリカ2:Rhodia社製Zeosil Premium 200MP(NSA220m/g)
シリカ3:Solvay社製Premium SW(NSA275m/g)
シランカップリング剤1:エボニックデグッサ社製Si266(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド)
シランカップリング剤2:エボニックデグッサ社製Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
シランカップリング剤3:Momentive社製NXTシラン(3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン)
カーボンブラック:三菱ケミカル(株)製ダイアブラックA(N110、NSA142m/g、DBP116ml/100g)
水添DCPD:エクソンモービル社製Escorez5320(水素化されたDCPD樹脂)
DCPD(非水添):上記のエクソンモービル社製DCPD樹脂
オイル:H&R社製VIVATEC500(TDAEオイル)
ステアリン酸:日油(株)製ビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学工業(株)製粉末硫黄
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製ノクセラーD(N,N’-ジフェニルグアニジン(DPG))
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製ノクラック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミン
(ベーストレッド)
NR:TSR20
BR:宇部興産(株)製BR150B(シス含有量97質量%)
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製ショウブラックN330(NSA75m/g)
オイル:出光興産(株)製ダイアナプロセスAH-24
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製ノクラック6C(N-フェニル-N’-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン)(6PPD)
ステアリン酸:日油(株)製ビーズステアリン酸つばき
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製酸化亜鉛2種
硫黄:日本乾溜工業(株)製セイミ硫黄(オイル分:10%)
加硫促進剤TBBS:大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS
<実施例及び比較例>
(タイヤの製造)
表4に示す配合内容に従い、(株)神戸製鋼所製の1.7Lバンバリーミキサーを用いて、表4に記載の材料のうち、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄、加硫促進剤、老化防止剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で5分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物をキャップトレッドの形状に成形し、タイヤ成型機上で、表5に記載の配合のベーストレッド及び他のタイヤ部材とともに貼り合わせて未加硫タイヤを形成し、170℃で10分間加硫し、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15、乗用車用タイヤ)を製造した。
得られた試験用タイヤを下記により評価し、結果を表4に示した。なお、表4の基準比較例は、比較例1とした。
<評価>
(耐摩耗性)
各試験用タイヤを国産FF2000cc車に装着し、速度100~150km/時での走行距離5000km後のタイヤトレッド部の溝深さを測定し、タイヤ溝深さが1mm減るときの走行距離を算出し下記の式により指数化した。指数が大きいほど、耐摩耗性が良好である。
耐摩耗性指数=(1mm溝深さが減るときの走行距離)/(基準比較例のタイヤ溝が1mm減るときの走行距離)×100
(ゴム強度)
上記耐摩耗性の試験後のタイヤにおいて、チッピングやトレッド欠けの有無を確認した。基準比較例の状態を100とし、指数化した。指数が大きいほど、ゴム強度が良好である。
(ウェットグリップ性能)
試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、北海道旭川テストコースにて、湿潤な25℃の路面にて実車走行し、時速100km/hでロックブレーキを踏み、停止するまでに要した停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、ウェットグリップ性能(ウェット制動性能)が良好であることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
(高速ウェットグリップ性能)
試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、北海道旭川テストコースにて、湿潤な25℃の路面にて実車走行し、時速150km/hでロックブレーキを踏み、停止するまでに要した停止距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、高速ウェットグリップ性能(高速でのウェット制動性能)が良好であることを示す。
(高速ウェットグリップ性能指数)=(基準比較例の停止距離)/(各配合の停止距離)×100
(低燃費性)
試験用タイヤを国産2000ccのFF車に装着し、岡山テストコースにて、25℃の乾燥路面にて実車走行し、時速60km/hでアクセルをはなし、停止するまでに走行した距離を測定した。基準比較例を100として、下記式により指数表示した。指数が大きいほど、低燃費性が良好であることを示す。
(低燃費性指数)=(各配合の走行距離)/(基準比較例の走行距離)×100
Figure 2022121896000005
Figure 2022121896000006
表4から、ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物を用いた実施例のタイヤは、耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能及び低燃費性の総合性能(耐摩耗性、ゴム強度、ウェットグリップ性能、高速ウェットグリップ性能、低燃費性の5つの指数の総和で表す)が優れていた。
1 乗用車用タイヤ
2 チェーファー
3 ビード部
4 ビードコア
5 ビードエイペックス
6 バンド
7 トレッド部
7b 内側トレッドゴム層
7c 表面側トレッドゴム層
8 サイドウォール部
9 ブレーカー部
10 カーカス

Claims (15)

  1. ゴム成分Aを、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性樹脂、並びに、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性熱可塑性エラストマーからなる群より選択される少なくとも1種の変性ポリマーで伸展した変性ポリマー伸展ゴムを含むゴム組成物。
  2. 前記ゴム成分Aは、数平均分子量が15万以上である請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記官能基は、置換基を有してもよい、SiORで表される基(Rは水素原子又は炭化水素基)、アルコキシシリル基、アミノ基、水酸基、エポキシ基、及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 前記ゴム成分Aは、ガラス転移温度が-10℃以下である請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
  5. 前記変性樹脂の骨格を構成する樹脂は、C系樹脂、C-C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン-芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、及びアルキルフェノール系樹脂からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 前記変性熱可塑性エラストマーの骨格を構成する熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニルモノマーからなるブロックを有するものである請求項1~5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分Aは、シリカとの親和性を有する官能基を持つ変性ゴムを含む請求項1~6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分Aは、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムからなる群より選択される少なくとも1種を含む請求項1~7のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 前記変性ポリマー伸展ゴムは、有機溶媒中で重合して前記ゴム成分Aを作製し、重合後の溶液中に前記変性樹脂及び/又は前記変性熱可塑性エラストマーの溶液を加えて製造されるものである請求項1~8のいずれかに記載のゴム組成物。
  10. 全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量が20質量部以下である請求項1~9のいずれかに記載のゴム組成物。
  11. 全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量が10質量部以下である請求項1~9のいずれかに記載のゴム組成物。
  12. 全ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が30質量部以上である請求項1~11のいずれかに記載のゴム組成物。
  13. 全ゴム成分100質量部に対するシリカの含有量が80質量部以上である請求項1~11のいずれかに記載のゴム組成物。
  14. トレッドゴム層を備えたタイヤであって、
    前記トレッドゴム層は、タイヤの表面側に配された表面側トレッドゴム層と、前記表面側トレッドゴム層のタイヤ半径方向内側に配された内側トレッドゴム層とを少なくとも有し、
    前記表面側トレッドゴム層は、請求項1~13のいずれかに記載のゴム組成物からなり、
    前記内側トレッドゴム層は、前記ゴム組成物と異なるゴム組成物からなるタイヤ。
  15. 前記表面側トレッドゴム層を構成するゴム組成物及び前記内側トレッドゴム層を構成するゴム組成物は、全ゴム成分100質量部に対する液体可塑剤の含有量がいずれも20質量部以下である請求項14記載のタイヤ。
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